(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037799
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 661
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020142123
(22)【出願日】2020-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518AA02
2C518AB12
2C518CA03
2C518EA02
2C518EA07
2C518EA13
2C518EB07
2C518EB11
2C518EC11
2C518EC26
(57)【要約】
【課題】従来にない興趣性の高い遊技機を提供する。
【解決手段】ゲームの実行に関連して、特典の付与に関わる抽選を実行可能な抽選手段と、ゲームの実行に関連して、演出の制御を実行可能な演出制御手段と、所定条件の成立に基づき、特定の特典を付与することを予め決定可能な特典付与制御手段と、を備え、演出制御手段は、特典付与制御手段により特定の特典が付与される以前の特定期間において、特定期間以外の所定期間よりも所定の演出の実行頻度を高めることが可能な演出頻度制御手段と、抽選手段による特定の抽選結果の導出に基づき、特定の抽選結果に対応する特定演出を実行させることが可能な特定演出制御手段と、を備え、特定演出制御手段は、特定期間における特定演出の実行態様の決定に関して、特定期間以外の所定期間とは異なる制御を行うことが可能な演出態様制御手段を備えた構成とした。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームに関連した演出を実行するようにした遊技機において、
前記ゲームの実行に関連して、特典の付与に関わる抽選を実行可能な抽選手段と、
前記ゲームの実行に関連して、前記演出の制御を実行可能な演出制御手段と、
所定条件の成立に基づき、特定の特典を付与することを予め決定可能な特典付与制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記特典付与制御手段により前記特定の特典が付与される以前の特定期間において、前記特定期間以外の所定期間よりも所定の演出の実行頻度を高めることが可能な演出頻度制御手段と、
前記抽選手段による特定の抽選結果の導出に基づき、前記特定の抽選結果に対応する特定演出を実行させることが可能な特定演出制御手段と、
を備え、
前記特定演出制御手段は、
前記特定期間における前記特定演出の実行態様の決定に関して、前記特定期間以外の所定期間とは異なる制御を行うことが可能な演出態様制御手段を備えた
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出頻度制御手段は、
前記抽選手段による前記特定の抽選結果以外の所定の抽選結果の導出に基づき、前記所定の演出を実行可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定演出制御手段は、
前記特定の抽選結果が導出されたことを遊技者が認識可能な演出が、前記ゲームにおける所定の時期に実行される第1特定演出と、前記特定の抽選結果が導出されたことを遊技者が認識可能な演出が、前記ゲームにおける前記第1特定演出よりも早い時期に実行される第2特定演出と、を実行可能とし、
前記演出態様制御手段は、
前記特定期間においては、前記第1特定演出よりも前記第2特定演出の方が高い確率で実行されるように前記特定演出の実行態様を決定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出制御手段は、
前記特定の特典が付与されない場合の所定条件の成立に基づき、複数のゲームに亘って前兆演出を実行可能な前兆演出制御手段を備え、
前記演出態様制御手段は、
前記前兆演出終了直後のゲームにおいて、前記第1特定演出よりも前記第2特定演出の方が高い確率で実行されるように前記特定演出の実行態様を決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記特定演出制御手段は、
前記操作手段の操作を伴う操作演出を含んで前記第2特定演出を実行可能とする
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項6】
前記第2特定演出に関わる情報を表示可能であるとともに、常態位置から前記常態位置とは異なる特定位置に移動可能な表示手段を備え、
前記表示手段は、
前記操作手段の後方側において、前記常態位置から前記特定位置への移動を行うことが可能である
ことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき該複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、該複数のリールの停止表示態様に応じて、特定遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に画像表示装置を備えて、画像表示装置においてゲームに関連した演出を行うようにしたものが増えている。
このような遊技機においては、複数の表示装置を設け、各表示装置において種々の情報を表示するようにした遊技機も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームに関連した演出を実行するようにした遊技機において、前記ゲームの実行に関連して、特典の付与に関わる抽選を実行可能な抽選手段と、前記ゲームの実行に関連して、前記演出の制御を実行可能な演出制御手段と、所定条件の成立に基づき、特定の特典を付与することを予め決定可能な特典付与制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記特典付与制御手段により前記特定の特典が付与される以前の特定期間において、前記特定期間以外の所定期間よりも所定の演出の実行頻度を高めることが可能な演出頻度制御手段と、前記抽選手段による特定の抽選結果の導出に基づき、前記特定の抽選結果に対応する特定演出を実行させることが可能な特定演出制御手段と、を備え、前記特定演出制御手段は、前記特定期間における前記特定演出の実行態様の決定に関して、前記特定期間以外の所定期間とは異なる制御を行うことが可能な演出態様制御手段を備えた構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】遊技機の遊技の流れを説明するための図である。
【
図4】遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容を説明するためのタイミングチャートである。
【
図5】通常遊技状態中におけるパターンAでの当選演出を示す図である。
【
図6】通常遊技状態中におけるパターンBでの当選演出を示す図である。
【
図7】通常遊技状態中における当選演出のパターンの選択率を示す図表である。
【
図8】フェイク前兆演出終了後1ゲーム目における当選演出のパターンの選択率を示す図表である。
【
図9】前兆演出中におけるモードアップ演出を示す図である。
【
図10】フェイク前兆演出中にCZ状態に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容を説明するためのタイミングチャートである。
【
図11】本前兆演出およびフェイク前兆演出中におけるモードアップ演出の実行確率を示す図表である。
【
図12】フェイク前兆演出中にCZ状態を発生させる場合の演出を示す図である。
【
図13】変形例1におけるメイン表示器、移動式サブ表示器および装飾部材を説明するための図である。
【
図14】変形例1におけるメイン表示器および移動式サブ表示器で表示される通常遊技状態中におけるモードアップ演出を示す図である。
【
図15】変形例2におけるメイン表示器、移動式サブ表示器およびタッチ部材を説明するための図である。
【
図16】変形例2におけるメイン表示器および移動式サブ表示器で表示される通常遊技状態中におけるパターンBでの当選演出を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
まず、スロットマシン1の全体構成について、
図1~
図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1~
図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0009】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0010】
[遊技機の外観を示す概略正面図]
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を手前側から見た状態で左右方向を示す。
【0011】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段(第1表示手段)を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0012】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0013】
メイン表示器8の右側には、操作手段として例示する上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0014】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0015】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
【0016】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0017】
前面パネル19における表示窓6(リール4)の右側には、サブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段(第2表示手段)を構成する。
また、サブ表示器17は、メイン表示器8よりも表示面積が小さくなっているが、メイン表示器8よりもリール4に近い位置に配設されていて、リール4の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を視認することが容易となっている。
なお、サブ表示器17は、表示窓6(リール4)の左側に設けてもよい。また、サブ表示器17をタッチパネル式の表示器で構成するようにしてもよい。
【0018】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、操作手段として例示するベットボタン2a、演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0019】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。演出ボタン2dは、前述した上部演出ボタン2fよりもリール4に対して近い位置に配設されている。
【0020】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2cおよび操作手段(停止操作手段)として例示する停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
【0021】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0022】
[遊技機の制御構成を示すブロック図]
図2は、スロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0023】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、メダル払出装置7、ドラムユニット4dおよび有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0024】
確率設定装置14は、特定遊技状態(例えば、AT状態)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特定遊技状態の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
【0025】
なお、特定遊技状態の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、特定遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0026】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0027】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やAT状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0028】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づきCZ状態や、後述する疑似ボーナス状態の移行抽選処理、AT状態中の継続抽選処理、AT状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0029】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、小役、疑似ボーナス状態、AT状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態やAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0030】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0031】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0032】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0033】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0034】
また、副制御装置20は、演出ボタン2dからの信号に基づき、各演出の切替タイミングを制御可能となっている。
主制御装置10および副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、抽選手段、演出制御手段、特典付与制御手段、演出頻度制御手段、特定演出制御手段、演出態様制御手段、前兆演出制御手段、第1前兆演出制御手段、第2前兆演出制御手段、第1特別演出制御手段、第2特別演出制御手段が構成される。
【0035】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0036】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0037】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(ハズレを含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0038】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0039】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0040】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
各リール4a~4cの停止制御は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン上に停止可能となる。
【0041】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
【0042】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0043】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0044】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0045】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0046】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0047】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0048】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役およびチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
なお、チェリー役やスイカ役をリプレイ役の一種としてもよい。
【0049】
リプレイ役およびベル役に対応する図柄は、各リール4をどのタイミングで停止操作した場合でも常に引き込み範囲内に存在するように設けられていて、「リプレイ」図柄や「ベル」図柄を狙った所謂目押し操作は不要となっている。それに対して、左リール4aの「チェリー」図柄と、中リール4bの「スイカ」図柄は、一部で引き込み範囲よりも広い間隔を設けて配置されているので、チェリー役の当選時には、左リール4aの停止操作に際して、「チェリー」図柄を狙った目押し操作が必要で、同様に、スイカ役の当選時には、中リール4bの停止操作に際して、「スイカ」図柄を狙った目押し操作が必要となっている。
なお、チェリー役およびスイカ役の当選時に、目押し操作を要するものであれば、各リール4での「チェリー」図柄および「スイカ」図柄の配置は何れでもよい。
【0050】
また、主制御装置10および副制御装置20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8およびナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
したがって、ATの発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、後述する疑似ボーナス状態とAT状態中に制御される。
【0051】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0052】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、ベル役については、後述するAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0053】
また、弱スイカ役および強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役および強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0054】
また、リプレイ役およびチャンスリプレイ役(チャンス役)に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役およびチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
【0055】
また、各役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強スイカ役>強チェリー役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強チェリー役が最も当選し難く設定されているものとする。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役(チャンス役)、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
