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  • 特開-経皮的全内視鏡用軟部組織切除器具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020526
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】経皮的全内視鏡用軟部組織切除器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3205 20060101AFI20220125BHJP
   A61B 17/295 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A61B17/3205
A61B17/295
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124090
(22)【出願日】2020-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】505273648
【氏名又は名称】中村 周
(72)【発明者】
【氏名】中村 周
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF23
4C160GG22
4C160GG23
4C160GG26
4C160LL24
4C160NN01
(57)【要約】
【課題】経皮的全内視鏡の作業用内腔に挿入することができ,挿入方向と垂直面近くにて両顎部を閉じることや顎口面積を大きくすることを可能にすることにより,黄色靭帯など器具挿入方向とは垂直に広がっている軟部組織の切除を容易に行えるようにすること.
【解決手段】当発明の器具は両顎部が相反して同時に動いて,最大開大時には両顎部の先はシャフト長軸方向近くで相反方向に向きシャフトの外径範囲内に収まるため作業用内腔に挿入でき,閉じた時にはシャフト長軸の垂直方向近くに向く.
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮的全内視鏡の作業用内腔に挿入して組織を切除する器具で,細長い円筒形のシャフトとシャフトの手元側にハンドルと,シャフトの先端側に二つの可動顎部と,シャフト内にある一本のロッドから構成され,
顎部側を全体先端方向とし,ハンドル側を全体手元方向とし,二つの顎部のうち全体先端方向側を第一顎部とし,全体手元方向側を第二顎部とすると,
ハンドル操作によりロッドが摺動し,クランクを介してロッドに接続する二つの顎部が相反して同時に動き,
二つの顎部は最大に開大した時は両顎部の長軸はシャフト長軸に平行近くとなり,第一顎部の先端は全体先端方向に向き,第二顎部は先端が全体手元方向に向いてシャフトの欠削部内にはまり込むことで,両顎部がシャフトの外径範囲内に収まり,経皮的全内視鏡の作業用内腔に挿入可能となり,
二つの顎部が閉じた時は両顎部の先はシャフト長軸の垂直方向付近に向くことを特徴とする経皮的全内視鏡用器具.
【請求項2】
二つの顎部が閉じた時は両顎部の先はシャフト長軸の垂直方向付近に向き,以下にその方向を閉鎖方向とし,その逆方向を開放方向すると,両顎部が閉じた状態での器具先端側の内部構造を記述すると,
第一顎部に第一顎基部が開放方向側にあって斜め全体先端方向に延設され,第一顎基部に第一回転軸と第一クランク接続軸があり,第一回転軸が開放方向側にあり,第一クランク接続軸が閉鎖方向側にあり,第一回転軸はシャフトに接続しており,
第二顎部に第二顎基部が開放方向側にあって斜め全体手元方向に延設され,第二顎基部に第二回転軸と第二クランク接続軸があり,第二回転軸が閉鎖方向側にあり,第二クランク接続軸が開放方向側にあり,第二回転軸はシャフトに接続しており,
第一クランク接続軸と第二クランク接続軸はクランクに接続しクランクはロッドに軸を介して接続しており,
第一回転軸から第一クランク接続軸までの距離と,第二回転軸から第二クランク接続軸までの距離は同じもしくはわずかに違いがあることを特徴とする請求項1に記載の経皮的全内視鏡用器具.
【請求項3】
前記先端側内部構造とは別の内部構造で,両顎部が閉じた状態での内部構造を記述すると,
両顎部それぞれに顎基部が開放方向側にあって,顎部から顎基部にかけて両顎部が交差もしくは,非交差となっており,
全体先端方向側の顎基部の端に回転軸があってシャフトと接続しており,
全体手元方向側の顎基部の端にクランク接続軸があってクランクと接続し,クランクはロッドと接続しており,
両顎部は顎間接続軸にて接続していることを特徴とする請求項1に記載の経皮的全内視鏡用器具.
【請求項4】
顎部形状は第一顎部が枠形状で第二顎部がその枠の内腔に収まるサイズでその角が直角以下であることを特徴とする請求項2もしくは3に記載の経皮的全内視鏡用器具.
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脊椎経皮的全内視鏡下手術で使用する軟部組織切除用の器具に関するものである.
