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特開2022-20525高分子凝集剤組成物及びそれを用いる汚泥処理方法
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  • 特開-高分子凝集剤組成物及びそれを用いる汚泥処理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020525
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】高分子凝集剤組成物及びそれを用いる汚泥処理方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 21/01 20060101AFI20220125BHJP
   C02F 11/147 20190101ALI20220125BHJP
   C08L 33/14 20060101ALI20220125BHJP
   C08F 220/34 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
B01D21/01 108
C02F11/147 ZAB
B01D21/01 107A
B01D21/01 107Z
C08L33/14
C08F220/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124089
(22)【出願日】2020-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】306048535
【氏名又は名称】MTアクアポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100163120
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 嘉弘
(72)【発明者】
【氏名】竹田 健
【テーマコード(参考)】
4D015
4D059
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
4D015BA05
4D015BA11
4D015BB14
4D015CA01
4D015CA02
4D015CA03
4D015CA04
4D015CA05
4D015CA12
4D015DB07
4D015DB08
4D015DC06
4D015DC07
4D015EA36
4D059AA01
4D059AA03
4D059AA04
4D059AA05
4D059AA07
4D059AA08
4D059BE56
4D059BE57
4D059BE60
4D059DB26
4J002BG07W
4J002BG07X
4J002GD04
4J100AL08P
4J100AM15Q
4J100BA32P
4J100CA04
4J100EA05
4J100FA03
4J100FA19
4J100JA18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】広い範囲の汚泥に適用でき、強力なフロックを形成することができる高分子凝集剤組成物、及び該高分子凝集剤組成物を使用した汚泥処理方法の提供。
【解決手段】ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位を15~99モル%と、(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位を1~85モル%と、を含む共重合体であるカチオン性高分子凝集剤(A)と;ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位を1~50モル%と、(メタ)アクリル酸系化合物に由来する単量体単位を1~50モル%と、(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位を0~98モル%と、を含む共重合体である両性高分子凝集剤(B)と;を質量比で(A):(B)=50~99:1~50で含む高分子凝集剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位を15~99モル%と、(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位を1~85モル%と、を含む共重合体であるカチオン性高分子凝集剤(A)と;
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位を1~50モル%と、(メタ)アクリル酸系化合物に由来する単量体単位を1~50モル%と、(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位を0~98モル%と、を含む共重合体であって、且つ(メタ)アクリル酸系化合物に由来する単量体単位のモル分率(a)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位のモル分率(b)と、が
