(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030620
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/15 20060101AFI20220210BHJP
E06B 9/58 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
E06B9/15 D
E06B9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020134746
(22)【出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】グエン・ヴァン・ヒエン
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼田 展行
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042DA01
(57)【要約】
【課題】開閉体の他端部構成部材の左右の幅方向端部がガイド溝から抜けてしまうような事態を防止できるようにした開閉装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る開閉装置1は、建築構造物に形成された開口部13を開閉する開閉体4と、前記開閉体の左右の幅方向両端部側に配置されて前記開閉体の幅方向端部を前記開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝5aを有したガイドレール5とを備えた開閉装置において、前記ガイドレールは、前記ガイド溝内に係止手段を備え、前記開閉体は、一端が収納部側に位置した開閉体本体4Aと、当該開閉体本体の他端に設けられた他端部構成部材4Bとを備え、前記他端部構成部材4Bの左右の幅方向端部40は、前記ガイドレールのガイド溝内に設けられた係止手段に係止して当該他端部構成部材の幅方向端部の前記ガイド溝からの抜けを防止する被係止手段7を備えたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体と、
前記開閉体の左右の幅方向両端部側に配置されて前記開閉体の幅方向端部を前記開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有したガイドレールとを備えた開閉装置において、
前記ガイドレールは、前記ガイド溝内に係止手段を備え、
前記開閉体は、一端が収納部側に位置した開閉体本体と、当該開閉体本体の他端に設けられた他端部構成部材とを備え、
前記他端部構成部材の左右の幅方向端部は、前記ガイドレールのガイド溝内に設けられた係止手段に係止して当該他端部構成部材の幅方向端部の前記ガイド溝からの抜けを防止する被係止手段を備えたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記被係止手段は、第1部材と第2部材とを備え、
前記第1部材が前記他端部構成部材の幅方向端部の屋外側又は屋内側の一方の面に取付けられたとともに、前記第2部材が前記他端部構成部材の幅方向端部の屋外側又は屋内側の他方の面に取付けられ、
前記第1部材及び第2部材における前記他端部構成部材の幅方向端縁より突出する部分同士が重なるように設けられて前記係止手段に係止する被係止部が構成されたことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
【請求項3】
前記係止手段は、前記ガイド溝の屋外側に設けられた第1係止手段と前記ガイド溝の屋内側に設けられた第2係止手段とを備え、
前記被係止手段は、前記第1係止手段に係止する第1被係止手段と前記第2係止手段に係止する第2被係止手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記係止手段は、前記ガイド溝の屋外側に設けられた第1係止手段と前記ガイド溝の屋内側に設けられた第2係止手段とを備え、
前記他端部構成部材の幅方向端部に設けられた前記被係止手段が、前記第1係止手段に係止するように構成されたとともに、
前記開閉体本体を構成する複数のスラットのうちの1つ以上のスラットの幅方向端部に被係止手段が設けられ、
前記スラットに設けられた被係止手段のうち、前記他端部構成部材の被係止手段に最も近い位置にある被係止手段が、前記第2係止手段に係止するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
【請求項5】
前記開閉体の開閉方向に沿って隣り合うように設けられた複数の前記各スラットの幅方向端部には、前記開閉体の開閉方向に沿って、前記第2係止手段に係止する被係止手段と前記第1係止手段に係止する被係止手段とが交互に設けられ、
前記他端部構成部材と隣接する前記スラットの幅方向端部は、前記第2係止手段に係止する被係止手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の開閉装置。
【請求項6】
前記被係止手段は、前記他端部構成部材の幅方向端部への取付部と、前記係止手段に係止する被係止部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の開閉装置。
【請求項7】
前記他端部構成部材は、本体部と、前記開閉体本体の他端側と前記本体部とを連結するための連結部とを備え、
前記被係止手段は、前記連結部の幅方向端部に設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体の幅方向端部のガイドレールからの抜け防止効果を向上させた開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体と、開閉体の左右の幅方向両端部側に配置されて開閉体の幅方向端部を開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有したガイドレールとを備えた開閉装置(シャッター装置)が知られている。
