(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035939
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】二重管及び二重管の製造方法
(51)【国際特許分類】
F28D 7/10 20060101AFI20220225BHJP
B21D 53/06 20060101ALI20220225BHJP
B21D 39/04 20060101ALI20220225BHJP
F28F 13/12 20060101ALI20220225BHJP
F28F 1/10 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
F28D7/10 A
B21D53/06 Z
B21D39/04 B
F28F13/12 C
F28F1/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219379
(22)【出願日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2020139871
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000138521
【氏名又は名称】株式会社ユタカ技研
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩二
(72)【発明者】
【氏名】我妻 隆志
(72)【発明者】
【氏名】野田 亮司
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103AA37
3L103DD38
(57)【要約】
【課題】スペーサを備えた二重管を製造コストを抑えて製造する技術を提供すること。
【解決手段】二重管10は、内管20が内部に配置された外管30と、内管20と外管30との隙間を保つスペーサ40、とを有している。スペーサ40の少なくとも一部は、外管30の内周面31と内管20の外周面22とによって圧着されている。詳細には、外管30は、塑性加工により縮径された縮径部33を有している。縮径部33の内周面33aは、スペーサ40の開口部41を除いて全周に亘り、スペーサ40の外周面42を径方向内側へ加圧している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内管が内部に配置された外管と、前記内管と前記外管との隙間を保つスペーサ、とを有している、二重管において、
前記スペーサの少なくとも一部は、前記外管の内周面と前記内管の外周面とによって圧着されている、ことを特徴とする二重管。
【請求項2】
更に、内部に流体を流すことが可能な配管を有しており、
この配管は、前記外管の外周面に対して当接している当接面を備えた当接部を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の二重管。
【請求項3】
前記配管の前記当接面は、前記外管の長さ方向のうち、前記スペーサの径方向外側に位置している、ことを特徴とする請求項2に記載の二重管。
【請求項4】
前記配管の前記当接面は、前記外管の長さ方向のうち、前記スペーサのなかの圧着されている部位の径方向外側に位置している、ことを特徴とする請求項3に記載の二重管。
【請求項5】
前記スペーサは、全体として略筒状であると共に、前記二重管の中心線に沿う方向から見てC字状となるように、スリット状の開口部を有している、ことを特徴とする請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の二重管。
【請求項6】
前記スペーサの前記開口部は、前記二重管の中心線に対して斜めに設定されている、請求項5に記載の二重管。
【請求項7】
前記二重管の中心線に沿う方向から見て、前記二重管の前記中心線と前記配管の前記当接面とを通過する直線を基準線とすると、前記基準線に対して、前記スペーサの一部が重なっている、ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の二重管。
【請求項8】
前記二重管は、前記二重管そのものの少なくとも一部が曲がっている曲げ部を含み、
前記曲げ部に配置された前記スペーサは、前記曲げ部のなかの前記内管の前記外周面に対して巻き付くような螺旋状を呈している、請求項1に記載の二重管。
【請求項9】
前記スペーサの巻き付く方向に沿って見て、前記スペーサの断面は矩形状を呈している、ことを特徴とする請求項8に記載の二重管。
【請求項10】
内管と、前記内管を内部に配置可能な外管と、前記内管と前記外管との間隔を保つスペーサと、を準備する準備工程と、
前記外管に対して、前記内管と、前記スペーサとを配置する配置工程と、
前記外管の一部を縮径するように塑性変形させる、又は、前記内管の一部を拡径するように塑性変形させることにより、前記外管の内周面と前記内管の外周面とにより、前記スペーサの少なくとも一部を圧着させる、圧着工程とを含む、二重管の製造方法。
【請求項11】
前記スペーサは、全体として略筒状であると共に、前記二重管の中心線に沿う方向から見てC字状となるように、スリット状の開口部を有しており、
