(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027643
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】ノズル洗浄が可能なディスペンス装置
(51)【国際特許分類】
B05C 11/10 20060101AFI20220203BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
B05C11/10
B05C5/00 101
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124515
(22)【出願日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0094946
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】504115688
【氏名又は名称】プロテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PROTEC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン セン ミン
(72)【発明者】
【氏名】リ ダエ ヨン
【テーマコード(参考)】
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4F041AA06
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA22
4F041BA60
4F042AA06
4F042AB00
4F042BA09
4F042BA11
4F042CC04
4F042CC08
4F042CC15
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】効果的にノズルを洗浄しながら洗浄液を容易に管理することができる、ノズル洗浄が可能なディスペンス装置を提供する。
【解決手段】ノズルを介して粘性溶液をディスペンスするディスペンシングポンプ100と、ディスペンシングポンプ100を移送するポンプ移送ユニット200と、前記ノズルが洗浄液に浸漬されるように前記洗浄液を噴出するディッピング部310、ディッピング部310から流れる前記洗浄液を受けて収容するディッピング貯蔵部、前記洗浄液が貯蔵される貯蔵タンク、前記貯蔵タンクとディッピング部310とを連結する供給流路、前記供給流路に設置される供給ポンプ、及び前記ディッピング貯蔵部と前記貯蔵タンクとを連結する回収流路を備える洗浄ユニット300と、ディスペンシングポンプ310、ポンプ移送ユニット200及び洗浄ユニット300の作動を制御する制御部400と、を含む、ノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状樹脂材質の粘性溶液を塗布するノズル洗浄が可能なディスペンス装置であって、
ノズルを介して前記粘性溶液をディスペンスするディスペンシングポンプと、
前記ディスペンシングポンプを移送するポンプ移送ユニットと、
前記ポンプ移送ユニットによって移送された前記ディスペンシングポンプのノズルが洗浄液に浸漬されるように前記洗浄液を噴出するディッピング部、前記ディッピング部から噴出されて流れる前記洗浄液を受けて収容するディッピング貯蔵部、前記ディッピング部へ供給すべき前記洗浄液が貯蔵される貯蔵タンク、前記貯蔵タンクと前記ディッピング部とを連結する供給流路、前記貯蔵タンクに貯蔵された前記洗浄液を前記ディッピング部へ供給することができるように前記供給流路に設置される供給ポンプ、及び前記ディッピング貯蔵部に収容された前記洗浄液を前記貯蔵タンクへ送ることができるように前記ディッピング貯蔵部と前記貯蔵タンクとを連結する回収流路を備える洗浄ユニットと、
前記ディスペンシングポンプ、前記ポンプ移送ユニット及び前記洗浄ユニットの作動を制御する制御部と、を含む、ノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項2】
前記洗浄ユニットの貯蔵タンクは、前記ディッピング貯蔵部よりも下側に配置される、請求項1に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項3】
前記洗浄ユニットは、前記ディッピング部に供給される前記洗浄液の流量を調節することができるように前記供給流路に設置される流量調節弁をさらに含む、請求項2に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項4】
