(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028038
(43)【公開日】2022-02-14
(54)【発明の名称】端数資金振替蓄積システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/10 20120101AFI20220203BHJP
【FI】
G06Q20/10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207608
(22)【出願日】2021-12-21
(62)【分割の表示】P 2017109418の分割
【原出願日】2017-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 達雄
(57)【要約】
【課題】ユーザの日々の支払い等に基づいて所定の端数金額を算出し、目標金額に対する貯蓄金として振り替える。
【解決手段】端数資金振替蓄積DWH20に記憶された資金計算ルール情報と口座情報に基づいて顧客の資金口座から所定の蓄積口座へ振り替える振替資金を計算する資金計算手段11と、資金計算結果情報に基づいて金融機関装置40,50に資金振替指示情報を送信する資金振替指示手段12と、金融機関装置40,50からの資金振替結果情報に基づく蓄積資金情報を生成して顧客端末60に送信する蓄積資金情報生成手段13と、端数資金振替蓄積DWH20に記憶された蓄積資金情報と目標金額情報に基づいて、目標金額に対する蓄積資金の達成度を算出する目標金額達成度算出手段14を備える構成としてある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段と計算手段と指示手段とを備えた情報処理システムであって、
前記記憶手段は、所定のルールとユーザの第1の口座に関する情報とを記憶し、
前記計算手段は、前記所定のルールに基づいて、前記第1の口座から、前記ユーザの第2の口座に振り替えるべき振替金額を算出し、
前記指示手段は、前記振替金額に基づいて、前記第1の口座を管理する所定の金融機関装置に所定の資金振替指示情報を送信し、
前記所定のルールは、利用金額及び利用内容を含むカードの利用明細情報のレコードの各利用金額と所定の設定金額との差で示される端数金額を前記振替金額として算出するルールであり、
顧客に付与される所定のポイント値を算出するポイント値算出手段と、
ポイント値を含む所定のポイント情報を記憶するポイント値記憶手段と、を備え、
前記ポイント値算出手段が、
貯金又は投資を継続した期間及び/又は貯金又は投資する金額に基づき前記ポイント値を算出する
ことを特徴とする端数資金振替蓄積システム。
【請求項2】
前記指示手段が、定期的なタイミングで、前記金融機関装置に前記資金振替指示情報を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の端数資金振替蓄積システム。
【請求項3】
前記金融機関装置又は当該金融機関装置とは異なる装置が、
前記蓄積口座の振替金額が所定金額になると、当該振替資金によって、所定の金融商品の購入処理を実行する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の端数資金振替蓄積システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの貯蓄・資産形成等を支援するための技術に関し、特に、ユーザが所望する商品やサービス等を購入するための目標資金を無理なく貯蓄するのに有効な端数資金振替蓄積システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば金融商品や旅行、日用品など、ユーザが所望の商品やサービスを購入する場合には、そのための資金を貯めることが必要となる。
したがって、ユーザにとっては、所望の商品やサービスを購入するための購入資金・目標金額を効率的に形成・貯蓄することが重要な問題となる。
【0003】
このような商品やサービスを購入するための資金を貯蓄により形成するには、日々の支出を抑制・節約しつつ、例えば毎月一定金額を貯蓄に回すことが一般的である。
しかしながら、日々の支出を抑制したり節約したりすることは望ましいことではあるが、漠然と支出を抑えるというのは、具体的な数値目標等がない限り実際には難しいことであり、単に「支出を減らす、節約する」というだけでは、目標金額の貯蓄を達成するのは困難であった。
【0004】
一方、毎月一定金額を貯蓄するというのは、例えば積立預金などを利用して自動引落によって積立が行われるようにすることで、目標金額を確実に貯蓄できることにはなる。
しかしながら、毎月一定金額が強制的に貯蓄に回されることは、例えば急な出費等が重なったときなど、そのときのユーザの収支状況等によっては積立自体が厳しい場合もあり得る。このため、中途解約を含めて目標金額の貯蓄が達成されないことも少なくない。
また、一定金額が自動的に差し引かれる貯蓄は、支出を抑制しようとするユーザの日々の努力や行動パターン等とは無関係に行われるものであり、面白みに欠け、また、ユーザに節約を促すような動機やきっかけ等を与えることもほとんどなかった。
【0005】
このようなことから、ユーザの自発的な節約や支出抑制の意識を喚起して積極的な貯蓄を行わせつつ、単なる固定的な積立等ではない、柔軟で機動的な態様で効果的に目標金額の貯蓄を行わせる技術やサービスが望まれていたが、現在までのところ有効な提案はなされていなかった。
なお、特許文献1には、金融機関の口座から預金を払い戻しする場合に、払戻額の一部を自動的に貯蓄するようにした「自動貯蓄システム」が開示されている。
この特許文献1のシステムによれば、「預金を払い戻せば戻すほど預金も増えていく」ことにより、自動貯蓄用の口座の預金残高の向上が図れるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されているシステムでは、預金の払戻額の一部(例えば払戻額の20%)を貯蓄用の別口座に貯蓄・移動させるというもので、貯蓄額が増えるということは、払戻額もその分増えているということなる。
このため、例えば貯蓄用に回される金額(払戻額の20%)を見越して余分に払戻が行われれば、そのユーザのトータルでの貯蓄額は増えていないことになり、有効な貯蓄方法とはいえなかった。
【0008】
また、払戻額の一部が貯蓄に回るというだけでは、支出の抑制や節約を促すことにはならず、また、貯蓄することの目標や面白み等もなく、むしろ「預金を払い戻せば戻すほど預金も増えていく」ということで、無用・不要な払戻が行われるおそれもあった。
このため、この特許文献1のシステムでは、上述したようなユーザに日々の支出や行動パターンなどに沿って、継続的な貯蓄を行わせるという課題を解決できるものではなかった。
【0009】
本発明は、以上のような従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであり、ユーザの日々の支払い等に基づいて所定の端数金額を算出し、それらを目標金額に対する貯蓄金として振り替えることにより、無理のない範囲で効率よく継続的な貯蓄を実現することでき、支出の抑制や節約等も促して積極的な貯蓄行動を自然に奨励・喚起することができる、所望の商品やサービスの購入資金の貯蓄等に好適な、端数資金振替蓄積システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の端数資金振替蓄積システムは、記憶手段と計算手段と指示手段とを備えた情報処理システムであって、前記記憶手段は、所定のルールとユーザの第1の口座に関する情報とを記憶し、前記計算手段は、前記所定のルールに基づいて、前記第1の口座から、前記ユーザの第2の口座に振り替えるべき振替金額を算出し、前記指示手段は、前記振替金額に基づいて、前記第1の口座を管理する所定の金融機関装置に所定の資金振替指示情報を送信し、前記所定のルールは、利用金額及び利用内容を含むカードの利用明細情報のレコードの各利用金額と所定の設定金額との差で示される端数金額を前記振替金額として算出するルールであり、顧客に付与される所定のポイント値を算出するポイント値算出手段と、ポイント値を含む所定のポイント情報を記憶するポイント値記憶手段と、を備え、前記ポイント値算出手段が、貯金又は投資を継続した期間及び/又は貯金又は投資する金額に基づき前記ポイント値を算出する構成としてある。
【0011】
なお、本発明は、上記のような本発明に端数資金振替蓄積システムで実行される端数資金振替蓄積プログラムとして構成することができる。
さらに、本発明は、上記のような本発明に係る端数資金振替蓄積システム及びプログラムによって実施可能な端数資金振替蓄積方法として構成することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの日々の支払い等に基づいて所定の端数金額を算出し、それらを目標金額に対する貯蓄金として振り替えることができる。
これにより、無理のない範囲で効率よく継続的な貯蓄を実現することでき、支出の抑制や節約等も促して積極的な貯蓄行動を自然に奨励・喚起することができる。
したがって、様々なユーザの多様なニーズや行動パターン等に柔軟に対応した、特に個人向けや家族向け、グループ向けの商品やサービスの購入資金を貯蓄させるのに好適なサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す端数資金振替蓄積システムに備えられる記憶手段(端数資金振替蓄積DWH)の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて設定可能な「資金計算ルール」の一例を示す説明図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおける資金振替の処理動作の一例を示す説明図である。
【
図5】
図4に続く本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおける資金振替の処理動作の一例を示す説明図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は
図4に対応する時点の蓄積資金情報を、(b)は
図5に対応する時点の蓄積資金情報を、それぞれ示している。
【
図7】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は端数資金振替蓄積システムに設定可能な各種設定項目を選択可能に表示する設定画面を、(b)は(a)で選択された「資金計算ルール」の設定画面を、(c)は同じく(a)で選択された「月締め日」の設定画面を、それぞれ示している。
【
図8】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は
図3に対応する「資金計算ルール」の各設定項目を選択可能に表示する設定画面を、(b)は(a)で選択可能な「小銭残金ルール」の設定画面を、それぞれ示している。
【
図9】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は
図7(a)で選択された「アラート通知」の設定画面を、(b)は(a)で選択されたアラート通知を行う「月間目標貯金額」及び「節約ルール」の設定画面を、(c)は
図7(a)で選択された「月間目標貯金額」の設定画面を、それぞれ示している。
【
図10】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は
図7(a)で選択された「資金貯金用口座」の設定画面を、(b)は(a)で選択された「新しい資金貯金用口座を作成する」の設定画面を、(c)は(b)で選択・設定された「募金用」口座の設定画面を、それぞれ示している。
【
図11】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおける資金振替の処理動作の一例を示す説明図であり、
図4に対応する資金状況において、「標準」口座に加えて「募金用」口座を設定した場合を示している。
【
図12】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は
図11に対応する時点の「標準」口座の蓄積資金情報を、(b)は同じく「募金用」口座の蓄積資金情報を、それぞれ示している。
【
図13】
図11に続く本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおける資金振替の処理動作の一例を示す説明図であり、
図5に対応する資金状況において、「募金用」口座に資金振替を行った場合を示している。
【
図14】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は
図13に対応する時点の「標準」口座の蓄積資金情報を、(b)は同じく「募金用」口座の蓄積資金情報を、それぞれ示している。
【
図15】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は
図10(b)と同様の「新しい資金貯金用口座を作成する」の設定画面を、(b)は(a)で選択・設定された「募金用」口座の設定画面を、(c)は(b)で選択された「共有」の詳細設定画面を、それぞれ示している。
【
図16】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおける目標金額の達成度に応じたポイント付与についての説明図であり、(a)は所定期間にわたる継続ポイントの概念を、(b)は最終目標金額と月々の目標貯金額に応じた継続ポイントの具体例を示す表を、それぞれ示している。
【
図17】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は設定された目標金額に対する蓄積資金の達成度を表示する表示画面を、(b)は(a)で示される達成度に応じたポイントが付与されたことを通知する表示画面を、それぞれ示している。
【
図18】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は設定された目標金額に対する蓄積資金の達成度を表示する表示画面を、(b)は(a)で選択された「オファー」の表示画面において表示された商品を「ウィッシュリスト」に登録する場合の表示画面を、(c)は(b)で「ウィッシュリスト」に登録された商品について「自動注文」機能を有効/無効(ON/OFF)に設定する場合の表示画面を、それぞれ示している。
【
図19】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は設定された目標金額に対する蓄積資金の達成度を表示する表示画面を、(b)は(a)で示される達成度に応じて、「自動注文」機能が設定された商品の注文処理が実行されたことを通知する表示画面を、(c)は同じく、「自動注文」機能が設定されていない商品の注文処理を問い合わせる表示画面を、それぞれ示している。
【
図20】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は目標金額に対する蓄積資金の達成度「0%」の場合の表示画面を、(b)は同じく「31%」の場合の表示画面を、(c)及び(d)は、(a)及び(b)で示される達成度に応じて、設定された「目標達成日」に到達する可能性のある予測金額で購入可能な商材を提示する表示画面を、それぞれ示している。