前記スペーサの前記開口部は、前記二重管の中心線に対して斜めに設定されており、
前記圧着工程において、周方向に分割されている複数の金型を用いる、ことを特徴とする請求項10に記載の二重管の製造方法。
【請求項12】
前記スペーサの前記開口部の幅は、前記圧着工程においてに用いられる前記金型の幅よりも小さく設定されている、ことを特徴とする請求項11に記載の二重管の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スペーサを備えた二重管及び同製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内管と外管とによって構成されている二重管には、内管と外管との間にスペーサが配置されているものがある。このようなスペーサを有する二重管に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
図17は、特許文献1の
図2を再掲して符号を振り直したものである。二重管900は、内管920の内部921を流れる第1の流体と、内管920と外管930との間の環状の領域931を流れる第2の流体と、で熱交換を行う熱交換器である。
【0004】
内管920と外管930との間には、筒状のスペーサ940が配置されている。この筒状のスペーサ940は、径方向外側に突き出た凸部941と径方向内側に凹んだ凹部942とが、周方向に交互に位置して構成されている。
【0005】
スペーサ940は凸部941及び凹部942を有するため、周の長さが長くなる。スペーサ940に対して第2の流体の接触可能な面積が増えるため、熱交換の効率が高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、内管920及び外管930と、スペーサ940とを接合させるために、互いの接触面をロウ付けすることが開示されている。例えば、スペーサ940を外管930及び内管920に組み付けた後、接触面にろう材を塗布し、炉中ロウ付けなどにより、ロウ材を溶融させて、接触面同士を接合する。
【0008】
接合の精度を向上させるためには、接触面同士の隙間は、極めて小さくすることが望ましい。具体的には、組み付け時に、スペーサ940の凸部941が外管930の内周面932に当接すると共に、スペーサ940の凹部942が内管920の外周面922に当接するような設計及び製造が求められる。各々の部品について高い寸法精度を求めると、製造コストが高くなる。
【0009】
本発明は、製造コストを抑えてスペーサを備えた二重管を製造する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1による発明によれば、内管が内部に配置された外管と、前記内管と前記外管との隙間を保つスペーサ、とを有している、二重管において、
前記スペーサの少なくとも一部は、前記外管の内周面と前記内管の外周面とによって圧着されている、ことを特徴とする二重管が提供される。
【0011】
請求項2に記載のごとく、更に、内部に流体を流すことが可能な配管を有しており、
この配管は、前記外管の外周面に対して当接している当接面を備えた当接部を有している。
【0012】
請求項3に記載のごとく、前記配管の前記当接面は、前記外管の長さ方向のうち、前記スペーサの径方向外側に位置している。
【0013】
請求項4に記載のごとく、前記配管の前記当接面は、前記外管の長さ方向のうち、前記スペーサのなかの圧着されている部位の径方向外側に位置している。
【0014】
請求項5に記載のごとく、前記スペーサは、全体として略筒状であると共に、前記二重管の中心線に沿う方向から見てC字状となるように、スリット状の開口部を有している。
【0015】
請求項6に記載のごとく、前記スペーサの前記開口部は、前記二重管の中心線に対して斜めに設定されている。
【0016】
請求項7に記載のごとく、前記二重管の中心線に沿う方向から見て、前記二重管の前記中心線と前記配管の前記当接面とを通過する直線を基準線とすると、前記基準線に対して、前記スペーサの一部が重なっている。
【0017】
請求項8に記載のごとく、前記二重管は、前記二重管そのものの少なくとも一部が曲がっている曲げ部を含み、
前記曲げ部に配置された前記スペーサは、前記曲げ部のなかの前記内管の前記外周面に対して巻き付くような螺旋状を呈している。
【0018】
請求項9に記載のごとく、前記スペーサの巻き付く方向に沿って見て、前記スペーサの断面は矩形状を呈している。
【0019】
請求項10による発明によれば、内管と、前記内管を内部に配置可能な外管と、前記内管と前記外管との間隔を保つスペーサと、を準備する準備工程と、
前記外管に対して、前記内管と、前記スペーサとを配置する配置工程と、
前記外管の一部を縮径するように塑性変形させる、又は、前記内管の一部を拡径するように塑性変形させることにより、前記外管の内周面と前記内管の外周面とにより、前記スペーサの少なくとも一部を圧着させる、圧着工程を含む、二重管の製造方法が提供される。
【0020】
