(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032998
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】自動車用ランプおよびそのランプを含む自動車
(51)【国際特許分類】
F21S 41/275 20180101AFI20220217BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20220217BHJP
F21S 41/26 20180101ALI20220217BHJP
F21W 102/155 20180101ALN20220217BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220217BHJP
【FI】
F21S41/275
F21S41/143
F21S41/26
F21W102:155
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127944
(22)【出願日】2021-08-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0102009
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ヒュン ス
(57)【要約】
【課題】自動車用ランプおよび自動車が開示される。
【解決手段】本発明の一側面によると、光を生成し、出射する光源と、前記光源の前方に備えられるレンズアレイとを含み、前記光源から出射した前記光は、前記レンズアレイを経て外部に出射し、所定のビームパターンを形成し、前記レンズアレイは、前記レンズアレイの前方領域に備えられる複数のセルを含み、前記複数のセル間の境界に段差が形成される自動車用ランプが開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を生成し、出射する光源と、
前記光源の前方に備えられるレンズアレイとを含み、
前記光源から出射した前記光は、前記レンズアレイを経て外部に出射し、所定のビームパターンを形成し、
前記レンズアレイは、
前記レンズアレイの前方領域に備えられる複数のセルを含み、
前記複数のセル間の境界に段差が形成される、自動車用ランプ。
【請求項2】
前記複数のセルは、それぞれ、
前記レンズアレイの一領域に備えられる第1セル領域または前記レンズアレイの他の領域に備えられる第2セル領域に備えられ、
前記光のうち、前記第1セル領域を経て外部に出射する光は、左右方向Wに前記ビームパターンの中央領域および周縁領域に逹し、
前記光のうち、前記第2セル領域を経て外部に出射する光は、前記左右方向Wに前記ビームパターンの前記中央領域に逹する、請求項1に記載の自動車用ランプ。
【請求項3】
前記第1セル領域は、前記左右方向Wに前記レンズアレイの中央領域に備えられ、
前記第2セル領域は、前記左右方向Wに前記レンズアレイの両側部領域に備えられる、請求項2に記載の自動車用ランプ。
【請求項4】
前記複数のセルのうち、前記第1セル領域に備えられるセルのそれぞれは、下部領域の厚さが上部領域の厚さより厚く備えられる、請求項3に記載の自動車用ランプ。
【請求項5】
前記複数のセルのうち、前記第1セル領域に備えられるセルの厚さは、前記第2セル領域に備えられるセルの厚さより厚い、請求項3に記載の自動車用ランプ。
【請求項6】
前記レンズアレイの前方から前記レンズアレイをみたときに、前記複数のセルは、それぞれ四角形の形状を有する、請求項1に記載の自動車用ランプ。
【請求項7】
前記レンズアレイの前方から前記レンズアレイをみたときに、前記複数のセルは、それぞれ長方形の形状を有する、請求項1に記載の自動車用ランプ。
【請求項8】
前記第1セル領域に備えられる複数のセルにおいて、上下方向Hに同一高さに備えられる任意の二つのセルのうち、前記左右方向Wに前記レンズアレイの真中に相対的に隣接して備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積は、前記左右方向Wに前記レンズアレイの真中から相対的に離隔して備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積より大きい、請求項2に記載の自動車用ランプ。
【請求項9】
前記第1セル領域に備えられる複数のセルにおいて、前記左右方向Wに同一位置に備えられる任意の二つのセルのうち、上下方向Hに相対的に下部に備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積は、前記上下方向Hに相対的に上部に備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積より大きい、請求項2に記載の自動車用ランプ。
【請求項10】
前記第2セル領域に備えられる複数のセルにおいて、上下方向Hに同一高さに備えられる任意の二つのセルのうち、前記左右方向Wに前記レンズアレイの真中に相対的に隣接して備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積は、前記左右方向Wに前記レンズアレイの真中から相対的に離隔して備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積より大きい、請求項2に記載の自動車用ランプ。
【請求項11】
前記第2セル領域に備えられる複数のセルにおいて、前記左右方向Wに同一位置に備えられる任意の二つのセルのうち、上下方向Hに相対的に下部に備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積は、前記上下方向Hに相対的に上部に備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積より大きい、請求項2に記載の自動車用ランプ。
