(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186905
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 326Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171086
(22)【出願日】2022-10-26
(62)【分割の表示】P 2019183541の分割
【原出願日】2019-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100143063
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 悟
(72)【発明者】
【氏名】串田 拓也
(57)【要約】
【課題】基板に搭載されている電子部品に対する不正行為を好適に抑制することが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】主制御基板61を収容する基板ボックス62には、主制御基板61に搭載されたコネクタCN1~CN4が挿通されるコネクタ挿通孔156~159が形成されている。コネクタCN1~CN4における下側起立壁部の下側の側面とコネクタ挿通孔156~159において当該下側の側面と対向する下側周縁部との間の距離が、当該コネクタCN1~CN4において当該コネクタCN1~CN4の本体部を挟んで下側起立壁部とは反対側に存在している上側起立壁部の上側の側面とコネクタ挿通孔156~159において当該上側の側面と対向する上側周縁部との間の距離よりも短い距離となるように、コネクタ挿通孔156~159に対するコネクタCN1~CN4の位置関係が設定されている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関する制御を行う制御基板と、
当該制御基板を収容する基板ボックスと、
を備えた遊技機において、
前記制御基板の所定板面に所定コネクタが搭載されており、
前記基板ボックスには前記所定コネクタへの信号伝送手段の接続を可能とするために当該所定コネクタが挿通される接続用開口部が形成されており、
前記所定コネクタにおける所定側面と前記接続用開口部において当該所定側面と対向する所定周縁部との間の距離が、前記所定コネクタにおいて当該所定コネクタの本体部を挟んで前記所定側面とは反対側に存在している特定側面と前記接続用開口部において当該特定側面と対向する特定周縁部との間の距離よりも短い距離となるように、前記接続用開口部に対する前記所定コネクタの位置関係が設定されていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてパチンコ機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ機は、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
【0003】
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
【0004】
これらの遊技機は、遊技の主たる制御を司る制御装置を備えており、当該制御装置は制御基板を備えている。制御基板は、プリント配線板にIC、抵抗及びコネクタなどの電子部品が実装されて構成されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記例示等のような遊技機においては、基板に対する不正行為を好適に抑制する必要があり、この点において未だ改良の余地がある。
【0007】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、基板に対する不正行為を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、遊技に関する制御を行う制御基板と、
当該制御基板を収容する基板ボックスと、
を備えた遊技機において、
前記制御基板の所定板面に所定コネクタが搭載されており、
前記基板ボックスには前記所定コネクタへの信号伝送手段の接続を可能とするために当該所定コネクタが挿通される接続用開口部が形成されており、
前記所定コネクタにおける所定側面と前記接続用開口部において当該所定側面と対向する所定周縁部との間の距離が、前記所定コネクタにおいて当該所定コネクタの本体部を挟んで前記所定側面とは反対側に存在している特定側面と前記接続用開口部において当該特定側面と対向する特定周縁部との間の距離よりも短い距離となるように、前記接続用開口部に対する前記所定コネクタの位置関係が設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板に対する不正行為を好適に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
【
図2】パチンコ機の主要な構成を分解して示す斜視図である。
【
図4】(a)~(j)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。
【
図5】(a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。
【
図6】遊技領域を流下した遊技球の排出に関する構成を説明するための説明図である。
【
図8】(a)主制御装置の正面図であり、(b)第5コネクタを拡大して示す主制御装置の正面図であり、(c)第6コネクタを拡大して示す主制御装置の正面図であり、(d)第7コネクタを拡大して示す主制御装置の正面図である。
【
図9】(a)主制御基板の素子搭載面を示す平面図であり、(b)コネクタ群搭載領域を拡大して示す主制御基板の平面図である。
【
図10】(a)第1コネクタの平面図であり、(b)第2コネクタの平面図であり、(c)第3コネクタの平面図であり、(d)第4コネクタの平面図である。
【
図11】(a)第1コネクタの周辺を拡大して示す
図8(a)のA-A線断面図であり、(b)第2コネクタの周辺を拡大して示す
図8(a)のB-B線断面図である。
【
図12】(a)第3コネクタの周辺を拡大して示す
図8(a)のC-C線断面図であり、(b)第4コネクタの周辺を拡大して示す
図8(a)のD-D線断面図である。
【
図13】主制御装置の正面側から見た斜視図である。
【
図14】主制御装置の正面側から見た分解斜視図である。
【
図15】主制御装置の背面側から見た分解斜視図である。
【
図16】(a)表ケース体の正面図であり、(b)裏ケース体の正面図である。
【
図17】(a)第1コネクタ及び第6コネクタを通る切断面(
図8(a)のE-E線)で切断した場合における主制御装置の縦断面図であり、(b)第1ガイド部を拡大して示す主制御装置の縦断面図であり、(c)第2ガイド部を拡大して示す主制御装置の縦断面図である。
【
図18】(a),(b)主制御装置を組み立てる工程において第1コネクタ及び第6コネクタを通る切断面(
図8(a)のE-E線)で切断した場合における主制御装置の縦断面図である。
【
図19】(a)第2ガイド部によって表ケース体が上方に案内される前の表側第1ケース固定ボスに形成された貫通孔と裏側第1ケース固定ボスに形成されたネジ孔との位置関係を説明するための説明図であり、(b)第2ガイド部によって表ケース体が上方に案内された後の表側第1ケース固定ボスに形成された貫通孔と裏側第1ケース固定ボスに形成されたネジ孔との位置関係を説明するための説明図である。
【
図20】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図21】MPUと各種電子機器との接続態様を示すブロック図である。
【
図22】第1コネクタの各端子の設定内容を説明するための説明図である。
【
図23】(a)第2コネクタの各端子の設定内容を説明するための説明図であり、(b)第3コネクタの各端子の設定内容を説明するための説明図であり、(c)第4コネクタの各端子の設定内容を説明するための説明図である。
【
図24】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
【
図25】(a)第1特図用の振分テーブルを説明するための説明図であり、(b)第2特図用の振分テーブルを説明するための説明図である。
【
図26】主側CPUにおけるメイン処理を示すフローチャートである。
【
図27】主側CPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図28】主側CPUにて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。
【
図29】払出側CPUにおける払出側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図30】主側CPUにおける払出状態受信処理を示すフローチャートである。
【
図31】主側CPUにおける払出出力処理を示すフローチャートである。
【
図32】主側CPUにおける特図特電制御処理を示すフローチャートである。
【
図33】主側CPUにおける特図変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図34】(a)第2の実施形態における主制御装置の正面図であり、(b)第5コネクタを拡大して示す主制御装置の正面図であり、(c)第6コネクタを拡大して示す主制御装置の正面図であり、(d)第7コネクタを拡大して示す主制御装置の正面図である。
【
図35】主制御装置の正面側から見た分解斜視図である。
【
図36】主制御装置の背面側から見た分解斜視図である。
【
図37】(a)第1コネクタの周辺を拡大して示す
図34(a)のA-A線断面図であり、(b)第2コネクタの周辺を拡大して示す
図34(a)のB-B線断面図である。
【
図38】(a)第3コネクタの周辺を拡大して示す
図34(a)のC-C線断面図であり、(b)第4コネクタの周辺を拡大して示す
図34(a)のD-D線断面図である。
【
図39】第1コネクタ及び第6コネクタを通る切断面(
図34(a)のE-E線)で切断した場合における主制御装置の縦断面図である。
【
図40】(a)第3の実施形態における主制御装置の正面図であり、(b)第1~第4コネクタ周辺を拡大して示す主制御装置の正面図である。
【
図41】主制御装置の正面側から見た分解斜視図である。
【
図42】主制御装置の背面側から見た分解斜視図である。
【
図43】(a)第1コネクタの周辺を拡大して示す
図40(a)のA-A線断面図であり、(b)第2コネクタの周辺を拡大して示す
図40(a)のB-B線断面図である。
【
図44】(a)第3コネクタの周辺を拡大して示す
図40(a)のC-C線断面図であり、(b)第4コネクタの周辺を拡大して示す
図40(a)のD-D線断面図である。
【
図45】(a)表ケース体の正面図であり、(b)裏ケース体の正面図である。
【
図46】(a)表ケース体が上方にスライドされる前の表側第1ケース固定ボスに形成された貫通孔と裏側第1ケース固定ボスに形成されたネジ孔との位置関係を説明するための説明図であり、(b)表ケース体が上方にスライドされた後の表側第1ケース固定ボスに形成された貫通孔と裏側第1ケース固定ボスに形成されたネジ孔との位置関係を説明するための説明図である。
【
図47】(a)第4の実施形態における主制御基板の素子搭載面を示す平面図であり、(b)MPUの一部を拡大して示す主制御基板の平面図である。
【
図48】(a)主制御基板の半田面を示す平面図であり、(b)
図48(a)のA-A線断面図である。
【
図49】主側CPUにて実行される不正検知処理を示すフローチャートである。
【
図50】第5の実施形態における電源遮断状態における不正行為を監視するための電気的な構成を説明するための説明図である。
【
図51】主側CPUにて実行される電源投入設定処理を示すフローチャートである。
【
図52】(a)第6の実施形態における主制御基板の素子搭載面を示す平面図であり、(b)MPUの一部を拡大して示す主制御基板の平面図である。
【
図53】(a)主制御基板の基板裏面を示す平面図であり、(b)
図53(a)のA-A線断面図である。
【
図54】(a)第7の実施形態における主制御基板の素子搭載面を示す平面図であり、(b)中央付近を拡大して示す主制御基板の平面図である。
【
図55】主側CPUにて実行される停電情報記憶処理を示すフローチャートである。
【
図56】(a)~(g)停電時処理が実行される様子を示すタイムチャートである。
【
図57】(a)第8の実施形態における主制御基板の素子搭載面を示す平面図であり、(b)中央付近を拡大して示す主制御基板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はパチンコ機10の斜視図、
図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、
図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0012】
パチンコ機10は、
図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0013】
遊技機本体12は、
図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0014】
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0015】
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
【0016】
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
【0017】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PAが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0018】
ここで、遊技盤24の構成を
図3に基づいて説明する。
図3は遊技盤24の正面図である。
【0019】
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(
図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
【0020】
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿55aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は操作ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
【0021】
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図ユニット37、普図ユニット38及びラウンド表示部39等がそれぞれ設けられている。
【0022】
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34については、入球が発生すると所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、第2作動口34への入球が発生した場合には、1個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
【0023】
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が少ないものの具体的な賞球個数が上記のものとは異なる構成としてもよく、第1作動口33と第2作動口34とで賞球個数を同一としてもよく、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
【0024】
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
【0025】
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
【0026】
第1作動口33及び第2作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。第1作動口33及び第2作動口34は共に上向きに開放されている。また、第1作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。
【0027】
第2作動口34よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。
【0028】
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
【0029】
なお、普図表示部38aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部38aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
【0030】
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0031】
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット37及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
【0032】
特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には、第1特図表示部37aと、第2特図表示部37bとが設けられている。第1特図表示部37aの表示領域は図柄表示装置41の表示面41aよりも狭く、同様に、第2特図表示部37bの表示領域は図柄表示装置41の表示面41aよりも狭い。さらに、第1特図表示部37aと第2特図表示部37bとを合わせた表示領域の面積も、表示面41aよりも狭い。
【0033】
第1特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部37bでは、第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
【0034】
なお、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
【0035】
特図ユニット37において、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bに隣接した位置には、第1特図保留表示部37c及び第2特図保留表示部37dが設けられている。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1特図保留表示部37cの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、遊技球が第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2特図保留表示部37dの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0036】
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
【0037】
図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞に基づき第1特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われるとともに、第2作動口34への入賞に基づき第2特図表示部37bにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置41では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する後述の開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
【0038】
図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、
図4及び
図5を参照して詳細に説明する。
図4(a)~(j)は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、
図5(a),(b)は図柄表示装置41の表示面41aにおける表示内容を説明するための説明図である。
【0039】
図4(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
【0040】
図5(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
【0041】
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面41aでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
【0042】
図5(b)に示すように、表示面41aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面41aには、
図5(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
【0043】
第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて表示面41aにおいて図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1~Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、内部抽選の結果が後述する4R高確大当たり結果、8R高確大当たり結果、12R高確大当たり結果A又は16R高確大当たり結果であった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の奇数図柄の組合せ又は同一の偶数図柄の組合せが形成され、内部抽選の結果が後述する8R低確大当たり結果、12R低確大当たり結果又は12R高確大当たり結果Bであった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組合せが形成される。また、内部抽選の結果が後述する5R高確大当たり結果又は小当たり結果であった場合には、いずれかの有効ライン上に所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
【0044】
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、いずれかの特図表示部37a,37b及び図柄表示装置41にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
【0045】
第1作動口33への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合にも、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。
【0046】
図3の説明に戻り、特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉32aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
【0047】
ラウンド表示部39には、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数が表示される。ここで、開閉実行モードには大当たり当選となった場合に発生するラウンド数規定モードと、小当たり当選となった場合に発生する開閉数規定モードとが存在している。ラウンド数規定モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される開閉実行モードである。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39では、そのラウンド遊技の回数の表示又はそれに対応した表示がなされる。また、このラウンド表示部39における表示は、開閉実行モードが開始される場合に開始され、開閉実行モードが終了されて新たな遊技回が開始される場合に終了される。一方、開閉数規定モードは、ラウンド遊技が設定されておらず、特電入賞装置32の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了される。開閉数規定モードにおいては、ラウンド表示部39は非表示状態が維持される。
【0048】
図6は、遊技領域PAを流下した遊技球の排出に関する構成を説明するための説明図である。
【0049】
既に説明したとおり、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球した遊技球は遊技領域PAから排出される。換言すれば、遊技球発射機構27から発射されて遊技領域PAに流入した遊技球は一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球することにより遊技領域PAから排出されることとなる。一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球した遊技球は遊技盤24の背面側に導かれる。
【0050】
遊技盤24の背面には、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのそれぞれに対応させて排出通路部42~48が形成されている。排出通路部42~48に流入した遊技球はその流入した排出通路部42~48を流下することにより、遊技盤24の背面側において遊技盤24の下端部に導かれ図示しない排出球回収部にて回収される。そして、排出球回収部にて回収された遊技球は、遊技ホールにおいてパチンコ機10が設置された島設備の球循環装置に排出される。
【0051】
各排出通路部42~48には遊技球を検知するための各種検知センサ42a~48aが設けられている。これら排出通路部42~48及び検知センサ42a~48aについて以下に説明する。一般入賞口31は既に説明したとおり4個設けられているため、それら4個のそれぞれに対応させて排出通路部42~44が存在している。この場合、最も左の一般入賞口31に対応する第1排出通路部42及びその右隣りの一般入賞口31に対応する第2排出通路部43のそれぞれに対しては1個ずつ検知センサ42a,43aが設けられている。具体的には、第1排出通路部42の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1入賞口検知センサ42aが設けられているとともに、第2排出通路部43の途中位置に検知範囲が存在するように第2入賞口検知センサ43aが設けられている。最も左の一般入賞口31に入球した遊技球は第1排出通路部42を通過する途中で第1入賞口検知センサ42aにて検知され、その右隣りの一般入賞口31に入球した遊技球は第2排出通路部43を通過する途中で第2入賞口検知センサ43aにて検知される。また、右側2個の一般入賞口31に対しては途中位置で合流するように形成された第3排出通路部44が設けられている。当該第3排出通路部44は、2個の一般入賞口31のそれぞれに対応する入口側領域を有しているとともに、それら入口側領域が途中で合流することで1個の出口側領域を有している。第3排出通路部44における出口側領域の途中位置に検知範囲が存在するように第3入賞口検知センサ44aが設けられている。右側2個のいずれかの一般入賞口31に入球した遊技球は第3排出通路部44を通過する途中で第3入賞口検知センサ44aにて検知される。
【0052】
特電入賞装置32に対応させて第4排出通路部45が存在している。第4排出通路部45の途中位置に検知範囲が存在するようにして特電検知センサ45aが設けられており、特電入賞装置32に入球した遊技球は第4排出通路部45を通過する途中で特電検知センサ45aにて検知される。第1作動口33に対応させて第5排出通路部46が存在している。第5排出通路部46の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1作動口検知センサ46aが設けられており、第1作動口33に入球した遊技球は第5排出通路部46を通過する途中で第1作動口検知センサ46aにて検知される。第2作動口34に対応させて第6排出通路部47が存在している。第6排出通路部47の途中位置に検知範囲が存在するようにして第2作動口検知センサ47aが設けられており、第2作動口34に入球した遊技球は第6排出通路部47を通過する途中で第2作動口検知センサ47aにて検知される。アウト口24aに対応させて第7排出通路部48が存在している。第7排出通路部48の途中位置に検知範囲が存在するようにしてアウト口検知センサ48aが設けられており、アウト口24aに入球した遊技球は第7排出通路部48を通過する途中でアウト口検知センサ48aにて検知される。
【0053】
なお、各種検知センサ42a~48aのうちいずれか1個の検知センサ42a~48aにて検知対象となった遊技球は他の検知センサ42a~48aの検知対象となることはない。また、スルーゲート35に対してもゲート検知センサ49aが設けられており、遊技領域PAを流下する途中でスルーゲート35を通過する遊技球はゲート検知センサ49aにて検知される。
【0054】
各種検知センサ42a~49aとしては、いずれも電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。また、各種検知センサ42a~49aは後述する主制御装置60と電気的に接続されており、各種検知センサ42a~49aの検知結果は主制御装置60に出力される。具体的には、各種検知センサ42a~49aは、遊技球を検知していない状況ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状況ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなくHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
【0055】
図2に示すように、上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、
図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル52を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
【0056】
窓部51の上方には表示発光部53が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部54が設けられている。また、窓部51の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部55と下側膨出部56とが上下に並設されている。上側膨出部55内側には上方に開口した上皿55aが設けられており、下側膨出部56内側には同じく上方に開口した下皿56aが設けられている。上皿55aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿56aは、上皿55a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0057】
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図7は内枠13の背面図であり、
図8(a)は主制御装置60の正面図であり、
図8(b)は主制御装置60が備えている第5コネクタCN5を拡大して示す主制御装置60の正面図であり、
図8(c)は主制御装置60が備えている第6コネクタCN6を拡大して示す主制御装置60の正面図であり、
図8(d)は主制御装置60が備えている第7コネクタCN7を拡大して示す主制御装置60の正面図である。なお、第5~第7コネクタCN5~CN7の詳細については後述する。
【0058】
図7に示すように、内枠13(具体的には遊技盤24)の背面には、主制御装置60及び音声発光制御装置70が搭載されている。
図8(a)に示すように、主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能(具体的には、後述するMPU63)と、電源を監視する機能(具体的には、後述する停電監視回路201)とを有する主制御基板61を具備している。主制御装置60は主制御基板61が基板ボックス62に収容されて構成されている。なお、主制御装置60の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
【0059】
音声発光制御装置70(
図7)は、主制御装置60からの指示に従いスピーカ部54(
図1)の音出力制御、表示発光部53(
図1)の発光制御、及び後述する表示制御装置の制御を行う音声発光制御基板(図示略)を具備している。音声発光制御装置70は音声発光制御基板が基板ボックス70a(
図7)に収容されて構成されている。
【0060】
図2に示すように、主制御装置60を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
【0061】
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿55a又は下皿56aに排出される。なお、払出機構部73には、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
【0062】
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源・発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0063】
裏パック72には、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74以外にも、外部端子板79が設けられている。外部端子板79は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板79は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うとともに、遊技ホールの管理コンピュータからパチンコ機10に所定の信号を入力するための基板である。管理コンピュータは、外部端子板79を通じて主制御装置60及び払出制御装置77から各種情報を受信する。
【0064】
<主制御装置60の構成>
次に、主制御装置60の構成について説明する。まず、主制御基板61の具体的な構成について説明する。
図9(a)は主制御基板61の素子搭載面61eを示す平面図である。なお、
図9(a)では主制御基板61の表面に形成されている配線パターンの図示を省略している。
【0065】
図9(a)に示すように、主制御基板61は横長矩形に形成されており、一対の長辺61a,61bと、一対の短辺61c,61dとを有している。主制御基板61は絶縁板であり、具体的には紙にフェノール樹脂を含浸させて製造された紙フェノール基板であるが、絶縁板であればこれに限定されることはなく、例えばガラス布にエポキシ樹脂を含浸させて製造されたガラスエポキシ基板であってもよい。
【0066】
主制御基板61の一方側の板面は、MPU63、第1~第7コネクタCN1~CN7及び各種素子91~94が搭載された素子搭載面61eとなっている。主制御基板61は、素子搭載面61eと、主制御基板61における素子搭載面61eとは反対側の板面である基板裏面とに配線パターンが形成されている両面基板である。なお、主制御基板61は、両面基板に限定されることはなく、配線パターンが主制御基板61の一方の板面のみに形成されている片面基板であってもよい。
【0067】
主制御基板61における一方の長辺61a側(
図9(a)における上側)には、第1コネクタCN1、第2コネクタCN2、第3コネクタCN3及び第4コネクタCN4が搭載されているコネクタ群搭載領域88が設けられている。
図9(b)はコネクタ群搭載領域88を拡大して示す主制御基板61の平面図である。第1コネクタCN1は主制御基板61と、払出制御装置77、電源・発射制御装置78及び外部端子板79とを電気的に接続するためのコネクタであり、第2コネクタCN2は主制御基板61と第1作動口検知センサ46aとを電気的に接続するためのコネクタであり、第3コネクタCN3は主制御基板61と第2作動口検知センサ47aとを電気的に接続するためのコネクタであり、第4コネクタCN4は主制御基板61と、第1入賞口検知センサ42a、第2入賞口検知センサ43a、第3入賞口検知センサ44a、特電検知センサ45a、アウト口検知センサ48a及びゲート検知センサ49aなどの電子部品を電気的に接続するためのコネクタである。なお、第1~第4コネクタCN1~CN4と各種電子部品との接続態様の詳細については後述する。
【0068】
第1~第4コネクタCN1~CN4は主制御基板61における一方の長辺61aに沿って1列で並んでおり、コネクタ群搭載領域88は当該長辺61aに沿って延びている。
図9(a)に示すように、主制御基板61における他方の長辺61b側(
図9(a)における下側)には、パチンコ機10が遊技ホールに設置されるよりも前に行われる試射試験において外部装置である試射試験装置(図示略)に接続される第5コネクタCN5が搭載された第5コネクタ搭載領域85aと、各種表示部(具体的には、第1特図表示部37a、第2特図表示部37b、普図表示部38a及びラウンド表示部39)に接続される第6コネクタCN6が搭載された第6コネクタ搭載領域86aと、音声発光制御装置70に接続される第7コネクタCN7が搭載された第7コネクタ搭載領域87aとが設けられている。
【0069】
主制御基板61には、コネクタ群搭載領域88及び第5~第7コネクタ搭載領域85a~87aの他に、抵抗91、コンデンサ92、トランジスタ93及びIC94などの表面実装部品が多数装着されている素子搭載領域89が設けられている。図示は省略するが、主制御基板61の素子搭載面61eには、コネクタCN1~CN4と各種素子91~94とを電気的に接続するための配線パターン、及び各種素子91~94同士を電気的に接続するための配線パターンが形成されている。これらの配線パターンは、銅製であり、表面に露出しないように絶縁体のレジストにより被覆されている。なお、これらの配線パターンは、導電性を有していれば銅製に限定されることはなく、金などの他の金属製であってもよい。
【0070】
次に、第1~第4コネクタCN1~CN4の構成について説明する。
図10(a)は第1コネクタCN1の平面図であり、
図10(b)は第2コネクタCN2の平面図であり、
図10(c)は第3コネクタCN3の平面図であり、
図10(d)は第4コネクタCN4の平面図である。また、
図11(a)は第1コネクタCN1の周辺を拡大して示す
図8(a)のA-A線断面図であり、
図11(b)は第2コネクタCN2の周辺を拡大して示す
図8(a)のB-B線断面図であり、
図12(a)は第3コネクタCN3の周辺を拡大して示す
図8(a)のC-C線断面図であり、
図12(b)は第4コネクタCN4の周辺を拡大して示す
図8(a)のD-D線断面図である。
【0071】
第1~第4コネクタCN1~CN4は雌型コネクタであり、当該第1~第4コネクタCN1~CN4には対応する雄型コネクタ(図示略)が接続される。
図10(a)~(d)、
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)に示すように、第1~第4コネクタCN1~CN4は、横長の略直方体形状に形成された樹脂製のハウジング101~104と、L字に成形された金属製の屈曲片である端子111~116とを備えている。ハウジング101~104は電気絶縁性であるとともに、端子111~116は導電性を有している。
【0072】
図10(a)~
図10(d)に示すように、第1~第4ハウジング101~104は、四角形状の底板部101a~104aと、当該底板部101a~104aの上縁部、下縁部、左縁部及び右縁部を当該底板部101a~104aから垂直に起立させて一体形成された上側起立壁部101b~104b、下側起立壁部101c~104c、左側起立壁部101d~104d及び右側起立壁部101e~104eとを備えている。第1~第4ハウジング101~104には、これら底板部101a~104a及び起立壁部101b~104b,101c~104c,101d~104d,101e~104eにより、第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタ(図示略)を受け入れ可能とする受入部101f~104fが形成されている。
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)に示すように、受入部101f~104fは主制御基板61の素子搭載面61eが向く方向(
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)における右方)に向けて開放されている。ハウジング101~104は、全体として主制御基板61の素子搭載面61eが向く方向に開放された四角箱形状である。
【0073】
底板部101a~104aには、端子111~116が挿通される挿通孔101g~104gが形成されている。L字に成形された各端子111~116の一方の端部は、第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタの端子(図示略)と電気的に接触する接触部111a~116aであるとともに、当該L字の他方の端部は端子111~116を主制御基板61に固定するための固定部111b~116bである。
【0074】
接触部111a~116aは、底板部101a~104aから受入部101f~104fの自由端近傍の位置まで垂直に延びている。固定部111b~116bは、底板部101a~104aと主制御基板61との間に存在しており、所定の長さ寸法(具体的には略2mmの長さ寸法)を有している。
【0075】
固定部111b~116bは、略全体が素子搭載面61eに設けられた金属製(具体的には銅製)のランド98に半田付けされることにより主制御基板61に固定されている。これにより、各端子111~116は素子搭載面61eに形成されている配線パターン(図示略)と電気的に接続されている。固定部111b~116bの半田付けは、リフローソルダリング等の表面実装技術によって行われている。
【0076】
図10(a)に示すように、第1コネクタCN1は、当該第1コネクタCN1の長手方向を配列方向として接触部111aが等間隔(具体的には、隣接する接触部111aの中心間の距離が2.54mmとなる間隔)で1列に並んでいる17個の一端側端子111と、当該長手方向を配列方向として接触部112aが等間隔(具体的には、隣接する接触部112aの中心間の距離が2.54mmとなる間隔)で1列に並んでいる17個の他端側端子112とを備えている。一端側端子111の列と他端側端子112の列とは、第1コネクタCN1の短手方向に所定の間隔(具体的には、接触部111a,112aの中心間の距離が2.54mmとなる間隔)を置いて配置されており、一端側端子111の列は当該短手方向の一端側(下側起立壁部101c側)に配置されているとともに、他端側端子112の列は当該短手方向の他端側(上側起立壁部101b側)に配置されている。
【0077】
図11(a)に示すように、一端側端子111の固定部111bは、第1ハウジング101の短手方向における中央よりも下寄り(下側起立壁部101c寄り)の位置から下方(第1方向D1)へ延びており、下側起立壁部101cと後述する第1コネクタ挿通孔156の下側周縁部156bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)に示すように、第1方向D1は、第1~第4コネクタCN1~CN4の短手方向において上側起立壁部101b~104bから下側起立壁部101c~104cに向かう方向である。一方、
図11(a)に示すように、他端側端子112の固定部112bは、第1ハウジング101の短手方向における中央よりも上寄り(上側起立壁部101b寄り)の位置から上方(第1方向D1とは逆の第2方向D2)へ延びており、上側起立壁部101bと後述する第1コネクタ挿通孔156の上側周縁部156aとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0078】
図10(b)に示すように、第2コネクタCN2は、当該第2コネクタCN2の短手方向における中央に配置された2個の端子113を備えている。これら2個の端子113は、第2コネクタCN2の長手方向に所定の間隔(具体的には、接触部113aの中心間の距離が2.54mmとなる間隔)を置いて配置されている。
図11(b)に示すように、これら2個の端子113の固定部113bは、第2ハウジング102の短手方向における中央の位置から下方(第1方向D1)へ延びており、下側起立壁部102cと後述する第2コネクタ挿通孔157の下側周縁部157bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0079】
図10(c)に示すように、第3コネクタCN3は、当該第3コネクタCN3の短手方向における中央に配置された2個の端子114を備えている。これら2個の端子114は、第3コネクタCN3の長手方向に所定の間隔(具体的には、接触部114aの中心間の距離が2.54mmとなる間隔)を置いて配置されている。
図12(a)に示すように、これら2個の端子114の固定部114bは、第3ハウジング103の短手方向における中央の位置から下方(第1方向D1)へ延びており、下側起立壁部103cと後述する第3コネクタ挿通孔158の下側周縁部158bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0080】
図10(d)に示すように、第4コネクタCN4は、当該第4コネクタCN4の長手方向を配列方向として接触部115aが等間隔(具体的には、隣接する接触部115aの中心間の距離が2.54mmとなる間隔)で1列に並んでいる10個の一端側端子115と、当該長手方向を配列方向として接触部116aが等間隔(具体的には、隣接する接触部116aの中心間の距離が2.54mmとなる間隔)で1列に並んでいる10個の他端側端子116とを備えている。一端側端子115の列と他端側端子116の列とは、第4コネクタCN4の短手方向に所定の間隔(具体的には、接触部115a,116aの中心間の距離が2.54mmとなる間隔)を置いて配置されており、一端側端子115の列は当該短手方向の一端側(
図10(d)における第1方向D1の端側)に配置されているとともに、他端側端子116の列は当該短手方向の他端側(
図10(d)における第2方向D2の端側)に配置されている。
【0081】
図12(b)に示すように、一端側端子115の固定部115bは、第4ハウジング104の短手方向における中央よりも下寄り(下側起立壁部104c寄り)の位置から下方(第1方向D1)へ延びており、下側起立壁部104cと後述する第4コネクタ挿通孔159の下側周縁部159bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。一方、他端側端子116の固定部116bは、第4ハウジング104の短手方向における中央よりも上寄り(上側起立壁部104b寄り)の位置から上方(第2方向D2)へ延びており、上側起立壁部104bと後述する第4コネクタ挿通孔159の上側周縁部159aとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0082】
既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4は、主制御基板61の一方の長辺61aに沿って1列に並ぶ態様で、コネクタ群搭載領域88に搭載されている。
図9(a)及び
図9(b)に示すように、第1~第4コネクタCN1~CN4がコネクタ群搭載領域88に搭載された状態において、第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3の端子114及び第4コネクタCN4の一端側端子115の固定部111b,113b~115bは、第1方向D1(
図9(b)における下方向)に向かって延びている。また、第1コネクタCN1及び第4コネクタCN4の他端側端子112,116の固定部112b,116bは、当該第1方向D1とは逆の第2方向D2(
図9(b)における上方向)に向かって延びている。なお、第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3の端子114及び第4コネクタCN4の一端側端子115の固定部111b,113b,114b,115bが同一の方向に向かって延びる態様であれば、主制御基板61の素子搭載面61e上で第1~第4コネクタCN1~CN4が1列となるように配置されている構成に限定されることはなく、第1~第4コネクタCN1~CN4が2列以上となるように配置されている構成としてもよい。
【0083】
図10(a)~
図10(d)に示すように、下側起立壁部101c~104cには、第1~第4コネクタCN1~CN4に対して当該第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタ(図示略)が接続された状態となった場合に、当該雄型コネクタが外れてしまうことを防止して当該接続状態を維持するための係止受部101h~104hが一体形成されている。係止受部101h~104hは、第1~第4コネクタCN1~CN4の長手方向における中央付近に設けられている。
【0084】
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)に示すように、係止受部101h~104hは、下側起立壁部101c~104cの起立先側(自由端側)に所定の範囲に亘って形成されている。一方、下側起立壁部101c~104cの基端側(底板部101a~104a側)には係止受部101h~104hが存在しておらず、当該基端側は平滑な平面となっている。係止受部101h~104hは、下側起立壁部101c~104cから下方に略1mm突出している。第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタは、第1~第4コネクタCN1~CN4に差し込まれて当該第1~第4コネクタCN1~CN4に接続された場合に、係止受部101h~104hと係合する係止突起(図示略)と、係合状態を解除するために操作される解除操作片(図示略)とを備えている。解除操作片が操作されることにより、係止突起が係止受部101h~104hから離間する方向へ変位して係止突起と係止受部101h~104hとの係合が解除される。これにより、雄型コネクタを第1~第4コネクタCN1~CN4から引き抜くことが可能となる。
【0085】
図8(b)~
図8(d)に示すように、第5~第7コネクタCN5~CN7は、第1~第4コネクタCN1~CN4と同様に、横長の略直方体形状に形成された樹脂製の第5~第7ハウジング95a~97aと、L字に成形された金属製の屈曲片である端子95b~97bとを備えている。
【0086】
第5~第7コネクタCN5~CN7は雌型コネクタであり、当該第5~第7コネクタCN5~CN7には対応する雄型コネクタ(図示略)が接続される。第5~第7ハウジング95a~97aは、上述した第1~第4ハウジング101~104と同様に、底板部95c~97c、上側起立壁部95d~97d、下側起立壁部95e~97e、左側起立壁部95f~97f及び右側起立壁部95g~97gを備えており、これら底板部95c~97c及び起立壁部95d~97d,95e~97e,95f~97f,95g~97gにより、第5~第7コネクタCN5~CN7に対応する雄型コネクタ(図示略)を受け入れ可能とする受入部95h~97hが形成されている。受入部95h~97hは主制御基板61の素子搭載面61eが向く方向に向けて開放されている。ハウジング95a~97aは、全体として主制御基板61の素子搭載面61eが向く方向に開放された四角箱形状である。
【0087】
下側起立壁部95e~97eには、第5~第7コネクタCN5~CN7に対して当該第5~第7コネクタCN5~CN7に対応する雄型コネクタ(図示略)が接続された状態となった場合に、当該雄型コネクタが外れてしまうことを防止して当該接続状態を維持するための係止受部95j~97jが一体形成されている。係止受部95j~97jは、第5~第7コネクタCN5~CN7の長手方向における中央付近に設けられている。係止受部95j~97jは、下側起立壁部95e~97eの起立先側に所定の範囲に亘って形成されている。一方、下側起立壁部95e~97eの基端側(底板部95c~97c側)には係止受部95j~97jが存在しておらず、当該基端側は平滑な平面となっている。係止受部95j~97jは、下側起立壁部95e~97eから下方に略1mm突出している。
【0088】
第5~第7コネクタCN5~CN7に対応する雄型コネクタは、第5~第7コネクタCN5~CN7に差し込まれて当該第5~第7コネクタCN5~CN7に接続された場合に、係止受部95j~97jと係合する係止突起(図示略)と、係合状態を解除するために操作される解除操作片(図示略)とを備えている。解除操作片が操作されることにより、係止突起が係止受部95j~97jから離間する方向へ変位して係止突起と係止受部95j~97jとの係合が解除される。これにより、雄型コネクタを第5~第7コネクタCN5~CN7から引き抜くことが可能となる。
【0089】
次に、主制御基板61を収容する基板ボックス62の構成について説明する。
図13は主制御装置60の正面側から見た斜視図であり、
図14は主制御装置60の正面側から見た分解斜視図であり、
図15は主制御装置60の背面側から見た分解斜視図である。なお、
図14及び
図15では、主制御基板61に搭載されている第1~第7コネクタCN1~CN7などの電子部品の図示を省略している。
【0090】
図13~
図15に示すように、基板ボックス62は、主制御基板61の素子搭載面61e(
図14)側を覆う表ケース体121と、主制御基板61における素子搭載面61eとは反対側の板面である基板裏面61f(
図15)側を覆う裏ケース体122とを備えている。これら表ケース体121及び裏ケース体122は、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されている。これにより、基板ボックス62内に収容された主制御基板61の素子搭載面61e及び基板裏面61fを基板ボックス62の外部から視認することが可能となっている。なお、表ケース体121及び裏ケース体122を形成する材料は透明のポリカーボネート樹脂に限定されることはなく、透明のアクリル樹脂であってもよく、さらには有色透明であってもよい。
【0091】
図16(a)は表ケース体121の正面図であり、
図16(b)は裏ケース体122の正面図である。
図14及び
図16(b)に示すように、裏ケース体122は、主制御基板61の基板裏面61f(
図15)と対向する横長矩形で略板状に形成された裏側対向板部123を備えている。裏側対向板部123は、主制御基板61と対向する基板対向面123aを有している。裏側対向板部123には、基板対向面123aの上下の長辺部を主制御基板61側に突出させて上下一対の上側区画壁124及び下側区画壁125が一体形成されている。また、裏側対向板部123には、基板対向面123aの左側短辺部における上部及び下部を主制御基板61側に突出させて左側第1区画壁126及び左側第2区画壁127が一体形成されているとともに、基板対向面123aの右側短辺部における上部及び下部を主制御基板61側に突出させて右側第1区画壁128及び右側第2区画壁129が一体形成されている。
【0092】
上側区画壁124と下側区画壁125とは縦方向に所定の間隔を置いて対向している。また、左側第1区画壁126及び左側第2区画壁127と右側第1区画壁128及び右側第2区画壁129とは横方向に所定の間隔を置いて対向している。裏ケース体122には、裏側対向板部123及びこれらの区画壁124~129により表ケース体121の背面側の一部を収容可能とする裏側収容部131が設けられている。
【0093】
裏側対向板部123には、基板対向面123aの左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部に、主制御基板61を裏ケース体122に固定するために用いられる円柱状の基板固定ボス132~135が一体形成されている。基板固定ボス132~135は、基板対向面123aから主制御基板61側に突出しており、当該基板固定ボス132~135の自由端には主制御基板61をネジ固定可能とするネジ孔132a~135a(
図16(b))が形成されている。また、主制御基板61の正面視における左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部には、当該主制御基板61を基板固定ボス132~135にネジ止め可能とする基板固定貫通孔136~139が形成されている。これら4つの基板固定貫通孔136~139は、上述した4つの基板固定ボス132~135に対して1対1で対応させて設けられている。主制御基板61は、素子搭載面61e側から基板固定ボス132~135にネジ固定されることにより裏ケース体122の正面側に固定される。これにより、主制御基板61が裏ケース体122に一体化された状態となる。当該状態において、主制御基板61の基板裏面61f(
図15)は奥行き方向(前後方向)に所定の間隔を置いて基板対向面123aと対向している。
【0094】
図14及び
図16(a)に示すように、表ケース体121は、主制御基板61の素子搭載面61eに搭載されているMPU63(
図9(a))及び各種素子91~94(
図9(a))を挟んで当該素子搭載面61eと対向する横長矩形の表側対向板部141を備えている。
図15に示すように、表側対向板部141は、素子搭載面61e(
図14)と対向する素子対向面141aを有している。表側対向板部141には、素子対向面141aの上下の長辺部を背面側(裏ケース体122側)に起立させて上下一対の上側起立壁142及び下側起立壁143が一体形成されているとともに、素子対向面141aの左右の短辺部を背面側(裏ケース体122側)に起立させて左右一対の左側起立壁144及び右側起立壁145が一体形成されている。上側起立壁142及び下側起立壁143は縦方向に所定の間隔を置いて対向しているとともに、左側起立壁144及び右側起立壁145は横方向に所定の間隔を置いて対向している。表ケース体121には、表側対向板部141及びこれらの起立壁142~145により背面側に開放された略直方体形状の基板収容部146が設けられており、主制御基板61を収容可能となっている。
【0095】
図14及び
図16(a)に示すように、表側対向板部141において主制御基板61のコネクタ群搭載領域88に対向する位置には、第1~第4コネクタCN1~CN4(
図9(b))を主制御装置60の表面に露出させるためのコネクタ群対応凹部155が形成されている。
図14に示すように、コネクタ群対応凹部155は、表側対向板部141を主制御基板61に向けて凹ませて形成されている。
図16(a)に示すように、コネクタ群対応凹部155は、当該コネクタ群対応凹部155の底部に主制御基板61の素子搭載面61e(
図9(a))と対向する横長矩形のコネクタ群対応板部155aを備えている。コネクタ群対応板部155aは、素子搭載面61eにおいて第1~第4コネクタCN1~CN4(
図9(a))が搭載されているコネクタ群搭載領域88(
図9(a))の略全体を覆う。
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)に示すように、コネクタ群対応板部155aは、素子搭載面61eと前後方向(
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)における左右方向)に所定の間隔(具体的には略1.5mmの間隔)を置いて対向しており、主制御基板61とコネクタ群対応板部155aとの間には第1~第4コネクタCN1~CN4の端子111~116の固定部111b~116bが存在している。これら固定部111b~116bとコネクタ群対応板部155aとの間には、若干の遊びが存在している。
【0096】
図8(a)~
図8(d)及び
図16(a)に示すように、コネクタ群対応板部155aには、当該コネクタ群対応板部155aを板厚方向に貫通させて、第1コネクタCN1、第2コネクタCN2、第3コネクタCN3及び第4コネクタCN4が挿通される第1コネクタ挿通孔156、第2コネクタ挿通孔157、第3コネクタ挿通孔158及び第4コネクタ挿通孔159が形成されている。これら第1~第4コネクタ挿通孔156~159は横長矩形の貫通孔である。第1~第4コネクタCN1~CN4は、対応するコネクタ挿通孔156~159に挿通されることにより、主制御装置60の表面に露出した状態となり、当該第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタ(図示略)を受け入れ可能となる。
【0097】
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)に示すように、第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159aから下側周縁部156b~159bまでの縦寸法は、対応する第1~第4コネクタCN1~CN4における上側起立壁部101b~104bの上端から係止受部101h~104hの下端までの寸法よりも略1mm大きく設定されている。このため、第1~第4コネクタCN1~CN4を対応するコネクタ挿通孔156~159に挿通することができる。当該第1~第4コネクタ挿通孔156~159の当該縦寸法は、対応する第1~第4コネクタCN1~CN4における上側起立壁部101b~104bの上端から下側起立壁部101c~104cの下端までの寸法よりも略2mm大きい。このため、第1~第4コネクタCN1~CN4が対応するコネクタ挿通孔156~159に挿通された状態で、上側起立壁部101b~104bとコネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159aとの間、及び下側起立壁部101c~104cとコネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間には、合計で略2mmの遊びが生じる。
【0098】
図14及び
図16(a)に示すように、表側対向板部141において主制御基板61の第5~第7コネクタ搭載領域85a~87aに対向する位置には、第5コネクタCN5、第6コネクタCN6及び第7コネクタCN7を主制御装置60の表面に露出させるための第5コネクタ対応凹部161、第6コネクタ対応凹部162及び第7コネクタ対応凹部163が形成されている。
図13に示すように、これら第5~第7コネクタ対応凹部161~163は、表側対向板部141を主制御基板61に向けて凹ませて形成されている。第5~第7コネクタ対応凹部161~163は、当該第5~第7コネクタ対応凹部161~163の底部に主制御基板61の素子搭載面61e(
図14)と対向する横長矩形の第5コネクタ対応板部161a、第6コネクタ対応板部162a及び第7コネクタ対応板部163aを備えている。
【0099】
図8(a)~
図8(d)及び
図16(a)に示すように、第5コネクタ対応板部161aには当該第5コネクタ対応板部161aを板厚方向に貫通させて第5コネクタCN5が挿通される第5コネクタ挿通孔164が形成されており、第6コネクタ対応板部162aには当該第6コネクタ対応板部162aを板厚方向に貫通させて第6コネクタCN6が挿通される第6コネクタ挿通孔165が形成されており、第7コネクタ対応板部163aには当該第7コネクタ対応板部163aを板厚方向に貫通させて第7コネクタCN7が挿通される第7コネクタ挿通孔166が形成されている。これら第5~第7コネクタ挿通孔164~166は横長矩形の貫通孔である。第5~第7コネクタCN5~CN7は、対応するコネクタ挿通孔164~166に挿通されることにより主制御装置60の表面に露出した状態となり、当該第5~第7コネクタCN5~CN7に対応する雄型コネクタ(図示略)を受け入れ可能となる。
【0100】
図8(b)~
図8(d)に示すように、第5~第7コネクタ挿通孔164~166の縦寸法は、対応する第5~第7コネクタCN5~CN7における上側起立壁部95d~97dの上端から係止受部95j~97jの下端までの寸法よりも略2mm大きく設定されている。このため、第5~第7コネクタCN5~CN7を対応するコネクタ挿通孔164~166に挿通することができる。当該第5~第7コネクタ挿通孔164~166の縦寸法は、対応する第5~第7コネクタCN5~CN7における上側起立壁部95d~97dの上端から下側起立壁部101c~104cの下端までの寸法よりも略3mm大きい。このため、第5~第7コネクタCN5~CN7が対応するコネクタ挿通孔164~166に挿通された状態で、上側起立壁部95d~97dとコネクタ挿通孔164~166の上側周縁部164a~166aとの間、及び下側起立壁部95e~97eとコネクタ挿通孔164~166の下側周縁部164b~166bとの間には、合計で略3mmの遊びが生じる。
【0101】
上記のように、第1~第7コネクタ挿通孔156~159,164~166は、対応するコネクタCN1~CN7よりもひと回り大きく形成されている。これにより、主制御装置60を組み立てる工程において第1~第7コネクタCN1~CN7を対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通する作業が容易化されている。
【0102】
次に、主制御装置60を組み立てるための構成について説明する。主制御装置60を組み立てる工程では、既に説明したとおり、主制御基板61は裏ケース体122にネジ固定される。その後、表ケース体121は、主制御基板61の素子搭載面61eを覆うようにして裏ケース体122に組み合わせられる。
【0103】
図15及び
図16(a)に示すように、表側対向板部141には、素子対向面141aの四隅(左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部)に、表ケース体121を主制御基板61が一体化された裏ケース体122に組み合わせる際の位置調整に用いられる位置調整ボス171~174が一体形成されている。
図15に示すように、位置調整ボス171~174は、素子対向面141aから主制御基板61に向かう方向に突出するようにして、円柱形状に形成されている。主制御基板61の四隅(左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部)には、当該位置調整ボス171~174を挿通可能とするボス挿通孔175~178が形成されている。
【0104】
主制御装置60を組み立てる工程では、主制御基板61が裏ケース体122にネジ固定された後、主制御基板61のボス挿通孔175~178に対して、当該ボス挿通孔175~178に対応する位置調整ボス171~174の自由端が挿通される。その後、表ケース体121は位置調整ボス171~174に案内されながら裏側対向板部123に向けてスライドされる。これにより、位置調整ボス171~174は主制御基板61を貫いて裏ケース体122側に突出する。既に説明したとおり、主制御基板61が基板固定ボス132~135にネジ固定された状態において、主制御基板61と裏側対向板部123との間には所定の間隔が設けられている。このため、位置調整ボス171~174を主制御基板61よりも裏側対向板部123側に突出させることができる。
【0105】
図8(a)に示すように、ボス挿通孔175~178の横寸法は、ボス挿通孔175~178に位置調整ボス171~174が挿通された状態において表ケース体121の横方向の移動が規制されるように、位置調整ボス171~174の直径よりも若干大きく設定されている。ボス挿通孔175~178は、主制御基板61の短辺61c,61dに沿って縦に延びる長孔である。ボス挿通孔175~178の縦寸法は、ボス挿通孔175~178に位置調整ボス171~174が挿通された状態において、表ケース体121の上下方向への略1mmの移動が許容されるように、位置調整ボス171~174の直径よりも略1mm大きく設定されている。
【0106】
図17(a)は第1コネクタCN1及び第6コネクタCN6を通る切断面(
図8(a)のE-E線)で切断した場合における主制御装置60の縦断面図である。
図17(a)に示すように、裏ケース体122の上側区画壁124には、位置調整ボス171~174に案内されながら裏側対向板部123に向けてスライドされる表ケース体121を下方に案内する第1ガイド部181が一体形成されている。第1ガイド部181は、上側区画壁124において裏側対向板部123とは反対側に設けられており、上側区画壁124の下側平面から下方に突出している。既に説明したとおり、表ケース体121の上側起立壁142は表側対向板部141から裏ケース体122に向かって起立している。当該上側起立壁142には、起立先の端部を上方に突出させて上側外縁部151が一体形成されている。
【0107】
図17(b)は第1ガイド部181を拡大して示す主制御装置60の縦断面図である。
図17(b)に示すように、第1ガイド部181は、裏側対向板部123に向けてスライドされる表ケース体121の上側外縁部151と接触して当該表ケース体121を徐々に下方に案内する第1案内面181aと、表ケース体121が下方に案内された状態を維持する第2案内面181bとを備えている。第1案内面181aは、後方(裏側対向板部123側)に向かって下方に傾斜している傾斜面である。表ケース体121は、第1案内面181aによって略1mm下方に案内される。第2案内面181bは、上側区画壁124の下側平面よりも略1mm下方に存在している水平面である。表ケース体121は上側外縁部151が第2案内面181bに接触している間、上側区画壁124の下側平面よりも略2mm下方に案内されている状態に維持される。
【0108】
図17(a)に示すように、裏ケース体122の下側区画壁125には、位置調整ボス171~174に案内されながら裏側対向板部123に向けてスライドされる表ケース体121を上方に案内する第2ガイド部182が一体形成されている。第2ガイド部182は、第1ガイド部181により下方に案内された状態の表ケース体121を上方に案内すべく、第1ガイド部181よりも裏側対向板部123側に設けられており、下側区画壁125の上側平面から上方に突出している。既に説明したとおり、下側起立壁143は表側対向板部141から裏ケース体122に向かって起立している。当該下側起立壁143には、起立先の端部を下方に突出させて下側外縁部152が一体形成されている。
【0109】
図17(c)は第2ガイド部182を拡大して示す主制御装置60の縦断面図である。
図17(c)に示すように、第2ガイド部182は、裏側対向板部123に向けてスライドされる表ケース体121の下側外縁部152と接触して当該表ケース体121を徐々に上方に案内する第1案内面182aと、表ケース体121が上方に案内された状態で表ケース体121を裏ケース体122に固定することを可能とするために上方に案内された状態を維持する第2案内面182bとを備えている。第1案内面182aは、後方(裏側対向板部123側)に向かって上方に傾斜している傾斜面である。表ケース体121は、第1案内面182aによって略1mm上方に案内される。第2案内面182bは、下側区画壁125の上側平面よりも略1mm上方に存在している水平面である。表ケース体121は下側外縁部152が第2案内面182bに接触している間、下側区画壁125の上側平面よりも略1mm上方に案内されている状態に維持される。
【0110】
第2ガイド部182は、表ケース体121の上側外縁部151が第1ガイド部181と接触している状態が解消された後に当該表ケース体121の下側外縁部152と接触する位置に設けられている。このため、表ケース体121は、第1ガイド部181によって下方に案内された後、第1ガイド部181及び第2ガイド部182のいずれにも接触していない状態となり、その後に第2ガイド部182によって上方に案内される。
【0111】
ここで、主制御基板61が一体化された裏ケース体122に対して表ケース体121を組み合わせて固定する工程の流れについて、
図17(a)~
図17(c)、
図18(a)及び
図18(b)を参照しながら説明する。
図18(a)及び
図18(b)は主制御装置60を組み立てる工程において第1コネクタCN1及び第6コネクタCN6を通る切断面(
図8(a)のE-E線)で切断した場合における主制御装置60の縦断面図である。
【0112】
図18(a)に示すように、位置調整ボス171~174(
図15)がボス挿通孔175~178(
図15)に挿通されている状態において、表ケース体121を裏側対向板部123に向けてスライドさせることにより、当該位置調整ボス171~174に案内されながら表ケース体121を主制御基板61が一体化された裏ケース体122に組み合わせることができる。表ケース体121が裏側対向板部123に向けてスライドされる過程において、表ケース体121の上側起立壁142、上側外縁部151、下側起立壁143、下側外縁部152、左側起立壁144(
図15)及び右側起立壁145(
図15)は、主制御基板61と、裏ケース体122の上側区画壁124、下側区画壁125、左側第1区画壁126(
図14)、左側第2区画壁127(
図14)、右側第1区画壁128(
図14)及び右側第2区画壁129(
図14)との間に入り込む。そして、表ケース体121の上側外縁部151が裏ケース体122の上側区画壁124に設けられている第1ガイド部181に接触する。
【0113】
その後、表ケース体121は、第1ガイド部181の第1案内面181aに沿って徐々に下方に案内され、第2案内面181bによって当該下方に案内された状態が維持される。既に説明したとおり、ボス挿通孔175~178は主制御基板61の短手方向に延びる長孔として形成されている。このため、位置調整ボス171~174がボス挿通孔175~178に挿通されている状態において表ケース体121を裏側対向板部123に向けてスライドさせることにより、表ケース体121の横方向の移動を規制しながら、ボス挿通孔175~178の形状により許容される範囲内において表ケース体121を第1ガイド部181によって下方に案内することが可能となっている。
【0114】
第1ガイド部181によって表ケース体121が下方に案内されることにより、当該表ケース体121に対する主制御基板61の位置が上方に移動するとともに、第1~第7コネクタ挿通孔156~159,164~166(
図8(a))に対する第1~第7コネクタCN1~CN7(
図8(a))の位置が上方に移動する。
図18(b)に示すように、表ケース体121が第1ガイド部181によって下方に案内された状態において、第1~第7コネクタCN1~CN7(
図8(a))は、対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166(
図8(a))の上下方向における中央に位置している。
【0115】
図18(b)に示すように、第1ガイド部181の第2案内面181b(
図17(b))によって表ケース体121が下方に案内されている状態で、表ケース体121をさらに裏側対向板部123に向けてスライドさせると、第2案内面181bによって表ケース体121が下方に案内された状態が維持されたまま、すなわち第1~第7コネクタCN1~CN7(
図8(a))が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166(
図8(a))の上下方向における中央に位置している状態のまま、第1~第7コネクタCN1~CN7の自由端側の一部が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通された状態とすることができる。
【0116】
当該状態において、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159aとの間に存在している遊びの寸法、及び第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在している遊びの寸法は、略1mmである。また、第5~第7コネクタCN5~CN7の上側起立壁部95d~97dと第5~第7コネクタ挿通孔164~166の上側周縁部164a~166aとの間に存在している遊びの寸法、及び第5~第7コネクタCN5~CN7の下側起立壁部95e~97eと第5~第7コネクタ挿通孔164~166の下側周縁部164b~166bとの間に存在している遊びの寸法は、略1.5mmである。
【0117】
このように、主制御基板61の短手方向に延びる長孔であるボス挿通孔175~178に位置調整ボス171~174を挿通して表ケース体121の横方向の動きを規制するとともに、第1ガイド部181によって表ケース体121の縦方向の位置を調整することにより、第1~第7コネクタCN1~CN7が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166の上下方向における中央に位置している状態とすることができるとともに、当該状態のまま第1~第7コネクタCN1~CN7を対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通させることができる。
【0118】
位置調整ボス171~174及びボス挿通孔175~178を具備しない構成においては、7つのコネクタCN1~CN7を対応する7つのコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通するために、主制御基板61に対する表ケース体121の位置を適宜調整する必要があり、主制御基板61が一体化された裏ケース体122に表ケース体121を組み合わせる作業の効率が低下してしまう。これに対して、本実施形態では、4つの位置調整ボス171~174を対応する4つのボス挿通孔175~178に挿通した後、位置調整ボス171~174に沿って表ケース体121を裏側対向板部123に向けてスライドさせることにより、主制御基板61に対する表ケース体121の位置を細かく調整する作業を不要としながら、7つのコネクタCN1~CN7が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通されている状態とすることができる。7つのコネクタCN1~CN7は、当該7つのコネクタCN1~CN7が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166の上下方向における中央に位置している状態で当該コネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通されるため、第1~第4コネクタCN1~CN4の係止受部101h~104h(
図10(a)~
図10(d))及び第5~第7コネクタCN5~CN7の係止受部95j~97j(
図8(b)~
図8(d))が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166(
図8(a)~
図8(d))の下側周縁部156b~159b,164b~166bに衝突することを防止することができる。これにより、主制御装置60を組み立てる工程において、7つのコネクタCN1~CN7を対応する7つのコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通する作業を簡単なものとして、当該作業の効率を向上させることができる。
【0119】
第1~第7コネクタCN1~CN7が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通されている状態となった後、
図17(a)~
図17(c)に示すように、さらに表ケース体121を裏側対向板部123に向けてスライドさせると、表ケース体121の下側外縁部152が裏ケース体122の下側区画壁125に設けられている第2ガイド部182に接触する。裏側対向板部123に向けてスライドされる表ケース体121は、第2ガイド部182の第1案内面182aに沿って徐々に上方に案内され、第2案内面182bによって当該上方に案内された状態が維持される。既に説明したとおり、ボス挿通孔175~178は主制御基板61の短手方向に延びる長孔として形成されている。このため、位置調整ボス171~174がボス挿通孔175~178に挿通されている状態において表ケース体121を裏側対向板部123に向けてスライドさせることにより、表ケース体121の横方向の移動を規制しながら、ボス挿通孔175~178の形状により許容される範囲内において表ケース体121を第2ガイド部182によって上方に案内することが可能となっている。
【0120】
表ケース体121が第2ガイド部182によって上方に案内された状態において、
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)に示すように、第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bは、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近している状態となる。第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する下側の遊びの寸法は、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159aとの間に存在する上側の遊びの寸法よりも小さい。なお、当該下側の遊びの詳細については後述する。
【0121】
既に説明したとおり、第1~第7コネクタCN1~CN7の自由端側の一部が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通された状態において、第5~第7コネクタCN5~CN7の下側起立壁部95e~97eと第5~第7コネクタ挿通孔164~166の下側周縁部164b~166bとの間に存在している遊びの寸法は、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びの寸法よりも大きい。このため、表ケース体121が第2ガイド部182に案内されて上方に移動する際、第5~第7コネクタCN5~CN7の下側起立壁部95e~97eが第5~第7コネクタ挿通孔164~166の下側周縁部164b~166bと接触して表ケース体121の上方への移動が妨げられてしまうことはない。これにより、第2ガイド部182の案内に任せて、第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bを第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近させることが可能となっている。
【0122】
既に説明したとおり、係止受部101h~104hは、下側起立壁部101c~104cの起立先側(自由端側)に所定の範囲に亘って形成されている。一方、下側起立壁部101c~104cの基端側(底板部101a~104a側)には係止受部101h~104hが存在しておらず、当該基端側は平滑な平面となっている。
