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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033011
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】熱転写膜部品
(51)【国際特許分類】
   B44C 1/17 20060101AFI20220217BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
B44C1/17 B
B32B27/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130551
(22)【出願日】2021-08-10
(31)【優先権主張番号】109127241
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】516253330
【氏名又は名称】正清國際有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 皓雲
(72)【発明者】
【氏名】劉 錦彩
【テーマコード(参考)】
3B005
4F100
【Fターム(参考)】
3B005FA01
3B005FB13
3B005FB23
3B005FB25
3B005FC02Y
3B005FC02Z
3B005FC08Z
3B005FE21
4F100AA01A
4F100AA01B
4F100AA20D
4F100AK03E
4F100AK07E
4F100AK17A
4F100AK17B
4F100AK17C
4F100AK17D
4F100AK19A
4F100AK19B
4F100AK19C
4F100AK25A
4F100AK25B
4F100AK25D
4F100AK36D
4F100AK42E
4F100AK49E
4F100AK74E
4F100AL01A
4F100AL01B
4F100AL01C
4F100AR00D
4F100AT00E
4F100BA05
4F100BA07
4F100CA13A
4F100CA13B
4F100DD01C
4F100EJ42
4F100EJ86
4F100HB00B
4F100JK09
4F100JK09B
4F100JK09C
4F100JL09
4F100JL09B
4F100JL14D
4F100JN01C
4F100YY00
4F100YY00A
4F100YY00B
(57)【要約】
【課題】本発明は、熱転写膜部品を提供する。
【解決手段】耐候性絵柄層が含まれる。耐候性絵柄層は、重量%として、1.0~2.0重量%のアクリル樹脂と、2.0~4.0重量%のフッ化ポリビニリデン樹脂或いはフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体と、1.0~5.0重量%の無機顔料及び、0.1~1.0重量%の添加剤が含まれる。耐候性絵柄層の厚さは、3μmに等しいかより大きい。無機顔料によって、絵柄が形成される。本発明に係る熱転写膜部品は、工作物に貼り付けられて、耐候性絵柄層が、乾燥温度下で、乾燥されて固形化される。固形化された耐候性絵柄層の摩耗指数は、40に等しいかより大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作物の表面を加飾するための、熱転写膜部品であって、
プライマー塗料層かフッ素樹脂と、無機顔料フィルムとからなり、重量%として、1.0~2.0重量%の第一のアクリル樹脂と、1.0~2.0重量%の第一のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いは第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)、1.0~3.0重量%の第一無機顔料及び、0.1~0.5重量%の第一添加剤が含まれ、第一厚さが20μmである下塗り層と、
当該下塗り層の上に被覆し、重量%として、1.0~2.0重量%の第二のアクリル樹脂と、2.0~4.0重量%の第二のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体、1.0~5.0重量%の第二無機顔料及び、0.1~1.0重量%の第二添加剤が含まれ、第二厚さが3μmであって、当該第二無機顔料によって、絵柄が表れる、耐候性絵柄層と、
透明保護塗り層或いはフッ素樹脂透明フィルムであり、当該耐候性絵柄層の上に被覆し、第三のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第三のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成され、第三厚さが20μmである透明保護層と、
当該透明保護層の上に被覆する、離型層及び、
当該離型層の上に接合する、基材層が、含まれ、
当該工作物の当該表面に、予めに、選択的に、接着層が塗布され、当該熱転写膜部品が、当該下塗り層によって、当該工作物の当該表面の上に貼り付けられ、当該離型層が、当該透明保護層から剥離される時、当該基材層が、当該離型層とともに、当該工作物の当該表面から除去され、当該下塗り層と当該耐候性絵柄層及び当該透明保護層が、乾燥温度下で乾燥されて固形化され、当該熱転写膜部品が、当該第一のフッ化ポリビニリデン樹脂や当該第二のフッ化ポリビニリデン樹脂及び当該第三のフッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、当該乾燥温度の温度範囲が、230℃~250℃であり、当該熱転写膜部品が、当該第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体や、当該第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体及び、当該第三のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、当該乾燥温度の当該温度範囲が、160℃~180℃であり、当該透明保護層と当該耐候性絵柄層の摩耗指数が、40に等しいかより大きい、ことを特徴とする、熱転写膜部品。
【請求項2】
ASTM G154試験基準に従って、当該表面に、当該接着層や当該下塗り層、当該耐候性絵柄層及び当該透明保護層が、塗布か貼り付けられる当該工作物が、4000時間曝した後、当該耐候性絵柄層と当該透明保護層の色差(ΔE)が、5に等しいかより大きく、また、当該耐候性絵柄層と当該透明保護層の光沢保持率が、50%に等しいかより大きい、ことを特徴とする、請求項1に記載の熱転写膜部品。
【請求項3】
工作物の表面を加飾するための、熱転写膜部品であって、
重量%として、1.0~2.0重量%の第一のアクリル樹脂と、2.0~4.0重量%の第一のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いは第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)、1.0~5.0重量%の無機顔料及び、0.1~1.0重量%の添加剤が含まれ、第一厚さが、3μmであり、当該無機顔料によって、絵柄が表れる、耐候性絵柄層と、
透明保護塗り層或いはフッ素樹脂透明フィルムであり、当該耐候性絵柄層の上に被覆し、第二のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成され、第二厚さが、20μmである、透明保護層と、