【請求項12】
前記複数のセルのうち左右方向Wに前記レンズアレイの両端部に備えられる複数のセルを通過する前記光は、前記ビームパターンの上部境界領域に逹する、請求項1に記載の自動車用ランプ。
【請求項13】
前記ビームパターンは、上部境界領域にカットオフ(cut off)形状が形成されるロービーム(low beam)パターンである、請求項1に記載の自動車用ランプ。
【請求項14】
前記複数のセルのうち、前記第1セル領域に備えられるセルは、前記左右方向Wに前記レンズアレイの真中に隣接して備えられるほど大きい厚さを有する、請求項5に記載の自動車用ランプ。
【請求項15】
自動車用ランプを含む自動車であって、
前記自動車用ランプは、
光を生成し、出射する光源と、
前記光源の前方に備えられるレンズアレイとを含み、
前記光源から出射した前記光は、前記レンズアレイを経て外部に出射し、所定のビームパターンを形成し、
前記レンズアレイは、
前記レンズアレイの前方領域に備えられる複数のセルを含み、
前記複数のセル間の境界に段差が形成される、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ランプおよびそのランプを含む自動車に関し、より詳細には、マイクロレンズアレイが適用された自動車用ランプおよびそのランプを含む自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイ(micro lens array)は、光学通信、直接映像観測(direct optical imaging)などの微細光学分野において広く使用されている。特に、最近、マイクロレンズアレイは、略10mm内外の大きさを有する光学系により路面に特定のパターンを描くことができる特徴により、自動車においてウェルカムライト(welcome light)の機能を果たす構成として使用されている。
【0003】
従来技術によると、マイクロレンズアレイは、入射レンズアレイ、シールドおよび出射レンズアレイなどを含む複数の構成が順に積層された構造を有する。しかし、かかる複雑な積層構造は、製造の困難性を引き起こすだけでなく、複数の構成を通過した後、光が出射することから、ビームパターンの効率低下を引き起こす問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、従来に比べて、自動車に搭載されるマイクロレンズアレイの構造を単純化することで、製造性を向上させ、ビームパターンの効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の一側面によると、光を生成し、出射する光源と、前記光源の前方に備えられるレンズアレイとを含み、前記光源から出射した前記光は、前記レンズアレイを経て外部に出射し、所定のビームパターンを形成し、前記レンズアレイは、前記レンズアレイの前方領域に備えられる複数のセルを含み、前記複数のセル間の境界に段差が形成される自動車用ランプが提供される。
【0006】
前記複数のセルは、それぞれ、前記レンズアレイの一領域に備えられる第1セル領域または前記レンズアレイの他の領域に備えられる第2セル領域に備えられることができ、前記光のうち、前記第1セル領域を経て外部に出射する光は、左右方向Wに前記ビームパターンの中央領域および周縁領域に逹し、前記光のうち、前記第2セル領域を経て外部に出射する光は、前記左右方向Wに前記ビームパターンの前記中央領域に逹することができる。
【0007】
前記第1セル領域は、前記左右方向Wに前記レンズアレイの中央領域に備えられ、前記第2セル領域は、前記左右方向Wに前記レンズアレイの両側部領域に備えられることができる。
【0008】
前記複数のセルのうち、前記第1セル領域に備えられるセルのそれぞれは、下部領域の厚さが上部領域の厚さより厚く備えられることができる。
【0009】
前記複数のセルのうち、前記第1セル領域に備えられるセルの厚さは、前記第2セル領域に備えられるセルの厚さより厚いことができる。
【0010】
前記レンズアレイの前方から前記レンズアレイをみたときに、前記複数のセルは、それぞれ四角形の形状を有することができる。
【0011】
前記レンズアレイの前方から前記レンズアレイをみたときに、前記複数のセルは、それぞれ長方形の形状を有することができる。
【0012】
前記第1セル領域に備えられる複数のセルにおいて、上下方向Hに同一高さに備えられる任意の二つのセルのうち、前記左右方向Wに前記レンズアレイの真中に相対的に隣接して備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積は、前記左右方向Wに前記レンズアレイの真中から相対的に離隔して備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積より大きいことができる。
【0013】
前記第1セル領域に備えられる複数のセルにおいて、前記左右方向Wに同一位置に備えられる任意の二つのセルのうち、上下方向Hに相対的に下部に備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積は、前記上下方向Hに相対的に上部に備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積より大きいことができる。
【0014】
前記第2セル領域に備えられる複数のセルにおいて、上下方向Hに同一高さに備えられる任意の二つのセルのうち、前記左右方向Wに前記レンズアレイの真中に相対的に隣接して備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積は、前記左右方向Wに前記レンズアレイの真中から相対的に離隔して備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積より大きいことができる。
