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特開2022-37639情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037639
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20220302BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220302BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141872
(22)【出願日】2020-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】515090628
【氏名又は名称】株式会社スリーダム
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】松村 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】原田 雅子
(72)【発明者】
【氏名】有川 智章
(72)【発明者】
【氏名】薩川 誠司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数のユーザー間で貸し借り可能な電力供給装置(電池)と、その貸し借りを管理可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム1000において、情報処理装置(サーバ装置100)は、管理部と、決定部と、を有する制御部を備える。管理部は、自走する電池装置110を管理する。電池装置は、第1のユーザーの電池装置である第1の電池装置111を含む。第1の電池装置を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、決定部は、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、に基づいて、第2のユーザーが第1のユーザーに返す対価を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
管理部と、決定部と、を有し、
前記管理部は、自走する電池装置を管理し、
前記電池装置は、第1のユーザーの電池装置である第1の電池装置を含み、
前記第1の電池装置を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、前記決定部は、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、に基づいて、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す対価を決定する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
表示制御部を有し、
前記表示制御部は、前記第1のユーザーが前記第2のユーザーから返してもらう対価を示す値を含む画面を前記第1のユーザーの端末または前記第2のユーザーの端末の表示部に表示するよう制御する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記決定部は、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、電力の由来と、に基づいて、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す対価を決定する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記決定部は、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、前記第1のユーザーと前記第2のユーザーとの距離と、に基づいて、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す対価を決定する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
対価選択部を有し、
前記対価選択部は、前記第1のユーザーに返す対価の種類を前記第2のユーザーが選択可能とする、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置において、
前記対価の種類は、電力である、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置において、
前記電池装置は、前記第2のユーザーの電池装置である第2の電池装置を含み、
前記決定部は、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す電力量を決定する、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記決定部は、前記第2の電池装置が前記第1の電池装置に返す電力量を決定する、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記管理部は、前記第1の電池装置の電力残量が所定値以下の場合、前記第1の電池装置を充電する機器を選択する、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置において、
前記管理部は、前記第1の電池装置を充電する機器を、前記電池装置の中から選択する、
情報処理装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記対価は、貸していた電力量に加えて利子分を含む、
情報処理装置。
【請求項12】
情報処理システムであって、
管理部と、決定部と、を有し、
前記管理部は、自走する電池装置を管理し、
前記電池装置は、第1のユーザーの電池装置である第1の電池装置を含み、
前記第1の電池装置を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、前記決定部は、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、に基づいて、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す対価を決定する、
情報処理システム。
【請求項13】
情報処理方法であって、
管理工程と、決定工程と、を含み、
前記管理工程では、自走する電池装置を管理し、
前記電池装置は、第1のユーザーの電池装置である第1の電池装置を含み、
前記決定工程では、前記第1の電池装置を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、に基づいて、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す対価を決定する、
情報処理方法。
【請求項14】
プログラムであって、