【0056】
[遊技機における遊技の流れ]
次に、スロットマシン1の遊技の流れについて、
図3を参照して説明する。
図3は、実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態を説明するための図である。
主制御装置10、副制御装置20は、スロットマシン1を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(以下単に「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
【0057】
図3に示すように、実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態の複数の遊技状態から構成される。主制御装置10、副制御装置20は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0058】
また、スロットマシン1の遊技は、通常区間、有利区間を有する。これらの区間は、遊技状態によって区分され、さらに、AT状態等の遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態によって区分けされる。
遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態には、後述するように通常確率状態と高確率状態とが設定されている。
通常区間は、通常遊技状態において遊技可能な区間であって、通常遊技状態において疑似ボーナス状態が通常確率状態における抽選確率での抽選により遊技可能な区間が含まれる。
なお、通常区間においては、疑似ボーナス状態に当選しないような抽選制御を行うようにしてもよい。
また、通常区間において、疑似ボーナス状態の抽選確率を高確率状態よりもさらに高めた超高確率状態としてもよく、例えば、通常区間において、所定のレア役に当選した場合には必ず疑似ボーナス状態に当選するようにしてもよい。
有利区間は、通常区間から他の遊技状態に移行後、再度通常区間に戻るまで継続して滞在する。
【0059】
有利区間は、CZ状態、CZ状態の前兆状態、疑似ボーナス状態、疑似ボーナス状態の通常確率状態および高確率状態、疑似ボーナス状態の前兆状態、AT状態において遊技可能な区間が含まれる。主制御装置10は、有利区間に滞在中に、連続して実行されたゲームの回数をカウント(計数)する。遊技状態が有利区間中である場合には、有利区間ランプ13が点灯される。
なお、有利区間ランプ13は、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態等の実際に遊技者が当該状態を有利であると認識できる間にのみ点灯するようにしてもよい。例えば、疑似ボーナス状態の高確率状態中においては有利区間ランプ13を点灯しないようにしてもよい。
【0060】
有利区間に移行後、有利区間を終了するためには、ゲームの抽選結果等により通常区間へ移行した場合の他、「有利区間での連続ゲーム回数が所定回数に到達したこと」若しくは「有利区間中に獲得したメダル数が所定枚数に到達したこと」の何れかの条件の成立が設定され、有利区間として特定される各状態からなる一連の有利区間中に獲得できるメダル数を制限する制限手段(所謂リミッタ)が設けられている。
【0061】
なお、有利区間の上記終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」を含めてもよい。また、有利区間の上記終了条件は、例えば、「ボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」、「第一種特別役物(所謂レギュラーボーナス)の当選役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」等を含めてもよい。また、有利区間での連続ゲーム回数の上限は、1000回や1500回等、任意の数であればどのような回数でもよく、獲得メダル数の上限は、1000枚や2400枚等、任意の数であればどのような枚数でもよい。
【0062】
次に、主制御装置10および副制御装置20の制御により実行される各遊技状態(通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態)、遊技状態間の移行処理、および移行処理に伴って発生する各種演出等について、遊技状態毎に詳細に説明する。
【0063】
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。
また、演出は、後述する前兆演出(本前兆演出又はフェイク前兆演出)、連続演出等が例示され、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像(動画)、スピーカ9からの効果音、ランプ11での発光等による、特典の付与に対する報知や、特典が付与される前の事前報知等からなり、遊技者に対して特典の付与に対する期待感を高めるものである。
【0064】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合に滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行しないようにしてもよい。
【0065】
通常遊技状態中には、メイン表示器8あるいはサブ表示器17において、1ゲームで完結する個別演出が所定の確率で実行される。
個別演出は、主に遊技者の期待感を高めるために実行される演出であり、後述する主制御装置10での役の抽選結果に基づき実行される当選演出が含まれる。
また、その他、個別演出には、その時点の確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)に基づき実行されるものや、ゲームを説明するために実行されるもの等も含まれる。
当選演出は、主に役の抽選結果を報知するために実行される演出であり、所定のキャラクタの現出とともに当選したレア役を報知可能なアイテム(例えば、宝箱のアイテム)を表示したり、所定のキャラクタの現出とともにAT状態の発生に対する期待度を示す、「チャンス」や「激アツ」の文字情報を表示したり等、当選したレア役の種類や、その当選レア役を契機とするAT状態の移行抽選結果に応じた画像が表示される演出である。
【0066】
・通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図3の矢印a)
通常遊技状態においては、特典付与制御手段としての主制御装置10による特典を付与するか否かの決定結果が、予め定められた特別の決定結果となったことに基づき、特別遊技状態として疑似ボーナス状態(特定の特典、第1の特典)を付与するものとなっている。
【0067】
より具体的には、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて予め疑似ボーナス状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理を行う。
疑似ボーナス状態は、所定ゲーム数が実行されるまで継続するとともに、その間にAT状態の移行抽選を行う遊技状態である。疑似ボーナス状態の詳細については後述する。
【0068】
なお、疑似ボーナス状態への移行、すなわち、特定の特典(第1の特典)を付与するか否かの決定は、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよいし、前回の疑似ボーナス状態、あるいはAT状態の終了後に実行されたゲーム数が所定数となった場合に、疑似ボーナス状態への移行を決定するようにしてもよいし、役の抽選に応じてポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役に当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよい。
また、後述するAT状態中に、疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、疑似ボーナス状態の抽選契機役を、チャンス役と強チェリー役に設定しているが、その他の役の当選時に疑似ボーナス状態を抽選するようにしてもよい。
【0069】
疑似ボーナス状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態への移行前において、遊技者の疑似ボーナス状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的に疑似ボーナス状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の本前兆演出(第1前兆演出)がメイン表示器8において実行される。
【0070】
すなわち、抽選手段としての主制御装置10は、疑似ボーナス状態への移行を予め決定した場合でも、直ぐに疑似ボーナス状態への移行を行わず、その時点から所定数(例えば、30回)のゲームが実行された後に疑似ボーナス状態を発生するようにしていて、副制御装置20は、主制御装置10が、疑似ボーナス状態の発生を事前に決定したことに基づき、疑似ボーナス状態に移行する前の所定数のゲーム実行期間において、前兆演出としての本前兆演出を実行させる制御を行うのである。
したがって、副制御装置20は、第1の特典の付与として疑似ボーナス状態の移行が予め決定されている場合に、第1の特典の付与前の所定期間において、複数のゲームに亘って第1前兆演出として本前兆演出を実行可能な第1前兆演出制御手段を備えることとなる。
【0071】
また、疑似ボーナス状態への移行抽選の当選から本前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定されていて、本前兆演出は、この待機期間の終了後に実行されることとなる。
したがって、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しても、直ぐには疑似ボーナス状態へは移行せず、待機期間と、本前兆演出の実行後に移行することとなる。
【0072】
本前兆演出中においては、メイン表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う前兆ステージ上での演出画像が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような前兆ステージ上での演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、本前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、前兆ステージには、背景等が異なる複数パターンが用意されていて、副制御装置20の制御により、その時点の疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて何れかのパターンの前兆ステージが選択されることとなっている。
【0073】
また、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、最終的に疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)のフェイク前兆演出(第2前兆演出)がメイン表示器8において実行される。
なお、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合の、所定確率(例えば、50%)で実行するようにしてもよいし、必ず実行するようにしてもよい。
すなわち、副制御装置20は、主制御装置10が疑似ボーナス状態の移行を事前に決定していない場合における所定条件の成立に基づき、複数のゲームに亘って、第2前兆演出としてのフェイク前兆演出を実行させる制御を行う第2前兆演出制御手段(前兆演出制御手段)を構成するのである。
【0074】
また、フェイク前兆演出を実行する場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役の当選からフェイク前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分のフェイク待機期間(例えば、12ゲーム)が設定される。
本前兆演出とフェイク前兆演出は、基本的には演出画像(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定された複数のゲームに亘る一連の演出からなり、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0075】
また、前兆演出(本前兆演出またはフェイク前兆演出)中と待機期間(あるいはフェイク待期期間)中においては、詳細は後述するが、各ゲームで実行される当選演出の発生率が、その他の通常遊技状態中よりも高められる。
特に、待機期間(あるいはフェイク待期期間)中においては、その後、前兆演出が発生することとなるので、発生率が高められた状態で発生する各当選演出が、疑似ボーナス状態の発生に対する所謂煽り演出となり、遊技者の期待感を高めることとなる。
また、煽り演出としては、その他、当選演出時に特定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が煽り演出以外とは異なるもの(例えば、青色)となったり、背景を変化させたり等の演出が行われる。
【0076】
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出においては、最終的に疑似ボーナス状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、メイン表示器8において、前兆演出の最終ゲームの数ゲーム前(例えば、2ゲーム前)から連続的な演出(連続演出)が実行される。連続演出は、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。
【0077】
連続演出は、ゲーム毎に主人公キャラクタと敵キャラクタが攻防を繰り返す演出画像が実行され、各ゲームの演出内容は次ゲームに引き継ぐような演出が実行される。例えば、所定のゲームで与えられた主人公キャラクタがダメージを負った場合には、そのダメージは次ゲームに持ち越すように演出(例えば、ダメージの量を示すメーターを変化させる演出)が実行される。
また、予め決定されている疑似ボーナス状態の移行の有無により、各ゲームにおける主人公キャラクタと敵キャラクタの攻防の状態が設定されていて、疑似ボーナス状態に移行する場合には、移行しない場合よりも主人公キャラクタが攻撃を行うゲームが多くなるように設定されている。
すなわち、連続演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、連続演出には、ボタン演出が併行して実行される場合もある。
【0078】
そして、疑似ボーナス状態に当選していた場合(本前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態の当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が表示され、疑似ボーナス状態に当選していなかった場合(フェイク前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態の非当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
なお、連続演出ではなく、本前兆演出およびフェイク前兆演出の最終ゲームのみで完結する演出を実行し、その演出結果により疑似ボーナス状態への移行に関する報知を行ってもよい。
【0079】
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に直ぐに発生させるようにしてもよい。また、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、15~20ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。また、同様に、待機期間も複数のゲーム数(例えば、10~15ゲーム)から選択的に決定するようにして、待機期間が変化するようにしてもよい。
【0080】
なお、本前兆演出とフェイク前兆演出の実行期間として、選択し得るゲーム数を同じものに設定してもよいが、本前兆演出時には、フェイク前兆演出では選択しないゲーム数を選択可能としてもよい。このようにすれば、フェイク前兆演出ではありえない少ないゲーム数で前兆演出が終了した場合や、フェイク前兆演出ではありえない多いゲーム数まで前兆演出が継続した場合、本前兆演出が確定することとなるので、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0081】
また、通常遊技状態においては、疑似ボーナス状態への当選確率状態が異なる通常確率状態、高確率状態を有している。疑似ボーナス状態への移行抽選の当選確率は、高確率状態の方が通常確率状態よりも高くなっていて、確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役や弱チェリー役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、およびハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
【0082】
疑似ボーナス状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の50%の確率で設定されている。
なお、確率設定装置14における設定値を変更した場合や、主制御装置10がリセットされた場合には、通常区間を経て有利区間に移行した後、通常確率状態での通常遊技状態により実質的な遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で通常遊技状態を高確率状態で開始するようにしてもよい。
また、チャンス役と強チェリー役当選時に異なる確率で疑似ボーナス状態に当選するようにしてもよい。
【0083】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(
図3の矢印c)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、強スイカ役当選時の所定の確率(例えば、10%)でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0084】
なお、通常遊技状態において、主制御装置10により、CZ状態の当選確率状態を変更可能にしてもよい。また、副制御装置20により、当選確率状態に対する報知制御を行ってもよい。報知制御を行う場合には、各確率状態を直接的に報知する形態ではなく、その時点での確率状態がどの状態であるかを、メイン表示器8の表示内容を変化させることで遊技者が予測できる程度に行うようにしてもよい。
【0085】
また、CZ状態への移行抽選に当選した場合でも、直ぐにはCZ状態へは移行させずに、所定ゲーム数(例えば、5~8ゲーム)の間、CZ状態待機状態(遅延期間)を発生させ、この間CZ状態の移行を待機させた後に、CZ状態へ移行させるようにしている。
また、CZ状態待機状態中は、前述した疑似ボーナス状態の待機期間と同様に、メイン表示器8での演出内容をその他の状態と異ならせるような制御が行われる。
【0086】
すなわち、各ゲームで実行される当選演出の発生率が、その他の通常遊技状態中よりも高められることで、当選演出が、その後発生するCZ状態に対する所謂煽り演出となり、遊技者の期待感を高めることとなる。