当該透明保護層の上に被覆する、離型層及び、
当該離型層の上に接合する基材層が、含まれ、
当該工作物の当該表面に対して、先ず、選択的に、接着層を塗布して、下塗り層を塗布し、当該熱転写膜部品が、当該耐候性絵柄層によって、当該下塗り層の上に貼り付けられ、当該離型層が、当該透明保護層から剥離される時、当該基材層が、当該離型層とともに、当該工作物の当該表面から除去され、当該耐候性絵柄層と当該透明保護層が、乾燥温度下で乾燥されて固形化され、当該熱転写膜部品が、当該第一のフッ化ポリビニリデン樹脂及び当該第二のフッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、当該乾燥温度の温度範囲が、230℃~250℃であり、当該熱転写膜部品が、当該第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体及び当該第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、当該乾燥温度の当該温度範囲が、160℃~180℃であり、当該透明保護層と当該耐候性絵柄層の摩耗指数が、40に等しいかより大きい、ことを特徴とする、熱転写膜部品。
【請求項4】
ASTM G154試験基準に従って、当該表面に、当該接着層や当該下塗り層、当該耐候性絵柄層及び当該透明保護層が、塗布か貼り付けられる当該工作物が、4000時間曝した後、当該耐候性絵柄層と当該透明保護層の色差(ΔE)が、5に等しいかより大きく、また、当該耐候性絵柄層と当該透明保護層の光沢保持率が、50%に等しいかより大きい、ことを特徴とする、請求項3に記載の熱転写膜部品。
【請求項5】
工作物の表面を加飾するための、熱転写膜部品であって、
プライマー塗料層かフッ素樹脂と、無機顔料フィルムとからなり、重量%として、1.0~2.0重量%の第一のアクリル樹脂と、1.0~2.0重量%の第一のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いは第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)、1.0~3.0重量%の第一無機顔料及び、0.1~0.5重量%の第一添加剤が含まれ、第一厚さが、20μmである、下塗り層と、
当該下塗り層の上に被覆し、重量%として、1.0~2.0重量%の第二のアクリル樹脂と、2.0~4.0重量%の第二のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体、1.0~5.0重量%の第二無機顔料及び、0.1~1.0重量%の第二添加剤が含まれ、第二厚さが、3μmであり、当該第二無機顔料によって、絵柄が表れる、耐候性絵柄層と、
当該耐候性絵柄層の上に被覆する、離型層及び、
当該離型層の上に接合する、基材層が、含まれ、
当該工作物の当該表面に、予めに、選択的に、接着層が塗布され、当該熱転写膜部品が、当該下塗り層によって、当該工作物の当該表面の上に貼り付けられ、当該離型層が、当該耐候性絵柄層から剥離される時、当該基材層が、当該離型層とともに、当該工作物の当該表面から除去され、当該下塗り層と当該耐候性絵柄層が、乾燥温度下で乾燥されて固形化される、当該熱転写膜部品が、当該第一のフッ化ポリビニリデン樹脂や当該第二のフッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、当該乾燥温度の温度範囲が、230℃~250℃であり、当該熱転写膜部品が、当該第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体と当該第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、当該乾燥温度の当該温度範囲が、160℃~180℃であり、当該耐候性絵柄層の摩耗指数が、40に等しいかより大きい、ことを特徴とする、熱転写膜部品。
【請求項6】
ASTM G154試験基準に従って、当該表面に、当該接着層や当該下塗り層及び当該耐候性絵柄層が、塗布か貼り付けられる当該工作物が、4000時間曝した後、当該耐候性絵柄層の色差(ΔE)は、5に等しいかより大きく、また、当該耐候性絵柄層の光沢保持率が、50%に等しいかより大きい、ことを特徴とする、請求項5に記載の熱転写膜部品。
【請求項7】
工作物の表面を加飾するための、熱転写膜部品であって、
重量%として、1.0~2.0重量%のアクリル樹脂と、2.0~4.0重量%のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いはフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)、1.0~5.0重量%の無機顔料及び、0.1~1.0重量%の添加剤が含まれ、厚さが、3μmであり、当該無機顔料によって、絵柄が表れる、耐候性絵柄層と、
当該耐候性絵柄層に被覆する、離型層及び、
当該離型層の上に接合する基材層が、含まれ、
当該工作物の当該表面に、先ず、選択的に、接着層を塗布して、下塗り層を塗布し、当該熱転写膜部品が、当該耐候性絵柄層によって、当該下塗り層の上に貼り付けられ、当該離型層が、当該耐候性絵柄層から剥離される時、当該基材層が、当該離型層とともに、当該工作物の当該表面から除去され、当該耐候性絵柄層が、乾燥温度下で乾燥されて固形化され、当該熱転写膜部品が、当該フッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、当該乾燥温度の温度範囲が、230℃~250℃であり、当該熱転写膜部品が、当該フルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、当該乾燥温度の当該温度範囲が、160℃~180℃であり、当該耐候性絵柄層の摩耗指数が、40に等しいかより大きい、ことを特徴とする、熱転写膜部品。
【請求項8】
ASTM G154試験基準に従って、当該表面に、当該接着層と当該下塗り層及び当該耐候性絵柄層が、塗布か貼り付けされる当該工作物が、4000時間曝した後、当該耐候性絵柄層の色差(ΔE)が、5に等しいかより大きく、また、当該耐候性絵柄層の光沢保持率が、50%に等しいかより大きい、ことを特徴とする、請求項7に記載の熱転写膜部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写膜部品に関し、特に、工作物に貼り付けられて、固形化された後、その耐候性絵柄層が、極めて優れた耐摩耗性や耐候性を有する熱転写膜部品に関する。
【背景技術】
【0002】
建築材料等の工作物は、その表面が、一般として、塗装工程によって、加飾され、建物外装用のアルミニウム板を例とすれば、順に、アルミニウム板の表面を洗浄してから、アルミニウム板を、クロム酸溶液に浸漬することにより、アルミニウム板の表面に、クロム酸塩皮膜が形成される等の前処理工程が行われる。また、表面改質を必要とする建築材料等の工作物は、例えば、ケイカル板やベークライト板等に対して、順に、これらの建築材料等の工作物表面を洗浄して、接着層を、塗布し、そして、接着層を乾燥する等の前処理工程を行う。それから、すべての建築材料等の工作物に対して、下塗り層を塗布して、乾燥工程を行い、そして、下塗り層の上に、絵柄層(例えば、石目調の層)を塗布して、乾燥工程を行い、また、絵柄層の上に透明保護層を塗布して、乾燥工程を行う。以上から分かるように、建築材料等の工作物を加飾する塗装工程、のような背景技術は、工程が複雑だけでなく、膨大な労力を消費する。