コンピュータを、請求項1から請求項11までの何れか1項に記載の情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のユーザーが共同でものやサービスを使用したり、過剰量を有するユーザーが需要者である他のユーザーに適宜提供又は貸与するといった、シェアリングエコノミーが注目されている。その一例として、特許文献1には、複数のユーザー間で貸し借り可能な電力供給装置(電池)と、その貸し借りを管理可能なシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-164639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される先行技術は、電池の貸し借りを管理することを開示しているに過ぎず、電力そのものの貸し借りを管理することを開示していない。仮に電力の貸し借りを行うとするならば、使用予定量に対して過剰な電力を保有するユーザーが、他のユーザーの需要に応えることで、電力の需給バランスを保つことが考えられるが、その際、貸し借りを行ったユーザー間での対価をどのように決めるかが問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、管理部と、決定部と、を有する。管理部は、自走する電池装置を管理する。電池装置は、第1のユーザーの電池装置である第1の電池装置を含む。第1の電池装置を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、決定部は、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、に基づいて、第2のユーザーが第1のユーザーに返す対価を決定する。
【0006】
上記の開示によれば、電力売買における電力の対価を適正に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
図2】サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】サーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。
図4】[図4A]記憶部220に記憶される情報の一例を示す図である。[図4B]電力貸与情報224のデータ構造を示す図である。[図4C]利率情報225のデータ構造を示す図である。
図5】制御部210による情報処理の一例を示すフローチャートである。
図6】サーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。
図7】第1のユーザーの利子設定画面の一例を示す図である。
図8】第2のユーザーが充電を希望する際に参照する画面412を示す図である。
図9】第2のユーザーが充電を希望する際の複数の電池装置110の条件に基づきグラフ化した図である。
図10】第2のユーザーが充電を希望した際の第1のユーザーの端末に表示される画面の一例である画面511を示す図である。
図11】第2のユーザーが充電を希望した際の第1の電池装置111の情報処理の一例を示すフローチャートである。
図12】電力を貸した第1のユーザーが電力を借りた第2のユーザーから返してもらう対価を示す値を含む、第2のユーザーの端末に表示される画面611を示している。
図13】電力を貸した第1のユーザーが電力を借りた第2のユーザーから返してもらう対価を示す値を含む、第1のユーザーの端末に表示される画面711である。
図14】サーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。
図15】第2のユーザーが充電を希望する際の複数の電池装置110の条件を確認する画面411を示す図である。
図16】制御部210による情報処理の一例を示すフローチャートである。
図17】制御部210による情報処理の一例を示すフローチャートである。
図18】制御部210による充電機器選択の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
<実施形態1>
実施形態1について説明する。
1.情報処理システム1000の構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1000は、サーバ装置100、複数の電池装置110、蓄電池120及びネットワーク130を有する。サーバ装置100は、ネットワーク130を介して、複数の電池装置110及び蓄電池120と通信可能に接続されている。
【0013】
複数の電池装置110は、それぞれ車輪を有し、自身の電力によって予め定められたエリア内を自走する装置である。複数の電池装置110は、それぞれが別々のユーザーによって所有されていてもよく、例えば、第1のユーザーの電池装置110である第1の電池装置111及び第2のユーザーの電池装置110である第2の電池装置112を含む。複数の電池装置110は、エリア内の蓄電池120に電力を供給する。また、複数の電池装置110は、エリア内の蓄電池120から電力の供給を受ける。さらに、複数の電池装置110は、それぞれが互いに電力を供給してもよい。サーバ装置100は、情報処理装置の一例である。
【0014】
蓄電池120は、複数の電池装置110のうちの少なくともいずれかの電池装置(以下、単に電池装置と記載する場合がある。)から電力の供給を受ける機器の一例である。蓄電池120は、電池で動く車、バイク、自転車、船等の電動式の乗り物、充電可能な家電等であってもよい。蓄電池120は電池装置から直接電力の供給を受けてもよいし、何らかの機器を介して電池装置から電力の供給を受けてもよい。蓄電池120は、家庭の電化製品に対して電力を供給する装置である。
【0015】
2.サーバ装置100のハードウェア構成
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、サーバ装置100は、制御部210、記憶部220、表示部230、入力部240及び通信部250を有する。制御部210は、CPU(Central Processing Unit)等であって、サーバ装置100の全体を制御する。記憶部220は、種々のプログラム及びデータを記憶するものであり、例えばメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。また、記憶部220は、制御部210がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶する。そして、記憶部220に記憶されているプログラムに基づいて制御部210が処理を実行することにより、後述する図3図6及び図14の機能構成並びに後述する図5図11図16図17及び図18のフローチャートの処理が実現される。なお、記憶部220に関して、少なくとも一部の情報が記憶部220以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0016】
表示部230は、テキスト、画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、任意のディスプレイにより構成される。入力部240は、サーバ装置100に種々の情報を入力するものであり、マウス、キーボード、ポインティングデバイス等により構成される。通信部250は、NIC(Network Interface Card)等であって、サーバ装置100をネットワーク130に接続し、有線接続又は無線接続により他の装置又は構成要素とデータ通信可能に構成される。
【0017】
3.サーバ装置100の機能構成
