(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022024483
(43)【公開日】2022-02-09
(54)【発明の名称】粒状体供給装置および粒状体供給方法
(51)【国際特許分類】
B03B 5/00 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
B03B5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020127103
(22)【出願日】2020-07-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100167427
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】石川 進太郎
【テーマコード(参考)】
4D071
【Fターム(参考)】
4D071AA05
4D071AB03
4D071AB04
4D071AB44
4D071CA10
(57)【要約】
【課題】篩網の損傷を抑制でき、分粒を効果的に実施できる粒状体供給装置および粒状体供給方法を提供する。
【解決手段】篩網7によって粒状体を分粒する篩装置5に対して粒状体を供給する粒状体供給装置10であって、粒状体と液体を収容し得る容器2aと、容器2aに液体を供給する液体供給部15と、篩装置5における篩網7の上方かつ篩網7と対向する位置に形成された粒状体供給口6aに設けられた供給部11と、を備えており、供給部11は、篩装置5の粒状体供給口6aと接続された下端と上端との間を連通する流路11hを有しており、容器2aは、供給部11の流路11hの上端開口11aから挿入できる大きさに形成されており、上面または側面に流体とともに粒状体を排出する排出口fが形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、
粒状体と液体を収容し得る容器と、
該容器に液体を供給する液体供給部と、
前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に設けられた供給部と、を備えており、
前記供給部は、
前記篩装置の粒状体供給口と接続された下端と上端との間を連通する流路を有しており、
前記容器は、
前記供給部の流路の上端開口から挿入できる大きさに形成されており、
側面または上端に流体とともに粒状体を排出する排出口が形成されている
ことを特徴とする粒状体供給装置。
【請求項2】
前記供給部の流路は、
下端に粒状体供給口と接続された排出開口を有しており、
上端に前記排出開口よりも開口面積が大きい供給開口を有しており、
前記容器は、
前記供給部の流路内に前記供給開口から挿入できるが、前記排出開口を通過できない大きさに形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の粒状体供給装置。
【請求項3】
前記供給部は、
前記排出開口から前記供給開口に向かって前記流路の断面積が大きくなるように形成されている漏斗状部を備えている
ことを特徴とする請求項2記載の粒状体供給装置。
【請求項4】
前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、
前記容器が、
前記水アトマイズ装置の下方に配設され、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収するように配設されており、
該容器の上端に前記排出口が形成されている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の粒状体供給装置。
【請求項5】
篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、
前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に連通する流路に粒状体を収容した容器を配置し、
該容器に流体を供給して、該容器の側面または上端に形成された排出口から流体とともに粒状体を排出する
ことを特徴とする粒状体供給方法。
【請求項6】
前記流路は、
下端に粒状体供給口と接続された排出開口を有しており、
上端に前記排出開口よりも開口面積が大きい供給開口を有しており、
前記容器は、
前記供給部の流路内に前記供給開口から挿入でき、前記排出開口を通過できない大きさに形成されている
ことを特徴とする請求項6記載の粒状体供給方法。
【請求項7】
前記供給部は、
前記排出開口から前記供給開口に向かって前記流路の断面積が大きくなるように形成されている漏斗状部を備えている
ことを特徴とする請求項6記載の粒状体供給方法。
【請求項8】
前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、
前記容器が、
前記水アトマイズ装置の下方に配設され、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収するように配設されており、
該容器の上端に前記排出口が形成されている
ことを特徴とする請求項5、6、7または8記載の粒状体供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状体供給装置および粒状体供給方法に関する。さらに詳しくは、粒径の異なる粒状体を分粒する振動篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置および粒状体供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
