(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019964
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】人工心臓弁送達システム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20220120BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
A61F2/24
A61M25/00 540
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197038
(22)【出願日】2021-12-03
(62)【分割の表示】P 2020537229の分割
【原出願日】2019-01-04
(31)【優先権主張番号】62/614,488
(32)【優先日】2018-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520355389
【氏名又は名称】ジェイシー メディカル、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ、ブランドン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、チェン ヨン
(57)【要約】
【課題】弁プロテーゼ、弁プロテーゼを送達するためのシステム、及び関連の方法を提供する。
【解決手段】システムは、コア部材と、コア部材に沿って弁プロテーゼの半径方向に膨張可能な弁アンカーに解放可能に係合するための係合メカニズムとを含むことが可能である。係合メカニズムは、コア部材にスライド可能に連結されているピン・アッセンブリと、ロック・コンポーネントを含むノーズ・コーンとを含むことが可能であり、ロック・コンポーネントは、コア部材に沿ってスライド可能に連結されており、弁アンカーがピン・アッセンブリから解除することを許容する。
【選択図】
図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、前記システムは、
近位端部部分、遠位端部部分、及び、前記近位端部部分と前記遠位端部部分との間に延在する長手方向軸線を有する、コア部材と、
前記弁プロテーゼに解放可能に係合するために前記コア部材の前記遠位端部部分に連結されている係合メカニズムと、
を含み、
前記係合メカニズムは、
ピン・アッセンブリであって、前記ピン・アッセンブリは、前記コア部材に連結されており、前記コア部材に沿って移動可能であり、前記ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び少なくとも1つのピンを含み、前記少なくとも1つのピンは、前記環状コンポーネントに連結されており、前記遠位端部部分から離れる方向に延在しており、前記少なくとも1つのピンは、前記コア部材から半径方向に間隔を離して配置されている、ピン・アッセンブリ、並びに、
前記環状コンポーネントの近位において前記コア部材に連結されているロック・コンポーネントであって、前記ロック・コンポーネントは、少なくとも1つのロック・アパーチャーを含み、前記少なくとも1つのロック・アパーチャーは、前記少なくとも1つのピンがそれを通って延在することを許容するように構成されており、前記ロック・コンポーネント及び前記ピン・アッセンブリは、前記弁プロテーゼの一部分に係合するために、前記ロック・コンポーネントと前記ピン・アッセンブリとの間に係合領域を集合的に形成している、ロック・コンポーネント
を含み、
前記ピン・アッセンブリは、前記コア部材及び前記ロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であり、前記係合領域から外へ前記少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、前記弁プロテーゼの前記一部分から前記ピン・アッセンブリを係合解除し、
前記システムは、
ルーメンであって、その中に前記ピン・アッセンブリ及び前記弁プロテーゼを係合された構成で収納するように構成されたルーメンを有するシースと、
前記ロック・コンポーネントに連結されている遠位コーン・コンポーネントであって、前記コア部材に対して前記ロック・コンポーネントを連結するように、前記コア部材に固定して連結されている遠位コーン・コンポーネントと
を含む、送達システム。
【請求項2】
前記ピン・アッセンブリの前記環状コンポーネントは、円筒形状のピストン部材を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ピストン部材は、対向する近位プレート及び遠位プレートを含み、前記近位プレートは、少なくとも1つのアパーチャーを含み、前記少なくとも1つのピンは、前記少なくとも1つのアパーチャーを通って延在しており、前記少なくとも1つのピンの一部分は、前記近位プレートと前記遠位プレートとの間に間置及び係合されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントをさらに含み、前記チューブ状コンポーネントの前記遠位セクションは、前記ピン・アッセンブリの前記環状コンポーネントに連結されている、請求項1~3の何れか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、前記ピン・アッセンブリ及び前記ロック・コンポーネントの近位にプッシャー部材をさらに含み、前記プッシャー部材は、前記コア部材に連結されており、前記コア部材に沿ってスライド可能であり、前記プッシャー部材は、前記弁プロテーゼの前記一部分を係合解除するために、前記係合領域から外へ前記少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、前記ロック・コンポーネントに対して前記少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、前記ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されている、請求項1~4の何れか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記プッシャー部材は、近位平坦面及び円錐状の遠位面を有する円錐状の形状を含み、前記円錐状の遠位面は、前記ピン・アッセンブリに接触するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ピン・アッセンブリは、チューブ状コンポーネントを含み、前記チューブ状コンポーネントは、前記ピン・アッセンブリに連結されており、前記ピン・アッセンブリと前記プッシャー部材との間に近位に延在しており、前記プッシャー部材は、前記ピン・アッセンブリを遠位方向に促すために、前記チューブ状コンポーネントの近位端部部分に接触するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記チューブ状コンポーネントは、前記ロック・コンポーネントの近位の位置へ前記ロック・コンポーネントを通って近位に延在している、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、前記遠位部分は、前記遠位コーン・コンポーネントに連結されており、前記近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、前記近位部分の前記ルーメンは、前記コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときに前記チューブ状コンポーネントがそれらの間に延在することを許容する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、前記遠位部分は、前記遠位コーン・コンポーネントに連結されており、前記近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、前記近位部分の前記ルーメンは、前記コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときに前記ピン・アッセンブリがそれらの間に延在することを許容する、請求項1~8の何れか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記ロック・コンポーネント及び前記遠位コーン・コンポーネントは、一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成しており、前記ピン・アッセンブリは、前記キャビティーの中に少なくとも部分的に配設されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ロック・コンポーネントは、第1のキャビティー領域を含み、前記遠位コーン・コンポーネントは、第2のキャビティー領域を含み、前記第1及び第2のキャビティー領域は、前記ロック・コンポーネント及び前記遠位コーン・コンポーネントが一緒に連結されているときに、前記キャビティーを集合的に形成する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記弁プロテーゼは、少なくとも1つのアンカー固定レッグを有する弁アンカーを含み、前記少なくとも1つのアンカー固定レッグは、前記少なくとも1つのピンと係合するために、それを通して配設された接続アパーチャーを含む、請求項1~12の何れか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記弁アンカーは、3つのアンカー固定レッグを含み、前記ピン・アッセンブリは、前記弁アンカーのそれぞれのアンカー固定レッグに係合するための3つのピンを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ピン・アッセンブリは、複数のピンを含み、前記ロック・コンポーネントは、前記複数のピンのうちの1つにそれぞれ対応する複数のロック・アパーチャーを含む、請求項1~14の何れか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年1月7日に出願された米国仮出願第62/614,488号の優先権の利益を主張し、その全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本明細書で説明されている本主題は、人工心臓弁送達システム、及び、静脈系を通した弁の経カテーテル送達のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
人工心臓弁は、損傷を受けた又は疾患のある心臓弁を交換するために使用されている。脊椎動物において、心臓は、4つのポンプ室(それ自身の一方向弁をそれぞれ設けられた左心房、右心房、左心室、及び右心室)を備えた筋肉性の臓器である。自然の心臓弁は、大動脈弁、僧帽弁(又は、二尖弁)、三尖弁、及び肺動脈弁として識別される。人工心臓弁は、これらの自然に存在する弁のいずれかを交換するために使用され得るが、大動脈弁又は僧帽弁の修復又は交換が、より一般的である。その理由は、それらが圧力が最大になる心臓の左側に存在しているからである。
【0004】
従来の心臓弁交換外科手術は、胸部の中の長手方向の切開部を通して患者の胸腔の中の心臓にアクセスすることを伴う。たとえば、胸骨正中切開術は、胸骨を通してカットすること、及び、胸郭の2つの対向する半分を強制的に広げて離すことを必要とし、胸腔及びその中の心臓へのアクセスを可能にする。次いで、患者は、心肺バイパスの上に設置され、それは、内部室へのアクセスを許容するために心臓を停止することを伴う。そのような心臓切開外科手術は、とりわけ侵襲的であり、非常に長くて困難な回復期間を伴う。
【0005】
大動脈弁の経皮的な送達が、最近、外科的な弁交換に対する前途有望な代替例として出現した。現在では、経カテーテル植え込みが、自然の大動脈弁への逆行性のアクセスを伴う経大腿経路によって達成されている。この最小侵襲性の大動脈弁交換は、入院期間の減少、胸骨創部合併症の低減、外科的な外傷の低減、及び美容術の改善を結果として生じさせた。大腿動脈を通した経カテーテル送達の成功にかかわらず、特に高齢者世代において、重大な欠点が存在しており、高齢者世代は、最小侵襲性の手技から大いに利益を受ける世代である。
【0006】
ある患者においては、動脈の直径が、あまりにも小さ過ぎ、プラークの蓄積及び以前に植え込まれたステントの存在に起因して、送達システムの通過に安全に対処することができない。経カテーテル手技の間にプラーク物質を取り除くことは、脳卒中のリスクをもたらす塞栓の発生を結果として生じさせる可能性がある。したがって、静脈系を通した弁プロテーゼの経カテーテル送達を可能にするために、追加的なシステムを考案することが望ましく、それは、一般的に、より大きい内径を有しており、コンパクトな送達システムをより良好に収容することが可能である。
【0007】
関連技術の先述の実例、及び、それと関連した制限は、例示目的のものであることが意図されており、排他的であることは意図されていない。関連技術の他の制限は、明細書を読むと、及び、図面の検討をすると、当業者に明らかになることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第62/614,488号
【特許文献2】国際出願第 号
【特許文献3】国際出願第 号
【特許文献4】米国特許出願第62/614,489号
【特許文献5】米国特許出願第62/756,556号
【特許文献6】米国特許出願第62/781,537号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
下記に説明及び図示されている以下の態様及びそのいくつかの実施例は、例示的なもの及び例示目的のものであることを意味しており、範囲を限定するものを意味していない。
【0010】
心臓への弁プロテーゼの経カテーテル送達は、従来、大静脈を通る、及び、心臓の室を通る送達を伴う。心臓の構造に起因して、そのような送達は、周囲の組織又はシステム自身に損傷を与えることなく、システム・カテーテルが急なターンを操縦することができることを必要とする。下記に説明されているのは、人工弁送達システム、弁プロテーゼ、及び、それを使用する方法であり、それは、低減された直径に加えて、そのような経カテーテル送達のためのフレキシビリティーの増加を提供し、それは、経カテーテル送達を可能にする。さらに、そのようなシステム、弁プロテーゼ、及び方法は、臨床医が弁プロテーゼの膨張、設置、及び解放をより容易に制御することを許容する。さらに、いくつかの実施例は、半径方向にコンパクトな送達構成で送達され得るシステム及び弁プロテーゼを提供し、それは、本明細書で説明されているように、従来のシステム及びデバイスを上回る多数の利点を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書で開示されているいくつかの実施例は、弁プロテーゼを送達するための送達システムを提供する。弁プロテーゼは、半径方向に膨張可能な弁アンカーと、弁アンカーの中に位置決め可能なサポート・フレームと、サポート・フレームに連結されている複数の弁尖とを含むことが可能である。送達システムは、コア部材と、弁アンカーに解放可能に係合するための係合メカニズムとを含むことが可能である。係合メカニズムは、随意的に、コア部材にスライド可能に連結され得る。係合メカニズムは、ロック・コンポーネントと係合することが可能であり、ロック・コンポーネントは、随意的に、コア部材に沿ってスライド可能に連結され得る。したがって、いくつかの実施例では、係合メカニズムは、コア部材に対して変位又は移動させられ、弁プロテーゼの1つ又は複数の特徴に解放可能に係合することが可能である。係合メカニズムは、弁アンカーの1つ又は複数の態様が、サポート・フレームの1つ又は複数の隣接する態様の膨張を半径方向に制限しながら、又は、それと係合しながら、半径方向に膨張することを許容することが可能である。
【0012】
たとえば、いくつかの実施例では、送達システムは、弁アンカーの1つ若しくは複数のU字形状の部材、アンカー固定部材、弁クラスパー、洞ロケーター(sinus locator)、弁ポジショナー、又は弁ハンガーから解除されている間に、係合メカニズムによって弁アンカーの1つ又は複数のアンカー固定レッグに係合することが可能である。U字形状の部材は、ベース部分をそれぞれ含むことが可能であり、ベース部分は、自然の大動脈弁の大動脈洞(後大動脈洞、左大動脈洞、及び/又は右大動脈洞を含む)などのような、自然の弁構造体の特定の態様と係合するために使用され得る。ベース部分は、丸みを帯びた又は非外傷性の形状を有することが可能であり、それは、ベース部分が弁のそれぞれの洞の中へ膨張及びフィットさせられることを許容する。したがって、いくつかの実施例では、送達システムは、U字形状の部材のベース部分が1つ又は複数のアンカー固定レッグに対して膨張している間に、弁アンカーの1つ又は複数のアンカー固定レッグに係合することが可能であり、それによって、臨床医が自然の弁構造体に対してベース部分を操作するか又は移動させ、自然の弁構造体に対して弁アンカーを適正に着座させることを可能にする。
【0013】
いくつかの実施例では、ベース部分及びアンカー固定レッグは、弁アンカーに沿って長手方向に延在することが可能である。たとえば、弁アンカーは、3つのベース部分及び3つのアンカー固定レッグを含むことが可能である。アンカー固定レッグのそれぞれは、それぞれのベース部分と相互接続され、それぞれのベース部分同士の間に交互に間置され得る。アンカー固定レッグの第1の端部セクションは、ベース部分のそれぞれの第1の端部セクションと相互接続され得る。さらに、アンカー固定レッグの第2の端部セクションは、係合メカニズムを使用して送達システムに解放可能に連結可能であり得、一方、U字形状の部材(又は、ベース部分)の第2の端部セクションは、アンカー固定レッグの第2の端部セクションから独立して移動することが可能である(すなわち、アンカー固定レッグの第2の端部セクションは、送達システムに連結され得、U字形状の部材のベース部分は、アンカー固定レッグの係合されている第2の端部セクションに対して膨張することが可能である)。
【0014】
随意的に、いくつかの実施例では、U字形状の部材の第2の端部セクション又はベース部分は、シースを使用して、圧縮された構成で維持され得る。たとえば、シースは、弁アンカーの上方にスライド可能に位置決めされ得、弁アンカーのU字形状の部材がアンカー固定レッグに対して膨張することを許容するために後退可能であり得る。その後に、臨床医は、U字形状の部材のベース部分を自然の弁構造体に対して適切な位置へと操縦することが可能である。ベース部分が自然の弁構造体に対して(たとえば、所望の最終的な位置に)適正に位置決めされると、アンカー固定レッグは解除され得、それによって、弁アンカーが完全に膨張すること及び送達システムから解放されることを許容する。弁アンカーが自然の弁構造体に対して着座又は位置決めされると、サポート・フレームは、弁アンカーのルーメンの中を長手方向に位置決めされ、膨張させられ、解放され、弁アンカーと係合した状態になることが可能である。送達システム、弁アンカー、並びに、弁プロテーゼを組み立てる及び送達する方法の他の特徴及びステップが、本明細書でさらに議論されている。
【0015】
いくつかの実施例によれば、係合メカニズムは、ピン・アッセンブリを含むことが可能である。ピン・アッセンブリは、(i)現在の近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントと、(ii)遠位セクションに連結されている少なくとも1つのピンとを含むことが可能である。ピンは、遠位セクションから近位セクションに向けて近位に延在することが可能であり、チューブ状コンポーネントから半径方向に間隔を離して配置され得る。
【0016】
いくつかの実施例では、ロック・コンポーネントは、(i)チューブ状コンポーネント遠位セクションの近位に少なくとも1つのロック・アパーチャーを含むことが可能であり、(ii)少なくとも1つのピンがそれを通って延在することを許容するように構成され得る。
【0017】
随意的に、弁アンカーは、少なくとも1つのアンカー固定レッグを含むことが可能である。アンカー固定レッグは、接続アパーチャーを備えたカップリング部分を有することが可能であり、接続アパーチャーは、カップリング部分を通して配設されており、係合メカニズムがアンカー固定レッグに係合することを許容する。
【0018】
たとえば、係合された構成において、チューブ状コンポーネント遠位セクションは、ロック・コンポーネントから第1の距離において軸線方向に間隔を離して配置され得、少なくとも1つのピンがアンカー固定レッグの接続アパーチャー及びロック・コンポーネント・ロック・アパーチャーを通って延在し、弁アンカー・レッグを係合メカニズムと相互接続することを許容する。したがって、係合された位置において、アンカー固定レッグは、ピンと係合され得、チューブ状コンポーネント遠位セクションとロック・コンポーネントとの間に間置され得る。解放された構成において、チューブ状コンポーネント遠位セクションは、ロック・コンポーネントから第1の距離よりも大きい第2の距離において軸線方向に間隔を離して配置され得、少なくとも1つのピンをロック・アパーチャーの外側に位置決めし又は解放し、アンカー固定レッグが少なくとも1つのピンから解除することを許容する。
【0019】
いくつかの実施例によれば、被検者の血管の中のターゲット場所へ弁プロテーゼを送達するための方法は、血管の中へ送達システムを導入し、ターゲット場所に弁アンカーを位置決めすることを含むことが可能である。送達システムのシースは、近位に後退させられ得、自然の弁構造体に対して弁アンカーを位置決めするために、弁アンカーのU字形状の部材がターゲット場所において膨張することを許容する。U字形状の部材のベース部分がそれぞれの弁洞の中に係合又は着座させられると、たとえば、弁アンカーのアンカー固定レッグが解放され得、弁アンカーが自然の弁構造体の中に完全に膨張することを許容する。その後に、弁プロテーゼのサポート・フレームは、弁アンカーのルーメンの中に位置決めされ、膨張させられ、弁アンカーと係合され得る。送達システムは、その後に、患者から除去され得る。
【0020】
随意的に、弁アンカーは、送達システムの係合メカニズムを解除することによって解放され得る。たとえば、係合メカニズムは、弁アンカーの1つ又は複数のアンカー固定レッグと係合するピン・アッセンブリを含むことが可能である。ピン・アッセンブリは、ロック・ピン・キャリアを含むことが可能であり、ロック・ピン・キャリアは、複数のピンに連結されている。係合メカニズムを解除するために、ロック・ピン・キャリアは、ロック・アクティベーターによって接触され得、アンカー固定レッグに対してロック・ピン・キャリアを移動させるようになっており、アンカー固定レッグとの係合から外れるようにピンをスライドさせるようになっている。ロック・ピン・キャリアは、送達システムのコア部材に沿って及びそれに対してスライドすることが可能である。
【0021】
いくつかの実施例では、送達システムは、係合エリア及び複数のアパーチャーを有するノーズ・コーンを含むことが可能であり、ピンは、複数のアパーチャーを通って延在することが可能であり、弁アンカーのアンカー固定レッグが係合エリアの中に係合及び抑制されることを許容する。
【0022】
随意的に、ロック・ピン・キャリアは、ノーズ・コーンのキャビティーの中に少なくとも部分的に配設され得、係合エリアの中へ又は係合エリアから外へピンを移動させるために、その中をスライドすることが可能である。たとえば、ロック・アクティベーターがロック・ピン・キャリアに接触するときに、ロック・ピン・キャリアは、ノーズ・コーンの係合エリアに対して遠位に前進させられ得、それによって、係合エリアからピンを引き出し、弁アンカーのアンカー固定レッグからピンを解除する。
【0023】
したがって、係合メカニズムの移動が弁アンカーのアンカー固定レッグからの送達システムの解除を引き起こすことが可能であり、それによって、送達システムからの弁アンカーの解放を許容する、さまざまな実施例が提供され得る。
【0024】
本デバイス及び方法などの追加的な実施例は、以下の説明、図面、実例、及び特許請求の範囲から明らかになることとなる。先述の及び以下の説明から認識され得るように、本明細書で説明されているそれぞれの及びすべての特徴、並びに、そのような特徴の2つ以上のそれぞれの及びすべての組み合わせが、そのような組み合わせの中に含まれる特徴が相互に矛盾しないという条件で、本開示の範囲の中に含まれている。加えて、任意の特徴又は特徴の組み合わせは、具体的には、本開示の任意の実施例から除外又は省略され得る。本開示の追加的な態様及び利点は、とりわけ、添付の実例及び図面とともに考慮されるときに、以下の説明及び特許請求の範囲の中に記述されている。
【0025】
主題の技術の追加的な特徴及び利点は、下記の説明の中に記述されることとなり、また、部分的に説明から明らかになることとなり、又は、主題の技術の実践から学習され得る。主題の技術の利点は、とりわけ、書面による説明及びその実施例、並びに、添付の図面の中で指摘されている構造体によって現実化及び取得されることとなる。
【0026】
本開示の中で議論されている弁プロテーゼ、送達デバイス、作動ハンドル、他のデバイス、システム、及び方法とともに実装され得る、弁プロテーゼ、送達デバイス、作動ハンドル、他のデバイス、システム、及び方法の特定の特徴は、たとえば、Ji Zhang、Brandon G. Walsh、Cheng Yong Yang、Jinhua Zhu、及びDennis Michael McMahonによって2019年1月4日に出願された「HEART VALVE PROSTHESIS」という表題の国際出願第 号(整理番号:122271-5044)、並びに、Ji Zhang、Brandon G. Walsh、及びCheng Yong Yangによって2019年1月4日に出願された「PROSTHETIC HEART VALVE DELIVERY SYSTEM」という表題の国際出願第 号(整理番号:122271-5048)に説明されている弁プロテーゼ、送達デバイス、作動ハンドル、他のデバイス、システム、及び方法の他の特徴を実装することが可能であり、及び/又は、それらと組み合わせて使用され得、それらの文献のそれぞれの全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0027】
先述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的で説明的なものであり、主題の技術のさらなる説明を提供することが意図されているということが理解されるべきである。
【0028】
以下の図は、本開示の特定の態様を図示するために含まれており、排他的な実施例として見られるべきではない。開示されている主題は、本開示の範囲から逸脱することなく、かなりの修正例、代替例、組み合わせ、並びに、形態及び機能における均等物ができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】いくつかの実施例による、人間の心臓の断面図、及び、とりわけ、心臓の自然の弁構造体の中への大動脈弁プロテーゼの植え込みを図示する図である。
【
図2】いくつかの実施例による、膨張可能な弁アンカーに解放可能に係合するための係合メカニズムを使用する、半径方向に膨張可能な弁アンカー及びサポート・フレームを含む弁プロテーゼを送達するための送達構成における送達システムを図示する図である。
【
図3A】いくつかの実施例による、
図2の送達システムの弁アンカーのノーズ・コーンの説明図である。
【
図3B】いくつかの実施例による、
図3の弁のノーズ・コーンの断面図である。
【
図4A】いくつかの実施例による、
図2の送達システムのピン・アッセンブリを図示する図である。
【
図4B】いくつかの実施例による、代替的なピン・アッセンブリを図示する図である。
【
図5A】いくつかの実施例による、
図2の送達システムのプッシャー・コンポーネントを図示する図である。
【
図5B】いくつかの実施例による代替的なプッシャー・コンポーネントを図示する図である。
【
図6A】いくつかの実施例による、
図2の送達システムのシースの中にコンパクトな状態で収納されているサポート・フレーム及び弁アンカーを図示する図である。
【
図6B】いくつかの実施例による、シースから部分的に解放されており、解放前の構成になっている係合メカニズムと係合されている、膨張された構成における弁アンカーを図示する図である。
【
図6C】いくつかの実施例による、係合デバイスからの弁アンカーの解除を開始させるための、係合メカニズムのサポート・フレーム及びプッシャー・コンポーネントの遠位前進を図示する図である。
【
図6D】いくつかの実施例による、送達システムのシースからのサポート・フレームの解放の前の、解放された構成における弁アンカー及び係合メカニズムを図示する図である。
