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特開2022-30125調理支援装置、調理支援方法、及び調理支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030125
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】調理支援装置、調理支援方法、及び調理支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220210BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20220210BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20220210BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20220210BHJP
   G06F 16/383 20190101ALI20220210BHJP
【FI】
G06Q50/10
F24C15/00 D
F24C15/00 H
F24C15/00 M
F24C7/02 301K
G06F3/16 620
G06F3/16 690
G06F16/383
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133906
(22)【出願日】2020-08-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】506143492
【氏名又は名称】クックパッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 直樹
【テーマコード(参考)】
3L086
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086AA13
3L086CA10
3L086CC16
3L086DA24
5B175DA01
5B175FB01
5L049AA22
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの状況に係わらず、レシピ情報の全体像を効率的に理解可能とする調理支援装置、調理支援方法及び調理支援プログラムを提供する。
【解決手段】調理支援装置100において、レシピ情報を保持する情報保持部110と、レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出して、語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における調理概念の登場順に語彙を連ねることで、レシピ情報の要約を生成する要約生成部111と、備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシピ情報を保持する情報保持部と、
前記レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出して、前記語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順に前記語彙を連ねることで、前記レシピ情報の要約を生成する要約生成部と、
を備える調理支援装置。
【請求項2】
前記要約生成部は、
前記分類に際し、前記抽出した語彙のうち、調理開始から最初の熱処理までのもので、所定の分類辞書にて下ごしらえのカテゴリに属するもののみを特定する処理と、前記抽出した語彙のうち、前記最初の熱処理以降から最後の熱処理までの間のもので、前記分類辞書にて本調理のカテゴリに属するもののみを特定する処理と、前記抽出した語彙のうち、前記最後の熱処理以降のもので、前記分類辞書にて仕上げのカテゴリに属するもののみを特定する処理とを実行するものである、
請求項1に記載の調理支援装置。
【請求項3】
前記要約生成部は、
前記抽出に際し、前記レシピ情報のうち非調理手順に関連する箇所を、予め判明しているレシピフォーマットに基づき特定し、当該箇所を前記抽出の対象から除外する処理をさらに実行するものである、
請求項1または2に記載の調理支援装置。
【請求項4】
前記要約生成部は、
前記抽出に際し、食材に対応する語彙の抽出数を一定数に制限する処理、及び調味料に対応する語彙の抽出を省略する処理、の少なくともいずれかを実行するものである、
請求項1~3のいずれかに記載の調理支援装置。
【請求項5】
前記要約生成部は、
前記語彙を連ねて前記要約を生成する際、食材に対応する語彙に対し、調理動詞に対応する語彙を繋げる形式で表現を統一する処理、及び前記調理動詞の表記ゆれを予め保持する所定の辞書に基づき統一する処理、の少なくともいずれかを実行するものである、
請求項1~4のいずれかに記載の調理支援装置。
【請求項6】
前記要約を音声読み上げ手段に付与し、音声データとして出力する音声出力部をさらに備える、請求項1~5のいずれかに記載の調理支援装置。
【請求項7】
前記音声出力部は、
ユーザからの要約読み上げ指示をインターフェイスから受け付け、前記要約読み上げ指示における指定カテゴリに関して、前記要約における対応部分を前記音声読み上げ手段に付与し、音声データとして出力するものである、
請求項6に記載の調理支援装置。
【請求項8】
前記要約をディスプレイ装置において画面出力する画面出力部をさらに備える、請求項1~7のいずれかに記載の調理支援装置。
【請求項9】
