IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キャパット エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特開-耐火・防弾タンクアセンブリ 図1
  • 特開-耐火・防弾タンクアセンブリ 図2
  • 特開-耐火・防弾タンクアセンブリ 図3
  • 特開-耐火・防弾タンクアセンブリ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022020812
(43)【公開日】2022-02-01
(54)【発明の名称】耐火・防弾タンクアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/02 20060101AFI20220125BHJP
   B65D 90/02 20190101ALI20220125BHJP
【FI】
B65D88/02 Z
B65D90/02 L
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187241
(22)【出願日】2021-11-17
(62)【分割の表示】P 2018543093の分割
【原出願日】2017-02-08
(31)【優先権主張番号】62/292,978
(32)【優先日】2016-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/427,353
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518350598
【氏名又は名称】キャパット エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】CAPAT LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カヒガ、ホセ アー.
(72)【発明者】
【氏名】ビジャール、アルトゥーロ カヒガ
(72)【発明者】
【氏名】ビジャール、ビセンテ カヒガ
(72)【発明者】
【氏名】カヒガ、アレクサンドラ
(57)【要約】
【課題】耐火・防弾タンクアセンブリを提供すること。
【解決手段】耐火・防弾タンクアセンブリは、第1の液体又はガスを収容する第1のタンクと、第2の液体又はガスを収容する第2のタンクと、第1のタンク及び第2のタンクの側面を接続するタンク接続器とを備え、第1の液体又はガスは、第2の液体又はガスとは異なる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火・防弾タンクアセンブリであって、
第1の液体又はガスを収容する第1のタンクと、
第2の液体又はガスを収容する第2のタンクと、
前記第1のタンク及び前記第2のタンクの側面を接続するタンク接続器と
を備え、前記第1の液体又はガスは、前記第2の液体又はガスとは異なる、耐火・防弾タンクアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のタンク及び前記第2のタンクの両方は、外壁、内壁、及び前記外壁と前記内壁との間にある耐火・防弾材料を有する、請求項1に記載の耐火・防弾タンクアセンブリ。
【請求項3】
前記タンク接続器と前記第1及び第2のタンクの前記内壁との間に間隙が存在し、熱膨張及び収縮により生じた圧力を解放する機能をもたらす、請求項2に記載の耐火・防弾タンクアセンブリ。
【請求項4】
前記耐火・防弾材料はパイロライトである、請求項2に記載の耐火・防弾タンクアセンブリ。
【請求項5】
前記タンク接続器は、内壁及び外壁を有する2重壁構造体である、請求項1に記載の耐火・防弾タンクアセンブリ。
【請求項6】
前記タンク接続器の前記外壁と前記内壁との間に耐火・防弾材料が設けられている、請求項5に記載の耐火・防弾タンクアセンブリ。
【請求項7】
前記耐火・防弾材料はパイロライトである、請求項6に記載の耐火・防弾タンクアセンブリ。
【請求項8】
前記第1及び第2のタンクの各々は、2重壁構造体を有する燃料タンク区画を含み、
前記タンク接続器は、前記燃料タンク区画の前記2重壁構造体内に部分的に統合されており、
前記タンク接続器の前記外壁は、前記燃料タンク区画の内壁に到達していない、請求項5に記載の耐火・防弾タンクアセンブリ。
【請求項9】
前記2重壁構造体は、火事の間、最小2時間、前記第1及び第2のタンク内の燃料に引火するのを防止するように構成されている、請求項5に記載の耐火・防弾タンクアセンブリ。
【請求項10】