【
図6E】いくつかの実施例による、弁プロテーゼが膨張を始めることを許容するために、シースが近位に後退させられていることを図示する図である。
【
図6F】いくつかの実施例による、弁アンカーの中で完全に膨張させられた弁プロテーゼを図示する図である。
【
図7A】いくつかの実施例による、弁プロテーゼ送達システムを使用して、大動脈を通して自然の大動脈弁へ弁プロテーゼを送達するための方法の中のステップを図示する図である。
【
図7B】いくつかの実施例による、弁プロテーゼ送達システムを使用して、大動脈を通して自然の大動脈弁へ弁プロテーゼを送達するための方法の中のステップを図示する図である。
【
図7C】いくつかの実施例による、弁プロテーゼ送達システムを使用して、大動脈を通して自然の大動脈弁へ弁プロテーゼを送達するための方法の中のステップを図示する図である。
【
図7D】いくつかの実施例による、弁プロテーゼ送達システムを使用して、大動脈を通して自然の大動脈弁へ弁プロテーゼを送達するための方法の中のステップを図示する図である。
【
図7E】いくつかの実施例による、弁プロテーゼ送達システムを使用して、大動脈を通して自然の大動脈弁へ弁プロテーゼを送達するための方法の中のステップを図示する図である。
【
図7F】いくつかの実施例による、弁プロテーゼ送達システムを使用して、大動脈を通して自然の大動脈弁へ弁プロテーゼを送達するための方法の中のステップを図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の詳細な説明において、多数の具体的な詳細が、主題の技術の完全な理解を提供するために記述されている。主題の技術は、これらの具体的な詳細のうちのいくつかなしに実践され得るということが理解されるべきである。他の場合には、周知の構造体及び技法は、主題の技術を曖昧にしないために、詳細には示されていない。
【0031】
さらに、本開示はさまざまな実施例の具体的な詳細を記述しているが、その説明は、単なる例示目的のものに過ぎず、決して限定するものとして解釈されるべきではないということが認識されることとなる。追加的に、本開示の特定の実施例が僧帽弁プロテーゼの文脈において開示又は示されているが、そのような実施例は、他の心臓弁プロテーゼ用途においても使用され得るということが企図される。そのうえ、そのような実施例及びそれに対する修正例(それは、当業者に考え付く可能性がある)のさまざまな用途も、本明細書で説明されている一般的な概念によって包含されている。
【0032】
すべての心臓弁と同様に、健康な大動脈弁は、血液フローを可能にするために開き、血液逆流を防止するために閉じることとなる。しかし、弁の疾患及び機能障害は、逆流又は血液フローの減少を結果として生じさせる可能性がある。そのようなケースでは、交換弁プロテーゼが、健康な大動脈弁の機能を果たすために使用されなければならない。
【0033】
しかし、交換弁プロテーゼを提供する際に多数の課題が存在している。たとえば、逆流又は血液フローの減少の問題を克服するために、適切な交換弁プロテーゼが、自然の弁輪などのような自然の弁構造体に対して位置決め及び解放されるときに、自然の弁組織に対する許容可能なシール及びアンカー固定を提供しなければならない。さらに、大動脈弁弁輪のアーキテクチャーは、また、大動脈弁プロテーゼの設計における課題を生成させる。実際に、大動脈弁プロテーゼは、大動脈弁の独自の解剖学的構造体と一致していなければならず、また、機能している心臓の連続的な収縮の存在下においてアンカー固定されたままになっていなければならない。
【0034】
本開示は、最小侵襲性の外科的技法を使用して大動脈弁プロテーゼを植え込むためのシステム、デバイス、及び方法を説明している。システムは、大動脈弁の複雑な構造体を収容しており、植え込まれた弁プロテーゼが植え込みの後に適切な場所に適正に位置決めされてしっかりと維持されることを保証する。さらに、いくつかの実施例は、また、大動脈弁プロテーゼを含むことが可能である大動脈弁プロテーゼ送達システムを提供する。
【0035】
弁プロテーゼは、膨張可能な弁アンカーと、弁アンカーに連結され得るサポート・フレームと、サポート・フレームに連結されている複数の弁尖とを含むことが可能である。インプラントは、その内部表面に取り付けられている複数の人工弁尖を有することが可能であり、それは、自然の大動脈弁の機能を模倣することができる。インプラント及び弁アンカーは、疾患のある弁への送達のためのコンパクトな構成と、疾患のある弁輪の中への解放及び植え込みのときの折り畳まれていない構成又は膨張された構成とを有することが可能である。そのうえ、いくつかの実施例では、インプラント及び弁アンカーは、互いに対して位置決めされ、送達の間の弁コンポーネントの直径を最小化することが可能である。
【0036】
さらに、いくつかの実施例では、インプラントは、弁アンカーに固定して連結されており、弁アンカー及びインプラントの両方の効率的な位置決めを提供することが可能である。たとえば、インプラント及び弁アンカーは、可撓性のエレメントによって接続され得、心臓又は自然の弁構造体の中に弁コンポーネントを解放及び膨張させる前に、インプラント及び弁アンカーが互いに対して長手方向に又は回転方向に変位させられ得るようになっている。さらに、インプラント及び弁アンカーは、コンパクトな状態から膨張された状態へ膨張することが可能であり、いくつかの実施例では、互いに独立して膨張することが可能である。
【0037】
図1は、人間の心臓の断面図を図示しており、そこでは、大動脈弁プロテーゼが、心臓の自然の弁構造体の中に植え込まれている。心臓10は、右心房12、右心室14、左心室16、及び左心房18を含むことが可能である。酸素を使い果たした血液は、上大静脈20及び下大静脈22を通って右心房12に進入する。酸素を使い果たした血液は、右心房から三尖弁24(三尖弁24は、右心房12を右心室14から分離している)を通して右心室14の中へポンプ送りされる。次いで、右心室14は、肺動脈弁26を通して肺動脈28の中へ酸素を使い果たした血液をポンプ送りし、肺動脈28は、酸素を使い果たした血液への酸素移動のために、酸素を使い果たした血液を肺へ方向付ける。その後に、酸素を豊富に含む血液が、肺から肺静脈30を通して左心房18へ輸送される。酸素を豊富に含む血液は、左心房18から僧帽弁32を通して左心室16の中へポンプ送りされる。次いで、左心室16は、酸素を豊富に含む血液を大動脈弁34を通して大動脈36の中へポンプ送りする。酸素を豊富に含む血液は、大動脈によって一連の動脈へ運搬され、動脈は、身体の中のさまざまな臓器へ血液を輸送する。
【0038】
最小侵襲性の経カテーテル・アプローチを介した人工大動脈弁の植え込みは、たとえば、大腿動脈及び大動脈弓を通して左心房の中へ、又は、経中隔パンチによって大腿静脈及び下大静脈を通して達成され得る。左心房と左心室との間の大動脈弁は、経皮的に修復するのに最も困難な弁である可能性がある。その理由は、到達することが困難である可能性があるからである。大動脈弁は、左心室及び僧帽弁を介して到達され得るが、2つのおおよそ180°のターンを行わなければならないカテーテルの操作は厄介である。しかし、本明細書で議論されているように、臨床医がこれらの不利益を克服すること、及び、心臓の中のターゲット場所へ人工弁を効果的に送達することを可能にするさまざまな実施例が提供される。
【0039】
弁プロテーゼのための送達システム
本開示は、好ましくは、最小侵襲性の外科的技法を使用する、弁交換のためのデバイス、システム、及び方法を提供する。システム及び方法は、身体のさまざまな部分の中の複数の異なる血管の中での用途を有することとなるが、それらは、とりわけ、機能不全の心臓弁、及び、とりわけ大動脈弁の交換によく適している。また、システム及び方法は、他の機能不全の心臓弁、たとえば、肺動脈弁又は僧帽弁の中での用途を有することとなる。
【0040】
本明細書で開示されているシステム及び方法は、より可撓性の人工心臓弁送達システムを提供し、イメージングへの依存が低減された状態での人工心臓弁又は弁プロテーゼの正確な及び精密な設置を保証し、及び弁プロテーゼの追加的なアンカー固定を提供し、弁移動の発生を低減させる、それらの能力においてとりわけ有利である可能性がある。
【0041】
本明細書で開示されているシステム及び方法の別の利点は、大動脈を通して弁プロテーゼを送達及び植え込む能力であり、大動脈は、下大静脈よりも小さい直径を有しており、それを通して、外科医は、典型的に、心臓にアクセスすることを進める。
【0042】
また、本開示は、人工心臓弁を植え込むための改善されたシステム及び方法を提供する。とりわけ、改善された最小侵襲性の方法及びシステムは、心臓の中の弁付きの解剖学的部位の中への又はそれに隣接した、伸縮可能な人工心臓弁の逆行性の植え込みのために提供される。とりわけ、本開示の改善された人工心臓弁送達システム及び方法は、弁交換手技においてより多くのフレキシビリティーを提供し、イメージングへの依存が低減された状態での人工心臓弁の正確な及び精密な設置を保証し、人工弁の追加的なアンカー固定を提供し、弁移動又はミスアライメントの発生を低減させる。
【0043】
本開示のさまざまな実施例は、急なターンを操縦することができる送達システムに関し、送達システムは、コンパクトに構成された弁プロテーゼを含み、弁プロテーゼは、弁アンカーと、弁アンカーに連結され得るサポート・フレームと、弁アンカーに解放可能に係合するための係合メカニズムとを含むことが可能である。送達システム100の構成において、弁アンカー及びサポート・フレームは、互いに対して同心円状に位置決めされているというよりもむしろ、折り畳まれた構成で直列的に(又は、互いに対して長手方向に間隔を置いて配置されている)ターゲット場所へ送達され、それによって、送達の間の弁プロテーゼの外側プロファイル又は直径、及び、送達システムの外側プロファイル又は直径を最小化する。
【0044】
ここで、さまざまな実施例が、より完全に以降で説明されることとなる。しかし、そのような実施例は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書で記述されている実施例に限定されるように解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が徹底的で完全なものとなるように、また、その範囲を当業者に完全に伝達することとなるように提供される。したがって、本明細書の実施例の中に示されているか又はその他の方法で開示されている1つ又は複数の特徴は、相互交換可能に使用され得、又は、そのような特徴を明示的に示していない若しくは開示していない可能性のある別の実施例の中へ組み込まれ得る。さらに、本明細書の実施例に関して示されているか又はその他の方法で開示されている1つ又は複数の特徴は、明示的に示されていない限り、当技術分野における技能を使用して、そのような実施例から除外され得る。
【0045】
したがって、本明細書で説明されている弁プロテーゼ送達システムは、患者の血管及び組織への外傷又は損傷を最小化しながら、心臓への弁プロテーゼの送達を促進させる。本明細書で説明されているさまざまな実施例は、心室によって提示される急なターンを通して弁プロテーゼ送達システムを押すこと及び引っ張ることの両方のための手段を提供する。開示されているシステム及び方法を説明する目的のために、「近位」という用語は、制御ユニットにより近い相対的な位置を表しており、一方、「遠位」という用語は、制御ユニットからより遠くに離れた相対的な位置を表しているということが留意される。
【0046】
図2は、弁プロテーゼ送達システム100を図示しており、弁プロテーゼ送達システム100は、弁プロテーゼ105を支持及び送達することが可能である。示されているように、弁プロテーゼ105は、サポート・フレーム107及び弁アンカー120を含むことが可能である。いくつかの実施例によれば、送達システム100は、コア部材110及び係合メカニズム115を含むことが可能であり、係合メカニズム115は、コア部材110に対して弁アンカー120を解放可能に係合するように構成され得る。さらに、送達システム100は、また、シース150を含むことが可能であり、シース150は、サポート・フレーム107及び弁アンカー120をカバーするために遠位に延在することが可能である。シース150は、ターゲット場所へのシステム100の送達の間に、サポート・フレーム107及び弁アンカー120を圧縮された構成に維持することが可能である。ターゲット場所に位置決めされているときに、臨床医は、サポート・フレーム107が膨張し始めることを許容するために、シース150を近位に後退させることが可能である。その後に、係合メカニズム115の追加的な作動、及び、シース150のさらなる近位後退は、臨床医がターゲット場所において弁プロテーゼ105を解放することを可能にすることができる。
【0047】
いくつかの実施例では、係合メカニズム115は、ピン・アッセンブリ125を含むことが可能であり、ピン・アッセンブリ125は、コア部材110及びロック・コンポーネント140にスライド可能に連結されている。一緒に、ピン・アッセンブリ125及びロック・コンポーネント140は、弁アンカー120の1つ又は複数の構造体に係合することが可能であり、また、臨床医によって解放されるときに、弁アンカー120から解除することが可能であり、弁アンカー120が完全に膨張すること又はターゲット場所において解放されることを許容する。このように、臨床医は、送達システム100からの弁アンカー120の解放を精密に制御することが可能である。
【0048】
図2に図示されているように、弁アンカー120は、弁プロテーゼ105のサポート・フレーム107とともに直列的に位置決めされ得る。サポート・フレーム107及び弁アンカー120の両方は、形状記憶材料から作製され得、それらが、たとえば、動脈及び静脈を通した送達を可能にする半径まで圧縮され得るようになっており、次いで、所望の位置における弁プロテーゼ105の膨張及び設置の必要に応じて膨張させられ得るようになっている。
【0049】
したがって、サポート・フレーム107及び/又は弁アンカー120は、随意的に、バルーン膨張可能であるか、又は、バルーンを使用してさらに膨張可能であり得るが、
図2に図示されている実施例は、シース150がフレーム107又は弁アンカー120のそれぞれ1つに長手方向にオーバーラップしない位置まで、シース150が近位に後退させられるときに、サポート・フレーム107又は弁アンカー120が自己膨張するように構成されている。
【0050】
たとえば、サポート・フレーム107及び/又は弁アンカー120は、
図2に示されているように、編組フレーム、ワイヤー・フレーム、又はレーザー・カット・フレームを含むことが可能である。いくつかの実施例では、サポート・フレーム107及び/又は弁アンカー120は、形状記憶金属を含むことが可能であり、形状記憶金属は、指定された温度若しくは温度範囲において、又は、応力を誘発させることによって、形状を変化させることが可能である。代替的に、自己膨張するフレームは、スプリング-バイアスを有するフレームを含むことが可能である。サポート・フレーム107及び/又は弁アンカー120のいずれかが製作されている材料は、サポート・フレーム107及び/又は弁アンカー120が展開されたときにその機能的なサイズ及び形状まで自動的に膨張することを可能にすることができ、しかし、サポート・フレーム107及び/又は弁アンカー120が患者の血管系を通した送達のためにより小さいプロファイルへと半径方向に圧縮されることを可能にする。本明細書で説明されている自己膨張するコンポーネント(たとえば、サポート・フレーム、弁アンカー、ロッキング部材)のための適切な材料の実例は、それに限定されないが、医療用グレードのステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン合金、タンタル、プラチナ合金、ニオブ合金、コバルト合金、アルギン酸塩、又は、それらの組み合わせを含む。ニッケル及びチタンの比率から一般的に作製される超弾性的な特性を有する形状記憶合金(一般に、ニチノールとして知られる)が、好適な材料である。いくつかの実施例では、本明細書で説明されている自己膨張するコンポーネントは、それに限定されないが、身体の中で不活性である、形状記憶プラスチック、ポリマー、及び熱可塑性の材料を含む、材料を含むことが可能である。代替的な実施例では、サポート・フレーム107及び/又は弁アンカー120のいずれかは、自己膨張するものではなく、たとえば、当技術分野でよく知られているようなバルーン・カテーテルを使用して膨張させられ得る。
【0051】
いくつかの実施例では、弁アンカー120は、サポート・フレーム107に移動可能に連結され得、弁アンカー120が、サポート・フレーム107との同心円状の位置から、サポート・フレーム107からの近位位置又は遠位位置へ移動させられ得るようになっている。弁プロテーゼ105の送達の間に、弁アンカー120をサポート・フレーム107から直列的に位置決めさせるということが有利である。これは、システムの半径が最小化されることを許容し、したがって、小さい直径の血管、たとえば、動脈及び静脈を通して、システムが前進させられることを可能にする。弁アンカー120がサポート・フレーム107から直列的に変位させられ得る距離は可変であり、送達手技の間に、弁アンカー120がサポート・フレーム107に隣接しているか、又は、潜在的にサポート・フレーム107から数インチ離れていることが可能であるようになっている。いくつかの実施例では、弁アンカー120は、たとえば、溶接又はその他の方法の接着によって、サポート・フレームに物理的に固定されている。
【0052】
送達システム100は、心臓弁プロテーゼのコンポーネントが、依然として互いに移動可能に接続されているか、移動可能に取り付けられているか、固定して接続されているか、変位可能に接続されているか、リンク接続されているか、又は連結されている状態で、直列に前進させられることとなるように構成され得、それによって、送達システムの通過するプロファイル又は断面を最小化する。心臓弁プロテーゼのコンポーネントの相互接続は、異なる程度の運動を可能にすることができ、限られた範囲の運動を提供する係合された位置又は保たれた位置へと設定され得る。いくつかの実施例では、係合された位置は、心臓弁プロテーゼのコンポーネントの事前設定された相対的な位置決めを提供し、心臓弁プロテーゼの適正な設置及び解放を促進させることが可能である。追加的に、いくつかの実施例は、高度の制御を臨床医に提供することが可能であり、ターゲット場所に心臓弁プロテーゼを植え込むときに、心臓弁プロテーゼの操縦性を強化することが可能である。
【0053】
いくつかの実施例では、弁アンカー120は、送達及び膨張の前に、サポート・フレーム107がコンパクトな構成になっているときに、サポート・フレーム107に連結され得る。いくつかの実施例では、弁アンカー120は、サポート・フレーム107に固定されていない。さらに、弁アンカー120は、サポート・フレーム107から分離していることが可能であり、又は、サポート・フレーム107から別個に形成され、後に、サポート・フレーム107に連結され得る。したがって、弁アンカーの少なくとも一部分、たとえば、アンカー固定レッグは、サポート・フレームと接触しているか、又は、サポート・フレームにその他の方法で可逆的に取り付けられるか若しくは接続され得るが、弁アンカーのどの部分も、サポート・フレームに固定されておらず、たとえば、溶接されておらず、又は、その他の方法で不可逆的に接着されていない。代替的に述べると、弁アンカーは、サポート・フレームと接触しているか、又は、サポート・フレームにその他の方法で可逆的に取り付けられ得、弁アンカーは、サポート・フレームに不可逆的に固定されていない。
【0054】
さらに、ターゲット場所に到達すると、弁アンカー120が初期に膨張させられるときに、弁アンカー120全体がサポート・フレーム107から半径方向に変位させられることを防止する様式で、弁アンカー120は、サポート・フレーム107に移動可能に連結され得る。たとえば、ターゲット場所において自然の弁構造体に対する弁アンカー120の初期の「ランディング」の間に、弁アンカー120の一部分は、サポート・フレームから半径方向に変位させられ得る。いくつかの実施例では、サポート・フレーム107は、自然の心臓弁構造体の中に展開又は膨張させられ得、弁アンカー120は、サポート・フレームと自然の弁組織との間に挟まれることになり、(たとえば、
図7E及び
図7Fに示されているように)少なくとも部分的に(場合によっては、完全に)固定化されることになることが可能である。弁アンカー120は、膨張させられたサポート・フレーム107を自然の弁構造体の中の適切な場所に保持するように機能することが可能である。
【0055】
いくつかの実施例では、弁アンカー120は、少なくとも1つのU字形状の部材、アンカー固定部材、弁クラスパー、洞ロケーター、弁ポジショナー、又は弁ハンガー126、及び少なくとも1つのアンカー固定レッグ122を含むことが可能である。U字形状の部材126及びアンカー固定レッグ122は、弁アンカー120の長手方向軸線に沿って延在することが可能である。
図2に図示されているように、弁アンカー120は、複数のU字形状の部材126、たとえば、3つのU字形状の部材126などを含むことが可能であり、しかし、より少なく又はより多くを有することも可能である。
【0056】
U字形状の部材126は、弁アンカー120のピーク部分又は頂点128において、アンカー固定レッグ122に連結され得る。さらに、隣接するU字形状の部材126は、それぞれの頂点128において互いに連結され得る。U字形状の部材126は、第1及び第2のレッグ146、148をそれぞれ含むことが可能であり、第1及び第2のレッグ146、148は、そのベース部分144において出会うか又は接合している。U字形状の部材126のベース部分144は、自然の大動脈弁の後大動脈洞、左大動脈洞、及び右大動脈洞と係合するように、又は、その内側にフィットするように構成され得る。隣接するU字形状の部材126の第1及び第2のレッグ146、148は、そのピーク部分128において相互接続され得る。
【0057】
ここで
図2及び
図6A~
図6Fを参照すると、弁アンカー120は、少なくとも1つのアンカー固定レッグ122を含むことが可能である。アンカー固定レッグ122は、コネクター又は接続アパーチャー127を有するカップリング部分124を含むことが可能である。コネクターは、カップリング部分124を通って延在するスロット又は孔部などのような構造体を含むことが可能である。
【0058】
いくつかの実施例では、弁アンカー120のアンカー固定レッグ122は、サポート・フレーム107の長手方向軸線に対しておおよそ平行に位置決めされており、頂点128においてU字形状の部材126に取り付けられている。本明細書で使用されているように、頂点128は、U字形状の部材126がアンカー固定レッグ122と接合する最頂点であることが可能である。いくつかの実施例では、2つのU字形状の部材126は、最頂点又は頂点128においてアンカー固定レッグ122に接合するように湾曲することが可能である。いくつかの実施例では、弁アンカー120の最頂点は、2つのアンカー固定レッグ122が互いに対しておおよそ平行に延在するように構成され得る。いくつかの実施例では、弁アンカー120は、少なくとも2つのU字形状の部材126及び2つのアンカー固定レッグ122を含む。
【0059】
2つのアンカー固定レッグ122の第1の端部又は近位端部のそれぞれは、U字形状の部材126に接合され得る。追加的な実施例では、
図2に図示されているように、アンカー固定レッグ122のうちの1つ又は複数の第2の端部又は遠位端部は、カップリング部分124の中に終端している。すなわち、弁アンカー120のカップリング部分124は、弁アンカー・アンカー固定レッグ122の端部部分に位置決めされている。カップリング部分124は、ニチノールなどのような形状記憶合金から作製され得る。いくつかの適用例に関して、カップリング部分124は、弁プロテーゼ105の長手方向軸線に対して平行に配向され得、一方、他の適用例に関して、カップリング部分124は、長手方向軸線に対して所定の角度を形成するように配向され得る。
【0060】
たとえば、カップリング部分124は、コンパクトな位置において、及び/又は、弁プロテーゼ105がシース150の中に入れられているときに、サポート・フレーム107の長手方向軸線に対しておおよそ平行になっていることが可能である。代替的に、
図2に図示されているように、カップリング部分124は、弁プロテーゼ105が膨張した条件になっているときに、弁プロテーゼ105又はアンカー固定レッグ122の長手方向軸線に対して所定の角度を形成することが可能である。ディテントは、弁プロテーゼ105が自然の弁の中に膨張させられた後に、弁アンカー120をサポート・フレーム107に固定することを助けることが可能である。
【0061】
U字形状の部材126の2つのアンカー固定レッグ122を接合するベース部分144の形状は、U字形状のもの又は丸みを帯びたものに限定されないということが当業者によって認識されることとなる。ベース部分144は、それに限定されないが、長方形、正方形、ダイヤモンド、三角形、楕円形、円形、又は、これらの形状の組み合わせを含む、他の形状を有することも可能である。ベース部分144は、それが自然の弁尖190の交連に係合すること及び/又は自然の弁尖190の交連に隣接して置かれることを可能にする任意の形状のものであることが可能である。
【0062】
いくつかの実施例では、弁アンカー120は、サポート・フレーム107に連結されている複数のU字形状の部材126を含むことが可能である。すなわち、送達システム100は、異なる弁交換手技に対処するために、又は、交換されることとなる自然の弁の解剖学的構造体にしたがって、それに限定されないが、2つの、3つの、4つの、5つの、又はそれ以上の複数のU字形状の部材126を含むことが可能である。図に開示されているさまざまな実施例では、弁プロテーゼの中の複数のU字形状の部材126の数は、3つである。
【0063】
追加的に、いくつかの実施例によれば、弁プロテーゼ105は、サポート・フレーム107が弁アンカー120に連結されるように構成され得る。たとえば、弁プロテーゼ105は、少なくとも1つの縫合糸170を含むことが可能であり、少なくとも1つの縫合糸170は、サポート・フレーム107を弁アンカーに連結する。いくつかの実施例では、サポート・フレーム107の遠位端部部分は、縫合糸170を介して弁アンカー120に連結され得る。弁アンカー120に取り付けられる縫合糸170の部分は、弁アンカー120のアンカー固定レッグ122に連結され得る。いくつかの実施例によれば、アンカー固定レッグ122は、アンカー固定レッグの長さに沿って延在する長手方向のスロット123を含むことが可能である。縫合糸170は、スロット123の中へループになることが可能であり、アンカー固定レッグ122と連結され得る。これは、本明細書でさらに議論されているように、弁プロテーゼ105の膨張の間に、縫合糸170がスロット123の長さに沿ってスライドすることを可能にすることができる。
【0064】
図3A及び
図3Bは、
図2の弁アンカー送達システム100のノーズ・コーン156の実施例の斜視図及び断面図の図示である。
図2、
図3A、及び
図3Bに図示されているように、送達システム100は、その遠位端部においてノーズ・コーン156を含むことが可能である。ノーズ・コーン156は、ノーズ・コーン156の遠位端部に向けてテーパーのついた実質的にチューブ状及び/又は円錐状のプロファイルを有することが可能である。さらに、ノーズ・コーン156は、ロック・コンポーネント140及びキャビティー141を含むことが可能である。いくつかの実施例では、ノーズ・コーン156は、係合メカニズム115の一部として相互作用することが可能であり、ロック・コンポーネント140及びピン・アッセンブリ125が弁アンカー120に係合することを許容する。
【0065】
いくつかの実施例によれば、ノーズ・コーン156は、弁シース150の遠位端部に連結されるように、又は、弁シース150の遠位端部と嵌合するように構成され得、ノーズ・コーン156とシース150との間の送達システム100の外側表面に沿って任意の継ぎ目を低減させるようになっている。ノーズ・コーン156とシース150との間の嵌合係合は、それによって、送達システム100の滑らかで連続的な外側表面を提供することが可能である。
【0066】
たとえば、ノーズ・コーン156は、半径方向の窪み部154を含むことが可能であり、弁シース150の遠位端部は、送達構成において、半径方向の窪み部154に対抗して位置決めされ得る。半径方向の窪み部154は、ノーズ・コーン156の少なくとも一部分(ロック・コンポーネント140を含む)が弁シース150のルーメン152の中へ挿入されることを許容し、ノーズ・コーン156を弁シース150に取り外し可能に連結することが可能である。半径方向の窪み部154は、概して円錐状のプロファイルを有するものとして図示されているが、半径方向の窪み部154は、また、ステップ付きのプロファイルを含むことが可能であり、ステップ付きのプロファイルにおいて、ノーズ・コーン156の外径は、シース150の外径におおよそ等しい直径から、シース150の内径におおよそ等しい直径へ逓減している。このように、ノーズ・コーン156は、シース・ルーメンの内側にフィットすることが可能であり、また、両方が共通の又はおおよそ等しい外径を有する状態で、シース150と係合することが可能である。