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)に示すように、表ケース体121のコネクタ群対応板部155aは、表ケース体121が第2ガイド部182によって上方に案内されることにより、係止受部101h~104hの下に入り込み、当該平滑面に接近する。これにより、第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bが第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに十分に接近するまで第2ガイド部182によって表ケース体121を上方に案内させることが可能となっている。
【0123】
その後、位置調整ボス171~174に沿って表ケース体121を裏側対向板部123に向けてスライドさせると、位置調整ボス171~174の自由端が裏側対向板部123に当接する。これにより、表ケース体121をそれ以上裏側対向板部123側にスライドさせることができない状態となり、表ケース体121を裏ケース体122に組み合わせるためのスライドが完了する。表ケース体121は、当該スライドが完了した状態で裏ケース体122に固定される。
【0124】
次に、裏ケース体122に表ケース体121を固定するための構成について説明する。既に説明したとおり、左側起立壁144及び右側起立壁145は表側対向板部141から裏ケース体122に向かって起立している。
図16(a)に示すように、左側起立壁144には、当該左側起立壁144の起立先の端部に表側第1ケース固定ボス183が一体形成されているとともに、右側起立壁145には、当該右側起立壁145の起立先の端部に表側第2ケース固定ボス184及び表側第3ケース固定ボス185が一体形成されている。表側第1ケース固定ボス183は、左側起立壁144の上下方向における略中央に設けられており、当該左側起立壁144から左方に突出している。表側第2ケース固定ボス184及び表側第3ケース固定ボス185は、上下方向に所定の間隔を置いて設けられており、右側起立壁145から右方に突出している。これらケース固定ボス183~185には、表ケース体121を裏ケース体122に固定するためのネジ179が挿通される貫通孔183a~185aが形成されている。
【0125】
図16(b)に示すように、裏ケース体122の裏側対向板部123には、当該裏側対向板部123の左側の短辺部に裏側第1ケース固定ボス186が一体形成されているとともに、当該裏側対向板部123の右側の短辺部に裏側第2ケース固定ボス187及び裏側第3ケース固定ボス188が一体形成されている。裏側第1ケース固定ボス186は表側第1ケース固定ボス183に対応しており、裏側第2ケース固定ボス187は表側第2ケース固定ボス184に対応しており、裏側第3ケース固定ボス188は表側第3ケース固定ボス185に対応している。裏側第1ケース固定ボス186は、上下方向において、左側第1区画壁126と左側第2区画壁127との間の位置に設けられており、裏側対向板部123から左方に突出している。また、裏側第2ケース固定ボス187及び裏側第3ケース固定ボス188は、上下方向において、右側第1区画壁128と右側第2区画壁129との間に所定の間隔を置いて設けられており、裏側対向板部123から右方に突出している。これらケース固定ボス186~188には、表ケース体121をネジ固定可能とするネジ孔186a~188aが形成されている。
【0126】
図19(a)は第2ガイド部182によって表ケース体121が上方に案内される前の表側第1ケース固定ボス183に形成された貫通孔183aと裏側第1ケース固定ボス186に形成されたネジ孔186aとの位置関係を説明するための説明図であり、
図19(b)は第2ガイド部182によって表ケース体121が上方に案内された後の表側第1ケース固定ボス183に形成された貫通孔183aと裏側第1ケース固定ボス186に形成されたネジ孔186aとの位置関係を説明するための説明図である。表ケース体121が上方に案内される前においては、
図19(a)に示すように、表側第1ケース固定ボス183の貫通孔183aと、裏側第1ケース固定ボス186のネジ孔186aとは、縦方向にずれている。図示は省略するが、同様に、表側第2ケース固定ボス184及び表側第3ケース固定ボス185の貫通孔184a,185a(
図16(a))と、裏側第2ケース固定ボス187及び裏側第3ケース固定ボス188のネジ孔187a,188a(
図16(b))とは、縦方向にずれている。このため、そのままではネジ固定できない状態となっている。
【0127】
表ケース体121が上方に案内された後においては、
図19(b)に示すように、表側第1ケース固定ボス183の貫通孔183aと裏側第1ケース固定ボス186のネジ孔186aとのずれが解消し、当該貫通孔183aと当該ネジ孔186aとが連通されている状態となる。図示は省略するが、同様に、表側第2ケース固定ボス184及び表側第3ケース固定ボス185の貫通孔184a,185a(
図16(a))と、裏側第2ケース固定ボス187及び裏側第3ケース固定ボス188のネジ孔187a,188a(
図16(b))とが連通されている状態となる。これにより、表ケース体121と裏ケース体122とをネジ固定することが可能となる。表ケース体121が上方に案内された状態でなければ表ケース体121と裏ケース体122とをネジ固定できない構成であることにより、表ケース体121の上方への案内が行われていない状態や、当該上方への案内が途中までしか行われていない状態で表ケース体121と裏ケース体122との固定が行われてしまうことが防止されている。
【0128】
表ケース体121は、表側第1ケース固定ボス183、表側第2ケース固定ボス184及び表側第3ケース固定ボス185(
図16(a))が表ケース体121の正面側から裏側第1ケース固定ボス186、裏側第2ケース固定ボス187及び裏側第3ケース固定ボス188(
図16(b))にネジ止めされることにより裏ケース体122に固定されている。これにより、所定の内部空間を有する四角箱状(略直方体形状)の基板ボックス62が形成されており、当該基板ボックス62の内部空間内に主制御基板61が収容されている状態となっている。
【0129】
表ケース体121が裏ケース体122に固定された状態において、表ケース体121の上側起立壁142、上側外縁部151、下側起立壁143、下側外縁部152、左側起立壁144及び右側起立壁145は、裏ケース体122の区画壁124~129と主制御基板61との間に入り込んでいる。主制御基板61の素子搭載面61eに搭載された各種素子91~94(
図9(a))は、主制御基板61と表ケース体121との間に収容されているとともに、第1~第7コネクタCN1~CN7(
図8(a))は対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166(
図8(a))に挿通されて表ケース体121の表面側に露出している。
図8(a)に示すように、第1~第7コネクタCN1~CN7を除いて、主制御基板61の素子搭載面61e(
図14)は表ケース体121により覆われている。また、主制御基板61の基板裏面61f(
図15)は所定の間隔を置いて裏側対向板部123と対向している。
【0130】
ここで、第1~第4コネクタCN1~CN4の周りに生じる遊びの詳細について
図8(a)~(d)、
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)を参照しながら説明する。
【0131】
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)を参照しながら既に説明したとおり、第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3の端子114及び第4コネクタCN4の一端側端子115における固定部111b,113b~115bは、下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。また、
図11(a)及び
図12(b)を参照しながら既に説明したとおり、第1コネクタCN1の他端側端子112及び第4コネクタCN4の他端側端子116における固定部112b,116bは、上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159aとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0132】
上述したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する下側の遊びの寸法は、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159aとの間に存在する上側の遊びの寸法よりも小さい。これにより、当該下側の遊びに針金などの不正用治具を挿入して信号を不正に操作する不正行為を防止することができる。固定部111b,113b~115bが下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間を素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している第1コネクタCN1における一端側端子111、第2コネクタCN2における端子113、第3コネクタCN3における端子114及び第4コネクタCN4における一端側端子115に設定されている信号ラインを当該不正行為から優先的に保護することができる。
【0133】
当該下側の遊びの寸法は、0.8mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。当該一端側の遊びの寸法を0.8mm以下とすることにより、当該下側の遊びから針金などの導電性の不正用治具を挿入して固定部111b,113b~115bが下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間を素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している端子111,113~115に設定されている信号を不正に操作する不正行為を防止することができる。当該下側の遊びの寸法を0.5mm以下とすることにより、当該下側の遊びへの不正用治具の挿入を困難なものとして、当該不正行為の防止効果を高めることができる。なお、第1~第4コネクタCN1~CN4の各端子111~116に割れ当てられている信号ラインの詳細については後述する。
【0134】
既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4における下側起立壁部101c~104cには、当該下側起立壁部101c~104cの下側の側面に、係止受部101h~104hが形成されている。
図11(a),(b)及び
図12(a),(b)に示すように、係止受部101h~104hは、下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する下側の遊びよりも当該下側起立壁部101c~104cの起立先端側(自由端側)に存在している。このため、主制御装置60が内枠13の背面に搭載された状態において主制御基板61よりもパチンコ機10後方側に存在している表側対向板部141側から当該下側の遊びに不正用治具を挿入して当該不正用治具を第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3の端子114及び第4コネクタCN4の一端側端子115に電気的に接触させようとする不正行為に対して、係止受部101h~104hによって不正用治具の挿入を妨害することができる。これにより、当該不正行為をさらに困難なものとすることができる。
【0135】
第1~第7コネクタCN1~CN7の自由端側の一部が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通された状態(
図18(b)参照)において、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間には、上下方向に共通の寸法の遊びが存在している。上下方向は、表ケース体121が第2ガイド部182によって案内される方向である。このため、位置調整ボス171~174が対応するボス挿通孔175~178に挿通されている状態で表ケース体121が第2ガイド部182によって上方に案内される場合に、第1~第4コネクタCN1~CN4の中で下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間の遊びにばらつきが生じてしまうことが防止されている。これにより、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとを一様にコネクタ群対応板部155aに接近させることが可能となっている。
【0136】
既に説明したとおり、コネクタ群対応凹部155は、表側対向板部141を主制御基板61に向けて凹ませて形成されている。
図13に示すように、コネクタ群対応凹部155の側面155bは、コネクタ群対応板部155aから主制御基板61とは反対の方向に向かって略垂直に起立している。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4とコネクタ群対応板部155aとの隙間に針金などの導電性の不正用治具を挿入しづらい構成となっている。既に説明したとおり、第5~第7コネクタ対応凹部161~163は、表側対向板部141を主制御基板61に向けて凹ませて形成されている。
図13に示すように、第5~第7コネクタ対応凹部161~163の側面161b~163bは、第5~第7コネクタ対応板部161a~163aから主制御基板61とは反対の方向に向かって略垂直に起立している。これにより、第5コネクタCN5と第5コネクタ対応板部161aとの隙間、第6コネクタCN6と第6コネクタ対応板部162aとの隙間、及び第7コネクタCN7と第7コネクタ対応板部163aとの隙間に針金などの導電性の不正用治具を挿入しづらい構成となっている。
【0137】
次に、封印シール191について説明する。
【0138】
図14に示すように、裏ケース体122には、裏側対向板部123の右側の短辺部において裏側第2ケース固定ボス187及び裏側第3ケース固定ボス188の間に裏側貼付板部192が一体形成されている。また、表ケース体121には、表側対向板部141の右側の短辺部において裏側貼付板部192と基板ボックス62の厚み方向に重なる位置に表側貼付板部193が一体形成されている。
【0139】
これら2つの貼付板部192,193には、相互に連通するネジ孔が複数組形成されており、これらネジ孔に対して図示しないネジが螺着されている。なお、当該ネジとしては着脱自在な周知のものが用いられている。上記のようにネジが螺着されていることにより、当該2つの貼付板部192,193が固定されている。そして、当該貼付板部192,193には、
図13に示すように、両者の境界を跨ぐようにして封印シール191が貼り付けられている。封印シール191は、貼り付けた後に剥がすと粘着剤層が貼付板部192,193側に残り、再貼付不可となるものである。封印シール191が設けられていることにより、基板ボックス62が不正に開放された場合には、それを発見することが可能となる。
【0140】
2つの貼付板部192,193(
図14)には、
図13に示すように、貼り付けられた封印シール191を外側から覆うように貼付部カバー194が固定されている。当該貼付部カバー194は透明性を有する合成樹脂により形成されており、当該貼付部カバー194を通じて封印シール191が視認可能となっている。なお、貼付部カバー194を不具備としてもよい。
【0141】
上記構成の主制御装置60は、
図7に示すように、表ケース体121の表面がパチンコ機10後方を向き、第1~第4コネクタCN1~CN4が表面に露出している側の縁部が上側に位置するとともに第5~第7コネクタCN5~CN7が表面に露出している側の縁部が下側に位置するようにして搭載されている。ちなみに、遊技ホールへの設置状態において遊技機本体12を外枠11からパチンコ機10前方に開放させることにより、遊技機本体12の背面側が視認可能となる。この場合に、主制御装置60は遊技機本体12の背面部を構成しており、さらには上記のとおり表ケース体121の表面がパチンコ機10後方を向いているため、遊技機本体12を外枠11に対して開放することで表ケース体121の表面が視認可能となる。なお、裏パックユニット15により主制御装置60の全部又は一部が後方から覆われた構成としてもよい。この場合であっても、裏パック72が透明に形成されていることにより、遊技機本体12を外枠11に対して開放することで表ケース体121の表面が視認可能となる。
【0142】
<パチンコ機10の電気的構成>
図20は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0143】
既に説明したとおり、主制御装置60は主制御基板61を備えている。
図20に示すように、主制御基板61には上述したMPU63と、停電監視回路201とが搭載されている。MPU63には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である主側CPU64の他に、主側ROM65及び主側RAM66が内蔵されている。なお、MPU63には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU63に対して主側ROM65及び主側RAM66が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の制御装置のMPUについても同様である。
【0144】
主側ROM65は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。主側ROM65は、主側CPU64により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【0145】
主側RAM66は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。主側RAM66は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM65よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。主側RAM66は、主側ROM65内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【0146】
MPU63には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU63の入力側には、停電監視回路201が接続されている。停電監視回路201は、主制御基板61と電源・発射制御装置78とを中継するとともに、電源・発射制御装置78から出力される最大電圧であるDC36Vの電圧を監視する。電源・発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等におけるAC100Vの商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力(具体的には、DC36V、DC24V、DC12V及びDC5V)を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源・発射制御装置78は遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構27は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0147】
MPU63の出力側には、特図ユニット37、普図ユニット38及びラウンド表示部39が接続されている。ちなみに、特図ユニット37には、第1特図表示部37a、第2特図表示部37b、第1特図保留表示部37c及び第2特図保留表示部37dが設けられているが、これらの全てがMPU63の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット38には、普図表示部38a及び普図保留表示部38bが設けられているが、これらの全てがMPU63の出力側に接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU63は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
【0148】
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置32が開閉されるように、MPU63において後述する特電用駆動部32c(
図21参照)の駆動制御が実行される。また、普電役物34aの開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、MPU63において後述する普電用駆動部34c(
図21参照)の駆動制御が実行される。また、遊技回及び開閉実行モードに際しては、MPU63において特図ユニット37の表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU63において普図ユニット38の表示制御が実行される。また、開閉実行モードでは、MPU63においてラウンド表示部39の表示制御が実行される。
【0149】
MPU63の出力側には、音声発光制御装置70が接続されている。音声発光制御装置70には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが第7コネクタCN7を介して出力される。これら各種コマンドの詳細については後に説明する。音声発光制御装置70は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示発光部53及びスピーカ部54を駆動制御するとともに、表示制御装置90を制御するものである。表示制御装置90は、音声発光制御装置70から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
【0150】
MPU63の入力側及び出力側には、払出制御装置77が接続されている。払出制御装置77は払出側MPU221を備えている。払出側MPU221には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である払出側CPU222の他に、払出側ROM223、払出側RAM224、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【0151】
払出側ROM223は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。払出側ROM223は、払出側CPU222により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【0152】
払出側RAM224は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。払出側RAM224は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM223よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。払出側RAM224は、払出側ROM223内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【0153】
払出側MPU221には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。払出側CPU222は、主側CPU64と双方向通信を行うことが可能となっている。払出制御装置77には、例えば、入賞対応入球部(一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35)への入賞判定結果に基づいて、1個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンドといった各種賞球コマンドが出力される。1個賞球コマンドは1個の遊技球の払い出しを実行すべきことを払出側CPU222に認識させるためのコマンドであり、10個賞球コマンドは10個の遊技球の払い出しを実行すべきことを払出側CPU222に認識させるためのコマンドであり、15個賞球コマンドは15個の遊技球の払い出しを実行すべきことを払出側CPU222に認識させるためのコマンドである。払出側CPU222は主側CPU64から賞球コマンドを受信することにより、その賞球コマンドに対応する個数の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
【0154】
払出側CPU222は、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能な状態であるか否かを監視し、正常に行うことが可能ではない状態であると特定した場合には払出側RAM224に未払出の賞球個数情報が記憶されている状況であっても払出装置76を停止させる。また、払出側CPU222は、このように正常に払い出しを行うことが可能ではない状態であることを示す払出制限コマンドを主側CPU64に送信する。主側CPU64は当該払出制限コマンドを受信した場合、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態であることを示す報知が図柄表示装置41、表示発光部53及びスピーカ部54にて実行されるように音声発光制御装置70に報知用コマンドを送信する。遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態として、下皿56aが遊技球で満タンとなる満タン状態と、タンク75に遊技球が補充されていない球無状態と、払出装置76が正常に動作しない払出異常状態と、遊技機本体12が外枠11から開放された本体開放状態と、前扉枠14が内枠13から開放された前扉開放状態と、が存在している。
【0155】
払出装置76(
図2)から下皿56aへと通じる遊技球通路の途中位置には図示しない満タン検知センサが設けられており、当該満タン検知センサの検知結果は払出側CPU222に入力される。払出側CPU222は、満タン検知センサにおいて遊技球が継続して検知された場合に満タン状態であると特定し、満タン検知センサにて遊技球が継続して検知される状態が解除された場合に満タン状態が解除されたと特定する。払出側CPU222は、満タン状態であることを特定した場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、満タン状態であることを示す満タン状態コマンドを主側CPU64に送信する。また、満タン状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、満タン状態が解除されたことを示す満タン状態解除コマンドを主側CPU64に送信する。主側CPU64は、満タン状態コマンドを受信した場合に満タン状態であることを把握するとともに、満タン状態解除コマンドを受信した場合に満タン状態が解除されたことを把握する。
【0156】
タンク75(
図2)から払出装置76(
図2)へと通じる遊技球通路の途中位置に図示しない球無検知センサが設けられており、当該球無検知センサの検知結果は払出側CPU222に入力される。払出側CPU222は、球無検知センサにおいて遊技球が継続して検知されない場合に球無状態であると特定し、球無検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に球無状態が解除されたと特定する。払出側CPU222は、球無状態であることを特定した場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、球無状態であることを示す球無状態コマンドを主側CPU64に送信する。また、球無状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、球無状態が解除されたことを示す球無状態解除コマンドを主側CPU64に送信する。主側CPU64は、球無状態コマンドを受信した場合に球無状態であることを把握するとともに、球無状態解除コマンドを受信した場合に球無状態が解除されたことを把握する。
【0157】
払出装置76(
図2)には当該払出装置76から払い出される遊技球を検知するための図示しない払出検知センサが設けられており、当該払出検知センサの検知結果は払出側CPU222に入力される。払出側CPU222は、払出検知センサにて遊技球が検知された場合に払出装置76から1個の遊技球が払い出されたと特定する。また、払出側CPU222は、遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御しているにも関わらず払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない場合に払出異常状態であると特定し、払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に払出異常状態が解除されたと特定する。払出側CPU222は、払出異常状態であることを特定した場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、払出異常状態であることを示す払出異常状態コマンドを主側CPU64に送信する。また、払出異常状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、払出異常状態が解除されたことを示す払出異常状態解除コマンドを主側CPU64に送信する。主側CPU64は、払出異常状態コマンドを受信した場合に払出異常状態であることを把握するとともに、払出異常状態解除コマンドを受信した場合に払出異常状態が解除されたことを把握する。
【0158】
払出側MPU221の入力側には、
図20に示すように、前扉開放センサ225が接続されており、当該前扉開放センサ225の検知結果は払出側CPU222に入力される。前扉開放センサ225は、内枠13(
図2)に対して前扉枠14(
図2)が開放状態となった場合に払出側CPU222に対して出力している検知信号をLOW状態からHI状態に立ち上げるとともに、内枠13に対して前扉枠14が閉鎖状態となった場合に払出側CPU222に対して出力している検知信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる。払出側CPU222は、前扉開放センサ225から受信している検知信号がLOW状態である場合に前扉枠14が閉鎖状態であると特定し、前扉開放センサ225から受信している検知信号がHI状態である場合に前扉枠14が開放状態であると特定する。また、払出側CPU222は、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングで主側CPU64に前扉開放コマンドを送信し、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングで主側CPU64に前扉閉鎖コマンドを送信する。これら前扉開放コマンド及び前扉閉鎖コマンドは、主制御基板61における第1コネクタCN1を介して払出側CPU222から主側CPU64に送信される。主側CPU64は前扉開放コマンドを受信した場合に前扉枠14が開放状態となったことを特定するとともに、前扉閉鎖コマンドを受信した場合に前扉枠14が閉鎖状態となったと特定する。
【0159】
払出側MPU221の入力側には、
図20に示すように、本体開放センサ226が接続されており、当該本体開放センサ226の検知結果は払出側CPU222に入力される。本体開放センサ226は、外枠11(
図1)に対して遊技機本体12(
図2)が開放状態となった場合に払出側CPU222に対して出力している検知信号をLOW状態からHI状態に立ち上げるとともに、外枠11に対して遊技機本体12が閉鎖状態となった場合に払出側CPU222に対して出力している検知信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる。払出側CPU222は、本体開放センサ226から受信している検知信号がLOW状態である場合に遊技機本体12が閉鎖状態であると特定し、本体開放センサ226から受信している検知信号がHI状態である場合に遊技機本体12が開放状態であると特定する。また、払出側CPU222は、遊技機本体12が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングで主側CPU64に本体開放コマンドを送信し、遊技機本体12が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングで主側CPU64に本体閉鎖コマンドを送信する。主側CPU64は本体開放コマンドを受信した場合に遊技機本体12が開放状態となったことを特定するとともに、本体閉鎖コマンドを受信した場合に遊技機本体12が閉鎖状態となったと特定する。
【0160】
払出側MPU221の出力側には、
図20に示すように、外部端子板79が接続されている。払出側CPU222から外部端子板79に出力される情報には、10個の遊技球の払い出しが行われたことを示す情報が含まれている。既に説明したとおり、遊技ホールの管理コンピュータは、外部端子板79を通じて主制御装置60及び払出制御装置77から各種情報を受信する。そして、その受信した各種情報に応じて、出玉率(パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに発生した遊技球の払出個数の割合)等を算出することにより、当該パチンコ機10における遊技球の払い出しの実行態様等を把握する。
【0161】
次に、第1~第4コネクタCN1~CN4を介してMPU63の入力側及び出力側に接続されている電子機器について、
図21、
図22及び
図23(a)~
図23(c)を参照しながら説明する。
図21はMPU63と各種電子機器との接続態様を示すブロック図である。
図22は第1コネクタCN1の各端子111,112の設定内容を説明するための説明図であり、
図23(a)は第2コネクタCN2の各端子113の設定内容を説明するための説明図であり、
図23(b)は第3コネクタCN3の各端子114の設定内容を説明するための説明図であり、
図23(c)は第4コネクタCN4の各端子115,116の設定内容を説明するための説明図である。
【0162】
まず第1コネクタCN1の各端子111,112に接続されている電気配線について説明する。
【0163】
既に説明したとおり、第1コネクタCN1は17個の一端側端子111と、17個の他端側端子112とを備えている。一端側端子111の固定部111bは、下側起立壁部101cと第1コネクタ挿通孔156の下側周縁部156bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在しているとともに、他端側端子112の固定部112bは、上側起立壁部101bと第1コネクタ挿通孔156の上側周縁部156aとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。既に説明したとおり、第1コネクタCN1の下側起立壁部101cと第1コネクタ挿通孔156の下側周縁部156bとの間に存在する下側の遊びは、第1コネクタCN1の上側起立壁部101bと第1コネクタ挿通孔156の上側周縁部156aとの間に存在する上側の遊びよりも小さい。このため、主制御装置60が内枠13の背面に搭載された状態において主制御基板61よりもパチンコ機10後方側に存在している表側対向板部141側から針金等の導電性の不正用治具を挿入して信号を不正に操作する不正行為について、一端側端子111は他端側端子112よりも優先的に保護されている。
【0164】
図22に示すように、第1コネクタCN1が備えている17個の一端側端子111は、nを1~33のいずれかの奇数とする第n端子であり、具体的には、第1端子、第3端子、第5端子、…第33端子である。また、当該第1コネクタCN1が備えている17個の他端側端子112は、mを2~34のいずれかの偶数とする第m端子であり、具体的には、第2端子、第4端子、第6端子、…第34端子である。
【0165】
図21に示すように、MPU63には、第1中継基板PB1を介して、外部端子板79、払出制御装置77及び電源・発射制御装置78が電気的に接続されている。
【0166】
第1中継基板PB1には、第11コネクタCN11、第21コネクタCN21、第22コネクタCN22及び第23コネクタCN23が搭載されている。第11コネクタCN11は第1コネクタCN1と電気的に接続されており、第21コネクタCN21は外部端子板79と電気的に接続されており、第22コネクタCN22は払出制御装置77と電気的に接続されており、第23コネクタCN23は電源・発射制御装置78と電気的に接続されている。
【0167】
図21及び
図22に示すように、第1コネクタCN1の第1端子~第10端子には、主側CPU64から外部端子板79への外部信号の送信を可能とするための信号線が接続されている。第1コネクタCN1の第1端子及び第2端子にはGND(グラウンド)が設定されている。主制御基板61及び第1中継基板PB1には、GNDプレーン(図示略)が設けられており、主制御基板61における信号と第1中継基板PB1における信号とが共通の電位を基準とするように設定されている。第1コネクタCN1の第1端子及び第2端子は主制御基板61のGNDプレーンに電気的に接続されている。
【0168】
第1コネクタCN1の第3端子~第10端子には主側CPU64から外部端子板79に外部信号を送信するための信号線が接続されている。主側CPU64から第3端子~第10端子を介して外部端子板79に対して送信される外部信号には、開閉実行モード中であることを示す信号と、サポートモードが高頻度サポートモード中であることを示す信号と、一の遊技回が終了したことを示す信号と、所定個数(例えば100個)の遊技球がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかを通じて遊技領域PAから排出されたことを示す信号と、第1作動口33に遊技球が入球したことを示す信号と、第2作動口34に遊技球が入球したことを示す信号と、が含まれている。
【0169】
第1コネクタCN1の第11端子~第17端子及び第19端子には、主制御基板61と払出制御装置77とを電気的に接続するための配線が接続されている。第1コネクタCN1の第11端子~第13端子には、主側CPU64と払出側CPU222との間でシリアル通信を行うことを可能とするための信号線が接続されている。当該シリアル通信は、送信側及び受信側でクロックのやり取りを行わず、予め決められている通信速度でデータを送受信する非同期式通信(調歩同期式通信)であるとともに、送信用の伝送路及び受信用の伝送路が設けられている全二重通信である。なお、主側CPU64と払出制御装置77との間で、1つの伝送路を用いて送信及び受信を切り換えながらデータの送受信を行う半二重通信が行われる構成としてもよく、送信側及び受信側でクロックのやり取りを行う同期式通信が行われる構成としてもよい。また、主側CPU64と払出制御装置77との間で、パラレル通信が行われる構成としてもよい。
【0170】
第11端子には主側CPU64が払出側CPU222から各種払出受信コマンドを受信するための伝送路となる信号線が接続されている。第12端子にはGND(グラウンド)が設定されており、当該第12端子は主制御基板61のGNDプレーン(図示略)に電気的に接続されている。第13端子には主側CPU64が払出側CPU222に各種払出送信信号を送信するための伝送路となる信号線が接続されている。
【0171】
払出受信コマンドには、上述した払出制限コマンド、前扉開放コマンド、前扉閉鎖コマンド、本体開放コマンド、本体閉鎖コマンド、満タン状態コマンド、満タン状態解除コマンド、球無状態コマンド、球無状態解除コマンド、払出異常状態コマンド及び払出異常状態解除コマンドが含まれている。主側CPU64が各種払出受信コマンドを受信する第11端子は、第1コネクタCN1において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子111である。払出受信コマンドの信号ラインに対する不正行為が防止されていることにより、前扉閉鎖コマンド、本体閉鎖コマンド、満タン状態解除コマンド、球無状態解除コマンド、又は払出異常状態解除コマンドが不正に送信されて、前扉枠14の開放状態、遊技機本体12の開放状態、満タン状態、球無状態、又は払出異常状態が不正に解除されてしまうことを防止することができる。
【0172】
払出送信コマンドには、既に説明した各種賞球コマンド(1個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンド)が含まれている。主側CPU64が各種払出送信コマンドを受信する第13端子は、第1コネクタCN1において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子111である。払出送信コマンドの信号ラインに対する不正行為が防止されていることにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する行為が行われて遊技球が不正に払い出されてしまうことを防止することができる。
【0173】
第14端子にはGND(グラウンド)が設定されており、当該第14端子は主制御基板61のGNDプレーン(図示略)に電気的に接続されている。第15端子には払出リセット信号が設定されている。払出リセット信号は、主側CPU64が電源遮断の発生を特定した場合に、当該電源遮断に対応する処理を払出側CPU222に実行させるための信号である。主側CPU64は、停電監視回路201から受信する停電信号を監視し、電源遮断の発生を特定した場合に払出リセット信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる。払出側CPU222は、払出リセット信号の立ち下がりを検出した場合に、払出側RAM224を初期化するための処理を実行する。払出側RAM224が初期化されることにより、払出側RAM224に記憶されていた情報がクリアされる。
【0174】
主側CPU64が払出リセット信号を受信する第15端子は、第1コネクタCN1において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子111である。払出リセット信号の信号ラインに対する不正行為が防止されていることにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する行為が行われて払出側RAM224が不正にリセットされてしまうことを防止することができる。既に説明したとおり、払出側CPU222は、外部端子板79を介して遊技ホールの管理コンピュータに10個の遊技球の払い出しが行われたことを示す情報を送信する。払出側RAM224が不正にリセットされてしまうことを防止することにより、当該情報の送信が不正に阻止されて払い出しが行われた遊技球の数を管理コンピュータにて正確に把握できない状況となることを防止することができる。また、払出側RAM224が不正にリセットされてしまうことを防止することにより、払出側RAM224に記憶されていた満タン状態、球無状態又は払出異常状態についての情報が不正にクリアされてしまうことを防止することができる。
【0175】
第1コネクタCN1の第16端子には主側CPU64が電源・発射制御装置78から発射状態信号を受信するための信号線が接続されているとともに、第17端子には主側CPU64が電源・発射制御装置78に対して発射許可信号を送信するための信号線が接続されている。主側CPU64は、電源・発射制御装置78から発射状態信号を受信していることを条件として、電源・発射制御装置78に対して発射許可信号を送信する。発射状態信号は、発射操作装置28に対して発射操作が行われていることを示す信号であるとともに、発射許可信号は電源・発射制御装置78に対して遊技球を発射させる処理を実行させるための信号である。主側CPU64は、電源・発射制御装置78から発射状態信号を受信することにより、発射操作装置28に対して発射操作が行われている状態であることを把握し、発射制御処理を実行する。発射制御処理では、発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況において、所定の発射周期である0.6秒間隔で発射許可信号を送信する。
【0176】
主側CPU64が発射許可信号を送信する第17端子は、第1コネクタCN1において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子111である。発射許可信号の信号ラインに対する不正行為が防止されていることにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する行為が行われて遊技球の発射が所定の発射周期(具体的には0.6秒周期)よりも短い周期で発射されてしまうことを防止することができる。
【0177】
第1コネクタCN1の第19端子には主側CPU64が払出側CPU222から賞球許可信号を受信するための信号線が接続されている。賞球許可信号は、主側CPU64から払出側CPU222に対して賞球コマンド(1個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンドのいずれか)を送信することが可能であるか否かを示す信号である。賞球許可信号がHI状態である場合には賞球コマンドを送信することが可能であるとともに、賞球許可信号がLOW状態である場合には賞球コマンドを送信することができない。賞球許可信号は、払出側RAM224に設けられた未払出カウンタの値が「0」である場合にHI状態に設定されるとともに、未払出カウンタの値が1以上である場合にLOW状態に設定される。未払出カウンタは、未払出の遊技球の数を払出側CPU222にて把握するためのカウンタである。
【0178】
主側CPU64が賞球許可信号を受信する第19端子は、第1コネクタCN1において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子111である。賞球許可信号の信号ラインに対する不正行為が防止されていることにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する不正行為が行われて払出側RAM224に記憶されている未払出の賞球個数が「0」でないにも関わらず主側CPU64から払出側CPU222に対して賞球コマンドが不正に送信される状況が作り出されてしまうことを防止することができる。
【0179】
第1コネクタCN1の第18端子及び第20端子~第34端子には、電源・発射制御装置78と主制御装置60とを電気的に接続するための信号線が接続されている。第18端子及び第20端子にはDC5Vの素子駆動電圧を供給するための配線が接続されている。
【0180】
第21端子には主側CPU64が電源・発射制御装置78からRAM消去信号を受信するための信号線が接続されている。電源・発射制御装置78には、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時に主側RAM66に記憶されているデータを初期化する場合に操作されるRAM消去スイッチが設けられている。RAM消去信号は、RAM消去スイッチが押された場合に電源・発射制御装置78から主側CPU64に送信される信号である。
【0181】
主側CPU64がRAM消去信号を受信する第21端子は、第1コネクタCN1において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子111である。RAM消去信号の信号ラインに対する不正行為が防止されていることにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する行為が行われて主側RAM66に記憶されているデータが不正に消去されてしまうことを防止することができる。
【0182】
第22端子、第24端子、第26端子、第28端子、第30端子、第33端子及び第34端子にはGND(グラウンド)が設定されている。これらの端子は主制御基板61のGNDプレーン(図示略)に電気的に接続されている。
【0183】
第23端子にはバックアップ用の電源電圧(VBB)を供給するための信号線が接続されている。第25端子及び第27端子にはDC12Vの電源電圧を供給するための配線が接続されており、第29端子にはDC24Vの電源電圧を供給するための信号線が接続されており、第31端子及び第32端子にはDC36Vの電源電圧を供給するための電気配線が接続されている。
【0184】
次に、第2コネクタCN2の各端子113に接続されている電気配線について説明する。
【0185】
既に説明したとおり、第2コネクタCN2は2個の端子113を備えている。これら2個の端子113の固定部113bは、下側起立壁部102cと第2コネクタ挿通孔157の下側周縁部157bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。既に説明したとおり、第2コネクタCN2の下側起立壁部102cと第2コネクタ挿通孔157の下側周縁部157bとの間に存在する下側の遊びは、第2コネクタCN2の上側起立壁部102bと第2コネクタ挿通孔157の上側周縁部157aとの間に存在する上側の遊びよりも小さい。このため、主制御装置60が内枠13の背面に搭載された状態において主制御基板61よりもパチンコ機10後方側に存在している表側対向板部141側から針金等の導電性の不正用治具を挿入して信号を不正に操作する不正行為について、端子113は優先的に保護されている。
【0186】
図21に示すように、主制御基板61の第2コネクタCN2には、第2中継基板PB2を介して第1作動口検知センサ46aが電気的に接続されている。第2中継基板PB2には、第12コネクタCN12及び第24コネクタCN24が搭載されている。第12コネクタCN12は第2コネクタCN2と電気的に接続されているとともに、第24コネクタCN24は第1作動口検知センサ46aと電気的に接続されている。
【0187】
図21及び
図23(a)に示すように、第2コネクタCN2の端子113である第1端子及び第2端子には、主側CPU64と第1作動口検知センサ46aとを電気的に接続するための配線が接続されている。
【0188】
第2コネクタCN2の第1端子にはGND(グランド)が設定されている。第2中継基板PB2には、上述した第1中継基板PB1と同様に、GNDプレーン(図示略)が設けられており、主制御基板61における信号と第2中継基板PB2における信号とが共通の電位を基準とするように設定されている。第2コネクタCN2の第1端子は主制御基板61のGNDプレーン(図示略)に電気的に接続されている。
【0189】
第2コネクタCN2の第2端子には主側CPU64が第1作動口検知センサ46aの検知信号を受信するための配線が接続されている。第1作動口検知センサ46aは、3線式の近接センサであり、当該第1作動口検知センサ46aの動作電圧(具体的にはDC12V)を供給するためのVCC端子、検知信号を出力するためのOUT端子及び基準電位のためのGND端子を備えている。VDD端子には、詳細を後述する第4コネクタCN4から第2中継基板PB2を介して、動作電圧(具体的にはDC12V)が供給されている。GND端子は、第24コネクタCN24を介して、第2中継基板PB2のGNDプレーンに接続されている。既に説明したとおり、第2中継基板PB2のGNDプレーンと、主制御基板61のGNDプレーンとは、共通の基準電位に保たれている。OUT端子は、第2中継基板PB2を介して第2コネクタCN2の第2端子に接続されている。第1作動口検知センサ46aの出力形式はコレクタ出力形式であり、OUT端子から出力される検知信号は、遊技球が検知されていない状態においてLOW状態となるとともに、遊技球が検知されている状態においてHI状態となる。
【0190】
既に説明したとおり、第2コネクタCN2の全ての端子113(第1端子及び第2端子)は、導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている。第1作動口検知センサ46aの検知信号の信号ラインが不正行為から優先的に保護されていることにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する行為が行われて遊技球の第1作動口33への入賞が発生した状況を不正に作り出されてしまうことを防止することができる。
【0191】
次に、第3コネクタCN3の各端子114に接続されている電気配線について説明する。
【0192】
既に説明したとおり、第3コネクタCN3は2個の端子114を備えている。これら2個の端子114の固定部114bは、下側起立壁部103cと第3コネクタ挿通孔158の下側周縁部158bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。既に説明したとおり、第3コネクタCN3の下側起立壁部103cと第3コネクタ挿通孔158の下側周縁部158bとの間に存在する下側の遊びは、第3コネクタCN3の上側起立壁部103bと第3コネクタ挿通孔158の上側周縁部158aとの間に存在する上側の遊びよりも小さい。このため、主制御装置60が内枠13の背面に搭載された状態において主制御基板61よりもパチンコ機10後方側に存在している表側対向板部141側から針金等の導電性の不正用治具を挿入して信号を不正に操作する不正行為について、端子114は優先的に保護されている。
【0193】
図21に示すように、主制御基板61の第3コネクタCN3には、第2中継基板PB2を介して第2作動口検知センサ47aが電気的に接続されている。第2中継基板PB2には、第13コネクタCN13及び第25コネクタCN25が搭載されている。第13コネクタCN13は第3コネクタCN3と電気的に接続されているとともに、第25コネクタCN25は第2作動口検知センサ47aと電気的に接続されている。
【0194】
図21及び
図23(b)に示すように、第3コネクタCN3の端子114である第1端子及び第2端子には、主側CPU64と第2作動口検知センサ47aとを電気的に接続するための配線が接続されている。
【0195】
第3コネクタCN3の第1端子にはGND(グランド)が設定されている。第2中継基板PB2には、上述した第1中継基板PB1と同様に、GNDプレーン(図示略)が設けられており、主制御基板61における信号と第2中継基板PB2における信号とが共通の電位を基準とするように設定されている。第3コネクタCN3の第1端子は主制御基板61のGNDプレーン(図示略)に電気的に接続されている。
【0196】
第3コネクタCN3の第2端子には主側CPU64が第2作動口検知センサ47aの検知信号を受信するための信号線が接続されている。第2作動口検知センサ47aは、3線式の近接センサであり、当該第2作動口検知センサ47aの動作電圧(具体的にはDC12V)を供給するためのVCC端子、検知信号を出力するためのOUT端子及び基準電位のためのGND端子を備えている。VDD端子には、詳細を後述する第4コネクタCN4から第2中継基板PB2を介して、動作電圧(具体的にはDC12V)が供給されている。GND端子は、第25コネクタCN25を介して、第2中継基板PB2のGNDプレーンに電気的に接続されている。既に説明したとおり、第2中継基板PB2のGNDプレーンと、主制御基板61のGNDプレーンとは、共通の基準電位に保たれている。OUT端子は、第2中継基板PB2を介して第3コネクタCN3の第2端子に電気的に接続されている。第2作動口検知センサ47aの出力形式はコレクタ出力形式であり、OUT端子から出力される検知信号は、遊技球が検知されていない状態においてLOW状態となるとともに、遊技球が検知されている状態においてHI状態となる。
【0197】
既に説明したとおり、第3コネクタCN3の全ての端子114(第1端子及び第2端子)は、導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている。第2作動口検知センサ47aの検知信号の信号ラインが不正行為から優先的に保護されていることにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する行為が行われて遊技球の第2作動口34への入賞が発生した状況を不正に作り出されてしまうことを防止することができる。
【0198】
次に、第4コネクタCN4の各端子115,116に接続されている電気配線について説明する。
【0199】
既に説明したとおり、第4コネクタCN4は10個の一端側端子115と、10個の他端側端子116とを備えている。一端側端子115の固定部115bは、下側起立壁部104cと第4コネクタ挿通孔159の下側周縁部159bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在しているとともに、他端側端子116の固定部116bは、上側起立壁部104bと第4コネクタ挿通孔159の上側周縁部159aとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。既に説明したとおり、第4コネクタCN4の下側起立壁部104cと第4コネクタ挿通孔159の下側周縁部159bとの間に存在する下側の遊びは、第4コネクタCN4の上側起立壁部104bと第4コネクタ挿通孔159の上側周縁部159aとの間に存在する上側の遊びよりも小さい。このため、主制御装置60が内枠13の背面に搭載された状態において主制御基板61よりもパチンコ機10後方側に存在している表側対向板部141側から針金等の導電性の不正用治具を挿入して信号を不正に操作する不正行為について、一端側端子115は他端側端子116よりも優先的に保護されている。
【0200】
図23(c)に示すように、第4コネクタCN4が備えている10個の一端側端子115は、pを1~19のいずれかの奇数とする第p端子であり、具体的には、第1端子、第3端子、第5端子、…第19端子である。また、当該第4コネクタCN4が備えている10個の他端側端子116は、qを2~20のいずれかの偶数とする第q端子であり、具体的には、第2端子、第4端子、第6端子、…第20端子である。
【0201】
図21に示すように、主制御基板61の第4コネクタCN4には、第2中継基板PB2を介して、第1入賞口検知センサ42a~第3入賞口検知センサ44a、特電検知センサ45a、アウト口検知センサ48a、ゲート検知センサ49a、不正な電波を検知するための電波検知センサ202、不正な磁気を検知するための磁気検知センサ203、特電入賞装置32の開放状態を検知する特電開放検知センサ32b、普電役物34aの開放状態を検知する普電開放検知センサ34b、受信した駆動信号に応じて特電入賞装置32を開放状態又は閉鎖状態に切り換える特電用駆動部32c、及び受信した駆動信号に応じて普電役物34aを開放状態又は閉鎖状態に切り換える普電用駆動部34cが電気的に接続されている。第2中継基板PB2には、第14コネクタCN14及び第26~第37コネクタCN26~CN37が搭載されている。第14コネクタCN14は第4コネクタCN4と電気的に接続されている。第26コネクタCN26は第1入賞口検知センサ42aと電気的に接続されており、第27コネクタCN27は第2入賞口検知センサ43aと電気的に接続されており、第28コネクタCN28は第3入賞口検知センサ44aと電気的に接続されており、第29コネクタCN29は特電検知センサ45aと電気的に接続されており、第30コネクタCN30はアウト口検知センサ48aと電気的に接続されており、第31コネクタCN31はゲート検知センサ49aと電気的に接続されており、第32コネクタCN32は電波検知センサ202と電気的に接続されており、第33コネクタCN33は磁気検知センサ203と電気的に接続されており、第34コネクタCN34は特電開放検知センサ32bと電気的に接続されており、第35コネクタCN35は普電開放検知センサ34bと電気的に接続されており、第36コネクタCN36は特電用駆動部32cと電気的に接続されており、第37コネクタCN37は普電用駆動部34cと電気的に接続されている。
【0202】
図21及び
図23(c)に示すように、第4コネクタCN4の第1端子には主制御装置60と第1入賞口検知センサ42aとを電気的に接続するための配線が接続されており、第3端子には主制御装置60と第2入賞口検知センサ43aとを電気的に接続するための配線が接続されており、第4端子には主制御装置60とアウト口検知センサ48aとを電気的に接続するための配線が接続されており、第5端子には主制御装置60と第3入賞口検知センサ44aとを電気的に接続するための配線が接続されており、第7端子には主制御装置60と特電検知センサ45aとを電気的に接続するための配線が接続されており、第9端子には主制御装置60とゲート検知センサ49aとを電気的に接続するための配線が接続されている。
【0203】
これらの検知センサ42a~45a,48a,49aは、3線式の近接センサであり、当該検知センサ42a~45a,48a,49aの動作電圧(具体的にはDC12V)を供給するためのVCC端子、検知信号を出力するためのOUT端子及び基準電位のためのGND端子を備えている。VDD端子には、当該第4コネクタCN4の後述する第8端子から第2中継基板PB2を介して、動作電圧(具体的にはDC12V)が供給されている。GND端子は、第26~第31コネクタCN26~CN31を介して、第2中継基板PB2のGNDプレーン(図示略)に電気的に接続されている。既に説明したとおり、第2中継基板PB2のGNDプレーンと、主制御基板61のGNDプレーンとは、共通の基準電位に保たれている。OUT端子は、第2中継基板PB2を介して第4コネクタCN4に接続されている。これらの検知センサ42a~45a,48a,49aの出力形式はコレクタ出力形式であり、OUT端子から出力される検知信号は、遊技球が検知されていない状態においてLOW状態となるとともに、遊技球が検知されている状態においてHI状態となる。
【0204】
主側CPU64が第1入賞口検知センサ42a~第3入賞口検知センサ44aの検知信号を受信する第1端子、第3端子及び第5端子は、第4コネクタCN4において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子115である。既に説明したとおり、いずれかの一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行される。これら第1~第3入賞口検知センサ42a~44aの検知信号の信号ラインが不正行為から優先的に保護されていることにより、遊技球の一般入賞口31への入賞が発生した状況が不正に作り出されて遊技球の払い出しが不正に行われてしまうことを防止することができる。
【0205】
主側CPU64が特電検知センサ45aの検知信号を受信する第7端子は、第4コネクタCN4において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子115である。既に説明したとおり、特電入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。特電検知センサ45aの検知信号の信号ラインが不正行為から優先的に保護されていることにより、遊技球の特電入賞装置32への入賞が発生した状況が不正に作り出されて遊技球の払い出しが不正に行われてしまうことを防止することができる。
【0206】
主側CPU64がゲート検知センサ49aの検知信号を受信する第9端子は、第4コネクタCN4において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子115である。既に説明したとおり、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果が電役開放当選となった場合、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる普電開放状態へ移行する。ゲート検知センサ49aの検知信号の信号ラインが不正行為から優先的に保護されていることにより、遊技球のスルーゲート35への入賞が発生した状況が不正に作り出されて当該内部抽選が不正に実行されてしまうことを防止することができる。
【0207】
図21及び
図23(c)に示すように、第4コネクタCN4の第11端子には主制御装置60と電波検知センサ202とを電気的に接続するための配線が接続されているとともに、第13端子には主制御装置60と磁気検知センサ203とを電気的に接続するための配線が接続されている。電波検知センサ202から主制御装置60に出力される検知信号は、不正な電波が検知されていない状態においてLOW状態となるとともに、不正な電波が検知されている状態においてHI状態となる。また、磁気検知センサ203から主制御装置60に出力される検知信号は、不正な磁気が検知されていない状態においてLOW状態となるとともに、不正な磁気が検知されている状態においてHI状態となる。
【0208】
主側CPU64が電波検知センサ202の検知信号を受信する第11端子及び主側CPU64が磁気検知センサ203の検知信号を受信する第13端子は、第4コネクタCN4において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子115である。電波検知センサ202の検知信号の信号ラインが導電性の不正用治具を近づける不正から優先的に保護されていることにより、不正な電波を検知できない状況が不正に作り出されてしまうことを防止することができる。また、磁気検知センサ203の検知信号の信号ラインが導電性の不正用治具を近づける不正から優先的に保護されていることにより、不正な磁気を検知できない状況が不正に作り出されてしまうことを防止することができる。
【0209】
図21及び
図23(c)に示すように、第4コネクタCN4の第15端子には、主制御装置60と特電開放検知センサ32bとを電気的に接続するための配線が接続されているとともに、第17端子には、主制御装置60と普電開放検知センサ34bとを電気的に接続するための配線が接続されている。
【0210】
特電開放検知センサ32bの検知信号は特電入賞装置32が開放状態となった場合にLOW状態からHI状態に立ち上がるとともに、普電開放検知センサ34bの検知信号は普電役物34aが開放状態となった場合にLOW状態からHI状態に立ち上がる。主側CPU64は、これらの開放検知センサ32b,34bの検知信号の状態に基づいて、特電入賞装置32及び普電役物34aの状態を監視する。
【0211】
主側CPU64が特電開放検知センサ32bの検知信号を受信する第15端子及び主側CPU64が普電開放検知センサ34bの検知信号を受信する第17端子は、第4コネクタCN4において導電性の不正用治具を用いる不正から優先的に保護されている一端側端子115である。特電開放検知センサ32bの検知信号の信号ラインが不正から優先的に保護されていることにより、主側CPU64が特電入賞装置32の開放状態を把握できない状況が作り出されてしまうことを防止することができる。また、普電開放検知センサ34bの検知信号の信号ラインが不正から優先的に保護されていることにより、主側CPU64が普電役物34aの開放状態を把握できない状況が作り出されてしまうことを防止することができる。
【0212】
図21及び
図23(c)に示すように、第4コネクタCN4の第12端子には主制御装置60から特電用駆動部32cに対して特電駆動信号を送信するための信号線が接続されており、第14端子には主制御装置60から普電用駆動部34cに対して普電駆動信号を送信するための信号線が接続されている。
【0213】
主側CPU64は、特電開放検知センサ32bの検知信号に基づいて、特電入賞装置32が開放状態であるか否かを特定する。開閉実行モードでない状態において特電入賞装置32が開放状態であることが特定された場合には特電異常報知が行われるとともに、遊技を進行させるための処理(後述するタイマ割込み処理(
図27)におけるステップS208~ステップS219の処理)が実行されなくなる。このため、特電駆動信号の信号ラインに対して導電性の不正用治具を用いた不正が行われた場合には、特電異常報知により当該不正を把握することができる。上述したとおり、特電駆動信号の信号ラインは、第4コネクタCN4の一端側端子115ではなく他端側端子116に配置されている。これにより、特電入賞装置32を不正に開放状態とする不正行為が行われた場合に遊技ホールの管理者が当該不正行為を発見して対応することを可能としながら、第4コネクタCN4において不正用治具を用いた不正から優先的に保護されている一端側端子115を他の情報を送信又は受信するための端子として使用可能とすることができる。
【0214】
主側CPU64は、普電開放検知センサ34bの検知信号に基づいて、普電役物34aが開放状態であるか否かを特定する。普電役物34aの開放状態当選が発生していない状態において普電役物34aが開放状態であることが特定された場合には普電異常報知が行われるとともに、遊技を進行させるための処理(後述するタイマ割込み処理(
図27)におけるステップS208~ステップS219の処理)が実行されなくなる。このため、普電駆動信号の信号ラインに対して導電性の不正用治具を用いた不正が行われた場合には、普電異常報知により当該不正を把握することができる。上述したとおり、普電駆動信号の信号ラインは、第4コネクタCN4の一端側端子115ではなく他端側端子116に配置されている。これにより、特電入賞装置32を不正に開放状態とする不正行為が行われた場合に遊技ホールの管理者が当該不正行為を発見して対応することを可能としながら、第4コネクタCN4において不正用治具を用いた不正から優先的に保護されている一端側端子115を他の情報を送信又は受信するための端子として使用可能とすることができる。
【0215】
図21及び
図23(c)に示すように、第4コネクタCN4の第16端子にはDC12Vの電源電圧を供給するための配線が接続されているとともに、第18端子にはDC36Vの電源電圧を供給するための配線が設定されている。
【0216】
第4コネクタCN4の第2端子、第6端子、第8端子、第10端子、第19端子及び第20端子にはGND(グラウンド)が設定されている。これらの端子は主制御基板61のGNDプレーン(図示略)に電気的に接続されている。
【0217】
<主側CPU64にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側CPU64にて各種抽選を行うための電気的な構成について
図24を用いて説明する。
【0218】
主側CPU64は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、当たり発生抽選、第1特図表示部37aの表示の設定、第2特図表示部37bの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図24に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、各特図表示部37a,37b及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、主側RAM66の抽選用カウンタエリア211に設けられている。
【0219】
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、特図保留エリア212に格納される。特図保留エリア212は、第1特図保留エリア215と、第2特図保留エリア216と、特図用の実行エリア217と、を備えている。
【0220】
第1特図保留エリア215は第1エリア215a、第2エリア215b、第3エリア215c及び第4エリア215dを備えており、第1作動口33への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア215a~215dに格納される。
【0221】
この場合、第1エリア215a~第4エリア215dには、第1作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア215a→第2エリア215b→第3エリア215c→第4エリア215dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア215a~215dが設けられていることにより、第1作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
【0222】
なお、第1特図保留エリア215において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0223】
第2特図保留エリア216は第1エリア216a、第2エリア216b、第3エリア216c及び第4エリア216dを備えており、第2作動口34への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア216a~216dに格納される。
【0224】
この場合、第1エリア216a~第4エリア216dには、第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア216a→第2エリア216b→第3エリア216c→第4エリア216dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア216a~216dが設けられていることにより、第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
【0225】
なお、第2特図保留エリア216において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0226】
特図用の実行エリア217は、いずれかの特図表示部37a,37bにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示部37aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリア215の第1エリア215aに格納された保留情報が特図用の実行エリア217に移動される。一方、第2特図表示部37bの変動表示を開始する際には、第2特図保留エリア216の第1エリア216aに格納された保留情報が特図用の実行エリア217に移動される。
【0227】
普電乱数カウンタC4に対応した情報は、スルーゲート35への入賞が発生した場合に、普図保留エリア213に格納される。普図保留エリア213は、第1エリア218a、第2エリア218b、第3エリア218c及び第4エリア218dを備えており、スルーゲート35への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC4の数値情報が普図側の保留情報として、いずれかのエリア218a~218dに格納される。
【0228】
この場合、第1エリア218a~第4エリア218dには、スルーゲート35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア218a→第2エリア218b→第3エリア218c→第4エリア218dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア218a~218dが設けられていることにより、スルーゲート35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
【0229】
なお、普図保留エリア213において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0230】
普図保留エリア213には、普図用の実行エリア219が設けられている。普図用の実行エリア219は、普図表示部38aにて変動表示を開始する際に、サポート用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示部38aの変動表示を開始する際には、普図保留エリア213の第1エリア218aに格納された保留情報が普図用の実行エリア219に移動される。
【0231】
上記各カウンタについて詳細に説明する。
【0232】
まず、普電乱数カウンタC4について説明する。普電乱数カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM66の普図保留エリア213に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電乱数カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
【0233】
本パチンコ機10では、普電役物34aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
【0234】
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部38aにおける1回の表示継続時間)が短く設定されている。
【0235】
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。
【0236】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部38aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くすることのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【0237】
普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選において普電開放状態当選となった場合、普電開放状態となる。当該普電開放状態は、予め定められた回数の普電役物34aの開閉が行われた場合、又は予め定められた上限個数の遊技球が第2作動口34に入賞にした場合に、終了する。これらの内容について具体的には、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであっても上記上限個数は10個で共通している。一方、普電役物34aの開閉回数は低頻度サポートモードであれば1回であるのに対して、高頻度サポートモードであれば当該低頻度サポートモードの場合よりも多い複数回であり具体的には3回となっている。また、普電役物34aの1回の開放継続時間は、低頻度サポートモードであれば1秒であるのに対して、高頻度サポートモードであれば2秒となっている。
【0238】
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33に入賞したタイミングで特図保留エリア212の第1特図保留エリア215に格納され、遊技球が第2作動口34に入賞したタイミングで特図保留エリア212の第2特図保留エリア216に格納される。そして、この格納された当たり乱数カウンタC1の値を利用して当否判定が行われる。
【0239】
当否判定に際して当選となる乱数の値は、主側ROM65に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と、小当たり結果と、外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モード及びサポートモードの少なくとも一方の移行契機となり得る当否結果である。小当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となる一方、当否抽選モード及びサポートモードの両方について移行契機とならない当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モード及びサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
【0240】
当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと高確率モード用の当否テーブルとが存在している。つまり、本パチンコ機10は、第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と、第2作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とで、同一の当否テーブルが参照されるとともに、いずれの場合であっても、当否抽選における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが存在している。
【0241】
各当否テーブルについて具体的に説明すると、低確率モード用の当否テーブルは、大当たり結果となる乱数の値は2個(例えば「5」、「305」)であり、小当たり結果となる乱数の値は3個(例えば「55」、「355」、「555」)である。そして、それ以外が、外れ結果となる乱数の値である。
【0242】
高確率モード用の当否テーブルは、大当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確率モード用の当否テーブルの場合よりも多く設定されており、具体的には20個である(例えば「5」、「34」、「65」、「130」、「163」、「192」、「220」、「245」、「276」、「305」、「334」、「365」、「392」、「420」、「470」、「495」、「520」、「558」、「575」、「599」)。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。一方、小当たり結果となる乱数の値は、低確率モード用の当否テーブルの場合と同一である。
【0243】
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり結果となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
【0244】
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33に入賞したタイミングで特図保留エリア212の第1特図保留エリア215に格納され、遊技球が第2作動口34に入賞したタイミングで特図保留エリア212の第2特図保留エリア216に格納される。そして、この格納された大当たり種別カウンタC2の値を利用して振分判定が行われる。
【0245】
ここで、本パチンコ機10では大当たり結果が複数種類設定されているが、これら各大当たり結果は、(1)開閉実行モードの内容、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選モードの内容、(3)開閉実行モード終了後のサポートモードの内容という3つの内容のうち、少なくとも1つの内容が相違している。
【0246】