含油軸受等の機械部品では、粉体を焼結して得られる焼結金属に潤滑油を含侵させて製造される。かかる焼結金属に使用される金属粉末を製造する方法としてアトマイズ装置を用いた金属粉末の製造方法が使用される。例えば、水アトマイズ装置を用いた金属粉末の製造では、金属材料を溶かして水アトマイズ装置に供給される。水アトマイズ装置では、金属材料を溶かした金属のみからなる液体に高圧水を噴射衝突させる。すると、細かな金属粉(アトマイズ粉)が製造され、製造された金属粉は水とともに回収ポットに回収される。
【0003】
水アトマイズ装置によって製造された金属粉は、その粒径が揃っていないため、粒径の小さい粒状体(数μm程度)と粒径の大きい粒状体(数mm程度)が混在している。かかる金属粉を含油軸受等の機械部品に使用する場合、機械部品の成形性や加工性を向上させるためには、ある程度粒径を揃えた金属粉を供給することが必要になる。そこで、水とともに回収ポットに回収された金属粉は、振動篩装置などに供給されて、粒径によって分粒される。
【0004】
分粒に使用される振動篩装置として、例えば、特許文献1、2等に記載されたものが使用される。この振動篩装置は、篩本体と、篩本体内部に設置された篩網を備えており、篩本体には、篩網の上部に原料供給口が設けられており、篩網の下部に分粒材排出口が設けられている。そして、篩本体を振動させる振動付与手段が設けられており、振動付与手段を作動させることによって、篩本体とともに篩網を振動させることができるようになっている。
【0005】
この振動篩装置に回収ポットで回収された金属粉を原料供給口から供給すれば、篩網を通過する粒径の金属粉は分粒材排出口から排出され、篩網を通過できない粒径の金属粉は篩網上に残される。したがって、水アトマイズ装置によって製造された粒径の揃っていない金属粉を、振動篩装置によって分粒することができる。
【0006】
分粒に使用される振動篩装置として、例えば、特許文献1、2等に記載されたものが使用される。この振動篩装置は、篩本体と、篩本体内部に設置された篩網を備えており、篩本体には、篩網の上部に原料供給口が設けられており、篩網の下部に分粒材排出口が設けられている。そして、篩本体を振動させる振動付与手段が設けられており、振動付与手段を作動させることによって、篩本体とともに篩網を振動させることができるようになっている。
【0007】
この振動篩装置に回収ポットで回収された金属粉を原料供給口から供給すれば、篩網を通過する粒径の金属粉は分粒材排出口から排出され、篩網を通過できない粒径の金属粉は篩網上に残される。したがって、水アトマイズ装置によって製造された粒径の揃っていない金属粉を、振動篩装置によって分粒することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭52-137371号公報
【特許文献2】特許第2731515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
振動篩装置の原料供給口から供給された金属粉は篩網上に落下するが、通常、金属粉が篩網の中心近傍に落下するように原料供給口が配置される。すると、篩網の中心近傍に金属粉が溜まってしまうため分粒する効率が悪くなる。
【0010】
また、金属粉が篩網の中心近傍に落下するため、篩網の中心近傍は金属粉の落下による衝撃や摩耗により損傷しやすい。一方、篩網の周辺部は振動によって中心近傍から金属粉が移動していくだけであり、それほど損傷しない。すると、篩網の周辺部は使用できる状態でも、中心近傍の損傷によって交換しなければならないため、篩網全体を有効活用できない。
【0011】
本発明は上記事情に鑑み、篩網の損傷を抑制でき、分粒を効果的に実施できる粒状体供給装置および粒状体供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
<粒状体供給装置>
第1発明の粒状体供給装置は、篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、粒状体と液体を収容し得る容器と、該容器に液体を供給する液体供給部と、前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に設けられた供給部と、を備えており、前記供給部は、前記篩装置の粒状体供給口と接続された下端と上端との間を連通する流路を有しており、前記容器は、前記供給部の流路の上端開口から挿入できる大きさに形成されており、側面または上端に流体とともに粒状体を排出する排出口が形成されていることを特徴とする。
第2発明の粒状体供給装置は、第1発明において、前記供給部の流路は、下端に粒状体供給口と接続された排出開口を有しており、上端に前記排出開口よりも開口面積が大きい供給開口を有しており、前記容器は、前記供給部の流路内に前記供給開口から挿入できるが、前記排出開口を通過できない大きさに形成されていることを特徴とする。
第3発明の粒状体供給装置は、第2発明において、前記供給部は、前記排出開口から前記供給開口に向かって前記流路の断面積が大きくなるように形成されている漏斗状部を備えていることを特徴とする。
第4発明の粒状体供給装置は、第1、第2または第3発明において、前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、前記容器が、前記水アトマイズ装置の下方に配設され、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収するように配設されており、該容器の上端に前記排出口が形成されていることを特徴とする。
<粒状体供給方法>
第5発明の粒状体供給方法は、篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に連通する流路に粒状体を収容した容器を配置し、該容器に流体を供給して、該容器の側面または上端に形成された排出口から流体とともに粒状体を排出することを特徴とする。
第6発明の粒状体供給方法は、第5発明において、前記流路は、下端に粒状体供給口と接続された排出開口を有しており、上端に前記排出開口よりも開口面積が大きい供給開口を有しており、前記容器は、前記供給部の流路内に前記供給開口から挿入でき、前記排出開口を通過できない大きさに形成されていることを特徴とする。
