特開 2022-28149 哺乳瓶用乳首

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022028149

(43)【公開日】2022-02-16

(54)【発明の名称】哺乳瓶用乳首

(51)【国際特許分類】

   A61J 11/04 20060101AFI20220208BHJP

【ＦＩ】

A61J11/04 A

【審査請求】未請求

【請求項の数】1

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2020131361

(22)【出願日】2020-08-03

(71)【出願人】

【識別番号】508337156

【氏名又は名称】カネソン株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100090239

【弁理士】

【氏名又は名称】三宅 始

(74)【代理人】

【識別番号】100100859

【弁理士】

【氏名又は名称】有賀 昌也

(72)【発明者】

【氏名】森藤 靖男

【テーマコード（参考）】

4C047

【Ｆターム（参考）】

4C047PP26

4C047PP55

(57)【要約】

【課題】哺乳瓶とネジ付き飲み口付き袋のいずれを用いても授乳できる哺乳瓶用乳首を提供することを目的とする。
【解決手段】キャップ２０で哺乳瓶３０の開口３０ａに締め付けて装着することにより哺乳瓶３０から乳幼児に授乳できる。乳首本体１１に一体成形したネジ筒１２をネジ付き飲み口４１にネジ付けることにより、ネジ付き飲み口付き袋４０のネジ付き飲み口４１に装着できるので、ネジ付き飲み口付き袋４０から授乳することもできる。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

先端に乳頭部を設けるとともに、底面に接続口を形成し、接続口が哺乳瓶の開口に連通するように哺乳瓶に着脱可能に装着される軟質プラスチック製の哺乳瓶用乳首であって、
両端面が開口し、ネジ付き飲み口を有する容器のネジ付き飲み口にネジ付けることができる硬質プラスチック製のネジ筒を前記接続口の内周面に一体成形したことを特徴とする哺乳瓶用乳首。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は哺乳瓶用乳首に関する。

【背景技術】

【0002】

哺乳瓶用乳首は、例えば、特開２０２０－４４１２４号公報に開示されているように、軟質プラスチックの材料を使って成形されている。そして、先端に乳頭部が設けられ、底部には、哺乳瓶の開口との接続口が形成されている。
この種の哺乳瓶用乳首は、哺乳瓶の開口の外周部にネジ付けられるキャップで接続口が哺乳瓶の開口に連通するように哺乳瓶に着脱可能に装着される。

【0003】

一般に哺乳瓶は、硬質プラスチック製又はガラス製であるため硬く、とくにガラス製のものは重い。そのため外出時に携帯するにはバッグ等に収納し難く、不便である。
また、乳幼児に授乳して空になった哺乳瓶は外出先で廃棄処分するわけにはいかず、持ち帰らなければならないので、煩わしい。

【0004】

ところで、特開２０１７－１４１０６１号公報には、プラスチックフィルム製の袋の上部にネジ付き飲み口を取り付け、ネジ付き飲み口にキャップをねじ付けて閉栓したネジ付き飲み口を有する袋状の容器が開示されている。
この種のネジ付き飲み口を有する袋状の容器は、哺乳瓶と違って柔らかくて軽いので、携帯するに便利である。また、空になれば外出先でも廃棄が可能である。
さらに、キャップで再密閉が可能であり、衛生的に使用できるので、離乳食類、流動食類、ジュース類、ゼリー状飲料等の食品の包装容器として広く用いられている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】特開２０２０－４４１２４号公報

【特許文献2】特開２０１７－１４１０６１号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

本発明の発明者は、上記した携帯に便利で使いやすく、衛生的なネジ付き飲み口を有する袋状の容器や、ネジ付き飲み口を有するペットボトルに着目し、哺乳瓶だけでなく、ネジ付き飲み口を有する袋状の容器やネジ付き飲み口を有するペットボトル等を用いても授乳したり、水分補給ができる哺乳瓶用乳首を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本発明は、先端に乳頭部を設けるとともに、底面に接続口を形成し、接続口が哺乳瓶の開口に連通するように哺乳瓶に着脱可能に装着される軟質プラスチック製の哺乳瓶用乳首であって、
両端面が開口し、ネジ付き飲み口を有する容器のネジ付き飲み口にネジ付けることができる硬質プラスチック製のネジ筒を前記接続口の内周面に一体成形したことを特徴とする。

【発明の効果】

【0008】

本発明に係る哺乳瓶用乳首は、哺乳瓶の開口に装着することにより哺乳瓶から乳幼児に授乳できるだけでなく、接続口の内周面にネジ筒を一体成形したので、ネジ付き飲み口を有する容器のネジ付き飲み口に装着でき、ネジ付き飲み口を有する容器から授乳や、水分補給等をすることもできる。
しかして、ネジ付き飲み口を有する袋状の容器は柔らかくて軽いので、外出時に携帯するに便利である。また、授乳して空になれば外出先でも廃棄が可能である。その際、ネジ付き飲み口付き袋だけ廃棄し、哺乳瓶用乳首は殺菌処理して再使用することもできる。
また、本発明に係る哺乳瓶用乳首は、水害や地震等、物資の不足する災害現場で、空になったペットボトルの飲み口に装着し、乳幼児に水分補給を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】本発明の実施例に係る哺乳瓶用乳首を装着した哺乳瓶を示す断面図である。