【0067】
いくつかの実施例では、ロック・コンポーネント140は、ノーズ・コーン156と一体的に形成され得る。しかし、いくつかの実施例では、
図3A及び
図3Bに図示されているように、ノーズ・コーン156は、遠位コーン・コンポーネント157及びロック・コンポーネント140を含む、コンポーネントのアッセンブリであることが可能である。ロック・コンポーネント140は、アパーチャー158を含むことが可能であり、ピン・アッセンブリは、下記に議論されているように、プッシャー・コンポーネントによって、アパーチャー158を通して係合又は移動させられ得る。
【0068】
たとえば、
図3Bに図示されているように、遠位コーン・コンポーネント157の近位端部部分は、溶接、摩擦係合、又は他の接着剤手段によって、ロック・コンポーネント140の遠位端部部分と連結され得る。さらに、遠位コーン・コンポーネント157及びロック・コンポーネント140は、集合的にキャビティー141を形成することが可能である。いくつかの実施例では、遠位コーン・コンポーネント157及びロック・コンポーネント140の両方は、遠位コーン・コンポーネント157及びロック・コンポーネント140が一緒に連結されているときに、キャビティー141を形成するように組み合わせられる内側キャビティーを含むことが可能である。本明細書でさらに議論されているように、キャビティー141は、所定の体積を提供することが可能であり、所定の体積の中で、係合メカニズムのピン・アッセンブリ125が往復運動することが可能である。
【0069】
ノーズ・コーン156は、ノーズ・コーンの長手方向軸線に沿って中央に延在するチャネル又は通路155をさらに含むことが可能である。チャネル155は、サポート・フレーム107及び弁アンカー120の対応する運動を引き起こすために、コア部材が長手方向軸線に沿って近位に及び遠位に往復運動するときに、コア部材110を受け入れるように構成され得る。
【0070】
いくつかの実施例によれば、ロック・コンポーネント140は、少なくとも1つのロック・アパーチャー145を含むことが可能である。ロック・アパーチャー145は、キャビティー141の近位に配設され得る。いくつかの実施例では、ピン・アッセンブリ125は、複数のピン135を含むことが可能であり、ロック・コンポーネント140は、複数のロック・アパーチャー145を含むことが可能であり、複数のロック・アパーチャー145は、複数のピン135のうちの1つにそれぞれ対応している。
【0071】
さらに、図示されているように、ロック・コンポーネント140は、近位フランジ147と遠位フランジ149との間に間置された係合領域143を含むことが可能である。ロック・アパーチャー145は、近位フランジ147及び遠位フランジ149の両方を通って延在することが可能である。遠位フランジ149を通って延在するロック・アパーチャー145は、キャビティー141の中へ延在することが可能である。したがって、ピン・アッセンブリ125から延在するピンは、遠位フランジ149を通過し、係合領域143を横切って延在し、近位フランジ147を通過することが可能である。したがって、本明細書でさらに図示及び議論されているように、ピン・アッセンブリ125のピンは、遠位フランジ149及び近位フランジ147を通って延在するロック・アパーチャー145によって半径方向に拘束され得、係合領域143の中へ延在する弁アンカー120の一部分と係合することが可能である。
【0072】
たとえば、
図6A~
図6Fに図示されているように、ピン・アッセンブリ125は、係合された構成(
図6A~
図6Cに示されている)と解除された構成(
図6D~
図6Fに示されている)との間で、キャビティー141の中を往復運動することが可能である。ピン・アッセンブリ125が係合された構成から解除された構成へ移動するときには、ピン・アッセンブリ125のピン135は、ロック・コンポーネント140のロック・アパーチャー145との係合から外れるようにスライドすることが可能である。そうであるので、ピン135は、係合領域143から外へ遠位に前進させられ得、キャビティー141及び遠位フランジ149の中へ受け入れられ得、したがって、弁アンカー120を解除し、弁アンカー120が係合領域143から外へ膨張することを許容する。
【0073】
図6A~
図6Cに図示されているように、ピン・アッセンブリ125及びロック・コンポーネント140は、係合された構成で弁アンカー120に係合することが可能である。したがって、弁アンカー120のU字形状の部材が半径方向に膨張することを許容するために、シース150が近位に引き出された後に、弁アンカー120は、送達システム100と係合されたままになっており、それによって、臨床医が弁アンカー120のU字形状の部材を自然の弁構造体に対して所望の位置へと回転させ、再位置決めし、又は、その他の方法で操縦することを可能にする。
【0074】
図4A及び
図4Bは、いくつかの実施例による、ピン・アッセンブリ125及び代替的なピン・アッセンブリ125’を図示しており、そのいずれかは、
図2の送達システム100とともに使用され得る。
図4Aに示されている実施例に図示されているように、ピン・アッセンブリ125は、近位セクション132及び遠位セクション134を有するチューブ状コンポーネント130を含むことが可能である。さらに、両方のピン・アッセンブリ125、125’は、ピストン部材136などのような環状コンポーネントと、環状コンポーネント又はピストン部材136に連結されている少なくとも1つのピン135とを含むことが可能である。環状コンポーネントは、コア部材110に連結されてコア部材110を少なくとも部分的に取り囲むことができる、ディスク、シリンダー、トーラス、又はその他の形状を有することが可能である。また、ピン・アッセンブリ125は、チューブ状コンポーネント130の遠位セクション134がピストン部材136に連結されるように構成され得る。代替的なピン・アッセンブリ125’は、チューブ状コンポーネント130が存在していないことを除いて、すべての点において
図4Aのピン・アッセンブリ125と同一になっていることが可能である。
【0075】
ピン・アッセンブリ125、125’は、送達システム100のコア部材110に沿ってスライドすることが可能である。たとえば、コア部材110は、ピン・アッセンブリ125のルーメン133を通って延在するように構成され得る。ルーメン133は、チューブ状コンポーネント130及びピストン部材136の両方を通って延在することが可能である。
【0076】
ピン・アッセンブリ125の利点は、チューブ状コンポーネント130の存在にある可能性があり、チューブ状コンポーネント130は、使用の間に送達システム100の長手方向軸線に対するピストン部材136及びピン135の軸線方向のアライメントを維持することを支援することが可能である。しかし、ピン・アッセンブリのいずれかの実施例において、ピストン部材136を通るルーメン133の長手方向の延在は、コア部材110に対するピストン部材136のミスアライメント又はぐらつきを防止するために十分な長さのものであることが可能である。したがって、両方のピン・アッセンブリ125、125’は、有利には、コア部材110に対しておおよそ平行のアライメントでピン135を維持することが可能である。このように、ピン135は、ロック・コンポーネント140のロック・アパーチャー145との係合から外れるように滑らかにスライドすることが可能である。さらに、ピン135の近位端部は、係合領域143を通って十分に遠位に前進させられ得、弁アンカー120がそこから解除することを許容するようになっている。したがって、いくつかの実施例では、ピン135は係合領域143の中へ延在し続けることが可能であるが、弁アンカー120は、そこから解除することが可能であり得る。しかし、いくつかの実施例では、ピン135の近位端部は、ロック・アパーチャー145の中へ完全に受け入れられ得、ピン135が、解除された構成において係合領域143の中へ延在しないようになっている。
【0077】
1つ又は2つのピン135だけが使用され得るが、図示されている実施例は、使用されることとなる3つのピン135を提供している。ピン135は、ピストン部材136から近位に延在しており、チューブ状コンポーネント130から半径方向に間隔を離して配置され得る。
【0078】
随意的に、いくつかの実施例では、ピストン部材136は、互いに連結されている2つのプレート又はディスクを含むことが可能である。そのような実施例では、ピン135は、近位プレートを通って延在するように位置決めされ得、ピン135の遠位端部部分がピストン部材136の近位プレートと遠位プレートとの間に挟まれた状態になっており、それによって、ピン135の遠位端部部分をそれらの間に係合させている。
【0079】
たとえば、ピン135の遠位端部部分は、
図6A~
図6Fに図示されているように、角度を付けて曲げられ得、2つのピストン部材136のうちの少なくとも1つは、その中に形成された溝部を有しており、ピストン部材136の近位プレート及び遠位プレートが一緒に連結されているときに、ピン・アッセンブリ125に対して固定された位置に、ピン135の曲げられた遠位端部部分を収容及び保持することが可能である。しかし、代替的に、ピンは、ピストン部材136に溶接されるか、機械的に締結されるか、又は、その他の方法で接着剤によって連結され得る。したがって、ピストン部材136及びピン135は、本明細書で議論されているように、係合された位置と解除された位置との間で、ユニットとして、コア部材110に沿ってスライドすることが可能である。
【0080】
図5A及び
図5Bは、いくつかの実施例によるプッシャー・コンポーネント165及び代替的なプッシャー・コンポーネント165’を図示しており、そのいずれかは、
図2の送達システム100とともに使用され得る。いくつかの実施例では、プッシャー・コンポーネント165は、
図4Aに示されているピン・アッセンブリ125と組み合わせて使用され得る。
【0081】
プッシャー・コンポーネント165’は、
図4Bに示されているピン・アッセンブリ125’と組み合わせて使用され得る。示されている実施例では、プッシャー・コンポーネント165は、ピン・アッセンブリ125に対抗して接触する細長いシャフト・コンポーネントを含んでおらず、一方、プッシャー・コンポーネント165’は、ノーズ・コーン156のロック・コンポーネント140のアパーチャー158を通って延在することができるシャフト・コンポーネント167を含むことによって、プッシャー・コンポーネント165から変化することが可能である。ピン・アッセンブリ125’とともに使用されるときには、プッシャー・コンポーネント165’のシャフト・コンポーネント167は、アパーチャー158を通って又はアパーチャー158の中へ延在し、ピン・アッセンブリ125’の移動及び解除を促進させることが可能である。しかし、これらのコンポーネント125、125’、165、165’は、本明細書で開示されている実施例のいずれかの中で相互交換又は修正され得る。したがって、いくつかの実施例では、プッシャー・コンポーネント165は、ロック・コンポーネント140のアパーチャー158を通って延在する、プッシャー・コンポーネント165のチューブ状コンポーネント130に対抗して接触させられ得る。しかし、いくつかの実施例では、プッシャー・コンポーネント165’のシャフト・コンポーネント167が、ロック・コンポーネント140のアパーチャー158を通って延在し、ピン・アッセンブリ125’に対抗して接触することが可能である。
【0082】
図5A及び
図5Bに図示されているように、プッシャー・コンポーネント165及びプッシャー・コンポーネント165’は、ルーメン166をそれぞれ含むことが可能であり、コア部材110は、ルーメン166を通過することが可能であり、それによって、プッシャー・コンポーネント165及びプッシャー・コンポーネント165’がコア部材110に沿ってスライド可能に配設されることを許容する。
図6A~
図6Fのシステム図に図示されているように、プッシャー・コンポーネント165(プッシャー・コンポーネント165及びプッシャー・コンポーネント165’にかかわらず)は、サポート・フレーム107に対して遠位に配設され得る。最終的に、下記に議論されているように、プッシャー・コンポーネント165は、プッシャー・コンポーネント165のチューブ状コンポーネント130に対抗して接触させられ得、それは、ロック・コンポーネント140のアパーチャー158を通って延在している。
【0083】
いくつかの実施例によれば、プッシャー・コンポーネント165は、サポート・フレーム107の圧縮された直径におおよそ等しい外径又はプロファイルを有することが可能である。したがって、プッシャー・コンポーネント165及びサポート・フレーム107は、シース150のルーメンの中に受け入れられ得る。さらに、サポート・フレーム107の遠位端部部分は、プッシャー・コンポーネント165の近位面172に当接又は接触することが可能である。本明細書でさらに議論されているように、いくつかの実施例は、サポート・フレーム107がプッシャー・コンポーネント165の近位面172に遠位に押し付けられることを許容することができ、遠位に方向付けられた力をプッシャー・コンポーネント165に働かせるようになっており、それは、次いで、プッシャー・コンポーネント165がピン・アッセンブリ125に接触することを引き起こし、弁アンカー120からのピン135の解除を引き起こすことが可能である。
【0084】
いくつかの実施例では、プッシャー・コンポーネント165は、フランジ175を含む。
図5Aに図示されているように、フランジ175は、近位面172を画定する半径方向のフランジであることが可能である。さらに、プッシャー・コンポーネント165は、遠位面174を含むことが可能であり、遠位面174は、概して傾斜した又は円錐状のプロファイルを有している。遠位面174の円錐状のプロファイルは、下記に議論されているように、弁アンカー120を通るプッシャー・コンポーネントの遠位前進の間に、プッシャー・コンポーネント165が弁アンカー120を捕獲するか又はその他の方法で弁アンカー120と係合することを回避することを可能にする傾向がある可能性がある。
【0085】
さまざまなメカニズムが用いられ得るが、いくつかの実施例では、プッシャー・コンポーネント165の遠位前進が、サポート・フレーム107の遠位端部をプッシャー・コンポーネント165の近位面172に対抗して接触させることによって実現され得る。たとえば、
図6Aを参照すると、送達システム100は、プッシング・ブロック178を含むことが可能であり、プッシング・ブロック178は、プッシャー・チューブ179に連結されている。プッシャー・チューブ179及びプッシング・ブロック178は、ルーメンをそれぞれ含むことが可能であり、コア部材110は、そのルーメンを通過することが可能である。プッシャー・チューブ179及びプッシング・ブロック178は、コア部材110に沿ってスライド可能に位置決めされ得る。手技の間に、シース150が
図6Bにおおよそ示されている位置へ近位に後退させられると、プッシャー・チューブ179及びプッシング・ブロック178は、シース150に沿って、臨床医によって遠位に前進させられ得、それは、サポート・フレーム107及びプッシャー・コンポーネント165に対して、遠位力を働かせることが可能である。この遠位に配向された力は、ピン・アッセンブリ125、125’の近位接触面又はエリア137に向けてプッシャー・コンポーネント165を促すことが可能であり、それは、
図6Bから
図6Cへ示されている移動によって例示目的として示されている。
【0086】
したがって、いくつかの実施例では、プッシャー・コンポーネント165、165’の遠位面174は、ピン・アッセンブリ125、125’の近位接触面137に接触し、ロック・コンポーネント140に対して遠位方向にピン・アッセンブリ125、125’を促すことが可能である。いくつかの実施例では、チューブ状セクションは、プッシャー・コンポーネント若しくはピン・アッセンブリのいずれかに連結され得るか、又は、その両方に連結され得る。遠位方向へのピン・アッセンブリ125、125’の移動は、係合された構成(
図6Cに示されている)から解放された構成(
図6Dに示されている)へ係合メカニズム115がシフトすることを結果として生じさせる。
【0087】
いくつかの実施例によれば、プッシャー・チューブ179及びプッシング・ブロック178は、臨床医によって動作させられ得る制御ユニット(図示せず)を介して作動させられ得る。制御ユニットは、コア部材110及びプッシャー・チューブ179に通信可能に連結されており、臨床医がコア部材110をプッシャー・チューブ179に対して作動又は移動させることを可能にすることができる。このように、プッシャー・チューブ179は、コア部材110の上方を遠位に前進させられ得、プッシャー・コンポーネント165がピン・アッセンブリ125に接触することを引き起こすようになっており、ピン・アッセンブリ125がノーズ・コーン156のキャビティー141の中を移動することを引き起こし、それによって、係合領域143を通してピン135を遠位に前進させるようになっている。
【0088】
いくつかの実施例では、制御ユニットは、プッシャー・コンポーネント165に通信可能に連結され、プッシャー・ブロック178及びサポート・フレーム107からの相互作用を必要とすることなく、プッシャー・コンポーネント165を選択的に作動させることが可能である。たとえば、プッシャー・コンポーネント165は、プッシャー・チューブ179に直接的に連結され得、ピン・アッセンブリ125に接触するように、及び、ピン・アッセンブリ125をロック・コンポーネント140に対して遠位方向に促すように、プッシャー・コンポーネント165を直接的に作動させるようになっている。図に図示されている実施例と同様に、そのような実施例は、係合メカニズム115を係合された構成から解放された構成へ移動させることが可能である。
【0089】
いくつかの実施例では、プッシャー・コンポーネント165のルーメン166は、チューブ状コンポーネント130の内径又はピン・アッセンブリ125のルーメン133よりも小さい内径を有することが可能である。したがって、そのような実施例は、プッシャー・コンポーネント165が遠位に前進し、ピン・アッセンブリ125に接触し、最終的にピン・アッセンブリ125を遠位に促すか又は押すことを可能にするために、十分な断面プロファイルをプッシャー・コンポーネント165が有することを可能にすることができる。
【0090】
図6A~
図6Cは、係合された構成における送達システム100の弁アンカー120を図示している。弁アンカー120のレッグ122が、係合領域143の中へ挿入されており、係合メカニズム115を介して適切な場所にロックされているときには、これは、係合された構成(
図6A~
図6Cを参照)と表される。係合された構成では、ピン135は、ノーズ・コーン156のキャビティー141から、弁アンカー・レッグ122の接続アパーチャー126を通って、ノーズ・コーン156のロック・コンポーネント140のロック・アパーチャー145の中へ、及び、それを通って延在するように位置決めされている。そうであるので、係合された構成では、弁アンカー120の少なくとも1つのレッグ122は、ノーズ・コーン156のロック・コンポーネント140とノーズ・コーン156の残りの部分との間の位置において係合してロックされている。
【0091】
さらに、
図6Aは、いくつかの実施例による、送達システム100のシース150の中にコンパクトな状態で収納されている弁プロテーゼ105及び弁アンカー120を図示している。送達システム100が、欠陥のある弁のターゲット場所の中へ初期に導入されるときに、送達システム100は、
図6Aに図示されているように、コンパクトな状態で送達される。
【0092】
図6Bは、いくつかの実施例による、係合された構成における弁アンカー120を図示しているが、
図2の送達システム100のシース150から解放されている。送達システム100がターゲット場所に近づくと、送達システム100のシース150は、たとえば、少なくとも1つのコントローラー又はプロセッサーを含む制御ユニットを介して、コア部材110に対して近位に後退させられる。弁アンカー120の上方からのシース150の後退は、弁アンカー120が半径方向に膨張することを可能にする。U字形状の部材126は、その後に、本明細書で議論されているように、周囲の自然の弁構造体に対して所望の位置へとガイド及び操縦され得る。
【0093】
U字形状の部材126が周囲の自然の弁構造体に対して所望の位置になった後に、弁アンカー120の残部が解放され得る。
図6Cは、第1のステップ、及び、弁アンカー120を解放することを図示している。示されているように、いくつかの実施例では、プッシャー・ブロック178、シース150、及びサポート・フレーム107は、遠位方向に促され得、それによって、送達システム100のピン・アッセンブリ125に向けてプッシャー・コンポーネント165を遠位に前進させる。弁アンカー120のルーメンの中へのプッシャー・コンポーネント165のこの遠位移動は可能である。その理由は、弁アンカー120が、係合メカニズム115によって係合された構成においてロックされていることにかかわらず、すでに半径方向に膨張させられているからである。
図6Cに図示されている部分的に膨張された位置において、弁アンカー120の少なくとも1つのU字形状の部材126は、弁アンカー120のアンカー固定レッグ122及びサポート・フレーム107の長手方向軸線から半径方向に延在することが可能である。
【0094】
また、
図6Cに図示されているように、係合された構成において、チューブ状コンポーネント遠位セクション134又はピストン部材136の近位表面は、ロック・コンポーネント140の近位表面から第1の距離D1において軸線方向に間隔を離して配置されている。第1の距離D1は、ピン135がキャビティー141からロック・アパーチャー145及び係合領域143を通って延在することを許容するのに十分である。そうであるので、ピン135は、弁アンカー120のレッグ接続アパーチャー127及びロック・コンポーネント・ロック・アパーチャー145を通って延在し、弁アンカー・アンカー固定レッグ122と係合メカニズム115とを相互接続することが可能である。たとえば、第1の距離D1は、約1mmから約20mmの間にあるか、約2mmから約15mmの間にあるか、約4mmから約12mmの間にあるか、約6mmから約10mmの間にあるか、約8mmから約10mmの間にあるか、又は、約2mm、約2mm、約4mm、約6mm、約8mm、約10mm、約12mm、約14mm、約16mm、約18mm、約20mm、約22mm、約24mm、約26mm、約28mm、約30mm、約35mm、若しくは約40mmであることが可能である。
【0095】
プッシャー・コンポーネント165が遠位に促されるときに、プッシャー・コンポーネントは、ピン・アッセンブリ125に接触し、キャビティー141を通してピン・アッセンブリ125を遠位に促し始める。これが起こるときに、ピン135は、係合領域143を通って遠位にスライドし、最終的に、アンカー固定レッグ122がピン135から解除することを許容し、また、弁アンカー120が解放された構成をとることを許容する。
図6Dは、解放された構成における弁アンカー120の図示である。
【0096】
依然として
図6Dを参照すると、解放された構成において、チューブ状コンポーネント遠位セクション134又はピストン部材136の近位表面は、ロック・コンポーネント140の近位表面から第2の距離D2において軸線方向に間隔を離して配置され得、第2の距離D2は、第1の距離D1よりも大きい。第2の距離D2は、ロック・アパーチャー145の外側にピン135を位置決めするのに十分になっており、弁アンカー・レッグ122がピン・アッセンブリ135のピン135から解除することを許容する。たとえば、第2の距離D2は、約1mmから約20mmの間にあるか、約2mmから約15mmの間にあるか、約4mmから約12mmの間にあるか、約6mmから約10mmの間にあるか、約8mmから約10mmの間にあるか、又は、約2mm、約2mm、約4mm、約6mm、約8mm、約10mm、約12mm、約14mm、約16mm、約18mm、約20mm、約22mm、約24mm、約26mm、約28mm、約30mm、約35mm、若しくは約40mmであることが可能である。
【0097】
動作時に、ピン・アッセンブリ125が遠位に前進させられるときに、ピン135は、D2とD1との間の差に対応する距離だけ変位させられ、それによって、弁アンカー120をピン・アッセンブリ125との係合から解放し、弁アンカー120がサポート・フレーム107をその中に位置決めすることに備えて半径方向に膨張することを可能にする。
【0098】
図6Dに図示されているように、弁アンカー120が送達システム100から解放された後に、サポート・フレーム107は、送達システム100のシース150の中に収納され続けている。しかし、サポート・フレーム107の長手方向の位置又は軸線方向の位置が、弁アンカー120のルーメンの中で中心を合わせられるか又はその他の方法で適正に位置決めされるように調節された後に、臨床医は、その後に、弁アンカー120のルーメンの中でのサポート・フレーム107の解放及び膨張を開始することが可能である。位置決めプロセスのためのこの調節の一部として、臨床医は、サポート・フレーム107を遠位に前進させることが可能である。方法のいくつかの実装形態では、臨床医は、弁アンカー120の長手方向に遠位の位置へサポート・フレーム107を前進させ、その後に、サポート・フレーム107を近位に後退させることが可能である。そのような運動は、自然の弁尖が弁アンカー120とサポート・フレーム107との間のスペースの間に上向きに引き寄せられることを保証することが可能である。その後に、サポート・フレーム107の膨張及び解放が、下記にさらに議論されているように、臨床医によって開始され得る。
【0099】
サポート・フレーム107の膨張及び解放は、
図6Eに図示されているように開始され得る。
図6Eは、サポート・フレーム107を露出させるために、及び、サポート・フレーム107の初期膨張を許容するために、シース150が近位に後退させられていることを図示している。
図6Fは、サポート・フレーム107が弁アンカー120の中で完全に膨張させられることを許容するために、シース150がさらに後退させられていることを図示している。いくつかの実施例では、シース150のさらなる後退は、弁プロテーゼ105が完全に露出されることを引き起こし、それによって、弁プロテーゼが弁アンカー120の中で半径方向に膨張することを可能にする。しかし、いくつかの実施例では、自己膨張するサポート・フレーム107の外向きの力は、シース150が部分的に近位に引き出された(すなわち、
図6Fに図示されているものの遠位の位置に到達した)後に、サポート・フレーム107が勢いよく開くことを引き起こす可能性がある。
【0100】
弁プロテーゼ送達システムを動作及び製造するための方法
本明細書で説明されている送達システムを使用して大動脈弁プロテーゼを植え込むための方法は、大動脈弁プロテーゼの非外科的な送達及び植え込みを伴い、人工弁尖を備えた自己膨張可能なインプラントは、弁アンカーに固定して連結され、サポート・フレーム及び弁アンカーは、コンパクトな条件で送達される。
【0101】
投与又はアクセスのルートにかかわらず、本明細書で開示されている送達システムは、サポート・フレームの膨張の前に弁アンカーを解放するように動作させられ得る。そのうえ、弁アンカーは、膨張の後に操作及び再位置決めされ、サポート・フレームを膨張又は解放する前に適正な設置を保証することが可能である。随意的に、システムは、超音波、X線透視法、又は脈動的フィードバック、たとえば、電気パルス又は超音波パルスなどを含む、さまざまなイメージング技法のいずれかを使用して動作させられ得る。したがって、弁アンカーは、望まれる場合には、イメージング技法を使用して位置決めされ得る。
【0102】
いくつかの実施例では、臨床医は、弁アンカーが適正に着座され又は自然の弁構造体と係合されたということを、触圧を介して決定するか又は感じ、自然の弁構造体に対する弁アンカーの適正な位置決めを確認することが可能である。弁アンカーの適正な設置の後に、サポート・フレームは、弁アンカーに向けて長手方向軸線に沿って遠位に移動させられ、最終的に、弁アンカーとおおよそ同心円状に位置決めされ得る。この時点において、サポート・フレームは解放され得、送達システムは患者から除去され得る。サポート・フレームは、既存の自然の弁尖の上に植え込まれ得る。