請求項11に記載のごとく、前記スペーサは、全体として略筒状であると共に、前記二重管の中心線に沿う方向から見てC字状となるように、スリット状の開口部を有しており、
前記スペーサの前記開口部は、前記二重管の中心線に対して斜めに設定されており、
前記圧着工程において、周方向に分割されている複数の金型を用いる。
【0021】
請求項12に記載のごとく、前記圧着工程において用いられる、各々の前記金型の幅は、前記スペーサの前記開口部の幅よりも大きく設定されている。
【発明の効果】
【0022】
請求項1では、二重管のスペーサの少なくとも一部は、外管の内周面と内管の外周面とによって圧着されている。即ち、内管及びスペーサが外管の内部に配置され、その後、スペーサに対して径方向に外力が加えられることにより、スペーサは二重管の内部で固定されている。そのため、外管に対して、内管と、スペーサとを配置した際に、スペーサが内管の外周面に当接するとともに外管の内周面に当接するような設定は不要である。高い寸法精度が求められないため、二重管の製造コストを抑えることができる。
【0023】
請求項2では、二重管は、更に、内部に流体を流すことが可能な配管を有している。この配管は、外管の外周面に対して当接している当接面を備えた当接部を有している。そのため、配管の内部に加熱した流体を流すと、伝熱により内管を加熱することができる。
【0024】
請求項3では、配管の当接面は、外管の長さ方向のうち、スペーサの径方向外側に位置している。配管がスペーサの近傍に位置しているため、スペーサを介した内管への伝熱の効率が高まる。
【0025】
請求項4では、配管の当接面は、外管の長さ方向のうち、スペーサのなかの圧着されている部位の径方向外側に位置している。そのため、スペーサを介した内管への伝熱の効率がさらに高まる。
【0026】
請求項5では、スペーサは、全体として略筒状であると共に、二重管の中心線に沿う方向から見てC字状となるように、スリット状の開口部を有している。この開口部は、スペーサを介して互いに隣接する環状の空間同士を連通させる連通路となる。そのため、内管と外管との隙間は、流体を流すことが可能な流路となる。
【0027】
請求項6では、スペーサの開口部は、二重管の中心線に対して斜めに設定されている。そのため周方向に分割された複数の金型を用いて圧着する場合、金型とスペーサの開口部の周辺の部位とが、二重管の径方向について重なりやすくなる。圧着後の二重管の内周面及び外周面の形状が安定する。
【0028】
請求項7では、二重管の中心線に沿う方向から見て、二重管の中心線と配管の当接面とを通過する直線を基準線とする。基準線に対して、スペーサの一部が重なっている。そのため、スペーサを介した内管への伝熱の効率が高まる。
【0029】
請求項8では、二重管は、二重管そのものの少なくとも一部が曲がっている曲げ部を含んでいる。曲げ部に配置されたスペーサは、曲げ部のなかの内管の外周面に対して巻き付くような螺旋状を呈している。螺旋状のスペーサは、曲げると隣接する部位同士の間隔が近づくように変形する。曲げ工程において、曲げ加工が容易となる。
【0030】
請求項9では、スペーサの巻き付く方向に沿って見て、スペーサ―の断面は矩形状を呈している。断面が円のスペーサと比較すると、外管の内周面及び内管の外周面に対する接触面積が増える。圧着工程において互いの接触部分に生じる力が分散され、内管及び外管が変形しにくくなる。
【0031】
請求項10では、二重管の製造方法は、外管に対して、内管と、スペーサとを配置する配置工程を含んでいる。さらに、二重管の製造方法は、外管の一部を縮径するように塑性変形させる、又は、内管の一部を拡径するように塑性変形させることにより、外管の内周面と内管の外周面とにより、スペーサの少なくとも一部を圧着させる、圧着工程を含む。そのため、配置工程においてに、スペーサが内管の外周面に当接するとともに外管の内周面に当接するような設定は不要である。高い寸法精度が求められないため、二重管の製造コストを抑えることができる。
【0032】
請求項11では、スペーサは、全体として略筒状であると共に、二重管の中心線に沿う方向から見てC字状となるように、スリット状の開口部を有している。スペーサの開口部は、二重管の中心線に対して斜めに設定されている。圧着工程において、周方向に分割されている複数の金型を用いる。そのため、金型とスペーサの開口部の周辺の部位とが、二重管の径方向について重なりやすくなる。圧着後の二重管の内周面及び外周面の形状が安定する。
【0033】
請求項12では、スペーサの開口部の幅は、圧着工程において用いられる金型の幅よりも小さく設定されている。そのため、金型とスペーサの開口部の周辺の部位とが、二重管の径方向について確実に重なる。圧着後の二重管の内周面及び外周面の形状が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図6】
図6Aは、二重管の端部に配置されたスペーサを圧着する方法を説明する図である。
図6Bは、圧着工程を経て得られた二重管を説明する図である。
【
図8】実施例2の変形例による二重管の断面図である。
【
図13】
図13Aは、実施例5による二重管を構成する部品の斜視図である。
図13Bは、実施例5によるスペーサの斜視図である。
【
図14】