開閉体(シャッターカーテン)は、一端が巻取体に連結された開閉体本体(スラットカーテン)と、当該開閉体本体の他端(下端)に設けられた他端部構成部材(座板又は水切)とを備えた構成となっている。
従来、開閉体本体の左右の幅方向端部にそれぞれ被係止手段(耐風ロック片)が設けられ、当該被係止手段が、ガイドレールのガイド溝内に設けられた係止手段(側壁段部)に係止して、開閉体本体の左右の幅方向端部のガイド溝からの抜けが防止されるように構成された開閉装置が知られている(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、開閉体の他端部(下端部)を構成する例えば座板又は水切と呼称される他端部構成部材の左右の幅方向端部には、ガイドレールのガイド溝内に設けられた係止手段に係止する被係止手段は設けられていない。
従って、強風時等において、開閉体の他端部構成部材の左右の幅方向端部がガイド溝から抜けてしまう虞があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解消すべく、開閉体の他端部構成部材の左右の幅方向端部がガイド溝から抜けてしまうような事態を防止できるようにした開閉装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る開閉装置は、建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体の左右の幅方向両端部側に配置されて前記開閉体の幅方向端部を前記開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有したガイドレールとを備えた開閉装置において、前記ガイドレールは、前記ガイド溝内に係止手段を備え、前記開閉体は、一端が収納部側に位置した開閉体本体と、当該開閉体本体の他端に設けられた他端部構成部材とを備え、前記他端部構成部材の左右の幅方向端部は、前記ガイドレールのガイド溝内に設けられた係止手段に係止して当該他端部構成部材の幅方向端部の前記ガイド溝からの抜けを防止する被係止手段を備えたことを特徴とする。
本発明の開閉装置によれば、開閉体の他端部構成部材の左右の幅方向端部がガイド溝から抜けてしまうような事態を防止できる。
また、前記被係止手段は、第1部材と第2部材とを備え、前記第1部材が前記他端部構成部材の幅方向端部の屋外側又は屋内側の一方の面に取付けられたとともに、前記第2部材が前記他端部構成部材の幅方向端部の屋外側又は屋内側の他方の面に取付けられ、前記第1部材及び第2部材における前記他端部構成部材の幅方向端縁より突出する部分同士が重なるように設けられて前記係止手段に係止する被係止部が構成されたことを特徴とするので、強度の大きい被係止手段を実現できる。
また、前記係止手段は、前記ガイド溝の屋外側に設けられた第1係止手段と前記ガイド溝の屋内側に設けられた第2係止手段とを備え、前記被係止手段は、前記第1係止手段に係止する第1被係止手段と前記第2係止手段に係止する第2被係止手段とを備えたことを特徴としたので、開閉体に、正圧又は負圧のいずれの圧力が加わった場合でも、他端部構成部材の幅方向端部がガイド溝から抜けてしまうような事態が防止されるようになる。
また、前記係止手段は、前記ガイド溝の屋外側に設けられた第1係止手段と前記ガイド溝の屋内側に設けられた第2係止手段とを備え、前記他端部構成部材の幅方向端部に設けられた前記被係止手段が、前記第1係止手段に係止するように構成されたとともに、前記開閉体本体を構成する複数のスラットのうちの1つ以上のスラットの幅方向端部に被係止手段が設けられ、前記スラットに設けられた被係止手段のうち、前記他端部構成部材の被係止手段に最も近い位置にある被係止手段が、前記第2係止手段に係止するように構成されたことを特徴とした。
また、前記開閉体の開閉方向に沿って隣り合うように設けられた複数の前記各スラットの幅方向端部には、前記開閉体の開閉方向に沿って、前記第2係止手段に係止する被係止手段と前記第1係止手段に係止する被係止手段とが交互に設けられ、前記他端部構成部材と隣接する前記スラットの幅方向端部は、前記第2係止手段に係止する被係止手段を備えたことを特徴とした。
以上の開閉装置によれば、開閉体に、正圧又は負圧のいずれの圧力が加わった場合でも、他端部構成部材及びスラットの幅方向端部がガイド溝から抜けてしまうような事態が防止されるようになる。
また、前記被係止手段は、前記他端部構成部材の幅方向端部への取付部と、前記係止手段に係止する被係止部とを備えたことを特徴とする。
また、前記他端部構成部材は、本体部と、前記開閉体本体の他端側と前記本体部とを連結するための連結部とを備え、前記被係止手段は、前記連結部の幅方向端部に設けられたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】ガイドレールの係止手段と他端部構成部材の被係止手段との関係を示す断面図。
【
図5】ガイドレールの係止手段と他端部構成部材の被係止手段との関係を示す断面図。
【
図6】(a)は開閉体を示す側面図、(b)はガイドレールの係止手段と他端部構成部材の被係止手段との関係を示す断面図。
【
図7】(a)は開閉体を示す側面図、(b)はガイドレールの係止手段と開閉体の被係止手段との関係を示す断面図。
【
図8】開閉体の他端部構成部材側を屋内側から見た正面図。
【
図11】巻取体に巻き取られない開閉体の範囲を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
図1に示すように、実施形態1に係る、所謂、シャッター、シャッター装置等と呼称される開閉装置1は、開閉体収容ケース(以下、ケースと略す)2、開閉機構3、開閉体4、ガイドレール5を備える。
尚、本明細書において「建築構造物に形成された開口部13の前後方向」とは、開口部13を開閉する開閉体の開閉方向及び開閉体の左右の幅方向と直交する方向であり、例えば、開口部13の前側を「屋外側」、開口部13の後側を「屋内側」と定義して説明する。
また、「建築構造物」とは、一戸建て、マンション、ビル、倉庫、工場などの所謂建物や、車庫、カーポート、門、塀などの外構、トンネルや地下街などの建造物等をいう。
【0009】
開閉機構3は、収納部側であるケース2内に設けられる。
