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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032644
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】男性用吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/491 20060101AFI20220217BHJP
   A61F 13/532 20060101ALI20220217BHJP
   A61F 13/51 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
A61F13/491 100
A61F13/532 210
A61F13/51
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136640
(22)【出願日】2020-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】520307012
【氏名又は名称】石井 悦子
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】原田 玲子
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA14
3B200BB03
3B200BB06
3B200BB09
3B200CA05
3B200CA08
3B200DA21
3B200DB24
3B200DE01
(57)【要約】
【課題】トランクス型の下着の着用者にも使用でき、装着時の蒸れや、ごわごわするといった不快感または違和感を抑え、さまざまな状況に対応可能であると同時に、ケア用品に抵抗がある男性にも気軽に利用できる男性用吸収性物品を提供する。
【解決手段】男性用吸収性物品100は、装着者の腰部に巻き付けて装着される細長状の細長状体10と、装着者の背中側から股間を通って腹部側へ巻き上げられるとともに、装着者の腹部側に位置する細長状体10の部位に一方の端部が固定されるカバー体20とを備え、カバー体20は、男性器を包み込むように保持する第1の吸収パッド21と、肛門周辺部を覆う第2の吸収パッド22とを備え、第1の吸収パッド21および第2の吸収パッド22は、汚物を吸収するように構成され、第1の吸収パッド21と第2の吸収パッド22とは、カバー体20において一体的にまたは連続して設けられておらず、互いに間隔を置いて配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の腰部に巻き付けて装着される細長状の細長状体と、
装着者の背中側から股間を通って腹部側へ巻き上げられるとともに、装着者の腹部側に位置する前記細長状体の部位に一方の端部が固定されるカバー体と、
を備える男性用吸収性物品であって、
前記カバー体は、
男性器を包み込むように保持する第1の吸収パッドと、
肛門周辺部を覆う第2の吸収パッドと、
を備え、
前記第1の吸収パッドおよび前記第2の吸収パッドは、汚物を吸収するように構成され、
前記第1の吸収パッドと前記第2の吸収パッドとは、前記カバー体において一体的にまたは連続して設けられておらず、互いに間隔を置いて配置されている
男性用吸収性物品。
【請求項2】
前記第1の吸収パッドおよび前記第2の吸収パッドを除く、前記カバー体の本体の厚さが0.5~3mmである、請求項1に記載の男性用吸収性物品。
【請求項3】
前記カバー体が、不織布、メッシュ生地、ガーゼ生地、または多孔性プラスチックシートからなる、請求項1または請求項2に記載の男性用吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、男性用吸収性物品に関し、特に、軽度の失禁(軽失禁)に悩む男性が用いるのに適した男性用吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、男性用吸収性物品として、下着(パンツ)の内側に装着して使用する男性用吸収パッドなどが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020―48906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、尿漏れパッドをはじめとする男性用吸収パッドを使用する場合、吸収パッドを男性器などに適切にあてがう必要があるため、ブリーフやボクサー型の下着を着用することが推奨され、トランクス型の下着には適していなかった。
