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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022021104
(43)【公開日】2022-02-02
(54)【発明の名称】荷電粒子線装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/21 20060101AFI20220126BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20220126BHJP
   H01J 37/141 20060101ALI20220126BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
H01J37/21 B
H01J37/20 A
H01J37/141 A
H01J37/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020124496
(22)【出願日】2020-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 絋祐
(72)【発明者】
【氏名】高田 哲
(72)【発明者】
【氏名】信原 岳
(72)【発明者】
【氏名】木附 洋彦
(72)【発明者】
【氏名】青木 一雄
【テーマコード(参考)】
5C001
5C033
【Fターム(参考)】
5C001BB07
5C033DD02
5C033DE06
5C033MM01
5C033UU02
5C033UU03
5C033UU05
5C033UU06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】処理時間を短縮することができる荷電粒子線装置を提供する。
【解決手段】この荷電粒子線装置は、電子レンズの励磁の制御値の変更により焦点位置を制御する励磁制御部と、静電場の制御値の変更により焦点位置を制御する静電場制御部と、前記電子レンズの励磁の制御値から焦点位置の高さを推定する焦点位置高さ推定部と、前記励磁制御部及び前記静電場制御部を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記焦点位置高さ推定部により推定される焦点位置の高さと、観察しようとする試料の試料表面の高さとを比較して、その比較の結果に従い、前記試料の観察前に前記電子レンズの励磁の制御値の変更の要否を判断する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンズの励磁の制御値の変更により焦点位置を制御する励磁制御部と、
静電場の制御値の変更により焦点位置を制御する静電場制御部と、
前記電子レンズの励磁の制御値から焦点位置の高さを推定する焦点位置高さ推定部と、
前記励磁制御部及び前記静電場制御部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記焦点位置高さ推定部により推定される焦点位置の高さと、観察しようとする試料の試料表面の高さとを比較して、その比較の結果に従い、前記試料の観察前に前記電子レンズの励磁の制御値の変更の要否を判断することを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項2】
前記制御部は、観察しようとする試料の試料表面の高さを、観察済みの試料に関し事前に取得した試料表面高さに基づいて推定する、請求項1に記載の荷電粒子線装置。
【請求項3】
前記制御部は、
観察済みの試料について得られた試料表面高さの代表値と、その分布幅とに基づいて、観察しようとする試料表面の高さを推定する、請求項2に記載の荷電粒子線装置。
【請求項4】
観察済みの試料のうちのいずれの試料を、観察しようとする試料の試料表面の高さの推定のために用いるかを選択させる画面を表示する表示部を更に備え、
前記制御部は、前記表示部における選択により選択された試料に関し得られた試料表面の高さのデータに基づいて、観察しようとする試料の表面高さの推定を行う、請求項3に記載の荷電粒子線装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記焦点位置高さ推定部により推定される焦点位置の高さと、観察しようとする試料の試料表面の高さとの差の絶対値が閾値よりも小さいか否かを判定し、
前記閾値は、前記電子レンズの励磁の変更を行うことなく制御可能な焦点位置の範囲に従って設定される、請求項1に記載の荷電粒子線装置。
【請求項6】
前記制御部は、観察済みの試料の試料表面の高さのデータのうち、選択されたデータに基づいて前記閾値を設定する、請求項5に記載の荷電粒子線装置。
【請求項7】
観察済みの試料の試料表面の高さのデータのうち、前記閾値の設定のために用いるデータを選択するための表示画面を表示する表示部を更に備える、請求項6に記載の荷電粒子線装置。
