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特開2022-19625コンデンサアレイ、および電子コンデンサをキャリア基板に接続するための方法
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  • 特開-コンデンサアレイ、および電子コンデンサをキャリア基板に接続するための方法 図1
  • 特開-コンデンサアレイ、および電子コンデンサをキャリア基板に接続するための方法 図2
  • 特開-コンデンサアレイ、および電子コンデンサをキャリア基板に接続するための方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019625
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】コンデンサアレイ、および電子コンデンサをキャリア基板に接続するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/06 20060101AFI20220120BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20220120BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20220120BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
H01G2/06 500
H05K1/18 J
H01G4/30 513
H01G4/30 201F
B23K1/00 330D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021115471
(22)【出願日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】10 2020 208 814.4
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161908
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 依子
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・バルツ
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
5E336
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
5E336AA04
5E336BB01
5E336BB02
5E336CC31
5E336CC53
5E336DD03
5E336EE03
5E336GG15
(57)【要約】
【課題】コンデンサアレイ、および電子コンデンサをキャリア基板に接続するための方法を提供すること。
【解決手段】電子コンデンサ(10)とキャリア基板(3)とを備えるコンデンサアレイ(1)であり、電子コンデンサ(10)の端子接点(12)がそれぞれはんだ接続部(15)を介してキャリア基板(3)の対応する接点領域(5)に電気的および機械的に接続され、個々のはんだ接続部(15)のスズはんだ(16)にスペーサ(14)が埋め込まれ、スペーサ(14)が電子コンデンサ(10)とキャリア基板(3)との間に生じる空隙(18)の幅を予め定める。電子コンデンサは多層セラミックコンデンサであり、セラミックコンデンサの各端子接点(12)の接触面が対応するスペーサの接触面に直接当接し、それにより生じる空隙の幅が多層セラミックコンデンサの圧電効果によって引き起こされる振動が減衰されて低減されるように予め定められる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子コンデンサ(10)とキャリア基板(3)とを備えるコンデンサアレイ(1)であって、
前記電子コンデンサ(10)の端子接点(12)がそれぞれ、はんだ接続部(15)を介して前記キャリア基板(3)の対応する接点領域(5)に電気的および機械的に接続され、個々の前記はんだ接続部(15)のスズはんだ(16)にスペーサ(14)がそれぞれ埋め込まれ、前記スペーサ(14)が、前記電子コンデンサ(10)と前記キャリア基板(3)との間に生じる空隙(18)の幅をあらかじめ定める、コンデンサアレイ(1)において、
前記電子コンデンサ(10)が、圧電効果を有する多層セラミックコンデンサ(10A)であり、前記セラミックコンデンサ(10A)のそれぞれの前記端子接点(12)の接触面(12.1)が、対応する前記スペーサ(14)の接触面(14.1)に直接当接し、それにより生じる前記空隙(18)の前記幅が、前記多層セラミックコンデンサ(10A)の前記圧電効果によって引き起こされる振動が減衰されて低減されるようにあらかじめ定められることを特徴とするコンデンサアレイ(1)。
【請求項2】