大当たり当選となった場合に実行される開閉実行モードは、既に説明したとおりラウンド数規定モードである。ラウンド数規定モードには、開閉実行モードが開始されてから終了されるまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、本パチンコ機10では、特電入賞装置32の1回の開放態様が、特電入賞装置32が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29秒に設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い時間である0.05秒に設定された短時間態様と、が設定されている。本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では、0.6秒に1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が10個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で特電入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置32に、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で特電入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置32への入賞が発生しないことが期待される。
【0247】
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による特電入賞装置32の開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による特電入賞装置32の開放が1回行われる。
【0248】
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける特電入賞装置32の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
【0249】
小当たり当選となった場合に実行される開閉実行モードは、既に説明したとおり開閉数規定モードである。開閉数規定モードでは、短時間態様による特電入賞装置32の開放が、5回行われる。この場合に、開閉数規定モードの終了条件の上限個数は10個に設定されており、開閉数規定モードのトータルの開放継続時間は、遊技球の発射周期と開閉数規定モードの上限個数との積よりも短い時間に設定されている。よって、開閉数規定モードは、ラウンド遊技は実行されずに、当該開閉数規定モード中のトータルの入賞個数により上限個数か否かが判断される構成であるが、特電入賞装置32において上限回数分の開閉が実行される確率が高くなる。
【0250】
大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の種類の振分先は、主側ROM65に振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルの内容について
図25(a),(b)を用いて説明する。
【0251】
図25(a),(b)に示すように、振分テーブルには、大当たり結果の種類として、8R低確大当たり結果と、12R低確大当たり結果と、4R高確大当たり結果と、5R高確大当たり結果と、8R高確大当たり結果と、12R高確大当たり結果Aと、12R高確大当たり結果Bと、16R高確大当たり結果とが設定されている。
【0252】
8R低確大当たり結果では、開閉実行モードが8回のラウンド遊技が発生する高頻度入賞モードとなる。この開閉実行モードでは520個の遊技球の払い出しが期待できる。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても低確率モードとなる。この低確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が、1以上の回数として設定された終了基準回数(具体的には15回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行し、高頻度サポートモードの終了後に移行した低頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
【0253】
12R低確大当たり結果では、開閉実行モードが12回のラウンド遊技が発生する高頻度入賞モードとなる。この開閉実行モードでは780個の遊技球の払い出しが期待できる。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても低確率モードとなる。この低確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても低頻度サポートモードとなる。この低頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
【0254】
4R高確大当たり結果では、開閉実行モードが4回のラウンド遊技が発生する高頻度入賞モードとなる。この開閉実行モードは260個の遊技球の払い出しが期待できる。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる。この高確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる。この高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
【0255】
5R高確大当たり結果では、開閉実行モードが5回のラウンド遊技が発生する低頻度入賞モードとなる。この開閉実行モードでは、特電入賞装置32への入賞が期待できないため、遊技球の払い出し個数は実質的に0個となる。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる。この高確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、サポートモードは開閉実行モード移行前のモードが高頻度サポートモードであれば高頻度サポートモードとなる一方、開閉実行モード移行前のモードが低頻度サポートモードであれば低頻度サポートモードとなる。これらサポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
【0256】
8R高確大当たり結果は、開閉実行モードが8回のラウンド遊技が発生する高頻度入賞モードとなる。この開閉実行モードは520個の遊技球の払い出しが期待できる。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる。この高確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる。この高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
【0257】
12R高確大当たり結果Aは、開閉実行モードが12回のラウンド遊技が発生する高頻度入賞モードとなる。この開閉実行モードは780個の遊技球の払い出しが期待できる。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる。この高確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる。この高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
【0258】
12R高確大当たり結果Bは、開閉実行モードが12回のラウンド遊技が発生する高頻度入賞モードとなる。この開閉実行モードは780個の遊技球の払い出しが期待できる。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる。この高確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、サポートモードは開閉実行モード移行前のモードが高頻度サポートモードであれば高頻度サポートモードとなる一方、開閉実行モード移行前のモードが低頻度サポートモードであれば低頻度サポートモードとなる。これらサポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
【0259】
16R高確大当たり結果は、開閉実行モードが16回のラウンド遊技が発生する高頻度入賞モードとなる。この開閉実行モードは1040個の遊技球の払い出しが期待できる。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる。この高確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる。この高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
【0260】
振分テーブルとしては、
図25(a),(b)に示すように、第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第1特図用の振分テーブルと、第2作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第2特図用の振分テーブルと、が設定されている。
【0261】
各振分テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の振分テーブルは、
図25(a)に示すように、振分対象となる大当たり結果の種類として、12R低確大当たり結果と、5R高確大当たり結果と、12R高確大当たり結果Aと、12R高確大当たり結果Bと、16R高確大当たり結果とが設定されている。当該第1特図用の振分テーブルでは、「0~19」が12R低確大当たり結果に対応しており、「20~39」が5R高確大当たり結果に対応しており、「40~68」が12R高確大当たり結果Aに対応しており、「69~88」が12R高確大当たり結果Bに対応しており、「89~99」が16R高確大当たり結果に対応している。当該第1特図用の振分テーブルの場合、大当たり当選となった場合に、12R低確大当たり結果となる確率は20%であり、5R高確大当たり結果となる確率は20%であり、12R高確大当たり結果Aとなる確率は29%であり、12R高確大当たり結果Bとなる確率は20%であり、16R高確大当たり結果となる確率は11%である。
【0262】
ここで、小当たり結果となった場合、それを契機とした開閉実行モードでは、短時間態様による5回の特電入賞装置32の開閉が行われる。一方、5R高確大当たり結果では、5回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では短時間態様による1回の特電入賞装置32の開閉が行われる。つまり、5R高確大当たり結果及び小当たり結果のいずれかとなった場合、開閉実行モードにおける特電入賞装置32の動作態様が見た目上、同一となる。また、これら遊技結果となった場合の遊技回では、第1特図表示部37aにおいては相互に相違する停止結果が表示されるものの、当該第1特図表示部37aよりも表示領域が大きく設定された図柄表示装置41においては識別不可となる態様で停止結果が表示される。具体的には、上記遊技結果のいずれにおいても、図柄表示装置41ではいずれかの有効ライン上に共通の図柄組合せ(例えば「3・4・1」)が停止表示される。また、低頻度サポートモードにおいて5R高確大当たり結果となった場合、それを契機とした開閉実行モード中には、第1作動口33への入賞に基づき小当たり結果となった場合の開閉実行モードと区別がつかない態様で演出が実行され、さらに当該開閉実行モードの終了後には図柄表示装置41などにおいて高確率モードであることを明示する演出は実行されずに、第1作動口33への入賞に基づき小当たり結果となった場合の開閉実行モード後と同様の態様で演出が実行される。上記構成であることにより、例えば低確率モード及び低頻度サポートモードである状況で、低頻度入賞モードとなる開閉実行モード又は開閉数規定モードとなる開閉実行モードが発生した場合には、遊技者は、開閉実行モードの終了後に高確率モードに移行していることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技の興趣向上が図られる。
【0263】
また、第1作動口33への入賞に基づき12R低確大当たり結果又は12R高確大当たり結果Bとなった場合、12回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では長時間態様による1回の特電入賞装置32の開閉が行われる。つまり、12R低確大当たり結果及び12R高確大当たり結果Bのいずれかとなった場合、開閉実行モードにおける特電入賞装置32の動作態様が見た目上、同一となる。また、これら遊技結果となった場合の遊技回では、第1特図表示部37aにおいては相互に相違する停止結果が表示されるものの、当該第1特図表示部37aよりも表示領域が大きく設定された図柄表示装置41においては識別不可となる態様で停止結果が表示される。具体的には、上記遊技結果のいずれにおいても、図柄表示装置41ではいずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組合せが停止表示される。また、低頻度サポートモードにおいて12R高確大当たり結果Bとなった場合、それを契機とした開閉実行モード中には、12R低確大当たり結果となった場合の開閉実行モードと区別がつかない態様で演出が実行され、さらに当該開閉実行モードの終了後には図柄表示装置41などにおいて高確率モードであることを明示する演出は実行されずに、12R低確大当たり結果となった場合の開閉実行モード後と同様の態様で演出が実行される。上記構成であることにより、例えば低確率モード及び低頻度サポートモードである状況で、12回のラウンド遊技が実行される開閉実行モードが発生した場合には、遊技者は、開閉実行モードの終了後に高確率モードに移行していることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技の興趣向上が図られる。
【0264】
一方、第2特図用の振分テーブルは、
図25(b)に示すように、振分対象となる大当たり結果の種類として、8R低確大当たり結果と、4R高確大当たり結果と、8R高確大当たり結果と、16R高確大当たり結果とが設定されている。当該第2特図用の振分テーブルでは、「0~19」が8R低確大当たり結果に対応しており、「20~31」が4R高確大当たり結果に対応しており、「32~55」が8R高確大当たり結果に対応しており、「56~99」が16R高確大当たり結果に対応している。当該第2特図用の振分テーブルの場合、大当たり当選となった場合に、8R低確大当たり結果となる確率は20%であり、4R高確大当たり結果となる確率は12%であり、8R高確大当たり結果となる確率は24%であり、16R高確大当たり結果となる確率は44%である。
【0265】
ここで、第2作動口34への入賞に基づき8R低確大当たり結果又は8R高確大当たり結果となった場合、8回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では長時間態様による1回の特電入賞装置32の開閉が行われる。つまり、8R低確大当たり結果及び8R高確大当たり結果のいずれかとなった場合、開閉実行モードにおける特電入賞装置32の動作態様が見た目上、同一となる。また、これら遊技結果となった場合の遊技回では、第1特図表示部37aにおいては相互に相違する停止結果が表示されるものの、当該第1特図表示部37aよりも表示領域が大きく設定された図柄表示装置41においては識別不可となる態様で停止結果が表示される。具体的には、上記遊技結果のいずれにおいても、図柄表示装置41ではいずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組合せが停止表示される。また、8R低確大当たり結果となった場合及び8R高確大当たり結果となった場合のいずれにおいても、それを契機とした開閉実行モード中にはいずれの大当たり結果であるかの区別がつかない態様で演出が実行され、さらに当該開閉実行モードの終了後には図柄表示装置41などにおいて高確率モードであることを明示する演出は実行されずに、同様の態様で演出が実行される。また、開閉実行モードの直後は、いずれの場合であってもサポートモードが高頻度サポートモードとなる。上記構成であることにより、例えば高確率モード及び高頻度サポートモードである状況で、8回のラウンド遊技が実行される開閉実行モードが発生した場合には、遊技者は、開閉実行モードの終了後に低確率モードへの移行が発生していないことを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技の興趣向上が図られる。
【0266】
また、第1特図用の振分テーブルと第2特図用の振分テーブルとでは、大当たり当選となった場合において開閉実行モード後に高確率モードとなる確率が同一である。その一方、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなる確率は第2特図用の振分テーブルの方が第1特図用の振分テーブルよりも高い。より詳細には、第1特図用の振分テーブルでは低頻度入賞モードとなり得るのに対して、第2特図用の振分テーブルでは低頻度入賞モードとなり得ない。さらにまた、第1特図用の振分テーブルでは、最も有利な大当たり結果である16R高確大当たり結果となる確率が11%であり、他の大当たり結果と比べて振分確率が最も低いのに対して、第2特図用の振分テーブルでは、最も有利な大当たり結果である16R高確大当たり結果となる確率が44%であり、他の大当たり結果と比べて振分確率が最も高い。したがって、大当たり当選となった場合に選択され得る大当たり結果の種類としては、第1作動口33への入賞が発生して内部抽選が行われる場合よりも、第2作動口34への入賞が発生して内部抽選が行われる場合の方が遊技者にとって有利である。
【0267】
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
【0268】
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
【0269】
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
【0270】
予告表示には、図柄表示装置41の表示面41aにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1~Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1~Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
【0271】
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果や、小当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM65のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
【0272】
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主側CPU64において行うのではなく、音声発光制御装置70において行われる。この場合、音声発光制御装置70では、いずれかの大当たり結果又は小当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
【0273】
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bにおける表示継続時間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続時間とを主側CPU64において決定する上で用いられる。具体的には、変動種別カウンタCSの値は、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
【0274】
<主側CPU64の処理構成について>
次に、主側CPU64にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側CPU64の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
【0275】
<メイン処理>
まず、
図26のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
【0276】
ステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1秒が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102では主側RAM66のアクセスを許可するとともに、ステップS103にて主側CPU64の内部機能レジスタの設定を行う。
【0277】
その後、ステップS104では、RAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定する。既に説明したとおり、RAM消去スイッチは電源・発射制御装置78に設けられており、電源投入時にRAMデータを初期化する場合には当該RAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。続くステップS105では、主側RAM66の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
【0278】
RAM消去スイッチが押されている場合(ステップS104:YES)には、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合(ステップS105:NO)や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合(ステップS107:NO)も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM66の初期化として当該主側RAM66をクリアする。その後、ステップS109に進む。
【0279】
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合(ステップS104:NO)には、停電フラグに「1」がセットされていること(ステップS105:YES)、及びチェックサムが正常であること(ステップS107:YES)を条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM66の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置70に送信する。
【0280】
その後、ステップS110~ステップS113の残余処理に進む。つまり、主側CPU64はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110~ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110~ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
【0281】
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM66の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110~ステップS113の処理を繰り返す。
【0282】
<タイマ割込み処理>
次に、
図27のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4ミリ秒周期)に実行される。
【0283】
タイマ割込み処理では、まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視回路201から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。停電時処理では、主側CPU64から払出側CPU222に対して出力されている払出リセット信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる。既に説明したとおり、払出側CPU222は、払出リセット信号の立ち下がりを検出した場合に、払出側RAM224を初期化するための処理を実行する。
【0284】
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
【0285】
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
【0286】
続くステップS205では、不正用の監視対象として設定されている不正な電波の検知及び不正な磁気の検知が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。
図21を参照しながら既に説明したとおり、MPU63の入力側には、第2中継基板PB2及び第4コネクタCN4を介して、電波検知センサ202及び磁気検知センサ203が接続されている。ステップS205における不正検知処理では、主側CPU64が電波検知センサ202から受信する検知信号及び磁気検知センサ203から受信する検知信号の状態に基づいて、監視対象の不正が発生しているか否かを監視する。既に説明したとおり、主側CPU64は、電波検知センサ202から受信する検知信号のLOW状態からHI状態への立ち上がりを検出した場合に不正な電波が検知されたことを特定するとともに、磁気検知センサ203から受信する検知信号のLOW状態からHI状態への立ち上がりを検出した場合に不正な磁気が検知されたことを特定する。ステップS205における不正検知処理では、いずれかの不正が発生したことを特定した場合に音声発光制御装置70に対して不正検知報知コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、不正検知報知コマンドを受信した場合、不正検知報知が行われるようにスピーカ部54の音出力制御を行うとともに、表示制御装置90の制御を行う。これにより、スピーカ部54及び図柄表示装置41にて監視対象の不正が発生したことを示す報知が行われる。その後、主側RAM66に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットする。これにより、遊技を進行させるための処理(ステップS208~ステップS219の処理)が実行されなくなる。
【0287】
その後、特電普電監視処理を実行する(ステップS206)。特電普電監視処理では、開閉実行モードでない場合、特電開放検知センサ32bから受信する検知信号の状態に基づいて特電入賞装置32が開放状態であるか否かを判定する。そして、特電入賞装置32が開放状態であることを特定した場合には、音声発光制御装置70に対して特電異常報知コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、特電異常報知コマンドを受信した場合、特電異常報知が行われるようにスピーカ部54の音出力制御を行うとともに、表示制御装置90の制御を行う。これにより、スピーカ部54及び図柄表示装置41にて特電入賞装置32に対する不正が発生したことを示す報知が行われる。その後、主側RAM66に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットする。これにより、遊技を進行させるための処理(ステップS208~ステップS219の処理)が実行されなくなる。また、特電普電監視処理(ステップS206)では、普電役物34aの開放状態当選が発生していない場合、普電開放検知センサ34bから受信する検知信号の状態に基づいて普電役物34aが開放状態であるか否かを判定する。そして、普電役物34aが開放状態であることを特定した場合には、音声発光制御装置70に対して普電異常報知コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、普電異常報知コマンドを受信した場合、普電異常報知が行われるようにスピーカ部54の音出力制御を行うとともに、表示制御装置90の制御を行う。これにより、スピーカ部54及び図柄表示装置41にて普電役物34aに対する不正が発生したことを示す報知が行われる。その後、主側RAM66に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットする。これにより、遊技を進行させるための処理(ステップS208~ステップS219の処理)が実行されなくなる。
【0288】
続くステップS207では、主側RAM66に設けられた遊技停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。ステップS207にて肯定判定を行った場合には、遊技を進行させるための処理(ステップS208~ステップS219の処理)を実行することなく本タイマ割込み処理を終了する。このように、主側RAM66における遊技停止フラグに「1」がセットされた場合には、遊技を進行させるための処理が実行されなくなる。
【0289】
一方、ステップS207にて否定判定をした場合に、ステップS208以降の処理を実行する。ステップS208では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,34cに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用駆動部34cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
【0290】
続くステップS209では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
【0291】
続くステップS210では入球検知処理を実行する。
図28は主側CPU64にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、第1作動口検知センサ46aは主制御基板61における第2コネクタCN2を介して主側CPU64と電気的に接続されているとともに、第2作動口検知センサ47aは主制御基板61における第3コネクタCN3を介して主側CPU64と電気的に接続されている。また、第1~第3入賞口検知センサ42a~44a、特電検知センサ45a、アウト口検知センサ48a及びゲート検知センサ49aは主制御基板61における第4コネクタCN4を介して主側CPU64と電気的に接続されている。
【0292】
入球検知処理では、まず第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検出されたか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301では、第1入賞口検知センサ42aから受信している検知信号がHI状態である場合に主側RAM66に設けられた第1入賞口フラグに「1」をセットするとともに、当該検知信号がLOW状態である場合に第1入賞口フラグを「0」クリアする。第1入賞口フラグは、第1入賞口検知センサ42aから受信した検知信号の状態を主側CPU64にて把握可能とするフラグである。ステップS301では、第1入賞口フラグの値が「0」から「1」になった場合に第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検出されたと判定する。
【0293】
ステップS301にて肯定判定を行った場合には、主側RAM66に設けられた排出個数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS302)、主側RAM66に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS303)。排出個数カウンタは、遊技領域PAから排出された遊技球の数を主側CPU64にて把握するためのカウンタである。排出個数カウンタは7ビットのカウンタであり、排出個数カウンタには「0」~「127」のいずれかの数値情報が格納される。10個賞球用カウンタは、10個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU64にて特定するためのカウンタである。10個賞球用カウンタの値が1以上である場合、主側CPU64は後述する払出出力処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS218)にて10個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するための処理を実行する。
【0294】
ステップS301にて否定判定を行った場合、又はステップS303の処理を行った場合には、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検出されたか否かを判定する(ステップS304)。ステップS304では、第2入賞口検知センサ43aから受信している検知信号がHI状態である場合に主側RAM66に設けられた第2入賞口フラグに「1」をセットするとともに、当該検知信号がLOW状態である場合に第2入賞口フラグを「0」クリアする。第2入賞口フラグは、第2入賞口検知センサ43aから受信した検知信号の状態を主側CPU64にて把握可能とするフラグである。ステップS304では、第2入賞口フラグの値が「0」から「1」になった場合に第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検出されたと判定する。ステップS304にて肯定判定を行った場合には、主側RAM66における排出個数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS305)、主側RAM66における10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS306)。
【0295】
ステップS304にて否定判定を行った場合、又はステップS306の処理を行った場合には、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検出されたか否かを判定する(ステップS307)。ステップS307では、第3入賞口検知センサ44aから受信している検知信号がHI状態である場合に主側RAM66に設けられた第3入賞口フラグに「1」をセットするとともに、当該検知信号がLOW状態である場合に第3入賞口フラグを「0」クリアする。第3入賞口フラグは、第3入賞口検知センサ44aから受信した検知信号の状態を主側CPU64にて把握可能とするフラグである。ステップS307では、第3入賞口フラグの値が「0」から「1」になった場合に第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検出されたと判定する。ステップS307にて肯定判定を行った場合には、主側RAM66における排出個数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS308)、主側RAM66における10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS309)。
【0296】
ステップS307にて否定判定を行った場合、又はステップS309の処理を行った場合には、特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検出されたか否かを判定する(ステップS310)。ステップS310では、特電検知センサ45aから受信している検知信号がHI状態である場合に主側RAM66に設けられた特電フラグに「1」をセットするとともに、当該検知信号がLOW状態である場合に特電フラグを「0」クリアする。特電フラグは、特電検知センサ45aから受信した検知信号の状態を主側CPU64にて把握可能とするフラグである。ステップS310では、特電フラグの値が「0」から「1」になった場合に特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検出されたと判定する。
【0297】
ステップS310にて肯定判定を行った場合には、主側RAM66における排出個数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS311)、主側RAM66に設けられた15個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS312)。15個賞球用カウンタは、15個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU64にて特定するためのカウンタである。15個賞球用カウンタの値が1以上である場合、主側CPU64は後述する払出出力処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS218)にて15個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するための処理を実行する。
【0298】
ステップS310にて否定判定を行った場合、又はステップS312の処理を行った場合には、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検出されたか否かを判定する(ステップS313)。ステップS313では、第1作動口検知センサ46aから受信している検知信号がHI状態である場合に主側RAM66に設けられた第1作動口フラグに「1」をセットするとともに、当該検知信号がLOW状態である場合に第1作動口フラグを「0」クリアする。第1作動口フラグは、第1作動口検知センサ46aから受信した検知信号の状態を主側CPU64にて把握可能とするフラグである。ステップS313では、第1作動口フラグの値が「0」から「1」になった場合に第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検出されたと判定する。
【0299】
ステップS313にて肯定判定を行った場合には、主側RAM66に設けられた第1作動入賞フラグに「1」をセットする(ステップS314)。第1作動入賞フラグは、第1作動口33に1個の遊技球が入球したことを主側CPU64にて特定するためのフラグである。第1作動入賞フラグに「1」がセットされた場合、主側CPU64は後述する特図特電制御処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS214)にて、第1特図保留エリア215の第1~第4エリア215a~215dに格納されている保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、第1特図保留エリア215に保留情報を新たに格納する処理を実行する。
【0300】
その後、主側RAM66における排出個数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS315)、主側RAM66に設けられた1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS316)。1個賞球用カウンタは、1個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU64にて特定するためのカウンタである。1個賞球用カウンタの値が1以上である場合、主側CPU64は後述する払出出力処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS218)にて1個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するための処理を実行する。
【0301】
ステップS313にて否定判定を行った場合、又はステップS316の処理を行った場合には、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検知されたか否かを判定する(ステップS317)。ステップS317では、第2作動口検知センサ47aから受信している検知信号がHI状態である場合に主側RAM66に設けられた第2作動口フラグに「1」をセットするとともに、当該検知信号がLOW状態である場合に第2作動口フラグを「0」クリアする。第2作動口フラグは、第2作動口検知センサ47aから受信した検知信号の状態を主側CPU64にて把握可能とするフラグである。ステップS317では、第2作動口フラグの値が「0」から「1」になった場合に第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検出されたと判定する。
【0302】
ステップS317にて肯定判定を行った場合には、主側RAM66に設けられた第2作動入賞フラグに「1」をセットする(ステップS318)。第2作動入賞フラグは、第2作動口34に1個の遊技球が入球したことを主側CPU64にて特定するためのフラグである。第2作動入賞フラグに「1」がセットされた場合、主側CPU64は後述する特図特電制御処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS214)にて、第2特図保留エリア216の第1~第4エリア216a~216dに格納されている保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、第2特図保留エリア216に保留情報を新たに格納する処理を実行する。
【0303】
その後、主側RAM66における排出個数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS319)、主側RAM66における1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS320)。
【0304】
ステップS317にて否定判定を行った場合、又はステップS320の処理を行った場合には、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検出されたか否かを判定する(ステップS321)。ステップS321では、アウト口検知センサ48aから受信している検知信号がHI状態である場合に主側RAM66に設けられたアウト口フラグに「1」をセットするとともに、当該検知信号がLOW状態である場合にアウト口フラグを「0」クリアする。アウト口フラグは、アウト口検知センサ48aから受信した検知信号の状態を主側CPU64にて把握可能とするフラグである。ステップS321では、アウト口フラグの値が「0」から「1」になった場合にアウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検出されたと判定する。ステップS321にて肯定判定を行った場合には、主側RAM66における排出個数カウンタの値を1加算する(ステップS322)。
【0305】
ステップS321にて否定判定を行った場合、又はステップS322の処理を行った場合には、ゲート検知センサ49aにて1個の遊技球が検出されたか否かを判定する(ステップS323)。ステップS323では、ゲート検知センサ49aから受信している検知信号がHI状態である場合に主側RAM66に設けられたゲートフラグに「1」をセットするとともに、当該検知信号がLOW状態である場合にゲートフラグを「0」クリアする。ゲートフラグは、ゲート検知センサ49aから受信した検知信号の状態を主側CPU64にて把握可能とするフラグである。ステップS323では、ゲートフラグの値が「0」から「1」になった場合にゲート検知センサ49aにて1個の遊技球が検出されたと判定する。
【0306】
ステップS323にて肯定判定を行った場合には、主側RAM66に設けられたゲート入賞フラグに「1」をセットする(ステップS324)。ゲート入賞フラグは、スルーゲート35に1個の遊技球が入球したことを主側CPU64にて特定するためのフラグである。ゲート入賞フラグに「1」がセットされた場合、主側CPU64は後述する普図普電制御処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS215)にて、普図保留エリア213の第1~第4エリア218a~218dに格納されている普図側の保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、現状の普電乱数カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普図保留エリア213に格納する処理を実行する。
【0307】
ステップS323にて否定判定を行った場合、又はステップS324の処理を行った場合には、排出個数管理処理を実行して(ステップS325)、本入球検知処理を終了する。排出個数管理処理では、主側RAM66における排出個数カウンタの値が「100」に達しているか否かを判定する。排出個数カウンタの値が「100」に達している場合には、主側RAM66における排出情報フラグに「1」をセットするとともに、排出個数カウンタの値を「100」減算する。排出情報フラグは、「100」個の遊技球がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかを通じて遊技領域PAから排出されたことを主側CPU64にて把握可能とするフラグである。排出情報フラグに「1」がセットされた場合、主側CPU64は後述する外部情報設定処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS219)にて、「100」個の遊技球が遊技領域PAから排出されたことを示す情報を外部端子板79に出力する処理を実行する。
【0308】
タイマ割込み処理(
図27)の説明に戻り、ステップS210にて入球検知処理を実行した後、ステップS211では、主側RAM66に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
【0309】
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射制御処理では、既に説明したとおり、電源・発射制御装置78から発射状態信号を受信していることを条件として、電源・発射制御装置78に対して発射許可信号を送信する。既に説明したとおり、発射状態信号は主制御基板61における第1コネクタCN1を介して電源・発射制御装置78から主側CPU64に対して送信されるとともに、発射許可信号は第1コネクタCN1を介して主側CPU64から電源・発射制御装置78に送信される。主側CPU64は、電源・発射制御装置78から発射状態信号を受信することにより、発射操作装置28に対して発射操作が行われている状態であることを把握する。発射制御処理では、発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況において、所定の発射周期である0.6秒間隔で発射許可信号を送信する。
【0310】
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS209の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各種検知センサ42a~49aの断線確認や、遊技機本体12及び前扉枠14の開放確認を行う。
【0311】
続くステップS214では、遊技回の実行制御、及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
【0312】
続くステップS215では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、主側RAM66におけるゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、普電保留エリア65cに格納されている普図側の保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、現状の普電乱数カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普電保留エリア65cに格納する処理を実行し、ゲート入賞フラグを「0」クリアする。また、ステップS215における普図普電制御処理では、普電乱数カウンタC4の数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、その開放判定を契機として普図表示部38aにて普図用の演出を行うための処理を実行する。さらにまた、ステップS215における普図普電制御処理では、開放判定の結果に基づいて、第2作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
【0313】
続くステップS216では表示制御処理を実行する。当該表示制御処理では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、第1特図表示部37aに係る保留情報の増減個数を第1特図保留表示部37cに反映させるための出力情報の設定、第2特図表示部37bに係る保留情報の増減個数を第2特図保留表示部37dに反映させるための出力情報の設定、及び普図表示部38aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部38bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216における表示制御処理では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。さらにまた、ステップS216における表示制御処理では、直前のステップS214の処理結果に基づいて、ラウンド表示部39の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
【0314】
続くステップS217では、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。なお、払出状態受信処理の詳細については後述する。
【0315】
その後、ステップS218では、各種賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。払出出力処理では、主側RAM66における1個賞球用カウンタ、10個賞球用カウンタ及び15個賞球用カウンタの値に基づいて、払出制御装置77に対して賞球コマンド(1個賞球コマンド、10個賞球コマンド、又は15個賞球コマンド)を送信するための処理を実行する。なお、払出出力処理の詳細については後述する。
【0316】
続くステップS219では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行して、本タイマ割込み処理を終了する。既に説明したとおり、主側CPU64は主制御基板61における第1コネクタCN1を介して外部端子板79に接続されているとともに、外部端子板79は外部装置である遊技ホールの管理コンピュータ(図示略)に接続されている。ステップS219における外部情報設定処理では、外部端子板79において主側CPU64に割り当てられている各外部端子への情報の出力設定を行う。既に説明したとおり、主側CPU64から第1コネクタCN1を介して外部端子板79に対して出力される外部信号には、開閉実行モード中であることを示す信号と、サポートモードが高頻度サポートモード中であることを示す信号と、一の遊技回が終了したことを示す信号と、所定個数(例えば100個)の遊技球がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかを通じて遊技領域PAから排出されたことを示す信号と、第1作動口33に遊技球が入球したことを示す信号と、第2作動口34に遊技球が入球したことを示す信号と、が含まれている。
【0317】
管理コンピュータは、外部端子板79を通じて主側CPU64からこれらの情報を受信するとともに、外部端子板79を通じて払出制御装置77から後述する各種情報を受信する。そして、パチンコ機10から受信した各種情報に応じて、出玉率(パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに発生した遊技球の払出個数の割合)等を算出することにより、当該パチンコ機10における遊技球の払い出しの実行態様等を把握する。
【0318】
次に、払出側CPU222にて実行される払出側タイマ割込み処理について
図29のフローチャートを参照しながら説明する。なお、払出側タイマ割込み処理は、予め定められた周期(例えば2ミリ秒)で繰り返し起動されるものである。
【0319】
払出側タイマ割込み処理では、まず満タン用処理を実行する(ステップS401)。満タン用処理では、既に説明した満タン検知センサの検知結果に基づいて満タン状態であるか否かを特定し、満タン状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、満タン状態であることを示す満タン状態コマンドを主側CPU64に送信する。また、満タン状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、満タン状態が解除されたことを示す満タン状態解除コマンドを主側CPU64に送信する。これら満タン状態コマンド及び満タン状態解除コマンドは、主制御基板61における第1コネクタCN1を介して主側CPU64に送信される。主側CPU64は、払出状態受信処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS217)にて、満タン状態コマンドを受信した場合に満タン状態であることを把握するとともに、満タン状態解除コマンドを受信した場合に満タン状態が解除されたことを把握する。
【0320】
その後、球無用処理を実行する(ステップS402)。球無用処理では、既に説明した球無検知センサの検知結果に基づいて球無状態であるか否かを特定し、球無状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、球無状態であることを示す球無状態コマンドを主側CPU64に送信する。また、球無状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、球無状態が解除されたことを示す球無状態解除コマンドを主側CPU64に送信する。これらの球無状態コマンド及び球無状態解除コマンドは、主制御基板61における第1コネクタCN1を介して主側CPU64に送信される。主側CPU64は、払出状態受信処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS217)にて、球無状態コマンドを受信した場合に球無状態であることを把握するとともに、球無状態解除コマンドを受信した場合に球無状態が解除されたことを把握する。
【0321】
その後、払出異常監視処理を実行する(ステップS403)。払出異常監視処理では、既に説明したとおり払出検知センサの検知結果に基づいて払出異常状態であるか否かを特定し、払出異常状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、払出異常状態であることを示す払出異常状態コマンドを主側CPU64に送信する。また、払出異常状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、払出異常状態が解除されたことを示す払出異常状態解除コマンドを主側CPU64に送信する。これら払出異常状態コマンド及び払出異常状態解除コマンドは、主制御基板61における第1コネクタCN1を介して主側CPU64に送信される。主側CPU64は、払出状態受信処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS217)にて、払出異常状態コマンドを受信した場合に払出異常状態であることを把握するとともに、払出異常状態解除コマンドを受信した場合に払出異常状態が解除されたことを把握する。
【0322】
その後、前扉開放監視処理を実行する(ステップS404)。前扉開放監視処理では、既に説明したとおり前扉開放センサ225から受信する検知信号の状態に基づいて前扉枠14が開放状態であるか否かを特定し、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、前扉開放コマンドを主側CPU64に送信する。また、前扉枠14が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、前扉閉鎖コマンドを主側CPU64に送信する。これら前扉開放コマンド及び前扉閉鎖コマンドは、主制御基板61における第1コネクタCN1を介して主側CPU64に送信される。主側CPU64は、払出状態受信処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS217)にて、前扉開放コマンドを受信した場合に前扉枠14が開放されたことを把握するとともに、前扉閉鎖コマンドを受信した場合に前扉枠14が閉鎖されたことを把握する。
【0323】
その後、本体開放監視処理を実行する(ステップS405)。本体開放監視処理では、既に説明したとおり本体開放センサ226から受信する検知信号の状態に基づいて遊技機本体12が開放状態であるか否かを特定し、遊技機本体12が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、本体開放コマンドを主側CPU64に送信する。また、遊技機本体12が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、本体閉鎖コマンドを主側CPU64に送信する。これら本体開放コマンド及び本体閉鎖コマンドは、主制御基板61における第1コネクタCN1を介して主側CPU64に送信される。主側CPU64は、払出状態受信処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS217)にて、本体開放コマンドを受信した場合に遊技機本体12が開放されたことを把握するとともに、本体閉鎖コマンドを受信した場合に遊技機本体12が閉鎖されたことを把握する。
【0324】
その後、払出側RAM224に設けられた未払出カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS406)。既に説明したとおり、未払出カウンタは、未払出の遊技球の数を払出側CPU222にて把握するためのカウンタである。ステップS406にて否定判定を行った場合には、主側CPU64から1個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンドのいずれかを受信したか否かを判定する(ステップS407)。いずれかの賞球コマンドを受信している場合(ステップS407:YES)には、その受信した賞球コマンドに対応する賞球個数を未払出カウンタにセットする(ステップS408)。ステップS408では、1個賞球コマンドを受信した場合に未払出カウンタに「1」をセットし、10個賞球コマンドを受信した場合に未払出カウンタに「10」をセットし、15個賞球コマンドを受信した場合に未払出カウンタに「15」をセットする。
【0325】
その後、賞球許可信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる(ステップS409)。賞球許可信号は、主側CPU64から払出側CPU222に対して賞球コマンド(1個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンドのいずれか)を送信することが可能であるか否かを示す信号である。賞球許可信号がHI状態である場合には賞球コマンドを送信することが可能であるとともに、賞球許可信号がLOW状態である場合には賞球コマンドを送信することができない。賞球許可信号は、払出側RAM224における未払出カウンタの値が「0」である場合にHI状態に設定されるとともに、未払出カウンタの値が1以上である場合にLOW状態に設定される。
【0326】
ステップS406にて肯定判定を行った場合、又はステップS409の処理を行った場合には、払出制御処理を行う(ステップS410)。払出制御処理では、1個の遊技球が払い出されるように払出装置76の駆動制御を行う。その後、払出側RAM224における未払出カウンタの値を1減算し(ステップS411)、その減算後の未払出カウンタの値が「0」となったか否かを判定する(ステップS412)。ステップS412にて肯定判定を行った場合には、賞球許可信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS413)。
【0327】
ステップS407にて否定判定を行った場合、ステップS412にて否定判定を行った場合、又はステップS413の処理を行った場合には、払出側外部情報設定処理を行う(ステップS414)。既に説明したとおり、外部端子板79における一部の外部端子であって複数の外部端子は払出側CPU222と電気的に接続されている。ステップS414における払出側外部情報設定処理では、外部端子板79において払出側CPU222に割り当てられている各外部端子への情報の出力設定を行う。既に説明したとおり、払出側CPU222から外部端子板79に出力される情報として、10個の遊技球の払い出しが行われたことを示す情報が含まれている。管理コンピュータは、外部端子板79を通じて主側CPU64及び払出制御装置77から各種情報を受信する。そして、その受信した各種情報に応じて、出玉率(パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに発生した遊技球の払出個数の割合)等を算出することにより、当該パチンコ機10における遊技球の払い出しの実行態様等を把握する。
【0328】
その後、リセット対応処理を実行して(ステップS415)、本払出側タイマ割込み処理を終了する。リセット対応処理では、主側CPU64から受信している払出リセット信号の状態に基づいて、主側CPU64において電源遮断の発生が特定されたか否かを判定し、電源遮断の発生が特定されていないと判定した場合にはそのまま本払出側タイマ割込み処理を終了する。一方、電源遮断の発生が特定されたと判定した場合には、停電に対応する処理を実行して、無限ループに入る。停電に対応する処理が実行されることにより、払出側RAM224は初期化される。
【0329】
次に、主側CPU64にて実行される払出状態受信処理について
図30のフローチャートを参照しながら説明する。なお、払出状態受信処理はタイマ割込み処理(
図27)のステップS217にて実行される。
【0330】
払出状態受信処理では、まず満タン状態対応処理を行う(ステップS501)。満タン状態対応処理では、払出側CPU222から満タン状態コマンドを受信した場合、音声発光制御装置70に対して満タン報知コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、満タン報知コマンドを受信した場合、満タン状態であることの報知が行われるようにスピーカ部54(
図1)の音出力制御及び表示制御装置90の制御を行う。また、満タン状態対応処理では、払出側CPU222から満タン状態解除コマンドを受信した場合、又は払出リセット信号を受信した場合に、音声発光制御装置70に対して満タン報知終了コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、満タン報知終了コマンドを受信した場合、スピーカ部54及び図柄表示装置41にて行われている満タン状態であることの報知を終了させる。
【0331】
その後、球無状態対応処理を行う(ステップS502)。球無状態対応処理では、払出側CPU222から球無状態コマンドを受信した場合、音声発光制御装置70に対して球無報知コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、球無報知コマンドを受信した場合、球無状態であることの報知が行われるようにスピーカ部54(
図1)の音出力制御及び表示制御装置90の制御を行う。また、球無状態対応処理では、払出側CPU222から球無状態解除コマンドを受信した場合、又は払出リセット信号を受信した場合に、音声発光制御装置70に対して球無報知終了コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、球無報知終了コマンドを受信した場合、スピーカ部54及び図柄表示装置41にて行われている球無状態であることの報知を終了させる。
【0332】
その後、払出異常状態対応処理を行う(ステップS503)。払出異常状態対応処理では、払出側CPU222から払出異常状態コマンドを受信した場合、音声発光制御装置70に対して払出異常報知コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、払出異常報知コマンドを受信した場合、払出異常状態であることの報知が行われるようにスピーカ部54(
図1)の音出力制御及び表示制御装置90の制御を行う。また、払出異常状態対応処理では、払出側CPU222から払出異常状態解除コマンドを受信した場合、又は払出リセット信号を受信した場合に、音声発光制御装置70に対して払出異常報知終了コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、払出異常報知終了コマンドを受信した場合、スピーカ部54及び図柄表示装置41にて行われている払出異常状態であることの報知を終了させる。
【0333】
その後、前扉開放状態対応処理を行う(ステップS504)。前扉開放状態対応処理では、払出側CPU222から前扉開放状態コマンドを受信した場合、音声発光制御装置70に対して前扉開放報知コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、前扉開放報知コマンドを受信した場合、前扉開放状態であることの報知が行われるようにスピーカ部54(
図1)の音出力制御及び表示制御装置90の制御を行う。また、前扉開放状態対応処理では、払出側CPU222から前扉開放状態解除コマンドを受信した場合、音声発光制御装置70に対して前扉開放報知終了コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、前扉開放報知終了コマンドを受信した場合、スピーカ部54及び図柄表示装置41にて行われている前扉開放状態であることの報知を終了させる。
【0334】
その後、本体開放状態対応処理を行って(ステップS505)、本払出状態受信処理を終了する。本体開放状態対応処理では、払出側CPU222から本体開放状態コマンドを受信した場合、音声発光制御装置70に対して本体開放報知コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、本体開放報知コマンドを受信した場合、本体開放状態であることの報知が行われるようにスピーカ部54(
図1)の音出力制御及び表示制御装置90の制御を行う。また、本体開放状態対応処理では、払出側CPU222から本体開放状態解除コマンドを受信した場合、音声発光制御装置70に対して本体開放報知終了コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、本体開放報知終了コマンドを受信した場合、スピーカ部54及び図柄表示装置41にて行われている本体開放状態であることの報知を終了させる。
【0335】
次に、主側CPU64にて実行される払出出力処理について
図31のフローチャートを参照しながら説明する。なお、払出出力処理はタイマ割込み処理(
図27)のステップS218にて実行される。
【0336】
払出出力処理では、まず払出側CPU222から主制御基板61における第1コネクタCN1を介して受信している賞球許可信号がHI状態であるか否かを判定し(ステップS601)、賞球許可信号がLOW状態であった場合(ステップS601:NO)には、そのまま本払出出力処理を終了する。一方、賞球許可信号がHI状態であった場合(ステップS601:YES)には、主側RAM66における15個賞球用カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS602)。ステップS602にて肯定判定を行った場合には、15個賞球コマンドを出力対象として設定する(ステップS603)。15個賞球コマンドは、主制御基板61における第1コネクタCN1を介して払出制御装置77に出力される。その後、15個賞球用カウンタの値を1減算して(ステップS604)、本払出出力処理を終了する。
【0337】
ステップS602にて否定判定を行った場合には、主側RAM66における10個賞球用カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS605)。ステップS605にて肯定判定を行った場合には、10個賞球コマンドを出力対象として設定する(ステップS606)。10個賞球コマンドは、主制御基板61における第1コネクタCN1を介して払出制御装置77に出力される。その後、10個賞球用カウンタの値を1減算して(ステップS607)、本払出出力処理を終了する。
【0338】
ステップS605にて否定判定を行った場合には、主側RAM66における1個賞球用カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS608)。ステップS608にて肯定判定を行った場合には、1個賞球コマンドを出力対象として設定する(ステップS609)。1個賞球コマンドは、主制御基板61における第1コネクタCN1を介して払出制御装置77に出力される。その後、1個賞球用カウンタの値を1減算して(ステップS610)、本払出出力処理を終了する。
【0339】
既に説明したとおり、パチンコ機10への動作電力の供給が停止された場合、払出側RAM224にはバックアップ電力が供給されない。このため、払出側RAM224における未払出カウンタの値が1以上である状態でパチンコ機10への動作電力の供給が停止された場合、払出側RAM224に記憶されていた未払出の賞球個数の情報(未払出カウンタの値)が失われてしまう。これに対して本実施形態では、払出側RAM224における未払出カウンタの値が「0」であることを条件として主側CPU64から払出側CPU222に対して賞球コマンドが送信される。このため、払出側RAM224に記憶される未払出の賞球個数(未払出カウンタの値)の最大値は、15個賞球コマンドを受信した場合における「15」である。払出側RAM224に記憶される未払出の賞球個数を「15」以下とすることにより、払出側RAM224に未払出の賞球個数の情報が存在している状況でパチンコ機10への動作電力の供給が停止された場合に失われる未払出の賞球個数が低減されている。
【0340】
<特図特電制御処理>
次に、主側CPU64にて実行される特図特電制御処理について
図32のフローチャートを参照しながら説明する。なお、特図特電制御処理はタイマ割込み処理(
図27)におけるステップS214にて実行される。
【0341】
特図特電制御処理では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
【0342】
特図特電制御処理では、まずステップS701にて、特図側の保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、主側RAM66における第1作動入賞フラグの値に基づいて第1作動口33への遊技球の入賞が発生しているか否かを判定する。第1作動口33への遊技球の入賞が発生している場合には、第1特図保留エリア215に記憶されている保留情報の数を読み出し、その保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満である場合に、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1特図保留エリア215のうち保留情報が記憶されていない最上位側のエリアに記憶する。そして、第1作動入賞フラグを「0」クリアする。また、当該取得処理では、主側RAM66における第2作動入賞フラグの値に基づいて第2作動口34への遊技球の入賞が発生しているか否かを判定する。第2作動口34への遊技球の入賞が発生している場合には、第2特図保留エリア216に記憶されている保留情報の数を読み出し、その保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満である場合に、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1特図保留エリア215のうち保留情報が記憶されていない最上位側のエリアに記憶する。そして、第2作動入賞フラグを「0」クリアする。
【0343】
ステップS701における保留情報の取得処理では、第1特図保留エリア215についての保留情報又は第2特図保留エリア216についての保留情報を取得した場合には、保留コマンドを音声発光制御装置70に送信する。音声発光制御装置70では、受信した保留コマンドに対応したコマンドを表示制御装置90に送信する。表示制御装置90では、保留コマンドを受信することで、図柄表示装置41における保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。この場合、当該保留コマンドには、第1特図保留エリア215及び第2特図保留エリア216のうちいずれの保留情報が増加したのかを示す情報が含まれているため、図柄表示装置41では、増加した側に対応した保留個数の表示が変更される。
【0344】
また、上記のように保留情報の数が増加した場合には、タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS216の表示制御処理にて、第1特図保留表示部37c及び第2特図保留表示部37dのうち保留個数の増加に対応した側に対して、保留個数の増加に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
【0345】
続くステップS702では、主側RAM66に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出し、ステップS703にて、主側ROM65に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す。そして、ステップS704にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する。
【0346】
ここで、ステップS702~ステップS704の処理内容について説明する。
【0347】
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出を制御するための処理と、開閉実行モードを制御するための処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出を制御するための処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS706)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS707)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS708)と、が設定されている。
【0348】
また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS709)と、特電入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS710)と、特電入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS711)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS712)と、が設定されている。
【0349】
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側CPU64にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
【0350】
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS706)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS707)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS708)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS709)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS710)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS711)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS712)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
【0351】
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。なお、特図特電カウンタは、初期値として0が設定されている。
【0352】
ステップS704の処理を実行した後は、ステップS705にて、ステップS704にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS706の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS707の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS708の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS709の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS710の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS711の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS712の特電終了処理にジャンプする。ステップS706~ステップS712のいずれかの処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。以下、ステップS706~ステップS712の処理について個別に説明する。
【0353】
<特図変動開始処理>
まずステップS706の特図変動開始処理について、
図33のフローチャートを参照しながら説明する。
【0354】
まずステップS801にて、第1特図保留エリア215及び第2特図保留エリア216のいずれかに保留情報が記憶されているか否かを判定する。ステップS801にて否定判定をした場合にはそのまま本特図変動開始処理を終了し、ステップS801にて肯定判定をした場合にはデータ設定処理を実行する(ステップS802)。
【0355】
ステップS802におけるデータ設定処理では、まず第2特図保留エリア216の保留個数が「0」であるか否かを判定し、第2特図保留エリア216の保留個数が「0」である場合には第1特図用のデータ設定処理を実行し、第2特図保留エリア216の保留個数が「0」ではない場合には第2特図用のデータ設定処理を実行する。ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、第1特図保留エリア215及び第2特図保留エリア216のいずれかに保留情報が記憶されている場合である。この場合に、データ設定処理では、第2特図保留エリア216の保留個数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2特図表示部37bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1特図保留エリア215の保留個数が1以上であるか否かに関係なく、第2特図保留エリア216に記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1特図保留エリア215及び第2特図保留エリア216の両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口34に対応した第2特図保留エリア216に記憶されている保留情報が遊技回の開始対象として優先されることとなる。
【0356】
データ設定処理(ステップS802)にて行われる第1特図用のデータ設定処理では、まず第1特図保留エリア215の第1エリア215aに格納されたデータを特図用の実行エリア217に移動する。その後、第1特図保留エリア215の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリア215a~215dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア215aのデータをクリアするとともに、第2エリア215b→第1エリア215a、第3エリア215c→第2エリア215b、第4エリア215d→第3エリア215cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。その後、主側RAM66に設けられた第2特図フラグを「0」クリアする。第2特図フラグは、今回の変動表示の開始が第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bのいずれであるかを特定するためのフラグである。その後、第1特図保留エリア215のデータのシフトが行われたことを音声発光制御装置70に認識させるための情報であるシフト時コマンドを出力して、本データ設定処理を終了する。音声発光制御装置70では、受信したシフト時コマンドに対応したコマンドを表示制御装置90に送信することで、図柄表示装置41における第1特図保留エリア215に対応した保留情報の数の表示を保留個数の減少に対応させて変更させる。また、上記のように第1特図保留エリア215における保留情報の数が減少した場合には、タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS216の表示制御処理にて、第1特図保留表示部37cに対して、保留個数の減少に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
【0357】
データ設定処理(ステップS802)にて行われる第2特図用のデータ設定処理では、まず第2特図保留エリア216の第1エリア216aに格納されたデータを特図用の実行エリア217に移動する。その後、第2特図保留エリア216の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリア216a~216dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア216aのデータをクリアするとともに、第2エリア216b→第1エリア216a、第3エリア216c→第2エリア216b、第4エリア216d→第3エリア216cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。その後、主側RAM66に設けられた第2特図フラグに「1」をセットする。その後、第2特図保留エリア216のデータのシフトが行われたことを音声発光制御装置70に認識させるための情報であるシフト時コマンドを出力して、本データ設定処理を終了する。音声発光制御装置70では、受信したシフト時コマンドに対応したコマンドを表示制御装置90に送信することで、図柄表示装置41における第2特図保留エリア216に対応した保留情報の数の表示を保留個数の減少に対応させて変更させる。また、上記のように第2特図保留エリア216における保留情報の数が減少した場合には、タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS216の表示制御処理にて、第2特図保留表示部37dに対して、保留個数の減少に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