【請求項8】
前記表示画面は、第1の高低差を有する第1の観察済みの試料と、前記第1の高低差とは異なる第2の高低差を有する第2の観察済みの試料を選択可能に構成された、請求項7に記載の荷電粒子線装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記焦点位置高さ推定部により推定される焦点位置の高さと、観察しようとする試料の試料表面の高さとを比較して、その比較の結果に従い、前記電子レンズに対し実行される磁気ヒステリシス除去動作を異ならせる、請求項1に記載の荷電粒子線装置。
【請求項10】
前記制御部は、観察しようとする試料の搬入準備に要する時間に応じて、前記焦点位置高さ推定部により推定される焦点位置の高さと、観察しようとする試料の試料表面の高さとの比較を行うことなく、前記電子レンズの励磁の制御値の変更による焦点位置の制御を実行する、請求項1に記載の荷電粒子線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
走査型電子顕微鏡をはじめとする荷電粒子線をプローブとする荷電粒子線装置は、多くの研究開発分野において試料の微細構造を観察する目的で使用されている。一例として、半導体デバイス製造プロセスにおいては、加工装置の製造条件の不備や異常によって、薄膜デバイス上に異物や配線パターンの断線などの欠陥が発生することがある。これらの異物や欠陥は半導体デバイスの性能に大きく影響を与えるため、歩留まりの維持及び向上を目的として、主要なプロセスごとに異物検査や外観検査等が行われる。
【0003】
半導体デバイス製造プロセスにおいて、異物や欠陥の観察に用いられる検査装置はレビューSEMと呼ばれる。レビューSEMは半導体工程内に置かれ、前記の異物や欠陥を自動で連続撮像するために用いられる。このため、レビューSEMの単位時間当たりの処理能力は、半導体の生産性に大きな影響を与える。
【0004】
レビューSEMの動作時間の中で大きな割合を占めるのが、対物レンズの磁気ヒステリシス除去の動作時間である。対物レンズは励磁コイルと周囲の磁性体からなる。励磁コイルに与えた制御電流に対して、対物レンズに形成される磁場は常には比例せず、励磁変更の履歴に依存する磁気ヒステリシスを持つことが知られている。磁気ヒステリシスの影響により磁場の再現性が劣化すると、倍率や直交度などのSEM像の像質に対する補正値の誤差が増大する。このため、一般に、磁気ヒステリシスの影響を除去して磁場を制御するため、磁気コイルの励磁条件変更前に磁気ヒステリシス除去動作が実行される(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
近年、レビューSEMの観察対象となる半導体の三次元構造化が進んでおり、ますます加速電圧の高いレビューSEMの要求がある。加速電圧の増加に伴い、対物レンズの磁場に対する要求も高まるので、磁気ヒステリシス除去の動作時間は長くなる傾向にある。このような観点から、特許文献2に示されているように、対物レンズの磁場の変化と静電場の変化とを合わせて実行可能とすることで、高速に電子ビームの焦点位置を制御する荷電粒子線装置が提案されている。静電場による焦点位置制御は、制御範囲は狭いが高速に焦点位置の制御が可能である、このため、磁場による焦点位置制御と組み合わせることで、装置全体として処理時間の大幅な短縮が見込める。
【0006】
しかし、焦点位置の大きな変更が必要な場合には、特許文献2のような装置においても、磁場による焦点位置制御が必要となり、処理時間が長時間化することがあり得る。磁場の大きな変更による焦点位置制御をできるだけ少なくして、静電場の変更のみによる焦点位置の制御が可能となれば、その分処理時間が短縮され得る。しかし、特許文献2には、そのための具体的な手法が提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-192521号公報
【特許文献2】特開2010-211973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、処理時間を短縮することができる荷電粒子線装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係る荷電粒子線装置は、電子レンズの励磁の制御値の変更により焦点位置を制御する励磁制御部と、静電場の制御値の変更により焦点位置を制御する静電場制御部と、前記電子レンズの励磁の制御値から焦点位置の高さを推定する焦点位置高さ推定部と、前記励磁制御部及び前記静電場制御部を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記焦点位置高さ推定部により推定される焦点位置の高さと、観察しようとする試料の試料表面の高さとを比較して、その比較の結果に従い、前記試料の観察前に前記電子レンズの励磁の制御値の変更の要否を判断する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処理時間を短縮することができる荷電粒子線装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡の構成を説明する概略図である。