図3は、サーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。図4Aは、記憶部220に記憶される情報の一例を示す図である。図3に示すように、制御部210は、管理部310と、決定部320と、を有する。
【0018】
管理部310は、記憶部220に記憶された種々の情報を読み出して情報処理システム1000を管理する。より具体的には、管理部310は、記憶部220に格納されている情報を読み出し、自走する複数の電池装置110の動作を制御する。
【0019】
図4Aに示すように、記憶部220には、識別情報221、電力残量情報222、位置情報223、電力貸与情報224及び利率情報225から構成されるデータが複数の電池装置110の台数分格納されている。図4Bは、電力貸与情報224のデータ構造を示す図である。図4Cは、利率情報225のデータ構造を示す図である。
【0020】
識別情報221は、複数の電池装置110それぞれを識別する情報である。例えば、識別情報221には、複数の電池装置110それぞれを特定するためのユニークなIDが設定される。電力残量情報222は、複数の電池装置110の電力残量を示す情報である。すなわち、電力残量情報222は、複数の電池装置110それぞれが蓄積している電力量が設定されている。位置情報223は、複数の電池装置110それぞれの位置を示す情報である。例えば、位置情報223には、複数の電池装置110それぞれが位置する場所の緯度と経度が設定されている。
【0021】
図4Bに示すように、電力貸与情報224は、第1の電池装置111を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、貸した相手(この場合、第2のユーザー)を示すユーザーIDと、貸与電力量と、貸与日時と、を示す情報である。ここで、ユーザーIDは、ユーザーを特定するための固有のIDを示す。貸与電力量は、通常、単位を「kW」として管理される。貸与日時は、第2のユーザーの機器に対して実際に電力を貸した日時を示す。
【0022】
図4Cに示すように、利率情報225は、電力を貸した時点で第1のユーザーと第2のユーザーとの間で合意された利率を示す情報である。すなわち、合意された利率に基づいて第1の電池装置111を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸す行為が行われる。利率情報225には、貸した時点からの日数に応じて複数の利率が設定されている。図4Cは、電力を貸した日から起算して、7日までの利率、14日までの利率、30日までの利率、60日までの利率、61日以降の利率が設定されている例を示している。
【0023】
決定部320は、電力貸与情報224および利率情報225に基づいて、第1の電池装置111を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、電力を貸した時点で合意した利率に基づいて、第2のユーザーが第1のユーザーに返す対価を決定する。ここで、対価は、電力であってもよいし、金銭であってもよく、どちらを選択するかは、第1のユーザーと第2のユーザーとの合意により決定される。また、対価は、原則として、貸していた電力量に加えて利子分を含む概念である。この利子分は、上述の通り、利率情報225に設定された利率、すなわち、第1のユーザーと第2のユーザーとの間で予め合意された利率を鑑みて算出される。
【0024】
ここで、識別情報221におけるIDは、前述のように電池装置のIDを示し、電力貸与情報224におけるユーザーIDは、前述のようにユーザーのIDを示す。なお、図示しないが、記憶部220は、識別情報221ごとに、電池装置の所有者情報を紐付けしている。したがって、1人のユーザーが複数の電池装置を保有する場合があっても、識別情報221と電力貸与情報224とが紐付けされることによって、どのユーザーがどの電池装置を保有しているかがわかるように構成されている。
【0025】
4.情報処理
次に、決定部320による処理について図5を用いて説明する。図5は、制御部210による情報処理の一例を示すフローチャートである。決定部320は、記憶部220に格納されている電力貸与情報224から、貸した相手と貸していた電力量を読み出す(S210)。次に、決定部320は、電力貸与情報224から、電力を貸した日時を読み出し、電力を貸していた期間を算出する(S220)。次に、決定部320は、利率情報225から、第1のユーザーと第2のユーザーとの間で合意された利率を読み出す(S225)。なお、S210とS220とS225の順序は図5に示すフローチャートに記載された順番でなくてもよいし、1回の読み出し処理において同時に読み出してもよい。
【0026】
決定部320は、S210、S220、S225で得た情報に基づいて、対価を算出する(S230)。ここで、対価の算出とは、対価の量を算出すること、すなわち、電力であれば電力量、金銭であれば金額を算出することである。次に、決定部320は、第2のユーザーが第1のユーザーに返す対価の返還方法を決定する(S240)。
【0027】
なお、電力料金の返還方法については、電力もしくは金銭とすることができる。電力料金の返還方法は、例えば、サーバ装置100が管理するエリア内において電力もしくは金銭のいずれか一方が設定されていてもよいし、予め第1のユーザーによって設定されてもよいし、任意のタイミングで、第1のユーザーと第2のユーザーとの間で調整を行った上で設定されていてもよい。
【0028】
また、実施形態1では、サーバ装置100が複数の電池装置110を管理しているため、複数の電池装置110のそれぞれが直接通信を行うメッシュ通信と比べて、通信量を減らすことができる。
【0029】
以上をまとめると、この情報処理方法は、管理工程と、決定工程と、を含む。管理工程では、自走する複数の電池装置110を管理する。ここで複数の電池装置110は、第1のユーザーの電池装置110である第1の電池装置111を含む。決定工程では、第1の電池装置111を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、第1のユーザーと第2のユーザーと間で合意された利率に基づいて、第2のユーザーが第1のユーザーに返す対価を決定する。
【0030】
実施形態1において、それぞれの電池装置110に所有者情報が紐付けられていることで、貸し手である第1のユーザーと借り手である第2のユーザーを明確に管理することが可能となる。さらに、電池装置110が自走可能な態様を採用することによって、貸し借りを行う第1のユーザーと第2のユーザーとが、連絡を取り合ったり直接会って電池装置110の受け渡しをすることなく、より気軽に電力の貸し借りを行うことができるようになる。また、貸していた電力量と電力を貸していた期間と合意された利率とに基づいて対価を決定することによって、電力供給に対する対価を適正に決定することができる。すなわち、第1のユーザーは、貸していた電力量に相当する電力又は金銭に加えて利子を受け取ることができる。
【0031】
<変形例1>
変形例1について説明する。変形例1では、実施形態1と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0032】