下記数式(1)
a/b≧1.00 ・・・数式(1)
を満たす共重合体である両性高分子凝集剤(B)と;
を質量比で(A):(B)=50~99 : 1~50で含んで成ることを特徴とする高分子凝集剤組成物。
【請求項2】
前記カチオン性高分子凝集剤(A)及び/又は前記両性高分子凝集剤(B)を構成する共重合体が、架橋性単量体単位を含まない請求項1に記載の高分子凝集剤組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の高分子凝集剤組成物を汚泥に加えた後、固液分離することを特徴とする汚泥処理方法。
【請求項4】
前記汚泥が、全蒸発残留物が2,000~50,000mg/Lの有機性汚泥である請求項3に記載の汚泥処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子凝集剤組成物及び該高分子凝集剤組成物を用いる汚泥処理方法に関する。詳しくは、所定の単量体単位を有する複数の高分子化合物を混合して成る高分子凝集剤組成物及び該高分子凝集剤組成物を用いる汚泥処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生活排水、産業廃水等に含まれる汚泥を凝集・沈降・分離させることを目的として、高分子凝集剤が使用されている。高分子凝集剤としては、カチオン性高分子や両性高分子が多用されている。汚泥の処理において、脱水ケーキの含水率は高分子凝集剤の添加率に密接に関連する。高分子凝集剤の添加率が低い場合は、脱水ケーキの含水率を十分に低下させることができない。また、高分子凝集剤の添加率が高い場合も、脱水ケーキの含水率を十分に低下させることができない。即ち、従来の高分子凝集剤は、その添加率が低過ぎても高過ぎても良好な性能を発揮することができない。従来の高分子凝集剤の最適な添加率は、廃水の性状によって変動する。また、従来の高分子凝集剤は、廃水の処理に適する添加率の幅が狭い。
【0003】
特許文献1には、無機凝集剤を添加後、pHを5~8に調節し、次いで両性高分子凝集剤を添加する汚泥の脱水方法が開示されている。しかし、この方法は、処理の対象とする汚泥の性状によっては、十分な効果が得られない場合がある。汚泥の性状はその発生場所に応じて様々であり、1種類の高分子凝集剤を用いて様々な性状の汚泥を処理することは難しいのが現状である。そのため、様々な性状の汚泥に用いることができる高分子凝集剤が求められている。
【0004】
これらの問題を解決するため、種々の高分子凝集剤を用いる汚泥の脱水方法が提案されているが、良い結果は得られていない。例えば、カチオン性高分子凝集剤を単独で用いる場合、汚泥に対する添加量を多くしなければ十分な大きさのフロックが形成され難く、且つ形成されたフロックのフロック強度は弱い。そのため、ベルトプレス等を用いる機械的処理時にサイドリークが発生する。また、スクリュープレスや遠心分離機では、フロックが崩れてろ液側に流れ込み、回収率や含水率が悪化する傾向がある。
【0005】
また、架橋ポリマーを高分子凝集剤として使用する場合があり、係る場合は強固なフロックが生成できるが、添加量が多くなりランニングコストに問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63-158200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、少ない添加量又は幅広い添加量で効果を発揮し、且つ強力なフロックを形成することができる優れた高分子凝集剤組成物及びこの高分子凝集剤組成物を用いる汚泥処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定の単量体単位を含む共重合体から成るカチオン性高分子凝集剤(A)と、アニオン性単量体単位を多く含む共重合体から成る両性高分子凝集剤(B)とを混合することにより、フロックに対する造粒効果が発揮され、優れた凝集性能を有する高分子凝集剤組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
上記課題を解決する本発明は以下に記載するものである。
【0010】
〔1〕 ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位を15~99モル%と、(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位を1~85モルモル%と、を含む共重合体であるカチオン性高分子凝集剤(A)と;
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位を1~50モル%と、(メタ)アクリル酸系化合物に由来する単量体単位を1~50モル%と、(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位を0~98モル%と、を含む共重合体であって、且つ(メタ)アクリル酸系化合物に由来する単量体単位のモル分率(a)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位のモル分率(b)と、が