【
図21】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は設定された目標金額に対する蓄積資金の達成度を表示する表示画面を、(b)は(a)で選択された「オファー」の表示画面において「スポンサーポイント」を貯めるための操作の一例を示す表示画面を、(c)は(b)で行われた操作に応じて「スポンサーポイント」が付与される場合の処理動作のフローチャートと、付与された「スポンサーポイント」を確認するための表示画面を、それぞれ示している。
【
図22】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は設定された目標金額に対する蓄積資金の達成度を表示する表示画面と、その時点で貯まっている「スポンサーポイント」を表示する表示画面を、(b)は所望のサービス(旅行)の注文処理を問い合わせる表示画面を、(c)は(b)で示された注文処理の支払いに、該当する「スポンサーポイント」を充当するか否かを問い合わせる表示画面を、それぞれ示している。
【
図23】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおいて顧客端末側に出力・表示される表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は
図3,
図8に対応する「資金計算ルール」の設定画面で、設定項目として「口座残高端数ルール」が追加された場合であり、(b)は(a)で選択可能な「口座残高端数ルール」の設定画面を、それぞれ示している。
【
図24】本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムにおけるサーバ又は端末のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る端数資金振替蓄積システムの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下に示す本発明の端数資金振替蓄積システムは、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示す本発明に係る所定の処理や機能等を行わせることができる。すなわち、本発明における各処理や手段,機能は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
【0015】
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。また、本発明に係る端数資金振替蓄積システムは、単一の情報処理装置(例えば1台のパーソナルコンピュータ等)で構成することもでき、複数の情報処理装置(例えば複数台のサーバコンピュータ群等)で構成することもできる。
【0016】
[システム構成]
図1に、本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システムの構成を示す。
同図に示す本発明の一実施形態に係るシステムは、端数資金振替蓄積サーバ10と、金融機関装置30~50、顧客端末60、販社装置70を備えた端数資金振替蓄積システム1として構成されている。
この端数資金振替蓄積システム1を構成する端数資金振替蓄積サーバ10,金融機関装置30~50,顧客端末60、販社装置70は、例えばインターネット等の所定のネットワークを介して、相互にデータ通信可能に接続される。
【0017】
[端数資金振替蓄積サーバ10]
端数資金振替蓄積サーバ10は、顧客(ユーザ)の入力操作に応じて設定されたルール情報に基づいて、当該顧客の資金口座から所定の蓄積口座へ資金を振り替えて、所定の目標金額を蓄積させるための情報処理装置であり、本発明に係る端数資金振替蓄積システムを構成している。
具体的には、端数資金振替蓄積サーバ10は、例えば1又は2以上のサーバコンピュータや、クラウドコンピューティングサービス上に構築された1又は2以上の仮想サーバからなるサーバシステム等によって構成することができる。
この端数資金振替蓄積サーバ10には、図示しないOS(Operating System)やDBMS(DataBase Management System)などが備えられ、サーバコンピュータとして運用されるようになっている。
なお、
図1に示される端数資金振替蓄積サーバ10の構成要素を、適宜、顧客端末60に持たせることも可能であり、例えば、資金計算ルールDB22(
図2参照)、資金計算手段11及び資金計算結果DB24を顧客端末60上で実装することもできる。
【0018】
そして、端数資金振替蓄積サーバ10には、Webサーバプログラムなどのミドルウェア上で稼働するソフトウェアが実装されるようになっている。
このソフトウェアは、1又は2以上の顧客端末60に対して、インターネット等のネットワークを介して、例えばAPI(Application Programming Interface)という形で利用可能なアプリケーションを公開、提供する。
これにより、各顧客端末60では、例えば金融機関などの顧客(以下「ユーザ」という)に対して提供される資産運用の提案,アドバイス等のサービスを提供するために運用される専用のアプリケーションプログラムやウェブブラウザ等を呼び出すことにより、本発明に係る端数資金振替蓄積システムの機能を実行させることができる。
【0019】
また、端数資金振替蓄積サーバ10には、データベース等として実装される端数資金振替蓄積DWH(データウェアハウス)20が備えられ(
図2参照)、後述する目標金額DB21,資金計算ルールDB22,口座情報DB23,資金計算結果DB24,資金振替結果DB25,蓄積資金DB26,ポイント管理DB27,購入品情報DB28の各データベースを構成するとともに、本発明に係る端数資金振替蓄積システムの運用に必要となる所定の情報を取得・蓄積する記憶手段が備えられる。
記憶手段には、各種の情報リソースとして、後述する金融機関のユーザの口座情報や属性情報,取引履歴情報などが記憶されるとともに、本実施形態に係る端数資金振替蓄積サーバ10に必要となる所定の情報が格納され、端数資金振替蓄積サーバ10の運用に伴って随時必要な情報が読み出されて、記憶・更新される。
【0020】
なお、このように端数資金振替蓄積サーバ10に記憶・蓄積される情報は、例えば金融機関装置30~50を備える各金融機関が有する勘定系・情報系の情報処理システムとなる自前の金融機関システムや、複数の金融機関に対して勘定系・情報系の情報処理システムを提供する金融機関基幹システムから、日次処理等により定期的に抽出して、端数資金振替蓄積サーバ10で取得、蓄積することができる。また、金融機関が連携できる自前の情報処理システムや外部の基幹システム等を有していない場合には、例えば手動で各種情報を端数資金振替蓄積サーバ10に登録・蓄積することもできる。
さらに、端数資金振替蓄積サーバ10に蓄積された情報は、ネットワークを介して、他のプログラム(例えば顧客端末60のアプリケーション等)において取得・参照することができる。また、例えば、端数資金振替蓄積サーバ10に蓄積された情報を、ネットワークを介して、金融機関装置30~50のプログラムにおいて取得・参照することができる場合、金融機関(クレジットカード会社・銀行・プリペイドカード会社等)は、ユーザが設定したルールや目標金額,取引履歴情報などから、ユーザのライフスタイルや嗜好を分析して、マーケティングに利用することができる。
【0021】
そして、以上のような端数資金振替蓄積サーバ10は、具体的には、
図1に示すように、資金計算手段11,資金振替指示手段12,蓄積資金情報生成手段13,目標金額達成度算出手段14,ポイント値算出手段15,購入品注文処理手段16,オファー情報送信手段17として機能するように構成されている。
資金計算手段11は、端数資金振替蓄積DWH20の資金計算ルールDB22に設定・記憶される資金計算ルール情報と、口座情報DB23に記憶される口座情報に基づいて、該当するユーザの資金口座から所定の蓄積口座へ振り替えるべき振替資金を計算する手段である(後述する
図4,5,11,13参照)。
具体的には、資金計算手段11は、ユーザの資金口座となる銀行の普通預金口座や当座預金口座の引落金額と所定の設定金額との差で示される端数金額を、本発明に係る「振替金額」として算出するようになっている。
【0022】
また、資金計算手段11は、ユーザの資金口座となるプリペイドカードのバリュー口座の預入金額(バリュー)と所定の設定金額との差で示される端数金額を、本発明に係る「振替金額」として算出するようになっている。これによって、ユーザが日々の買い物や運賃などの支払いに使用するプリペイドカードの残金金額のうち、所定の設定金額未満の端数金額を「振替金額」として端数貯金として蓄積できるようになる。
例えば、プリペイドカードで1日の間に累積した端数を自動的に貯金できるように、プリペイドカードを1日使った後の残金の1000円未満の端数を「振替金額」として貯金することで、財布を使って現金で支払った後に余る端数に相当する金額を貯金することができるようになる。
【0023】
また、資金計算手段11は、上記のような端数金額とともに又は端数金額に換えて、所定の固定金額を、本発明に係る「振替金額」として算出することができる。
また、資金計算手段11は、所定のイベント情報が入力された場合に、上述した固定金額を「振替金額」として算出することができる。
また、資金計算手段11は、上述したユーザの資金口座の引落金額が所定値に達したことを算出することができ、後述する蓄積資金情報生成手段13に、引落金額が所定値に達したことを示す情報、例えばアラート通知を顧客端末60に送信させることできる。
【0024】
さらに、資金計算手段11は、所定期間(例えば1カ月,2年等)の目標金額が設定されている場合に、その所定期間内の振替金額の総計が目標金額に達しない可能性があることを算出することができ、蓄積資金情報生成手段13に、そのような振替金額の総計が目標金額に達しない可能性があることを示す情報(アラート通知等)を顧客端末60に送信させることができる。振替金額が目標金額に到達しない可能性については、過去(例えば前月)の実績と比較することで推定することができる。
このようなアラート通知等の報知を行うことで、例えば引落金額が多くなって後述する節約ルールが守れなくなったり、目標金額の達成が困難になる可能性がある場合に、その旨をユーザに通知して、無駄遣いを止めて節約を促すことができるようになる。
【0025】
資金振替指示手段12は、端数資金振替蓄積DWH20の資金計算結果DB24に記憶される資金計算結果情報に基づいて、金融機関装置40,50に所定の資金振替指示情報を送信する手段である。
蓄積資金情報生成手段13は、資金振替結果を含む所定の蓄積資金情報を生成して、ユーザが操作可能な顧客端末60に参照可能に送信する手段である。
この蓄積資金情報生成手段13で生成・出力される蓄積資金情報としては、上記のような振替処理が実行される金融機関装置40,50の蓄積口座の現在の蓄積資金の金額やポイント等を示す所定の情報であり(後述する
図6,12,14参照)、これらの情報が蓄積資金DB26に記憶される。
【0026】
目標金額達成度算出手段14は、端数資金振替蓄積DWH20の蓄積資金DB26に記憶される蓄積資金情報と、目標金額DB21に設定・記憶される目標金額情報に基づいて、目標金額に対する蓄積資金の所定の達成度を算出する手段である。
ポイント値算出手段15は、ユーザに付与される所定のポイント値を算出する手段である。
このポイント値算出手段15で算出されるポイント値としては、例えば上述した蓄積資金情報として示される蓄積資金の金額や、クレジットカードの利用明細金額や利用回数、プリペイドカードによる支払金額や利用回数など、ユーザの日々の消費や決済,行動パターンなどに応じて所定のポイント値を算出・付与することができる。
【0027】
そして、本実施形態では、ポイント値算出手段15が、上述した目標金額達成度算出手段14で算出される達成度に基づいて、所定のポイント値を算出するようになっている(
図16~17参照)。
具体的には、ポイント値算出手段15は、目標金額達成度算出手段14で算出される達成度が、例えば10%,20%,30%,40%,50%・・・,100%となるのに対応して、達成度に応じた所定のポイント値を算出し、該当するユーザに付与・加算する。
また、ポイント値算出手段15は、後述する販社装置70から所定のスポンサーポイントが提供される場合にも、当該スポンサーポイントをポイント値として算出し、該当するユーザのポイント値として付与・加算する。
【0028】
ここで、ユーザに付与されるポイントは、本システムで蓄積された蓄積資金とともに現金として所定の商品・サービスの購入に充当できる、特定の商圏(店舗・用途・WEBサイトなど)でのみ利用可能なポイント値とすることができる。
このようなポイントが付与されることで、ユーザに対して本システムを利用した端数貯金や目標金額達成のインセンティブを与えることができ、また、ポイントを利用可能な特定の商圏における商品・サービスの購入や消費活動を促すことができるようになる。
また、目標金額に到達するまでの達成度に応じた各段階(マイルストーン)で少しずつポイントが付与されることで、例えば、ユーザが途中で目標金額や目標商品を簡単に変更しないようにすることもでき、仮に、目標商品等を変更した場合には、当該商品に利用可能なポイントが消失するようにすることで、目標達成を促進することができるようになる。
【0029】
このように、本実施形態では、目標金額の達成度などに応じた所定のポイント値の付与・加算をすることで、特定の商品と交換可能なクーポン券と比較して、本システムに対するユーザのメリットや利便性,貯蓄へのインセンティブや継続性などを高めることができる。
ユーザに付与されるポイント値は、端数資金振替蓄積DWH20のポイント管理DB27に記憶され管理される。
【0030】
購入品注文処理手段16は、ユーザが本システムにおける蓄積資金に基づいて購入を希望する所定の購入品情報に基づいて、目標金額に対する蓄積資金の達成度が所定の値となった場合に、所定の購入品注文処理を行う手段である。
ユーザが購入を希望する商品やサービス等の購入品情報は、端数資金振替蓄積DWH20の購入品情報DB28に設定・記憶されるようになっている。
ここで、ユーザが購入を希望する購入品情報は、顧客端末60における入力操作に応じて、例えばインターネットの通販サイト等で提供されている商品やサービスのWEB情報と連携して、所謂「ウィッシュリスト」,「ほしい物リスト」と同様に、購入を希望・検討している商品やサービスの内容や価格等を示すテキストや画像を含むWEB情報や、当該WEB情報を特定するURL等の情報を、購入品情報DB28に登録することができる。
【0031】
購入品注文処理手段16では、各ユーザの蓄積資金が設定された目標金額に到達すると、購入品情報として登録された商品・サービスについて、連携する通販サイト等のWEBサイトに対する注文処理(購入処理)を自動で実行する。したがって、各ユーザは、自身の顧客端末60から本システム(アプリケーション)において任意の購入品情報を登録することで、蓄積資金の目標達成後に該当商品等を自動購入することができるようになる。