前記第1及び第2のタンクは、容積及び形状のうち少なくとも1つが異なる、請求項1に記載の耐火・防弾タンクアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、耐火・防弾タンクアセンブリに関し、より詳細には、環境に優しく、作業が安全で、整備に好都合な耐火・防弾タンクアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料分配ステーションは、膨張を続ける人口の交通需要を満たすため、より多くの自動車が路上で使用されるにつれて、世界的に強く求められている。しかし、従来の燃料分配・供給ステーションの建設及び運営は、時間及び費用がかかり、資源を多く消費する事業である。ガソリンを3.9リットル(1ガロン)でもポンプ注入できるようになる前に、予期される需要の調査及び研究を依頼しなければならず、予期される需要を満たすのに十分な構成でステーションを設計しなければならず、許可を得なければならず、時間のかかる建設過程を開始し完了させなければならない。
【0003】
従来の燃料分配ステーションには、その建設及び運営のために資源消費の著しい事業が行われるにもかかわらず、環境、安全及び整備の問題に関して多くの欠点がある。
まず、燃料分配ステーションは、環境に重大な影響を与える可能性がある物件として分類されている。例えば、自動車の燃料は、典型的には地下タンクに貯蔵されており、自動車へ燃料を移送する前に、地下タンクから燃料供給器へ燃料をポンプ注入する。こうしたタンクは、典型的には金属又は繊維ガラスから構成される。これらのタンクを地下に設置することは、比較的大規模な掘削及び建蔽率を必要とし、そのため、多くの潜在的問題をもたらす。地下燃料タンクに関連する1つの公知の問題は、周囲土壌への漏洩又は滲出である。このことは、特に湿気のある土壌において、経時的に腐食又は劣化し得る金属タンクに特に当てはまる。周囲土壌への滲出は、燃料の間断ない損失、及び環境(土壌及び水)の汚染の両方をもたらす。更に、洪水の場合には、地下に設置したタンクは無力であり、タンクの中の燃料は、水及び水中の堆積物により汚染されることがある。
【0004】
更に、燃料タンクは、典型的にはステーション構造体の下の地下に埋入され、厚いコンクリート配置ブロックがタンクの上にあるため、必要なときに燃料タンクの整備作業を実施することが困難になる。燃料タンクの修理又は取替えが必要であることが判明した場合、地下の燃料タンクの修理及び取替え費用は、非常に高額であることがある。
【0005】
従来の燃料ステーションに関連する別の欠点は、燃料分配ステーション内での通行パターンが制限されることである。従来の燃料ステーションでは、地下燃料タンクに接続したポンプ注入機器は、地面から直接建造されている。保護隆起及び防壁がポンプ注入機器の周囲に建造されていることが多いものの、毎年、ポンプ注入機器への車両の偶発的な衝突により、深刻な損傷が発生している。燃料ステーション内でのそのような事故を防止するために、燃料ステーション内での通行パターンを制限する必要があるため、車両が燃料ステーションに燃料補給のために出入りするには不便であることがある。
【0006】
上記に加えて、燃料市場においては、代替エネルギー源の使用がより普及し始めている。実際、交通機関のための代替エネルギー燃料の使用及び需要は、急速に増加しており、需要される燃料の種類及びその消費率は、今日までに見受けられるところから激増すると予想できる。したがって、新世代の燃料分配ステーションは、動的に変化する市場に応じて、そのサイズ、及び貯蔵、分配することができる燃料の種類の点で柔軟性があるものでなければならない。ガソリン、ディーゼル、天然ガス、水素及びメタノール、及び車を急速充電する電気等の、異なる種類の燃料を分配することができる燃料分配ステーションが必要である。しかし、従来の燃料ステーションの地下タンクは、異なる種類の燃料を貯蔵するように設計されておらず、機器を保管し、特定の種類の燃料及びエネルギーを生成して自動車に送出するために必要な工程を実施するには、他の設備を必要とする。
【0007】
公知の燃料補給ステーションの上述した欠点に鑑みて、より環境に優しく、作業が安全で、整備に好都合であり、異なる種類の燃料を貯蔵、分注することができる燃料補給ステーションが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の問題及び懸念を念頭に置いて、本発明の一般的な目的は、既存のステーションよりも環境に優しく、作業が安全で、整備に好都合である燃料分配ステーションを提供することである。
【0009】
上述の懸念及び必要性を念頭に置いて、本発明の一般的な目的は、自動車の燃料分配ステーションを提供することである。
本発明の別の目的は、環境に優しい燃料分配ステーションを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、燃料分配ステーション周囲の領域内の土壌及び地下水を汚染する危険性を最小化する燃料分配ステーションを提供することである。