【0358】
ステップS802におけるデータ設定処理を実行した後は、ステップS803にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、まず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には主側ROM65に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、特図用の実行エリア217に格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には主側ROM65に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、特図用の実行エリア217に格納されている当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
【0359】
続くステップS804では、ステップS803における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS805にて振分判定処理を実行する。振分判定処理では、主側RAM66の第2特図フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が第1特図保留エリア215及び第2特図保留エリア216のいずれの保留情報に対応したものであるかを判定する。そして、当該判定結果に対応した振分テーブルを、第1特図用の振分テーブル(
図25(a)参照)、及び第2特図用の振分テーブル(
図25(b)参照)の中から選択する。当該振分テーブルの選択を行った後は、特図用の実行エリア217に格納された保留情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、上記選択した振分テーブルにおいていずれの種類の大当たり結果に対応しているのかを把握する。具体的には、第1特図用の振分テーブルが選択された場合には、12R低確大当たり結果、5R高確大当たり結果、12R高確大当たり結果A、12R高確大当たり結果B及び16R高確大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを把握する。また、第2特図用の振分テーブルが選択された場合には、8R低確大当たり結果、4R高確大当たり結果、8R高確大当たり結果及び16R高確大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを把握する。
【0360】
続くステップS806では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM65に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM66に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS806では、ステップS805にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報を主側RAM66に記憶する。
【0361】
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各大当たり結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
【0362】
続くステップS807では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、主側RAM66には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS807では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS805の振分判定結果に対応したフラグに「1」をセットする。
【0363】
一方、ステップS804にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS808にて、ステップS803における当否判定処理の結果が小当たり結果であるか否かを判定する。小当たり結果である場合には、ステップS809にて、小当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM65に予め記憶されている小当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM66に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。続くステップS810では、主側RAM66に設けられた小当たりフラグに「1」をセットする。小当たりフラグは、ステップS803における当否判定処理にて小当たり結果が発生したことを主側CPU64にて把握可能とするフラグである。
【0364】
ステップS808にて否定判定をした場合には、ステップS811にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM65に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM66に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報及び小当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
【0365】
ステップS807、ステップS810及びステップS811のいずれかの処理を実行した後は、ステップS812にて、表示継続時間の取得処理を実行する。当該取得処理では、現状の遊技状態、当否判定処理の結果、振分判定処理の結果、リーチ表示の有無、変動種別カウンタCSの値及び保留情報の数に応じて、今回の遊技回における表示継続時間の情報を取得する。
【0366】
続くステップS813では、上記ステップS812にて取得した表示継続時間に対応した情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ更新処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS211)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bにおける絵柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置41では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で最終停止時間に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップS812にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間となっており、ステップS813では、ステップS812にて取得された表示継続時間から最終停止時間分を差し引いた時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。
【0367】
続くステップS814では、変動用コマンド及び種別コマンドを音声発光制御装置70に送信する。既に説明したとおり、これら変動用コマンド及び種別コマンドは、主制御基板61における第7コネクタCN7を介して音声発光制御装置70に送信される。変動用コマンドは、2バイトのデータ構成となっており、当該2バイトのデータには、当否判定処理の結果に対応したデータと、振分判定処理の結果に対応したデータと、表示継続時間に対応したデータとが含まれている。具体的には、2バイトのデータのうち上位4ビットのデータにより、自身が変動用コマンドであることを示すための識別用データが設定されており、次の4ビットのデータにより、当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応した抽選結果用データが設定されており、次の1ビットのデータにより、第1特図保留エリア215及び第2特図保留エリア216のうちいずれの保留情報を契機としているのかを示す契機用データが設定されており、残りの7ビットのデータにより、表示継続時間に対応した時間用データが設定されている。したがって、音声発光制御装置70では、変動用コマンドを受信した場合、上記識別用データから変動用コマンドであることを認識し、上記抽選結果用データから当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果を認識し、上記時間用データから今回の遊技回の表示継続時間を認識する。ここで、主側CPU64では、リーチが発生するか否かによって異なる表示継続時間を選択するため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、音声発光制御装置70では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
【0368】
種別コマンドは、2バイトのデータ構成となっており、当該2バイトのデータには、当否判定処理の結果に対応したデータと、振分判定処理の結果に対応したデータと、高確率モードであるか否かのデータと、高頻度サポートモードであるか否かのデータとが含まれている。具体的には、2バイトのデータのうち上位4ビットのデータにより、自身が種別コマンドであることを示すための識別用データが設定されており、次の4ビットのデータにより、当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応した抽選結果用データが設定されており、残りの8ビットのデータにより、高確率モードであるか否か及び高頻度サポートモードであるか否かの状態認識用データが設定されている。したがって、音声発光制御装置70では、種別コマンドを受信した場合、上記識別用データから種別コマンドであることを認識し、上記抽選結果用データから当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果を認識し、上記状態認識用データから高確率モードであるか否か及び高頻度サポートモードであるか否かを認識する。
【0369】
ここで、変動用コマンド及び種別コマンドの両方に、当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果に対応したデータが含まれている。したがって、音声発光制御装置70では、変動用コマンドに含まれる上記抽選結果用データと、種別コマンドに含まれる上記抽選結果用データとを照合することにより、変動用コマンド及び種別コマンドの受信に関してノイズなどの通信異常が発生していないか否かを特定することが可能となる。そして、両方の抽選結果用データが一致している場合には、それら変動用コマンド及び種別コマンドの内容に対応した演出用の制御を実行し、両方の抽選結果用データが一致していない場合には、それを報知することが可能となる。ちなみに、後者の場合、音声発光制御装置70では、当該遊技回において通信異常に対応した遊技回用演出が実行されるようにしてもよく、例えば当該遊技回用演出では、当否判定処理及び振分判定処理の結果に関係なく、図柄表示装置41において確実に完全外れに対応した図柄の組合せが停止表示されるようにしてもよい。この場合、当該遊技回用演出を、変動用コマンドに含まれる時間用データに対応した表示継続時間に亘って行う構成としてもよく、次回の変動用コマンド及び種別コマンドを受信するまで継続させる構成としてもよい。なお、変動用コマンドに、当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果のうち一方のデータが含まれていない構成としてもよく、両方のデータが含まれていない構成としてもよい。
【0370】
ステップS814の処理を実行した後は、ステップS815にて第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の実行対象側の表示部において、絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS816では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS816の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
【0371】
<特図変動中処理>
次に、特図特電制御処理(
図32)におけるステップS707の特図変動中処理について説明する。
【0372】
特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、最終停止表示前のタイミングであるか否かを判定し、最終停止表示前であれば第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の実行対象側における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。この規則的な変化は、最終停止表示を開始させるタイミングとなるまで継続される。また、この規則的な変化は、当たり結果となるか否か及びリーチ表示が発生するか否かに関係なく、一定の態様で行われる。
【0373】
また、最終停止表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、最終停止表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、最終停止表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、最終停止表示させるタイミングとなった場合には、図柄表示装置41にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置70に送信するとともに、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の実行対象側における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、遊技回の最終停止時間(0.5秒)の情報を主側ROM65から読み出し、特図特電タイマカウンタにセットする。そして、特図特電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
【0374】
<特図確定中処理>
次に、特図特電制御処理(
図32)におけるステップS708の特図確定中処理について説明する。
【0375】
特図確定中処理では、今回の遊技回の最終停止時間が経過したか否かを判定し、当該最終停止時間が経過している場合には今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が大当たり結果又は小当たり結果であるか否かを判定する。今回の遊技回の契機となった当否判定結果が大当たり結果及び小当たり結果のいずれでもない場合には、特図特電カウンタの値を「0」クリアして、本特図確定中処理を終了する。これにより、次回の特図特電制御処理では、特図変動開始処理が実行されることになる。
【0376】
一方、特図確定中処理において、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が大当たり結果又は小当たり結果であると判定した場合には、主側ROM65に予め記憶されているオープニング時間(例えば4秒)の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。その後、オープニングコマンドを音声発光制御装置70に送信する。オープニングコマンドは、音声発光制御装置70に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。オープニングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音声発光制御装置70は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応した態様で、開閉実行モードの演出を実行させることが可能となる。その後、特図特電カウンタの値を1加算することにより「2」が格納されていた当該特図特電カウンタの値を「3」に変更して、本特図確定中処理を終了する。
【0377】
<特電開始処理>
次に、特図特電制御処理(
図32)におけるステップS709の特電開始処理について説明する。
【0378】
特電開始処理では、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定し、当該オープニング時間が経過したと判定した場合には、今回の開閉実行モードの実行契機がいずれかの大当たり結果であるか否かを判定する。今回の開閉実行モードの実行契機がいずれかの大当たり結果であると判定した場合には、主側RAM66に設けられたラウンドカウンタに、今回の大当たり結果に対応したラウンド遊技の回数の値をセットし、主側RAM66に設けられた入賞カウンタPCに10をセットする。ラウンドカウンタは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数を主側CPU64にて特定するためのカウンタであり、入賞カウンタPCは、一のラウンド遊技又は一の開閉数規定モードにおいて、上限個数の遊技球の入賞が発生したか否かを主側CPU64にて特定するためのカウンタである。その後、大当たり結果に対応した開放継続時間の読み出し処理を実行する。具体的には、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が5R高確大当たり結果である場合には、主側ROM65から短時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。当該開放継続時間は、遊技球の発射周期(0.6秒)よりも短い、0.05秒となっている。一方、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が5R高確大当たり結果以外である場合には、主側ROM65から長時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。
【0379】
一方、今回の開閉実行モードの実行契機がいずれの大当たり結果でもないと判定した場合、すなわち今回の開閉実行モードの実行契機が小当たり結果である場合には、主側RAM66に設けられた開閉カウンタに5をセットするとともに、主側RAM66に設けられた入賞カウンタPCに10をセットする。開閉カウンタは、開閉数規定モードの開閉実行モードにおいて、特電入賞装置32を開閉する回数を主側CPU64にて特定するためのカウンタである。その後、小当たり結果に対応した開放継続時間の読み出し処理を実行する。当該開放継続時間は、主側ROM65に予め記憶されており、具体的には、遊技球の発射周期(0.6秒)よりも短い、0.05秒となっている。
【0380】
今回の開閉実行モードの実行契機がいずれかの大当たり結果であると判定した場合において上述した開放継続時間の読み出し処理を実行した場合、又は今回の開閉実行モードの実行契機がいずれの大当たり結果でもないと判定した場合において上述した開放継続時間の情報の読み出しを行った場合には、読み出した開放継続時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットし、特電入賞装置32を開放状態とするための開放設定処理を実行する。その後、開放コマンドを出力する。開放コマンドは、音声発光制御装置70に対して特電入賞装置32が開放されたタイミングであることを認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置70は、当該開放コマンドを受信することにより、開閉実行モード中の演出をそれに合わせて切り換えるための制御を実行する。その後、特図特電カウンタを1加算することにより「3」が格納されていた当該特図特電カウンタの値を「4」に変更して、本特電開始処理を終了する。
【0381】
<特電開放中処理>
次に、特図特電制御処理(
図32)におけるステップS710の特電開放中処理について説明する。
【0382】
特電開放中処理では、今回の開閉実行モードがラウンド数規定モードである場合には1のラウンド遊技の終了条件が成立しているか否かを判定し、当該終了条件が成立している場合には特電入賞装置32を閉鎖状態とするとともに、閉鎖コマンドを音声発光制御装置70に送信する。また、1減算後のラウンドカウンタの値が「0」となっているか否かを判定し、「0」となっていない場合には、特図特電タイマカウンタに閉鎖時間をセットする。当該閉鎖時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっており、具体的には遊技球の発射周期よりも長い2秒となっている。また、特電入賞装置32を閉鎖状態とした場合には、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かに関係なく、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「4」であるため、1加算後は「5」となる。
【0383】
今回の開閉実行モードが開閉数規定モードである場合には、特電入賞装置32の開放継続時間が経過している場合には特電入賞装置32を閉鎖状態とするとともに、閉鎖コマンドを音声発光制御装置70に送信する。そして、1減算後の開閉カウンタの値が「0」となっているか否かを判定し、「0」となっていない場合には、特図特電タイマカウンタに閉鎖時間をセットする。当該閉鎖時間は、既に説明したとおり、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。また、開放継続時間が経過していない場合には特電入賞装置32への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には入賞カウンタを1減算する。そして、1減算後の入賞カウンタの値が「0」となっている場合には、開閉カウンタを「0」クリアするとともに、特電入賞装置32を閉鎖状態とする。また、特電入賞装置32を閉鎖状態とした場合には、開閉カウンタの値が「0」であるか否かに関係なく、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「4」であるため、1加算後は「5」となる。
【0384】
<特電閉鎖中処理>
次に、特図特電制御処理(
図32)におけるステップS711の特電閉鎖中処理について説明する。
【0385】
特電閉鎖中処理では、ラウンドカウンタ及び開閉カウンタの両方が「0」であるか否かを判定する。いずれか一方が「0」ではない場合には、閉鎖時間が経過したか否かを判定する。閉鎖時間が経過していない場合にはそのまま本特電閉鎖中処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合には、特電入賞装置32を開放状態とするとともに、今回の開閉実行モードの実行契機となった当たり結果に対応した開放継続時間を特図特電タイマカウンタにセットする。また、特電入賞装置32を開放状態とした場合には、開放コマンドを音声発光制御装置70に送信する。その後、特図特電カウンタを1減算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1減算後は「4」となる。
【0386】
一方、ラウンドカウンタ及び開閉カウンタの両方が「0」である場合には、エンディングコマンドを音声発光制御装置70に送信する。エンディングコマンドは、音声発光制御装置70にエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。エンディングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音声発光制御装置70は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応させた態様で、エンディング演出を実行させることが可能となる。また、主側ROM65に予め記憶されているエンディング時間(例えば6秒)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該エンディング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。その後、特図特電カウンタを1加算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1加算後は「6」となる。
【0387】
<特電終了処理>
次に、特図特電制御処理(
図32)におけるステップS712の特電終了処理について説明する。
【0388】
特電終了処理では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。エンディング時間が経過したと判定した場合には、遊技状態移行処理を実行し、特図特電カウンタを「0」クリアして、本特電終了処理を終了する。ここで、遊技状態移行処理について説明する。
【0389】
遊技状態移行処理では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった大当たり結果が、16R高確大当たり結果、12R高確大当たり結果A、8R高確大当たり結果及び4R高確大当たり結果のいずれかである場合、主側RAM66に設けられた高確率フラグ及び高頻度サポートフラグのそれぞれに「1」をセットし、主側RAM66に設けられた高頻度カウンタを「0」クリアして、本遊技状態移行処理を終了する。高確率フラグは、主側CPU64において当否抽選モードが高確率モードであるか否かを特定するためのフラグであり、高頻度サポートフラグは、主側CPU64においてサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを特定するためのフラグである。また、高頻度カウンタは、回数限定の高頻度サポートモードにおいて当該高頻度サポートモードの終了契機を主側CPU64にて特定するためのカウンタであり、当該高頻度カウンタにセットされた値は遊技回が終了される度に1減算される。
【0390】
なお、高確率フラグに「0」がセットされている状況では、特図変動開始処理(
図33)におけるステップS803の当否判定処理にて、低確率モードに対応した処理が実行され、高確率フラグに「1」がセットされている状況では、高確率モードに対応した処理が実行される。また、高頻度サポートフラグに「0」がセットされている状況では、タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS215の普図普電制御処理にて、低頻度サポートモードに対応した処理が実行され、高頻度サポートフラグに「1」がセットされている状況では、高頻度サポートモードに対応した処理が実行される。また、高頻度カウンタの値が1以上の場合には高頻度サポートフラグの値が「0」であっても、高頻度サポートモードに対応した処理が実行される。但し、開閉実行モードにおいては、高頻度サポートフラグに「1」がセットされているか否かに関係なく、低頻度サポートモードに対応した処理が実行される。したがって、開閉実行モード中は、その直前のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かに関係なく低頻度サポートモードとなる。
【0391】
遊技状態移行処理では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった大当たり結果が、12R高確大当たり結果B及び5R高確大当たり結果のいずれかである場合、高頻度サポートフラグに「1」がセットされている状態、又は高頻度カウンタの値が「1」以上である状態であるか否かを判定する。高頻度サポートフラグに「1」がセットされている状態及び高頻度カウンタの値が「1」以上である状態のいずれかであると判定した場合には、高頻度サポートモードである遊技状態において12R高確大当たり結果B又は5R高確大当たり結果となったことを意味するため、高確率モードであって高頻度サポートモードである遊技状態に移行させるための処理を実行する。具体的には、主側RAM66に設けられた高確率フラグ及び高頻度サポートフラグのそれぞれに「1」をセットし、主側RAM66に設けられた高頻度カウンタを「0」クリアして、本遊技状態移行処理を終了する。一方、高頻度サポートフラグに「1」がセットされている状態及び高頻度カウンタの値が「1」以上である状態のいずれでもないと判定した場合には、低頻度サポートモードである遊技状態において12R高確大当たり結果B又は5R高確大当たり結果となったことを意味するため、高確率モードであって低頻度サポートモードである遊技状態とするための処理を実行する。具体的には、主側RAM66における高確率フラグに「1」をセットして、本遊技状態移行処理を終了する。
【0392】
遊技状態移行処理では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった大当たり結果が、8R低確大当たり結果である場合、主側RAM66に設けられた高頻度カウンタに「15」をセットし、高確率フラグ及び高頻度サポートフラグのそれぞれを「0」クリアして、本遊技状態移行処理を終了する。したがって、8R低確大当たり結果となった場合には、開閉実行モード後において終了基準回数である15回の遊技回が消化されるまで高頻度サポートモードに設定されることとなる。
【0393】
遊技状態移行処理では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった大当たり結果が、12R低確大当たり結果である場合、主側RAM66における高確率フラグ、高頻度サポートフラグ及び高頻度カウンタのそれぞれを「0」クリアして、本遊技状態移行処理を終了する。
【0394】
遊技状態移行処理では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果が小当たり結果である場合、主側RAM66に設けられた小当たり後カウンタに「30」をセットして、本遊技状態移行処理を終了する。小当たり後カウンタは、小当たり結果となってから小当たり後用基準回数の遊技回が既に消化されたか否かを主側CPU64にて特定するためのカウンタである。小当たり後カウンタの値は遊技回が終了される度に1減算される。また、開閉実行モードの移行に際して、小当たり後カウンタの値は「0」クリアされる。小当たり後カウンタの値が1以上の場合には、遊技回における表示継続時間の選択が、小当たり結果後に対応した態様で行われる。
【0395】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0396】
第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する下側の遊びの寸法は、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159aとの間に存在する上側の遊びの寸法よりも小さい。これにより、当該下側の遊びに針金などの不正用治具を挿入して素子搭載面61eに存在する端子111~116及び配線パターンなどに電気的に接触させる不正行為を防止することができるとともに、当該不正行為によって信号が不正に操作されてしまうことを防止することができる。
【0397】
第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3の端子114及び第4コネクタCN4の一端側端子115における固定部111b,113b~115bは、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間を素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。このため、第1コネクタCN1における一端側端子111、第2コネクタCN2における端子113、第3コネクタCN3における端子114及び第4コネクタCN4における一端側端子115に設定されている信号ラインを針金などの不正用冶具を用いた不正行為から優先的に保護することができる。
【0398】
表ケース体121は、表側第1ケース固定ボス183~表側第3ケース固定ボス185が裏側第1ケース固定ボス186~裏側第3ケース固定ボス188にネジ固定されることにより裏ケース体122に固定される。表ケース体121が裏ケース体122に固定された状態において、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間に存在する下側の遊びは、上側起立壁部101b~104bと上側周縁部156a~159aとの間に存在する上側の遊びよりも小さくなっている。これにより、下側の遊びが上側の遊びよりも小さい状態を維持することを容易なものとすることができる。
【0399】
表ケース体121が裏ケース体122に固定されている状態が解除された状態において、第1~第4コネクタCN1~CN4の自由端が第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上下方向における中央に存在している状態とすることができる。当該状態において、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間に存在する下側の遊びは、表ケース体121が裏ケース体122に固定されている状態における当該下側の遊びよりも大きくなる。このため、基板ボックス62を組み立てる工程において、第1~第4コネクタCN1~CN4の自由端が第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上下方向における中央に存在している状態として第1~第4コネクタCN1~CN4を第1~第4コネクタ挿通孔156~159に挿通させることができる。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4を第1~第4コネクタ挿通孔156~159に挿通させる作業を容易なものとすることができる。その後、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間に存在する下側の遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部156a~159aとの間に存在する上側の遊びよりも小さい状態とすることができる。
【0400】
第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cには係止受部101h~104hが設けられている。このため、第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタが第1~第4コネクタCN1~CN4の受入部101f~104fに差し込まれて接続された状態となった場合に、雄型コネクタが抜けてしまうことを防止して、当該状態を維持することができる。
【0401】
係止受部101h~104hは、下側起立壁部101c~104cにおいて第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bと対向する領域よりも第1~第4コネクタCN1~CN4の自由端側に存在している。第1~第4コネクタCN1~CN4の自由端が第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上下方向における中央に存在している状態において、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間の距離は、係止受部101h~104hが下側起立壁部101c~104cから下側周縁部156b~159bに向けて突出している寸法よりも大きい。このため、基板ボックス62を組み立てる工程において、第1~第4コネクタCN1~CN4を第1~第4コネクタ挿通孔156~159に挿通させる作業を容易なものとすることができる。
【0402】
係止受部101h~104hは、下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する下側の遊びよりも当該下側起立壁部101c~104cの起立先端側(自由端側)に存在している。このため、主制御装置60が内枠13の背面に搭載された状態において主制御基板61よりもパチンコ機10後方側に存在している表側対向板部141側から当該下側の遊びに不正用治具を挿入して当該不正用治具を第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3の端子114及び第4コネクタCN4の一端側端子115に電気的に接触させようとする不正行為に対して、係止受部101h~104hによって不正用治具の挿入を妨害することができる。これにより、当該不正行為をさらに困難なものとすることができる。
【0403】
第1~第4コネクタCN1~CN4における上側起立壁部101b~104bには、係止受部は設けられていない。上側起立壁部101b~104b及び下側起立壁部101c~104cのうち下側起立壁部101c~104cのみに係止受部101h~104hが設けられている構成であることにより、上側起立壁部101b~104b及び下側起立壁部101c~104cの両方に係止受部101h~104hが設けられている構成と比較して、第1~第4コネクタCN1~CN4の自由端側を第1~第4コネクタ挿通孔156~159に挿通可能とするために、第1~第4コネクタCN1~CN4と第1~第4コネクタ挿通孔156~159の周縁部との間に設ける遊びを小さいものとすることができる。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4コネクタ挿通孔156~159に挿通された状態において第1~第4コネクタCN1~CN4と第1~第4コネクタ挿通孔156~159の周縁部との間に存在する遊びを小さいものとすることができる。
【0404】
裏ケース体122の下側区画壁125には、位置調整ボス171~174に案内されながら裏側対向板部123に向けてスライドされる表ケース体121を上方に案内する第2ガイド部182が一体形成されている。第2ガイド部182は、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する下側の遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部156a~159aとの間に存在する上側の遊びよりも小さくなるように、裏ケース体122に対して表ケース体121を上方に案内する。これにより、下側周縁部156b~159bが下側起立壁部101c~104cに接近している状態を再現性良く、容易に作り出すことを可能とすることができる。
【0405】
第1~第7コネクタCN1~CN7の自由端側の一部が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通された状態において、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間には、上下方向に共通の寸法の遊びが存在している。上下方向は、表ケース体121が第2ガイド部182によって案内される方向である。このため、位置調整ボス171~174が対応するボス挿通孔175~178に挿通されている状態で表ケース体121が第2ガイド部182によって上方に案内される場合に、第1~第4コネクタCN1~CN4の中で下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間の遊びにばらつきが生じてしまうことが防止されている。これにより、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとを一様にコネクタ群対応板部155aに接近させることが可能となっている。
【0406】
裏ケース体122の上側区画壁124には、位置調整ボス171~174に案内されながら裏側対向板部123に向けてスライドされる表ケース体121を下方に案内する第1ガイド部181が設けられている。4つの位置調整ボス171~174を対応する4つのボス挿通孔175~178に挿通した後、位置調整ボス171~174に沿って表ケース体121を裏側対向板部123に向けてスライドさせることにより、主制御基板61に対する表ケース体121の位置を細かく調整する作業を不要としながら、7つのコネクタCN1~CN7が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通されている状態とすることができる。7つのコネクタCN1~CN7は、当該7つのコネクタCN1~CN7が対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166の上下方向における中央に位置している状態で当該コネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通されるため、第1~第4コネクタCN1~CN4の係止受部101h~104h及び第5~第7コネクタCN5~CN7の係止受部95j~97jが対応するコネクタ挿通孔156~159,164~166の下側周縁部156b~159b,164b~166bに衝突することを防止することができる。これにより、主制御装置60を組み立てる工程において、7つのコネクタCN1~CN7を対応する7つのコネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通する作業を簡単なものとして、当該作業の効率を向上させることができる。
【0407】
コネクタ群対応凹部155は、表側対向板部141を主制御基板61に向けて凹ませて形成されている。コネクタ群対応凹部155の側面155bは、コネクタ群対応板部155aから主制御基板61とは反対の方向に向かって略垂直に起立している。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4とコネクタ群対応板部155aとの隙間に針金などの導電性の不正用治具を挿入しづらい構成となっている。
【0408】
第2コネクタCN2及び第3コネクタCN3の全ての端子113,114における固定部113b,114bは、下側起立壁部102c,103cと下側周縁部157b,158bとの間を素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。第2コネクタCN2及び第3コネクタCN3には、固定部が上側起立壁部102b,103bと上側周縁部157a,158aとの間を素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している端子は存在しない。このため、第2コネクタCN2及び第3コネクタCN3の全ての端子113,114に設定されている信号ラインを針金などの不正用冶具を用いた不正行為から優先的に保護することができる。
【0409】
第2コネクタCN2の端子113に第1作動口検知センサ46aにおける検知信号の信号ラインが割り当てられている。当該端子113は導電性の不正用治具を近づける不正から優先的に保護されている。これにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する行為が行われて遊技球の第1作動口33への入賞が発生した状況を不正に作り出されてしまうことを防止することができる。
【0410】
第3コネクタCN3の端子114に第2作動口検知センサ47aにおける検知信号の信号ラインが割り当てられている。当該端子114は導電性の不正用治具を近づける不正から優先的に保護されている。これにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する行為が行われて遊技球の第2作動口34への入賞が発生した状況を不正に作り出されてしまうことを防止することができる。
【0411】
第4コネクタCN4の一端側端子115である第11端子に対して電波検知センサ202における検知信号の信号ラインが割り当てられているとともに、当該第4コネクタCN4の一端側端子115である第13端子に対して磁気検知センサ203における検知信号の信号ラインが割り当てられている。そして、これら第11端子及び第13端子は導電性の不正用治具を近づける不正から優先的に保護されている。これにより、不正な電波又は磁気が検知できない状況が不正に作り出されてしまうことを防止することができる。
【0412】
第1コネクタCN1の一端側端子111である第11端子に対して、主側CPU64が払出側CPU222から各種払出受信コマンド(払出制限コマンド、前扉開放コマンド、前扉閉鎖コマンド、本体開放コマンド、本体閉鎖コマンド、満タン状態コマンド、満タン状態解除コマンド、球無状態コマンド、球無状態解除コマンド、払出異常状態コマンド及び払出異常状態解除コマンド)を受信するための信号ラインが割り当てられている。当該第13端子は導電性の不正用治具を近づける不正から優先的に保護されている。これにより、前扉閉鎖コマンド、本体閉鎖コマンド、満タン状態解除コマンド、球無状態解除コマンド、又は払出異常状態解除コマンドが不正に送信されて、前扉枠14の開放状態、遊技機本体12の開放状態、満タン状態、球無状態、又は払出異常状態が不正に解除されてしまうことを防止することができる。
【0413】
第1コネクタCN1の一端側端子111である第13端子に対して、主側CPU64が払出側CPU222に対して各種払出送信コマンド(1個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンド)を送信するための信号ラインが割り当てられている。当該第15端子は導電性の不正用治具を近づける不正から優先的に保護されている。これにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する行為が行われて遊技球が不正に払い出されてしまうことを防止することができる。
【0414】
第1コネクタCN1の一端側端子111である第19端子に対して、主側CPU64が払出側CPU222から賞球許可信号を受信するための信号ラインが割り当てられている。当該第19端子は導電性の不正用治具を近づける不正から優先的に保護されている。これにより、当該信号ラインに対して不正な信号を送信する不正行為が行われて払出側RAM224に記憶されている未払出の賞球個数が「0」でないにも関わらず主側CPU64から払出側CPU222に対して賞球コマンドが不正に送信される状況が作り出されてしまうことを防止することができる。
【0415】
開閉実行モードでない状態において特電入賞装置32が開放状態であることが特定された場合には特電異常報知が行われるとともに、タイマ割込み処理(
図27)において遊技を進行させるための処理(ステップS208~ステップS219の処理)が実行されなくなる。また、普電役物34aの開放状態当選が発生していない状態において普電役物34aが開放状態であることが特定された場合には普電異常報知が行われるとともに、タイマ割込み処理(
図27)において遊技を進行させるための処理(ステップS208~ステップS219の処理)が実行されなくなる。主側CPU64が特電用駆動部32cに対して特電駆動信号を送信するための信号ラインは、第4コネクタCN4の他端側端子116である第12端子に割り当てられている。また、主側CPU64が普電用駆動部34cに対して普電駆動信号を送信するための信号ラインは、第4コネクタCN4の他端側端子116である第14端子に割り当てられている。第4コネクタCN4では、他端側端子116よりも一端側端子115が導電性の不正用治具を近づける不正から優先的に保護されている。不正行為が行われたことを異常報知(特電異常報知及び普電異常報知)により把握可能な信号ライン(特電駆動信号の信号ライン及び普電駆動信号の信号ライン)が第4コネクタCN4の一端側端子115ではなく他端側端子116(具体的には第12端子及び第14端子)に配置されていることにより、特電入賞装置32を不正に開放状態とする不正行為及び普電役物34aを不正に開放状態とする不正行為が行われた場合に遊技ホールの管理者がこれらの不正行為を発見して対応することを可能としながら、第4コネクタCN4において不正行為から優先的に保護されている一端側端子115に対して他の情報を送信又は受信するための信号ラインを割り当てることを可能とすることができる。
【0416】
<第1の実施形態の別形態>
・第1~第4コネクタCN1~CN4の端子111~116における固定部111b~116bとコネクタ群対応板部155aとが当接している構成としてもよい。これにより、主制御基板61の素子搭載面61eとコネクタ群対応板部155aとの間隔を低減することができる。よって、上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159aとの間に存在する上側の遊びから針金等の導電性の不正用治具を挿入して第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子112、第3コネクタCN3の端子113及び第4コネクタCN4の一端側端子115における固定部111b,113b~115bに接触させる不正行為を防止することができる。
【0417】
・第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとが当接している状態で表ケース体121が裏ケース体122に固定される構成としてもよい。本構成において、第2ガイド部182は下側起立壁部101c~104cが下側周縁部156b~159bと当接するまで裏ケース体122及び主制御基板61に対して表ケース体121を上方に案内する。このように、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとが当接している状態とすることにより、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bと間に針金などの導電性の不正用冶具を挿入する不正行為を防止することができる。
【0418】
・表ケース体121と接触することにより裏ケース体122及び主制御基板61に対して表ケース体121を上方に案内する第2ガイド部182が裏ケース体122に設けられている構成に代えて、裏ケース体122に固定されている主制御基板61と接触することにより裏ケース体122及び主制御基板61に対して表ケース体121を上方に案内する第2ガイド部が表ケース体121に設けられている構成してもよい。具体的には、表ケース体121の表側対向板部141には、当該表側対向板部141の下部に、主制御基板61側に突出させて第2ガイド部が一体形成されている。第2ガイド部は、位置調整ボス171~174がボス挿通孔175~178に挿通されている状態で表ケース体121が裏側対向板部123に向けてスライドされる工程において、第1~第7コネクタCN1~CN7が第1~第7コネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通された状態となった後に主制御基板61の下側の長辺61b部と接触して裏ケース体122及び主制御基板61に対して表ケース体121を上方に案内する案内面を備えている。案内面は、表側対向板部141から裏側対向板部123への方向(
図17(a)における左方)に向かって下方に傾斜している。主制御基板61の下側の長辺61b部が案内面に接触している状態で表ケース体121が裏側対向板部123に向けてスライドされることにより、裏ケース体122及び主制御基板61に対して表ケース体121が上方に案内され、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bが接近する。
【0419】
このように、主制御基板61と接触して裏ケース体122及び主制御基板61に対して表ケース体121を上方に案内する第2ガイド部が表ケース体121に設けられている構成としても、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びが、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159aとの間に存在する遊びよりも小さい状態とすることができる。
【0420】
<第2の実施形態>
本実施形態では主制御装置230の構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0421】
本実施形態における主制御装置230の構成を
図34~
図38に基づいて詳細に説明する。
図34(a)は本実施形態における主制御装置230の正面図であり、
図34(b)は第5コネクタCN5を拡大して示す主制御装置230の正面図であり、
図34(c)は第6コネクタCN6を拡大して示す主制御装置230の正面図であり、
図34(d)は第7コネクタCN7を拡大して示す主制御装置230の正面図である。
図35は主制御装置230の正面側から見た分解斜視図であり、
図36は主制御装置230の背面側から見た分解斜視図である。また、
図37(a)は第1コネクタCN1の周辺を拡大して示す
図34(a)のA-A線断面図であり、
図37(b)は第2コネクタCN2の周辺を拡大して示す
図34(a)のB-B線断面図であり、
図37(c)は第3コネクタCN3の周辺を拡大して示す
図34(a)のC-C線断面図であり、
図37(d)は第4コネクタCN4の周辺を拡大して示す
図34(a)のD-D線断面図である。
【0422】
図34(a)に示すように、主制御装置230は、主制御基板61を収容する基板ボックス231を備えている。
図35に示すように、基板ボックス231は、主制御基板61の素子搭載面61eを覆う表ケース体232と、主制御基板61と表ケース体232との間に挟まれて第1~第4コネクタCN1~CN4の周りを囲うコネクタカバー233と、主制御基板61における素子搭載面61eとは反対側の板面である基板裏面61f(
図36)を覆う裏ケース体234とを備えている。これら表ケース体232、コネクタカバー233及び裏ケース体234は、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されている。これにより、基板ボックス231内に収容された主制御基板61の素子搭載面61e及び基板裏面61fを基板ボックス231の外部から視認することが可能となっている。なお、表ケース体232、コネクタカバー233及び裏ケース体234を形成する材料は透明のポリカーボネート樹脂に限定されることはなく、透明のアクリル樹脂であってもよく、さらには有色透明であってもよい。
【0423】
図35に示すように、裏ケース体234は、主制御基板61の基板裏面61f(
図36)と対向する横長矩形で略板状に形成された裏側対向板部235を備えている。裏側対向板部235は、主制御基板61と対向する基板対向面235aを有している。裏側対向板部235には、基板対向面235aの上下の長辺部を主制御基板61側に突出させて上下一対の上側区画壁236及び下側区画壁237が一体形成されている。また、裏側対向板部235には、基板対向面235aの左側短辺部における上部及び下部を主制御基板61側に突出させて左側第1区画壁238及び左側第2区画壁239が一体形成されているとともに、基板対向面235aの右側短辺部における上部及び下部を主制御基板61側に突出させて右側第1区画壁241及び右側第2区画壁242が一体形成されている。裏ケース体234には、裏側対向板部235及びこれらの区画壁236~239,241,242により表ケース体232の背面側の一部を収容可能とする裏側収容部243が設けられている。
【0424】
裏側対向板部235には、基板対向面235aの左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部に、主制御基板61を裏ケース体234に固定するために用いられる円柱状の基板固定ボス244~247が一体形成されている。基板固定ボス244~247は、基板対向面235aから主制御基板61側に突出しており、当該基板固定ボス244~247の自由端には主制御基板61をネジ固定可能とするネジ孔(図示略)が形成されている。また、
図36に示すように、主制御基板61の左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部には、当該主制御基板61を基板固定ボス244~247にネジ止め可能とする基板固定貫通孔251~254が形成されている。これら4つの基板固定貫通孔251~254は、上述した4つの基板固定ボス244~247に対して1対1で対応させて設けられている。主制御基板61は、素子搭載面61e側から基板固定ボス244~247にネジ固定されることにより裏ケース体234の正面側に固定される。これにより、主制御基板61が裏ケース体234に一体化された状態となる。当該状態において、主制御基板61の基板裏面61f(
図36)は奥行き方向(前後方向)に所定の間隔を置いて基板対向面235aと対向している。
【0425】
図35に示すように、表ケース体232は、主制御基板61の素子搭載面61eに搭載されているMPU63(
図9(a))及び各種素子91~94(
図9(a))を挟んで当該素子搭載面61eと対向する横長矩形の表側対向板部261を備えている。
図36に示すように、表側対向板部261は、素子搭載面61e(
図35)と対向する素子対向面261aを有している。表側対向板部261には、素子対向面261aの上下の長辺部を背面側(裏ケース体234側)に起立させて上下一対の上側起立壁262及び下側起立壁263が一体形成されているとともに、素子対向面261aの左右の短辺部を背面側(裏ケース体234側)に起立させて左右一対の左側起立壁264及び右側起立壁265が一体形成されている。上側起立壁262及び下側起立壁263は縦方向に所定の間隔を置いて対向しているとともに、左側起立壁264及び右側起立壁265は横方向に所定の間隔を置いて対向している。表ケース体232には、表側対向板部261及びこれらの起立壁262~265により背面側に開放された略直方体形状の基板収容部266が設けられており、主制御基板61を収容可能となっている。
【0426】
図35に示すように、表側対向板部261において主制御基板61のコネクタ群搭載領域88に対向する位置には、第1~第4コネクタCN1~CN4(
図34(a))を主制御装置230の表面に露出させるためのコネクタ群対応凹部267が形成されている。コネクタ群対応凹部267は、表側対向板部261を主制御基板61に向けて凹ませて形成されている。
図34(a)に示すように、コネクタ群対応凹部267は、当該コネクタ群対応凹部267の底部に、コネクタカバー233を挟んで主制御基板61の素子搭載面61e(
図35)の略全体と対向する横長矩形のコネクタ群対応板部267aを備えている。
図37(a),(b)及び
図38(a),(b)に示すように、コネクタ群対応板部267aは、コネクタカバー233と当接している。
【0427】
図34(a)に示すように、コネクタ群対応板部267aには、当該コネクタ群対応板部267aを板厚方向に貫通させて、第1コネクタCN1、第2コネクタCN2、第3コネクタCN3及び第4コネクタCN4が挿通される第1コネクタ挿通孔271、第2コネクタ挿通孔272、第3コネクタ挿通孔273及び第4コネクタ挿通孔274が形成されている。これら第1~第4コネクタ挿通孔271~274は横長矩形の貫通孔である。
【0428】
次に、コネクタカバー233の構成について説明する。
【0429】
図35及び
図36に示すように、コネクタカバー233は、横長矩形の板状に形成されている。コネクタカバー233には、主制御基板61に搭載されている第1~第4コネクタCN1~CN4(
図34(a))に1対1で対応させて、これら第1~第4コネクタCN1~CN4を挿通可能とする第1カバー側挿通孔275、第2カバー側挿通孔276、第3カバー側挿通孔277及び第4カバー側挿通孔278が形成されている。これら第1~第4カバー側挿通孔275~278は、コネクタカバー233を厚さ方向に貫通させて形成された貫通孔である。
【0430】
図36に示すように、コネクタカバー233は、コネクタ群対応板部267aの背面に固定される。コネクタ群対応板部267aには、当該コネクタ群対応板部267aの背面に、コネクタ群対応板部267aに対するコネクタカバー233の固定位置のずれを防止するための左右一対のカバー位置調整ボス281,282が一体形成されている。カバー位置調整ボス281,282は、コネクタ群対応板部267aから背面側(主制御基板61側)に突出している。
【0431】
コネクタカバー233の長手方向における両端には、カバー位置調整ボス281,282を挿通可能とする左右一対のカバー位置調整孔283,284が形成されている。カバー位置調整孔283,284は、コネクタカバー233を厚さ方向に貫通する貫通孔である。コネクタカバー233の一方の板面は、コネクタカバー233をコネクタ群対応板部267aに固定するための粘着剤が塗布された接着面となっている。コネクタカバー233は、カバー位置調整孔283,284がカバー位置調整ボス281,282に挿通されるようにして、コネクタ群対応板部267aの背面側から当該コネクタ群対応板部267aに貼り付けられることにより表ケース体232に固定される。
【0432】
図37(a),(b)及び
図38(a),(b)に示すように、第1カバー側挿通孔275は第1コネクタ挿通孔271に対応する挿通孔であり、第2カバー側挿通孔276は第2コネクタ挿通孔272に対応する挿通孔であり、第3カバー側挿通孔277は第3コネクタ挿通孔273に対応する挿通孔であり、第4カバー側挿通孔278は第4コネクタ挿通孔274に対応する挿通孔である。第1~第4カバー側挿通孔275~278は、対応するコネクタ挿通孔271~274よりもひと回り小さく形成されている。第1~第4カバー側挿通孔275~278の開口面積は、対応するコネクタ挿通孔271~274の開口面積よりも狭い。第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aから下側周縁部275b~278bまでの縦寸法は、対応するコネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274aから下側周縁部271b~274bまでの縦寸法よりも略2mm小さい。
【0433】
コネクタカバー233が表ケース体232(
図36)に固定された状態において、第1~第4カバー側挿通孔275~278は、対応するコネクタ挿通孔271~274と連通されている状態となっている。第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aは対応するコネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274aよりも下方に位置しているとともに、第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bは対応するコネクタ挿通孔271~274の下側周縁部271b~274bよりも上方に位置している。第1~第4コネクタCN1~CN4は、第1~第4コネクタ挿通孔271~274と第1~第4カバー側挿通孔275~278との両方に挿通されて主制御装置230の表面に露出し、当該第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタ(図示略)を受け入れ可能となる。
【0434】
第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aから下側周縁部275b~278bまでの縦寸法は、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bの上端から係止受部101h~104hの下端までの寸法よりも略0.8mm大きく設定されている。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4を第1~第4カバー側挿通孔275~278に挿通させることが可能となっている。第1~第4カバー側挿通孔275~278の当該縦寸法は、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bの上端から下側起立壁部101c~104cの下端までの寸法よりも略1.8mm大きく設定されている。このため、第1~第4コネクタCN1~CN4が対応する第1~第4カバー側挿通孔275~278に挿通された状態で、上側起立壁部101b~104bと第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aとの間、及び下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとの間には、合計で略1.8mmの遊びが生じる。
【0435】
コネクタカバー233は、主制御基板61の素子搭載面61eにおいて第1~第4コネクタCN1~CN4が搭載されているコネクタ群搭載領域88(
図35)に対向する範囲に存在している。
図37(a),(b)及び
図38(a),(b)に示すように、コネクタカバー233は、素子搭載面61eと前後方向(
図37(a),(b)及び
図38(a),(b)における左右方向)に所定の間隔(具体的には略1.5mmの間隔)を置いて対向しており、主制御基板61とコネクタカバー233との間には第1~第4コネクタCN1~CN4における端子111~116の固定部111b~116bが存在している。これら固定部111b~116bとコネクタカバー233との間には、若干の遊びが存在している。
【0436】
コネクタカバー233は、表ケース体232よりも小さい部材である。コネクタカバー233を樹脂成形する場合に生じうる第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aから下側周縁部275b~278bまでの縦寸法の誤差は、表ケース体232を樹脂成形する場合に生じうる第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274aから下側周縁部271b~274bまでの縦寸法の誤差よりも小さい。表ケース体232よりも小さい部材であるコネクタカバー233に形成する第1~第4カバー側挿通孔275~278の縦寸法を表ケース体232に形成する第1~第4コネクタ挿通孔271~274の縦寸法よりも小さく設定することにより、樹脂成形時に誤差が生じた場合にも第1~第4コネクタCN1~CN4を対応する第1~第4カバー側挿通孔275~278及び第1~第4コネクタ挿通孔271~274に挿通することを可能としながら、第1~第4コネクタCN1~CN4の周囲に存在する遊びを小さくすることができる。
【0437】
主制御基板61の素子搭載面61e側の大部分を覆う表ケース体232と、第1~第4カバー側挿通孔275~278が形成されているコネクタカバー233とが別部材であることにより、主制御基板61のコネクタ群搭載領域88に搭載されるコネクタの種類及び配置が異なる複数の機種において、共通の形状を有する表ケース体232を使用可能としながら主制御基板61のコネクタ群搭載領域88に搭載されるコネクタの種類及び配置に合わせて機種毎にコネクタカバー233を選択可能とすることができる。
【0438】
図34(a)に示すように、表側対向板部261において主制御基板61の第5~第7コネクタ搭載領域85a~87aに対向する位置には、第5~第7コネクタCN5~CN7を主制御装置230の表面に露出させるための第5~第7コネクタ対応凹部285~287が形成されており、これら第5~第7コネクタ対応凹部285~287の第5~第7コネクタ対応板部285a~287aには対応するコネクタCN5~CN7を挿通可能とする第5~第7コネクタ挿通孔291~293が形成されている。
【0439】
図34(a)に示すように、表側対向板部261における素子対向面261aの四隅には位置調整ボス294~297が設けられているとともに、主制御基板61の四隅にはボス挿通孔301~304が設けられている。上記第1の実施形態と同様に、表ケース体232は、位置調整ボス294~297がボス挿通孔301~304に挿通されている状態とされた後、位置調整ボス294~297に案内されて裏ケース体234側にスライドされる。
【0440】
図39は第1コネクタCN1及び第6コネクタCN6を通る切断面(
図34(a)のE-E線)で切断した場合における主制御装置230の縦断面図である。
図39に示すように、裏ケース体234の上側区画壁236には表ケース体232を下方に案内する第1ガイド部305が設けられている。第1ガイド部305は、位置調整ボス294~297がボス挿通孔301~304に挿通された状態で裏側対向板部235側にスライドされる過程で当該第1ガイド部305と接触した表ケース体232を略0.7mm下方に案内する。上記第1の実施形態と同様に、位置調整ボス294~297がボス挿通孔301~304に挿通された後、表ケース体232が第1ガイド部305によって下方に案内されることにより、第1~第4コネクタCN1~CN4が対応するコネクタ挿通孔271~274及び対応するカバー側挿通孔275~278の上下方向における中央に位置しているとともに、第5~第7コネクタCN5~CN7が対応するコネクタ挿通孔291~293の上下方向における中央に位置している状態となる。そして、第1~第4コネクタCN1~CN4を対応するコネクタ挿通孔271~274及び対応するカバー側挿通孔275~278に挿通させることができるとともに、第5~第7コネクタCN5~CN7を対応するコネクタ挿通孔291~293に挿通させることができる。
【0441】
図39に示すように、裏ケース体234の下側区画壁237には第1ガイド部305により下方に案内された後の表ケース体232を上方に案内する第2ガイド部306が設けられている。第2ガイド部306は、当該第2ガイド部306と接触した表ケース体232を略0.7mm上方に案内する。コネクタカバー233は、表ケース体232が第2ガイド部306によって上方に案内される際に、当該表ケース体232に追従して上方に案内される。表ケース体232及びコネクタカバー233が第2ガイド部306によって上方に案内されることにより、
図37(a),(b)及び
図38(a),(b)に示すように、第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bと第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cとが接近している状態となる。これにより、下側周縁部275b~278bと下側起立壁部101c~104cとの間に不正用治具が挿入されてしまう可能性を低減することができる。
【0442】
コネクタカバー233及び主制御基板61を挟んで表ケース体232が裏ケース体234に固定された状態において、
図37(a)に示すように、第1コネクタCN1の一端側端子111における固定部111bは、第1ハウジング101の短手方向における中央よりも下寄り(下側起立壁部101c寄り)の位置から下方へ延びており、下側起立壁部101cと第1コネクタ挿通孔271の下側周縁部271bとの間、及び下側起立壁部101cと第1カバー側挿通孔275の下側周縁部275bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。また、他端側端子112における固定部112bは、第1ハウジング101の短手方向における中央よりも上寄り(上側起立壁部101b寄り)の位置から上方へ延びており、上側起立壁部101bと第1コネクタ挿通孔271の上側周縁部271aとの間、及び上側起立壁部101bと第1カバー側挿通孔275の上側周縁部275aとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0443】
図37(b)に示すように、第2コネクタCN2の端子113における固定部113bは、第2ハウジング102の短手方向における中央の位置から下方へ延びており、下側起立壁部102cと第2コネクタ挿通孔272の下側周縁部272bとの間、及び下側起立壁部102cと第2カバー側挿通孔276の下側周縁部276bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
図38(a)に示すように、第3コネクタCN3の端子114における固定部114bは、第3ハウジング103の短手方向における中央の位置から下方へ延びており、下側起立壁部103cと第3コネクタ挿通孔273の下側周縁部273bとの間、及び下側起立壁部103cと第3カバー側挿通孔277の下側周縁部277bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0444】
図38(b)に示すように、第4コネクタの一端側端子115における固定部115bは、第4ハウジング104の短手方向における中央よりも下寄り(下側起立壁部104c寄り)の位置から下方へ延びており、下側起立壁部104cと第4コネクタ挿通孔274の下側周縁部274bとの間、及び下側起立壁部104cと第4カバー側挿通孔278の下側周縁部278bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。また、他端側端子116における固定部116bは、第4ハウジング104の短手方向における中央よりも上寄り(上側起立壁部104b寄り)の位置から上方へ延びており、上側起立壁部104bと第4コネクタ挿通孔274の上側周縁部274aとの間、及び上側起立壁部104bと第4カバー側挿通孔278の上側周縁部278aとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0445】
コネクタカバー233及び主制御基板61を挟んで表ケース体232が裏ケース体234に固定された状態において、
図37(a),(b)及び
図38(a),(b)に示すように、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとの間に存在する遊びは、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aとの間に存在する遊びよりも小さい。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとの間に存在する遊びに針金などの導電性の不正用治具を挿入する不正行為が防止されている。
【0446】
下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとの間に存在する遊びの寸法は、0.8mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。当該遊びの寸法を0.8mm以下とすることにより、当該遊びから針金などの導電性の不正用治具を挿入して第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3の端子114及び第4コネクタCN4の一端側端子115の固定部111b,113b~115bに接触させる不正行為を防止することができる。当該遊びの寸法を0.5mm以下とすることにより、当該遊びへの不正用治具の挿入を困難なものとして、当該不正行為の防止効果を高めることができる。
【0447】
第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aとの間の遊びは、当該上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274aとの間の遊びよりも小さい。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274aとの間に存在する遊びに針金などの導電性の不正用治具を挿入する不正行為が行われてしまう可能性が低減されている。
【0448】
図37(a),(b)及び
図38(a),(b)に示すように、第1~第4コネクタCN1~CN4の周辺において、コネクタカバー233の後方(
図37(a),(b)及び
図38(a),(b)における右方)には、コネクタ群対応板部267aが存在している。このため、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aとの間に存在する遊び、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとの間に存在する遊びから針金等の不正用治具を挿入しようとすると、コネクタ群対応板部267aの存在により当該不正用治具の挿入角度が制限される。このように、第1~第4コネクタCN1~CN4の周辺においてコネクタカバー233の後方にコネクタ群対応板部267aが存在している構成とすることにより、コネクタ群対応板部267aに形成されている第1~第4コネクタ挿通孔271~274がコネクタカバー233に形成されている第1~第4カバー側挿通孔275~278よりも大きい構成であっても、第1~第4コネクタCN1~CN4とコネクタカバー233との間に存在する第1~第4コネクタCN1~CN4の上下の遊びから不正用治具を挿入する不正行為を防止することができる。
【0449】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0450】
主制御基板61と表ケース体232との間には、第1~第4コネクタCN1~CN4の周りを囲うコネクタカバー233が設けられている。第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aとの間に存在する遊びは、上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274aとの間に存在する遊びよりも小さい。このため、コネクタカバー233によって、上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274aとの間に存在する遊びを通じて基板ボックス231の外部に露出される主制御基板61の範囲を狭くすることができる。これにより、上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274aとの間に存在する遊びに針金などの導電性の不正用治具を挿入する不正行為が行われた場合に当該不正用治具が主制御基板61の素子搭載面61eに存在する端子111~116及び配線パターンなどに到達する可能性を低減することができる。よって、導電性の不正用冶具を用いて信号を不正に操作する不正行為を防止することができる。
【0451】
コネクタカバー233は、コネクタ群対応板部267aと、第1~第4コネクタCN1~CN4の端子111~116における固定部111b~116bとの間に存在している。コネクタカバー233が固定部111b~116bよりもコネクタ群対応板部267a側に存在していることにより、当該コネクタカバー233によって不正用治具が固定部111b~116bに接触することを妨害することができる。コネクタカバー233がコネクタ群対応板部267aよりも主制御基板61側に存在していることにより、当該コネクタカバー233が不正に取り除かれてしまうことを防止することができる。
【0452】
コネクタカバー233に形成されている第1~第4カバー側挿通孔275~278の開口面積は、コネクタ群対応板部267aに形成されている第1~第4コネクタ挿通孔271~274の開口面積よりも狭い。このため、コネクタカバー233を不具備であり第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4コネクタ挿通孔271~276のみに挿通される構成と比較して、主制御基板61において第1~第4コネクタCN1~CN4の周囲で基板ボックス231の外部に露出する領域の面積を低減することができる。これにより、主制御基板61において基板ボックス231の外部に露出している領域に対して導電性の不正用治具を電気的に接触させる不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0453】
裏ケース体234の下側区画壁237には、位置調整ボス294~297に案内されながら裏側対向板部235に向けてスライドされる表ケース体232を上方に案内する第2ガイド部306が一体形成されている。コネクタカバー233は、表ケース体232が第2ガイド部306によって上方に案内される際に、当該表ケース体232に追従して上方に案内され、第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bと第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cとが接近している状態となる。これにより、下側周縁部275b~278bと下側起立壁部101c~104cとの間に不正用治具が挿入されてしまう可能性を低減することができる。
【0454】
<第2の実施形態の別形態>
・コネクタ群対応板部267aとコネクタカバー233との間に所定の遊び(具体的には略1mmの遊び)が設けられている構成としてもよい。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4の端子111~116における固定部111b~116bからコネクタ群対応板部267aの表面までの距離を延ばすことができる。よって、表ケース体232側から上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274aとの間に存在する上側の遊び、又は下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔271~274の下側周縁部271b~274bとの間に存在する下側の遊びに針金等の導電性の不正用治具を挿入して第1~第4コネクタCN1~CN4の端子111~116における固定部111b~116bに接触させる不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0455】
・コネクタカバー233が第1~第4コネクタCN1~CN4と接触した場合に容易に撓む構成としてもよい。具体的には、コネクタカバー233は無色透明のポリエチレン樹脂により形成されている。なお、コネクタカバー233を形成する材料は無色透明のポリエチレン樹脂に限定されることはなく、無色透明のウレタン樹脂であってもよく、さらには有色透明であってもよい。上記第2の実施形態において既に説明したとおり、表ケース体232はポリカーボネート樹脂により形成されている。コネクタカバー233の板厚は、略0.5mmであり、表ケース体232におけるコネクタ群対応板部267aの板厚(略1mm)よりも薄い。コネクタカバー233は、コネクタ群対応板部267aよりも高い柔軟性を有している。位置調整ボスがボス挿通孔に挿通されている状態で、表ケース体232を裏側対向板部235に向けてスライドさせる際に第1~第4コネクタCN1~CN4がコネクタカバー233に形成された第1~第4カバー側挿通孔275~278の周縁部275a~278a,275b~278bと接触した場合には、第1~第4コネクタCN1~CN4に押されてコネクタカバー233が撓むことにより、表ケース体232の裏ケース体234へのスライドを継続可能とすることができる。