開閉機構3は、開閉体4を巻き取る巻取シャフトや巻取枠等の巻取体6と、巻取体6の回転中心線6aを回転中心として当該巻取体6を回転させる図外の開閉駆動手段とを備える。
開閉駆動手段は、電動式シャッター装置の場合は、巻取体6を巻取方向及び繰出方向に回転させる図外の駆動源としての電動機及び電動機の回転力を巻取体6に伝達する歯車伝達機構のような動力伝達機構などにより構成され、手動式シャッター装置の場合は、巻取体6を巻取方向に回転させる図外のバネ及びバネに蓄えられた回転力を巻取体6に伝達するプーリーのような動力伝達手段などにより構成される。
巻取体6は、例えば両端がケース2の左,右のブラケット22,22に設けられた図外の軸受に回転可能に支持され、開閉体4を巻き取る方向、及び、開閉体4を繰り出す方向(巻き出す方向)に回転する。
【0010】
開閉体4は、一端(上端)が収納部側に位置して、例えば図外の吊元を介して巻取体6に連結された開閉体本体4Aと、当該開閉体本体4Aの他端(下端)に設けられた他端部構成部材4Bとを備えた構成である。
開閉体4は、例えばシャッターカーテンと呼称される。
開閉体本体4Aは、例えばスラットカーテンと呼称される。
他端部構成部材4Bは、例えば座板又は水切と呼称される。
【0011】
開閉体本体4Aは、複数のスラット41,41…を連結して構成される。
各スラット41は、一方向、即ち、開閉装置1が設置される建築構造物の開口部13の左右の幅方向Wに沿って長い長尺状(例えば、巻取体6の回転中心線6aに沿った方向に長い金属製の長尺部材)に形成されて一対の長辺縁に沿って連続するように形成された連結手段を備える。
即ち、各スラット41は、例えば
図2に示すように、短手方向(開閉方向V)に沿って若干湾曲したスラット面を形成するスラット面部42と、スラット面部42の短手方向の両端側から延長するように設けられた連結手段とを備えた形状に形成される。
スラット41とスラット41との連結は、連結対象の一方のスラット41の連結手段と他方のスラット41の連結手段とを互いに連結する。
連結手段は、例えば個々のスラット41の一方の長辺縁と他方の長辺縁に沿って設けられて互いに係合可能に形状に形成されたカール部43,43により構成される。
【0012】
連結対象の一方のスラット41の一方のカール部43の長手方向の一端部と他方のスラット41の他方のカール部43の長手方向の他端部とを係合させた後、両方のスラット41,41における長手方向の一端部同士及び他端部同士が一致するように、一方又は両方のスラット41を長手方向に沿って横移動させることにより、一方のスラット41の一方のカール部43と他方のスラット41の他方のカール部43とをスラット41の長手方向の全幅間で係合させる。これにより、一方のスラット41と他方のスラット41とがカール部43,43を関節部として折曲可能に連結されることになる。
【0013】
以上のように、開閉体本体4Aは、互いに隣り合う一方のスラット41と他方のスラット41とがカール部43,43により接続された複数のスラット41,41…を備えて構成され、当該開閉体本体4Aの他端(下端)に他端部構成部材4Bが設けられることによって、開閉体4が構成される。
【0014】
図外の吊元は、開閉体本体4Aの一端に位置されるスラット41(最上端スラット)の長辺に沿って当該長辺に間欠的に設けられる連結板であり、建築構造物の開口部13の上方に位置する躯体14に固定されたケース2における開閉体4の出口孔2a(
図11参照)を経由して巻取体6に連結される。
【0015】
ケース2は、開閉機構3及び開閉体4を収容するものであり、開閉機構3及び開閉体4の収容空間を形成するように構成された箱体である。
ケース2は、開口部13の上方に位置する取付部としての躯体14に固定される。ケース2は、長手方向の両端部の位置と開口部13の幅方向の両端部に設けられたガイドレール5,5の位置とが対応するように躯体14に固定される。ケース2は、長手方向と直交する断面形状が例えば四角形状である。
【0016】
ガイドレール5,5は、建築構造物に形成された開口部13を開閉する開閉体4の左右の幅方向両端側に配置されて開閉体4の左右の幅方向端部40,40を開閉体4の開閉方向V(開口部13の上下方向)に沿ってガイドするために、開口部13の左右の側部にそれぞれ設けられる。
即ち、開閉体4の左右の幅方向端部40,40が開口部13の左右に配置されたガイドレール5,5のガイド溝5a,5aに挿入されて、開閉体4の開閉時に開閉体4の左右の幅方向端部40,40が左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内で開閉方向Vにガイドされる。
即ち、ガイドレール5,5は、建築構造物に形成された開口部13を開閉する開閉体4の左右の幅方向両端側に配置されて開閉体4の左右の幅方向端部40,40を開閉体4の開閉方向Vに沿ってガイドするガイド溝5aを有したガイド手段である。
【0017】
以上のように構成された開閉装置1の開閉体4が巻取体6に巻き取られることで建築構造物の開口部13が開通し、開閉体4が巻取体6から繰り出される(巻き出される)ことで開口部13が閉鎖される。
【0018】
他端部構成部材4Bは、各スラット41,41…と同様に、一方向、即ち、開閉装置1が設置される建築構造物の開口部13の左右の幅方向Wに沿って長い長尺状の構成部材である。
当該他端部構成部材4Bは、例えば
図3に示すように、本体部50と、本体部50の外面を覆うように本体部50に取付けられた覆部60と、開閉体本体4Aの他端側と覆部60とを連結することにより開閉体本体4Aの他端側と本体部50とを連結するための連結部70と、被係止手段7とを備える。
【0019】
尚、実施形態においては、他端部構成部材4Bの左右の幅方向端部40,40に設けられる被係止手段は、本体部50の左右の幅方向端部40,40に設けられるものではなく、他端部構成部材4Bを構成する連結部70の左右の幅方向端部40,40に設けられるものである。また、本体部50の構成は、多種多様な構成がある。
そこで、
図2,
図3,後述する
図6,
図7においては、簡略化のため、本体部50は外形線のみの簡略図示とした。
尚、後に、当該本体部50の一例である、感知式タイプの本体部50の構成を、
図8,
図9に基づいて説明する。
【0020】