第7発明の粒状体供給方法は、第6発明において、前記供給部は、前記排出開口から前記供給開口に向かって前記流路の断面積が大きくなるように形成されている漏斗状部を備えていることを特徴とする。
第8発明の粒状体供給方法は、第5、第6または第7発明において、前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、前記容器が、前記水アトマイズ装置の下方に配設され、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収するように配設されており、該容器の上端に前記排出口が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
<粒状体供給装置>
第1発明によれば、液体供給部から供給される液体によって容器内で粒状体を攪拌したのち、液体とともに粒状体を容器の排出口から排出すれば、液体とともに粒状体を粒状体供給口から篩装置の篩網に供給することができる。しかも、容器の側面または上端に形成されている排出口から液体とともに粒状体を排出するので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。すると、篩網の特定の部分の損傷だけが進むことを防止しできるので、篩網の寿命を長くできる。また、粒状体がある程度固まって篩網上に供給される場合に比べて、粒状体を分粒する効率を向上することができる。
第2、第3発明によれば、容器の側面または上端から排出された流体および粒状体は、流路の内面を流れて篩装置内に流入する。流路の下端から液体が離脱する際に流体が飛び散るように落下するので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。
第4発明によれば、水アトマイズ装置によって形成された粒状体を容易に分粒できる。
<粒状体供給方法>
第5発明によれば、液体によって容器内で粒状体を攪拌したのち、流体とともに粒状体を容器の排出口から排出すれば、流体とともに粒状体を粒状体供給口から篩装置の篩網に供給することができる。しかも、容器の側面に形成されている排出口から流体とともに粒状体を排出しているので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。すると、篩網の特定の部分だけの損傷だけが進むことを防止しできるので、篩網の寿命を長くできる。また、粒状体がある程度固まって篩網上に供給される場合に比べて、粒状体を分粒する効率を向上することができる。
第6、第7発明によれば、容器の側面または上端から排出された流体および粒状体は、流路の内面を流れて篩装置内に流入する。流路の下端から液体が離脱する際に流体が飛び散るように落下するので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。
第8発明によれば、水アトマイズ装置によって形成された粒状体を容易に分粒できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態の粒状体供給装置10を採用した設備1の概略説明図である。
【
図2】容器2aによって供給部11にスラリーSを供給している状態の説明図である。
【
図3】容器20によって供給部11にスラリーSを供給している状態の説明図である。
【
図4】他の実施形態の粒状体供給装置10を採用した設備1の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態の粒状体供給装置は、篩装置の篩網に粒状体を供給する装置であって、篩網の損傷を抑制することができるようにしたことに特徴を有している。
【0016】
本実施形態の粒状体供給装置によって篩装置に供給される粒状体はとくに限定されない。例えば、水アトマイズ法によって製造される銅や錫などの合金等の金属粉や、セラミックスや樹脂等の素材からなる粉体等をあげることができる。
また、粒状体の粒径もとくに限定されない。例えば、数10μm~数百μm程度の粒径を有するもの等を挙げることができる。
【0017】
本実施形態の粒状体供給装置が採用される設備もとくに限定されない。例えば、ホッパー等の設備のように、金属粉等の粒状体が貯留される設備において、粒状体を分粒する篩装置に粒状体を供給する装置として使用することができる。
【0018】
以下では、水アトマイズ法によって製造される金属粉を、水と混合したスラリーとして篩装置に供給する場合を代表として説明する。
【0019】
<粒状体供給装置10を設けた設備1>
以下、本実施形態の粒状体供給装置10を設けた設備1を説明する。
【0020】
<水アトマイズ装置2>
図1において、符号2は、設備1における水アトマイズ装置を示している。この水アトマイズ装置2は、溶融された金属に高圧水を噴射衝突させることによって細かな金属粉を製造するものである。この水アトマイズ装置2で生成された金属粉mは、水アトマイズ装置2の下方に設置された容器2aに落下して回収される。この容器2aは水アトマイズ装置2の本体から着脱できるようになっており、取り外すと上端に開口を有する有底筒状の容器となる形状を有している。そして、この容器2aは、水アトマイズ装置2の本体から取り外すと、容器2a内に回収した金属粉mを収容したまま吊り下げるなどの方法で搬送できるようになっている(
図1の矢印A参照)。
なお、容器2aは、特許請求の範囲にいう粒状体供給装置10の容器に相当する。
【0021】
<振動篩装置5>
設備1は、水アトマイズ装置2で製造された金属粉mを分粒する振動篩装置5を備えている。この振動篩装置5は、中空な空間6hを有する本体部6を備えている。本体部6は、中空な空間6hを有しており、この中空な空間6h内に、中空な空間6hを上下に分割するように篩網7が設けられている(
図2、