【0103】
図7A~
図7Fは、弁プロテーゼ送達システムを動作させるための方法を図示している。送達システムは、
図6A~
図6Fにおいて上記に説明されている実施例などのような送達システムを使用して、大動脈を通って自然の大動脈弁へ前進させられ得る。
図7Aに示されているように、いくつかの実施例では、ガイディング・メカニズム、たとえば、ガイドワイヤー180が、ターゲット場所に向けて前進させられ、コア部材110を通して給送され得、送達システム100がガイドワイヤー180に沿ってターゲット場所に向けて前進することを許容する。血管系の中への送達システム100の進入は、さまざまな経路を通して起こることが可能である。しかし、本開示に説明されているように、ガイドワイヤー180は、大動脈の中へ導入され、大動脈弓に向けて前進させられ得る。次いで、送達システム100は、ターゲット場所、たとえば、心臓の大動脈弁に到達するまで、ガイドワイヤー180に沿って前進させられ得る。
【0104】
図7Aは、大動脈弁に到達した後の送達システム100を図示している。
図6A~
図6Fに関して上記に議論されているように、送達システム100は、送達構成(
図6A)でターゲット場所へ送達され、その後に操作され得、弁プロテーゼ105のさまざまなコンポーネントの膨張を許容する。
【0105】
上記に説明されているように、
図6Aは、患者の中へ送達システムを挿入する前に、及び、ターゲット場所に向けて患者の血管系を通した送達システムの前進の間に、送達システム100が構成されているときの、送達システム100を図示している。弁プロテーゼ105は、コンパクトな構成で送達システム100の中に詰められ、弁プロテーゼ105のサポート・フレーム107及び弁アンカー120がシース150の中に直列的に詰められるようになっている。通常の実務のように、ガイドワイヤーは、患者の中へ、たとえば、大腿動脈の中へ、又は、経心尖手技を使用する場合には、左心室の中へ、最初に導入され、適当な心室へ、修復を必要としている自然の心臓弁を通過して、又は、それを越えて前進させられる。図に図示されていないが、本開示は、弁プロテーゼ105の経心尖送達を提供することも可能である。
【0106】
損傷を受けた又は欠陥のある弁を有するターゲット場所へ弁プロテーゼを送達する方法は、血管(たとえば、大動脈)の中へ送達システム100を前進させ、ターゲット場所に弁アンカー120を位置決めすることを含む。いくつかの実施例では、ターゲット場所は、患者の心臓の大動脈弁に隣接した位置である。とりわけ、ターゲット場所は、
図7Aに図示されているように、自然の大動脈弁尖190の直ぐ上方の位置であることが可能である。送達システム100を前進させることは、その遠位端部を血液フローの方向の反対側の方向にターゲット場所へ前進させることによって実現され得る。
【0107】
送達システムが血管の中へ前進させられると、臨床医は、制御ユニットの上の1つ又は複数のアクチュエーターを作動させることによって、送達システム100を制御することが可能である。いくつかの実施例では、アクチュエーターは、それに限定されないが、制御ユニットのノブ、レバー、トリガー、スライダー、ボタン、及び/又はハンドルであることが可能である。アクチュエーターの作動は、シース150が近位に後退すること、及び、ターゲット場所において弁アンカー120の少なくとも一部分を出現させることを引き起こすことが可能である(
図6Aから
図6B及び
図7Aに示されているように)。シース150の近位後退は、弁アンカー120を所望の配向に位置決めするために、弁アンカー120のU字形状の部材126がターゲット場所において膨張することを許容する。U字形状の部材126の一部分が露出されるときに、それらは、中心軸線(又は、ガイドワイヤー軸線)から離れるように半径方向に膨張しようとすることとなる。U字形状の部材126の半径方向の拡張は、臨床医が送達システム100を自然の弁の中の適正なアライメントへと少なくとも初期に整合させ、位置決めし、及び/又は回転させることを許容することができる。いくつかの状況において、自然の血管系を通した送達システム100の前進は、U字形状の部材が後方に曲がること、又は、
図7Aに示されている方向の反対側の方向にめくれ上がることを引き起こそうとする可能性がある。そのような状況では、シース150が弁アンカー120の上方から部分的にだけ後退させられる場合には、シース150が、弁アンカー120に対して遠位に前進させられ、
図7Aに示されているように、前方を向いているか又はめくれ上がっていない配向へとU字形状の部材を押すか又は促すことが可能である。
【0108】
図7Aは、自然の大動脈弁を通り越した大動脈の中における、ノーズ・コーン156を含む送達システム100の遠位端部の設置を図示している。送達システム100の遠位端部セクション(ノーズ・コーン156を含む)は、自然の大動脈弁尖190を通り越した大動脈の中に前進及び位置決めされ得る。
図7A及び
図7Bに示されているように、弁シース150(それは、弁プロテーゼ105を収納している)を大動脈の中に適正に位置決めした後に、弁シース150は、近位方向に引っ張られ、弁アンカー120のカバーを外すことが可能である。これは、弁アンカー120のU字形状の部材126のベース部分144が大動脈の内部壁に向けて半径方向に膨張することを可能にする。
【0109】
いくつかの実施例では、本明細書で議論されているように、弁アンカー120のベース部分144は、「感触器」として機能し、「感触器」は、膨張の時間の間に(
図7A及び
図7Bを参照)、最小のイメージングによって、又は、イメージングなしで、臨床医が弁アンカー120及びサポート・フレーム107を自然の弁構造体の中に適正に設置することを可能にする。弁アンカー120は、本明細書で議論されているように、それに限定されないが、形状記憶材料又は金属、たとえば、ニチノールなどから作製され得る。
【0110】
いくつかの実施例では、送達システム100は、弁アンカー120がターゲット場所において自然の大動脈構造体(たとえば、弁輪又は洞など)の中に穏やかに座るまで、遠位にさらに前進させられ、及び/又は回転する。弁アンカー120が遠位に前進させられている間に、それは回転し、
図7Bに示されているように、自然の大動脈弁尖190の解剖学的配向にしたがって自己整合することが可能である。
【0111】
弁アンカー120が自然の弁構造体に対して適正に着座又は位置決めされた後に、臨床医は、プッシャー・コンポーネント165を遠位に前進させ、ピン・アッセンブリ125に接触し、ロック・コンポーネント140に対してピン・アッセンブリ125を遠位に前進させることが可能である。いくつかの実施例では、プッシャー・コンポーネント165の遠位前進は、プッシャー・ブロック178を遠位に前進させ、サポート・フレーム107及びプッシャー・コンポーネント165に接触し、ピン・アッセンブリ135に接触するまで、それらを遠位方向に変位させることを含む。これは、
図6C及び
図6Dの中に距離D1及びD2によって図示されているように、ロック・コンポーネント140とピストン部材136(図示せず)との間の軸線方向の間隔の増加を引き起こし、それによって、係合領域143から外へピン135を遠位に前進させる。
【0112】
したがって、
図7C及び
図7Dに示されているように、いくつかの実施例では、プッシャー・コンポーネント165を遠位に前進させることは、プッシャー・ブロック178及びシース150をコア部材110に対して前進させることによって、サポート・フレーム107を折り畳まれた状態で遠位に前進させることによって、プッシャー・コンポーネント165の半径方向のフランジ175(図示されていないが、
図6B~
図6Dを参照)の近位面172に接触して、それをコア部材110に対して遠位に変位させることを含む。ロック・コンポーネント140に対するピン・アッセンブリ125の遠位前進は、ピン・アッセンブリ125のピン135がロック・コンポーネントのロック・アパーチャー145から解除することを引き起こし、それによって、送達システム100からの弁アンカー120の解放を許容する。
【0113】
弁アンカー120を完全に解放するために弁アンカー120のアンカー固定レッグ122を解放した後に、送達システム100は、随意的に、弁アンカー120のルーメンの中の所望の長手方向の位置にサポート・フレーム107を位置決めするために、弁アンカー120の中を遠位に前進させられ得る。その後に、弁シース150(弁シース150は、この時点において、サポート・フレーム107の上に延在し、又は、サポート・フレーム107をカバーし続けている)は、
図7E及び
図7Fに図示されているように、ロック・コンポーネント140に向けてコア部材110に対して遠位に後退させられ得る。
【0114】
いくつかの実施例によれば、送達システム100は、また、有利には、自然の弁尖の対向する両側部に弁アンカー120の一部分を位置決めするように構成され得る。そのような能力は、送達システム100が弁アンカー120と自然の弁構造体との間によりしっかりとした係合を生成させることを可能にする。そのような構成及び利点は、係合メカニズムを使用することによって実現され得、係合メカニズムは、弁アンカーのアンカー固定レッグの一部分を拘束することが可能である。さらに、他の実施例は、自然の弁尖の対向する両側部での係合を促進させる追加的な特徴を提供することも可能である。
【0115】
たとえば、
図7Bに図示されているように、サポート・フレーム107は、縫合糸170を介して弁アンカー120のアンカー固定レッグ122にスライド可能に連結され得、縫合糸170は、弁アンカー120の近位部分の膨張に対する半径方向の制限を生成させることが可能である。サポート・フレーム107がロック・コンポーネント140に向けて遠位に移動させられているときに、縫合糸170は、それにしたがって、ロック・コンポーネント140に向けて弁アンカー120のアンカー固定レッグ122に沿って遠位に移動させられる(
図7B~
図7Dを参照)。縫合糸170によって生成される半径方向の制限の緩和は、それによって、弁アンカー120が半径方向に膨張するときに、弁アンカー120の遠位端部をその長手方向軸線に沿って静止した状態に保持しながら、弁アンカー120の近位端部部分が半径方向外向きに膨張することを許容する。したがって、弁アンカー120のアンカー固定レッグ122は、弁尖の半径方向内側に又は中心に位置決めされ得、U字形状の部材126のベース部分144は、弁尖の半径方向外側に又は弁尖の周辺部の周りに、大動脈壁(たとえば、弁洞の中)に直接的に接触して位置決めされ得る。
【0116】
その後に、シース150及びサポート・フレーム107は、シース150及びサポート・フレーム107の遠位端部がロック・コンポーネント140の直ぐ上方に位置決めされるまで、そのように遠位に前進させられる。
図7Dは、最終的な解放前位置におけるサポート・フレーム107の位置決めを図示している。また、ロック・コンポーネント140の直ぐ上方の位置へのシース150及びサポート・フレーム107の遠位前進は、サポート・フレーム107を解放前位置に位置決めし、それは、弁アンカー120を解放した後に必要に応じて調節され得る。いくつかの実施例では、解放前位置は、サポート・フレーム107がシース105の中に及び弁アンカー120の通路の中に長手方向に配設されている位置である。
【0117】
サポート・フレーム107が最終的な解放前位置に到達しているときに、臨床医は、次いで、プッシャー・コンポーネント165をさらに前進させ、ピン・アッセンブリ125を遠位に前進させ、それによって、ピン・アッセンブリ125との係合から弁アンカー120を解放することが可能である。すなわち、アンカー固定レッグ122は、
図7Eに図示されているように、ロック・コンポーネント140のロック・アパーチャー145とピン・アッセンブリ125の接続アパーチャー127との間で係合領域143の中にロック又は係合されている状態から解放され得る。
【0118】
また、
図7Eは、部分的に膨張された構成におけるサポート・フレーム107を図示している。弁アンカー120のアンカー固定レッグ122がロック・コンポーネント140とピン・アッセンブリ125との間にロックされている状態から解放された後に、制御ユニットは、次いで、コア部材110に沿ってシース150を近位に後退させるように活性化させられ、サポート・フレーム107を露出又は出現させ、サポート・フレーム107が膨張し始めることを許容する。サポート・フレーム107が膨張し始めるときに、サポート・フレーム107は、縫合糸170を介して弁アンカー120に対して円周方向に拘束され得る(すなわち、サポート・フレーム107の回転配向)。したがって、いくつかの実施例では、縫合糸170は、サポート・フレーム107の膨張が弁アンカー120によって適正な位置に自動的にガイド及び固定され得るということを引き起こすことが可能である。
【0119】
ここで
図7Fを参照すると、弁プロテーゼ105は、サポート・フレーム107に連結されている複数の人工弁尖109を含むことが可能である。弁尖109は、弁プロテーゼ105を通る液体の一方向フローのための可逆的にシール可能な開口部を形成する表面を有することが可能である。弁プロテーゼ105は、3弁尖構成のために3つの弁尖109を含むことが可能である。認識されるように、単一弁尖構成、2弁尖構成、及び/又は、多弁尖構成も可能である。
【0120】
たとえば、弁尖109は、広がるようにサポート・フレーム107に連結されており、弁プロテーゼ105のルーメンを通る流体フローを制御することが可能である。さらに、いくつかの実施例では、弁プロテーゼ105は、サポート・フレーム107及び弁尖109に連結されている膜又はシーリング層108を含むことが可能である。膜108は、血液が弁プロテーゼ105の中央アパーチャー又はルーメンを通って流れることを保証しようとする可能性がある。本明細書で説明されているような弁プロテーゼは、本明細書で説明されている植え込みシステムのさまざまな態様の中で使用され得、又は、被検者の中へ弁プロテーゼを植え込むために当業者によって知られている任意の方法若しくはシステムの中で使用され得る。
【0121】
また、周囲の自然の弁構造体に対する弁プロテーゼ105のシーリング及びアンカー固定は、弁アンカー120とサポート・フレーム107との間への自然の心臓弁尖190の間置を通して促進される。弁尖190のこの位置決めは、自然の弁構造体の中への弁プロテーゼ105のアンカー固定を促進させ、すべての冠動脈弁(すなわち、大動脈弁、肺動脈弁、三尖弁、及び僧帽弁)に適用可能であり得る。いくつかの実施例では、弁アンカー120の数は、治療されている自然の弁の自然の弁尖190の数に等しくなっていることが可能である。
【0122】
図7Fは、完全に膨張された解放された構成におけるサポート・フレーム107を図示している。
図7Fに図示されているように、サポート・フレーム107は、弁アンカー120のU字形状の部材126のベース部分144がサポート・フレーム107の遠位端部におおよそ隣接しているときに、自然の弁構造体の中に適正に設置され得る。さらに、サポート・フレーム107の膨張が、膨張されたサポート・フレーム107と弁アンカー120との間に自然の大動脈弁尖190を挟むことを結果として生じさせることとなるときに、サポート・フレーム107は、自然の弁構造体の中に適正に設置され得る。
【0123】
いくつかの実施例では、サポート・フレーム107が自然の弁構造体の中に膨張及び解放された後に、制御ユニットは、サポート・フレーム107及び弁アンカー120以外の送達システム100の残りの部分を後退させるように作動させられ得る。たとえば、シース150は、コア部材110の上方を遠位に前進させられ、シース150の遠位端部に対してノーズ・コーン156の半径方向の窪み部154を嵌合させることが可能である。このように、送達システム100は、送達構成をとることが可能であり、送達構成において、送達システム100は、概して滑らかな外側プロファイルを有しており、それは、除去の間に捕獲すること又はその他の方法で血管系に損傷を与えることを回避することとなる。送達システム100は、その後に患者から除去され得る。
【0124】
弁プロテーゼの追加的な態様
また、
図7Fに図示されているように、膨張及び解放されているときに、サポート・フレーム107は、第1の端部部分210及び第2の端部部分212を含むことが可能である。プロテーゼ105が自然の弁構造体の中に解放されているときに、第1の端部部分210は、第2の端部部分212の上流に位置決めされ得る。
【0125】
図7Fに図示されているように、サポート・フレーム107の第1の端部部分210は、シリンダーの概して平坦な端部として形状決めされ得、ここで、サポート・フレーム107の第1の頂点214は、全体的に共通の平面の中に存在しており、共通の平面は、プロテーゼ105の長手方向軸線に対して実質的に垂直に配向され得る。
【0126】
随意的に、第2の端部部分212は、一連のピーク230及び谷底部232を含むように形状決めされ得、ここで、サポート・フレーム107の第2の頂点236は、ピーク230及び谷底部232の輪郭を集合的に形成している。第2の端部部分212のピーク230及び谷底部232は、プロテーゼが自然の弁輪の中に着座させられているときに、第1の端部部分210の下流に位置決めされ得る。いくつかの実施例によれば、人工弁尖109は、
図7Fに示されているように、第2の端部部分212のピーク230と円周方向に整合させられている場所において、サポート・フレーム107に対して連結され得る。この独自の構成は、有利には、プロテーゼ100が自然の弁構造体をより完全に近似することを可能にし、弁尖109の移動を制限又は拘束することなく、より自然な血液フローを許容し、心臓の周囲のアーキテクチャーとより継ぎ目なく一体化することが可能である。
【0127】
いくつかの実施例では、第2の端部部分212において、膜108の軸線方向の端部は、第2の端部部分212の主要ピーク230及び谷底部232をカバーするように形状決めされ得る。いくつかの実施例では、膜108は、主要ピーク230同士の間の谷底部232の中の第2の頂点又は微小ピーク236をカバーするように形状決めされ得る。有利には、主要ピーク230同士の間の微小ピーク236の構成は、先行技術の弁プロテーゼと比較して、口部(ostia)の閉塞への改善されたアクセスを可能にし、口部の閉塞を防止することが可能である。
【0128】
大動脈の中に植え込まれる先行技術の弁プロテーゼは、出願人の同時係属中の特許出願、2018年1月7日に出願された米国特許出願第62/614,488号(122271-5025)、2018年1月7日に出願された米国特許出願第62/614,489号(122271-5040)、2018年11月6日に出願された米国特許出願第62/756,556号(122271-5127)、及び、2018年12月18日に出願された米国特許出願第62/781,537号(122271-5129)に議論されているように、弁フレーム及び膜の幾何学形状に起因して、弁輪から離れるように所定の距離に配設されている冠状動脈口を遮断又は閉塞させる可能性があり、それらの文献の全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0129】
図7Fを参照すると、主要ピーク230と微小ピーク236との間の高さの差は、弁プロテーゼ105の所望の動作を可能にしながら、冠状動脈口へのアクセスを促進させる。いくつかの実施例では、微小ピーク236は、患者の自然の弁輪場所に関して、冠状動脈口のさまざまなサイズ及び場所を可能にするのに十分に低くなるように構成されている。有利には、いくつかの実施例では、微小ピーク236は、冠状動脈口高さが10mm未満の、8mm未満の、又は6mm未満の口部(それらは、典型的に、従来の利用可能なプロテーゼによって除外される)へのアクセスを可能にする。口部高さは、冠状動脈口の下縁部と大動脈弁輪平面との間の垂直方向の距離として測定され得る。さらに、いくつかの実施例では、微小ピーク236は、弁輪に対してより低い軸線方向の距離(又は、口部高さ)に配設されている口部へのアクセスを可能にする。そのうえ、いくつかの実施例では、弁プロテーゼ105は、口部へのより大きいアクセスを可能にするために、弁輪の中のより低くに配設されるように配置され得る。主要ピーク230同士の間に微小ピーク236を提供することによって、及び、随意的に、本明細書で議論されている1つ又は複数の他の特徴とともに使用されることによって、冠状動脈口へのアクセスが保存され、口部へのアクセスを必要とする可能性のある将来の手技(たとえば、冠動脈ステント留置術など)を可能にする。
【0130】
いくつかの実施例によれば、サポート・フレーム107の軸線方向の長さは、主要ピーク230、微小ピーク236、及び谷底部232の間で変化することが可能である。
【0131】
たとえば、主要ピーク230において測定されるサポート・フレーム107の軸線方向の長さは、微小ピーク236において測定される軸線方向の長さよりも、約10%から約50%、約20%から約40%、約25%から約35%、又は約33%大きくなっていることが可能である。
【0132】
追加的に、いくつかの実施例では、主要ピーク230において測定されるサポート・フレーム107の軸線方向の長さは、谷底部232において測定される軸線方向の長さよりも、約50%から約150%、約70%から約130%、約90%から約110%、又は約100%大きくなっていることが可能である。
【0133】
さらに、いくつかの実施例では、膜108は、サポート・フレーム107の第2の端部部分212に沿って、主要ピーク230及び微小ピーク236を辿るように図示されているが、膜108は、また、サポート・フレーム107の個々のストラット又はフレーム部材に沿って延在することも可能である。したがって、サポート・フレーム107を形成する個々のストラットは、おおよそ膜108の境界線を画定することが可能である。
【0134】
サポート・フレーム107、膜108、及び弁アンカー120の追加的な態様は、上述の出願人の同時係属中の出願のうちのいくつかに議論及び図示されているように構成され得、それらの文献の全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0135】
たとえば、いくつかの実施例では、膜108は、織物又はメッシュ・ファブリックから膜108をカットすることによって形成又は製造され得る。膜ファブリックは、織物ファイバーから形成されたファブリック、たとえば、織物ポリエステルなどであることが可能である。上述の出願人の同時係属中の出願のうちのいくつかに議論及び図示されているように、膜ファブリックは、経糸方向及び緯糸方向のファイバーとともに織られ得、経糸方向及び緯糸方向は、互いに横断方向に配向されており、いくつかのケースでは、互いに垂直に配向されている。いくつかの実施例では、ファブリックは、経糸方向及び緯糸方向に対して斜めの方向、又は、経糸方向及び緯糸方向からバイアスされた方向へのストレッチング及びコンプライアンスを可能にしながら、経糸方向及び緯糸方向へのストレッチングに抵抗することが可能である。膜108及びフレーム107は、上述の出願人の同時係属中の出願のうちのいくつかにも開示されているように構成され得る。
【0136】
随意的に、1つ又は複数の膜108は、一般的に膜の形状になっているテンプレートを使用して、膜ファブリックからカットされ得る。1つ又は複数のテンプレートは、膜を切り抜くために膜ファブリックの上に設置され得る。テンプレートは、膜ファブリックに対して所定の角度で配向され得、膜が、サポート・フレーム107に連結されているときに、膜のファイバーの経糸方向又は緯糸方向とサポート・フレーム107の長手方向軸線との間にバイアス角度を画定するようになっている。バイアス角度は、約30度から約60度にあることが可能であり、たとえば、約35度、約40度、約45度、約50度、又は約55度などであることが可能である。
【0137】
いくつかの実施例では、織物膜108の経糸及び緯糸は、長手方向軸線に対して0度から90度の間のバイアス角度で配向され得る。いくつかの実施例では、織物膜108は、長手方向軸線に対して約15度から約75度の間のバイアス角度で配向され得る。いくつかの実施例では、織物膜108は、長手方向軸線に対して約30度から約60度の間のバイアス角度で配向され得る。いくつかの実施例では、織物膜108は、長手方向軸線に対して約45度のバイアス角度で配向され得る。
【0138】
膜ファブリックに対して所定のバイアス角度でテンプレートを配向させることによって、結果として生じる膜108は、膜ファブリックの経糸方向及び緯糸方向に対してバイアス角度を伴うバイアスの上でカットされ得る。いくつかの実施例では、膜108は、サポート・フレーム107の上に膜ファブリックをスパイラル・ラッピングすることによって、及び、膜ファブリックをカットすることによって、バイアス角度でカットされ得る。
【0139】
サポート・フレーム107の上での膜108のファイバーのバイアス配向の実装を通して、膜108は、より容易に半径方向に圧縮し、サポート・フレーム107と協力して軸線方向に細長くなることが可能であり、したがって、いくつかの実施例では、膜108及びサポート・フレーム107が単一のユニットとして動作することを許容する。同様に、いくつかの実施例では、バイアス角度に沿って膜108を配向させることによって、膜108は、長手方向軸線に沿ってより容易に細長くなり、より小さい断面プロファイルを取得することが可能であり、それは、フレアリング(flaring)、バンチング(bunching)、又はプリーツィング(pleating)を防止し、それによって、圧縮された構成における弁プロテーゼ105の断面プロファイルを最小化することが可能である。
【0140】
条項としての主題の技術の図示
本開示の態様のさまざまな実例が、便宜上、付番された条項(1、2、3など)として説明されている。これらは、実例として提供されており、主題の技術を限定しない。図及び参照数字の識別は、単なる実例として及び例示目的のために、下記に提供されているに過ぎず、条項は、それらの識別によって限定されない。
【0141】
条項1. 弁アンカーを含む弁プロテーゼであって、弁アンカーは、長手方向軸線並びに近位端部部分及び遠位端部部分を有しており、弁アンカーは、複数のU字形状の部材及び複数のアンカー固定レッグを含み、複数のU字形状の部材のそれぞれは、弁アンカーの遠位端部部分に配設されている丸みを帯びたベース部分と、丸みを帯びたベース部分から弁アンカーの近位端部部分に向けて近位に延在している第1及び第2のレッグとを有しており、第1のU字形状の部材の第1のレッグ、及び、第2のU字形状の部材の第2のレッグは、弁アンカーの近位端部部分において、複数のアンカー固定レッグのうちの1つの近位端部部分に連結されており、複数のアンカー固定レッグのそれぞれは、その遠位端部部分における接続アパーチャーと、アンカー固定レッグの長さに沿って延在している長手方向のスロットとを含み、複数のアンカー固定レッグ及び複数のU字形状の部材は、段階的に半径方向に膨張することが可能であり、自然の弁構造体に対して弁プロテーゼをアンカー固定するために、自然の弁構造体がそれらの間に間置されることを許容する、弁プロテーゼ。
【0142】
条項2. 複数のU字形状の部材は、3つのU字形状の部材を含み、複数のアンカー固定レッグは、3つのアンカー固定レッグを含む、請求項1に記載の弁プロテーゼ。
【0143】
条項3. 接続アパーチャーは、それぞれのアンカー固定レッグの遠位端部部分を通って延在する孔部をそれぞれ含む、請求項1に記載の弁プロテーゼ。
【0144】
条項4. 弁プロテーゼは、サポート・フレームをさらに含み、サポート・フレームは、少なくとも1つの縫合糸を介して弁アンカーに連結されており、少なくとも1つの縫合糸は、長手方向のスロットに沿ってアンカー固定レッグに連結されている、請求項1に記載の弁プロテーゼ。
【0145】
条項5. サポート・フレームは、第1の端部部分及び第2の端部部分を含み、第1の端部部分は、第1の平面の中に延在する複数の頂点を含み、第2の端部部分は、複数のピーク及び谷底部を含み、ピークは、複数の主要頂点によって形成されており、谷底部は、主要頂点同士の間に形成されている、請求項4に記載の弁プロテーゼ。
【0146】
条項6. 第2の端部部分は、複数の微小頂点をさらに含み、微小頂点は、第2の端部部分の周辺部の周りに主要頂点同士の中間にそれぞれ位置決めされており、それぞれの谷底部は、微小頂点と主要頂点との間に間置されている、請求項5に記載の弁プロテーゼ。
【0147】
条項7. サポート・フレームは、少なくとも1つの縫合糸を介して弁アンカーに連結されており、少なくとも1つの縫合糸は、長手方向のスロットのうちの少なくとも1つに沿って、アンカー固定レッグのうちの少なくとも1つに連結されており、また、第1の平面の中に延在する頂点のうちの少なくとも1つに連結されている、請求項6に記載の弁プロテーゼ。
【0148】