また、購入品注文処理手段16は、蓄積資金の目標到達後に、該当ユーザに対して所定の通知情報を送信・通知してから、発注・注文処理を実行することもできる。
また、購入品注文処理手段16は、蓄積資金の目標到達後に、発注確認せずに自動発注処理を実行することで、当該ユーザに対して購入品がシークレットで発送されることになり、サプライズ的な驚きや喜びなどを与えることができる。
【0032】
なお、インターネットの通販サイト等では、「ウィッシュリスト」などに登録した商品等の価格が、登録後に金額が変動する場合がある。
この場合、本システムでは、目標金額や商品等の購入品情報が設定された時点で、当該商品の金額を固定して、蓄積資金の目標金額よりその時点での売価が高くなっている場合でも、目標設定時点の金額で購入できるようにすることができる。
また、該当商品等の金額が目標設定時よりも下がった場合には、その下がった金額で購入できるようにすることができる。
【0033】
また、購入品注文処理手段16の自動注文処理は、ユーザの顧客端末60からの入力操作に応じて、特定の日時に実行されるように設定することができる。
これにより、例えば家族や友人などの誕生日や記念日等を目標日として設定し、その目標日までに目標金額が貯められた場合には、その特定日に合わせて購入品注文処理手段16の自動注文処理が実行されるようにすることができる。
具体的には、あるユーザが、目標金額と目標日を決めて、本システムを介して奥さんにイヤリングを購入しようとする場合には、目標日として奥さんの誕生日を、購入品情報としてイヤリングを、目標金額としてイヤリングを購入可能な所定金額を設定することができる。購入品注文処理手段16は、当該ユーザの資金の蓄積状況に応じて、購入可能な候補商品(イヤリング)の情報を収集・抽出して顧客端末60に提示し、ユーザの購入操作等に応じて、一週間前ぐらいまでに発注処理を実行して指定日に商品が届くようにすることができる。
【0034】
オファー情報送信手段17は、所定の購入品を提供する販売会社に備えられる販社装置70から、ユーザに付与可能なポイント値を含む所定のオファー情報を受信して、ユーザが操作可能な顧客端末60に閲覧可能に送信する手段である。
ここで、オファー情報とは、本システムを介して販社装置70からユーザの顧客端末60に対して送信・提供される、商品やサービスの販売や宣伝広告等を行うための情報であり、各販売会社が提供する商品・サービスの内容や価格等を示すテキストや画像,URLを含むWEB情報である。
このオファー情報に、各販売会社やメーカーから本システムのユーザ向けに提供されるポイント(スポンサーポイント)のオファーが含まれており、例えば該当するオファー情報を閲覧したユーザには、所定のポイントが付与されるようになる(
図21参照)。
【0035】
これにより、ユーザは、操作する顧客端末60から本システムを介して興味のあるオファー情報のみ閲覧して、そこで提供・付与されているポイントを受け取ることができる。
具体的には、入力操作に応じて顧客端末60で選択されたオファー情報に含まれるポイント値が、本システムに係る所定のポイント値として、ポイント管理DB27に記憶され管理されるようになる。
なお、このオファー情報に含まれるポイントは、上述したポイント値算出手段15で算出・付与されるポイント値と合算して管理することもできるが、例えば、ポイントを提供する会社別のポイント(スポンサーポイント)として、各社別に独立して記憶・管理することもできる。
【0036】
例えば、ユーザが「ハワイ島の旅行」を目標として目標金額を設定している場合に、複数の旅行会社からポイント付与を含むオファー情報が提供されている場合に、ユーザは、各旅行会社のオファー情報を閲覧することで各社のポイントを獲得することができ、また、目標金額を達成した場合に、最もポイント値が多い旅行会社に対して、旅行ツアーの購入・申し込みを行って、旅行代金に付与ポイントを充当することができる。
また、各社別に付与されるスポンサーポイントは、閲覧した場合の他、当該会社の評価・アンケート・SNS投稿などを、インターネットを介して投稿等することによってポイントが付与されるようにすることもできる。例えば、SNS投稿するだけでポイントが付与される、投稿情報を他者が閲覧したらポイントが付与されるなど、ポイントが無理のない範囲で貯まるようにすることができる。この場合、各ユーザには、各社別の蓄積ポイント状況が分かるように情報が提供される(
図21参照)。
このようなスポンサーポイントの付与は、ユーザの個人情報等を欲する販売会社・メーカー等にとっても有用な手段となり、ユーザ登録等を条件としてポイント付与を提供することで、ユーザの個人情報や趣味・嗜好などの貴重な情報を収集することができるようになる。
【0037】
[端数資金振替蓄積DWH20]
記憶手段となる端数資金振替蓄積DWH20は、
図2に示すように、目標金額DB21,資金計算ルールDB22,口座情報DB23,資金計算結果DB24,資金振替結果DB25,蓄積資金DB26,ポイント管理DB27,購入品情報DB28として構成されている。
目標金額DB21は、ユーザの顧客端末60からの入力操作に応じて設定されたユーザ毎の所定の目標金額情報を記憶する記憶手段である。
この目標金額DB21に設定・記憶される目標金額情報としては、本システムにおいてユーザが最終的に貯めるための目標金額や、その目標金額を貯めるための目標期間、月間の目標貯金額などの情報が含まれる。
本システムは、この目標金額DB21に設定される目標金額情報を「ゴール(目標)」として、その目標(ゴール)達成に向けてユーザの貯金・投資行動を促すための様々なサービスを提供する「ゴール・ベース・プラットフォーム:GBP」サーバとして機能するようになっている。
【0038】
資金計算ルールDB22は、ユーザの顧客端末60からの入力操作に応じて設定されたユーザ毎の所定の資金計算ルール情報を記憶する記憶手段である。
ここで、資金計算ルールDB22に記憶される資金計算ルール情報としては、後述するように、ユーザが顧客端末60を介して設定する所定情報として、上述した目標金額DB21に設定された目標金額を達成するための各種のルール(端数ルール,節約ルール,小銭残金ルール,定期ルール,その他ルール等)などがある(後述する
図3参照)。
【0039】
口座情報DB23は、ユーザの資金口座等を管理する金融機関装置30~50から、当該ユーザの資金口座等に関する口座情報を受信して記憶する記憶手段である。
ここで、口座情報DB23に記憶される口座情報としては、後述するクレジットカード会社の金融機関装置30から送信されるクレジットカードの利用明細情報、銀行の金融機関装置40から送信される資金口座の取引情報、プリペイドカード会社の金融機関装置50から送信されるプリペイドカードの預入金の残金情報(バリュー情報)、などがある(後述する
図4,5,11,13参照)。
【0040】
資金計算結果DB24は、資金計算手段11で算出される振替資金を含む資金計算結果を示す情報を記憶する記憶手段である。
資金計算結果DB24に記憶される資金計算結果情報は、上述した資金計算手段11で計算・算出された「振替金額」を含む、後述する資金口座から蓄積口座への振替処理を実行するために必要となる所定の情報である(後述する
図4,5,11,13参照)。
【0041】
資金振替結果DB25は、資金振替指示情報を送信した金融機関装置40,50から、当該資金振替指示情報に基づく資金振替結果を示す情報を受信して記憶する記憶手段である。
資金振替結果DB25に記憶される資金振替結果情報は、上記のような資金振替指示手段12の指示によって銀行・プリペイドカードの金融機関装置40,50で実行された資金口座から蓄積口座への振替処理の結果を示す所定の情報である(後述する
図4,5,11,13参照)。
【0042】
蓄積資金DB26は、上述した蓄積資金情報生成手段13で生成される、資金振替結果を含む所定の蓄積資金情報を記憶する記憶手段である。
蓄積資金DB26に記憶される蓄積資金情報としては、上記のような振替処理が実行される金融機関装置40,50の蓄積口座の現在の蓄積資金の金額やポイント等を示す所定の情報である(後述する
図6,12,14参照)。
【0043】
ポイント管理DB27は、上述したポイント値算出手段15で算出・付与されるポイント値を含む所定のポイント情報を記憶する記憶手段である。
ポイント管理DB27に記憶されるポイント情報としては、上述した目標金額達成度算出手段14で算出される達成度に基づいて算出されるポイント値、販社装置70から提供されるオファー情報の閲覧等により付与されたポイント値(スポンサーポイント)などが、ユーザ毎の情報として記憶・管理されるようになっている。
【0044】
購入品情報DB28は、ユーザが蓄積資金に基づいて購入を希望する所定の購入品情報を記憶する記憶手段である。
購入品情報DB28に記憶される購入品情報としては、各ユーザが購入を希望・検討している商品やサービスの内容や価格等を示すテキストや画像を含むWEB情報や当該WEB情報を特定するURL等の情報である。
以上のような本実施形態に係る端数資金振替蓄積サーバ10・端数資金振替蓄積DWH20で実現される各手段の具体的な機能・動作については、顧客端末60に出力・表示される表示画面例を参照しつつ後述する(
図3~22参照)。
【0045】
[金融機関装置30~50]
金融機関装置30~50は、例えばクレジットカード会社や銀行,プリペイドカード会社などの金融機関に備えられる情報処理装置であって、上述した端数資金振替蓄積サーバ10とデータ通信可能に接続されるようになっている。
図1に示す例では、金融機関装置30はクレジットカード会社に設置される情報処理装置、金融機関装置40は銀行に設置される情報処理装置、また、金融機関装置50はプリペイドカード会社に設置される情報処理装置となっている。
なお、
図1に示す例では、クレジットカード会社の金融機関装置30,銀行の金融機関装置40,プリペイドカード会社の金融機関装置50がそれぞれ1つのみ示されているが、本システムにおいて、それぞれ複数の金融機関装置30~50を備えることができることは言うまでもない。
【0046】
[クレジットカード会社]
クレジットカード会社に設置される金融機関装置30は、当該クレジットカード会社が運営するクレジットカードの利用明細情報が記憶される記憶手段としてカード利用明細DB31が備えられる。
カード利用明細DB31に記憶される情報としては、当該クレジットカード会社が管理・運営する各クレジットカードについてのユーザの属性情報と、当該クレジットカードの利用日時や利用金額,利用内容等を示す利用明細情報などがある。
このクレジットカード会社が保有・管理する利用明細情報が、ユーザが目標金額の蓄積のための振替金額を算出するための、本発明に係る「引落金額」となる。
【0047】
ここで、クレジットカード会社が運営するカードとしては、例えば通常の本人用のクレジットカードの他、法人向けクレジットカード,家族向けクレジットカード,学生用クレジットカード,デビットカードなど、カードによる利用・支払が所定の銀行口座から引き落とされて決済されるカードであれば、本システムにおけるクレジットカードとして対象となる。
そして、カード利用明細DB31に記憶される情報が、ネットワークを介して端数資金振替蓄積サーバ10に送信され、各ユーザの口座情報として口座情報DB23に記憶されるようになっている。
【0048】
[銀行]
銀行に設置される金融機関装置40は、当該銀行が運営する預金口座の情報が記憶される記憶手段として資金口座DB41が備えられる。
資金口座DB41に記憶される情報としては、当該銀行が管理・運営する各種の預金口座(例えば普通預金・当座預金等の口座)についてのユーザの属性情報と、当該預金口座の残高や出入金履歴等の取引情報などがある。
この預金口座が、ユーザが目標金額の蓄積のために振り返る資金の振替元となる、本発明に係る「資金口座」を構成している。
また、この預金口座の取引情報が示す当該預金口座からの引落金額が、ユーザが目標金額の蓄積のための振替金額を算出するための、本発明に係る「引落金額」となる。
【0049】
ここで、銀行が管理・運営する預金口座としては、例えば普通預金や当座預金,貯蓄預金,通常貯金などの流動性の高い預金(貯金)口座や、定期預金や通知預金,積立預金などの流動性の低い預金(貯金)口座がある。
そして、カードや公共料金などの引落口座として利用可能な口座、具体的には普通預金や当座預金が、本発明に係る「資金口座」となる。
この資金口座DB41に記憶される情報が、ネットワークを介して端数資金振替蓄積サーバに送信され、各ユーザの口座情報として口座情報DB23に記憶されるようになっている。
【0050】
また、金融機関装置40は、当該銀行が運営する預金口座として、ユーザが目標金額の蓄積のために振り返る資金の振替先となる、本発明に係る「蓄積口座」(資金貯金口座)の情報が記憶される記憶手段として蓄積口座DB42が備えられる。
蓄積口座は、本発明に係る振替資金を蓄積・貯金するために用いられる口座であり、ユーザが入出金等の取引を行うことができない専用の口座、例えば当該金融機関の別段預金や債券購入用のプール口座等が割り当てられる。この蓄積口座が、ユーザが目標金額の蓄積のために振り返る資金の振替先となる、本発明に係る「蓄積口座」を構成している。
蓄積口座DB42に記憶される情報としては、当該口座を利用する各ユーザの属性情報と、ユーザ毎の蓄積口座の残高や出入金履歴等の取引情報などがある。
この蓄積口座DB42に記憶される取引情報が、ユーザが目標金額の蓄積のための資金の振替結果を含む所定情報となり、端数資金振替蓄積サーバ10に送信される。
【0051】
なお、以上のような蓄積口座は、後述するように、一人(単一)のユーザによって複数の蓄積口座を設定することが可能である。これによって、例えば蓄積口座として、純粋な資金貯蓄用の口座と募金用の口座というように、貯蓄の目的や目標金額、節約対象などに応じて、複数の蓄積口座を設けることができ(後述する
図10~14参照)、より積極的かつ前向きな貯蓄や節約行動を促すことができるようになる。
また、蓄積口座は、複数のユーザによって一つ(共通)の蓄積口座を設定することも可能である。これによって、例えば家族三人で一つの蓄積口座に端数資金や節約資金を貯蓄することができ(後述する
図15参照)、より効率的な貯蓄が行えるようにすることができる。
【0052】
そして、金融機関装置40では、上記のような蓄積口座の振替金額が所定金額になると、その振替資金によって、所定の金融商品の購入処理(資金の移動)を実行することができる。金融商品の購入処理は、金融機関装置40において自動的に、あるいは、ユーザの承認・依頼を得た後に実行することができる。
ここで、蓄積口座の振替資金によって購入(資金移動)可能な金融商品としては、例えば定期預金や外貨預金、投資信託や株式・債券等の証券などがある。
なお、金融商品の購入(資金移動)は、金融機関装置40が備えられる同一の金融機関(銀行)において、当該金融機関が販売する金融商品(定期預金等)を購入することもできるが、金融機関装置40が備えられる金融機関とは異なる他の金融機関、例えば他の銀行や証券会社、外国銀行等が販売する金融商品を購入することもできる。その場合には、購入資金となる振替資金を、他の金融機関に送金・振替等を行って所望の金融商品を購入することができる。
【0053】
[プリペイドカード会社]