前記洗浄ユニットの流量調節弁は、ボルト形態の調節部を手動で操作して、前記供給流路の流路の大きさを調節するように形成される、請求項3に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項5】
前記洗浄ユニットの流量調節弁は、前記供給ポンプと前記ディッピング部との間の供給流路に設置される、請求項4に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項6】
前記洗浄ユニットは、前記貯蔵タンクに貯蔵される前記洗浄液の水位を感知して前記制御部へ伝達するように前記貯蔵タンクに設置されるレベルセンサーをさらに含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項7】
前記洗浄ユニットは、前記貯蔵タンクの水位が低くなることを知らせることができるように警報を発生する警報ユニットをさらに含み、
前記制御部は、前記レベルセンサーによって水位が低くなることが感知されると、前記警報ユニットを作動させる、請求項6に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項8】
前記洗浄ユニットは、前記貯蔵タンクに前記洗浄液を補充することができるように前記貯蔵タンクに連結される補充流路をさらに含む、請求項6に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項9】
前記洗浄ユニットは、漏斗状に形成され、前記ディッピング貯蔵部に着脱可能に設置されるリフィル補助部材をさらに含む、請求項6に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項10】
前記洗浄ユニットの供給ポンプはメンブランポンプで構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記ポンプ移送ユニットによって前記ディスペンシングポンプのノズルが前記洗浄ユニットのディッピング部に配置されるとき、前記ディッピング部において前記洗浄液が一定の周期でパルス流動するように前記洗浄ユニットの供給ポンプを作動させる、請求項10に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項12】
前記洗浄ユニットは、洗浄液の漏れを感知するように前記流量調節弁の下側に配置され、漏水感知信号を前記制御部に伝達する漏水センサーをさらに含む、請求項3乃至5のいずれか一項に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【請求項13】
前記洗浄ユニットは、洗浄液が漏れることを知らせることができるように警報を発生する警報ユニットをさらに含み、
前記制御部は、前記漏水センサーで前記洗浄液の漏れが感知されると、前記警報ユニットを作動させる、請求項12に記載のノズル洗浄が可能なディスペンス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル洗浄が可能なディスペンス装置に係り、より詳細には、粘性溶液をディスンスする装置のノズルを洗浄液で洗浄することができる機能を持つ、ノズル洗浄が可能なディスペンス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工程または半導体部品を製作する工程において、粘性溶液をディスペンスする工程は広く使用される。
【0003】
このようなディスペンス工程に使用される粘性溶液は、種類が非常に多様である。このような粘性溶液をディスペンスする場合には、ノズルの先端における粘性溶液が固まってディスペンス工程の品質に影響を及ぼすことがしばしば発生する。
【0004】
特に、硬化速度の非常に速い接着液を粘性溶液としてディスペンスする場合には、接着液塗布工程の進行中にノズルの下面または側面に接着液がくっ付いて硬化が進められる現象が発生する確率が高くなる。
【0005】