条項8. 弁プロテーゼは、サポート・フレームの内部に沿ってサポート・フレームに連結されている膜をさらに含み、膜は、サポート・フレームの第2の端部部分に沿って延在しており、膜の高さは、サポート・フレームのピークと谷底部との間で変化している、請求項5に記載の弁プロテーゼ。
【0149】
条項9. 膜は、経糸ファイバー及び緯糸ファイバーを有する織物ファブリックを含み、経糸ファイバーは、プロテーゼの長手方向軸線に対して横断方向に延在しており、緯糸ファイバーは、プロテーゼの長手方向軸線に対して横断方向に延在している、請求項8に記載の弁プロテーゼ。
【0150】
条項10. 段階は、第1の段階及び第2の段階を含み、第1の段階において、複数のU字形状の部材のそれぞれの丸みを帯びたベース部分は、複数のアンカー固定レッグのそれぞれの遠位端部部分が接続アパーチャーを介して半径方向に拘束されている状態で、半径方向に膨張するように構成されており、第2の段階において、アンカー固定レッグのそれぞれの遠位端部部分は、丸みを帯びたベース部分の半径方向の膨張に続いて、半径方向に膨張するように構成されている、請求項1に記載の弁プロテーゼ。
【0151】
条項11. 弁アンカーは、形状記憶材料から作製されている、請求項1に記載の弁プロテーゼ。
【0152】
条項12. 形状記憶材料は、ニチノールである、請求項11に記載の弁プロテーゼ。
【0153】
条項13. 弁アンカーは、自己膨張するニチノール・フレームから作製されており、複数のU字形状の部材は、3つのU字形状の部材を含み、複数のアンカー固定レッグは、3つのアンカー固定レッグを含み、接続アパーチャーは、それぞれのアンカー固定レッグの遠位端部部分を通って延在する孔部をそれぞれ含み、プロテーゼは、サポート・フレームをさらに含み、サポート・フレームは、3つの縫合糸を介して弁アンカーに連結されており、3つの縫合糸は、3つのアンカー固定レッグのそれぞれの長手方向のスロットに沿って3つのアンカー固定レッグに連結されており、サポート・フレームは、第1の端部部分及び第2の端部部分を含み、第1の端部部分は、第1の平面の中に延在する複数の頂点を含み、第2の端部部分は、複数のピーク及び谷底部を含み、ピークは、複数の主要頂点によって形成されており、谷底部は、主要頂点同士の間に形成されており、第2の端部部分は、複数の微小頂点をさらに含み、微小頂点は、第2の部分の周辺部の周りに主要頂点同士の中間にそれぞれ位置決めされており、それぞれの谷底部は、微小頂点と主要頂点との間に間置されており、サポート・フレームは、少なくとも1つの縫合糸を介して弁アンカーに連結されており、3つの縫合糸は、第1の平面の中に延在する頂点のうちの3つにさらに連結されている、請求項1に記載の弁プロテーゼ。
【0154】
条項14. 弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、システムは、近位端部部分、遠位端部部分、及び、近位端部部分と遠位端部部分との間に延在する長手方向軸線を有する、コア部材と;弁プロテーゼに解放可能に係合するためにコア部材の遠位端部部分に連結されている係合メカニズムであって、係合メカニズムは、ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材に連結されており、コア部材に沿って移動可能であり、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び少なくとも1つのピンを含み、少なくとも1つのピンは、環状コンポーネントに連結されており、遠位端部部分から離れる方向に延在しており、少なくとも1つのピンは、コア部材から半径方向に間隔を離して配置されている、ピン・アッセンブリ、並びに、環状コンポーネントの近位においてコア部材に連結されているロック・コンポーネントであって、ロック・コンポーネントは、少なくとも1つのロック・アパーチャーを含み、少なくとも1つのロック・アパーチャーは、少なくとも1つのピンがそれを通って延在することを許容するように構成されており、ロック・コンポーネント及びピン・アッセンブリは、弁プロテーゼの一部分に係合するために、ロック・コンポーネントとピン・アッセンブリとの間に係合領域を集合的に形成している、ロック・コンポーネントを含み、ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であり、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、係合メカニズムと;ルーメンを有するシースであって、ルーメンは、ピン・アッセンブリ及び弁プロテーゼを係合された構成でその中に収納するように構成されている、シースとを含む、送達システム。
【0155】
条項15. ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、円筒形状のピストン部材を含む、請求項14に記載のシステム。
【0156】
条項16. システムは、ピン・アッセンブリ及びロック・コンポーネントの近位にプッシャー・コンポーネントをさらに含み、プッシャー・コンポーネントは、コア部材に連結されており、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー・コンポーネントは、弁プロテーゼの一部分を解除するために、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、ロック・コンポーネントに対して少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【0157】
条項17. シースは、係合された構成におけるプッシャー・コンポーネントを収納するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【0158】
条項18. ピン・アッセンブリは、チューブ状コンポーネントを含み、チューブ状コンポーネントは、ピン・アッセンブリに連結されており、ピン・アッセンブリとプッシャー・コンポーネントとの間に近位に延在しており、プッシャー・コンポーネントは、ピン・アッセンブリを遠位方向に促すために、チューブ状コンポーネントの近位端部部分に接触するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【0159】
条項19. システムは、プッシャー・チューブに連結されているプッシャー・ブロックをさらに含み、プッシャー・チューブは、プッシャー・ブロックを遠位方向に前進させるために、コア部材に沿ってスライド可能である、請求項16に記載のシステム。
【0160】
条項20. プッシャー・ブロックは、プッシャー・コンポーネントの近位に位置決めされており、プッシャー・ブロックは、プッシャー・コンポーネントから間隔を離して配置されており、その中への弁プロテーゼのサポート・フレームの設置を許容する、請求項19に記載のシステム。
【0161】
条項21. シースは、係合された構成におけるプッシャー・ブロックを収納するように構成されている、請求項20に記載のシステム。
【0162】
条項22. システムは、近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントをさらに含み、チューブ状コンポーネントの遠位セクションは、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントに連結されている、請求項14に記載のシステム。
【0163】
条項23. システムは、ロック・コンポーネントに連結されている遠位コーン・コンポーネントをさらに含み、遠位コーン・コンポーネントは、コア部材に固定して連結され、コア部材に対してロック・コンポーネントを連結しており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、遠位コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにピン・アッセンブリがそれらの間に延在することを許容する、請求項14に記載のシステム。
【0164】
条項24. ロック・コンポーネント及び遠位コーン・コンポーネントは、一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成しており、ピン・アッセンブリは、キャビティーの中に少なくとも部分的に配設されている、請求項23に記載のシステム。
【0165】
条項25. ロック・コンポーネントは、第1のキャビティー領域を含み、遠位コーン・コンポーネントは、第2のキャビティー領域を含み、第1及び第2のキャビティー領域は、ロック・コンポーネント及び遠位コーン・コンポーネントが一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成する、請求項24に記載のシステム。
【0166】
条項26. シースは、遠位コーンの半径方向の窪み部に当接するように構成された遠位端部を有している、請求項23に記載のシステム。
【0167】
条項27. 弁プロテーゼは、少なくとも1つのアンカー固定レッグを有する弁アンカーを含み、少なくとも1つのアンカー固定レッグは、少なくとも1つのピンと係合するために、それを通して配設された接続アパーチャーを含む、請求項14に記載のシステム。
【0168】
条項28. ピン・アッセンブリは、複数のピンを含み、ロック・コンポーネントは、複数のピンのうちの1つにそれぞれ対応する複数のロック・アパーチャーを含む、請求項14に記載のシステム。
【0169】
条項29. 弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、システムは、弁アンカーに連結されているサポート・フレームを含む弁プロテーゼであって、サポート・フレームは、それに連結されている複数の弁尖を有しており、弁アンカーは、3つのアンカー固定レッグを有しており、アンカー固定レッグは、それを通して配設されている接続アパーチャーをそれぞれ含む、弁プロテーゼと;近位端部部分、遠位端部部分、及び、近位端部部分と遠位端部部分との間に延在する長手方向軸線を有する、コア部材と;弁プロテーゼの弁アンカーに解放可能に係合するためにコア部材の遠位端部部分に連結されている係合メカニズムであって、係合メカニズムは、ノーズ・コーンであって、ノーズ・コーンは、その中に形成されたキャビティー、及び、それに連結されているロック・コンポーネントを有する、ノーズ・コーンと;ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材に連結されており、キャビティーの中をコア部材に沿って移動可能であり、ピン・アッセンブリは、コア部材の半径方向に外部に配設されており、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び3つのピンを含み、3つのピンは、環状コンポーネントに連結されており、遠位端部部分から離れる方向に延在しており、3つのピンは、コア部材から半径方向に間隔を離して配置されている、ピン・アッセンブリと;を含み、ロック・コンポーネントは、環状コンポーネントの近位に位置決めされており、ロック・コンポーネントは、3つのピンのうちの1つにそれぞれ対応する3つのロック・アパーチャーを含み、3つのロック・アパーチャーは、3つのピンがそれを通って延在することを許容するように構成されており、ロック・コンポーネント及びピン・アッセンブリは、係合された構成におけるその中の弁アンカーの一部分に係合するために、ロック・コンポーネントとピン・アッセンブリとの間に係合領域を集合的に形成しており、係合領域から外への3つのピンの移動のときに、弁アンカーの一部分の解除を許容する、係合メカニズムと;ルーメンを有するシースであって、ルーメンは、ピン・アッセンブリ、弁アンカー、及びサポート・フレームを係合された構成でその中に収納するように構成されており、シースは、ノーズ・コーンの半径方向の窪み部に当接するように構成された遠位端部を有している、シースとを含む、送達システム。
【0170】
条項30. システムは、ピン・アッセンブリ及びロック・コンポーネントの近位にプッシャー・コンポーネントをさらに含み、プッシャー・コンポーネントは、コア部材に連結されており、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー・コンポーネントは、弁プロテーゼの一部分を解除するために、係合領域から外へ3つのピンを遠位に前進させるために、ロック・コンポーネントに対して3つのピンを遠位に前進させるために、ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されている、請求項29に記載のシステム。
【0171】
条項31. シースは、係合された構成におけるプッシャー・コンポーネントを収納するように構成されている、請求項30に記載のシステム。
【0172】
条項32. システムは、プッシャー・チューブに連結されているプッシャー・ブロックをさらに含み、プッシャー・チューブは、プッシャー・ブロックを遠位方向に前進させるために、コア部材に沿ってスライド可能である、請求項30に記載のシステム。
【0173】
条項33. プッシャー・ブロックは、プッシャー・コンポーネントの近位に位置決めされており、プッシャー・ブロックは、プッシャー・コンポーネントから間隔を離して配置されており、その中への弁プロテーゼのサポート・フレームの設置を許容する、請求項32に記載のシステム。
【0174】
条項34. シースは、係合された構成におけるプッシャー・ブロックを収納するように構成されている、請求項33に記載のシステム。
【0175】
条項35. ピン・アッセンブリは、チューブ状コンポーネントを含み、チューブ状コンポーネントは、ピン・アッセンブリに連結されており、ピン・アッセンブリとプッシャー・コンポーネントとの間に近位に延在しており、プッシャー・コンポーネントは、ピン・アッセンブリを遠位方向に促すために、チューブ状コンポーネントの近位端部部分に接触するように構成されている、請求項30に記載のシステム。
【0176】
条項36. シースは、ロック・コンポーネントの少なくとも一部分の上方に延在するように構成されている、請求項29に記載のシステム。
【0177】
条項37. 半径方向の窪み部は、ロック・コンポーネントをシースに取り外し可能に連結するために、ロック・コンポーネントの近位端部部分がシースのルーメンの中へ挿入されることを許容するように構成されている、請求項29に記載のシステム。
【0178】
条項38. ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、円筒形状のピストン部材を含む、請求項29に記載のシステム。
【0179】
条項39. ピストン部材は、対向する近位プレート及び遠位プレートを含み、近位プレートは、3つのアパーチャーを含み、3つのピンは、3つのアパーチャーを通って延在しており、3つのピンの一部分は、近位プレートと遠位プレートとの間に間置及び係合されている、請求項38に記載のシステム。
【0180】
条項40. システムは、近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントをさらに含み、チューブ状コンポーネントの遠位セクションは、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントに連結されている、請求項29に記載のシステム。
【0181】
条項41. システムは、ロック・コンポーネントの近位の位置へロック・コンポーネントを通って近位に延在しているチューブ状コンポーネントをさらに含む、請求項29に記載のシステム。
【0182】
条項42. (a)係合された構成において、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、弁プロテーゼの一部分に係合するために、3つのピンが係合領域を通って延在することを許容しており、(b)解放された構成において、環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離よりも大きい第2の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、係合領域を通して3つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、請求項29に記載のシステム。
【0183】
条項43. 解放された構成において、3つのピンは、係合領域の外側に位置決めされている、請求項42に記載のシステム。
【0184】
条項44. 弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、システムは、コア部材と;コア部材に連結されているノーズ・コーンであって、ノーズ・コーンは、ノーズ・コーン・コンポーネント、ノーズ・コーン・コンポーネントの近位にあってノーズ・コーン・コンポーネントに連結されているロック・コンポーネント、及び、その中に形成されたキャビティーを有しており、ノーズ・コーン・コンポーネントは、ロック・コンポーネントの遠位に位置決めされており、ロック・コンポーネントは、弁プロテーゼの一部分が係合され得る係合領域を形成している、ノーズ・コーンと;ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材に連結されており、キャビティーの中をコア部材に沿って移動可能であり、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び少なくとも1つのピンを含み、少なくとも1つのピンは、環状コンポーネントに連結されており、キャビティーから外へロック・コンポーネントを通って延在しており、ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対してスライド可能であり、係合領域の外へ少なくとも1つのピンを移動させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、ピン・アッセンブリと;プッシャー部材であって、プッシャー部材は、コア部材に連結されており、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー部材は、ピン・アッセンブリ及びロック・コンポーネントの近位に配設されており、プッシャー部材は、弁プロテーゼの一部分を解除するために、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを移動させるために、ロック・コンポーネントに対して少なくとも1つのピンを移動させるために、ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されている、プッシャー部材とを含む、送達システム。
【0185】
条項45. ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であり、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、請求項44に記載のシステム。
【0186】
条項46. ロック・コンポーネントは、近位フランジ及び遠位フランジを含み、近位フランジ及び遠位フランジは、それらの間に係合領域を集合的に形成している、請求項44に記載のシステム。
【0187】
条項47. システムは、近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントをさらに含み、チューブ状コンポーネントの遠位セクションは、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントに連結されている、請求項44に記載のシステム。
【0188】
条項48. システムは、プッシャー部材をさらに含み、プッシャー部材は、コア部材に連結されており、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー部材は、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを移動させるために、ピン・アッセンブリをスライドさせるためにピン・アッセンブリに接触するように構成されている、請求項44に記載のシステム。
【0189】
条項49. プッシャー部材は、ピン・アッセンブリ及びロック・コンポーネントの近位に配設されており、プッシャー部材は、弁プロテーゼの一部分を解除するために、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、ロック・コンポーネントに対して少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されている、請求項48に記載のシステム。
【0190】
条項50. プッシャー部材は、近位平坦面及び円錐状の遠位面を有する円錐状の形状を含み、円錐状の遠位面は、ピン・アッセンブリに接触するように構成されている、請求項49に記載のシステム。
【0191】
条項51. プッシャー・コンポーネントは、チューブ状部分と、チューブ状部分から延在するフランジとを含む、請求項49に記載のシステム。
【0192】
条項52. プッシャー・コンポーネントは、弁プロテーゼのサポート・フレームの遠位端部部分に隣接して延在する近位面を有する半径方向のフランジを含み、折り畳まれた状態において、サポート・フレームは、プッシャー・コンポーネント近位面に接触するよう動作し、コア部材に対してプッシャー・コンポーネントを遠位に前進させる、請求項49に記載のシステム。
【0193】
条項53. システムは、プッシャー・チューブに連結されているプッシャー・ブロックをさらに含み、プッシャー・チューブは、プッシャー・ブロックを遠位方向に前進させるために、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー・ブロックは、プッシャー・コンポーネントから間隔を離して配置されており、その中への弁プロテーゼのサポート・フレームの設置を許容する、請求項52に記載のシステム。
【0194】
条項54. システムは、シースをさらに含み、シースは、そのルーメンの中にプッシャー・ブロック及びサポート・フレームを収納するように構成されおり、シース、サポート・フレーム、及びプッシャー・ブロックは、プッシャー・コンポーネントの近位平坦面に接触するように構成されており、コア部材に対してプッシャー・コンポーネントをピン・アッセンブリに向けて移動させるために、プッシャー・コンポーネントに対して遠位力を付与する、請求項53に記載のシステム。
【0195】
条項55. ノーズ・コンポーネントは、コア部材に固定して連結され、コア部材に対してロック・コンポーネントを連結しており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにピン・アッセンブリがそれらの間に延在することを許容する、請求項44に記載のシステム。
【0196】
条項56. ロック・コンポーネント及びノーズ・コーン・コンポーネントは、一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成しており、ロック・コンポーネントは、第1のキャビティー領域を含み、ノーズ・コーン・コンポーネントは、第2のキャビティー領域を含み、第1及び第2のキャビティー領域は、ロック・コンポーネント及びノーズ・コーン・コンポーネントが一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成する、請求項55に記載のシステム。
【0197】
条項57. (a)係合された構成において、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、弁プロテーゼの一部分に係合するために、少なくとも1つのピンが係合領域を通って延在することを許容しており、(b)解放された構成において、環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離よりも大きい第2の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、係合領域を通して少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、請求項44に記載のシステム。
【0198】
条項58. 解放された構成において、少なくとも1つのピンは、係合領域の外側に位置決めされている、請求項57に記載のシステム。
【0199】
条項59. 弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、システムは、近位端部部分、遠位端部部分、及び、近位端部部分と遠位端部部分との間に延在する長手方向軸線を有する、コア部材と;コア部材に連結されているノーズ・コーンであって、ノーズ・コーンは、ノーズ・コーン・コンポーネント、及び、ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されているロック・コンポーネントを有しており、ロック・コンポーネントは、弁プロテーゼの一部分が係合され得る係合領域を形成している、ノーズ・コーンと;ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材に連結されており、コア部材に沿って移動可能であり、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び3つのピンを含み、3つのピンは、環状コンポーネントに連結されており、ロック・コンポーネントを通って延在しており、ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対してスライド可能であり、係合領域から外へ3つのピンを移動させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、ピン・アッセンブリと;プッシャー部材であって、プッシャー部材は、コア部材に連結されており、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー部材は、ピン・アッセンブリ及びロック・コンポーネントの近位に配設されており、プッシャー部材は、弁プロテーゼの一部分を解除するために、係合領域から外へ3つのピンを遠位に前進させるために、ロック・コンポーネントに対して3つのピンを遠位に前進させるために、ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されている、プッシャー部材とを含む、送達システム。
【0200】
条項60. ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であり、係合領域から外へ3つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、請求項59に記載のシステム。
【0201】
条項61. ロック・コンポーネントは、近位フランジ及び遠位フランジを含み、近位フランジ及び遠位フランジは、それらの間に係合領域を集合的に形成している、請求項59に記載のシステム。
【0202】
条項62. システムは、近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントをさらに含み、チューブ状コンポーネントの遠位セクションは、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントに連結されている、請求項59に記載のシステム。
【0203】
条項63. システムは、プッシャー部材をさらに含み、プッシャー部材は、コア部材に連結されており、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー部材は、係合領域から外へ3つのピンを移動させるために、ピン・アッセンブリをスライドさせるためにピン・アッセンブリに接触するように構成されている、請求項59に記載のシステム。
【0204】
条項64. プッシャー部材は、ピン・アッセンブリ及びロック・コンポーネントの近位に配設されており、プッシャー部材は、弁プロテーゼの一部分を解除するために、係合領域から外へ3つのピンを遠位に前進させるために、ロック・コンポーネントに対して3つのピンを遠位に前進させるために、ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されている、請求項63に記載のシステム。
【0205】
条項65. プッシャー部材は、近位平坦面及び円錐状の遠位面を有する円錐状の形状を含み、円錐状の遠位面は、ピン・アッセンブリに接触するように構成されている、請求項64に記載のシステム。
【0206】
条項66. ピン・アッセンブリは、チューブ状コンポーネントを含み、チューブ状コンポーネントは、ピン・アッセンブリに連結されており、ピン・アッセンブリとプッシャー部材との間に近位に延在しており、プッシャー部材は、ピン・アッセンブリを遠位方向に促すために、チューブ状コンポーネントの近位端部部分に接触するように構成されている、請求項65に記載のシステム。