個々の前記スペーサ(14)は、前記多層セラミックコンデンサ(10)の対応する前記端子接点(12)の前記接触面(12.1)が当接する前記接触面(14.1)を除いて、対応する前記はんだ接続部(15)の前記スズはんだ(16)によって取り囲まれることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサアレイ(1)。
【請求項3】
前記スペーサ(14)が、使用される前記スズはんだ(16)の融点よりも高い融点を有する材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサアレイ(1)。
【請求項4】
前記スペーサ(14)が、はんだ付け可能な材料からなり、前記キャリア基板(3)の前記接点領域(5)にはんだ付けされることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のコンデンサアレイ(1)。
【請求項5】
前記スペーサ(14)が、はんだ付け可能な金属片(14A)として、または所定の厚さを有するはんだ付け可能な金属フレームとして形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のコンデンサアレイ(1)。
【請求項6】
電子コンデンサ(10)をキャリア基板(3)に接続するための方法(100)であって、
前記電子コンデンサ(10)の電気的な接触のために設けられる前記キャリア基板(3)の前記接点領域(5)にはんだペースト(7)を塗布するステップと、
前記キャリア基板(3)に前記電子コンデンサ(10)とスペーサ(14)とを取り付けるステップであって、前記スペーサ(14)が、前記電子コンデンサ(10)と前記キャリア基板(3)との間に生じる空隙(18)の幅をあらかじめ定める、ステップと、
はんだ付けプロセスで、前記電子コンデンサ(10)の端子接点(12)と前記キャリア基板(3)の対応する前記接点領域(5)との間にはんだ接続部(15)を生成するステップと、を含み、
前記スペーサ(14)が、前記はんだ接続部(15)のスズはんだ(16)に埋め込まれる、方法(100)において、
まず、前記キャリア基板(3)の前記接点領域(5)に前記はんだペースト(17)が塗布され、
前記はんだペースト(17)の前記塗布後、前記キャリア基板(3)に前記スペーサ(14)が取り付けられ、
前記スペーサ(14)の前記取付け後、圧電効果を有する多層セラミックコンデンサ(10A)が前記スペーサ(14)に当接され、前記多層セラミックコンデンサ(10A)の接触面(12.1)がそれぞれ、対応する前記スペーサ(14)の接触面(14.1)に直接当接し、
前記スペーサ(14)の厚さは、前記多層セラミックコンデンサ(10A)と前記キャリア基板(3)との間に生じる前記空隙(18)が、前記多層セラミックコンデンサ(10A)の前記圧電効果によって引き起こされる振動を減衰させて低減するようにあらかじめ定められることを特徴とする方法(100)。
【請求項7】
前記はんだ付けプロセスがリフローはんだ付けプロセスであることを特徴とする請求項6に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記スペーサ(14)が、前記接触面(14.1)を除いて、前記はんだ接続部(15)の前記スズはんだ(16)によって取り囲まれることを特徴とする請求項6または7に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記キャリア基板(3)の前記接点領域(5)の寸法および塗布される前記はんだペースト(17)の量が、前記空隙(18)の所望の幅に合うように調整されることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の前提部に記載のコンデンサアレイに関する。また、電子コンデンサをキャリア基板に接続するための方法も本発明の主題である。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、キャリア基板またはプリント回路板に配置され、電気回路または制御装置において様々な形で使用することができる多層セラミックコンデンサ(MLCC:Multi-Layer Ceramic Capacitor)が知られている。これらのセラミックコンデンサは、圧電効果の欠点を有することがある。すなわち、セラミックコンデンサは、材料特性および印加される交流電圧に応じて機械的に長さが変化することがある。それにより生じる振動は、周囲空気、またはキャリア基板もしくはプリント回路板に直接結合されて、音響障害およびマイクロメカニカルな障害を引き起こすことがある。
【0003】