【0005】
さらに、男性用吸収パッドは、装着時に股間の蒸れや、ごわごわするといった不快感または違和感が生じ、着け心地がよいものではなかった。
【0006】
また、軽失禁には、尿失禁のほかに便失禁がある。便失禁では、肛門から軟便、便汁または粘液が漏れ出る。
加えて、肛門周囲膿瘍(のうよう)が破れた結果生じる痔瘻(じろう)により、膿汁(のうじゅう)が発生したり出血したりすることがある。
このようなことから、男性用吸収パッドには、さまざまな状況に対応可能な仕様であることが求められていた。
【0007】
一方、男性用吸収パッドはケア用品として販売されていることが多く、40代、50代の男性にとっては、老いや介護のイメージが重なることから、ケア用品を使用することへの心理的抵抗も少なくない。
【0008】
本発明の主な課題は、トランクス型の下着の着用者にも使用でき、装着時の蒸れや、ごわごわするといった不快感または違和感を抑え、失禁や痔瘻といったさまざまな状況に対応可能であると同時に、ケア用品に抵抗がある男性にも気軽に利用できる粋な男性用吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の男性用吸収性物品は、装着者の腰部に巻き付けて装着される細長状の細長状体と、
装着者の背中側から股間を通って腹部側へ巻き上げられるとともに、装着者の腹部側に位置する細長状体の部位に一方の端部が固定されるカバー体と、
を備え、
カバー体は、
男性器を包み込むように保持する第1の吸収パッドと、
肛門周辺部を覆う第2の吸収パッドと、
を備え、
第1の吸収パッドおよび第2の吸収パッドは、汚物を吸収するように構成され、
第1の吸収パッドと前記第2の吸収パッドとは、カバー体において一体的にまたは連続して設けられておらず、互いに間隔を置いて配置されている。
【0010】
好適には、第1の吸収パッドおよび第2の吸収パッドを除く、カバー体の本体の厚さは0.5~3mmである。
【0011】
さらに、カバー体は、不織布、メッシュ生地、ガーゼ生地、または多孔性プラスチックシートからなることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の男性用吸収性物品によれば、トランクス型の下着の着用者にも使用でき、装着時の蒸れや、ごわごわするといった不快感または違和感を抑え、失禁や痔瘻といったさまざまな状況に対応可能であると同時に、ケア用品に抵抗がある男性にも気軽に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る男性用吸収性物品を示す説明図である。
図2図2Aは、図1のIA-IA線矢視図である。図2Bは、図1のIB-IB線矢視図である。
図3図1に示した男性用吸収性物品を装着した状態を示す断面右側面図である。
図4図1に示した男性用吸収性物品の使用態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の男性用吸収性物品の実施形態を、図面に従って説明する。
【0015】
<男性用吸収性物品の概略>
図1に示される男性用吸収性物品100は、屈曲部11および固定部12を有する細長状の細長状体10と、第1の吸収パッド21および第2の吸収パッド22を備えるとともに、装着したときに細長状体10の下方に延びるように設けられたカバー体20と、を備えている。
【0016】
<細長状体>
細長状の細長状体10は、男性用吸収性物品100の装着者からカバー体20が外れたり落下したりしないように、装着者の腰部を締め付けてカバー体20が装着者の背中側から股間を通って腹部側へ巻き上げられた状態を保持する。
細長状体10は、屈曲部11および固定部12を有している。
細長状体10の屈曲部11は、装着者の腰部に巻き掛けることができるように、細長状の帯、ベルトまたはひもといった形状を呈している。屈曲部11は、ゴム帯のような伸縮性に優れた弾性素材から形成されていることが好ましい。これによって、男性用吸収性物品100の装着者の腰部を弾性収縮力により締め付けることができ、装着者からカバー体20が外れたり落下したりすることがない。屈曲部11の幅は、20~40mm程度である。
【0017】
一方、細長状体10の固定部12は、屈曲部11よりも幅の広い(60~100mm程度の幅の)帯状布地によって形成されており、屈曲部11の一方の端部に縫い付けられている。固定部12において、男性用吸収性物品100を装着したときに裏となる側は、装着者の肌(腹部)に当たり接するため、滑らかで肌触りのよい生地となっていることが好ましい。