【0003】
熱転写フィルムは、既に、成熟した技術である。背景技術に掲示された、転写フィルムで、建築材料等の工作物の表面を加飾するものは、ただ、離型層を基材層の上に被覆させてから、絵柄層を、離型層の上に被覆するものである。背景技術の熱転写フィルムによれば、先ず、接着層を、建築材料等の工作物の表面上に塗布し、また、熱転写フィルムを、絵柄層で、接着層の上に貼り付け、そして、基材層と離型層を、ともに、建築材料等の工作物の表面から除去し、最後に、絵柄層を乾燥して固形化させる。背景技術の熱転写フィルムは、建築材料等の工作物が耐候性に対する要求を考慮しているため、その絵柄層に、フッ素樹脂を利用する。しかしながら、背景技術の熱転写フィルムに対して、建築材料等の工作物上に転写された場合の耐候性についての量的なデータは、欠如するため、その耐摩耗性が心配される。また、市場において、建築材料等の工作物を加飾する熱転写膜部品は、ほとんど商品化されていない。
【0004】
また、以上のように、背景技術の熱転写フィルムは、建築材料等の工作物の表面上に、接着層だけを塗布するが、下塗り層を塗布しない。また、背景技術の熱転写フィルムは、絵柄層だけで、建築材料等の工作物を加飾するが、例えば、表面にクロム酸塩皮膜が形成されたアルミニウム板のように、建築材料等の工作物の表面の色の影響を考慮していない。背景技術の熱転写フィルムの色つやや色対比の表現が、制限されることは、明らかである。
【0005】
また、建築材料等の工作物を加飾する会社は、殆ど、熱転写フィルムの製造会社ではない。建築材料等の工作物を加飾する会社が異なると、異なる工程を行い、例えば、ある会社は、接着層の塗布工程だけを行う。ある会社は、接着層の塗布工程と、下塗り層の塗布工程を行い、また、ある会社は、接着層の塗布工程と、透明保護層の塗布工程を行い、そして、ある会社は、接着層の塗布工程と下塗り層の塗布工程及び、透明保護層の塗布工程を行う。今まで、複数の会社の需要を満たす熱転写膜部品が、また、開発されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、技術問題を解決するために、工作物に貼り付けて、固形化された後、その耐候性絵柄層が、極めて優れた耐摩耗性と耐候性が得られる熱転写膜部品を提供する。また、本発明のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品によれば、建築材料等の工作物を加飾する複数の会社の需要を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品は、工作物の表面を加飾できる。本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品は、下塗り層と耐候性絵柄層、透明保護層、離型層および、基材層が含まれる。下塗り層は、プライマー塗料層かフッ素樹脂と、無機顔料フィルムとからなり、その重量%として、1.0~2.0重量%の第一のアクリル樹脂(acrylic Resin)と、1.0~2.0重量%の第一のフッ化ポリビニリデン樹脂(polyvinylidene difluoride, PVDF)或いは第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(fluoroethylene vinyl ether, FEVE)、1.0~3.0重量%の第一無機顔料及び、0.1~0.5重量%の第一添加剤が含まれる。下塗り層の第一厚さは、20μmに等しいかより大きい。耐候性絵柄層は、下塗り層の上に被覆する。耐候性絵柄層は、重量%として、1.0~2.0重量%の第二のアクリル樹脂や、2.0~4.0重量%の第二のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体、1.0~5.0重量%の第二無機顔料及び、0.1~1.0重量%の第二添加剤が含まれる。耐候性絵柄層の第二厚さは、3μmに等しいかより大きい。第二無機顔料によって、絵柄が表される。耐候性絵柄層の上に被覆する透明保護層は、透明保護塗り層或いはフッ素樹脂透明フィルムであり、第三のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第三のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体からなる。透明保護層の第三厚さは、20μmに等しいかより大きい。離型層が、透明保護層の上に被覆する。基材層は、離型層の上に接合する。工作物の表面に対して、先ず、選択的に、接着層を塗布する。熱転写膜部品は、下塗り層で、工作物の表面に貼り付けられる。離型層が、透明保護層から剥離する時、基材層は、離型層とともに、工作物の表面から除去される。下塗り層と耐候性絵柄層及び透明保護層は、乾燥温度下で、乾燥されて固形化される。熱転写膜部品は、第一のフッ化ポリビニリデン樹脂と第二のフッ化ポリビニリデン樹脂及び第三のフッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、乾燥の温度範囲が、230℃~250℃である。熱転写膜部品は、第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体と第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体及び第三のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、乾燥の温度範囲が、160℃~180℃である。また、透明保護層と耐候性絵柄層の摩耗指数は、40に等しいかより大きい。
【0008】
本発明の第一のより良い具体実施例によれば、表面に、接着層と下塗り層、耐候性絵柄層及び、透明保護層が、塗布か貼り付けられた工作物は、ASTM G154試験基準に従って、4000時間曝した後、耐候性絵柄層と透明保護層の色差(ΔE)は、5に等しいかより大きく、また、耐候性絵柄層と透明保護層の光沢保持率は、50%に等しいかより大きい。
【0009】
本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品で、工作物の表面を加飾する。本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品は、耐候性絵柄層と透明保護層、離型層及び、基材層が含まれる。耐候性絵柄層は、重量%として、1.0~2.0重量%の第一のアクリル樹脂や、2.0~4.0重量%の第一のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いは第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)、1.0~5.0重量%の無機顔料及び、0.1~1.0重量%の添加剤が含まれる。耐候性絵柄層の第一厚さは、3μmに等しいかより大きい。無機顔料によって、絵柄が表される。耐候性絵柄層の上に被覆する透明保護層は、透明保護塗り層或いはフッ素樹脂透明フィルムであり、第二のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される。透明保護層の第二厚さは、20μmに等しいかより大きい。離型層が、透明保護層の上に被覆する。基材層が、離型層の上に接合される。まず、工作物の表面に、選択的に、接着層と下塗り層を塗布する。熱転写膜部品は、耐候性絵柄層によって下塗り層の上に貼り付けられる。離型層が、透明保護層から剥離される時、基材層も、離型層とともに、工作物の表面から除去される。耐候性絵柄層と透明保護層は、乾燥温度下で、乾燥されて固形化される。熱転写膜部品が、第一のフッ化ポリビニリデン樹脂と第二のフッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、乾燥の温度範囲は、230℃~250℃である。熱転写膜部品が、第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体と第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、乾燥の温度範囲は、160℃~180℃である。また、透明保護層と耐候性絵柄層の摩耗指数は、40に等しいかより大きい。