図14Aは、実施例1によるスペーサの開口部を説明する図である。
図14Bは、実施例5によるスペーサの開口部を説明する図である。
【
図15】
図15Aは、実施例1による二重管の製造方法を説明する図である。
図15Bは、実施例5による二重管の製造方法を説明する図である。
【
図16】スペーサの開口部に対して2つの金型が位置する場合の二重管の製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、中心線とは、二重管の中心であると共に、二重管を構成する部品の中心である。
【0036】
<実施例1>
図1には、内管20と、内管20が内部に配置された外管30と、内管20と外管30との間に配置されて内管20と外管30との隙間を保つ3つのスペーサ40,50,50と、によって構成されている、二重管10が示されている。内管20の内周面21に囲われた領域には、第1の流体を流すことができる。
【0037】
3つのスペーサ40,50,50のうち、二重管10の長さ方向の中央に配置されたものを第1のスペーサ40と称し、両端に配置されたものを第2のスペーサ50,50と称する。なお、スペーサの個数及び配置箇所は適宜変更できる。
【0038】
内管20と外管30との隙間のうち、スペーサ40,50,50のいずれもが配置されない箇所は、環状の空間となる。第1のスペーサ40と第2のスペーサ50との間には、環状の第1の空間11,11が形成されている。第2のスペーサ50の外側(二重管10の長さ方向の中心から離れる方向)には、環状の第2の空間12,12が形成されている。
【0039】
スペーサ40,50,50は、外管30の内周面31と内管20の外周面22とによって圧着されている。なお、スペーサ40,50,50は、少なくとも一部が圧着されていればよい(周方向のうち、圧着されていない部位があってもよい)。
【0040】
図2A~
図2Cを参照する。外管30は、塑性加工により縮径された3つの縮径部33,36,36と、これらの縮径部33,36,36のいずれか1つに隣接し縮径されていない一般部34,34,35,35とを有している。
【0041】
第1のスペーサ40の圧着について説明する。縮径部33,36,36のうち、第1のスペーサ40の外周側に位置するものを第1の縮径部33と称する。第1の縮径部33の内周面33aは、第1のスペーサ40の開口部41を除いて全周に亘り、第1のスペーサ40の外周面42を径方向内側へ加圧している。
【0042】
内管20は、第1の縮径部33により加圧された第1のスペーサ40を支持している第1の支持部23を有している。第1の支持部23の外周面23aは、第1のスペーサ40の内周面43に当接して、第1の縮径部33と共に第1のスペーサ40を径方向に圧縮している部位ともいえる。
【0043】
各々の第2のスペーサ50も同様の構成により圧着されている。以下、一方(
図2Aの右側)の第2のスペーサ50の圧着について説明する。この説明は、他方(
図2Aの左側)の第2のスペーサ50にも適合する。
【0044】
縮径部33,36,36のうち、第2のスペーサ50の外周側に位置するものを第2の縮径部36と称する。第2の縮径部36の内周面36aは、第2のスペーサ50の開口部51(
図1、
図3参照)を除いて全周に亘り、第2のスペーサ50の外周面52を径方向内側に加圧している。
【0045】
内管20は、第2の縮径部36により加圧された第2のスペーサ50を支持している第2の支持部26を有している。第2の支持部26の外周面26aは、第2のスペーサ50の内周面53に当接して、第2の縮径部36と共に第2のスペーサ50を径方向に圧縮している部位ともいえる。
【0046】
外管30の一般部34,34,35,35のうち、第1の空間11,11の外周側を第1の一般部34,34と称し、第2の空間12,12の外周側を第2の一般部35,35と称する。
【0047】
内管20のうち、第1の空間11の内周側を第1の内壁部24と称し、第2の空間12の内周側を第2の内壁部25と、称する。
【0048】
次に、二重管10の製造方法を説明する。
【0049】
図3Aを参照する。最初に、真っ直ぐに延びている円筒状の内管20と、内管20よりも径が大きく真っ直ぐに延びており円筒状の外管30と、内管20と外管30との隙間を保つ第1のスペーサ40と、2つの第2のスペーサ50,50を準備する(準備工程)。
【0050】
図3Bを参照する。第1のスペーサ40は、全体として略円筒状であり、中心線CLに沿う方向から見てC字状である。即ち、第1のスペーサ40は、中心線CLに沿って形成された開口部41を備えている。
【0051】
同様に、第2のスペーサ50は、全体として略円筒状であり、中心線CLに沿う方向から見てC字状である。即ち、第2のスペーサ50は、中心線CLに沿って形成された開口部51を備えている。中心線CL方向について、第2のスペーサ50は、第1のスペーサ40よりも短い。中心線CL方向について、スペーサ40,50の寸法は、適宜変更することができる。
【0052】
図4Aを参照する。次に、外管30に対して、内管20、第1のスペーサ40を中央に配置し、第2のスペーサ50,50を両端に配置する(配置工程)。例えば、内管20に対して、第1のスペーサ40と第2のスペーサ50を取り付け、その後、スペーサ40,50が取り付けられた内管20を外管30に挿入するが、その配置の仕方や順番は問わない。