【0018】
このように屈曲部11および固定部12を有する、細長状の細長状体10は、屈曲部11の一方の端部、および固定部12の一方の端部において、相互に分離するように構成されている。
具体的には、屈曲部11の一方の端部、および固定部12の一方の端部にはそれぞれ、連結具13、14が取り付けられている。採用可能な連結具13、14の例としては、面ファスナー、ボタン、ホック、ひも、およびテープが挙げられるが、これらに限定されない。本実施形態のように、連結具13、14として面ファスナーを採用する場合、面ファスナーを構成する雄側ファスナー体(かぎ状の突起体)および雌側ファスナー体(環状の突起体)はそれぞれ、屈曲部11の一方の端部、または固定部12の一方の端部に取り付けられる。
【0019】
<カバー体>
カバー体20は、男性用吸収性物品100を装着したときに、装着者の背中側に位置する細長状体10の部位に該当する、屈曲部11の下方に延びるように設けられている。カバー体20は、男性用吸収性物品100を装着したときに、腹部(陰部)を接触可能に覆う下腹部カバー20aと、尻部を接触可能に覆う尻部カバー20bと、を有している。尻部カバー20bの一方の端部は、細長状体10の屈曲部11に縫い付けられている。
カバー体20は、全体として、縁部をまつる生地、および後述する補強部20cを除いて、下腹部カバー20aと尻部カバー20bとが同一の布地から構成されている。図1では、カバー体20には、下腹部カバー20aと尻部カバー20bとの継ぎ目があるが、下腹部カバー20aと尻部カバー20bとは、一体の布地から構成されていてもよい。カバー体20を構成する布地には、通気性と伸縮性に優れた素材が用いられる。カバー体20は、不織布、メッシュ生地、ガーゼ生地、または多孔性プラスチックシートからなることが好ましい。
また、カバー体20の縁部の少なくとも一部には、下腹部カバー20aおよび尻部カバー20bのうちの少なくとも一方の縁部のほつれなどを防止するために、補強部20cが設けられていてもよい。
【0020】
下腹部カバー20aの先端部分は、細長状体10に固定され、この先端部分には、固定具23が取り付けられている。細長状体10の固定部12にも固定具24が設けられている。具体的には、固定具24は、細長状体10の固定部12において、男性用吸収性物品100を装着したときに表となる側に取り付けられている。採用可能な固定具23、24の例としては、面ファスナー、ボタン、ホック、ひも、テープなどが挙げられる。本実施形態のように、固定具23、24として面ファスナーを採用する場合、カバー体20の下腹部カバー20aまたは細長状体10の固定部12の一方に雄側ファスナー体が取り付けられ、他方に雌側ファスナー体が取り付けられる。
【0021】
カバー体20は、男性器(特に、陰茎)を包み込むように保持する第1の吸収パッド21と、肛門周辺部を覆う第2の吸収パッド22と、を備えている。
図1に示されているように、第1の吸収パッド21と第2の吸収パッド22とは、カバー体20において一体的にまたは連続して設けられていない。第1の吸収パッド21と第2の吸収パッド22とは、カバー体20において互いに間隔を置いて配置されている。このため、カバー体20において、第1の吸収パッド21と第2の吸収パッド22との間には、吸収パッドはいずれも設けられておらず、カバー体本体の布地が露出している。
さらに、第1の吸収パッド21および第2の吸収パッド22、ならびに縁部をまつる生地および補強部20cを除く、カバー体20の本体の厚さは0.5~3mmであることが好ましい。加えて、この後詳述するように、吸収パッド(第1の吸収パッド21および第2の吸収パッド22)自体の厚さも薄い。
このような構成を採用することによって、カバー体全体の厚さが薄くなるのと同時に、吸収パッドが装着者の股間全体を覆わないため、カバー体20の通気性と柔軟性が保たれ、装着時の蒸れや太ももの擦れ、ごわごわするといった不快感または違和感の発生が抑えられ、快適な着け心地が実現できる。さらに、男性用吸収性物品100の製造コストの削減にもつながる。
【0022】
次に、第1の吸収パッド21および第2の吸収パッド22に関して、それぞれ説明する。
【0023】
<第1の吸収パッド>