本発明の別の目的は、既存のステーションよりも建設及び整備に費用がかからない燃料分配ステーションを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、燃料の分注に重力を使用する燃料分配ステーションを提供することである。
本発明の別の目的は、最小数の管及び配線を使用する燃料分配ステーションを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、整備及び修理作業をより好都合に実行可能にする燃料分配ステーションを提供することである。
本発明の別の目的は、自由な流れの通行をもたらす燃料分配ステーションを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、自動車の容易な出入りを可能にする燃料分配ステーションを提供することである。
本発明の別の目的は、自動車がステーションのポンプ注入機器に衝突する危険性をなくす燃料分配ステーションを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、ポンプ注入機器の整備及び他の作業を実施する間に、天候からスタッフを守る燃料分配ステーションを提供することである。
本発明の別の目的は、ガソリン、ディーゼル、CNG(圧縮天然ガス)、LPG(液化石油ガス)、水素及びメタノール等の様々な種類の燃料を貯蔵することができる貯蔵タンクを有する燃料分配ステーションを提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、ガソリン、ディーゼル、バイオディーゼル、水素、メタノール、CNG、LPG及び電力等の様々な種類の燃料を供給することができる燃料分配ステーションを提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、コンテナ組立体を有する燃料分配ステーションを提供することであり、こうしたコンテナ組立体は、コンテナ組立体が収容する機器を取り替え、長期間の動作不能時間を伴うことなく機器の整備を実施するために、他の組立体と容易に交換することができる。
【0017】
本発明のこれら及び他の目的並びに好ましい実施形態は、明細書、特許請求の範囲及び図面を全体的に考慮することによってより明らかになるであろう。
本発明は、非限定的実施形態に関する以下の説明を添付の図面を参照しながら読むことにより、より良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による燃料分配ステーションの等角図である。
図2図1の燃料分配ステーションの断面図である。
図3】本発明の一実施形態による機器室の上面等角図である。
図4】本発明の一実施形態による支持構造体を有する燃料タンクの部分立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態による燃料分配ステーション100を示す。特に図1を参照すると、燃料分配ステーション100は、上側天蓋101、上側天蓋101から懸架される燃料分配インターフェース130、燃料分配インターフェースと密接に関連する燃料供給器170、車両が上側天蓋101の下を通過可能であるように上側天蓋101を地上の高架位置で支持する複数の支持構造体140、及び支持構造体140を保護する複数の保護隆起/円柱150を含む。上側天蓋101は、1つ又は複数の燃料タンクが位置する燃料タンクドック110、及び(例えば燃料タンクドック110の下で)燃料タンクドック110と密接に関連する機器室120を更に含む。
【0020】
図2を参照すると、燃料タンクドック110は、一般に、外殻1120、外殻1120内に位置する少なくとも1つの燃料タンク1110、及び防火壁1140を備える。燃料タンク1110は、燃料供給管1130を介して燃料分配インターフェース130及び機器室120と流体連通している。外殻1120は、好ましくは、当技術分野で公知である材料等、耐火性及び防弾性を有する材料から作製される。防火壁1140は、燃料タンク1110及び機器室12を互いから隔離するように、燃料タンクドック110の外殻1120と機器室120との間に配設する。
【0021】
容易に理解されるように、本発明の燃料分配ステーションは、上側天蓋101内に位置する燃料タンク1110が地上の高架位置にあることによって、燃料タンク1110及び燃料タンクから起こり得るあらゆる燃料漏れにより燃料分配ステーション周囲の領域の土壌及び地下水を汚染することを防ぐため、燃料タンクを地面に埋入させる従来の燃料ステーションと比較して、より環境に優しい。
【0022】