図3参照)。本体部6には、篩網7の中央部の上方に位置するように、中空な空間6hと外部との間を連通する粒状体供給口6aが設けられている。また、本体部6における篩網7よりも上方の側面には、篩網7上の金属粉mを外部に排出するための第一排出口6cが設けられている。一方、本体部6の下端部、つまり、本体部6の篩網7よりも下方の部分には、篩網7を通過した金属粉mや水を外部に排出するための第二排出口6bが設けられている。そして、振動篩装置5は、図示しないが、本体部6に振動を加える振動発生部を備えている。
【0022】
<粒状体供給装置10>
図1に示すように、設備1には、容器2a内に回収した金属粉mを、振動篩装置5に供給する粒状体供給装置10が設けられている。この粒状体供給装置10は、容器2aと、供給部11と、液体供給部15と、から構成されている。
【0023】
<供給部11>
図2および
図3に示すように、振動篩装置5の粒状体供給口6aには、本実施形態の粒状体供給装置10の供給部11が設けられている。この供給部11は、上端の供給開口11aと下端と排出開口11bとの間を連通する流路11hを備えたものであり、その排出開口11bが振動篩装置5の粒状体供給口6aに接続されている。
【0024】
この供給部11には、流路11hの断面が上端にいくにしたがって広くなるように形成されている漏斗状部12と、漏斗状部12の下端と排出開口11bとの間に位置する連結部13と、を備えている。なお、連結部13は必ずしも設けなくもてよく、排出開口11bから供給開口11aまで連続して断面が広くなるように流路11hを形成してもよい。つまり、供給部11全体が漏斗状部12となっていてもよい。
【0025】
この供給部11の流路11hは、供給開口11aの開口断面が容器2aを挿入可能な大きさであり、排出開口11bの開口断面は容器2aが通過できない大きさに形成されている。言い換えれば、容器2aが、供給開口11aから漏斗状部12の流路11hまでは挿入できるが、排出開口11bを通過できない大きさ、つまり、連結部13の流路11hには挿入できない大きさに形成されている。例えば、供給部11の流路11hの断面が円形であり、容器2aが円筒状であるとする。すると、容器2aの底面の直径が、供給開口11aの直径よりも小さく、排出開口11bの直径(連結部13の流路11hの直径)よりも大きくなるように形成されている。つまり、容器2aの底面の面積よりも供給開口11aは開口面積が大きく、容器2aの底面の面積よりも排出開口11bは開口面積が小さくなるように形成されている。
【0026】
<液体供給部15>
液体供給部15は、容器2aに対して水を供給するものである。具体的には、容器2aを供給部11の流路11h内に挿入した状態で、容器2a内に水を供給するものである。この液体供給部15は、水をある程度の流速で排出できる流体供給装置16と、この流体供給装置16が排出する水を容器2aに供給する配管15pと、を備えている(
図1参照)。この液体供給部15の配管15pの一端を容器2a内に入れて流体供給装置16から水を容器2a内に供給すれば、容器2aの金属粉mを攪拌して金属粉mと水が混合したスラリーSを容器2a内に形成できる。しかも、水を連続して供給すれば、容器2aの上端の開口(以下、排出口2fという)からスラリーSを溢れさせて、スラリーSを容器2aから排出することができる(
図2(B)参照)。言い換えれば、スラリーSを供給部11の流路11hに供給することができる。
【0027】
<設備1における金属粉mの分粒回収>
設備1が上記のごとき構成を有しているので、以下のようにすれば、水アトマイズ装置2によって製造された容器2a内の金属粉mを分粒して回収することができる。
【0028】
まず、水アトマイズ装置2の溶融された金属を供給して、金属粉mを形成すれば、金属粉mと水とが容器2a内に溜まっていく。そして、一定以上の金属粉mが容器2a内に溜まれば、水アトマイズ装置2の作動を停止する。そして、容器2a内に溜まっている水を排水して、容器2a内には金属粉mだけが貯留されている状態とする。
【0029】
容器2a内には金属粉mだけが貯留されている状態になると、容器2aを水アトマイズ装置2の本体から取り外して、吊り下げる等の方法で容器2aを振動篩装置5の位置まで移動する。そして、容器2aを、本振動篩装置5の粒状体供給口6aに接続されている供給部11の供給開口11aを通して漏斗状部12の流路11h内に挿入する。そして、容器2aが漏斗状部12の流路11hの内面と接触しない位置で容器2aを保持する(
図2(B)参照)。
なお、容器2aは、必ずしも漏斗状部12の流路11hに挿入しなくてもよく、漏斗状部12の流路11hの上方に容器2aを配置してもよい(
図2(A)参照)。
【0030】
その後、配管15pの一端を容器2a内に配置して流体供給装置16から水を容器2a内に供給する。すると、容器2aの金属粉mは供給される水によって攪拌され、金属粉mと水とが混合したスラリーSが容器2a内に形成される。なお、このとき容器2aに供給する水は、水アトマイズ装置2で使用された水(上澄み水)を使用してもよいし、工業用水を使用してもよい。
【0031】
スラリーSが容器2a内に形成された状態からさらに流体供給装置16から水を容器2a内に供給すれば、やがて、容器2a内のスラリーSは、容器2aの排出口2fから溢れて容器2aの側面をつたって下方に流れ、容器2aの下端から下方に落下する。すると、容器2aは供給部11の流路11h内に挿入されているので、スラリーSは供給部11の漏斗状部12の流路11h内に供給されることになる(
図2(B))。
【0032】
ここで、漏斗状部12の流路11hは上方にいくにしたがって断面が広くなるように形成されている。言い換えれば、漏斗状部12の流路11hは連結部13に近づくにしたがって断面が狭くなるように形成されている。しかも、漏斗状部12の流路11hと連結部13の流路11hの接続部分では、流路11hの断面積は排出開口11bと同じ大きさになっている。排出開口11bの開口面積は容器2aの底面の面積よりも小さいので、容器2aから漏斗状部12の流路11h内に供給されたスラリーSは、漏斗状部12の流路11hの内面上に落下し、その内面に沿って下方に流れることになる(
