(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035573
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】浴槽洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A47K 3/00 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
A47K3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140005
(22)【出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】小幡 恭士
(72)【発明者】
【氏名】市丸 秀仁
(72)【発明者】
【氏名】濱田 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤原 克博
(72)【発明者】
【氏名】松尾 憲彦
(72)【発明者】
【氏名】後藤 洋明
(72)【発明者】
【氏名】中塚 悠介
(57)【要約】
【課題】浴槽洗浄に使用する湯水を貯留する湯水タンク内を清潔に保つことができる浴槽洗浄装置を提供すること。
【解決手段】浴槽(1)に配設された洗浄ノズル(5)に湯水を供給する湯水通路(14)と、湯水通路(14)の途中に設けられた湯水タンク(15)と、洗浄ノズル(5)に湯水タンク(15)の湯水を送り出すポンプ(16)と、洗浄ノズル(5)から湯水と洗浄液を散布する洗浄動作を制御する制御手段(20)を備えた浴槽洗浄装置(10)において、制御手段(20)は、洗浄動作の終了後に湯水タンク(15)が空になるまで湯水を排水する排水動作を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽に配設された洗浄ノズルに湯水を供給する湯水通路と、前記湯水通路の途中に設けられた湯水貯留部と、前記洗浄ノズルに前記湯水貯留部の湯水を送り出すポンプと、前記洗浄ノズルから湯水と洗浄液を散布する洗浄動作を制御する制御手段を備えた浴槽洗浄装置において、
前記制御手段は、前記洗浄動作の終了後に前記湯水貯留部が空になるまで湯水を排水する排水動作を制御することを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記排水動作の制御時に、前記洗浄動作の制御時よりも低い回転数で前記ポンプを駆動することを特徴とする請求項1に記載の浴槽洗浄装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記洗浄動作の制御中に前記洗浄動作が停止された場合には、前記排水動作の制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の浴槽洗浄装置。
【請求項4】
湯水と洗剤を混合した洗浄液を前記洗浄ノズルに供給するために、洗剤を貯留する洗剤タンクと、前記湯水通路の前記ポンプよりも下流側に介装された洗剤混合部と、前記洗剤タンクから前記洗剤混合部に洗剤を供給する洗剤通路と、前記洗剤通路を開閉する洗剤電磁弁を備え、前記制御手段は前記排水動作の終了後に前記ポンプが停止した状態で前記洗剤電磁弁を開弁し、所定時間経過後に閉弁することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の浴槽洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽を自動的に洗浄する浴槽洗浄装置に関し、特に貯留した湯水を浴槽の洗浄に使用するための湯水貯留部を備えた浴槽洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴槽を自動的に洗浄する浴槽洗浄装置が知られている。浴槽洗浄装置は、浴槽内に洗浄液を散布して汚れを浮かせ、湯水を散布して洗い流すことにより浴槽洗浄を行っている。
【0003】