前記ディスプレイ装置における前記要約の画面出力に伴い、当該画面出力に関する通知音声データを読み上げ手段に付与し音声出力する音声出力部をさらに備える、請求項8に記載の調理支援装置。
【請求項10】
調理支援装置が、
レシピ情報を保持して、
前記レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出して、前記語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順に前記語彙を連ねることで、前記レシピ情報の要約を生成する処理と、
を実行する調理支援方法。
【請求項11】
調理支援装置において、
レシピ情報を保持し、
前記レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出して、前記語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順に前記語彙を連ねることで、前記レシピ情報の要約を生成する処理と、
を実行させる調理支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調理支援装置、調理支援方法、及び調理支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、調理のレシピ情報をインターネット等のネットワークを介してユーザに提供するサービスが増えている。また、そうしたレシピ情報に関して、調理機器のディスプレイやいわゆるスマートスピーカー等が調理手順を出力する技術も存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、調理人に対しレシピを示し、その調理作業を支援することを目的とした、調理支援装置が開示されている。
【0004】
この調理支援装置は、調理人の調理に関する熟練度を示すスキル情報、前記調理人が所有している調理器具の種類と個数を入力するための入力手段と、前記料理の作業工程の順番と、前記各作業工程における作業手順を示したレシピ情報を記憶しているレシピ情報記憶手段と、前記スキル情報、前記調理器具の種類と個数、前記レシピ情報とに基づいて、前記調理人のスキルに応じた調理時間に従って調理作業を行える作業スケジュール、前記作業スケジュールの各作業工程における作業手順、前記作業手順の画像または動画、前記調理の終了予定時刻を演算する演算手段と、前記作業スケジュール、前記作業手順、前記作業手順の画像または動画、前記終了予定時刻を表示する表示手段と、作業手順を音声で読み上げる音声出力手段を備える。
【0005】
また他にも、特許文献2には、料理手順を示す2つの手順の間に待時間が存在する場合に、先の手順を音声出力した後に、待時間を計時して、その待ち時間が経過した後に、自動的に後の手順を音声出力することを目的とした、調理ナビゲーション装置が開示されている。
【0006】
この調理ナビゲーション装置は、入力されたレシピデータを解析し、料理手順を示す各文を読み上げ文として抽出するとともに、読み上げ文に待時間情報が含まれている場合には、その待時間情報を抽出することにより、調理ナビゲーションデータを生成する手段、先頭の読み上げ文を、音声合成して音声出力させるとともに、先頭の読み上げ文が音声出力された後においては、ユーザ操作に基づく料理手順出力指令が入力される毎に、次の読み上げ文を音声合成して音声出力させる手段、および音声出力された読み上げ文に、待時間情報が含まれている場合には、当該読み上げ文が音声出力された時点から、その待時間情報で示される待時間の計時を開始し、待時間の計時の開始後に料理手順出力指令が入力されずに、その待時間が経過した場合には、自動的に次の読み上げ文を音声合成して音声出力させる手段を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007-128305号公報
【特許文献2】特開2004-294864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の従来技術に関しては、例えば、調理やその他の家事等で手が離せないユーザであっても、調理手順や材料を認識し、その後の調理に活かすことが期待される。ところが、そうして出力される内容は、単純にレシピ情報が含むテキストデータを順に出力したものであって、大量の情報を一度に閲覧や視聴等しにくいユーザの状況とはマッチしにくい。
【0009】
例えば、小型のディスプレイ表示やスピーカーでの音声出力での手短な情報提供を望んでおり、時間的にも精神的にも余裕の少ないユーザにとって、延々と表示/読み上げられる調理手順を認識し続けるとなると、後半部分の内容しか記憶に残らず、却って理解が錯綜する恐れすらある。つまり、単にレシピ情報の出力を行うだけであれば、本来の調理支援の目的を阻害する可能性すらある。
【0010】
そこで本開示は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ユーザの状況に係わらず、レシピ情報の全体像を効率的に理解可能とする、調理支援装置、調理支援方法、及び調理支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本開示の調理支援装置は、レシピ情報を保持する情報保持部と、前記レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出して、前記語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順に前記語彙を連ねることで、前記レシピ情報の要約を生成する要約生成部とを備える。
【0012】