プリペイドカード会社に設置される金融機関装置50は、当該プリペイドカード会社が運営するプリペイドカードの預入金(バリュー)のバリュー口座の情報が記憶される記憶手段として資金口座DB51が備えられる。
資金口座DB51に記憶される情報としては、当該プリペイドカード会社が管理・運営するプリペイドカードのバリュー口座についてのユーザの属性情報と、当該バリュー口座の残高や出入金履歴等の取引情報などがある。
このバリュー口座が、ユーザが目標金額の蓄積のために振り返る資金の振替元となる、本発明に係る「資金口座」を構成している。
また、このバリュー口座の残金金額のうち、所定の設定金額未満の端数金額が、本発明に係る「振替金額」となる。
【0054】
ここで、プリペイドカード会社が運営するカードとしては、例えば流通系プリペイドカード,交通系プリペイドカード,各種電子マネーカード,ポイントカードなどがあり、予め預入(チャージ)されられた金額(バリュー)の範囲で支払・決済が行われるカードであれば、本システムにおけるプリペイドカードとして対象となる。
そして、このユーザ毎にバリュー口座を管理する資金口座DB51に記憶される情報が、ネットワークを介して端数資金振替蓄積サーバに送信され、各ユーザの口座情報として口座情報DB23に記憶されるようになっている。
【0055】
また、金融機関装置50は、当該プリペイドカード会社が運営するプリペイドカードのバリュー口座から、ユーザが目標金額の蓄積のために振り返る資金の振替先となる、本発明に係る「蓄積口座」(資金貯金口座)の情報が記憶される記憶手段として蓄積口座DB52が備えられる。
蓄積口座は、本発明に係る振替資金を蓄積・貯金するために用いられる口座であり、ユーザが入出金等の取引を行うことができない特別の口座、例えばプリペイドカード会社が管理する専用口座等が割り当てられる。この蓄積口座が、ユーザが目標金額の蓄積のために振り返る資金の振替先となる、本発明に係る「蓄積口座」を構成している。
蓄積口座DB52に記憶される情報としては、当該口座を利用する各ユーザの属性情報と、ユーザ毎の蓄積口座の残高や出入金履歴等の取引情報などがある。
この蓄積口座DB52に記憶される取引情報が、ユーザが目標金額の蓄積のための資金の振替結果を含む所定情報となり、端数資金振替蓄積サーバ10に送信される。
【0056】
以上のような金融機関装置30~50が備えられる各金融機関は、自前の金融機関システムを備えるか、あるいは、外部の金融機関基幹システムによって、各金融機関が販売する投資商品や融資商品の情報や、当該金融機関のユーザの属性情報、口座取引の履歴情報、アクセス履歴の情報、カードの利用明細情報、入出金情報などを記憶・管理することができる。
このような金融機関システム・金融機関基幹システムは、対応する金融機関が有する勘定系・情報系の情報処理システムとして機能するものである。
なお、金融機関基幹システムとは、例えば1又は2以上の金融機関の外部委託に応じて当該金融機関のデータシステムの運用を業務として請け負う、所謂システム・インテグレーターと呼ばれる情報システム企業が所有する巨大なサーバシステム群によって構成・運用される。このような金融機関基幹システムとしては、例えば株式会社野村総合研究所が運用する、証券基幹系システム(STAR(登録商標))、銀行の金融商品仲介システム(BESTWAY(登録商標))などが知られている。
【0057】
[顧客端末60]
顧客端末60は、上述した金融機関(クレジットカード会社・銀行・プリペイドカード会社)のユーザ(顧客・投資家)が利用可能な情報処理装置であり、例えばユーザが自己所有するスマートフォンや携帯端末,PC,タブレット,金融機関装置30~50が備えられる金融機関側に設置されるPCや専用端末装置などで構成される。
この顧客端末60をユーザが操作して、端数資金振替蓄積サーバ10が提供するプログラムを呼び出すことができ、本発明に係る端数資金振替蓄積システムで提供される機能・サービスを実行・利用することができる。
なお、
図1に示す例では、1つの顧客端末60のみが示されているが、本システムにおいて、複数の顧客端末60を備えることができることは言うまでもない。
【0058】
具体的には、本実施形態に係る顧客端末60は、目標金額設定手段61と、資金計算ルール設定手段62と、表示手段63を備えている。
目標金額設定手段61は、顧客端末60の入力手段を介して行われるユーザの入力操作に応じて、本システムにおいてユーザが最終的に貯めるための貯蓄目標となる目標金額や、その目標金額を貯めるための目標期間、月間の目標貯金額などの情報を設定する手段である。
資金計算ルール設定手段62は、顧客端末60で行われる入力操作に応じて、目標金額を貯金するための所定の資金計算ルール情報を設定する手段である。
ここで、資金計算ルール設定手段62で設定可能な資金計算ルール情報としては、後述するように、貯蓄金額の目標となる所定の目標金額を達成するための各種のルール(端数ルール,節約ルール,定期ルール,その他ルール等)などがある(後述する
図3参照)。
【0059】
表示手段63は、顧客端末60に備えられる表示部・ディスプレイであり、例えばスマートフォンやタブレットのタッチパネル表示部や、PCに接続された液晶ディスプレイなどで構成される。この表示手段63を介して、上述した端数資金振替蓄積サーバ10の蓄積資金情報生成手段13で生成された所定の蓄積資金情報が、ユーザに視認可能に表示されるようになる。
ここで、表示手段63において出力・表示される蓄積資金情報は、上述した端数資金振替蓄積サーバ10で指示・実行される振替処理が実行される金融機関装置40,50の蓄積口座の現在の蓄積資金の金額等を示す所定の情報である(後述する
図6,12,14参照)。
【0060】
以上のようにして、本実施形態に係るユーザは、顧客端末60を使用して、インターネット等を介して端数資金振替蓄積サーバ10が提供するWebアプリケーション等にアクセスし、本発明に係る端数資金振替蓄積システムの機能を実行させることができるものである。
但し、このような本実施形態の構成に限られず、例えば、顧客端末60に専用のソフトウェアを導入・インストールして、金融機関装置30~50と直接通信することにより、本発明に係る端数資金振替蓄積システムの機能を実行させることもできる。この場合には、顧客端末60自身が、端数資金振替蓄積サーバ10を構成することになる。
また、例えば金融機関装置40,50に専用のソフトウェアを導入することにより、金融機関装置40,50と顧客端末60との間で直接的に本発明に係る端数資金振替蓄積システムの機能を実行させることもできる。この場合には、金融機関装置40,50が、端数資金振替蓄積サーバ10を構成することになる。
【0061】
[販社装置70]
販社装置70は、所定の販売会社やメーカー(以下「販売会社」という)に備えられる情報処理装置であり、ネットワークを介して端数資金振替蓄積サーバ10に対して所定のオファー情報を提供・送信する。
ここで、販売会社は、例えば旅行会社やインターネット通販会社,不動産会社,自動車ディーラー,マンションデベロッパーなど、本システムのユーザが目標・ゴールとして購入を希望する商品やサービス等を提供・販売する企業などであって、端数資金振替蓄積サーバ10とデータ通信可能に接続される情報処理装置として販社装置70が備えられている。
なお、
図1に示す例では、1つの販社装置70のみが示されているが、本システムにおいて、複数の販社装置70を備えることができることは言うまでもない。
【0062】
そして、各販社装置70からは、端数資金振替蓄積サーバ10に対して所定のオファー情報が送信され、端数資金振替蓄積サーバ10を介して顧客端末60にオファー情報が提供される。
ここで、販社装置70から提供されるオファー情報は、各販売会社が提供する商品・サービスの内容や価格等を示すテキストや画像,URLを含むWEB情報であり、また、オファー情報には、本システムのユーザ向けに提供されるポイント(スポンサーポイント)のオファーが含まれている。
そして、上述のとおり、該当するオファー情報を閲覧したユーザに、所定のポイントが付与されるようになっている(
図21参照)。
【0063】
このようなスポンサーポイントの付与により、各販売会社は、ユーザ登録等を条件としてポイント付与を提供することで、ユーザの個人情報や趣味・嗜好などの情報を収集できるようになる。
例えば、「海外旅行」をゴールとして目標金額を設定しているユーザは、旅行会社のオファー情報を閲覧することがあり、その際に、旅行代金に利用可能なスポンサーポイントを提供し、ポイント付与の条件として、例えばユーザの氏名や住所,電話番号,メールアドレス,希望旅行先,予算,設定目標金額等の情報の提供を求めることができる。
その結果、ユーザから上記のような個人情報等の提供を受けることができた販売会社は、そのユーザに対して的確な宣伝広告等のプロモーション活動を行うことができるようになる。
【0064】
なお、このような販社装置70に対するユーザ情報の送信・提供は、事前に当該ユーザの許諾・承認を得た上で実行されるものである。
また、販社装置70に提供されるユーザの情報は、ユーザの選択・設定等によって、特定情報(例えばメールアドレス)のみを提供可能とし、住所や電話番号などの重要な情報は提供されないようにすることできるものである。
さらに、上述したクレジットカード会社・銀行・プリペイドカード会社の各金融機関に備えられる金融機関装置30~50も、販社装置70として動作することもでき、例えば銀行であれば住宅ローンに関するプロモーション活動を行うことができる。この場合、銀行の金融機関装置40として動作することもできるし、金融機関装置40の中に販社装置70の機能を有している構成とすることもできる。
【0065】
[端数資金振替蓄積方法]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係る端数資金振替蓄積システム1の具体的な処理動作(端数資金振替蓄積方法)について、
図3~22を参照しつつ説明する。
まず、端数資金振替蓄積システム1の処理動作の前提として、ユーザの入力操作に応じて、顧客端末60から端数資金振替蓄積サーバ10に対して所定の資金計算ルールが設定される。
図3は、本実施形態に係る端数資金振替蓄積サーバ10において設定可能な「資金計算ルール」の一例を示す説明図である。
【0066】
[資金計算ルール]
資金計算ルールの設定は、ユーザが、自己が操作可能な顧客端末60(例えばスマートフォンやPC)を介して、専用アプリケーション又は指定のウェブサイト上で、所定の「資金計算ルール」の画面(
図7(b)参照)を開き、各種設定を行うことができる。設定された資金計算ルールは、端数資金振替蓄積サーバ10側の資金計算ルールDB22に格納される。
本実施形態では、資金計算ルールとして、ユーザにより設定された任意の「目標金額」(
図3,16~19参照)を達成するために、
図3に示すように、「端数ルール」,「節約ルール」,「小銭残金ルール」,「定期ルール」,「その他ルール」がそれぞれ設定されるようになっている。
【0067】
具体的には、
図3に示す例では、所定の「目標金額」達成のために以下のような「ルール」が設定可能であり、設定されたルールに従って算出される金額が「振替資金」として所定の資金口座から蓄積口座への振替対象とされ、「自動」又は「手動」の振替モードによって振替処理されるようになる。
[端数ルール]
・100円~999円の引落:1000円との差額の下2桁・手動
・1,000円~9,999円の引落:10,000円との差額の下3桁・手動
・10,000円以上の引落:10,000円単位との差額の下3桁・手動
[節約ルール]
・電気料金:20,000円との差額・自動
・水道料金:10,000円との差額・自動
・通信料金:10,000円との差額・自動
・外食:40,000円との差額・自動
[小銭残金ルール]
・毎日:1,000円未満の小銭を貯金・自動
[定期ルール]
・毎月:5,000円・自動
・毎週:0円・自動
・毎日:0円・自動
[その他ルール]
・キャッシュバック:全額・自動
・●●ポイント:全額・自動
・巨人勝利:100円・自動
・10Km走:100円・自動
【0068】
以上のような「資金計算ルール」が設定されることにより、まず「端数ルール」により、ユーザが日々の買い物等でクレジットカードを利用して引落口座からの引落があると、現金の紙幣(お札)で支払いをした場合に発生する釣銭(おつり)に相当する端数が資金計算手段11で算出され、その金額が振替資金として資金口座から蓄積口座に振り替えられることになる。例えば、「4,860円」の引落がある場合には、資金計算手段11で「5,000円-4,860円=140円」の計算処理が行われ、振替資金が「140円」と算出される。
なお、クレジットカードの利用・引落は、クレジットカード会社の金融機関装置30から送信されるカード利用明細情報に基づいて資金計算手段11によって参照・判別される。
【0069】
また、「節約ルール」により、電気料金等の光熱費や公共料金,あるいは外食等について、設定金額の差額が節約金として資金計算手段11で算出され、その金額が振替資金として資金口座から蓄積口座に振り替えられることになる。例えば、「電気料金」の設定金額として「20,000円」が設定され、ある月の電気料金の引落が「15,220円」であった場合には、資金計算手段11で「20,000円-15,220円=4,780円」の計算処理が行われ、振替資金が「4,780円」と算出される。
したがって、例えば電気料金の引落金額が設定金額(20,000円)を超える場合には、振替資金は算出されず、振替処理は実行されないことになる。
【0070】
なお、光熱費・公共料金の引落は、銀行の金融機関装置40から送信される引落情報に基づいて、あるいは、クレジットカード利用の場合にはクレジットカード会社の金融機関装置30から送信されるカード利用明細情報に基づいて、資金計算手段11によって参照・判別される。
また、外食の引落は、上述しクレジットカードのカード利用明細情報に基づいて判別される。例えば、クレジットカード会社のカード利用明細情報から業種コードを取得できる場合には、業種コードで判別することができる。また、業種コードがない場合には、店舗等の名称で判別することができる。また、ユーザが既存のカード明細から外食に分類する明細を指定することも可能である。
【0071】
また、「小銭残金ルール」により、ユーザが日々の買い物等でプリペイドカードを利用して支払・決済を行った結果、プリペイドカードの預入金(バリュー)の残金がある場合に、残金の端数として1,000円未満の金額が、現金の紙幣(お札)で支払いをした場合に発生する釣銭(おつり)に相当する端数として資金計算手段11で算出され、その金額が振替資金として資金口座から蓄積口座に振り替えられることになる。例えば、その日のプリペイドカードの残金が「1,865円」であった場合には、資金計算手段11で「1,865円-1,000円=865円」の計算処理が行われ、振替資金が「865円」と算出される。
プリペイドカードの残金情報については、プリペイドカード会社の金融機関装置50から送信されるプロペイドカードの取引情報(残金情報)に基づいて資金計算手段11によって参照・判別される。
なお、本実施形態では、「小銭残金ルール」として「毎日:1,000円未満」の小銭を振り返るようにしてあるが、これ以外にも、例えば「毎週:100円未満」や「毎月:500円未満」など、他のルールを設定できるようにすることも勿論可能である(