【0053】
図4Bを参照する。中心線CLを中心として、内管20と、外管30と、第1のスペーサ40とを同心円状に配置した状態において、内管20の外周面22と、外管30の内周面31との径方向の寸法を寸法L1と称する。この寸法L1は、第1のスペーサ40の厚みT1よりも大きい(L1>T1)。第2のスペーサ50も第1のスペーサ40と同様の構成である。第2のスペーサ50の寸法についての説明は省略する。
【0054】
図5A及び
図5Bを参照する。次に、外管30の一部を縮径するように塑性変形させ、外管30の内周面31と、内管20の外周面22とにより、第1のスペーサ40を圧着させる(圧着工程)。詳細には、外管30の一端30aをクランプ18に固定し、外管30の外周面32のなかの第1のスペーサ40の径方向外側の面32aを転造機70により転造する。
【0055】
転造機70は、中心線CLを中心に回転可能な環状の回転部71と、回転部71の一方の端面71aに設けられ径方向に移動可能な複数(例えば3つ)の可動部72と、各々の可動部72に回転可能に支持された円柱状の転動部73と、を有している。
【0056】
可動部72が径方向内側に移動すると、転動部73は外周面を押圧可能となる。さらに、回転部71が回転すると、転動部73は外管30の外周面32a上を転がることが可能となる。
【0057】
図6Aを参照する。上記の2つの作用により、外管30のなかの転造された部位は、外周面及び内周面が縮径されて、第1の縮径部33となる。
【0058】
次に、第1のスペーサ40の圧着と同様に、外管30の外周面32のなかの、第2のスペーサ50の径方向外側の面32bを転造する(圧着工程)。第1のスペーサ40と、第2のスペーサ50の圧着の順番は変更しても良い。さらに、スペーサごとに配置工程と圧着工程を繰り返しても良い。外管30のなかの転造された部位は、外周面及び内周面が縮径されて、第2の縮径部36となる。
【0059】
図6Bを参照する。第2の縮径部36が形成されると、外管30には、相対的に、第1の一般部34,34と、第2の一般部35,35と、第1の空間11と、第2の空間12が形成される。上記の圧着工程を経て、二重管10が得られる。
【0060】
次に、実施例1の効果を説明する。
【0061】
図2Aを参照する。第1のスペーサ40は、外管30の内周面31と、内管20の外周面22とにより圧着されることにより、二重管10の内部で固定されている。即ち、外管30に対して、内管20と、第1のスペーサ40を配置した際に、第1のスペーサ40が内管20の外周面22に当接するとともに外管30の内周面31に当接するような設定は不要である。
【0062】
図4を参照する。詳細には、配置工程において、外管30の内周面31と、内管20の外周面22との径方向の寸法L1は、第1のスペーサ40の厚みT1よりも大きく設定されている(L1>T1)。例えば、ろう付け等による接合の場合、寸法L1と寸法T1とが等しいことが望ましく、高い寸法精度が求められる。一方、圧着の場合、部品同士に隙間が許容され、径方向について高い寸法精度が求められない。二重管10の製造コストを抑えることができる。この効果は、後述する実施例2~実施例5に共通する。
【0063】
図2A、
図5A及び
図5Bを参照する。上記の通り、第1のスペーサ40は、外管30の内周面31と、内管20の外周面22とにより圧着される。そのため、第1のスペーサ40が圧着された状態において、内管20と、外管30と、第1のスペーサ40とを同心円状に位置させることができる(各々の部品の中心線CLが互いに重なる)。二重管10の重心の偏心を抑制できる。
【0064】
図1及び
図2Aを参照する。第1のスペーサ40は、二重管10の中心線CLに沿う方向から見てC字状を呈しており、開口部41を有している。開口部41は、第1のスペーサ40を介して隣接する環状の第1の空間11,11同士を連通する連通路となる。
【0065】
同様に、第2のスペーサ50の開口部51は、第2のスペーサ50を介して隣接する第1の空間11と第2の空間12を連通する連通路となる。そのため、内管20と外管30との隙間には、第1の流体とは異なる流体である第2の流体を流すことが可能な流路とすることができる。
【0066】
加えて、各々のスペーサ40,50,50の周方向の位置を調整することにより、第2の流体の流れを調整することができる。
【0067】
<実施例2>
図7Aを参照する。実施例2では、実施例1の二重管10に対して、内部に第3の流体(二重管10の内部を流れる第1の流体,第2の流体とは異なる流体)を流すことが可能な配管60が取り付けられている。この配管60は、中心線CLに沿って延びている直線状の直管部61(当接部)を有している。直管部61は、外管30の外周面32に対して当接している当接面62を備えている。そのため、配管60の内部に加熱した第3の流体を流すと、外管30及び第1のスペーサ40を介して、内管20を伝熱により加熱することができる。
【0068】
