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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025283
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】給湯システムおよびサーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220203BHJP
   F24H 1/00 20220101ALI20220203BHJP
   F24H 15/40 20220101ALI20220203BHJP
【FI】
G06Q50/10
F24H1/00 631A
F24H1/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128017
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100203862
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 香代子
(72)【発明者】
【氏名】安福 洋伸
(72)【発明者】
【氏名】祝 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】坂上 大希
(72)【発明者】
【氏名】岸 栄一
(72)【発明者】
【氏名】松村 寛樹
【テーマコード(参考)】
3L122
5L049
【Fターム(参考)】
3L122AA03
3L122AA27
3L122AA34
3L122AA63
3L122AA65
3L122AA73
3L122BA04
3L122BA13
3L122BA14
3L122BA18
3L122BA24
3L122FA02
3L122FA04
3L122FA05
3L122FA13
3L122FA23
3L122FA27
3L122FA32
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】給湯装置のリース使用を使用者においてより好ましく受けることが可能な給湯システムおよびサーバを提供する。
【解決手段】給湯システム1は、給湯装置10と、外部通信網40を介して給湯装置10と通信可能なサーバ50と、を備える。給湯装置10は、当該給湯装置10の使用状況を監視する使用状況監視部111aと、使用状況に関する使用状況情報をサーバに送信する使用状況送信部133aと、を備える。また、サーバ50は、使用状況送信部133aから受信した使用状況情報に基づいて給湯装置10の使用料金に関する課金情報を生成する課金情報生成部501aと、課金情報の送信先アドレスを給湯装置10に対応付けて記憶する記憶部502と、外部通信網40を介して課金情報を送信先アドレスに送信する課金情報送信部501bと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯装置と、
外部通信網を介して前記給湯装置と通信可能なサーバと、を備え、
前記給湯装置は、
当該給湯装置の使用状況を監視する使用状況監視部と、
前記使用状況に関する使用状況情報を前記サーバに送信する使用状況送信部と、を備え、
前記サーバは、
前記使用状況送信部から受信した前記使用状況情報に基づいて前記給湯装置の使用料金に関する課金情報を生成する課金情報生成部と、
前記課金情報の送信先アドレスを前記給湯装置に対応付けて記憶する記憶部と、
前記外部通信網を介して前記課金情報を前記送信先アドレスに送信する課金情報送信部と、を備える、
ことを特徴とする給湯システム。
【請求項2】
請求項1に記載の給湯システムにおいて、
前記使用状況送信部は、所定期間において、少なくとも1回、前記使用状況情報を前記サーバに送信し、
前記課金情報生成部は、前記所定期間において受信した前記使用状況情報に基づいて、前記所定期間における前記課金情報を生成する、
ことを特徴とする給湯システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の給湯システムにおいて、
前記給湯装置は、燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温める燃焼式給湯装置であり、
前記使用状況情報は、前記給湯装置の燃焼量、燃焼時間および湯水供給時間の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする給湯システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の給湯システムにおいて、
前記給湯装置は、発電機により電力を生成するとともに、前記発電機からの排熱を利用して温水を生成するコジェネレーション型給湯装置であり、
前記使用状況情報は、前記給湯装置の湯水供給量および発電時間の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする給湯システム。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の給湯システムにおいて、
前記課金情報生成部は、前記使用料金の単位設定期間において、前記使用状況情報に基づく前記給湯装置の使用累積値の増加に伴い前記使用料金が上昇するように、前記課金情報を生成する、
ことを特徴とする給湯システム。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の給湯システムにおいて、
前記課金情報生成部は、前記使用状況情報に基づく前記給湯装置の使用開始時からの総使用累積値が所定の閾値を超えたことを条件に、前記使用料金の単位設定期間における前記使用料金が、前記総使用累積値が前記閾値を超えない場合に比べて低額になるように、前記使用料金の設定方法を変更する、
ことを特徴とする給湯システム。
【請求項7】
外部通信網を介して給湯装置と通信可能なサーバであって、
前記給湯装置は、当該給湯装置の使用状況を監視する使用状況監視部と、前記使用状況に関する使用状況情報を前記サーバに送信する使用状況送信部とを備え、
前記サーバは、
前記使用状況送信部から受信した前記使用状況情報に基づいて前記給湯装置の使用料金に関する課金情報を生成する課金情報生成部と、
前記課金情報の送信先アドレスを前記給湯装置に対応付けて記憶する記憶部と、
前記外部通信網を介して前記課金情報を前記送信先アドレスに送信する課金情報送信部と、を備える、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項8】
請求項7に記載のサーバにおいて、
前記使用状況送信部は、所定期間において、少なくとも1回、前記使用状況情報を前記サーバに送信し、
前記課金情報生成部は、前記所定期間において受信した前記使用状況情報に基づいて、前記所定期間における前記課金情報を生成する、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項9】
請求項7または8に記載のサーバにおいて、
前記給湯装置は、燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温める燃焼式給湯装置であり、
前記使用状況情報は、前記給湯装置の燃焼量、燃焼時間および湯水供給時間の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項10】
請求項7または8に記載のサーバにおいて、
前記給湯装置は、発電機により電力を生成するとともに、前記発電機からの排熱を利用して温水を生成するコジェネレーション型給湯装置であり、
前記使用状況情報は、前記給湯装置の湯水供給量および発電時間の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項11】
請求項7ないし10の何れか一項に記載のサーバにおいて、
前記課金情報生成部は、前記使用料金の単位設定期間において、前記使用状況情報に基づく前記給湯装置の使用累積値の増加に伴い前記使用料金が上昇するように、前記課金情報を生成する、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項12】