例えば特許文献1の浴槽洗浄装置は、浴槽洗浄装置に湯水を供給する給湯通路の上流側に洗浄液が進入しないように湯水貯留部を設け、湯水貯留部に貯留された湯水を浴槽の洗浄に使用する。湯水貯留部に一定量の湯水を貯留させておくことによって、洗浄用の湯水を安定供給できる。しかし、常時湯水を貯留しておくと雑菌の繁殖等の虞があり、不衛生な湯水によって浴槽洗浄を行う虞がある。それ故、浴槽洗浄が一定期間行われない場合には、湯水貯留部に貯留された湯水を排水して新鮮な湯水に入れ替えるように構成されている。
【0004】
また、例えば特許文献2には、介護用の入浴装置において、浴槽と貯湯タンクの間で入浴後の湯水に洗剤を投入した洗浄液を循環させて洗浄し、洗浄後に洗浄液を排水して貯湯タンクを空にすることが記載されている。これにより入浴者毎に洗浄して清潔な浴槽で入浴することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-58643号公報
【特許文献2】特許第4977455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のように常時湯水を貯留する場合には、一定期間毎に排水するだけでは湯水貯留部で繁殖した雑菌を全て排出することができず、湯水貯留部を清潔に保つことが困難である。また、特許文献2のように入浴に使用した湯水に洗剤を投入して浴槽を洗浄すると、貯湯タンクに雑菌が入り込みやすく、清潔に保つことが困難である。
【0007】
本発明の目的は、浴槽洗浄に使用する湯水を貯留する湯水貯留部内を清潔に保つことができる浴槽洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の浴槽洗浄装置は、浴槽に配設された洗浄ノズルに湯水を供給する湯水通路と、前記湯水通路の途中に設けられた湯水貯留部と、前記洗浄ノズルに前記湯水貯留部の湯水を送り出すポンプと、前記洗浄ノズルから湯水と洗浄液を散布する洗浄動作を制御する制御手段を備えた浴槽洗浄装置において、前記制御手段は、前記洗浄動作の終了後に前記湯水貯留部が空になるまで湯水を排水する排水動作を制御することを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、湯水貯留部に貯留された湯水が浴槽の洗浄に使用される。そして洗浄動作が終了すると、湯水貯留部が空になるまで、湯水貯留部に残っている湯水を排水する。従って、浴槽洗浄時以外では湯水貯留部に湯水が貯留されないので雑菌の繁殖を抑制することができ、湯水貯留部内を清潔に保つことができる。
【0010】
請求項2の発明の浴槽洗浄装置は、請求項1の発明において、前記制御手段は、前記排水動作の制御時に、前記洗浄動作の制御時よりも低い回転数で前記ポンプを駆動することを特徴としている。
上記構成によれば、洗浄動作のときよりも低い回転数でポンプを駆動して排水するので、湯水貯留部の湯水が少なくなったときの空気の混入(エア噛み)を抑制して排水することができる。また、ポンプを停止させるときに、洗浄動作のときの回転数よりも低い回転数から停止させるので、洗浄動作のときの回転数から停止させる場合よりもポンプの軸受けの摩耗や逆起電力発生等を低減して耐久性を高めることができる。
【0011】
請求項3の発明の浴槽洗浄装置は、請求項1又は2の発明において、前記制御手段は、前記洗浄動作の制御中に前記洗浄動作が停止された場合には、前記排水動作の制御を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、ユーザによる浴槽洗浄停止操作や浴槽洗浄におけるエラー発生によって、浴槽洗浄の途中で洗浄動作が停止した場合にも、湯水貯留部が空になるまで貯留された湯水を排水する。従って、浴槽洗浄時以外では湯水貯留部に湯水が貯留されないので雑菌の繁殖を抑制することができ、湯水貯留部内を清潔に保つことができる。
【0012】