図6は、サーバ装置100の機能構成の他の一例を示す図である。図6に示すように、制御部210は、図2に示す機能構成において、さらに表示制御部330を有する。表示制御部330は、電力を他のユーザーの装置に貸与する際の利率を設定する画面や、貸与状況を確認する画面を第1のユーザーの端末の表示部に表示するよう制御する。また、表示制御部330は、第2のユーザーが第1のユーザーに返す対価を示す値を含む画面を第2のユーザーの端末の表示部に表示するよう制御する。第1のユーザーの端末および第2のユーザーの端末は、スマートフォン、携帯電話、テレビ、パソコン等のユーザーが用いる機器を示し、表示部はこれらのディスプレイを示す。ここでは、表示制御部330が画面を生成し、第1のユーザーや第2のユーザーの端末の表示部に表示するものとして説明を行う。ただし、表示制御部330は、画面を生成するためのデータを第1のユーザーや第2のユーザーの端末に送信するようにしてもよい。このような構成の場合、データを受信したユーザーの端末が、データに基づき画面を生成し、表示部に表示する。このような処理も表示制御に含まれる。
【0033】
変形例1において、表示制御部330が第1のユーザーや第2のユーザーの端末に表示させる画面を生成し、第1のユーザーや第2のユーザーの端末に表示させることによって、第1のユーザーや第2のユーザーが、電力の売買によりどの程度の対価が生じているのかを適宜把握することができる。
【0034】
<変形例2>
変形例2を説明する。変形例2では、実施形態1、変形例1と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0035】
変形例2では、サーバ装置100の機能を複数の電池装置110のうち、何れか1つの電池装置が担うものとする。変形例2において、サーバ装置100の機能を担う電池装置のことを、マスター電池装置と呼ぶ。このような構成の場合、複数の電池装置110それぞれが、マスター電池装置のアドレス情報(例えば、IPアドレス)に基づき、マスター電池装置と通信を行う。マスター電池装置のIPアドレスは、予めマスター電池装置以外の複数の電池装置110に設定されているものとする。ここで、IPアドレスは、マスター電池装置を識別するアドレス情報の一例であり、マスター電池装置を一意に特定できるアドレス情報であれば、IPアドレスに限定されない。
【0036】
変形例2によれば、サーバ装置100を設置することなく、マスター電池装置を介して、貸していた電力量と電力を貸していた期間とに基づいて、電力供給に対する適正な対価を決めることができる。
【0037】
<変形例3>
変形例3を説明する。変形例2では、実施形態1、変形例1及び変形例2と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0038】
上述した実施形態1、変形例1及び変形例2では、一つのサーバ装置100あるいは一つのマスター電池装置が処理を行うものとして説明を行った。しかしながら、一つのサーバ装置100あるいは一つのマスター電池装置が全ての処理を行うとした場合、サーバ装置100あるいはマスター電池装置に不測の事態が発生すると全てのサービスが停止提示してしまうことが懸念される。そのため、一つのサーバ装置100あるいは一つのマスター電池装置が行う処理を複数の装置、例えば、複数の第2のサーバ装置から構成される情報処理システムが行うことも考えられる。
【0039】
このとき、第2のサーバ装置それぞれの記憶部に記憶されたプログラムに基づき、第2のサーバ装置が処理を実行することで実現される。例えば、識別情報221に応じて管理を担当する第2のサーバ装置を割り当て、識別情報221に基づいて特定することで、ある第2のサーバ装置に不測の事態が発生した場合であっても、情報処理システム内での影響を最小限に抑えることができる。ここで、サーバ装置100の処理を実行する複数の装置が、複数の蓄電池120であってもよい。なお、情報処理システムの代わりに、クラウドシステムが主体となって処理を行うようにしてもよい。
【0040】
また、サーバ装置100あるいはマスター電池装置の処理を実行する複数の装置が、例えば、所定エリア内の全ての電池装置110と全ての蓄電池120が担務する構成としてもよい。このとき、所定アリア内のすべての電池装置110と全ての蓄電池120がそれぞれ自身の蓄電量を管理し、複数の装置間で通信を行い、それぞれの機器の記憶部に記憶されたプログラムに基づき、電力の売買に関する処理を実行することで実現される。
【0041】
この構成において、電池装置110あるいは蓄電装置120を保有する第1のユーザーが、第2のユーザーが保有する他の電池装置110あるいは蓄電装置120の保有電力を鑑みて、第2のユーザーに対して充電の要否を確認することができる。このように、一つのサーバ装置100あるいは一つのマスター電池装置の処理を、所定のエリア内の全ての電池装置110および全ての蓄電池120が担務することにより、電池装置110もしくは蓄電池120のいずれかに不測の事態が発生した場合に、その影響が及ぶ範囲を当該電池装置110あるいは当該蓄電池120のみに抑えることができる。
【0042】
<変形例4>
変形例4について説明する。変形例4では、実施形態1、変形例1、変形例2及び変形例3と重複する部分の説明は適宜省略する。
上述した実施形態1等では、複数の電池装置110のうちの少なくともいずれかの電池装置から電力の供給を受ける機器が蓄電池120であるとして説明を行った。しかし、これに限定されず、複数の電池装置110のうちの少なくともいずれかの電池装置から電力の供給を受ける機器が、複数の電池装置110のうち、電力を供給する電池装置以外の電池装置であってもよい。
【0043】
変形例4によれば、電池装置間での電力売買が可能となり、所定のエリア内における電力売買を活性化させることができ、その電力売買における適正な対価を決定することができる。
【0044】
<変形例5>
変形例5について説明する。変形例5では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3及び変形例4と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0045】
ここで、第1のユーザーが利率を決定する仕組みについて説明する。図7は、第1のユーザーの利子設定画面の一例を示す図である。第1のユーザーは、図7においては、ユーザーID:2222に対応するユーザーである。第1のユーザーが利率の見直しを行う場合、第1のユーザーが所定の操作を行うことにより、第1のユーザーのスマートフォンに画面811が表示される。
【0046】
図7においては、電力を貸す期間を例えば5つに分け、それぞれの期間に対応する利率を設定できるようにしている。第1のユーザーは、任意のタイミングで利率の見直しを行うことができる。なお、利率の見直しを行っている時点で、既に第2のユーザーに電力を貸している場合は、見直し中あるいは見直し後の利率ではなく、第2のユーザーに電力を貸した時点における利率が適用される。
【0047】
なお、図7においては、見直し後の利率欄を空欄にした場合、現在の設定値を引き継ぐこととしているが、画面811を表示させた時点で、見直し後の利率欄に現在の設定値を表示させてもよい。また、第2のユーザーに貸した電力の対価を返還してもらう際の返還方法を指定することができる。図7においては、第1のユーザーが電力での返還を希望し、電力のチェックボックスにチェックを入れている。その後、第1のユーザーによって「決定」ボタン820がクリックされることで、見直し後の利率と指定した対価返還方法とが適用される。
【0048】