米国特許第8,873,247号から、当技術分野の電子コンデンサアレイ、および電子コンデンサをキャリア基板に接続するための当技術分野の方法が知られている。このコンデンサアレイは、電子コンデンサとキャリア基板とを備え、電子コンデンサの端子接点はそれぞれ、はんだ接続部を介して、キャリア基板の対応する接点領域に電気的および機械的に接続される。個々のはんだ接続部のスズはんだにはそれぞれスペーサが埋め込まれ、スペーサは、カプセル化プロセスにおいて電子コンデンサとキャリア基板との間の空間に液状樹脂が流入して硬化することができるように、電子コンデンサとキャリア基板との間に生じる空隙の幅をあらかじめ定める。電子コンデンサをキャリア基板に接続するための方法では、まず、キャリア基板にスペーサが取り付けられる。このスペーサは、ワイヤボンディングマシンでワイヤからワイヤバンプとして製造され、ボンディング接続によってキャリア基板の接点領域に接続される。次いで、スペーサおよびキャリア基板の接点領域にはんだペーストが塗布される。はんだペーストの塗布後、キャリア基板に電子コンデンサが取り付けられ、はんだ付けプロセスで、電子コンデンサの端子接点とキャリア基板の対応する接点領域との間にはんだ接続部が生成され、スペーサは、はんだ接続部のスズはんだに完全に埋め込まれる。
【0004】
独国特許出願公開第10 2018 201 872号から、パワー半導体デバイスとセラミックコンデンサとを備える電力モジュールが知られている。パワー半導体デバイスは、第1のキャリア基板および第2のキャリア基板に電気的に接続される。セラミックコンデンサは、第1のキャリア基板と第2のキャリア基板との間隔を埋めるように、第1のキャリア基板および第2のキャリア基板に接続される。ここで、セラミックコンデンサの第1の端子接点は、第1のはんだ接合部によって第1のキャリア基板の第1の端子接点と電気的に接続される。セラミックコンデンサの第2の端子接点は、第2のはんだ接合部によって第2のキャリア基板の第2の端子接点と電気的に接続される。さらに、セラミックコンデンサの下面と第1のキャリア基板との間およびセラミックコンデンサの下面と第2のキャリア基板との間にはそれぞれスペーサが設けられ、これらのスペーサは、それぞれ第1の端子接点および第2の端子接点の近傍の位置に互いに平行に配置されて、はんだ接合部の外に配置される。スペーサは、例えばアルミニウムワイヤとして形成される。
【0005】
独国特許出願公開第197 38 399号から、電子素子をキャリア基板に接続するための方法が知られている。ここで、信号導通用のはんだバンプが設けられた少なくとも1つのフリップチップが、リフローはんだ付けステーションでキャリア基板の接触面にはんだ付けされ、キャリア基板と上記素子との間に、信号伝導部から絶縁されたさらなるはんだバンプがスペーサ要素として設けられ、このスペーサ要素によって、リフローはんだ付け中に上記素子がキャリア基板から所定の距離に保たれる。ここで、スペーサ要素を成すはんだバンプの製造に必要なはんだペーストがキャリア基板に直接塗布され、次いで、信号導通用のはんだバンプが設けられたフリップチップがキャリア基板に載置され、キャリア基板に面したフリップチップの面が、キャリア基板に塗布されたはんだペーストに対向し、その後のリフローはんだ付けステップで上記素子がキャリア基板にはんだ付けされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,873,247号
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2018 201 872号
【特許文献3】独国特許出願公開第197 38 399号
【発明の概要】
【0007】
独立請求項1の特徴を備えるコンデンサアレイの利点は、多層セラミックコンデンサ(MLCC:Multi-Layer Ceramic Capacitors)がキャリア基板またはプリント回路板に直接はんだ付けされるのではなく、多層セラミックコンデンサとキャリア基板との間のはんだ接続部にスペーサが導入され、スペーサが、多層セラミックコンデンサとキャリア基板との間の所定の空隙をあらかじめ定めることである。はんだ接続部およびスペーサによって画定されるこの空隙によって、圧電効果により多層セラミックコンデンサからキャリア基板またはプリント回路板に結合される機械的振動を減衰させて低減することができる。
【0008】
本発明の実施形態は、電子コンデンサとキャリア基板とを備えるコンデンサアレイであって、電子コンデンサの端子接点がそれぞれ、はんだ接続部を介してキャリア基板の対応する接点領域に電気的および機械的に接続される、コンデンサアレイを提供する。個々のはんだ接続部のスズはんだにはそれぞれスペーサが埋め込まれ、このスペーサは、電子コンデンサとキャリア基板との間に生じる空隙の幅をあらかじめ定める。ここで、電子コンデンサは、圧電効果を有する多層セラミックコンデンサであり、セラミックコンデンサのそれぞれの端子接点の接触面が、対応するスペーサ14の接触面に直接当接する。生じた空隙の幅は、多層セラミックコンデンサの圧電効果によって引き起こされる振動が減衰されて低減されるようにあらかじめ定められる。
【0009】
このスペーサにより、多層セラミックコンデンサに特別な端子接点は必要なく、したがって低コストの標準的な部品を引き続き使用することができる。さらに、スペーサの取付けには、既存の製造設備を使用することができる。追加コストは、取付け時間とスペーサの材料のみである。