また、煽り演出としては、その他、当選演出時に特定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が煽り演出以外とは異なるもの(例えば、青色)となったり、背景を変化させたり等の演出が行われる。
そして、CZ状態待機状態が終了することとなるゲームの終了時に、CZ状態に移行することがメイン表示器8において報知される。
【0087】
なお、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるためにCZ状態待機状態中に、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、2ゲーム)のCZ状態の連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。
【0088】
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、上記遅延期間と同様に所定ゲーム数(例えば、5~8ゲーム)間、メイン表示器8での演出内容がその他の状態と異ならせるような演出(所謂煽り演出)の制御が行われる。
したがって、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、CZ状態への移行の有無にかかわらず、遊技者の期待感が所定期間高められるのである。
【0089】
なお、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、2ゲーム)のCZ状態のフェイク連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。この場合、CZ状態の連続演出とフェイク連続演出は、基本的には登場するキャラクタ等を同様に設定して、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けるようにしてもよい。
例えば、CZ状態の連続演出(あるいはフェイク連続演出)として、各ゲームを通じてキャラクタがスポーツ競技に挑戦するような演出画像を実行してもよい。この場合、連続演出(あるいはフェイク連続演出)中はその間のゲームを通してスポーツ競技が連続して実行され、CZ状態に当選していた場合には、最終的に競技に成功(例えば、サッカーでゴールに成功)し、CZ状態に当選していない場合には、競技に失敗する演出画像が実行される。
【0090】
また、CZ状態待機状態中に、前兆演出(本前兆演出又はフェイク前兆演出)と同様のCZ状態の前兆演出(CZ本前兆演出又はCZフェイク前兆演出)をメイン表示器8において実行するようにしてもよいし、CZ状態の前兆演出(CZ本前兆演出又はCZフェイク前兆演出)の後に連続演出又はフェイク連続演出を実行するようにしてもよい。
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の煽り演出が行われる期間は、複数ゲームが実行される期間であれば何れでもよく、乱数の抽出に基づき複数のゲーム数から何れか1つのゲーム数を決定してもよいし、固定のゲーム数で決定してもよい。
【0091】
・通常遊技状態からAT状態への移行処理(
図3の矢印g)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、AT状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時に所定の確率(例えば、1%)でAT状態への移行処理を行う。AT状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
なお、通常遊技状態におけるAT状態への移行は、所定のレア役への当選を条件に行う以外に、何れの小役にも当選しなかったハズレ抽選結果が導出されたときの所定の確率(例えば、1%)で行うようにしてもよい。
【0092】
本実施形態においては、AT状態への移行は、遊技者の期待感を高めるために、主に疑似ボーナス状態を経由して実行されるようになっていることから、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率は極めて低い確率に設定されている。
なお、確率設定装置14での設定確率に応じて、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率を変更可能にしてもよいし、比較的高い設定値(例えば、設定4~6)の場合のみ通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選可能としてもよい。
また、通常遊技状態において、AT状態の移行抽選に当選した場合には、前述した疑似ボーナス状態の発生時と同様の前兆演出が実行され、前兆演出の終了後にAT状態が発生するようになっている。
【0093】
なお、通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の発生時と異なる前兆演出の選択制御を行うようにしてもよく、例えば、直接AT状態へ移行する場合には、フェイク前兆演出においては出現率が低い(あるいは出現しない)キャラクタや背景から構成される前兆演出の選択率を、疑似ボーナス状態の発生時よりも高めるようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の発生時には実行されない前兆演出を、直接AT状態へ移行する場合にのみ実行するようにしてもよい。
【0094】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、通常遊技状態よりも、各ゲームにおいて高確率で疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態へ移行しやすい遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0095】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいて、チャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10ゲームである。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10および副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出、残ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0096】
・CZ状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図3の矢印e)
CZ状態では、各ゲームにおいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行う。
疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が50%、ベル役当選時およびリプレイ役当選時が10%、ハズレ役当選時が5%である。疑似ボーナス状態の移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、疑似ボーナス状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームで疑似ボーナス状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態が疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
なお、疑似ボーナス状態の移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でも疑似ボーナス状態の移行抽選は実行される。
【0097】
なお、各当選役の一部又は全部についての疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、上記以外でもよい。また、ベル役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0098】
また、CZ状態中は、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するCZ演出がメイン表示器8で表示される。CZ演出においては、例えば、最初の数ゲーム間(例えば、7ゲーム間)で主人公キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が表示され、CZ状態の最後の数ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出として主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦する演出画像が表示される。そして、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選していた場合には、最終ゲームで主人公キャラクタが勝利して疑似ボーナス状態へ移行することが報知される。
【0099】
また、CZ状態中においては、その間に実行されたゲームの当選内容に応じて、対戦準備演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、疑似ボーナス状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。また、CZ状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算されていく。
また、CZ演出における対戦演出前の準備演出中においても、主人公キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が各ゲームを通して連続して実行されることから、準備演出中も複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出となる。
【0100】
なお、CZ状態中において、対戦演出を実行せずにCZ状態への移行の有無の報知を行うようにしてもよく、例えば、CZ状態中の所定のゲームで疑似ボーナス状態に当選した場合には、そのゲームの間で疑似ボーナス状態に移行することを報知する演出を実行するようにしてもよい。この場合、CZ状態中に何れのゲームでも疑似ボーナス状態に当選しなかった場合には、疑似ボーナス状態に移行することを報知する演出が行われないままCZ状態が終了することとなる。
【0101】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印d)
CZ状態において、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態中における規定数のゲームの実行後、通常遊技状態に移行する。このとき、CZ演出において、主人公キャラクタが敗北して疑似ボーナス状態へ移行しないことが報知される。
【0102】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0103】
(疑似ボーナス状態)
疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、AT状態と同様に押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
また、疑似ボーナス状態は、所定期間(例えば、18ゲーム~20ゲーム)継続して、その間に実行される所定のゲームにおいて、AT状態の移行抽選が行われるものとなっている。
したがって、疑似ボーナス状態は、当該スロットマシン1における主に遊技者が多数のメダルを獲得可能なAT状態を発生させるか否かを決定する遊技状態にもなっている。
なお、疑似ボーナス状態中においては、押し順ベル役に当選した場合の所定の確率(例えば、60%)で押し順ナビを実行することで、AT状態中よりも押し順ナビの頻度を低めるようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態が継続する期間は、実行されたゲーム数で規定する以外に、押し順ナビが実行される回数、払い出されたメダル数(払出枚数)、メダルの払い出しにより実際に増加したメダル数(純増枚数)等により規定するようにしてもよい。
【0104】
また、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームでは、主制御装置10の制御により、スタートレバー3の操作から停止ボタン5の操作が有効となるまでの期間が、通常のゲームよりも延長され、この期間に、リール4を逆回転させた後、リール4において特定の図柄組合せ(「7、7、7」)を一旦停止させたのちに再度正回転させる、所謂リール演出が行われて、疑似ボーナス状態が発生したことが報知される。
【0105】
リール演出が行われるリール演出期間は、例えば、15秒に設定され、この間は、停止ボタン5の操作が無効となるので、リール4が作動していてもゲームの進行が不能な状態となっている。
そして、リール演出期間の終了時には、特定の図柄組合せ(例えば、「7、7、7」)が一旦停止(自動停止)することとなるので、疑似ボーナス状態は、遊技内容的にはAT状態と同様となっているが、見た目上は、所謂ビッグボーナス状態(リアルボーナス状態)が発生したようなものとなり、AT状態との差別化が図られている。
【0106】
また、リール演出期間が終了すると、リール4が正回転での回転を自動的に開始するとともに、停止ボタン5の操作が有効となり、この時点から、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームの停止操作が通常のゲームと同様に可能となる。
また、リール演出中においては、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、リール演出に対応する演出画像として、疑似ボーナス状態の発生を報知する表示が行われる。
【0107】
・疑似ボーナス状態からAT状態への移行処理(
図3の矢印f)
疑似ボーナス状態では、当該疑似ボーナス状態の終盤に実行される所定数のゲーム(1~3ゲーム)においてAT状態の移行抽選処理を行う。
本実施形態においては、AT状態の移行抽選処理は、最長で疑似ボーナス状態の最後の3ゲームの間に設定された抽選ゲーム期間に跨って実行され、抽選ゲーム期間おける各ゲームで実行される対戦抽選の結果態様によりAT状態に移行させるか否かが決定される。
そして、抽選ゲーム期間における各ゲームでの対戦抽選の結果が全て当選となった場合に、特定条件が成立したものと判定されてAT状態の移行が決定され、疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態がAT状態に移行することとなる。
【0108】
すなわち、主制御装置10は、所定期間としての抽選ゲーム期間における複数のゲームの実行に関連して所定の特典(AT状態の移行)を付与するか否かを決定可能であって、複数のゲームにおける所定の特典の付与に関わる抽選結果が、予め定められている特定条件を満たした場合に、所定の特典を付与することを決定可能に構成されているのである。
なお、本実施形態においては、疑似ボーナス状態の終盤に実行される所定数のゲームにおいてAT状態の移行抽選処理を行うようにしているが、疑似ボーナス状態の終了後に、AT状態の移行抽選処理を行うための所定ゲーム数の期間を設けて、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態に移行するか否かのゲームを実行するようにしてもよい。
【0109】
また、抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選は、その当選確率が常に一定ではなく、各ゲーム間で異なる確率になるような抽選態様が設定されている。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームでは対戦抽選の当選確率が50%で、2番目のゲームでは60%で、3番目のゲームでは70%で各ゲームの対戦抽選が実行される。
【0110】
なお、抽選態様は、所定の確率でAT状態に移行するものであれば上記した各対戦抽選の確率以外でもよい。
また、複数の抽選態様を設定して、所定条件の成立に基づき何れかの抽選態様を変更可能に構成してもよい。
例えば、抽選ゲーム期間中の3ゲームにおける対戦抽選の当選確率が全て50%で各ゲームの対戦抽選が実行される抽選態様と、最初のゲームでは対戦抽選の当選確率が25%で、2番目のゲームでは50%で、3番目のゲームでは100%で各ゲームの対戦抽選が実行される抽選態様とを設定し、何れかの抽選態様を切り替えるようにしてもよい。ただし、この場合、疑似ボーナス状態からAT状態に移行するトータルの確率は、どの抽選態様となっても同一とすることが好ましい。
また、上記抽選態様の変更は、遊技者の操作に基づき実行可能にして、遊技者の好みに応じて抽選態様を選択可能にとしてもよい。
【0111】
また、疑似ボーナス状態からAT状態に移行するトータルの確率を、抽選態様に応じて異なるように設定してもよく、例えば、所定のレア役(例えば、強チェリー役)の成立等、通常遊技状態中や疑似ボーナス状態中に成立する所定条件に基づき、AT状態に移行するトータルの確率が、低い抽選態様から高い抽選態様に切り替えるようにしてもよい。また、この場合に、トータルの確率が低い抽選態様においてAT状態に当選した場合には、トータルの確率が高い抽選態様においてAT状態に当選した場合よりも、遊技者に有利となるような特典を付与するようにしてもよい。例えば、トータルの確率が低い抽選態様においてAT状態に当選した場合には、AT状態の継続権利を複数記憶(ストック)したり、継続回数を多くしたAT状態(上位AT状態)を発生させたりしてもよい。
【0112】
また、上記抽選ゲーム期間中においては、ゲームの実行に対応して、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8においてキャラクタによる連続演出が実行される。
疑似ボーナス状態中の連続演出は、前述した本前兆演出(あるいは、フェイク前兆演出)中に実行される連続演出とは演出内容が異なっていて、ゲーム毎に対戦演出が完結するような内容となっている。
すなわち、本前兆演出(あるいは、フェイク前兆演出)中に実行される連続演出では、主人公キャラクタが敵キャラクタと3ゲームに亘ってそのまま対戦し、最終ゲームにおいて対戦結果が導出されるような内容となっているが、疑似ボーナス状態中の連続演出では、各ゲームにおける対戦抽選に応じて、ゲーム毎に対戦結果が導出されるような内容で対戦演出が実行される。
また、各ゲームにおける対戦演出では、ゲーム毎に設定される当選確率に基づき対戦演出が実行されるので、ゲーム毎に敵キャラクタと対戦する味方側のキャラクタ(主人公キャラクタを含む)が、上記当選確率に対応して異なる種類で登場可能となっている。
【0113】
例えば、連続演出中の1ゲーム目のゲームにおいては、50%の当選確率である対戦抽選に対応して味方キャラクタAが登場し、2ゲーム目のゲームにおいては、60%の当選確率である対戦抽選に対応して味方キャラクタBが登場し、3ゲーム目のゲームにおいては、70%の当選確率である対戦抽選に対応して味方キャラクタC(例えば、主人公キャラクタ)が登場するものとなっている。
【0114】
そして、各ゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に勝利し、対戦抽選が当選していなかった場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に敗北するような演出が、ゲーム毎に完結的に行われる。その結果、全てのゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、味方側のキャラクタが全て勝利するものとなり、最終的にAT状態の移行が報知されることとなる。