図2】第1の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡の動作を説明するフローチャートである。
図3】閾値Thを決定するための手法を説明する概念図である。
図4】第2の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡を説明する概略図である。
図5】第3の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡を説明する概略図である。
図6】第3の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡を説明する概略図である。
図7】第3の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡の動作を説明するフローチャートである。
図8】第4の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡の動作を説明するフローチャートである。
図9】第4の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡の動作を説明するフローチャートである。
図10】第5の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本実施の形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った実施の形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではない。
【0013】
本実施の形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
【0014】
[第1の実施の形態]
図1を参照して、第1の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡の構成を説明する。なお、以下では、荷電粒子線装置の例として走査型電子顕微鏡について説明を行うが、他の荷電粒子を用いた顕微鏡も同様の方法を用いることができる。また、複数の撮像装置を組み合わせて用いることも可能である。
【0015】
図1に示す走査型電子顕微鏡は、電子銃101、第1電子レンズ103、第2電子レンズ104、偏向機105、対物電子レンズ106、試料台108、試料高さ検出器109、二次電子検出器110、A/D変換部111、画像生成部112、全体制御部113、高圧電源114、記憶部115、表示部(ディスプレイ)116、入力部117、電子光学系制御部118、ステージ制御部119から大略構成される。
【0016】
観察対象としての半導体ウェーハ107は、XY方向に移動可能な試料台108に載置される。試料台108はステージ制御部119の指示信号に基づいてXY方向に移動する。
【0017】
電子銃101には高圧電源114が接続されている。電子銃101には、全体制御部113の指示信号に基づいて、高圧電源114より電圧が印加される。電子銃101から放出された電子ビーム102は、第1電子レンズ103、第2電子レンズ104、対物電子レンズ106により収束されるとともに、偏向機105により半導体ウェーハ107上を走査される。電子ビーム102は、一例として加速電圧10kV以上を与えられる。第1電子レンズ103、第2電子レンズ104、対物電子レンズ106は、それぞれ励磁コイルを備えており、励磁電流を制御されることにより、磁場が変化し、電子ビーム102の焦点位置が制御される。
【0018】
電子ビーム102が半導体ウェーハ107に照射されることで、半導体ウェーハ107から二次電子や反射電子が発生する。二次電子検出器110に到達した二次電子は電流に変換された後、A/D変換部111によりデジタル信号に変換される。画像生成部112は、このデジタル信号に従い、半導体ウェーハ107のSEM像の生成と画像処理を行う。図示は省略するが、二次電子検出器110に加えて、反射電子検出器が別途設けられてもよい。
【0019】
試料高さ検出器109は、一例として、試料としての半導体ウェーハ107に対し斜め方向から光を照射する光源と、その反射光を検出する光検出器とを備える。光検出器にける受光状態を判定することにより、半導体ウェーハ107の表面の位置の高さを検出することができる。
【0020】
全体制御部113には記憶部115及び表示部116が接続されている。画像生成部112で生成されたSEM像は全体制御部113を介して、記憶部115に保存されるとともに、表示部116に表示される。レビューSEMを使用するユーザは、入力部117により全体制御部113に指示を出し、また制御条件等の項目を入力することができる。