図8参照)。
【0072】
また、「定期ルール」が設定されることにより、例えば毎月・毎週・毎日等の所定周期ごとに、ユーザが設定した所定の固定金額を蓄積口座に振り替えることができる。
これは、既存の積立預金等とほぼ同様のものであるが、積立預金と比較して、少額でもよく、また、細かい周期を設定することができることから、金額や期間の自由度が高まり、ユーザが無理のない範囲で、少額の資金をコツコツと貯蓄することができるという利点がある。
【0073】
さらに、「その他ルール」として、キャッシュバックやポイント付与のサービスについて、それらを受け取らなかったことにして全額を蓄積口座に振り替えることができる。
また、ユーザが任意でルールを設定することができ、所定のイベントが発生した場合、例えば贔屓とするスポーツチーム(例えば巨人,浦和レッズ等)が勝利した場合には一定金額(例えば100円)を貯蓄することができ、貯蓄することが楽しみになるという効果が得られる。
なお、このようなイベント発生の有無は、例えばインターネット上のニュースサイトから該当するイベント情報が入力されることで判定することができる。
【0074】
また、「その他ルール」に該当する所定のイベントとしては、ユーザが例えば何か目標を達成した場合(例えばランニングで10Km走破や、ウォーキングで1万歩など、目標数字はユーザが任意に設定可能)に、自分に対する報酬(ご褒美)として、一定金額(例えば100円)を貯蓄することができる。このようにすると、ユーザのランニング等の目標の達成感と相俟って貯蓄の喜びをさらに増大させることが可能となる。
なお、ユーザがランニングした走行距離や歩数は、例えばウェアラブル端末やスマホ端末などのランニングを識別できる機器を用いて距離を測定することができ、測定された距離データを、端数資金振替蓄積サーバ10のアプリケーションから取得することできる。
【0075】
また、上記のように設定されたルールに基づく資金の振替は、振替モードとして「手動」と「自動」のいずれかのモードを選択的に設定することができる。
資金の振替モードを「手動」に設定した場合には、振替対象となる金額が抽出されると、その金額について振替対象であることが表示され、ユーザの入力操作に応じて、資金振替指示手段12による振替指示が実行されるようになる(後述する
図6,12,14参照)。したがって、ユーザの判断により、例えば資金事情(懐具合)によっては、振替処理を行わせないことも可能となる。
この場合、ユーザによる「手動」操作がなされるまでは、資金振替ステータスとしては「未貯金」となり、「手動」操作により振替処理が実行されると「貯金済」、また、口座の残高不足により振替処理が実行されなかった場合には「貯金失敗」となる(後述する
図4,5参照)
【0076】
一方、資金の振替モードを「自動」に設定した場合には、振替対象となる金額が抽出されると、自動的に資金振替指示手段12による振替指示が実行されるようになる。なお、この場合には、銀行の資金口座の残高が不足する場合には、振替処理は行われず、また、その旨を示す所定の報知(アラート通知等)が行われるようにすることができる。
また、プリペイドカード会社の預入金がない(ゼロ)の場合にも、「小銭残金」の振替処理は行われない。
【0077】
さらに、「自動」とした場合に、対象とした振替対象となる金額の抽出としては、銀行口座の引き落としレコードやクレジットカード利用明細のレコードが処理対象となり、内容(引き落とし件名、明細件名)から抽出することもできるし、支払先会社名から抽出することもできる。ここで、内容や支払先会社名から内容を分類化し、分類内容に応じて抽出対象とするかどうかを判断してもよい。
この場合、「自動」により振替処理が実行されると、資金振替ステータスとしては「貯金済」となり、また、口座の残高不足により振替処理が実行されなかった場合には「貯金失敗」となる(後述する
図4,5参照)
【0078】
[動作]
以上のような「資金計算ルール」が設定されている場合の、本実施形態における端数資金振替蓄積システム1の動作の一例について、
図4,5を参照しつつ説明する。
図4及び5は、本実施形態における端数資金振替蓄積システム1の動作の一例を示す説明図である。
まず、端数資金振替蓄積サーバ10では、
図4に示すように、定期的に口座情報DB23に格納されている銀行口座やカード利用明細,プリペイドカードの残金の情報が参照され、資金計算ルールDB22に設定された資金計算ルールに従って、資金計算手段11で資金計算が実行され、その資金計算結果が資金計算結果DB24に出力され記憶される。
なお、口座情報DB23に格納される口座情報は、クレジットカード会社の金融機関装置30,銀行の金融機関装置40,プリペイドカード会社の金融機関装置50から所定のタイミング(例えば日次処理)で必要な情報が送信され、口座情報DB23の情報が更新されるようになっている。
【0079】
図4に示す例では、4月11日の処理動作が示されており、銀行の金融機関装置40からの口座情報として、当該ユーザの普通預金口座の取引として「4月3日:電気料金・15,220円」、「4月11日:テニススクール・4,860円」の引落情報が送信され、また、クレジットカード会社の金融機関装置30からのカード利用明細情報として「4月11日:NIFTY・6,230円」の利用明細情報が送信され、また、プリペイドカード会社の金融機関装置50からのプリペイドカードの取引情報として「4月11日:1,865円」の残金データ情報が送信され、それぞれ口座情報DB23の口座情報として記憶されている。
この状態で、所定のタイミング(例えば毎日,一日2回等)で資金計算手段11による資金計算処理が実行される。勿論、取引情報を受信したタイミングで資金計算処理を実行してもよい。
資金計算処理は、上述した予め設定された「資金計算ルール」が参照されて所定の計算処理が行われる。
【0080】
図4に示す例では、4月11日の資金計算処理として、「端数ルール」に基づいて、「4月11日:テニススクール・4,860円」について、「資金額:140円・資金振替モード:手動・資金振替ステータス:未貯金」の計算・判別が行われ、また、「4月11日:NIFTY・6,230円」について、「資金額:770円・資金振替モード:手動・資金振替ステータス:未貯金」の計算・判別が行われる。
また、「定期ルール」に基づいて、「4月11日:定期ルール(毎月)・資金額5,000円・資金振替モード:自動・資金振替ステータス:未貯金」の計算・判別が実行される。
さらに、「小銭残金ルール」に基づいて、「4月11日:小銭残金ルール・資金額865円・資金振替モード:自動・資金振替ステータス:未貯金」の計算・判別が実行される。
この資金計算手段11での計算結果は、資金計算結果DB24に格納される。
【0081】
その後、資金計算結果DB24の格納された資金計算結果情報に基づいて、資金振替指示手段12により銀行の金融機関装置40及びプリペイドカード会社の金融機関装置50に対して資金振替指示情報が送信される。
この資金振替指示では、資金計算結果DB24の資金振替モードが「自動」、又は資金振替ステータスが「貯金する」(
図5参照)に設定されている明細を処理対象とする。
資金振替モードが「手動」に設定されている場合には、ユーザの手動操作が行われるまでは、資金振替指示は送信されない。
【0082】
資金振替指示が送信されると、対象となる銀行の金融機関装置40では、該当する資金口座(普通預金口座等)の残高が不足しない範囲で、銀行内の別口座(蓄積口座)への振替処理が実行される。また、対象となるプリペイドカード会社の金融機関装置50では、該当する資金口座(プリペイドカードのバリュー口座)の残金のうち1,000円未満の端数金額を、プリペイドカード会社の別口座(蓄積口座)への振替処理が実行される。
その後、振替指示の結果が、振替指示を金融機関装置40,50に送信した後、所定のタイミングで送信され、端数資金振替蓄積サーバ10で取得され、その情報が資金振替結果DB25に格納される。
なお、この金融機関装置40,50からの振替処理の結果は、振替処理が実行されるのと同時にリアルタイムで送信され、あるいは、金融機関の振替処理が終了した後に、所定のタイミングで金融機関装置40,50から通知を受けることができる。また、この金融機関装置40,50から振替結果が取得されるまでは、端数資金振替蓄積サーバ10側での資金振替ステータスは「未貯金」のままとなる。
【0083】
図4に示す例では、「4月11日:テニススクール・4,860円・資金額:140円・資金振替モード:手動」と、「4月11日:NIFTY・6,230円・資金額:770円・資金振替モード:手動」については資金振替指示が実行されず、資金振替ステータスは「未貯金」のままとなっている。
一方、「4月11日:定期ルール(毎月)・資金額5,000円・資金振替モード:自動」と、「4月11日:小銭残金ルール・資金額865円・資金振替モード:自動」については、資金振替指示が行われ、その結果、資金振替ステータスは「貯金済」となっている。
また、同図に示すように、「4月3日:電気料金・15,220円・資金額:4,780円・資金振替モード:自動」については、資金振替ステータスが「貯金失敗」となっており、口座の残高不足によって、振替処理が実行されなかったことが分かる。
このようにして、金融機関装置40,50からの振替結果に応じて、資金振替ステータスを示す情報、振替が成功した場合には「貯金済」と、また、振替が失敗した場合には「貯金失敗」と変更され、この変更後の情報が、資金振替結果情報として資金振替結果DB25に格納され更新される。
【0084】
この振替結果は、振替処理の終了後に、顧客端末60の表示手段63の画面上で表示・確認することができる(
図6参照)。
そして、この顧客端末60の画面上で、上述した「未貯金」又は「貯金失敗」の資金振替ステータスを、「貯金する」に変更することができる。資金振替ステータスが「貯金する」に変更されると、次回の資金振替指示の処理対象となり、「貯金する」が資金振替指示の入力データとして記憶・更新される。
この点について、
図5を参照しつつ説明する。
【0085】
図5は、
図4に示した処理の翌日の4月12日に、資金振替ステータスが「貯金する」に変更される場合の例を示している。
まず、
図5に示す4月12日の処理では、口座情報DB23の口座情報に変更はなく、また、資金計算手段11での計算処理も行われていない。したがって、資金計算結果DB24の格納データにも変動はない。
この状態で、ユーザが顧客端末60を操作して、
図4に示す「4月11日:NIFTY・6,230円・資金額:770円・資金振替モード:手動・資金振替ステータス:未貯金」について、資金振替ステータスを「貯金する」に変更する。
【0086】
このように顧客端末60から、「未貯金」(又は「貯金失敗」)の資金振替ステータスが、「貯金する」に変更されると、資金振替結果DB25の格納情報が更新される。
その後、所定の処理タイミングで、資金振替指示手段12により該当する「4月11日:NIFTY・6,230円・資金額:770円」が資金振替指示の処理対象として抽出され、金融機関装置40に資金振替指示が送信される。
資金振替指示が送信された金融機関装置40では、該当する資金口座から蓄積口座への振替処理が実行され、その振替指示結果が端数資金振替蓄積サーバ10に送信される。
これによって、資金振替結果DB25の情報が更新される。
図5に示す例では、「4月11日:NIFTY・6,230円・資金額:770円・資金振替モード:手動」の資金振替ステータスが、「未貯金」から「貯金済」に更新されていることが分かる。
【0087】
そして、以上にようにして行われる資金振替処理の結果は、顧客端末60からの参照要求に応じて、蓄積資金情報生成手段13によって蓄積資金情報として生成され、顧客端末60の表示手段63において表示・閲覧することができる。
図6は、本実施形態に係る顧客端末60の表示手段63に表示される蓄積資金情報の表示画面の一例を示しており、(a)は
図4に対応する時点の蓄積資金情報、(b)は
図5に対応する時点の蓄積資金情報である。
【0088】
図6(a)に示す例では、現在の「貯金中の資金額:5,865円」、目標金額「10,000円」が示されるとともに、「4月11日・4,860円・テニススクール・+140円」については「未貯金」、「4月11日・6,230円・NIFTY・+770円」については「未貯金」、「4月11日・定期ルール(毎月)・+5,000円」については「貯金済」、「4月11日・小銭残金ルール・+865円」については「貯金済」であることが示されている。
また、前日4月10日に金融商品の購入資金として「-13,121円」が資金振替(金融商品への資金移動)されていることが示されている。
さらに、「4月3日・15,220円・電気料金・+4,780円」については「貯金失敗」であることが示されている。
【0089】
一方、
図6(b)に示す例では、
図6(a)の画面とほぼ同様のとなっているが、「4月11日・6,230円・NIFTY・+770円」についてが、「未貯金」から「貯金済」に表示が変わっており、また、現在の「貯金中の資金額」が「5,770円」から「6,635円」に増加していることが分かる。
このようにして、ユーザは、自己が操作する顧客端末60を介して、随時、現在の蓄積資金や振替処理の状況を閲覧・参照することができ、また、資金振替ステータスを変更することができる。
【0090】
なお、資金振替ステータスの変更は、
図6(a)に示す「未貯金」のアイコン表示をタップ操作等することにより、「未貯金」と「貯金する」の設定を切り替えることができる。
同様に、「貯金失敗」のアイコン表示を、タップ操作等することで「貯金する」に切り替えることができる。
また、
図6(a),(b)に示す「手動」又は「自動」の資金振替ステータスについても、タップ操作等によって「自動」・「手動」を切り替えることができる。
【0091】
また、上述した
図4~6では特に図示していないが、上述した「節約ルール」として「電気料金:20,000円以下」と設定されている場合には(
図3参照)、その月の電気料金が20,000円近くになったら(例えば設定金額の80%(16,000円)を超えたら)、所定のアラートを通知することができる。アラート通知としては、例えば表示画面の「電気料金」の項目中に所定の文字や警告表示等を表示させることができる。
アラート通知のタイミングは、例えば端数資金振替蓄積サーバ10側でデフォルト値を予め設定しておくことができ、必要であれば、ユーザが専用アプリケーションやウェブサイト上の設定画面で変更することもできる。なお、アラート通知を「しない」の設定もできる。
【0092】
また、上述したように、例えばその月の目標貯金額を設定している場合に、その金額に到達しそうでない場合にもアラート通知を行うことができる。目標金額に到達しそうかしそうでないかは、例えば前月の実績と比較することで推定・判別することができる。
また、目標貯金額に、連続して早い段階で達成している場合、設定金額を引き上げるように、所定のメッセージを通知することができる。例えば、毎月20日より前に設定金額の100%に到達する月が、所定回数(例えば、3回)連続した場合、過去の実績を表示するとともに、現在の目標金額に所定金額を加算した金額を新たな目標金額に設定して「目標金額15,000円に挑戦しませんか?」といったメッセージを表示して、ユーザの資金状況に合致した、より効率よい貯蓄を提案することができる。
【0093】