特に、実施例2では、配管60の当接面62は、外管30の第1の縮径部33の外周面33aに当接している(外管30の長さ方向のうち、第1のスペーサ40が圧着されている部位の径方向外側)。当接面62を第1の一般部34に当接する場合と比較すると、内管20を効率的に加熱することができる。
【0069】
図7Bを参照する。中心線CLに沿う方向から見て、中心線CLと、配管60の当接面62とを通過する直線を基準線Aとする。基準線Aと、第1のスペーサ40の一部が重なっている。そのため、内管20をさらに効率的に加熱することができる。
【0070】
なお、基準線A上に、第1のスペーサ40の開口部41が位置してもよい(第1のスペーサ40と基準線Aとが重ならない状態)。即ち、第1のスペーサ40の開口部41の位置を周方向に変化させると、内管20に対する伝熱性の調整が可能となる。
【0071】
さらに、後述する実施例の配管60も含め、配管60には、冷却された流体を流しても良い。
【0072】
実施例2の変形例について説明する。
図8を参照する。実施例2の変形例による二重管110では、内管120の一部を拡径するように塑性変形させることにより、外管130の内周面131と内管120の外周面122とにより、第1のスペーサ140を圧着させている。内管120を拡径する周知技術についての説明は省略する。
【0073】
内管120は、塑性加工により拡径された第1の拡径部123を有している。第1の拡径部123の外周面123aは、第1のスペーサ140の開口部を除いて全周に亘り、第1のスペーサ140の内周面142を径方向外側へ加圧している。
【0074】
外管130は、第1のスペーサ140の外周面143に当接して第1の拡径部123により径方向外側に加圧された第1のスペーサ140を支持している第1の支持部133を有している。
【0075】
第1の支持部133は、第1の拡径部123と共に第1のスペーサ140を径方向に圧縮している部位ともいえる。さらに、外管130は、第1の空間111の外周側の第1の外壁部134を有している。
【0076】
第1のスペーサ140は、第1の拡径部123と第1の支持部133とにより圧着されている圧着部144と、圧着されておらず圧着部144の両端から第1のスペーサ140の長さ方向に延長している延長部145,145と、を有している。即ち、スペーサは、第1のスペーサ140のように少なくとも一部が圧着される構成でもよい。
【0077】
配管60の当接面62は、外管130の長さ方向のうち、第1の拡径部123の径方向外側(圧着部144の径方向外側、第1の支持部133の径方向外側)に位置している。なお、配管60の当接面62の一部を、延長部145,145の径方向外側に位置させてもよい。当接面62を第1の外壁部134の外周面134aに当接する場合と比較すると、内管120を効率的に加熱することができる。
【0078】
<実施例3>
図9Aを参照する。実施例3の二重管210において、外管230は、塑性加工により縮径された第1の縮径部233を有している。第1の縮径部233は、第1のスペーサ240を径方向内側に加圧している加圧部234と、加圧部234の両端に位置し第1のスペーサ240を加圧していない非加圧部235,235と、を有している。非加圧部235,235は、縮径されているが、第1のスペーサ240に接触していない部位ともいえる。中心線CLに沿う方向について、第1のスペーサ240の寸法L3は、第1の縮径部233の寸法L4よりも短い(L3<L4)。なお、寸法L3は、寸法L4と等しいか、または、寸法L4よりも長くてもよい(L3≧L4)。
【0079】
加圧部234の内周面234aは、第1のスペーサ240の開口部241(
図9B参照)を除いて全周に亘り、第1のスペーサ240の外周面243を径方向内側へ加圧している。
【0080】
内管220は、第1の縮径部233により加圧された第1のスペーサ240を支持している第1の支持部223を有している。第1の支持部223の外周面223aは、第1のスペーサ240の内周面244に当接して、第1の縮径部233と共に第1スペーサ240を径方向に圧縮している部位ともいえる。
【0081】
配管250は、第1の縮径部233に対して周方向に当接している。配管250は、外管230の長さ方向のうち、加圧部234の外側に位置している。第1のスペーサ240の寸法L3は、配管250の外径Dの寸法と等しい(L3=D)。なお、寸法L3は外径Dより大きいか(L3>D)、または、外径Dより小さくてもよい(L3<D)。
【0082】
図9Bを参照する。配管250は、中心線CLを中心に円弧状に湾曲している湾曲部251(当接部)を有している。湾曲部251は、外管230の外周面232に当接している当接面252を有している。当接面252のうち任意の部分と、二重管210の中心とを通る直線を基準線Bとする。基準線Bに対して、第1のスペーサ240の一部が重なっている。そのため、配管250は、内管220を効率的に加熱することができる。
【0083】
なお、基準線B上に、第1のスペーサ240の開口部241が位置してもよい。即ち、第1のスペーサ240の開口部241の位置を周方向に変化させると、配管250から内管220への伝熱性の調整が可能となる。
【0084】
<実施例4>