このようにノズルに接着液がくっ付いて硬化が進められると、接着液塗布工程の品質が低下するという問題が発生する。かかる問題の発生を防止するために、ノズルに付着した接着液を効果的に洗浄し拭き取ることができる装置が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-1806033号(2018年1月11日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した必要性を解決するためになされたもので、その目的は、効果的にノズルを洗浄しながら洗浄液を容易に管理することができる、ノズル洗浄が可能なディスペンス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を解決するための本発明のノズル洗浄が可能なディスペンス装置は、液状樹脂材質の粘性溶液を塗布するノズル洗浄が可能なディスペンス装置であって、ノズルを介して前記粘性溶液をディスペンスするディスペンシングポンプと、前記ディスペンシングポンプを移送するポンプ移送ユニットと、前記ポンプ移送ユニットによって移送された前記ディスペンシングポンプのノズルが洗浄液に浸漬されるように前記洗浄液を噴出するディッピング部、前記ディッピング部から噴出されて流れる前記洗浄液を受けて収容するディッピング貯蔵部、前記ディッピング部へ供給すべき前記洗浄液が貯蔵される貯蔵タンク、前記貯蔵タンクと前記ディッピング部とを連結する供給流路、前記貯蔵タンクに貯蔵された前記洗浄液を前記ディッピング部へ供給することができるように前記供給流路に設置される供給ポンプ、及び前記ディッピング貯蔵部に収容された前記洗浄液を前記貯蔵タンクへ送ることができるように前記ディッピング貯蔵部と前記貯蔵タンクとを連結する回収流路を備える洗浄ユニットと、前記ディスペンシングポンプ、前記ポンプ移送ユニット及び前記洗浄ユニットの作動を制御する制御部と、を含むことに特徴がある。
【発明の効果】
【0009】
本発明のノズル洗浄が可能なディスペンス装置は、ノズルに付着した粘性溶液を効果的に洗浄しながら洗浄液を円滑に供給及び管理することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例によるノズル洗浄が可能なディスペンス装置の平面図である。
【
図2】
図1に示されたノズル洗浄が可能なディスペンス装置の正面図である。
【
図3】
図1に示されたノズル洗浄が可能なディスペンス装置の洗浄ユニットの斜視図である。
【
図4】
図3に示された洗浄ユニットの左側面図である。
【
図5】
図3に示された洗浄ユニットの作動を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明によるノズル洗浄が可能なディスペンス装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施例によるノズル洗浄が可能なディスペンス装置の平面図、
図2は
図1に示されたノズル洗浄が可能なディスペンス装置の正面図である。
【0013】
図1及び
図2を参照すると、本実施例のノズル洗浄が可能なディスペンス装置は、ディスペンシングポンプ100、ポンプ移送ユニット200、及び洗浄ユニット300を含んでなる。
【0014】
ディスペンシングポンプ100は、ノズル110を備える。ディスペンシングポンプ100は、ノズル110を介して接着剤などの液状樹脂材質の粘性溶液を塗布する。ディスペンシングポンプ100を介して、半導体部品、電子装置、パッケージなどに粘性溶液を塗布する。
【0015】
粘性溶液を塗布するディスペンシングポンプ100は、公知の様々な構造のポンプが使用できる。
【0016】
ポンプ移送ユニット200は、ディスペンシングポンプ100を移送するように構成される。本実施例のポンプ移送ユニット200は、ディスペンシングポンプ100を水平方向及び垂直方向に移送する。ディスペンシングポンプ100の下側には、トレイ20に据え置かれた多数の資材10が配列される。ポンプ移送ユニット200は、それぞれの資材10に順次粘性溶液が塗布されるようにディスペンシングポンプ100を順次移送する。ポンプ移送ユニット200は、リニアモーターなどの公知の構成を用いて必要に応じて多様に構成できる。
【0017】
洗浄ユニット300は、ディスペンシングポンプ100のノズル110を洗浄したり、ノズル110の先端の粘性溶液が硬化することを防止したりするためのものである。ノズル110の先端にくっ付いた或いはこびり付いた粘性溶液が空気または空気中の水分と接触して硬化することがある。洗浄ユニット300は、洗浄液を用いて、このような現象の発生を防止する。
【0018】
洗浄ユニット300がエタノールなどの洗浄液の流れを発生させると、ポンプ移送ユニット200がディスペンシングポンプ100を移送してノズル110の流れる洗浄液に浸かるようにしてノズル110を洗浄したり粘性溶液の硬化を防止したりする。予め定められた時間間隔又は予め定められた回数のディスペンシング作業の後に、ポンプ移送ユニット200は、ディスペンシングポンプ100を洗浄ユニット300へ移送してノズル110が洗浄されるようにする。