上述の通り、第1のユーザーは対価の返還方法を指定することが可能である。また、後述する図12に示すように、第2のユーザーの画面611には、借りた電力に対する対価(金額及び電力量)が記載されており、「電力での返還」ボタン640、「金銭での返還」ボタン630をそれぞれクリックすることで、電力での返還、あるいは金銭での返還を行うことができる。ただし、図7に示す画面811で、第1のユーザーが電力での返還もしくは金銭での返還のいずれか一方を指定していた場合、第2のユーザーの画面611においては、第1のユーザーが指定した返還方法のボタンのみがアクティブとなり、他方はインアクティブとなる。
【0049】
<変形例6>
変形例6について説明する。変形例6では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4及び変形例5と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0050】
図8は、第2のユーザーが充電を希望する際に参照する画面412を示している。画面412は、複数の第1のユーザーそれぞれが、図7に示す画面で設定した保有電力と期間ごとの利率を、複数の電池装置110それぞれに付与された識別情報221ごとに一覧で確認できる画面である。
【0051】
ここで、第2のユーザーのスマートフォンの画面412への表示対象は、全ての電池装置110であってもよいし、第2のユーザーから所定の範囲内に位置する複数の電池装置110であってもよい。あるいは、利率の条件など、あらかじめ第2のユーザーが設定した条件に合致する複数の電池装置110としてもよい。なお、ここでは条件設定画面の記載は省略する。
【0052】
第2のユーザーは、図8に示した一覧表示に基づいて、どの電池装置110から充電してもらうかを対比させて決定することができる。なお、表示すべき複数の電池装置110の件数が多く、画面412に収まらない場合は、スクロールバーを設けることや、ボタン制御により改ページを行うなどして、対象となる全ての情報を閲覧可能としてもよい。また、低利率など、第2のユーザーにとって条件がよい電池装置110に関する情報を抜き出して、画面412内に収まるように調整してもよい。
【0053】
第2のユーザーが、図8に示す画面412において充電希望量と返還予定(電力を借りた日からの経過日数)を入力した後に「利子見積」ボタン430をクリックすると、画面412から図9に示す画面413に遷移する。図9は、第2のユーザーが充電を希望する際の複数の電池装置110の条件に基づきグラフ化した図である。すなわち、画面413には、画面412で表示されていた利率に基づき、借りている期間に応じて、利子の変動がグラフ化されて表示される。
【0054】
このように、第2のユーザーが第1のユーザーに電力を返還する予定日におけるそれぞれの電池装置110の利子をひと目で比較できる。なお、図9においては、利子を金額で表示する態様を示しているが、返還する電力量を表示させてもよい。また、図9においては、利子を表示する態様を示しているが、利子を含めた対価を表示させてもよい。
【0055】
したがって、第2のユーザーは、返還予定日とその日の利子とを比較して、どの電池装置から充電してもらうかを適切に選択することができる。第2のユーザーは、「前画面に戻る」ボタン460をクリックすると、画面412を再び確認することができる。
【0056】
<変形例7>
変形例7について説明する。変形例7では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4、変形例5及び変形例6と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0057】
第2のユーザーが、図8の画面412において第1の電池装置111を選択し、「決定」ボタン440をクリックすると、第1のユーザー(図7においては、ユーザーID:2222の電池装置110)に対して充電依頼が送信される。第2のユーザーは、第1のユーザーから承諾あるいは拒否のいずれかをもらうまで待機する。ここで、充電依頼が送信されてから承諾あるいは拒否のいずれかをもらうまで、所定の有効時間が予め設定されていると好ましい。
【0058】
第2のユーザーは、第1のユーザーから承諾をもらうと、第1の電池装置111からの充電処理が開始される。より詳細には、第1の電池装置111が第2のユーザーがいる場所まで移動して充電処理を行う。なお、第2のユーザーは、第1のユーザーへの充電依頼に対し第1のユーザーから拒否された場合、又は有効時間が過ぎた場合、図8に示す画面412を表示させ、他の電池装置110を選択する必要がある。
【0059】
図10は、第2のユーザーが充電を希望した際の第1のユーザーの端末に表示される画面の一例である画面511を示す図である。第2のユーザーから第1のユーザーに充電依頼された場合、第1のユーザーのスマートフォンに画面511が表示される。画面511には、第2のユーザーの情報と第2のユーザーへの提示内容が表示される。第1のユーザーは、画面511に表示された情報に基づいて、充電依頼を承諾する場合には「承諾」ボタン520をクリックし、拒否する場合には「拒否」ボタン530をクリックすればよい。なお、第1のユーザーが拒否した場合、第2のユーザーは、図8に示す画面412において、他の電池装置110を選択する必要がある。
【0060】
また、充電依頼に際し、例えば、5時間後にどこで充電してほしいというように、今すぐではなく、少し先の充電を依頼してもよい。なお、このときの条件設定画面は記載を省略する。この場合に、所定の有効時間に充電希望時間に応じた時間を加算することで、有効時間に猶予を持たせることができるため、第1のユーザーに対し、承諾するか拒否するかを考える時間を十分に与えることができる。
【0061】
変形例7においては、充電を希望する第2のユーザーから電力を保有する第1のユーザーに充電依頼をする対応を示した。第2のユーザーから第1のユーザーに充電依頼をする以外に、第1のユーザーから第2のユーザーに充電を提案することもできる。より詳細には、第1のユーザーの画面において、蓄電している電力が少ない電池装置を保有する第2のユーザーに対し、充電を提案することができる。このように、第1の電池装置111が電力を過剰に保有している場合に、保有電力を供給して対価を得ることができる。
【0062】
<変形例8>
変形例8について説明する。変形例8では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6及び変形例7と重複する部分の説明は適宜省略する
【0063】
図11は、第2のユーザーが充電を希望した際の第1の電池装置111の情報処理の一例を示すフローチャートである。図示しない第1の電池装置111の制御部(変形例8の説明において、単に「制御部」と記載する。)は、充電依頼ありと判断すると(S410のYES)、充電依頼に対して承諾されたか否かを判断する(S420)。制御部は、承諾されなかったと判断すると(S420のNO)、処理フローを終了する。制御部は、承諾されたと判断すると(S420のYES)、第1の電池装置111を充電先に移動させる(S430)。そして、制御部は、第1の電池装置111から第2のユーザーの機器(例えば、第2の電池装置112)に充電処理を行い(S440)、第1の電池装置111を元の場所に移動させる(S450)。
【0064】
<変形例9>