【背景技術】
【0002】
低侵襲脊椎手術において脊椎経皮的全内視鏡を用いる方法がある.脊椎経皮的全内視鏡900とは図1図2のように体内に挿入する部分である本体部分901は外径約6mm弱から7mm弱程の細長い円柱で,そのなかで鏡筒902と光源路903と潅流水路904と作業用内腔905が一体となったものである.皮膚切開部Sから体内に外筒906を挿入し,その中に本体部分901を挿入して,水を潅流して対象を洗い流しながら,接続されたカメラからの画像をモニターに写して鏡視し,作業用内腔905に挿入した鉗子やドリル910等の器具にて脊椎B等に対して操作する.作業用内腔905は円筒内腔であり,そこに挿入できる器具は外径3mmから4mmほどで長さ300mmから400mm程の細長い円柱形を基本外形とするものにハンドル等が付属している器具である.
【0003】
脊椎手術の中には黄色靭帯という軟部組織を切除することが必要である術式が多い.脊椎は体幹の背側にあり,脊椎手術では背側から進入する手術が多いが,内視鏡を背側から脊椎へ挿入すると黄色靭帯が内視鏡の長軸の垂直面にシート状に広がっており,その奥に神経が走行している.
【0004】
経皮的全内視鏡手術で用いる器具では,顎口面が図4のように鋭匙形状(点線で陥凹底を示している)で顎部が回転運動する鉗子が普及しているが,微小な器具ながら強度も必要なため,複雑な構造のものは実現困難である.そのため,図3,4に示した固定顎710と可動顎720とで構成される鉗子(シングルアクションタイプ)か,図5に示した可動顎二つが相対して同時に動く鉗子(ダブルアクションタイプ)に限られる.経皮的全内視鏡用シングルアクションタイプ鉗子は顎部を閉じた時(図4b)に器具長軸方向に顎部先端が向くものでないと経皮的全内視鏡の作業用内腔に挿入できない.そのため,顎部が閉じた時はその構造上,顎部先端はシャフト730の長軸方向となり,それぞれの顎口面711,721も器具長軸に平行である.そのため,黄色靭帯のような器具長軸に対して垂直面に広がる厚いシート状組織に対して掴みにくい.
ダブルアクションタイプの鉗子は胃カメラ用生検鉗子として一般的である.その構造は特許文献2に図示されているが,ダブルアクション鉗子は顎部が閉じた時(図5b)はその構造上,顎部先端はシャフトの長軸方向となる.そのため,上記と同様の理由で黄色靭帯を掴みにくい.以上のように,顎部が回転運動するタイプの鉗子では黄色靭帯を処理することに適していない.
【0005】
そこで,従来から黄色靭帯を切除する器具としてケリソンパンチが用いられており,図6のような経皮的全内視鏡用のケリソンパンチも存在する.ケリソンパンチは屈曲した固定顎810に鋭匙状の顎口面811があり(点線で陥凹底を示している),相対する可動顎820にも同様に鋭匙状の顎口面821がある.可動顎がシャフト830の軸方向831に沿って動き,顎間で対象物を挟んで顎辺縁の刃で噛み切る.器具長軸に対して顎口面が垂直であり,黄色靭帯の切除に適している.固定顎810の部分で神経と黄色靭帯を分けて神経を保護するので操作を安全にできる.しかし,経皮的全内視鏡で使用するケリソンパンチは,上記のように細いものであるため,その顎口面の面積が小さい.黄色靭帯は弾性があり靭性があり,また表面は平滑で湿潤下では滑りやすいため,黄色靭帯の厚さに比べ顎口面が小さいと,黄色靭帯が滑って挟むことができず切除困難である.そして小さい顎口面であるため小範囲しか切除できないため効率も悪い.
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-226214
【特許文献2】特許4618880
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】実用新案登録第3170888号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
経皮的全内視鏡の作業用内腔に挿入することができ,挿入方向(つまり,シャフト長軸方向)と垂直面近くにて顎間を閉じることが可能で,顎口面を大きくし,黄色靭帯を切除する能力を高めること.
【課題を解決するための手段】
【0009】
当発明の器具は,細長い円筒形のシャフトとシャフトの手元側にハンドルと,シャフトの先端側に二つの可動顎部と,シャフト内に一本のロッドから構成される.以下に顎部側を全体先端方向とし,ハンドル側を全体手元方向とし,二つの顎部のうち全体先端方向側を第一顎部とし,全体手元方向側を第二顎部とする.