図2(B))。
【0033】
すると、漏斗状部12の流路11hの内面に沿って下方に流れたスラリーSは、連結部13に流入して連結部13の流路11hの内面に沿ってさらに下方に流れる。やがて、振動篩装置5の本体部6の粒状体供給口6aに到達すると、スラリーSは連結部13の流路11hの内面から離脱して篩網7に落下する。スラリーSが連結部13の流路11hの内面から離脱する際にスラリーSはある程度周囲に飛散するので、スラリーSは篩網7のある程度広い領域に落下する。したがって、スラリーSに含まれる金属粉mも篩網7のある程度広い領域に供給されることになる(
図2(B))。
【0034】
すると、スラリーSに含まれる金属粉mのうち、篩網7の目開きよりも大きい金属粉mは篩網7上に残り、篩網7の目開きよりも小さい金属粉mは水とともに篩網7を通過して第二排出口6bから外部に排出される。
【0035】
また、振動発生部によって振動篩装置5の本体部6に振動を加えれば、篩網7上の金属粉mを篩網7上に沿って移動させることができるので、篩網7上の金属粉mを第一排出口6cから外部に排出することができる。
【0036】
以上のように、本実施形態の粒状体供給装置10によれば、本体部6の粒状体供給口6aから供給されるスラリーS中の金属粉mを、供給部11の下方の領域だけでなく、篩網7の広い範囲に落下させることができる。すると、篩網7の中央部の損傷だけが進むことを防止できるので、篩網7の寿命を長くできる。
【0037】
しかも、スラリーS中の金属粉mを、篩網7上にある程度均した状態となるように供給できる。すると、金属粉mがある程度固まって篩網7上に堆積している場合に比べて、金属粉mのうち篩網7の目開きを通過する金属粉mを、迅速に篩網7を通過させることができる。したがって、金属粉mを分粒する効率を向上することができる。
【0038】
<供給部11について>
上記例では、供給部11の流路11hの断面が上端にいくにしたがって広くなるように形成されている場合を説明した。しかし、供給部11の流路11hは、供給開口11aの開口面積が排出開口11bの開口面積よりも広くなっており、排出開口11bが、容器2aが通過できない大きさに形成されていれば、上記例と同等の効果を得ることができる。つまり、
図3(A)に示すように、供給部11が、流路11hが供給開口11aと同じ断面積の部分と(大口径部11A)、流路11hが排出開口11bと同じ断面積の部分と(小口径部11B)とを有するようにしてもよい。この場合でも、容器2から排出されるスラリーSは、大口径部11Aに供給されたのち、小口径部11Bの内面を伝って流れて振動篩装置5の本体部6内に流入する。したがって、この場合も、供給部11の流路11hの断面が上端にいくにしたがって広くなるように形成されている場合と同様に、篩網7の広い領域に金属粉mを供給することができる。
【0039】
また、
図4(A)に示すように、振動篩装置5の本体部6の上端部に、上方にいくにしたがって断面が広くなる部分(漏斗状部6d)を設けてもよい。この場合には、漏斗状部6dを、粒状体供給装置10の供給部11として機能させることができる。つまり、漏斗状部6dを粒状体供給装置10の供給部11とすることができる。
【0040】
<容器2aについて>
上述した例では、水アトマイズ装置2に設けられる容器2aの上端開口を排出口2fとし(
図2(B)参照)、排出口2fから溢れるスラリーSを供給部11の流路11hに供給する場合を説明した。
他の例としては、容器2aの上部開口に蓋を設けて、この蓋に貫通孔を設けて、この貫通孔を排出口としてもよい。
【0041】
また、容器は、水アトマイズ装置2に設けられる容器2aとは別に設けられたものを使用してもよい。
【0042】
例えば、
図3(B)に示すように、側面に排出口20fを有する容器20を用意しておき、この容器20に容器2aから金属粉mを移し替える。そして、容器20を供給部11の流路11hに配置して、液体供給部15から水を容器20内に供給すれば、容器20内の金属粉mを攪拌してスラリーSを形成できる。そして、スラリーSを容器20の側面に設けられた排出口20fから排出できるので、容器2aを使用した場合と同様に、スラリーSを振動篩装置5に供給でき篩網7の広い領域に金属粉mを供給することができる。側面に排出口20fを設けた場合には、液体供給部15から水を高圧で供給すれば、排出口20fからスラリーSを噴出させることができる。すると、容器20から離れた位置までスラリーSを飛散させることができるので、金属粉mを供給することができる領域をより広くすることができる(
図3(B))。
【0043】
なお、容器2aとは別の容器20を使用する場合でも、側面に排出口20fを設けず、容器20の上端開口や、容器20に設けた蓋に形成された排出口からスラリーSを排出するようにしてもよい。
【0044】
また、水アトマイズ装置2に設けられる容器2aの側面にスラリーSを排出する側面排出口を設けてもよい。この場合、容器2aの上部開口や蓋の排出口とともに、側面排出口からスラリーSを排出してもよい。この場合には、容器2aに側面排出口を開閉できる機構を設けて、水アトマイズ装置2から金属粉mを回収している間は側面排出口を閉じておくようにする必要がある。
【0045】
さらに、容器2aの上部開口に蓋を設は設けるが、この蓋には排出口を設けず、容器2aの側面に設けた側面排出口だけからスラリーSを排出するようにしてもよい。
【0046】
さらに、