【図2】同哺乳瓶用乳首を装着したネジ付き飲み口を有する袋状の容器を示す断面図である。

【図3】同哺乳瓶用乳首を装着したペットボトルを示す断面図である。

【実施例0010】

以下に本発明を説明する。図１には本発明の一実施例に係る哺乳瓶用乳首１０をキャップ２０で装着した哺乳瓶３０が示されている。哺乳瓶用乳首１０は軟質プラスチック製の乳首本体１１と硬質プラスチック製のネジ筒１２から成り、両者が二色成形によって一体成形されている。

【0011】

乳首本体１１は、先端に乳頭部１１ａが形成され、底面には哺乳瓶３０の開口３０ａに接続される接続口１１ｂが形成されている。乳首本体１１の底部外周部にはフランジ１１ｃと、キャップ２０の中心穴２０ａに嵌合するリング溝１１ｄが形成されている。フランジ１１ｃには一ヶ所に空気弁１１ｅが形成されている。

【0012】

図１に示すように、哺乳瓶用乳首１０を哺乳瓶３０に装着するには、キャップ２０の中心穴２０ａに乳頭部１１ａを通して、リング溝１１ｄにキャップ２０を嵌合し、キャップ２０に設けられているネジ溝２０ｂを哺乳瓶３０の開口３０ａの外周部に設けられているネジ山３０ｂにネジ付ける。キャップ２０で哺乳瓶用乳首１０を哺乳瓶３０の開口３０ａにネジ付けると哺乳瓶用乳首１０の接続口１１ｂが哺乳瓶３０の開口３０ａに連通するので、哺乳瓶３０から授乳できる。

【0013】

図２に示すように、ネジ付き飲み口を有する袋状の容器４０に哺乳瓶用乳首１０を装着するには、乳首本体１１に一体成形したネジ筒１２をネジ付き飲み口４１にネジ付ける。ネジ筒１２の内周面にはネジ付き飲み口４１に螺合するネジ１２ａが形成されている。このネジ付き飲み口を有する袋状の容器４０は、２枚のフィルムを重ね、ネジ付き飲み口４１を取り付けた部分を除き上縁、両側縁及び下縁をヒートシール４０ａで接着して密封されている。ネジ付き飲み口を有する袋状の容器４０の底部にはマチ４０ｂが形成されている。また、表面には母乳の内容量が判るように目安の目盛り４０ｃが印刷されている。

【0014】

本実施例に係る哺乳瓶用乳首１０は、図１に示すように、キャップ２０で哺乳瓶３０の開口３０ａに締め付けて装着することにより哺乳瓶３０から乳幼児に授乳できる。また、図２に示すように、ネジ付き飲み口を有する袋状の容器４０のネジ付き飲み口４１に装着できるので、ネジ付き飲み口を有する袋状の容器４０から授乳することもできる。
しかして、ネジ付き飲み口を有する袋状の容器４０は柔らかくて軽いので、外出時に携帯するに便利である。そして、授乳して空になれば外出先でも廃棄が可能である。その際、ネジ付き飲み口を有する袋状の容器４０だけ廃棄し、哺乳瓶用乳首１０は殺菌処理して再使用することもできる。

【0015】

ちなみに、哺乳瓶３０で授乳するときは、乳幼児が母乳を吸引するとき空気弁１１ｅから外気が哺乳瓶３０の中に吸い込まれるので、哺乳瓶３０の中は負圧にならない。一方、ネジ付き飲み口を有する袋状の容器４０は柔らかくて容易に変形するので、乳幼児が母乳を吸引するときネジ付き飲み口を有する袋状の容器４０は収縮し、そのため内部が負圧にならない。

【0016】

また、本実施例に係る哺乳瓶用乳首１０は図３に示すように、空になったペットボトル５０のネジ付き飲み口５１に装着できるので、水害や地震等、物資の不足する災害現場で、空になったペットボトル５０を利用して、乳幼児に水分補給を行うことができる。

【符号の説明】

【0017】

１０…哺乳瓶用乳首
１１…乳首本体
１１ａ…乳頭部
１１ｂ…接続口
１１ｃ…フランジ
１１ｄ…リング溝
１１ｅ…空気弁
１２…ネジ筒
１２ａ…ネジ
２０…キャップ
２０ａ…中心穴
２０ｂ…ネジ溝
３０…哺乳瓶
３０ａ…開口
３０ｂ…ネジ山
４０…ネジ付き飲み口を有する袋状の容器
４１…ネジ付き飲み口
５０…ペットボトル
５１…ネジ付き飲み口

【図1】

【図2】

【図3】