そして、上記のような資金振替の処理動作を行うことによって、金融機関装置40の蓄積口座の振替金額が所定金額になると、その振替資金によって、所定の商品の購入処理(資金の移動)、例えば金融商品やウィッシュリストに登録された商品・サービス等の購入・注文処理が実行される。
ここで、金融商品の購入としては、例えば月に一度、設定された「月締め日」(
図7(c)参照)における蓄積口座の金額が「月間目標貯金額」(
図9(c)参照)を超えている場合に、所定の金融商品の購入(資金移動)が行われるようにすることができる。
これによってユーザは、日々の端数資金や節約資金で貯めた蓄積資金を、より有利な配当や利回りが得られる金融商品にシフトさせることができ、効率的な資産運用等が実現されることになる。
また、ウィッシュリストに登録された商品・サービス等の注文処理については、
図18~18を参照して後述する。
【0094】
[設定表示画面]
次に、以上のような端数資金振替蓄積システム1において、顧客端末60側で入力・設定可能な端数資金振替蓄積サーバ10に対する設定項目の入力表示画面の一例を
図7~9に示す。
図7(a)は、端数資金振替蓄積サーバ10に設定可能な各種設定項目を選択可能に表示する画面である。
同図に示すように、この画面から、「資金計算ルール」,「月締め日」,「アラート通知」,「目標金額」「月間目標貯金額」,「資金貯金用口座」の各項目を選択し、それぞれ詳細な設定を行うことができる。
【0095】
図7(b)は、
図7(a)の画面で選択された「資金計算ルール」の設定画面である。
この画面から、上述した「資金計算ルール」としての「端数ルール」,「節約ルール」,「小銭残金ルール」,「定期ルール」,「その他ルール」の各項目の要否と、それぞれについての「手動」又は「自動」の資金振替モードを選択して設定することができる。
図7(c)は、「月締め日」の設定画面である。
この画面から、蓄積口座に振り替えられた貯蓄資金についての月締め処理が行われる基準日を設定することができ、同図では月締め日として「月末」が選択・設定されている場合である。
【0096】
図8(a)は、
図7(b)と同様の「資金計算ルール」の設定画面である。
図8(b)は、
図8(a)の画面で選択された「小銭残金ルール」の設定画面である。
この画面から、上述した「小銭残金ルール」として、「間隔」と「小銭の範囲」の各項目の選択・設定と、設定された「小銭残金ルール」についての「手動」又は「自動」の資金振替モードを選択して設定することができる。
プリペイドカードを利用した端数貯金の場合には、クレジットカードやデビットカードの場合と異なり、預入金の残金が記録されるので、その残金のうち、小銭部分を貯金もしくは投資の元金にするというものである。
【0097】
本システムでは、具体的には、小銭を計算する間隔として「毎日」、「毎週」、「毎月」が設定可能であり、「毎日」であれば、その日の終わり(例えば24時)、「毎週」であれば、その週の終わり(例えば日曜日の24時)、「毎月」であれば、その月の終わり(例えば月末日の24時)に小銭を計算する。
また、小銭の範囲には、「1,000円未満」、「500円未満」、「100円未満」があり、具体的に、ある日(週・月)の終わりのプリペイドカードの残金が「1,734円」の場合には、「範囲」の設定が「1,000円未満」であれば「734円」が小銭となり、「500円未満」であれば「234円」が小銭となり、「100円未満」であれば、「34円」が小銭となり、その金額が振替資金として蓄積・貯金に回されることになる。
【0098】
図9(a)は、「アラート通知」の設定画面である。
同図に示すように、本実施形態では、「アラート通知」を行う場合として、「月間目標貯金額」と「節約ルール」のそれぞれについて設定が行えるようになっている。
「アラート通知」を「月間目標金額」に設定した場合(
図9(b)参照)、その金額に到達しそうでないと推定・判定された場合に、所定のアラート通知が行われるようにすることができる。また、「アラート通知」を「節約ルール」に設定する場合には、「節約ルール」として設定した上限金額(節約金額)、例えば「電気料金:20,000円以下」や「外食:40,000円以下」に対して、所定の比率(例えば設定金額の80%)に達した場合に、所定のアラート通知が行われるようにすることができる(
図9(b)参照)。
図9(c)は、「月間目標貯金額」の設定画面である。
この画面から、端数資金振替蓄積システム1を用いて蓄積口座に振り替える資金の「月間目標貯金額」(本発明に係る目標金額)を設定することができる。
【0099】
[複数口座設定]
以上のような本発明の一実施形態に係る端数資金振替蓄積システム1では、振替資金を貯蓄するための蓄積口座として、一人(単一)のユーザによって複数の蓄積口座を設定することができる。
図10は、顧客端末60の設定画面から、蓄積口座を複数設定する場合の表示画面の一例であり、
図10(a)は、
図7(a)で選択された「資金貯金用口座」の設定画面で「新しい資金貯金用口座を作成する」が選択された場合であり、
図10(b)は、その結果、「募金用」口座が作成された場合の画面を、また、
図10(c)は(b)で選択・設定された「募金用」口座の設定画面である。
【0100】
このような顧客端末60からの設定により、金融機関では、例えば別段預金やプール口座等に、複数の蓄積口座が割り当てられるようになっている。
図10に示す例では、「資金貯金用口座」として、メインとなる「標準」口座に加えて、「募金用」口座が設けられ、その「募金用」口座には、所定のポイント付与(●●ポイント)が行われると、「自動」で振替処理が実行されるようになっている。
このように、本実施形態では、純粋な資金貯蓄用の「標準」口座と、「募金用」の口座というように、貯蓄の目的や目標金額、節約対象などに応じて、複数の蓄積口座を設けることができ、多様な貯蓄や節約が行えるようになっている。
【0101】
以下、
図11~14を参照して、蓄積口座として「標準」と「募金用」の2つの口座を設定した場合の振替処理動作について説明する。
図11は、「標準」口座に加えて「募金用」口座を設定した場合において、上述した
図4に対応する引落取引が行われた場合を示しており、
図4の場合と比較して、各引落取引について、いずれの蓄積口座を指定するかの情報(項目)が追加されている。
すなわち、
図11の例では、上述した
図4の場合と同様の銀行取引・クレジットカード利用・プリペイドカード残金が存在することで、「4月11日:テニススクール・4,860円・資金額:140円」、「4月11日:NIFTY・6,230円・資金額:770円」、「4月11日:定期ルール(毎月)・資金額5,000円」、「4月11日:小銭残金ルール・865円」、「4月3日:電気料金・15,220円・資金額:4,780円」の各引落取引については、「資金貯金口座:標準」として処理が行われている。
そして、これに加えて、「4月1日:●●ポイント・500円」については、「資金貯金口座:募金用」として、全額が自動で「募金用」口座に振替処理されていることが分かる。
【0102】
この振替結果は、顧客端末60の表示手段63の画面上で表示・確認することができる(
図12参照)。
図12(a)は、4月11日現在の「標準」口座の貯金状況を示しており、上述した
図6(a)に示した内容と同様となっている。
一方、
図12(b)は、同じ4月11日現在の「募金用」口座の貯金状況が示されており、「4月1日・●●ポイント・+500円」が、「自動」処理によって「貯金済」であることが示されている。
なお、この「標準」口座と「募金用」口座の表示画面(蓄積資金参照情報)の切り替えは、例えば表示画面上の所定の箇所(
図12の表示画面上部の「標準」・「募金用」の文字部分)をスワイプ操作等することで行うことができる。
【0103】
図13は、「標準」口座に加えて「募金用」口座を設定した場合において、上述した
図5に対応する引落取引が行われた場合を示している。
同図に示す例では、上述した
図5の場合と同様の銀行取引・カード利用が行われているところ、
図11に示す「4月11日:NIFTY・6,230円・資金額:770円・資金振替モード:手動・資金振替ステータス:未貯金」について、資金振替ステータスが「貯金する」に変更され、さらに、指定する蓄積口座を「標準」から「募金用」に変更している場合となっている。
蓄積口座の変更は、例えば「未貯金」を「貯金する」に変更する場合に、使用する口座を選択可能な表示画面を生成・表示させることで、「標準」又は「募金用」のいずれかの口座を選択させることができる。
【0104】
このようにして、顧客端末60からの入力操作により、「未貯金」を「貯金する」に変更できるとともに、指定の口座についても選択・変更することができる。これによって、より柔軟で多様性のある貯蓄パターン・節約パターンを提供することができる。
なお、この振替結果についても、顧客端末60の表示手段63の画面上で表示・確認することができる(
図14参照)。
図14(a)は、4月12日現在の「標準」口座の貯金状況を示しており、上述した
図6(a)に示した内容と同様となっている。
一方、
図14(b)は、同じ4月12日現在の「募金用」口座の貯金状況が示されており、「4月1日・●●ポイント・+500円」に加えて、「4月11日・6,230円・NIFTY・+770円」が、「手動」処理によって「貯金済」となっており、「貯金中の資金額:1,270円」に増加していることが確認・参照できる。
【0105】
[共有口座設定]
上記のとおり、本実施形態に係る端数資金振替蓄積システム1においては、貯蓄用の蓄積口座として、一人のユーザが複数の口座を設定することができるようになっている。
さらに、本実施形態では、蓄積口座は、複数のユーザによって一つ(共通)の蓄積口座を設定することができる。
例えば家族三人で一つの蓄積口座に端数資金や節約資金を貯蓄することができる。
図15は、顧客端末60の設定画面から、複数ユーザで共有する一つの蓄積口座を設定する場合の表示画面の一例であり、
図15(a)は、
図7(a)で選択された「資金貯金用口座」の設定画面で「新しい資金貯金用口座を作成する」が選択された場合であり、
図15(b)は、その結果、「共有」口座が作成された場合の画面を、また、
図15(c)は(b)で選択・設定された「共有」口座の設定画面である。
【0106】
このような顧客端末60からの設定により、金融機関では、例えば別段預金やプール口座等に設定される一つの蓄積口座に対して、複数のユーザを割り当てるようになっている。
図15に示す例では、「資金貯金用口座」として、上述した「標準」口座,「募金用」口座に加えて、別途、「共有」口座が設けられ、その「共有」口座に、3人のユーザが設定されるようになっている。
このように、本実施形態に係る蓄積口座を「共有」とすることで、複数(3人)のユーザの個々の銀行取引やカード利用によって発生する端数金額や節約金額等について、一つの蓄積口座に集約して貯蓄・蓄積させることができ、より効率的な貯蓄・資産形成が可能となる。
なお、「共有」口座に設定可能なユーザの数や、共有できる属性等については特に限定されるものではなく、金融機関が設定するユーザ数や属性のユーザ間で共有口座を保有することが可能である。
【0107】
[目標金額の達成度に合わせたポイント付与]
次に、本実施形態に係る端数資金振替蓄積システム1における、目標金額の達成度に合わせたポイント付与について具体的に説明する。
上述のとおり、本システムにおいては、ポイント値算出手段15及びポイント管理DB27によって、ユーザにより設定された目標金額に対する蓄積資金の達成度に応じて、所定のポイントが付与されるようになっている。
具体的には、ユーザが目標金額を目指して貯金もしくは投資する過程において、段階的にポイントを付与することで、目標達成を促すことができるようにしている。
段階的なポイント付与としては、例えば、目標金額の達成度「10%→20%→30%→40%→50%→・・・100%」といった達成度到達に合わせて、ポイントを付与することができる。
これによって、ユーザに対して目標達成に対するインセンティブや、ポイントが付与・加算されていく喜びや満足度などを与えることができ、目標金額の貯蓄達成を自然な形で促進・援助することができるようになる。
【0108】
また、付与されたポイントは、目標金額の達成度が100%となるまで、利用することはできないようにすることができる。
また、付与したポイントは、特定の店舗・用途(目標として設定・想定された対象物)でしか利用できないようにすることができる。
さらに、目標を変更すると、これまで蓄積したポイントが失われるようにする設定もできる。目標とする対象物等を変更させずに、目標を達成できるように促すことができる。
以上のようにすることで、目標金額を100%達成することへのインセンティブや、継続的な貯蓄・投資意欲を維持させることができる。
【0109】
また、付与するポイントは、目標金額に合わせて変えることもできる。
例えば、「目標金額:10万円」で「50%達成」の場合には「500ポイント」、「目標金額100万円」で「50%達成」の場合には「5,000ポイント」というように、より大きな目標金額に対して、より大きなポイントを付与することで、ユーザの貯蓄意欲、投資マインドを刺激・向上させることができる。
なお、投資の場合、評価額が上下することで、達成度も上下する可能性がある。例えば、仮に50%を達成した翌日に50%を下回った場合、前日に付与したポイントは減算して付与することができる。この場合、付与したポイントは100%達成するまで利用できないようにすることで、目標達成の過程で加算・減算が繰り返されたとしても問題等は発生しない。
【0110】
また、本システムにおけるポイント付与は、目標金額を達成するために、継続的に貯金・投資を継続した期間に合わせて「継続ポイント」として付与することができる。
一般に、サービスを提供する側からすると、顧客のロイヤリティや顧客とのエンゲージメントの向上などを考慮した場合、短期的なサービス利用よりも、より長期的にサービス利用してもらった方が良く、顧客の満足度も高まり、継続的・反復的なサービス利用にもつながることになる。
例えば、利用金額や飛行距離などに合わせてポイントやマイルを付与することで、利用を促進するだけでなく、利用を継続している期間に合わせてポイントを付与することで、顧客との関係性を強化することが行われている。
【0111】
そこで、本システムにおいても、ユーザに対してポイント付与を実行するにあたり、貯金や投資を継続した期間に合わせてポイントを付与することが有効な手段となる。
例えば、
図16(a)に示すように、本システムによる端数貯金をスタートさせると、1カ月目に「10ポイント」、2カ月目には「20ポイント」・・・といったように、継続した期間が長くなればなる程、ポイント(継続ポイント)が多くなるようにポイント付与を実行することができる。
このようにすることで、本システムによる端数貯金に対するユーザの継続的な利用ついて、より高いインセンティブを与えることができるようになる。
【0112】
また、以上のような「継続ポイント」は、
図16(b)に示すように、目標金額や貯金・投資する金額に合わせて変えるようにしてもよい。
同図に示す例では、最終の目標金額が大きいほど、また、月々の目標貯金額が大きいほど、より大きな「継続ポイント」が付与されるようにしてある。これによって、ユーザの貯蓄・投資の意欲と継続性を高めることができるようになる。
