(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028125
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】化粧料の着色防止方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/67 20060101AFI20220208BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20220208BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
A61K8/67
A61K8/19
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020131333
(22)【出願日】2020-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000147213
【氏名又は名称】株式会社成和化成
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 正人
(72)【発明者】
【氏名】土井 美沙季
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB282
4C083AB351
4C083AB352
4C083AC122
4C083AD641
4C083AD642
4C083AD662
4C083CC04
4C083DD27
4C083EE01
(57)【要約】
【課題】経時的に着色するグリセリルアスコルビン酸を配合する化粧料に関し、着色を抑制し、良好な経時安定性を確保するための方法を提供する。
【解決手段】亜硫酸、亜硫酸塩、亜硫酸水素、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸、ピロ亜硫酸塩からなる亜硫酸もしくは亜硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含有させることで、グリセリルアスコルビン酸を配合した化粧料の経時的な着色を抑制する。亜硫酸もしくは亜硫酸塩としては、ピロ亜硫酸ナトリウム及び/又は亜硫酸水素ナトリウムであることが好ましい。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜硫酸、亜硫酸塩、亜硫酸水素、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸、ピロ亜硫酸塩から選択される亜硫酸もしくは亜硫酸塩の1種又は2種以上を含有させることを特徴とする、グリセリルアスコルビン酸を配合した化粧料の着色防止方法。
【請求項2】
前記亜硫酸もしくは亜硫酸塩が、ピロ亜硫酸ナトリウム及び/又は亜硫酸水素ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の着色防止方法。
【請求項3】
前記グリセリルアスコルビン酸が、2-O-グリセリルアスコルビン酸、3-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸、3-O-アルキルグリセリルアスコルビン酸からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の着色防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料の着色防止方法に関する。より詳しくは、グリセリルアスコルビン酸を配合した化粧料の経時的な着色を防止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アスコルビン酸は、安全かつ有用な物質であり、抗酸化効果、コラーゲン産生促進効果、優れた美白効果等を有する化合物として知られており、皮膚の状態を改善し、健康な状態に保つ作用がある。しかし、アスコルビン酸は、光、熱、酸化に対して非常に不安定であり、化粧料、食品、医薬品等での利用が制限されていた。
【0003】
そこで、本発明者らは、アスコルビン酸より経時安定性が向上した誘導体としてグリセリルアスコルビン酸及びその塩を開発し、美白用の皮膚外用剤への配合、保湿剤としての配合、コラーゲン産生促進剤等の目的で化粧料への配合なども提案してきた(特許文献1,2)。
【0004】
しかしながら、前記グリセリルアスコルビン酸はアスコルビン酸に比べて格段にその安定性が向上しているものの、化粧品に配合し長期間保存した場合には、経時的な着色が生じる場合があり、化粧料の品質を損ねる懸念があった。
【0005】
そこで、グリセリルアスコルビン酸を配合した化粧料の経時的な着色を防止する方法の開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2009-529057号公報
【特許文献2】特願2010-046036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、アスコルビン酸誘導体であるグリセリルアスコルビン酸を配合した化粧料の経時的な着色の発生を長期間防止することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記実情を鑑みて鋭意検討した結果、亜硫酸、亜硫酸塩、亜硫酸水素、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸、ピロ亜硫酸塩などの亜硫酸類もしくは亜硫酸塩類を添加することにより、グリセリルアスコルビン酸を配合した化粧料の経時的な着色発生を防止し得ることを見出した。また、本発明の着色防止方法は溶液系の透明化粧料のみならず、ゲル状の製剤や油相を含む乳化系の化粧料中においても有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、亜硫酸、亜硫酸塩、亜硫酸水素、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸、ピロ亜硫酸塩から選択される亜硫酸もしくは亜硫酸塩の1種又は2種以上を含有させることにより、アスコルビン酸誘導体の1種であるグリセリルアスコルビンを配合した化粧料の経時的な着色を防止する方法により前記課題を解決するものである(請求項1)。
【0010】
請求項2の発明は、前記亜硫酸もしくは亜硫酸塩として、工業的に入手しやすく、着色防止効果が高いピロ亜硫酸ナトリウム及び/又は亜硫酸水素ナトリウムを選択することを特徴とするグリセリルアスコルビン酸を配合した化粧料の着色防止方法である。請求項2は、この特に好ましい態様に該当するものである。
【0011】
請求項3の発明は、前記グリセリルアスコルビン酸が、2-O-グリセリルアスコルビン酸、3-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸、3-O-アルキルグリセリルアスコルビン酸から選択される1種以上である請求項1又は2に記載の着色防止方法であって、グリセリルアスコルビン酸として2位及び/又は3位にグリセリル基又はアルキルグリセリル基が付加している誘導体は工業的に入手が容易であり化粧料へ配合されることも多いことから、本発明を適用する好ましい様態に該当する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、グリセリルアスコルビン酸を配合した化粧料に対して亜硫酸もしくは亜硫酸塩を含有させることで、優れた着色防止効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明で用いる亜硫酸類もしくは亜硫酸塩類としては、亜硫酸、亜硫酸塩、亜硫酸水素、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸、ピロ亜硫酸塩などの中から1種又は2種以上を任意に選択して用いることができる。