ハンドル操作によりロッドが摺動し,クランクを介してロッドに接続する二つの顎部が相反して同時に動くダブルアクションタイプであるが,従来とは動きが異なる.二つの顎部は最大に開大した時は両顎部の長軸はシャフト長軸に平行近くとなり,第一顎部の先端は全体先端方向に向き,第二顎部は先端が全体手元方向に向いてシャフトの欠削部内にはまり込むことで,両顎部がシャフトの外径範囲内に収まり,経皮的全内視鏡の作業用内腔に挿入可能である.二つの顎部が閉じた時は両顎部の先はシャフト長軸の垂直方向付近に向き,以下にその方向を閉鎖方向とし,その逆方向を開放方向とする.
両顎部が閉じた状態での内部構造を記述すると,第一顎部に第一顎基部が開放方向側にあって斜め全体先端方向に延設され,第一顎基部に第一回転軸と第一クランク接続軸があり,第一回転軸が開放方向側にあり,第一クランク接続軸が閉鎖方向側にある.第一回転軸はシャフトに接続している.第二顎部に第二顎基部が開放方向側にあって斜め全体手元方向に延設され,第二顎基部に第二回転軸と第二クランク接続軸があり,第二回転軸が閉鎖方向側にあり,第二クランク接続軸が開放方向側にある.第二回転軸はシャフトに接続している.第一クランク接続軸と第二クランク接続軸はクランクに接続しクランクはロッドに軸を介して接続している.
【0010】
また上記とは別の内部構造で,両顎部が閉じた状態での内部構造を記述すると,両顎部それぞれに顎基部が開放方向側にあって,全体先端方向側の顎基部の端に回転軸があってシャフトと接続している.全体手元方向側の顎基部の端にクランク接続軸があってクランクと接続している.両顎部は顎間接続軸にて接続している.顎部から顎基部にかけて両顎部が交差している構造と交差していない構造が考えられる.
【0011】
顎部形状は第一顎部が枠形状で第二顎部がその枠の内腔に収まるサイズで角が直角な形状であり,改札鋏と同様な切除様式である改札鋏タイプと,両顎部の顎口が同じサイズの鋭匙形状となっている鋭匙鉗子タイプが考えられる.
【発明の効果】
【0012】
従来ではケリソンパンチの顎口面積は作業用内腔の断面積に制限され,さらに強度を維持するためだいたい作業用内腔の半分になっていたが,当発明の器具はその制約以上の面積の顎口面積を確保できる.従来よりも大きな顎口面積でそれをとらえることができるため効率よく黄色靭帯を切除できる.
【0013】
従来のダブルアクションタイプ鉗子やシングルアクションタイプ鉗子と異なり両顎部が閉じた時の顎部先端はシャフト長軸の垂直方向を向き,顎口面はシャフト長軸の垂直面であるため,黄色靭帯を平行にとらえて処理しやすい.なおかつ,顎部を開大させるとそれぞれの顎部先がシャフトの長軸方向に向いて側方への突出がなくなり,シャフトの外径範囲内に収まるため,経皮的全内視鏡の作業用内腔に挿入することができる.
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】脊椎後方進入手術時の従来の経皮的全内視鏡と外筒.
図2】従来の経皮的全内視鏡と外筒の先端.
図3】従来の経皮的全内視鏡用シングルアクションタイプ鉗子の全体側面図.
図4図3の先端側面図(a:最大開大時,b:閉じた時).
図5】従来の経皮的全内視鏡用ダブルアクションタイプ鉗子の先端透過側面図(a:最大開大時,b:閉じた時).
図6】従来の経皮的全内視鏡用ケリソンパンチの先端側面図.
図7】本発明の実施形態1の全体図.
図8】本発明の実施形態1の先端側の斜視図(a:最大開大時,b:閉じた時).
図9】本発明の実施形態1の先端側の透過側面図(a:最大開大時,b:中間時,c:閉じた時).
図10】本発明の実施形態2の先端側の透過側面図(a:最大開大時,b:中間時,c:閉じた時).
図11】本発明の実施形態4の先端側の透過側面図(a:最大開大時,b:中間時,c:閉じた時).