請求項7ないし11の何れか一項に記載のサーバにおいて、
前記課金情報生成部は、前記使用状況情報に基づく前記給湯装置の使用開始時からの総使用累積値が所定の閾値を超えたことを条件に、前記使用料金の単位設定期間における前記使用量が、前記総使用累積値が前記閾値を超えない場合に比べて低額になるように、前記使用料金の設定方法を変更する、
ことを特徴とするサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置およびサーバを備える給湯システム、および外部通信網を介して給湯装置と通信可能なサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯器で生成された湯水を、台所の蛇口や、浴槽、カラン等に供給する給湯装置が知られている。また、近年、インターネット等の外部通信網を介して、給湯装置と通信可能なサーバを備える給湯システムが開発されている。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1に記載の風呂システムでは、給湯器を備える風呂装置とサーバとがネットワークを介して通信可能に構成されている。このシステムでは、風呂装置で検出された入浴時間がサーバに送信され、さらに、サーバから、当該風呂装置に対応付けられている携帯端末に、入浴時間が送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-47182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、給湯装置のリース事業が展開されている。このリース事業では、月極の固定額を事業主に支払う方式が採用されている。しかし、給湯装置の使用状況は、月ごとに変動し得る。このため、使用者は、給湯装置の使用が少ない月に他の月と同様の固定額を支払うと、不合理感を持ってしまう。こうなると、使用者は、給湯装置のリース使用を中止し兼ねず、事業主にとっても、リース事業の展開を円滑に進めにくくなる。
【0006】
かかる課題に鑑み、本発明は、給湯装置のリース使用を使用者においてより好ましく行うことが可能な給湯システムおよびサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、給湯システムに関する。この態様に係る給湯システムは、給湯装置と、外部通信網を介して前記給湯装置と通信可能なサーバと、を備える。ここで、前記給湯装置は、当該給湯装置の使用状況を監視する使用状況監視部と、前記使用状況に関する使用状況情報を前記サーバに送信する使用状況送信部と、を備える。また、前記サーバは、前記使用状況送信部から受信した前記使用状況情報に基づいて前記給湯装置の使用料金に関する課金情報を生成する課金情報生成部と、前記課金情報の送信先アドレスを前記給湯装置に対応付けて記憶する記憶部と、前記外部通信網を介して前記課金情報を前記送信先アドレスに送信する課金情報送信部と、を備える。
【0008】
本態様に係る給湯システムによれば、給湯装置の使用状況に基づいて使用料金が設定される。これにより、使用料金の単位設定期間において、給湯装置の使用が少ない場合は、使用料金が低く抑えられる。また、課金情報が、サーバから送信先アドレスに送信されて、使用者に通知される。これにより、使用者は、予め、課金の状況を把握でき、給湯装置の使用を安心に行うことができる。よって、使用者は、給湯装置のリース使用をより好ましく継続できる。
【0009】
本態様に係る給湯システムにおいて、前記使用状況送信部は、所定期間において、少なくとも1回、前記使用状況情報を前記サーバに送信し、前記課金情報生成部は、前記所定期間において受信した前記使用状況情報に基づいて、前記所定期間における前記課金情報を生成するよう構成され得る。
【0010】
この構成によれば、使用状況情報が、所定期間において少なくとも1回サーバに送信されるため、サーバは、当該所定期間における給湯装置の使用状況を把握でき、受信した使用状況情報に基づいて、当該所定期間における課金情報を円滑に生成できる。
【0011】
本態様に係る給湯システムにおいて、前記給湯装置は、たとえば、燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温める燃焼式給湯装置とされ得る。この場合、前記使用状況情報は、前記給湯装置の燃焼量、燃焼時間および湯水供給時間の少なくとも1つを含み得る。
【0012】
給湯装置が燃焼式給湯装置である場合、使用状況情報を上記のように設定することにより、サーバにおいて、給湯装置の使用状況を円滑に把握でき、課金情報を適正に生成することができる。
【0013】
あるいは、本態様に係る給湯システムにおいて、前記給湯装置は、発電機により電力を生成するとともに、前記発電機からの排熱を利用して温水を生成するコジェネレーション型給湯装置とされ得る。この場合、前記使用状況情報は、前記給湯装置の湯水供給量および発電時間の少なくとも1つを含み得る。
【0014】
このように、給湯装置がコジェネレーション型給湯装置である場合に、使用状況情報を上記のように設定することにより、サーバにおいて、給湯装置の使用状況を円滑に把握でき、課金情報を適正に生成することができる。
【0015】
本態様に係る給湯システムにおいて、前記課金情報生成部は、前記使用料金の単位設定期間において、前記使用状況情報に基づく前記給湯装置の使用累積値の増加に伴い前記使用料金が上昇するように、前記課金情報を生成するよう構成され得る。
【0016】
また、前記課金情報生成部は、前記使用状況情報に基づく前記給湯装置の使用開始時からの総使用累積値が所定の閾値を超えたことを条件に、前記使用料金の単位設定期間における前記使用料金が、前記総使用累積値が前記閾値を超えない場合に比べて低額になるように、前記使用料金の設定方法を変更するよう構成され得る。
【0017】
このように、給湯装置の使用状況に応じて使用料金の設定方法を調整することにより、使用者は、より好意的に、給湯装置のリース使用を継続することができ、事業主は、より円滑にリース事業を進めることができる。
【0018】
本発明の第2の態様は、外部通信網を介して給湯装置と通信可能なサーバに関する。ここで、前記給湯装置は、当該給湯装置の使用状況を監視する使用状況監視部と、前記使用状況に関する使用状況情報を前記サーバに送信する使用状況送信部とを備える。本態様に係るサーバは、前記使用状況送信部から受信した前記使用状況情報に基づいて前記給湯装置の使用料金に関する課金情報を生成する課金情報生成部と、前記課金情報の送信先アドレスを前記給湯装置に対応付けて記憶する記憶部と、前記外部通信網を介して前記課金情報を前記送信先アドレスに送信する課金情報送信部と、を備える。
【0019】
本態様に係るサーバによれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0020】
本態様に係るサーバにおいて、前記使用状況送信部は、所定期間において、少なくとも1回、前記使用状況情報を前記サーバに送信し、前記課金情報生成部は、前記所定期間において受信した前記使用状況情報に基づいて、前記所定期間における前記課金情報を生成するよう構成され得る。
【0021】
また、前記給湯装置が、燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温める燃焼式給湯装置である場合、前記使用状況情報は、前記給湯装置の燃焼量、燃焼時間および湯水供給時間の少なくとも1つを含み得る。
【0022】
あるいは、前記給湯装置が、発電機により電力を生成するとともに、前記発電機からの排熱を利用して温水を生成するコジェネレーション型給湯装置である場合、前記使用状況情報は、前記給湯装置の湯水供給量および発電時間の少なくとも1つを含み得る。
【0023】
また、本態様に係るサーバにおいて、前記課金情報生成部は、前記使用料金の単位設定期間において、前記使用状況情報に基づく前記給湯装置の使用累積値の増加に伴い前記使用料金が上昇するように、前記課金情報を生成するよう構成され得る。
【0024】