請求項4の発明の浴槽洗浄装置は、請求項1~3の何れか1項の発明において、湯水と洗剤を混合した洗浄液を前記洗浄ノズルに供給するために、洗剤を貯留する洗剤タンクと、前記湯水通路の前記ポンプよりも下流側に介装された洗剤混合部と、前記洗剤タンクから前記洗剤混合部に洗剤を供給する洗剤通路と、前記洗剤通路を開閉する洗剤電磁弁を備え、前記制御手段は前記排水動作の終了後に前記ポンプが停止した状態で前記洗剤電磁弁を開弁し、所定時間経過後に閉弁することを特徴としている。
上記構成によれば、排水動作終了後に、ポンプが停止して湯水が流れていない状態で、洗剤電磁弁を所定時間だけ開弁した後閉弁する。従って、排水動作によって洗剤通路の洗剤電磁弁よりも下流側が上流側に対して負圧になって洗剤電磁弁に負荷がかかった状態を、洗剤電磁弁を開弁することにより解消することができる。また、所定時間経過後に洗剤電磁弁を閉じることにより、洗剤が湯水通路内の湯水に徐々に混合されることを抑制している。
【発明の効果】
【0013】
本発明の浴槽洗浄装置によれば、浴槽洗浄時以外では湯水貯留部に湯水が貯留されないので雑菌の繁殖を抑制することができ、湯水貯留部内を清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例に係る浴槽洗浄装置と周辺機器の構成図である。
【
図2】実施例に係る洗浄運転の工程ブロック図である。
【
図3】実施例に係る洗浄運転の後半のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例0016】
最初に、本発明の浴槽洗浄装置10の周辺機器を含めた全体構成について、
図1に基づいて説明する。浴槽1には、浴槽1の湯張りや追焚きのための給湯装置2が湯張り追焚き通路3と循環アダプタ1aを介して接続されている。また、浴槽1の底部には、矢印Dで示すように湯水を排水するための例えば電動式の排水栓4と、湯水や洗浄液を散布して浴槽1を洗浄するための洗浄ノズル5が配設されている。
【0017】
浴槽1の近傍には、洗浄ノズル5に湯水や洗浄液を供給する供給ユニット6と、洗剤をためておく洗剤タンク7と、排水栓4の開栓操作、閉栓操作を行うための排水スイッチ8が配設されている。浴槽洗浄装置10は、排水栓4、洗浄ノズル5、供給ユニット6、洗剤タンク7、排水スイッチ8等によって構成されている。
【0018】
供給ユニット6には、給湯装置2から湯水を供給するための給湯通路2aが接続されている。また、例えば浴室の天井に配設された電源通信ユニット9と供給ユニット6とが、電力供給可能且つ通信可能に接続されている。電源通信ユニット9は浴槽洗浄装置10の洗浄運転等を制御する制御部20(制御手段)を備えている。
【0019】
給湯装置2は、矢印Wで示す上水を例えば燃料の燃焼熱を利用して加熱した湯水を給湯する燃焼式給湯装置であるが、ヒートポンプ式熱源機等他の熱源機を有する給湯装置等であってもよい。給湯装置2には、湯張り運転や追焚き運転の開始操作、給湯設定温度の設定操作等を行うための浴室リモコン11、台所リモコン12が通信可能に接続されている。また、浴槽洗浄装置10による洗浄運転の開始操作等を行うための洗浄リモコン13が電源通信ユニット9に通信可能に接続されている。そして、給湯装置2と電源通信ユニット9とが通信可能に接続され、台所リモコン12及び浴室リモコン11からも浴槽洗浄装置10の操作が可能である。
【0020】
次に、浴槽洗浄装置10について説明する。
浴槽洗浄装置10の供給ユニット6は、洗浄ノズル5に湯水を供給する湯水通路14と、湯水通路14の途中に設けられた湯水タンク15(湯水貯留部)と、洗浄ノズル5に湯水タンク15の湯水を送り出すためのポンプ16等を有する。ポンプ16よりも下流側の湯水通路14には、洗浄ノズル5に供給する湯水に洗剤を混合するためのベンチュリ17(洗剤混合部)が介装されている。
【0021】
給湯装置2から湯水を供給する給湯通路2aは、フィルタ14aを備えた湯水通路14に接続される。湯水通路14は、湯水タンク15よりも上流側且つフィルタ14aの下流側に、分岐して合流する並列通路部18を有する。並列通路部18では、複数(例えば2つ)の分岐通路18a,18bが並列に接続されている。
【0022】