連結部70は、例えば一方向、即ち、開閉装置1が設置される建築構造物の開口部13の左右の幅方向Wに沿って長い長尺な平板部71と、当該平板部71の一方の長辺縁より延長するように形成された連結手段とを備えた構成である。当該連結手段は、スラット41のカール部43と同様なカール部72に形成される。連結部70は、例えば鋼板などの長尺な金属平板の一方の長辺縁側をカール部72に成形して形成される。
覆部60は、本体部50の上側外面を覆うとともに連結部70と連結される上側カバー61と、本体部50の下側外面を覆う下側カバー62とを備える。上側カバー61は、連結部70と連結される連結板63を備える。
図8に示すように、当該連結部70の長手方向(幅方向W)の長さは、スラット41の長手方向(幅方向W)の長さとほぼ同じ長さに形成される。
また、本体部50及び覆部60(上側カバー61及び下側カバー62)の長手方向(幅方向W)の長さは、連結部70の長手方向(幅方向W)の長さとほぼ同じ長さに形成されるか、あるいは、建築構造物の開口部13の左右の幅寸法E(
図8参照)よりも若干短い寸法に形成される。
【0021】
下側カバー62が本体部50の下側外面を覆うように本体部50に取付けられ、上側カバー61が本体部50の上側外面を覆うように本体部50に取付けられる。そして、平板部71の他方の長辺縁側と上側カバー61の連結板63とが連結されることによって、本体部50と覆部60と連結部70とを備えた他端部構成部材4Bが構成される。
【0022】
開閉体本体4Aの他端に位置されるスラット41のカール部43の長手方向の一端部と他端部構成部材4Bの連結部70のカール部72の長手方向の他端部とを係合させた後、スラット41の長手方向の中心位置と連結部70の長手方向の中心位置とが一致するように、スラット41又は連結部70を長手方向に沿って横移動させることにより、スラット41のカール部43と連結部70のカール部72とをスラット41の長手方向の全幅間で係合させる。これにより、開閉体本体4Aの他端に位置されるスラット41と他端部構成部材4Bの連結部70とがカール部43,72を関節部として折曲可能に連結され、開閉体4が構成される。
【0023】
以上により、開閉体本体4A及び連結部70の左の幅方向端部40が左のガイドレール5のガイド溝5a内に入り込むとともに、開閉体本体4A及び連結部70の右の幅方向端部40が右のガイドレール5のガイド溝5a内に入り込むように構成されて、開閉体本体4A及び連結部70の左右の幅方向端部40,40が左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内を開閉方向Vに沿って移動可能なように構成される。
また、本体部50の左右の幅方向端部及び覆部60の左右の幅方向端部は、ガイドレール5のガイド溝5a内に入らずに、当該本体部50の左右の幅方向端部及び覆部60の左右の幅方向端部は、建築構造物の開口部13内を開閉方向Vに沿って移動可能なように構成される。
【0024】
実施形態1に係る開閉装置においては、ガイドレール5のガイド溝5aの屋外側の内壁5bに係止手段8が設けられるとともに、他端部構成部材4Bの連結部70における左右の幅方向端部40,40は、開閉体4に圧力が加わった際に、ガイドレール5のガイド溝5a内に設けられた係止手段8に係止して当該他端部構成部材4Bの幅方向端部40のガイド溝5aからの抜けを防止する被係止手段7を備えた構成とした。
【0025】
被係止手段7は、例えば
図4に示すように、他端部構成部材4Bの連結部70の幅方向端部40への取付部7aと、係止手段8に係止する被係止部7bとを備えた構成の鋼板などの金属製板材を用いた。
例えば、長方形の平鋼板の長手方向の他端側を折り曲げて、当該平鋼板の長手方向の一端側の板面と当該平鋼板の長手方向の他端側の板面とのなす角度が135°±10°程度となるように形成され、当該一端側の板部が取付部7aとして機能し、当該他端側が被係止部7bとして機能するように構成された被係止手段7を用いる。
そして、
図4に示すように、被係止部7bが、連結部70の幅方向端縁70tより突出してガイド溝5aの底壁5c及び屋外側の内壁5bに近づく方向に延長するように、取付部7aの板面側と連結部70の平板部71の屋外側の板面71a側とを溶接やねじ等の連結手段で連結することで、被係止部7bがガイドレール5のガイド溝5aの屋外側の内壁5bに設けられた係止手段8に係止して、他端部構成部材4Bの幅方向端部40のガイド溝5aからの抜けを防止する被係止手段7が構成される。
尚、
図4の断面図のガイドレール5内の他端部構成部材4Bは、
図3のA-A断面に相当するが、本体部50及び覆部60の図示を省略した。
【0026】
また、
図4に示すように、係止手段8は、ガイド溝5aの屋外側の内壁5bに取り付けられて開閉方向(上下方向)Vに延長する長尺部材、例えば、断面矩形状の平鋼(フラットバー)により形成される。
例えば、平鋼(フラットバー)の板面側とガイドレール5のガイド溝5aの屋外側の内壁5b側とが溶接やねじ等の連結手段で連結されることで、ガイド溝5aの底壁5cと対向する当該平鋼の側の側面が、前記被係止部7bを係止する係止壁8bとして機能する係止手段8を備えた構成とした。
【0027】
尚、例えば
図4に示すように、ガイドレール5のガイド溝5aは、屋外側の内壁5bと底壁5cと屋内側の内壁5dとで囲まれて構成された溝であり、屋外側の内壁5bと屋内側の内壁5dとが平行に対向し、屋外側の内壁5bに取り付けられた係止手段8の係止壁8bと屋外側の内壁5bとが互いに直交する面により構成される。
そして、他端部構成部材4Bの幅方向端部40がガイド溝5a内に位置された基準位置状態においては、連結部70の平板部71の屋外側の板面71a及び取付部7aの板面とガイド溝5aの屋外側の内壁5b及び屋内側の内壁5dとが平行に対向するように構成される。
【0028】
