(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022022983
(43)【公開日】2022-02-07
(54)【発明の名称】ビルトインライト及び/又はカメラ
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20220131BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220131BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220131BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20220131BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20220131BHJP
F21V 21/00 20060101ALI20220131BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220131BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20220131BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20220131BHJP
F21W 131/403 20060101ALN20220131BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220131BHJP
F21Y 105/10 20160101ALN20220131BHJP
【FI】
F21S8/02 100
F21S2/00 600
F21V23/00 110
F21V33/00 400
F21V5/00 320
F21V21/00 140
F21V21/00 300
G03B15/00 U
G03B15/02
G03B17/56 A
F21W131:403
F21Y115:10
F21Y105:10
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021095772
(22)【出願日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】10 2020 117 066.1
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510078676
【氏名又は名称】ヘルベルト ヴァルトマン ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Herbert Waldmann GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルクス エバーハルト
【テーマコード(参考)】
2H105
3K014
【Fターム(参考)】
2H105AA02
3K014AA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】工具を使わずに機械の内部に取り付けることができ、振動や衝撃があっても取り付け具でしっかりと固定され、電流を用いない固定が可能であり、壁や取付開口部の公差を補正する。
【解決手段】特に機械の内壁の取付開口部に配置するビルトインライト及び/又はカメラ1であって、前面側領域12、後面側領域14、及び複数の側壁15,16,17を備えたハウジング10を有し、少なくとも1つのカメラ及び/又は少なくとも1つの光源が、前面側領域12に配置され、前面側領域12には、ストッパ20が配置され、複数の側壁15,16,17のうちの1つから突出する少なくとも1つの固定手段50が設けられ、少なくとも1つの固定手段50は、取付開口部4に挿入された際に、ストッパ20と少なくとも1つの固定手段50との間に、壁5に対し、挟み込むように、スプリング負荷がかけられた形状結合を形成するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁(5)、特に機械の内壁の取付開口部(4)に配置するビルトインライト及び/又はカメラ(1)であって、
前面側領域(12)、背面側領域(14)、及び複数の側壁(15、16、17、18)を備えたハウジング(10)を有し、
少なくとも1つのカメラ(30)及び/又は少なくとも1つの光源(40)が、前記前面側領域(12)に配置され、
前記前面側領域(12)には、ストッパ(20)が配置され、
前記複数の側壁(15、16、17、18)のうちの1つから突出する少なくとも1つの固定手段(50)が設けられ、
前記少なくとも1つの固定手段(50)は、取付開口部(4)に挿入された際に、前記ストッパ(20)と前記少なくとも1つの固定手段(50)との間に、前記壁(5)に対し、挟み込みようにスプリングにより負荷がかけられた形状結合を形成するように構成されているビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの固定手段(50)は、前記前面側領域(12)と前記背面側領域(14)との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの固定手段(50)は、前記複数の側壁(15、16、17、18)の1つからV字型又はU字型の形状で突出していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの固定手段(50)は、第1の脚部(53)及び第2の脚部(54)を備えた少なくとも1つのトーションスプリング部(52)を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのトーションスプリング部(52)は、巻線方向(W)を有するコイルスプリング部(55)を有していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項6】