下記数式(1)
a/b≧1.00 ・・・数式(1)
を満たす共重合体である両性高分子凝集剤(B)と;
を質量比で(A):(B)=50~99 : 1~50で含んで成ることを特徴とする高分子凝集剤組成物。
【0011】
上記〔1〕の高分子凝集剤組成物は、少なくともカチオン性高分子凝集剤(A)及び両性高分子凝集剤(B)を含んで成る。カチオン性高分子凝集剤(A)及び両性高分子凝集剤(B)を構成する共重合体は、それぞれ単量体単位が相違している。具体的には、カチオン性高分子凝集剤(A)は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位を15~99モル%と、(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位を1~85モル%と、を含む共重合体である。両性高分子凝集剤(B)は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位を1~50モル%と、(メタ)アクリル酸系化合物に由来する単量体単位を1~50モル%と、(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位を0~98モル%と、を含む共重合体である。特に、両性高分子凝集剤(B)を構成する共重合体は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位の割合(モル%)で(メタ)アクリル酸系化合物に由来する単量体単位の割合(モル%)を除した値が1.00以上となることを特徴とする。
【0012】
〔2〕 前記カチオン性高分子凝集剤(A)及び/又は前記両性高分子凝集剤(B)を構成する共重合体が、架橋性単量体単位を含まない請求項1に記載の高分子凝集剤組成物。
【0013】
〔3〕 〔1〕に記載の高分子凝集剤組成物を汚泥に加えた後、固液分離することを特徴とする汚泥処理方法。
【0014】
〔4〕 前記汚泥が、全蒸発残留物が2,000~50,000(mg/L)である有機性汚泥を対象とした〔3〕に記載の汚泥処理方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明の高分子凝集剤組成物は、広い範囲の汚泥と強固に結合できるので、従来脱水が困難であった難処理汚泥に対しても極めて高い凝集作用を発揮する。これを汚泥の脱水に用いる場合、造粒効果が付与されて粒子径が大きいフロックを形成され、且つフロック強度が高いため、十分に脱水を行う事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施例3-4及び比較例5-6の高分子凝集剤組成物のろ過性能を示したグラフである。
図2図2は、実施例3-4及び比較例5-6の高分子凝集剤組成物によって処理された汚泥のケーキ含水率を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書においては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート4級塩又はジアルキルアミノアルキルメタクリレート4級塩をジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩と表し、アクリルアミド又はメタクリルアミドを(メタ)アクリルアミドと表し、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。
【0018】
(1) 高分子凝集剤組成物
本発明の高分子凝集剤組成物は、後述するカチオン性高分子凝集剤(A)及び両性高分子凝集剤(B)を含む組成物である。カチオン性高分子凝集剤(A)及び両性高分子凝集剤(B)の含有率は、質量比でカチオン性高分子凝集剤(A):両性高分子凝集剤(B)=50~99 : 1~50であり、55~95 : 5~45であることが好ましく、60~90 : 10~40であることがより好ましい。
本発明の高分子凝集剤組成物は、後述するカチオン性高分子凝集剤(A)及び両性高分子凝集剤(B)を含んで成るが、高分子凝集剤組成物に占めるカチオン性高分子凝集剤(A)及び両性高分子凝集剤(B)の割合(但し、水分は除く)が80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
この範囲の含有率であることにより、フロックに対する造粒効果が付与され、様々な汚泥に対して大きく且つ強力な(壊れ難い)フロックを形成し、高い脱水性能を得ることができる。
【0019】
本発明の高分子凝集剤組成物の0.5%塩粘度は、10~120mPa・sであり、20~100mPa・sであることがさらに好ましく、30~90mPa・sであることが特に好ましい。0.5%塩粘度が10mPa・s未満の場合、高分子凝集剤としての凝集性能が不足して、フロック径が十分に大きくならなかったり、重力ろ過性が低下したりすることがある。0.5%塩粘度が120mPa・sを超えると、脱水ケーキの含水率が十分に低下しないことがある。