実施形態1の開閉装置によれば、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内にそれぞれ係止手段8を備え、他端部構成部材4Bの左右の幅方向端部40,40には、係止手段8に係止して他端部構成部材4Bの幅方向端部40のガイド溝5aからの抜けを防止する被係止手段7を備えた構成としたので、強風時等において、開閉体4を屋内側に移動させる力(以下、正圧という)が加わった場合、他端部構成部材4Bの左右の幅方向端部40,40に設けられた被係止手段7,7の被係止部7b,7bが、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内に設けられた係止手段8,8の係止壁8b,8bに係止するため、他端部構成部材4Bの幅方向端部40,40がガイド溝5a,5aから抜けてしまうような事態が防止されるようになる。
【0029】
実施形態2
図5に示すように、他端部構成部材4Bの連結部70の幅方向端部40に設けられた被係止手段が、第1部材7と第2部材7Aとで構成された被係止手段7Xにより構成され、
連結部70の平板部71の幅方向端部40を挟んで、当該幅方向端部40に第1部材7と第2部材7Aとを取付けて、第1部材7及び第2部材7Aの連結部70の幅方向端縁70tより突出する部分同士が重なるように設けられた構成とした。
例えば、第1部材7及び第2部材7Aとして上述した被係止手段7、即ち、取付部7aと被係止部7bとを備えた被係止手段7を用いて、
図5に示すように、第1部材7の取付部7aが連結部70の平板部71の幅方向端部40における屋外側の板面71a側に溶接やねじ等の連結手段で連結されたとともに、第2部材7Aの取付部7aが連結部70の平板部71の幅方向端部40における屋内側の板面71b側に溶接やねじ等の連結手段で連結されて、かつ、第1部材7及び第2部材7Aにおける連結部70の幅方向端縁70tより突出する部分である被係止部7b,7bの板面同士が重なるように設けられた構成とした。
尚、第1部材7及び第2部材7Aの被係止部7b,7bの板面同士は、接触するように構成されることが好ましいが、接触していなくてもよい。
また、第1部材7の被係止部7bと第2部材7Aの被係止部7bとを溶接やねじなどの固定手段で固定することがより好ましい。
【0030】
即ち、被係止手段7Xが、第1部材7と第2部材7Aとを備え、第1部材7が他端部構成部材4Bの幅方向端部40の屋外側又は屋内側の一方の面に取付けられたとともに、第2部材7Aが他端部構成部材4Bの幅方向端部40の屋外側又は屋内側の他方の面に取付けられて、第1部材7及び第2部材7Aにおける他端部構成部材40の幅方向端縁70tより突出する部分同士が重なるように設けられて係止手段8に係止する被係止部7b,7bとして機能するように形成された構成とした。
【0031】
実施形態2によれば、強度の大きい被係止手段7Xを実現できる。また、第1部材7及び第2部材7Aとして、例えば実施形態1の被係止手段7と比べて比較的薄い板材を用いたとしても、第1部材7及び第2部材7Aの両者が合体した強度の大きい被係止手段7Xを実現できるようになり、かつ、材料費削減も可能となる。
【0032】
実施形態2の構成による被係止手段7Xは、端部構成部材4Bの連結部70の左右の幅方向端部40,40に設ける被係止手段に限らず、スラット41の左右の幅方向端部40,40に被係止手段にも適用可能である。
即ち、実施形態2の構成による被係止手段7Xは、第1部材7がスラット41の幅方向端部40の屋外側又は屋内側の一方の面に取付けられたとともに、第2部材7Aがスラット41の幅方向端部40の屋外側又は屋内側の他方の面に取付けられて、第1部材7及び第2部材7Aにおけるスラット41の幅方向端縁より突出する部分同士が重なるように設けられて係止手段に係止する被係止部7b,7bとして機能するように形成された構成としてもよい。
【0033】
尚、実施形態1及び実施形態2においては、少なくとも他端部構成部材4Bの連結部70における左右の幅方向端部40,40に被係止手段(7又は7X)を備えていればよく、スラット41の左右の幅方向端部40,40に被係止手段(7又は7X)が設けられていなくてもかまわない。
但し、開閉体4の幅方向端部40,40のガイド溝5aからの抜け防止効果をより向上させるためには、スラット41の左右の幅方向端部40,40にも被係止手段を設けることが好ましい。例えば、開閉体本体4Aを構成する複数のスラット41,41…のすべてに被係止手段を設けたり、あるいは、開閉体本体4Aを構成する複数のスラット41,41…のうちの任意のスラット41に被係止手段を設ける。例えば、複数のスラット41,41…に1つおきに被係止手段を設けたり、他端部構成部材4Bに近い側の複数枚のスラット41,41…に被係止手段を設けることが考えれる。ちなみに、
図1、
図2においては、他端部構成部材4Bに近い側の3枚のスラット41,41,41に被係止手段を設けた例を示した。
即ち、他端部構成部材4Bに被係止手段を設けるとともに、開閉体本体4Aを構成する複数のスラット41,41…の1つ以上に被係止手段を設ける構成とすることが好ましい。
尚、この場合、スラット41の幅方向端部40への被係止手段7の取付け構造は、例えば
図2に示すように、被係止手段7の取付部7aがスラット41の屋内側の板面41b側に溶接やねじ等の連結手段で連結された構成とすればよい。
【0034】
実施形態3
図6に示すように、ガイドレール5のガイド溝5aに設けられる係止手段は、ガイド溝5aの屋外側の内壁5bに設けられた第1係止手段8とガイド溝5aの屋内側の内壁5dに設けられた第2係止手段8とを備えて構成され、他端部構成部材4Bの連結部70の幅方向端部40に設けられた被係止手段は、第1係止手段8に係止する第1被係止手段7と第2係止手段8Rに係止する第2被係止手段7Rとで形成された被係止手段7Yにより構成された開閉装置1とした。
尚、
図6(b)の断面図のガイドレール5内の他端部構成部材4Bは、
図6(a)のA-A断面に相当するが、本体部50及び覆部60の図示を省略した。
例えば、第1係止手段8及び第2係止手段8は、同じ平鋼(フラットバー)により形成され、第1被係止手段7及び第2被係止手段7Rは、上述した被係止手段7と同じ構成のものを用いる。
そして、
図6(b)に示すように、第1被係止手段7の被係止部7bが、連結部70の幅方向端縁70tより突出してガイド溝5aの底壁5c及び屋外側の内壁5bに近づく方向に延長するように、取付部7aの板面側と連結部70の平板部71の屋外側の板面71a側とが溶接やねじ等の連結手段で連結される。