【0014】
前記亜硫酸もしくは亜硫酸塩としては、工業的に入手しやすく、着色防止効果が高いといった点で、ピロ亜硫酸ナトリウム及び/又は亜硫酸水素ナトリウムを選択することが特に好ましい。ピロ亜硫酸ナトリウムは市販品を用いることができ、神州化学株式会社製の無水重亜硫酸ソーダなどを用いることができる。
【0015】
本発明における亜硫酸もしくは亜硫酸塩の配合量は、化粧料全量に対して0.0001重量%~2.0重量%の範囲で使用することができるが、好ましくは0.001重量%~1.0重量%であり、より好ましくは0.01重量%~0.5重量%である。0.0001重量%未満では着色防止効果が認められず、また2.0重量%を超えても特に効果の増加は認められない。
【0016】
本発明のグリセリルアスコルビン酸とは、アスコルビン酸の2位、3位、5位又は6位に1以上のグリセリル基もしくはアルキルグリセリル基が付加したアスコルビン酸誘導体である。グリセリルアスコルビン酸を配合した化粧料は肌に塗布した場合に保湿効果、抗酸化効果、メラニン産生抑制効果、コラーゲン産生促進効果など様々な好ましいスキンケア効果を発揮する。その具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができる。
【0017】
なお、以下の例示において、グリセリルとは、HOCH2-CH(OH)-CH2-又はHOCH2-CH(CH2OH)-で表される基を示し、アルキルとは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基等を示し、アルケニルとは、ビニル基、アリル基、ブテニル基、イソブテニル基、クロチル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基等を示し、アシルとは、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、エイコサノイル基、ヘキサデセノイル基、オクタデセノイル基、オクタデカトリエノイル基、イコサテトラエノイル基、イソオクタノイル基、イソパルミトイル基、イソステアロイル基、2-プロピルペンタノイル基、2-ブチルヘキサノイル基、2-ペンチルヘプタノイル基等を示す。
【0018】
グリセリルアスコルビン酸は、例えば、特許文献1で開示された方法で製造することができる。
【0019】
グリセリルアスコルビン酸の具体例としては、2-O-グリセリルアスコルビン酸、3-O-グリセリルアスコルビン酸、5-O-グリセリルアスコルビン酸、6-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3,5,6-テトラ-O-グリセリルアスコルビン酸,2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸、2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-アルキルグリセリルアスコルビン酸、3-O-アルキルグリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-5-O-アシルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-6-O-アシルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-アルケニルアスコルビン酸、2-O-アルケニル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-アルケニルグリセリルアスコルビン酸、3-O-アルケニルグリセリルアスコルビン酸等が挙げられる。化粧料に配合する場合には、これらの中から選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
工業的に入手しやすく、本発明として好ましいグリセリルアスコルビン酸としては、2-O-グリセリルアスコルビン酸、3-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸、3-O-ラウリルグリセリルアスコルビン酸、2-O-ヘキシル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-ヘキシルアスコルビン酸、2-O-ミリスチル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-セチル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-オクチル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-オクチルアスコルビン酸が挙げられる。
【0021】
グリセリルアスコルビン酸の塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩などの金属塩や、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル1,3-プロパンジオール塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩などのアンモニウム塩などが挙げられる。
【0022】
本発明のグリセリルアスコルビン酸は市販品を用いても良く、例えば、2-O-グリセリルアスコルビン酸を含有するAmitose 2GA、3-O-グリセリルアスコルビン酸を含有するAmitose 3GA、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸を含有するAmitose DGA(すべて(株)成和化成社製)などを挙げることができる。
【0023】
本発明の着色防止方法を適用するグリセリルアスコルビン酸を配合した化粧料としては、皮膚化粧料が好ましい。さらに当該皮膚化粧料には、グリセリルアスコルビン酸以外にも化粧料に通常使用される成分を広く配合することができる。
【0024】
通常化粧料に使用される成分として、例えば、固形又は半固形油、界面活性剤、保湿剤、高分子化合物、美白剤、薬剤、紫外線吸収剤、タンパク質、タンパク質加水分解物又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、防腐剤、顔料、着色料、香料等を適宜配合することができる。
【0025】
固形又は半固形油としては油脂等が挙げられ、例えば、テオブロマグランジフロルム種子脂、マンゴー種子脂、カカオ脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油、シア脂、ショレアステノプテラ脂、アフリカマンゴノキ核脂、アボカド脂、サラソウジュ種子脂、アストロカリウムムルムル脂、アストロカリウムムルムル種子脂、アストロカリウムツクマ種子脂、ガルシニアインディカ種子脂、トリチリアエメチカ種子脂、バシアラチホリア種子脂、ガルシニアインディカ種子脂、水素添加カカオ脂、(マカデミア種子油/水添マカデミア種子油)エステルズ、乳脂等が挙げられる。
【0026】
界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アシル-N-メチルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、脂肪酸アミドアルキルアミン等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシ-N-ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコールの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン、アルキルポリグルコシド等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0027】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、エトキシジグリコール、プロピレングリコール、マルチトール、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0028】