一方、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間は終了して、疑似ボーナス状態もその時点で終了することとなる。したがって、対戦抽選の結果に応じて疑似ボーナス状態の期間が変化することとなる。
【0115】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場する疑似ボーナス状態中の演出(疑似ボーナス演出)がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。疑似ボーナス演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0116】
一方、疑似ボーナス状態の抽選ゲーム期間中においては、各対戦抽選に応じて、対戦演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、AT状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。
また、疑似ボーナス状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算される。
【0117】
なお、本実施形態においては、疑似ボーナス状態におけるAT状態の移行抽選を行う期間を、疑似ボーナス状態の最後の3ゲームに設定するようにしているが、連続する複数のゲームにおいて移行抽選を行うものであれば何れでもよく、例えば、4ゲームや5ゲーム等でもよい。
また、AT状態の移行する条件は、複数のゲームにおける対戦抽選が全て当選した場合に設定しているが、その他の条件でもよく、例えば、1回や2回の当選によりAT状態に移行することを決定してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間(疑似ボーナス状態)を終了するようにしているが、各ゲームでの抽選結果に関わらず抽選ゲーム期間での3ゲーム全てを実行するようにしてもよい。また、この場合に、全てのゲームの対戦抽選で非当選となった場合には、特別な特典としてAT状態に移行させるようにしてもよい。ただし、この場合、100%の確率で対戦抽選に当選となるゲームが実行されないことが条件となる。
【0118】
また、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選は、上記した抽選ゲーム期間中以外に実行してもよく、例えば、通常の操作態様(例えば、左リール4aを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、リプレイ役に対応する図柄組合せが停止するが、通常の操作態様とは異なる変則操作態様(例えば、右リール4cを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、特定の図柄組合せ(例えば、「7、7、7」)が停止する特定のリプレイ役を抽選可能とし、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態に移行するようにしてもよい。
この場合、特定のリプレイ役に当選した場合には、メイン表示器8において、変則操作態様、および特定の図柄組合せを狙うように促す画像を表示することが好ましい。
【0119】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、所定の確率(例えば、10%)でその時点でAT状態に移行する権利を付与するようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態に移行する権利を付与するのではなく、所定の確率(例えば、20%)で、抽選ゲーム期間における所定ゲーム分(1ゲーム分、2ゲーム分)の対戦抽選に当選する権利を、その時点で付与するようにしても良い。
この場合には、レア役の当選時に、メイン表示器8において、1ゲームで完結する当選演出を実行することが好ましい。
【0120】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間におけるレア役当選時にAT状態に移行する権利が付与された場合には、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、対戦抽選の如何に関わらず必ず全勝するような連続演出を行うようにすることが好ましい。
また、抽選ゲーム期間において、対戦抽選とは別個に引分抽選を実行し、対戦抽選に非当選となり、かつ引分抽選に当選した場合には、その回の対戦抽選を無効とし、新たな対戦抽選を行うゲームを抽選ゲーム期間に追加実行してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に全て当選となった場合には、抽選ゲーム期間を延長して、対戦抽選に非当選となるまで抽選ゲーム期間を終了させないようにしてもよい。この場合、延長されたゲームの対戦抽選で当選となった場合には、AT状態の継続権利をその都度付与するようにしてもよい。
【0121】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中における各ゲームの対戦演出中に、ボタン演出を実行してもよい。
操作演出としてのボタン演出は、先ず、メイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に演出ボタン2dの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)が操作された場合に、所定の画像をメイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に表示する一連の演出であり、例えば、対戦演出が実行されるゲームの終了時に、操作ボタンを模した画像や操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2dが操作された場合に、予め決定されている対戦抽選の結果を報知する画像をメイン表示器8において表示する演出である。
この場合、対戦抽選の結果が当選であった場合には、非当選の場合よりもボタン演出が実行される確率が高くなるようにすることが好ましい。
【0122】
・疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印b)
疑似ボーナス状態において、特定条件が成立せずにAT状態への移行権利が付与されなかった場合、すなわち、疑似ボーナス状態における抽選ゲーム期間中の各ゲームの対戦抽選が全て当選とならなかった場合には、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する。
本実施形態においては、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、1回でも対戦抽選が非当選となると特定条件の非成立が確定することとなるので、抽選ゲーム期間中の何れかのゲームにおいて対戦抽選が非当選となった時点で疑似ボーナス状態の終了条件が成立し、次のゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行するものとしている。
【0123】
したがって、抽選ゲーム期間中におけるゲームの対戦抽選の結果に応じて、疑似ボーナス状態の継続期間が変化することとなる。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームである18ゲーム目の対戦抽選が非当選となった場合には、疑似ボーナス状態の継続期間は18ゲームとなるが、最後のゲームである20ゲーム目に初めて非当選となった場合には、継続期間が20ゲームとなる。
また、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ナビは行われるので、最終的に疑似ボーナス状態において特定条件が成立しなかった場合でも、対戦抽選が非当選とならずに抽選ゲーム期間が継続するほど、メダルを獲得する機会が増え、その分遊技者にとって有利な状態となるのである。
なお、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ベル役に対する押し順ナビを行うようにしているが、抽選ゲーム期間中のゲームにおいては、押し順ナビを行わないか、あるいは、所定の確率(例えば、50%)でのみ押し順ナビを行うようにしてもよい。
【0124】
なお、疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示し、この表示するキャラクタを確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択することで、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0125】
(AT状態)
AT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
【0126】
AT状態中は、AT状態の初期移行時に付与された所定数のゲーム(例えば、30ゲーム)を、AT状態を継続可能な残ゲーム数として継続が管理されて、残ゲーム数がゲーム毎に減算され、残ゲーム数が無くなるまでAT状態は継続される。
そして、AT状態において残ゲーム数が無くなった場合、AT状態が終了することとなる。
【0127】
AT状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、AT状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、AT状態中の各種演出の画像表示が行われる。また、AT状態中の、残ゲーム数、一連のAT状態中に獲得したメダルの総数、AT状態中に実行された総ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0128】
また、AT状態では、当該AT状態の最後に実行される所定数のゲーム(2~3ゲーム)においてAT状態の継続抽選処理を行う。
本実施形態においては、AT状態の継続抽選処理は、最長でAT状態の最後の3ゲームの間に設定された抽選ゲーム期間に跨って実行され、抽選ゲーム期間おける各ゲームで実行される対戦抽選の結果態様によりAT状態を継続させるか否かが決定される。
そして、抽選ゲーム期間おける各ゲームでの対戦抽選の結果が2回当選となった場合に、特定条件(第2特定条件)が成立したものと判定されてAT状態の継続が決定され、実行中のAT状態の終了後に新たなAT状態が開始することとなる。
すなわち、主制御装置10は、所定期間としての抽選ゲーム期間における複数のゲームの実行に関連して所定の特典(AT状態の継続)を付与するか否かを決定可能であって、複数のゲームにおける所定の特典の付与に関わる抽選結果が、予め定められている特定条件(第2特定条件)を満たした場合に、所定の特典を付与することを決定可能に構成されているのである。
【0129】
また、新たなAT状態においても、AT状態の初期移行時と同様にAT状態自体の継続が管理され、所定数(例えば、30回)のゲームが実行されると当該AT状態が終了することとなるが、この新たなAT状態の最後に実行される所定数のゲーム(2~3ゲーム)においても、初期移行時と同様にAT状態の継続抽選処理が行われる。
したがって、各AT状態中の継続抽選処理における特定条件の成立により、AT状態が繰り返して実行されることとなるのである。
【0130】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選は、疑似ボーナス状態中と同様に、その当選確率が常に一定でないものに設定されている。
なお、AT状態中の抽選ゲーム期間における各対戦抽選の当選確率は、疑似ボーナス状態中と同様にしてもよいし、異なるものにしてもよい。また、AT状態中の抽選ゲーム期間の抽選態様を複数設定し、所定条件の成立に基づき変更可能としてもよいし、遊技者の操作に基づき変更可能にして、遊技者の好みに応じて選択可能にしてもよい。
【0131】
また、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態における抽選ゲーム期間中においても、ゲームの実行に対応して、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8においてキャラクタによる連続演出が実行される。
AT状態中の連続演出に関しても、疑似ボーナス状態中と同様に、ゲーム毎に対戦演出が完結するような内容となっていて、ゲーム毎に設定される当選確率に基づき対戦演出が実行され、ゲーム毎に敵キャラクタと対戦する味方側のキャラクタ(主人公キャラクタを含む)が、上記当選確率に対応して異なる種類で登場することとなる。
【0132】
そして、各ゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に勝利し、対戦抽選が当選していなかった場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に敗北するような演出が、ゲーム毎に完結的に行われる。
ただし、AT状態中の継続抽選処理においては、疑似ボーナス状態中の移行抽選処理とは条件の一部が異なるものに設定されていて、疑似ボーナス状態中においては、3ゲームにおける対戦抽選の結果が全て当選となった場合にAT状態への移行が確定するものとなっていることに対して、AT状態中においては、3ゲームにおける対戦抽選の結果のうち、2ゲームが当選となった場合に次回のAT状態の継続が確定するものとなっている。
【0133】
したがって、AT状態の継続条件は、AT状態の突入条件である移行条件よりも難易度が低くなり、例えば、1ゲーム目と2ゲーム目の対戦抽選で当選となった場合には、その時点で次回のAT状態の継続が確定し、かりに3ゲーム目の対戦抽選が非当選となった場合でも、当該ゲームでの対戦演出が負けとなる結果の導出後、最終的にAT状態の継続が報知されて新たなAT状態に移行することとなる。
【0134】
また、本実施形態においては、AT状態中の抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選の結果が全て当選となった場合には、次回のAT状態の継続権利の付与の他、次々回のAT状態の継続権利を付与するようにしている。
すなわち、AT状態中の抽選ゲーム期間における対戦抽選において、2回の当選結果が導出された場合には、所定の特典の付与として次回のAT状態の継続権利が付与されるが、3回の当選結果が導出された場合には、上記所定の特典の付与の他、別の特典の付与として次々回のAT状態についても継続するように継続権利が記憶保持(ストック)されるのである。
【0135】
なお、AT状態の継続権利が記憶保持(ストック)されている場合には、無条件でAT状態が継続することとなるので、次回のAT状態中の抽選ゲーム期間中のゲームでは、前述したような対戦演出を行わずに、継続することが確定していることを報知可能な演出画像をメイン表示器8において実行することが好ましい。
【0136】
また、AT状態の継続権利が記憶保持(ストック)されている場合でも、無条件でAT状態を確定させるのではなく、次回のAT状態において通常の継続抽選処理を行い、特定条件が非成立となった場合に限りAT状態の継続権利の記憶保持情報を用いてAT状態を継続させるようにしてもよい。
したがって、この場合には、次回のAT状態中の抽選ゲーム期間中のゲームでも対戦抽選を行い、このとき特定条件が成立した場合には、AT状態の継続権利の記憶保持情報を用いずに次回以降に使用を保留した状態でAT状態が継続することとなる。
さらに、3回の当選結果の導出により付与されるAT状態の継続権利を、主制御装置10により複数記憶保持可能(ストック可能)として、例えば、3回の当選結果の導出が連続した場合には、2つの継続権利を加算記憶可能としてもよい。
この場合、AT状態の継続権利の記憶保持情報を用いたAT状態の継続が行われた場合には、その都度継続権利の記憶保持情報が減算されることとなる。
【0137】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するAT状態中の演出がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。AT状態中の演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0138】
一方、AT状態の抽選ゲーム期間中においては、対戦抽選の種類に応じて、対戦演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、AT状態の継続に対する期待感に変化を与えるようになっている。
【0139】
なお、本実施形態においては、AT状態におけるAT状態の継続抽選を行う期間を、AT状態の最後の3ゲームに設定するようにしているが、連続する複数のゲームにおいて移行抽選を行うものであれば何れでもよく、例えば、4ゲームや5ゲーム等でもよい。
また、AT状態が継続する条件である特定条件は、複数のゲームにおける対戦抽選が2回当選した場合に設定しているが、その他の条件でもよく、例えば、1回や3回の当選によりAT状態が継続することを決定してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間(AT状態)を終了するようにしているが、各ゲームでの抽選結果に関わらず抽選ゲーム期間での3ゲーム全てを実行するようにしてもよい。また、この場合に、全てのゲームの対戦抽選で非当選となった場合には、特別な特典として次回のAT状態に継続させるようにしてもよい。ただし、この場合、100%の確率で対戦抽選に当選となるゲームが実行されないことが条件となる。
【0140】
また、AT状態中における次回のAT状態の継続抽選は、上記した抽選ゲーム期間中以外に実行してもよく、例えば、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態が継続するようにしてもよい。
【0141】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、所定の確率(例えば、10%)でその時点でAT状態が継続する権利を付与するようにしてもよい。
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態に継続する権利を付与するのではなく、所定の確率(例えば、20%)で、抽選ゲーム期間における所定ゲーム分(1~3ゲーム分)の対戦抽選に当選する権利を、その時点で付与するようにしても良い。
この場合には、レア役の当選時に、メイン表示器8において、1ゲームで完結する当選演出を実行することが好ましい。
また、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態の抽選ゲーム期間中の期間における各ゲームの対戦演出中に、ボタン演出を実行してもよい。
【0142】
また、AT状態中に、所定のレア役(例えば、弱チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態のゲーム数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選した場合に、当選契機となったレア役に対応して予め定められた数のゲーム数を、当該実行中のAT状態の残ゲーム数に上乗せ(加算)してもよい。
【0143】
また、AT状態中において、特定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、上記上乗せ抽選の他に、特定期間(例えば、10ゲーム)ゲーム数が上乗せされる確率をその他の状態よりも高めた上乗せ特化ゾーンを発生可能としてもよい。
上乗せ特化ゾーンは、特定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、10%)で発生し、上乗せ特化ゾーン中においては、当選確率の低いレア役の他、例えば、リプレイ役以外の全ての役を上乗せの契機役とし、所定の特典として多数のゲーム数が付与(上乗せ)される可能性が高められるようにした状態である。