【0010】
本発明の第二のより良い具体実施例によれば、表面に、接着層と下塗り層、耐候性絵柄層及び、透明保護層が塗布か貼り付けられた工作物は、ASTM G154試験基準に従って、4000時間曝した後、耐候性絵柄層と透明保護層の色差(ΔE)は、5に等しいかより大きく、また、耐候性絵柄層と透明保護層の光沢保持率は、50%に等しいかより大きい。
【0011】
本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品で、工作物の表面を加飾する。本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品は、下塗り層と耐候性絵柄層、離型層及び、基材層が含まれる。下塗り層は、プライマー塗料層かフッ素樹脂と、無機顔料フィルムとからなり、重量%として、1.0~2.0重量%の第一のアクリル樹脂や、1.0~2.0重量%の第一のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いは第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)、1.0~3.0重量%の第一無機顔料及び、0.1~0.5重量%の第一添加剤が含まれる。下塗り層の第一厚さは、20μmに等しいかより大きい。耐候性絵柄層が、下塗り層の上に被覆する。耐候性絵柄層は、重量%として、1.0~2.0重量%の第二のアクリル樹脂や、2.0~4.0重量%の第二のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体、1.0~5.0重量%の第二無機顔料及び、0.1~1.0重量%の第二添加剤が含まれる。耐候性絵柄層の第二厚さは、3μmに等しいかより大きい。第二無機顔料によって、絵柄が表される。離型層が、耐候性絵柄層の上に被覆する。基材層が、離型層の上に接合する。工作物の表面に、まず、選択的に、接着層を塗布する。熱転写膜部品は、下塗り層によって工作物の表面上に貼り付けられる。離型層が耐候性絵柄層から剥離される時、基材層は、離型層とともに、工作物の表面から除去される。下塗り層と耐候性絵柄層は、乾燥温度下で、乾燥されて固形化される。熱転写膜部品は、第一のフッ化ポリビニリデン樹脂と第二のフッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、乾燥の温度範囲が、230℃~250℃である。熱転写膜部品は、第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体と第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、乾燥の温度範囲が、160℃~180℃である。また、耐候性絵柄層の摩耗指数は、40に等しいかより大きい。
【0012】
本発明の第三のより良い具体実施例によれば、表面に、接着層と下塗り層及び耐候性絵柄層が塗布か貼り付けられた工作物は、ASTM G154試験基準に従って、4000時間曝した後、耐候性絵柄層の色差(ΔE)は、5に等しいかより大きく、また、耐候性絵柄層の光沢保持率は、50%に等しいかより大きい。
【0013】
本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品で、工作物の表面を加飾する。本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品は、耐候性絵柄層と離型層及び基材層が含まれる。耐候性絵柄層は、重量%として、1.0~2.0重量%のアクリル樹脂や、2.0~4.0重量%のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いはフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)、1.0~5.0重量%の無機顔料及び、0.1~1.0重量%の添加剤が含まれる。耐候性絵柄層の厚さは、3μmに等しいかより大きい。無機顔料によって、絵柄が表される。離型層が、耐候性絵柄層の上に被覆する。基材層が、離型層の上に接合する。工作物の表面に、先ず、選択的に、接着層と下塗り層を塗布する。熱転写膜部品は、耐候性絵柄層によって、下塗り層の上に貼り付けられる。離型層が耐候性絵柄層から剥離される時、基材層は、離型層とともに、工作物の表面から除去される。耐候性絵柄層は、乾燥温度下で、乾燥されて固形化される。熱転写膜部品は、フッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、乾燥の温度範囲が、230℃~250℃である。熱転写膜部品は、フルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、乾燥の温度範囲が、160℃~180℃である。また、耐候性絵柄層の摩耗指数は、40に等しいかより大きい。
【0014】
本発明の第四のより良い具体実施例によれば、表面に、接着層と下塗り層及び耐候性絵柄層が塗布か貼り付けられた工作物は、ASTM G154試験基準に従って、4000時間曝した後、耐候性絵柄層の色差(ΔE)は、5に等しいかより大きく、また、耐候性絵柄層の光沢保持率は、50%に等しいかより大きい。
【0015】
背景技術と異なり、本発明に係る熱転写膜部品を利用し、工作物に転写されて固形化された耐候性絵柄層は、極めて優れた耐摩耗性と耐候性が得られる。また、本発明のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品は、複数の会社が、建築材料等の工作物を加飾するための需要を満たす。
【0016】
本発明の利点や技術思想は、下記の詳しい説明と図式によって、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品が貼り付けられた工作物の局部断面図である。
図2】本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品の一部の部材が、貼り付けられた工作物から除去される場合の局部断面図である。
図3】本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品の一部の部材が、貼り付けられた工作物に転写されて、固形化された後の構造の局部断面図である。
図4】本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品が貼り付けられた工作物の局部断面図である。
図5】本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品の一部の部材が、貼り付けられた工作物から除去される場合の局部断面図である。