ブラケット部(58)を介して連結された2つのトーションスプリング部(52)が設けられていることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項7】
前記ブラケット部(58)は、前記トーションスプリング部(52)に対して傾斜して配置されており、前記ブラケット部(58)がそれぞれの前記側壁(15、16、17、18)に接触していることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項8】
前記ブラケット部(58)は、前記側壁(15、16、17、18)のそれぞれに押し付けられていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの固定手段(50)は、前記ハウジング(10)の側壁(15、16、17、18)に設けられた凹部(60)に部分的に嵌め込まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項10】
前記凹部(60)は、少なくとも1つのアンダーカット(65)を有しており、前記固定手段(50)は、形状結合によって前記凹部(60)に固定可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのアンダーカット(65)は、前記背面側領域(14)と前記凹部(60)とを接続する貫通部(66)によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項12】
前記ストッパ(20)は、好ましくは、前記前面側領域(12)の周囲に延びるフランジ(22)として形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項13】
前記固定手段(50)に適合した凹部(23)が、前記前面側領域(12)の周囲に延びる前記フランジ(22)の、前記背面側領域を向いた側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの光源(40)が前記ハウジング(10)内に設けられ、前面側(11)にハウジング開口部(42)が設けられ、前記ハウジング開口部(42)を介して前記少なくとも1つの光源(40)が発する光が前記ハウジング(10)から放射され得ることを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項15】
複数の光源(40)が格子状に設けられており、前記複数の光源(40)が平面上に移動可能に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項16】
前記ハウジング開口部(42)には、光透過性プレート(45)が配置されており、前記光透過プレートには、前記少なくとも1つの光源(40)に対する光学部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【請求項17】
カメラ(30)が、前記ハウジング開口部(42)に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項16の何れか一項に記載のビルトインライト及び/又はカメラ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の特徴を備えた、機械の壁にある取付開口部に配置するためのビルトインライト及び/又はカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
ビルトインライト及び/又はカメラは、従来から様々な構成が知られている。従来、一般的にビルトインライト及び/又はカメラは、機械の製造プロセスを観察するため機械の内部を照らす目的で使用されており、そのようなビルトインライト及び/又はカメラの要求は高い。それは、ビルトインライト及び/又はカメラは、一方では、高い電力密度を持ち、他方では機械内部の条件に耐えなければならないからである。機械内部の製造プロセスの観察は、機械の壁に設けられた光学アクセスを介して直接行うか、カメラを介して直接行うことができ、カメラはアナログ又はデジタルで機械内部の出来事を記録する。
【0003】
そのようなライト及び/又はカメラは過去にそれ自体が有用であると証明されているが、ビルトインライト及び/又はカメラに使用される留め具がメンテナンスのために時間のかかる組み立て及び分解を必要とすること、及びその一方では、ビルトインライト及び/又はカメラに使用されている留め具が、汚染の蓄積につながるといる欠点があることが判明している。振動により、使用する留め具が緩む可能性があり、隙間やポケットが細菌の蓄積のためのスペースを提供する。これは、食品業界での使用が不可能であることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本発明の出番である。