図10Aを参照する。二重管310は、二重管310そのものの一部が曲げられている。二重管310のうち、直線状に延びている部位を直管部311,313,315とし、曲げ加工により曲げられた部位を曲げ部312,314と称する。
【0085】
詳細には、二重管310は、一端310a側の第1の直管部311と、第1の直管部311に隣接する第1の曲げ部312と、第1の曲げ部312に隣接する第2の直管部313と、第2の直管部313に隣接する第2の曲げ部314と、第2の曲げ部314に隣接し他端310b側の第3の直管部315と、を有している。なお、二重管310全体が曲がっている形状(直管部がない形状)でもよい。
【0086】
内管320と外管330との間に配置されているスペーサ340は、二重管310の一端310aから他端310bに亘って連続して設けられている単一の部材である。このスペーサ340は、内管320の外周面322に対して巻き付くような螺旋状を呈している。
【0087】
図10Bを参照する。スペーサ340は、第2の直管部313において、内管320の外周面322と、外管330の内周面331とにより、圧着されている。スペーサ340の巻き付く方向(矢印(1)参照)に沿って見て、スペーサ340の断面は矩形状を呈している。矩形のなかの外側の長辺341aは、外管330の内周面331に当接している。矩形のなかの内側の長辺341bは、内管320の外周面322に当接している。
【0088】
二重管310の製造方法について説明する。
【0089】
図11Aを参照する。最初に、内管320と、内管320を内部に配置可能な外管330と、内管320と外管330との隙間を保つための螺旋状のスペーサ340を準備する(準備工程)。
【0090】
次に、外管330に対して、内管320及びスペーサ340を配置する(配置工程)。例えば、内管320に対して螺旋状のスペーサ340を巻きつけるように取り付け、スペーサ340が巻きつけられた内管320を外管330に挿入するが、その配置の仕方は問わない。
【0091】
中心線CLを中心に、内管320、外管330、スペーサ340を同心円状に配置した状態において、内管320の外周面322と、外管330の内周面331との径方向の寸法を寸法L5とする。この寸法L5は、スペーサ340の厚みT2よりも大きい(L5>T2)。
【0092】
図12A及び
図12Bを参照する。次に、加工機350によって、外管330の一部を縮径するように塑性変形させ、外管330の内周面331と内管320の外周面322とにより、スペーサ340を圧着する(圧着工程)。
【0093】
加工機350は、外管330の外周面332を囲うように周方向に配置され径方向に移動可能な複数の金型351を有する。各々の金型351の径方向内側の先端面352は、外管330の外周面332を押圧可能である。各々の金型351が同時に外管330の外周面332を押圧することにより外管330が縮径される。スペーサ340は、外管330の内周面331と、内管320の外周面322とにより圧着される。
【0094】
なお、上記の通り、スペーサ340は、二重管310の一端310aから他端310bに亘り配置されている。外管330のうち任意の位置で圧着可能である。
【0095】
図12Cを参照する。最後に、圧着工程を経て縮径部333が形成された外管330に対して曲げ加工を施すこと(曲げ工程)により、曲げ部312,314を備えた二重管310が得られる。
【0096】
上記の通り、内管320と外管330との間に配置されたスペーサ340は螺旋状である。このスペーサ340を曲げると、隣接する部位同士の間隔が近づく。曲げ工程において、曲げ加工が容易となる。スペーサ340は曲げ部を含む二重管310に適している。
【0097】
図10Bを参照する。スペーサ340の巻き付く方向に沿って見て、スペーサ340の断面は矩形状を呈している。断面が円のスペーサ(コイル状のスペーサ)と比較すると、スペーサ340と、外管330の内周面331及び内管320の外周面322に対する接触面積が増える。圧着工程において互いに接触する部分に生じる力が分散され、内管320及び外管330の変形を抑制できる。なお、外管330と、内管320と、スペーサ340の各々の部品の材質や厚みを適宜変更して、組み合わせることにより、各々の部品の変形の程度も調整可能となる。
【0098】
<実施例5>
図13Aには、実施例5の二重管400を構成する部材が示されている。実施例1の二重管10と共通する構成については、符号を流用するとともに説明を省略する。二重管は、内管20と、外管30と、第1のスペーサ40Aと、第2のスペーサ50A,50Aと、を備えている。
【0099】
図14Aには、実施例1の第1のスペーサ40が示されている。第1のスペーサ40の長さは長さLである。開口部41の長さも長さLである。開口部41の幅は幅Wである。開口部41は中心線CLに沿って延びている。即ち、開口部41の幅Wは、第1のスペーサ40の長さ方向の一端から他端に亘り一定である。
【0100】
図13B及び
図14Bを参照する。実施例5の第1のスペーサ40Aは、全体として略円筒状であり、中心線CLに沿う方向から見てC字状となるように、スリット状の開口部41Aを有している。この開口部41は、中心線CLに対して斜めに設定されている。