図6】本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品の一部の部材が、貼り付けられた工作物に転写されて、固形化された後の構造の局部断面図である。
図7】本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品が貼り付けられた工作物の局部断面図である。
図8】本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品の一部の部材が、貼り付けられた工作物から除去される場合の局部断面図である。
図9】本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品の一部の部材が、貼り付けられた工作物に転写されて、固形化された後の構造の局部断面図である。
図10】本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品が貼り付けられた工作物の局部断面図である。
図11】本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品の一部の部材が、貼り付けられた工作物から除去される場合の局部断面図である。
図12】本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品の一部の部材が、貼り付けられた工作物に転写されて、固形化された後の構造の局部断面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図2及び図3を参照しながら具体実施例について説明する。図1は、本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品1が貼り付けられた工作物2の局部断面図である。図2は、本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品1の一部の部材が、貼り付けられた工作物2から除去される場合の局部断面図である。図3は、本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品1の一部の部材が、貼り付けられた工作物2に転写されて、固形化された後の構造の局部断面図である。工作物2は、建築材料であるが、これによって制限されない。建築材料は、建物外装用のスチール板やアルミニウム板等の金属板や、鋼或いは金属によって形成された型材、有機材質板或いは無機材質板等である。有機材質板は、温度許容度が160度以上である材料から形成された板材であり、例えば、ベークライト板やガラス繊維板及びカーボンファイバーボード等である。無機材質板は、セメント板やケイカル板等である。
【0019】
図1のように、本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品1は、工作物2の表面20を加飾する。本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品1は、下塗り層10、耐候性絵柄層12、透明保護層14、離型層16及び、基材層18が含まれる。
【0020】
下塗り層10は、プライマー塗料層かフッ素樹脂と、無機顔料フィルムとからなり、重量%として、1.0~2.0重量%の第一のアクリル樹脂と、1.0~2.0重量%の第一のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いは第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)と、1.0~3.0重量%の第一無機顔料及び、0.1~0.5重量%の第一添加剤が含まれる。下塗り層10の第一厚さは、20μmに等しいかより大きい。具体実施例によれば、第一添加剤は、硬化剤や密着剤或いはレベリング剤等である。上記下塗り層10の成分を、希釈剤で希釈して、希釈剤が、下塗り層10に塗布された後、蒸発するため、塗布された下塗り層10が、成膜される。希釈剤は、ベンゼン類やケトン類或いは、ベンゼン類とケトン類の混合物等である。
【0021】
耐候性絵柄層12は、下塗り層10の上に被覆する。耐候性絵柄層12は、重量%として、1.0~2.0重量%の第二のアクリル樹脂と、2.0~4.0重量%の第二のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体、1.0~5.0重量%の第二無機顔料及び、0.1~1.0重量%の第二添加剤が含まれる。耐候性絵柄層12の第二厚さは、3μmに等しいかより大きい。第二無機顔料によって、絵柄が表れる。第一無機顔料を有する下塗り層10によって、耐候性絵柄層12の絵柄の色つや表現と色対比が強化される。具体実施例によれば、第二添加剤は、硬化剤や密着剤或いはレベリング剤等である。上記耐候性絵柄層12の成分を、希釈剤で希釈して、希釈剤が、耐候性絵柄層12に塗布された後、蒸発するため、塗布された耐候性絵柄層12が、成膜される。希釈剤は、ベンゼン類やケトン類或いは、ベンゼン類とケトン類の混合物等である。
【0022】
透明保護層14は、透明保護塗り層或いはフッ素樹脂透明フィルムであり、耐候性絵柄層12の上に被覆し、第三のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第三のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される。透明保護層14の第三厚さは、20μmに等しいかより大きい。図1のように、本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品1が、工作物2の表面20に対する加飾効果を増大させるために、透明保護層14の上表面140に、凹凸模様を有してもよい。凹凸模様は、耐候性絵柄層12の頂面120の上に形成されても良い。
【0023】
離型層16は、透明保護層14の上に被覆する。具体実施例によれば、離型層16は、シリカゲルやフッ素樹脂、メラミン、酢酸繊維素或いはアクリル樹脂等の樹脂から形成される。
【0024】
基材層18は、離型層16の上に接合する。具体実施例によれば、基材層18は、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂や、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリオレフィン(PO)樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS)樹脂或いは、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から形成される。
【0025】
本発明の第一のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品1によれば、図1に示すように、先ず、選択的に、工作物2の表面20に、接着層22を塗布する。例えば、工作物2がアルミニウム板である場合、その表面20に接着層22を塗布する必要はない。表面改質を必要とする建築材料等の工作物2であれば、例えば、ケイカル板やベークライト板等であり、このような工作物2の表面20に、予めに接着層22を塗布することが必要である。熱転写膜部品1は、下塗り層10によって工作物2の表面20の上に貼り付けられる。具体実施例によれば、接着層22は、フッ素樹脂等の樹脂から形成される。図1図2及び図3は、工作物2の表面20に、予めに接着層22が塗布される時の例である。
【0026】