【0021】
全体制御部113は、ユーザの入力及び事前に記録されたプログラムに基づいて、高圧電源114、電子光学系制御部118、ステージ制御部119に対して指示を出力し、SEM像の撮像条件の変更や撮像位置の変更といった各部の制御を行う。電子光学系制御部118は、第1電子レンズ103、第2電子レンズ104、対物電子レンズ106の励磁コイルに対する励磁電流を制御することにより磁場変化を発生させて焦点位置を調整する励磁制御部として機能すると共に、電圧又は電流の制御により静電場の変化を発生させて焦点位置を調整する静電場制御部として機能する。また、全体制御部113は、第1電子レンズ103、第2電子レンズ104、対物電子レンズ106の励磁コイルに対する励磁電流の制御値から、電子ビーム102の焦点位置の高さを推定する焦点位置高さ推定部としても機能する。
【0022】
走査型電子顕微鏡(SEM)は焦点深度が浅いので、SEM像の撮像前には多くの場合において焦点位置の調整を必要とする。本実施の形態の走査型電子顕微鏡は、対物電子レンズ106、第1電子レンズ103、又は第2電子レンズ104などの制御値変更による磁場変化により焦点位置を調整可能とされていると共に、試料台108に印加するリターディング電圧や対物電子レンズ106に印加するブースタ電圧の制御値変更による静電場変化により焦点位置を調整可能に構成されている。
【0023】
磁場変化を用いた焦点位置の制御手法は、制御可能な焦点位置の範囲が広い一方で、磁場の再現性確保のためのシーケンスや磁場の静定待ちが必要となるために処理時間が長いという欠点がある。一方、静電場を用いた焦点位置の制御手法は、処理時間が短い一方で、制御値と静電場の線形性の確保の観点で制御範囲の制限があるという欠点がある。
【0024】
1つの走査型電子顕微鏡において、磁場変化を用いた焦点位置の制御と、前記静電場を用いた焦点位置の制御との両方が可能とされることは、焦点位置の制御のための処理時間を短縮することに寄与し、装置の処理能力を向上させることができる。
【0025】
第1の実施の形態の走査型電子顕微鏡は、このような磁場変化を用いた焦点位置の制御と、前記静電場を用いた焦点位置の制御との両方が可能とされた走査型電子顕微鏡において、更に以下に詳細に説明する動作を実行することが可能とされている。これにより、従来の装置に比して、一層の処理時間の短縮を図ることができる。
【0026】
図2のフローチャートを参照して、第1の実施の形態の走査型電子顕微鏡における、観察対象である半導体ウェーハ107の搬入から観察終了までの手順を説明する。なお、以下の説明では、試料台108上にあり、合焦動作を実行して新たに観察しようとする半導体ウェーハ107(N個目の試料)を「試料N」と称する。一方、その試料Nの観察前に、既に観察の対象とされた(観察済みの)N-1個の試料を総称して「試料群i」と称する。また、試料群iの中のk番目(k=1~N―1)に計測された試料を「試料k」と称する。本実施の形態では、新たに計測しようとする試料Nの観察において、計測済みの試料群iの観察時に得られた試料位置高さのデータに従って、磁場変化による焦点位置の制御の要否が判断され、更に必要に応じて静電場の変化を用いた焦点位置の制御が行われる。
【0027】
試料Nの観察においては、まず試料台108の上に、観察対象とする試料Nが搬入される(ステップS201)。その後、対物電子レンズ106の励磁(励磁コイルに流れる励磁電流)に対応する焦点位置の高さH_0が、全体制御部113により取得される(ステップS202)。ここでいう「対物電子レンズ106の励磁」は、観察済みの試料群iの計測における対物電子レンズ106の励磁電流の平均値、又は、最後に(直前に)計測した試料N-1の計測における対物電子レンズ106の励磁電流の値とすることができる。換言すれば、ステップS202では、計測済みの試料群iの少なくとも1つの計測において対物電子レンズ106の励磁コイルに流れた励磁電流に対応する焦点位置の高さH_0を取得する。
【0028】
次に、ステップS203において、試料高さ検出器109を用い、試料台108上に載置された試料Nの試料表面高さH(N)のデータを、計測又は推定により取得する。試料表面高さH(N)は、一例として、試料高さ検出器109により計測することができる。具体的には、試料Nの表面に測定光を照射し、その反射光を光検出器で受光し、その受光信号を解析することにより計測される。試料高さ検出器109は、試料Nの表面の1つの点に測定光を照射し、その反射光に基づく光検出光の出力に従い、試料表面高さH(N)を計測することができる。或いは、試料高さ検出器109は、試料Nの表面上の複数の点に測定光を照射し、複数の測定値の平均値により試料表面高さH(N)を計測することもできる。
【0029】
試料高さ検出器109を用いる代わりに、事前に観察した複数の試料iに関し計測した試料群iの試料表面高さの平均値、中央値といった演算値を用いて、全体制御部113において、試料Nの試料表面高さH(N)を推定してもよい。