また、本開示の調理支援方法は、調理支援装置が、レシピ情報を保持して、前記レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出して、前記語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順に前記語彙を連ねることで、前記レシピ情報の要約を生成する処理を実行する。
【0013】
また、本開示の調理支援プログラムは、調理支援装置において、レシピ情報を保持し、前記レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出して、前記語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順に前記語彙を連ねることで、前記レシピ情報の要約を生成する処理と、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本開示の調理支援装置、調理支援方法、及び調理支援プログラムによれば、ユーザの状況に係わらず、レシピ情報の全体像を効率的に理解可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概要を示す構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る調理支援装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る分類辞書の構成例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るレシピ情報の構成例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る要約情報の構成例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る調理支援方法のフロー例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る画面出力例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0017】
<構成>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム10の概要を示す構成図である。情報処理システム10は、調理支援装置100とレシピサーバ200を含んで構成される。本実施形態における調理支援装置100は、実装例の1つとしてスマートスピーカーを例にあげて説明するもののとする。
【0018】
調理支援装置100と、レシピサーバ200とは、有線又は無線のネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、その一部にインターネット、公衆無線ネットワークなどの広域ネットワークを含んで構成されてもよいし、構内ネットワーク(LAN:Local Area Network)を含んで構成されてもよい。
【0019】
調理支援装置100は、上記したとおりスマートスピーカーを一例として想定するが、スマートスピーカーと同様の音声入出力機能を有した携帯機器やPC(パーソナルコンピューター)、PDA、腕時計、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ等の装置も含みうる。また、要約の音声出力を必須としない構成を採用する場合、音声入出力機能の有無に関わらず、ディスプレイを備えた各種装置も概念に含みうる。
【0020】
なお、ディスプレイを有するスマートスピーカーの場合、要約をディスプレイで画面表示させ、スピーカーにて「画面にて要約をご確認ください」と画面確認を促す音声出力を行うといった運用形態も想定できる。そうした運用形態の場合、ディスプレイで要約を明示し視認させる一方、音声出力をシンプルなものとできる。
【0021】
一方、レシピサーバ200は、レシピサイトを運用するサーバ装置であって、ユーザから投稿された膨大なレシピ情報を保持、管理し、ユーザからの求めに応じて配信するものとなる。
【0022】
調理支援装置100は、ユーザ指示に応じて上述のレシピサーバ200から取得したレシピ情報を、適宜な記憶装置に格納する。ここで、レシピ情報は、調理方法を表し、例えば、ユーザID(レシピを作成(投稿)した人又はレシピで料理を作った人を表す)、レシピ名(料理名称)、調理工程、食材、調理器具等の各種情報が含まれている。
【0023】
レシピサーバ200は、調理支援装置100からの要求に基づいて、レシピ情報の一部又は全部を、調理支援装置100へ配信する。調理支援装置100は、レシピサーバ200から配信されたレシピ情報に対し、本発明の調理支援方法を適用して、適宜な要約を生成し、これを画面出力や音声出力することとなる。
【0024】
上述の調理支援装置100は、上述のようにレシピサーバ200から得たレシピ情報に対する自然言語処理を実行し、調理動作に関連する語彙を抽出することが可能である。そのため、例えば、形態素解析や品詞同定といった自然言語処理のための解析エンジンを予め備えるか、或いは外部装置から呼び出して利用可能である。
【0025】
また、調理支援装置100は、上述のように抽出した語彙を、「下ごしらえ」、「本調理」、「仕上げ」といった予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順(下ごしらえ→本調理→仕上げ)に、上記語彙を連ねることで、対象となるレシピ情報の要約を生成する。
【0026】