また、前記課金情報生成部は、前記使用状況情報に基づく前記給湯装置の使用開始時からの総使用累積値が所定の閾値を超えたことを条件に、前記使用料金の単位設定期間における前記使用量が、前記総使用累積値が前記閾値を超えない場合に比べて低額になるように、前記使用料金の設定方法を変更するよう構成され得る。
【0025】
これらの構成によれば、それぞれ、上記第1の態様の対応する構成による効果と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0026】
以上のとおり、本発明によれば、給湯装置のリース使用を使用者においてより好ましく行うことが可能な給湯システムおよびサーバを提供することができる。
【0027】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、実施形態に係る、給湯システムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る、給湯システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
図3図3は、実施形態に係る、給湯器の燃焼系および配管の構成を模式的に示す図である。
図4図4は、実施形態に係る、課金データベースの構成を示す図である。
図5図5(a)~図5(c)は、それぞれ、実施形態に係る、単位設定期間における使用料金の設定方法を示す図である。図5(d)~図5(f)は、それぞれ、実施形態に係る、総使用累積値が所定の閾値を超えた場合の単位設定期間における使用料金の設定方法を示す図である。
図6図6(a)は、実施形態に係る、サーバの制御部において行われる課金情報の生成および送信の処理を示すフローチャートである。図6(b)は、実施形態に係る、総使用累積値に基づいて使用料金の設定方法を変更するための処理を示すフローチャートである。
図7図7は、変更例1に係る、給湯システムの構成を示す図である。
図8図8は、変更例1に係る、給湯システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、実施形態に係る給湯システム1の構成を示す図である。
【0031】
本実施形態では、給湯装置10が使用者にリースされる場合のビジネスモデルが、給湯システム1において構築されている。給湯装置10は、当該給湯装置10の使用状況に関する使用状況情報を、外部通信網40を介して、サーバ50に送信する。サーバ50は、受信した使用状況情報に基づいて、当該給湯装置10の使用料金を算出し、算出した使用料金を含む課金情報を、当該給湯装置10に対応付けられている携帯端末装置30に送信する。使用者は、携帯端末装置30を介して、給湯装置10の課金情報を確認できる。使用料金は、たとえば、月締めで算出される。
【0032】
図1に示すように、給湯システム1は、給湯装置10と、サーバ50とを備える。携帯端末装置30が宅内H10にある場合、サーバ50は、ルータ20および外部通信網40を介して、携帯端末装置30と通信可能である。また、サーバ50は、携帯端末装置30が宅外にある場合も、外部通信網40および宅外に配置された通信システム(基地局や民間のルータ)を介して、携帯端末装置30と通信可能である。
【0033】
給湯装置10は、給湯器11と、リモートコントローラ12、13とを備えている。給湯器11は、ガスを燃料として湯を供給するガス給湯器である。すなわち、給湯装置10は、ガス燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温める燃焼式給湯装置である。給湯装置10が、オイル燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温める燃焼式給湯装置であってもよい。
【0034】
給湯器11により生成された湯は、給湯口11aにそれぞれ接続された配管を介して、台所の蛇口や、浴槽、カラン等に供給される。給湯器11が、床暖房機能や、浴室暖房機能およびパネルヒータによる暖房機能を備える場合、これら機能を実現する機器に対して、給湯器11から湯が供給される。
【0035】
リモートコントローラ12、13は、給湯器11に接続され、給湯装置10の各機能について種々の設定を行うために用いられる。リモートコントローラ12は、表示部121と、入力部122とを備え、リモートコントローラ13は、タッチパネルからなる表示入力部131と、運転ボタン132とを備える。操作者は、表示部121に表示された画面に従って入力部122を操作することにより、湯張りや給湯温度調節等について、任意の設定を行うことができる。また、操作者は、表示入力部131を操作することによっても、湯張り等の設定を行える。
【0036】
リモートコントローラ12は、浴室に設置され、リモートコントローラ13は、キッチン等に設置される。
【0037】
以下、浴室に設置されるリモートコントローラ12を、「浴室リモコン12」と称し、キッチン等に設置されるリモートコントローラ13を、「台所リモコン13」と称する。
【0038】
浴室リモコン12の入力部122には、運転ボタン122aが含まれている。運転ボタン122a、132は、給湯器11を運転オン状態と運転オフ状態とに切り替えるためのボタンである。
【0039】
浴室リモコン12および台所リモコン13が運転オフ状態にあるとき、表示部121および表示入力部131は消灯状態にあり、運転ボタン122a、132以外の操作ボタンの操作は受け付けられない。運転ボタン122a、132が操作され、運転オン状態になると、表示部121および表示入力部131が点灯して設定内容が表示され、各操作ボタンの操作が受け付け可能となる。
【0040】
さらに、入力部122および表示入力部131には、給湯温度を変更するためのボタンが含まれている。操作者は、このボタンを操作することにより、給湯の設定温度を変更することができる。この他、入力部122および表示入力部131には、追い焚き機能や、足し湯、足し水、ふろ自動機能等を実行するためのボタン等、給湯器11の動作を制御するためのボタンが含まれている。
【0041】
ルータ20は、建物内(ここでは、宅内H10)に存在する各機器を、外部通信網40に接続するための通信中継器である。携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、無線通信によりルータ20に接続されて、サーバ50と通信可能である。携帯端末装置30は、たとえば、携帯電話機である。この他、携帯端末装置30が、携帯型のタブレット端末等の他の携帯可能な端末装置であってもよい。外部通信網40は、たとえば、インターネットである。
【0042】
外部通信網40には、給湯装置10を管理するためのサーバ50が接続されている。台所リモコン13は、ルータ20および外部通信網40を介して、サーバ50と通信を行う。
【0043】
台所リモコン13には、給湯システム1のアプリケーションプログラムが、サーバ50からダウンロードされ、インストールされている。このアプリケーションプログラムに、サーバ50にアクセスするためのアドレス情報(たとえば、IPアドレス)が含まれている。台所リモコン13は、このアドレス情報に基づいて、サーバ50にアクセスし、通信を行う。
【0044】
台所リモコン13のアドレス情報は、初期設定の際に、サーバ50に送信されて、サーバ50に登録される。さらに、台所リモコン13のID情報(識別情報)が、台所リモコン13からサーバ50に送信されて、サーバ50に登録される。
【0045】
また、台所リモコン13のID情報に対応付けて、携帯端末装置30のアドレス情報が、サーバ50に登録される。たとえば、携帯端末装置30が受信可能な電子メールのアドレス情報(Emailアドレス)が、携帯端末装置30のアドレス情報として登録される。後述のように、サーバ50は、このアドレス情報を送信先アドレスとして、当該携帯端末装置30に対応付けられている給湯装置10(台所リモコン13)の課金情報を送信する。
【0046】
図2は、給湯システム1を構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【0047】