また、第2被係止手段7Rの被係止部7bが、連結部70の幅方向端縁70tより突出してガイド溝5aの底壁5c及び屋内側の内壁5dに近づく方向に延長するように、取付部7aの板面側と連結部70の平板部71の屋内側の板面71b側とが溶接やねじ等の連結手段で連結される。
【0035】
つまり、開閉体4に圧力が加わった際に、第1被係止手段7の被係止部7bが、ガイドレール5のガイド溝5aの屋外側の内壁面5bに設けられた第1係止手段8の係止壁8bに係止し、かつ、第2被係止手段7Rの被係止部7bが、ガイドレール5のガイド溝5aの屋内側の内壁面5dに設けられた第2係止手段8の係止壁8bに係止するように構成された開閉装置1とした。
即ち、係止手段は、ガイド溝5aの屋外側に設けられた第1係止手段8とガイド溝5aの屋内側に設けられた第2係止手段8Rとを備え、被係止手段7Yは、第1係止手段8に係止する第1被係止手段7と前記第2係止手段8Rに係止する第2被係止手段7Rとを備えた構成とした。
【0036】
実施形態3によれば、強風時等において、開閉体4に正圧が加わった場合には、他端部構成部材4Bの左右の幅方向端部40,40に設けられた第1被係止手段7,7の被係止部7b,7bが、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内に設けられた第1係止手段8,8の係止壁8b,8bに係止するとともに、開閉体4を屋外側に移動させる力(以下、負圧という)が加わった場合には、他端部構成部材4Bの左右の幅方向端部40,40に設けられた第2被係止手段7R,7Rの被係止部7b,7bが、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内に設けられた第2係止手段8R,8Rの係止壁8b,8bに係止するので、強風時等において、開閉体4に、正圧又は負圧のいずれの圧力が加わった場合でも、他端部構成部材4Bの幅方向端部40,40がガイド溝5a,5aから抜けてしまうような事態が防止されるようになる。
【0037】
実施形態4
実施形態4に係る開閉装置1は、
図7に示すように構成した。尚、
図7(b)の断面図のガイドレール5内のスラット41及び他端部構成部材4Bは、
図7(a)のA-A断面に相当するが、本体部50及び覆部60の図示を省略した。
即ち、ガイドレール5のガイド溝5aに設けられる係止手段は、ガイド溝5aの屋外側の内壁5bに設けられた第1係止手段8と、ガイド溝5aの屋内側の内壁5dに設けられた第2係止手段8Rとで構成した。
また、実施形態1と同様に、他端部構成部材4Bの連結部70の幅方向端部40に設けられた被係止手段7が、第1係止手段8に係止するように構成された。
さらに、開閉体本体4Aを構成する複数のスラット41,41…のうちの1つ以上のスラット41の幅方向端部40に被係止手段を設けた。具体的には、開閉体4の開閉方向Vに沿って隣り合うように設けられた複数の各スラット41,41…の幅方向端部40には、開閉体4の開閉方向Vに沿って、第2係止手段8Rに係止する被係止手段7Rと第1係止手段8に係止する被係止手段7とが交互に設けられた構成とし、かつ、他端部構成部材4Bと隣接する開閉体本体4Aの最他端のスラット41の幅方向端部40は、第2係止手段8Rに係止する被係止手段7Rを備えた構成とした。
【0038】
例えば、第1係止手段8及び第2係止手段8Rは、同じ平鋼(フラットバー)により形成され、被係止手段7及び被係止手段7Rは上述した被係止手段7と同じ構成のものを用いる。
そして、
図4に示すように、被係止手段7の被係止部7bが、連結部70の幅方向端縁より突出してガイド溝5aの底壁5c及び屋外側の内壁5bに近づく方向に延長するように、取付部7aの板面側と連結部70の平板部71の屋外側の板面71a側とが溶接やねじ等の連結手段で連結される。
また、
図7に示すように、スラット41の幅方向端部40に取付けられる被係止手段7Rは、被係止手段7Rの被係止部7bが、スラット41の幅方向端縁より突出してガイド溝5aの底壁5c及び屋内側の内壁5dに近づく方向に延長するように、取付部7aの板面側とスラット41の屋外側の板面41a側とが溶接やねじ等の連結手段で連結される。
また、
図7に示すように、スラット41の幅方向端部40に取付けられる被係止手段7は、被係止手段7の被係止部7bが、スラット41の幅方向端縁より突出してガイド溝5aの底壁5c及び屋外側の内壁5bに近づく方向に延長するように、取付部7aの板面側とスラット41の屋内側の板面41b側とが溶接やねじ等の連結手段で連結される。
以上のように構成されて、被係止手段7の被係止部7bが、ガイドレール5のガイド溝5aの屋外側の内壁面5bに設けられた第1係止手段8の係止壁8bに係止し、かつ、被係止手段7の被係止部7bが、ガイドレール5のガイド溝5aの屋内側の内壁面5dに設けられた第2係止手段8Rの係止壁8bに係止する開閉装置1とした。
【0039】
即ち、係止手段は、ガイド溝5aの屋外側に設けられた第1係止手段8とガイド溝5aの屋内側に設けられた第2係止手段8Rとを備え、開閉体4に圧力が加わった際に、他端部構成部材4Bの幅方向端部40に設けられた被係止手段7が、第1係止手段8に係止するように構成されたとともに、開閉体本体4Aを構成する複数のスラット41,41…のうちの1つ以上のスラット41の幅方向端部40に被係止手段7又は被係止手段7Rが設けられ、スラット41,41…に設けられた被係止手段7,7Rのうち、他端部構成部材4Bの被係止手段7に最も近い位置にある被係止手段7Rが、第2係止手段8Rに係止するように構成される。
より、具体的には、開閉体4の開閉方向Vに沿って隣り合うように設けられた複数の各スラット41,41…の幅方向端部40には、開閉体4の開閉方向Vに沿って、第2係止手段8Rに係止する被係止手段7Rと第1係止手段8に係止する被係止手段7Rとが交互に設けられ、他端部構成部材4Bと隣接する開閉体本体4Aの最他端のスラット41の幅方向端部40は、第2係止手段8Rに係止する被係止手段7Rを備えた構成とした。
【0040】