また、調理支援装置100は、上述のように生成した要約を、音声読み上げエンジンに付与し、スピーカー上(後述するインターフェイス)で音声データとして出力する。或いは、調理支援装置100は、生成した要約をディスプレイ装置において画面出力させる。なお、調理支援装置100は、上述の要約のうち、ユーザ指定のカテゴリに関するもののみを出力するとしてもよい。
【0027】
こうした調理支援装置100は、例えば、コンピュータやメインフレーム等の情報処理装置で構成される。また、調理支援装置100は、図2で例示するように、情報保持部110、要約生成部120、音声出力部130、画面出力部140、及び通信部150から構成される。
【0028】
このうち情報保持部110は、分類辞書111、レシピ情報112、及び要約情報113を記憶する。分類辞書111は、図3で例示するように、レシピ情報に含まれる語彙について、調理動作に関連するもの、また、そうした語彙が、下ごしらえ、本調理、及び仕上げといった各調理概念のいずれに関するものか(或いはそうでないのか)を規定した辞書となっている。
【0029】
この分類辞書111で保持する情報としては、例えば、カテゴリ別の該当語彙を、動詞、格助詞、及び目的語、に分類したテーブル形式のものを想定できる。図3の例では、目的語として、食材、野菜、肉、魚、といった粒度で語彙例を示したが、より具体的に、キャベツ、人参、たまねぎ、牛肉、牛ロース、鶏胸肉、ブリの切り身、といった粒度で辞書が規定されていると想定してよい。
【0030】
また、この分類辞書111で保持する情報としては、上記のものの他に、同義語の規定情報も想定できる。図3の例では、同義語群の例として、切る、カットする、切断する、断ち切る、断つ、といった語彙を同義語とした例を示した。また、洗う、洗浄する、洗い、水洗いする、といった語彙を同義語とした例も示した。これら同義語の規定には、統一定義も設定されており、当該同義語を代表する語彙が1つ指定されているものとする。
【0031】
また、レシピ情報112は、図4で例示するように、料理を作るための情報であって、レシピを一意に識別するレシピIDをキーに、そのジャンル、タイトル(料理名称)、及び料理内容、料理画像の各情報が紐付けて格納されたテーブルである。このうち料理内容としては、食材と使用機材、調理動作といった各種情報を調理工程ごとに記述した情報となっている。また、料理画像は、例えば対応する料理の完成時あるいは調理途中の画像を想定できるが、本発明において必須ではない。
【0032】
なお、こうしたレシピ情報は、対応する料理の画像や動画とテキストから構成されるコンテンツであってもよい。調理支援装置100が配信するレシピ情報は、ユーザ(投稿者又は閲覧者)によって投稿されてもよいし、サービス提供事業者によって投稿されてもよい。
【0033】
また、要約情報113は、要約生成部120により生成された要約を格納したテーブルである。この要約情報113は、調理支援装置100の要約生成部120が、レシピ情報112における各レコードすなわち各レシピにおける、料理内容のテキストデータを対象とした、形態素解析や品詞同定に対応した解析エンジン121による語彙抽出や、該当語彙を対象とした調理概念別の分類を経て、調理全体における調理概念の登場順に該当語彙を連ねることで生成したものとなる。
【0034】
なお、要約生成部120は、要約生成に伴う語彙の分類に際し、レシピ情報の調理内容から抽出した語彙のうち、調理開始から最初の熱処理までのもので、分類辞書111にて下ごしらえのカテゴリに属するもののみを特定する処理と、抽出した語彙のうち、最初の熱処理以降から最後の熱処理までの間のもので、分類辞書111にて本調理のカテゴリに属するもののみを特定する処理と、抽出した語彙のうち、最後の熱処理以降のもので、分類辞書111にて仕上げのカテゴリに属するもののみを特定する処理とを実行する。
【0035】
上述の処理における要約生成部120は、調理概念のカテゴリ(下ごしらえ、本調理、仕上げ)ごとに要約処理を最適化することで、要約精度の向上を図っていると言える。より具体的には、例えば、「下ごしらえ」のカテゴリに関し、当該カテゴリに関する語彙だけを抽出するように、分類辞書111において「形状を変える」、「洗う」などの概念に対応する動詞の語彙のみが規定されている。同様に、「仕上げ」のカテゴリに関しては、分類辞書111において「盛り付ける」、「かける」などの概念に対応する動詞の語彙のみが規定されている。したがって、こうしたカテゴリに特有の語彙以外は要約の構成要素として抽出されない、つまり要約に含まれないよう制御されている。
【0036】
また、要約生成部120は、上述のようにレシピ情報の調理内容から語彙を抽出しカテゴリ分けする処理の他にも、要約として生成する文章量を抑制し最適化を図る処理をさらに実行することも可能である。
【0037】
その場合、要約生成部120は、上述の調理内容が含む語彙のうち、食材に対応する語彙を、例えば分類辞書111で特定する処理を、該当語彙の数が一定数に到達するまでと制限する制御を実行する。つまり、食材の語彙については、一定数以上の抽出はせず、残りの食材の語彙は省略することとする。また、要約生成部120は、調理内容における語彙のうち調味料に対応するものについて分類辞書111で特定し、その語彙については抽出対象から除外する制御を実行する。つまり、要約を構成する語彙として調味料は省略することとする。
【0038】
また他にも、要約生成部120は、要約の文章量抑制のための制御を実行可能である。例えば、抽出した語彙を連ねて要約を生成する際、カテゴリごとに関して抽出した食材に対応する語彙に対し、当該カテゴリに関して抽出した調理動詞に対応する語彙を繋げる形式で、要約中の表現を統一する。このように表現を統一する制御を行うことで、様々な文体に応じた文章構成を行う処理が不要となり、処理効率が高まるとともに、そうして生成された要約を認識するユーザとしても、内容理解がしやすくなる。