【0019】
図3乃至
図5を参照すると、本実施例のノズル洗浄が可能なディスペンス装置において、洗浄ユニット300は、ディッピング部310と、ディッピング貯蔵部320と、貯蔵タンク370と、供給ポンプ330とを含む。
【0020】
洗浄液は、貯蔵タンク370に貯蔵される。貯蔵タンク370に貯蔵された洗浄液は、ディッピング部310へ供給される。供給流路340は、貯蔵タンク370とディッピング部310とを連結する。供給流路340には供給ポンプ330が設置される。供給ポンプ330は、貯蔵タンク370に貯蔵された洗浄液を供給流路340を介してディッピング部310へ供給して、洗浄液がディッピング部310を介して噴出されるようにする。本実施例の場合、供給ポンプ330としてメンブランポンプタイプのポンプが使用される。
【0021】
ディッピング部310は、供給流路340を介して供給された洗浄液が噴出して流れるように形成される。ディスペンシングポンプ100のノズル110は、ディッピング部310から流れる洗浄液に浸かるように配置された状態で洗浄される。本実施例の場合、ディッピング部310は、上側に洗浄液を噴出するように形成される。
【0022】
図2に示すように、ディッピング貯蔵部320は、ディッピング部310の外側を包む容器の形で形成される。ディッピング部310から噴出されてノズル110を洗浄した洗浄液は、下側へ流れてディッピング貯蔵部320に集まる。ディッピング貯蔵部320は、貯蔵タンク370よりも上側に配置される。
【0023】
回収流路360は、ディッピング貯蔵部320と貯蔵タンク370とを連結する。ディッピング貯蔵部320に貯蔵された洗浄液は、回収流路360を介して下側の貯蔵タンク370へ流れる。このような構造により、洗浄液は、供給流路340と回収流路360を介して循環する。つまり、供給流路340を介して貯蔵タンク370からディッピング部310に供給された洗浄液は、ディッピング貯蔵部320へ流れて回収流路360を介して再び貯蔵タンク370に送られ、供給ポンプ330によって循環する。
【0024】
供給ポンプ330とディッピング部310との間の供給流路340には、流量調節弁350が設置される。流量調節弁350は、ディッピング部310に供給される洗浄液の流量を手動で調節することができるように構成される。本実施例の場合、流量調節弁350は、
図3に示すように、ボルト形態の調節部351を手動で操作して供給流路340の流路の大きさを調節するように形成される。つまり、調節部351を締めると流量が減少し、調節部351を緩めると流量が増加するように、流量調節弁350は作動する。
【0025】
洗浄ユニット300は、補充流路361をさらに含む。本実施例の場合、
図4に示すように、補充流路361は、回収流路360に連結されるように形成される。補充流路361は、平常時に栓が被せられて塞がっている。貯蔵タンク370に洗浄液を補充する必要がある場合には、栓を開いて補充流路361を介して洗浄液を追加供給する。補充流路361に供給された洗浄液は、回収流路360を介して貯蔵タンク370へ流れる。
【0026】
場合によっては、ディッピング貯蔵部320を介して洗浄液を補充又は供給することもできる。このために、
図3に示すように、洗浄ユニット300は、ディッピング貯蔵部320に着脱可能に設置されるリフィル補助部材363を含む。リフィル補助部材363は、漏斗状に形成される。洗浄液の補充が必要な場合には、リフィル補助部材363をディッピング貯蔵部320に嵌め込み、リフィル補助部材363の助けを受けて洗浄液をディッピング貯蔵部320に注いで補充する。ディッピング貯蔵部320に供給された洗浄液は、回収流路360を介して貯蔵タンク370へ流れる。洗浄液を補充する場合以外は、リフィル補助部材363は、ディッピング貯蔵部320から分離して別途保管する。
【0027】
制御部400は、ディスペンシングポンプ100、ポンプ移送ユニット200及び洗浄ユニット300の作動を制御する。
【0028】
洗浄ユニット300の貯蔵タンク370にはレベルセンサー381が設置される。レベルセンサー381は、貯蔵タンク370に貯蔵される洗浄液の水位を感知する。貯蔵タンク370の洗浄液の水位が一定のレベル以下に低下すると、レベルセンサー381は、これを感知して制御部400へ伝達する。
【0029】