より重要なことには、本発明の燃料タンク1110は、従来の燃料ステーションと比較して、整備作業及び修理の実施がより容易で、より安価であることに留意されたい。というのは、本発明の燃料タンク1110は、上側天蓋101内に位置し、容易にアクセス可能である一方で、従来の燃料ステーションの燃料タンクは、地下に埋入されており、燃料タンクにアクセスするには、厚い被覆用コンクリートのブロックを壊す必要があるためである。更に、本発明の燃料分配ステーション100を建設するための経済的費用及び人件費は、燃料分配ステーション110の建設には掘削及び地下作業がそれほど必要でないため、従来の燃料ステーションの建設費用よりも著しく低い。
【0023】
本発明の機械式ポンプ注入機器による電力消費量は、従来の燃料ステーションと比較して、大幅に低減し得ることにも留意されたい。というのは、本発明は、高架式燃料タンク1110からの燃料の重量を部分的に利用して燃料を燃料供給器170に分配する一方で、従来の燃料ステーションは、地下の燃料タンクから燃料供給器に燃料をポンプ注入するために、もっぱら機械式ポンプ機器に依存しているためである。特に、燃料タンク1110及び燃料供給器170を天蓋内に、燃料補給を受ける車両の上に置くことによって、重力を使用してほぼ完全に又は実際完全に燃料を分注することができる。これは、地下タンクから分注器へ燃料を汲み上げ、そして分注器から燃料補給を受ける車両へ燃料を注入するのにポンプを必要とする、既存の燃料ステーションとは対照的である。したがって、使用電力量の著しい低減を実現することができる。
【0024】
図2に示すように、本発明の好ましい実施形態では、機器室120は、燃料タンクドック110の下に位置し、車両が燃料分配ステーションに燃料補給のために進入した際に機器室の下を車両が通過することが可能である位置まで高架になっている。機器室120は、ポンプ、フィルタ及び消火システム(例えば液圧及び機械式機器)を含む様々な機器を収容する多数の区画1202、1204、1206等を備える。機器室120の内部に位置するこれらの機器は、燃料タンクドック110内の燃料タンク1110、燃料供給器インターフェース130、及び上側天蓋101から懸架した燃料供給器170と流体連通し、電気的に通じている。
【0025】
機器室120を燃料タンク1110と分離させて燃料タンク1110の下に置き、防火壁1140を機器室120と燃料タンクドック110との間に挿入することによって、本発明は、液圧機器及び機械式機器により火花が偶発的に発生し燃料タンク1110への火災を引き起こすことを効果的に防止し、これにより、燃料分配ステーションの全体的な安全性を向上させることに留意されたい。更に、燃料タンクドック110は、様々な天候条件において、燃料タンクドック110の下の機器室120を保護することができる。
【0026】
図2を参照すると、燃料分配インターフェース130は、少なくとも1つの懸架保持器1310を介して上側天蓋101に接続され、上側天蓋101から懸架され、燃料分配インターフェース130を高架位置で、地上からのある所定距離に懸架するようにする。燃料分配インターフェース130は、燃料分配ステーションのオペレータ及び/ユーザに情報をデジタル表示する電子デジタル表示器1312、及びオペレータ及び/又はユーザが情報を入力する入力パネル1314を更に含む。燃料供給器170も上側天蓋101から懸架され、燃料分配インターフェース130と密接に関連して配設されている。
【0027】
一実施形態では、燃料分配インターフェース130の高さは、燃料分配ステーション100のオペレータ及び/又はユーザの身長、並びに燃料分配ステーション100に燃料補給のために進入した車両の車高に適合するよう、選択的に調節可能である。燃料分配ステーションに進入する車両の車高を検出し、車両の車高データを燃料分配インターフェース130に送信するため、センサを、燃料分配ステーション100と(例えば各分注器と)関連させて配置することができる。これにより、燃料分配インターフェース130は、燃料分配ステーション100に進入した車両の車高データに基づき、高さを自動的に調節することができる。
【0028】
上記で開示したように、本発明の燃料分配ステーション100は、従来の燃料供給ステーションに対しいくつかの明確な利点を提供する。第1に、機器室120及び燃料分配インターフェース130を上側天蓋101から懸架することにより、ポンプ注入・燃料分配ユニット/キオスクを地上に取り付けている従来の燃料ステーションと比較して、燃料分配インターフェース130の1つ又は複数の構成要素に車両が衝突する可能性を低減する。
【0029】