図4(B)に示すような構造の容器25を用意しておき、この容器25の容器本体26内に容器2aから金属粉mを移し替えてもよい。この容器25は、上端が開口した容器本体26と、この容器本体26の上部に下方に向かって断面積が大きくなる円錐状のカバー27を有するものである。容器25では、容器本体26の上端とカバー27の内面27aとの間に、スラリーSを流出させることができる隙間25sが設けられている。カバー27には、カバー27を貫通する孔27hを設けておき、この孔27hに液体供給部15の配管15pを接続するようにする。かかる構造の容器25であれば、カバー27の孔27hを通して液体供給部15の配管15pから容器本体26に水を供給すれば、スラリーSを隙間25sから溢れさせることができる。しかも、液体供給部15の配管15pから供給される水の流速が速くても、カバー27によってスラリーSが周囲に飛散することを防止できる。つまり、速い流速の水を容器本体26内に供給することによって容器本体26内を攪拌する効果を高くしつつ、スラリーSが周囲に飛散することを防止できる。
【0047】
なお、液体供給部15の配管15pの先端にカバー27と同様の構造を有するカバーを設けてもよい。この場合には、容器2aの上端を覆うように配管15pのカバー27を配置し、しかも、容器2aの上端とカバーの内面との間に隙間ができるようにする(
図4(B)参照)。すると、容器2aをそのまま使用した場合でも、上述した容器25を使用した場合と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の粒状体供給装置は、銅や錫等の金属粉を振動篩装置等に供給する装置として適している。
【符号の説明】
【0049】
1 設備
2 水アトマイズ装置
2a 容器
2f 排出口
5 篩網
6 本体部
6a 原料供給口
6b 第二排出口
6c 第一排出口
6h 中空な空間
7 篩網
10 粒状体供給装置
11 供給部
11h 流路
11a 供給開口
11b 排出開口
15 流体供給部
20 容器
20f 排出口
m 金属粉
【手続補正書】
【提出日】2021-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、
粒状体と液体を収容し得る容器と、
該容器に液体を供給する液体供給部と、
前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に設けられた供給部と、を備えており、
前記供給部は、
下端と上端との間を連通し、内面に沿って粒状体を含む液体を流し、前記粒状体供給口と接続され液体が内面から離脱する際に液体が周囲に飛散するように形成された排出開口を有する流路を有しており、
前記容器は、
前記供給部の流路の上端開口に挿入できるが、前記排出開口を通過できない大きさに形成されており、
上端に、粒状体とともに液体を溢れさせる大きさを有する開口が排出口として形成されている、
または、
側面に、前記液体供給部から高圧の液体が供給されると、粒状体とともに液体を噴き出すことができる大きさの複数の排出口が形成されている
ことを特徴とする粒状体供給装置。
【請求項2】
前記供給部の流路は、
下端に粒状体供給口と接続された排出開口を有しており、
上端に前記排出開口よりも開口面積が大きい供給開口を有しており、
前記容器は、
前記供給部の流路内に前記供給開口から挿入できるが、前記排出開口を通過できない大きさに形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の粒状体供給装置。
【請求項3】
前記供給部は、
前記排出開口から前記供給開口に向かって前記流路の断面積が大きくなるように形成されている漏斗状部を備えている
ことを特徴とする請求項2記載の粒状体供給装置。
【請求項4】
篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、
粒状体と液体を収容し得る容器と、
該容器に液体を供給する液体供給部と、
前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に設けられた供給部と、を備えており、
前記供給部は、
下端と上端との間を連通し、前記粒状体供給口と接続された排出開口を有する流路を有しており、
前記容器は、
前記供給部の流路の上端開口に挿入できる大きさに形成されており、
上端に、粒状体とともに液体を溢れさせて溢れた液体を該容器の側面をつたって下方に流すことができる開口が排出口として形成されている、
または、
側面に、前記液体供給部から高圧の液体が供給されると、粒状体とともに液体を噴き出すことができる大きさの複数の排出口が形成されている
ことを特徴とする粒状体供給装置。
【請求項5】
前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、
前記容器が、
前記水アトマイズ装置の下方に配設され、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収するように配設されており、
該容器の上端に前記排出口が形成されている
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の粒状体供給装置。
【請求項6】
篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、
前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に排出開口が連通され、内面に沿って粒状体を含む液体を流し、、内面から液体が離脱する際に液体が周囲に飛散するように形成された前記排出開口を有する流路を有しており、
該流路に、前記供給部の流路の上端開口に挿入できるが前記排出開口を通過できない大きさに形成された容器であって、上端に粒状体とともに液体を溢れさせる大きさを有する開口が排出口として形成されている粒状体を収容した容器、または、側面に前記液体供給部から高圧の液体が供給されると粒状体とともに液体を噴き出すことができる大きさの複数の排出口が形成されている粒状体を収容した容器を配置し、
該容器に液体を供給して、該容器の側面または上端に形成された排出口から液体とともに粒状体を排出する
ことを特徴とする粒状体供給方法。
【請求項7】
前記流路は、
下端に粒状体供給口と接続された排出開口を有しており、