図2のように、離型層16が、透明保護層14から剥離される時、基材層18は、離型層16とともに、工作物2の表面20から除去される。
【0027】
図3のように、下塗り層10と耐候性絵柄層12及び透明保護層14は、乾燥温度下で乾燥されて固形化される。熱転写膜部品1が、第一のフッ化ポリビニリデン樹脂や、第二のフッ化ポリビニリデン樹脂及び、第三のフッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、乾燥の温度範囲が、230℃~250℃である。熱転写膜部品1が、第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体や、第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体及び、第三のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、乾燥の温度範囲が、160℃~180℃である。また、透明保護層14と耐候性絵柄層12の摩耗指数は、40に等しいかより大きい。
【0028】
本発明の第一のより良い具体実施例によれば、ASTM G154試験基準に従って、表面20に、接着層と下塗り層10、耐候性絵柄層12及び、透明保護層14が塗布か貼り付けられた工作物2を、QUV促進耐候性試験機に入れて、4000時間曝した後、耐候性絵柄層12と透明保護層14の色差(ΔE)は、5に等しいかより大きく、また、耐候性絵柄層12と透明保護層14の光沢保持率は、50%に等しいかより大きい。
【0029】
図4図5及び図6を参照しながら具体実施例について説明する。図4は、本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品3が貼り付けられた工作物4の局部断面図である。図5は、本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品3の一部の部材が、貼り付けられた工作物4から除去される場合の局部断面図である。図6は、本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品3の一部の部材が、貼り付けられた工作物4に転写されて、固形化された後の構造の局部断面図である。工作物4は、建築材料であるが、これによって制限されない。建築材料は、建物外装用のスチール板やアルミニウム板等の金属板や、鋼或いは金属によって形成された型材、有機材質板或いは無機材質板等である。有機材質板は、温度許容度が160度以上である材料から形成された板材であり、例えば、ベークライト板やガラス繊維板及びカーボンファイバーボード等である。無機材質板は、セメント板やケイカル板等である。
【0030】
図3のように、本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品3は、工作物4の表面40を加飾する。本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品3は、耐候性絵柄層32、透明保護層34、離型層36及び、基材層38が含まれる。
【0031】
耐候性絵柄層32は、重量%として、1.0~2.0重量%の第一のアクリル樹脂と、2.0~4.0重量%の第一のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いは第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)と、1.0~5.0重量%の無機顔料及び、0.1~1.0重量%の添加剤が含まれる。耐候性絵柄層32の第一厚さは、3μmに等しいかより大きい。無機顔料によって、絵柄が表れる。具体実施例によれば、添加剤は、硬化剤や密着剤或いはレベリング剤等である。上記耐候性絵柄層32の成分を、希釈剤で希釈して、希釈剤が、耐候性絵柄層32に塗布された後、蒸発するため、塗布された耐候性絵柄層32が、成膜される。希釈剤は、ベンゼン類やケトン類或いは、ベンゼン類とケトン類の混合物等である。
【0032】
透明保護層34は、透明保護塗り層或いはフッ素樹脂透明フィルムであり、耐候性絵柄層32の上に被覆し、第二のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される。透明保護層34の第二厚さは、20μmに等しいかより大きい。図1のように、本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品3が、工作物4の表面40に対する加飾効果を増大するために、透明保護層34の上表面340に、凹凸模様を有してもよい。凹凸模様は、耐候性絵柄層32の頂面320の上に形成されても良い。
【0033】
離型層36は、透明保護層34の上に被覆する。具体実施例によれば、離型層36は、シリカゲルやフッ素樹脂、メラミン、酢酸繊維素或いはアクリル樹脂等の樹脂から形成される。
【0034】
基材層38は、離型層36の上に接合する。具体実施例によれば、基材層38は、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂や、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリオレフィン(PO)樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS)樹脂或いは、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から形成される。
【0035】
本発明の第二のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品3によれば、図4に示すように、先ず、選択的に、工作物4の表面40に、接着層42を塗布して、下塗り層44を塗布する。例えば、工作物4がアルミニウム板である場合、その表面40に接着層42を塗布する必要はない。表面改質を必要とする建築材料等の工作物4は、例えば、ケイカル板やベークライト板等であり、このような工作物4の表面40に、予めに、接着層42を塗布することが必要である。工作物4の表面40に、予めに接着層42が塗布された場合、下塗り層44が、接着層42の上に塗布される。熱転写膜部品3は、耐候性絵柄層32によって、下塗り層44の上に貼り付けられる。具体実施例によれば、接着層42は、フッ素樹脂等の樹脂から形成される。下塗り層44は、フッ素樹脂等の樹脂から形成され、無機顔料が含まれる。無機顔料が含まれる下塗り層44によって、耐候性絵柄層32の絵柄の色つや表現と色対比が強化される。図4図5及び図6の例示のように、工作物4の表面40に、予めに接着層42と下塗り層44が塗布される時の例である。
【0036】
図5のように、離型層36が、透明保護層34から剥離される時、基材層38は、離型層36とともに、工作物4の表面40から除去される。
【0037】
図6のように、耐候性絵柄層32と透明保護層34は、乾燥温度下で、乾燥されて固形化される。熱転写膜部品3は、第一のフッ化ポリビニリデン樹脂と第二のフッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、乾燥の温度範囲が、230℃~250℃である。熱転写膜部品3は、第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体と第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、乾燥の温度範囲が、160℃~180℃である。また、透明保護層34と耐候性絵柄層32の摩耗指数は、40に等しいかより大きい。