給湯器11は、制御部111と、記憶部112と、通信部113と、検出部114と、を備える。制御部111は、マイクロコンピュータを備え、記憶部112に記憶されたプログラムに従って、給湯器11内の各部の制御を行う。記憶部112は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。
【0048】
本実施形態では、記憶部112に記憶された制御プログラムによって、使用状況監視部111aの機能が制御部111に付与される。使用状況監視部111aは、後述のように、給湯器11に配置された各種センサ(検出部114)の検知結果に基づいて、給湯装置10の使用状況を監視する。
【0049】
通信部113は、制御部111からの制御に従って、浴室リモコン12および台所リモコン13と通信を行う。通信部113は、2芯通信線L1、L2を介して、浴室リモコン12の通信部125および台所リモコン13の通信部135と接続されている。また、2芯通信線L1、L2は、通信部113の内部において、互いに接続されている。したがって、浴室リモコン12の通信部125と台所リモコン13の通信部135は、2芯通信線L1、L2によって互いに接続されている。このため、通信部113、125、135の何れかから送信された信号は、他の通信部に同時に送信される。
【0050】
検出部114は、給湯器11に配置された各種センサを含んでいる。たとえば、検出部114は、給湯器11の燃焼動作を検出するための燃焼センサや、湯水の温度を検出するための温度センサ、および、湯水の供給を検出するための流量センサ等を含んでいる。使用状況監視部111aは、これらセンサの出力に基づいて、給湯器11の燃焼量、燃焼時間および湯水供給時間等を検出し、検出結果を台所リモコン13に送信する。
【0051】
図3は、給湯器11の燃焼系および配管の構成を模式的に示す図である。
【0052】
図3に示すように、給湯器11は、図2に示した構成の他、給湯部210と、追い焚き部220と、バイパス部230とを備える。
【0053】
給湯部210は、給水管路211と、給湯熱交換器212と、給湯管路213と、給湯燃焼器214と、給気ファン215とを含む。給水管路211は、水道管と給湯熱交換器212とに繋がり、給湯管路213は、給湯熱交換器212と浴室水栓3および外部水栓4とに繋がる。給湯燃焼器214には、ガス電磁弁216により開閉される給湯ガス管路217を通じてガス(燃料ガス)が供給される。給湯燃焼器214は、ガスを燃料として燃焼する。給気ファン215は、給湯燃焼器214に燃焼用の空気を供給する。
【0054】
追い焚き部220は、戻り管路221と、ふろ熱交換器222と、往き管路223と、ふろ燃焼器224と、循環ポンプ225とを含む。戻り管路221は、浴槽2の循環アダプタ2aとふろ熱交換器222とに繋がり、往き管路223は、ふろ熱交換器222と循環アダプタ2aとに繋がる。
【0055】
ふろ燃焼器224には、ガス電磁弁226により開閉されるふろガス管路227を通じてガス(燃料ガス)が供給される。ふろ燃焼器224は、ガスを燃料として燃焼する。給気ファン215が給湯部210と追い焚き部220との間で共用され、給気ファン215からふろ燃焼器224に燃焼用の空気が供給される。戻り管路221に、循環ポンプ225および水位センサS6が配置される。水位センサS6は、戻り管路221内の水圧に基づいて浴槽2内の水位を検出する。
【0056】
バイパス部230は、バイパス管路231と、給湯電磁弁232とを含む。バイパス管路231は、給湯管路213と戻り管路221とに繋がる。給湯電磁弁232は、バイパス管路231を開閉する。
【0057】
制御部111は、給湯部210の給湯燃焼器214、給気ファン215およびガス電磁弁216、追い焚き部220のふろ燃焼器224、循環ポンプ225およびガス電磁弁226、バイパス部230の給湯電磁弁232などを制御する。
【0058】
浴室水栓3または外部水栓4が開かれると、給湯機能が実行される。水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入されるとともに、給湯燃焼器214が燃焼して給湯熱交換器212が加熱される。給湯熱交換器212に導入された水が加熱されて湯となり、湯が給湯管路213を通じて浴室水栓3または外部水栓4に供給される。浴室水栓3または外部水栓4が閉じられると、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0059】
また、制御部111は、給湯部210を制御して、湯張り機能(ふろ自動機能)を実行する。この場合、給湯電磁弁232が開放されるとともに、水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入され、給湯熱交換器212で加熱される。そして、給湯熱交換器212からの湯が給湯管路213およびバイパス管路231を通じて戻り管路221に導入される。
【0060】
戻り管路221に導入された湯の一部は、戻り管路221を循環アダプタ2a側へと流れ、循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。戻り管路221に導入された湯の残りは、戻り管路221をふろ熱交換器222側へと流れ、さらにふろ熱交換器222および往き管路223を流れて循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。
【0061】
給湯が行われて浴槽2内に湯が溜められると、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223が水で満たされた状態となる。これにより、水位センサS6での浴槽2内の水位検出が可能となる。浴槽2内の水位が予め設定された水位に到達したことが水位センサS6により検出されると、給湯電磁弁232が閉じられ、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0062】
この他、制御部111は、追い焚き部220を制御して、追い焚き機能を実行する。この場合、循環ポンプ225が作動するとともにふろ燃焼器224が燃焼する。浴槽2内の湯が、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223からなる循環路と浴槽2との間で循環し、その間にふろ熱交換器222で加熱される。
【0063】
給湯器11には、水位センサS6の他に、給水管路211の流量を検出するための流量センサS1と、給水管路211に導入された水の温度を検出するためのサーミスタS2と、給湯熱交換器212で加温された後の湯水の温度を検出するためのサーミスタS3と、給湯燃焼器214の燃焼動作を検知するための燃焼センサS4と、ふろ燃焼器224の燃焼動作を検知するための燃焼センサS5とを備えている。これらのセンサは、図2の検出部114に含まれる。
【0064】
図2の使用状況監視部111aは、たとえば、燃焼センサS4が給湯燃焼器214の燃焼動作を検知している期間において、ガス電磁弁216の開閉量で規定されるガス流量と、給気ファン215の回転数で規定される給気量とに基づいて、所定の算出式により、給湯器11の燃焼量を算出する。あるいは、燃焼センサS4が給湯燃焼器214の燃焼動作を検知している期間において、使用状況監視部111aは、サーミスタS2、S3でそれぞれ検出される温度の差分と、流量センサS1で検出される流量とに基づいて、所定の算出式により、給湯器11の燃焼量を算出する。
【0065】
あるいは、使用状況監視部111aは、燃焼センサS4またはS5が燃焼動作を検出している期間を、給湯器11の燃焼時間として検出する。あるいは、使用状況監視部111aは、燃焼センサS4が燃焼動作を検知した後、流量センサS1が所定の閾値を超える流量を検知している期間を、給湯器11の湯水供給時間として検出する。
【0066】
使用状況監視部111aは、これらの検出結果を、給湯装置10の使用状況を示す使用状況情報として、随時、台所リモコン13に送信する。
【0067】
図2に戻り、浴室リモコン12は、上述の表示部121および入力部122の他、制御部123と、記憶部124と、通信部125とを備える。表示部121は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部122は、温度設定ボタン等の各種操作ボタンを備える。表示部121が、タッチパネルであってもよい。