実施形態4に係る開閉装置1によれば、強風時等において、開閉体4に正圧が加わった場合には、他端部構成部材4B、及び、特定のスラット41の左右の幅方向端部40,40に設けられた被係止手段7,7の被係止部7b,7bが、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内に設けられた第1係止手段8,8の係止壁8b,8bに係止し、また、開閉体4に負圧が加わった場合には、特定のスラット41の左右の幅方向端部40,40に設けられた被係止手段7R,7Rの被係止部7b,7bが、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内に設けられた第2係止手段8R,8Rの係止壁8b,8bに係止する。
従って、強風時等において、開閉体4に、正圧又は負圧のいずれの圧力が加わった場合でも、他端部構成部材4B及びスラット41の幅方向端部40,40がガイド溝5a,5aから抜けてしまうような事態が防止されるようになる。
【0041】
次に、上述した各実施形態1乃至4で示した他端部構成部材4Bの本体部50の一例である、感知式タイプの本体部50の構成を、
図8,
図9に基づいて説明する。尚、ここでは、便宜上、「屋外側」を前側、「屋内側」を後側と表現して説明する場合がある。また、ここでは、前後幅が各実施形態1乃至4で図示した本体部50の前後幅よりも小さいタイプの本体部50を例示した。
本体部50は、開閉方向(上下方向)Vに移動可能な感知レバーと呼ばれる可動座板51と、可動座板51の動きに応じて回転する回転体52と、可動座板51を開閉方向Vに移動可能に支持するととともに、回転体52の回転中心となる回転中心軸52Cを備えて回転体52を回転可能に支持する支持座板53とを備える。
可動座板51及び支持座板53は、長手方向(幅方向W)の長さが、他端部構成部材4Bの連結部70の長手方向(幅方向W)の長さとほぼ同じか、あるいは、建築構造物の開口部13の左右の幅寸法(左右のガイドレール5,5間の開口寸法)Eよりも若干短い寸法に形成された長尺物により構成される。
即ち、支持座板53は、上板53aと、上板53aの一方の長辺縁より延長する屋外側側板53bと、上板53aの他方の長辺縁より延長して屋外側側板53bと対向する屋内側側板53cと、屋外側側板53bの延長端より屋内側側板53cに近づく方向に延長するように設けられた屋外側支持板53dと、屋内側側板53cの延長端より屋外側側板53bに近づく方向に延長するように設けられた屋内側支持板53gとを備え、屋外側支持板53dの延長端縁と屋内側支持板53gの延長端縁との間で形成された長手方向に連続する開口53fが設けられた、下面開口の断面逆凹状四角形状の例えば金属製の中空長尺材により構成される。
可動座板51は、長手方向(幅方向W)と直交する断面形状がI形状の例えば金属製の長尺部材により形成される。
即ち、可動座板51は、下板部51aと、下板部51aの前後方向の中央位置から立ち上がって支持座板53の開口53fを介して支持座板53の中空側に延長する立上り部51bと、立上り部51bの屋外側長辺縁より前方に延長して屋外側支持板53dの上面に係止する屋外側被係止板51cと、立上り部51bの屋内側長辺縁より後方に延長して屋内側支持板53eの上面に係止する屋内側被係止板51dとを備える。
尚、上側カバー61の上面に図外の障害物感知装置が設置され、当該障害物感知装置の検出スイッチが支持座板53の上板53aに形成されたスイッチ挿入孔53hを介して支持座板53の内側に設置される。
【0042】
通常状態においては、可動座板51の屋外側被係止板51c及び屋内側被係止板51dが屋外側支持板53dの上面及び屋内側支持板53gの上面に係止して、支持座板53に可動座板51が吊り下がった状態となっている。
そして、可動座板51の下板部51a(下側カバー62)が人や物等の障害物に接触した場合、可動座板51が上方に移動して回転体52を押し上げることにより、回転体52が回転中心軸52Cを回転中心として回転し、検出スイッチに接触するように構成されている。この場合、検出スイッチからの検出信号を検出した障害物感知装置が開閉体4の開閉動作を停止するように構成されている。
尚、
図8に示すように、可動座板51及び支持座板53の長手方向(幅方向W)の長さが、他端部構成部材4Bの連結部70の長手方向(幅方向W)の長さとほぼ同じ長さに形成された構成の耐火用開閉装置の場合、ガイドレール5内に入り込んだ可動座板51の端部部材51e(下側カバー62の端部部材62e)がガイドレール5内において障害物を検知できるようになっている。また、ガイドレール5内に入り込んだ可動座板51の端部部材51e、支持座板53の端部部材53e、下側カバー62の端部部材62eにより、煙や炎が、屋内側から屋外側、又は、屋外側から屋内側に回りにくいように構成されている。
【0043】
また、座板又は水切と呼称される他端部構成部材4Bは、例えば、
図10に示すような構成のものであってもよい。
当該他端部構成部材4Bは、本体部50Aと、開閉体本体4Aの他端側と本体部50Aとを連結するための連結部70と、被係止手段7とを備える。
本体部50Aは、巻取体6の回転中心線6aに沿った方向に長く、当該長手方向と直交する断面形状が例えばL字状の金属製の2つの長尺材、即ち、第1アングル材50aと第2アングル材50bとを組み合わせて断面逆T字形状に形成された金属製の長尺材により構成される。
即ち、本体部50Aは、断面逆T字の垂直部50Vと、断面逆T字の水平部50Hとを備えた、開口部13の左右方向に長い長尺部材により形成される。
そして、連結部70の平板部71の他端側と本体部50Aの垂直部50Vとが、ボルト58及びナット59、あるいは、溶接等の連結手段により連結されて他端部構成部材4Bが構成される。
当該他端部構成部材4Bを備えた開閉体4によれば、水平部50Hの下面が開口部13の下方の床面等の着座面に着座することにより、開口部13が開閉体4で閉鎖されることになる。
そして、この他端部構成部材4Bの左右の幅方向端部40,40に被係止手段7が設けられた構成とされる。
【0044】
実施形態5
実施形態3(
図6)において、開閉体4の左右の幅方向端部40,40にも、被係止手段7Y(第1被係止手段7+第2被係止手段7R)を設ける場合や、実施形態4(
図7)ように、開閉体4の左右の幅方向端部40,40に、被係止手段7と被係止手段7Rとを備えた構成とする場合においては、