【0030】
続いて、焦点位置の高さH_0と、試料Nの試料表面高さH(N)の差の絶対値|H(N)-H_0|を、閾値Thと比較する(ステップS204)。閾値Thは、後述するように、磁場の変化を行うことなく、それ以外の手法によって制御可能な焦点位置の範囲に基づき決定され得る。なお、試料Nの試料表面高さH(N)の分布(ばらつき)情報が与えられている場合は、これも考慮に入れて閾値Thを決定することができる。詳しくは後述する。
【0031】
ステップS204において、|H(N)-H_0|<Thと判定される場合(Yes)、試料Nの観察においては、磁場変化による焦点位置の制御は行わず、静電場の変化のみによる焦点位置の制御が可能であるとして、ステップS208に移行する。一方、ステップS204で|H(N)-H_0|≧Thと判定される場合には(No)、試料Nの観察においては、静電場の変化による焦点位置の制御のみでは(制御範囲が狭いため)合焦動作を行うことができず、磁場変化による焦点位置の制御も別途必要であると判定し、ステップS205に移行する。
【0032】
ステップS205では、試料Nの表面位置高さH(N)から、対物電子レンズ106の励磁電流I_0を換算する。換言すれば、試料Nの表面位置高さH(N)において合焦が得られるような対物電子レンズ106の励磁電流I_0を演算する。そして、対物電子レンズ106の励磁電流を、演算された値I_0に変更する(S207)。すなわち、励磁電流の変更による焦点位置の変更動作が行われる。その後、対物電子レンズ106に対し、所謂磁気ヒステリシス除去を実施し(ステップS207)、その後ステップS208に移行する。具体的には、対物電子レンズ106の励磁コイルに流れる電流をある値まで増加させた後、再度減少させ、値I_0まで上昇させる。これにより、対物電子レンズ106の磁気ヒステリシスが除去される。
【0033】
以上説明したように、ステップS204での判定がYesであれば、直接ステップS208に移行し、Noであれば、ステップS205~207を実行して磁場変化による焦点位置の制御を行った後、ステップS208に移行する。このS204~207の手順が行われることにより、時間を要する磁場変化による焦点位置の制御を、観察の開始前の段階で実行することができる。
【0034】
ステップS208では、ステージ制御部119により試料台108を制御して、試料Nを観察位置まで移動させる。そして、試料高さ検出器109により、その観察位置における試料Nの試料表面高さH_N(k)を計測する(ステップS209)。この試料高さ検出器109により計測された試料表面高さH_N(k)と、ステップS203で計測又は推測された試料表面高さH(N)との間の差分を計算し、この差分に従い、静電場を制御して、焦点位置の高さをH_N(k)に補正する(ステップS210)。補正が終了したら、そのときに得られるSEM像を撮像する(ステップS211)。このような手順が全部の観察点に関し繰り返される(ステップS212)。
【0035】
次に、図3を参照して、図2のステップS204で使用される閾値Thの演算方法について説明する。図3は、試料群iのN-1個の試料の各々の試料表面における試料表面高さH(k)の分布幅R(k)(k=1~N-1)、試料表面高さH(k)の代表値Hr(k)を示している。試料群iのN-1個の試料は、それぞれ分布幅R(k)が異なり、代表値Hr(k)も異なっている。
【0036】
この試料群iの試料kの試料表面高さH(k)の代表値Hr(k)、及び試料表面高さの分布幅R(k)(k=1~N-1)に基づいて、新たに計測しようとする試料Nの試料表面高さH(N)(代表値)、及び試料表面高さH(N)の分布幅R(N)が推定され得る。試料Nの試料表面高さH(N)、及び試料表面高H(N)(代表値)の分布幅R(N)は、次の式で算出される。
【0037】
【数1】
【0038】
【数2】
【0039】
そして、試料Nの試料表面の最大分布幅H_M(N)は、以下の[数3]のように記述される。なお、σ(H(k))は試料群iの試料表面高さH(k)の標準偏差であり、H(N)の推定における誤差の指標となる。すなわち、H_M(N)は、試料Nの試料表面高さH(N)と、その95%信頼区間(3σ)、及び分布幅R(N)に従って決定される。前述の閾値Thは、このH_M(N)に基づいて設定され得る。
【0040】
【数3】
【0041】
ステップS202で取得した焦点位置の高さH_0が、この最大分布幅H_M(N)の範囲に収まる場合、試料1~Nの連続撮像において磁場の変化以外の手法によって焦点位置を制御可能と判断できる。閾値Thは、以下の式によって算出可能である。
【0042】
【数4】
【0043】
以上説明したように、この第1の実施の形態によれば、試料Nの観察の開始前において、励磁の変更による焦点位置の調整の要否を判断することができるため、観察動作中の励磁変更による焦点位置の調整を場合によって省略することができ、試料の処理時間短縮が可能である。