【0039】
また要約生成部120は、要約の文章量抑制のための制御として、例えば、抽出した語彙のうち動詞に対応するもの同士を、例えば、分類辞書111で規定する同義語グループに照合し、同義語である語彙同士の表記を一方に或いは分類辞書111で規定するものに統一する制御を実行する。
【0040】
このようにして要約生成部120が生成した要約情報113は、レシピIDをキーとして、当該レシピ情報の要約、及び当該要約の内訳を紐付けたものとなる。その具体例としては、図5に示すとおり、「ジャガイモや人参、牛肉を切り、これを煮て盛り付ける料理です」、「豚ロースと野菜をカットして炒め、とろみを付ける料理です」といった内容の要約を含むものとなっている。
【0041】
<調理支援装置の機能>
続いて、調理支援装置100の各機能について説明する。調理支援装置100における要約生成部120は、レシピ情報112の「料理内容」に対する解析エンジン121による自然言語処理により、動詞、格助詞、及び目的語に対応する語彙を抽出し、そのうち、分類辞書111の「調理動作」カテゴリに該当するものを、調理動作に関連する語彙として抽出する。
【0042】
また、要約生成部120は、上述のように抽出した調理動作の語彙を、分類辞書111の「下ごしらえ」、「本調理」、及び「仕上げ」、の各調理概念のカテゴリに分類する。
【0043】
例えば、「ジャガイモ3個を一口サイズに切り・・・、水300mlに投入して中火で20分ほど煮込んであく抜きをした後、醤油と鰹だしを加え、人参が柔らかくなるまで弱火でじっくり煮込みます。・・・・お皿に盛り付けます」といった調理内容に関し、調理開始から最初の熱処理「中火で」までのもので、分類辞書111の「下ごしらえ」カテゴリに属するものとして、目的語の「ジャガイモ」、「人参」、及び「牛肉」と、格助詞の「を」と、動詞の「切る」、を特定する。
【0044】
なお、この場合、要約生成部120は、上述の調理内容が含む語彙のうち、目的語である食材に対応する語彙を分類辞書111に基づき特定する処理を、該当語彙の数が一定数に到達するまでと制限する。つまり、食材の語彙については、一定数以上の抽出はせず、残りの食材の語彙は省略することとする。また、要約生成部120は、調理内容における語彙のうち調味料に対応するものについては、分類辞書111で規定が無いため、その語彙については抽出対象から除外する。つまり、要約を構成する語彙として調味料は省略することとする。
【0045】
同様に、上述の最初の熱処理「中火で」から最後の熱処理「弱火で」までの間のもので、分類辞書111の「本調理」カテゴリに属するものとし、目的語の「人参」と、動詞の「煮て」、を特定する。
【0046】
同様に、上述の最後の熱処理「弱火で」以降のもので、分類辞書111の「仕上げ」カテゴリに属するものとし、動詞の「盛り付ける」、を特定する。
【0047】
要約生成部120は、上述のとおり各カテゴリに関して特定した語彙を、「下ごしらえ」、「本調理」、「仕上げ」の順(調理全体における調理概念の登場順)に連ねることで、対象レシピの要約を生成する。図5の例で言えば、「ジャガイモや人参、牛肉を切り、これを煮て盛り付ける料理です」といった要約が得られている。
【0048】
なお、本来なら「煮る」の対象は「人参」であるため、得られる要約は「人参を煮て・・・」という記載になるが、前の文節「ジャガイモや人参・・・」との重複を回避するために、「煮る」に対する「人参」は省略する制御を行っている。このとき、文章として自然なものとするため、上述の重複回避により省略した「人参」を「これ」といった指示語へ変換しても良い。
【0049】
なお、要約生成部120は、レシピ情報112における調理内容のテキストデータを、予め判明しているレシピフォーマットに適用して、非調理手順に関連する箇所を特定し、当該箇所を、語彙の抽出対象から予め除外するとしてもよい。
【0050】
レシピフォーマットとは、例えば、調理手順の記載箇所と、その前後における、レシピ作成者紹介や、味、食感に関する説明の記載箇所を規定し、それら各箇所が含む語彙や文節の特徴を規定したものを想定しうる。
【0051】
一方、音声出力部130は、要約生成部120が生成した要約を、音声読み上げエンジン131に付与し、後述するインターフェイス(スピーカー)にて音声データとして出力する。なお、音声読み上げエンジン131は、スマートスピーカーである調理支援装置100が当然に備えるものである。
【0052】
また、画面出力部140は、音声出力部130と同様に、要約生成部120が生成した要約のデータを、ディスプレイに出力し画面表示させる。このように、要約の出力先をディスプレイとする場合、この画面表示にユーザの視点を誘導するためのメッセージを、上述の音声出力部130で音声出力するとすればさらに好適である。
【0053】
その場合、ユーザとしては、料理内容が端的に記載された要約をディスプレイにてタイムリーに視認することが可能となり、効率的なレシピ理解がより進むことが期待される。また、調理支援装置100としては、音声出力部130での音声出力内容を簡素化し、全体として処理負荷を抑制できる。
【0054】
また、調理支援装置100における通信部150は、ネットワークNWを介してレシピサーバ200と通信を行う通信インターフェイスである。通信部150は、レシピサーバ200から配信されるレシピ情報を受信する。
【0055】
<処理の流れ>