変形例9について説明する。変形例9では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6、変形例7及び変形例8と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0065】
図12は、電力を借りた第2のユーザーが電力を貸した第1のユーザーに返す対価を示す値を含む、第2のユーザーの端末に表示される画面611を示している。画面611は、第2のユーザーのスマートフォン等に表示される。画面611には、第1の電池装置111から充電された充電量、貸した期間に応じた利率、充電日、充電日からの経過日数、金銭で返還する場合の金額、電力で返還する場合の電力量等が表示されている。ここで、金銭で返還する場合の金額および電力で返還する場合の電力量は、充電日からの経過日数と貸した期間に応じた利率に基づいて算出される。
【0066】
画面611は、例えば毎日所定の時間に表示されてもよいし、第2のユーザーのスマートフォン等における操作により任意のタイミングで表示されてもよい。第2のユーザーは、表示内容を閲覧した後に「確認」ボタン620をクリックすることで確認処理が完了する。第2のユーザーが、第1のユーザーに対価を返す場合、画面611の表示内容を閲覧した後、金銭で返す場合は「金銭での返還」ボタン630をクリックし、電力で返す場合は「電力での返還」ボタン640をクリックする。これで、第1のユーザーに対価を返す処理を完了する。ただし、図7に示す画面811で、第1のユーザーが電力での返還もしくは金銭での返還のいずれか一方を指定していた場合、第2のユーザーの画面611においては、第1のユーザーが指定した返還方法のボタンのみがアクティブとなり、他方はインアクティブとなる。
【0067】
<変形例10>
変形例10について説明する。変形例10では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6、変形例7、変形例8及び変形例9と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0068】
図13は、電力を貸した第1のユーザーが電力を借りた第2のユーザーから返してもらう対価を示す値を含む、第1のユーザーの端末に表示される画面711である。画面711は、第1のユーザーのスマートフォン等に表示される。画面711には、第1の電池装置111が充電した充電量、借りた期間に応じた利率、充電日、充電日からの経過日数、金銭で返還する場合の金額、電力で返還する場合の電力量等が表示されている。ここで、金銭で返還する場合の金額および電力で返還する場合の電力量は、充電日からの経過日数と借りた期間に応じた利率に基づいて算出される。
【0069】
画面711は、例えば毎日所定の時間に表示されてもよいし、第1のユーザーのスマートフォン等における操作により任意のタイミングで表示されてもよい。第1のユーザーは、表示内容を閲覧した後に「確認」ボタン720をクリックすることで確認処理が完了する。第1のユーザーは、第2のユーザーから対価を返してもらいたい場合、「催促」ボタン730をクリックする。この操作により、第1のユーザーから第2のユーザーに対価返還の催促が通知される。なお、督促の通知はメールであってもよいし、表示制御部330の指示により第2のユーザーのスマートフォン等にポップアップ表示させてもよい。
【0070】
<変形例11>
変形例11について説明する。変形例11では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6、変形例7、変形例8、変形例9及び変形例10と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0071】
図14は、サーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。図14に示すように、制御部210は、さらに対価選択部340を有する。対価選択部340は、第2のユーザーから返してもらう対価の種類を第1のユーザーが予め指定しなかった場合に、第1のユーザーに返す対価の種類を第2のユーザーが選択可能とする。すなわち、対価選択部340は、図7の画面811において、対価返還方法として「いずれでも可」が選択されていると判断すると、図12の画面611において、「金銭での返還」ボタン630及び「電力での返還」ボタン640の両方をアクティブとする。この処理によって、第2のユーザーが対価の種類を選択可能とする。なお、対価の種類は、前述したように、例えば、電力又は金銭のことを示す。
【0072】
変形例11では、例えば、対価の種類として第1のユーザーが「電力」を予め指定している場合、第2のユーザーは、画面611に表示されている電力量を第1のユーザーに返すこととなる。この場合、第2のユーザーは、図示しない画面に表示されている、第1のユーザーの充電先機器、時間及び充電場所に基づいて電力を返す。第1のユーザーと第2のユーザーとの間で、充電先機器、時間及び充電場所の少なくともいずれかについて調整する必要がある場合は、適宜調整する。
【0073】
変形例11において、第2のユーザーが所望の対価を選択できるので、第1のユーザーから電力の貸与を受ける敷居が下がる。したがって、電力供給を通じて、社会経済の活性化を促進することができる。
【0074】
<変形例12>
変形例12について説明する。変形例12では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6、変形例7、変形例8、変形例9、変形例10及び変形例11と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0075】
変形例12において、電力貸与情報224は、第1の電池装置111を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、電力を貸した時点で合意した利率に加え、電力の由来を含む。ここで、電力の由来とは、火力発電所で発電された電力、水力発電所で発電された電力、原子力発電所で発電された電力、太陽光発電された電力等、何によって発電されたかを示す情報のことである。
【0076】
図15は、第2のユーザーが充電を希望する際の複数の電池装置110の条件を確認する画面411を示す図である。画面411は、図8に示す画面412や図9に示す画面413に「由来表示」ボタンを設置し、このボタンをクリックすることで表示させることができる。図15に示すように、第2のユーザーは、複数の電池装置110がそれぞれ保有する電力について、どのように発電されたか、その種類ごとの電力量を確認することができる。
【0077】
図16は、制御部210による情報処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、決定部320は、記憶部220に格納されている電力貸与情報224から、貸した相手と貸していた電力量とを読み出す(S210)。次に、決定部320は、電力貸与情報224から、電力を貸していた期間を読み出す(S220)。次に、決定部320は、利率情報225から、第1のユーザーと第2のユーザーとの間で合意された利率を読み出す(S225)。次に、決定部320は、電力貸与情報224から、電力の由来を読み出す(S221)。
【0078】