【0044】
[第2の実施の形態]
次に、図4を参照して、第2の実施の形態に係る荷電粒子線装置を説明する。ここでも、荷電粒子線装置の一形態として走査型電子顕微鏡(SEM)を例にとって説明するが、以下の実施の形態は、走査型電子顕微鏡以外の荷電粒子線装置にも適用可能である。
【0045】
この第2の実施の形態の走査型電子顕微鏡の全体構成は、第1の実施の形態(図1)と同様である。また、観察動作の手順も、第1の実施の形態(図2)と略同一である。ただし、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、観察対象の試料Nの試料表面高さH(N)等の推定方法が異なる。
【0046】
図4は、ユーザが試料観察プログラムを作成する際に、表示部116に表示される表示画面の一例である。図4の画面の右側のグラフは、試料群i(試料1~N-1)において測定された試料表面高さを異なる試料種別ごとに(異なる工程ごとに)異なる記号(黒丸、黒三角形、黒四角形)で表示したものである。
【0047】
図4の画面右側のグラフにおいて、縦軸は試料表面高さ(H(k)、H(N))を表し、横軸は時間を表している。これに代えて、横軸をプログラム実行回数、試料表面の座標、気圧、気温、又は試料作製条件のいずれか、またはこれらの組合せとすることも可能である。例えば、時間に対して試料表面高さH(k)をプロットすることで、外気温や外圧といった条件による機械的な構造の変形による試料表面高さの変化を明示することが可能である。
【0048】
ユーザは、図4の画面右側のグラフに示された試料表面高さH(k)の傾向に基づいて、試料Nの試料表面高さの推定に使用する試料種別(工程1~3)を、画面左側の選択画面のトグルスイッチを操作することで選択することができる。選択する試料種別に関しては、トグルスイッチを右側に移動させ、非選択とする試料種別に関しては、トグルスイッチを左側に移動させる。選択画面中の工程1~3との文字は、試料の種別を表す表示であれば他の表示も可能である。試料種別の選択は、ユーザが手動で行っても良いし、プログラムによる自動選択によって行われても良い。
【0049】
選択する試料種別(工程)が多いほど、試料Nの試料表面高さの推定に用いる情報が増加する。同じ傾向と近い真値を持つ試料種別が選択されれば、推定の精度は高くなる。一方で、作成不良などの要因により大きく試料高さが異なる試料の観察を行う場合があり、このような情報を含めて試料高さの推定を行うと、推定精度は悪化することがあり得る。図4の画面表示例は、ユーザが、事前に実施した試料表面高さ計測の全体の傾向に従い、特定の問題のある試料種別を試料Nの試料表面高さの推定のために用いる情報から除外することを可能とする。
【0050】
図4の画面では、上記のようなユーザの入力に基づき、試料Nの試料表面高さH(N)を、試料群iの試料表面高さH(k)の分布に基づき、外挿により推定する。外挿に使用する試料表面高さH(k)のデータは、上述のユーザの選択に基づいて選択される。また、第1の実施の形態に記載した標準偏差σ(H(i))及び最大分布幅H_M(N)の算出に使用する情報も、ユーザの選択した試料種別に基づいて選択することができる。外挿に使用する試料群iの試料表面高さH(k)については、数点の移動平均を行い、単調変化している領域を用いるのが好適である。
【0051】
[第3の実施の形態]
次に、図5図7を参照して、第3の実施の形態に係る荷電粒子線装置を説明する。ここでも、荷電粒子線装置の一形態として走査型電子顕微鏡(SEM)を例にとって説明するが、以下の実施の形態は、走査型電子顕微鏡以外の荷電粒子線装置にも適用可能である。
【0052】
この第3の実施の形態の走査型電子顕微鏡の全体構成は、第1の実施の形態(図1)と同様である。また、観察動作の手順も、第1の実施の形態(図2)と略同一である。ただし、第3の実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、観察対象の試料Nの試料表面高さ等の推定方法が異なる。
【0053】
図5は、この第3の実施の形態のSEMにおいて、ユーザが試料観察プログラムを作成する際に、表示部116に表示する画面の一例である。図6において、「ウェーハ情報」、「帯電補正」等の文字は、試料観察のシーケンスや設定項目を示しており、ユーザは入力部117を使用して実行するシーケンスの選択及び設定を行うことが可能である。例えば、各文字の左側の黒四角形の記号は、シーケンスの進行の度合を表示している(黒塗りが実行済み、白抜きが未実行)。
【0054】
また、各文字の右側の三角形のマークをマウス等で選択することで、各項目の詳細設定画面を表示させることが可能である。例えば、図5において、試料の詳細設定の設定項目であることを示す「ウェーハ情報」の右側の三角形のマークをユーザが選択することで、「Normal」、「HighAR」といった文字が三角形のマークの更に右側に表示され、ユーザの設定を促すことができる。文字「HighAR」は、試料表面の構造物の高低差が大きい試料を示し、「Normal」はそれ以外の試料(高低差が小さい試料)であることを示す。