【0144】
また、上乗せ特化ゾーン中において、所定の役(例えば、レア役)に当選した場合の所定確率(例えば、15%)で、AT状態を継続するための権利を付与(ストック)するようにしてもよい。また、AT状態を継続するための権利を上記条件の成立毎に複数付与(ストック)するようにしてもよい。
この場合、AT状態を継続するための権利数(ストック数)が残っている状態では、AT状態中の継続抽選処理において無条件で特定条件が成立することとなる。
また、AT状態中における所定の条件の成立に基づき、AT状態を一時的に中断して、疑似ボーナス状態を発生するようにしてもよい。
【0145】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間における対戦抽選において、3回の当選結果が導出された場合には、所定の特典の付与の他、別の特典の付与として次々回のAT状態についても継続するように継続権利を記憶保持(ストック)するようにしているが、別の特典の付与として、その時点で実行されているAT状態や次回のAT状態における残ゲーム数に所定数(例えば、20回)のゲーム数を上乗せするようにしてもよいし、別の特典の付与として、前述した上乗せ特化ゾーンをその時点で実行されているAT状態の終了後に実行するようにしてもよい。
【0146】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間において、対戦抽選とは別個に引分抽選を実行し、対戦抽選に非当選となり、かつ引分抽選に当選した場合には、その回の対戦抽選を無効とし、新たな対戦抽選を行うゲームを抽選ゲーム期間に追加実行してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に全て当選となった場合には、抽選ゲーム期間を延長して、対戦抽選に非当選となるまで抽選ゲーム期間を終了させないようにしてもよい。この場合、延長されたゲームの対戦抽選で当選となった場合には、AT状態の継続権利をその都度付与するようにしてもよい。
【0147】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印h)
AT状態において、特定条件が成立せずに次回のAT状態への継続権利が付与されなかった場合、すなわち、AT状態における抽選ゲーム期間中の各ゲームの対戦抽選において、2回の当選結果が導出されなかった場合には、AT状態終了後に通常遊技状態に移行する。
本実施形態においては、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、対戦抽選が非当選となる結果が2回導出されると特定条件の非成立が確定することとなるので、抽選ゲーム期間中の何れかのゲームにおいて対戦抽選が非当選となる結果が2回導出された時点でAT状態の終了条件が成立し、次のゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行するものとしている。
【0148】
したがって、抽選ゲーム期間中におけるゲームの対戦抽選の結果に応じて、実行中のAT状態の継続期間が変化することとなる。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームである28ゲーム目の対戦抽選が非当選となり、さらに、2回のゲームである29ゲーム目の対戦抽選も非当選となった場合には、AT状態の継続期間は29ゲームとなるが、この2回目のゲームの対戦抽選が当選となり、最後のゲームである30ゲーム目に非当選となった場合には、継続期間が30ゲームとなる。
【0149】
また、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ナビは行われるので、最終的にAT状態における継続抽選処理において特定条件が成立しなかった場合でも、対戦抽選の非当選が2回導出されずに抽選ゲーム期間が継続するほど、メダルを獲得する機会が増え、その分遊技者にとって有利な状態となるのである。
なお、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ベル役に対する押し順ナビを行うようにしているが、抽選ゲーム期間中のゲームにおいては、押し順ナビを行わないか、あるいは、所定の確率(例えば、50%)でのみ押し順ナビを行うようにしてもよい。
【0150】
AT状態から通常遊技状態へ移行した場合には、AT状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0151】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態(エンディング期間)中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、エンディング状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
エンディング状態中においては、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像がメイン表示器8やサブ表示器17により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のようにスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
【0152】
[遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容]
次に、
図4のタイミングチャートを参照して、主制御装置10および副制御装置20の制御により実現する遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について、特に、遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態に移行するときの遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について説明する。
図4は、遊技状態の通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行と、その間のメイン表示器8における表示内容の変化の対応関係を示している。
具体的には、主制御装置10の制御により、既に所定の役(例えば、チャンス役)の当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行が決定されている状態において、ゲームの進行により遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態へ移行した場合の、メイン表示器8において表示される演出内容(演出画像)を示している。
【0153】
本実施形態では、各種特典の抽選、各種遊技状態の変更(変更時点も含む)に関わる制御は主制御装置10が行い、当該制御に関する制御情報を主制御装置10からの副制御装置20に送信して、副制御装置20が対応する演出画像に関わる制御を行うようにしている。
なお、遊技状態の変更に直接関係しない演出(例えば、フェイク前兆演出等)の開始時点や実行期間は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき副制御装置20で制御してもよいし、主制御装置10からの制御情報の受信なしで副制御装置20独自で制御してもよい。ただし、演出の契機となる制御情報(例えば、レア役の当選情報等)は受信する必要がある。
【0154】
まず、
図4に示すように、疑似ボーナス状態への移行が決定されていないときの通常遊技状態中(1~3ゲーム目)は、通常遊技状態中の演出が行われる。
通常遊技状態中の演出としては、例えば、所定のキャラクタが草原を進んでいくような演出画像がメイン表示器8に示される。
また、通常遊技状態中においては、ゲーム毎に当選演出等の個別演出が実行されることもあり、個別演出が実行された場合には、上記した所定キャラクタが草原を進んでいくような演出画像に代えて個別演出に対応する演出画像がメイン表示器8に表示される。
当選演出は、1ゲームで完結する演出であり、詳細は後述するが、各ゲームでの抽選結果に基づき所定の確率で、主制御装置10および副制御装置20により発生制御され、疑似ボーナス状態への移行が決定されていないときの通常遊技状態中においては、相対的に演出頻度が低い状態(演出頻度通常状態)で発生制御される。
【0155】
次に、通常遊技状態中の3ゲーム目のゲーム実行時(タイミングt0)に、チャンス役当選と共に疑似ボーナス状態に当選した場合には、前述したように、本前兆演出が実行されることとなるが、本前兆演出の実行前の4ゲーム目から14ゲーム目のゲームが実行される間(タイミングt1~t2)に特定期間としての待機期間が設定される。
なお、図示は省略しているが、3ゲーム目のゲーム実行時には、チャンス役に当選したので、チャンス役の当選に対応する当選演出がメイン表示器8において表示されることとなる。
【0156】
また、待機期間中においては、基本的には、疑似ボーナス状態への移行が決定されていないときと同様に、通常遊技状態中の演出が行われるが、待機期間中においては、前述したように煽り演出が行われることから、当選演出の発生制御が、主制御装置10および副制御装置20により相対的に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で行われることとなる。
したがって、待機期間中においては、レア役に当選していないゲームでも、比較的高い確率で当選演出が発生することとなり、遊技者に対して前兆演出の発生に対する期待感を高めるような状態となるのである。
なお、疑似ボーナス状態に当選していないフェイク待機期間中においても、上記同様に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で当選演出の発生制御が行われる特定期間となる。
【0157】
次に、15ゲーム目のゲームが開始(タイミングt2)されると、メイン表示器8において本前兆演出が実行され、例えば、所定キャラクタが洞窟を進んでいくような演出画像が表示されることとなる。
また、本前兆演出が行われる間においては、待機期間中と同様に、当選演出の発生制御が、相対的に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で行われる特定期間となる。
なお、疑似ボーナス状態に当選していないフェイク前兆演出中においても、上記同様に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で当選演出の発生制御が行われる特定期間となる。
【0158】
次に、本前兆演出中の終盤である31ゲーム目のゲームが開始(タイミングt3)されると、メイン表示器8において連続演出が所定ゲーム間(例えば、3ゲーム間)に亘って実行され、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタが対戦する対戦演出が実行される。
そして、連続演出は33ゲーム目まで継続し、前兆演出の最終ゲームである33ゲーム目のゲーム終了後に、何れかのキャラクタが勝利することにより疑似ボーナス状態の当否を報知するような演出が実行されるが、
図4に示す例では、疑似ボーナス状態に当選している場合を示しているので、最終ゲーム終了から所定時間(例えば、2秒)経過後から次ゲームが開始されるまでの間においては、連続演出の結果画像として、主人公キャラクタが勝利する画像ととともに、例えば、「勝利」の文字情報や、「ボーナス確定」の文字情報がメイン表示器8において表示される。
【0159】
そして、34ゲーム目のゲーム開始(タイミングt4)から、遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
疑似ボーナス状態に移行すると、登場する各キャラクタの紹介画像等からなる疑似ボーナス状態中の演出がメイン表示器8において開始される。
【0160】
なお、
図4の例では、特典付与制御手段としての主制御装置10が疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合を示しているが、疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合には、チャンス役の当選によりメイン表示器8においてはフェイク前兆演出が実行される。
以上のように、ゲームの実行に応じて、遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での演出表示が行われる。
【0161】
次に、
図5および
図6を参照して、当選演出について説明する。
当選演出は、前述したように、複数のゲームに亘って連続的に実行される連続演出等とは異なり、1ゲームで完結する演出となっている。
このような当選演出は、主制御装置10からの役の抽選結果等を示す制御情報に基づき、副制御装置20が、メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9、ランプ11等を制御することで実行される。
【0162】
また、副制御装置20は、主制御装置10からの役の抽選結果やその時点の遊技状態等を示す制御情報に基づき、当選演出の実行の有無や、実行態様の決定等を制御するようにしている。
したがって、当選演出には、登場するキャラクタや役の報知態様が異なる複数のパターンが設けられ、主制御装置10では、役の抽選結果やその時点の遊技状態等に応じて、何れかのパターンの当選演出を実行するものとなっている。
【0163】
図5および
図6では、当選演出が実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
当選演出は、主に主制御装置10での役の抽選結果の報知や、その抽選結果に基づき付与される特典の期待度の示唆を行うもので、ゲームの実行中の所定の時期で、抽選結果の報知や特典の期待度の示唆を行う画像を表示することで実行される。
したがって、遊技者は当選演出中に表示される画像を確認することで、その後の特典の付与に対して期待を抱いたり、あるいは、リール4の停止操作を行ったりすることとなる。
【0164】
また、副制御装置20は、当選演出を実行する場合に、役の抽選結果に基づき、その実行態様を複数のパターンのうち何れかのパターンを選択して決定するようにしていて、
図5および
図6では、パターンAあるいはパターンBからなる当選演出について示している。
詳細は後述するが、副制御装置20では、例えば、ベル役の当選時には、パターンAでの当選演出を実行し、スイカ役の当選時には、パターンBでの当選演出を実行する等、役の抽選結果(ハズレも含む)に応じて、何れかのパターンの当選演出を実行するようにしている。
【0165】
[通常遊技状態中における当選演出(パターンA)]
まず、
図5は、通常遊技状態中におけるパターンAの実行態様で実行される当選演出について説明する。
図5は、役の抽選結果に基づき、パターンAでの当選演出が実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示していて、例えば、押し順ベル役あるいはスイカ役に当選した場合の演出画像を示している。
まず、
図5(a)は、パターンAでの当選演出が実行された場合におけるゲーム開始時の演出画像を示していて、ゲームが開始されると、メイン表示器8の画面の左下側に、所定のキャラクタを示す通常キャラクタ画像30aが表示されるとともに、画面の右上側に、疑問符の記号「?」を含んだ通常吹出し画像30bが表示される。
なお、
図5(a)に示す演出画像は、ゲーム開始時に表示するようにしているが、ゲーム開始時以外に、ゲームが開始されてから回転中の最初のリール4が停止されるまでの間の所定の時期に表示するようにしてもよい。
【0166】
次に、
図5(b)は、例えば、押し順ベル役の何れかが当選した場合であって、パターンAの当選演出におけるゲーム終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
図5(b)に示すように、ゲームが終了すると、メイン表示器8の画面略中央部に、宝箱を模した白色の配色が施された通常アイテム画像30cが表示される。
一方、
図5(c)は、例えば、弱スイカ役あるいは強スイカ役の何れかが当選した場合であって、パターンAの当選演出におけるゲーム終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
図5(c)に示すように、ゲームが終了すると、メイン表示器8の画面略中央部に、宝箱を模した緑色の配色が施された通常アイテム画像30cが表示される。
【0167】
ゲーム終了後に表示される通常アイテム画像30cの配色は、そのとき当選した役を報知、あるいは示唆するもので、青色はリプレイ役、緑色はスイカ役、赤色はチェリー役、紫色はチャンス役、その他の当選結果(ハズレを含む)は白色に各々対応している。
したがって、通常アイテム画像30cが表示された場合には、全ての抽選結果に対応していて、例えば、
図5(b)に示すように、白色の配色の通常アイテム画像30cが表示された場合には、押し順ベル役の当選の他、その他の抽選結果(ハズレも含む)の可能性も示唆することとなる。
また、緑色、赤色、紫色の何れかの通常アイテム画像30cが表示された場合には、ゲーム終了後にレア役の当選が報知されることとなる。すなわち、パターンAの当選演出が実行された場合には、ゲーム終了後に遊技者がレア役の当選を認識可能な特定演出(第2特定演出)が実行されるのである。
【0168】
なお、
図5(b)および(c)に示す演出画像は、ゲーム終了後に表示するようにしているが、ゲーム終了後以外に、回転中の最初のリール4が停止してから次のゲームが開始されるまでの間の所定の時期に表示するようにしてもよい。この場合、押し順ベル当選時には、例えば、2番目のリール4の停止後等、対応する押し順ベル役の入賞が確定する時期に演出画像を表示することが好ましい。
また、例えば、強スイカ役に当選した場合には、後述する拡大した宝箱からなる緑色の特別アイテム画像31c(
図6(b)参照)を表示することで、レア役に当選した場合でも、特典が付与される期待度に応じてアイテム画像の表示態様を変更するようにしてもよい。
【0169】
[通常遊技状態中における当選演出(パターンB)]
次に、
図6は、通常遊技状態中におけるパターンBの実行態様で実行される当選演出について説明する。
図6は、役の抽選結果に基づき、パターンBでの当選演出が実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示していて、例えば、レア役の当選時として強スイカ役あるいは弱スイカ役の何れかが当選した場合の当選演出であって、パターンBの当選演出におけるメイン表示器8での演出画像を示している。
なお、詳細は後述するが、レア役の当選以外の抽選結果となった場合には、パターンBでの当選演出は実行されないようになっている。
【0170】
まず、
図6(a)は、パターンBでの当選演出が実行された場合におけるゲーム開始時の演出画像を示していて、ゲームが開始されると、メイン表示器8の画面の左側に、所定のキャラクタを示す特別キャラクタ画像31aが表示されるとともに、画面の右上側に、感嘆符の記号「!!」を含んだ特別吹出し画像31bが表示される。
特別キャラクタ画像31aは、通常キャラクタ画像30aよりも拡大したものとなっていて、特別吹出し画像31bは、通常吹出し画像30bとは異なる折れ線で囲まれた拡大したものとなっている。
【0171】
このように、パターンBの当選演出が実行された場合には、ゲーム開始時に、レア役の当選時にのみ表示される特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bが表示されるのである。すなわち、レア役に当選した場合でもパターンAでの当選演出が実行された場合には、ゲーム開始時には遊技者がレア役の当選を認識できないこととなるが、パターンBの当選演出が実行された場合には、ゲーム開始時に遊技者がレア役の当選を認識可能な特定演出(第1特定演出)が実行されるのである。