次に、本開示の実施形態に係る調理支援装置100の動作について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。図6のフローチャートは、主として調理支援装置100における動作を示している。
【0056】
ステップS101において、調理支援装置100の要約生成部120は、例えば、インターフェイスやユーザの端末を介して、ユーザ指定のレシピ情報112から、その「料理内容」のテキストデータを抽出し、これを解析エンジン121に入力して形態素解析や品詞同定を行う。この処理によって、動詞、格助詞、及び目的語に対応する語彙が抽出できる。
【0057】
ステップS102において、要約生成部120は、上述のステップS101で抽出した語彙を、分類辞書111の「調理動作」カテゴリの規定語彙に照合し、この規定語彙に該当するものを、調理動作に関連する語彙として抽出する。具体的には、「ジャガイモ」、「人参」、「牛肉」、「を」、「切り」、「煮て」、「盛り付ける」、といった語彙を想定できる。
【0058】
ステップS103において、要約生成部120は、上述のステップS102で抽出した調理動作の語彙を、分類辞書111の「下ごしらえ」、「本調理」、及び「仕上げ」、の各調理概念のカテゴリに分類する。
【0059】
例えば、ユーザ指定のレシピにおける調理内容「ジャガイモ3個を一口サイズに切り・・・、水300mlに投入して中火で20分ほど煮込んであく抜きをした後、醤油と鰹だしを加え、人参が柔らかくなるまで弱火でじっくり煮込みます。・・・・お皿に盛り付けます」といったテキストデータに関して得ている語彙のうち、調理開始から最初の熱処理「中火で」までのもので、分類辞書111の「下ごしらえ」カテゴリに属するものとして、目的語の「ジャガイモ」、「人参」、及び「牛肉」と、格助詞の「を」と、動詞の「切る」、を特定する。
【0060】
同様に、上述の最初の熱処理「中火で」から最後の熱処理「弱火で」までの間のもので、分類辞書111の「本調理」カテゴリに属するものとし、目的語の「ジャガイモ」、「人参」、及び「牛肉」と、格助詞の「で」と、動詞の「煮て」、を特定する。
【0061】
同様に、上述の最後の熱処理「弱火で」以降のもので、分類辞書111の「仕上げ」カテゴリに属するものとし、動詞の「盛り付ける」、を特定する。
【0062】
なお、このステップS103における要約生成部120は、上述の各カテゴリの語彙のうち、目的語である食材に対応する語彙(ジャガイモ、人参、牛肉)を分類辞書111に基づき特定する処理を、該当語彙の数が一定数に到達するまでと制限する。つまり、食材の語彙については、一定数以上の抽出はせず、残りの食材の語彙は省略することとする。
【0063】
また、要約生成部120は、調理内容における語彙のうち調味料に対応するものについては、分類辞書111で規定が無いため、その語彙については抽出対象から除外する。つまり、要約を構成する語彙として調味料は省略することとする。
【0064】
ステップS104において、要約生成部120は、上述のとおり各カテゴリに関して特定した語彙を、「下ごしらえ」、「本調理」、「仕上げ」の順(調理全体における調理概念の登場順)に連ねることで、対象レシピの要約を生成する。図5の例で言えば、「ジャガイモや人参、牛肉を切り、これを煮て盛り付ける料理です」といった要約が得られている。
【0065】
なお、要約生成部120は、要約の文章量抑制のため、例えば、抽出した語彙を連ねて要約を生成する際、カテゴリごとに関して抽出した食材に対応する語彙に対し、当該カテゴリに関して抽出した調理動詞に対応する語彙を繋げる形式で、要約中の表現を統一する。このように表現を統一する制御を行うことで、様々な文体に応じた文章構成を行う処理が不要となり、処理効率が高まるとともに、そうして生成された要約を認識するユーザとしても、内容理解がしやすくなる。
【0066】
また要約生成部120は、要約の文章量抑制のための制御として、例えば、抽出した語彙のうち動詞に対応するもの同士を、例えば、分類辞書111で規定する同義語グループに照合し、同義語である語彙同士の表記を一方に或いは分類辞書111で規定するものに統一する制御を実行する。
【0067】
なお、要約生成部120は、レシピ情報112における調理内容のテキストデータを、予め判明しているレシピフォーマットに適用して、非調理手順に関連する箇所を特定し、当該箇所を、語彙の抽出対象から予め除外するとしてもよい。
【0068】
レシピフォーマットとは、例えば、調理手順の記載箇所と、その前後における、レシピ作成者紹介や、味、食感に関する説明の記載箇所を規定し、それら各箇所が含む語彙や文節の特徴を規定したものを想定しうる。
【0069】
ステップS105において、音声出力部130は、要約生成部120がS104までで生成した要約を、音声読み上げエンジン131に付与し、インターフェイス(スピーカー)にて音声データとして出力する。なお、音声読み上げエンジン131は、スマートスピーカーである調理支援装置100が当然に備えるものである。
【0070】
なお、音声出力部130は、インターフェイスやユーザの端末からの要約読み上げ指示を受け付け、この要約読み上げ指示における指定カテゴリ(下ごしらえ、本調理、仕上げ、の少なくともいずれか)に関して、上述の要約における対応部分を音声読み上げエンジン131に付与し、音声データとして出力するとしてもよい。
【0071】
こうした機能を実装することで、ユーザが本当に知りたいと考える箇所のみを音声出力し、そのニーズに的確に応えると共に、調理支援装置100における処理効率の向上も図れる。なお、音声出力部130は、ユーザが知りたい点について、要約ベースで当該ユーザからの質問を後述するインターフェイス(図8)を介して受け付けて回答する形態も想定できる。