【0456】
このため、コネクタカバー233が容易に変形可能な構成では、主制御装置60の組み立て効率が低下してしまうことを防止しながら、第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aから下側周縁部275b~278bまでの縦寸法を小さく設定することができる。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4カバー側挿通孔275~278の上側周縁部275a~278aとの間に存在する遊び、及び第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとの間に存在する遊びを小さく設定することができる。
【0457】
第1~第4コネクタ挿通孔271~274の内側にはみ出している部分を除いて、コネクタカバー233の表面は、コネクタ群対応板部267aによって覆われている。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4のハウジング101~104と第1~第4コネクタ挿通孔271~274との間に存在するコネクタカバー233がめくられて当該めくられた箇所から不正用治具が挿入されてしまう可能性を低減することができる。
【0458】
・第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとが当接している状態で表ケース体232が裏ケース体234に固定される構成としてもよい。本構成において、第2ガイド部306は下側起立壁部101c~104cが下側周縁部275b~278bと当接するまで裏ケース体234及び主制御基板61に対して表ケース体232及びコネクタカバー233を上方に案内する。このように、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部275b~278bとが当接している状態とすることにより、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部275b~278bと間に針金などの導電性の不正用冶具を挿入する不正行為を防止することができる。
【0459】
・表ケース体232と接触することにより裏ケース体234及び主制御基板61に対して表ケース体232及びコネクタカバー233を上方に案内する第2ガイド部306が裏ケース体234に設けられている構成に代えて、裏ケース体234に固定されている主制御基板61と接触することにより裏ケース体234及び主制御基板61に対して表ケース体232及びコネクタカバー233を上方に案内する第2ガイド部が表ケース体232に設けられている構成してもよい。
【0460】
具体的には、表ケース体232の表側対向板部261には、当該表側対向板部261の下部に、素子対向面261aから主制御基板61側に突出させて第2ガイド部が一体形成されている。第2ガイド部は、位置調整ボス294~297がボス挿通孔301~304に挿通されている状態で表ケース体232が裏側対向板部235に向けてスライドされる工程において、第1~第7コネクタCN1~CN7が第1~第7コネクタ挿通孔271~274,291~293に挿通された状態となった後に主制御基板61の下側の長辺61b部と接触して裏ケース体234及び主制御基板61に対して表ケース体232を上方に案内する案内面を備えている。案内面は、表側対向板部261から裏側対向板部235への方向(
図39における左方)に向かって下方に傾斜している。主制御基板61の下側の長辺61b部が案内面に接触している状態で表ケース体232が裏側対向板部235に向けてスライドされることにより、裏ケース体234及び主制御基板61に対して表ケース体232及びコネクタカバー233が上方に案内され、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bが接近する。
【0461】
このように、主制御基板61と接触して裏ケース体234及び主制御基板61に対して表ケース体232及びコネクタカバー233を上方に案内する第2ガイド部が表ケース体232に設けられている構成としても、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとの間に存在する遊びを小さくすることができる。
【0462】
<第3の実施形態>
本実施形態では主制御装置310の構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0463】
本実施形態における主制御装置310の構成を
図40~
図44に基づいて詳細に説明する。
図40(a)は本実施形態における主制御装置310の正面図であり、
図40(b)は第1~第4コネクタCN1~CN4周辺を拡大して示す主制御装置310の正面図であり、
図41は主制御装置310の正面側から見た分解斜視図であり、
図42は主制御装置310の背面側から見た分解斜視図である。また、
図43(a)は第1コネクタCN1の周辺を拡大して示す
図40(a)のA-A線断面図であり、
図43(b)は第2コネクタCN2の周辺を拡大して示す
図40(a)のB-B線断面図であり、
図44(a)は第3コネクタCN3の周辺を拡大して示す
図40(a)のC-C線断面図であり、
図44(b)は第4コネクタCN4の周辺を拡大して示す
図40(a)のD-D線断面図である。
【0464】
図40(a)に示すように、主制御装置310は、上記第1の実施形態において既に説明した主制御基板61と、当該主制御基板61を収容する基板ボックス311とを備えている。上記第1の実施形態と同様に、主制御基板61の一方側の板面にはMPU63(
図9(a))、第1~第7コネクタCN1~CN7及び各種素子(抵抗91、コンデンサ92、トランジスタ93及びIC94(
図9(a))等)が搭載されており、当該一方側の板面が素子搭載面61e(
図41)となっている。
【0465】
基板ボックス311は、
図41及び
図42に示すように、主制御基板61の素子搭載面61e(
図41)を覆う表ケース体312と、主制御基板61における素子搭載面61eとは反対側の板面である基板裏面61f(
図42)を覆う裏ケース体313と、主制御基板61に固定されて第1~第4コネクタCN1~CN4の周りを囲うコネクタ対応プレート314とを備えている。コネクタ対応プレート314は、主制御基板61と表ケース体312との間に存在している。これら表ケース体312、裏ケース体313及びコネクタ対応プレート314は、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されている。これにより、基板ボックス311内に収容された主制御基板61の素子搭載面61e及び基板裏面61fを基板ボックス311の外部から視認することが可能となっている。なお、表ケース体312、裏ケース体313及びコネクタ対応プレート314を形成する材料は透明のポリカーボネート樹脂に限定されることはなく、透明のアクリル樹脂であってもよく、さらには有色透明であってもよい。
【0466】
図41に示すように、裏ケース体313は、主制御基板61の基板裏面61f(
図42)と対向する横長矩形で略板状に形成された裏側対向板部315を備えている。裏側対向板部315は、主制御基板61と対向する基板対向面315aを有している。裏側対向板部315には、基板対向面315aの上下の長辺部を主制御基板61側に突出させて上下一対の上側区画壁316及び下側区画壁317が一体形成されている。また、裏側対向板部315には、基板対向面315aの左側短辺部における上部及び下部を主制御基板61側に突出させて左側第1区画壁318及び左側第2区画壁319が一体形成されているとともに、基板対向面315aの右側短辺部における上部及び下部を主制御基板61側に突出させて右側第1区画壁321及び右側第2区画壁322が一体形成されている。
【0467】
上側区画壁316と下側区画壁317とは縦方向に所定の間隔を置いて対向している。また、左側第1区画壁318及び左側第2区画壁319と右側第1区画壁321及び右側第2区画壁322とは横方向に所定の間隔を置いて対向している。裏ケース体313には、裏側対向板部315及びこれらの区画壁316~319,321,322により表ケース体312の背面側の一部を収容可能とする裏側収容部323が設けられている。
【0468】
裏側対向板部315には、基板対向面315aの左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部に、主制御基板61を裏ケース体313に固定するために用いられる円柱状の基板固定ボス324~327が一体形成されている。基板固定ボス324~327は、基板対向面315aから主制御基板61側に突出しており、当該基板固定ボス324~327の自由端には主制御基板61をネジ固定可能とするネジ孔(図示略)が形成されている。また、主制御基板61の正面視における左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部には、当該主制御基板61を基板固定ボス324~327にネジ止め可能とする基板固定貫通孔331~334が形成されている。これら4つの基板固定貫通孔331~334は、上述した4つの基板固定ボス324~327に対して1対1で対応させて設けられている。主制御基板61は、素子搭載面61e側から基板固定ボス324~327にネジ固定されることにより裏ケース体313の正面側に固定される。これにより、主制御基板61が裏ケース体313に一体化された状態となる。当該状態において、主制御基板61の基板裏面61f(
図42)は奥行き方向(前後方向)に所定の間隔を置いて基板対向面315aと対向している。
【0469】
次に、コネクタ対応プレート314の構成について説明する。
【0470】
図41に示すように、コネクタ対応プレート314は、横長矩形に形成された板状部335を備えている。板状部335には、主制御基板61に搭載されている第1コネクタCN1(
図40(a))を挿通可能とする第1プレート側挿通孔336、第2コネクタCN2(
図40(a))を挿通可能とする第2プレート側挿通孔337、第3コネクタCN3(
図40(a))を挿通可能とする第3プレート側挿通孔338及び第4コネクタCN4(
図40(a))を挿通可能とする第4プレート側挿通孔339が形成されている。これら第1~第4プレート側挿通孔336~339は、横長矩形の貫通孔である。
【0471】
図42に示すように、板状部335には、当該板状部335の長手方向における両端部に、コネクタ対応プレート314を主制御基板61にネジ止めするための左右一対のプレート固定ボス341,342が一体形成されているとともに、主制御基板61に対するコネクタ対応プレート314の固定位置のずれを防止するための左右一対のプレート位置調整ボス343,344が一体形成されている。プレート固定ボス341,342及びプレート位置調整ボス343,344は、主制御基板61側に突出しており、プレート固定ボス341,342の突出端にはコネクタ対応プレート314をネジ固定可能とするネジ孔(図示略)が形成されている。
【0472】
図41に示すように、主制御基板61においてコネクタ群搭載領域88の長手方向における両端には、コネクタ対応プレート314を主制御基板61に固定するためのネジ349を挿通可能とする左右一対のプレート固定孔345,346と、コネクタ対応プレート314の板状部335から延びるプレート位置調整ボス343,344(
図42)の自由端を挿通可能とするプレート位置調整孔347,348とが形成されている。これらプレート固定孔345,346及びプレート位置調整孔347,348は、主制御基板61を板厚方向に貫通する貫通孔である。
【0473】
図42に示すように、プレート位置調整ボス343,344の突出寸法はプレート固定ボス341,342の突出寸法よりも大きい。コネクタ対応プレート314は、第1~第4コネクタCN1~CN4が対応するプレート側挿通孔336~339に挿通された後、2つのプレート位置調整ボス343,344が対応する2つのプレート位置調整孔347,348に挿通された状態とされる。2つのプレート位置調整ボス343,344が対応する2つのプレート位置調整孔347,348に挿通されることにより、主制御基板61に対するコネクタ対応プレート314の固定位置が確定される。その後、コネクタ対応プレート314は、主制御基板61の背面側からプレート固定ボス341,342が主制御基板61にネジ止めされることにより主制御基板61の素子搭載面61e側に固定される。
【0474】
コネクタ対応プレート314は、素子搭載面61e(
図41)において第1~第4コネクタCN1~CN4(
図40(a))が搭載されているコネクタ群搭載領域88(
図41)の略全体を覆う。
図43(a),(b)及び
図44(a),(b)に示すように、コネクタ対応プレート314は、素子搭載面61eと前後方向(
図43(a),(b)及び
図44(a),(b)における左右方向)に所定の間隔(具体的には略1.5mmの間隔)を置いて対向しており、主制御基板61とコネクタ対応プレート314との間には第1~第4コネクタCN1~CN4の端子111~116の固定部111b~116bが存在している。これら固定部111b~116bとコネクタ対応プレート314との間には、若干の遊びが存在している。
【0475】
図43(a),(b)及び
図44(a),(b)に示すように、コネクタ対応プレート314が主制御基板61に固定された状態において、第1~第4コネクタCN1~CN4は、対応するプレート側挿通孔336~339の縦方向における中央付近に存在している。コネクタ対応プレート314が主制御基板61に固定された状態において、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4プレート側挿通孔336~339の上側周縁部336a~339aとの間、及び第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4プレート側挿通孔336~339の下側周縁部336b~339bとの間には、略1mmの遊びが存在している。
【0476】
次に、表ケース体312の構成について説明する。
【0477】
図41に示すように、表ケース体312は、主制御基板61の素子搭載面61eに搭載されているMPU63(
図9(a))及び各種素子91~94(
図9(a))を挟んで当該素子搭載面61eと対向する横長矩形の表側対向板部351を備えている。
図42に示すように、表側対向板部351は、素子搭載面61e(
図41)と対向する素子対向面351aを有している。表側対向板部351には、素子対向面351aの上下の長辺部を背面側(裏ケース体313側)に起立させて上下一対の上側起立壁352及び下側起立壁353が一体形成されているとともに、素子対向面351aの左右の短辺部を背面側(裏ケース体313側)に起立させて左右一対の左側起立壁354及び右側起立壁355が一体形成されている。上側起立壁352及び下側起立壁353は縦方向に所定の間隔を置いて対向しているとともに、左側起立壁354及び右側起立壁355は横方向に所定の間隔を置いて対向している。表ケース体312には、表側対向板部351及びこれらの起立壁352~355により背面側に開放された略直方体形状の基板収容部356が設けられており、主制御基板61を収容可能となっている。
【0478】
図41に示すように、表側対向板部351において主制御基板61のコネクタ群搭載領域88に対向する位置には、第1~第4コネクタCN1~CN4(
図40(a))を主制御装置310の表面に露出させるためのコネクタ群対応凹部361が形成されている。コネクタ群対応凹部361は、表側対向板部351を主制御基板61に向けて凹ませて形成されている。
図40(a)に示すように、コネクタ群対応凹部361は、当該コネクタ群対応凹部361の底部に主制御基板61の素子搭載面61e(
図41)と対向する横長矩形のコネクタ群対応板部361aを備えている。
【0479】
図40(b)に示すように、コネクタ群対応板部361aには、当該コネクタ群対応板部361aを板厚方向に貫通させて、第1コネクタCN1、第2コネクタCN2、第3コネクタCN3及び第4コネクタCN4が挿通される第1表側コネクタ挿通孔362、第2表側コネクタ挿通孔363、第3表側コネクタ挿通孔364及び第4表側コネクタ挿通孔365が形成されている。これら第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365は横長矩形の貫通孔である。本実施形態において第1~第4コネクタCN1~CN4は、表ケース体312に形成された第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365、及びコネクタ対応プレート314に形成されたプレート側挿通孔336~339に挿通されることにより、主制御装置310の表面に露出した状態となり、当該第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタ(図示略)を受け入れ可能となる。
【0480】
図41に示すように、表側対向板部351において主制御基板61の第5~第7コネクタ搭載領域85a~87aに対向する位置には、第5~第7コネクタCN5~CN7を主制御装置310の表面に露出させるための第5~第7コネクタ対応凹部371~373が形成されている。
図40(a)に示すように、第5~第7コネクタ対応凹部371~373は、当該第5~第7コネクタ対応凹部371~373の底部に主制御基板61の素子搭載面61e(
図41)と対向する横長矩形の第5~第7コネクタ対応板部371a~373aを備えているとともに、当該第5~第7コネクタ対応板部371a~373aには、第5~第7コネクタCN5~CN7が挿通される第5~第7コネクタ挿通孔374~376が形成されている。上記第1の実施形態と同様に、第5~第7コネクタCN5~CN7は、対応するコネクタ挿通孔374~376に挿通されることにより主制御装置310の表面に露出した状態となり、当該第5~第7コネクタCN5~CN7に対応する雄型コネクタ(図示略)を受け入れ可能となる。
【0481】
図43(a),(b)及び
図44(a),(b)に示すように、第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365aから下側周縁部362b~365bまでの縦寸法は、対応する第1~第4コネクタCN1~CN4における上側起立壁部101b~104bの上端から係止受部101h~104hの下端までの寸法よりも略3mm大きく設定されている。このため、第1~第4コネクタCN1~CN4を対応するコネクタ挿通孔362~365に挿通することができる。当該第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の縦寸法は、対応する第1~第4コネクタCN1~CN4における上側起立壁部101b~104bの上端から下側起立壁部101c~104cの下端までの寸法よりも略4mm大きい。このため、第1~第4コネクタCN1~CN4が対応するコネクタ挿通孔362~365に挿通された状態で、上側起立壁部101b~104bとコネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365aとの間、及び下側起立壁部101c~104cとコネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bとの間には、合計で略4mmの遊びが生じる。
【0482】
第1~第4プレート側挿通孔336~339は、当該第1~第4プレート側挿通孔336~339に対応する第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365よりもひと回り小さく形成されている。第1~第4プレート側挿通孔336~339の開口面積は、対応する第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365よりも狭い。第1プレート側挿通孔336の上側周縁部336aから下側周縁部336bまでの縦寸法は、第1表側コネクタ挿通孔362の上側周縁部362aから下側周縁部362bまでの縦寸法よりも略2mm小さく、第2プレート側挿通孔337の上側周縁部337aから下側周縁部337bまでの縦寸法は、第2表側コネクタ挿通孔363の上側周縁部363aから下側周縁部363bまでの縦寸法よりも略2mm小さく、第3プレート側挿通孔338の上側周縁部338aから下側周縁部338bまでの縦寸法は、第3表側コネクタ挿通孔364の上側周縁部364aから下側周縁部364bまでの縦寸法よりも略2mm小さく、第4プレート側挿通孔339の上側周縁部339aから下側周縁部339bまでの縦寸法は、第4表側コネクタ挿通孔365の上側周縁部365aから下側周縁部365bまでの縦寸法よりも略2mm小さい。
【0483】
コネクタ対応プレート314は、第1~第4コネクタCN1~CN4の周囲を囲む部品であり、主制御基板61の素子搭載面61eの大部分を覆う表ケース体312と比較して小さい部品である。コネクタ対応プレート314を主制御基板61に固定するために第1~第4コネクタCN1~CN4を対応するプレート側挿通孔336~339に挿通する作業は、主制御基板61に搭載されている7つのコネクタCN1~CN7を第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365及び第5~第7コネクタ挿通孔374~376に挿通する作業よりも容易な作業である。このため、コネクタ対応プレート314に形成されるプレート側挿通孔336~339を、表ケース体312に形成される表側コネクタ挿通孔362~365よりもひと回り小さい挿通孔とすることができる。コネクタ対応プレート314を利用することにより、組み立て工程が複雑化してしまうことを抑制しながら、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側に存在する遊びが大きくなってしまうことを防止することができる。
【0484】
図42に示すように、表側対向板部351における素子対向面351aの四隅には、上記第1の実施形態と同様に、位置調整ボス381~384が設けられている。また、
図40(a)に示すように、主制御基板61の四隅にはボス挿通孔385~388が設けられている。ボス挿通孔385~388は、主制御基板61の短辺61c,61dに沿って縦に延びる長孔である。ボス挿通孔385~388の縦寸法は、ボス挿通孔385~388に位置調整ボス381~384が挿通された状態において、表ケース体312の上下方向への略4mmの移動が許容されるように、位置調整ボス381~384の直径よりも略4mm大きく設定されている。
【0485】
主制御装置310を組み立てる工程では、既に説明したとおり、主制御基板61が裏ケース体313にネジ固定される。その後、コネクタ対応プレート314が主制御基板61の素子搭載面61e側にネジ固定される。その後、主制御基板61のボス挿通孔385~388に位置調整ボス381~384が挿通され、第1~第4コネクタCN1~CN4が対応する第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365に挿通されているとともに、第5~第7コネクタCN5~CN7が対応する第5~第7コネクタ挿通孔374~376に挿通されている状態となった後、位置調整ボス381~384の自由端が裏側対向板部315に当接するまで表ケース体312が当該裏側対向板部315に向けてスライドされる。
【0486】
その後、位置調整ボス381~384がボス挿通孔385~388の上端に接触してそれ以上表ケース体312を上方にスライドさせることができない状態となるまで、表ケース体312が略2mm上方にスライドされる。既に説明したとおり、ボス挿通孔385~388は、当該ボス挿通孔385~388に位置調整ボス381~384が挿通された状態において、表ケース体312の上方への略2mmの移動を許容する縦寸法を有している。
【0487】
表ケース体312の上方へのスライドが完了した状態において、表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bは、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと所定の間隔を置いて接近している状態となる。表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bと下側起立壁部101c~104cとの間に存在する下側の遊びは、0.8mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5mm以下である。当該下側の遊びを0.8mm以下とすることにより、当該下側の遊びから針金などの導電性の不正用治具が挿入されてしまう可能性を低減することができるともに、当該下側の遊びを0.5mm以下とすることにより、当該可能性をさらに低減することができる。
【0488】
その後、表ケース体312の上方へのスライドが完了しており位置調整ボス381~384がボス挿通孔385~388の上端に位置している状態で、表ケース体312と裏ケース体313とがネジ固定される。表ケース体312と裏ケース体313とがネジ固定された状態において、第1~第4コネクタCN1~CN4は、対応するプレート側挿通孔336~339と、対応する表側コネクタ挿通孔362~365との両方に挿通されることにより、主制御装置310の表面に露出した状態となり、当該第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタ(図示略)を受け入れ可能となる。当該状態において、表ケース体312のコネクタ群対応板部361aは、コネクタ対応プレート314の板状部335に当接している。
【0489】
図45(a)は表ケース体312の正面図であり、
図45(b)は裏ケース体313の正面図である。
図45(a)に示すように、左側起立壁354には、当該左側起立壁354の起立先の端部に表側第1ケース固定ボス391が一体形成されているとともに、右側起立壁355には、当該右側起立壁355の起立先の端部に表側第2ケース固定ボス392及び表側第3ケース固定ボス393が一体形成されている。表側第1ケース固定ボス391は、左側起立壁354の上下方向における略中央に設けられており、当該左側起立壁354から左方に突出している。表側第2ケース固定ボス392及び表側第3ケース固定ボス393は、上下方向に所定の間隔を置いて設けられており、右側起立壁355から右方に突出している。これらケース固定ボス391~393には、表ケース体312を裏ケース体313に固定するためのネジ389(
図41)が挿通される貫通孔391a~393aが形成されている。
【0490】
図45(b)に示すように、裏ケース体313における裏側対向板部315には、当該裏側対向板部315の左側の短辺部に裏側第1ケース固定ボス394が一体形成されているとともに、当該裏側対向板部315の右側の短辺部に裏側第2ケース固定ボス395及び裏側第3ケース固定ボス396が一体形成されている。裏側第1ケース固定ボス394は表側第1ケース固定ボス391に対応しており、裏側第2ケース固定ボス395は表側第2ケース固定ボス392に対応しており、裏側第3ケース固定ボス396は表側第3ケース固定ボス393に対応している。裏側第1ケース固定ボス394は、上下方向において、左側第1区画壁318と左側第2区画壁319との間の位置に設けられており、裏側対向板部315から左方に突出している。また、裏側第2ケース固定ボス395及び裏側第3ケース固定ボス396は、上下方向において、右側第1区画壁321と右側第2区画壁322との間に所定の間隔を置いて設けられており、裏側対向板部315から右方に突出している。これらケース固定ボス394~396には、表ケース体312をネジ固定可能とするネジ孔394a~396aが形成されている。
【0491】
図46(a)は表ケース体312が上方にスライドされる前の表側第1ケース固定ボス391に形成された貫通孔391aと裏側第1ケース固定ボス394に形成されたネジ孔394aとの位置関係を説明するための説明図であり、
図46(b)は表ケース体312が上方にスライドされた後の表側第1ケース固定ボス391に形成された貫通孔391aと裏側第1ケース固定ボス394に形成されたネジ孔394aとの位置関係を説明するための説明図である。表ケース体312が上方にスライドされる前においては、
図46(a)に示すように、表側第1ケース固定ボス391の貫通孔391aと、裏側第1ケース固定ボス394のネジ孔394aとは、縦方向にずれている。図示は省略するが、同様に、表側第2ケース固定ボス392及び表側第3ケース固定ボス393の貫通孔392a,393a(
図45(a))と、裏側第2ケース固定ボス395及び裏側第3ケース固定ボス396のネジ孔395a,396a(
図45(b))とは、縦方向にずれている。このため、そのままではネジ固定できない状態となっている。
【0492】
表ケース体312が上方にスライドされた後においては、
図46(b)に示すように、表側第1ケース固定ボス391の貫通孔391aと裏側第1ケース固定ボス394のネジ孔394aとのずれが解消し、当該貫通孔391aと当該ネジ孔394aとが連通されている状態となる。図示は省略するが、同様に、表側第2ケース固定ボス392及び表側第3ケース固定ボス393の貫通孔392a,393a(
図45(a))と、裏側第2ケース固定ボス395及び裏側第3ケース固定ボス396のネジ孔395a,396a(
図45(b))とが連通されている状態となる。これにより、表ケース体312と裏ケース体313とをネジ固定することが可能となる。表ケース体312が上方にスライドされた状態でなければ表ケース体312と裏ケース体313とをネジ固定できない構成であることにより、表ケース体312の上方へのスライドが行われていない状態や、当該スライドが途中までしか行われていない状態で表ケース体312と裏ケース体313との固定が行われてしまうことが防止されている。
【0493】
コネクタ対応プレート314及び主制御基板61を挟んで表ケース体312が裏ケース体313に固定された状態において、
図43(a)に示すように、第1コネクタCN1の一端側端子111における固定部111bは、第1ハウジング101の短手方向における中央よりも下寄り(下側起立壁部101c寄り)の位置から下方へ延びており、下側起立壁部101cと第1表側コネクタ挿通孔362の下側周縁部362bとの間、及び下側起立壁部101cと第1プレート側挿通孔336の下側周縁部336bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。また、他端側端子112における固定部112bは、第1ハウジング101の短手方向における中央よりも上寄り(上側起立壁部101b寄り)の位置から上方へ延びており、上側起立壁部101bと第1表側コネクタ挿通孔362の上側周縁部362aとの間、及び上側起立壁部101bと第1プレート側挿通孔336の上側周縁部336aとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0494】
図43(b)に示すように、第2コネクタCN2の端子113における固定部113bは、第2ハウジング102の短手方向における中央の位置から下方へ延びており、下側起立壁部102cと第2表側コネクタ挿通孔363の下側周縁部363bとの間、及び下側起立壁部102cと第2プレート側挿通孔337の下側周縁部337bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
図44(a)に示すように、第3コネクタCN3の端子114における固定部114bは、第3ハウジング103の短手方向における中央の位置から下方へ延びており、下側起立壁部103cと第3表側コネクタ挿通孔364の下側周縁部364bとの間、及び下側起立壁部103cと第3プレート側挿通孔338の下側周縁部338bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0495】
図44(b)に示すように、第4コネクタCN4の一端側端子115における固定部115bは、第4ハウジング104の短手方向における中央よりも下寄り(下側起立壁部104c寄り)の位置から下方へ延びており、下側起立壁部104cと第4表側コネクタ挿通孔365の下側周縁部365bとの間、及び下側起立壁部104cと第4プレート側挿通孔339の下側周縁部339bとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。また、他端側端子116における固定部116bは、第4ハウジング104の短手方向における中央よりも上寄り(上側起立壁部104b寄り)の位置から上方へ延びており、上側起立壁部104bと第4表側コネクタ挿通孔365の上側周縁部365aとの間、及び上側起立壁部104bと第4プレート側挿通孔339の上側周縁部339aとの間を主制御基板61の素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している。
【0496】
図43(a),(b)及び
図44(a),(b)に示すように、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bとプレート側挿通孔336~339の上側周縁部336a~339aとの間に存在する遊びの寸法は、当該上側起立壁部101b~104bと表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びの寸法よりも小さい。既に説明したとおり、コネクタ対応プレート314は主制御基板61に固定されるため、表ケース体312(
図42)が上方にスライドされてもコネクタ対応プレート314が当該表ケース体312に追従することはなく、表ケース体312の上方へのスライドによって上側起立壁部101b~104bと上側周縁部336a~339aとの間に存在する遊びが広がってしまうことはない。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bとプレート側挿通孔336~339の上側周縁部336a~339aとの間に針金などの導電性の不正用治具が挿入されてしまう可能性を低減することができる。
【0497】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0498】
コネクタ対応プレート314は、主制御基板61に固定される。コネクタ対応プレート314が主制御基板61に固定された状態において、当該コネクタ対応プレート314は主制御基板61に追従して移動する。このため、コネクタ対応プレート314が主制御基板61に固定された状態で、主制御基板61及びコネクタ対応プレート314に対して表ケース体312を移動させることにより、第1~第4コネクタCN1~CN4に対する第1~第4プレート側挿通孔336~339の位置が変化してしまうことを防止しつつ、第1~第4コネクタCN1~CN4に対する第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の位置を変化させることを可能とすることができる。
【0499】
表ケース体312は、表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393が裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396に対してネジ固定されることにより裏ケース体313に固定される。表ケース体312が裏ケース体313に固定された状態において、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びは、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びよりも小さい。このため、表ケース体312を裏ケース体313に固定することにより、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びが、上側起立壁部101b~104bと上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びよりも小さい状態を維持することができる。
【0500】
表ケース体312が上方にスライドされる前においては、表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393の貫通孔391a~393aと、裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396のネジ孔394a~396aとは、縦方向にずれており、そのままではネジ固定できない状態となっている。表ケース体312が上方にスライドされた後においては、表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393の貫通孔391a~393aと裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396のネジ孔394a~396aとのずれが解消し、当該貫通孔391a~393aと当該ネジ孔394a~396aとが連通されている状態となり、表ケース体312と裏ケース体313とをネジ固定することが可能となる。表ケース体312が上方にスライドされた状態でなければ表ケース体312と裏ケース体313とをネジ固定できない構成であることにより、表ケース体312の上方へのスライドが行われていない状態や、当該スライドが途中までしか行われていない状態で表ケース体312と裏ケース体313との固定が行われてしまうことが防止されている。
【0501】
表ケース体312が裏ケース体313に固定されている状態が解除された場合には、第1~第4コネクタCN1~CN4の自由端が第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上下方向における中央に存在している状態とすることができる。当該状態においては、表ケース体312が裏ケース体313に固定されている状態と比較して、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びの寸法が大きくなる。このため、基板ボックス311を組み立てる工程において、第1~第4コネクタCN1~CN4の自由端が第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上下方向における中央に存在している状態とすることにより、第1~第4コネクタCN1~CN4を第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365に挿通する作業を容易なものとすることができる。その後、下側起立壁部101c~104cと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びが、上側起立壁部101b~104bと上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びよりも小さい状態として表ケース体312を裏ケース体313に固定することができる。これにより、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部362b~365bとが接近している状態とすることができる。
【0502】
主制御基板61及びコネクタ対応プレート314に対して表ケース体312を上方に移動させることにより、第1~第4コネクタCN1~CN4に対する第1~第4プレート側挿通孔336~339の上側周縁部336a~339a及び下側周縁部336b~339bの位置が変化してしまうことを防止しながら、第1~第4コネクタCN1~CN4に対して第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365a及び下側周縁部362b~365bを上方に移動させることができる。当該上方への移動により、第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bを第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近させて、下側起立壁部101c~104cと側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びを小さくすることができる。当該上方への移動により、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びは大きくなるが、上側起立壁部101b~104bと第1~第4プレート側挿通孔336~339の上側周縁部336a~339aとの間に存在する遊びの寸法は変化しない。このため、主制御基板61の素子搭載面61eにおいて、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bの周辺で基板ボックス311の外部に露出する領域の面積が大きくなってしまうことを抑制しながら、下側起立壁部101c~104cの周辺で基板ボックス311の外部に露出する領域の面積を小さくすることができる。
【0503】
主制御基板61と表ケース体312との間には、第1~第4コネクタCN1~CN4の周りを囲うコネクタ対応プレート314が設けられている。第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4プレート側挿通孔336~339の上側周縁部336a~339aとの間に存在する遊びは、上側起立壁部101b~104bと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びよりも小さい。このため、コネクタ対応プレート314によって、上側起立壁部101b~104bと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びを通じて基板ボックス311の外部に露出される主制御基板61の範囲を狭くすることができる。これにより、上側起立壁部101b~104bと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びに針金などの導電性の不正用治具を挿入する不正行為が行われた場合に当該不正用治具が主制御基板61の素子搭載面61eに存在する端子111~116及び配線パターンなどに到達する可能性を低減することができる。よって、導電性の不正用冶具を用いて信号を不正に操作する不正行為を防止することができる。
【0504】
コネクタ対応プレート314は、コネクタ群対応板部361aと、第1~第4コネクタCN1~CN4の端子111~116における固定部111b~116bとの間に存在している。コネクタ対応プレート314が固定部111b~116bよりもコネクタ群対応板部361a側に存在していることにより、当該コネクタ対応プレート314によって不正用治具が固定部111b~116bに接触することを妨害することができる。コネクタ対応プレート314がコネクタ群対応板部361aよりも主制御基板61側に存在していることにより、当該コネクタ対応プレート314が不正に取り除かれてしまうことを防止することができる。
【0505】
コネクタ対応プレート314に形成されている第1~第4プレート側挿通孔336~339の開口面積は、コネクタ群対応板部361aに形成されている第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の開口面積よりも狭い。このため、コネクタ対応プレート314を不具備であり第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365のみに挿通される構成と比較して、主制御基板61において第1~第4コネクタCN1~CN4の周囲で基板ボックス311の外部に露出する領域の面積を低減することができる。これにより、主制御基板61において基板ボックス311の外部に露出している領域に対して導電性の不正用治具を電気的に接触させる不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0506】
<第3の実施形態の別形態>
・第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bとコネクタ対応プレート314の上側周縁部336a~339aとが当接する態様でコネクタ対応プレート314が主制御基板61に固定される構成としてもよい。具体的には、主制御基板61においてコネクタ群搭載領域88の長手方向における両端には、コネクタ対応プレート314を主制御基板61に固定するためのネジ349を挿通可能とする左右一対のプレート固定孔と、コネクタ対応プレート314の板状部335から延びるプレート位置調整ボス343,344の自由端を挿通可能とするプレート位置調整孔とが形成されている。これらプレート固定孔及びプレート位置調整孔は、主制御基板61を板厚方向に貫通する貫通孔である。本構成では、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bとコネクタ対応プレート314の上側周縁部336a~339aとが当接する態様でコネクタ対応プレート314が主制御基板61に固定される位置にプレート固定孔及びプレート位置調整孔が形成されている。
【0507】
主制御装置310を組み立てる工程において、コネクタ対応プレート314は、第1~第4コネクタCN1~CN4が対応するプレート側挿通孔336~339に挿通された後、2つのプレート位置調整ボス343,344が対応する2つのプレート位置調整孔に挿通された状態とされる。2つのプレート位置調整ボス343,344が対応する2つのプレート位置調整孔に挿通されることにより、主制御基板61に対するコネクタ対応プレート314の固定位置が確定される。その後、主制御基板61の背面側からプレート固定ボス341,342が主制御基板61にネジ止めされることにより主制御基板61に固定される。コネクタ対応プレート314が主制御基板61に固定された状態において、第1~第4コネクタCN1~CN4は、対応するプレート側挿通孔336~339に挿通されているとともに、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bはコネクタ対応プレート314の上側周縁部336a~339aと当接している。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4の当該他端と板状部335との間に針金などの導電性の不正用治具が挿入されてしまうことを防止することができる。よって、第1コネクタCN1及び第4コネクタCN4の他端側端子112,116に対して導電性の不正用治具を近づける不正が行われることを防止することができる。
【0508】
表ケース体312は、上記第3の実施形態において既に説明したとおり、第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bが第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと接近した状態となるまで上方にスライドされ、当該スライドが完了した状態で裏ケース体313に固定される。第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bとが接近しているとともに、第1~第4コネクタCN1~CN4の上側起立壁部101b~104bと第1~第4プレート側挿通孔336~339の上側周縁部336a~339aとが当接している構成とすることにより、第1~第4コネクタCN1~CN4における全端子111~116を導電性の不正用治具を近づける不正から保護することが可能となる。
【0509】
・コネクタ対応プレート314及び主制御基板61を挟んで表ケース体312と裏ケース体313とが固定された状態において、コネクタ群対応板部361aがコネクタ対応プレート314の板状部335に当接する構成に代えて、当該状態においてコネクタ群対応板部361aがコネクタ対応プレート314の板状部335に所定の間隔(略1mmの間隔)を置いて接近した状態となる構成としてもよい。当該所定の間隔は、針金等の導電性の不正用治具を挿入しづらいものとする間隔である。所定の間隔を置いて接近した状態となる構成としても、コネクタ群対応板部361aと板状部335との間に存在する遊びから不正用治具が挿入されてしまうことを防止することができる。
【0510】
・第1~第4コネクタCN1~CN4の端子111~116における固定部111b~116bとコネクタ対応プレート314とが当接している構成としてもよい。これにより、主制御基板61の素子搭載面61eとコネクタ対応プレート314との間隔を低減することができる。よって、上側起立壁部101b~104bと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159aとの間に存在する上側の遊びから針金等の導電性の不正用治具を挿入して第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子112、第3コネクタCN3の端子113及び第4コネクタCN4の一端側端子115における固定部111b,113b~115bに接触させる不正行為を防止することができる。
【0511】
・第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bとが当接している状態で表ケース体312が裏ケース体313に固定される構成としてもよい。本構成では、位置調整ボス381~384がボス挿通孔385~388の上端に接触するまで手動で裏ケース体313、主制御基板61及びコネクタ対応プレート314に対して表ケース体312を上方にスライドさせることにより、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部362b~365bとが当接している状態とすることができる。これにより、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部362b~365bと間に針金などの導電性の不正用冶具を挿入する不正行為を防止することができる。
【0512】
<第4の実施形態>
本実施形態では主制御基板401の構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0513】
図47(a)は本実施形態における主制御基板401の素子搭載面401eを示す平面図であり、
図47(b)はMPU402の一部を拡大して示す主制御基板401の平面図であり、
図48(a)は主制御基板401の半田面401fを示す平面図であり、
図48(b)は
図48(a)のA-A線断面図である。上記第1の実施形態と同様に、主制御基板401は横長矩形に形成されており、
図47(a)に示すように、周縁に上下一対の上辺401a及び下辺401bと、左右一対の左辺401c及び右辺401dとを備えている。主制御基板401にはMPU402、第1~第7コネクタCN41~CN47及び各種素子などの挿入実装部品が多数装着されている。これらの挿入実装部品は主制御基板401の一方側の板面のみに搭載されており、当該板面が素子搭載面401eとなっている。
【0514】
MPU402及び第1コネクタCN41は主制御基板401の板厚方向に直線的に延びるピン411~413,415,416(
図48(a))を備えている。また、図示は省略するが、MPU402及び第1コネクタCN41以外の挿入実装部品も、主制御基板401の板厚方向に直線的に延びるピンを備えている。MPU402及び第1コネクタCN41を含む挿入実装部品は、主制御基板401を板厚方向に貫通させて設けられたスルーホール(図示略)にこれらのピン411~413,415,416が挿通された状態で、フローソルダリングなどの挿入実装技術により半田付けされて実装されている。
図48(a)に示すように、主制御基板401における素子搭載面401eとは反対側の板面は、挿入実装部品のピン411~413,415,416が半田付けされた半田面401fとなっている。
【0515】
上記第1の実施形態において
図7を参照しながら既に説明したとおり、主制御装置60は、表ケース体121の表面がパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている。遊技ホールへの設置状態において、主制御基板401の素子搭載面401eはパチンコ機10後方を向いているとともに、半田面401fはパチンコ機10前方を向いている。遊技機本体12を外枠11からパチンコ機10前方に開放させることにより、遊技機本体12の背面側が視認可能となる。この場合に、主制御装置60は遊技機本体12の背面部を構成しており、さらには上記のとおり表ケース体121の表面がパチンコ機10後方を向いているため、遊技機本体12を外枠11に対して開放することで透明な表ケース体121を通じて主制御基板401の素子搭載面401eが視認可能となる。
【0516】
本実施形態のように、素子搭載面401eに挿入実装部品が実装されており、素子搭載面401eとは反対側の板面が半田面401fとなっている構成においては、マイナスドライバなどの導電性の不正用治具を主制御装置60の側面側から挿入して半田面401f側に突出しているピン411~413,415,416(
図48(a))に接触させる不正が行われるおそれがある。また、マイナスドライバなどの導電性の不正用治具を主制御装置60の側面側又は正面側から挿入して素子搭載面401e側で露出しているピン411~413(
図47(b))に接触させる不正が行われるおそれがある。ここで、主制御装置60の側面とは、上記第1の実施形態において既に説明した裏ケース体122の上側区画壁124、下側区画壁125、左側第1区画壁126、左側第2区画壁127、右側第1区画壁128及び右側第2区画壁129(
図16(b))である。これらの不正を検知するための構成について説明する。
【0517】
図47(a)に示すように、主制御基板401の素子搭載面401eには、当該素子搭載面401eの周縁を1周するGNDライン405が設けられているとともに、当該GNDライン405よりも主制御基板401の中央に寄った位置で当該素子搭載面401eの周縁を1周する不正検知ライン406が設けられている。GNDライン405及び不正検知ライン406は、導電性の金属箔(具体的には銅箔)をエッチングすることにより形成されている。
【0518】
不正検知ライン406は、主制御装置60の側面側などからマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が挿入されたことを把握可能とする電気配線である。不正検知ライン406には、不正検知用の電圧(具体的には+5Vの電圧)が供給される。主側CPU64は当該不正検知ライン406の電圧を監視し、導電性の不正用治具によって不正検知ライン406とGNDライン405とが導通されて不正検知ライン406の電圧が降下したことを把握した場合に、不正が行われたことを特定する。
【0519】
GNDライン405は、主制御基板401の上辺401aに沿って当該上辺401aの左端から右端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延びる上側GNDライン405aと、主制御基板401の下辺401bに沿って当該下辺401bの左端から右端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延びる下側GNDライン405bと、主制御基板401の左辺401cに沿って当該左辺401cの上端から下端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延びる左側GNDライン405cと、主制御基板401の右辺401dに沿って当該右辺401dの上端から下端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延びる右側GNDライン405dとを備えている。
【0520】
不正検知ライン406は、上側GNDライン405aから下方に略1mmの間隔を置いて設けられた上側不正検知ライン406aと、下側GNDライン405bから上方に略1mmの間隔を置いて設けられた下側不正検知ライン406bと、左側GNDライン405cから右方に略1mmの間隔を置いて設けられた左側不正検知ライン406cと、右側GNDライン405dから左方に略1mmの間隔を置いて設けられた右側不正検知ライン406dとを備えている。上側不正検知ライン406aは、所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で左側不正検知ライン406cの上端から右側不正検知ライン406dの上端まで直線的に延びているとともに、下側不正検知ライン406bは、所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で左側不正検知ライン406cの下端から右側不正検知ライン406dの下端まで直線的に延びている。これら上下左右の不正検知ライン403a~403dは電気的に接続されている。
【0521】
素子搭載面401eの周縁は、外側のGNDライン405及び内側の不正検知ライン406によって2重に囲われている。これらGNDライン405及び不正検知ライン406は主制御基板401の表面に露出しており、導電性の不正用治具がGNDライン405及び不正検知ライン406に接触した場合にはGNDライン405及び不正検知ライン406が導通される。不正検知ライン406がGNDライン405に接近させて設けられていることにより、導電性の不正用治具が素子搭載面401e側に近づけられた場合に当該不正用治具がGNDライン405及び不正検知ライン406の両方に接触している状態となり不正検知ライン406の電圧が降下する可能性が高められている。
【0522】
上下左右のGNDライン405a~405dには、当該GNDライン405a~405dの延在方向に1列となるように多数のGND接触部407が形成されている。
図48(b)に示すように、GND接触部407は、主制御基板401を板厚方向に貫通しているとともにその内周面が導電性の金属(具体的には銅)によりメッキされているスルーホール407aと、素子搭載面401e及び半田面401fにおいて当該スルーホール407aの周縁に円形に設けられたランド407b,407cとを備えている。ランド407b,407cは金属製であり、具体的には銅製である。スルーホール407aの直径は略0.6mmであるとともに、ランド407b,407cの直径は略1.2mmである。
【0523】
GND接触部407は、半田面401fから略1mm膨出している半田膨出部407dを備えている。半田膨出部407dは、スルーホール407aの内部及び半田面401f側のランド407cに半田面401f側から半田を流入させて形成されている。全てのGND接触部407の半田膨出部407dは、GNDライン405と電気的に接続されている。半田膨出部407dが半田面401fから膨出していることにより、半田面401fに近づけられた導電性の不正用治具が半田膨出部407dに接触する可能性が高められている。上下左右のGNDライン405a~405dにおいて、GND接触部407は、隣接するGND接触部407同士の中心間の距離が略3mmとなるように等間隔に設けられている。これにより、半田面401fに近づけられた導電性の不正用治具がいずれかのGND接触部407の半田膨出部407dに接触する可能性が高められている。
【0524】
上下左右の不正検知ライン406a~406dには、当該不正検知ライン406a~406dの延在方向に1列となるように多数の不正検知接触部408が形成されている。
図48(b)に示すように、不正検知接触部408は、主制御基板401を板厚方向に貫通しておりその内周面が導電性の金属(具体的には銅)によりメッキされているスルーホール408aと、素子搭載面401e及び半田面401fにおいて当該スルーホール408aの周縁に円形に設けられたランド408b,408cとを備えている。ランド408b,408cは金属製であり、具体的には銅製である。スルーホール408aの直径は略0.6mmであるとともに、ランド408b,408cの直径は略1.2mmである。
【0525】
不正検知接触部408は、半田面401fから略1mm膨出している半田膨出部408dを備えている。半田膨出部408dは、スルーホール408aの内部及び半田面401f側のランド408cに半田面401f側から半田を流入させて形成されている。全ての不正検知接触部408の半田膨出部408dは、不正検知ライン406と電気的に接続されている。半田膨出部408dが半田面401fから膨出していることにより、半田面401fに近づけられた導電性の不正用治具が半田膨出部408dに接触する可能性が高められている。上下左右の不正検知ライン406a~406dにおいて、不正検知接触部408は、隣接する不正検知接触部408同士の中心間の距離が略3mmとなるように等間隔に設けられている。これにより、半田面401fに近づけられた導電性の不正用治具がいずれかの不正検知接触部408の半田膨出部408dに接触する可能性が高められている。
【0526】
既に説明したとおり、素子搭載面401eにおいて、不正検知ライン406はGNDライン405に接近させて設けられている。このため、半田面401fにおいて不正検知接触部408とGND接触部407とは接近して存在している。これにより、導電性の不正用治具が半田面401fに近づけられた場合に1つ以上のGND接触部407と1つ以上の不正検知接触部408とに接触している状態となり不正検知ライン406の電圧が低下する可能性が高められている。
【0527】
図47(a)及び
図47(b)に示すように、主制御基板401の素子搭載面401eの中央付近には、MPU402が搭載されている。MPU402は、GND接続ピン411及び不正検知接続ピン412を含む多数のピン411~413を備えており、これらのピン411~413は半田面401fにて半田付けされている。
図48(a)に示すように、半田面401fの右辺401dの中央付近には、隣接する不正検知接触部408同士の上述した3mmの間隔よりも大きな隙間が設けられており、当該隙間を通して1つのGND接触部407とMPU402のGND接続ピン411とを電気的に接続する銅製の配線414が形成されている。当該配線414は表面に露出しないように絶縁体のレジスト(図示略)により被覆されている。
【0528】
図47(a)に示すように、主制御基板401の素子搭載面401eの上辺401a側には、第1コネクタCN41が搭載されている。第1コネクタCN41は、多数のピン415,416(
図48(a))を備えており、当該多数のピン415,416の1つは不正検知ライン406(
図48(a))に電圧を供給する電圧供給ピン415(
図48(a))である。電圧供給ピン415を含む当該多数のピン415,416は、半田面401fにて半田付けされている。
図48(a)に示すように、半田面401fには、主制御基板401の右辺401d近傍に設けられている1つの不正検知接触部408とMPU402の不正検知接続ピン412とを電気的に接続する銅製の配線417が形成されているとともに、主制御基板401の上辺401a近傍に設けられている1つの不正検知接触部408と第1コネクタCN41の電圧供給ピン415とを電気的に接続する銅製の配線418が形成されている。これらの配線417,418は表面に露出しないように絶縁体のレジスト(図示略)により被覆されている。
【0529】
パチンコ機10への動作電力の供給が行われている状態において、不正検知ライン406には、第1コネクタCN41の電圧供給ピン415及び配線418を介して、不正検知用の電圧(具体的には+5Vの電圧)が供給されるとともに、MPU402の入力側には、不正検知ライン406、不正検知接続ピン412及び配線417を介して、当該不正検知用の電圧が供給される。主側CPU64は、不正検知接続ピン412を介してMPU402の入力側に供給されている電圧を監視し、当該電圧が不正検知用の電圧である場合に正常な状態であることを把握することができる。
【0530】
既に説明したとおり、主制御基板401の半田面401fにおいて、GND接触部407と不正検知接触部408とは接近して存在している。このため、主制御装置60の側面側からマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が半田面401f側に挿入されてGND接触部407及び不正検知接触部408と接触している状態となった場合には、当該不正用治具によってGNDライン405と不正検知ライン406とが導通される。また、既に説明したとおり、主制御基板401の素子搭載面401eにおいて、GNDライン405と不正検知ライン406とは接近させて設けられている。このため、主制御装置60の側面側又は正面側からマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が素子搭載面401e側に挿入されてGNDライン405及び不正検知ライン406と接触している状態となった場合には、当該不正用治具によってGNDライン405と不正検知ライン406とが導通される。主側CPU64は、不正検知ライン406の電圧を監視し、GNDライン405及び不正検知ライン406が導通されて不正検知ライン406の電圧が降下したことを特定した場合に、不正検知ライン406に異常が発生したことを把握する。
【0531】
次に、主側CPU64にて実行される不正検知処理について
図49のフローチャートを参照しながら説明する。なお、不正検知処理はタイマ割込み処理(
図27)のステップS205にて実行される。
【0532】
不正検知処理では、まずMPU402の入力側に接続されている不正検知ライン406の電圧を監視し、当該電圧の降下が検出されたか否かを判定する(ステップS901)。ステップS901にて否定判定を行った場合には、監視対象の不正が発生したか否かを判定する(ステップS902)。ステップS902では、上記第1の実施形態における不正検知処理(タイマ割込み処理(
図27)のステップS205)と同様に、電波検知センサ202及び磁気検知センサ203から受信する検知信号に基づいて監視対象の不正が発生したことを特定する。監視対象の不正が発生していない場合(ステップS902:NO)には、そのまま本不正検知処理を終了する。
【0533】
ステップS901にて肯定判定を行った場合、又はステップS902にて肯定判定を行った場合には、異常報知処理を実行する(ステップS903)。異常報知処理では、音声発光制御装置70に対して異常報知コマンドを送信する。異常報知コマンドは、不正検知ライン406の異常、電波異常又は磁気異常が発生したことを報知する異常報知を行うための処理を音声発光制御装置70に実行させるためのコマンドである。音声発光制御装置70は、異常報知コマンドを受信した場合、不正が検出されたことを報知するためのスピーカ部54の音出力制御、表示発光部53の発光制御及び表示制御装置90の制御を行う。これにより、不正検知ライン406の異常、電波異常、又は磁気異常が検出されたことをパチンコ機10の外部から把握可能とすることができる。また、ステップS903における異常報知処理では、外部装置である遊技ホールの管理コンピュータ(図示略)に対して異常信号を出力する。これにより、不正検知ライン406の異常、電波異常、又は磁気異常が検出されたことを管理コンピュータにて把握可能とすることができる。
【0534】
その後、主側RAM66における遊技停止フラグに「1」をセットして(ステップS904)、本不正検知処理を終了する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、遊技停止フラグに「1」がセットされることにより、タイマ割込み処理(
図27)において遊技を進行させるための処理(ステップS208~ステップS219の処理)が実行されなくなる。
【0535】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0536】
主制御基板401の素子搭載面401eには、GNDライン405及び不正検知ライン406が設けられている。不正検知ライン406は、主制御装置60の側面側などからマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が挿入されたことを把握可能とする電気配線である。不正検知ライン406には、不正検知用の電圧が供給される。主制御基板401には、GNDライン405に沿って多数のGND接触部407が設けられているとともに、不正検知ライン406に沿って多数の不正検知接触部408が設けられている。全てのGND接触部407はGNDライン405に電気的に接続されているとともに、全ての不正検知接触部408は不正検知ライン406に電気的に接続されている。GND接触部407及び不正検知接触部408は、半田面401fから膨出している半田膨出部407d,408dを備えている。主制御基板401の半田面401fに対して導電性の不正用冶具が近づけられ、当該不正用冶具が1つ以上のGND接触部407における半田膨出部407d及び1つ以上の不正検知接触部408における半田膨出部408dの両方と接触している状態となった場合、GNDライン405と不正検知ライン406とが導通される。主側CPU64は当該不正検知ライン406の電圧を監視し、導電性の不正用治具によって不正検知ライン406とGNDライン405とが導通されて不正検知ライン406の電圧が降下したことを把握した場合に、不正が行われたことを特定する。これにより、主制御基板401の半田面401f側に導電性の不正用治具を挿入する不正な行為を発見可能とすることができる。各種電子部品のピン411~413,415,416が半田によって固定されている半田面401fにおいて、半田による固定箇所及びその周辺に対して導電性の不正用冶具を接触させる不正行為が行われた場合には、各種電子部品から送信される信号又は各種電子部品が受信する信号が不正に変更されてしまうおそれがある。これに対して、半田面401fに導電性の不正用冶具を近づける不正行為を把握可能な構成であることにより、遊技ホールの管理者が気づかないところで当該不正行為が行われてしまう可能性が低減されている。
【0537】
素子搭載面401eにおいて、不正検知ライン406及びGNDライン405は表面に露出している。このため、素子搭載面401e側に導電性の不正用冶具を近づける不正行為が行われ、当該不正用冶具がGNDライン405及び不正検知ライン406の両方に接触している状態となった場合には、GNDライン405及び不正検知ライン406が導通されて不正検知ライン406の電圧が降下する。これにより、当該不正行為が行われたことを把握可能とすることができる。
【0538】
素子搭載面401eにおいて不正検知ライン406はGNDライン405に並設されている。これにより、導電性の不正用治具が素子搭載面401e側に近づけられた場合に当該不正用治具がGNDライン405及び不正検知ライン406の両方に接触している状態となり不正検知ライン406の電圧が降下する可能性が高められている。
【0539】
主側CPU64は、不正検知ライン406の電圧の降下を検出した場合、異常報知処理を実行する。これにより、不正検知ライン406の異常を遊技ホールの管理者に報知することができる。
【0540】
GNDライン405及び不正検知ライン406のそれぞれは、主制御基板401の素子搭載面401eにおける周縁部に沿って設けられている。このため、主制御装置60の側面側から主制御基板401の素子搭載面401e側に導電性の不正用冶具が近づける不正行為が行われた場合に、当該不正用冶具によってGNDライン405と不正検知ライン406とが導通した状態となる可能性を高めることができる。これにより、当該不正行為を早期に把握可能とすることができる。
【0541】
GNDライン405及び不正検知ライン406のそれぞれは、主制御基板401の素子搭載面401eにおける周縁部の全周に亘って設けられている。このため、GNDライン405及び不正検知ライン406の少なくとも一方が素子搭載面401eにおける一部の周縁部のみに設けられている構成と比較して、主制御装置60の側面側から主制御基板401の素子搭載面401e側に導電性の不正用冶具が近づける不正行為が行われた場合に、当該不正用冶具によってGNDライン405と不正検知ライン406とが導通した状態となる可能性を高めることができる。これにより、当該不正行為を早期に把握可能とすることができる。
【0542】
主制御基板401には、GNDライン405に沿って多数のGND接触部407が設けられているとともに、不正検知ライン406に沿って多数の不正検知接触部408が設けられている。全てのGND接触部407はGNDライン405に電気的に接続されているとともに、全ての不正検知接触部408は不正検知ライン406に電気的に接続されている。GND接触部407及び不正検知接触部408は、半田面401fから膨出している半田膨出部407d,408dを備えている。GND接触部407の半田膨出部407dが半田面401fから膨出していることにより、主制御基板401の半田面401f側に近づけられた導電性の不正用冶具がGND接触部407の半田膨出部407dと電気的に接触する可能性が高められている。不正検知接触部408の半田膨出部408dが半田面401fから膨出していることにより、主制御基板401の半田面401f側に近づけられた導電性の不正用冶具が不正検知接触部408の半田膨出部408dと電気的に接触する可能性が高められている。このため、主制御基板401に搭載されている各種電子部品と主制御基板401との半田による固定箇所が存在している半田面401fに対して導電性の不正用冶具が近づけられた場合に、当該不正用冶具によってGND接触部407の半田膨出部407dと不正検知接触部408の半田膨出部408dとが導通した状態となる可能性を高めることができる。各種電子部品のピン411~413,415,416が半田によって固定されている半田面401fにおいて、半田による固定箇所及びその周辺に対して導電性の不正用冶具を接触させる不正行為が行われた場合には、各種電子部品から送信される信号又は各種電子部品が受信する信号が不正に変更されてしまうおそれがある。これに対して、半田面401fに導電性の不正用冶具を近づける不正行為を把握可能な構成であることにより、遊技ホールの管理者が気づかないところで当該不正行為が行われてしまう可能性が低減されている。
【0543】
半田面401fにおいて、不正検知接触部408の半田膨出部408dは、GND接触部407の半田膨出部407dに並設されている。これにより、導電性の不正用治具が半田面401f側に近づけられた場合に当該不正用治具がGND接触部407の半田膨出部407d及び不正検知接触部408の半田膨出部408dの両方に接触している状態となり不正検知ライン406の電圧が降下する可能性が高められている。
【0544】
半田面401fの周縁は、外側に断続的に配置されたGND接触部407の半田膨出部407d及び当該GND接触部407の半田膨出部407dよりも主制御基板401の中央寄りの位置に断続的に配置された不正検知接触部408の半田膨出部408dによって2重に囲われている。このため、導電性の不正用冶具を主制御装置60の側面側から主制御基板401の半田面401f側に近づけられた場合に当該不正用治具がGND接触部407の半田膨出部407d及び不正検知接触部408の半田膨出部408dの両方に接触している状態となり不正検知ライン406の電圧が降下する可能性が高められている。
【0545】
GNDライン405は、主制御基板401の素子搭載面401eにおける上側周縁部、下側周縁部、左側周縁部及び右側周縁部に、連続する上側GNDライン405a、下側GNDライン405b、左側GNDライン405c及び右側GNDライン405dを備えている。このため、GNDライン405a~405cが断続的に形成されている構成と比較して、主制御基板401に対して導電性の不正用治具が近づけられた場合に当該不正用治具がいずれかのGNDライン405a~405dに接触する可能性を高めることができる。
【0546】
4つのGNDライン405a~405dは、主制御基板401のグラウンドに接続されている。これにより、導電性の不正用治具がいずれかのGNDライン405a~405dと不正検知ライン406とに接触してGNDライン405と不正検知ライン406とが導通した状態となった場合に、不正検知ライン406における電圧が降下している状態を作り出すことができる。よって、GNDライン405と不正検知ライン406とが導通した状態となっていることを特定し易くすることができる。
【0547】
不正検知ライン406は、主制御基板401の素子搭載面401eにおいて4つのGNDライン405a~405dよりも中央寄りの位置に、連続する上側不正検知ライン406a、下側不正検知ライン406b、左側不正検知ライン406c及び右側不正検知ライン406dを備えている。このため、不正検知ライン406a~406cが断続的に形成されている構成と比較して、主制御基板401に対して導電性の不正用治具が近づけられた場合に当該不正用治具がいずれかの不正検知ライン406a~406dに接触する可能性を高めることができる。
【0548】
4つの不正検知ライン406a~406dの全体に不正検知用の電圧が供給されている。これにより、導電性の不正用治具がいずれかのGNDライン405a~405dといずれかの不正検知ライン406a~406dとの両方に接触している状態となった場合には、不正用冶具が不正検知ライン406a~406dのいずれの場所に接触した場合であっても、GNDライン405と不正検知ライン406とが導通した状態として、不正検知ライン406における電圧が降下している状態を作り出すことができる。よって、GNDライン405と不正検知ライン406とが導通した状態となっていることを特定し易くすることができる。
【0549】
GND接触部407は、上側GNDライン405a、下側GNDライン405b、左側GNDライン405c及び右側GNDライン405dに沿って、隣接するGND接触部407同士の中心間の距離が略3mmとなるように等間隔に設けられている。これにより、半田面401fに近づけられた導電性の不正用治具がいずれかのGND接触部407の半田膨出部407dに接触する可能性が高められている。
【0550】
不正検知接触部408は、上側不正検知ライン406a、下側不正検知ライン406b、左側不正検知ライン406c及び右側不正検知ライン406dに沿って、隣接する不正検知接触部408同士の中心間の距離が略3mmとなるように等間隔に設けられている。これにより、半田面401fに近づけられた導電性の不正用治具がいずれかの不正検知接触部408の半田膨出部408dに接触する可能性が高められている。
【0551】
<第4の実施形態の別形態>
・不正検知処理(
図49)のステップS903にて行われる異常報知処理において、不正検知ライン406の異常が検出された場合に行われる異常報知の態様と、電波異常又は磁気異常が検出された場合に行われる異常報知の態様とが異なる構成としてもよい。具体的には、不正検知ライン406の異常が検出された場合、主側CPU64は異常報知処理において、音声発光制御装置70に対して第1異常報知コマンドを送信する。第1異常報知コマンドは、不正検知ライン406の異常が検出されたことを報知する第1異常報知を行うための処理を音声発光制御装置70に実行させるためのコマンドである。音声発光制御装置70は、第1異常報知コマンドを受信した場合、不正検知ライン406の異常が検出されたことを報知するためのスピーカ部54の音出力制御、表示発光部53の発光制御及び表示制御装置90の制御を行う。第1異常報知では、スピーカ部54から「第1異常発生」という音声が出力され、表示発光部53が不正検知ライン406の異常に対応する態様で発光制御され、図柄表示装置41の表示面41aに「第1異常発生」という文字が表示される。これにより、不正検知ライン406の異常が検出されたことをパチンコ機10の外部から把握可能とすることができる。また、不正検知ライン406の異常が検出された場合、主側CPU64は異常報知処理において、外部装置である遊技ホールの管理コンピュータ(図示略)に対して第1異常信号を出力する。これにより、不正検知ライン406の異常が検出されたことを管理コンピュータにて把握可能とすることができる。
【0552】
電波異常又は磁気異常が検出された場合、主側CPU64は異常報知処理において、音声発光制御装置70に対して第2異常報知コマンドを送信する。第2異常報知コマンドは、電波異常又は磁気異常が検出されたことを報知する第2異常報知を行うための処理を音声発光制御装置70に実行させるためのコマンドである。音声発光制御装置70は、第2異常報知コマンドを受信した場合、電波異常又は磁気異常が検出されたことを報知するためのスピーカ部54の音出力制御、表示発光部53の発光制御及び表示制御装置90の制御を行う。第2異常報知では、スピーカ部54から「第2異常発生」という音声が出力され、表示発光部53が電波異常又は磁気異常に対応する態様で発光制御され、図柄表示装置41の表示面41aに「第2異常発生」という文字が表示される。これにより、電波異常又は磁気異常が検出されたことをパチンコ機10の外部から把握可能とすることができる。また、電波異常又は磁気異常が検出された場合、主側CPU64は異常報知処理において、外部装置である遊技ホールの管理コンピュータ(図示略)に対して第2異常信号を出力する。これにより、電波異常又は磁気異常が検出されたことを管理コンピュータにて把握可能とすることができる。
【0553】
このように、電波異常又は磁気異常が検出された場合に第2異常報知が行われる構成において、不正検知ライン406の異常が検出された場合には当該第2異常報知とは異なる第1異常報知が行われる構成とすることにより、不正検知ライン406の異常が検出されたことを迅速に把握可能とすることができる。
【0554】
・主制御基板401において、1つのGND接触部407とMPU402のGND接続ピン411とを電気的に接続する配線414、1つの不正検知接触部408とMPU402の不正検知接続ピン412とを電気的に接続する配線417、及び1つの不正検知接触部408と第1コネクタCN41の電圧供給ピン415とを電気的に接続する配線418が形成される板面は、半田面401fに限定されることはない。これらの配線414,417,418の一部又は全部が素子搭載面401eに形成されている構成としてもよい。
【0555】
・主制御基板401において、GNDライン405が設けられている板面(第4の実施形態では素子搭載面401e)とGND接触部407の半田膨出部407dが設けられている板面(第4の実施形態では半田面401f)とが逆転している構成としてもよい。GND接触部407の半田膨出部407dが素子搭載面401e側に膨出している構成とすることにより、主制御基板401の素子搭載面401e側に近づけられた導電性の不正用冶具がGND接触部407と接触する可能性を高めることができる。
【0556】
・主制御基板401において、不正検知ライン406が設けられている板面(第4の実施形態では素子搭載面401e)と不正検知接触部408の半田膨出部408dが設けられている板面(第4の実施形態では半田面401f)とが逆転している構成としてもよい。不正検知接触部408の半田膨出部408dが素子搭載面401e側に膨出している構成とすることにより、主制御基板401の素子搭載面401e側に近づけられた導電性の不正用冶具が不正検知接触部408と接触する可能性を高めることができる。
【0557】
・主制御基板401の素子搭載面401eに形成されたGNDライン405の全域に半田を付着させて半田膨出領域が形成されている構成としてもよい。半田膨出領域は、素子搭載面401eから略1mm膨出している。これにより、素子搭載面401e側に導電性の不正用冶具が近づけられた場合に当該不正用冶具が半田膨出領域を通じてGNDライン405と電気的に接触する可能性を高めることができる。