第1の吸収パッド21は、立体的な形状に形成されており、男性器を包み込むように保持することができる。第1の吸収パッド21は、下腹部カバー20aの先端部分の方に向かって末広がりとなっている。具体的には、男性用吸収性物品100を装着したときに装着者から見て、第1の吸収パッド21の形状は、下部が狭く、下方から上方へ行くに従って広くなっている。第1の吸収パッド21の形状の例としては、カップ状、扇状、八の字形が挙げられるが、これらに限定されない。
このような構成を採用することによって、男性用吸収性物品100の装着者は、手探りで簡単に男性器(特に、陰茎)を第1の吸収パッド21にあてがうことができる。さらに、第1の吸収パッド21は装着者の鼠径部(そけいぶ)に沿ってフィットするため、快適な装着感を保ちつつ、尿の横漏れを防ぐことができる。
【0024】
図2Aに示されているように、第1の吸収パッド21は、吸収層21aと防水層21bという2層構造を有している。
【0025】
吸収層21aは主に、尿などの汚物を吸収するように機能する。
吸収層21aには、吸水機能、吸湿機能および保水機能のうちの少なくとも1つの機能を有するポリマー(例えば、吸収性ポリマー。吸収ポリマー、吸収性高分子などとも呼ばれる。)が配合されたシートまたはフィルムが好適に用いられる。
または、吸水機能、吸湿機能および保水機能に加え、アンモニア吸着機能を有する不織布が用いられてもよい。例えば、レーヨン、ポリエステル、吸水吸湿性繊維のような繊維素材(機能性繊維素材を含む。)、消臭性ポリマー(消臭ポリマー、消臭性高分子などとも呼ばれる。)を適切に組み合わせることによって、優れた吸水性、吸湿性および保水性を発揮し、アンモニアに対する消臭性能を高め、臭いの発生および拡散を防ぐことができる。
【0026】
防水層21bは主に、吸収層21aが吸収した尿などの汚物を外部に漏らさないように機能する。すなわち、尿などの汚物が、下着(パンツ)、衣服(ズボンなど)および肌(太ももなど)をぬらさないようにする。
防水層21bは、屈曲性があり、不透水性のシートまたはフィルムからなる。防水層21bには、例えば、ビニール製のシートまたはフィルム、ポリウレタン製のシートまたはフィルム、ポリエステル製のシートまたはフィルムが用いられる。
【0027】
なお、第1の吸収パッド21は、男性用吸収性物品100を装着したときに装着者の肌(男性器)側から見て最も上に(吸収層21aの上に)さらに、尿などの汚物を吸い取って素早く蒸発させる、吸水機能および速乾機能を有する層を設けることにより、3層構造としてもよい。この層は、吸水性および速乾性に優れるとともに、男性器に対してさらさらとした優しい肌触りを実現することができる。例えば、ポリエステル製繊維生地からなる。
または、第1の吸収パッド21には、付加的な層として、抗菌性を有するシートまたはフィルムからなる層が、男性用吸収性物品100を装着したときに装着者の肌(男性器)側から見て他の層の上または下に位置するように追加されてもよい。
加えて、第1の吸収パッド21には、男性用吸収性物品100を装着したときに装着者の肌(男性器)に接触する面に、エンボス加工が施されていてもよい。そうすることにより、第1の吸収パッド21の表面積が大きくなるため、尿などの吸収が促進される。
また、第1の吸収パッド21に香料などを含ませることにより、尿などの臭いをマスキングすることができる。
【0028】
第1の吸収パッド21の厚さは、2~5mmであることが好ましい。
【0029】
<第2の吸収パッド>
第2の吸収パッド22は、肛門周辺部を覆うように装着者の尻部に接触して配置される。図3に示されているように、第2の吸収パッド22は、第1の吸収パッド21とは間隔を置いて離れた位置から、男性用吸収性物品100の装着者の尾骨に対応する位置へ向かって延びている。
【0030】
図2Bに示されているように、第2の吸収パッド22は、尻部カバー20b内に設けられており、吸収層22aと防水層22bという2層構造を有している。
【0031】
吸収層22aは主に、便失禁の際に肛門から漏れ出る便、便汁および粘液、ならびに、痔瘻の際に肛門周辺部から発生する膿汁および血といった汚物を吸収するように機能する。
吸収層22aには、例えば、吸水機能、吸湿機能および保水機能のうちの少なくとも1つの機能を有するポリマー(例えば、吸収性ポリマー)が配合されたシートまたはフィルムが用いられる。
または、吸水機能、吸湿機能および保水機能に加え、消臭機能または腐敗物質吸着機能を有する不織布が用いられてもよい。例えば、レーヨン、ポリエステル、吸水吸湿性繊維のような繊維素材(機能性繊維素材を含む。)、消臭性ポリマーを適切に組み合わせることによって、優れた吸水性、吸湿性、保水性および吸着性を発揮し、腐敗物質に対する消臭性能を高め、臭いの発生および拡散を防ぐことができる。