本実施例の場合、洗浄ユニット300は、スピーカータイプの警報ユニット390を備える。レベルセンサーから貯蔵タンク370の洗浄液の量が足りないという信号が制御部400に感知されると、制御部400は、警報ユニット390を作動させて警報音を発生させる方法で、このような事実をユーザーに知らせる。
【0030】
洗浄ユニット300は、漏水センサー382をさらに含む。漏水センサー382は、洗浄液が漏れるか否かを感知して制御部400へ伝達する。本実施例の場合、漏水センサー382は、流量調節弁350の下側に配置される。様々な種類のセンサーが漏水センサー382として使用できる。本実施例の場合、洗浄液の漏れを光学的に感知して漏水有無を把握するセンサーが使用される。漏水センサー382から洗浄液の漏れ信号が発生して制御部400に伝達されると、制御部400は、警報ユニット390を作動させて警報音を発生させる。このような方法で、制御部400は、洗浄液の漏れをユーザーに知らせる。
【0031】
一方、制御部400は、洗浄ユニット300の供給ポンプ330を様々な方法で作動させる。上述したようにメンブランポンプタイプの供給ポンプ330を制御部400が比較的高い周波数で作動させると、ディッピング部310において洗浄液は均一な流量で流れる。必要に応じて、制御部400は、ディッピング部310において洗浄液が一定の周期でパルス流動するように供給ポンプ330を作動させることもできる。例えば、ポンプ移送ユニット200によってディスペンシングポンプ100のノズル110がディッピング部310に配置されるとき、制御部400は、ディッピング部310における洗浄液のパルス流動を発生させることができる。つまり、制御部400は、ディッピング部310から噴出される洗浄液の流量を一定の周期で増加又は減少させる方式で供給ポンプ330の作動を制御することができる。
【0032】
このように制御部400が供給ポンプ330を作動させることにより、ノズル110の洗浄機能や粘性溶液硬化防止機能をさらに効果的に達成することが可能である。
【0033】
以下、上述したように構成された本実施例のノズル洗浄が可能なディスペンス装置の作動について説明する。
【0034】
まず、洗浄ユニット300の貯蔵タンク370に洗浄液を充填する。貯蔵タンク370に洗浄液を充填する方法は、二つの方法が使用可能である。第一に、補充流路361を用いて洗浄液を貯蔵タンク370に供給することができる。補充流路361に洗浄液供給管を連結して洗浄液を供給すると、洗浄液は、貯蔵タンク370へ流れて貯蔵タンク370に充填される。必要に応じて、補充流路361を開放して洗浄液を供給することもでき、補充流路361に洗浄液供給管が連結されるように装置を構成して弁を開閉する方法で洗浄液を供給することもできる。第二に、
図3に示すように、リフィル補助部材363を用いて洗浄液を供給することもできる。リフィル補助部材363をディッピング貯蔵部320に装着して洗浄液を注ぐと、洗浄液が回収流路360に沿って流れながら貯蔵タンク370に貯蔵される。制御部400は、レベルセンサー381を介して、貯蔵タンク370に洗浄液が十分に充填されたか否かを把握することができる。
【0035】
貯蔵タンク370に洗浄液が十分に充填されると、制御部400は、洗浄ユニット300の供給ポンプ330を作動させる。供給ポンプ330が作動すると、貯蔵タンク370の洗浄液は、供給流路340を介してディッピング部310へ送られて噴出される。ユーザーは、供給流路340に設置された流量調節弁350の調節部351を操作して、ディッピング部310に噴出される洗浄液の流量を微調整する。ユーザーがボルト形態で形成された調節部351を締めると、供給流路340が狭くなって洗浄液の流量が減少し、ユーザーが調節部351を緩めると、供給流路340が広くなって洗浄液の流量が増加する。周囲温度、洗浄液の粘性、貯蔵タンク370に残った洗浄液の容量などの因子に応じて、同一の条件でも微細に洗浄液の流量が変わりうるが、ユーザーが流量調節弁350を操作することにより、洗浄液の流量を容易に調節することができる。
【0036】
制御部400は、一定の時間間隔または所定の数の資材10に対するディスペンシング作業の完了時ごとにポンプ移送ユニット200を作動させて、ディスペンシングポンプ100をディッピング部310へ移送する。ディスペンシングポンプ100のノズル110がディッピング部310に近接すると、ノズル110の粘性溶液が洗浄液によって洗浄されたり硬化が防止されたりする。上述したように、制御部400は、必要に応じて、パルス波動などの様々なパターンで洗浄液がディッピング部310から噴出されるように供給ポンプ330の作動を制御する。また、ディスペンシングポンプがディスペンシング作業を行わない遊休状態のときにも、制御部400は、ポンプ移送ユニット200によってディスペンシングポンプ100をディッピング部310へ移送してノズル110を洗浄液に浸漬する。