【0558】
・主制御基板401の素子搭載面401eに形成された不正検知ライン406の全域に半田を付着させて半田膨出領域が形成されている構成としてもよい。半田膨出領域は、素子搭載面401eから略1mm膨出している。これにより、素子搭載面401e側に導電性の不正用冶具が近づけられた場合に当該不正用冶具が半田膨出領域を通じて不正検知ライン406と電気的に接触する可能性を高めることができる。
【0559】
・主制御基板401の半田面401fにGND接触部407の半田膨出部407d及び不正検知接触部408の半田膨出部408dの両方が設けられている構成に代えて、半田面401fにこれら2種類の半田膨出部407d,408dのうちいずれか一方のみが設けられている構成としてもよい。半田面401fにGND接触部407の半田膨出部407dのみが設けられている構成において、不正検知接触部408は半田面401fに半田接触部を備えている。半田接触部は、不正検知接触部408のスルーホール408aの内部に半田面401f側から半田を流入させて形成されているが、半田面401fから膨出はしておらず、半田面401fと面一になっている。半田接触部は露出しており、導電性の不正用冶具が半田面401f側に近づけられてGND接触部407の半田膨出部407d及び不正検知接触部408の半田接触部の両方に接触している状態となった場合には、当該不正用冶具によってGNDライン405と不正検知ライン406とが導通される。また、半田面401fに不正検知接触部408の半田膨出部408dのみが設けられている構成において、GND接触部407は半田面401fに半田接触部を備えている。半田接触部は、GND接触部407のスルーホール407aの内部に半田面401f側から半田を流入させて形成されているが、半田面401fから膨出はしておらず、半田面401fと面一になっている。半田接触部は露出しており、導電性の不正用冶具が半田面401f側に近づけられてGND接触部407の半田接触部及び不正検知接触部408の半田膨出部408dの両方に接触している状態となった場合には、当該不正用冶具によってGNDライン405と不正検知ライン406とが導通される。このように、半田面401fにGND接触部407の半田膨出部407d及び不正検知接触部408の半田膨出部408dのいずれか一方のみが設けられている構成としても、他方に半田接触部が設けられている構成とすることにより、半田面401f側に導電性の不正用冶具を近づける不正行為が行われたことを把握可能とすることができる。
【0560】
<第5の実施形態>
本実施形態ではパチンコ機10への動作電力の供給が停止された電源遮断状態における不正行為を監視する構成を備えていることが上記第4の実施形態と相違している。以下、上記第4の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第4の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0561】
図50は本実施形態における電源遮断状態における不正行為を監視するための電気的な構成を説明するための説明図である。
【0562】
上記第4の実施形態と同様に、主制御基板401の素子搭載面401e(
図47(a))にはGNDライン405及び不正検知ライン406が設けられている。また、主制御基板401の半田面401f(
図48(a))にはGNDライン405に電気的に接続されている多数のGND接触部407及び不正検知ライン406に電気的に接続されている多数の不正検知接触部408が設けられている。本実施形態における主制御基板401には、不正検知ライン406に電圧が供給される状態と供給されない状態とを切り換え可能とするMOSFET421と、電源遮断状態においてマイナスドライバなどの導電性の不正用治具を半田面401fに近づける不正行為を把握可能とする不正検知コンデンサ422とが設けられている。これらMOSFET421及び不正検知コンデンサ422は、素子搭載面401eに搭載されている。
【0563】
MOSFET421は、ゲート端子421a、ソース端子421b及びドレイン端子421cを備えている。MOSFET421では、ゲート端子421aの入力電圧がHI状態である場合にソース端子421bとドレイン端子421cとの間に電流が流れるようになるとともに、ゲート端子421aの入力電圧がLOW状態である場合にソース端子421bとドレイン端子421cとの間に電流が流れなくなる。
【0564】
ゲート端子421aは、銅製の配線423により主側CPU64と電気的に接続されている。主側CPU64はゲート端子421aの入力電圧の制御を行う。ソース端子421bには不正検知ライン406に電圧を供給する第1コネクタCN41の電圧供給ピン415が接続されているとともに、ドレイン端子421cには不正検知ライン406が接続されている。
【0565】
不正検知コンデンサ422は、第1端子422a及び第2端子422bを備えている。第1端子422aは、銅製の配線424により、不正検知ライン406と主側CPU64とを接続する配線425と電気的に接続されている。第2端子422bは、GNDライン405と電気的に接続されている。
【0566】
主側CPU64は、パチンコ機10への動作電力の供給が開始された後、ゲート端子421aの入力電圧をHI状態とする。これにより、不正検知ライン406に対して電圧が供給される状態となり、不正検知コンデンサ422の第1端子422aに電荷が蓄積する。主側CPU64は、配線425の電圧に基づいて第1端子422aに電荷が蓄積しているか否かを把握することができる。
【0567】
第1端子422aに電荷が蓄積された状態でパチンコ機10への動作電力の供給が停止されて電源遮断状態となった場合、当該第1端子422aに蓄積されていた電荷はそのまま保持される。当該電源遮断状態において、主制御装置60の側面側からマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が主制御基板401の半田面401f側に近づけられて1つ以上のGND接触部407及び1つ以上の不正検知接触部408に接触している状態となった場合には、GNDライン405と不正検知ライン406とが導通される。また、当該電源遮断状態において、主制御装置60の側面側又は正面側からマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が主制御基板401の素子搭載面401e側に近づけられてGNDライン405及び不正検知ライン406に接触している状態となった場合にも、GNDライン405と不正検知ライン406とが導通される。不正検知ライン406とGNDライン405とが導通された場合、第1端子422aに蓄積されていた電荷はGNDライン405に逃げる。これにより、第1端子422aに電荷が蓄積されていない状態となる。主側CPU64は、パチンコ機10への動作電力の供給が開始された場合に、第1端子422aに電荷が蓄積されているか否かを判定し、第1端子422aに電荷が蓄積されていない場合に電源遮断状態において不正用治具を近づける不正行為が行われたことを把握する。
【0568】
次に、主側CPU64にて実行される電源投入設定処理について
図51のフローチャートを参照しながら説明する。なお、電源投入設定処理はメイン処理(
図26)のステップS109にて実行される。
【0569】
電源投入設定処理では、まず不正検知コンデンサ422における第1端子422aに電荷が蓄積されているか否かを判定する(ステップS1001)。第1端子422aに電荷が蓄積されていない状態である場合(ステップS1001:NO)には、第1端子422aに蓄積されていた電荷が電源遮断状態において失われたことを意味するため、異常報知処理を実行する(ステップS1002)。異常報知処理では、音声発光制御装置70に対して対応する異常報知コマンドを送信する。音声発光制御装置70は、異常報知コマンドを受信した場合、電源遮断状態における不正が検出されたことを報知するためのスピーカ部54の音出力制御、表示発光部53の発光制御及び表示制御装置90の制御を行う。これにより、電源遮断状態における不正が検出されたことをパチンコ機10の外部から把握可能とすることができる。また、ステップS1002における異常報知処理では、外部装置である遊技ホールの管理コンピュータ(図示略)に対して異常信号を出力する。これにより、電源遮断状態における不正が検出されたことを管理コンピュータにて把握可能とすることができる。
【0570】
ステップS1001にて肯定判定を行った場合、又はステップS1002の処理を行った場合には、ゲート端子421aの入力電圧をLOW状態からHI状態に立ち上げる入力電圧立ち上げ処理を行う(ステップS1003)。これにより、不正検知ライン406に対して電圧が供給される状態となり、第1端子422aに電荷が蓄積する。
【0571】
その後、停電フラグの初期化といった主側RAM66の所定のエリアを初期値に設定する初期値設定処理を実行し(ステップS1004)、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置70に送信する遊技状態用のコマンド送信処理を実行して(ステップS1005)、本電源投入設定処理を終了する。
【0572】
上記のとおり、動作電力の供給が開始された後、主側CPU64はゲート端子421aの入力電圧をHI状態に立ち上げる前に第1端子422aに電荷が蓄積されているか否かを判定する。これにより、電源遮断状態における第1端子422aの状態を把握することが可能となっている。
【0573】
ステップS1001にて第1端子422aに電荷が蓄積されていないと判定した場合には、ステップS1002における異常報知処理を実行した後にゲート端子421aの入力電圧をHI状態に立ち上げる。このため、当該異常報知処理が実行された後にパチンコ機10への動作電力の供給が停止され、その後に当該動作電力の供給が再開された場合に、不正行為が行われていないにも関わらず再度ステップS1001にて否定判定が行われてステップS1002における異常報知処理が実行されてしまうことが防止されている。
【0574】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0575】
主制御基板401には、パチンコ機10への動作電力の供給が行われている状態において第1端子422aに電荷が蓄積され、電源遮断状態となった後に主制御装置60に挿入された導電性の不正用治具によって不正検知ライン406とGNDライン405とが導通された場合に第1端子422aに蓄積されていた電荷が失われる不正検知コンデンサ422が搭載されている。このため、パチンコ機10への動作電力の供給が開始された後に第1端子422aに電荷が蓄積されているか否かを判定することにより電源遮断状態における不正の有無を把握可能とすることができる。
【0576】
主側CPU64は、電源投入設定処理(
図51)におけるステップS1001にて、不正検知コンデンサ422における第1端子422aに電荷が蓄積されてない状態であると判定した場合、異常報知処理を実行する。遊技ホールの管理者は、異常報知処理が実行されたことに基づいて、第1端子422aに蓄積されていた電荷が電源遮断状態において行われた不正行為によって失われたことを把握することができる。
【0577】
<第6の実施形態>
本実施形態では主制御基板の構成が上記第4の実施形態と相違している。以下、上記第4の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第4の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0578】
図52(a)は本実施形態における主制御基板431の素子搭載面431eを示す平面図であり、
図52(b)はMPU432の一部を拡大して示す主制御基板431の平面図であり、
図53(a)は主制御基板431の基板裏面431fを示す平面図であり、
図53(b)は
図53(a)のA-A線断面図である。上記第1の実施形態と同様に、主制御基板431は横長矩形に形成されており、
図52(a)に示すように、周縁に上下一対の上辺431a及び下辺431bと、左右一対の左辺431c及び右辺431dとを備えている。主制御基板431にはMPU432、第1~第7コネクタCN51~CN57及び各種素子などの表面実装部品が多数装着されている。これらの表面実装部品は主制御基板431の一方側の板面のみに搭載されており、当該板面が素子搭載面431eとなっている。
【0579】
MPU432及び第1コネクタCN51は主制御基板431の素子搭載面431eに沿って延びる端子441~443,445,446(
図52(a),(b))を備えている。また、図示は省略するが、MPU432及び第1コネクタCN51以外の表面実装部品も、素子搭載面431eに沿って延びる端子を備えている。MPU432及び第1コネクタCN51を含む表面実装部品は、これらの端子441~443,445,446がリフローソルダリング等の表面実装技術により素子搭載面431eに半田付けされることにより素子搭載面431e側に実装されている。本実施形態において、表面実装部品の端子441~443,445,446は、主制御基板431の素子搭載面431e側のみに存在しており、基板裏面431f側には存在していない。素子搭載面431eには、表面実装部品の端子(図示略)同士を電気的に接続する配線パターン(図示略)が形成されている。
【0580】
上記第1の実施形態において
図7を参照しながら既に説明したとおり、主制御装置60は、表ケース体121の表面がパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている。遊技ホールへの設置状態において、主制御基板431の素子搭載面431eはパチンコ機10後方を向いているとともに、基板裏面431fはパチンコ機10前方を向いている。遊技機本体12を外枠11からパチンコ機10前方に開放させることにより、遊技機本体12の背面側が視認可能となる。この場合に、主制御装置60は遊技機本体12の背面部を構成しており、さらには上記のとおり表ケース体121の表面がパチンコ機10後方を向いているため、遊技機本体12を外枠11に対して開放することで透明な表ケース体121を通じて主制御基板431の素子搭載面431eが視認可能となる。
【0581】
本実施形態のように、主制御基板431の素子搭載面431e側のみに表面実装部品の端子441~443,445,446が存在している構成においては、マイナスドライバなどの導電性の不正用治具を主制御装置60の側面側又は正面側から挿入して素子搭載面431e側に存在している端子441~443,445,446に接触させる不正が行われるおそれがある。当該不正を検知するための構成について説明する。
【0582】
図53(a)に示すように、主制御基板431の基板裏面431fには、当該基板裏面431fの周縁を1周するGNDライン435が設けられているとともに、当該GNDライン435よりも主制御基板431の中央に寄った位置で当該基板裏面431fの周縁を1周する不正検知ライン436が設けられている。GNDライン435及び不正検知ライン436は、導電性の金属箔(具体的には銅箔)をエッチングすることにより形成されている。
【0583】
不正検知ライン436は、主制御装置60の側面側などからマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が挿入されたことを把握可能とする電気配線である。不正検知ライン436には、不正検知用の電圧(具体的には+5Vの電圧)が供給される。上記第4の実施形態と同様に、主側CPU64は当該不正検知ライン436の電圧を監視し、導電性の不正用治具によって不正検知ライン436とGNDライン435とが導通されて不正検知ライン436の電圧が降下したことを把握した場合に、不正が行われたことを特定する。
【0584】
GNDライン435は、主制御基板431の上辺431aに沿って当該上辺431aの左端から右端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延びる上側GNDライン435aと、主制御基板431の下辺431bに沿って当該下辺431bの左端から右端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延びる下側GNDライン435bと、主制御基板431の左辺431cに沿って当該左辺431cの上端から下端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延びる左側GNDライン435cと、主制御基板431の右辺431dに沿って当該右辺431dの上端から下端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延びる右側GNDライン435dとを備えている。
【0585】
不正検知ライン436は、上側GNDライン435aから下方に略1mmの間隔を置いて設けられた上側不正検知ライン436aと、下側GNDライン435bから上方に略1mmの間隔を置いて設けられた下側不正検知ライン436bと、左側GNDライン435cから右方に略1mmの間隔を置いて設けられた左側不正検知ライン436cと、右側GNDライン435dから左方に略1mmの間隔を置いて設けられた右側不正検知ライン436dとを備えている。上側不正検知ライン436aは、所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で左側不正検知ライン436cの上端から右側不正検知ライン436dの上端まで直線的に延びているとともに、下側不正検知ライン436bは、所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で左側不正検知ライン436cの下端から右側不正検知ライン436dの下端まで直線的に延びている。これら上下左右の不正検知ライン403a~403dは電気的に接続されている。
【0586】
基板裏面431fの周縁は、外側のGNDライン435及び内側の不正検知ライン436によって2重に囲われている。これらGNDライン435及び不正検知ライン436は表面に露出しないように絶縁体のレジスト(図示略)により被覆されている。
【0587】
上下左右のGNDライン435a~435dには、当該GNDライン435a~435dの延在方向に1列となるように多数のGND接触部437が形成されている。
図53(b)に示すように、GND接触部437は、主制御基板431を板厚方向に貫通しているとともにその内周面が導電性の金属(具体的には銅)によりメッキされているスルーホール437aと、素子搭載面431e及び基板裏面431fにおいて当該スルーホール437aの周縁に円形に設けられたランド437b,437cとを備えている。ランド437b,437cは金属製であり、具体的には銅製である。スルーホール437aの直径は略0.6mmであるとともに、ランド437b,437cの直径は略1.2mmである。
【0588】
GND接触部437は、素子搭載面431eから略1mm膨出している半田膨出部437dを備えている。半田膨出部437dは、スルーホール437aの内部及び素子搭載面431e側のランド437bに素子搭載面431e側から半田を流入させて形成されている。全てのGND接触部437の半田膨出部437dは、GNDライン435と電気的に接続されている。半田膨出部437dが素子搭載面431eから膨出していることにより素子搭載面431eに近づけられた導電性の不正用治具が半田膨出部437dに接触する可能性が高められている。上下左右のGNDライン435a~435dにおいて、GND接触部437は、隣接するGND接触部437同士の中心間の距離が略3mmとなるように等間隔に設けられている。これにより、素子搭載面431eに近づけられた導電性の不正用治具がいずれかのGND接触部437の半田膨出部437dに接触する可能性が高められている。
【0589】
上下左右の不正検知ライン436a~436dには、当該不正検知ライン436a~436dの延在方向に1列となるように多数の不正検知接触部438が形成されている。
図53(b)に示すように、不正検知接触部438は、主制御基板431を板厚方向に貫通しておりその内周面が導電性の金属(具体的には銅)によりメッキされているスルーホール438aと、素子搭載面431e及び基板裏面431fにおいて当該スルーホール438aの周縁に円形に設けられたランド438b,438cとを備えている。ランド438b,438cは金属製であり、具体的には銅製である。スルーホール438aの直径は略0.6mmであるとともに、ランド438b,438cの直径は略1.2mmである。
【0590】
不正検知接触部438は、素子搭載面431eから略1mm膨出している半田膨出部438dを備えている。半田膨出部438dは、スルーホール438aの内部及び素子搭載面431e側のランド438bに素子搭載面431e側から半田を流入させて形成されている。全ての不正検知接触部438の半田膨出部438dは、不正検知ライン436と電気的に接続されている。半田膨出部438dが素子搭載面431eから膨出していることにより、素子搭載面431eに近づけられた導電性の不正用治具が半田膨出部438dに接触する可能性が高められている。上下左右の不正検知ライン436a~436dにおいて、不正検知接触部438は、隣接する不正検知接触部438同士の中心間の距離が略3mmとなるように等間隔に設けられている。これにより、素子搭載面431eに近づけられた導電性の不正用治具がいずれかの不正検知接触部438の半田膨出部438dに接触する可能性が高められている。
【0591】
基板裏面431fにおいて、不正検知ライン436はGNDライン435に接近させて設けられているとともに、素子搭載面431eにおいて不正検知接触部438とGND接触部437とは接近して存在している。これにより、導電性の不正用治具が素子搭載面431eに近づけられた場合に1つ以上のGND接触部437と1つ以上の不正検知接触部438とに接触している状態となり不正検知ライン436の電圧が低下する可能性が高められている。
【0592】
図52(a)及び
図52(b)に示すように、主制御基板431の素子搭載面431eの中央付近には、MPU432が搭載されている。MPU432は、GND接続端子441及び不正検知接続端子442を含む多数の端子441~443を備えており、これらの端子441~443は素子搭載面431eにて半田付けされている。
図53(a)に示すように、基板裏面431fの右辺431dの中央付近には、隣接する不正検知接触部438同士の上述した3mmの間隔よりも大きな隙間が設けられており、当該隙間を通して1つのGND接触部437とMPU432のGND接続端子441とを電気的に接続する銅製の配線444が形成されている。当該配線444は表面に露出しないように絶縁体のレジスト(図示略)により被覆されている。
【0593】
図52(a)に示すように、主制御基板431の素子搭載面431eの上辺431a側には、第1コネクタCN51が搭載されている。第1コネクタCN51は、多数の端子445,446を備えており、当該多数の端子445,446の1つは不正検知ライン436(
図53(a))に電圧を供給する電圧供給端子445(
図53(a))である。電圧供給端子445を含む当該多数の端子445,446は、素子搭載面431eにて半田付けされている。
図53(a)に示すように、基板裏面431fには、主制御基板431の右辺431d近傍に設けられている1つの不正検知接触部438とMPU432の不正検知接続端子442とを電気的に接続する銅製の配線447が形成されているとともに、主制御基板431の上辺431a近傍に設けられている1つの不正検知接触部438と第1コネクタCN51の電圧供給端子445とを電気的に接続する銅製の配線448が形成されている。これらの配線447,448は表面に露出しないように絶縁体のレジスト(図示略)により被覆されている。
【0594】
パチンコ機10への動作電力の供給が行われている状態において、不正検知ライン436には、第1コネクタCN51の電圧供給端子445及び配線448を介して、不正検知用の電圧(具体的には+5Vの電圧)が供給されるとともに、MPU432の入力側には、不正検知ライン436及び不正検知接続端子442を介して、当該不正検知用の電圧が供給される。主側CPU64は、不正検知接続端子442を介してMPU432の入力側に供給されている電圧を監視し、当該電圧が不正検知用の電圧である場合に正常な状態であることを把握することができる。
【0595】
既に説明したとおり、主制御基板431の素子搭載面431eにおいて、GND接触部437と不正検知接触部438とは接近して存在している。このため、主制御装置60の側面側又は正面側からマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が素子搭載面431e側に挿入されてGND接触部437及び不正検知接触部438と接触している状態となった場合には、当該不正用治具によってGNDライン435と不正検知ライン436とが導通される。主側CPU64は、不正検知ライン436の電圧を監視し、GNDライン435及び不正検知ライン436が導通されて不正検知ライン436の電圧が降下したことを特定した場合に、不正検知ライン436に異常が発生したことを把握する。
【0596】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0597】
主制御基板431の基板裏面431fには、GNDライン435及び不正検知ライン436が設けられている。不正検知ライン436は、主制御装置60の側面側などからマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が挿入されたことを把握可能とする電気配線である。不正検知ライン436には、不正検知用の電圧が供給される。主制御基板431には、GNDライン435に沿って多数のGND接触部437が設けられているとともに、不正検知ライン436に沿って多数の不正検知接触部438が設けられている。全てのGND接触部437はGNDライン435に電気的に接続されているとともに、全ての不正検知接触部438は不正検知ライン436に電気的に接続されている。GND接触部437及び不正検知接触部438は、素子搭載面401eから膨出している半田膨出部437d,438dを備えている。主制御基板431の素子搭載面431eに対して導電性の不正用冶具が近づけられ、当該不正用冶具が1つ以上のGND接触部437における半田膨出部437d及び1つ以上の不正検知接触部438における半田膨出部438dの両方と接触している状態となった場合、GNDライン435と不正検知ライン436とが導通される。主側CPU64は当該不正検知ライン436の電圧を監視し、導電性の不正用治具によって不正検知ライン436とGNDライン435とが導通されて不正検知ライン436の電圧が降下したことを把握した場合に、不正が行われたことを特定する。これにより、主制御基板431の素子搭載面431e側に導電性の不正用治具を挿入する不正な行為を発見可能とすることができる。各種電子部品の端子441~443,445,446が半田によって固定されている素子搭載面431eにおいて、半田による固定箇所及びその周辺に対して導電性の不正用冶具を接触させる不正行為が行われた場合には、各種電子部品から送信される信号又は各種電子部品が受信する信号が不正に変更されてしまうおそれがある。これに対して、素子搭載面431eに導電性の不正用冶具を近づける不正行為を把握可能な構成であることにより、遊技ホールの管理者が気づかないところで当該不正行為が行われてしまう可能性が低減されている。
【0598】
GND接触部437の半田膨出部437dが基板裏面431fから膨出していることにより、主制御基板431の基板裏面431f側に近づけられた導電性の不正用冶具がGND接触部437の半田膨出部437dと電気的に接触する可能性が高められている。
【0599】
不正検知接触部438の半田膨出部438dが基板裏面431fから膨出していることにより、主制御基板431の基板裏面431f側に近づけられた導電性の不正用冶具が不正検知接触部438の半田膨出部438dと電気的に接触する可能性が高められている。
【0600】
素子搭載面431eにおいて不正検知接触部438の半田膨出部438dはGND接触部437の半田膨出部437dに並設されている。これにより、導電性の不正用治具が素子搭載面431e側に近づけられた場合に当該不正用治具がGND接触部437の半田膨出部437d及び不正検知接触部438の半田膨出部438dの両方に接触している状態となる可能性が高められている。よって、不正検知ライン436とGNDライン435とが導通されて、不正検知ライン436の電圧が降下する可能性が高められている。
【0601】
GND接触部437の半田膨出部437d及び不正検知接触部438の半田膨出部438dのそれぞれは、主制御基板431の素子搭載面431eにおける周縁部に沿って断続的に設けられている。このため、主制御装置60の側面側から主制御基板431の素子搭載面431e側に導電性の不正用冶具が近づける不正行為が行われた場合に、当該不正用冶具がGND接触部437の半田膨出部437d及び不正検知接触部438の半田膨出部438dの両方に接触している状態となる可能性が高められている。これにより、GNDライン435と不正検知ライン436とが導通されて、不正検知ライン436の電圧が降下する可能性が高められている。よって、当該不正行為を早期に把握可能とすることができる。
【0602】
GND接触部437の半田膨出部437d及び不正検知接触部438の半田膨出部438dのそれぞれは、主制御基板431の素子搭載面431eにおける周縁部の全周に亘って設けられている。このため、GND接触部437の半田膨出部437d及び不正検知接触部438の半田膨出部438dの少なくとも一方が素子搭載面431eにおける一部の周縁部のみに設けられている構成と比較して、主制御装置60の側面側から主制御基板431の素子搭載面431e側に導電性の不正用冶具が近づける不正行為が行われた場合に、当該不正用冶具がGND接触部437の半田膨出部437d及び不正検知接触部438の半田膨出部438dの両方に接触している状態となる可能性が高められている。
【0603】
GND接触部437は、上側GNDライン435a、下側GNDライン435b、左側GNDライン435c及び右側GNDライン435dに沿って、隣接するGND接触部437同士の中心間の距離が略3mmとなるように等間隔に設けられている。これにより、素子搭載面431eに近づけられた導電性の不正用治具がいずれかのGND接触部437の半田膨出部437dに接触する可能性が高められている。
【0604】
不正検知接触部438は、上側不正検知ライン436a、下側不正検知ライン436b、左側不正検知ライン436c及び右側不正検知ライン436dに沿って、隣接する不正検知接触部438同士の中心間の距離が略3mmとなるように等間隔に設けられている。これにより、素子搭載面431eに近づけられた導電性の不正用治具がいずれかの不正検知接触部438の半田膨出部438dに接触する可能性が高められている。
【0605】
<第6の実施形態の別形態>
・主制御基板431において、1つのGND接触部437とMPU432のGND接続端子441とを電気的に接続する配線444、1つの不正検知接触部438とMPU432の不正検知接続端子442とを電気的に接続する配線447、及び1つの不正検知接触部438と第1コネクタCN51の電圧供給端子445とを電気的に接続する配線448が形成される板面は、素子搭載面431eに限定されることはない。これらの配線444,447,448の一部又は全部が基板裏面431fに形成されている構成としてもよい。
【0606】
・主制御基板431において、GNDライン435が基板裏面431fに設けられている構成に代えて、GNDライン435が素子搭載面431eに設けられている構成としてもよい。素子搭載面431eに設けられたGNDライン435において、GND接触部437が設けられている領域以外の領域の表面はレジストにより被覆されている。GND接触部437の半田膨出部437dは、上記第6の実施形態と同様に、素子搭載面431e側に設けられており、GNDライン435においてGND接触部437が設けられている領域以外の領域を被覆している当該レジストから略1mm膨出している。これにより、主制御基板431の素子搭載面431e側に導電性の不正用冶具が近づけられた場合に当該不正用冶具がGND接触部437と接触する可能性が高められている。このように、GNDライン435が素子搭載面431eに設けられている構成としても、素子搭載面431e側に近づけられた導電性の不正用冶具にGND接触部437を接触させることができる。
【0607】
・主制御基板431において、不正検知ライン436が基板裏面431fに設けられている構成に代えて、不正検知ライン436が素子搭載面431eに設けられている構成としてもよい。素子搭載面431eに設けられた不正検知ライン436において、不正検知接触部438が設けられている領域以外の領域の表面はレジストにより被覆されている。不正検知接触部438の半田膨出部438dは、上記第6の実施形態と同様に、素子搭載面431e側に設けられており、不正検知ライン436において不正検知接触部438が設けられている領域以外の領域を被覆している当該レジストから略1mm膨出している。これにより、主制御基板431の素子搭載面431e側に導電性の不正用冶具が近づけられた場合に当該不正用冶具が不正検知接触部438と接触する可能性が高められている。このように、不正検知ライン436が素子搭載面431eに設けられている構成としても、素子搭載面431e側に近づけられた導電性の不正用冶具に不正検知接触部438を接触させることができる。
【0608】
・主制御基板431の素子搭載面431eにGND接触部437の半田膨出部437d及び不正検知接触部438の半田膨出部438dの両方が設けられている構成に代えて、素子搭載面431eにこれら2種類の半田膨出部437d,438dのうちいずれか一方のみが設けられている構成としてもよい。素子搭載面431eにGND接触部437の半田膨出部437dのみが設けられている構成において、不正検知接触部438は素子搭載面431eに半田接触部を備えている。半田接触部は、不正検知接触部438のスルーホール438aの内部に素子搭載面431e側から半田を流入させて形成されているが、素子搭載面431eから膨出はしておらず、素子搭載面431eと面一になっている。半田接触部は露出しており、導電性の不正用冶具が素子搭載面431e側に近づけられてGND接触部437の半田膨出部437d及び不正検知接触部438の半田接触部の両方に接触している状態となった場合には、当該不正用冶具によってGNDライン435と不正検知ライン436とが導通される。また、素子搭載面431eに不正検知接触部438の半田膨出部438dのみが設けられている構成において、GND接触部437は素子搭載面431eに半田接触部を備えている。半田接触部は、GND接触部437のスルーホール437aの内部に素子搭載面431e側から半田を流入させて形成されているが、素子搭載面431eから膨出はしておらず、素子搭載面431eと面一になっている。半田接触部は露出しており、導電性の不正用冶具が素子搭載面431e側に近づけられてGND接触部437の半田接触部及び不正検知接触部438の半田膨出部438dの両方に接触している状態となった場合には、当該不正用冶具によってGNDライン435と不正検知ライン436とが導通される。このように、素子搭載面431eにGND接触部437の半田膨出部437d及び不正検知接触部438の半田膨出部438dのいずれか一方のみが設けられている構成としても、他方に半田接触部が設けられている構成とすることにより、素子搭載面431e側に導電性の不正用冶具を近づける不正行為が行われたことを把握可能とすることができる。
【0609】
<第7の実施形態>
本実施形態ではパチンコ機10への動作電力の供給が停止される際に停電監視処理を実行するための構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0610】
図54(a)は本実施形態における主制御基板451の素子搭載面451aを示す平面図であり、
図54(b)は中央付近を拡大して示す主制御基板451の平面図である。
【0611】
主制御基板451には、上記第4の実施形態と同様に、MPU452、第1~第7コネクタCN61~CN67及び各種素子などの挿入実装部品が多数装着されている。これらの挿入実装部品は主制御基板451の一方側の板面のみに搭載されており、当該板面が素子搭載面451aとなっている。
【0612】
挿入実装部品は、主制御基板451の板厚方向に直線的に延びるピン(図示略)を備えている。挿入実装部品は、主制御基板451を板厚方向に貫通させて設けられたスルーホール(図示略)に当該ピンが挿通された状態で、フローソルダリングなどの挿入実装技術により半田付けされて実装されている。主制御基板451における素子搭載面451aとは反対側の板面は、挿入実装部品のピンが半田付けされた半田面となっている。
【0613】
素子搭載面451aには、第1~第4コネクタCN61~CN64が搭載されているコネクタ群搭載領域453と、第5~第7コネクタCN65~CN67が搭載されている第5~第7コネクタ搭載領域454~456と、多数の素子が搭載されている素子搭載領域457とが設けられている。
【0614】
素子搭載領域457の中央付近にはMPU452が搭載されているとともに、素子搭載領域457においてMPU452とコネクタ群搭載領域453との間には停電監視装置461が搭載されている。停電監視装置461は、第1コネクタCN61を介して電源・発射制御装置78から+36V(DC36V)の電源電圧が入力される電源電圧端子461aと、第1コネクタCN61を介して電源・発射制御装置78からDC5Vの素子駆動電圧が入力される駆動電圧端子461bと、MPU452にリセット信号を送信するためのリセット信号端子461cと、MPU452に停電信号を送信するための停電信号端子461dとを備えている。なお、
図54(a)及び
図54(b)では第1コネクタCN61と停電監視装置461とを接続する配線の図示を省略している。
【0615】
MPU452は、リセット信号を受信するリセット信号受信端子462と、停電信号を受信する停電信号受信端子463とを備えている。主制御基板451における素子搭載面451aとは反対側の板面である半田面には、リセット信号端子461cとリセット信号受信端子462とを電気的に接続するリセット信号配線464、及び停電信号端子461dと停電信号受信端子463とを電気的に接続する停電信号配線465が形成されている。なお、リセット信号配線464及び停電信号配線465は、銅製の配線パターンであり、表面に露出しないように絶縁体のレジストにより被覆されている。
【0616】
停電監視装置461は、電源・発射制御装置78から入力される電源電圧を監視し、当該電源電圧が停電基準電圧である+24V(DC24V)以下に下がった場合に、パチンコ機10への動作電力の供給が停止されることを特定する。停電監視装置461は、動作電力の供給が停止されることを特定した場合、MPU452に出力している停電信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる。主側CPU64は、停電信号のHI状態からLOW状態への立ち下がりを検出することによりパチンコ機10への動作電力の供給が停止されることを把握し、上記第1の実施形態と同様に、停電情報記憶処理(タイマ割込み処理(
図27)におけるステップS201)にて停電時処理を実行する。
【0617】
停電監視装置461は、停電信号を立ち下げてから所定時間後(具体的には9ミリ秒後)にリセット信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる。主側CPU64の動作は、リセット信号が立ち下がることにより停止する。停電時処理を実行するためには、当該停電時処理が終了するまでMPU452に供給されている素子駆動電圧が+5V(DC5V)に維持されている必要がある。本実施形態では、停電時処理を実行するための時間が十分に確保できるように、停電基準電圧が24Vに設定されている。なお、停電時処理を実行するための時間が十分に確保できるのであれば、停電基準電圧は+24Vに限定されることはなく、任意である。
【0618】
<停電情報記憶処理>
次に、主側CPU64にて実行される停電情報記憶処理について
図55のフローチャートを参照しながら説明する。なお、停電情報記憶処理はタイマ割込み処理(
図27)のステップS201にて実行される。
【0619】
停電情報記憶処理では、まず停電監視装置461から受信している停電信号のHI状態からLOW状態への立ち下がりが検出されたか否かを判定し(ステップS1101)、停電信号の立ち下がりを検出していない場合(ステップS1101:NO)には、そのまま本停電情報記憶処理を終了する。
【0620】
一方、停電信号の立ち下がりを検出した場合(ステップS1101:YES)には、停電時処理(ステップS1102~ステップS1104の処理)を実行する。具体的には、まず主側RAM66のチェックサムを算出し(ステップS1102)、その算出したチェックサムを保存する(ステップS1103)。その後、主側RAM66に設けられた停電フラグに「1」をセットして(ステップS1104)、本停電情報記憶処理を終了する。停電フラグは、主側CPU64への動作電力の供給が停止される場合において停電時処理(ステップS1102~ステップS1104の処理)が正常に実行されたことを主側CPU64にて把握するためのフラグである。
【0621】
次に、停電時処理が実行される様子について
図56(a)~
図56(g)のタイムチャートを参照しながら説明する。
図56(a)は主側CPU64にて停電時処理が実行される期間を示し、
図56(b)は電源・発射制御装置78から停電監視装置461に入力される電源電圧を示し、
図56(c)は電源・発射制御装置78から停電監視装置461に入力される素子駆動電圧を示し、
図56(d)は停電信号の状態を示し、
図56(e)はリセット信号の状態を示し、
図56(f)はパチンコ機10への動作電力の供給が開始されるタイミングを示し、
図56(g)はパチンコ機10への動作電力の供給が停止されるタイミングを示す。
【0622】
図56(f)に示すように、t1のタイミングで動作電力の供給が開始されると、
図56(b)及び
図56(c)に示すように、当該t1のタイミングで電源・発射制御装置78から停電監視装置461に入力される電源電圧及び素子駆動電圧が上昇を開始する。その後、
図56(c)に示すように、t2のタイミングで電源・発射制御装置78から停電監視装置461に入力される素子駆動電圧が正常動作範囲の電圧(+5V)に達すると、
図56(d)に示すように、当該t2のタイミングで停電監視装置461は停電信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる。
【0623】
その後、
図56(b)に示すように、t3のタイミングで電源・発射制御装置78から停電監視装置461に入力される電源電圧が+36V(DC36V)に達する。その後、t2のタイミングから所定時間(具体的には9ミリ秒)が経過したt4のタイミングで、
図56(e)に示すように停電監視装置461はリセット信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる。当該リセット信号の立ち上げにより主側CPU64が動作を開始する。
【0624】
停電監視装置461が停電信号を立ち上げるt2のタイミングからリセット信号を立ち上げるt4のタイミングまでの時間は、MPU452に供給される素子駆動電圧を+5V(DC5V)で安定させるのに十分な所定時間(具体的には9ミリ秒間)に設定されている。これにより、MPU452に+5V(DC5V)の素子駆動電圧を安定的に供給することが可能な状態とした後に主側CPU64の動作を開始させることが可能となっている。
【0625】
その後、
図56(g)に示すように、t5のタイミングで動作電力の供給が停止されると、
図56(b)に示すように電源・発射制御装置78から停電監視装置461に入力される電源電圧が+36V(DC36V)から降下し始め、t6のタイミングで停電基準電圧(具体的には+24V)以下となる。
図56(d)に示すように、停電監視装置461は当該t6のタイミングで停電信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる。
【0626】
その後、
図56(a)に示すように、主側CPU64は、t7のタイミングで行われた停電情報記憶処理(
図55)にて停電信号の立ち下がりを検出するとともに、停電時処理(停電情報記憶処理(
図55)におけるステップS1102~ステップS1104の処理)を開始する。停電時処理はt8のタイミングで終了する。
【0627】
停電時処理が実行されるt7のタイミングからt8のタイミングまでの期間において、
図56(e)に示すようにリセット信号のHI状態が維持されているとともに、
図56(c)に示すように電源・発射制御装置78から停電監視装置461に入力される素子駆動電圧が正常電圧(具体的には+5V)に維持されている。これにより、主側CPU64の動作が停止する前に停電時処理を完了させることができるとともに、パチンコ機10への動作電力の供給が開始された場合に当該動作電力の供給停止前の状態から遊技を正常に再開することができる。
【0628】
その後、t8のタイミングよりも遅いタイミングであるとともに、t6のタイミングから所定の時間(具体的には9ミリ秒)が経過したタイミングであるt9のタイミングで
図56(e)に示すように、停電監視装置461はリセット信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる。これにより、主側CPU64の動作が停止する。その後、
図56(c)に示すように、t10のタイミングで電源・発射制御装置78から停電監視装置461に入力される素子駆動電圧が降下し始める。
【0629】
上記のとおり、停電信号が立ち下げられてからリセット信号が立ち下げられるまでの期間として、停電時処理を実行するのに十分な期間が確保されていることにより、主側CPU64の動作が停止するよりも前のタイミングで停電時処理を完了させることが可能となっている。
【0630】
次に、停電監視装置461とMPU452とを接続しているリセット信号配線464に対する輻射ノイズの影響を低減するための構成について説明する。
【0631】
既に説明したとおり、リセット信号がHI状態からLOW状態に立ち下がることにより主側CPU64の動作が停止する。このため、停電信号が事前に立ち下がることなくノイズの影響によりリセット信号のみが立ち下がった場合には、停電時処理(停電情報記憶処理(
図55)におけるステップS1102~ステップS1104の処理)が実行されないまま主側CPU64の動作が停止してしまう。この場合には、主側RAM66における停電フラグに「1」がセットされないため、メイン処理(
図26)のステップS105にて否定判定が行われて主側RAM66がクリアされてしまう(ステップS108)。また、停電信号がHI状態からLOW状態に立ち下がることにより停電時処理が実行される。このため、ノイズの影響により停電信号が立ち下がった場合には、不必要に停電時処理が実行されてしまう。
【0632】
既に説明したとおり、リセット信号配線464及び停電信号配線465は主制御基板451における素子搭載面451aとは反対側の板面である半田面に形成されている。また、上記第1の実施形態において
図7を参照しながら既に説明したとおり、主制御装置60は表ケース体121の表面がパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている。パチンコ機10が島設備に設置された状態において、主制御基板451の素子搭載面451aはパチンコ機10後方を向いている。島設備から払出機構部73におけるタンク75(
図2)に遊技球を遂次補給するための遊技球補給経路は、主制御基板451よりもパチンコ機10の後方に存在している。遊技球補給経路では、遊技球同士が擦れ合ったり、遊技球と球通路との摩擦により静電気が発生する。そして、この静電気が急激に放電された場合などに輻射ノイズが発生してしまう。既に説明したとおり、リセット信号配線464及び停電信号配線465は、主制御基板451を挟んで当該遊技球補給経路とは反対側に設けられている。これにより、リセット信号及び停電信号が当該遊技球補給経路により発生する輻射ノイズの影響を受けてしまう可能性が低減されている。
【0633】
図54(a)及び
図54(b)に示すように、主制御基板451の素子搭載面451aには、リセット信号及び停電信号に対する輻射ノイズの影響を低減するためのノイズ対策ベタ466が設けられている。ノイズ対策ベタ466は、絶縁体のレジストにより被覆された金属製(具体的には銅製)のベタパターンであり、主制御基板451のグラウンドプレーン(図示略)に電気的に接続されている。ノイズ対策ベタ466は、金属箔(具体的には銅箔)をエッチングすることにより形成されている。ノイズ対策ベタ466は、主制御基板451の素子搭載面451aにおいて、当該主制御基板451の半田面に形成されているリセット信号配線464及び停電信号配線465に対応する位置に、これらの信号配線464,465の略全体と遊技球補給経路との間にノイズ対策ベタ466が存在する態様で、これらの信号配線464,465に沿って、これらの信号配線464,465よりも幅広となるように設けられている。
【0634】
ノイズ対策ベタ466は、島設備から払出機構部73におけるタンク75(
図2)に遊技球を遂次補給するための遊技球補給経路と、リセット信号配線464及び停電信号配線465との間に存在している。遊技球補給経路において発生した電気的なノイズは、当該ノイズの発生源(遊技球補給経路)から見てリセット信号配線464及び停電信号配線465よりも手前側に存在しているノイズ対策ベタ466に吸収され、主制御基板451のグラウンドプレーン(図示略)に逃げる。これにより、遊技球補給経路において発生する電気的なノイズの影響がリセット信号及び停電信号に及んでしまう可能性を低減することができる。
【0635】
リセット信号配線464及び停電信号配線465が主制御基板451を挟んで遊技球補給経路とは反対側に設けられている構成において、リセット信号配線464及び停電信号配線465と当該遊技球補給経路との間にさらに金属製のノイズ対策ベタ466が設けられている構成であることにより、遊技球補給経路において発生する輻射ノイズを遮蔽する能力を高めて、リセット信号及び停電信号への輻射ノイズの影響をさらに低減することができる。
【0636】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0637】
リセット信号配線464及び停電信号配線465とタンク75に遊技球を補給するための遊技球補給経路との間に金属製のノイズ対策ベタ466が設けられている。遊技球補給経路において発生した電気的なノイズは、当該ノイズの発生源(遊技球補給経路)から見てリセット信号配線464及び停電信号配線465よりも手前側に存在しているノイズ対策ベタ466によって吸収される。これにより、遊技球補給経路において発生する電気的なノイズの影響がリセット信号及び停電信号に及んでしまう可能性を低減することができる。
【0638】
輻射ノイズの影響を受けてリセット信号が立ち下がってしまう可能性が低減されていることにより、停電信号が事前に立ち下がることなく輻射ノイズの影響によりリセット信号のみが立ち下がることで停電時処理(停電情報記憶処理(
図55)におけるステップS1102~ステップS1104の処理)が実行されないまま主側CPU64の動作が停止してしまうことが防止されている。また、輻射ノイズの影響を受けて停電信号が立ち下がってしまう可能性が低減されていることにより、停電時処理が不必要に実行されてしまうことが防止されている。
【0639】
ノイズ対策ベタ466は、金属製(具体的には銅製)のベタパターンであり、主制御基板451のグラウンドプレーンに電気的に接続されている。ノイズ対策ベタ466に吸収された電気的なノイズは、グラウンドプレーンに逃げる。これにより、遊技球補給経路において発生する電気的なノイズがノイズ対策ベタ466に吸収される可能性を高めることができるとともに、当該ノイズの影響がリセット信号及び停電信号に及んでしまう可能性を低減することができる。
【0640】
ノイズ対策ベタ466は、リセット信号配線464及び停電信号配線465が当該ノイズ対策ベタ466を挟んで遊技球補給経路と対向するように、これらの信号配線464,465に沿う態様で、これらの信号配線464,465よりも幅広となるように設けられている。これにより、遊技球補給経路において発生した電気的なノイズがノイズ対策ベタ466に吸収されないままリセット信号配線464及び停電信号配線465に到達してしまう可能性が低減されている。よって、リセット信号及び停電信号に対する輻射ノイズの影響を低減することができる。
【0641】
MPU452及び停電監視装置461は挿入実装部品であり、MPU452及び停電監視装置461は主制御基板451の素子搭載面451aに搭載されている。MPU452の端子462,463及び停電監視装置461の端子461a~461dは、主制御基板451において素子搭載面451aとは逆側の板面である半田面にて半田付けされている。このため、主制御基板451において停電監視装置461が主制御基板451に対してリセット信号を送信するためのリセット信号配線464及び停電信号を送信するための停電信号配線465の全体を半田面に設けることができるとともに、主制御基板451の素子搭載面451aにおいて、主制御基板451を挟んでリセット信号配線464及び停電信号配線465の全体とは逆側の領域に、ノイズ対策ベタ466を設けることができる。これにより、ノイズ対策ベタ466を挟んでリセット信号配線464及び停電信号配線465とは逆側で発生した電気的なノイズが当該リセット信号配線464及び停電信号配線465に到達する前に、当該ノイズの発生源(遊技球補給経路)から見てリセット信号配線464及び停電信号配線465よりも手前に存在するノイズ対策ベタ466によって、当該ノイズを遮断することができる。
【0642】
リセット信号配線464及び停電信号配線465は、主制御基板451を挟んで遊技球補給経路とは反対側に設けられている。これにより、リセット信号及び停電信号が当該遊技球補給経路において発生する輻射ノイズの影響を受けてしまう可能性が低減されている。
【0643】
停電監視装置461は、MPU452が搭載されている主制御基板451に搭載されている。このため、停電監視装置461がMPU452とは異なる基板に搭載されている構成と比較して、リセット信号配線464の全長を短縮することができるとともに、停電信号配線465の全長を短縮することができる。これにより、リセット信号及び停電信号に対する輻射ノイズの影響が低減されている。
【0644】
停電時処理が実行されることなく主側CPU64の動作が停止した場合には、パチンコ機10への動作電力の供給が開始された後に主側RAM66がクリアされる。これにより、主側CPU64の動作の停止が正常に行われなかった場合において、主側RAM66に記憶されている情報が維持されたまま遊技が行われてしまうことを防止することができる。
【0645】
<第8の実施形態>
本実施形態では主制御基板に表面実装部品が搭載されていることが上記第7の実施形態と相違している。以下、上記第7の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第7の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0646】
図57(a)は本実施形態における主制御基板471の素子搭載面471aを示す平面図であり、
図57(b)は中央付近を拡大して示す主制御基板471の平面図である。
【0647】
主制御基板471には、上記第1の実施形態と同様に、MPU472、第1~第7コネクタCN71~CN77及び各種素子などの表面実装部品が多数装着されている。これらの表面実装部品は主制御基板471の一方側の板面のみに搭載されており、当該板面が素子搭載面471aとなっている。これら表面実装部品の端子は、リフローソルダリングなどの表面実装技術により素子搭載面471aに半田付けされている。
【0648】
図57(a)及び
図57(b)に示すように、主制御基板471の素子搭載面471aの中央付近にはMPU472が搭載されているとともに、素子搭載面471aにおいてMPU472と第1~第4コネクタCN71~CN74との間には停電監視装置473が搭載されている。
【0649】
停電監視装置473は、上記第7の実施形態と同様に、第1コネクタCN71を介して電源・発射制御装置78から+36V(DC36V)の電源電圧が入力される電源電圧端子473aと、第1コネクタCN71を介して電源・発射制御装置78からDC5Vの素子駆動電圧が入力される駆動電圧端子473bと、MPU472にリセット信号を送信するためのリセット信号端子473cと、MPU472に停電信号を送信するための停電信号端子473dとを備えている。なお、
図57(a)及び
図57(b)では第1コネクタCN71と停電監視装置473とを接続する配線の図示を省略している。
【0650】
MPU472は、上記第7の実施形態と同様に、リセット信号を受信するリセット信号受信端子474と、停電信号を受信する停電信号受信端子475とを備えている。主制御基板471には、リセット信号端子473cとリセット信号受信端子474とを電気的に接続するリセット信号配線476、及び停電信号端子473dと停電信号受信端子475とを電気的に接続する停電信号配線477が形成されている。
【0651】
主制御基板471において停電監視装置473におけるリセット信号端子473cの近傍、及びMPU472におけるリセット信号受信端子474の近傍には、リセット信号配線476の一部を主制御基板471における素子搭載面471aとは反対側の板面である基板裏面に回すためのリセット側第1スルーホール481及びリセット側第2スルーホール482が形成されている。また、主制御基板471において停電監視装置473における停電信号端子473dの近傍、及びMPU472における停電信号受信端子475の近傍には、停電信号配線477の一部を主制御基板471の基板裏面に回すための停電側第1スルーホール483及び停電側第2スルーホール484が形成されている。これらのスルーホール481~484は、主制御基板471を板厚方向に貫通させて形成された貫通孔であり、その内周面は銅などの導電性の金属でメッキされている。
【0652】
リセット信号配線476は、素子搭載面471aに設けられておりリセット信号端子473cからリセット側第1スルーホール481まで延びるリセット側第1配線476aと、基板裏面に設けられておりリセット側第1スルーホール481からリセット側第2スルーホール482まで延びるリセット側第2配線476bと、素子搭載面471aに設けられておりリセット側第2スルーホール482からリセット信号受信端子474まで延びるリセット側第3配線476cとを備えている。リセット側第2配線476bの長さは、リセット側第1配線476a及びリセット側第3配線476cの合計の長さよりも長く設定されており、リセット信号配線476の大部分が基板裏面に設けられている。
【0653】
停電信号配線477は、素子搭載面471aに設けられており停電信号端子473dから停電側第1スルーホール483まで延びる停電側第1配線477aと、基板裏面に設けられており停電側第1スルーホール483から停電側第2スルーホール484まで延びる停電側第2配線477bと、素子搭載面471aに設けられており停電側第2スルーホール484から停電信号受信端子475まで延びる停電側第3配線477cとを備えている。基板裏面に設けられている停電側第2配線477bの長さは、素子搭載面471aに設けられている停電側第1配線477a及び停電側第3配線477cの合計の長さよりも長く設定されており、停電信号配線477の大部分が基板裏面に存在している。
【0654】
上記第7の実施形態において既に説明したとおり、主制御装置60は主制御基板471の素子搭載面471aがパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている。リセット信号配線476及び停電信号配線477の大部分は、基板裏面に設けられており、主制御基板471を挟んでタンク75(
図2)に遊技球を補給するための遊技球補給経路とは反対側に設けられている。これにより、リセット信号及び停電信号が当該遊技球の流れにより発生する輻射ノイズの影響を受けてしまう可能性が低減されている。
【0655】
図57(a)及び
図57(b)に示すように、主制御基板471の素子搭載面471aには、リセット側第2配線476b及び停電側第2配線477bに対する輻射ノイズの影響を低減するためのノイズ対策ベタ485が設けられている。ノイズ対策ベタ485は、絶縁体のレジストにより被覆された金属製(具体的には銅製)のベタパターンであり、主制御基板471のグラウンドプレーン(図示略)に電気的に接続されている。GNDベタ(グラウンドベタ)である。ノイズ対策ベタ485は、金属箔(具体的には銅箔)をエッチングすることにより形成されている。ノイズ対策ベタ485は、主制御基板471の素子搭載面471aにおいて、当該主制御基板471の基板裏面に形成されているリセット側第2配線476b及び停電側第2配線477bに対応する位置に、これらの第2配線476b,477bの略全体と遊技球補給経路との間にノイズ対策ベタ485が存在する態様で、これらの第2配線476b,477bに沿って、これらの第2配線476b,477bよりも幅広となるように設けられている。
【0656】
ノイズ対策ベタ485は、島設備から払出機構部73におけるタンク75(
図2)に遊技球を遂次補給するための遊技球補給経路と、リセット信号配線476及び停電信号配線477の大部分を占める第2配線476b,477bとの間に存在している。遊技球補給経路において発生した電気的なノイズは、当該ノイズの発生源(遊技球補給経路)から見て当該第2配線476b,477bよりも手前側に存在しているノイズ対策ベタ485に吸収され、主制御基板471のグラウンドプレーン(図示略)に逃げる。これにより、遊技球補給経路において発生する電気的なノイズの影響がリセット信号及び停電信号に及んでしまう可能性を低減することができる。
【0657】
第2配線476b,477bが主制御基板471を挟んで遊技球補給経路とは反対側に設けられている構成において、第2配線476b,477bと当該遊技球補給経路との間にさらに金属製のノイズ対策ベタ485が設けられている構成であることにより、遊技球補給経路において発生する輻射ノイズを遮蔽する能力を高めて、リセット信号及び停電信号への輻射ノイズの影響をさらに低減することができる。
【0658】
既に説明したとおり、MPU452及び停電監視装置461は表面実装部品であり、MPU452のリセット信号端子473c及び停電信号端子473d、並びに停電監視装置461のリセット信号受信端子474及び停電信号受信端子475は、主制御基板471の素子搭載面471aに半田付けされている。リセット信号端子473c及びリセット側第1スルーホール481を電気的に接続するリセット側第1配線476aと、リセット側第2スルーホール482及びリセット信号受信端子474を電気的に接続するリセット側第3配線476cとを素子搭載面471a側に設けることにより、リセット信号配線476の大部分を占めるリセット側第2配線476bを基板裏面に設けることが可能となっている。これにより、当該リセット側第2配線476bと遊技球補給経路との間にノイズ対策ベタ485を存在させることができる。また、停電信号端子473d及び停電側第1スルーホール483を電気的に接続する停電側第1配線477aと、停電側第2スルーホール484及び停電信号受信端子475を電気的に接続する停電側第3配線477cとを素子搭載面471a側に設けることにより、停電信号配線477の大部分を占める停電側第2配線477bを基板裏面に設けることが可能となっている。これにより、当該停電側第2配線477bと遊技球補給経路との間にノイズ対策ベタ485を存在させることができる。
【0659】
輻射ノイズの影響を受けてリセット信号が立ち下がってしまうことが防止されていることにより、停電時処理が実行されることなく主側CPU64の動作が停止してしまうことが防止されている。また、輻射ノイズの影響を受けて停電信号が立ち下がってしまうことが防止されていることにより、不必要な停電時処理が実行されてしまうことを防止することができる。
【0660】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0661】
リセット信号配線476の大部分を占めるリセット側第2配線476bとタンク75に遊技球を補給するための遊技球補給経路との間に金属製のノイズ対策ベタ485が設けられている。これにより、輻射ノイズの影響を受けてリセット信号が立ち下がってしまう可能性が低減されている。よって、停電時処理が実行されることなく主側CPU64の動作が停止してしまうことが防止されている。
【0662】
リセット信号配線476の大部分を占めるリセット側第2配線476bは、基板裏面に設けられており、主制御基板471を挟んで遊技球補給経路とは反対側に設けられている。これにより、表面実装部品が搭載された主制御基板471において、リセット信号が当該遊技球補給経路において発生する輻射ノイズの影響を受けてしまう可能性が低減されている。
【0663】
停電信号配線477の大部分を占める停電側第2配線477bと遊技球補給経路との間に金属製のノイズ対策ベタ485が設けられている。これにより、輻射ノイズの影響を受けて停電信号が立ち下がってしまう可能性が低減されている。よって、不必要な停電時処理が実行されてしまうことが防止されている。
【0664】
停電信号配線477の大部分を占める停電側第2配線477bは、基板裏面に設けられており、当該停電側第2配線477bは主制御基板471を挟んで遊技球補給経路とは反対側に設けられている。これにより、停電信号が当該遊技球補給経路において発生する輻射ノイズの影響を受けてしまう可能性が低減されている。
【0665】
MPU472及び停電監視装置473は表面実装部品であり、停電監視装置473のリセット信号端子473c及びMPU472のリセット信号受信端子474は、主制御基板471の素子搭載面471aに半田付けされている。リセット信号端子473c及びリセット側第1スルーホール481を電気的に接続するリセット側第1配線476aと、リセット側第2スルーホール482及びリセット信号受信端子474を電気的に接続するリセット側第3配線476cとを素子搭載面471a側に設けることにより、リセット信号配線476の大部分を占めるリセット側第2配線476bを基板裏面に設けることが可能となっている。これにより、当該リセット側第2配線476bと遊技球補給経路との間にノイズ対策ベタ485を存在させることができる。
【0666】
MPU472及び停電監視装置473は表面実装部品であり、停電監視装置473の停電信号端子473d及びMPU472の停電信号受信端子475は、主制御基板471の素子搭載面471aに半田付けされている。停電信号端子473d及び停電側第1スルーホール483を電気的に接続する停電側第1配線477aと、停電側第2スルーホール484及び停電信号受信端子475を電気的に接続する停電側第3配線477cとを素子搭載面471a側に設けることにより、停電信号配線477の大部分を占める停電側第2配線477bを基板裏面に設けることが可能となっている。これにより、当該停電側第2配線477bと遊技球補給経路との間にノイズ対策ベタ485を存在させることができる。
【0667】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
【0668】
(1)上記第1の実施形態において、主制御基板61が裏ケース体122に固定される構成に代えて、主制御基板61が表ケース体121に固定される構成としてもよい。表ケース体121の表側対向板部141には、素子対向面141aの四隅(左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部)に、主制御基板61を表ケース体121に組み合わせる際の位置調整に用いられる基板位置調整ボスが一体形成されている。基板位置調整ボスは、素子対向面141aから裏側対向板部123に向かう方向に突出するようにして、円柱形状に形成されている。主制御基板61の四隅(左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部)には、当該基板位置調整ボスを挿通可能とする基板固定用ボス挿通孔が形成されている。基板固定用ボス挿通孔の横寸法は、基板固定用ボス挿通孔に基板位置調整ボスが挿通された状態において表ケース体121の横方向の移動が規制されるように、基板位置調整ボスの直径よりも若干大きく設定されている。基板固定用ボス挿通孔は、主制御基板61の短辺61c,61dに沿って縦に延びる長孔である。基板固定用ボス挿通孔の縦寸法は、基板固定用ボス挿通孔に基板位置調整ボスが挿通された状態において、表ケース体121の上下方向への略1mmの移動が許容されるように、基板位置調整ボスの直径よりも略1mm大きく設定されている。
【0669】
表ケース体121に対して主制御基板61を組み合わせる工程では、基板位置調整ボスが基板固定用ボスに挿通されている状態とされた後、主制御基板61が表側対向板部141へ向けてスライドされる。表ケース体121の下側起立壁143には、当該下側起立壁143の裏側対向板部123側に、主制御基板61の下側の長辺61b部と接触して表ケース体121に対して主制御基板61を上方に案内する第1基板ガイド部が設けられている。主制御基板61が第1基板ガイド部によって表ケース体121に対して上方に案内された状態において、第1~第7コネクタCN1~CN7の自由端側が第1~第7コネクタ挿通孔156~159,164~166に挿通される。当該状態において、第1~第7コネクタCN1~CN7は第1~第7コネクタ挿通孔156~159,164~166の上下方向における中央に存在している。
【0670】
表ケース体121の上側起立壁142には、第1基板ガイド部によって上方に案内された後の主制御基板61の上側の長辺61a部と接触して表ケース体121に対して主制御基板61を下方に案内する第2基板ガイド部が設けられている。主制御基板61が第2基板ガイド部によって表ケース体121に対して下方に案内されることにより、第1~第7コネクタCN1~CN7は第1~第7コネクタ挿通孔156~159,164~166の上下方向における中央よりも下寄りに移動し、第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bが第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近している状態となる。
【0671】
表側対向板部141には、素子対向面141aの左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部に、主制御基板61を表ケース体121に固定するために用いられる円柱状の表側基板固定ボスが一体形成されている。表側基板固定ボスは、素子対向面141aから主制御基板61側に突出しており、当該表側基板固定ボスの自由端には主制御基板61をネジ固定可能とするネジ孔が形成されている。主制御基板61の左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部には、当該主制御基板61を表側基板固定ボスにネジ止め可能とする基板固定貫通孔が形成されている。これら4つの基板固定貫通孔は、上述した4つの表側基板固定ボスに対して1対1で対応させて設けられている。主制御基板61は、第2基板ガイド部によって表ケース体121に対して下方に案内された状態で、基板裏面61f側から表側基板固定ボスにネジ固定されることにより表ケース体121の背面側に固定される。
【0672】
表側基板固定ボスに形成されているネジ孔及び主制御基板61に形成されている基板固定貫通孔は、主制御基板61が第2基板ガイド部によって表ケース体121に対して下方に案内される前は上下方向にずれてネジ固定不可となっているとともに、主制御基板61が第2ガイド部によって下方に案内された後は連通されてネジ固定可能な状態となる。このため、第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bが第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近している状態で表ケース体121に対して主制御基板61を固定することができる。
【0673】
このように、主制御基板61を表ケース体121に対して固定する構成としても、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びを小さくすることにより、当該遊びに針金などの導電性の不正用冶具を挿入する不正行為を防止することができる。
【0674】
(2)上記第1~第3の実施形態において位置調整ボス171~174(第2の実施形態では位置調整ボス294~297、第3の実施形態では位置調整ボス381~384)が挿通されるボス挿通孔175~178(第2の実施形態ではボス挿通孔301~304、第3の実施形態ではボス挿通孔385~388)に代えて、主制御基板61の四隅(正面視で左側上部、左側下部、右側上部及び右側下部)に位置調整ボス171~174が挿通される切欠きが設けられている構成としてもよい。左側上部及び右側上部の切欠きは主制御基板61の上端から下方の途中位置に亘って設けられているとともに、左側下部及び右側下部の切欠きは主制御基板61の下端から上方の途中位置に亘って設けられている。これら4つの切欠きは、位置調整ボス171~174が当該切欠きに挿通された状態で、表ケース体121の左右方向への移動を規制する横寸法を有しているとともに、表ケース体121の上下方向への移動を許容する縦寸法を有している。位置調整ボス171~174が当該切欠きに挿通された状態で、表ケース体121の横方向への移動が規制されている一方、表ケース体121の縦方向への移動が許容されている構成とすることにより、第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159b(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278b、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365b)が第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近するまで表ケース体121を移動させることができる。
【0675】
(3)上記第1~第3の実施形態において、表面実装部品である第1~第4コネクタCN1~CN4に代えて、挿入実装部品である第1~第4コネクタが主制御基板61に搭載されている構成としてもよい。本構成における第1~第4コネクタは、素子搭載面61eに沿って延びる固定部111b~116bを有する端子111~116に代えて、主制御基板61を板厚方向に貫通する方向に直線的に延びる棒状のピンを備えている。
【0676】
第1コネクタは、当該第1コネクタの長手方向を配列方向として等間隔(具体的には、隣接するピン同士の軸間の距離が2.54mmとなる間隔)で1列に並んでいる17個の一端側ピンと、当該長手方向を配列方向として等間隔(具体的には、隣接するピン同士の軸間の距離が2.54mmとなる間隔)で1列に並んでいる17個の他端側ピンとを備えている。一端側ピンの列と他端側ピンの列とは、第1コネクタの短手方向に所定の間隔(具体的には、ピンの軸間の距離が2.54mmとなる間隔)を置いて配置されており、一端側ピンの列は当該短手方向の一端側(下側起立壁部101c側)に配置されているとともに、他端側ピンの列は当該短手方向の他端側(上側起立壁部101b側)に配置されている。第2コネクタは、当該第2コネクタの短手方向における中央に配置された2個のピンを備えている。これら2個のピンは、第2コネクタの長手方向に所定の間隔(具体的には、ピン同士の軸間の距離が2.54mmとなる間隔)を置いて配置されている。第3コネクタは、当該第3コネクタの短手方向における中央に配置された2個のピンを備えている。これら2個のピンは、第3コネクタの長手方向に所定の間隔(具体的には、ピン同士の軸間の距離が2.54mmとなる間隔)を置いて配置されている。第4コネクタは、当該第4コネクタの長手方向を配列方向として等間隔(具体的には、隣接するピン同士の軸間の距離が2.54mmとなる間隔)で1列に並んでいる10個の一端側ピンと、当該長手方向を配列方向として等間隔(具体的には、隣接するピン同士の軸間の距離が2.54mmとなる間隔)で1列に並んでいる10個の他端側ピンとを備えている。一端側ピンの列と他端側ピンの列とは、第4コネクタの短手方向に所定の間隔(具体的には、ピンの軸間の距離が2.54mmとなる間隔)を置いて配置されており、一端側ピンの列は当該短手方向の一端側(下側起立壁部104c側)に配置されているとともに、他端側ピンの列は当該短手方向の他端側(上側起立壁部104b側)に配置されている。
【0677】
第1~第4コネクタのピンは、主制御基板61を板厚方向に貫通させて形成されたスルーホールに挿通された状態で基板裏面61fにて半田付けされており、素子搭載面61e側には露出していない。このように、第1~第4コネクタのピンが素子搭載面61e側には露出していない構成であっても、第1~第4コネクタと第1~第4コネクタ挿通孔156~159(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~279、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365)の周縁部との間に存在する遊びにマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が挿入された場合には、当該不正用治具を用いて素子搭載面61eに設けられている配線を被覆しているレジストを削って当該配線を表面に露出させるとともにその露出させた配線に当該不正用治具を接触させる不正行為などが行われるおそれがある。
【0678】
これに対して、上記第1の実施形態では、既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びが小さくなるように、下側周縁部156b~159bが下側起立壁部101c~104cに接近している。上記第2の実施形態では、既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとの間に存在する遊びが小さくなるように、下側周縁部275b~278bが下側起立壁部101c~104cに接近している。上記第3の実施形態では、既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びが小さくなるように、下側周縁部362b~365bが下側起立壁部101c~104cに接近している。このため、上記第1~第3の実施形態に対して本構成を適用することにより、第1~第4コネクタの下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159b(第2の実施形態では下側周縁部275b~278b、第3の実施形態では下側周縁部362b~365b)との間に存在している遊びに不正用治具を挿入する不正行為を防止することができる。よって、第1コネクタの一端側ピン、第2コネクタのピン、第3コネクタのピン及び第4コネクタの一端側ピンと電気的に接続されている配線に対して上記のような不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0679】
(4)上記第1~第3の実施形態において、第2コネクタCN2及び第3コネクタCN3の端子113,114における固定部113b,114bがハウジング102,103の上下方向における中央よりも上寄り(上側起立壁部102b,103b寄り)の位置から下側起立壁部102c,103cと下側周縁部157b,158bとの間を素子搭載面61eに沿って跨ぐように延在している構成としてもよい。当該構成においても、下側起立壁部102c,103cと下側周縁部157b,158b(第2の実施形態では下側周縁部271b~274b、第3の実施形態では下側周縁部362b~365b)との間に針金などの導電性の不正用冶具を挿入された場合に当該不正用冶具が固定部113b,114bに接触してしまうおそれがある。これに対して、上記第1の実施形態では、既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びが小さくなるように、下側周縁部156b~159bが下側起立壁部101c~104cに接近している。上記第2の実施形態では、既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとの間に存在する遊びが小さくなるように、下側周縁部275b~278bが下側起立壁部101c~104cに接近している。上記第3の実施形態では、既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びが小さくなるように、下側周縁部362b~365bが下側起立壁部101c~104cに接近している。これにより、不正用冶具を固定部113b,114bに接触させる不正行為を防止することができる。
【0680】
(5)上記第1~第3の実施形態において、第1~第4コネクタCN1~CN4の左側の遊び及び右側の遊びのいずれか一方を他方よりも小さくする構成を備えている構成としてもよい。具体的には、位置調整ボス171~174及びボス挿通孔175~178(第2の実施形態では位置調整ボス294~297及びボス挿通孔301~304、第3の実施形態では位置調整ボス381~384及びボス挿通孔385~388)は、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4コネクタ挿通孔156~159(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~278及び第1~第4コネクタ挿通孔271~274、第3の実施形態では第1~第4プレート側挿通孔336~339及び第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365)に挿通された状態において、第1~第4コネクタCN1~CN4が当該第1~第4コネクタ挿通孔156~159の左右方向における中央よりも左寄りに位置するように表ケース体121(第2の実施形態では表ケース体232、第3の実施形態では表ケース体312)を案内する。
【0681】