なお、
図6(a)に示す演出画像は、ゲーム開始時(スタートレバー3の操作時)に表示するようにしているが、ゲーム開始時以外に、ゲームが開始されてから回転中の最初のリール4が停止されるまでの間の所定の時期に表示するようにしてもよい。
【0172】
次に、
図6(b)は、レア役の当選時として、例えば、強スイカ役あるいは弱スイカ役の何れかが当選した場合であって、パターンBの当選演出におけるゲーム終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
図6(b)に示すように、ゲームが終了すると、メイン表示器8の画面略中央部に、宝箱を模した緑色の配色が施された特別アイテム画像31cが表示される。
特別アイテム画像31cは、通常アイテム画像30cよりも拡大した宝箱となっていて、当選した役がレア役であった場合には、拡大した宝箱が表示されることとなる。
特別アイテム画像31cの配色は、そのとき当選したレア役の種類を報知するもので、緑色はスイカ役、赤色はチェリー役、紫色はチャンス役に各々対応している。
したがって、
図6(b)に示すように、緑色の配色の特別アイテム画像31cが表示された場合には、強スイカ役あるいは弱スイカ役の何れかの抽選結果であることが報知されることとなる。
【0173】
なお、
図6(b)に示す演出画像は、ゲーム終了後(全てのリール4の停止後)に表示するようにしているが、ゲーム終了後以外に、回転中の最初のリール4が停止してから次のゲームが開始されるまでの間の所定の時期に表示するようにしてもよい。
また、パターンAでの当選演出時と同様に、例えば、弱スイカ役に当選した場合には、緑色の通常アイテム画像30cを表示することで、レア役に当選した場合でも、特典が付与される期待度に応じてアイテム画像の表示態様を変更するようにしてもよい。
【0174】
以上、
図5および
図6で示したように、ゲーム開始時に、通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bが表示された場合には、何らかの役に当選した可能性があることが遊技者に報知されることから、遊技者は、そのゲームを、期待感を高めた状態で進めていくこととなる。
【0175】
また、特定の抽選結果として疑似ボーナス状態等の特典の付与の可能性のあるレア役の当選時には、通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bを表示した後、通常アイテム画像30cの配色を、緑色、赤色、紫色等にしたパターンAの当選演出か、あるいは、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示した後、特別アイテム画像31cの配色を、緑色、赤色、紫色等にしたパターンBの当選演出が実行されることとなる。
【0176】
すなわち、特定演出制御手段としての副制御装置20は、レア役の当選時には、パターンAでの当選演出の実行中の所定の時期(ゲーム終了後)に、遊技者がレア役の当選を認識可能とする、緑色、赤色、紫色等にした通常アイテム画像30cを表示する演出態様(第1特定演出)か、あるいは、パターンBでの当選演出の実行中であって、上記所定の時期よりも早い時期(ゲーム開始時)に、遊技者がレア役の当選を認識可能とする、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示する演出態様(第2特定演出)の何れかで特定演出を実行するのである。
つまり、レア役の当選には、特定演出として第1特定演出と第2特定演出の何れかが実行され、夫々遊技者がレア役の当選を認識する時期が異なるものとなっているのである。
【0177】
したがって、当選演出の実行態様の変化により、遊技者の期待感を変化させることが可能となり、レア役の当選に対応した特定演出が実行された場合には、遊技者の期待感をさらに高めることが可能となるのである。
また、レア役の図柄組合せには、前述したように、取りこぼしの可能性のあるチェリー役とスイカ役も含まれているので、ゲーム開始時、すなわち未だ全てのリール4が回転中の状態でレア役に当選に対応したパターンBでの当選演出が実行された場合には、遊技者は、その後の取りこぼしに注意しながらリール4の停止操作(目押し操作)を慎重に行うことが可能となるのである。
【0178】
また、各キャラクタ画像および吹出し画像が表示された後は、ゲーム終了後に、それらの画像に応じるようにアイテム画像が表示されることとなるので、1ゲームを通して遊技者の期待感を高めつつスムーズにゲームを進めることが可能となり、遊技者は安心して遊技を楽しめることとなる。
【0179】
なお、通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bが表示された後に、レア役の当選を報知する場合には、特別アイテム画像31cの表示(配色)により当選したレア役の当選を報知してもよい。
また、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bが表示された後に、レア役の当選を報知する場合には、通常アイテム画像30cの表示(配色)により当選したレア役の当選を報知してもよい。
【0180】
また、アイテム画像の大きさを変えることで、弱スイカ役と強スイカ役、あるいは弱チェリー役と強チェリー役を報知するようにしてもよい。
また、アイテム画像の大きさを変えることで、当選したレア役を契機とした特典の付与に対する期待度を示唆するようにしてもよい。
また、ゲーム終了後に、宝箱のアイテムを表示して、その大きさや配色により役の当選結果を報知するようにしているが、ゲーム終了後に、まずは所定時間(例えば、1秒)各抽選結果で共通の宝箱を表示して、その後宝箱の中から当選結果を報知するアイテム(例えば、チェリーアイテムやスイカアイテム)が出てくるような画像を表示するようにしてもよい。
また、レア役の当選であった場合には、ゲーム終了後に、まずは所定時間(例えば、1秒)当選したレア役の種類を報知可能な配色の宝箱を表示して、その後宝箱の中から、そのレア役の当選を契機とした特典の付与に対する期待度を示す画像(例えば、チャンスや激アツ)を表示するようにしてもよい。
このようにすれば、最初の宝箱の表示により遊技者の興味を引き付けた上で、最終的に当選結果や特典の付与に対する期待度を報知することが可能となる。
【0181】
また、レア役の当選時のゲーム開始時に、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示する前に、操作演出としてのボタン演出を実行し、演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)が操作された場合に、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示するようにしてもよい。
このようにすれば、ボタン演出の実行によりゲーム開始時に遊技者にレア役の当選を確実に報知することが可能となる。
また、ボタン演出が実行されても、遊技者が演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)を操作しない可能性も生じるが、この場合には、ゲーム終了まで特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bの表示をキャンセル(中止)するようにしてもよいし、回転中のリール4に対して最初の停止操作が行われた時点で、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示するようにしてもよい。
【0182】
また、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示することで、何れかのレア役の当選をリール4が停止する以前に報知するようにしているが、リール4が停止する以前に何れかのレア役の当選を報知するものであれば、上記以外でもよく、例えば、表示するキャラクタの種類を変化させたり、背景を変化させたり、あるいは、スピーカ9からの効果音を変化させたり、ランプ11の発光態様を変化させたりするものでもよい。
また、リール4が停止する以前に何れかのレア役の当選を報知するパターンを有していれば、当選演出のパターンを3種類以上設けてもよい。
また、当選演出は、メイン表示器8以外に、サブ表示器17で実行するようにしてもよいし、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で実行するようにしてもよい。
以上のように、メイン表示器8において当選演出が実行される。
【0183】
次に、当選演出のパターンの選択率について
図7および
図8を参照して説明する。
前述したように、所定のゲームにおいて当選演出を実行する場合に、役の抽選結果や、その時点の演出状態に応じて当選演出のパターンを決定するようにしている。
なお、当選演出のパターンを決定するためのパターンの選択制御は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、副制御装置20で実行されるが、主制御装置10により行ってもよい。
【0184】
[当選演出のパターンの選択率(演出頻度通常状態)]
図7(a)は、演出状態が、前兆演出中および待機期間中(あるいはフェイク待機期間中)以外の状態である演出頻度通常状態中における当選演出のパターンの選択率を示している。
図7(a)に示すように、ゲームの抽選結果が「レア役以外」、すなわち、ベル役やリプレイ役の当選、およびハズレ抽選結果であった場合には、「演出無し」、すなわち、当選演出を実行しないことを選択する確率が80%、「パターンA」を選択する確率が20%、「パターンB」を選択する確率が0%となるように選択制御が行われる。
【0185】
また、ゲームの抽選結果が「弱スイカ役」であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が90%、「パターンB」を選択する確率が10%となるように選択制御が行われる。
また、ゲームの抽選結果が「弱チェリー役」であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が90%、「パターンB」を選択する確率が10%となるように選択制御が行われる。
【0186】
また、ゲームの抽選結果が「強スイカ役(CZ状態非当選)」、すなわち、強スイカ役の当選時のCZ状態の移行抽選が非当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が70%、「パターンB」を選択する確率が30%となるように選択制御が行われる。
また、ゲームの抽選結果が「強スイカ役(CZ状態当選)」、すなわち、強スイカ役の当選時のCZ状態の移行抽選が当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が60%、「パターンB」を選択する確率が40%となるように選択制御が行われる。
【0187】
また、ゲームの抽選結果が「強チェリー役(疑似ボーナス状態非当選)」、すなわち、強チェリー役の当選時の疑似ボーナス状態の移行抽選が非当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が50%、「パターンB」を選択する確率が50%となるように選択制御が行われる。
また、ゲームの抽選結果が「強チェリー役(疑似ボーナス状態当選)」、すなわち、強チェリー役の当選時の疑似ボーナス状態の移行抽選が当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が40%、「パターンB」を選択する確率が60%となるように選択制御が行われる。
なお、強チェリー役の当選時に直接AT状態の移行抽選に当選した場合も、上記「強チェリー役(疑似ボーナス状態当選)」と同様の選択制御が行われる。
【0188】
また、ゲームの抽選結果が「チャンス役(疑似ボーナス状態非当選)」、すなわち、チャンス役の当選時の疑似ボーナス状態の移行抽選が非当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が50%、「パターンB」を選択する確率が50%となるように選択制御が行われる。
また、ゲームの抽選結果が「チャンス役(疑似ボーナス状態当選)」、すなわち、チャンス役の当選時の疑似ボーナス状態の移行抽選が当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が40%、「パターンB」を選択する確率が60%となるように選択制御が行われる。
以上のように、演出頻度通常状態においては、ゲームの抽選結果が「レア役以外」であった場合には、「演出無し」か「パターンA」の何れかが選択されて、「パターンB」は選択されないこととなり、パターンBでの当選演出は実行された場合には、レア役の当選が確定することとなる。
また、レア役の当選した場合には、当選したレア役に対応した配色(緑色、赤色、紫色)にした通常アイテム画像30c(
図5参照)がゲーム終了後にメイン表示器8に表示されることとなる。
【0189】
[当選演出のパターンの選択率(演出頻度高状態)]
図7(b)は、演出状態が、前兆演出中および待機期間中(あるいはフェイク待機期間中)の状態である演出頻度高状態中における当選演出のパターンの選択率を示している。
図7(b)に示すように、ゲームの抽選結果が「レア役以外」であった場合には、「演出無し」を選択する確率が50%、「パターンA」を選択する確率が50%、「パターンB」を選択する確率が0%となるように選択制御が行われる。
【0190】
また、ゲームの抽選結果が「弱スイカ役」であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が15%、「パターンB」を選択する確率が85%となるように選択制御が行われる。
また、ゲームの抽選結果が「弱チェリー役」であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が15%、「パターンB」を選択する確率が85%となるように選択制御が行われる。
【0191】
また、ゲームの抽選結果が「強スイカ役(CZ状態非当選)」、すなわち、強スイカ役の当選時のCZ状態の移行抽選が非当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が10%、「パターンB」を選択する確率が90%となるように選択制御が行われる。
また、ゲームの抽選結果が「強スイカ役(CZ状態当選)」、すなわち、強スイカ役の当選時のCZ状態の移行抽選が当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が7%、「パターンB」を選択する確率が93%となるように選択制御が行われる。
【0192】
また、ゲームの抽選結果が「強チェリー役(疑似ボーナス状態非当選)」、すなわち、強チェリー役の当選時の疑似ボーナス状態の移行抽選が非当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が5%、「パターンB」を選択する確率が95%となるように選択制御が行われる。
また、ゲームの抽選結果が「強チェリー役(疑似ボーナス状態当選)」、すなわち、強チェリー役の当選時の疑似ボーナス状態の移行抽選が当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が3%、「パターンB」を選択する確率が97%となるように選択制御が行われる。
なお、強チェリー役の当選時に直接AT状態の移行抽選に当選した場合も、上記「強チェリー役(疑似ボーナス状態当選)」と同様の選択制御が行われる。
【0193】
また、ゲームの抽選結果が「チャンス役(疑似ボーナス状態非当選)」、すなわち、チャンス役の当選時の疑似ボーナス状態の移行抽選が非当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が0%、「パターンB」を選択する確率が100%となるように選択制御が行われる。
また、ゲームの抽選結果が「チャンス役(疑似ボーナス状態当選)」、すなわち、チャンス役の当選時の疑似ボーナス状態の移行抽選が当選であった場合には、「演出無し」を選択する確率が0%、「パターンA」を選択する確率が0%、「パターンB」を選択する確率が100%となるように選択制御が行われる。
以上のように、演出頻度通常状態と同様に演出頻度高状態においても、ゲームの抽選結果が「レア役以外」であった場合には、「演出無し」か「パターンA」の何れかが選択されて、「パターンB」は選択されないこととなり、パターンBでの当選演出は実行された場合には、レア役の当選が確定することとなる。
また、レア役の当選した場合には、ゲーム開始時に、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31b(
図6参照)が表示された後、当選したレア役に対応した配色(緑色、赤色、紫色)にした特別アイテム画像31c(
図6参照)がゲーム終了後にメイン表示器8に表示されることとなる。
【0194】
以上、
図7で示した選択率で当選演出の実行、および当選演出のパターンが選択されることから、レア役に当選した場合には、必ず当選演出が実行され、さらに、パターンBでの当選演出が選択される確率が高まるのである。
したがって、パターンに関係なく当選演出自体が発生した場合には、レア役への当選に対する期待感が高められ、パターンBでの当選演出が発生した場合には、レア役への当選に対する期待感がさらに高められるのである。
また、パターンBでの当選演出の発生により、ゲーム開始時にレア役の当選を報知することが可能となるので、レア役の図柄組合せを確実に停止させることが可能となるのである。
【0195】
また、演出頻度高状態においては、レア役の当選以外の抽選結果が導出された場合の当選演出の発生率が高められることから、抽選結果に関わらず当選演出自体の発生率が、演出頻度高状態以外よりも高められることとなる。
すなわち、副制御装置20は、特定の特典が付与される以前の演出頻度高状態である特定期間において、特定期間以外の所定期間よりも所定の演出としての当選演出の実行頻度を高めることが可能な演出頻度制御手段を備えることとなる。
したがって、演出の状態の変化により、特典の付与に対する期待感が高められるのである。特に、待機期間およびフェイク待期期間においては、前兆演出中とは異なり、メイン表示器8で通常遊技状態中の演出が実行されているので、普段と同様の演出内容(ステージ等)であるにもかかわらず、頻繁に当選演出が発生することとなり、この頻繁な当選演出により何らかの特典が付与されるのではないか、というような示唆を行えるのである。
【0196】
また、特定期間としての演出頻度高状態においてレア役に当選した場合には、演出頻度高状態以外よりもパターンBの当選演出の実行確率が高められることとなる。
前述したように、特定演出制御手段としての副制御装置20は、レア役の当選時には、通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bを表示した後、特定演出として、ゲーム終了時に、緑色、赤色、紫色等の配色にした通常アイテム画像30cが表示(第1特定演出)されるパターンAの当選演出か、あるいは、ゲーム開始時に、特定演出として、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bが表示(第2特定演出)されるパターンBでの当選演出の何れかを実行することとなるが、特定期間における特定演出の実行態様の決定に際して、パターンBでの当選演出の選択比率を高めるような制御を行うのである。
すなわち、副制御装置20は、特定期間における特定演出の実行態様の決定に関して、特定期間以外の所定期間とは異なる制御を行うことが可能な演出態様制御手段を備え、特定期間においては、第1特定演出よりも第2特定演出の方が高い確率で実行されるように特定演出の実行態様を決定するのである。