分岐通路18aは、分岐通路18aを開閉するための注湯電磁弁18cと定流量弁18eを備えている。分岐通路18bは、分岐通路18bを開閉するための注湯電磁弁18dと定流量弁18fを備えている。定流量弁18e,18fは、ポンプ16の吐出能力(例えば通常流量:6.5L/分)よりも小さい流量に夫々制限すると共に、合計の流量がポンプ16の通常流量よりも大きくなるもの(例えば夫々5L/分のもの)が選ばれている。
【0023】
また、湯水通路14は、湯水タンク15よりも下流側に、ポンプ16、温度センサ19、流量センサ14b、ベンチュリ17等を備えている。ベンチュリ17には、洗剤タンク7から洗剤を供給するための洗剤通路7aが接続されている。洗剤通路7aは、この洗剤通路7aを開閉するための洗剤電磁弁7bを備えている。
【0024】
制御部20は、注湯電磁弁18c,18d、洗剤電磁弁7bの開閉やポンプ16の駆動が可能なように接続され、排水スイッチ8の操作に応じて排水栓4を開閉可能なように接続されている。また、制御部20は、湯水タンク15の水位(貯留量)を例えばフロートスイッチ15aによって検知可能なように接続されている。同様に制御部20は、洗剤タンク7の洗剤残量を例えばフロートスイッチ7cによって検知可能なように接続されている。尚、フロートスイッチ15aは、上限貯留量Hと下限貯留量Lを検知するものであってもよい。
【0025】
制御部20は、例えば演算装置と記憶装置と入出力装置等を備えたコンピュータであり、記憶装置に格納された制御プログラム等に基づいて、浴槽1を洗浄する洗浄運転や排水栓4の開閉等を制御する。この制御部20は、洗浄運転では、排水栓4を開栓し、注湯電磁弁18c,18d、洗剤電磁弁7b等の開閉やポンプ16の駆動等を制御する。
【0026】
次に、洗浄運転について説明する。
洗浄運転は、洗浄液等が浴槽1の外に飛び散らないように図示外の蓋を浴槽1に被せた状態で行う。
【0027】
洗浄リモコン13等の操作端末の操作によって浴槽洗浄装置10による洗浄運転の開始操作が行われると、洗浄運転が開始される。
図2の洗浄運転の工程ブロック図に示すように、洗浄運転は準備工程、洗浄工程、排水工程、終了工程の順に行われる。準備工程では、洗浄前の準備動作として、注湯電磁弁18c,18dを開けて湯水タンク15に湯水を所定量(上限貯留量H)まで貯留する。また、排水栓4が閉じている場合には排水栓4を開栓し、浴槽1に湯水が残っている場合に浴槽1が空になるまで待機する。
【0028】
洗浄工程では、洗浄動作として浴槽1内に湯水タンク15の湯水や洗浄液の散布を行う。例えば、予備洗浄としてポンプ16を通常回転数(例えば5700rpm)で駆動させて通常流量で湯水を散布して、浴槽1に付着した汚れに水分を含ませる。その後、ポンプ16を通常回転数で駆動させながら洗剤電磁弁7bを開けて、ベンチュリ17を流通する湯水に洗剤通路7aから洗剤を供給し、ベンチュリ17で湯水と洗剤が混合された洗浄液を洗浄ノズル5から散布した後、一定時間待機する。この洗浄液散布と一定時間待機を交互に繰り返して、浴槽1に付着した汚れを浮かせる。
【0029】
湯水や洗浄液を散布するときには、通常回転数のポンプ16によって湯水タンク15から通常流量の湯水が洗浄ノズル5に供給される。このとき、湯水タンク15では、注湯電磁弁18c,18dの両方を開けたときには貯留量が増加し、注湯電磁弁18c,18dの何れか一方のみを開けたときには貯留量が減少する。
【0030】
湯水や洗浄液の散布中には、制御部20は、フロートスイッチ15aが下限貯留量Lを検知すると注湯電磁弁18c,18dの両方を開け、上限貯留量Hを検知すると注湯電磁弁18c,18dの何れか一方のみを開けるように制御する。従って、湯水や洗浄液の散布中には、湯水タンク15の貯留量が上限貯留量Hと下限貯留量Lの間で繰り返し変動することになるが、給湯装置2からの湯水供給圧によらず、洗浄ノズル5に湯水タンク15の湯水を安定供給することができる。
【0031】
洗浄液の散布と待機を所定回数繰り返した後は、例えば
図3のタイミングチャートのように、すすぎとしてポンプ16を通常回転数で駆動して湯水散布して、汚れ及び洗浄液を洗い流す。