【0038】
本発明の第二のより良い具体実施例によれば、ASTM G154試験基準に従って、表面40に、接着層42と下塗り層44、耐候性絵柄層32及び、透明保護層34が、塗布か貼り付けられた工作物4を、QUV促進耐候性試験機に入れて、4000時間曝した後、耐候性絵柄層32と透明保護層34の色差(ΔE)は、5に等しいかより大きく、また、耐候性絵柄層32と透明保護層34の光沢保持率は、50%に等しいかより大きい。
【0039】
図7図8及び図9を参照しながら具体実施例について説明する。図7は、本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品5が貼り付けられた工作物6の局部断面図である。図8は、本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品5の一部の部材が、貼り付けられた工作物6から除去される場合の局部断面図である。図9は、本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品5の一部の部材が、貼り付けられた工作物6に転写されて、固形化された後の構造の局部断面図である。工作物6は、建築材料であるが、それによって制限されない。建築材料は、建物外装用のスチール板やアルミニウム板等の金属板や、鋼或いは金属によって形成された型材、有機材質板或いは無機材質板等である。有機材質板は、温度許容度が160度以上である材料から形成された板材であり、例えば、ベークライト板やガラス繊維板及びカーボンファイバーボード等である。無機材質板は、セメント板やケイカル板等である。
【0040】
図7のように、本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品5は、工作物6の表面60を加飾する。本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品5は、下塗り層50、耐候性絵柄層52、離型層56及び、基材層58が含まれる。
【0041】
下塗り層50は、プライマー塗料層かフッ素樹脂と、無機顔料フィルムとからなり、重量%として、1.0~2.0重量%の第一のアクリル樹脂と、1.0~2.0重量%の第一のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いは第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)と、1.0~3.0重量%の第一無機顔料及び、0.1~0.5重量%の第一添加剤が含まれる。下塗り層50の第一厚さは、20μmに等しいかより大きい。耐候性絵柄層52は、下塗り層50の上に被覆する。具体実施例によれば、第一添加剤は、硬化剤や密着剤或いはレベリング剤等である。上記下塗り層50の成分を、希釈剤で希釈して、希釈剤が、下塗り層50に塗布された後、蒸発するため、塗布された下塗り層50が、成膜される。希釈剤は、ベンゼン類やケトン類或いは、ベンゼン類とケトン類の混合物等である。
【0042】
耐候性絵柄層52は、重量%として、1.0~2.0重量%の第二のアクリル樹脂と、2.0~4.0重量%の第二のフッ化ポリビニリデン樹脂或いは第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体、1.0~5.0重量%の第二無機顔料及び、0.1~1.0重量%の第二添加剤が含まれる。耐候性絵柄層52の第二厚さは、3μmに等しいかより大きい。第二無機顔料によって、絵柄が表れる。第一無機顔料を有する下塗り層50によって、耐候性絵柄層52の絵柄の色つや表現と色対比が強化される。具体実施例によれば、第二添加剤は、硬化剤や密着剤或いはレベリング剤等である。上記耐候性絵柄層52の成分を、希釈剤で希釈して、希釈剤が、耐候性絵柄層52に塗布された後、蒸発するため、塗布された耐候性絵柄層52が、成膜される。希釈剤は、ベンゼン類やケトン類或いは、ベンゼン類とケトン類の混合物等である。
【0043】
離型層56は、耐候性絵柄層52の上に被覆する。具体実施例によれば、離型層56は、シリカゲルや、フッ素樹脂、メラミン、酢酸繊維素或いは、アクリル樹脂等の樹脂から形成される。
【0044】
基材層58は、離型層56の上に接合する。具体実施例によれば、基材層58は、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂や、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリオレフィン(PO)樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS)樹脂或いは、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から形成される。
【0045】
本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品5によれば、図7に示すように、先ず、選択的に、工作物6の表面60に、接着層62を塗布する。例えば、工作物6がアルミニウム板である場合、その表面60に接着層62を塗布する必要はない。表面改質を必要とする建築材料等の工作物6であれば、例えば、ケイカル板やベークライト板等であり、このような工作物6の表面60に、予めに接着層62を塗布することが必要である。熱転写膜部品5は、下塗り層50によって工作物6の表面60の上に貼り付けられる。具体実施例によれば、接着層62は、フッ素樹脂等の樹脂から形成される。図7図8及び図9の例示のように、工作物6の表面60に、予めに接着層62が塗布される時の例である。
【0046】
図8のように、離型層56が、耐候性絵柄層52から剥離される時、基材層58は、離型層56とともに、工作物6の表面60から除去される。
【0047】
図9のように、下塗り層50及び耐候性絵柄層52は、乾燥温度下で、乾燥されて固形化される。熱転写膜部品5は、第一のフッ化ポリビニリデン樹脂と第二のフッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、乾燥の温度範囲が、230℃~250℃である。熱転写膜部品5は、第一のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体と第二のフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、乾燥の温度範囲が、160℃~180℃である。また、耐候性絵柄層52の摩耗指数は、40に等しいかより大きい。実用上、透明保護層64は、耐候性絵柄層52の上に被覆する。具体実施例によれば、透明保護層64は、フッ素樹脂等の樹脂から形成される。図7のように、本発明の第三のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品5が、工作物6の表面60に対する加飾効果を増大するために、耐候性絵柄層52の頂面520に、凹凸模様を有しても良い。凹凸模様は、透明保護層64の上表面640の上に形成されても良い。
【0048】
本発明の第三のより良い具体実施例によれば、ASTM G154試験基準に従って、表面60に、接着層62と下塗り層50及び耐候性絵柄層52が塗布か貼り付けられた工作物6を、QUV促進耐候性試験機に入れて、4000時間曝した後、耐候性絵柄層52の色差(ΔE)は、5に等しいかより大きく、また、耐候性絵柄層52の光沢保持率は、50%に等しいかより大きい。