図11に示すように、開閉体4が開口部13を開通させた開状態において、巻取体6に巻き取られない(巻かれない)範囲Nに存在することになる他端部構成部材4B及び複数のスラット41,41…の左右の幅方向端部40,40にのみ被係止手段を設けるようにする。
即ち、実施形態3(
図6)及び実施形態4(
図7)において、巻取体6に巻き取られる複数のスラット41,41…の左右の幅方向端部40,40に、被係止手段7と被係止手段7Rと設けるように構成した場合、被係止手段7と被係止手段7Rとが干渉して、スラット41,41…の巻取径が大きくなって装置が大型化するだけでなく、開閉体4の巻取動作及び巻出動作(繰出動作)に支障が生じる虞もある。
【0045】
一方、実施形態5のように構成した場合、強風時等において、開閉体4に、正圧又は負圧のいずれの圧力が加わった場合でも、他端部構成部材4Bの幅方向端部40,40がガイド溝5a,5aから抜けてしまうような事態が防止されるようになるとともに、被係止手段7と被係止手段7Rとの干渉を防止できるため、装置の大型化や開閉体4の巻取動作及び巻出動作(繰出動作)への影響を少なくできるようになる。
【0046】
即ち、建築構造物に形成された開口部13を開閉する開閉体4と、開閉体4の左右の幅方向両端部側に配置されて開閉体4の幅方向端部40を開閉体4の開閉方向Vに沿ってガイドするガイド溝5aを有したガイドレール5とを備えた開閉装置1において、ガイドレール5は、ガイド溝5a内に係止手段を備え、当該係止手段は、ガイド溝5aの屋外側に設けられた第1係止手段8とガイド溝5aの屋内側に設けられた第2係止手段8Rとを備え、開閉体4は、一端が巻取体6に連結された開閉体本体4Aと、当該開閉体本体4Aの他端に設けられた他端部構成部材4Bとを備え、開口部13を開通させた開閉体4の開状態において、巻取体6に巻き取られない(巻かれない)範囲Nに存在することになる他端部構成部材4B及び複数のスラット41,41…の左右の幅方向端部40,40が、それぞれ、第1係止手段8及び第2係止手段8Rに係止する被係止手段7Y(第1被係止手段7+第2被係止手段7R)を備えた構成とした。
尚、この場合、スラット41の幅方向端部40への被係止手段7Yの取付け構造は、例えば
図6に示すように、まず、第1被係止手段7の取付部7aがスラット41の屋内側の板面41b側に溶接やねじ等の連結手段で連結され、かつ、第2被係止手段7Rの取付部7aと第1被係止手段7の取付部7aとが溶接やねじ等の連結手段で連結された構成とすればよい。
【0047】
また、建築構造物に形成された開口部13を開閉する開閉体4と、開閉体4の左右の幅方向両端部側に配置されて開閉体4の幅方向端部40を開閉体4の開閉方向Vに沿ってガイドするガイド溝5aを有したガイドレール5とを備えた開閉装置1において、ガイドレール5は、ガイド溝5a内に係止手段を備え、当該係止手段は、ガイド溝5aの屋外側に設けられた第1係止手段8とガイド溝5aの屋内側に設けられた第2係止手段8Rとを備え、開閉体4は、一端が巻取体6に連結された開閉体本体4Aと、当該開閉体本体4Aの他端に設けられた他端部構成部材4Bとを備え、開口部13を開通させた開閉体4の開状態において、巻取体6に巻き取られない(巻かれない)範囲Nに存在することになる他端部構成部材4B及び複数のスラット41,41…の左右の幅方向端部40,40が、それぞれ、第1係止手段又は第2係止手段のいずれかに係止する被係止手段7又は被係止手段7Rを備えた構成とした。
この場合、例えば、他端部構成部材4Bの幅方向端部40に設けられた被係止手段が、第1係止手段8に係止するように構成されたとともに、開閉体の開閉方向に沿って隣り合うように設けられた複数の各スラット41,41…の幅方向端部40には、開閉体4の開閉方向Vに沿って、第2係止手段8Rに係止する被係止手段7Rと第1係止手段8に係止する被係止手段7とが交互に設けられ、他端部構成部材4Bと隣接する開閉体本体4Aの最他端のスラット41の幅方向端部40は、第2係止手段8Rに係止する被係止手段7Rを備えた構成とすることが好ましい。
また、この場合、スラット41の幅方向端部40への被係止手段7,7Rの取付け構造は、例えば
図7に示すように、被係止手段7の取付部7aがスラット41の屋内側の板面41b側に溶接やねじ等の連結手段で連結され、また、被係止手段7Rの取付部7aがスラット41の屋外側の板面41a側に溶接やねじ等の連結手段で連結された構成とすればよい。
【0048】
尚、1つの材料を加工して他端部構成部材4Bの連結部70と被係止手段とを一体に形成した構成としてもよい。例えば、他端部構成部材4Bの連結部70と当該連結部70の幅方向端縁より突出する部分である被係止手段とが連続する同一の板材により形成された構成としてもよい。
同様に、1つの材料を加工してスラット41とスラット41の被係止手段とを一体に形成した構成としてもよい。
【0049】
また、ガイドレール5の係止手段は、例えば、ガイドレール5を形成する板材を折曲して開閉方向Vに連続するように形成された係止壁で構成されてもよい。このようにすれば、ガイドレール5の軽量化が図れる。
【0050】
また、実施形態では、他端部構成部材4Bが、本体部と、開閉体本体の他端側と本体部とを連結するための連結部とを備え、被係止手段が連結部の幅方向端部に設けられた構成を例示したが、本体部の幅方向端部部材(例えば、
図8に示した、支持座板53の端部部材53e等)に、ガイド溝5a内に入り込んでガイド溝5a内の係止手段に係止する被係止手段を設けるようにしてもよい。
【0051】
本発明の適用対象となる開閉装置(シャッター装置)の開閉体(シャッターカーテン)の構成態様としては、所謂スラットを上下方向に複数連設した態様だけではなく、パイプ、パネル、シート状物又はネット状物を単数もしくは複数連設して成る態様の開閉体、あるいは、スラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物を適宜に組み合せた開閉体でもよい。所謂、オーバヘッドタイプの開閉体にも適用できる。
【符号の説明】
【0052】
1 開閉装置、4 開閉体、4A 開閉体本体、4B 他端部構成部材、
5 ガイドレール、5a ガイド溝、7 被係止手段,7a 取付部、7b 被係止部、8 係止手段、13 開口部、40 開閉体の左右の幅方向端部、41 スラット、
50 本体部、70 連結部。