【0072】
その場合、例えば、ユーザがインターフェイス805(図8)で「煮るところを教えて」と発話したとする。この場合、音声出力部130は、要約情報113における該当レシピに関する情報のうち、「煮る」という概念が含まれるカテゴリを内訳(調理概念)から「本調理」と特定する。また、音声出力部130は、ここでの特定結果を踏まえて、「煮るところは1つあります。ジャガイモ(人参、牛肉)を煮ます。」等の音声を出力する。なお、上述の特定の結果、複数の「煮る」手順が存在した場合、音声出力部130は、その順にそって「最初に〇〇を煮ます。次に〇〇を煮ます」等の音声を出力することとする。
【0073】
また、上述のケースにおける要約生成部120は、ユーザ指定のカテゴリについて、あらためて要約生成を実行し、当該カテゴリすなわち調理概念を構成する調理手順について、レシピ全体の要約よりも細かな粒度で説明する要約を生成するとしてもよい。
【0074】
例えば、上述の例のうち「本調理」カテゴリに関する要約要求があった場合、レシピ全体の要約では、「煮て」という内容になっているが、この「本調理」に関して粒度を細かく説明する要約を新たに生成したとすれば、例えば「あく抜き後の鍋に、醤油と鰹だしを加え、弱火でじっくり煮込みます」、といったものが得られる。
【0075】
なお、要約生成部120は、熱処理に関連しない単語であっても、要約の粒度によっては追加可能とできるものとする。例えば、「醤油と鰹だしを加え」の動詞「加え」部分は熱処理に関連する動詞ではないため、本来ならば要約からは削除される運用となっており、また、「醤油や鰹だし」といった調味料も省略対象である。しかしながら、要約の粒度(例えばユーザ指定のもの)によっては、そうした直近の熱処理に関連する動詞「煮込む」に、動詞「加え」や目的語「醤油や鰹だし」を紐づけ、要約内容に含める制御を行うとしてもよい。勿論、その場合、要約生成部120は、レシピの料理内容の各語彙を分類辞書111に照合して各カテゴリの語彙を特定する際、分類辞書111には規定されていないもので、該当粒度に関して予め情報保持部110で規定した動詞や目的語(調味料等)に該当するものを特定し、上述のごとく要約の構成要素として接続する。
【0076】
こうした特定カテゴリに関してあらためて行う要約生成は、例えば、分類辞書111の該当カテゴリのレコードにおける、動詞、格助詞、及び目的語のうち、レシピ全体の要約生成に際しては省略されたもの(例:前段階の下ごしらえの成果物を目的語とした場合に、本調理での動詞や格助詞との受け係りの関係上、採用できなかったもの)も採用することで粒度を細かくして行うことが想定できる。
【0077】
なお、上述の実施形態とは別に、画面出力部140が、音声出力部130と同様に、要約生成部120が生成した要約のデータを、ディスプレイに出力し画面表示させるとしてもよい(図7の画面G100参照)。このように、要約の出力先をディスプレイとする場合、この画面表示にユーザの視点を誘導するためのメッセージ(例:要約について画面表示しておりますのでご確認ください)を、上述の音声出力部130で音声出力するとすればさらに好適である。
【0078】
その場合、ユーザとしては、料理内容が端的に記載された要約をディスプレイにてタイムリーに視認することが可能となり、効率的なレシピ理解がより進むことが期待される。また、調理支援装置100としては、音声出力部130での音声出力内容を簡素化し、全体として処理負荷を抑制できる。また、さらなる効果として、発話(音声出力)内容をシンプルにすることで、ユーザにとって要約の内容をシンプルに聞きやすくできる、といったことも期待できる。
【0079】
(調理支援プログラム)
図8は、コンピュータ801の構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ801は、CPU802、主記憶装置803、補助記憶装置804、インターフェイス805を備える。
【0080】
ここで、実施形態に係る調理支援装置100を構成する各機能を実現するための調理支援プログラムの詳細について説明する。
【0081】
調理支援装置100は、コンピュータ801に実装される。そして、調理支援装置100の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置804に記憶されている。CPU802は、調理支援プログラムを補助記憶装置804から読み出して主記憶装置803に展開し、当該調理支援プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU802は、調理支援プログラムに従って、上述した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置803に確保する。
【0082】
当該調理支援プログラムは、具体的には、コンピュータ801において、レシピ情報を保持し、前記レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出して、前記語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順に前記語彙を連ねることで、前記レシピ情報の要約を生成する処理と実行させるプログラムである。
【0083】