【0020】
(2) カチオン性高分子凝集剤(A)
本発明において、カチオン性高分子凝集剤(A)は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位を15~99モル%と、(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位を1~85モルモル%と、を含む共重合体である。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位は、40~95モル%であることが好ましく、50~90モル%であることがより好ましく、60~80モル%であることが特に好ましい。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位が20モル%未満である場合、幅広い性状の汚泥に対して効果を発揮し難い。99モル%を超える場合、形成されるフロック強度が十分に高くならない。
(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位は、5~60モル%であることが好ましく、10~50モル%であることがより好ましく、20~40モル%であることが特に好ましい。
(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位が5モル%未満である場合、フロック径が十分に大きくならない場合がある。
【0021】
カチオン性高分子凝集剤(A)は、非架橋の共重合体であり、架橋性単量体に由来する単量体単位を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、架橋性単量体に由来する単量体単位が1×10-5モル%以下であることを意味する。
【0022】
カチオン性高分子凝集剤(A)の0.5%塩粘度は、10~120mPa・sであり、20~100mPa・sであることがさらに好ましく、30~90mPa・sであることが特に好ましい。
【0023】
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩は、下記化学式(1)で表される。
【0024】
【化1】
【0025】
上記化学式(1)において、Rは炭素数1~3のアルキル基又はベンジル基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~3のアルキル基、Xは酸素原子又はNH、Yは水素原子又はメチル基、Qは炭素数1~4のアルキレン基又は炭素数2~4のヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンをそれぞれ表す。
【0026】
具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩及び硫酸塩が例示される。また、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートやジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル等のハロゲン化アルキル付加物、塩化ベンジル等のハロゲン化ベンジル付加物、硫酸ジメチル等の硫酸ジアルキル付加物等である第4級塩が例示される。
これらの(メタ)アクリレート単量体は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0027】
これらの中でも、特に高分子凝集剤としての性能に優れ、アクリレート単量体の品質及び貯蔵安定性にも優れることから、ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル第4級塩(DAC)を用いることが最も好ましい。
【0028】
(メタ)アクリルアミド系化合物は、下記化学式(2)で表される。
【0029】
CH=CR-CO-NR ・・・化(2)
【0030】
但し、上記化学式(2)において、Rは水素原子又はメチル基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~8のアルキル基を表す。
【0031】
これらの(メタ)アクリルアミド系化合物の中でも、水溶性であり、高分子凝集剤としての性能が特に優れることから、アクリルアミド(AMD)が最も好ましい。
これらの(メタ)アクリルアミド系化合物は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0032】
(3) 両性高分子凝集剤(B)
本発明において、両性高分子凝集剤(B)は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位を1~50モル%と、(メタ)アクリル酸系化合物に由来する単量体単位を1~50モル%と、(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位を0~98モル%と、を含む共重合体である。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位は、5~45モル%であることが好ましく、10~40モル%であることがより好ましく、25~35モル%であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸系化合物に由来する単量体単位は、10~45モル%であることが好ましく、15~40モル%であることがより好ましい。