【0005】
本発明は、壁、特に機械のプロセスチャンバの内壁の取付開口部に配置するための従来技術で知られているビルトインライト及び/又はカメラを、実用的な方法で改良し、従来技術で知られている欠点を解消するという課題に基づいている。ビルトインライト及び/又はカメラは、工具を使わずに機械の内部に取り付けることができ、振動や衝撃があっても取り付け具でしっかりと固定されることが望ましい。さらに、電流を用いない固定が可能であること、固定手段が壁や取付開口部の公差を補正できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの課題は、請求項1の特徴を持つ、壁、特に機械の内壁の取付開口部に配置するためのビルトインライト及び/又はカメラによって解決される。
【0007】
本発明のさらに有利な実施形態は、従属請求項に示されている。
【0008】
請求項1に記載の本発明の、壁、特に機械の内壁の取付開口部に配置するビルトインライト及び/又はカメラは、前面側領域、背面側領域、及び複数の側壁を備えたハウジングを有し、少なくとも1つのカメラ及び/又は少なくとも1つの光源が、前面側領域に配置され、前面側領域には、ストッパが配置され、ストッパは、取付開口部に隣接する壁に設置され、複数の側壁のうちの1つから突出する少なくとも1つの固定手段が設けられ、少なくとも1つの固定手段は、取付開口部に挿入されたときに、ストッパと少なくとも1つの固定手段との間に、スプリングにより負荷がかけられた形状結合により壁が挟まれるように構成されている。
【0009】
本発明は、ビルトインライト及び/又はカメラを工具なしで取り付けることを可能にするという考えに基づいており、少なくとも1つの固定手段は、まず、壁の取付開口部に挿入されたときに弾性変形によりゆがみ、取付開口部への挿入を可能にし、次いで、背後で壁を挟み込むように係合して形状結合を形成することでスプリング負荷によりストッパを壁に押し付ける。また、ストッパと壁の間の潜在的な隙間をスプリングの力で閉じ、あるいは封鎖して、ビルトインライト及び/又はカメラを取付開口部の中心に置くことができる。本発明のスプリングによる負荷がかけられた形状結合により、ビルトインライト及び/又はカメラは、異なる厚さの壁にも使用することができる。これは、少なくとも1つの固定手段が、形状デザインにより壁の強さと厚さの広範囲の違いを許容するためである。ネジを使わないことにより、ビルトインライト及び/又はカメラを食品部門で使用することができる。さらに、本発明は、おがくずや汚れの粒子が堆積しないように完全に覆われたビルトインライト及び/又はカメラの取り付けを提案している。
【0010】
本発明の好ましいさらなる実施形態では、少なくとも1つの固定手段が、側壁の1つにおいて、前面側領域と背面側領域との間に配置されている。好ましくは、少なくとも1つの固定手段は、専ら、それぞれの側壁の領域に配置され、背面側領域に形成された背面側又は前面側領域に形成された前面側のいずれにも突出せず、重ならない。これにより、特にコンパクトな構造を実現し、ビルトインライト及び/又はカメラの魅力的なデザインを実現している。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つの固定手段は、側壁の1つからV字型又はU字型に突出している。少なくとも1つの固定手段は、片側又は両側に傾斜されたトラップの形態であってもよく、第1の傾斜部が背面側部分に面し、第2の傾斜部が前面側部分に面している。第1の傾斜部と第2の傾斜部は、丸頂点部で結合し、丸頂点部は側壁から最も遠い位置にある。ビルトインライト及び/又はカメラが挿入される際に、少なくとも1つの固定手段は、第1の傾斜部を介して、丸頂点部が取付開口部を通過するまで押し込まれる。その後、V字型又はU字型の固定手段のスプリング力を利用して、ハウジングをスプリングの付勢力で取付開口部に押し込み、ストッパが壁に当たるようにする。丸頂点部から側壁までの距離は、フランジの自由端から側壁までの距離よりも小さい。
【0012】
本発明の別の有利な実施形態では、少なくとも1つの固定手段は、第1の脚部と第2の脚部とを有する少なくとも1つのトーションスプリング部を備える。好ましくは、第2の脚部はV字型又はU字型で、側壁の1つを超えて突出しており、第1の脚部はハウジングに固定され得る。第2の脚部は、好ましくは、垂直軸に沿って配置され、V字型又はU字型とすることができ、垂直軸は、好ましくは、前面側領域に配置された前面側の法線ベクトルに対応している。
【0013】
さらに、少なくとも1つのトーションスプリング部は、巻線方向を有するコイルスプリング部を有していると好適である。好ましくは、コイルスプリング部は複数の巻線を有しており、好ましくは、ビルトインライト及び/又はカメラが挿入されたときに、コイルスプリング部は巻線方向に対して弾性的に負荷がかけられる。
【0014】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、少なくとも1つの固定手段は、ブラケット部によって連結された2つのトーションスプリング部を有する。ブラケット部により、それぞれの第2の脚部は、ハウジングのそれぞれの側壁に平行かつ間隔を空けて配置される。2つのトーションスプリング部が、ビルトインライト及び/又はカメラのストッパを、壁に対して均等に分散して引っ張る。