【0068】
制御部123は、マイクロコンピュータを備え、記憶部124に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部124は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部125は、制御部123からの制御に従って、給湯器11および台所リモコン13と通信を行う。
【0069】
台所リモコン13は、上述の表示入力部131および運転ボタン132の他、制御部133と、記憶部134と、通信部135と、無線通信部136とを備える。
【0070】
制御部133は、マイクロコンピュータを備え、記憶部134に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部134は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。
【0071】
本実施形態では、記憶部134に記憶された制御プログラムによって、使用状況送信部133aの機能が制御部133に付与される。
【0072】
使用状況送信部133aは、給湯器11の使用状況監視部111aから受信する使用状況情報を、所定のタイミングで、自身のID情報とともに、サーバ50に送信する。使用状況送信部133aは、給湯装置10の使用料金を算出するための単位設定期間(たとえば、1ヶ月)において、少なくとも1回、使用状況情報を、無線通信部136を介して、サーバ50に送信する。
【0073】
たとえば、単位設定期間に1回だけ使用状況情報を送信する場合、使用状況送信部133aは、当該単位設定期間において使用状況監視部111aから受信した使用状況情報(たとえば、上述の燃焼量、燃焼時間および湯水供給時間の何れか)を累積し、累積結果を、サーバ50に送信する。あるいは、単位設定期間に複数回、使用状況情報を送信する場合、使用状況送信部133aは、前回の送信時から今回の送信時までの間に使用状況監視部111aから受信した使用状況情報(たとえば、上述の燃焼量、燃焼時間および湯水供給時間の何れか)を累積し、累積結果を、各回の送信時に、サーバ50に送信する。この他、使用状況送信部133aは、使用状況監視部111aから使用状況情報を受信するごとに、受信した使用状況情報をサーバ50に送信してもよい。
【0074】
通信部135は、制御部133からの制御に従って、給湯器11および浴室リモコン12と通信を行う。無線通信部136は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。サーバ50には、台所リモコン13(給湯装置10)のアドレス情報およびID情報として、無線通信部136のアドレス情報およびID情報が登録される。
【0075】
サーバ50は、制御部501と、記憶部502と、通信部503を備える。制御部501は、CPUを備え、記憶部502に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部502は、メモリおよびハードディスクを備え、所定の制御プログラムおよびデータベースを記憶する。通信部503は、制御部501からの制御に従って、所定の制御を行う。
【0076】
本実施形態では、記憶部502に記憶された制御プログラムによって、課金情報生成部501aの機能と、課金情報送信部501bの機能が、制御部501に付与される。
【0077】
課金情報生成部501aは、台所リモコン13の使用状況送信部133aから受信した使用状況情報に基づいて、単位設定期間における給湯装置10の使用料金を算出し、算出した使用料金を含む課金情報を生成する。課金情報送信部501bは、課金情報生成部501aによって生成された課金情報を、当該台所リモコン13に対応付けられている携帯端末装置30に送信する。
【0078】
図4は、サーバ50の記憶部502に保持されている課金データベースの構成を示す図である。
【0079】
図4において、「台所リモコンID」とは、台所リモコン13のID情報(無線通信部136のID情報)を意味する。「期間使用累積値」とは、現在進行中の単位設定期間における給湯装置10の使用累積値を意味する。「総使用累積値」とは、給湯装置10の使用開始時(リース開始時)から現在までの給湯装置10の使用累積値を意味する。「使用料金」とは、期間使用累積値に基づいて算出される使用料金を意味する。「送信先アドレス」とは、課金情報の送信先アドレスを意味する。本実施形態では、送信先アドレスとして、携帯端末装置30が受信可能な電子メールのアドレス情報(Emailアドレス)が設定される。
【0080】
「期間使用累積値」は、現在進行中の単位設定期間において、台所リモコン13から受信した使用状況情報を累積して求めた値である。たとえば、使用料金の算出に給湯装置10の燃焼量が用いられる場合、現在進行中の単位設定期間において、台所リモコン13から使用状況情報として受信した燃焼量を累積することにより、期間使用累積値が算出される。また、使用料金の算出に給湯装置10の燃焼時間または湯水供給時間が用いられる場合、現在進行中の単位設定期間において、台所リモコン13から使用状況情報として受信した燃焼時間または湯水供給時間を累積することにより、期間使用累積値が算出される。
【0081】
なお、単位設定期間において、台所リモコン13から使用状況情報が1回しか送信されない場合、すなわち、単位設定期間の終了時に、当該単位設定期間における使用状況情報の累積値が台所リモコン13からサーバ50に送信される場合、図4の期間使用累積値には、この累積値がそのまま保持される。
【0082】
「総使用累積値」は、給湯装置10の使用開始時(リース開始時)から現在まで、給湯装置10の使用累積値を累積して求められる。より詳細には、図2の制御部501は、図4の期間使用累積値を更新するごとに、更新前後の期間使用累積値の差分値を更新前の総使用累積値に加算して、総使用累積値を更新する。
【0083】
「使用料金」は、期間使用累積値に所定のルールを適用して求められる。使用料金は、図2の課金情報生成部501aにより求められる。課金情報生成部501aは、単位設定期間において、使用状況情報に基づく給湯装置10の期間使用累積値の増加に伴い使用料金が上昇するように、使用料金を設定する。
【0084】
図5(a)~図5(c)は、それぞれ、単位設定期間における使用料金の設定方法を示す図である。
【0085】
図5(a)の設定方法では、期間使用累積値の増加に伴い、使用料金がリニアに増加する。この設定方法では、期間使用累積値がゼロ(または、誤差程度の閾値以下)である場合、給湯装置10の使用料金はゼロに設定される。
【0086】
図5(b)の設定方法では、期間使用累積値の増加に伴い、使用料金が初期金額M1からリニアに増加する。この設定方法では、期間使用累積値がゼロ(または、誤差程度の閾値以下)である場合、給湯装置10の使用料金は初期金額M1に設定されるが、初期金額M1は、全使用者における平均的な使用頻度の場合に求められる使用料金よりも数段低額(たとえば1/10程度)に設定される。
【0087】
図5(c)の設定方法では、期間使用累積値の増加に伴い、使用料金が初期金額M2からステップ状に増加する。この設定方法では、期間使用累積値がゼロ(または、誤差程度の閾値以下)である場合、給湯装置10の使用料金は初期金額M2に設定される。この場合も、初期金額M2は、全使用者における平均的な使用頻度の場合に求められる使用料金よりも数段低額に設定される。
【0088】
なお、使用料金の設定方法は、図5(a)~図5(c)に示した設定方法に限られるものではない。たとえば、図5(a)および図5(b)に示した設定方法では、期間使用累積値の増加に伴い使用料金がリニアに増加したが、たとえば、期間使用累積値の増加に伴い使用料金の増加率が徐々に小さくなるように、使用料金が設定されてもよい。また、図5(c)の設定方法では、各ステップの幅と高さがそれぞれ一定であったが、各ステップの幅と高さが所定の規則で変化するように設定されてもよい。たとえば、使用累積値が大きくなるに伴い、ステップの幅が長くなるように、各ステップが設定されてもよい。
【0089】