なお、S210、S220、S225及びS221の順序は図16に示すフローチャートに記載された順番でなくてもよいし、1回の読み出し処理において同時に読み出してもよい。決定部320は、S210、S220、S225及びS221で読み出した情報に基づいて、対価を算出する(S230)。次に、決定部320は、第2のユーザーが第1のユーザーに返す対価の返還方法を決定する(S240)。
【0079】
すなわち、変形例12では、決定部320が、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、合意された利率と、電力の由来と、に基づいて、第2のユーザーが第1のユーザーに返す対価を決定する。
【0080】
変形例12において、電力の由来に基づいた電力の売買を行えると共に、電力の由来に応じた電力コストを考慮した対価を決定することができる。
【0081】
<変形例13>
変形例13について説明する。変形例13では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6、変形例7、変形例8、変形例9、変形例10、変形例11及び変形例12と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0082】
変形例13において、電力貸与情報224は、第1の電池装置111を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、貸した相手(この場合、第2のユーザー)を示すユーザーIDと、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、第1のユーザーと第2のユーザーとの距離と、を示し、利率情報225は、貸した時点で第1のユーザーと第2のユーザーとの間で合意された利率を示す情報を示す。
【0083】
ここで、第1のユーザーと第2のユーザーとの距離は、1つの例としては、第1のユーザーが第2のユーザーに電力を貸すことを決定した時点における、第1の電池装置111と第2のユーザーの蓄電池120との距離を示す。
【0084】
また、他の例としては、第2のユーザーが第1のユーザーとの間で充電予約が成立し実際に充電を行う場所と、予約が成立した時点における第1のユーザーとの距離である。第1のユーザーと第2のユーザーとの距離は、例示した内容に限定されることなく、他の方法で距離を定義してもよい。
【0085】
変形例13を適用する場合、図8に示す第2のユーザーのスマートフォン等に表示される画面412において、複数の第1のユーザーのID、保有電力量、期間ごとの利子情報と併せて、画面表示時点における第2のユーザーと複数の第1のユーザーそれぞれとの距離を表示させればよい。また、図9に示す画面413中のグラフにおいては、画面表示時点における第2のユーザーと複数の第1ユーザーそれぞれとの距離に応じた対価分を加算して表示させればよい。
【0086】
また、図12に示す第2のユーザーのスマートフォン等に表示される画面611および、図13に示す第1のユーザーのスマートフォン等に表示される画面711においては、売買契約が成立した時点の第1のユーザーと第2のユーザーとの距離に応じた対価並びに対価を含んだ総額を表示させればよい。ここで、充電予約を行った場合、第2のユーザーの位置は、充電の予約を行う場所として距離を計算すればよい。
【0087】
図17は、制御部210による情報処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すように、決定部320は、記憶部220に格納されている電力貸与情報224から、貸した相手と貸していた電力量とを読み出す(S210)。次に、決定部320は、電力貸与情報224から、電力を貸していた期間を読み出す(S220)。次に、決定部320は、利率情報225から、合意された利率を読み出す(S225)。次に、決定部320は、電力貸与情報224から、第1のユーザーと第2のユーザーとの距離を読み出す(S222)。
【0088】
なお、S210、S220、S225及びS222の順序は図17に示すフローチャートに記載された順番でなくてもよいし、1回の読み出し処理において同時に読み出してもよい。決定部320は、S210、S220、S225及びS222で読み出した情報に基づいて、対価を算出する(S230)。次に、決定部320は、第2のユーザーが第1のユーザーに返す対価を決定する(S240)。
【0089】
決定部320は、S230において、例えば、第1のユーザーと第2のユーザーとの距離に応じて対価中の利子を算出する。ここで、対価中の利子とは、例えば、第1の電池装置111から第2のユーザーの蓄電池120に充電する場合、第1の電池装置111が往復移動するのに必要な電力を示す。
【0090】
すなわち、変形例13では、決定部320が、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、合意された利率と、第1のユーザーと第2のユーザーとの距離と、に基づいて、第1のユーザーが第2のユーザーから返してもらう対価を決定する。
【0091】
変形例13において、第1のユーザーと第2のユーザーとの距離に基づいて対価を決定することによって、第1のユーザーが保有する電池装置111が第2のユーザーの元に移動する際に消費する電力の価値を対価に反映させることができる。
【0092】
<変形例14>
変形例14について説明する。変形例14では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6、変形例7、変形例8、変形例9、変形例10、変形例11、変形例12及び変形例13と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0093】
図18は、制御部210による充電機器選択の処理の一例を示すフローチャートである。図18に示すように、管理部310は、記憶部220に格納されている電力残量情報222を読み出し、第1の電池装置111の電力残量が所定値以下と判断すると(S310のYES)、第1の電池装置111を充電する機器を選択する(S320)。なお、当該機器として、例えば、蓄電池120及び第1の電池装置111以外の他の電池装置が挙げられる。好ましくは、管理部310は、第1の電池装置111を充電する機器を、複数の電池装置110の中から選択する。管理部310は、第1の電池装置111の電力残量が所定値以下ではないと判断すると(S310のNO)、再びS310の判断に戻る。管理部310は、S310の判断を所定時間間隔で実行する。
【0094】
なお、他の処理フローとして、例えば、複数の電池装置110間で通信を行い、第1の電池装置111の電力残量が所定値以下の場合、電力残量が所定値以下ではない第2の電池装置112に充電依頼を行ってもよい。また、第1の電池装置111の電力残量が所定値以下の場合、第1の電池装置111から管理部310に問い合わせを行い、管理部310が第1の電池装置111を充電する機器を選択してもよい。さらに、管理部310は、第1の電池装置111の電力残量が所定値以下と判断すると、第1の電池装置111を充電可能な機器を第1のユーザーに提示してもよい。
【0095】
また、サーバ装置100が複数の電池装置110を管理することにより、電力残量が所定値以下の第1の電池装置111に対して、充電をしたほうがよい旨を提案することができる。
【0096】