【0015】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、トーションスプリング部とブラケット部は互いに連結されており、ブラケット部はトーションスプリング部に対して角度をつけて配置されている。本発明のさらなる実施形態では、ブラケット部は、トーションスプリング部に対して垂直に配置されていてもよく、さらに、少なくとも部分的にそれぞれの側壁に接していてもよい。好ましくは、少なくとも1つの固定手段が側壁に押し付けられると、固定手段が回避運動を行い得る。
【0016】
本発明のさらなる一実施形態では、ブラケット部がそれぞれの側壁に押し付けられている。特に、好ましくは、ブラケット部がトーションスプリング部のそれぞれの巻取方向の反対方向にそれぞれの側壁に押し付けられ、さらに好ましくは、少なくとも1つの固定手段は、第1の脚部とブラケット部とに挟まれることでハウジングに保持される。
【0017】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、少なくとも1つの固定手段は、部分的にハウジングの側壁の凹部に挿入されている。この凹部は、好ましくは、前面側部分及び背面側部分から距離を置いてそれぞれの外壁に追加的に形成されるか、又は一体的に成形され、少なくとも1つの固定手段の形状に対応している。特に、トーションスプリング部の少なくともコイルスプリング部が凹部内に配置され、好ましくはV字型又はU字型の第2の脚部のみが凹部から突出してそれぞれの側壁上に係合することが好ましい。ビルトインライト及び/又はカメラの異なる側壁にも複数の固定手段が設けられている場合には、それぞれの固定手段に対して凹部が設けられていることが好ましい。また、それぞれの固定手段のために2つの凹部を設けることも考えられる。このような構成は、少なくとも1つの固定手段が2つのトーションスプリング部と1つのブラケット部を有し、それぞれのトーションスプリング部に凹部が設けられている場合に有利となる。
【0018】
本発明のさらなる実施形態では、凹部が少なくとも1つのアンダーカットを有し、少なくとも1つの固定手段が、形状結合によって凹部内に固定可能である。特に、トーションスプリング部の第1の脚部の少なくとも自由端がアンダーカットに係合するのが好ましい。
【0019】
さらに、少なくとも1つのアンダーカットが、背面側領域と凹部を連結する貫通部によって形成されていると有利である。そのため、背面側か貫通部を追加的に形成、又は一体的に成形することができ、凹部のアンダーカットの生成が特に容易になる。
【0020】
さらに、前面側領域の周囲に延びるフランジとしてストッパを構成すると、有利である。周囲に延びるフランジは、背面側領域に面する側にシール手段を有することができ、このシール手段により、ビルトインライト及び/又はカメラが取り付けられた際に、ストッパと壁との間のシール効果が高められる。
シール手段は、例えば、スポンジゴムリング、シールリング、ゴム製のシールリップ、発泡プラスチックなどで構成され、周囲に延びるフランジの背面側領域に面する側の溝内に配置又は固定され得る。特に、シール手段がOリングであり、ストッパの、背面側領域に面する側に溝、特に台形の溝が形成されていて、その中に上述のシール手段が挿入されていると有利である。
【0021】
さらに、本発明のさらなる発展として、固定手段に適合された凹部が、周囲に延びるフランジの、背面側に面した側に配置されていると有利である。適合された凹部は、好ましくは、それぞれの少なくとも1つの固定手段の回避運動中に、少なくとも部分的に少なくとも1つの固定手段を受け入れるように構成され得る。これにより、本発明によるビルトインライト及び/又はカメラの構造が、特にコンパクトになる。
【0022】
好ましいさら実施形態によれば、背面側領域に面した、ストッパの側に取り外しスロットが配置されており、これにより、ビルトインライト及び/又はカメラを壁から取り外すことができる。特に、好ましくは、取り外しスロットには、ビルトインライト及び/又はカメラをレバー操作で取り外すための工具を収容できる。
【0023】
本発明のさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの光源がハウジング内に設けられ、前面側領域にハウジング開口部が設けられ、このハウジング開口部を介して、少なくとも1つの光源によって放出された光がハウジングから放射され得る。少なくとも1つのハウジング開口部は、好ましくは前面側の平面に形成されており、好ましくは、ハウジング開口部は、光透過性プレートによって気密に閉じられている。少なくとも1つの光源は、好ましくはLED光源であり得る。さらに、複数の光源が格子状に配置され、光源の平面上において前面側に平行で前面側から間隔を空けて配置されていると有利である。特に、好ましくは、光源が光源の平面上で前面側に平行に移動可能であるようにハウジング内に配置され、適切な調整手段によって、光源が光源の平面上を移動可能である。
【0024】
さらに、光透過性プレートが、ハウジング開口部に少なくとも1つの光源についてそれぞれ光学部を有していると有利である。光学部は、それぞれの光源が、ハウジング開口部から放射される光の広がりを予め設定し、メインビームの角度を±45°に調整できるように構成されている。このように構成されたビルトインライト及び/又はカメラは、照明したい場所に光を導くために、壁において回転させる必要がない。
【0025】