本実施形態では、図4の総使用累積値が所定の閾値を超えたことを条件に、単位設定期間における使用料金が、総使用累積値が閾値を超えない場合に比べて低額になるように、使用料金の設定方法が変更される。
【0090】
図5(d)~図5(f)は、それぞれ、総使用累積値が所定の閾値を超えた場合の単位設定期間における使用料金の設定方法を示す図である。
【0091】
ここでは、総使用累積値が所定の閾値を超えると、図5(a)~図5(c)の使用料金の設定方法が、それぞれ、図5(d)~図5(f)の使用料金の設定方法に変更される。図5(d)~図5(f)に示すように、変更後の使用料金の設定方法は、変更前の使用料金の設定方法に比べて、期間使用累積値に対する使用料金の増加率が小さくなっている。これにより、総使用累積値が閾値を超えることを条件に、同じ期間使用累積値に対する使用料金が減額される。
【0092】
なお、使用料金の減額の方法は、これに限られるものではなく、他の方法であってもよい。たとえば、図5(b)、(c)の設定方法では、総使用累積値が閾値を超えたことを条件に、さらに、初期金額M1、M2が減額されてもよく、あるいは、期間使用累積値に対する使用料金の増加率は図5(b)、(c)の設定方法のまま維持されて、初期金額M1、M2のみが図5(b)、(c)の設定方法から減額されてもよい。また、図5(a)の設定方法では、総使用累積値が閾値を超えたことを条件に、期間使用累積値の増加に伴い使用料金の増加率が、図5(a)の増加率から徐々に小さくなるように、使用料金が設定されてもよい。
【0093】
図4の課金データベースには、このような設定方法に基づいて、期間使用累積値に対して設定された使用料金が、「使用料金」の欄に保持される。課金データベースには、それぞれの台所リモコンIDに対応付けられて、当該台所リモコンIDで特定される給湯装置10の期間使用累積値、総使用累積値、使用料金および送信先アドレスが保持される。
【0094】
図6(a)は、サーバ50の制御部501において行われる課金情報の生成および送信の処理を示すフローチャートである。
【0095】
制御部501は、台所リモコン13から使用状況情報を受信すると(S101:YES)、使用状況情報とともに受信したID情報に基づいて、図4の課金データベース上における台所リモコンIDを特定する。そして、制御部501は、特定した台所リモコンIDに対応付けられている期間使用累積値および総使用累積値を、ステップS101で受信した使用状況情報に基づいて更新する(S102)。その後、制御部501は、課金のための単位設定期間(たとえば1ヶ月)が経過したか否か、すなわち、単位設定期間が終了したか否かを判定する(S103)。
【0096】
単位設定期間が経過していない場合(S103:NO)、制御部501は、処理をステップS101に戻して同様の処理を繰り返す。これにより、制御部501は、台所リモコン13から使用状況情報を受信するごとに(S101:YES)、課金データベース上において当該台所リモコン13のID情報に対応付けられている期間使用累積値および総使用累積値を更新する。
【0097】
単位設定期間が経過すると(S103:YES)、制御部501は、図2の課金情報生成部501aの機能により、当該単位設定期間における課金情報を生成する(S104)。具体的には、制御部501は、課金データベース上の期間使用累積値を、図5(a)~図5(f)の例示した設定方法に適用して、当該単位設定期間に対する使用料金を設定する。
【0098】
たとえば、図5(a)または図5(b)の設定方法が用いられる場合、制御部501は、この設定方法を規定する算出式に期間使用累積値を適用して、当該単位設定期間に対する使用料金を算出する。また、図5(c)の設定方法が用いられる場合、制御部501は、たとえば、この設定方法を規定するテーブルにおいて、期間使用累積値に対応付けられている使用料金を抽出し、抽出した使用料金を、当該単位設定期間に対する使用料金として取得する。
【0099】
制御部501は、こうして取得した使用料金を、該当する台所リモコン13のID情報に対応付けて、課金データベースに登録する。そして、制御部501は、登録した使用料金と、課金データベースにおいて当該ID情報に対応付けられている期間使用累積値および課金対象の単位設定期間を示す情報とにより、当該単位設定期間の課金情報を生成する。
【0100】
その後、制御部501は、生成した課金情報を、課金情報送信部501bの機能により、当該台所リモコン13に対応付けられている携帯端末装置30に送信する(S105)。具体的には、制御部501は、課金データベースにおいて、台所リモコン13のID情報に対応付けられている送信先アドレス(ここでは、Emailアドレス)に対し、課金情報を送信する。これにより、制御部501は、図6(a)における処理を終了する。
【0101】
給湯装置10の使用者は、図6(a)のステップS105において送信された課金情報を、自身の携帯端末装置30において参照できる。これにより、使用者は、当該単位設定期間における自身の給湯装置10の使用状況と、これによる使用料金を円滑に把握できる。
【0102】
図6(b)は、総使用累積値に基づいて使用料金の設定方法を変更するための処理を示すフローチャートである。この処理は、サーバ50の制御部501が、課金情報生成部501aの機能により行う。
【0103】
サーバ50の制御部501は、台所リモコン13から受信した使用状況情報に基づいて、課金データベース上の総使用累積値を更新した場合に(S111:YES)、更新後の総使用累積値Vtが、所定の閾値Vthを超えたか否かを判定する(S111)。ここで、閾値Vthは、給湯装置10が平均的な使用状況で使用された場合に、所定期間(たとえば、1年ないし数年)の継続使用により、総使用累積値Vtが到達する程度の値に設定される。
【0104】
総使用累積値Vtが閾値Vthを超えていない場合(S112:NO)、制御部501は、処理をステップS111に戻す。他方、総使用累積値Vtが閾値Vthを超えた場合(S112:YES)、制御部501は、使用料金の設定方法を、使用料金がより減額される設定方法に変更する(S113)。設定方法の変更は、たとえば、図5(d)~図5(f)に例示した方法により行われる。これにより、制御部501は、図6(b)の処理を終了する。
【0105】
こうして、使用料金の設定方法が変更されると、制御部501(課金情報生成部501a)は、変更後の設定方法に基づいて、図6(a)のステップS104における課金情報の生成を行う。たとえば、単位設定期間の途中で総使用累積値Vtが閾値Vthを超えた場合、制御部501は、当該単位設定期間における使用料金を、変更後の設定方法により設定する。あるいは、単位設定期間の途中で総使用累積値Vtが閾値Vthを超えた場合、制御部501は、当該単位設定期間における使用料金は変更前の設定方法により設定し、次の単位設定期間から、使用料金を、変更後の設定方法により設定してもよい。
【0106】
このように、使用料金が減額されることにより、使用者は、長期に亘って安心かつより好ましく、給湯装置10を使用し続けることができる。
【0107】
なお、使用料金の設定方法の変更は、必ずしも、1回に限られなくてもよい。たとえば、互いに異なる値の閾値Vthを複数設定し、総使用累積値Vtが各閾値を超えるごとに、使用料金がより減額される設定方法に、使用料金の設定方法が変更されてもよい。このように、複数回に亘って使用料金が減額されると、使用者は、より一層好ましく、給湯装置10を使い続けることができる。
【0108】
<実施形態の効果>
実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
【0109】
図5(a)~図5(c)に示したように、給湯装置10の使用状況に基づいて使用料金が設定される。これにより、使用料金の単位設定期間において、給湯装置10の使用が少ない場合は、使用料金が低く抑えられる。また、課金情報が、サーバ50から送信先アドレスに送信されて、使用者に通知される。これにより、使用者は、使用料金の支払い前に、予め、課金の状況を把握でき、給湯装置10の使用を安心に行うことができる。よって、使用者は、給湯装置10のリース使用をより好ましく継続できる。
【0110】