なお、補助記憶装置804は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インターフェイス805を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、この調理支援プログラムがネットワークNWを介してコンピュータ801に配信される場合、配信を受けたコンピュータ801が当該調理支援プログラムを主記憶装置803に展開し、上記処理を実行してもよい。
【0084】
また、当該調理支援プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該調理支援プログラムは、前述した機能を補助記憶装置804に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)
であってもよい。
【0085】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0086】
10 情報処理システム
100 調理支援装置
110 情報保持部
111 分類辞書
112 レシピ情報
113 要約情報
120 要約生成部
130 音声出力部
131 音声読み上げエンジン
140 画面出力部
150 通信部
200 レシピサーバ
801 コンピュータ
802 CPU
803 主記憶装置
804 補助記憶装置
805 インターフェイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシピ情報を保持する情報保持部と、
前記レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出し、前記抽出した語彙のうち、調理開始から最初の熱処理までのもので、所定の分類辞書にて下ごしらえのカテゴリに属するもののみを特定する処理と、前記抽出した語彙のうち、前記最初の熱処理以降から最後の熱処理までの間のもので、前記分類辞書にて本調理のカテゴリに属するもののみを特定する処理と、前記抽出した語彙のうち、前記最後の熱処理以降のもので、前記分類辞書にて仕上げのカテゴリに属するもののみを特定する処理を行うことで、前記語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順に前記語彙を連ねることで、前記レシピ情報の要約を生成する要約生成部と、
を備える調理支援装置。
【請求項2】
前記要約生成部は、
前記抽出に際し、前記レシピ情報のうち非調理手順に関連する箇所を、予め判明しているレシピフォーマットに基づき特定し、当該箇所を前記抽出の対象から除外する処理をさらに実行するものである、
請求項1に記載の調理支援装置。
【請求項3】
前記要約生成部は、
前記抽出に際し、食材に対応する語彙の抽出数を一定数に制限する処理、及び調味料に対応する語彙の抽出を省略する処理、の少なくともいずれかを実行するものである、
請求項1または2に記載の調理支援装置。
【請求項4】
前記要約生成部は、
前記語彙を連ねて前記要約を生成する際、食材に対応する語彙に対し、調理動詞に対応する語彙を繋げる形式で表現を統一する処理、及び前記調理動詞の表記ゆれを予め保持する所定の辞書に基づき統一する処理、の少なくともいずれかを実行するものである、
請求項1または3のいずれかに記載の調理支援装置。
【請求項5】
前記要約を音声読み上げ手段に付与し、音声データとして出力する音声出力部をさらに備える、請求項1~のいずれかに記載の調理支援装置。
【請求項6】
前記音声出力部は、
ユーザからの要約読み上げ指示をインターフェイスから受け付け、前記要約読み上げ指示における指定カテゴリに関して、前記要約における対応部分を前記音声読み上げ手段に付与し、音声データとして出力するものである、
請求項に記載の調理支援装置。
【請求項7】
前記要約をディスプレイ装置において画面出力する画面出力部をさらに備える、請求項1~のいずれかに記載の調理支援装置。
【請求項8】
前記ディスプレイ装置における前記要約の画面出力に伴い、当該画面出力に関する通知音声データを読み上げ手段に付与し音声出力する音声出力部をさらに備える、請求項に記載の調理支援装置。
【請求項9】
調理支援装置が、
レシピ情報を保持して、
前記レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出し、前記抽出した語彙のうち、調理開始から最初の熱処理までのもので、所定の分類辞書にて下ごしらえのカテゴリに属するもののみを特定する処理と、前記抽出した語彙のうち、前記最初の熱処理以降から最後の熱処理までの間のもので、前記分類辞書にて本調理のカテゴリに属するもののみを特定する処理と、前記抽出した語彙のうち、前記最後の熱処理以降のもので、前記分類辞書にて仕上げのカテゴリに属するもののみを特定する処理を行うことで、前記語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順に前記語彙を連ねることで、前記レシピ情報の要約を生成する、
調理支援方法。
【請求項10】
調理支援装置において、
レシピ情報を保持し、
前記レシピ情報に対する自然言語処理により、調理動作に関連する語彙を抽出し、前記抽出した語彙のうち、調理開始から最初の熱処理までのもので、所定の分類辞書にて下ごしらえのカテゴリに属するもののみを特定する処理と、前記抽出した語彙のうち、前記最初の熱処理以降から最後の熱処理までの間のもので、前記分類辞書にて本調理のカテゴリに属するもののみを特定する処理と、前記抽出した語彙のうち、前記最後の熱処理以降のもので、前記分類辞書にて仕上げのカテゴリに属するもののみを特定する処理を行うことで、前記語彙を予め定めた調理概念別のカテゴリに分類し、調理全体における前記調理概念の登場順に前記語彙を連ねることで、前記レシピ情報の要約を生成する処理、
を実行させる調理支援プログラム。