【0037】
上述したようにディッピング部310を介して噴出された洗浄液は、ディッピング貯蔵部320へ流れ、再び回収流路360を介して貯蔵タンク370へ流れる。したがって、洗浄液は、貯蔵タンク370とディッピング部310との間を連続的に循環しながら継続的に使用される。
【0038】
本実施例のノズル洗浄が可能なディスペンス装置は、ディッピング部310の下部に設置されたディッピング貯蔵部320と貯蔵タンク370が別途構成されることにより、様々な利点を持つ。洗浄液は、特性上、エタノールなどの揮発性溶液を使用する場合が多いので、使用中にも空気中に蒸発して量が減少する。本実施例のノズル洗浄が可能なディスペンス装置は、ディッピング貯蔵部320とは別に貯蔵タンク370が設けられるので、貯蔵タンク370に比較的多くの量の洗浄液を貯蔵して使用することができるという利点がある。したがって、洗浄液が蒸発して次第に減少しても、比較的長期間洗浄液をリフィルすることなく使用することができるという利点がある。つまり、洗浄液をリフィルするために、装備を立てることによる損失の発生を最小限に抑えることができるという利点がある。また、ディスペンシング作業を行わないときに制御部400が供給ポンプ330の作動を止めると、ディッピング部310の周辺の洗浄液は、貯蔵タンク370へ流れて貯蔵タンク370に貯留される。結果的に、洗浄液が空気と触れる空間または面積が減少することにより、洗浄液が失われることを防ぐことができる。
【0039】
一方、上述したように貯蔵タンク370の洗浄液の水位がレベルセンサー381よりも低くなると、制御部400がこれを感知する。制御部400は、警報ユニット390を作動させてユーザーに洗浄液の不足状態を知らせる。
【0040】
また、流量調節弁350の下側に設置された漏水センサー382は、洗浄液の漏れ有無を感知する。上述したように、ボルト形態の調節部351を備える構造で構成された流量調節弁350の構造上、流量調節弁350の周辺に漏水の発生可能性が存在しうるが、漏水センサー382は、このような状況に備えるための構成である。流量調節弁350またはその周囲の構成から洗浄液が漏れると、漏水センサー382でこれを感知して制御部400へ伝達する。制御部400は、漏れが感知されると、警報ユニット390を作動させて洗浄液の漏洩状況をユーザーに知らせる。
【0041】
以上、本発明について好適な例を挙げて説明及び図示したが、本発明の範囲が前述及び図示した形態に限定されるものではない。
【0042】
例えば、図面には示していないが、洗浄液に浸漬されたディスペンシングポンプ100のノズル110にくっ付いた洗浄液を拭き取るために、不織布、クリーニングシート、ブラシなどの構成を使用する別途の構成をさらに含む、ノズル洗浄が可能なディスペンス装置を構成することも可能である。
【0043】
また、貯蔵タンク370の外壁には、肉眼で洗浄液の残量を確認することができるように、垂直に配置される透明流路をさらに設置することも可能である。
【0044】
また、場合によっては、流量調節弁350を備えない構造のノズル洗浄が可能なディスペンス装置を構成することも可能である。
【0045】
また、供給ポンプ330も、メンブランポンプ以外に、他の多様な構造のポンプを使用することが可能である。
【0046】
また、レベルセンサー381、漏水感知センサー、警報ユニット390などの構成の一部または全部を備えない構造のノズル洗浄が可能なディスペンス装置を構成することも可能である。
【0047】
また、補充流路361は、回収流路360に連結されるように構成するものと前述したが、補充流路361が貯蔵タンク370に直接連結される構造のノズル洗浄が可能なディスペンス装置を構成することも可能である。補充流路361を備えない構造のノズル洗浄が可能なディスペンス装置を構成することも可能である。
【符号の説明】
【0048】
100 ディスペンシングポンプ
110 ノズル
200 ポンプ移送ユニット
300 洗浄ユニット
310 ディッピング部
320 ディッピング貯蔵部
330 供給ポンプ
340 供給流路
350 流量調整弁
351 調節部
360 回収流路
370 貯蔵タンク
381 レベルセンサー
382 漏水センサー
390 警報ユニット
361 補充流路
363 リフィル補助部材
400 制御部