図2に示した構成において、使用状況送信部133aは、所定期間(単位設定期間)において、少なくとも1回、使用状況情報をサーバ50に送信し、課金情報生成部501aは、当該所定期間において受信した使用状況情報に基づいて、当該所定期間における課金情報を生成する。この成によれば、使用状況情報が、所定期間において少なくとも1回サーバ50に送信されるため、サーバ50は、当該所定期間における給湯装置10の使用状況を把握でき、受信した使用状況情報に基づいて、当該所定期間における課金情報を円滑に生成できる。
【0111】
ここで、使用状況情報は、給湯装置10の燃焼量、燃焼時間および湯水供給時間の少なくとも1つを含んでいる。使用状況情報をこのように設定することにより、サーバ50において、給湯装置10の使用状況を円滑に把握でき、課金情報を適正に生成することができる。
【0112】
また、図5(a)~図5(f)および図6(b)に示したように、課金情報生成部501aは、使用状況情報に基づく給湯装置10の使用開始時からの総使用累積値Vtが所定の閾値Vthを超えたことを条件に、単位設定期間における使用料金が、総使用累積値Vtが閾値Vthを超えない場合に比べて低額になるように、使用料金の設定方法を変更する。このように、給湯装置10の使用状況に応じて使用料金の設定方法を調整することにより、使用者は、より好意的に、給湯装置10のリース使用を継続でき、また、事業主は、より円滑にリース事業を進めることができる。
【0113】
<変更例1>
上記実施形態では、給湯装置10が、燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温める燃焼式給湯装置であったが、給湯装置10の構成はこれに限られるものではない。たとえば、給湯装置10が、発電機により電力を生成するとともに、発電機からの排熱を利用して温水を生成するコジェネレーション型給湯装置であってもよい。
【0114】
図7は、給湯装置10がコジェネレーション型給湯装置である場合の給湯システム1の構成を示す図である。
【0115】
図7に示すように、給湯装置10は、上記実施形態で示した浴室リモコン12および台所リモコン13の他、給湯ユニット14と、燃料電池ユニット15と、循環パイプ16とを備えている。すなわち、本変更例では、上記実施形態における給湯器11が、給湯ユニット14と燃料電池ユニット15に置き換えられ、給湯ユニット14と燃料電池ユニット15とが循環パイプ16で連結されている。上記実施形態と同様、台所リモコン13は、ルータ20および外部通信網40を介して、サーバ50と通信可能である。
【0116】
給湯ユニット14は、内部に、貯湯タンク14aと、補助燃焼器14bと、回路基板14cとを備える。燃料電池ユニット15は、内部に発電機15aと、熱交換器15bと、回路基板15cとを備える。発電機15aは、燃料電池により構成され、燃料ガスを原料として化学反応により発電を行う。発電された直流電力は、インバータを介して交流電力に変換され、燃料電池ユニット15から出力される。出力された交流電力は、たとえば、宅内H10に設置された電気機器の電力として用いられる。
【0117】
燃料電池ユニット15は、給湯ユニット14の熱源としても用いられる。すなわち、発電時に生じる排熱を利用して、給湯ユニット14の貯湯タンク14a内の水が加温される。具体的には、貯湯タンク14aに溜められた水が、循環パイプ16により、燃料電池ユニット15内の熱交換器15bに循環される。この熱交換器15bにおいて、発電時に生じる高温の排気ガスと、循環パイプ16により循環される水との間で熱交換が行われる。これにより、水が加熱される。加熱された水は、循環パイプ16を介して、貯湯タンク14aに戻される。こうして、貯湯タンク14a内の水に蓄熱が行われる。
【0118】
給湯時には、貯湯タンク14aに貯留された湯(温水)が、台所の先栓や浴室のシャワー器具、風呂、カラン等の給湯口(図示せず)に供給される。このとき、適宜、貯湯タンク14a内の湯が補助燃焼器14bによって加温されて、給湯口に供給される。補助燃焼器14bは、貯湯タンク14a内の湯の温度が給湯に適する温度よりも低い場合に用いられる。
【0119】
回路基板14cには、給湯ユニット14を駆動および制御するための回路部が設置されている。また、回路基板15cには、燃料電池ユニット15を駆動および制御するための回路部が設置されている。これら回路基板14c、15cは、互いに通信可能に接続されている。
【0120】
図8は、浴室リモコン12、台所リモコン13、給湯ユニット14、燃料電池ユニット15およびサーバ50の回路ブロックを示す図である。浴室リモコン12、台所リモコン13およびサーバ50の構成は、上記実施形態における図2の構成と同様である。
【0121】
給湯ユニット14は、制御部141と、記憶部142と、通信部143と、駆動部144とを備える。制御部141、記憶部142および通信部143は、上述の回路基板14cに設置された回路部に含まれている。
【0122】
制御部141は、マイクロコンピュータを備え、記憶部142に記憶された制御プログラムに従って、給湯ユニット14の各部の制御を行う。記憶部142は、メモリを備え、制御プログラムを記憶するとともに、制御処理時のワーク領域として用いられる。
【0123】
通信部143は、制御部141からの制御に従って、浴室リモコン12および台所リモコン13と通信を行う。通信部143は、浴室リモコン12の通信部125および台所リモコン13の通信部135と2芯通信線L1、L2によって接続されている。さらに、通信部143は、制御部141からの制御に従って、燃料電池ユニット15の通信部153と通信を行う。
【0124】
駆動部144は、補助燃焼器14bに空気を供給するためのファンや、循環パイプ16を介して温水を循環させるためのポンプ、および補助燃焼器14bに対して燃料ガスを供給および遮断する電磁弁等を備える。この他、給湯ユニット14は、貯湯タンク14aに貯留された湯の温度を検出する温度センサや、貯湯タンク14aに貯留された湯の量を検出するための水位センサ、および、補助燃焼器14bにおける燃焼を検出する燃焼センサ等の各種センサを備える。制御部141は、これらセンサからの検出信号に基づいて、駆動部144を駆動し、蓄熱や湯の供給等の制御を行う。
【0125】
燃料電池ユニット15は、制御部151と、記憶部152と、通信部153と、駆動部154とを備える。制御部151、記憶部152および通信部153は、上述の回路基板15cに設置された回路部に含まれている。
【0126】
制御部151は、マイクロコンピュータを備え、記憶部152に記憶された制御プログラムに従って、燃料電池ユニット15の各部の制御を行う。記憶部152は、メモリを備え、制御プログラムを記憶するとともに、制御処理時のワーク領域として用いられる。
【0127】
通信部153は、制御部151からの制御に従って、給湯ユニット14の通信部143と通信を行う。駆動部154は、発電機15aに対して燃料ガスを供給および遮断する電磁弁や、ヒータ等を備える。この他、燃料電池ユニット15は、各種センサを備える。制御部151は、これらセンサからの検出信号に基づいて、駆動部154を駆動し、発電の制御を行う。
【0128】
本変更例では、給湯ユニット14の記憶部142に記憶された制御プログラムによって、使用状況監視部141aの機能が、給湯ユニット14の制御部141に付与される。
【0129】
使用状況監視部141aは、給湯ユニット14および燃料電池ユニット15の動作状態を監視し、監視結果に基づいて、給湯装置10の使用状況を示す情報を台所リモコン13に送信する。たとえば、使用状況監視部141aは、給湯ユニット14の湯水供給ラインに配置された流量センサの出力に基づいて、給湯ユニット14の湯水供給量を検出する。また、使用状況監視部141aは、燃料電池ユニット15との通信により、発電機15aの発電時間を検出する。使用状況監視部141aは、これらの検出結果を、給湯装置10の使用状況を示す使用状況情報として、随時、台所リモコン13に送信する。
【0130】