【0015】
前記第2セル領域に備えられる複数のセルにおいて、前記左右方向Wに同一位置に備えられる任意の二つのセルのうち、上下方向Hに相対的に下部に備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積は、前記上下方向Hに相対的に上部に備えられるセルを通過する前記光が前記ビームパターンに逹する領域の面積より大きいことができる。
【0016】
前記複数のセルのうち左右方向Wに前記レンズアレイの両端部に備えられる複数のセルを通過する前記光は、前記ビームパターンの上部境界領域に逹することができる。
【0017】
前記ビームパターンは、上部境界領域にカットオフ(cut off)形状が形成されるロービーム(low beam)パターンであり得る。
【0018】
前記複数のセルのうち、前記第1セル領域に備えられるセルは、前記左右方向Wに前記レンズアレイの真中に隣接して備えられるほど大きい厚さを有することができる。
【0019】
上記目的を達成するための本発明の他の側面によると、自動車用ランプを含む自動車であって、前記自動車用ランプは、光を生成し、出射する光源と、前記光源の前方に備えられるレンズアレイとを含み、前記光源から出射した前記光は、前記レンズアレイを経て外部に出射し、所定のビームパターンを形成し、前記レンズアレイは、前記レンズアレイの前方領域に備えられる複数のセルを含み、前記複数のセル間の境界に段差が形成される自動車が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、従来に比べて、自動車に搭載されるマイクロレンズアレイの構造を単純化することで、製造性を向上させ、ビームパターンの効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明による自動車用ランプの構造を図示した斜視図である。
【
図2】本発明による自動車用ランプに備えられるレンズアレイの構造を図示した正面図である。
【
図3】本発明による自動車用ランプに備えられるレンズアレイの構造を図示した底面図である。
【
図4】本発明による自動車用ランプに備えられるレンズアレイにおいて第1セル領域の垂直断面構造を図示した側面図である。
【
図5】本発明による自動車用ランプにより形成されるビームパターンの様子を図示した図である。
【
図6】
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(1)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
【
図7】
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(2)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
【
図8】
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(3)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
【
図9】
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(4)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
【
図10】
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(5)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
【
図11】
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(6)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
【
図12】
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(7)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
【
図13】
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(8)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明による自動車用ランプおよび自動車について説明する。
【0023】
[自動車用ランプ]
図1は本発明による自動車用ランプの構造を図示した斜視図であり、
図2は本発明による自動車用ランプに備えられるレンズアレイの構造を図示した正面図である。また、
図3は本発明による自動車用ランプに備えられるレンズアレイの構造を図示した底面図であり、
図4は本発明による自動車用ランプに備えられるレンズアレイにおいて第1セル領域の垂直断面構造を図示した側面図である。
【0024】
図1~
図4に図示されているように、本発明による自動車用ランプ10(以下、「ランプ」とする)は、光を生成し、出射する光源(図示せず)と、光源の前方に備えられるコリメータ(collimator)100と、光源とコリメータ100の前方に備えられるレンズアレイ200とを含むことができる。光源は、LED(Light-Emitting Diode)であり得るが、それに制限されない。また、コリメータ100は、光源から入射した光を平行光にした後、レンズアレイ200に出射する構成であり得る。
【0025】
図5は本発明による自動車用ランプにより形成されるビームパターンの様子を図示した図である。
【0026】
図5に図示されているように、本発明によるランプ10の光源から出射した光は、コリメータ100およびレンズアレイ200を経て外部に出射し、所定のビームパターンPを形成することができる。この際、