【0055】
試料表面において構造物が数ミクロン程度の高低差を有する試料を観察する場合には、試料表面高さの分布幅の推定において試料上の構造物の高さも考慮に入れる必要があるため、一例として、ユーザは「HighAR」を選択することができる。
【0056】
図6は、図5で説明したプログラム設定を複数の試料種別(工程)について入力した後、試料Nについての試料表面高さH(N)等を予測するための画面の一例を示している。図6の画面は、複数の試料種別について図5の画面による複数回のプログラム実行を行った後、新たに計測する試料Nについての試料表面高さを推定する場合において表示される画面の一例である。
【0057】
図6の画面が第2の実施の形態の画面(図4)と異なる点は、図5の画面で入力された「HighAR」又は「Normal」のレシピ設定に基づいて、画面の左側において、試料種別の表示を分けて表示がなされている点である。
【0058】
「HighAR」に相当する試料種別(図6では「工程1」)は、画面左側上方に表示され、「Normal」に相当する試料種別(図6では、「工程2」「工程3」)は、画面左側下方に表示されている。「HighAR」、「Normal」の文字の横には、トグルスイッチが表示され、トグルスイッチを左側に移動させることにより、「HighAR」又は「Normal」に係る試料種別のデータが一括して除外される(対応するデータのプロットも、右側のグラフから一括消去される)。
【0059】
また、それぞれの試料種別(工程1~3)の表示の横にもトグルスイッチが表示されている。このトグルスイッチを左側に移動させることにより、個々の試料種別に関するデータを個別に除外することができる(対応するデータのプロットも、右側のグラフから消去される)。この画面では、ユーザはより容易かつ明確に「Normal」又は「HighAR」のレシピ設定での実行結果を意識して試料表面高さの推定を実施することが可能となる。上記の画面表示例は、「Normal」もしくは「HighAR」による分割表示を示したが、他のユーザ入力情報及び環境条件に使用した同様の実装も可能である。第1の実施の形態の[数4]で演算される閾値Thは、図5の画面表示に基づいて選択した設定により設定することが可能である。
【0060】
図7のフローチャートを参照して、第3の実施の形態の走査型電子顕微鏡における、観察対象である半導体ウェーハ107の搬入から観察終了までの手順を説明する。図7において、図2と同一のステップについては、図2と同一の符号を付しているので、以下では重複する説明は省略する。この第3の実施の形態では、ステップ203の後、試料Nの試料種別が「HighAR」に相当するか否かが判定される(ステップS704)。Noの場合、ステップS706において、閾値がTh1に設定される。閾値Th1は、第1の実施の形態の[数4]により算出される。
【0061】
これに対し、試料Nの試料種別がHighARである場合は(Yes)、ステップ705において、閾値ThはTh2に設定される。閾値Th2は閾値Th1に定数が加算された値、又は、試料iのうち試料種別がHighARのデータのみを用いて[数4]を用いて計算した値とすることが可能である。閾値ThがステップS705又はS706で設定された後は、ステップS204に移行し、以後は第1の実施の形態と同一である。
【0062】
この第3の実施の形態によれば、試料Nの試料種別に応じた閾値を設定することができるので、励磁の変更による焦点位置の調整の要否をより的確に判定することができ、更なる処理時間の短縮が見込める。
【0063】
[第4の実施の形態]
次に、図8を参照して、第4の実施の形態に係る荷電粒子線装置を説明する。ここでも、荷電粒子線装置の一形態として走査型電子顕微鏡(SEM)を例にとって説明するが、以下の実施の形態は、走査型電子顕微鏡以外の荷電粒子線装置にも適用可能である。
【0064】
この第4の実施の形態の走査型電子顕微鏡の全体構成は、第1の実施の形態(図1)と同様である。また、観察動作の手順も、以下に説明する点を除き、第1の実施の形態(図2)と略同一である。
【0065】
図8のフローチャートを参照して、第4の実施の形態の走査型電子顕微鏡における、観察対象である半導体ウェーハ107の搬入から観察終了までの手順を説明する。図8において、図2と同一のステップについては、図2と同一の符号を付しているので、以下では重複する説明は省略する。この第4の実施の形態では、ステップS204でNoとの判断がなされた後、ステップS805に移行し、H_0<H(N)であるか否かが判定される。
【0066】
Yesの場合には、取得された試料表面高さH(N)を対物電子レンズ106の励磁電流I_0に換算した後(ステップS806)、対物電子レンズ106の励磁電流の値をI_0に変更する(ステップS807)。そして、磁気ヒステリシス除去動作aを実行する(ステップS808)