【0032】
排水工程では、注湯電磁弁18c,18dの両方を閉じ、湯水タンク15が空になるまで、湯水タンク15に残っている湯水を洗浄ノズル5から浴槽1に排水する排水動作を行う。このとき、ポンプ16の回転数を洗浄工程における通常回転数よりも低い回転数(例えば5300rpm)に制御して、ポンプ16の吐出量を少なく(例えば4L/分)する。これにより、湯水タンク15の湯水が少なくなったとき、特に下限貯留量Lよりも少なくなったときの空気の混入(エア噛み)を抑制して排水する。湯水タンク15が空になったら、ポンプ16を停止させる。
【0033】
湯水タンク15が空になったことは、例えば流量センサ14bの検知流量が所定の流量(例えば1L/分)以下になったことや、湯水タンク15の水位を検知するフロートセンサ15aが所定の下限水位(L)を検知してから所定時間(例えば3秒)経過したことによって判定される。尚、ポンプ16の負荷を反映するポンプ16の電流値等に基づいて判定することもできる。ポンプ16を停止させる前に、洗浄工程のときの通常回転数よりも低い回転数にしているので、通常回転数から停止させる場合よりもポンプ16の軸受けの摩耗や逆起電力発生等の負荷を低減して耐久性を高めることができる。
【0034】
終了工程では、ポンプ16が停止して湯水の流通が止まった後、洗剤電磁弁7bを所定時間(例えば1秒)開弁してから閉弁する。排水工程によって洗剤通路7aの洗剤電磁弁7bよりも下流側が上流側に対して負圧になって洗剤電磁弁7bに負荷がかかった状態を、洗剤電磁弁7bを開弁することにより解消することができる。また、所定時間経過後に洗剤電磁弁7bを閉じることにより、洗剤が湯水通路14内の湯水に徐々に拡散して混合されることを抑制している。
【0035】
例えばユーザが操作手段を操作して洗浄運転を中止させた場合や、例えば60℃以上の高温出湯のために高い給湯設定温度が設定されて温度センサ19が高温を検知してエラーが発生し、危険回避のために洗浄運転を中止した場合等、洗浄工程が最後まで行われなかった場合にも、上記のように排水工程、終了工程を実行する。
【0036】
上記の浴槽洗浄装置10の作用、効果について説明する。
浴槽洗浄装置10は、浴槽1を洗浄する洗浄運転において湯水タンク15に貯留した湯水を使用する。そして、洗浄運転における洗浄動作が終了すると、湯水タンク15が空になるまで、湯水タンク15に残っている湯水を洗浄ノズル5から排水する。従って、浴槽洗浄時以外では湯水タンク15に湯水が貯留されないので雑菌の繁殖を抑制することができ、湯水タンク15内を清潔に保つことができる。
【0037】
また、湯水タンク15の排水は、洗浄動作のときよりも低い回転数でポンプ16を駆動して排水するので、湯水タンク15の湯水が少なくなったときの空気の混入(エア噛み)を抑制して排水することができる。ポンプ16を停止させるときには、洗浄動作のときの通常回転数よりも低い回転数から停止させるので、通常回転数から停止させる場合よりもポンプの軸受けの摩耗や逆起電力発生等の負荷を低減して耐久性を高めることができる。
【0038】
一方、ユーザによる洗浄運転停止操作や洗浄運転中のエラー発生によって、洗浄運転の途中で洗浄動作が停止した場合にも、湯水タンク15が空になるまで貯留された湯水を排水する。従って、浴槽洗浄時以外では湯水タンク15に湯水が貯留されないので雑菌の繁殖を抑制することができ、湯水タンク15内を清潔に保つことができる。
【0039】
また、排水動作終了後に、ポンプ16が停止して湯水が流れていない状態で、洗剤電磁弁7bを所定時間だけ開弁した後閉弁する。従って、排水動作によって洗剤通路7aの洗剤電磁弁7bよりも下流側が上流側に対して負圧になって洗剤電磁弁7bに負荷がかかった状態を、洗剤電磁弁7bを開弁することにより解消することができる。そして、所定時間経過後に洗剤電磁弁7bを閉じることにより、洗剤が湯水通路14内の湯水に徐々に混合されることを抑制している。
【0040】
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。