上端に前記排出開口よりも開口面積が大きい供給開口を有しており、
前記容器は、
前記供給部の流路内に前記供給開口から挿入でき、前記排出開口を通過できない大きさに形成されている
ことを特徴とする請求項6記載の粒状体供給方法。
【請求項8】
前記供給部は、
前記排出開口から前記供給開口に向かって前記流路の断面積が大きくなるように形成されている漏斗状部を備えている
ことを特徴とする請求項7記載の粒状体供給方法。
【請求項9】
篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、
前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に連通された排出開口を有する流路を有しており、
該流路に、粒状体とともに液体を溢れさせて溢れた液体を側面をつたって下方に流す排出口が上端に形成されている粒状体を収容した容器、または、側面に前記液体供給部から高圧の液体が供給されると粒状体とともに液体を噴き出すことができる大きさの複数の排出口が形成されている粒状体を収容した容器を配置し、
該容器に液体を供給して、該容器の側面または上端に形成された排出口から液体とともに粒状体を排出する
ことを特徴とする粒状体供給方法。
【請求項10】
前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、
前記容器が、
前記水アトマイズ装置の下方に配設され、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収するように配設されており、
該容器の上端に前記排出口が形成されている
ことを特徴とする請求項6、7、8または9記載の粒状体供給方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
<粒状体供給装置>
第1発明の粒状体供給装置は、篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、粒状体と液体を収容し得る容器と、該容器に液体を供給する液体供給部と、前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に設けられた供給部と、を備えており、前記供給部は、下端と上端との間を連通し、内面に沿って粒状体を含む液体を流し、前記粒状体供給口と接続され液体が内面から離脱する際に液体が周囲に飛散するように形成された排出開口を有する流路を有しており、前記容器は、前記供給部の流路の上端開口に挿入できるが、前記排出開口を通過できない大きさに形成されており、上端に、粒状体とともに液体を溢れさせる大きさを有する開口が排出口として形成されている、または、側面に、前記液体供給部から高圧の液体が供給されると、粒状体とともに液体を噴き出してすことができる大きさの複数の排出口が形成されていることを特徴とする。
第2発明の粒状体供給装置は、第1発明において、前記供給部の流路は、下端に粒状体供給口と接続された排出開口を有しており、上端に前記排出開口よりも開口面積が大きい供給開口を有しており、前記容器は、前記供給部の流路内に前記供給開口から挿入できるが、前記排出開口を通過できない大きさに形成されていることを特徴とする。
第3発明の粒状体供給装置は、第2発明において、前記供給部は、前記排出開口から前記供給開口に向かって前記流路の断面積が大きくなるように形成されている漏斗状部を備えていることを特徴とする。
第4発明の粒状体供給装置は、篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、粒状体と液体を収容し得る容器と、該容器に液体を供給する液体供給部と、前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に設けられた供給部と、を備えており、前記供給部は、下端と上端との間を連通し、前記粒状体供給口と接続された排出開口を有する流路を有しており、前記容器は、前記供給部の流路の上端開口に挿入できる大きさに形成されており、上端に、粒状体とともに液体を溢れさせて溢れた液体を該容器の側面をつたって下方に流すことができる開口が排出口として形成されている、または、側面に、前記液体供給部から高圧の液体が供給されると、粒状体とともに液体を噴き出すことができる大きさの複数の排出口が形成されていることを特徴とする。
第5発明の粒状体供給装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、前記容器が、前記水アトマイズ装置の下方に配設され、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収するように配設されており、該容器の上端に前記排出口が形成されていることを特徴とする。
<粒状体供給方法>
第6発明の粒状体供給方法は、篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に排出開口が連通され、内面に沿って粒状体を含む液体を流し、内面から液体が離脱する際に液体が周囲に飛散するように形成された前記排出開口を有する流路を有しており、該流路に、前記供給部の流路の上端開口に挿入できるが前記排出開口を通過できない大きさに形成された容器であって、上端に粒状体とともに液体を溢れさせる大きさを有する開口が排出口として形成されている粒状体を収容した容器、または、側面に前記液体供給部から高圧の液体が供給されると粒状体とともに液体を噴き出すことができる大きさの複数の排出口が形成されている粒状体を収容した容器を配置し、該容器に液体を供給して、該容器の側面または上端に形成された排出口から液体とともに粒状体を排出することを特徴とする。
第7発明の粒状体供給方法は、第6発明において、前記流路は、下端に粒状体供給口と接続された排出開口を有しており、上端に前記排出開口よりも開口面積が大きい供給開口を有しており、前記容器は、前記供給部の流路内に前記供給開口から挿入でき、前記排出開口を通過できない大きさに形成されていることを特徴とする。