【0207】
条項67. チューブ状コンポーネントは、ロック・コンポーネントの近位の位置へロック・コンポーネントを通って近位に延在している、請求項66に記載のシステム。
【0208】
条項68. ノーズ・コーン・コンポーネントは、コア部材に固定して連結されており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにチューブ状コンポーネントがそれらの間に延在することを許容する、請求項67に記載のシステム。
【0209】
条項69. ロック・コンポーネントの近位部分は、係合された構成において、チューブ状コンポーネントに半径方向にオーバーラップしている、請求項68に記載のシステム。
【0210】
条項70. プッシャー・コンポーネントは、チューブ状部分と、チューブ状部分から延在するフランジとを含む、請求項64に記載のシステム。
【0211】
条項71. プッシャー・コンポーネントは、弁プロテーゼのサポート・フレームの遠位端部部分に隣接して延在する近位面を有する半径方向のフランジを含み、折り畳まれた状態において、サポート・フレームは、プッシャー・コンポーネント近位面に接触するよう動作し、コア部材に対してプッシャー・コンポーネントを遠位に前進させる、請求項64に記載のシステム。
【0212】
条項72. ノーズ・コンポーネントは、コア部材に固定して連結され、コア部材に対してロック・コンポーネントを連結しており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにピン・アッセンブリがそれらの間に延在することを許容する、請求項59に記載のシステム。
【0213】
条項73. 弁プロテーゼは、少なくとも1つのアンカー固定レッグを有する弁アンカーを含み、少なくとも1つのアンカー固定レッグは、3つのピンと係合するために、それを通して配設された接続アパーチャーを含む、請求項59に記載のシステム。
【0214】
条項74. 弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、システムは、近位端部部分、遠位端部部分、及び、近位端部部分と遠位端部部分との間に延在する長手方向軸線を有する、コア部材と;コア部材に連結されているノーズ・コーンであって、ノーズ・コーンは、ノーズ・コーンの中に形成されたキャビティー、及び、ノーズ・コーンから延在するロック・コンポーネントを有しており、ロック・コンポーネントは、弁プロテーゼの一部分が係合され得る係合領域を形成している、ノーズ・コーンと;ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材に連結されており、キャビティーの中をコア部材に沿って移動可能であり、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント、環状コンポーネントから延在するチューブ状コンポーネント、及び、少なくとも1つのピンを含み、少なくとも1つのピンは、環状コンポーネントに連結されており、キャビティーから外へロック・コンポーネントを通って延在しており、ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であり、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、ピン・アッセンブリと;プッシャー部材であって、プッシャー部材は、コア部材に連結されており、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー部材は、ピン・アッセンブリ及びロック・コンポーネントの近位に配設されており、プッシャー部材は、近位平坦面及び円錐状の遠位面を有する円錐状の形状を含み、円錐状の遠位面は、弁プロテーゼの一部分を解除するために、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、ロック・コンポーネントに対して少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、ピン・アッセンブリのチューブ状コンポーネントの近位端部部分に接触及び係合するように構成されている、プッシャー部材と;プッシャー・チューブに連結されているプッシング・ブロックであって、プッシャー・チューブは、プッシング・ブロックを遠位方向に前進させるために、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシング・ブロックは、プッシャー・コンポーネントの近位に位置決めされており、プッシング・ブロックは、プッシャー・コンポーネントから間隔を離して配置されており、その中への弁プロテーゼのサポート・フレームの設置を許容する、プッシング・ブロックとを含む、送達システム。
【0215】
条項75. ロック・コンポーネントは、環状コンポーネントの近位に配設されており、ロック・コンポーネントは、少なくとも1つのロック・アパーチャーを含み、少なくとも1つのロック・アパーチャーは、少なくとも1つのピンがそれを通って延在することを許容するように構成されている、請求項74に記載のシステム。
【0216】
条項76. ロック・コンポーネントは、近位フランジ及び遠位フランジを含み、近位フランジ及び遠位フランジは、それらの間に係合領域を集合的に形成している、請求項74に記載のシステム。
【0217】
条項77. ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、キャビティーの中をスライド可能な円筒形状のピストン部材を含む、請求項74に記載のシステム。
【0218】
条項78. ピストン部材は、対向する近位プレート及び遠位プレートを含み、近位プレートは、少なくとも1つのアパーチャーを含み、少なくとも1つのピンは、少なくとも1つのアパーチャーを通って延在しており、少なくとも1つのピンの一部分は、近位プレートと遠位プレートとの間に間置及び係合されている、請求項77に記載のシステム。
【0219】
条項79. チューブ状コンポーネントは、ロック・コンポーネントの近位の位置へロック・コンポーネントを通って近位に延在している、請求項74に記載のシステム。
【0220】
条項80. ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにチューブ状コンポーネントがそれらの間に延在することを許容する、請求項79に記載のシステム。
【0221】
条項81. ロック・コンポーネントの近位部分は、係合された構成において、チューブ状コンポーネントに半径方向にオーバーラップしている、請求項80に記載のシステム。
【0222】
条項82. プッシャー・コンポーネントは、チューブ状部分と、チューブ状部分から延在するフランジとを含む、請求項74に記載のシステム。
【0223】
条項83. プッシャー・コンポーネントは、弁プロテーゼのサポート・フレームの遠位端部部分に隣接して延在する近位面を有する半径方向のフランジを含み、折り畳まれた状態において、サポート・フレームは、プッシャー・コンポーネント近位面に接触するよう動作し、コア部材に対してプッシャー・コンポーネントを遠位に前進させる、請求項74に記載のシステム。
【0224】
条項84. システムは、シースをさらに含み、シースは、そのルーメンの中にプッシング・ブロック及びサポート・フレームを収納するように構成されており、シース、サポート・フレーム、及びプッシング・ブロックは、プッシャー・コンポーネントの近位平坦面に接触するように構成されており、コア部材に対してプッシャー・コンポーネントをピン・アッセンブリに向けて移動させるために、プッシャー・コンポーネントに対して遠位力を付与する、請求項74に記載のシステム。
【0225】
条項85. 弁プロテーゼは、少なくとも1つのアンカー固定レッグを有する弁アンカーを含み、少なくとも1つのアンカー固定レッグは、少なくとも1つのピンと係合するために、それを通して配設された接続アパーチャーを含む、請求項74に記載のシステム。
【0226】
条項86. 弁アンカーは、3つのアンカー固定レッグを含み、ピン・アッセンブリは、弁アンカーのそれぞれのアンカー固定レッグと係合するための3つのピンを含む、請求項85に記載のシステム。
【0227】
条項87. (a)係合された構成において、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、弁プロテーゼの一部分に係合するために、少なくとも1つのピンが係合領域を通って延在することを許容しており、(b)解放された構成において、環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離よりも大きい第2の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、係合領域を通して少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、請求項74に記載のシステム。
【0228】
条項88. 解放された構成において、少なくとも1つのピンは、係合領域の外側に位置決めされている、請求項87に記載のシステム。
【0229】
条項89. 弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、システムは、コア部材と;コア部材に連結されているノーズ・コーンであって、ノーズ・コーンは、ノーズ・コーン・コンポーネント、ノーズ・コーン・コンポーネントの近位にあってノーズ・コーン・コンポーネントに連結されているロック・コンポーネント、及び、その中に形成されたキャビティーを有しており、ノーズ・コーン・コンポーネントは、ロック・コンポーネントの遠位に位置決めされており、ロック・コンポーネントは、弁プロテーゼの一部分が係合され得る係合領域を形成している、ノーズ・コーンと;ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材に連結されており、キャビティーの中をコア部材に沿って移動可能であり、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び少なくとも1つのピンを含み、少なくとも1つのピンは、環状コンポーネントに連結されており、キャビティーから外へロック・コンポーネントを通って延在しており、ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対してスライド可能であり、係合領域の外へ少なくとも1つのピンを移動させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、ピン・アッセンブリとを含む、送達システム。
【0230】
条項90. ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であり、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、請求項89に記載のシステム。
【0231】
条項91. ノーズ・コーンは、コア部材の遠位端部部分に連結されている、請求項89に記載のシステム。
【0232】
条項92. ロック・コンポーネントは、環状コンポーネントの近位に配設されており、ロック・コンポーネントは、少なくとも1つのロック・アパーチャーを含み、少なくとも1つのロック・アパーチャーは、少なくとも1つのピンがそれを通って延在することを許容するように構成されている、請求項89に記載のシステム。
【0233】
条項93. ロック・コンポーネントは、近位フランジ及び遠位フランジを含み、近位フランジ及び遠位フランジは、それらの間に係合領域を集合的に形成している、請求項89に記載のシステム。
【0234】
条項94. ノーズ・コンポーネントは、コア部材に固定して連結され、コア部材に対してロック・コンポーネントを連結しており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにピン・アッセンブリがそれらの間に延在することを許容する、請求項89に記載のシステム。
【0235】
条項95. (a)係合された構成において、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、弁プロテーゼの一部分に係合するために、少なくとも1つのピンが係合領域を通って延在することを許容しており、(b)解放された構成において、環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離よりも大きい第2の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、係合領域を通して少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、請求項89に記載のシステム。
【0236】
条項96. 解放された構成において、少なくとも1つのピンは、係合領域の外側に位置決めされている、請求項95に記載のシステム。
【0237】
条項97. システムは、近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントをさらに含み、チューブ状コンポーネントの遠位セクションは、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントに連結されている、請求項89に記載のシステム。
【0238】
条項98. チューブ状コンポーネントは、ロック・コンポーネントの近位の位置へロック・コンポーネントを通って近位に延在している、請求項97に記載のシステム。
【0239】
条項99. ノーズ・コーン・コンポーネントは、コア部材に固定して連結されており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにチューブ状コンポーネントがそれらの間に延在することを許容する、請求項98に記載のシステム。
【0240】
条項100. ロック・コンポーネントの近位部分は、係合された構成において、チューブ状コンポーネントに半径方向にオーバーラップしている、請求項99に記載のシステム。
【0241】
条項101. ノーズ・コンポーネントは、コア部材に固定して連結され、コア部材に対してロック・コンポーネントを連結しており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにピン・アッセンブリがそれらの間に延在することを許容する、請求項89に記載のシステム。
【0242】
条項102. ロック・コンポーネント及びノーズ・コーン・コンポーネントは、一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成している、請求項89に記載のシステム。
【0243】
条項103. ロック・コンポーネントは、第1のキャビティー領域を含み、ノーズ・コーン・コンポーネントは、第2のキャビティー領域を含み、第1及び第2のキャビティー領域は、ロック・コンポーネント及びノーズ・コーン・コンポーネントが一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成する、請求項102に記載のシステム。
【0244】
条項104. 弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、システムは、近位端部部分、遠位端部部分、及び、近位端部部分と遠位端部部分との間に延在する長手方向軸線を有する、コア部材と;コア部材に連結されているノーズ・コーンであって、ノーズ・コーンは、ノーズ・コーン・コンポーネント、及び、ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されているロック・コンポーネントを有しており、ロック・コンポーネントは、弁プロテーゼの一部分が係合され得る係合領域を形成している、ノーズ・コーンと;ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材に連結されており、コア部材に沿って移動可能であり、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び3つのピンを含み、3つのピンは、環状コンポーネントに連結されており、ロック・コンポーネントを通って延在しており、ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対してスライド可能であり、係合領域から外へ3つのピンを移動させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、ピン・アッセンブリとを含む、送達システム。
【0245】
条項105. ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であり、係合領域から外へ3つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、請求項104に記載のシステム。
【0246】
条項106. ロック・コンポーネントは、環状コンポーネントの近位に配設されており、ロック・コンポーネントは、少なくとも1つのロック・アパーチャーを含み、少なくとも1つのロック・アパーチャーは、3つのピンがそれを通って延在することを許容するように構成されている、請求項104に記載のシステム。
【0247】
条項107. ロック・コンポーネントは、近位フランジ及び遠位フランジを含み、近位フランジ及び遠位フランジは、それらの間に係合領域を集合的に形成している、請求項104に記載のシステム。
【0248】
条項108. システムは、近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントをさらに含み、チューブ状コンポーネントの遠位セクションは、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントに連結されている、請求項104に記載のシステム。
【0249】
条項109. チューブ状コンポーネントは、ロック・コンポーネントの近位の位置へロック・コンポーネントを通って近位に延在している、請求項108に記載のシステム。
【0250】
条項110. ノーズ・コーン・コンポーネントは、コア部材に固定して連結されており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにチューブ状コンポーネントがそれらの間に延在することを許容する、請求項109に記載のシステム。
【0251】
条項111. ロック・コンポーネントの近位部分は、係合された構成において、チューブ状コンポーネントに半径方向にオーバーラップしている、請求項110に記載のシステム。
【0252】
条項112. ノーズ・コンポーネントは、コア部材に固定して連結され、コア部材に対してロック・コンポーネントを連結しており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにピン・アッセンブリがそれらの間に延在することを許容する、請求項104に記載のシステム。
【0253】
条項113. 弁プロテーゼは、少なくとも1つのアンカー固定レッグを有する弁アンカーを含み、少なくとも1つのアンカー固定レッグは、3つのピンと係合するために、それを通して配設された接続アパーチャーを含む、請求項104に記載のシステム。
【0254】
条項114. システムは、シースをさらに含み、シースは、コア部材に沿って延在しており、弁プロテーゼを圧縮された構成で収納するように構成されている、請求項104に記載のシステム。
【0255】
条項115. シースは、ロック・コンポーネントの少なくとも一部分の上方に延在するように構成されている、請求項114に記載のシステム。
【0256】
条項116. ロック・コンポーネントの近位端部部分は、シースの遠位端部に当接するように構成された半径方向の窪み部を含む、請求項115に記載のシステム。
【0257】
条項117. 半径方向の窪み部は、ロック・コンポーネントをシースに取り外し可能に連結するために、ロック・コンポーネント近位端部部分がシースのルーメンの中へ挿入されることを許容するように構成されている、請求項116に記載のシステム。
【0258】
条項118. ピン・アッセンブリは、複数のピンを含み、ロック・コンポーネントは、複数のピンのうちの1つにそれぞれ対応する複数のロック・アパーチャーを含む、請求項104に記載のシステム。
【0259】
条項119. 送達システムの上に弁プロテーゼを組み立てる方法であって、方法は、送達システムのシースの中にコンパクト化された状態で弁プロテーゼを収納するステップであって、弁プロテーゼは、弁アンカー、及び、弁アンカーに連結されているサポート・フレームを含み、弁アンカーは、複数の接続アパーチャーを有する複数のアンカー固定レッグを含む、ステップと;ピン・アッセンブリがコア部材に沿って長手方向にスライド可能であるように、コア部材の周りにピン・アッセンブリをスライド可能に連結するステップと;弁アンカーの複数のアンカー固定レッグに係合するように、弁アンカーの複数の接続アパーチャー及び送達システムの複数のロック・アパーチャーを通して、ピン・アッセンブリの複数のピンを挿入するステップとを含む、方法。
【0260】
条項120. 弁アンカーの複数の接続アパーチャーを第1のフランジと第2のフランジとの間に位置決めするステップであって、ロック・アパーチャーは、第1のフランジ及び第2のフランジの両方を通って延在している、ステップをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【0261】
条項121. ピン・アッセンブリが係合された構成と解除された構成との間でキャビティーの中を往復運動式になるように、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントを送達システムのキャビティーの中に位置決めするステップであって、複数のピンは、環状コンポーネントから長手方向に延在している、ステップをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【0262】
条項122. プッシャー・コンポーネントがコア部材に沿って長手方向にスライド可能であるように、プッシャー・コンポーネントをコア部材の周りにスライド可能に連結するステップをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【0263】
条項123. プッシャー・コンポーネントがチューブ状コンポーネントの端部に接触することができるように、プッシャー・コンポーネントに向けてコア部材に沿って延在するように、ピン・アッセンブリのチューブ状コンポーネントを位置決めするステップをさらに含む、請求項122に記載の方法。
【0264】
条項124. チューブ状コンポーネントがピン・アッセンブリに接触することができるように、ピン・アッセンブリに向けてコア部材に沿って延在するように、プッシャー・コンポーネントのチューブ状コンポーネントを位置決めするステップをさらに含む、請求項122に記載の方法。
【0265】
条項125. サポート・フレームの第1の端部がプッシャー・コンポーネントに接触することができるように、プッシャー・コンポーネントをサポート・フレームの第1の端部に位置決めするステップをさらに含む、請求項122に記載の方法。
【0266】
条項126. 第2の端部がサポート・フレームに接触することができるように、サポート・フレームの第1の端部の反対側のサポート・フレームの第2の端部にプッシング・ブロックを位置決めするステップをさらに含む、請求項125に記載の方法。
【0267】
条項127. 複数のアンカー固定レッグの長さに沿って延在している複数の長手方向のスロットに沿ってスライド可能に連結されている少なくとも1つの縫合糸を介して、弁アンカーをサポート・フレームに連結するステップをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【0268】
条項128. 弁アンカーと弁アンカーに直列的に連結されているサポート・フレームとをシースの中に位置決めするステップをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【0269】
条項129. 弁プロテーゼを有するシースであって、弁プロテーゼは、コンパクト化された状態でシースの中に収納され、弁プロテーゼは、弁アンカー及びサポート・フレームを含み、サポート・フレームは、弁アンカーに移動可能に連結されており、弁アンカーは、複数の接続アパーチャーを有する複数のアンカー固定レッグを含む、シースと;長手方向に延在しているコア部材と;複数のロック・アパーチャーを含むロック・コンポーネントと;ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材にスライド可能に連結されており、ピン・アッセンブリがコア部材に沿って長手方向にスライド可能であるようになっており、ピン・アッセンブリは、複数のピンを含み、複数のピンは、複数の接続アパーチャーを通って、及び、複数のロック・アパーチャーを通って長手方向に延在し、弁アンカーの複数のアンカー固定レッグに係合している、ピン・アッセンブリとを含む、送達システム。
【0270】
条項130. 送達システムは、弁アンカーの複数の接続アパーチャーを第1のフランジと第2のフランジとの間に位置決めすることをさらに含み、ロック・アパーチャーは、第1のフランジ及び第2のフランジの両方を通って延在している、請求項129に記載の送達システム。
【0271】
条項131. ピン・アッセンブリは、環状コンポーネントをさらに含み、環状コンポーネントは、キャビティーの中に往復運動可能に配設されており、複数のピンは、環状コンポーネントから長手方向に延在している、請求項129に記載の送達システム。
【0272】
条項132. 送達システムは、プッシャー・コンポーネントをさらに含み、プッシャー・コンポーネントは、コア部材にスライド可能に連結されており、プッシャー・コンポーネントがコア部材に沿って長手方向にスライド可能であるようになっている、請求項129に記載の送達システム。
【0273】
条項133. ピン・アッセンブリは、プッシャー・コンポーネントに向けてコア部材に沿って延在するチューブ状コンポーネントを含み、プッシャー・コンポーネントは、チューブ状コンポーネントの端部に接触するように構成されている、請求項132に記載の送達システム。
【0274】
条項134. プッシャー・コンポーネントは、ピン・アッセンブリに向けてコア部材に沿って延在するチューブ状コンポーネントを含み、チューブ状コンポーネントの端部は、ピン・アッセンブリに接触するように構成されている、請求項132に記載の送達システム。
【0275】
条項135. サポート・フレームは、プッシャー・コンポーネントに接触するように位置決めされた第1の端部を有している、請求項132に記載の送達システム。
【0276】
条項136. 送達システムは、プッシング・ブロックをさらに含み、プッシング・ブロックは、サポート・フレームの第1の端部の反対側のサポート・フレームの第2の端部に接触するように構成されている、請求項135に記載の送達システム。
【0277】
条項137. 送達システムは、少なくとも1つの縫合糸をさらに含み、少なくとも1つの縫合糸は、サポート・フレームに連結されており、複数のアンカー固定レッグの長さに沿って延在する複数の長手方向のスロットに沿ってスライド可能に連結されている、請求項129に記載の送達システム。
【0278】
条項138. 弁アンカー、及び、弁アンカーに連結されているサポート・フレームは、シースの中に直列的に位置決めされている、請求項129に記載の送達システム。
【0279】
条項139. 弁プロテーゼを有するシースであって、弁プロテーゼは、コンパクト化された状態でシースの中に収納され、弁プロテーゼは、弁アンカー及びサポート・フレームを含み、サポート・フレームは、弁アンカーに移動可能に連結されており、弁アンカーは、複数の丸みを帯びたベース部分及び複数のアンカー固定レッグを含み、複数のアンカー固定レッグは、複数の丸みを帯びたベース部分と相互接続され、複数の丸みを帯びたベース部分同士の間に交互に間置されており、アンカー固定レッグのそれぞれは、丸みを帯びたベース部分に接合されている近位端部、及び、接続アパーチャーを有する遠位端部を有している、シースと;長手方向に延在しているコア部材と;複数のロック・アパーチャーを含むロック・コンポーネントと;ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、サポート・フレームの遠位に位置決めされ、コア部材にスライド可能に連結されており、ピン・アッセンブリは、複数のピンを含み、複数のピンは、複数の接続アパーチャーを通って、及び、複数のロック・アパーチャーを通って近位に延在し、弁アンカーの複数のアンカー固定レッグに係合している、ピン・アッセンブリとを含む、送達システム。