図5に図示されているように、ビームパターンPは、上部境界領域に段差状のカットオフ(cut off)形状が形成されるロービーム(low beam)パターンであり得る。すなわち、本発明によるランプ10は、ロービームを形成するためのランプであり得る。しかし、本発明によるランプ10は、ハイビームを含む、他種のビームを形成するためのランプにも適用されることができる。
【0027】
従来技術によるマイクロレンズアレイは、入射レンズアレイ、シールドおよび出射レンズアレイなどを含む複数の構成が順に積層された構造を有する。しかし、かかる複雑な積層構造は、製造の困難性を引き起こすだけでなく、複数の構成を通過した後、光が出射することから、ビームパターンの効率低下を引き起こす問題があった。
【0028】
従来技術による前記問題を解決するために、本発明によるランプ10に備えられるレンズアレイ200は、一つの材質からなる単層構造を有することができる。したがって、本発明によると、従来技術によるマイクロレンズアレイより単純な構成を有することができる。以下では、従来技術によるマイクロレンズアレイより単純な構造を有しても、所定のビームパターンを形成することができる、本発明によるレンズアレイの特徴について説明する。
【0029】
図1に図示されているように、本発明によると、レンズアレイ200は、レンズアレイの前方領域に備えられる複数のセル200aを含むことができる。
【0030】
本発明によると、光源から出射してコリメータ100を通過した光は、レンズアレイ200に備えられた複数のセル200aを通過し、所定のビームパターンを形成する。この際、本発明によると、複数のセル200aを通過して外部に出射した光は、それぞれ、ビームパターンの一部を形成することができる。すなわち、本発明によるランプ10により形成されるビームパターンは、複数のセル200aそれぞれから出射し、外部に逹した光の集合であり得る。また、本発明によるレンズアレイ200に備えられる複数のセル200aは、一体に形成されることができる。
【0031】
一方、
図3および
図4に図示されているように、本発明によると、複数のセル200a間の境界には段差Sが形成されることができる。したがって、本発明によると、複数のセル200aは、段差Sによって互いに区別されることができる。
図1~
図4には、一例として、レンズアレイ200に左右方向Wに沿って10個のセル200aが備えられ、上下方向Hに沿って4個のセル200aが備えられることで、計40個のセル200aが備えられた様子が図示されている。しかし、レンズアレイ200に備えられるセル200aの個数および配置構造は、これに制限されない。一方、段差Sを形成する面は、所定の曲率半径を有する曲面からなることができる。
【0032】
また、本発明によると、レンズアレイ200の前方からレンズアレイ200をみたときに、複数のセル200aは、それぞれ四角形の形状を有することができる。より好ましくは、レンズアレイ200の前方からレンズアレイ200をみたときに、複数のセル200aは、それぞれ長方形の形状を有することができる。
【0033】
一方、本発明によると、レンズアレイ200は、レンズアレイの一領域に備えられる第1セル領域Z1と、レンズアレイの他の領域に備えられる第2セル領域Z2とを含むことができる。したがって、レンズアレイ200に備えられる複数のセル200aは、それぞれ、第1セル領域Z1または第2セル領域Z2に備えられることができる。より詳細には、第1セル領域Z1は、左右方向Wにレンズアレイ200の中央領域に備えられることができ、第2セル領域Z2は、左右方向Wにレンズアレイ200の両側部領域に備えられることができる。したがって、第2セル領域Z2は、第1セル領域Z1を左右方向Wの両側部で包むことができる。より詳細には、第1セル領域Z1の左右方向Wの境界は、第2セル領域Z2と当接することができる。
【0034】
本発明によると、光源およびコリメータを経てレンズアレイ200に出射した光のうち、第1セル領域Z1を経て外部に出射した光が逹する領域と、第2セル領域Z2を経て外部に出射した光が逹する領域は、互いに異なり得る。より詳細には、
図5に図示されているように、光のうち、第1セル領域Z1を経て外部に出射する光は、左右方向WにビームパターンPの中央領域および周縁領域に逹することができ、光のうち、第2セル領域Z2を経て外部に出射した光は、左右方向WにビームパターンPの中央領域に逹することができる。すなわち、本発明によると、第2セル領域Z2を経て外部に出射した光は、ビームパターンPの中央領域を形成することができ、第1セル領域Z1を経て外部に出射した光は、ビームパターンPの中央領域および周縁領域を形成することができる。
【0035】
一方、
図1~
図4に図示されているように、本発明によると、レンズアレイ200を構成する複数のセル200aの厚さは、セルが備えられる領域に応じて互いに異なり得る。
【0036】
一例として、複数のセル200aのうち、第1セル領域Z1に備えられるセルの厚さは、第2セル領域Z2に備えられるセルの厚さより厚いことがある。例えば、
図3に図示されているように、レンズアレイ200を下からみたときに、レンズアレイ200の前方領域の境界は、左右方向Wに真中が前方に最も突出している正規分布曲線と類似する形状を有することができる。より好ましくは、複数のセル200aのうち、第1セル領域Z1に備えられるセルは、左右方向Wにレンズアレイ200の真中に隣接して備えられるほど、大きい厚さを有することができる。
【0037】
したがって、本発明によると、第1セル領域Z1を経た光は、相対的に左右方向Wに分散した状態で外部に出射するため、ビームパターンの左右方向Wの中央領域および周縁領域に逹することができ、第2セル領域Z2を経た光は、相対的に十分に分散していない状態で外部に出射するため、ビームパターンの左右方向Wの中央領域に逹することができる。
【0038】
他の例として、本発明によると、