【0010】
さらに、電子コンデンサをキャリア基板に接続するための方法であって、電子コンデンサの電気的な接触のために設けられるキャリア基板の接点領域にはんだペーストを塗布するステップと、キャリア基板に電子コンデンサとスペーサとを取り付けるステップであって、スペーサが、電子コンデンサとキャリア基板との間に生じる空隙の幅をあらかじめ定める、ステップと、電子コンデンサの端子接点とキャリア基板の対応する接点領域との間にはんだ付けプロセスではんだ接続部を生成するステップと、を含み、スペーサが、はんだ接続部のスズはんだに埋め込まれる、方法が提案される。ここで、まず、キャリア基板の接点領域にはんだペーストが塗布される。はんだペーストの塗布後、キャリア基板にスペーサが取り付けられる。スペーサの取付け後、圧電効果を有する多層セラミックコンデンサがスペーサに当接され、多層セラミックコンデンサの接触面がそれぞれ、対応するスペーサの接触面に直接当接し、スペーサの厚さは、多層セラミックコンデンサとキャリア基板との間に生じる空隙が、多層セラミックコンデンサの圧電効果によって引き起こされる振動を減衰させて低減するようにあらかじめ定められる。
【0011】
従属請求項に記載された手段および発展形態によって、独立請求項1に提示されるコンデンサアレイおよび独立請求項5に提示される電子コンデンサをキャリア基板に接続するための方法の有利な改良が可能である。
【0012】
特に有利には、個々のスペーサは、多層セラミックコンデンサの対応する端子接点の接触面に当接する接触面を除いて、対応するはんだ接続部のスズはんだによって取り囲むことができる。すなわち、多層セラミックコンデンサの端子接点の接触面とスペーサの接触面との間には、スズはんだが配置されない。
【0013】
コンデンサアレイの有利な形態では、スペーサは、使用されるスズはんだの融点よりも高い融点を有する材料からなっていてよい。それにより、はんだ付けプロセス中にスペーサの形状が保たれ、はんだペーストが、毛管作用により多層セラミックコンデンサの端子接点の接触面までの間隔を埋め、それにより多層セラミックコンデンサの端子接点の接触面とキャリア基板またはプリント回路板の接点領域との間に所望のはんだ接続部を形成することができる。
【0014】
コンデンサアレイのさらなる有利な形態では、スペーサは、銅などのはんだ付け可能な材料からなり、キャリア基板の接点領域にはんだ付けすることができる。さらに、スペーサにスズめっきをする、および/またはフラックスを被覆することができ、それにより、好ましくはスペーサの表面全体が電気的および機械的な接点を成すことができる。
【0015】
コンデンサアレイのさらなる有利な形態では、スペーサは、例えば、はんだ付け可能な金属片として、または所定の厚さを有するはんだ付け可能な金属フレームとして形成することができる。これにより、既存の従来の製造設備で特に簡単にスペーサを取り付けることができる。金属フレームとしての設計により、取り囲まれた開口部も通ってスズはんだが上昇し、キャリア基板の接点領域と多層セラミックコンデンサの対応する端子接点の接触面との間の電気的および機械的接続を向上させることができるようになる。
【0016】
本発明による方法のさらなる有利な形態では、はんだ付けプロセスは、リフローはんだ付けプロセスでよい。これにより、既存のリフローはんだ付け装置を使用することができる。
【0017】
本発明による方法のさらなる有利な形態では、個々のスペーサは、接触面を除いて、はんだ接続部のスズはんだによって取り囲むことができる。
本発明による方法のさらなる有利な構成では、キャリア基板の接点領域の寸法および塗布されるはんだペーストの量を、空隙の所望の幅に合わせて調整することができる。それにより、多層セラミックコンデンサとキャリア基板またはプリント回路板との間の空隙に関する様々な幅を実現することができる。
【0018】
本発明の例示的実施形態を図面に示し、本明細書で以下により詳細に述べる。図面中、同一の参照符号は、同一または同様の機能を実施する構成要素または素子を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明によるコンデンサアレイの例示的実施形態の概略断面図である。
図2】電子コンデンサをキャリア基板に接続するための本発明による方法の例示的実施形態の概略流れ図である。
図3図1の本発明によるコンデンサアレイの、はんだ付けプロセス前の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1および2から分かるように、図示した本発明によるコンデンサアレイ1の例示的実施形態は、電子コンデンサ10とキャリア基板3とを備える。電子コンデンサ10の端子接点12は、それぞれ、はんだ接続部15を介してキャリア基板3の対応する接点領域5に電気的および機械的に接続され、個々のはんだ接続部15のスズはんだ16にはそれぞれスペーサ14が埋め込まれ、スペーサ14は、電子コンデンサ10とキャリア基板3との間に生じる空隙18の幅をあらかじめ定める。ここで、電子コンデンサ10は、圧電効果を有する多層セラミックコンデンサ10Aであり、セラミックコンデンサ10Aのそれぞれの端子接点12の接触面12.1が、対応するスペーサ14の接触面14.1に直接当接する。生じる空隙18の幅は、多層セラミックコンデンサ10Aの圧電効果によって引き起こされる振動が減衰されて低減されるようにあらかじめ定められる。