図17(a)に、顧客端末60の表示手段63において表示される目標金額に対する蓄積資金の達成度を表示する表示画面の一例を、同じく
図17(b)に、目標金額に対する達成度に応じたポイントが付与されたことを通知する表示画面の一例を示す。
【0113】
なお、本システムにおける自動貯金(端数ルール,節約ルール,小銭残金ルールなど)では、上述のように、月々の蓄積(振替)金額が、月々の目標金額(例えば1万円)に届かない場合も考えられる。
このような場合には、仮に目標に届かなかった時には、「継続ポイントを1カ月目に戻す」というようにすることができる。これによって、月々の目標金額に到達させようとするユーザの動機が促されることが期待できるようになる。
【0114】
[目標達成による自動注文処理]
次に、本実施形態に係る端数資金振替蓄積システム1における、目標金額の達成による自動注文処理について具体的に説明する。
上述のとおり、本システムにおいては、購入品注文処理手段16及び購入品情報DB28によって、目標金額に対する蓄積資金の達成度が所定の値となった場合に、ユーザにより設定されたウィッシュリスト(購入品情報DB28)に登録された購入を希望・検討している商品やサービスについての自動注文処理が実行されるようになっている。
具体的には、本システムにおいて、ウィッシュリストには複数の商品・サービスが設定可能であり、目標金額以上の品物も追加・設定することができるようになっている。
自動購入する品物は、設定により登録されている複数品物から選択される。
また、例えば貯蓄の進捗(達成度)が良い場合には、ユーザはより高い品物が自動購入品物となるように設定することができ、自動的に目標金額が変更されるようにしても良い。
【0115】
また、ウィッシュリストは、複数人のユーザで共有することもできる。
例えば、ユーザAさんの場合に、プライベートなウィッシュリツトと、他のユーザBさんと共有するウィッシュリストの双方を設定・登録することができる。この場合、同様にユーザBさん側も、プライベートなウィッシュリツトと、ユーザAさんと共有するウィッシュリストを設定することができる。
具体的には、ウィッシュリストを共有する場合には、まずはユーザAさんとユーザBさんは、個人で欲しい商品等を個人用のウィッシュリストに追加・設定し、本システム(アプリケーション)のメッセージ機能を使って、共同で購入する品物を選定し、ユーザAさんとユーザBさんとが同意して共有のウィッシュリストに対象品物を設定することができる。この場合、共有のウィッシュリストへの単なる品物の追加はユーザAさん・ユーザBさんがそれぞれ行うことはできるが、自動購入設定は両者の合意を必要とするようにする。
【0116】
また、小売店等の販売会社からのオファーの中には、ウィッシュリストに追加すると、自動注文を指定することができるようにすることができる。
また、1つのゴール(目標金額)のウィッシュリストに、複数追加することもできる。
また、ウィッシュリストに複数登録されている場合、目標金額内であれば、複数に対して自動注文の設定ができる。
【0117】
そして、上記のようにウィッスリストに追加され、自動注文が設定されている商材(商品・サービス等)については、購入品注文処理手段16により、目標金額に達成した時点で、自動的に注文処理が実行される。
なお、ウィッシュリストに登録した後に金額変動する商材の場合、ウィッシュリストに追加した時点での価格を固定し、購入時に、その金額よりも高くなっていた場合は、固定した価格で注文でき、安くなっていた場合には、安くなった価格で注文できるようにすることができる。
【0118】
図18~20に、顧客端末60の表示手段63において表示されるウィッシュリストに登録された商品・サービス等の購入・注文処理が実行される場合の表示画面の一例を示す。
図18(a)は設定された目標金額に対する蓄積資金の達成度「25%」を表示する表示画面である。
図18(b)及び(c)は、
図18(a)の画面で選択された「オファー」の表示画面において、表示された商品をウィッシュリストに登録する場合の表示画面である。
同図に示す例では、「20,000円」の商品を「妻の誕生日」に購入する「ゴール(目標金額)」が設定されている場合に、「CAACH製ショルダーバッグ:19,800」がウィッシュリストに登録し(
図18(b))、さらに、目標金額が達成(貯金)された場合に、購入品注文処理手段16による自動注文処理が実行されるように「ON」設定(
図18(c))されている場合となっている。
【0119】
図19(a)は、
図18に引き続いて、設定された目標金額(20,000円)が達成された場合の達成度を通知・表示する表示画面である。
図19(b)は、
図19(a)に引き続いて、「自動注文」が「ON」設定されている場合(
図18(c)参照)に、ウィッシュリストに登録された商品等の注文処理が実行されたことを通知する表示画面である。
図19(c)は、同様に、「自動注文」が「ON」設定されていない場合に、ウィッシュリストに登録された商品等の注文処理を問い合わせる表示画面である。
【0120】
以上のようにして、本システムでは、ユーザの目標金額の達成度に応じて、ウィッシュリストに登録された商品・サービス等を自動注文処理することができる。
これによって、例えばユーザが目標金額の監視や注文処理の操作をしなくても、予め登録した商品等を自動的に注文することができ、また、ユーザが注文を行うことや商品等を登録したこと自体を失念していた場合でも、確実な注文処理が実行されるようになる。
さらに、本システムでは、ユーザが予め目標達成日を決めて、それまでに貯めた金額で購入可能な商材を表示・推奨することができる。
この場合、これまでの貯金・投資の状況から、目標達成日に到達するであろう金額を予測し、その予測金額で購入可能な商材を表示・推奨することもできる。
【0121】
例えば、
図20に示す例では、本システムによる貯蓄のスタート時は、「妻の誕生日」のために「目標金額:20,000円」、「目標達成日:2018年4月20日」が設定された状態で、目標金額に対する蓄積資金の達成度は「0%」となっている(
図20(a))。
また、スタート当初の希望購入品として「CAACH製ショルダーバッグ:19,800円」がウィッシュリストに登録されている(
図20(c))。
その後、本システムによる端数貯金が進み、目標金額に対する蓄積資金の達成度が「31%」となった段階で(
図20(b))、ここまでの貯蓄状況・進度から、目標達成日(2018年4月20日)には、目標金額(20,000円)を上回る金額に到達することが予測されると、ウィッシュリストに登録された商品等と同種の商品等の中から、より到達予測金額で購入可能な他の商材が表示・推奨される。
【0122】
ここでは、ユーザにより当初登録された商品と同種の商品(ショルダーバッグ)で、登録商品よりも高価な商品「GUCCO製ショルダーバッグ:24,800円」が、「オススメ」商材としてオファーされる例となっている。
このような目標金額に対する、予測到達金額や予測到達日は、本システムによる貯蓄スタート時から現時点までの日数と貯蓄された蓄積資金の金額に基づいて算出することができる。
また、オススメ商材のオファーは、ユーザによりウィッシュリストに登録された商品等の情報と予測到達金額とに基づき、該当する一又は複数の商品等を、例えばインターネットの通販サイトで検索・抽出して、該当する情報をユーザの顧客端末60に送信・提供することで実現することができる。
【0123】
顧客端末60には、目標金額設定手段61、資金計算ルール設定手段62及び表示手段63の機能を備えたアプリ(プログラム)がインストールされており、このアプリがインストールされた顧客端末60と端数資金振替蓄積サーバ10が連携し、必要に応じてウィッシュリストへ登録する商品を提供する会社のサーバである商品サーバとも連携し、ウィッシュリストの機能を提供することができる。
具体的には、ユーザがアプリ上でウィッシュリストの登録操作を行うと、アプリ上で顧客端末60が商品サーバにアクセスし、商品サーバが検索用の画面表示情報を送信し、ユーザが顧客端末60に表示された検索用画面に対してキーワード等を入力し、顧客端末60が入力されたキーワード等を商品サーバに送信し、商品サーバは受信したキーワード等を用いて検索を行って抽出された商品情報画面を顧客端末60に送信し、顧客端末60が商品情報画面をユーザに表示してユーザから対象商品のウィッシュリスト登録指示を受け、顧客端末60が少なくとも端数資金振替蓄積サーバ10に対象商品に関する情報を送信し、端数資金振替蓄積サーバ10が受信した対象商品に関する情報をウィッシュリストに登録する情報として記録する。
【0124】
そして、対象商品をウィッシュリストに登録した後、対応する貯蓄金額を達成した場合や、ユーザの任意のタイミングで、対応する貯蓄口座にある貯金を用いて発注処理を行うことができる。
発注処理は、所定の条件に基づいて自動で発注処理を行う場合と、所定の条件でユーザに承認を受けて発注処理を行う場合とがあり、いずれの場合でも、顧客端末60のアプリがウィッシュリストに登録した商品を発注する際に、顧客端末60からの発注を受け、端数資金振替蓄積サーバ10を介して、商品サーバに発注処理を行うことができる。
【0125】
ここで、商品サーバは、商品サーバ向けのHP(ホームページ)を表示したブラウザや商品サーバ専用のユーザアプリから商品注文を受けることが通常であるが、例えば、外部の装置からの発注を受けるために発注処理のAPI(Application Programming Interface)が公開されており、この公開されているAPIを用いて顧客端末60は発注動作を行うことができる。
具体的には、顧客端末60から端数資金振替蓄積サーバ10へ発注要求が送られると、端数資金振替蓄積サーバ10はウィッシュリストに登録されている対象商品に関する情報を読出し、それらの情報をAPIの引数に代入してAPIを用いて商品サーバに発注依頼を行うことができる。
発注依頼後に、顧客端末60は端数資金振替蓄積サーバ10を介して商品サーバから発注結果を受け取り、ユーザに表示することもできる。
【0126】
[スポンサーポイント]
次に、本実施形態に係る端数資金振替蓄積システム1における、スポンサーポイントの付与・加算について具体的に説明する。
上述のとおり、本システムにおいては、ポイント値算出手段15及びポイント管理DB27によって、販社装置70から所定のスポンサーポイントが提供される場合にも、当該スポンサーポイントをポイント値として算出し、該当するユーザのポイント値として付与・加算できるようになっている。
ここで、本システムにおける「スポンサーポイント」とは、上述のように販社装置70からオファーを配信した企業(販売会社・メーカー等)がユーザ向けに提供するポイントであり、提供企業の商品やサービスの購入に充当できる有価価値情報である。
これを「スポンサーポイント」と呼び、本システムでは、このスポンサーポイントを各ユーザが個別に貯めることができるようになっている。
【0127】
「スポンサーポイント」は、スポンサーが提供する商材やサービスの購入時にしか使えないようになっている。
また、ポイントは期限限定ポイントにすることもできる。
また、ポイントは商品によって使用できるポイント数が決まっていてもよい。
また、例えば旅行会社が提供するポイントの場合、ユーザが希望する「旅行」の概要(いつぐらい、宿泊数、エリア、人数、予算(目標蓄積金額)等)を設定することで、当該旅行会社が提供するオファー(後述する
図21(a)参照)を貰えるようにすることができる。
さらに、ウィッシュリストに登録されている商品等に基づき、対象製品を販売している事業者がポイントオファーを行ったり、他の事業者が登録されている商品の類似製品と付与するポイントを提示してオファーすることも可能である。
【0128】
また、ユーザが「スポンサーポイント」を貯める方法として、顧客端末60からインターネットを介して、例えば以下のような操作・対応を取ることでポイントを獲得・蓄積することができる。
・スポンサーのオファーを閲覧する。
・閲覧したオファーをSNSでシェアする。
・オファーをウィッシュリストに追加する。
・スポンサーのアンケートなどに回答する。
以上のようなスポンサーポイントによって、ポイントを提供する各企業は、自社の商品やサービスの購入を、スポンサーポイントを媒介として促進・喚起等できるようになる。
【0129】
以下、本システムにおけるスポンサーポイントの獲得及び使用についての具体例を、
図21,22を参照して説明する。
まず、
図21(a)に示すように、顧客端末60において、「家族旅行」のために「目標金額:400,000円」が設定され、現在の目標達成度が「30%」となっている場合に、オファー情報を参照・閲覧すると、
図21(b)に示すように、「ABCツーリスト」、「EZ観光」・・・と、複数の旅行会社のオファー情報が表示される。
表示されたオファー情報は、それぞれウィッシュリストに登録することができ、また、各オファー情報を選択操作(タップ等)することで、当該企業が提供・指定するWEBサイトに移動することができる。
そして、ユーザは、顧客端末60において各企業のオファー情報を選択・表示させることにより、該当する企業が提供するスポンサーポイントを獲得することができる。
【0130】
具体的には、
図21(c)に示すように、顧客端末60で各企業のオファー情報が選択されると、インターネットを介して該当するオファー情報に関連して付与されるスポンサーポイントのポイント値の加算アクションが検知され(ステップ01)、スポンサーポイントがポイント管理DB27において加算・蓄積される(ステップ02)。ポイント管理DB27で記憶・管理されるスポンサーポイントは、ユーザ単位で、ポイント値を提供する企業別に、所定の企業情報・オファー情報・ポイント値などの情報が記憶されるようになる。
また、ポイント管理DB27に蓄積されたスポンサーポイントとは、顧客端末60からの参照要求等に応じて、ポイント値を参照・出力させることができる(ステップ03)。
図21(c)に示す例では、当該ユーザに付与されている現時点でのスポンサーポイントとして、「ABCツーリスト:150ポイント」、「EZ観光:230ポイント」・・・と、各企業別のポイント値が出力・表示されるようになっている。
【0131】
そして、以上のようにして獲得・貯留されたスポンサーポイントは、該当する各企業の商品・サービス等の購入費用として充当・使用することができる。
図22(a)では、ユーザにより設定された目標金額(400,000円)が達成された時点において、当該ユーザが獲得しているスポンサーポイントが、「ABCツーリスト:10,000ポイント」、「EZ観光:8,000ポイント」・・・となっている場合である。
この場合に、ユーザの顧客端末60への入力操作により、「ABCツーリスト」が提供する旅行プランの注文処理が行われると、
図22(b)に示すように、該当する注文処理を確定させるか否かの画面(「OK/キャンセル」)が表示され、「OK」が選択されると、続いて当該注文の支払いに対して、保有するスポンサーポイントを充当させるか否かの画面(「OK/キャンセル」)が表示され、「OK」が選択されることで注文処理が確定される。
このようにしてユーザは、自らが獲得したスポンサーポイントを使用して、所望の商品・サービス等の購入代金の一部として利用することができる。
【0132】
[家計簿ソフト連携]