【0049】
図10図11及び図12を参照しながら具体実施例について説明する。図10は、本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品7が貼り付けられた工作物8の局部断面図である。図11は、本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品7の一部の部材が、貼り付けられた8から除去される場合の局部断面図である。図12は、本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品7の一部の部材が、貼り付けられた工作物8に転写されて、固形化された後の構造の局部断面図である。工作物8は、建築材料であるが、それによって制限されない。建築材料は、建物外装用のスチール板やアルミニウム板等の金属板や、鋼或いは金属によって形成された型材、有機材質板或いは無機材質板等である。有機材質板は、温度許容度が160度以上である材料から形成された板材であり、例えば、ベークライト板やガラス繊維板及びカーボンファイバーボード等である。無機材質板は、セメント板やケイカル板等である。
【0050】
図10のように、本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品7は、工作物8の表面80を加飾する。本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品7は、耐候性絵柄層72、離型層76及び、基材層78が含まれる。
【0051】
耐候性絵柄層72は、重量%として、1.0~2.0重量%のアクリル樹脂と、2.0~4.0重量%のフッ化ポリビニリデン樹脂(PVDF)或いはフルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体(FEVE)、1.0~5.0重量%の無機顔料及び、0.1~1.0重量%の添加剤が含まれる。耐候性絵柄層72の厚さは、3μmに等しいかより大きい。無機顔料によって、絵柄が表れる。具体実施例によれば、添加剤は、硬化剤や密着剤或いはレベリング剤等である。上記耐候性絵柄層72の成分を、希釈剤で希釈して、希釈剤が、耐候性絵柄層72に塗布された後、蒸発するため、塗布された耐候性絵柄層72が、成膜される。希釈剤は、ベンゼン類やケトン類或いは、ベンゼン類とケトン類の混合物等である。
【0052】
離型層76は、耐候性絵柄層72の上に被覆する。具体実施例によれば、離型層36は、シリカゲルやフッ素樹脂、メラミン、酢酸繊維素或いはアクリル樹脂等の樹脂から形成される。
【0053】
基材層78は、離型層76の上に接合する。具体実施例によれば、基材層78は、ポリエチレンテレフタラート樹脂や、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体樹脂或いは、ポリプロピレン等の樹脂から形成される。
【0054】
本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品7によれば、図10に示すように、先ず、選択的に、工作物8の表面80に、接着層82を塗布して、下塗り層84を塗布する。例えば、工作物8がアルミニウム板である場合、その表面80に接着層82を塗布する必要はない。表面改質を必要とする建築材料等の工作物8は、例えば、ケイカル板やベークライト板等であり、このような工作物8の表面80に、予めに接着層82を塗布することが必要とする。工作物8の表面80に、予めに接着層82が塗布され、下塗り層84が、接着層82の上に塗布される。熱転写膜部品7は、耐候性絵柄層72によって、下塗り層84の上に貼り付けられる。具体実施例によれば、接着層82は、フッ素樹脂等の樹脂から形成される。下塗り層84は、無機顔料を有するフッ素樹脂等の樹脂から形成される。無機顔料を有する下塗り層84によって、耐候性絵柄層72の絵柄の色つや表現と色対比が強化される。図10図11及び図12の例示のように、工作物8の表面80に、予めに、選択的に、接着層82と下塗り層84が塗布される例である。
【0055】
図11のように、離型層76が、耐候性絵柄層72から剥離される時、基材層78は、離型層76とともに、工作物8の表面80から除去される。
【0056】
図12のように、耐候性絵柄層72は、乾燥温度下で、乾燥されて固形化される。熱転写膜部品7が、フッ化ポリビニリデン樹脂から形成される場合、乾燥の温度範囲が、230℃~250℃である。熱転写膜部品7が、フルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体から形成される場合、乾燥の温度範囲が、160℃~180℃である。また、耐候性絵柄層72の摩耗指数は、40に等しいかより大きい。実用上、透明保護層86は、耐候性絵柄層72の上に被覆する。具体実施例によれば、透明保護層86は、フッ素樹脂等の樹脂から形成される。図10のように、耐候性絵柄層72の頂面720に、本発明の第四のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品7が、工作物8の表面80に対する加飾効果を増大させるために、凹凸模様を有しても良い。凹凸模様は、透明保護層86の上表面860の上に形成されても良い。
【0057】
ASTM G154試験基準に従う、本発明の第四のより良い具体実施例によれば、表面80に、接着層82と下塗り層84及び耐候性絵柄層72が、塗布か貼り付けられた工作物8を、QUV促進耐候性試験機に入れて、4000時間曝した後、耐候性絵柄層72の色差(ΔE)は、5に等しいかより大きく、また、耐候性絵柄層72の光沢保持率は、50%に等しいかより大きい。
【0058】
以上の、本発明についての詳しい説明から分かるように、本発明に係る熱転写膜部品によれば、工作物に転写されて固形化された耐候性絵柄層は、極めて優れた耐摩耗性と耐候性が得られる。また、本発明の他のより良い具体実施例に係る熱転写膜部品は、建築材料等の工作物を加飾するための複数の会社の需要を満たす。
【0059】
このように、本発明の特定の例を参照して説明したが、それらの例は、説明のためだけのものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者には、本発明の要旨および特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、ここで開示された実施例に変更、追加、または、削除を施してもよいことがわかる。
【符号の説明】
【0060】
1 熱転写膜部品
10 下塗り層
12 耐候性絵柄層
120 頂面
14 透明保護層
140 上表面
16 離型層
18 基材層
2 工作物
20 表面
22 接着層
3 熱転写膜部品
32 耐候性絵柄層
320 頂面
34 透明保護層
340 上表面
36 離型層
38 基材層
4 工作物
40 表面
42 接着層
44 下塗り層
5 熱転写膜部品
50 下塗り層
52 耐候性絵柄層
520 頂面
56 離型層
58 基材層
6 工作物
60 表面
62 接着層
64 透明保護層
640 上表面
7 熱転写膜部品
72 耐候性絵柄層
720 頂面
76 離型層
78 基材層
8 工作物
80 表面
82 接着層
84 下塗り層
86 透明保護層
860 上表面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12