【0067】
一方、Noの場合には、取得された試料表面高さH(N)を対物電子レンズ106の励磁電流I_0に換算した後(ステップS809)、対物電子レンズ106の励磁電流の値をI_0に変更する(ステップS810)。そして、磁気ヒステリシス除去動作aとは異なる磁気ヒステリシス動作bを実行する(ステップS811)。
【0068】
対物電子レンズ106の励磁電流を現在の値よりも高い値に変更する場合と、現在の値よりも低い値に変更する場合とで、磁気ヒステリシスの影響は大きく異なる。例えば、磁気ヒステリシス除去後に必ず励磁を正方向に設定する運用の場合は、正方向に励磁電流を変更するのであれば、焦点位置の制御は磁気ヒステリシスの影響を受けづらい。そこでこの第4の実施の形態では、H_0とH(N)との大小比較に基づき、磁気ヒステリシス除去動作aと磁気ヒステリシス除去動作bとを使い分ける。この方法によれば、磁気ヒステリシスの影響の大小に応じて適切な磁気ヒステリシス動作を実行することができ、磁気ヒステリシス除去動作に要する時間を短縮し、結果として処理時間を短縮することが可能である。なお、図9に示すように、ステップS905でYesの判定がされた場合においてのみ磁気ヒステリシス除去動作aを実行し、Noの場合には磁気ヒステリシス除去動作を省略するようにしてもよい。
【0069】
[第5の実施の形態]
次に、図10を参照して、第5の実施の形態に係る荷電粒子線装置を説明する。ここでも、荷電粒子線装置の一形態として走査型電子顕微鏡(SEM)を例にとって説明するが、以下の実施の形態は、走査型電子顕微鏡以外の荷電粒子線装置にも適用可能である。
【0070】
この第5の実施の形態の走査型電子顕微鏡の全体構成は、第1の実施の形態(図1)と同様である。また、観察動作の手順も、以下に説明する点を除き、第1の実施の形態(図2)と略同一である。
【0071】
図10のフローチャートを参照して、第5の実施の形態の走査型電子顕微鏡における、観察対象である半導体ウェーハ107の搬入から観察終了までの手順を説明する。図10において、図2と同一のステップについては、図2と同一の符号を付しているので、以下では重複する説明は省略する。この図10の動作は、図2の動作に加え、ステップS1001~S1013の動作が追加されたものである
【0072】
この図10の動作は、まず、試料観察プログラムAの実行が指示された後、そのプログラムA以外の実行待ちの試料観察プログラムがあるか否かが判定される(ステップS1002)。実行待ちのプログラムがある場合には、その実行が終了するまで待機する(ステップS1003)。
【0073】
実行待ちのプログラムが無い場合には(ステップS1002)、第1の実施の形態と同様の手順(S201~S212)に移行する前に、試料Nの搬入準備に要する時間T_pが、閾値Thlよりも短いか否かが判定される(ステップS1004)。YESであれば、ステップ201に移行し、以後の動作は第1の実施の形態と同一である。
【0074】
一方、NOであれば、ステップS1005に移行する。ステップS1005では、試料観察プログラムA以外に実行中の試料観察プログラムがあるか否かが判定される。ある場合には、それが終了するまで待機する(ステップS1006)。実行中のプログラムが終了したら、ステップS1006~1013の動作が開始される。ステップS1006~S1010では、ステップ1011で試料Nの搬入準備が完了し、ステップS1012で試料Nが搬入される前に、試料表面高さH(N)と焦点位置の高さH_0の大小関係に拘わらず、対物電子レンズ106の励磁電流の調整が行われる。換言すれば、ステップ202~ステップS207と同様の動作が実行される。試料Nの搬入までの時間が長いことから、対物電子レンズ106の励磁の変更のための時間が十分取れるため、このような動作を行ったとしても、処理時間に影響は生じない。
【0075】
本実施の形態によると、試料観察プログラムの実行指示が発行されてから、試料の搬入準備が完了するまでの時間を有効に使用することが可能となり、装置の処理時間の短縮の効果を見込める。
【0076】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の公知の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0077】
101…電子銃、103…第1電子レンズ、 104…第2電子レンズ、 105…偏向機、 106…対物電子レンズ、 108…試料台、 109…試料高さ検出器、 110…二次電子検出器 、111…A/D変換部 、 112…画像生成部、 113…全体制御部、 114…高圧電源、 115…記憶部、 116…表示部(ディスプレイ)、 117…入力部、 118…電子光学系制御部、 119…ステージ制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10