第1~第4コネクタCN1~CN4と第1~第4コネクタ挿通孔156~159(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~279、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365)の周縁部との間に存在する遊びにマイナスドライバなどの導電性の不正用治具が挿入された場合には、当該不正用治具を用いて素子搭載面61eに設けられている配線を被覆しているレジストを削って当該配線を表面に露出させるとともにその露出させた配線に当該不正用治具を接触させる不正行為などが行われるおそれがある。これに対して、第1~第4コネクタCN1~CN4の左側起立壁部101d~104dと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の左側周縁部との間に存在する遊びを小さくする構成を備えている構成とすることにより、素子搭載面61eに設けられている配線パターンのうち第1~第4コネクタCN1~CN4の左側周辺に配置されている配線パターンを上記のような不正行為から優先的に保護することができる。
【0682】
(6)上記第1~第3の実施形態において、主制御基板61に、上下方向に延びる長孔としてボス挿通孔175~178(第2の実施形態ではボス挿通孔301~304、第3の実施形態ではボス挿通孔385~388)が形成されている構成に代えて、斜め方向に延びる長孔としてボス挿通孔が形成されている構成としてもよい。具体的には、主制御基板61の四隅(左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部)には、当該主制御基板61を板厚方向に貫通させて、位置調整ボス171~174(第2の実施形態では位置調整ボス294~297、第3の実施形態では位置調整ボス381~384)が挿通されるボス挿通孔が形成されている。これら4つのボス挿通孔は、右方に向かって下方に傾斜する方向に延在する長孔である。なお、これら4つのボス挿通孔が左方に向かって下方に傾斜する方向に延在する長孔として形成されている構成としてもよい。
【0683】
位置調整ボス171~174がボス挿通孔に挿通されている状態で、表ケース体121(第2の実施形態では表ケース体232、第3の実施形態では表ケース体312)は裏ケース体122(第2の実施形態では裏ケース体234、第3の実施形態では裏ケース体313)に対して左斜め上方向及び右斜め下方向に移動可能である。第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4コネクタ挿通孔156~159(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~278及び第1~第4コネクタ挿通孔271~274、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365)の上下方向における中央に存在している状態で、当該第1~第4コネクタCN1~CN4が当該第1~第4コネクタ挿通孔156~159に挿通された後、表ケース体121を裏ケース体122に対して左斜め上方向に移動させることにより、第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159b(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278b、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365b)を第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近させることができる。これにより、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びを小さくすることができる。
【0684】
このように、ボス挿通孔が斜め方向に延びる長孔として形成されている構成としても、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びを小さくして、当該遊びに針金などの不正用治具を挿入する不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0685】
(7)上記第1~第3の実施形態において、係止受部101h~104hが上側起立壁部101b~104bに設けられている構成とするとともに、第1~第4コネクタCN1~CN4が最初から第1~第4コネクタ挿通孔156~159(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~278及び第1~第4コネクタ挿通孔271~274、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365)の上下方向における中央よりも下寄りに位置している状態で、当該第1~第4コネクタCN1~CN4が当該第1~第4コネクタ挿通孔156~159に挿通される構成としてもよい。本構成では、係止受部101h~104hが上側起立壁部101b~104bに設けられているため、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上下方向における中央よりも下寄りに位置している状態で、当該第1~第4コネクタCN1~CN4を当該第1~第4コネクタ挿通孔156~159に挿通させた後、その位置関係を維持したまま表ケース体121(第2の実施形態では表ケース体232、第3の実施形態では表ケース体312)を裏側対向板部123(第2の実施形態では裏側対向板部235、第3の実施形態では裏側対向板部315)側にスライドさせて、表ケース体121を裏ケース体122にネジ固定することができる。
【0686】
このため、第1~第4コネクタCN1~CN4を第1~第4コネクタ挿通孔156~159に挿通させた後、表ケース体121を裏ケース体122に対して上方に移動させる工程を省略して、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cが第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159b(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278b、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365b)に接近している状態とすることができる。
【0687】
(8)上記第1~第3の実施形態において、信号を不正に操作する不正行為が行われた場合に払い出される遊技球の個数が相対的に多い信号が当該不正行為から優先的に保護されている第4コネクタCN4の一端側端子115に割り当てられている一方、当該不正行為が行われた場合に払い出される遊技球の個数が相対的に少ない信号が当該第4コネクタCN4の他端側端子116に割り当てられている構成としてもよい。上記第1~第3の実施形態において既に説明したとおり、第4コネクタCN4の一端側端子115は、他端側端子116と比較して、導電性の不正用冶具を接触させて信号を不正に操作する不正行為から優先的に保護されている。第4コネクタCN4における一端側端子115の数が限られている関係で、当該一端側端子115に割り当てられる信号の数も限られている。
【0688】
本構成では、第1~第3入賞口検知センサ42a~44aの検知信号及び特電検知センサ45aの検知信号が一端側端子115に割り当てられている一方、ゲート検知センサ49aの検知信号は他端側端子116に割り当てられている。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行されるとともに、特電入賞装置32への入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。このため、一般入賞口31への入球が発生したように第1~第3入賞口検知センサ42a~44aの検知信号を不正に操作する不正行為が連続して行われた場合、10個の賞球の払い出しが連続して実行されてしまう。また、特電入賞装置32への入球が発生したように特電検知センサ45aの検知信号を不正に操作する不正行為が連続して行われた場合、15個の賞球の払い出しが連続して実行されてしまう。これらの場合には、遊技ホールが短時間に被る経済的な損失が大きくなってしまう。
【0689】
信号が不正に操作された場合に相対的に多くの遊技球(例えば、10個以上の遊技球)が払い出される検知信号を第4コネクタCN4における一端側端子115に割り当てることにより、遊技ホールが短時間に多くの経済的損失を被るような不正行為を防止することができる。
【0690】
(9)上記第1~第3の実施形態において、入球部への遊技球の入球の有無に関する信号のうち、遊技球の入球が発生することにより遊技者にとって有利な状態への移行が発生する入球部への遊技球の入球の有無に関する信号のみが、第2~第4コネクタCN2~CN4において信号を不正に操作する不正行為から優先的に保護されている端子113~115に割り当てられている構成としてもよい。入球部への遊技球の入球の有無に関する信号として、第1~第3入賞口検知センサ42a~44a、特電検知センサ45a、第1作動口検知センサ46a、第2作動口検知センサ47a、アウト口検知センサ48a及びゲート検知センサ49aの検知信号が存在している。
【0691】
本構成では、これらの検知信号のうち、遊技者にとって有利な状態への移行に関係する第1作動口検知センサ46a、第2作動口検知センサ47a及びゲート検知センサ49aの検知信号が、不正行為から優先的に保護されている端子113~115に割り当てられている。一方、遊技者にとって有利な状態への移行に関係しない第1~第3入賞口検知センサ42a~44a、特電検知センサ45a及びアウト口検知センサ48aの検知信号は第4コネクタCN4の他端側端子116に割り当てられている。当該他端側端子116は、不正行為から優先的に保護される対象ではない。
【0692】
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。第1作動口33への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合には、開閉実行モードへ移行する。また、第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合にも、開閉実行モードへ移行する。開閉実行モードは、特電入賞装置32への入賞が可能となる遊技モードであり、遊技者にとって有利な状態である。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われる。そして、当該内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に、普電開放状態へ移行する。普電開放状態は、普電役物34aが所定の態様で開放状態となり第2作動口34への入賞が可能となる状態であり、遊技者にとって有利な状態である。
【0693】
入球部への遊技球の入球の有無に関する信号のうち、遊技球の入球が発生することにより遊技者にとって有利な状態への移行が発生する入球部への遊技球の入球の有無に関する信号のみが、第2~第4コネクタCN2~CN4において信号を不正に操作する不正行為から優先的に保護されている端子113~115に割り当てられている構成とすることにより、信号を不正に操作する不正行為によって遊技者にとって有利な状態が不正に作り出されてしまうことを防止することができる。
【0694】
(10)上記第1~第3の実施形態において、主制御装置60から特電用駆動部32cに対して送信される特電駆動信号及び主制御装置60から普電用駆動部34cに対して送信される普電駆動信号が第4コネクタCN4の一端側端子115に割り当てられている構成とするとともに、特電開放検知センサ32b及び普電開放検知センサ34bを不具備としてもよい。
【0695】
特電用駆動部32cに対して特電駆動信号を不正に送信する不正行為が行われた場合、特電入賞装置32が不正に開放状態とされてしまうため、特電入賞装置32への入賞を不正に発生させられてしまう。特電開放検知センサ32bを不具備である構成においては、特電入賞装置32への入賞が不正に発生している状況を主側CPU64にて把握することができない。普電用駆動部34cに対して特電駆動信号を不正に送信する不正行為が行われた場合、普電役物34aが不正に開放状態とされてしまうため、第2作動口34への入賞を不正に発生させられてしまう。普電開放検知センサ34bを不具備である構成においては、第2作動口34への入賞が不正に発生している状況を主側CPU64にて把握することができない。
【0696】
これに対して、特電駆動信号及び普電駆動信号が第4コネクタCN4の一端側端子115に割り当てられている構成とすることにより、特電駆動信号及び普電駆動信号を不正に操作する不正行為を防止することができる。なお、本構成において、特電駆動信号及び普電駆動信号のうちいずれか一方のみが第4コネクタCN4の一端側端子115に割り当てられているとともに、他方が他端側端子116に割り当てられている構成としてもよい。
【0697】
(11)上記第1~第3の実施形態において、外部端子板79を介して遊技ホールの管理コンピュータに対して外部信号を送信するための全ての配線が第1コネクタCN1において不正行為から優先的に保護される一端側端子111に割り当てられている構成としてもよい。これにより、遊技ホールの管理コンピュータに対する外部信号の送信が不正に妨げられて管理コンピュータにてパチンコ機10における遊技球の払い出しの状況が正確に把握できなくなってしまうことを防止することができる。
【0698】
(12)上記第1~第3の実施形態において、第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3の端子114及び第4コネクタCN4の一端側端子115における固定部111b,113b~115bと、主制御基板61に搭載されている電子部品とを電気的に接続するために素子搭載面61eに形成されている配線パターンが、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159b(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278b、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365b)との間を跨ぐように延在している構成としてもよい。
【0699】
当該配線パターンの表面はレジストによって被覆されているが、レジストが削られたりした場合には、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びに挿入された針金などの導電性の不正用冶具が当該配線パターンに電気的に接触してしまうおそれがある。これに対して、上記第1の実施形態では、既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びが小さくなるように、下側周縁部156b~159bが下側起立壁部101c~104cに接近している。上記第2の実施形態では、既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bとの間に存在する遊びが小さくなるように、下側周縁部275b~278bが下側起立壁部101c~104cに接近している。上記第3の実施形態では、既に説明したとおり、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びが小さくなるように、下側周縁部362b~365bが下側起立壁部101c~104cに接近している。
【0700】
このため、第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3の端子114及び第4コネクタCN4の一端側端子115における固定部111b,113b~115bと、主制御基板61に搭載されている電子部品とを電気的に接続する配線パターンが、第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cと第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159bとの間を跨ぐように延在している構成においても、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159b(第2の実施形態では下側周縁部275b~278b、第3の実施形態では下側周縁部362b~365b)との間に存在している遊びに挿入された不正用冶具が当該配線パターンと電気的に接触することを防止することができる。
【0701】
(13)上記第1~第3の実施形態において、V入賞通路領域を通過する遊技球が検知されたことに基づいてV入賞が発生したことを特定する構成とするとともに、V入賞通路領域を通過する遊技球を検知する検知信号の信号ラインが第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3の端子114及び第4コネクタCN4の一端側端子115のいずれかに割り当てられている構成としてもよい。具体的には、遊技領域PAの中央部を含むようにして可変表示ユニットが設けられている。当該可変表示ユニットの周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PAにおいて遊技球が流下可能な領域は、上側領域と、当該上側領域に対してその下方にて連続している左側領域及び右側領域と、左側領域及び右側領域のそれぞれに対してその下方にて連続している下側領域と、に区画されている。遊技球は、発射操作装置28が第1範囲の回動量で操作された場合に上側領域→左側領域→下側領域の順で流下するとともに、第2範囲の回動量で操作された場合に上側領域→右側領域→下側領域の順で流下する。
【0702】
下側領域には、遊技球が左側領域及び右側領域のうち左側領域を流下する場合にのみ入賞が可能となる第1作動部が設けられている。右側領域には誘導ユニットを有する第2作動部が設けられている。右側領域を流下する遊技球は、誘導ユニットが非誘導状態である場合には第2作動部に入球することはない一方、誘導ユニットが誘導状態である場合には第2作動部に入球することとなる。右側領域において第2作動部の鉛直上方にはスルー入賞部が設けられており、第2作動部よりも下流側には特電入賞装置が設けられており、特電入賞装置よりも下方には振分入賞装置が設けられている。スルー入賞部に入賞した遊技球は、第2作動部、特電入賞装置又は振分入賞装置へ入賞することが可能となっている。スルー入賞部、特電入賞装置及び振分入賞装置は、遊技球が左側領域及び右側領域のうち右側領域を流下する場合にのみ入賞が可能となる。第1作動部、第2作動部、振分入賞装置及び特電入賞装置に入球が発生した場合には所定数の遊技球の払い出しが実行される一方、スルー入賞部に入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。スルー入賞部への入賞をトリガとして抽選が行われ、当該抽選の結果が誘導実行状態の当選である場合には、第2作動部の誘導ユニットが所定の態様で誘導状態となる誘導実行状態へ移行する。
【0703】
第1作動部又は第2作動部への入賞が発生したことに基づいて当たり抽選が行われる。当該当たり抽選にて6R大当たり結果及び15R大当たり結果のいずれかが選択された場合、当該大当たり結果に対応する遊技回が終了した後に、特電入賞装置への入賞が可能となる開閉実行モードに移行する。第2作動部への入賞に基づき実行された当たり抽選にて第1小当たり結果~第3小当たり結果のいずれかが選択された場合、当該小当たり結果に対応する遊技回が終了した後に、振分入賞装置への入賞が可能となる振分実行モードに移行する。振分入賞装置は、遊技球が通過可能な大きさの振分入口を備えているとともに、当該振分入口を遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える振分側開閉部材を備えている。振分入口に入賞した遊技球は、振分入賞装置のベース体に形成された分岐通路に導出される。分岐通路は、上流通路領域と、当該上流通路領域の下流側端部に連続するように設定された排出通路領域と、当該排出通路領域の途中位置から分岐させて設けられ排出通路領域とは異なる側に遊技球を導くためのV入賞通路領域とを備えている。排出通路領域におけるV入賞通路領域への分岐箇所には、第1状態において退避位置に配置されるとともに、第2状態においてV誘導位置に配置される切換片が設けられている。第1状態において分岐通路に流入した遊技球は、V入賞通路領域に誘導されることなく排出通路領域を流下し、切換片による分岐位置よりも下流に設けられたカウント検知センサにより検知される。第2状態となることにより、分岐通路に流入した遊技球は、切換片に誘導されてV入賞通路領域に流入し、V入賞通路領域に設けられたV入賞検知センサにより検知される。振分実行モードにおいては基本的にV入賞検知センサにて遊技球が検知されることとなる。
【0704】
カウント検知センサにより遊技球が検知された場合及びV入賞検知センサにより遊技球が検知された場合のいずれであっても、振分入賞装置に対応する同一個数の賞球の払い出しが実行される。また、振分実行モードにおいてV入賞検知センサにて遊技球が検知された場合には、当該振分実行モード後に開閉実行モードが発生する。一方、V入賞検知センサにて遊技球が検知されることなく振分実行モードが終了した場合には開閉実行モードが発生しない。上記第1~第3の実施形態において既に説明したとおり、第4コネクタCN4の一端側端子115は、針金などの導電性の不正用治具を用いて当該一端側端子115に設定されている信号を不正に操作する不正行為から優先的に保護されている。本構成において、V入賞検知センサの検知信号は、当該一端側端子115を介して、主側CPU64に入力される。これにより、V入賞検知センサの検知信号を不正に操作して振分実行モード後に不正に開閉実行モードを発生させる不正を防止することができる。なお、V入賞検知センサの検知信号の信号ラインが、導電性の不正用冶具を用いる不正行為から優先的に保護されている第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113及び第3コネクタCN3の端子114のいずれかに割り当てられている構成としてもよい。
【0705】
(14)上記第2の実施形態において、主制御基板61が裏ケース体234に固定される構成に代えて、主制御基板61が表ケース体232に固定される構成としてもよい。表ケース体232の表側対向板部261には、素子対向面261aの四隅(左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部)に、主制御基板61を表ケース体232に組み合わせる際の位置調整に用いられる基板位置調整ボスが一体形成されている。基板位置調整ボスは、素子対向面261aから裏側対向板部235に向かう方向に突出するようにして、円柱形状に形成されている。主制御基板61の四隅(左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部)には、当該基板位置調整ボスを挿通可能とする基板固定用ボス挿通孔が形成されている。基板固定用ボス挿通孔の横寸法は、基板固定用ボス挿通孔に基板位置調整ボスが挿通された状態において表ケース体232の横方向の移動が規制されるように、基板位置調整ボスの直径よりも若干大きく設定されている。基板固定用ボス挿通孔は、主制御基板61の短辺61c,61dに沿って縦に延びる長孔である。基板固定用ボス挿通孔の縦寸法は、基板固定用ボス挿通孔に基板位置調整ボスが挿通された状態において、表ケース体232の上下方向への略1mmの移動が許容されるように、基板位置調整ボスの直径よりも略1mm大きく設定されている。
【0706】
上記第2の実施形態において既に説明したとおり、コネクタカバー233は表ケース体232に固定される。コネクタカバー233が固定された表ケース体232に対して主制御基板61を組み合わせる工程では、基板位置調整ボスが基板固定用ボスに挿通されている状態とされた後、主制御基板61が表側対向板部261へ向けてスライドされる。表ケース体232の下側起立壁263には、当該下側起立壁263の裏側対向板部235側に、主制御基板61の下側の長辺61b部と接触して表ケース体232に対して主制御基板61を上方に案内する第1基板ガイド部が設けられている。主制御基板61が第1基板ガイド部によって表ケース体232に対して上方に案内された状態において、第1~第4コネクタCN1~CN7の自由端側が第1~第4コネクタ挿通孔271~274及び第1~第4カバー側挿通孔275~278に挿通されるとともに、第5~第7コネクタCN5~CN7の自由端側が第5~第7コネクタ挿通孔291~293に挿通される。当該状態において、第1~第4コネクタCN1~CN4は第1~第4コネクタ挿通孔271~274及び第1~第4カバー側挿通孔275~278の上下方向における中央に存在しているとともに、第5~第7コネクタCN5~CN7は第5~第7コネクタ挿通孔291~293の上下方向における中央に存在している。
【0707】
表ケース体232の上側起立壁262には、第1基板ガイド部によって上方に案内された後の主制御基板61の上側の長辺61a部と接触して表ケース体232及びコネクタカバー233に対して主制御基板61を下方に案内する第2基板ガイド部が設けられている。主制御基板61が第2基板ガイド部によって表ケース体232及びコネクタカバー233に対して下方に案内されることにより、第1~第4コネクタCN1~CN4は第1~第4コネクタ挿通孔271~274及び第1~第4カバー側挿通孔275~278の上下方向における中央よりも下寄りに移動するとともに、第5~第7コネクタCN5~CN7は第5~第7コネクタ挿通孔291~293の上下方向における中央よりも下寄りに移動する。これにより、第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bが第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近している状態となる。
【0708】
表側対向板部261には、素子対向面261aの左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部に、主制御基板61を表ケース体232に固定するために用いられる円柱状の表側基板固定ボスが一体形成されている。表側基板固定ボスは、素子対向面261aから主制御基板61側に突出しており、当該表側基板固定ボスの自由端には主制御基板61をネジ固定可能とするネジ孔が形成されている。主制御基板61の左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部には、当該主制御基板61を表側基板固定ボスにネジ止め可能とする基板固定貫通孔が形成されている。これら4つの基板固定貫通孔は、上述した4つの表側基板固定ボスに対して1対1で対応させて設けられている。主制御基板61は、第2基板ガイド部によって表ケース体232及びコネクタカバー233に対して下方に案内された状態で、基板裏面61f側から表側基板固定ボスにネジ固定されることにより表ケース体232の背面側に固定される。
【0709】
表側基板固定ボスに形成されているネジ孔及び主制御基板61に形成されている基板固定貫通孔は、主制御基板61が第2基板ガイド部によって表ケース体232及びコネクタカバー233に対して下方に案内される前は上下方向にずれてネジ固定不可となっているとともに、主制御基板61が第2ガイド部によって下方に案内された後は連通されてネジ固定可能な状態となる。このため、第1~第4カバー側挿通孔275~278の下側周縁部275b~278bが第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近している状態で表ケース体232に対して主制御基板61を固定することができる。
【0710】
このように、主制御基板61を表ケース体232に対して固定する構成としても、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部275b~278bとの間に存在する遊びを小さくすることにより、当該遊びに針金などの導電性の不正用冶具を挿入する不正行為を防止することができる。
【0711】
(15)上記第3の実施形態において、主制御基板61が裏ケース体313に固定される構成に代えて、主制御基板61が表ケース体312に固定される構成としてもよい。表ケース体312の表側対向板部351には、素子対向面351aの四隅(左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部)に、主制御基板61を表ケース体312に組み合わせる際の位置調整に用いられる基板位置調整ボスが一体形成されている。基板位置調整ボスは、素子対向面351aから裏側対向板部315に向かう方向に突出するようにして、円柱形状に形成されている。主制御基板61の四隅(左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部)には、当該基板位置調整ボスを挿通可能とする基板固定用ボス挿通孔が形成されている。基板固定用ボス挿通孔の横寸法は、基板固定用ボス挿通孔に基板位置調整ボスが挿通された状態において表ケース体312の横方向の移動が規制されるように、基板位置調整ボスの直径よりも若干大きく設定されている。基板固定用ボス挿通孔は、主制御基板61の短辺61c,61dに沿って縦に延びる長孔である。基板固定用ボス挿通孔の縦寸法は、基板固定用ボス挿通孔に基板位置調整ボスが挿通された状態において、表ケース体312の上下方向への略2mmの移動が許容されるように、基板位置調整ボスの直径よりも略2mm大きく設定されている。
【0712】
上記第3の実施形態において既に説明したとおり、コネクタ対応プレート314は主制御基板61に固定される。表ケース体312に対してコネクタ対応プレート314が固定された主制御基板61を組み合わせる工程では、基板位置調整ボスが基板固定用ボスに挿通されている状態とされた後、主制御基板61が表側対向板部351へ向けてスライドされる。当該スライドにより第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4プレート側挿通孔336~339及び第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365に挿通されているとともに、第5~第7コネクタCN5~CN7が第5~第7コネクタ挿通孔374~376に挿通されている状態となる。その後、主制御基板61は、手動により基板位置調整ボスが基板固定用ボスの上端に当接するまで、表ケース体312及びコネクタ対応プレート314に対して上方にスライドされる。これにより、第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bが第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近している状態となる。
【0713】
表側対向板部351には、素子対向面351aの左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部に、主制御基板61を表ケース体312に固定するために用いられる円柱状の表側基板固定ボスが一体形成されている。表側基板固定ボスは、素子対向面351aから主制御基板61側に突出しており、当該表側基板固定ボスの自由端には主制御基板61をネジ固定可能とするネジ孔が形成されている。主制御基板61の左側上部、左側下部、右側下部及び右側上部には、当該主制御基板61を表側基板固定ボスにネジ止め可能とする基板固定貫通孔が形成されている。これら4つの基板固定貫通孔は、上述した4つの表側基板固定ボスに対して1対1で対応させて設けられている。主制御基板61は、第2基板ガイド部によって表ケース体312に対して下方に案内された状態で、基板裏面61f側から表側基板固定ボスにネジ固定されることにより表ケース体312の背面側に固定される。
【0714】
表側基板固定ボスに形成されているネジ孔及び主制御基板61に形成されている基板固定貫通孔は、基板位置調整ボスが基板固定用ボス挿通孔の上端に当接するまで主制御基板61が上方にスライドされる前は上下方向にずれてネジ固定不可となっているとともに、主制御基板61の当該上方へのスライドが行われた後は連通されてネジ固定可能な状態となる。このため、第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365bが第1~第4コネクタCN1~CN4の下側起立壁部101c~104cに接近している状態で表ケース体312に対して主制御基板61を固定することができる。
【0715】
このように、主制御基板61を表ケース体312に対して固定する構成としても、下側起立壁部101c~104cと下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びを小さくすることにより、当該遊びに針金などの導電性の不正用冶具を挿入する不正行為を防止することができる。
【0716】
(16)上記第4~第5の実施形態において不正検知ライン406に代えて主側CPU64に動作電力を供給する電力供給ラインが設けられている構成としてもよい。主制御基板401の素子搭載面401eには、GNDライン405及び当該電力供給ラインが接近させて設けられている。このため、電力供給ラインを通じて主側CPU64に動作電力が供給されている状態において、マイナスドライバなどの導電性の不正用治具が主制御基板401の素子搭載面401e側に挿入されて、当該不正用治具によりGNDライン405及び電源供給ラインが導通された場合、主側CPU64に動作電力が供給されない状態が作り出される。これにより、主側CPU64の動作が停止する。
【0717】
主制御基板401の半田面401fには、多数の不正検知接触部408に代えて、多数の電源供給接触部が設けられている。電源供給接触部は、半田面401fから略1mm膨出している半田膨出部を備えている。全ての電源供給接触部は電源供給ラインに電気的に接続されている。電源供給接触部の半田膨出部が半田面401fから膨出していることにより、不正用治具が半田面401f側に近づけられた場合に当該不正用治具と接触する可能性が高められている。電力供給ラインを通じて主側CPU64に動作電力が供給されている状態において、マイナスドライバなどの導電性の不正用治具が主制御基板401の半田面401f側に挿入されて1つ以上のGND接触部407及び1つ以上の電源供給接触部に接触している状態となった場合、GNDライン405及び電源供給ラインが導通されて主側CPU64に動作電力が供給されない状態が作り出される。これにより、主側CPU64の動作が停止する。
【0718】
このように、主制御基板401の素子搭載面401eに電力供給ラインが設けられているとともに、半田面401fに電源供給接触部の半田膨出部が設けられている構成とすることにより、主制御基板401の素子搭載面401e側又は半田面401f側に不正用治具を近づける不正が行われた場合に主側CPU64の動作を停止させることができる。これにより、不正用治具を用いる不正が行われた状態で遊技が進められてしまうことを防止することができる。
【0719】
(17)上記第4~第5の実施形態において、GNDライン405及びGND接触部407と、不正検知ライン406及び不正検知接触部408との組合せは、主制御基板401の周縁部とは異なる箇所に設けられている構成としてもよい。例えば、GNDライン405及びGND接触部407と、不正検知ライン406及び不正検知接触部408との組合せがMPU402の周囲に設けられている構成としてもよい。具体的には、素子搭載面401eにおいてMPU402の周囲には、MPU402のピン411~413から所定の間隔(例えば略2mmの間隔)を置いて略1.5mmの幅を有するGNDラインが設けられているとともに、当該GNDラインからMPU402とは逆側に所定の間隔(具体的には略1mmの間隔)を置いて略1.5mmの幅を有する不正検知ラインがGNDラインに並設されている。GNDライン及び不正検知ラインは、MPU402の周囲の全てを囲うように設けられている。なお、GNDライン及び不正検知ラインがMPU402の周囲の一部のみに設けられている構成としてもよい。
【0720】
GNDライン及び不正検知ラインの表面は、レジストによって被覆されておらず、露出している。このため、マイナスドライバなどの導電性の不正用冶具を主制御基板401の素子搭載面401e側に挿入してMPU402に接触させようとする不正行為が行われた場合、当該不正用冶具によってGNDラインと不正検知ラインとが導通した状態となり、不正検知ラインの電圧が降下する。主側CPU64は、上記第4の実施形態と同様に、不正検知ラインの電圧を監視し、当該電圧の降下が発生したことを把握した場合に、主制御基板401に導電性の不正用冶具を近づける不正行為が行われたことを特定する。
【0721】
主制御基板401の半田面401fには、当該半田面401fの逆側の板面である素子搭載面401eに設けられたGNDラインに沿って所定の間隔(例えば隣接するGND接触部の中心間の距離が略3mmとなる間隔)で複数のGND接触部が設けられている。上記第4の実施形態と同様に、GND接触部は、主制御基板401を板厚方向に貫通しているとともにその内周面が導電性の金属(具体的には銅)によりメッキされているスルーホールと、素子搭載面401e及び半田面401fにおいて当該スルーホールの周縁に円形に設けられたランドと、半田面401fから膨出している半田膨出部とを備えている。全てのGND接触部は、スルーホールによってGNDラインと電気的に接続されている。半田膨出部は半田面401fから略1mm膨出しており、半田面401fに対してマイナスドライバなどの導電性の不正用冶具が近づけられた場合に当該不正用冶具が半田膨出部に接触する可能性が高められている。
【0722】
主制御基板401の半田面401fには、当該半田面401fの逆側の板面である素子搭載面401eに設けられた不正検知ラインに沿って所定の間隔(例えば隣接する不正検知接触部の中心間の距離が略3mmとなる間隔)で複数の不正検知接触部が設けられている。上記第4の実施形態と同様に、不正検知接触部は、主制御基板401を板厚方向に貫通しているとともにその内周面が導電性の金属(具体的には銅)によりメッキされているスルーホールと、素子搭載面401e及び半田面401fにおいて当該スルーホールの周縁に円形に設けられたランドと、半田面401fから膨出している半田膨出部とを備えている。全ての不正検知接触部は、スルーホールによって不正検知ラインと電気的に接続されている。半田膨出部は半田面401fから略1mm膨出しており、半田面401fに対してマイナスドライバなどの導電性の不正用冶具が近づけられた場合に当該不正用冶具が半田膨出部に接触する可能性が高められている。
【0723】
MPU402と主制御基板401に搭載されている他の挿入実装部品とを電気的に接続するための配線パターンは、半田面401fにおいて、GND接触部及び不正検知接触部の隙間を通して形成されている。導電性の不正用冶具を主制御基板401の半田面401f側に挿入してMPU402のピン411~413に接触させようとする不正行為が行われた場合、当該不正用冶具がGND接触部及び不正検知接触部の両方と接触している状態となることによってGNDラインと不正検知ラインとが導通した状態となり、不正検知ラインの電圧が降下する。これにより、主側CPU64にて主制御基板401に導電性の不正用冶具を近づける不正行為が行われたことを特定することができる。
【0724】
このように、主制御基板401においてGNDライン及びGND接触部と、不正検知ライン及び不正検知接触部との組合せがMPU402の周囲に設けられている構成とすることにより、主制御基板401に搭載されている挿入実装部品のうち、特に、MPU402に対して導電性の不正用冶具を近づける不正行為を把握可能とすることができる。なお、主制御基板401の周囲にGNDライン405及びGND接触部407と、不正検知ライン406及び不正検知接触部408との組合せが設けられている上記第4の実施形態の構成に加えて、本構成のように、GNDライン及びGND接触部と、不正検知ライン及び不正検知接触部との組合せがMPU402の周囲に設けられている構成としてもよい。
【0725】
(18)上記第4~第6の実施形態において、主側CPU64が不正検知ライン406(第6の実施形態では不正検知ライン436)の電圧を監視する構成に代えて、主側CPU64が不正検知ライン406に流れる電流を監視する構成としてもよい。本構成では、パチンコ機10に対して動作電力が供給されている状態において、不正検知ライン406には、不正検知用の電流として、例えば5mAの電流が流れている。マイナスドライバなどの導電性の不正用治具によってGNDライン405(第6の実施形態ではGNDライン435)と不正検知ライン406とが導通された場合、不正検知ライン406に流れている電流量が基準電流量(例えば2.5mA)未満に低下している状態又は不正検知ライン406に電流が流れていない状態が発生する。主側CPU64は、不正検知ライン406に流れている電流を監視し、不正検知ライン406に流れている電流量が基準電流量未満に低下している状態又は不正検知ライン406に電流が流れていない状態の発生を把握した場合に、導電性の不正用治具を用いた不正行為が行われたことを特定する。このように、主側CPU64が不正検知ライン406に流れる電流を監視する構成としても、主制御基板61に導電性の不正用治具を近づける不正行為を発見することができる。
【0726】
(19)上記第4~第6の実施形態において、GNDライン405が主制御基板401(第6の実施形態では主制御基板431)の全周に設けられている構成に代えて、GNDライン405が主制御基板401の一部の周縁部のみに設けられている構成としてもよい。例えば、横長矩形に形成されている主制御基板401の左右の周縁部にGNDライン及び右側GNDラインが設けられている一方、当該主制御基板401の上下の周縁部にはGNDラインが設けられていない構成としてもよい。左側GNDラインは主制御基板401の左辺401c(第6の実施形態では左辺431c)に沿って当該左辺401cの上端から下端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延在しているとともに、右側GNDラインは主制御基板401の右辺401d(第6の実施形態では右辺431d)に沿って当該右辺401dの上端から下端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延在している。
【0727】
本構成において、不正検知ライン406(第6の実施形態では不正検知ライン436)は、上側不正検知ライン、下側不正検知ライン、左側不正検知ライン及び右側不正検知ラインを備えている。左側不正検知ラインは左側GNDラインから右方に略1mmの間隔を置いて設けられているとともに、右側不正検知ラインは右側GNDラインから左方に略1mmの間隔を置いて設けられている。これら左側不正検知ライン及び右側不正検知ラインは、所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で、主制御基板401の上端から下端まで上下方向に直線的に延在している。
【0728】
上述したとおり、主制御基板401の上下の周縁部にはGNDラインが設けられていない。このため、不正検知ラインを主制御基板401の上辺401a近傍及び下辺401b近傍に設けることが可能となっている。上側不正検知ラインは主制御基板401の上辺401a(第6の実施形態では上辺431a)に沿って所定の幅(略1.5mmの幅)で、左側不正検知ラインの上端から右側不正検知ラインの上端まで左右方向に直線的に延在している。また、下側不正検知ラインは主制御基板401の下辺401b(第6の実施形態では下辺431b)に沿って所定の幅(略1.5mmの幅)で、左側不正検知ラインの下端から右側不正検知ラインの下端まで左右方向に直線的に延在している。これら上下左右の不正検知ラインは電気的に接続されている。
【0729】
主制御基板401の上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも小さい構成において、主制御基板401の左右の周縁部にはGNDライン及び不正検知ラインが設けられている一方、主制御基板401の上下の周縁部には不正検知ラインのみが設けられている。これにより、主制御装置60の側面からマイナスドライバなどの導電性の不正用治具を挿入して主制御基板61の左側又は右側に近づける不正行為が行われた場合であって、当該不正用治具によってGNDラインと不正検知ラインとが導通された場合に当該不正行為を発見可能とする構成としながら、主制御基板401において挿入実装部品又は表面実装部品を配置可能な領域を上下方向に広く確保することができる。なお、本構成は主制御基板401の左右の周縁部のみにGNDラインが設けられている構成に限定されることはなく、主制御基板401の上下左右の4つの周縁部のうち1つ以上3つ以下の周縁部にGNDラインが設けられているとともに残りの周縁部にGNDラインが設けられていない構成とすることにより、上下左右の全ての周縁部にGNDライン及び不正検知ラインを備えている構成と比較して、主制御基板において挿入実装部品又は表面実装部品を搭載可能な領域を広く確保することができる。
【0730】
(20)上記第4~第6の実施形態において、主制御基板61の上下左右の周縁部のうち内枠13の回動基端側に存在する周縁部にはGNDラインが設けられていない構成としてもよい。上記第1の実施形態において
図2を参照しながら説明したとおり、内枠13は正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として外枠11に対して回動可能に支持されている。また、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、主制御装置60は内枠13(具体的には遊技盤24)の背面に搭載されている。主制御装置60が内枠13に搭載された状態において、主制御基板401,431の右辺401d,431dは内枠13の回動基端側に存在しているとともに、左辺401c,431cは内枠13の回動先端側に存在している。主制御装置60を内枠13から取り外すことなく主制御装置60の側面からマイナスドライバなどの導電性の不正用治具を挿入して主制御基板401,431に近づける不正行為が行われる場合、内枠13の回動基端側(主制御基板401,431の右辺401d,431d側)から不正用治具を挿入しようとすると、それ以外の方向(主制御基板401,431の上辺401a,431a側、下辺401b,431b側、又は左辺401c,431c側)から不正用治具を挿入する場合と比較して、内枠13を外枠11に対して大きく開放する必要が生じる。このため、主制御基板401,431の側面から不正用治具を挿入して主制御基板401,431に近づける不正行為は、主制御基板401,431の上辺401a,431a側、下辺401b,431b側、又は左辺401c,431c側から行われる可能性が高い。
【0731】
本構成において、主制御基板401,431の上側周縁部、下側周縁部及び右側周縁部にはGNDライン及び不正検知ラインが設けられている一方、主制御基板401,431の右側周縁部には不正検知ラインのみが設けられておりGNDラインは設けられていない。主制御基板401,431には、上側GNDライン、下側GNDライン及び左側GNDラインが設けられている。上側GNDラインは主制御基板401,431の上辺401a,431aに沿って当該上辺401a,431aの左端から右端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延在しているとともに、下側GNDラインは主制御基板401の下辺401b,431bに沿って当該下辺401b,431bの左端から右端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延在している。また、左側GNDラインは主制御基板401,431の左辺401c,431cに沿って当該左辺401c,431cの上端から下端まで所定の幅(具体的には略1.5mmの幅)で直線的に延在している。
【0732】
主制御基板401,431には、上側不正検知ライン、下側不正検知ライン、左側不正検知ライン及び右側不正検知ラインを備えている。上側不正検知ラインは上側GNDラインから下方に略1mmの間隔を置いて設けられているとともに、下側不正検知ラインは下側GNDラインから上方に略1mmの間隔を置いて設けられている。また、左側不正検知ラインは左側GNDラインから右方に略1mmの間隔を置いて設けられている。上述したとおり、主制御基板61の右側周縁部にはGNDラインが設けられていない。このため、不正検知ラインを主制御基板401,431の右辺401d,431d近傍に設けることが可能となっている。右側不正検知ラインは主制御基板401の右辺401d,431dに沿って所定の幅(略1.5mmの幅)で、上側不正検知ラインの右端から下側不正検知ラインの右端まで上下方向に直線的に延在している。上側不正検知ラインは、所定の幅(略1.5mmの幅)で、左側不正検知ラインの上端から右側不正検知ラインの上端まで直線的に延びているとともに、下側不正検知ラインは、所定の幅(略1.5mmの幅)で、左側不正検知ラインの下端から右側不正検知ラインの下端まで直線的に延びている。また、左側不正検知ラインは、所定の幅(略1.5mmの幅)で、上側不正検知ラインの左端から下側不正検知ラインの左端まで直線的に延びている。これら上下左右の不正検知ラインは電気的に接続されている。
【0733】
主制御基板401,431の右側周縁部には不正検知ラインのみが設けられておりGNDラインが設けられていないことにより、主制御基板401,431の右側周縁部にGNDライン及び不正検知ラインが設けられている構成と比較して、主制御基板401,431において挿入実装部品又は表面実装部品を搭載可能な領域が主制御基板401,431の左右方向に広げられている。
【0734】
このように、主制御基板401,431の右辺401d,431d側が内枠13の回動基端側となっているとともに左辺401c,431c側が内枠13の回動先端側となっている構成において、主制御基板401,431の上側周縁部、下側周縁部及び左側周縁部にはGNDライン及び不正検知ラインが設けられている一方、主制御基板401,431の右側周縁部には不正検知ラインのみが設けられておりGNDラインは設けられていない構成とすることにより、不正行為を発見可能となる可能性が低下してしまうことを抑制しながら、主制御基板401,431において挿入実装部品又は表面実装部品を搭載可能な領域を広く確保することができる。
【0735】
(21)上記第4~第6の実施形態において、GNDライン405,435及びGND接触部407,437が不正検知ライン406,436及び不正検知接触部408,438よりも主制御基板401,431の外周側に設けられている構成に代えて、不正検知ライン406,436及び不正検知接触部408,438がGNDライン405,435及びGND接触部407,437よりも主制御基板401,431の外周側に設けられている構成としてもよい。GNDライン405,435及びGND接触部407,437と、不正検知ライン406,436及び不正検知接触部408,438とが並設されており、主制御基板401,431に導電性の不正用冶具を近づける不正行為が行われた場合に、当該不正用冶具がGNDライン405,435及びGND接触部407,437のいずれかと、不正検知ライン406,436及び不正検知接触部408,438いずれかとの両方に接触している状態とすることが可能な構成であることにより、主側CPU64にて当該不正行為を把握可能とすることができる。
【0736】
(22)上記第6の実施形態において不正検知ライン406に代えて主側CPU64に動作電力を供給する電力供給ラインが設けられている構成としてもよい。主制御基板431における基板裏面431fの周縁は、外側のGNDライン435及び内側の電力供給ラインによって2重に囲われている。これらGNDライン435及び電力供給ラインは、接近させて設けられており、表面に露出しないように絶縁体のレジスト(図示略)により被覆されている。
【0737】
主制御基板431の素子搭載面431eには、多数の不正検知接触部438に代えて、多数の電源供給接触部が設けられている。全ての電源供給接触部は電源供給ラインに電気的に接続されている。電源供給接触部は、半田面401fから略1mm膨出している半田膨出部を備えている。全ての電源供給接触部は電源供給ラインに電気的に接続されている。電源供給接触部の半田膨出部が半田面401fから膨出していることにより、不正用治具が素子搭載面431e側に近づけられた場合に当該不正用治具と接触する可能性が高められている。電力供給ラインを通じて主側CPU64に動作電力が供給されている状態において、マイナスドライバなどの導電性の不正用治具が主制御基板431の素子搭載面431e側に挿入されて1つ以上のGND接触部437及び1つ以上の電源供給接触部に接触している状態となった場合、GNDライン435及び電源供給ラインが導通されて主側CPU64に動作電力が供給されない状態が作り出される。これにより、主側CPU64の動作が停止する。
【0738】
このように、主制御基板431の基板裏面431fに電力供給ラインが設けられているとともに、素子搭載面431eに電源供給接触部が設けられている構成とすることにより、主制御基板431の素子搭載面431e側に不正用治具を近づける不正が行われた場合に主側CPU64の動作を停止させることができる。これにより、不正用治具を用いる不正が行われた状態で遊技が進められてしまうことを防止することができる。
【0739】
(23)上記第6の実施形態において、GNDライン435及びGND接触部437と、不正検知ライン436及び不正検知接触部438との組合せは、主制御基板431の周縁部とは異なる箇所に設けられている構成としてもよい。例えば、GNDライン及びGND接触部と、不正検知ライン及び不正検知接触部との組合せがMPU432の周囲に設けられている構成としてもよい。具体的には、主制御基板431の基板裏面431fにおいて、素子搭載面431eのMPU432が搭載されている領域に対応するMPU搭載対応領域の周囲には、当該MPU搭載対応領域から所定の間隔(例えば略2mmの間隔)を置いて略1.5mmの幅を有するGNDラインが設けられているとともに、当該GNDラインから当該MPU搭載対応領域とは逆側に所定の間隔(具体的には略1mmの間隔)を置いて略1.5mmの幅を有する不正検知ラインがGNDラインに並設されている。GNDライン及び不正検知ラインは、MPU432の周囲の全てを囲うように設けられている。なお、GNDライン及び不正検知ラインがMPU搭載対応領域の周囲の一部のみに設けられている構成としてもよい。
【0740】
主制御基板431の素子搭載面431eには、当該素子搭載面431eの逆側の板面である基板裏面431fに設けられたGNDラインに沿って所定の間隔(例えば隣接するGND接触部の中心間の距離が略3mmとなる間隔)で複数のGND接触部が設けられている。上記第6の実施形態と同様に、GND接触部は、主制御基板431を板厚方向に貫通しているとともにその内周面が導電性の金属(具体的には銅)によりメッキされているスルーホールと、素子搭載面431e及び基板裏面431fにおいて当該スルーホールの周縁に円形に設けられたランドと、素子搭載面431eから膨出している半田膨出部とを備えている。全てのGND接触部は、スルーホールによってGNDラインと電気的に接続されている。半田膨出部は素子搭載面431eから略1mm膨出しており、素子搭載面431eに対してマイナスドライバなどの導電性の不正用冶具が近づけられた場合に当該不正用冶具が半田膨出部に接触する可能性が高められている。
【0741】
主制御基板431の素子搭載面431eには、当該素子搭載面431eの逆側の板面である基板裏面431fに設けられた不正検知ラインに沿って所定の間隔(例えば隣接する不正検知接触部の中心間の距離が略3mmとなる間隔)で複数の不正検知接触部が設けられている。上記第6の実施形態と同様に、不正検知接触部は、主制御基板431を板厚方向に貫通しているとともにその内周面が導電性の金属(具体的には銅)によりメッキされているスルーホールと、素子搭載面431e及び基板裏面431fにおいて当該スルーホールの周縁に円形に設けられたランドと、素子搭載面431eから膨出している半田膨出部とを備えている。全ての不正検知接触部は、スルーホールによって不正検知ラインと電気的に接続されている。半田膨出部は素子搭載面431eから略1mm膨出しており、素子搭載面431eに対してマイナスドライバなどの導電性の不正用冶具が近づけられた場合に当該不正用冶具が半田膨出部に接触する可能性が高められている。
【0742】
MPU432と主制御基板431に搭載されている他の挿入実装部品とを電気的に接続するための配線パターンは、素子搭載面431eにおいて、GND接触部及び不正検知接触部の隙間を通して形成されている。導電性の不正用冶具を主制御基板431の素子搭載面431e側に挿入してMPU432の端子441~443に接触させようとする不正行為が行われた場合、当該不正用冶具がGND接触部及び不正検知接触部の両方と接触している状態となることによってGNDラインと不正検知ラインとが導通した状態となり、不正検知ラインの電圧が降下する。主側CPU64は、上記第6の実施形態と同様に、不正検知ラインの電圧を監視し、当該電圧の降下が発生したことを把握した場合に、主制御基板431に導電性の不正用冶具を近づける不正行為が行われたことを特定する。これにより、主側CPU64にて主制御基板431に導電性の不正用冶具を近づける不正行為が行われたことを特定することができる。
【0743】
このように、主制御基板431においてGNDライン及びGND接触部と、不正検知ライン及び不正検知接触部との組合せがMPU432の周囲に設けられている構成とすることにより、主制御基板431に搭載されている表面実装部品のうち、特に、MPU432に対して導電性の不正用冶具を近づける不正行為を把握可能とすることができる。なお、主制御基板431の周囲にGNDライン435及びGND接触部437と、不正検知ライン436及び不正検知接触部438との組合せが設けられている上記第6の実施形態の構成に加えて、本構成のように、GNDライン及びGND接触部と、不正検知ライン及び不正検知接触部との組合せがMPU402の周囲に設けられている構成としてもよい。
【0744】
(24)上記第7~第8の実施形態において、ノイズ対策ベタ466,485に代えて、主制御基板451,471の素子搭載面451a,471aにおいて、当該主制御基板451,471の半田面に形成されているリセット信号配線464及び停電信号配線465(第8の実施形態ではリセット側第2配線476b及び停電側第2配線477b)に対応する領域の一部に、グラウンドに電気的に接続されている複数のノイズ対策配線が設けられている構成としてもよい。具体的には、これらのノイズ対策配線は、金属箔(具体的には銅箔)をエッチングすることにより形成された略1.5mmの幅を有する配線である。リセット信号配線464及び停電信号配線465と遊技球補給経路との間には、当該ノイズ対策配線が複数形成されている。遊技球補給経路において発生した電気的なノイズの少なくとも一部は、当該ノイズの発生源(遊技球補給経路)から見てリセット信号配線464及び停電信号配線465よりも手前側に存在しているノイズ対策配線に吸収され、当該ノイズ対策配線と電気的に接続されているグラウンドに逃げる。これにより、遊技球補給経路において発生する電気的なノイズの影響がリセット信号及び停電信号に及んでしまう可能性を低減することができる。
【0745】
遊技球補給経路において発生する電気的なノイズを複数のノイズ対策配線によって吸収する構成とすることにより、素子搭載面451a,471aにおいて、半田面に形成されているリセット信号配線464及び停電信号配線465に対応する領域に当該ノイズ対策配線以外の配線パターンも形成することを可能とすることができる。これにより、リセット信号及び停電信号に対するノイズ対策を図りながら、素子搭載面451a,471aにおける配線設計の自由度を高めることができる。
【0746】
(25)上記第7~第8の実施形態において、主制御基板451,471の素子搭載面451a,471aにおいて、リセット信号配線464及び停電信号配線465(第8の実施形態ではリセット側第2配線476b及び停電側第2配線477b)が離れた位置に設けられているとともに、これらリセット信号配線464及び停電信号配線465のそれぞれに対してノイズ対策ベタが設けられている構成としてもよい。具体的には、素子搭載面451a,471aにおいて、半田面に設けられたリセット信号配線464に対応する領域にはリセット側ノイズ対策ベタが設けられている。また、素子搭載面451a,471aにおいて、半田面に設けられた停電信号配線465に対応する領域には停電側ノイズ対策ベタが設けられている。これらのノイズ対策ベタは、金属箔(具体的には銅箔)をエッチングすることにより形成されており、主制御基板451,471に設けられたグラウンドに電気的に接続されている。
【0747】
リセット側ノイズ対策ベタは、リセット信号配線464の略全体と遊技球補給経路との間に存在している。遊技球補給経路において発生した電気的なノイズは、当該ノイズの発生源(遊技球補給経路)から見てリセット信号配線464よりも手前側に存在しているリセット側ノイズ対策ベタに吸収される。これにより、遊技球補給経路において発生した電気的なノイズの影響がリセット信号に及んでしまう可能性を低減することができる。
【0748】
停電側ノイズ対策ベタは、停電信号配線465の略全体と遊技球補給経路との間に存在している。遊技球補給経路において発生した電気的なノイズは、当該ノイズの発生源(遊技球補給経路)から見て停電信号配線465よりも手前側に存在している停電側ノイズ対策ベタに吸収される。これにより、遊技球補給経路において発生した電気的なノイズの影響が停電信号に及んでしまう可能性を低減することができる。なお、本構成において、リセット側ノイズ対策ベタ及び停電側ノイズ対策ベタのいずれか一方のみが設けられている構成としてもよい。
【0749】
(26)上記第7~第8の実施形態において、主制御基板451,471に停電監視装置461,473が搭載されている構成に代えて、停電監視装置461,473が主制御基板451,471とは異なる停電監視基板に搭載されている構成としてもよい。具体的には、主制御基板451,471と停電監視基板とは複数の信号線によって電気的に接続されている。主制御基板451と停電監視基板とを接続する信号線の主制御基板451側の端部には雄型コネクタが設けられているとともに、主制御基板451には当該雄型コネクタが装着される雌型の停電対応コネクタが設けられている。停電対応コネクタは、停電監視装置461,473のリセット信号端子461c,473cと電気的に接続されているリセット信号伝送端子と、停電監視装置461,473の停電信号端子461d,473dと電気的に接続されている停電信号伝送端子とを備えている。
【0750】
主制御基板451の素子搭載面451aにおいて、当該素子搭載面451aとは逆側の板面である半田面(第8の実施形態では主制御基板471の素子搭載面471aにおいて、当該素子搭載面471aとは逆側の板面である基板裏面)には、停電対応コネクタのリセット信号伝送端子とMPU452のリセット信号受信端子462とを接続する配線パターンの一部又は全部であるリセット信号配線が設けられているとともに、停電対応コネクタの停電信号伝送端子とMPU452の停電信号受信端子463とを接続する配線パターンの一部又は全部である停電信号配線が設けられている。
【0751】
主制御基板451,471の素子搭載面451a,471aにおいて、半田面に設けられたリセット信号配線及び停電信号配線に対応する領域には、遊技球補給経路において発生した電気的なノイズの影響がリセット信号及び停電信号に及んでしまうことを防止するためのノイズ対策ベタが設けられている。ノイズ対策ベタは、金属箔(具体的には銅箔)をエッチングすることにより形成されており、主制御基板451,471に設けられたグラウンドに電気的に接続されている。
【0752】
リセット側ノイズ対策ベタは、リセット信号配線及び停電信号配線の略全体と遊技球補給経路との間に存在している。遊技球補給経路において発生した電気的なノイズは、当該ノイズの発生源(遊技球補給経路)から見てリセット信号配線及び停電信号配線よりも手前側に存在しているノイズ対策ベタに吸収される。これにより、遊技球補給経路において発生した電気的なノイズの影響がリセット信号及び停電信号に及んでしまう可能性を低減することができる。
【0753】
(27)主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置70により表示制御装置90が制御される構成に代えて、主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、表示制御装置90が音声発光制御装置70を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置70と表示制御装置90とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置60に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置60に集約されていてもよい。また、主制御装置60から音声発光制御装置70に送信されるコマンドの構成や、音声発光制御装置70から表示制御装置90に送信されるコマンドの構成も任意である。
【0754】
(28)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0755】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【0756】
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
【0757】
スロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機に本発明を適用する場合、例えばスタートレバーの操作に基づき1ゲームを開始する場合に実行された役の抽選処理の結果を履歴情報として記憶し、その履歴情報を利用して各役の実際の当選確率を演算する構成としてもよく、ボーナスゲームといった特別遊技状態への移行が発生した場合にそれを履歴情報としえ記憶し、その履歴情報を利用して特別遊技状態への実際の移行確率を演算する構成としてもよく、消化された総ゲーム数に対する特別遊技状態の滞在ゲーム数の割合を演算する構成としてもよい。そして、それら履歴情報や各種パラメータを読み取り装置にて読み取り可能としたり、各種パラメータの演算結果に対応する報知が遊技機自身にて行われる構成としてもよい。
【0758】
また、上記第1~第8の実施形態の特徴的な構成を所定の組合せで適用した構成に対して、上記別形態の構成を任意の組合せで適用してもよい。
【0759】
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0760】
<特徴A群>
特徴A1.遊技に関する制御を行う制御基板(第1~第3の実施形態における主制御基板61)と、
当該制御基板を収容する基板ボックス(第1の実施形態における表ケース体121及び裏ケース体122、第2の実施形態における表ケース体232及び裏ケース体234、第3の実施形態における表ケース体312及び裏ケース体313)と、
を備えた遊技機において、
前記制御基板の所定板面(素子搭載面61e)に所定コネクタ(第1コネクタCN1、第2コネクタCN2、第3コネクタCN3及び第4コネクタCN4)が搭載されており、
前記基板ボックスには前記所定コネクタへの信号伝送手段(第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタ)の接続を可能とするために当該所定コネクタが挿通される接続用開口部(第1の実施形態における第1~第4コネクタ挿通孔156~159、第2の実施形態における第1~第4コネクタ挿通孔271~274、第3の実施形態における第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365)が形成されており、
前記所定コネクタにおける所定側面(第1~第4コネクタCN1~CN4における下側起立壁部101c~104cの下側の側面)と前記接続用開口部において当該所定側面と対向する所定周縁部(第1の実施形態では第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159b、第2の実施形態では第1~第4コネクタ挿通孔271~274の下側周縁部271b~274b、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365b)との間の距離が、前記所定コネクタにおいて当該所定コネクタの本体部(ハウジング101~104及び端子111~116)を挟んで前記所定側面とは反対側に存在している特定側面(第1~第4コネクタCN1~CN4における上側起立壁部101b~104bの上側の側面)と前記接続用開口部において当該特定側面と対向する特定周縁部(第1の実施形態では第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159a、第2の実施形態では第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274a、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365a)との間の距離よりも短い距離となるように、前記接続用開口部に対する前記所定コネクタの位置関係が設定されていることを特徴とする遊技機。
【0761】
特徴A1によれば、特定側面と特定周縁部との間の距離と比較して、所定側面と所定周縁部との間の距離が短いことにより、所定側面と所定周縁部との間に不正用治具を挿入する不正行為が行われる可能性を低減することができる。所定コネクタにおいて、当該所定コネクタと接続用開口部の周縁部との間の距離が短い所定側面側に、所定コネクタと制御基板とを電気的に接続するための配線のうち遊技者の利益に関する情報、遊技状態の移行に関する情報及び異常状態に関する情報などを伝達するための重要な配線が存在するようにすることで当該重要な配線に対する不正行為を行いづらくすることができる。
【0762】
なお、所定側面と所定周縁部との間の距離が特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離であれば、所定側面と所定周縁部とが当接している構成としてもよく、所定側面と所定周縁部とが離れている構成としてもよい。
【0763】
特徴A2.前記所定コネクタと前記制御基板とを電気的に接続する所定接続手段(第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3、第4コネクタCN4の一端側端子115)は、前記所定コネクタにおける前記所定側面と前記接続用開口部における前記所定周縁部との間を前記所定板面に沿って跨ぐように延在していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
【0764】
特徴A2によれば、上記特徴A1の構成を備え、所定側面と所定周縁部との間の距離が、特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離となるように、接続用開口部に対する所定コネクタの位置関係が設定されている構成において、所定コネクタと制御基板とを電気的に接続する所定接続手段は、所定側面と所定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している。特定側面と特定周縁部との間の距離と比較して、所定側面と所定周縁部との間の距離が短いことにより、所定側面と所定周縁部との間に針金等の導電性の不正用治具を挿入して所定接続手段に電気的に接触させる不正行為が行われる可能性を低減することができる。これにより、所定接続手段によって伝送される信号が不正に変更されてしまう可能性を低減することができる。
【0765】
特徴A3.前記所定コネクタと前記制御基板とを電気的に接続する接続手段として、前記特定側面と前記特定周縁部との間を前記所定板面に沿って跨ぐように延在している接続手段は存在していないことを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
【0766】
特徴A3によれば、上記特徴A1の構成を備え、所定側面と所定周縁部との間の距離が、特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離となるように、接続用開口部に対する所定コネクタの位置関係が設定されている構成において、所定コネクタと制御基板とを電気的に接続する接続手段として、特定側面と特定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している接続手段は存在していない。所定側面と所定周縁部との間の距離と比較して、特定側面と特定周縁部との間の距離は長いが、当該特定側面と特定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している接続手段は存在していないため、当該特定側面と特定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入する不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0767】
特徴A4.前記制御基板に設けられた制御手段(MPU63)に、前記所定接続手段を通じて所定利益の付与(遊技者への遊技媒体の付与、遊技者にとって有利な状態への移行)に関係する信号(払出受信コマンド、払出送信コマンド、賞球許可信号、第1作動口検知センサ46aの検知信号、第2作動口検知センサ47aの検知信号、第1入賞口検知センサ42aの検知信号、第2入賞口検知センサ43aの検知信号、第3入賞口検知センサ44aの検知信号、特電検知センサ45aの検知信号及びゲート検知センサ49aの検知信号)が送信されることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
【0768】
特徴A4によれば、上記特徴A2の構成を備え、所定接続手段が所定側面と所定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している構成において、所定利益の付与に関する信号は当該所定接続手段を通じて送信される。また、上記特徴A1の構成を備え、所定側面と所定周縁部との間の距離が、特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離であることにより、所定側面と所定周縁部との間に導電性の不正用治具を挿入して所定接続手段に電気的に接触させる不正行為が行われる可能性が低減されている。このため、所定側面と所定周縁部との間に不正用治具を挿入して所定利益の付与に関する信号を不正に変更する不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0769】
特徴A5.前記所定コネクタと前記制御基板とを電気的に接続する特定接続手段(第1コネクタCN1の他端側端子112、第4コネクタCN4の他端側端子116)は、前記特定側面と前記特定周縁部との間を前記所定板面に沿って跨ぐように延在しており、
前記制御基板に設けられた制御手段(MPU63)に、前記所定接続手段を通じて所定利益の付与(遊技者への遊技媒体の付与、遊技者にとって有利な状態への移行)に関係する信号(払出受信コマンド、払出送信コマンド、賞球許可信号、第1作動口検知センサ46aの検知信号、第2作動口検知センサ47aの検知信号、第1入賞口検知センサ42aの検知信号、第2入賞口検知センサ43aの検知信号、第3入賞口検知センサ44aの検知信号、特電検知センサ45aの検知信号及びゲート検知センサ49aの検知信号)が送信され、前記特定接続手段を通じて前記所定利益の付与に関係しない信号が送信されることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
【0770】
特徴A5によれば、上記特徴A1の構成を備え、所定側面と所定周縁部との間の距離が、特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離となるように、接続用開口部に対する所定コネクタの位置関係が設定されている構成であるとともに、上記特徴A2の構成を備え、所定接続手段が所定側面と所定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している構成において、所定接続手段を通じて所定利益の付与に関する信号が送信される構成であることにより、所定側面と所定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入して所定接続手段に電気的に接触させる不正を防止することができる。これにより、所定利益の付与に関する信号が不正に変更させてしまうことを防止することができる。
【0771】
また、特定側面と特定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している特定接続手段を通じて所定利益の付与に関係しない信号が送信される。このため、特定側面と特定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入して特定接続手段に接触させる不正行為が行われたとしても、当該不正行為によって所定利益の付与に関する信号が不正に変更されてしまうことを防止することができる。
【0772】
特徴A6.前記所定コネクタは、前記所定側面に存在するように設けられ当該所定コネクタに前記信号伝送手段が接続された状態において当該信号伝送手段に係合する係合手段(係止受部101h~104h)を備え、
当該係合手段は、前記所定側面において前記接続用開口部と対向する領域よりも前記所定コネクタの自由端側に存在していることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
【0773】
特徴A6によれば、係合手段を備えていることにより、所定コネクタと信号伝送手段とが接続されている状態となった場合に当該状態を維持することができる。係合手段が所定側面において接続用開口部と対向する領域よりも所定コネクタの自由端側に設けられていることにより、当該係合手段の存在が原因となって接続用開口部の所定周縁部と所定側面との距離が延びてしまうことを防止することができるとともに、所定側面と所定周縁部との間に不正用治具を挿入する不正行為を当該係合手段によって妨害することができる。
【0774】
特徴A7.前記特定側面には前記係合手段が設けられていないことを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
【0775】
特徴A7によれば、上記特徴A6の構成を備え、係合手段が所定側面に存在するように設けられている構成であることにより、所定コネクタと信号伝送手段との接続状態を維持することが可能となっている。所定側面及び特定側面のうち所定側面のみに係合手段が設けられている構成であることにより、所定側面及び特定側面の両方に係合手段が設けられている構成と比較して、所定コネクタの自由端側を接続用開口部に挿通可能とするために、所定コネクタと接続用開口部の周縁部との間に設ける遊びを小さいものとすることができる。これにより、所定コネクタが接続用開口部に挿通された状態において所定コネクタと接続用開口部の周縁部との間に存在する遊びを小さいものとすることができる。
【0776】
特徴A8.前記基板ボックスは、
前記接続用開口部が形成された所定形成部(第1の実施形態ではコネクタ群対応板部155a、第2の実施形態ではコネクタ群対応板部267a、第3の実施形態ではコネクタ群対応板部361a)と、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を装着位置(第1の実施形態では下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部156a~159aとの間に存在する遊びよりも小さくなっている位置、第2の実施形態では下側起立壁部101c~104cと下側周縁部271b~274bとの間に存在する遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部271a~274aとの間に存在する遊びよりも小さくなっている位置、第3の実施形態では下側起立壁部101c~104cと下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びよりも小さくなっている位置)とした状態で、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対的な移動を阻止する阻止手段(第1の実施形態における表側第1ケース固定ボス183~表側第3ケース固定ボス185及び裏側第1ケース固定ボス186~裏側第3ケース固定ボス188、第3の実施形態における表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393及び裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396)と、
を備え、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合に、前記所定側面と前記所定周縁部との間の距離が、前記特定側面と前記特定周縁部との間の距離よりも短い距離となることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
【0777】
特徴A8によれば、所定側面と所定周縁部との間の距離が、特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離となっている状態で所定形成部に対する所定制御基板の相対的な移動を阻止して、当該状態を維持することを容易とすることができる。
【0778】
特徴A9.前記阻止手段は、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合に、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対的な移動を阻止する阻止状態(第1の実施形態では表側第1ケース固定ボス183~表側第3ケース固定ボス185と裏側第1ケース固定ボス186~裏側第3ケース固定ボス188とがネジ固定されている状態、第3の実施形態では表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393と裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396とがネジ固定されている状態)とすることが可能であることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
【0779】
特徴A9によれば、阻止手段を用いて阻止状態とすることにより、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である状態を維持することができる。これにより、所定側面と所定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入する不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0780】