【0021】
図1および2からさらに分かるように、多層セラミックコンデンサ10Aは、接触面12.1を有する端子接点12を各端部に備え、接触面12.1はそれぞれ、キャリア基板3の接触面5Aとして形成された対応する接点領域5に面している。図示した例示的実施形態では、キャリア基板はプリント回路板(PCB:Printed Circuit Board)として形成されている。
【0022】
図1からさらに分かるように、個々のスペーサ14は、多層セラミックコンデンサ10の対応する端子接点12の接触面12.1に当接する接触面14.1を除いて、対応するはんだ接続部15のスズはんだ16によって取り囲まれる。スペーサ14はそれぞれ、使用されるスズはんだ16の融点よりも高い融点を有する材料からなる。図示した例示的実施形態では、スペーサ14はそれぞれ、所定の厚さを有するはんだ付け可能な金属片14Aとして形成され、キャリア基板3の接点領域5にはんだ付けされ、それによりスペーサ14とキャリア基板3の接点領域5との間にスズはんだ16が配置され、このスズはんだ16が、スペーサ14を接点領域5に電気的および機械的に接続する。図示した例示的実施形態では、金属片14Aは、角が丸い長方形の基本形状を有する。代替として、金属片14Aは、円形状を有することもできる。当然、スペーサ14は、アルミニウム、銀、および金など、別のはんだ付け可能な材料で製造することもでき、または適切な表面被覆を施すこともできる。さらに、はんだ付け工程を改良するために、スペーサ14にスズめっきを施すこともでき、および/またはスズはんだの濡れ性を向上させるフラックスを被覆することもできる。図示していない代替の例示的実施形態では、スペーサ14は、所定の厚さを有する金属フレームとして形成される。
【0023】
図2からさらに分かるように、図示した例示的実施形態では、電子コンデンサ10をキャリア基板3に接続するための方法100は、電子コンデンサ10を電気的に接触させるために設けられたキャリア基板3の接点領域5にはんだペースト17を塗布するステップS100を含む。はんだペースト17の塗布後、ステップS110で、スペーサ14がはんだペースト17に当接され、少し押し込まれることによって、キャリア基板3にスペーサ14が取り付けられる。スペーサ14は、電子コンデンサ10とキャリア基板3との間に生じる空隙18の幅をあらかじめ定める。スペーサ14の取付け後、ステップS120で、圧電効果を有する多層セラミックコンデンサ10Aがスペーサ14に当接され、多層セラミックコンデンサ10Aの端子接点12の接触面12.1が、対応するスペーサ14の接触面14.1にそれぞれ直接当接する。ステップS130で、はんだ付けプロセスにおいて、電子コンデンサ10の端子接点12とキャリア基板3の対応する接点領域5との間にはんだ接続部15が生成され、スペーサ14がはんだ接続部15のスズはんだ16に埋め込まれ、スペーサ14の厚さは、多層セラミックコンデンサ10Aとキャリア基板3との間に生じる空隙18が、多層セラミックコンデンサ10Aの圧電効果によって引き起こされる振動を減衰させて低減するようにあらかじめ定められる。図3は、ステップS120後の、ステップS130でのはんだ付けプロセスの前のコンデンサアレイ1を示す。
【0024】
スペーサ14は、はんだ付けプロセス中、その高い融点によりその形状を保ち、はんだペースト17または液状スズはんだ16は、はんだ付けプロセス中、毛管作用により、キャリア基板3の接触面5Aと多層セラミックコンデンサ10Aの端子接点12の接触面12.1との間の間隔を埋め、したがって、はんだ接続部15が硬化した状態では、スペーサ14は、その接触面14.1を除いて、はんだ接続部15のスズはんだ16によって取り囲まれる。図示した例示的実施形態では、はんだ付けプロセスはリフローはんだ付けプロセスである。
【0025】
多層セラミックコンデンサ10Aとキャリア基板3との間の距離または空隙18が拡大される場合、キャリア基板3のより広い接点領域5にわたってより多量のはんだペースト17を塗布することができ、それにより、はんだ接合部15が、多層セラミックコンデンサ10Aとキャリア基板3との間のより大きな間隔を埋めることができる。したがって、キャリア基板3の接点領域5の寸法および塗布されるはんだペースト17の量を、空隙18の所望の幅に合わせて調整することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 コンデンサアレイ
3 キャリア基板
5 接点領域
10 電子コンデンサ
10A 多層セラミックコンデンサ
12 端子接点
12.1 接触面
14 スペーサ
14.1 接触面
15 はんだ接続部
16 スズはんだ
18 空隙
図1
図2
図3
【外国語明細書】