(メタ)アクリルアミド系化合物に由来する単量体単位は、10~55モル%であることが好ましく、20~45モル%であることがより好ましい。
【0033】
(メタ)アクリル酸系化合物に由来する単量体単位のモル分率(a)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩に由来する単量体単位のモル分率(b)と、は下記数式(1)
a/b≧1.00 ・・・数式(1)
を満たす。a/bは1.05以上であることが好ましく、1.10以上であることがより好ましい。a/bの上限値は2.00以下であることが好ましく、1.50以下であることがより好ましい。
a/bが1.00未満である場合、ブレンド後のアニオン性基の含有率が低くなり、フロック径が十分に大きくならない場合がある。
【0034】
両性高分子凝集剤(B)は、非架橋の共重合体であり、架橋性単量体に由来する単量体単位を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、架橋性単量体に由来する単量体単位が1×10-5モル%以下であることを意味する。
【0035】
両性高分子凝集剤(B)の0.5%塩粘度は、10~120mPa・sであり、20~100mPa・sであることがさらに好ましく、30~90mPa・sであることが特に好ましい。
【0036】
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩、及び(メタ)アクリルアミド系化合物は、上述のカチオン性高分子凝集剤(A)で説明したものと同じ物が使用される。
【0037】
(メタ)アクリル酸系化合物としては、下記化学式(3)で表される(メタ)アクリル酸及びこれらの塩類を使用することができる。塩類としては、アンモニウム塩並びにナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0038】
CH=CR-CO-OM ・・・化(3)
【0039】
但し、上記化学式(3)中のRは水素原子又はメチル基であり、Mは水素原子、アンモニウム基又はアルカリ金属原子を表す。
【0040】
これらの(メタ)アクリル酸系化合物の中でも、高分子凝集剤としての性能が特に優れることから、アクリル酸(AA)及びそのアンモニウム塩が最も好ましい。
これらの(メタ)アクリル酸系化合物は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0041】
(4) カチオン性高分子凝集剤(A)及び両性高分子凝集剤(B)の製造方法
本発明において、カチオン性高分子凝集剤(A)は製造例のものを用いても良いが、例えば、前述の化学式(1)で示されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩と、前述の化学式(2)で示される(メタ)アクリルアミド系化合物とを共重合することにより製造することができる。
また、両性高分子凝集剤(B)は製造例のものを用いても良いが、例えば、前述の化学式(1)で示されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩と、前述の化学式(2)で示される(メタ)アクリルアミド系化合物と、前述の化学式(3)で示される(メタ)アクリル酸系化合物と、を共重合することにより製造することができる。
【0042】
前述の化学式(1)で示されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩、前述の化学式(2)で示される(メタ)アクリルアミド系化合物、及び前述の化学式(3)で示される(メタ)アクリル酸系化合物の使用量は、前述の単量体単位の含有割合で説明したとおりである。
【0043】
単量体混合物中には、得られる高分子化合物の性能を損なわない範囲でその他の共重合可能な他の成分を含んでいても良い。
【0044】
カチオン性高分子凝集剤(A)及び両性高分子凝集剤(B)を得るための重合の方法は、ラジカル重合であること以外には特に制限されない。本発明に適用可能なラジカル重合の具体的な形態として、水溶液重合や懸濁重合、エマルション重合等が例示される。これらの中でも操作方法が簡便且つ原料及び製品の取扱いが容易であり、工業的な生産における生産コストの面でも有利な水溶液重合やエマルション重合が好ましい。また、エマルション重合後に水層や油層を揮発させて粉末化させても良い。
【0045】
(4-1)水溶液重合
水溶液重合は、上記単量体混合物の水溶液をラジカル重合開始剤の存在下で重合する方法である。水溶液重合の場合、前記単量体混合物の濃度は、25~85質量%とすることが好ましく、30~65質量%とすることが特に好ましい。単量体混合物の水溶液のpHは2~5に調整することが好ましい。