変形例14では、第1の電池装置111から第2のユーザーの機器に電力を貸した場合を想定している。第1の電池装置111が電力を過剰に供給して電力残量が少なくなると、第1のユーザーが所望のタイミングで第1の電池装置111を使用できなくなるおそれがある。そこで、変形例14のように制御することで、第1の電池装置111の電力残量を所定値以上に維持することで、電力不足になることを回避することができる。
【0097】
<変形例15>
変形例15について説明する。変形例15では、実施形態1、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6、変形例7、変形例8、変形例9、変形例10、変形例11、変形例12、変形例13及び変形例14と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0098】
変形例15では、第1の電池装置111を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合において、第1のユーザーが第2のユーザーから返してもらう対価の種類を電力とする。決定部320は、第2の電池装置112から第1のユーザーの機器に返す電力量を決定する。第1のユーザーの機器として、例えば、蓄電池120や第1の電池装置111が挙げられる。第1のユーザーの機器が第1の電池装置111の場合、第1の電池装置111が直接充電されるため、第1のユーザーは、第1の電池装置111を別途充電する手間を省くことができる。
【0099】
<付記>
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、表示制御部を有し、前記表示制御部は、前記第1のユーザーが前記第2のユーザーから返してもらう対価を示す値を含む画面を前記第1のユーザーの端末または前記第2のユーザーの端末の表示部に表示するよう制御する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記決定部は、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、電力の由来と、に基づいて、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す対価を決定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記決定部は、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、前記第1のユーザーと前記第2のユーザーとの距離と、に基づいて、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す対価を決定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、対価選択部を有し、前記対価選択部は、前記第1のユーザーに返す対価の種類を前記第2のユーザーが選択可能とする、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記対価の種類は、電力である、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記電池装置は、前記第2のユーザーの電池装置である第2の電池装置を含み、前記決定部は、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す電力量を決定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記決定部は、前記第2の電池装置が前記第1の電池装置に返す電力量を決定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記管理部は、前記第1の電池装置の電力残量が所定値以下の場合、前記第1の電池装置を充電する機器を選択する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記管理部は、前記第1の電池装置を充電する機器を、前記電池装置の中から選択する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記対価は、貸していた電力量に加えて利子分を含む、情報処理装置。
情報処理システムであって、管理部と、決定部と、を有し、前記管理部は、自走する電池装置を管理し、前記電池装置は、第1のユーザーの電池装置である第1の電池装置を含み、前記第1の電池装置を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、前記決定部は、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、に基づいて、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す対価を決定する、情報処理システム。
情報処理方法であって、管理工程と、決定工程と、を含み、前記管理工程では、自走する電池装置を管理し、前記電池装置は、第1のユーザーの電池装置である第1の電池装置を含み、前記決定工程では、前記第1の電池装置を用いて第2のユーザーの機器に電力を貸していた場合、貸していた電力量と、電力を貸していた期間と、に基づいて、前記第2のユーザーが前記第1のユーザーに返す対価を決定する、情報処理方法。
プログラムであって、コンピュータを、前記情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0100】
例えば、上述のプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態1及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
上述した実施形態1等によれば、より少ない通信量で電力供給に対する対価の適正化を実現できる。また、上述した実施形態1等によれば、サーバ装置100の制御部210によるより少ない処理で電力供給に対する対価の適正化を実現できる。
【0101】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態1やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
100 :サーバ装置
110 :電池装置
111 :第1の電池装置
111 :第1の電池装置
112 :第2の電池装置
120 :蓄電池
130 :ネットワーク
210 :制御部
220 :記憶部
221 :識別情報
222 :電力残量情報
223 :位置情報
224 :電力貸与情報
225 :利率情報
230 :表示部
240 :入力部
250 :通信部
310 :管理部
320 :決定部
330 :表示制御部
340 :対価選択部
412 :画面
413 :画面
430 :利子見積ボタン
440 :決定ボタン
460 :ボタン
511 :画面
520 :承諾ボタン
530 :拒否ボタン
611 :画面
620 :確認ボタン
630 :返還ボタン
640 :返還ボタン
711 :画面
720 :確認ボタン
730 :催促ボタン
811 :画面
820 :決定ボタン
1000 :情報処理システム
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