図12】本発明の実施形態5の先端側の透過側面図(a:最大開大時,b:中間時,c:閉じた時).
図13】本発明の実施形態6の先端側の透過側面図(a:最大開大時,b:中間時,c:閉じた時).
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態1を図7~9を用いて説明する.外径3mmから4mmほどで長さ300mmから400mm程の細長いシャフト30があり,先端側に第一可動顎部10と第二可動顎部20があり,手元側にハンドル50がある.シャフト30の内腔にロッド40が通っている.
以下に顎部側を全体先端方向Dとし,ハンドル側を全体手元方向Pとする.シャフトに垂直方向で,二つの顎部が閉じた時に両顎部の先が向く方向を閉鎖方向Cとし,その逆方向を開放方向Oする.
図9は各部材を透過させて内部構造を示しており,最大開大時a,中間時b,閉じた時cの変化を図示している.両顎部が閉じた状態(図7図8b,図9c)での形態を説明すると,第一顎部10に第一顎基部11が開放方向O側にあって斜め全体先端方向Dに延設され,第一顎基部11に第一回転軸12と第一クランク接続軸13があり,第一回転軸12が開放方向O側にあり,第一クランク接続軸13が閉鎖方向側Cにある.第二顎部20に第二顎基部21が開放方向O側にあって斜め全体手元方向Pに延設され,第二顎基部21に第二回転軸22と第二クランク接続軸23があり,第二回転軸22が閉鎖方向側Cにあり,第二クランク接続軸23が開放方向O側にある. 第一クランク接続軸13と第二クランク接続軸23はクランク60に接続しクランク60はロッド40に軸41を介して接続している.第一回転軸12と第二回転軸22はシャフト30と接続している.第一回転軸12から第一クランク接続軸13までの距離と,第二回転軸22から第二クランク接続軸23までの距離はほぼ同じである.図8のように顎部形状は第一顎部10が枠形状で第二顎部20がその枠の内腔に収まるサイズで角が直角以下の形状であり,改札鋏と同様な切除様式である
【0016】
図9のように,ハンドル50操作によりロッド40が摺動し,クランク60を介して接続する二つの顎部が相反して同時に動く.二つの顎部は最大開大時(図9a)には両顎部の長軸はシャフト長軸に平行近くとなり,第一顎部10の先端は全体先端方向Dに向き,第二顎部20は先端が全体手元方向Pに向いてシャフト30の欠削部31内にはまり込む(図8a).二つの顎部が閉じた時(図9c)は両顎部の先はシャフト長軸の垂直方向近くとなる.
まず,顎部を最大に開大して経皮的全内視鏡の作業用内腔内に挿入して,当器具先端が内視鏡先端から出てから,体腔内で両顎部を閉じていき,第一可動顎10を黄色靭帯の下で神経の上に差し入れてから,さらに顎部を閉じていき,第一可動顎10の枠内に第二可動顎20がはまり込みながら黄色靭帯を切り抜く(図8b).
【0017】
本発明の実施形態2は,図10のように第一回転軸212から第一クランク接続軸213までの距離と,第二回転軸222から第二クランク接続軸223までの距離が同じではないもので,両顎部が閉じた時に顎部先が向く方向がシャフト長軸の垂直方向からずれる.図10cではやや全体先端方向に向いている.
【0018】
本発明の実施形態3は,両顎部の形状が図4と同様に,両顎部が同サイズで顎口面が鋭匙形状となっている鋭匙鉗子タイプで,その他は実施形態1と同様の形態である.この実施形態3は経皮的全内視鏡の長軸延長線上から側方に外れた位置に存在する椎間板ヘルニアを切除する時にも有用である.
【0019】
本発明の実施形態4は図11のように上記とは別の内部構造で,両顎部が閉じた状態での内部構造を記述すると,第一顎部310に第一顎基部311が開放方向O側にあって,第一顎基部311に第一回転軸312と顎間接続軸313がある.第一顎部310より開放方向O斜め全体先端方向Dに第一回転軸312がある.第一顎部310より開放方向Oに顎間接続軸313がある.第一回転軸312はシャフト330と第一顎基部311を接続している.顎間接続軸313は第一顎基部311と第二顎基部321を接続しているが,シャフト330とは接続していない.第一顎部310から顎間接続軸313までと顎間接続軸313から第一回転軸312までの二辺の間の角度は直角付近である.