【0046】
重合反応の際に用いられるラジカル重合開始剤は特に制限されない。水溶液重合の場合は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、t-ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、レドックス系開始剤及び光重合開始剤等を適宜利用できる。これらのラジカル重合開始剤は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0047】
重合開始温度は、通常0~35℃が好ましい。重合時間は、通常0.1~3時間が好ましい。また、重合反応は酸素の存在しない不活性雰囲気で行うことが好ましい。これらの重合条件は公知である。重合反応終了後には、必要に応じて適宜熱処理や乾燥、粉砕等の後処理を行う。これらの後処理も公知の方法を適用できる。
【0048】
前記水溶液重合による製造方法の中でも、得られる高分子化合物の物性や品質のバラツキが少なく、安定した生産が可能であり、物性の調整が容易である等の理由から、光照射重合が特に好ましい。光照射重合の具体例としては、光重合開始剤及び連鎖移動剤の存在下、前記単量体混合物の水溶液に光を照射して重合を行う方法が例示される。
【0049】
光照射重合に用いられる光重合開始剤は特に制限されない。好ましい光重合開始剤として、アセトフェノン系光重合開始剤やアゾ系開始剤等が例示される。その中でも単量体混合物の水溶液への溶解度が高く、高分子凝集剤として必要な高分子量化が容易である等の理由から、水溶性のアゾ系開始剤が特に好ましい。
水溶性アゾ系開始剤の具体例としては、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)等が例示される。
これらの光重合開始剤は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0050】
光重合開始剤の添加量は特に制限されない。光重合開始剤の種類、単量体組成及び残存単量体の含有量に応じて、適宜調整すればよい。水溶性アゾ系開始剤の場合、通常、単量体混合物中の各単量体の合計質量に対して、質量基準で100~3000ppmが好ましい。
【0051】
分子量を調節する目的で連鎖移動剤を使用しても良い。その種類は特に制限されない。本発明で使用可能な連鎖移動剤としては、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、メチルアミン、ジメチルアミン等のアミン類、メタンチオール、エタンチオール等のチオール類、メタリルスルホン酸メルカプトエタノール及びメルカプトプロピオン酸等のチオール化合物や、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム及び次亜リン酸ナトリウム等の還元性無機塩類等や、メタリルスルホン酸等の有機系スルホン酸化合物等が挙げられる。これらの中でも単量体混合物の水溶液への溶解度が高く、少量の添加量でも効果が高く、架橋型水溶性高分子の分子量を容易に調整できる等の理由から、亜硫酸水素ナトリウムが好ましい。
これらの連鎖移動剤は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0052】
連鎖移動剤の添加量は特に制限されない。亜硫酸水素ナトリウムの場合、通常、単量体混合物中の各単量体の合計質量に対して、質量基準で5~500ppmが好ましく、10~300ppmがさらに好ましく、15~200ppmが最も好ましい。亜硫酸水素ナトリウムの添加量が5ppm未満では、不溶解物の発生を抑制できない場合がある。その場合、高分子凝集剤として有効に作用する有効成分の量が減る。また、高分子凝集剤を水に溶解した溶解液を送液するポンプを閉塞させるトラブルの原因になることがある。亜硫酸水素ナトリウムの添加量が500ppmを超えると、重合体の分子量が低くなり過ぎることがある。その場合、高分子凝集剤としての汚泥に対する凝集力が低下し、フロック径が大きくならない。また、ろ過速度が低下したり、汚泥中の微細な固形物がろ液に抜けて、ろ液の透明性が悪化する場合がある。
【0053】
光照射重合に用いられる光の波長、照射強度、照射時間等の光照射条件は特に制限されない。使用する光重合開始剤の種類及び添加量並びに重合体の物性及び性能に応じて、適宜調整すればよい。光重合開始剤として、前記水溶性アゾ系開始剤を使用する場合、波長365nm付近の光が好ましく、照射強度は365nm用のUV照度計による0.1~10.0mW/cmが好ましい。照射時間は、通常0.1~3時間が好ましい。
【0054】
重合反応終了後には、必要に応じて適宜熱処理や乾燥、粉砕等の後処理を行う。これらの後処理も公知の方法を適用できる。
【0055】
(4-2)エマルション重合