特徴A10.前記阻止手段による阻止状態(第1の実施形態では表側第1ケース固定ボス183~表側第3ケース固定ボス185と裏側第1ケース固定ボス186~裏側第3ケース固定ボス188とがネジ固定されている状態、第3の実施形態では表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393と裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396とがネジ固定されている状態)が解除された状態において、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を分離側位置(第1の実施形態では、例えば、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上下方向における中央に存在している状態となる位置、第2の実施形態では、例えば、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上下方向における中央に存在している状態となる位置、第3の実施形態では、例えば、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上下方向における中央に存在している状態となる位置)とすることが可能な構成であり、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記分離側位置である場合、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合よりも、前記所定側面と前記所定周縁部との間の距離が長くなることを特徴とする特徴A8又はA9に記載の遊技機。
【0781】
特徴A10によれば、特徴A8の構成を備え、所定形成部に対する制御基板の相対位置を装着位置とすることができる構成において、当該所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置とすることができる。そして、所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である場合、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である場合よりも、所定側面と所定周縁部との間の距離が長くなる。このため、基板ボックスを組み立てる工程において、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置とすることにより、所定コネクタを接続用開口部に挿通する作業を容易なものとすることができる。その後、所定形成部に対する制御基板の相対位置を装着位置とすることにより、所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である場合と比較して、所定側面と所定周縁部との間の距離が短い状態を作り出すことができる。
【0782】
特徴A11.前記所定コネクタは、前記所定側面に存在するように設けられ当該所定コネクタに前記信号伝送手段が接続された状態において当該信号伝送手段に係合する係合手段(係止受部101h~104h)を備え、
当該係合手段は、前記所定側面において前記接続用開口部と対向する領域よりも前記所定コネクタの自由端側に存在しており、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記分離側位置である場合、前記所定側面と前記所定周縁部との間の距離が、前記係合手段における前記所定側面から前記所定周縁部に向けて突出した寸法以上となることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
【0783】
特徴A11によれば、係合手段が設けられていることにより、所定コネクタと信号伝送手段とが接続されている状態を維持することができる。所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である場合、所定側面と所定周縁部との間の距離が、係合手段における所定側面から所定周縁部に向けて突出した寸法以上となる。このため、基板ボックスを組み立てる工程において、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置とすることにより、所定コネクタを接続用開口部に挿通させる作業を容易なものとすることができる。
【0784】
特徴A12.前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記分離側位置である場合、前記所定側面と前記所定周縁部との間に空間が生じ、前記特定側面と前記特定周縁部との間にも空間が生じることを特徴とする特徴A10又はA11に記載の遊技機。
【0785】
特徴A12によれば、基板ボックスを組み立てる工程において、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置とすることにより、所定側面と所定周縁部との間に空間が生じているとともに特定側面と特定周縁部との間にも空間が生じている状態とすることができる。これにより、所定コネクタを接続用開口部に挿通する作業において、接続用開口部に対する所定コネクタの相対位置を細かく調整することを不要として、当該作業を容易なものとすることができる。
【0786】
特徴A13.前記基板ボックスは、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を前記分離側位置から前記装着位置に向けて変化させる場合に、当該相対位置が前記装着位置となるように前記制御基板又は当該制御基板との一体物をガイドする手段(第1の実施形態では第2ガイド部182、第2の実施形態では第2ガイド部306)を備えていることを特徴とする特徴A10乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
【0787】
特徴A13によれば、基板ボックスを組み立てる工程において、ガイドする手段に従って制御基板又は当該制御基板の一体物を移動させることにより、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置から装着位置に向けて変化させることができる。これにより、当該工程において、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置から装着位置に向けて変化させる作業を容易なものとすることができるとともに、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である状態を再現性よく作り出すことができる。
【0788】
特徴A14.前記接続用開口部よりも前記制御基板側に存在しており、前記特定側面と前記特定周縁部との間の隙間を通じて前記基板ボックスの外部に露出される前記制御基板の範囲を狭くすることが可能である遮蔽手段(第2の実施形態におけるコネクタカバー233、第3の実施形態におけるコネクタ対応プレート314)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
【0789】
特徴A14によれば、特定側面と特定周縁部との間の隙間を通じて基板ボックスの外部に露出される制御基板の範囲を狭くすることにより、特定側面と特定周縁部との間の隙間に不正用治具を挿入する不正行為が行われた場合に当該不正用治具が主制御基板の表面に存在する端子や配線パターンなどに到達する可能性を低減することができる。これにより、当該不正行為を防止することができる。
【0790】
特徴A15.前記遮蔽手段は、前記基板ボックスにおける前記接続用開口部が形成された所定形成部(第2の実施形態ではコネクタ群対応板部267a、第3の実施形態ではコネクタ群対応板部361a)と、前記制御基板に対して前記所定コネクタを電気的に接続する接続部(固定部111b~116b)との間に介在していることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
【0791】
特徴A15によれば、遮蔽手段が接続部よりも所定形成部側に存在していることにより、当該遮蔽手段によって不正用治具が接続部に接触することを妨害することができる。遮蔽手段が所定形成部よりも制御基板側に存在していることにより、当該遮蔽手段が不正に取り除かれてしまうことを防止することができる。
【0792】
特徴A16.前記遮蔽手段には、前記所定コネクタが挿通される遮蔽側開口部(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~278、第3の実施形態では第1~第4プレート側挿通孔336~339)が形成されており、
当該遮蔽側開口部の開口面積が、前記接続用開口部の開口面積よりも狭いことを特徴とする特徴A14又はA15に記載の遊技機。
【0793】
特徴A16によれば、遮蔽手段を不具備であり所定コネクタが接続用開口部のみに挿通される構成と比較して、制御基板において所定コネクタの周囲で基板ボックスの外部に露出する領域の面積を低減することができる。これにより、制御基板において基板ボックスの外部に露出している領域に対して導電性の不正用治具を電気的に接触させる不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0794】
特徴A17.前記遮蔽手段は、前記制御基板に固定されていることを特徴とする特徴A14乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
【0795】
特徴A17によれば、遮蔽手段が制御基板に固定された状態において、当該遮蔽手段は制御基板に追従して移動する。このため、制御基板に搭載された所定コネクタに対する遮蔽手段の相対位置が変化してしまうことを防止しつつ、所定コネクタに対する接続用開口部の相対位置を変化させることを可能とすることができる。
【0796】
特徴A18.前記基板ボックスは、
前記接続用開口部が形成された所定形成部(第3の実施形態ではコネクタ群対応板部361a)と、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を装着位置とした状態で、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対的な移動を阻止する阻止手段(第3の実施形態における表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393及び裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396)と、
を備え、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合に、前記所定側面と前記所定周縁部との間の距離が、前記特定側面と前記特定周縁部との間の距離よりも短い距離となる構成であり、
前記阻止手段による阻止状態が解除された状態において、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を分離側位置(第3の実施形態では、例えば、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上下方向における中央に存在している状態となる位置)とすることが可能な構成であり、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記分離側位置である場合、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合よりも、前記所定側面と前記所定周縁部との間の距離が長くなることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
【0797】
特徴A18によれば、所定形成部に対する制御基板の相対位置を装着位置とすることができるとともに分離側位置とすることができる。所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である場合、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である場合よりも、所定側面と所定周縁部との間の距離が長くなる。このため、基板ボックスを組み立てる工程において、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置とすることにより、所定コネクタを接続用開口部に挿通する作業を容易なものとすることができる。その後、所定形成部に対する制御基板の相対位置を装着位置とすることにより、所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である場合と比較して、所定側面と所定周縁部との間の距離が短い状態を作り出すことができる。
【0798】
上記特徴A17の構成を備え、遮蔽手段は制御基板に固定される。また、上記特徴A1の構成を備え、所定コネクタは制御基板に搭載されている。遮蔽手段及び所定コネクタは制御基板に追従して移動する。このため、所定コネクタに対する遮蔽手段の相対位置が変化してしまうことを防止しながら、所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である状態から当該相対位置が装着位置である状態に変化させることができる。当該相対位置が装着位置である状態とすることにより、特定側面と特定周縁部との間の距離が、所定側面と所定周縁部との間の距離よりも長くなってしまうが、当該相対位置が装着位置である状態としても所定コネクタに対する遮蔽手段の相対位置は変化しない。遮蔽手段を制御基板に固定するとともに、当該相対位置が装着位置である状態とすることにより、所定側面と所定周縁部との間の距離を短くすることができるとともに、主制御基板において、所定コネクタの特定側面の周辺で基板ボックスの外部に露出される領域の面積を低減することができる。
【0799】
なお、特徴A1~A18の構成に対して、特徴A1~A18、特徴B1~B7、特徴C1~C14、特徴D1~D11、特徴E1~E7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0800】
<特徴B群>
特徴B1.遊技に関する制御を行う制御基板(第1~第3の実施形態における主制御基板61)と、
当該制御基板を収容する基板ボックス(第1の実施形態における表ケース体121及び裏ケース体122、第2の実施形態における表ケース体232及び裏ケース体234、第3の実施形態における表ケース体312及び裏ケース体313)と、
を備えた遊技機において、
前記制御基板の所定板面(素子搭載面61e)に所定コネクタ(第1コネクタCN1、第2コネクタCN2、第3コネクタCN3及び第4コネクタCN4)が搭載されており、
前記基板ボックスは、
前記所定コネクタへの信号伝送手段(第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタ)の接続を可能とするために当該所定コネクタが挿通される接続用開口部が形成された所定形成部(第1の実施形態における第1~第4コネクタ挿通孔156~159、第2の実施形態における第1~第4コネクタ挿通孔271~274、第3の実施形態における第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365)と、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を装着位置(第1の実施形態では下側起立壁部101c~104cと下側周縁部156b~159bとの間に存在する遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部156a~159aとの間に存在する遊びよりも小さくなっている位置、第2の実施形態では下側起立壁部101c~104cと下側周縁部271b~274bとの間に存在する遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部271a~274aとの間に存在する遊びよりも小さくなっている位置、第3の実施形態では下側起立壁部101c~104cと下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びよりも小さくなっている位置)とした状態で、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対的な移動を阻止する阻止手段(第1の実施形態における表側第1ケース固定ボス183~表側第3ケース固定ボス185及び裏側第1ケース固定ボス186~裏側第3ケース固定ボス188、第3の実施形態における表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393及び裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396)と、
を備え、
前記阻止手段による阻止状態が解除された状態において、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を分離側位置(第1の実施形態では、例えば、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上下方向における中央に存在している状態となる位置、第2の実施形態では、例えば、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上下方向における中央に存在している状態となる位置、第3の実施形態では、例えば、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上下方向における中央に存在している状態となる位置)とすることが可能な構成であり、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記分離側位置である場合よりも、前記所定コネクタにおける所定側面(第1~第4コネクタCN1~CN4における下側起立壁部101c~104cの下側の側面)と前記接続用開口部において当該所定側面と対向する所定周縁部(第1の実施形態では第1~第4コネクタ挿通孔156~159の下側周縁部156b~159b、第2の実施形態では第1~第4コネクタ挿通孔271~274の下側周縁部271b~274b、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365b)とが近い位置となる構成であることを特徴とする遊技機。
【0801】
特徴B1によれば、所定形成部に対する制御基板の相対位置を装着位置とすることができるとともに分離側位置とすることができる。所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である場合、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である場合よりも、所定側面と所定周縁部との間の距離が長くなる。このため、基板ボックスを組み立てる工程において、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置とすることにより、所定コネクタを接続用開口部に挿通する作業を容易なものとすることができる。その後、所定形成部に対する制御基板の相対位置を装着位置とすることにより、所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である場合と比較して、所定側面と対向する所定周縁部とが近い位置に存在している状態を作り出すことができる。
【0802】
特徴B2.前記阻止手段は、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合に、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対的な移動を阻止する阻止状態(第1の実施形態では表側第1ケース固定ボス183~表側第3ケース固定ボス185と裏側第1ケース固定ボス186~裏側第3ケース固定ボス188とがネジ固定されている状態、第3の実施形態では表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393と裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396とがネジ固定されている状態)とすることが可能であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
【0803】
特徴B2によれば、阻止手段を用いて阻止状態とすることにより、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である状態を維持することができる。これにより、所定側面と所定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入する不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0804】
特徴B3.前記所定コネクタは、前記所定側面に存在するように設けられ当該所定コネクタに前記信号伝送手段が接続された状態において当該信号伝送手段に係合する係合手段(係止受部101h~104h)を備え、
当該係合手段は、前記所定側面において前記接続用開口部と対向する領域よりも前記所定コネクタの自由端側に存在しており、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記分離側位置である場合、前記所定側面と前記所定周縁部との間の距離が、前記係合手段における前記所定側面から前記所定周縁部に向けて突出した寸法以上となることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
【0805】
特徴B3によれば、係合手段が設けられていることにより、所定コネクタと信号伝送手段とが接続されている状態を維持することができる。所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である場合、所定側面と所定周縁部との間の距離が、係合手段における所定側面から所定周縁部に向けて突出した寸法以上となる。このため、基板ボックスを組み立てる工程において、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置とすることにより、所定コネクタを接続用開口部に挿通させる作業を容易なものとすることができる。
【0806】
特徴B4.前記基板ボックスは、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を前記分離側位置から前記装着位置に向けて変化させる場合に、当該相対位置が前記装着位置となるように前記制御基板又は当該制御基板との一体物をガイドする手段(第1の実施形態では第2ガイド部182、第2の実施形態では第2ガイド部306)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
【0807】
特徴B4によれば、基板ボックスを組み立てる工程において、ガイドする手段に従って制御基板又は当該制御基板の一体物を移動させることにより、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置から装着位置に向けて変化させることができる。これにより、当該工程において、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置から装着位置に向けて変化させる作業を容易なものとすることができるとともに、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である状態を再現性よく作り出すことができる。
【0808】
特徴B5.前記所定コネクタと前記制御基板とを電気的に接続する所定接続手段(第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3、第4コネクタCN4の一端側端子115)は、前記所定コネクタにおける前記所定側面と前記接続用開口部における前記所定周縁部との間を前記所定板面に沿って跨ぐように延在していることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
【0809】
特徴B5によれば、上記特徴B1の構成を備え、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である場合、当該相対位置が分離側位置である場合よりも、所定側面と所定周縁部とが近い位置となる構成において、所定コネクタと制御基板とを電気的に接続する所定接続手段は、所定側面と所定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している。当該相対位置を装着位置として所定側面と所定周縁部とが近い位置に存在している状態とすることにより、所定側面と所定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入して所定接続手段に電気的に接触させる不正行為が行われる可能性を低減することができる。これにより、所定接続手段によって伝送される信号が不正に変更されてしまう可能性を低減することができる。
【0810】
特徴B6.前記所定コネクタと前記制御基板とを電気的に接続する接続手段として、前記所定コネクタにおいて当該所定コネクタの本体部(ハウジング101~104及び端子111~116)を挟んで前記所定側面とは反対側に存在している特定側面(第1~第4コネクタCN1~CN4における上側起立壁部101b~104bの上側の側面)と前記接続用開口部において当該特定側面と対向する特定周縁部(第1の実施形態では第1~第4コネクタ挿通孔156~159の上側周縁部156a~159a、第2の実施形態では第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274a、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365a)との間を前記制御基板の前記所定板面に沿って跨ぐように延在している接続手段は存在していないことを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
【0811】
特徴B6によれば、上記特徴B1の構成を備え、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である場合、当該相対位置が分離側位置である場合よりも、所定側面と所定周縁部とが近い位置となる構成において、所定コネクタと制御基板とを電気的に接続する接続手段として、特定側面と特定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している接続手段は存在していない。所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である場合には、当該相対位置が分離側位置である場合と比較して、特定側面と特定周縁部との間の距離が長くなるが、当該特定側面と特定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している接続手段は存在していないため、当該特定側面と特定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入する不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0812】
特徴B7.前記制御基板に設けられた制御手段(MPU63)に、前記所定接続手段を通じて所定利益の付与(遊技者への遊技媒体の付与、遊技者にとって有利な状態への移行)に関係する信号(払出受信コマンド、払出送信コマンド、賞球許可信号、第1作動口検知センサ46aの検知信号、第2作動口検知センサ47aの検知信号、第1入賞口検知センサ42aの検知信号、第2入賞口検知センサ43aの検知信号、第3入賞口検知センサ44aの検知信号、特電検知センサ45aの検知信号及びゲート検知センサ49aの検知信号)が送信されることを特徴とする特徴B5又はB6に記載の遊技機。
【0813】
特徴B7によれば、上記特徴B5の構成を備え、所定接続手段が所定側面と所定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している構成において、所定利益の付与に関する信号は当該所定接続手段を通じて送信される。また、上記特徴B1の構成を備え、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である場合、当該相対位置が分離側位置である場合よりも、所定側面と所定周縁部とが近い位置となる構成であるため、当該相対位置を装着位置とすることにより所定側面と所定周縁部との間に導電性の不正用治具を挿入して所定接続手段に電気的に接触させる不正行為が行われる可能性を低減することができる。このため、当該相対位置を装着位置とすることで、所定側面と所定周縁部との間に不正用治具を挿入して所定利益の付与に関する信号を不正に変更する不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0814】
なお、特徴B1~B7の構成に対して、特徴A1~A18、特徴B1~B7、特徴C1~C14、特徴D1~D11、特徴E1~E7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0815】
<特徴C群>
特徴C1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板61)と、
当該制御基板を収容する基板ボックス(第2の実施形態における表ケース体232及び裏ケース体234、第3の実施形態における表ケース体312及び裏ケース体313)と、
を備えた遊技機において、
前記制御基板の所定板面(素子搭載面61e)に所定コネクタ(第1コネクタCN1、第2コネクタCN2、第3コネクタCN3及び第4コネクタCN4)が搭載されており、
前記基板ボックスには前記所定コネクタへの信号伝送手段(第1~第4コネクタCN1~CN4に対応する雄型コネクタ)の接続を可能とするために当該所定コネクタが挿通される接続用開口部(第2の実施形態における第1~第4コネクタ挿通孔271~274、第3の実施形態における第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365)が形成されており、
前記所定コネクタにおける所定側面(第1~第4コネクタCN1~CN4における下側起立壁部101c~104cの下側の側面)と前記接続用開口部において当該所定側面と対向する所定周縁部(第2の実施形態では第1~第4コネクタ挿通孔271~274の下側周縁部271b~274b、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の下側周縁部362b~365b)との間の距離が、前記所定コネクタにおいて当該所定コネクタの本体部(ハウジング101~104及び端子111~116)を挟んで前記所定側面とは反対側に存在している特定側面(第1~第4コネクタCN1~CN4における上側起立壁部101b~104bの上側の側面)と前記接続用開口部において当該特定側面と対向する特定周縁部(第2の実施形態では第1~第4コネクタ挿通孔271~274の上側周縁部271a~274a、第3の実施形態では第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上側周縁部362a~365a)との間の距離よりも短い距離となるように、前記接続用開口部に対する前記所定コネクタの位置関係が設定されており、
本遊技機は、前記接続用開口部よりも前記制御基板側に存在しており、前記特定側面と前記特定周縁部との間の隙間を通じて前記基板ボックスの外部に露出される前記制御基板の範囲を狭くすることが可能である遮蔽手段(第2の実施形態におけるコネクタカバー233、第3の実施形態におけるコネクタ対応プレート314)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0816】
特徴C1によれば、特定側面と特定周縁部との間の距離と比較して、所定側面と所定周縁部との間の距離が短いことにより、所定側面と所定周縁部との間に不正用治具を挿入する不正行為が行われる可能性を低減することができる。所定コネクタにおいて、当該所定コネクタと接続用開口部の周縁部との間の距離が短い所定側面側に、所定コネクタと制御基板とを電気的に接続するための配線のうち遊技者の利益に関する情報、遊技状態の移行に関する情報及び異常状態に関する情報などを伝達するための重要な配線が存在するようにすることで当該重要な配線に対する不正行為を行いづらくすることができる。
【0817】
遮蔽手段を用いて、特定側面と特定周縁部との間の隙間を通じて基板ボックスの外部に露出される制御基板の範囲を狭くすることにより、特定側面と特定周縁部との間の隙間に不正用治具を挿入する不正行為が行われた場合に当該不正用治具が主制御基板の表面に存在する端子や配線パターンなどに到達する可能性を低減することができる。これにより、当該不正行為を防止することができる。
【0818】
なお、所定側面と所定周縁部との間の距離が特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離であれば、所定側面と所定周縁部とが当接している構成としてもよく、所定側面と所定周縁部とが離れている構成としてもよい。
【0819】
特徴C2.前記遮蔽手段は、前記基板ボックスにおける前記接続用開口部が形成された所定形成部(第2の実施形態ではコネクタ群対応板部267a、第3の実施形態ではコネクタ群対応板部361a)と、前記制御基板に対して前記所定コネクタを電気的に接続する接続部(固定部111b~116b)との間に介在していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
【0820】
特徴C2によれば、遮蔽手段が接続部よりも所定形成部側に存在していることにより、当該遮蔽手段によって不正用治具が接続部に接触することを妨害することができる。遮蔽手段が所定形成部よりも制御基板側に存在していることにより、当該遮蔽手段が不正に取り除かれてしまうことを防止することができる。
【0821】
特徴C3.前記遮蔽手段には、前記所定コネクタが挿通される遮蔽側開口部(第2の実施形態では第1~第4カバー側挿通孔275~278、第3の実施形態では第1~第4プレート側挿通孔336~339)が形成されており、
当該遮蔽側開口部の開口面積が、前記接続用開口部の開口面積よりも狭いことを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
【0822】
特徴C3によれば、遮蔽手段を不具備であり所定コネクタが接続用開口部のみに挿通される構成と比較して、制御基板において所定コネクタの周囲で基板ボックスの外部に露出する領域の面積を低減することができる。これにより、制御基板において基板ボックスの外部に露出している領域に対して導電性の不正用治具を電気的に接触させる不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0823】
特徴C4.前記遮蔽手段は、前記制御基板に固定されていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
【0824】
特徴C4によれば、遮蔽手段が制御基板に固定された状態において、当該遮蔽手段は制御基板に追従して移動する。このため、制御基板に搭載された所定コネクタに対する遮蔽手段の相対位置が変化してしまうことを防止しつつ、所定コネクタに対する接続用開口部の相対位置を変化させることを可能とすることができる。
【0825】
特徴C5.前記基板ボックスは、
前記接続用開口部が形成された所定形成部(第2の実施形態ではコネクタ群対応板部267a、第3の実施形態ではコネクタ群対応板部361a)と、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を装着位置(第3の実施形態では下側起立壁部101c~104cと下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びよりも小さくなっている位置)とした状態で、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対的な移動を阻止する阻止手段(第3の実施形態における表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393及び裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396)と、
を備え、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合に、前記所定側面と前記所定周縁部との間の距離が、前記特定側面と前記特定周縁部との間の距離よりも短い距離となる構成であり、
前記阻止手段による阻止状態(第3の実施形態では表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393と裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396とがネジ固定されている状態)が解除された状態において、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を分離側位置(第3の実施形態では、例えば、第1~第4コネクタCN1~CN4が第1~第4表側コネクタ挿通孔362~365の上下方向における中央に存在している状態となる位置)とすることが可能な構成であり、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記分離側位置である場合、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合よりも、前記所定側面と前記所定周縁部との間の距離が長くなることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
【0826】
特徴C5によれば、所定形成部に対する制御基板の相対位置を装着位置とすることができる構成において、当該所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置とすることができる。そして、所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である場合、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である場合よりも、所定側面と所定周縁部との間の距離が長くなる。このため、基板ボックスを組み立てる工程において、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置とすることにより、所定コネクタを接続用開口部に挿通する作業を容易なものとすることができる。その後、所定形成部に対する制御基板の相対位置を装着位置とすることにより、所定形成部に対する制御基板の相対位置が分離側位置である場合と比較して、所定側面と所定周縁部との間の距離が短い状態を作り出すことができる。
【0827】
特徴C6.前記所定コネクタと前記制御基板とを電気的に接続する所定接続手段(第1コネクタCN1の一端側端子111、第2コネクタCN2の端子113、第3コネクタCN3、第4コネクタCN4の一端側端子115)は、前記所定コネクタにおける前記所定側面と前記接続用開口部における前記所定周縁部との間を前記所定板面に沿って跨ぐように延在していることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
【0828】
特徴C6によれば、上記特徴C1の構成を備え、所定側面と所定周縁部との間の距離が、特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離となるように、接続用開口部に対する所定コネクタの位置関係が設定されている構成において、所定コネクタと制御基板とを電気的に接続する所定接続手段は、所定側面と所定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している。特定側面と特定周縁部との間の距離と比較して、所定側面と所定周縁部との間の距離が短いことにより、所定側面と所定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入して所定接続手段に電気的に接触させる不正行為が行われる可能性を低減することができる。これにより、所定接続手段によって伝送される信号が不正に変更されてしまう可能性を低減することができる。
【0829】
特徴C7.前記所定コネクタと前記制御基板とを電気的に接続する接続手段として、前記特定側面と前記特定周縁部との間を前記所定板面に沿って跨ぐように延在している接続手段は存在していないことを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
【0830】
特徴C7によれば、上記特徴C1の構成を備え、所定側面と所定周縁部との間の距離が、特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離となるように、接続用開口部に対する所定コネクタの位置関係が設定されている構成において、所定コネクタと制御基板とを電気的に接続する接続手段として、特定側面と特定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している接続手段は存在していない。所定側面と所定周縁部との間の距離と比較して、特定側面と特定周縁部との間の距離は長いが、当該特定側面と特定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している接続手段は存在していないため、当該特定側面と特定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入する不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0831】
特徴C8.前記制御基板に設けられた制御手段に、前記所定接続手段を通じて所定利益の付与所定利益の付与(遊技者への遊技媒体の付与、遊技者にとって有利な状態への移行)に関係する信号(払出受信コマンド、払出送信コマンド、賞球許可信号、第1作動口検知センサ46aの検知信号、第2作動口検知センサ47aの検知信号、第1入賞口検知センサ42aの検知信号、第2入賞口検知センサ43aの検知信号、第3入賞口検知センサ44aの検知信号、特電検知センサ45aの検知信号及びゲート検知センサ49aの検知信号)が送信されることを特徴とする特徴C6又はC7に記載の遊技機。
【0832】
特徴C8によれば、上記特徴C6の構成を備え、所定接続手段が所定側面と所定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している構成において、所定利益の付与に関する信号は当該所定接続手段を通じて送信される。また、上記特徴C1の構成を備え、所定側面と所定周縁部との間の距離が、特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離であることにより、所定側面と所定周縁部との間に導電性の不正用治具を挿入して所定接続手段に電気的に接触させる不正行為が行われる可能性が低減されている。このため、所定側面と所定周縁部との間に不正用治具を挿入して所定利益の付与に関する信号を不正に変更する不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0833】
特徴C9.前記所定コネクタと前記制御基板とを電気的に接続する特定接続手段(第1コネクタCN1の他端側端子112、第4コネクタCN4の他端側端子116)は、前記特定側面と前記特定周縁部との間を前記所定板面に沿って跨ぐように延在しており、
前記制御基板に設けられた制御手段(MPU63)に、前記所定接続手段を通じて所定利益の付与(遊技者への遊技媒体の付与、遊技者にとって有利な状態への移行)に関係する信号(払出受信コマンド、払出送信コマンド、賞球許可信号、第1作動口検知センサ46aの検知信号、第2作動口検知センサ47aの検知信号、第1入賞口検知センサ42aの検知信号、第2入賞口検知センサ43aの検知信号、第3入賞口検知センサ44aの検知信号、特電検知センサ45aの検知信号及びゲート検知センサ49aの検知信号)が送信され、前記特定接続手段を通じて前記所定利益の付与に関係しない信号が送信されることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
【0834】
特徴C9によれば、上記特徴C1の構成を備え、所定側面と所定周縁部との間の距離が、特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離となるように、接続用開口部に対する所定コネクタの位置関係が設定されている構成であるとともに、上記特徴C6の構成を備え、所定接続手段が所定側面と所定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している構成において、所定接続手段を通じて所定利益の付与に関する信号が送信される構成であることにより、所定側面と所定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入して所定接続手段に電気的に接触させる不正を防止することができる。これにより、所定利益の付与に関する信号が不正に変更させてしまうことを防止することができる。
【0835】
また、特定側面と特定周縁部との間を所定板面に沿って跨ぐように延在している特定接続手段を通じて所定利益の付与に関係しない信号が送信される。このため、特定側面と特定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入して特定接続手段に接触させる不正行為が行われたとしても、当該不正行為によって所定利益の付与に関する信号が不正に変更されてしまうことを防止することができる。
【0836】
特徴C10.前記所定コネクタは、前記所定側面に存在するように設けられ当該所定コネクタに前記信号伝送手段が接続された状態において当該信号伝送手段に係合する係合手段(係止受部101h~104h)を備え、
当該係合手段は、前記所定側面において前記接続用開口部と対向する領域よりも前記所定コネクタの自由端側に存在していることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
【0837】
特徴C10によれば、係合手段を備えていることにより、所定コネクタと信号伝送手段とが接続されている状態となった場合に当該状態を維持することができる。係合手段が所定側面において接続用開口部と対向する領域よりも所定コネクタの自由端側に設けられていることにより、当該係合手段の存在が原因となって接続用開口部の所定周縁部と所定側面との距離が延びてしまうことを防止することができるとともに、所定側面と所定周縁部との間に不正用治具を挿入する不正行為を当該係合手段によって妨害することができる。
【0838】
特徴C11.前記特定側面には前記係合手段が設けられていないことを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
【0839】
特徴C11によれば、上記特徴C10の構成を備え、係合手段が所定側面に存在するように設けられている構成であることにより、所定コネクタと信号伝送手段との接続状態を維持することが可能となっている。所定側面及び特定側面のうち所定側面のみに係合手段が設けられている構成であることにより、所定側面及び特定側面の両方に係合手段が設けられている構成と比較して、所定コネクタの自由端側を接続用開口部に挿通可能とするために、所定コネクタと接続用開口部の周縁部との間に設ける遊びを小さいものとすることができる。これにより、所定コネクタが接続用開口部に挿通された状態において所定コネクタと接続用開口部の周縁部との間に存在する遊びを小さいものとすることができる。
【0840】
特徴C12.前記基板ボックスは、
前記接続用開口部が形成された所定形成部(第2の実施形態ではコネクタ群対応板部267a、第3の実施形態ではコネクタ群対応板部361a)と、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を装着位置(第2の実施形態では下側起立壁部101c~104cと下側周縁部271b~274bとの間に存在する遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部271a~274aとの間に存在する遊びよりも小さくなっている位置、第3の実施形態では下側起立壁部101c~104cと下側周縁部362b~365bとの間に存在する遊びが上側起立壁部101b~104bと上側周縁部362a~365aとの間に存在する遊びよりも小さくなっている位置)とした状態で、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対的な移動を阻止する阻止手段(第3の実施形態における表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393及び裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396)と、
を備え、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合に、前記所定側面と前記所定周縁部との間の距離が、前記特定側面と前記特定周縁部との間の距離よりも短い距離となることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
【0841】
特徴C12によれば、所定側面と所定周縁部との間の距離が、特定側面と特定周縁部との間の距離よりも短い距離となっている状態で所定形成部に対する所定制御基板の相対的な移動を阻止して、当該状態を維持することを容易とすることができる。
【0842】
特徴C13.前記阻止手段は、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記装着位置である場合に、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対的な移動を阻止する阻止状態(第3の実施形態では表側第1ケース固定ボス391~表側第3ケース固定ボス393と裏側第1ケース固定ボス394~裏側第3ケース固定ボス396とがネジ固定されている状態)とすることが可能であることを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
【0843】
特徴C13によれば、阻止手段を用いて阻止状態とすることにより、所定形成部に対する制御基板の相対位置が装着位置である状態を維持することができる。これにより、所定側面と所定周縁部との間に針金などの導電性の不正用治具を挿入する不正行為が行われる可能性を低減することができる。
【0844】
特徴C14.前記阻止手段による阻止状態が解除された状態において、前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置を分離側位置とすることが可能な構成であり、
前記所定形成部に対する前記制御基板の相対位置が前記分離側位置である場合、前記所定側面と前記所定周縁部との間に空間が生じ、前記特定側面と前記特定周縁部との間にも空間が生じることを特徴とする特徴C12又はC13に記載の遊技機。
【0845】
特徴C14によれば、基板ボックスを組み立てる工程において、所定形成部に対する制御基板の相対位置を分離側位置とすることにより、所定側面と所定周縁部との間に空間が生じているとともに特定側面と特定周縁部との間にも空間が生じている状態とすることができる。これにより、所定コネクタを接続用開口部に挿通する作業において、接続用開口部に対する所定コネクタの相対位置を細かく調整することを不要として、当該作業を容易なものとすることができる。
【0846】
なお、特徴C1~C14の構成に対して、特徴A1~A18、特徴B1~B7、特徴C1~C14、特徴D1~D11、特徴E1~E7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0847】
<特徴D群>
特徴D1.遊技に関する制御を行う制御基板(第4及び第5の実施形態における主制御基板401、第6の実施形態における主制御基板431)を備えた遊技機において、
前記制御基板は、
グランドに接続されたグランド手段(第4及び第5の実施形態ではGNDライン405及びGND接触部407、第6の実施形態ではGNDライン435及びGND接触部437)と、
当該グランド手段に対して並設され、電力が供給される電力被供給手段(第4及び第5の実施形態では不正検知ライン406及び不正検知接触部408、第6の実施形態では不正検知ライン436及び不正検知接触部438)と、
を備え、
本遊技機は、前記グランド手段と前記電力被供給手段とが導通した場合に特定状態(ステップS903における異常報知処理が実行されている状態)となるようにする導通対応手段(主側CPU64におけるステップS901、ステップS903及びステップS904の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0848】
特徴D1によれば、電力被供給手段はグランド手段に並設されている。このため、マイナスドライバなどの導電性の不正用治具を制御基板に近づける不正行為が行われた場合に、当該不正用治具によってグランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となる可能性が高められている。グランド手段と電力被供給手段とが導通した場合には特定状態となる。このため、特定状態の発生に基づいて不正用治具を制御基板に近づける不正行為が行われてグランド手段と電力被供給手段とが導通したことを把握可能とすることができる。
【0849】
特徴D2.前記グランド手段及び前記電力被供給手段のうち少なくとも一方は、前記制御基板の板面から膨出した膨出部(第4及び第5の実施形態ではGND接触部407及び不正検知接触部408の半田膨出部407d,408d、第6の実施形態ではGND接触部437及び不正検知接触部438の半田膨出部437d,438d)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
【0850】
特徴D2によれば、膨出部が制御基板の板面から膨出していることにより、主制御基板に導電性の不正用治具が近づけられた場合に当該不正用治具が膨出部と接触する可能性が高められている。グランド手段及び電力被供給手段のうち少なくとも一方が当該膨出部を備えている構成であることにより、主制御基板に導電性の不正用治具が近づけられた場合に当該不正用治具がグランド手段及び電力被供給手段のうち少なくとも一方と電気的に接触する可能性を高めることができる。
【0851】
特徴D3.前記グランド手段は、前記制御基板の所定板面(第4及び第5の実施形態では半田面401f、第6の実施形態では基板裏面431f)から膨出したグランド側膨出部(第4及び第5の実施形態ではGND接触部407の半田膨出部407d、第6の実施形態ではGND接触部437の半田膨出部437d)を備えており、
前記電力被供給手段は、前記制御基板の前記所定板面から膨出した被供給側膨出部(第4及び第5の実施形態では不正検知接触部408の半田膨出部408d、第6の実施形態では不正検知接触部438の半田膨出部438d)を備えており、
前記グランド側膨出部と前記被供給側膨出部とは、前記所定板面において並設されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
【0852】
特徴D3によれば、グランド側膨出部が所定板面から膨出していることにより、当該所定板面に対して不正用治具が近づけられた場合に当該不正用治具がグランド側膨出部と接触する可能性が高められている。被供給側膨出部が所定板面から膨出していることにより、当該所定板面に対して不正用治具が近づけられた場合に当該不正用治具が被供給側膨出部と接触する可能性が高められている。所定板面においてグランド側膨出部及び被供給側膨出部が並設されていることにより、当該所定板面に対して不正用治具が近づけられた場合に当該不正用治具がグランド側膨出部及び被供給側膨出部の両方と接触してグランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となる可能性が高められている。これにより、制御基板の所定板面に対して不正用治具を近づける不正行為が行われた場合に当該不正行為が見落とされてしまう可能性を低減することができる。
【0853】
特徴D4.前記グランド手段は、所定の範囲(主制御基板401,431の周縁部)に亘って連続させて形成され、その全体がグランドに接続されたグランド領域(第4及び第5の実施形態ではGNDライン405a~405d、第6の実施形態ではGNDライン435a~435d)を有していることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
【0854】
特徴D4によれば、グランド領域が所定の範囲に亘って連続的に形成されていることにより、当該グランド領域が断続的に形成されている構成と比較して、制御基板に対して導電性の不正用治具が近づけられた場合に当該不正用治具がグランド領域と接触する可能性を高めることができる。グランド領域の全体がグランドに接続されていることにより、不正用治具がグランド領域と電力被供給手段とに接触してグランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となった場合に、電力被供給手段に流れている電流量が減少している状態及び電力被供給手段における電圧が降下している状態の少なくとも一方を作り出すことができる。これにより、グランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となっていることを特定し易くすることができる。
【0855】
特徴D5.前記グランド手段は、前記グランド領域を通じてグランドに接続され、前記制御基板の板面から膨出したグランド側膨出部(第4及び第5の実施形態ではGND接触部407の半田膨出部407d、第6の実施形態ではGND接触部437の半田膨出部437d)を備え、
当該グランド側膨出部は、前記グランド領域に沿って断続的に複数設けられていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
【0856】
特徴D5によれば、グランド側膨出部が制御基板の板面から膨出していることにより、当該板面に対して近づけられた不正用治具がグランド側膨出部と接触する可能性が高められている。グランド側膨出部がグランド領域に沿って断続的に複数設けられていることにより、制御基板においてグランド側膨出部が設けられた板面に対して近づけられた不正用治具が当該複数のグランド側膨出部の少なくとも1つと接触する可能性が高められている。
【0857】
グランド側膨出部がグランド領域を通じてグランドに接続されていることにより、不正用治具がグランド側膨出部と電力被供給手段とに接触してグランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となった場合に、電力被供給手段に流れている電流量が減少している状態及び電力被供給手段における電圧が降下している状態の少なくとも一方を作り出すことができる。これにより、グランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となっていることを特定し易くすることができる。
【0858】
特徴D6.前記電力被供給手段は、特定の範囲(第4及び第5の実施形態では主制御基板401において不正検知ライン406a~406dが形成されている範囲、第6の実施形態では主制御基板431において不正検知ライン436a~436dが形成されている範囲)に亘って連続させて形成され、その全体に前記電力が供給される電力被供給領域(第4及び第5の実施形態では不正検知ライン406a~406d、第6の実施形態では不正検知ライン436a~436d)を有していることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
【0859】
特徴D6によれば、電力被供給領域が特定の範囲に亘って連続的に形成されていることにより、当該電力被供給領域が断続的に形成されている構成と比較して、制御基板に対して導電性の不正用治具が近づけられた場合に当該不正用治具が電力被供給領域と接触する可能性を高めることができる。電力被供給領域の全体に電力が供給されていることにより、不正用治具が電力被供給領域とグランド手段とに接触した場合には、不正用治具が電力被供給領域のいずれの場所に接触した場合であっても、電力被供給手段とグランド手段とが導通した状態として、電力被供給手段に流れている電流量が減少している状態及び電力被供給手段における電圧が降下している状態の少なくとも一方を作り出すことができる。これにより、グランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となっていることを特定し易くすることができる。
【0860】
特徴D7.前記電力被供給手段は、前記電力被供給領域を通じて前記電力が供給され、前記制御基板の板面から膨出した被供給側膨出部(第4及び第5の実施形態では不正検知接触部408の半田膨出部408d、第6の実施形態では不正検知接触部438の半田膨出部438d)を備え、
当該被供給側膨出部は、前記電力被供給領域に沿って断続的に複数設けられていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
【0861】
特徴D7によれば、被供給側膨出部が制御基板の板面から膨出していることにより、当該板面に対して近づけられた不正用治具が被供給側膨出部と接触する可能性が高められている。被供給側膨出部が電力被供給領域に沿って断続的に複数設けられていることにより、制御基板において被供給側膨出部が設けられた板面に対して近づけられた不正用治具が当該複数の被供給側膨出部の少なくとも1つと接触する可能性が高められている。
【0862】
被供給側膨出部に電力被供給領域を通じて電力が供給されていることにより、不正用治具が被供給側膨出部とグランド手段とに接触してグランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となった場合に、電力被供給手段に流れている電流量が減少している状態及び電力被供給手段における電圧が降下している状態の少なくとも一方を作り出すことができる。これにより、グランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となっていることを特定し易くすることができる。
【0863】
特徴D8.前記グランド手段及び前記電力被供給手段のそれぞれは、前記制御基板の板面における周縁部に沿って設けられていることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
【0864】
特徴D8によれば、制御基板に対して導電性の不正用冶具が当該制御基板の周縁部側から近づけられた場合に、当該不正用冶具が制御基板に搭載されている電子部品に接触するよりも前に当該不正用冶具によってグランド手段と電力被供給手段とが導通した状態を作り出すことができる。これにより、当該不正行為を早期に把握可能とすることができる。
【0865】
特徴D9.前記グランド手段及び前記電力被供給手段のそれぞれは、前記制御基板の板面における周縁部の全周に亘って設けられていることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
【0866】
特徴D9によれば、グランド手段及び電力被供給手段の少なくとも一方が制御基板の板面における一部の周縁部のみに設けられている構成と比較して、制御基板に対して導電性の不正用冶具が当該制御基板の周縁部側から近づけられた場合に、当該不正用冶具によってグランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となる可能性を高めることができる。これにより、当該不正行為を早期に把握可能とすることができる。
【0867】
特徴D10.前記グランド手段及び前記電力被供給手段のそれぞれは少なくとも、前記制御基板に搭載された各種電子部品と当該制御基板との半田による固定箇所が存在している板面(第4及び第5の実施形態における半田面401f、第6の実施形態における基板裏面431f)に設けられていることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
【0868】
特徴D10によれば、制御基板に搭載されている各種電子部品と制御基板との半田による固定箇所が存在している板面に対して導電性の不正用冶具が近づけられた場合に、当該不正用冶具によってグランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となる可能性を高めることができる。半田による当該固定箇所及びその周辺に対して導電性の不正用冶具を接触させる不正行為が行われた場合には、各種電子部品から送信される信号又は各種電子部品が受信する信号が不正に変更されてしまうおそれがある。これに対して、半田による当該固定箇所が存在している板面に導電性の不正用冶具を近づける不正行為を把握可能な構成であることにより、遊技ホールの管理者が気づかないところで当該不正行為が行われてしまう可能性が低減されている。
【0869】
特徴D11.前記導通対応手段は、前記制御基板に設けられた制御手段(第5の実施形態におけるMPU402)への動作電力の供給が停止されている状況において前記グランド手段と前記電力被供給手段とが導通した場合に前記特定状態となり、
本遊技機は、前記導通対応手段が前記特定状態であることに基づいて特定処理(ステップS1002における異常報知処理)を実行する手段(主側CPU64におけるステップS1001及びステップS1002の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
【0870】
特徴D11によれば、制御手段への動作電力の供給が停止されている状況において、制御基板に対して導電性の不正用冶具を近づける不正行為が行われ、当該不正用冶具によってグランド手段と電力被供給手段とが導通した状態となった場合には、特定処理が実行される。これにより、制御手段への動作電力の供給が停止されている状況において行われた不正行為も、特定処理が実行されたことに基づいて把握可能とすることができる。
【0871】
なお、特徴D1~D11の構成に対して、特徴A1~A18、特徴B1~B7、特徴C1~C14、特徴D1~D11、特徴E1~E7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0872】
上記特徴A群、上記特徴B群、上記特徴C群及び上記特徴D群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0873】
遊技機としてパチンコ機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ機は、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
【0874】
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
【0875】
これらの遊技機は、遊技の主たる制御を司る制御装置を備えており、当該制御装置は制御基板を備えている。制御基板は、プリント配線板にIC、抵抗及びコネクタなどの電子部品が実装されて構成されている。
【0876】
ここで、上記例示等のような遊技機においては、基板に搭載されている電子部品に対する不正行為を好適に抑制する必要があり、この点において未だ改良の余地がある。
【0877】
<特徴E群>
特徴E1.遊技に関する制御を行う制御手段(第7の実施形態におけるMPU452、第8の実施形態におけるMPU472)が搭載された制御基板(第7の実施形態における主制御基板451、第8の実施形態における主制御基板471)と、
当該制御基板に設けられた所定信号経路(第7の実施形態ではリセット信号配線464又は停電信号配線465、第8の実施形態ではリセット信号配線476又は停電信号配線477)を利用して前記制御手段に所定信号(リセット信号又は停電信号)を送信することが可能である信号送信手段(第7の実施形態では停電監視装置461、第8の実施形態では停電監視装置473)と、
を備え、
前記制御手段は、前記所定信号経路を通じた前記所定信号の受信状況が特定状況(リセット信号がHI状態からLOW状態に立ち下げられた状況、又は停電信号がHI状態からLOW状態に立ち下げられた状況)となったことに基づいて遊技を進行させるための処理(主側CPU64におけるメイン処理及びタイマ割込み処理)が実行されない状態となる構成であり、
前記制御基板は、前記所定信号経路が設けられた第1板面(第7の実施形態では主制御基板451の素子搭載面451aとは逆側の半田面、第8の実施形態では主制御基板471の素子搭載面471aとは逆側の基板裏面)とは逆側の板面である第2板面(第7の実施形態における素子搭載面451a、第8の実施形態における素子搭載面471a)における当該制御基板を挟んで前記所定信号経路とは逆側の領域に、前記第2板面側から前記所定信号経路に電気的なノイズが付加されることを抑制することが可能な抑制手段(第7の実施形態ではノイズ対策ベタ466、第8の実施形態ではノイズ対策ベタ485)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0878】
特徴E1によれば、制御手段は、所定信号の受信状況が特定状況となったことに基づいて遊技を進行させるための処理が実行されない状態となる。このため、所定信号に電気的なノイズの影響が及び、当該ノイズが原因となって所定信号の受信状況が特定状況となると、本来ならば遊技を進行させるべき状況において遊技を進行させるための処理が実行されない状態となってしまう。制御基板において、所定信号経路が設けられた第1板面とは逆側の板面である第2板面における当該制御基板を挟んで所定信号経路とは逆側の領域に抑制手段が設けられている。このため、当該抑制手段を挟んで所定信号経路とは逆側で電気的なノイズが発生した場合に、所定信号経路を利用して制御手段に送信される所定信号に、当該ノイズの影響が及ぶことを防止することができる。これにより、電気的なノイズが原因となって遊技を進行させるための処理が実行されない状態が発生することを防止することができる。
【0879】
特徴E2.前記抑制手段は、前記制御基板に形成され、グランドに接続された回路領域(第7の実施形態ではノイズ対策ベタ466、第8の実施形態ではノイズ対策ベタ485)であることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
【0880】
特徴E2によれば、制御基板において、所定信号経路が設けられた第1板面とは逆側の板面である第2板面における当該制御基板を挟んで所定信号経路とは逆側の領域に、抑制手段として、グラウンドに接続された回路領域が設けられている。このため、当該抑制手段を挟んで所定信号経路とは逆側で発生した電気的なノイズを所定信号経路の手前に存在する抑制手段で吸収してグラウンドに逃がすことができる。これにより、所定信号経路を利用して制御手段に送信される所定信号に電気的なノイズの影響が及んでしまうことを防止することができる。
【0881】
特徴E3.前記制御手段と前記制御基板との半田による固定箇所(第7の実施形態ではリセット信号受信端子462又は停電信号受信端子463、第8の実施形態ではリセット信号受信端子474又は停電信号受信端子475)が存在している板面が前記第1板面であることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
【0882】
特徴E3によれば、上記特徴E1の構成を備え、制御基板の第1板面に所定信号経路が設けられている構成において、制御手段と制御基板との半田による固定箇所が当該第1板面に存在している。このため、制御基板において信号送信手段が制御手段に対して所定信号を送信する信号経路の全体を第1板面に設けることができるとともに、制御基板において、第2板面における当該制御基板を挟んで当該信号経路の全体とは逆側の領域に、抑制手段が設けられている構成とすることができる。これにより、抑制手段を挟んで当該信号経路とは逆側で発生した電気的なノイズが当該信号経路に到達する前に、当該ノイズの発生源から見て当該信号経路よりも手前に存在する抑制手段によって、当該ノイズを遮断することができる。
【0883】
特徴E4.前記制御手段と前記制御基板との半田による固定箇所(第8の実施形態におけるリセット信号受信端子474又は停電信号受信端子475)が存在している板面が前記第2板面であり、
前記信号送信手段から前記制御手段に前記所定信号を送信することが可能である信号経路(第8の実施形態におけるリセット信号配線476又は停電信号配線477)は、
前記第2板面に設けられ、前記制御手段と前記制御基板との前記固定箇所を利用して前記制御手段と電気的に接続された特定信号経路(第8の実施形態におけるリセット側第3配線476c又は停電側第3配線477c)と、
前記制御基板を貫通させて設けられ、前記特定信号経路と前記所定信号経路とを導通させる導通経路(第8の実施形態におけるリセット側第2スルーホール482又は停電側第2スルーホール484)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
【0884】
特徴E4によれば、制御手段と制御基板との半田による固定箇所が第2板面に存在しており、信号送信手段から制御手段に送信される所定信号を伝送する信号経路として、第1板面の所定信号経路、制御手段と電気的に接続されている第2板面の特定信号経路、及び当該特定信号経路と所定信号経路とを導通させる導通経路が設けられている。上記特徴E1の構成を備え、制御基板において、第2板面における当該制御基板を挟んで所定信号経路とは逆側の領域に抑制手段が設けられている構成であり、抑制手段を挟んで所定信号経路とは逆側で発生した電気的なノイズの影響が所定信号経路に到達することが防止されている。このため、信号送信手段から制御手段に送信される所定信号を伝送する信号経路の全てが第2板面に設けられている構成と比較して、抑制手段を挟んで所定信号経路とは逆側で発生した電気的なノイズの影響が所定信号に及んでしまう可能性を低減することができる。
【0885】
特徴E5.前記制御手段は、前記制御基板において前記第2板面側に搭載されていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
【0886】
特徴E5によれば、上記特徴E1及び上記特徴E4の構成を備え、信号送信手段から制御手段に所定信号を送信する信号経路の一部である所定信号経路が第1板面に設けられているとともに、制御基板において、第2板面における当該制御基板を挟んで所定信号経路とは逆側の領域に抑制手段が設けられている構成である。このため、所定信号が所定信号経路によって伝送される間に当該所定信号に対して電気的なノイズの影響が及ぶ可能性が低減されている。よって、制御手段が第2板面側に搭載されている構成であっても、当該所定信号に電気的なノイズの影響が及ぶ可能性を低減することができる。
【0887】
特徴E6.前記信号送信手段は、動作電力が停電対応のものとなった場合に前記所定信号を送信するものであり、
前記特定状況は前記所定信号を受信している状況であり、
前記制御手段は、前記所定信号を受信したことに基づいてその後に動作を停止するための停電対応処理(停電情報記憶処理)を実行する手段(主側CPU64におけるステップS1101~ステップS1104の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
【0888】
特徴E6によれば、制御手段は、所定信号を受信したことに基づいて停電対応処理を実行する。動作電力の供給が完全に停止する前に停電対応処理を実行することにより、制御手段の動作を安全に終了させることができる。また、電源復帰後に、制御手段の動作を適切に開始させることができる。
【0889】
所定信号に電気的なノイズの影響が及び、当該ノイズが原因となって制御手段が特定状況となったことを誤って把握してしまうと、動作電力が停電対応のものとなっていないにもかかわらず、制御手段にて停電対応処理が実行されてしまう。これに対して、上記特徴E1の構成を備え、制御基板において、第2板面における当該制御基板を挟んで所定信号経路とは逆側の領域に抑制手段が設けられている構成であり、抑制手段を挟んで所定信号経路とは逆側で発生した電気的なノイズの影響が所定信号経路に到達することが防止されている。これにより、動作電力が停電対応のものとなっていないにもかかわらず、ノイズの影響を受けて、制御手段にて停電対応処理が実行されてしまうことを防止することができる。
【0890】
特徴E7.前記信号送信手段は、動作電力が停電対応のものとなった場合に前記所定信号の送信を停止するものであり、
前記特定状況は前記所定信号を受信していない状況であり、
前記制御手段は、前記所定信号を受信していない状況となったことに基づいて動作を停止することを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
【0891】
特徴E7によれば、制御手段は、所定信号を受信していない状況となったことに基づいて動作を停止する。これにより、動作電力の供給が停止される場合において、制御手段の動作を適切に停止させることができる。
【0892】
所定信号に電気的なノイズの影響が及び、当該ノイズが原因となって制御手段が所定信号を受信していない状況が発生してしまうと、動作電力が停電対応のものとなっていないにもかかわらず、制御手段の動作が停止してしまう。これに対して、上記特徴E1の構成を備え、制御基板において、第2板面における当該制御基板を挟んで所定信号経路とは逆側の領域に抑制手段が設けられている構成であり、抑制手段を挟んで所定信号経路とは逆側で発生した電気的なノイズの影響が所定信号経路に到達することが防止されている。これにより、動作電力が停電対応のものとなっていないにもかかわらず、ノイズの影響を受けて、制御手段の動作が停止してしまうことを防止することができる。
【0893】
なお、特徴E1~E7の構成に対して、特徴A1~A18、特徴B1~B7、特徴C1~C14、特徴D1~D11、特徴E1~E7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0894】
上記特徴E群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0895】
遊技機としてパチンコ機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ機は、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
【0896】
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
【0897】
これらの遊技機は、遊技の主たる制御を司る制御装置を備えており、当該制御装置は制御基板を備えている。制御基板は、プリント配線板にIC、抵抗及びコネクタなどの電子部品が実装されて構成されている。
【0898】
ここで、上記例示等のような遊技機においては、信号に対するノイズの影響を好適に抑制する必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0899】
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
【0900】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0901】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0902】
10…パチンコ機、42a…第1入賞口検知センサ、43a…第2入賞口検知センサ、44a…第3入賞口検知センサ、45a…特電検知センサ、46a…第1作動口検知センサ、47a…第2作動口検知センサ、49a…ゲート検知センサ、61…主制御基板、61e…素子搭載面、63…MPU、64…主側CPU、101~104…ハウジング、101b~104b…上側起立壁部、101c~104c…下側起立壁部、101h~104h…係止受部、111…一端側端子、111b~116b…固定部、112…他端側端子、113…端子、114…端子、115…一端側端子、116…他端側端子、121…表ケース体、122…裏ケース体、155a…コネクタ群対応板部、156~159…第1~第4コネクタ挿通孔、156a~159a…上側周縁部、156b~159b…下側周縁部、182…第2ガイド部、183…表側第1ケース固定ボス、184…表側第2ケース固定ボス、185…表側第3ケース固定ボス、186…裏側第1ケース固定ボス、187…裏側第2ケース固定ボス、188…裏側第3ケース固定ボス、232…表ケース体、233…コネクタカバー、234…裏ケース体、267a…コネクタ群対応板部、271~274…第1~第4コネクタ挿通孔、271a~274a…上側周縁部、271b~274b…下側周縁部、275~278…第1~第4カバー側挿通孔、306…第2ガイド部、311…基板ボックス、312…表ケース体、313…裏ケース体、314…コネクタ対応プレート、336~339…第1~第4プレート側挿通孔、361a…コネクタ群対応板部、362~365…第1~第4表側コネクタ挿通孔、362a~365a…上側周縁部、362b~365b…下側周縁部、391…表側第1ケース固定ボス、392…表側第2ケース固定ボス、393…表側第3ケース固定ボス、394…裏側第1ケース固定ボス、395…裏側第2ケース固定ボス、396…裏側第3ケース固定ボス、401…主制御基板、401f…半田面、402…MPU、405…GNDライン、405a~405d…GNDライン、406…不正検知ライン、406a~406d…不正検知ライン、407…GND接触部、407d…半田膨出部、408…不正検知接触部、408d…半田膨出部、431…主制御基板、431f…半田面、435…GNDライン、435a~435d…GNDライン、436…不正検知ライン、436a~436d…不正検知ライン、437…GND接触部、437d…半田膨出部、438…不正検知接触部、438d…半田膨出部、451…主制御基板、452…MPU、461…停電監視装置、462…リセット信号受信端子、463…停電信号受信端子、464…リセット信号配線、465…停電信号配線、466…ノイズ対策ベタ、471…主制御基板、472…MPU、473…停電監視装置、474…リセット信号受信端子、475…停電信号受信端子、476…リセット信号配線、476c…リセット側第3配線、477…停電信号配線、477c…停電側第3配線、482…リセット側第2スルーホール、484…停電側第2スルーホール、485…ノイズ対策ベタ、CN1~CN4…第1コネクタ~第4コネクタ。