【0032】
防水層22bは主に、吸収層22aが吸収した便、便汁などの汚物を外部に漏らさないように機能する。
防水層22bは、屈曲性があり、不透水性のシートまたはフィルムからなる。防水層22bには、例えば、ビニール製のシートまたはフィルム、ポリウレタン製のシートまたはフィルム、ポリエステル製のシートまたはフィルムが用いられる。
【0033】
なお、第2の吸収パッド22は、装着者の肌(尻部)に触れる方向に対して露出していてもよい。このような構成を採用することによって、男性用吸収性物品100を装着する際に装着者が第2の吸収パッド22の位置を確認しやすくなる。
または、第2の吸収パッド22には、付加的な層として、抗菌性を有するシートまたはフィルムが、男性用吸収性物品100を装着したときに装着者の肌(尻部)側から見て他の層の上または下に位置するように追加されてもよい。
加えて、第2の吸収パッド22には、男性用吸収性物品100を装着したときに装着者の肌(尻部)に接触する面に、エンボス加工が施されていてもよい。そうすることにより、第2の吸収パッド22の表面積が大きくなるため、便汁などの吸収が促進される。
また、第2の吸収パッド22に香料などを含ませることにより、便などの臭いをマスキングすることができる。
【0034】
第2の吸収パッド22の厚さは、3~7mmであることが好ましい。
【0035】
<男性用吸収性物品の使用態様>
次に、本実施形態の男性用吸収性物品100の使用態様を説明する。
【0036】
最初に、腰部に巻き付けて細長状体10を着ける。この時、細長状体10の屈曲部11と固定部12とを腰部に回し、屈曲部11の一方の端部に設けられた連結具13と、固定部12の一方の端部に設けられた連結具14とを相互に連結することにより、細長状体10の身に着けが完了する。
【0037】
このようにして細長状体10を腰部に着けると、カバー体20が尻部の下方にぶら下がった状態となる。カバー体20の一方の端部、具体的にはカバー体20の下腹部カバー20aを持ち上げ、背中側から股間を通して腹部側へと巻き上げる。次いで、カバー体20の下腹部カバー20aの一方の端部に設けられた固定具(雄側ファスナー体または雌側ファスナー体)23を、細長状体10の固定部12の表面に設けられた固定具(雄側ファスナー体または雌側ファスナー体)24に押し当て固着させる。これによって、男性用吸収性物品100の装着が完了する。
図4には、細長状体10とカバー体20とが固定された状態の男性用吸収性物品100が示されている。
【0038】
図3に示されているように、男性用吸収性物品100が装着された状態では、下腹部カバー20aに設けられた第1の吸収パッド21によって男性器Sが包み込まれるように保持されるとともに、尻部カバー20bに設けられた第2の吸収パッド22によって肛門周辺部が覆われるため、外出や移動、運動、長時間の会議の時などであっても、男性器Sの安定性を良好に保つことができるとともに、失禁時の尿や便汁などの漏れを確実に防ぐことができる。
【0039】
加えて、本実施形態の男性用吸収性物品100は、失禁対策向けの男性用パンツおよびおむつとは異なり、わざわざ衣服(ズボンなど)を全部脱いでから装着する必要はない。このため、男性用吸収性物品100を装着する前の煩雑な作業が省ける。
【0040】
また、本実施形態の男性用吸収性物品100は、図1および図4に示されているように、日本の伝統的な下着であるふんどしのような形状を呈している。健康志向の高まりを背景に、ふんどしはその良さが見直されつつある。本実施形態の男性用吸収性物品100は、通気性がよい、鼠径部の締め付けが少ない、といった、ふんどしとしての特長を有している。
こうした男性用吸収性物品は粋でもあり、これまでにないものとして、特に40代、50代の男性が軽失禁などの対策に使用することへの心理的抵抗を軽減することができる。
【0041】
本発明の男性用吸収性物品に関して、一実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は前述の実施形態に記載されている構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 細長状体
11 屈曲部
12 固定部
13 連結具
14 連結具
20 カバー体
20a 下腹部カバー
20b 尻部カバー
21 第1の吸収パッド
22 第2の吸収パッド
23 固定具
24 固定具
100 男性用吸収性物品

図1
図2
図3
図4