第二顎部320に第二顎基部321が開放方向O側にあって,第二顎基部321に第二クランク接続軸323と顎間接続軸313がある.第二顎部より開放方向O斜め全体手元方向Pに第二クランク接続軸323がある.第二顎部より開放方向に顎間接続軸313がある.第二クランク接続軸323はクランク360と接続している.クランク360は軸341を介してロッド340に接続している.第二顎部320から顎間接続軸313までと顎間接続軸313から第二クランク接続軸323までの二辺の間の角度は直角付近である.ロッド340の周辺の点線はシャフト330の内壁を表している.第一回転軸312から顎間接続軸313までの距離と,第二クランク接続軸323から顎間接続軸313までの距離は同じもしくはわずかに違いがある.
図11では顎部の形状は実施形態3と同じく,顎口面が鋭匙形状の鉗子を図示しているが,実施形態1と同様な形状も可能である.動きは上記実施形態と同じである.
両顎部が閉じた状態(図11c)から開大させる始動時にロックしないようにロッド340に点線で示した溝342がある.ロッド340が全体先端方向Dに動き始めると軸341が溝342に沿って閉鎖方向Cに動き,クランク360の長軸の延長線上が顎間接続軸313より開放方向O側に移動することで両顎部の開大が可能になる.
【0020】
本発明の実施形態5は図12のように内部構造が実施形態4の亜型で,両顎部が閉じた状態での内部構造を記述すると,第一顎部410に第一顎基部411が開放方向O側にあって,第一顎基部411が二股となって,それぞれに第一回転軸412と顎間接続軸413がある.第一顎部410より開放方向O斜め全体先端方向Dに第一回転軸412がある.第一顎部410より開放方向O斜め全体手元方向Pに顎間接続軸413がある.第一回転軸412はシャフト430と第一顎基部411を接続している.顎間接続軸413は第一顎基部411と第二顎基部421を接続しているが,シャフト430とは接続していない.第二顎部420に第二顎基部421が開放方向O側にあって,第二顎基部421が二股となって,それぞれに第二クランク接続軸423と顎間接続軸413がある.第二顎部より開放方向O斜め全体手元方向Pに第二クランク接続軸423がある.第二顎部より開放方向斜め全体先端方向Dに顎間接続軸413がある.第二クランク接続軸423はクランク460と接続している.クランク460は軸441を介してロッド440に接続している.第一回転軸412から顎間接続軸413までの距離と,第二クランク接続軸423から顎間接続軸413までの距離は同じもしくはわずかに違いがある.
図12では顎部の形状は実施形態3と同じく,顎口面が鋭匙形状の鉗子を図示しているが,実施形態1と同様な形状も可能である.動きは上記実施形態と同じである.構造上の制約で顎部の回転が90°よりも小さくなり,最大開大時でも両顎部の長軸がシャフトに平行とはならない.そのため,シャフト外径範囲内に収めるためには両顎部を小さくする必要がある.
【0021】
本発明の実施形態6は図13のように内部構造が上記と異なり鋏と類似の構造で,第一顎部510と第二顎部520は顎間接続軸513を中心に交差している.両顎部が閉じた状態での内部構造を記述すると,第一顎部510に第一顎基部511が開放方向O側全体手元方向P側にあって,第一顎基部511の開放方向の端に第一クランク接続軸512がある.第二顎部520に第二顎基部521が開放方向O側全体先端方向D側にあって,第二顎基部521の開放方向Oの端に第二回転軸522がある.第一クランク接続軸512はクランク560と第一顎基部511を接続している.顎間接続軸513は第一顎基部511と第二顎基部521を接続しているが,シャフト530とは接続していない.第二回転軸522はシャフト530と接続している.クランク560はロッド540に固定されている.
第一クランク接続軸512から顎間接続軸513までの距離と,第二回転軸522から顎間接続軸513までの距離は同じもしくはわずかに違いがある
図13では顎部の形状は実施形態3と同じく,顎口面が鋭匙形状の鉗子を図示しているが,実施形態1と同様な形状も可能である.動きは上記実施形態と同様である.構造上の制約で顎部の回転が90°よりも小さくなり,最大開大時でも両顎部の長軸がシャフトに平行とはならない.そのため,シャフト外径範囲内に収めるためには両顎部を小さくする必要がある.
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13