高分子化合物としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、高分子のジメチルポリシロキサン、アラビアガム、トラガカントガム、キャブロガム、グアーガム、ペクチン、寒天、クインスシード、デンプン、アルゲコロイド、デキストラン、サクシノグルカン、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、カルボキシメチルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメルタウリンコポリマー、カチオンポリマー等の増粘剤やその他の高分子化合物が挙げられる。
【0029】
美白剤としては、例えば、エラグ酸、カミツレエキス、甘草エキス、ルシノール、ローズマリーエキス、アルブチン、トラネキサム酸、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸リン酸マグネシウムといったアスコルビン酸誘導体等を挙げることができる。
【0030】
薬剤としては、肌荒れ防止剤または抗炎症剤を挙げることができる。肌荒れ防止剤または抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸メチル、ピリドキシン塩酸塩、アラントイン、海塩、ソウハクヒエキス、アロエエキス、クチナシエキス、カミツレエキス、カンゾウエキス、ムクロジエキス、キョウニンエキス、オウゴンエキス、甜茶エキス、ビワエキス、イチョウエキス、オトギリソウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ベニバナエキス、トウヒエキス、サルビアエキス、シラカバエキス、チンピエキス、トウニンエキス、ガイヨウエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、ニンジンエキス、シャクヤクエキス、センキュウエキス、ゲンチアナエキス、冬虫夏草エキス、オウバクエキス、インチンコウエキス、ゲンノショウコエキス、モモ葉エキス、クマザサエキス、ヨクイニンエキス、マロニエエキス、サンザシエキス、オウレンエキス、レイシエキス、トウキンセンカエキス、ペパーミントエキス、コンフリーエキス、ブッチャーブルームエキス、ウスベニアオイエキス、ヤグルマルソウエキス、トゲナシエキス等が挙げられる。その他、育毛用薬剤、ニキビ用薬剤、ふけ・かゆみ用薬剤、腋臭防止用薬剤等も薬剤として挙げることができる。
【0031】
紫外線吸収剤としては、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン-スルホン酸ナトリウム、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体;パラメトキシケイヒ酸エチル、パラメトキシケイヒ酸イソプロピル、パラメトキシケイヒ酸-2-エチルヘキシル(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル)、パラメトキシケイヒ酸ナトリウム、パラメトキシケイヒ酸カリウム、ジパラメトキシケイヒ酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシケイヒ酸誘導体;サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル、オクトクリレン(2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸-2-エチルヘキシル)、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)及びオクチルトリアゾン等が挙げられる。
【0032】
タンパク質、タンパク加水分解物又はその誘導体としては、例えば、乳タンパク、絹タンパク、小麦タンパク、米タンパク、エンドウマメタンパク、コラーゲン、ケラチン、大豆、ゴマ、コンキオリン、海洋コラーゲン等のタンパク質、これらの加水分解物又はタンパク加水分解物のアシル化、シリル化、カチオン化、アルキルエステル誘導体等が挙げられる。
【0033】
アミノ酸又はそれらの誘導体としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン等のアミノ酸、およびこれらのアシル化、アルキル化、グリセリル化、エステル化誘導体等が挙げられる。
【0034】
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンE又はその誘導体、タンニン、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)等を挙げることができる。
【0035】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム塩、リン酸、エチドロン酸等を挙げることができる。
【0036】
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0037】
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0038】
本発明の化粧料の剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、粉末分散系、水-油二層系等いずれも可能である。化粧料の形態としては、例えば、クレンジングクリーム、エモリエントクリーム、ハンドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングフォーム、洗顔クリーム、洗顔料、ボディーシャンプー、各種石鹸、脱毛剤、フェイスパックへの含侵液、乳液、化粧水、メイクアップ用品、日焼け止め用品などの皮膚化粧料などが挙げられる。
【実施例0039】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。なお、実施例の表中に記載されている数値は、いずれも化粧料の全量に対する質量%である。
【0040】
実施例1~4及び比較例1~4
表1に示す処方で、実施例1~4、及び比較例1~4に示す美容液を調製した。
【0041】
[着色防止効果の評価]
実施例1~4及び比較例1~4の美容液を密閉容器に取り、蓋で密閉して50℃±0.5℃の恒温槽にそれぞれ1カ月間放置した後、美容液の着色度を目視で下記の基準により評価した。
◎:全く着色が見られない
〇:僅かに着色が見られる
△:着色が見られる
×:かなり着色が見られる
【0042】
これらの評価結果を表1に示す。
【表1】
表1中、*1は(株)成和化成製のAmitose 3GA(商品名、3-O-グリセリルアスコルビン酸30質量%、グリセリン30質量%、水40質量%を含有)として配合した。
*2は(株)成和化成製のAmitose DGA(商品名、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸50質量%、グリセリン25質量%、水25質量%を含有)として配合した。
【0043】
表1に示されるように、ピロ亜硫酸ナトリウムもしくは亜硫酸水素ナトリウムを用いることにより優れた着色防止効果が示され、亜硫酸塩が極めて有効な着色防止効果を示すことがわかる。