【0197】
したがって、演出頻度高状態においてレア役に当選した場合には、パターンAよりもパターンBでの当選演出の実行確率が、演出頻度高状態以外よりも高まることとなり、ゲーム開始時に確実にレア役に当選したことを遊技者に報知することが可能となり、遊技者は、取りこぼしを防止しながらリール4の停止操作を行うことが可能となるのである。
前述したように、演出頻度高状態においては、当選演出の発生率が高められて特典の付与に対する期待感が高められるが、一方で、その頻繁に生じる当選演出に慣れた遊技者は、当選演出が発生した場合でも、レア役以外の抽選結果で当選演出が発生したものと判断してしまうこともあり、この場合には、あまり取りこぼしに注意せずに迅速にリール4の停止操作を行ってしまうこととなる。したがって、このときレア役に当選していた場合には、レア役の図柄組合せを停止できずにゲームを終了してしまうこととなり、遊技者の不満感を高めてしまうこととなる。本実施形態においては、このような事態を未然に防止できるのである。
【0198】
なお、第2特定演出としてのパターンBでの当選演出を実行する場合に、操作演出としてのボタン演出を併行して実行するようにしてもよい。
例えば、レア役当選時のゲーム開始時に、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示する前に、演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)の操作を促す画像をメイン表示器8に表示し、その後、演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)が操作された場合に、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示するようにしてもよい。
すなわち、特定演出制御手段としての副制御装置20は、操作手段としての演出ボタン2d(もしくは上部演出ボタン2f)の操作を伴う操作演出を含んで第2特定演出を実行可能としてもよいのである。
このようにすれば、ボタン演出の実行によりゲーム開始時に、遊技者による操作が必要な演出といった、いつもと異なる演出が実行されたことを遊技者に明確に報知することが可能となり、遊技者に対してレア役に当選したことを確実に知らしめることが可能となる。
【0199】
また、本実施形態においては、演出頻度高状態において、当選演出の発生率を演出頻度高状態以外よりも高めるようにしているが、疑似ボーナス状態の発生に対する期待感を高めるものであれば、当選演出以外の個別演出の発生率を同様に高めるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、演出頻度高状態において、チャンス役以外のレア役に当選した場合には、低い確率であるがパターンAでの当選演出を選択するようにしているが、全てのレア役に当選した場合に、パターンAでの当選演出を選択しないようにしてもよい。
【0200】
また、演出頻度高状態においても、待機期間中(あるいはフェイク待期期間中)と、前兆演出中とで、当選演出の発生率を異ならせてもよい。例えば、待機期間中(あるいはフェイク待期期間中)よりも前兆演出中の方が、当選演出自体の発生率が高まるように制御してもよいし、前兆演出中よりも待機期間中(あるいはフェイク待期期間中)の方が、当選演出自体の発生率が高まるように制御してもよい。
また、演出頻度高状態においても、待機期間中(あるいはフェイク待期期間中)と、前兆演出中とで、当選演出のパターンの選択率を異ならせてもよい。例えば、待機期間中(あるいはフェイク待期期間中)よりも前兆演出中の方が、パターンBの当選演出の発生率が高まるように制御してもよいし、前兆演出中よりも待機期間中(あるいはフェイク待期期間中)の方が、パターンBでの当選演出の発生率が高まるように制御してもよい。
【0201】
また、当選演出の発生率の変化により遊技者が特典の付与に対する期待感を高めるものであれば、レア役の当選以外の抽選結果となった場合でも、ハズレ抽選結果とそれ以外の抽選結果とで異なる選択率にしてもよい。また、ATの機能を有する遊技機の場合には、押し順ベル役の当選確率がそれ以外の役よりも高められているので、押し順ベル役当選時には、それ以外の抽選結果となった場合よりも当選演出の発生率を高める等、押し順ベル役当選時とそれ以外の抽選結果とで異なる当選演出の発生率にしたり、パターンの選択率にしたりするようにしてもよい。
また、特典の付与が決定された場合のレア役の当選時に限り、極めて低い確率(例えば、1%等)で当選演出を実行しないようにしてもよい。
また、特定演出(第2特定演出)として、ゲーム開始時に、メイン表示器8に特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示するようにしているが、特定演出(第2特定演出)として、ゲーム開始時に、メイン表示器8の画面全体(あるいは一部)にカットイン画像を、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bに代えて(あるいは、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bと一緒に)表示するようにしてもよい。
カットイン画像は、ゲーム開始時に所謂カットイン演出が実行された場合に挿入される画像であり、ゲーム開始時にカットイン演出が実行されると、例えば、所定のキャラクタの画像等のカットイン画像が、メイン表示器8に所定時間(例えば、0.5秒)のみ表示されることとなる。
このようにすれば、カットイン演出(カットイン画像の表示)により、ゲーム開始時にレア役に当選したことを遊技者に確実に報知することが可能となる。
【0202】
[当選演出のパターンの選択率(フェイク前兆演出終了後1ゲーム目)]
次に、
図8を参照して、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目における当選演出について説明する。
当選演出のパターンの選択は、
図7に示したように、その時点の演出状態に応じて実行されるが、本実施形態においては、その他、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目に限って、特別な選択制御を行うようにしている。
すなわち、疑似ボーナス状態への移行が行われないフェイク前兆演出が実行され、そのフェイク前兆演出が終了した後の最初に行われるゲームにおいては、前述した
図7の選択率とは異なる選択率で当選演出が実行されるのである。
図8は、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目における当選演出のパターンの選択率を示している。
【0203】
図8に示すように、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目におけるゲームの抽選結果が「レア役以外」であった場合には、「演出無し」を選択する確率が100%、「パターンA」を選択する確率が0%、「パターンB」を選択する確率が0%となるように選択制御が行われる。
抽選結果が「レア役以外」の選択率に関しては、
図7(b)で示した、演出状態が、演出頻度高状態中における当選演出のパターンの選択率と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0204】
以上、
図8で示した選択率で、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目における当選演出のパターンが選択されることから、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目において、レア役の当選以外の抽選結果となった場合には、当選演出の実行が行われないようになるのである。
したがって、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目において、当選演出が実行された場合には、そのパターンに関係なくレア役の当選が確定することとなる。
また、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目においてレア役に当選した場合には、パターンBでの当選演出の選択率が高められることから、ゲーム開始時にレア役に当選したことを報知する演出画像が表示される可能性が高くなる。
すなわち、演出態様制御手段としての副制御装置20は、前兆演出終了直後のゲームにおいて、第1特定演出よりも第2特定演出の方が高い確率で実行されるように特定演出の実行態様を決定するのである。
【0205】
フェイク前兆演出終了後1ゲーム目において上記のような選択制御が行われる結果、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目におけるレア役に当選した場合には、レア役に対応した図柄組合せを停止できない取りこぼしの発生を防止することが可能となるのである。
すなわち、フェイク前兆演出中においては、遊技者は演出内容に集中することとなるが、このフェイク前兆演出が終了した直後は、遊技者の集中力が途切れて散漫な状態でゲームを消化する虞があり、より取りこぼしの可能性が高くなってしまう。
【0206】
しかしながら、本実施形態においては、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目において、普段からレア役の当選以外での当選演出の実行を排除することで、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目に当選演出の実行をより目立たせることができ、集中力が途切れた遊技者に対しても、何らかの役に当選したことを認識し易くすることが可能となるのである。
さらに、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目において、レア役に当選した場合には、当選演出が、パターンBで実行される確率が高まるので、ゲーム当初からレア役に当選したことを遊技者に認識させることが可能となり、集中力が途切れた遊技者に対しても、レア役に対応した図柄組合せを停止できない取りこぼしを防止することが可能となるのである。
【0207】
なお、フェイク前兆演出終了後1ゲーム目において、チャンス役以外のレア役に当選した場合には、低い確率であるがパターンAでの当選演出を選択するようにしているが、全てのレア役に当選した場合に、パターンAでの当選演出を選択しないようにしてもよい。
以上のように、当選演出の選択制御が行われる。
【0208】
[前兆演出中におけるモードアップ演出]
次に、
図9を参照して、メイン表示器8で表示される前兆演出中におけるモードアップ演出について説明する。
前述したように、所定のレア役(例えば、チャンス役)に当選すると、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20は、例えば、メイン表示器8において、第1前兆演出としての本前兆演出や、第2前兆演出としてのフェイク前兆演出等の前兆演出を実行することで、第1の特典としての疑似ボーナス状態の発生に対する期待感を高めるような制御が行われるが、その他、前兆演出中にはメイン表示器8において特別演出を実行することで、疑似ボーナス状態の発生に対する期待度を変化させるようにしている。
【0209】
本実施形態においては、前兆演出中の特別演出として、モードアップ演出を実行するようにしている。
モードアップ演出は、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20の制御によりメイン表示器8において実行される画像演出であり、例えば、各々に異なる背景からなる複数の演出段階に前兆演出が設定されていて、前兆演出中の所定の時期において演出段階を変化させるときに実行される演出である。
演出段階の変化は、詳細は後述するが、その時の前兆演出が、本前兆演出かフェイク前兆演出かに応じて所定の確率で実行される。すなわち、疑似ボーナス状態への移行が決定されているか否かに応じて異なる確率でモードアップ演出を実行することで、疑似ボーナス状態に対する期待度を変化させるようになっている。
【0210】
図9は、メイン表示器8における前兆演出中の、特別演出としてのモードアップ演出が実行される場合の演出画像を示している。
図9に示すように、前兆演出が実行されると背景画像上に前兆演出中のキャラクタを示す前兆キャラクタ画像32aが表示されるが、モードアップ演出はこの前兆演出中の背景の変化により実行される。
【0211】
前兆演出中の背景は、青色を基調とするモードA背景と、緑色を基調とするモードB背景と、赤色を基調とするモードC背景と、虹色を基調とするモードD背景が予め設定され、モードA背景→モードB背景→モードC背景→モードD背景の順に、演出段階が低い段階から高い段階に設定されているが、
図9は、初期設定のモードA背景に対応するモードA背景画像32bが表示されている状態からモードアップ演出が実行される状態を示している。
背景画像は、詳細は後述するが、疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて、切替制御され、モードA背景<モードB背景<モードC背景<モードD背景の関係性を形成するように疑似ボーナス状態の当選に対する期待度が変化するように制御される。
【0212】
まず、
図9(a)は、ゲーム開始時の演出画像を示していて、未だモードアップ演出が1度も実行されていない状態(初期状態)では、メイン表示器8において、モードA背景画像32b上に前兆キャラクタ画像32aが表示される。
【0213】
この状態でゲームが開始されると、
図9(b)に示すように、緑色を基調とするモードB背景画像32cが、モードA背景画像32bを左方向に押し退けるように画面の右端側から現出して、モードA背景画像32bがモードB背景画像32cに変化するか否かの切替演出が実行される。
切替演出は、ゲーム開始時からリール4の全てが停止するゲーム終了まで実行され、画面の左右方向中央よりやや右側を境に、その左側にモードA背景画像32bが表示され、右側にモードB背景画像32cが表示された状態のまま、境界線が左右方向に所定タイミングで移動するように実行される。
すなわち、ゲームの実行中に、演出段階の低いモードA背景画像32bから演出段階の高いモードB背景画像32cに切り替わるか否かの切替演出が実行されるのである。
【0214】
そして、ゲームが終了すると、
図9(c)に示すように、モードB背景画像32cがモードA背景画像32bを画面左端部まで完全に押し退けて、画面全体にモードB背景画像32cが表示されて、モードB背景画像32cへの切り替えが行われることでモードアップ演出が完了することとなる。
すなわち、ゲーム中に上記切替演出が実行された後、ゲームの終了後に、演出段階の低いモードA背景画像32bから演出段階の高いモードB背景画像32cに切り替わることでモードアップ演出が実行されるのである。
なお、モードアップ演出が実行されない場合にも、所定の確率で、上記切替演出は実行され、その場合には、
図9(b)で示した状態から、ゲーム終了時にモードA背景画像32bがモードB背景画像32cを画面右端部まで完全に押し退けて、画面全体にモードA背景画像32bが表示されて、元のモードA背景画像32bに復帰することとなる。
また、その他の背景画像への切り替え(例えば、モードB背景からモードC背景への切り替え)も上記同様の手順で行われる。
【0215】
以上のように、前兆演出中には、所定の確率でモードアップ演出が実行されるので、疑似ボーナス状態に対する期待度を変化させることが可能となり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるとともに、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、モードアップ演出は、背景の変化により実行されるので、疑似ボーナス状態に対する期待度を分かり易い形で報知することが可能となり、モードアップ演出が実行された場合には、遊技者の期待感を確実に向上させることが可能となる。
【0216】
なお、背景画像の切り替えは、基調色を変化させるものでもよし、背景を構成する画像自体を変化(洞窟背景から城背景に変化等)せるものでもよい。また、モードアップ演出は、複数の演出段階で制御される前兆演出を、演出段階の高いものに変化さえるものであれば、背景の変化以外に、例えば、キャラクタを段階的に変化させる等、表示されているアイテム画像を変化させるものでもよい。
また、モードアップ演出は、演出ボタン2d等の操作手段の操作に基づき実行するようにしてもよい。
また、モードアップ演出は、メイン表示器8において実行される以外に、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で実行されるものでもよいし、サブ表示器17において実行されるものでもよい。
以上のように、メイン表示器8におけるモードアップ演出が実行される。
【0217】
[フェイク前兆演出中にCZ状態に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容]
次に、
図10のタイミングチャートを参照して、主制御装置10および副制御装置20の制御により実現する遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について、特に、フェイク前兆演出中にCZ状態に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について説明する。
【0218】
前述したように疑似ボーナス状態は、所定のレア役(例えば、チャンス役)の当選を契機に移行するものとなっているが、疑似ボーナス状態は、CZ状態を経由して移行する場合もある。
CZ状態は、通常遊技状態中における所定のレア役(例えば、強スイカ役)の当選を契機に移行することとなるが、本実施形態においては、特典の付与の重複を避けるために、疑似ボーナス状態の当選中はCZ状態の当選を無効としている。
したがって、通常遊技状態中であっても既に疑似ボーナス状態の移行が事前に決定されている期間、すなわち、例えば、本前兆演出中においては、CZ状態の当選を無効とする制御が行われる。
なお、疑似ボーナス状態の当選中における上記CZ状態の当選を無効にする代わりに、所定の特典を付与するようにしてもよい。例えば、疑似ボーナス状態の当選中において所定のレア役(例えば、強スイカ役)に当選した場合の所定確率で、疑似ボーナス状態において初期に付与されるゲーム数を通常よりも多いものにしたり、あるいは、AT状態の移行抽選確率が通常よりも高くなる疑似ボーナス状態を発生させたりしてもよい。
【0219】
しかしながら、前兆演出中でもフェイク前兆演出中においては、疑似ボーナス状態の移行が事前に決定されていないので、フェイク前兆演出中には、所定のレア役(例えば、強スイカ役)の当選を契機にCZ状態の当選を許容する制御が行われる。
【0220】
図10は、フェイク前兆演出中にCZ状態に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器8における表示内容の変化の対応関係を示している。
具体的には、フェイク前兆演出中における主制御装置10の制御により、所定の役(例えば、強スイカ役)の当選時の所定の確率(例えば、10%)でCZ状態への移行が決定し、その後、遊技状態がCZ状態に移行した場合の、メイン表示器8において表示される演出内容(演出画像)を示している。
【0221】
まず、
図10に示すように、疑似ボーナス状態への移行が決定されていないときの通常遊技状態中(1~3ゲーム目)は、通常遊技状態中の演出が行われる。
通常遊技状態中の演出としては、例えば、所定のキャラクタが草原を進んでいくような演出画像がメイン表示器8に示される。
また、通常遊技状態中においては、ゲーム毎に当選演出等の個別演出が実行されることもあり、個別演出が実行された場合には、上記した所定キャラクタが草原を進んでいくような演出画像に代えて個別演出に対応する演出画像がメイン表示器8に表示される。