【0280】
条項140. 送達システムは、弁アンカーの接続アパーチャーを遠位フランジと近位フランジとの間に位置決めすることをさらに含み、ロック・アパーチャーは、遠位フランジ及び近位フランジの両方を通って延在している、請求項139に記載の送達システム。
【0281】
条項141. ピン・アッセンブリは、環状コンポーネントをさらに含み、環状コンポーネントは、キャビティーの中に往復運動可能に配設されており、ピン・アッセンブリは、キャビティーの中の近位位置にある係合された構成と、キャビティーの中の遠位位置にある解除された構成との間で往復運動式になっており、複数のピンは、環状コンポーネントの近位面から近位に延在している、請求項139に記載の送達システム。
【0282】
条項142. 送達システムは、プッシャー・コンポーネントをさらに含み、プッシャー・コンポーネントは、コア部材にスライド可能に連結されており、プッシャー・コンポーネントがコア部材に沿って長手方向にスライド可能であるようになっている、請求項139に記載の送達システム。
【0283】
条項143. ピン・アッセンブリは、プッシャー・コンポーネントに向けてコア部材に沿って近位に延在するチューブ状コンポーネントを含み、プッシャー・コンポーネントは、チューブ状コンポーネントの遠位面に接触するように構成されている、請求項142に記載の送達システム。
【0284】
条項144. プッシャー・コンポーネントは、ピン・アッセンブリに向けてコア部材に沿って遠位に延在するチューブ状コンポーネントを含み、チューブ状コンポーネントの端部は、ピン・アッセンブリの近位面に接触するように構成されている、請求項142に記載の送達システム。
【0285】
条項145. サポート・フレームは、プッシャー・コンポーネントの近位面に接触するように位置決めされた遠位端部を有している、請求項142に記載の送達システム。
【0286】
条項146. 送達システムは、プッシング・ブロックをさらに含み、プッシング・ブロックは、サポート・フレームの遠位端部の反対側のサポート・フレームの近位端部に接触するように構成されている、請求項145に記載の送達システム。
【0287】
条項147. 送達システムは、少なくとも1つの縫合糸をさらに含み、少なくとも1つの縫合糸は、サポート・フレームに連結されており、複数のアンカー固定レッグの長さに沿って延在する複数の長手方向のスロットに沿ってスライド可能に連結されている、請求項139に記載の送達システム。
【0288】
条項148. 弁アンカー、及び、弁アンカーに連結されているサポート・フレームは、外側シースの中に直列的に位置決めされており、弁アンカーがサポート・フレームの遠位に配設されるようになっている、請求項139に記載の送達システム。
【0289】
条項149. 被検者の血管の中のターゲット場所へ弁プロテーゼを送達するための方法であって、方法は、血管の中へ送達システムを導入し、ターゲット場所に弁アンカーを位置決めするステップと;弁アンカーのアンカー固定レッグと送達システムの係合メカニズムとの間の係合を維持しながら、ターゲット場所に弁アンカーをアンカー固定するために、弁アンカーのアンカー固定部材が膨張することを許容するように、送達システムのシースを近位に後退させるステップであって、係合メカニズムは、プッシャー・コンポーネント、ピン・アッセンブリ、及びロック・コンポーネントを含む、ステップと;送達システムのコア部材に対してプッシャー・コンポーネントを遠位に前進させ、ピン・アッセンブリに接触し、ロック・コンポーネントに対してピン・アッセンブリを遠位に前進させ、ロック・コンポーネントからピン・アッセンブリを解除し、それによって、送達システムからの弁アンカーのアンカー固定レッグの解放を許容するステップとを含む、方法。
【0290】
条項150. アンカー固定部材は、U字形状の部材を含み、方法は、ターゲット場所においてそれぞれの弁構造体の中へアンカー固定部材を前進させるステップをさらに含む、請求項149に記載の方法。
【0291】
条項151. ターゲット場所は、大動脈弁を含み、弁構造体は、大動脈弁洞を含む、請求項150に記載の方法。
【0292】
条項152. 方法は、ターゲット場所の中へアンカー固定部材を遠位に前進させるステップをさらに含む、請求項149に記載の方法。
【0293】
条項153. 方法は、ターゲット場所においてアンカー固定部材を回転させるステップをさらに含む、請求項149に記載の方法。
【0294】
条項154. ターゲット場所においてアンカー固定部材を近位に引き出すステップをさらに含む、請求項149に記載の方法。
【0295】
条項155. ピン・アッセンブリは、ピンを含み、ピンは、係合された構成で、係合領域及びロック・コンポーネントのロック・アパーチャーを通って延在しており、係合領域の中でアンカー固定レッグに係合しており、遠位に前進させるステップは、ロック・アパーチャーを通して、及び、係合領域を通して、ピン・アッセンブリのピンを前進させ、アンカー固定レッグの解除を許容するステップを含む、請求項149に記載の方法。
【0296】
条項156. ピン・アッセンブリは、ピン・アッセンブリからコア部材に沿って近位に延在するチューブ状コンポーネントを含み、遠位に前進させるステップは、チューブ状コンポーネントの近位表面に対してプッシャー・コンポーネントの遠位表面を接触させるステップを含む、請求項149に記載の方法。
【0297】
条項157. ピン・アッセンブリは、ピストン部材を含み、ロック・コンポーネントは、キャビティーを含み、遠位に前進させるステップは、ピストン部材がキャビティーの中を遠位に移動することを引き起こすステップを含む、請求項149に記載の方法。
【0298】
条項158. 導入するステップは、患者の心臓の大動脈弁に隣接して弁アンカーを位置決めするステップを含む、請求項149に記載の方法。
【0299】
条項159. 近位に後退させるステップは、アンカー固定部材が大動脈弁の弁輪の中へ膨張することを許容する、請求項158に記載の方法。
【0300】
条項160. 弁アンカーが解放された後に、弁アンカーのルーメンの中で弁プロテーゼのサポート・フレームを膨張させるステップをさらに含む、請求項149に記載の方法。
【0301】
条項161. 膨張させるステップは、サポート・フレームの上方からシースを近位に後退させ、サポート・フレームが弁アンカーの中で自己膨張することを許容するステップを含む、請求項160に記載の方法。
【0302】
条項162. 送達システムの遠位端部部分は、ターゲット場所における欠陥のある弁へ、血液フローの方向の反対側の方向に前進させられる、請求項149に記載の方法。
【0303】
条項163. シースを近位に後退させることは、サポート・フレームが半径方向に膨張するまで、弁プロテーゼのサポート・フレームを弁プロテーゼの長手方向軸線に沿って静止した状態に保持しながら実施される、請求項149に記載の方法。
【0304】
条項164. 弁プロテーゼ送達のための組み立ての方法であって、方法は、少なくとも1つの縫合糸をサポート・フレームに連結するステップと、少なくとも1つの縫合糸がアンカー固定レッグに沿ってスライド可能であるように、少なくとも1つの縫合糸を弁アンカーのアンカー固定レッグにループさせるステップとを含む、方法。
【0305】
条項165. サポート・フレーム及び弁アンカーをコンパクト化するステップと、サポート・フレームが少なくとも1つの縫合糸を介して弁アンカーに連結されている状態で、コンパクト化されたサポート・フレーム及びコンパクト化された弁アンカーをシースの中に収納するステップとをさらに含む、請求項164に記載の方法。
【0306】
条項166. アンカー固定レッグの接続アパーチャーを通してピンを挿入し、アンカー固定レッグの一部分を拘束するステップをさらに含む、請求項164に記載の方法。
【0307】
条項167. 接続アパーチャー及びロック・アパーチャーを通してピンをスライドさせるステップをさらに含む、請求項166に記載の方法。
【0308】
条項168. 第1のフランジと第2のフランジとの間にアンカー固定レッグの一部分を位置決めするステップをさらに含む、請求項166に記載の方法。
【0309】
条項169. 弁プロテーゼ送達のための組み立ての方法であって、方法は、複数の縫合糸をサポート・フレームの端部に連結するステップと、複数の縫合糸が複数のアンカー固定レッグに沿ってスライド可能であるように、複数の縫合糸を弁アンカーの複数のアンカー固定レッグにループさせるステップであって、アンカー固定レッグのそれぞれは、弁アンカーの1対のU字形状の部材の間に相互接続されており、複数の縫合糸のそれぞれは、それぞれのアンカー固定レッグの長さに沿って延在するそれぞれの長手方向のスロットの中にループさせられている、ステップと、サポート・フレーム及び弁アンカーをコンパクト化するステップと、コンパクト化された弁アンカーと、及び、コンパクト化された弁アンカーにスライド可能に連結されているコンパクト化されたサポート・フレームを、外側シースの中に収納するステップとを含む、方法。
【0310】
条項170. コンパクト化された弁アンカー及びコンパクト化されたサポート・フレームを外側シースの中に直列的に配置するステップをさらに含む、請求項169に記載の方法。
【0311】
条項171. 複数のアンカー固定レッグの複数の接続アパーチャーを通してピン・アッセンブリの複数のピンを挿入し、アンカー固定レッグのそれぞれの端部を半径方向に拘束するステップをさらに含む、請求項169に記載の方法。
【0312】
条項172. 複数の接続アパーチャー及び複数のロック・アパーチャーを通して複数のピンをスライドさせるステップをさらに含む、請求項171に記載の方法。
【0313】
条項173. 第1のフランジと第2のフランジとの間にアンカー固定レッグのそれぞれの端部を位置決めするステップをさらに含む、請求項171に記載の方法。
【0314】
条項174. サポート・フレームと、アンカー固定レッグ及び複数のU字形状の部材を含む弁アンカーと、縫合糸であって、縫合糸は、サポート・フレームに連結されており、アンカー固定レッグにスライド可能に連結されている、縫合糸とを含む、弁プロテーゼ送達のためのシステム。
【0315】
条項175. アンカー固定レッグは、アンカー固定レッグの長さに沿って延在する長手方向のスロットを含み、縫合糸は、長手方向のスロットに沿ってスライド可能に連結されている、請求項174に記載のシステム。
【0316】
条項176. システムは、ピンをさらに含み、アンカー固定レッグは、接続アパーチャーを含み、ピンは、接続アパーチャーを通って延在し、アンカー固定レッグの一部分を拘束する、請求項174に記載のシステム。
【0317】
条項177. システムは、ロック・アパーチャーを含むロック・コンポーネントをさらに含み、ピンは、ロック・アパーチャーを通ってさらに延在している、請求項176に記載のシステム。
【0318】
条項178. ロック・コンポーネントは、第1のフランジ部分と、第2のフランジ部分と、第1のフランジ部分と第2のフランジ部分との間に間置された係合領域とを含み、ロック・アパーチャーは、第1のフランジ部分及び第2のフランジ部分を通って延在しており、アンカー固定レッグの一部分は、係合領域の中に配設されている、請求項177に記載のシステム。
【0319】
条項179. 接続アパーチャーは、アンカー固定レッグの端部において孔部を含む、請求項176に記載のシステム。
【0320】
条項180. サポート・フレームは、第1の端部部分と、第1の端部部分の反対側の第2の端部部分とを有しており、縫合糸は、第1の端部部分に連結されており、第2の端部部分は、複数の主要ピーク及び谷底部、並びに、複数の主要ピークの間の複数の微小ピークを有している、請求項174に記載のシステム。
【0321】
条項181. 微小ピークをカバーするように形状決めされた膜をさらに含む、請求項180に記載のシステム。
【0322】
条項182. 弁アンカー及びサポート・フレームは、外側シースの中にコンパクト化されている、請求項174に記載のシステム。
【0323】
条項183. 弁アンカー、及び、弁アンカーに連結されているサポート・フレームは、外側シースの中に直列的に位置決めされている、請求項182に記載のシステム。
【0324】
条項184. サポート・フレームと;弁アンカーであって、弁アンカーは、3つのアンカー固定レッグ及び3つのU字形状の部材を含み、3つのU字形状の部材は、3つのアンカー固定レッグの間に相互接続されており、アンカー固定レッグのそれぞれは、U字形状の部材に取り付けられている近位端部、接続アパーチャーを有する遠位端部、及び、アンカー固定レッグの長さに沿って延在する長手方向のスロットを有しており、3つのアンカー固定レッグが3つの接続アパーチャー及び3つの長手方向のスロットを有するようになっている、弁アンカーと;3つの縫合糸ループであって、3つの縫合糸ループは、サポート・フレームに連結されており、3つの長手方向のスロットに沿って3つのアンカー固定レッグにスライド可能に連結されている、3つの縫合糸ループとを含む、弁プロテーゼ送達のためのシステム。
【0325】
条項185. システムは、ピン・アッセンブリをさらに含み、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネントと、環状コンポーネントの近位面から近位に延在する3つのピンとを有しており、3つのピンは、3つの接続アパーチャーを通って延在し、3つのアンカー固定レッグの遠位端部を半径方向に拘束する、請求項184に記載のシステム。
【0326】
条項186. システムは、3つのロック・アパーチャーを含むロック・コンポーネントをさらに含み、3つのピンは、3つのロック・アパーチャーを通ってさらに延在している、請求項185に記載のシステム。
【0327】
条項187. ロック・コンポーネントは、遠位フランジ部分と、近位フランジ部分と、遠位フランジ部分と近位フランジ部分との間に間置された係合領域とを含み、3つのロック・アパーチャーは、遠位フランジ部分及び近位フランジ部分を通って延在しており、3つのアンカー固定レッグの遠位端部は、係合領域の中に配設されている、請求項186に記載のシステム。
【0328】
条項188. 3つの接続アパーチャーは、3つのアンカー固定レッグの遠位端部を通って延在する3つの孔部を含む、請求項184に記載のシステム。
【0329】
条項189. サポート・フレームは、遠位端部部分及び近位端部部分を有しており、3つの縫合糸ループは、遠位端部部分に連結されており、近位端部部分は、複数の主要ピーク及び谷底部、並びに、複数の主要ピークの間の複数の微小ピークを有している、請求項184に記載のシステム。
【0330】
条項190. 微小ピークをカバーする膜をさらに含む、請求項189に記載のシステム。
【0331】
条項191. 弁アンカー及びサポート・フレームは、外側シースの中にコンパクト化されている、請求項184に記載のシステム。
【0332】
条項192. 弁アンカー、及び、弁アンカーに連結されているサポート・フレームは、弁アンカーがサポート・フレームの遠位に配設されている状態で、外側シースの中に直列的に位置決めされている、請求項191に記載のシステム。
【0333】
条項193. 弁アンカー及びサポート・フレームのそれぞれは、自己膨張するコンポーネントである、請求項184に記載のシステム。
【0334】
条項194. 弁アンカー及びサポート・フレームのそれぞれは、ニチノールから作製されている、請求項193に記載のシステム。
【0335】
条項195. システムは、ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び3つのピンを有しており、3つのピンは、環状コンポーネントの近位面から近位に延在している、ピン・アッセンブリと;ロック・コンポーネントであって、ロック・コンポーネントは、遠位フランジ部分、近位フランジ部分、遠位フランジ部分と近位フランジ部分との間に間置された係合領域、並びに、遠位フランジ部分及び近位フランジ部分を通って延在している3つのロック・アパーチャーを含み、3つのピンは、3つのアンカー固定レッグの遠位端部が係合領域の中に配設されている状態で、3つの接続アパーチャー及び3つのロック・アパーチャーを通って延在し、3つのアンカー固定レッグの遠位端部を半径方向に拘束しており、弁アンカー及びサポート・フレームのそれぞれは、自己膨張するコンポーネントである、ロック・コンポーネントをさらに含む、請求項184に記載のシステム。
【0336】
条項196. 被検者の血管の中のターゲット場所へ弁プロテーゼを送達するための方法であって、方法は、血管の中へ送達システムを導入し、ターゲット場所に弁プロテーゼの弁アンカーを位置決めするステップと、ターゲット場所に弁アンカーをアンカー固定するために、弁アンカーのアンカー固定部材が膨張することを許容するように、送達システムのシースを近位に後退させるステップと、弁アンカーのアンカー固定レッグに沿ってサポート・フレームに連結されている縫合糸を遠位にスライドさせながら、弁アンカーの中で弁プロテーゼのサポート・フレームを遠位に前進させるステップと、弁アンカーの中でサポート・フレームを膨張させるステップとを含む、方法。
【0337】
条項197. 縫合糸を遠位にスライドさせるステップは、縫合糸を近位位置から遠位位置へ移動させるステップを含み、近位位置では、縫合糸は、弁アンカーの近位部分に対する半径方向の制限を提供しており、遠位位置では、半径方向の制限が緩和され、それによって、弁アンカーの近位部分の半径方向の膨張を許容する、請求項196に記載の方法。
【0338】
条項198. 方法は、縫合糸が近位位置になっているときに、アンカー固定レッグの接続アパーチャーを通って延在するピンによって、アンカー固定レッグの遠位部分を半径方向に制限するステップと、縫合糸が遠位位置になっているときに、接続アパーチャーからピンを解除し、アンカー固定レッグの遠位部分の半径方向の膨張を許容するステップとをさらに含む、請求項197に記載の方法。
【0339】
条項199. 縫合糸を遠位にスライドさせるステップは、アンカー固定レッグの長さに沿って延在する長手方向のスロットに沿って、縫合糸をスライドさせるステップを含む、請求項196に記載の方法。
【0340】
条項200. 縫合糸を遠位にスライドさせる間に、係合メカニズムによってアンカー固定レッグの遠位部分を半径方向に制限するステップをさらに含む、請求項196に記載の方法。
【0341】
条項201. サポート・フレームを膨張させるステップは、サポート・フレームの上方からシースを近位に後退させ、サポート・フレームが弁アンカーの中で自己膨張することを許容するステップを含む、請求項196に記載の方法。
【0342】
条項202. ターゲット場所は、大動脈弁を含み、アンカー固定部材は、U字形状の部材をそれぞれ含み、方法は、大動脈弁のそれぞれの大動脈弁洞の中へU字形状の部材を前進させるステップをさらに含む、請求項196に記載の方法。
【0343】
条項203. 弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、システムは、近位端部部分、遠位端部部分、及び、近位端部部分と遠位端部部分との間に延在する長手方向軸線を有する、コア部材と;弁プロテーゼに解放可能に係合するためにコア部材の遠位端部部分に連結されている係合メカニズムと;を含み、係合メカニズムは、ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材に連結されており、コア部材に沿って移動可能であり、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び少なくとも1つのピンを含み、少なくとも1つのピンは、環状コンポーネントに連結されており、遠位端部部分から離れる方向に延在しており、少なくとも1つのピンは、コア部材から半径方向に間隔を離して配置されている、ピン・アッセンブリ;並びに、環状コンポーネントの近位においてコア部材に連結されているロック・コンポーネントであって、ロック・コンポーネントは、少なくとも1つのロック・アパーチャーを含み、少なくとも1つのロック・アパーチャーは、少なくとも1つのピンがそれを通って延在することを許容するように構成されており、ロック・コンポーネント及びピン・アッセンブリは、弁プロテーゼの一部分に係合するために、ロック・コンポーネントとピン・アッセンブリとの間に係合領域を集合的に形成している、ロック・コンポーネント;を含み、ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であり、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、送達システム。
【0344】
条項204. ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、円筒形状のピストン部材を含む、請求項203に記載のシステム。
【0345】
条項205. ピストン部材は、対向する近位プレート及び遠位プレートを含み、近位プレートは、少なくとも1つのアパーチャーを含み、少なくとも1つのピンは、少なくとも1つのアパーチャーを通って延在しており、少なくとも1つのピンの一部分は、近位プレートと遠位プレートとの間に間置及び係合されている、請求項204に記載のシステム。
【0346】
条項206. システムは、近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントをさらに含み、チューブ状コンポーネントの遠位セクションは、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントに連結されている、請求項203に記載のシステム。
【0347】
条項207. システムは、ピン・アッセンブリ及びロック・コンポーネントの近位にプッシャー部材をさらに含み、プッシャー部材は、コア部材に連結されており、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー部材は、弁プロテーゼの一部分を解除するために、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、ロック・コンポーネントに対して少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されている、請求項203に記載のシステム。
【0348】
条項208. プッシャー部材は、近位平坦面及び円錐状の遠位面を有する円錐状の形状を含み、円錐状の遠位面は、ピン・アッセンブリに接触するように構成されている、請求項207に記載のシステム。
【0349】
条項209. ピン・アッセンブリは、チューブ状コンポーネントを含み、チューブ状コンポーネントは、ピン・アッセンブリに連結されており、ピン・アッセンブリとプッシャー部材との間に近位に延在しており、プッシャー部材は、ピン・アッセンブリを遠位方向に促すために、チューブ状コンポーネントの近位端部部分に接触するように構成されている、請求項207に記載のシステム。
【0350】
条項210. チューブ状コンポーネントは、ロック・コンポーネントの近位の位置へロック・コンポーネントを通って近位に延在している、請求項209に記載のシステム。
【0351】
条項211. システムは、ロック・コンポーネントに連結されている遠位コーン・コンポーネントをさらに含み、遠位コーン・コンポーネントは、コア部材に固定して連結されており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、遠位コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにチューブ状コンポーネントがそれらの間に延在することを許容する、請求項210に記載のシステム。
【0352】
条項212. システムは、ロック・コンポーネントに連結されている遠位コーン・コンポーネントをさらに含み、遠位コーン・コンポーネントは、コア部材に固定して連結され、コア部材に対してロック・コンポーネントを連結しており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、遠位コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにピン・アッセンブリがそれらの間に延在することを許容する、請求項203に記載のシステム。
【0353】
条項213. ロック・コンポーネント及び遠位コーン・コンポーネントは、一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成しており、ピン・アッセンブリは、キャビティーの中に少なくとも部分的に配設されている、請求項212に記載のシステム。
【0354】
条項214. ロック・コンポーネントは、第1のキャビティー領域を含み、遠位コーン・コンポーネントは、第2のキャビティー領域を含み、第1及び第2のキャビティー領域は、ロック・コンポーネント及び遠位コーン・コンポーネントが一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成する、請求項213に記載のシステム。
【0355】
条項215. 弁プロテーゼは、少なくとも1つのアンカー固定レッグを有する弁アンカーを含み、少なくとも1つのアンカー固定レッグは、少なくとも1つのピンと係合するために、それを通して配設された接続アパーチャーを含む、請求項203に記載のシステム。
【0356】
条項216. 弁アンカーは、3つのアンカー固定レッグを含み、ピン・アッセンブリは、弁アンカーのそれぞれのアンカー固定レッグに係合するための3つのピンを含む、請求項215に記載のシステム。
【0357】
条項217. ピン・アッセンブリは、複数のピンを含み、ロック・コンポーネントは、複数のピンのうちの1つにそれぞれ対応する複数のロック・アパーチャーを含む、請求項203に記載のシステム。
【0358】
条項218. 弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、システムは、弁アンカーに連結されているサポート・フレームを含む弁プロテーゼであって、サポート・フレームは、それに連結されている複数の弁尖を有しており、弁アンカーは、少なくとも1つのアンカー固定レッグを有しており、少なくとも1つのアンカー固定レッグは、それを通して配設されている接続アパーチャーを含む、弁プロテーゼと;近位端部部分、遠位端部部分、及び、近位端部部分と遠位端部部分との間に延在する長手方向軸線を有する、コア部材と;ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材に連結されており、コア部材に沿って移動可能であり、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び少なくとも1つのピンを含み、少なくとも1つのピンは、環状コンポーネントに連結されており、遠位端部部分から離れる方向に延在しており、環状コンポーネントは、円筒形状のピストン部材を含み、少なくとも1つのピンは、コア部材から半径方向に間隔を離して配置されている、ピン・アッセンブリと;環状コンポーネントの近位においてコア部材に連結されているロック・コンポーネントであって、ロック・コンポーネントは、少なくとも1つのロック・アパーチャーを含み、少なくとも1つのロック・アパーチャーは、少なくとも1つのピンがそれを通って延在することを許容するように構成されており、ロック・コンポーネント及びピン・アッセンブリは、弁プロテーゼの一部分に係合するために、ロック・コンポーネントとピン・アッセンブリとの間に係合領域を集合的に形成している、ロック・コンポーネントと;を含み、ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であり、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、送達システム。
【0359】
条項219. ピストン部材は、対向する近位プレート及び遠位プレートを含み、近位プレートは、少なくとも1つのアパーチャーを含み、少なくとも1つのピンは、少なくとも1つのアパーチャーを通って延在しており、少なくとも1つのピンの一部分は、近位プレートと遠位プレートとの間に間置及び係合されている、請求項218に記載のシステム。
【0360】
条項220. システムは、近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントをさらに含み、チューブ状コンポーネントの遠位セクションは、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントに連結されている、請求項218に記載のシステム。
【0361】