【0101】
第1のスペーサ40Aについては、第1のスペーサ40Aの長さは長さLである。開口部41Aの幅は幅Wである。開口部41Aの長さは長さL1である。開口部41Aは、互いに対向している第1の面46Aと、第2の面47Aと、から構成されている。中心線CLに対する第1の面46Aの角度と、第2の面47Aの角度とは、共に、傾斜角θとする。
【0102】
第1の面46Aの長さ方向についての両端のうち、中心線CLに近い端を第1の端部46Aaとする。第2の面47Aの長さ方向についての両端部のうち、中心線CLに近い端を第2の端部47Aaとする。
【0103】
開口部41Aの幅Wと同一方向を基準とする寸法について、第1の端部46Aaと、第2の端部47Aaとの間隔を間隔Dとする。この間隔Dは、実施例1の第1のスペーサ40の開口部41の幅Wよりも短くなる(D<W)。なお、実施例5の第1のスペーサ40Aの開口部41の長さL1は、実施例1の第1のスペーサ40の開口部41の長さLよりも長くなる(L1>L)。
【0104】
実施例5の効果を説明する。
【0105】
図15Aを参照する。実施例1において、加工機350の金型351の先端面352(押圧面)の幅を幅Mとする。金型351の先端面352(押圧面)の幅Mよりも、開口部41の幅Wが広い場合(M<W)、径方向(押圧方向)について、第1のスペーサ40に対して金型351の先端面352が重ならない場合がある。塑性加工を施す際に、外管30のうち、第1のスペーサ40の開口部41の径方向外側の部位は局所的に変形する虞がある。
【0106】
図14B及び
図15Bを参照する。実施例5では、第1のスペーサ40Aの開口部41Aは、中心線CLに対して斜めに設定されている。実施例1の第1のスペーサ40と同様に、実施例5の第1のスペーサ40Aの開口部41Aの幅は幅Wであるが、第1端部46Aaと、第2端部47Aaとの間隔Dは、幅Wよりも短い(D<W)。金型351の先端面352は、第1のスペーサ40Aのなかの第1の端部46Aa周辺の部位48A、又は、第1のスペーサ40Aのなかの第2の端部47Aaの周辺の部位49Aの少なくともいずれか一方に対して、径方向(押圧方向)について重なりやすくなる。
【0107】
圧着後の二重管400の内周面及び外周面の形状が安定する。結果として、他の構成部品との嵌合や組付けの精度が向上し、ろう付け等の高い寸法精度が求められる接合にも対応できる。
【0108】
なお、
図15Bでは、複数の金型351のうちの1つの金型351の先端面352が、第1の端部46Aa周辺の部位48Aと、第2の端部47Aaの周辺の部位49Aの双方に重なっているが、
図16に示されるように、周方向に互いに隣接する金型351,351のうち、一方の金型351の先端面352が、圧着時に第1の端部46Aa周辺の部位48Aと重なり、かつ、他方の金型351の先端面352が、圧着時に第2の端部47Aa周辺の部位49Aと重なる構成でもよい。
【0109】
さらに、第1のスペーサ40Aの開口部41Aの幅Wを、金型の幅Mよりも小さく設定してもよい。これにより、金型と第1のスペーサ40Aなかの部位48A,49Aとが、径方向について確実に重なる。
【0110】
以上をまとめると、実施例5の第1のスペーサ40Aでは、間隔Dが開口部の幅Wよりも短くなる。そのため、実施例1の第1のスペーサ40と比較すると、金型の種類を問わず、金型が第1のスペーサ40Aに重なりやすくなる。
【0111】
なお、開口部41の幅W、傾斜角θは、適宜変更することができる。特に傾斜角θを大きくすると、間隔Dが小さくなる。この間隔Dが"0"となるように傾斜角θを設定しても良い。さらには、間隔Dがマイナスとなるように傾斜角θを設定してもよい。
【0112】
上記の第1のスペーサ40Aの構成について説明は、第2のスペーサ50A(
図13A参照)の開口部51Aにも適合する。さらに、第1のスペーサ40Aは、内管20を拡径するような塑性加工を施す際にも効果を発揮する。さらに、第1のスペーサ40Aは、実施例2(
図7,
図8)、実施例3(
図9)にも採用しても良い。
【0113】
なお、各実施例における二重管及び配管の構成要素、二重管の製造方法は適宜組み合わせることができる。即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例1~5に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0114】
10…二重管
20…内管、22…外周面
30…外管、31…内周面、32…外周面
40,40A…第1のスペーサ
50,50A…第2のスペーサ
60…配管、61…直管部(当接部)、62…当接面
110…二重管
120…内管、122…外周面
130…外管、131…内周面
140…第1のスペーサ
210…二重管
220…内管
230…外管、232…外周面
240…第1のスペーサ
250…配管、251…湾曲部、252…当接面
310…二重管
312…第1の曲げ部
314…第2の曲げ部
320…内管、322…外周面
330…外管、331…内周面
340…螺旋状のスペーサ
400…二重管
CL‥中心線
A‥基準線
B‥基準線
M…金型の幅
W…スペーサの開口部の幅