第8発明の粒状体供給方法は、第7発明において、前記供給部は、前記排出開口から前記供給開口に向かって前記流路の断面積が大きくなるように形成されている漏斗状部を備えていることを特徴とする。
第9発明の粒状体供給方法は、篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、前記篩装置における篩網の上方かつ該篩網と対向する位置に形成された粒状体供給口に連通された排出開口を有する流路を有しており、該流路に、粒状体とともに液体を溢れさせて溢れた液体を側面をつたって下方に流す排出口が上端に形成されている粒状体を収容した容器、または、側面に前記液体供給部から高圧の液体が供給されると粒状体とともに液体を噴き出すことができる大きさの複数の排出口が形成されている粒状体を収容した容器を配置し、該容器に液体を供給して、該容器の側面または上端に形成された排出口から液体とともに粒状体を排出することを特徴とする。
ことを特徴とする。
第10発明の粒状体供給方法は、第6、第7、第8または第9発明において、前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、前記容器が、前記水アトマイズ装置の下方に配設され、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収するように配設されており、該容器の上端に前記排出口が形成されていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
<粒状体供給装置>
第1発明によれば、液体供給部から供給される液体によって容器内で粒状体を攪拌したのち、液体とともに粒状体を容器の排出口から排出すれば、液体とともに粒状体を粒状体供給口から篩装置の篩網に供給することができる。しかも、容器の側面または上端に形成されている排出口から排出された粒状体を含む液体を流路の内面に沿って流して排出開口から篩装置内に排出するので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。すると、篩網の特定の部分の損傷だけが進むことを防止しできるので、篩網の寿命を長くできる。また、粒状体がある程度固まって篩網上に供給される場合に比べて、粒状体を分粒する効率を向上することができる。
第2、第3発明によれば、容器の側面または上端から排出された流体および粒状体は、流路の内面を流れて篩装置内に流入する。流路の下端から液体が離脱する際に流体が飛び散るように落下するので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。
第4発明によれば、液体供給部から供給される液体によって容器内で粒状体を攪拌したのち、液体とともに粒状体を容器の排出口から排出すれば、液体とともに粒状体を粒状体供給口から篩装置の篩網に供給することができる。しかも、容器の側面に形成されている排出口から液体とともに粒状体を排出し液体とともに粒状体を篩装置内に供給する、または、容器の上端の排出口から溢れさせた粒状体を含む液体を容器の側面をつたって流して容器の下端から篩装置内に供給するので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。すると、篩網の特定の部分の損傷だけが進むことを防止しできるので、篩網の寿命を長くできる。また、粒状体がある程度固まって篩網上に供給される場合に比べて、粒状体を分粒する効率を向上することができる。
第5発明によれば、水アトマイズ装置によって形成された粒状体を容易に分粒できる。
<粒状体供給方法>
第6発明によれば、液体供給部から供給される液体によって容器内で粒状体を攪拌したのち、液体とともに粒状体を容器の排出口から排出すれば、液体とともに粒状体を粒状体供給口から篩装置の篩網に供給することができる。しかも、容器の側面または上端に形成されている排出口から排出された粒状体を含む液体を流路の内面に沿って流して排出開口から篩装置内に排出するので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。すると、篩網の特定の部分の損傷だけが進むことを防止しできるので、篩網の寿命を長くできる。また、粒状体がある程度固まって篩網上に供給される場合に比べて、粒状体を分粒する効率を向上することができる。
第7、第8発明によれば、容器の側面または上端から排出された流体および粒状体は、流路の内面を流れて篩装置内に流入する。流路の下端から液体が離脱する際に流体が飛び散るように落下するので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。
第9発明によれば、液体供給部から供給される液体によって容器内で粒状体を攪拌したのち、液体とともに粒状体を容器の排出口から排出すれば、液体とともに粒状体を粒状体供給口から篩装置の篩網に供給することができる。しかも、容器の側面に形成されている排出口から液体とともに粒状体を排出し液体とともに粒状体を篩装置内に供給する、または、容器の上端の排出口から溢れさせた粒状体を含む液体を容器の側面をつたって流して容器の下端から篩装置内に供給するので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。すると、篩網の特定の部分の損傷だけが進むことを防止しできるので、篩網の寿命を長くできる。また、粒状体がある程度固まって篩網上に供給される場合に比べて、粒状体を分粒する効率を向上することができる。
第10発明によれば、水アトマイズ装置によって形成された粒状体を容易に分粒できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
さらに、容器2aの上部開口に蓋を設けるが、この蓋には排出口を設けず、容器2aの側面に設けた側面排出口だけからスラリーSを排出するようにしてもよい。