更に、ポンプ注入・燃料分配ユニット/キオスクを地上面からなくすことによって、本発明の燃料分配ステーション100は、各ポンプ注入・燃料分配ユニット/キオスクに衝撃保護のための複数の防壁を必要とする従来の燃料ステーションと比較して、必要な保護隆起/円柱及び他の防壁の数はより少なくなる。したがって、本発明の燃料ステーションは、必要な基礎構造がより少なくなるため、公知の相対物よりも費用がかからない。その上、地上ベースの燃料供給キオスクをなくすことによって、本発明は、ステーションの占有面積内で、より柔軟性の高い通行パターンを提供する。したがって、車両は、燃料分配ステーション100に様々な方向から進入し、燃料供給器170から届き得る限り様々な角度及び方向で駐車し、いくつもの異なる方向で燃料分配ステーションを出ることができるが、その一方で、従来の燃料ステーションに進入する車両は、1つのレーンの入口から進入し、燃料補給のためのポンプ注入・分配ユニットに平行に駐車し、車両を駐車したレーンを介して出ることしかできない。
【0030】
図3を参照すると、燃料タンク1110は、少なくとも1つの燃料タンクを含む。図3に示す1つの好ましい実施形態では、燃料タンク1110は、複数の燃料タンク区画1112、1114、1116、1118等を含む。燃料タンク区画は、同じ形状及びサイズのものであっても、様々な形状及びサイズのものであってもよく、隣接する燃料タンクに燃料タンク接続器1004を介して接続されている。各燃料タンク区画は、1つの種類の炭化水素ベースの燃料を貯蔵することができ、全ての燃料区画は、ガソリン、ディーゼル、CNG(圧縮天然ガス)、LPG(液化石油ガス)、水素及びメタノールを含むがこれらに限定されない、同じ種類の炭化水素燃料又は様々な種類の炭化水素燃料を貯蔵することができる。
【0031】
燃料タンク区画1112、1114、1116、1118及びタンク接続器1004の全ては、2重壁構造体を有し、2重壁構造体は、外壁1001、内壁1002、及び外壁1001と内壁1002との間の空間内のパイロライト等の耐火・防弾材料1003を備えることに留意されたい。したがって、2重壁構造体は、火事の間、最小2時間、燃料タンク内の燃料に引火するのを防止することができる。
【0032】
重要なことには、燃料タンク区画1112、1114、1116、1118に加えて、支持構造体140、燃料タンクドック110の外殻1120、懸架保持器1310、機器室120等の壁構造体等の燃料分配ステーション100内の全ての他の壁構造体は、上述の2重壁構造体を備えることができる。例えば、図3に示す支持構造体140の壁は、外壁1010、内壁1011、及び外壁1001と内壁1002との間のパイロライト等の耐火・防弾材料1012を備えることができる。したがって、2重壁構造の採用により、燃料分配ステーションの全体的な耐火性及び防弾性が向上する。
【0033】
更に図3を参照すると、燃料タンク接続器1004は、燃料タンク区画1112、1114、1116、1118等を互いに接続している。燃料タンク接続器1004は、燃料タンク区画の2重壁構造体内に部分的に統合されるが、燃料タンク接続器1004の外壁は、燃料タンク区画の内壁1002に到達しない。燃料タンク接続器1004の外壁1005と燃料タンク区画の内壁1002との間の間隙は、季節間の温度変化による熱膨張及び収縮により生じた圧力を解放する機能を燃料タンク1110に与える。
【0034】
次に図4を参照すると、機器室120は、機器支持枠1201を備え、機器支持枠1201は、機器室120を、区画1202、1204、1206等の2つ以上の区画に更に分割することができる。各区画は、形状及びサイズの点で同じであっても、異なっていてもよい。区画は、ポンプ、フィルタ及び消火システムを含むがこれらに限定されない、機器を収容することができる。機器室120は、あらゆる公知の液体炭化水素燃料をLPGに精製するために、炭化水素接触分解機器を収容するように修正できることに留意されたい。
【0035】
本発明を詳細な実施形態に関して図示し、説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、等価物が本発明の要素の代替となり得ることは当業者であれば理解されよう。更に、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適応させるために、修正を行うことができる。したがって、本発明は、上記の説明で開示した特定の実施形態に限定するものではなく、本発明は、本開示の範囲内にある全ての実施形態を含むことを意図する。
【符号の説明】
【0036】
1110…燃料タンク、1001…燃料タンク区画の外壁、1002…燃料タンク区画の内壁、1003…耐火・防弾材料、1004…燃料タンク接続器、1005…燃料タンク接続器の外壁、1112,1114,1116,1118…燃料タンク区画。
図1
図2
図3
図4