さらに、少なくとも1つのカメラがハウジング開口部内に配置されていると有利である。好ましいさらなる実施形態では、カメラは、光源の平面上で光源に囲まれ得る。カメラで観察される対象物は、光源によって最良の状態で照らされることができ、機械内の製造工程をカメラによって自由に観察することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明のビルトインライト及び/又はカメラは、工具を使わずに機械の内部に取り付けることができ、振動や衝撃があっても取り付け具でしっかりと固定され、電流を用いない固定が可能であり、固定手段が壁や取付開口部の公差を補正できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】ビルトインライト及び/又はカメラと、そのビルトインライト及び/又はカメラが挿入され、固定手段によって固定される取付開口部を有する壁の簡略化した分解斜視図である。
【
図2】
図1に示すビルトインライト及び/又はカメラと壁の断面図である。
【
図3】ビルトインライトが取付開口部に挿入された状態の、ビルトインライトと壁の断面図である。
【
図4】
図1乃至
図4のビルトインライトの背面を示す上面図である。
【
図5】
図1乃至
図4のビルトインライトにおいて、カメラを備えたさらなる実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、添付図面を参照しながら、本発明によるビルトインライト及び/又はカメラの一実施形態を詳細に説明する。
【0029】
以下の実施形態において、同一又は機能的に同一の構成要素には同一の参照符号を付している。ただし、見易さの観点から、個々の図において、すべての同一又は機能的に同一の部品に参照番号を付けているわけではない。
【0030】
図1による分解図は、壁5の受入開口部4に嵌め込まれるように構成されたビルトインライド及び/又はカメラ1を示している。壁5は、ワークピースの加工が行われ得るプロセスチャンバを、少なくとも一部の領域で囲む機械(図示せず)の内壁とすることができる。このような壁5は、厚さtを有する板状の材料から形成されてもよく、その材料は典型的には金属材料である。壁5は、第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを有し、壁5の第1の側面は、プロセスチャンバに面している。
【0031】
受入開口部4は直方体形状をしており、端部は面取りされ丸みが付けられ得る。取付開口部4は、幅B3と長さL2を有している。
【0032】
簡略化のために、ビルトインライト及び/又はカメラ1は、まず、構成において純粋なビルインライト1として説明され、また、参照される。
【0033】
ビルトインライト1は、前面側領域11と背面側領域13とを有するハウジング10を備えており、背面側領域13は、取付開口部4から突出し得る。背面側領域13は背面側14を有し、前面側領域11は前面側12を有しており、
図3に示すビルトインライト1の挿入状態では、前面側12が壁5の第1の側に配置され、背面側14が壁5の反対側の第2の側に配置されている。
【0034】
ハウジング10は、好ましくは直方体であり、図示のように4つの側壁15、16、17、18を有し得る。また、ハウジング10は、幅B1、長さL1、高さH1を有している。前面側領域11において、ハウジング10は、側壁15、16、17、18から突出し、ストッパ20を形成する好ましくは周囲方向に延びるフランジ22を有する。
図4に示すように、ビルトインライト1は、ストッパ20を含めて測定された場合に、前面側領域11において幅B2及び長さL2を有し、幅B2は幅B1よりも大きく、長さL2は長さL1よりも大きい。ストッパ20により、ハウジング10が取付開口部4を通って壁5にどれだけ侵入できるかが予め決められている。
【0035】
1つ又は複数の光源40をハウジング10に配置することができ、光源40は、好ましくは、1つ又は複数のプレート上に、好ましくは格子状に配置されたLED光源である。また、ハウジング10は、前面側領域にハウジング開口部42を有し、光源40から放出された光がハウジング開口部42を通って放射され得る。ハウジング開口部42は、前面側領域11においてプレート45によって閉じることができ、プレート45は、好ましくは、光透過性プレート45である。
【0036】
ビルトインライト1、又はビルトインライト1及び/又はカメラ1を取付開口部4に固定するために、側壁16、18から突出する複数の固定手段50が設けられている。好ましい実施形態では、少なくとも1つの固定手段50が、対向する側壁15、16、17、18のそれぞれに、すなわち側壁16、18に、及び/又は側壁15、17に配置されている。
【0037】
固定手段50は、それぞれの側壁15、16、17、18に設けられた凹部60に挿入され、凹部60からそれぞれの側壁15、16、17、18を超えて突出している。
【0038】
凹部60は、例えばフィレットフライス加工やプレートフライス加工によって、半円状の長手方向に延びる溝としてハウジング10の側壁15、16、17、18に追加的に形成されるか又は一体的に成形される。半円状の溝は、直径D2を有し、半円状の溝の深さは、好ましくは、D2/2よりも大きく、D2よりも小さい。
【0039】
凹部60には、好ましくは前面側領域11及び/又は背面側領域14に面したアンダーカット65が形成されてもよい。
図2乃至