次に、本実施形態に係る端数資金振替蓄積システム1における、家計簿ソフトとの連携について説明する。
一般に、家計簿ソフトと呼ばれるアプリケーション・サービスが提供されている。
この種の家計簿ソフトは、例えばスマートフォンやPC,タブレット端末などにインストールされることで、銀行やクレジットカード、レシートなどの複数の利用履歴情報・残高情報等を取得して、自動で家計簿情報を生成し、光熱費や食費等の項目別に分類・出力等することができるサービスであり、例えば「マネーフォワード」(登録商標)などが知られている。
なお、ユーザが家計簿ソフトを用いて、項目別の分類設定を行いつつ、手入力で利用履歴情報を入力することもできる。
【0133】
本システムでは、このような家計簿ソフトがユーザの顧客端末60において実装・使用されている場合に、その家計簿ソフトと連携して端数貯金を実行することが可能である。
具体的には、家計簿ソフトで口座残高が余った場合に、例えば月別・週別・日別などの間隔で端数を貯金することができる。
家計簿ソフトでは、クレジットカードの利用明細情報などのインポートも行っており、また、それに加えて、レシートのOCR化情報や、手入力による情報もインポートして家計簿の対象としているので、それらの情報に基づいて本システムにおける端数貯金を実行させることができる。インポートは、ウェブスクレイピング、参照系APIを用いて実行される。
【0134】
図23は、
図7,8と同様の、本システムにおける「資金計算ルール」の設定画面である。
ここでは、「資金計算ルール」の一つとして、家計簿ソフトと連携した「口座残高端数ルール」を選択・設定できるようになっている。
具体的には、
図23(b)に示すように、「口座残高端数ルール」として、「間隔」と「小銭の範囲」の各項目の選択・設定と、設定された「口座残高端数ルール」についての「手動」又は「自動」の資金振替モードを選択して設定することができる。
これにより、上述したプリペイドカードを利用した端数貯金(
図8参照)と同様に、銀行口座の預入金の残高のうち、所定の端数部分を貯金・投資の元金とすることができるようになる。
【0135】
例えば、口座残高の端数(小銭部分)を計算する間隔としては、「毎日」、「毎週」、「毎月」が設定可能であり、「毎日」であれば、その日の終わり(例えば24時)、「毎週」であれば、その週の終わり(例えば日曜日の24時)、「毎月」であれば、その月の終わり(例えば月末日の24時)に端数の計算を実行させることができる。
また、端数(小銭)の範囲としては、「1,000円未満」、「500円未満」、「100円未満」があり、具体的に、ある日(週・月)の終わりのプリペイドカードの残金が「1,734円」の場合には、「範囲」の設定が「1,000円未満」であれば「734円」が小銭となり、「500円未満」であれば「234円」が小銭となり、「100円未満」であれば、「34円」が小銭となり、その金額が振替資金として蓄積・貯金に回されることになる。
このようにして、本システムでは、既存の家計簿ソフトと連携させることで、ユーザの銀行口座の残高の端数部分を、端数貯金として蓄積・貯蓄させることが可能となる。
【0136】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが端数資金振替蓄積サーバ10に任意の資金計算ルールを設定することにより、目標となる貯蓄資金に対して、ユーザの日々の支払い等に基づいて算出される端数金額を、貯蓄金として振り替えることができる。
特に、資金計算ルールとして、端数ルール・節約ルール・小銭残金ルール・定期ルール・その他ルールという異なる複数のルールを設定可能とすることで、ユーザにとって無理のない範囲で、効率的かつ継続的な貯蓄を行わせることできる。
また、光熱費や外食等の節約や、好きなイベントや自分への報酬など、ユーザの支出の抑制や節約観念等を促すことができるルール設定により、積極的な貯蓄行動を自然な形で奨励・喚起することが可能となる。
【0137】
したがって、特に個人向けの資産運用アドバイス等を行う際に、個人ユーザの多様なニーズや消費パターン,生活パターン等に柔軟に対応しつつ、金融商品の購入資金を貯蓄させるのに好適なサービスを提供することが可能となる。
このようにして、本発明に係る端数資金振替蓄積システムの一実施形態によれば、様々な個人ユーザの多様なニーズに柔軟に対応することが可能となり、特に日々の生活サイクル等に即した具体的・計画的な資産運用や投資計画等を検討している個人投資家等に好適な提案を行うことができるフィンテック(Fin Tech)として実現することができる。
【0138】
なお、以上説明した本実施形態では、顧客端末60側に出力・表示される表示画面の例として、スマートフォンや携帯電話機のディスプレイのように、比較的小さな画面の表示手段に表示される場合を示している(
図6~10,12,14~22)。
但し、本発明で生成・表示される表示画面は、例えばPCやタブレット端末の表示手段のように、比較的大きな画面の表示手段に表示することも勿論可能である。
【0139】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、本発明に係る「資金計算ルール」として、「端数ルール」,「節約ルール」,「小銭残金ルール」,「定期ルール」,「その他ルール」を示したが、これらは「資金計算ルール」の一例であり、これらのみに限定されるものではない。すなわち、本発明に係る「資金計算ルール」は、上述した「端数ルール」,「節約ルール」,「小銭残金ルール」,「定期ルール」,「その他ルール」の一部又は全部を採用することができ、また、それらとは異なるルールを追加したり置換することができる。ユーザの貯蓄意識や投資意欲を刺激して、効率よく継続的な貯蓄を行わせるためのルール・条件等であれば、本発明に係る「資金計算ルール」として採用することができる。
【0140】
また、上述した実施形態においては、端数資金振替蓄積サーバと金融機関装置とを別々の独立した装置として構成していたが、これらを単一(共通)の装置やシステムによって構成することもできる。
その場合には、本発明に係る端数資金振替蓄積システムが、金融機関に備えられる金融機関装置の一部として実現されることになる。
【0141】
また、上述した実施形態では、本発明に係る資金口座・蓄積口座が備えられる金融機関の具体例として銀行を示しているが、特に銀行のみに限定されるものではない。
ユーザの日々の消費や決済に使われる引落口座を備えることができる金融機関としては、銀行以外にも例えば郵便局や信託銀行,信用金庫,信用組合などであっても良い。
また、資金の振替先となる蓄積口座を備えることができる金融機関としても、上記のような郵便局や信託銀行,信用金庫,信用組合、あるいは証券会社や投資信託会社などであっても良い。
【0142】
また、資金口座を備える金融機関(例えば銀行)と、蓄積口座を備える金融機関(例えば証券会社)とが、異なる金融機関であっても良い。その場合には、資金口座を備える金融機関から、蓄積口座を備える金融機関に対して、送金や振替によって振替資金を移し替えることができる。ここで、上述し実施形態では、資金振替指示手段12は、所定のタイミングで、資金計算結果DB24に記憶される資金計算結果情報に基づいて、金融機関装置40に所定の資金振替指示情報を送信すると説明したが、所定のタイミングとしては処理対象となるレコードが資金計算結果DB24に格納されたタイミング、1日毎、月毎等の所定の定期的なタイミングがある。特に、定期的なタイミングの場合には、複数レコードを合算して合計金額を送金や振替することになるため、銀行手数料がかかる場合には低コストで運用することができる。例えば、支店間の振込であれば手数料無料としている金融機関もあり、銀行手数料が無料であればレコードの追加のタイミングで振込を行い、銀行手数料が有料であれば定期的なタイミングで処理を行うという構成にすることもできる。
また、上記実施形態で示した顧客端末で表示・閲覧可能な表示画面は一例であり、画面の構成や内容は任意に設定・変更できることは言うまでもない。
【0143】
上述した実施形態に記載の端数資金振替蓄積サーバ10及び顧客端末60のハードウェア構成の一例は
図24のとおりであり、CPU101、RAM102、ROM103、HDD104、入力装置105及び表示装置106を含む構成である。これらの構成要素はシステムバスで接続され、システムバスを介してデータのやり取りを行う。CPU(Central Processing Unit)101は、中央処理装置ともいい、コンピュータの中心的な処理を行う部位であり、各装置の制御やデータの計算/加工を行う。RAM(Random Access Memory)102はメモリ装置の一種で、データの消去・書き換えが可能なものであり、ROM(Read Only Memory)103は半導体などを用いたメモリ装置の一種で、データ書き込みは製造時1回のみで、利用時には記録されたデータの読み出しのみできるものである。HDD(Hard Disk Drive)104は磁性体の性質を利用し、情報を記録し読み出す補助記憶装置である。入力装置105はユーザがコンピュータに対して操作指示を行うため、または、文字等を入力するために使用され、具体的には、キーボード、マウス等である。表示装置106は、例えば、液晶ディスプレイであり、タッチパネル機能を有するものであってもよい。この他、図示しない通信機能も有し、この通信機能により他の端末との通信が可能となる。なお、顧客端末60は、携帯端末といった構成でもよく、所謂、スマートフォン、タブレットであってもよい。
【0144】
設定された貯金ルールに沿って生成された振替情報に基づき振替手続きを行い、貯蓄用口座に貯金が蓄積される動作を説明したが、既に、蓄積した貯金行為のうち、ユーザが選択した貯金行為のみを取り消す指示をすることもでき、この場合、貯蓄用口座に蓄積されている金額から対象の貯金行為に相当する金額を資産用口座に振替処理を行うことになる。
図13に示す資金振替結果DB25で説明すると、ユーザ端末上では過去の貯金行為として資金振替結果DB25に格納されている貯金済みのレコードが表示されている場合に、ユーザがその表示されている貯金済みのレコードから取り消し対象のレコード、つまり、取り消し対象の貯金行為を選択し、選択されたレコードの振替済みの振替金額を貯蓄用口座から資産用口座へ振り替える資金振替指示を金融機関装置に送信し、送信後に選択されたレコードの資金振替ステータスを「取り消し」と更新する。ここで、「取り消し」への更新の代わりに、選択されたレコードを削除する処理とすることもできる。また、複数の貯金済みのレコードが取り消し対象として選択された場合には、選択レコード毎に資金振替指示を生成して金融機関装置に送信することもできるが、各選択レコードの振替金額を合計した合計金額を一つの資金振替指示として生成して金融機関装置に送信することもできる。
【0145】
貯金を止めたい場合、若しくは、目標金額に到達した場合に、システムにユーザがその旨を指示した場合には、ユーザの指定した口座(資産用口座でもよいし、同金融機関の別口座でもよいし、他金融機関の口座であってもよい)へこれまで貯金用として蓄積した貯金を振替することもできる。また、貯金を止めたい場合、若しくは、目標金額に到達した場合に、資金振替結果DB25に格納されているレコードを削除する動作とすることもできるが、過去の貯金として格納を維持することもでき、例えば、デフォルトの動作としてはレコードを維持することとし、ユーザの指示により対象のレコードを削除することもできるという構成であってもよい。ここで、過去の貯金は、現在実施中の貯金と識別してユーザに表示することが望ましく、通常は現在実施中の貯金のみを表示し、ユーザから過去の貯金表示の要請を受けた場合にのみ、過去の貯金を表示し、レコードの内容を表示してもよい。
【0146】
複数の貯金を行っている場合には、一の貯金と他の貯金を統合したいニーズもある。この場合には、貯金別に口座を用意されているときには、一の貯金の貯金用口座に貯蓄されている金額を一の貯金の貯金用口座から他の貯金の貯金用口座へ資金振替する指示を生成して金融機関装置に送信することもできる。加えて、一の貯金と紐づいて記録されている資金振替結果DB25に記録されているレコードを、他の貯金のレコードとして紐づけを変更することもできる。別の構成として、貯金別に口座が用意されておらず、複数の貯金で同一の貯金用口座に貯蓄されている場合もあり、この場合には、貯金用口座の振替を実行する必要はないものの、一の貯金と紐づいて記録されている資金振替結果DB25に記録されているレコードを他の貯金のレコードとして紐づける処理は行うべきである。
【0147】
所定の貯蓄行為を行うとしたとしても、資金用口座に対象貯蓄分の資金がない場合には貯蓄が失敗することになる。このように資金がない場合で貯蓄失敗することをシステムとして検出するには、以下の例にて検出することができる。
・端数資金振替蓄積サーバ10が振替指示を生成するタイミングで金融機関装置に保持する資産用口座の金額を把握して振替指示の振替金額未満の資産用口座の金額であった場合。
・端数資金振替蓄積サーバ10が振替指示を生成するタイミングで金融機関装置に資産用口座の残高照会を実施して振替指示の振替金額未満の資産用口座の金額であった場合。
・端数資金振替蓄積サーバ10が振替指示を生成して金融機関装置に送信し、金融機関装置が振替指示に沿った振替を実行して失敗して端数資金振替蓄積サーバ10へ振替失敗を通知する場合。
このように貯蓄失敗を検出した場合に、貯蓄失敗に対して、その回答を貯金者に通知する動作と、後日再度同一の振替を試行する動作と、その回答を貯金者に通知して今回の貯金動作はスキップして次回の貯金動作を次回のタイミングで実施する動作を行う構成であってもよい。
【0148】
前記実施形態の[共有口座設定]では複数のユーザによって一つの蓄積口座を設定し、複数のユーザで一の貯金を行う仕組みを説明したが、複数のユーザで一の貯金を行う場合であっても、各ユーザは自己が保有する貯金用の口座に対して貯金を行い、つまり、ユーザはそれぞれルール設定を行って貯金動作がなされ、それぞれの口座に貯金が蓄積し、貯金金額は前記一の貯金に対して各ユーザが貯金している金額の合計を表示するという動作であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、例えば金融機関等が投資家に対して投資に係るアドバイスや提案を行う業務を支援するためのシステム等として好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0150】
1 端数資金振替蓄積システム
10 端数資金振替蓄積サーバ
11 資金計算手段
12 資金振替指示手段
13 蓄積資金情報生成手段
14 目標金額達成度算出手段
15 ポイント値算出手段
16 購入品注文処理手段
17 オファー情報送信手段
20 端数資金振替蓄積DWH
21 目標金額DB
22 資金計算ルールDB
23 口座情報DB
24 資金計算結果DB
25 資金振替結果DB
26 蓄積資金DB
27 ポイント管理DB
28 購入品情報DB
30 金融機関装置(クレジットカード会社)
40 金融機関装置(銀行)
50 金融機関装置(プリペイドカード会社)
60 顧客端末
70 販社装置
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 HDD
105 入力装置
106 表示装置(ディスプレイ)