本変更例においても、上記実施形態1と同様、台所リモコン13の制御部133に使用状況送信部133aの機能が付与されている。使用状況送信部133aは、給湯ユニット14の使用状況監視部141aから受信する使用状況情報を、所定のタイミングで、自身のID情報とともに、サーバ50に送信する。上記実施形態と同様、使用状況送信部133aは、給湯装置10の使用料金を算出するための単位設定期間(たとえば、1ヶ月)において、少なくとも1回、使用状況情報を、無線通信部136を介して、サーバ50に送信する。
【0131】
たとえば、単位設定期間に1回だけ使用状況情報を送信する場合、使用状況送信部133aは、当該単位設定期間において使用状況監視部141aから受信した使用状況情報(たとえば、上述の湯水供給量および発電時間の何れか)を累積し、累積結果を、サーバ50に送信する。あるいは、単位設定期間に複数回、使用状況情報を送信する場合、使用状況送信部133aは、前回の送信時から今回の送信時までの間に使用状況監視部141aから受信した使用状況情報(たとえば、上述の湯水供給量および発電時間の何れか)を累積し、累積結果を、各回の送信時に、サーバ50に送信する。この他、使用状況送信部133aは、使用状況監視部111aから使用状況情報を受信するごとに、受信した使用状況情報をサーバ50に送信してもよい。
【0132】
本変更例においても、サーバ50の制御部501は、台所リモコン13から受信する使用状況情報に基づいて、図4に示した課金データベースを記憶部502に構築する。さらに、制御部501は、図6(a)、(b)の処理を実行して、課金情報を生成し、生成した課金情報を、課金データベースの登録されている送信先アドレスに送信する。単位設定期間の使用料金は、たとえば、図5(a)~図5(f)に示した設定方法により設定される。
【0133】
本変更例においても、上記実施形態と同様、給湯装置10の使用状況に基づいて使用料金が設定されるため、使用料金の単位設定期間において、給湯装置10の使用が少ない場合は、使用料金が低く抑えられる。また、課金情報が、サーバ50から送信先アドレスに送信されて、使用者に通知されるため、使用者は、予め、課金の状況を把握でき、給湯装置10の使用を安心に行うことができる。よって、使用者は、給湯装置10のリース使用をより好ましく継続できる。
【0134】
また、使用状況情報は、給湯装置10の湯水供給量および発電時間の少なくとも1つを含んでいる。本変更例のように、給湯装置10がコジェネレーション型給湯装置である場合に、使用状況情報をこのように設定することにより、サーバ50において、給湯装置10の使用状況を円滑に把握でき、課金情報を適正に生成することができる。
【0135】
<その他の変更例>
上記実施形態では、課金情報の送信先が携帯端末装置30であったが、課金情報の送信先はこれに限られるものではない。たとえば、宅内H10に配置された据え置き型パーソナルコンピュータ等の固定端末装置が、課金情報の送信先であってもよい。この場合、課金情報は、たとえば、当該固定端末装置で受信可能な電子メールのアドレスに設定されればよい。
【0136】
また、課金情報の送信は、必ずしも、電子メールにより行われなくてもよく、他の方法により行われてもよい。たとえば、携帯端末装置30に対するプッシュ通知によって、課金情報の通知が行われてもよい。この場合、課金データベースに登録される送信先アドレスは、携帯端末装置30に対してプッシュ通知を行うためのアドレス情報に変更される。
【0137】
また、課金情報が、サーバ50から台所リモコン13に送信されて、台所リモコン13において表示されてもよい。この場合、ルータ20がサーバ50と台所リモコン13の無線通信部136との間の通信を中継することにより、サーバ50から台所リモコン13に課金情報が送信される。
【0138】
また、図6(a)のフローチャートでは、単位設定期間の終了時点で課金情報が送信先アドレスに送信されたが、単位設定期間の中間地点等、単位設定期間内の所定の時点で、当該時点までの使用料金を含む課金情報が、送信先アドレスに送信されてもよい。これにより、使用者は、単位設定期間の途中において、給湯装置10の使用料金および使用状況を把握でき、当該単位設定期間における使用料金を予測できる。また、使用者は、単位設定期間の途中において、給湯装置10の使用料金および使用状況を把握することにより、適宜、その後の給湯装置10の使用頻度等を修正することができる。
【0139】
また、上記実施形態では、課金のための単位設定期間として、たとえば1ヶ月が例示されたが、単位設定期間はこれに限られるものではない。たとえば、単位設定期間が、2ヶ月や3ヶ月等の他の期間に設定されてもよい。
【0140】
また、給湯装置10の使用状況を示す使用状況情報は、上記実施形態で例示した給湯装置10の燃焼量、燃焼時間および湯水供給時間や、上記変更例1で例示した給湯装置10の湯水供給量および発電時間に限られるものではなく、給湯装置10の使用状況に基づき使用料金を設定可能な限りにおいて、他の情報であってもよい。たとえば、浴室リモコン12および台所リモコン13が運転オン状態にある時間が、使用状況情報として用いられてもよい。
【0141】
また、上記実施形態では、使用状況情報として例示された複数のパラメータ(上記では燃焼量、燃焼時間および湯水供給時間)の何れか1つが、使用料金の設定に用いられたが、これらのパラメータの2つ以上を所定のルール(たとえば算出式)で組み合わせることによって、使用料金を設定するための期間使用累積値が取得されてもよい。この点は、変更例1においても同様である。
【0142】
また、上記実施形態では、使用状況監視部111aが給湯器11に設けられ、使用状況送信部133aが台所リモコン13に設けられたが、使用状況監視部111aおよび使用状況送信部133aの配置はこれに限られるものではない。たとえば、使用状況監視部111aが、浴室リモコン12または台所リモコン13に設けられてもよい。あるいは、給湯システム1に図2以外の制御装置が配置される場合、この制御装置に使用状況監視部111aが設けられてもよく、さらに、この制御装置がサーバ50と通信可能であれば、この制御装置に使用状況送信部133aが設けられてもよい。この点は、変更例1においても同様である。
【0143】
なお、このように使用状況監視部が給湯器11以外の装置に配置される場合、この装置に対し、使用状況を監視するための情報(たとえば、図3の流量センサS1、サーミスタS2、S3、燃焼センサS4および燃焼センサS5の検知結果や、ガス電磁弁216の開閉量)が随時送信される。使用状況監視部は、受信した情報に基づいて、給湯装置の使用状況を監視する。
【0144】
また、上記実施形態では、給湯装置10を構成する台所リモコン13に無線通信部136が設けられたが、無線通信部が給湯器11に設けられて給湯器11がルータ20に接続されてもよい。あるいは、給湯器11、浴室リモコン12および台所リモコン13以外に無線通信部を備えた制御ユニットが給湯装置10に配置され、この制御ユニットがルータ20に接続されてもよい。この場合、上記実施形態における台所リモコン13による制御は、制御ユニットによって行われる。
【0145】
また、給湯装置10の構成は、上記実施形態および変更例1に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。たとえば、給湯装置10が、ふろ機能を有さない構成であってもよく、あるいは、ふろ機能のみを有する構成であってもよい。また、給湯装置10は、ガス燃料を用いるものに限らず、オイルを燃料とする給湯装置であってもよい。
【0146】
また、上記実施形態および変更例1では、使用状況監視部、使用状況送信部、課金情報生成部および課金情報送信部が、制御プログラムによるソフトウエアの機能により実現されたが、これらがロジック回路を用いたハードウエアにより実現されてもよい。
【0147】
また、図6(b)の処理が省略されて、使用料金の設定方法が1種類に固定されてもよい。
【0148】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0149】
1 給湯システム
10 給湯装置
40 外部通信網
50 サーバ
111a、141a 使用状況監視部
133a 使用状況送信部
501a 課金情報生成部
501b 課金情報送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8