エマルション重合は、所定の単量体、ラジカル開始剤及び連鎖移動剤等を含有する水相と、非混和性の炭化水素からなる油状物質と、油中水滴型エマルションを形成させる有効量の界面活性剤と、を用いて油中水滴型エマルションを形成させ、このエマルションの液滴内で単量体を重合させる方法である。
【0056】
油状物質としては、パラフィン類、各種鉱油、パラフィン類や各種鉱油と同等の特性を有する炭化水素系油、及びこれらの混合物を挙げることができる。油状物質の含有量は、油中水滴型エマルション全量に対して15~50質量%の範囲であり、20~40質量%であることが好ましい。
【0057】
界面活性剤は、HLBが3~11であることが好ましい。そのような界面活性剤の例としては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート等のノニオン性界面活性剤を挙げることができる。これらの界面活性剤の添加量は、油中水滴型エマルション全量に対して0.3~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましい。
【0058】
エマルション重合を行う場合の重合条件は、使用する単量体や開始剤、重合体の物性に応じて適宜設定される。重合温度は5~90℃が好ましい。単量体の重合濃度は20~60質量%が好ましく、20~50質量%がより好ましい。重合時間は1~10時間が好ましく、2~6時間がより好ましい。重合反応は酸素のない不活性雰囲気で行うことが好ましい。
【0059】
エマルション重合を行う場合の平均粒子径は、0.03~10μmが好ましく、0.1~5μmがより好ましく、0.5~3μmがさらに好ましい。平均粒子径は、レーザー回折法により測定される体積平均値をいう。
【0060】
本発明の高分子凝集剤組成物は、カチオン性高分子凝集剤(A)及び両性高分子凝集剤(B)を粉末の状態で混合しても良いし、水溶液とした後に混合しても良い。また、エマルション同士で混合しても良い。
【0061】
本発明の高分子凝集剤組成物は、カチオン性高分子凝集剤(A)及び両性高分子凝集剤(B)以外の他の高分子成分を含んでいても良い。また、必要に応じて、スルファミン酸、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸などのようなpH調整剤;食塩、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、塩化カルシウムなどのような溶解助剤を含んでも良い。
【0062】
(5) 汚泥処理方法
本発明の高分子凝集剤組成物を用いる汚泥処理方法では、下水処理、し尿処理及び生活廃水処理等で発生する汚泥の他、食品工場、食肉加工及び化学工場等の各種産業廃水処理で発生する汚泥、養豚場等の畜産関係で発生する生し尿及びその廃水処理で発生する汚泥やメタン発酵消化液、パルプ又は製紙工業で発生する汚泥等の各種有機性汚泥が処理対象になる。汚泥の種類にも制限はなく、初沈汚泥、余剰汚泥及びこれらの混合汚泥、濃縮汚泥及び嫌気性微生物処理した消化汚泥等がいずれも処理対象になる。
【0063】
本発明の汚泥処理方法は、上記各種廃水に、本発明の高分子凝集剤組成物を添加して脱水することを特徴とする。脱水方法の具体例としては、各種廃水に本発明の高分子凝集剤組成物を添加し、公知の方法で撹拌及び/又は混合することで汚泥中の懸濁物と高分子凝集剤組成物を作用させて、汚泥フロックを形成させる。形成された汚泥フロックを公知の手段により機械的に脱水処理することで、処理水と脱水ケーキに分離する。
高分子凝集剤組成物の添加量、撹拌速度、撹拌時間等は、従来公知の条件に準じる。
【0064】
脱臭、脱リン及び脱窒等を目的とする場合は、汚泥のpHを5未満にすることが好ましい。
【0065】
本発明の廃水処理方法は、無機凝結剤や有機凝結剤を添加しなくても十分に汚泥の脱水を行うことができるが、pH調整やアニオン性コロイド物の除去のために凝結剤を添加した後に、本発明の凝集剤を添加して処理してもよい。
【0066】
脱水装置としては、特に制限されないが、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス型脱水機、フィルタープレス型脱水機、スクリューデカンター、多重円盤脱水機、ロータリープレスフィルター等が例示される。
【実施例0067】
以下、実施例によりさらに具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。各種物性の測定方法は以下の通りである。以下に記載のない項目は、「JIS K0102 工場排水試験法」に準じて測定した。各種物性の測定における温度条件は、特に断りのない限り25℃である。
【0068】
〔フロック径〕
目視により測定した。
【0069】
〔ろ液量〕
内径75mm、深さ100mm、目開き80メッシュのステンレス製篩に、凝集した汚泥を一気にそそぎ込み、重力ろ過した。このとき、ろ液が200mLのメスシリンダーに入るようにロートをセットしておき、汚泥投入後、5秒、10秒、20秒、30秒経過後のろ液の容量を計測して、重力ろ過性を評価した。
【0070】
〔ろ液外観〕
目視により測定した。
○: 濾液中にリークするSSが目視でほとんどなく濾液が透明