図4に図示されているように、複数のセル200aのうち、第1セル領域Z1に備えられるセルのそれぞれは、上下方向Hに下部領域の厚さが上部領域の厚さより厚く備えられることができる。これは、レンズアレイ200から出射した光が下方に移動するようにするためであり得る。すなわち、上述のように、本発明によるランプは、ロービームを形成するランプであり得るが、ロービームを形成するためには、レンズアレイ200から出射した光が下方に移動する必要がある。したがって、本発明によると、第1セル領域Z1に備えられたセル200aの下部領域の厚さをより厚くすることで、第1セル領域Z1を通過し、ビームパターンの中央領域および周縁領域に逹する光が、下方に移動することができる。
【0039】
図6は
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(1)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図であり、
図7は
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(2)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
図8は
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(3)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図であり、
図9は
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(4)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
図10は
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(5)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図であり、
図11は
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(6)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
図12は
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(7)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図であり、
図13は
図2のレンズアレイに備えられた複数のセルのうち(8)セルを通過した光がビームパターンに逹した領域を示す図である。
【0040】
上述のように、本発明によると、第1セル領域Z1を経て外部に出射する光は、左右方向WにビームパターンPの中央領域および周縁領域に逹することができ、光のうち、第2セル領域Z2を経て外部に出射した光は、左右方向WにビームパターンPの中央領域に逹することができる。
【0041】
この際、第1セル領域Z1に備えられる複数のセルのいずれか一つを経て出射する光がビームパターンに逹する領域の面積は、第1セル領域Z1に備えられる複数のセルのうち他の一つを経て出射する光が、ビームパターンを経て逹する領域の面積より大きいことができる。
【0042】
より詳細には、本発明によると、第1セル領域Z1に備えられる複数のセル200aにおいて、上下方向Hに同一高さに備えられる任意の二つのセルのうち、左右方向Wにレンズアレイ200の真中に相対的に隣接して備えられるセルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積は、左右方向Wにレンズアレイ200の真中から相対的に離隔して備えられるセルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積より大きいことができる。
【0043】
例えば、
図2、
図6および
図7を参照すると、第1セル領域Z1に備えられる複数のセル200aのうち、上下方向Hに同一高さに備えられる(1)セルおよび(2)セルを比較すると、レンズアレイ200の真中に相対的に隣接して備えられる(2)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図7参照)が、レンズアレイ200の真中から相対的に離隔して備えられる(1)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図6参照)より大きいことを確認することができる。
【0044】
また、例えば、
図2、
図8および
図9を参照すると、第1セル領域Z1に備えられる複数のセル200aのうち、上下方向Hに同一高さに備えられる(3)セルおよび(4)セルを比較すると、レンズアレイ200の真中に相対的に隣接して備えられる(4)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図9参照)が、レンズアレイ200の真中から相対的に離隔して備えられる(3)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図8参照)より大きいことを確認することができる。
【0045】
また、本発明によると、第1セル領域Z1に備えられる複数のセル200aにおいて、左右方向Wに同じ位置に備えられる任意の二つのセルのうち、上下方向Hに相対的に下部に備えられるセルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積は、上下方向Hに相対的に上部に備えられるセルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積より大きいことができる。
【0046】
例えば、
図2、
図6および