図4から分かるように、それぞれのアンダーカット65は、背面側領域又は背面側13からハウジング10に追加的に形成されるか又は一体的に成形され、背面側13を凹部60に接続する貫通部66によって形成されてもよい。
【0040】
固定手段50は、凹部60から突出し、2つの傾斜部が丸頂点部で連結したV字型又はU字型の形状を有しており、凹部60に隣接して、側壁15、16、17、18を越えて突出している。2つの傾斜部は、ビルトインライト及び/又はカメラ1が挿入されたときに、固定手段50がドアラッチのように弾性的な回避運動を行うことを可能にする。その際、固定手段50は、第1の傾斜部を介して、それぞれの側壁15、16、17、18の方向に弾性的に押圧される。丸頂点部が壁の取付開口部4を通過するとすぐに、固定手段50がスプリングバックして、第2の傾斜部で壁5を押して、スプリング負荷がかけられた形状結合を形成し、それによって、壁5はストッパ20と固定手段50に挟まれる。固定手段50により、ビルトインライト及び/又はカメラは、壁5に引き込まれ、自動的に取付開口部6の中央に位置する。丸頂点部は、それぞれの側壁15、16、17、18から一定の距離だけ突出しており、幅B1又は長さL1と、丸頂点部の距離の2倍との合計は、取付開口部6の幅又は長さよりも大きい。ただし、幅B1又は長さL1と、それぞれの側壁15、16、17、18からの丸頂点部の距離の2倍は、幅B2又は長さL2よりも小さい。丸頂点部はそれぞれの側壁15、16、17、18のそれから、好ましくは約3mm~10mm、より好ましくは約5mm突出している。
【0041】
固定手段50は、
図1乃至
図5に示すように、2つのトーションスプリング部52と、ブラケット部58とを有していてもよい。2つのトーションスプリング部52は、互いに距離を置いて配置されており、ブラケット部58を介して互いに接続されている。ブラケット部58は、実質的に長手方向に整列している。
【0042】
トーションスプリング部52は、第1の脚部53と第2の脚部54とを有し、第1の脚部53と第2の脚部54との間にコイルスプリング部が配置されていてもよく、コイルスプリング部は巻線方向Wを有している。第1の脚部53は自由端を形成し、第2の脚部54はブラケット部58に接続されている。
【0043】
トーションスプリング部52のコイルスプリング部は、直径D1を有しており、直径D1は、半円状の溝、すなわち凹部60の直径D2にほぼ対応している。
【0044】
第1の脚部53は、
図2及び
図3に示すように、コイルスプリング部から突出して、凹部60のアンダーカット65に係合している。
【0045】
第2の脚部54は、V字型であり、固定手段50の第1の傾斜部、第2の傾斜部及び丸頂点部を形成する。第2の脚部54は、丸頂点部が前面側領域11の方向に凹部60を越えて位置するように、凹部60から斜めに突出し、それぞれの側壁15、16、17、18を越えて突出している。ブラケット部58は、弾性スプリング力により、巻線方向Wでそれぞれの側壁15、16、17、18に押し付けられる。
【0046】
ブラケット部58は、第2の脚部54に対して傾斜しており、それぞれの側壁15、16、17、18に隣接している。さらに、ブラケット部58は、ストッパ20又はフランジ22に対して静止することができる。その際に、好ましくは、ブラケット部58に適合し、ブラケット部58を受け入れるための凹部23がフランジ22に追加的に形成されるか又は一体的に成形される。ブラケット部58は、固定手段50のスプリング力によってストッパ20に押し付けられ得る。
【0047】
アンダーカット65における第1の脚部53の形状結合、及び/又は、凹部23におけるブラケット部58の形状結合により、固定手段50を凹部60に挟み込むことができ、紛失しないように保持される。
【0048】
図4に示すように、ビルトインライト及び/又はカメラ1は、電気接続部80を有し、電気接続部は、2つの側壁15、16、17、18の間の角部で、背面14に対して45°に傾斜した表面85に配置されている。電気接続部80は、傾斜面85上に回転可能に配置されている。そして、電気接続部80は、好ましくは、傾斜面85上に180°回転可能に配置されている。
【0049】
電気接続部は単極でも多極でも良く、ビルトインライト及び/又はカメラ1に電力を供給したり、データを交換したりする役割を果たす。
【0050】
図5による更なる実施形態から分かるように、ハウジング開口部42に嵌め込まれるカメラ30を設けることもできる。
図5に示すように、カメラ30は、カメラ30が前面側領域の光源40に囲まれるように、ハウジング開口部42に配置することができる。この構成は、ビルトインライトとカメラ1の組み合わせに対応している。なお、固定手段50は図示されていない。あるいは、図示しない更なる実施形態では、ハウジング10は、少なくとも1つのカメラ30を収容し、光源40を有していない。この構成は、内蔵カメラ1に対応する。
【符号の説明】
【0051】
1…ビルトインライト及び/又はカメラ
4…取付開口部
5…壁
10…ハウジング
11…前面側
12…前面側領域
13…背面側
14…背面側領域
15…側壁
16…側壁
17…側壁
18…側壁
20…ストッパ
22…フランジ
30…カメラ
40…光源
42…ハウジング開口部
45…プレート
50…固定手段
52…トーションスプリング部
53…第1の脚部
54…第2の脚部
58…ブラケット部
60…凹部
65…貫通部
B…幅
H…高さ
L…長さ
W…巻線方向
【外国語明細書】