△: 濾液中にリークするSSが若干目視で確認出来る
×: 濾液中にリークするSSが目視でかなり目立つ
【0071】
〔手絞り〕
ろ過速度を測定した後のケーキを採取し、手絞り具合を評価した。
○:良く絞れる。
△:ゆっくりと力を加えなければ絞れない。
×:全く絞れない。
【0072】
〔ケーキ含水率〕
前記のろ過速度測定後にステンレス製篩上に残った汚泥の含水ケーキを全量取り出し、ベルトプレス用ろ布(ポリエステル製、杉綾織)に挟んで卓上試験用ベルトプレス機を使用して170kPaで3分間圧搾することで脱水ケーキを得た。得られた脱水ケーキから中心の一部をサンプリングしてアルミパンに秤量し、105℃の熱風乾燥機で16時間乾燥した後、乾燥後の質量を測定し、乾燥による減少量と乾燥前の質量の質量比から含水率を求めた。
【0073】
(実施例1~2、比較例1~4)
ある下水処理場から入手した廃水200mlをサンプリングした。この廃水の性状は、表1に示した。この廃水にポリ鉄をpH=5.3になるまで添加した。その後、高分子凝集剤組成物の半分量を添加した後、スパーテルにて40秒撹拌し、フロック径を確認した。その後、残りの高分子凝集剤組成物を添加して、ビーカー移しによる混合を20回実施し、フロック径と80メッシュのろ液量、ろ液外観を評価した。
使用した高分子凝集剤組成物の組成(混合割合)、実験結果は表2に示した。
【0074】
なお、本実施例及び比較例で用いた高分子凝集剤の製造例は以下の方法により製造した。
【0075】
ステンレス製反応容器に、78質量%ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル水溶液(以下、「DAC」と略記する)及び50質量%アクリルアミド水溶液(以下、「AMD」と略記する)を加え、さらに蒸留水を加えて全質量を1.0kgにして均一に混合した。各単量体は、表1に示した配合比で仕込み時の単量体単量体を各々調整した。この溶液をpH=4に調整し、窒素ガスを60分間溶液に吹き込みながら、溶液温度を5℃に調節する。その後、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(以下、「V-50」と略記する)及びNaHSOを、各単量体の合計質量に対して固形分換算で、それぞれ1500ppm、20ppmとなるように加える。次いで、反応容器の上方からこの溶液に光照射して重合を行い、含水ゲル状の重合体を得る。光照射には13Wブラックライトを用いる。照射強度は0.4mW/cmで、照射時間は60分間である。得られた含水ゲル状の重合体を、容器から取り出して細断する。これを温度80℃で5時間乾燥後、粉砕して粉末状の重合体を得る。
【0076】
各実施例及び比較例で用いた高分子凝集剤は、表1にその製造例と構成する共重合体の単量体単位、単量体濃度、0.5%塩粘度を示した。
【0077】
【表1】
【0078】
〔0.5%塩粘度〕
純水500mLに塩化ナトリウム20.8g、および試料(高分子化合物)の濃度が0.50質量%となる量を加えて十分に溶解し、試料溶液を調製した。液温を25±1℃に調整し、M1ローターを付けた東機産業社製TV-10M型B型粘度計を用いて30rpm、3分間回転後の値を読み取りこれを0.5%溶液粘度とした。粘度がM1ローターの測定上限を超えた場合は、M2ローターを使用した。
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
実施例1及び2の高分子凝集剤組成物は、所定のカチオン性高分子凝集剤(A)と両性高分子凝集剤(B)とを併用しているため、フロック径が大きく維持され、ろ液量も高かった。これに対して、比較例1~4は、カチオン性高分子凝集剤(A)と両性高分子凝集剤(B)とを併用していないため、攪拌を継続すると次第にフロック径が小さくなり、ろ液量も低かった。
【0082】
(実施例3~4、比較例5~6)
別の下水処理場から廃水をサンプリングした。この廃水の性状は、表4に示した。この廃水にポリ鉄をpH=5.3になるまで添加した。その後、高分子凝集剤組成物の半分量を添加した後、スパーテルにて40秒撹拌した。その後、残りの高分子凝集剤組成物を添加して、ビーカー移しによる混合を20回実施し、80メッシュのろ液量、ケーキ含水率を評価した。
使用した高分子凝集剤組成物の組成(混合割合)は表5に示した。
実験結果は、図1(ろ液量)及び図2(ケーキ含水率)に示した。
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
図1及び2から分かるように、実施例3及び4の高分子凝集剤組成物は、所定のカチオン性高分子凝集剤(A)と両性高分子凝集剤(B)とを併用しているため、幅広い添加量で良好な性能を示した。これに対して、比較例5及び6は、カチオン性高分子凝集剤(A)と両性高分子凝集剤(B)とを併用していないため、有効な添加量の幅が狭く、ケーキ含水率が高かった。表4に示すように、廃水の性状の変動幅が大きい場合、幅広い添加量で良好な性能を示す実施例3及び4は、比較例5及び6よりも実用上優れているといえる。
図1
図2