図8を参照すると、第1セル領域Z1に備えられる複数のセル200aのうち、左右方向Wに同一位置に備えられる(1)セルおよび(3)セルを比較すると、相対的に下部に備えられる(3)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図8参照)が、相対的に上部に備えられる(1)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図6参照)より大きいことを確認することができる。
【0047】
また、例えば、
図2、
図7および
図9を参照すると、第1セル領域Z1に備えられる複数のセル200aのうち、左右方向Wに同一位置に備えられる(2)セルおよび(4)セルを比較すると、相対的に下部に備えられる(4)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図8参照)が、相対的に上部に備えられる(2)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図6参照)より大きいことを確認することができる。
【0048】
また、本発明によると、この際、第2セル領域Z2に備えられる複数のセルのいずれか一つを経て出射する光がビームパターンに逹する領域の面積は、第2セル領域Z2に備えられる複数のセルのうち他の一つを経て出射する光がビームパターンを経て逹する領域の面積より大きいことができる。
【0049】
より詳細には、本発明によると、第2セル領域Z2に備えられる複数のセル200aにおいて、上下方向Hに同一高さに備えられる任意の二つのセルのうち、左右方向Wにレンズアレイ200の真中に相対的に隣接して備えられるセルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積は、左右方向Wにレンズアレイの真中から相対的に離隔して備えられるセルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積より大きいことができる。
【0050】
例えば、
図2、
図10および
図11を参照すると、第2セル領域Z2に備えられる複数のセル200aのうち、上下方向Hに同一高さに備えられる(5)セルおよび(6)セルを比較すると、レンズアレイ200の真中に相対的に隣接して備えられる(6)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図11参照)が、レンズアレイ200の真中から相対的に離隔して備えられる(5)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図10参照)より大きいことを確認することができる。
【0051】
また、例えば、
図2、
図12および
図13を参照すると、第2セル領域Z2に備えられる複数のセル200aのうち上下方向Hに同一高さに備えられる(7)セルおよび(8)セルを比較すると、レンズアレイ200の真中に相対的に隣接して備えられる(8)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図13参照)が、レンズアレイ200の真中から相対的に離隔して備えられる(7)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図12参照)より大きいことを確認することができる。
【0052】
また、本発明によると、第2セル領域Z2に備えられる複数のセル200aにおいて、左右方向Wに同一位置に備えられる任意の二つのセルのうち、上下方向Hに相対的に下部に備えられるセルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積は、上下方向Hに相対的に上部に備えられるセルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積より大きいことができる。
【0053】
例えば、
図2、
図10および
図12を参照すると、第2セル領域Z2に備えられる複数のセル200aのうち左右方向Wに同一位置に備えられる(5)セルおよび(7)セルを比較すると、相対的に下部に備えられる(7)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図12参照)が、相対的に上部に備えられる(5)セルを通過する光がビームパターンに逹する領域の面積(
図10参照)より大きいことを確認することができる。
【0054】
[自動車]
本発明による自動車は自動車用ランプ10(以下、「ランプ」とする)を含むことができる。この際、ランプ10は、光を生成し、出射する光源と、光源の前方に備えられるコリメータ(collimator)100と、光源とコリメータ100の前方に備えられるレンズアレイ200とを含むことができる。光源から出射した光は、レンズアレイ200を経て外部に出射し、所定のビームパターンP(
図5参照)を形成することができる。
【0055】
この際、本発明によると、レンズアレイ200は、レンズアレイ200の前方領域に備えられる複数のセル200aを含むことができる。また、複数のセル200aは、一体に形成されることができ、複数のセル200a間の境界には、段差S(
図3および
図4参照)が形成されることができる。
【0056】
以上、本発明は、限定された実施形態と図面により説明しているが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と以下に記載する特許請求の範囲の均等範囲内で様々な実施が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0057】
10 ランプ
100 コリメータ
200 レンズアレイ
200a セル
Z1 第1セル領域
Z2 第2セル領域
H 上下方向
W 左右方向
P ビームパターン
S 段差