条項221. システムは、ピン・アッセンブリ及びロック・コンポーネントの近位にプッシャー部材をさらに含み、プッシャー部材は、コア部材に連結されており、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー部材は、弁プロテーゼの一部分を解除するために、係合領域から外へ少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、ロック・コンポーネントに対して少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されている、請求項218に記載のシステム。
【0362】
条項222. ピン・アッセンブリは、チューブ状コンポーネントを含み、チューブ状コンポーネントは、ピン・アッセンブリに連結されており、ピン・アッセンブリとプッシャー部材との間に近位に延在しており、プッシャー部材は、ピン・アッセンブリを遠位方向に促すために、チューブ状コンポーネントの近位端部部分に接触するように構成されている、請求項221に記載のシステム。
【0363】
条項223. チューブ状コンポーネントは、ロック・コンポーネントの近位の位置へロック・コンポーネントを通って近位に延在している、請求項222に記載のシステム。
【0364】
条項224. ロック・コンポーネントの近位部分は、係合された構成において、チューブ状コンポーネントに半径方向にオーバーラップしている、請求項218に記載のシステム。
【0365】
条項225. システムは、ロック・コンポーネントに連結されている遠位コーン・コンポーネントをさらに含み、遠位コーン・コンポーネントは、コア部材に固定して連結され、コア部材に対してロック・コンポーネントを連結しており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、遠位コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにピン・アッセンブリがそれらの間に延在することを許容する、請求項218に記載のシステム。
【0366】
条項226. ロック・コンポーネント及び遠位コーン・コンポーネントは、一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成しており、ピン・アッセンブリは、キャビティーの中に少なくとも部分的に配設されている、請求項225に記載のシステム。
【0367】
条項227. ロック・コンポーネントは、第1のキャビティー領域を含み、遠位コーン・コンポーネントは、第2のキャビティー領域を含み、第1及び第2のキャビティー領域は、ロック・コンポーネント及び遠位コーン・コンポーネントが一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成する、請求項226に記載のシステム。
【0368】
条項228. キャビティーは、ピン・アッセンブリがその中を長手方向にトラベルすることを許容するように構成されている、請求項226に記載のシステム。
【0369】
条項229. ピン・アッセンブリ環状コンポーネントは、キャビティーの中に配設されているピストン部材を含む、請求項228に記載のシステム。
【0370】
条項230. 弁プロテーゼは、少なくとも1つのアンカー固定レッグを有する弁アンカーを含み、少なくとも1つのアンカー固定レッグは、少なくとも1つのピンと係合するために、それを通して配設された接続アパーチャーを含む、請求項218に記載のシステム。
【0371】
条項231. 弁アンカーは、3つのアンカー固定レッグを含み、ピン・アッセンブリは、弁アンカーのそれぞれのアンカー固定レッグに係合するための3つのピンを含む、請求項230に記載のシステム。
【0372】
条項232. (a)係合された構成において、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、弁プロテーゼの一部分に係合するために、少なくとも1つのピンが係合領域を通って延在することを許容しており、(b)解放された構成において、環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離よりも大きい第2の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、係合領域を通して少なくとも1つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、請求項218に記載のシステム。
【0373】
条項233. 弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、システムは、弁アンカーに連結されているサポート・フレームを含む弁プロテーゼであって、サポート・フレームは、それに連結されている複数の弁尖を有しており、弁アンカーは、3つのアンカー固定レッグを有しており、アンカー固定レッグは、それを通して配設されている接続アパーチャーをそれぞれ含む、弁プロテーゼと;近位端部部分、遠位端部部分、及び、近位端部部分と遠位端部部分との間に延在する長手方向軸線を有する、コア部材と;弁プロテーゼの弁アンカーに解放可能に係合するために、コア部材の遠位端部部分に連結されている係合メカニズムとを含み、係合メカニズムは、ピン・アッセンブリであって、ピン・アッセンブリは、コア部材に連結されており、コア部材に沿って移動可能であり、ピン・アッセンブリは、コア部材の半径方向に外部に配設されており、ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び3つのピンを含み、3つのピンは、環状コンポーネントに連結されており、遠位端部部分から離れる方向に延在しており、環状コンポーネントは、3つのピンは、コア部材から半径方向に間隔を離して配置されている、ピン・アッセンブリと;環状コンポーネントの近位においてコア部材に連結されているロック・コンポーネントであって、ロック・コンポーネントは、3つのピンのうちの1つにそれぞれ対応する3つのロック・アパーチャーを含み、3つのロック・アパーチャーは、3つのピンがそれを通って延在することを許容するように構成されており、ロック・コンポーネント及びピン・アッセンブリは、弁プロテーゼの一部分に係合するために、ロック・コンポーネントとピン・アッセンブリとの間に係合領域を集合的に形成している、ロック・コンポーネントと;を含み、ピン・アッセンブリは、コア部材及びロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であり、係合領域から外へ3つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、送達システム。
【0374】
条項234. ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、円筒形状のピストン部材を含む、請求項233に記載のシステム。
【0375】
条項235. ピストン部材は、対向する近位プレート及び遠位プレートを含み、近位プレートは、3つのアパーチャーを含み、3つのピンは、3つのアパーチャーを通って延在しており、3つのピンの一部分は、近位プレートと遠位プレートとの間に間置及び係合されている、請求項234に記載のシステム。
【0376】
条項236. システムは、近位セクション及び遠位セクションを有するチューブ状コンポーネントをさらに含み、チューブ状コンポーネントの遠位セクションは、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントに連結されている、請求項233に記載のシステム。
【0377】
条項237. システムは、ピン・アッセンブリ及びロック・コンポーネントの近位にプッシャー部材をさらに含み、プッシャー部材は、コア部材に連結されており、コア部材に沿ってスライド可能であり、プッシャー部材は、弁プロテーゼの一部分を解除するために、係合領域から外へ3つのピンを遠位に前進させるために、ロック・コンポーネントに対して3つのピンを遠位に前進させるために、ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されている、請求項233に記載のシステム。
【0378】
条項238. ピン・アッセンブリは、チューブ状コンポーネントを含み、チューブ状コンポーネントは、ピン・アッセンブリに連結されており、ピン・アッセンブリとプッシャー部材との間に近位に延在しており、プッシャー部材は、ピン・アッセンブリを遠位方向に促すために、チューブ状コンポーネントの近位端部部分に接触するように構成されている、請求項237に記載のシステム。
【0379】
条項239. チューブ状コンポーネントは、ロック・コンポーネントの近位の位置へロック・コンポーネントを通って近位に延在している、請求項238に記載のシステム。
【0380】
条項240. ピン・アッセンブリは、チューブ状コンポーネントを含み、チューブ状コンポーネントは、ピン・アッセンブリに連結されており、ピン・アッセンブリとプッシャー部材との間に近位に延在しており、ロック・コンポーネントの近位部分は、係合された構成において、チューブ状コンポーネントに半径方向にオーバーラップしている、請求項233に記載のシステム。
【0381】
条項241. システムは、ロック・コンポーネントに連結されている遠位コーン・コンポーネントをさらに含み、遠位コーン・コンポーネントは、コア部材に固定して連結され、コア部材に対してロック・コンポーネントを連結しており、ロック・コンポーネントは、遠位部分及び近位部分を有しており、遠位部分は、遠位コーン・コンポーネントに連結されており、近位部分は、それを通って延在するルーメンを画定しており、近位部分のルーメンは、コア部材の外側プロファイルよりも大きい断面プロファイルを有しており、係合された構成になっているときにピン・アッセンブリがそれらの間に延在することを許容する、請求項233に記載のシステム。
【0382】
条項242. ロック・コンポーネント及び遠位コーン・コンポーネントは、一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成しており、ピン・アッセンブリは、キャビティーの中に少なくとも部分的に配設されている、請求項241に記載のシステム。
【0383】
条項243. ロック・コンポーネントは、第1のキャビティー領域を含み、遠位コーン・コンポーネントは、第2のキャビティー領域を含み、第1及び第2のキャビティー領域は、ロック・コンポーネント及び遠位コーン・コンポーネントが一緒に連結されているときに、キャビティーを集合的に形成する、請求項242に記載のシステム。
【0384】
条項244. キャビティーは、ピン・アッセンブリがその中を長手方向にトラベルすることを許容するように構成されている、請求項242に記載のシステム。
【0385】
条項245. ピン・アッセンブリ環状コンポーネントは、キャビティーの中に配設されているピストン部材を含む、請求項244に記載のシステム。
【0386】
条項246. (a)係合された構成において、ピン・アッセンブリの環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、弁プロテーゼの一部分に係合するために、3つのピンが係合領域を通って延在することを許容しており、(b)解放された構成において、環状コンポーネントは、ロック・コンポーネントから第1の距離よりも大きい第2の距離において軸線方向に間隔を離して配置されており、係合領域を通して3つのピンを遠位に前進させ、弁プロテーゼの一部分からピン・アッセンブリを解除する、請求項233に記載のシステム。
【0387】
条項247. 解放された構成において、3つのピンは、係合領域の外側に位置決めされている、請求項246に記載のシステム。
【0388】
条項248. 弁アンカーを含む弁プロテーゼであって、弁アンカーは、長手方向軸線並びに近位端部部分及び遠位端部部分を有しており、弁アンカーは、複数のU字形状の部材及び複数のアンカー固定レッグを含み、複数のU字形状の部材のそれぞれは、弁アンカーの遠位端部部分に配設されている丸みを帯びたベース部分と、丸みを帯びたベース部分から弁アンカーの近位端部部分に向けて近位に延在している第1及び第2のレッグとを有しており、第1のU字形状の部材の第1のレッグ、及び、第2のU字形状の部材の第2のレッグは、弁アンカーの近位端部部分において、複数のアンカー固定レッグのうちの1つの近位端部部分に連結されており、複数のアンカー固定レッグのそれぞれは、その遠位端部部分における接続アパーチャーと、アンカー固定レッグの長さに沿って延在している長手方向のスロットとを含み、複数のアンカー固定レッグ及び複数のU字形状の部材は、段階的に半径方向に膨張することが可能であり、自然の弁構造体に対して弁プロテーゼをアンカー固定するために、自然の弁構造体がそれらの間に間置されることを許容し、また、弁プロテーゼは、弁アンカーに対して連結されているように構成されている複数の弁尖を含む、弁プロテーゼ。
【0389】
条項249. 弁プロテーゼは、サポート・フレームをさらに含み、サポート・フレームは、少なくとも1つの縫合糸を介して弁アンカーに連結されており、少なくとも1つの縫合糸は、長手方向のスロットに沿ってアンカー固定レッグに連結されており、サポート・フレームは、複数の弁尖を支持するように構成されている、条項248に記載の弁プロテーゼ。
【0390】
条項250. 本明細書で記載されている特徴のいずれかをさらに含む、条項248に記載の弁プロテーゼ。
【0391】
さらなる考慮事項
いくつかの実施例では、本明細書における条項のいずれかは、独立条項のうちの任意の1つ、又は、従属条項のうちの任意の1つから従属することが可能である。いくつかの実施例では、条項(たとえば、従属条項又は独立条項)のいずれかは、任意の他の1つ又は複数の条項(たとえば、従属条項又は独立条項)と組み合わせられ得る。いくつかの実施例では、請求項は、条項、文章、言い回し、又は段落の中に記載されている語句(たとえば、ステップ、動作、手段、又はコンポーネント)のうちのいくつか又はすべてを含むことが可能である。いくつかの実施例では、請求項は、1つ又は複数の条項、文章、言い回し、又は段落の中に記載されている語句のうちのいくつか又はすべてを含むことが可能である。いくつかの実施例では、条項、文章、言い回し、又は段落のそれぞれの中の語句のいくつかは除去され得る。いくつかの実施例では、追加的な語句又はエレメントが、条項、文章、言い回し、又は段落に追加され得る。いくつかの実施例では、主題の技術は、本明細書で説明されているコンポーネント、エレメント、機能、又は動作のうちのいくつかを利用することなく実装され得る。いくつかの実施例では、主題の技術は、追加的なコンポーネント、エレメント、機能、又は動作を利用して実装され得る。
【0392】
先述の説明は、当業者が本明細書で説明されているさまざまな構成を実践することを可能にするために提供されている。主題の技術は、とりわけ、さまざまな図及び構成を参照して説明されてきたが、これらは、単に図示目的のためのものに過ぎず、主題の技術の範囲を限定するものとしてとられるべきではないということが理解されるべきである。
【0393】
主題の技術を実装するための多くの他の方式が存在している可能性がある。本明細書で説明されているさまざまな機能及びエレメントは、主題の技術の範囲から逸脱することなく示されているものとは異なって区分され得る。これらの構成に対するさまざまな修正例が、当業者に容易に明らかになることとなり、本明細書で定義されている一般的な原理は、他の構成にも適用され得る。したがって、多くの変更例及び修正例が、主題の技術の範囲から逸脱することなく、当業者によって、主題の技術に対して作製され得る。
【0394】
開示されているプロセスの中のステップの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの図示であるということが理解される。設計嗜好に基づいて、プロセスの中のステップの特定の順序又は階層が再配置され得るということが理解される。ステップのうちのいくつかは、同時に実施され得る。添付の方法請求項は、サンプル順序の中のさまざまなステップのエレメントを提示しており、提示されている特定の順序又は階層に限定されることを意味していない。
【0395】
本明細書で使用されているように、「遠位」という用語は、弁プロテーゼを自然の弁輪へ送達するために使用されることとなる制御ユニット又は送達システムの領域などのような、関心のポイントから離れている場所又は方向を示すことが可能である。追加的に、「近位」という用語は、弁プロテーゼを送達するために使用されることとなる送達システムの制御ユニット又は領域などのような、関心のポイントにより近い場所又は方向を示すことが可能である。
【0396】
本明細書で使用されているように、アイテムのいずれかを分離するための「及び」又は「又は」という用語を伴う、一連のアイテムに先行する「のうちの少なくとも1つ」という言い回しは、リストのそれぞれのメンバー(すなわち、それぞれのアイテム)というよりもむしろ、リストを全体として修飾する。「のうちの少なくとも1つ」という言い回しは、列挙されているそれぞれのアイテムのうちの少なくとも1つの選択を必要としない。むしろ、その言い回しは、アイテムのうちの任意の1つ、及び/又は、アイテムの任意の組み合わせの少なくとも1つ、及び/又は、アイテムのそれぞれの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。実例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という言い回しは、Aだけ、Bだけ、若しくはCだけ、A、B、及びCの任意の組み合わせ、並びに/又は、A、B、及びCのそれぞれの少なくとも1つをそれぞれ表している。
【0397】
本開示において使用されているような「上部」、「底部」、「前方」、及び「後方」などのような用語は、通常の重力規準系を参照するというよりもむしろ、任意の規準系を参照するとして理解されるべきである。したがって、上部表面、底部表面、前方表面、及び後方表面は、重力規準系において、上向きに、下向きに、斜めに、又は水平方向に延在することが可能である。
【0398】
そのうえ、「含む(include)」又は「有する」などの用語が説明又は特許請求の範囲の中で使用されている範囲において、そのような用語は、「含む(comprise)」が請求項の中で移行句として用いられるときに解釈されるような「含む(comprise)」という用語と同様の様式で包含的であることを意図している。
【0399】
「例示的」という語句は、「実例、場合、又は図示としての役割を果たす」ということを意味するために本明細書で使用されている。「例示的」として本明細書で説明されている任意の実施例は、必ずしも、他の実施例を上回る好適な又は有利なものとして解釈されるべきであるわけではない。
【0400】
単数形でのエレメントへの言及は、特段の定めがなければ、「1つ及び1つだけ」を意味するのではなく、「1つ又は複数の」を意味することを意図している。男性の代名詞(たとえば、彼の)は、女性及び中性の性別(たとえば、彼女の及びそれの)を含み、その逆もまた同様である。「いくつかの」という用語は、1つ又は複数を表している。下線付きの及び/又はイタリック体の見出し及び小見出しは、便宜のためだけに使用されており、主題の技術を限定しておらず、主題の技術の説明の解釈に関連して言及されていない。当業者に知られているか、又は、後に当業者に知られることとなる、本開示の全体を通して説明されているさまざまな構成体のエレメントに対するすべての構造的及び機能的な均等物は、明示的に参照により本明細書に組み込まれており、主題の技術によって包含されることが意図されている。そのうえ、本明細書で開示されているものは、そのような開示が明示的に上記の説明の中に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に供されることは意図していない。
【0401】
詳細な説明は多くの詳細を含有しているが、これらは、主題の技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、主題の技術の異なる実例及び態様を図示するものとして解釈されるべきである。主題の技術の範囲は、上記に詳細に議論されていない他の実施例を含むということが認識されるべきである。さまざまな他の修正例、変更例、及び変形例は、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示されている主題の技術の方法及び装置の配置、動作、及び詳細に関して作製され得る。別段の表現がない限り、単数形でのエレメントへの言及は、明示的な定めがなければ、「1つ及び1つだけ」を意味することを意図しているのではなく、むしろ、「1つ又は複数の」を意味することを意図している。加えて、デバイス又は方法にとって、本開示の範囲内に包含されるために、本開示の異なる実施例によって解決可能な(又は、実現可能なすべての利点を所有する)すべての問題に対処することは必要ではない。「可能である」及びその派生語の本明細書での使用は、断定的な可能性とは対照的に、「場合によっては」又は「随意的に」の意味で理解されるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカー固定レッグ及び複数のU字形状の部材を含む弁アンカーであって、前記アンカー固定レッグは、前記弁アンカーの長手方向の長さに沿って延在する長手方向のスロットを有する、弁アンカーと、
サポート・フレームであって、前記サポート・フレームは、それに連結された複数の人工弁尖を有し、前記弁アンカーに対する前記サポート・フレームの長手方向の調整可能性を許容するために、前記アンカー固定レッグの前記長手方向のスロットにスライド可能に連結されているサポート・フレームと
を含む弁プロテーゼ。
【請求項2】
前記サポート・フレームを前記アンカー固定レッグの前記長手方向のスロットにスライド可能に連結する縫合糸を更に含む、請求項1に記載のプロテーゼ。
【請求項3】
前記弁アンカーは、3つのアンカー固定レッグを含む、請求項1又は2に記載のプロテーゼ。
【請求項4】
前記アンカー固定レッグは、隣接するU字形状の部材の間で長手方向に延在する、請求項1~3の何れか一項に記載のプロテーゼ。
【請求項5】
前記サポート・フレームは、前記弁アンカーに対して回転可能に調整可能である、請求項1~4の何れか一項に記載のプロテーゼ。
【請求項6】
前記アンカー固定レッグは、前記長手方向のスロットから長手方向に間隔を離して配置されたアパーチャーを更に含む、請求項1~5の何れか一項に記載のプロテーゼ。
【請求項7】
弁プロテーゼ送達のためのシステムであって、
サポート・フレームと、
アンカー固定レッグ及び複数のU字形状の部材を含む弁アンカーであって、前記アンカー固定レッグは、前記弁アンカーの長手方向の長さに沿って延在する長手方向のスロットを含む、弁アンカーと、
前記サポート・フレームに連結され、前記長手方向のスロットに沿って前記アンカー固定レッグにスライド可能に連結された縫合糸と
を含むシステム。
【請求項8】
ピンを更に含み、前記アンカー固定レッグは、接続アパーチャーを含み、前記ピンは、前記アンカー固定レッグの一部分を拘束するために、前記接続アパーチャーを通って延在する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
ロック・アパーチャーを含むロック・コンポーネントを更に含み、前記ピンは、前記ロック・アパーチャーを通って更に延在する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ロック・コンポーネントは、第1のフランジ部分と、第2のフランジ部分と、前記第1のフランジ部分と前記第2のフランジ部分との間に間置された係合領域とを含み、前記ロック・アパーチャーは、前記第1のフランジ部分及び前記第2のフランジ部分を通って延在し、前記アンカー固定レッグの前記一部分は、前記係合領域の中に配設されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記サポート・フレームは、前記第1の端部部分と、前記第1の端部部分の反対側の第2の端部部分とを有し、前記縫合糸は、前記第1の端部部分に連結され、前記第2の端部部分は、複数の主要ピーク及び谷底部、並びに前記複数の主要ピークの間の複数の微小ピークを有する、請求項7~10の何れか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記微小ピークをカバーするように形状決めされた膜を更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記弁アンカー及び前記サポート・フレームは、外側シース内にコンパクト化されている、請求項7~12の何れか一項に記載のシステム。
【請求項14】
弁プロテーゼのための弁アンカーであって、前記弁アンカーは、前記弁アンカーの長手方向軸線の周りに交互に配設されたU字形状の部材及びアンカー固定レッグを含み、各U字形状の部材は、一対のピーク部分と、前記ピーク部分間に配設されたベース部分とを有し、各アンカー固定レッグは、第1及び第2の端部セクションを有し、各第1の端部セクションは、隣接するU字形状の部材のピーク部分に連結され、各第2の端部セクションは、その第1の端部セクションの反対側にあり、各第2の端部セクションが前記隣接するU字形状の部材の前記ベース部分とは別に作動することを許容にするために送達システムと連結可能であるピン接続アパーチャーを有し、それによって、前記第2の端部セクションがそのピン接続アパーチャーを介して弁プロテーゼ送達システムと係合したままである間に、前記ベース部分が、前記第2の端部セクションに対して半径方向に広がることを可能にし、各アンカー固定レッグは、前記第1の端部セクションと前記第2の端部セクションとの間に延在するスロットを含み、縫合糸が、各スロットに沿ってスライド可能に連結されている、弁アンカー。
【請求項15】
前記スロットは閉じている、請求項14に記載の弁アンカー。
【請求項16】
前記弁アンカーは、3つのアンカー固定レッグと、3つのU字形状の部材とを含む、請求項14又は15に記載の弁アンカー。
【請求項17】
弁プロテーゼを送達するための送達システムであって、
コア部材と、
前記コア部材に固定して連結されたノーズ・コーンであって、前記ノーズ・コーンは、ノーズ・コーン・コンポーネント、ロック・コンポーネントであって、前記コア部材に対して前記ロック・コンポーネントを連結するために、前記ノーズ・コーン・コンポーネントの近位にあって、前記ノーズ・コーン・コンポーネントに連結されたロック・コンポーネント、及び前記ノーズ・コーン内に形成されたキャビティーを有し、前記ノーズ・コーン・コンポーネントは、前記ロック・コンポーネントの遠位に位置決めされ、前記ロック・コンポーネントは、前記弁プロテーゼの一部分が係合され得る係合領域を形成する、ノーズ・コーンと、
前記コア部材に連結され、前記キャビティー内で前記コア部材に沿って移動可能であるピン・アッセンブリであって、前記ピン・アッセンブリは、環状コンポーネント及び少なくとも1つのピンを含み、前記少なくとも1つのピンは、前記環状コンポーネントに連結され、前記キャビティーから外へ前記ロック・コンポーネントを通って延在し、前記係合領域から外へ前記少なくとも1つのピンを遠位に前進させて、前記弁プロテーゼの前記一部分から前記ピン・アッセンブリを解除するために、前記コア部材及び前記ロック・コンポーネントに対して遠位にスライド可能であるピン・アッセンブリと、
前記コア部材に連結され、前記コア部材に沿ってスライド可能であるプッシャー・コンポーネントであって、前記プッシャー・コンポーネントは、前記ピン・アッセンブリ及び前記ロック・コンポーネントの近位に配設され、前記弁プロテーゼの前記一部分を解除するために、前記係合領域から外へ前記少なくとも1つのピンを移動させるために、前記ロック・コンポーネントに対して前記少なくとも1つのピンを移動させるために、前記ピン・アッセンブリに接触及び係合するように構成されているプッシャー・コンポーネントと
を含むシステム。
【請求項18】
前記ロック・コンポーネントは、近位フランジ及び遠位フランジを含み、前記近位フランジ及び前記遠位フランジは、それらの間に前記係合領域を集合的に形成する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記プッシャー・コンポーネントは、前記コア部材に連結され、前記コア部材に沿ってスライド可能であるプッシャー部材を含み、前記プッシャー部材は、前記係合領域から外へ前記少なくとも1つのピンを移動させるために、前記ピン・アッセンブリをスライドさせるために前記ピン・アッセンブリに接触するように構成されている、請求項17又は18に記載のシステム。
【請求項20】
前記プッシャー部材は、前記係合領域から外へ前記少なくとも1つのピンを遠位に前進させるために、前記ピン・アセンブリを遠位に前進させるように構成されている、請求項17~19の何れか一項に記載のシステム。