【0222】
次に、通常遊技状態中の3ゲーム目のゲーム実行時(タイミングt5)に、チャンス役に当選した場合を示している。
図10では、このときの疑似ボーナス状態の抽選で疑似ボーナス状態には非当選であった場合を示していて、この場合には、前述したようにフェイク前兆演出が実行されることとなるが、フェイク前兆演出の実行前の4ゲーム目から14ゲーム目のゲームが実行される間(タイミングt6~t7)にフェイク待機期間が設定される。
なお、図示は省略しているが、3ゲーム目のゲーム実行時には、チャンス役に当選したので、チャンス役の当選に対応する当選演出がメイン表示器8において表示されることとなる。
【0223】
また、フェイク待機期間中においては、基本的には、フェイク待機期間でないときと同様に、通常遊技状態中の演出が行われるが、フェイク待機期間中においては、前述したように煽り演出が行われることから、当選演出の発生制御が、主制御装置10および副制御装置20により相対的に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で行われることとなる。
したがって、フェイク待機期間中においては、レア役に当選していないゲームでも、比較的高い確率で当選演出が発生することとなり、遊技者に対して前兆演出の発生に対する期待感を高めるような状態となるのである。
【0224】
次に、15ゲーム目のゲームが開始(タイミングt7)されると、メイン表示器8においてフェイク前兆演出が開始され、例えば、所定キャラクタが洞窟を進んでいくような演出画像が表示されることとなる。
また、フェイク前兆演出が行われる間においては、フェイク待機期間中と同様に、当選演出の発生制御が、相対的に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で行われることとなる。
また、前兆演出の初期時には、前兆演出の種類に関わらず背景がモードA背景で表示されることとなる。
【0225】
前兆演出が開始されると、主制御装置10によりモードアップ抽選が行われ、このモードアップ抽選に当選すると、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20の制御により、背景が次の演出段階に切り替わることとなる。
そして、
図10では、17ゲーム目のゲーム実行時(タイミングt8)に、モードアップ抽選に当選した場合を示している。
したがって、17ゲーム目のゲーム実行中には、
図9に示したようなモードアップ演出がメイン表示器8に表示された後、ゲーム終了後に背景がモードB背景に切り替わることとなる。
【0226】
背景がモードB背景に切り替わった後も、所定の確率でモードアップ抽選は行われるが、
図10では、19ゲーム目のゲーム実行時(タイミングt9)に強スイカ役に当選して、さらに、CZ状態に当選した場合を示している。
すなわち、前兆演出が実行されている場合でも、その前兆演出がフェイク前兆演出であった場合には、制御内容的には通常遊技状態と同様にCZ状態の抽選が行われることから、フェイク前兆演出中においてCZ状態に当選することもあるのである。
【0227】
図10に示すように、19ゲーム目のゲーム実行時(タイミングt9)にCZ状態に当選すると、遊技状態がCZ状態に移行することとなるが、遊技状態が通常遊技状態からCZ状態に移行するまでは、前述したように、所定ゲーム数のCZ状態待機状態となるので、この間もフェイク前兆演出は継続して実行されて、CZ状態の発生が遅延されることとなる。
図10では、CZ状態待機状態は6ゲーム間継続する場合を示しているので、25ゲーム目のゲーム実行時(タイミングt10)までCZ状態待機状態は継続することとなる。
【0228】
本実施形態においては、フェイク前兆演出中においてCZ状態待機状態となった場合には、モードアップ演出の実行が、それまでの間よりも抑制される制御が行われる。
したがって、CZ状態待機状態中である19ゲーム目のゲーム開始から25ゲーム目のゲームが終了するまでの間(タイミングt9~t10)においてはモードアップ抑制期間となり、この間では、副制御装置20の制御によりモードアップ演出の実行が抑制され、モードアップ演出の実行が禁止されることとなる。
その結果、既にモードB背景となっている背景は、次の演出段階への切り替えが禁止され、CZ状態に移行するまでそのまま維持されることとなる。
【0229】
そして、26ゲーム目のゲームの実行時(タイミングt10)に、遅延されていたCZ状態の移行が解除されて、遊技状態が通常遊技状態からCZ状態に移行することとなり、この時点で実行されていたフェイク前兆演出が途中終了して、メイン表示器8においては、CZ状態中の演出が開始することとなる。
したがって、予め設定されていた所定ゲーム数分の実行期間でのフェイク前兆演出は、CZ状態の移行により、演出段階に関わらずその時点で途中終了することとなる。
【0230】
以上のように、本実施形態においては、フェイク前兆演出中においてCZ状態に当選した場合には、フェイク前兆演出中におけるモードアップ演出の実行が抑制されることとなるのである。
すなわち、フェイク前兆演出中において第2の特典としてのCZ状態に当選した場合には、第1の特典としての疑似ボーナス状態の当選に対する期待度を高めるためのモードアップ演出が抑制されるのである。
【0231】
これは、前兆演出が高い演出段階となっているにもかかわらず、疑似ボーナス状態が発生しないと、遊技者の落胆感を高めることとなることから、CZ状態の当選を契機に遊技者の期待感を徒に高めてしまうことを防止するためである。
つまり、CZ状態の当選により、フェイク前兆演出が途中で終了することが確定しているにもかかわらず、モードアップ演出を実行してしまうと、疑似ボーナス状態の発生に対する期待感を高められた遊技者は、それよりも有利度の低いCZ状態の当選に起因して、高い演出段階となっている前兆演出が途中で終了することとなり、遊技者に不満感を与える虞があるが、このような事態を防止するためである。
したがって、本実施形態においては、上記したモードアップ演出の抑制制御が行われることから、有利度の異なる第1と第2の特典を付与可能としたスロットマシン1において、双方の特典に対する期待感を効率よく高めることが可能な演出が行われるのである。
【0232】
なお、本実施形態においては、モードアップ演出の抑制制御は、モードアップ演出を禁止するようにしているが、モードアップ演出の実行確率をモードアップ抑制期間よりも低めるものであれば、実行確率が0%以外の値であってもよい。
また、本実施形態においては、モードアップ演出の抑制制御は、副制御装置20により実行するようにしているが、主制御装置10で行うようにしてもよい。すなわち、通常では主制御装置10から制御情報を送信することで、副制御装置20に対してモードアップ演出を実行する否かの指示を行うが、モードアップ抑制期間においては、主制御装置10においてモードアップ演出を抑制するような指示情報を送信ようにしてもよい。
【0233】
また、フェイク前兆演出中におけるゲームおいて、疑似ボーナス状態とは異なる特典であるAT状態に直接当選することもあるが、この場合にもCZ状態の当選時と同様にモードアップ演出の抑制制御を行うようにしてもよい。
また、AT状態は疑似ボーナス状態よりも有利度が高く設定されているので、フェイク前兆演出中におけるゲームおいて、AT状態に直接当選した場合には、フェイク前兆演出中にAT状態に当選していない場合よりも、モードアップ演出の実行確率を高めるようにしてもよいし、AT状態に直接当選した場合には、演出段階を2段階上位に高めたり、特典の付与が確定する虹背景に直接切り替えたり等の、特別のモードアップ演出を実行してもよい。さらに、AT状態に直接当選した場合に限り、演出段階を低める演出を実行してもよい。
【0234】
すなわち、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態とは異なる特典の付与が決定された場合には、付与が決定された特典の種類(CZ状態やAT状態)に応じて、モードアップ演出の実行態様を変更する手段を設けて、付与が決定された特典が、疑似ボーナス状態と比べて有利度が高い場合には、前兆演出をより期待感の高いものとなるように制御し、疑似ボーナス状態と比べて有利度が低い場合には、前兆演出をより期待感の高いものとならない抑制制御を行うようしてもよいのである。
このようにすれば、フェイク前兆演出中でのCZ状態の当選後における、遊技者が不満感を抱くようなモードアップ演出を抑制することができるといった前述した効果に加えて、フェイク前兆演出中にAT状態が当選した場合には、フェイク前兆演出の演出段階がいくら高まっても、疑似ボーナス状態よりも有利度の高い特典が付与されることとなるので、不満感とは逆に満足感を遊技者に与えることが可能となる。
以上のように、フェイク前兆演出中にCZ状態に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での演出表示が行われる。
【0235】
[本前兆演出およびフェイク前兆演出中におけるモードアップ演出の実行確率]
次に、
図11を参照して、本前兆演出およびフェイク前兆演出中におけるモードアップ演出の実行確率について説明する。
前述したように、前兆演出中においては、所定の確率でモードアップ演出が行われるが、副制御装置20では、モードアップ演出をその時点の疑似ボーナス状態の当選の有無に応じてモードアップ演出の実行確率を異ならせることで、疑似ボーナス状態の当選の有無と前兆演出における演出段階を調整して、効果的に遊技者の期待感を高めるような制御を行っている。
そして、フェイク前兆演出中にCZ状態に当選した場合には、上記したモードアップ演出の実行に際して特別な制御を行うようにしている。
【0236】
図11は、本前兆演出およびフェイク前兆演出中におけるモードアップ演出の実行確率を示している。
なお、モードアップ演出は、レア役以外の抽選結果となった場合に実行されるが、表中の各確率値は、レア役以外の抽選結果となった場合における確率値を示している。
また、モードアップ演出は、その他の個別演出よりも優先的に実行される。
【0237】
まず、
図11(a)は、モードA背景での前兆演出が実行されている場合を示していて、フェイク前兆演出中においては、「変化無し」、すなわち、モードアップ演出を実行せずにモードA背景を維持する確率が95%、「モードアップ」、すなわち、モードA背景からモードB背景に演出段階を高める確率が5%、「モードダウン」、すなわち、演出段階を低める確率が0%となるようにモードアップ演出の制御が行われる。
【0238】
同様に、本前兆演出中においては、「変化無し」とする確率が95%、「モードアップ」とする確率が10%、「モードダウン」とする確率が0%となるようにモードアップ演出の制御が行われる。
同様に、フェイク前兆演出中におけるCZ状態待機状態中においては、「変化無し」とする確率が100%、「モードアップ」とする確率が0%、「モードダウン」とする確率が0%となるようにモードアップ演出の制御が行われる。
なお、
図11(a)は、演出段階が最も低いモードA背景の場合を示していて、それ以上に低い演出段階は無いことから、全ての状態において「モードダウン」とする確率は0%となっている。
【0239】
次に、
図11(b)は、モードB背景での前兆演出が実行されている場合を示していて、フェイク前兆演出中においては、「変化無し」、すなわち、モードアップ演出を実行せずにモードB背景を維持する確率が99%、「モードアップ」、すなわち、モードB背景からモードC背景に演出段階を高める確率が1%、「モードダウン」、すなわち、モードB背景からモードA背景に演出段階を低める確率が0%となるようにモードアップ演出の制御が行われる。
同様に、本前兆演出中においては、「変化無し」とする確率が97%、「モードアップ」とする確率が3%、「モードダウン」とする確率が0%となるようにモードアップ演出の制御が行われる。
同様に、フェイク前兆演出中におけるCZ状態待機状態中においては、「変化無し」とする確率が99%、「モードアップ」とする確率が0%、「モードダウン」とする確率が1%となるようにモードアップ演出の制御が行われる。
【0240】
次に、
図11(c)は、モードC背景での前兆演出が実行されている場合を示していて、フェイク前兆演出中においては、「変化無し」、すなわち、モードアップ演出を実行せずにモードC背景を維持するとする確率が100%、「モードアップ」、すなわち、モードC背景からモードD背景に演出段階を高める確率が0%、「モードダウン」、すなわち、モードC背景からモードB背景に演出段階を低める確率が0%となるようにモードアップ演出の制御が行われる。
同様に、本前兆演出中においては、「変化無し」とする確率が99%、「モードアップ」とする確率が1%、「モードダウン」とする確率が0%となるようにモードアップ演出の制御が行われる。
同様に、フェイク前兆演出中におけるCZ状態待機状態中においては、「変化無し」とする確率が99%、「モードアップ」とする確率が0%、「モードダウン」とする確率が1%となるようにモードアップ演出の制御が行われる。
【0241】
以上のように、第1前兆演出としての本前兆演出中には、各演出段階において所定の実行確率で特別演出としてのモードアップ演出が実行されることとなるが、第2前兆演出としてのフェイク前兆演出中には、各演出段階において本前兆演出中よりも低い確率でモードアップ演出が実行されることとなるのである。
すなわち、第1前兆演出制御手段としての副制御装置20は、本前兆演出中の所定のゲームにおいて、所定の実行確率でモードアップ演出を実行可能な第1特別演出制御手段を備えることとなり、一方、第2前兆演出制御手段としての副制御装置20は、フェイク前兆演出中の所定のゲームにおいて、本前兆演出中よりも実行確率が低くなるようにモードアップ演出を実行可能な第2特別演出制御手段を備えるのである。
【0242】
したがって、モードアップ演出が実行されると実行中の前兆演出が、本前兆演出である可能性が高まることとなるので、モードアップ演出が実行された場合には、疑似ボーナス状態の当選に対する遊技者の期待感を高めることが可能となるとともに、演出段階が高まるほど、疑似ボーナス状態の当選に対する期待感を高めることが可能となるのである。
【0243】
また、フェイク前兆演出中において第2の特典としてのCZ状態に当選した場合には、モードアップ演出が禁止されることとなるのである。
すなわち、第2特別演出制御手段としての副制御装置20は、フェイク前兆演出中にCZ状態の移行(当選)が決定された場合には、CZ状態の移行が決定されていない場合よりも、モードアップ演出の実行確率が低くなるようにモードアップ演出の実行制御を可能とするのである。
したがって、モードアップ演出の実行により、疑似ボーナス状態の発生に対する期待度を高めるための前兆演出が高い演出段階に移行したにもかかわらず、相対的に有利度の低いCZ状態の当選により、前兆演出が途中で終了してしまうといった、遊技者が不満感を抱くような事態を未然に防止することが可能となるのである。
【0244】
また、例えば、モードB背景からモードA背景に演出段階が切り替わる「モードダウン」で示される演出は、フェイク前兆演出中においてCZ状態に当選した場合に限り実行されることとなり、特定の特別演出として設定されている。
すなわち、第2特別演出制御手段としての副制御装置20は、フェイク前兆演出中にCZ状態の移行が決定された場合に、演出段階が低い演出段階に切り替わる特定の特別演出を実行可能とするのである。
したがって、演出段階が低められるといった、その他の状態ではあり得ない稀有な演出が実行された場合には、CZ状態の当選が確定することとなり、意外性を含んだ演出の実行により遊技者の期待感を極めて高めることが可能となるのである。
【0245】
なお、フェイク前兆演出中においてCZ状態に当選した場合には、「モードアップ」とする確率が全て0%となるように制御しているが、フェイク前兆演出中においてCZ状態に当選していない場合よりも、モードアップ演出を抑制するものであれば、1%等の僅かな値となるように制御するようにしてもよいし、モードB背景からモードC背景等の遊技者の期待感を極めて高めるようなモードアップ演出のみ0%となるように制御してもよい。
以上のように、本前兆演出およびフェイク前兆演出中におけるモードアップ演出の制御が行われる。
【0246】
[フェイク前兆演出中にCZ状態を発生させる場合の演出]
次に、
図12を参照して、フェイク前兆演出中にCZ状態を発生させる場合の演出について説明する。
前述したように、本実施形態においては、フェイク前兆演出中にCZ状態に当選した場合には、その後のCZ状態待機状態中におけるモードアップ演出の抑制制御が行われることとなる。
【0247】
また、このときのCZ状態待機状態中においては、既にCZ状態に当選しているので、本来ならば直ぐにCZ状態の当選を報知するところであるが、遊技者にとっての有利度は疑似ボーナス状態の方が大きいので、この疑似ボーナス状態の当選に対する期待感をなるべく長い期間維持させるために、メイン表示器8においてはフェイク前兆演出を継続するようにしている。
したがって、このときのCZ状態待機状態中においては、遊技者に対しては疑似ボーナス状態およびCZ状態の何れの当選の有無も報知されずにフェイク前兆演出が継続することとなる。
【0248】
そして、このフェイク前兆演出はCZ状態待機状態の最終ゲームまで継続され、CZ状態待機状態の最終ゲームでフェイク前兆演出を終了させるとともに、CZ状態の当選を報知するようにしている。
本実施形態においては、
図12に示すように、フェイク前兆演出におけるCZ状態待機状態の最終ゲームで、当選演出を実行することでCZ状態の当選を報知するようにしている。
したがって、CZ状態待機状態の最終ゲームで実行される当選演出は、役の当選結果を報知するものではなく、CZ状態の当選を報知するものとなっている。
【0249】
図12は、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20の制御により、フェイク前兆演出におけるCZ状態待機状態の最終ゲームにおいて、メイン表示器8において当選演出が実行された場合の演出画像を示している。
【0250】
まず、
図12(a)は、フェイク前兆演出におけるCZ状態待機状態の最終ゲームのゲーム開始時の演出を示していて、このときのメイン表示器8における演出画像を示している。
図12(a)に示すように、フェイク前兆演出におけるCZ状態待機状態の最終ゲームのゲーム開始時に当選演出が実行されると、前述したパターンAでの当選演出の開始時の演出画像がメイン表示器8において表示される。
【0251】
したがって、メイン表示器8の画面の左下側に、所定のキャラクタを示す通常キャラクタ画像30aが表示されるとともに、画面の右上側に、疑問符の記号「?」を含んだ通常吹出し画像30bが表示される。
なお、
図12(a)に示す演出画像は、ゲーム開始時に表示するようにしているが、ゲーム開始時以外に、ゲームが開始されてから回転中の最初のリール4が停止されるまでの間の所定の時期に表示するようにしてもよい。
【0252】
次に、
図12(b)は、フェイク前兆演出におけるCZ状態待機状態の最終ゲームのゲーム終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
図12(b)に示すように、ゲームが終了すると、メイン表示器8の画面略中央部に、宝箱を模した所定色の配色が施された報知アイテム画像30dが表示される。
このとき表示される報知アイテム画像30dの配色は、前述したアイテム画像とは異なるものとすることが好ましく、例えば、黒色や金色等の一目でいつもとは異なる結果が報知されることが認識できるものが好ましい。
【0253】
また、報知アイテム画像30dの内側には、「CZ」の文字情報を含んだCZ報知画像30eが表示される。
このCZ報知画像30eは、CZ状態の発生を報知するものであり、当選演出の結果として表示された報知アイテム画像30dにより、遊技者を注目させつつ、CZ報知画像30eの表示により、遊技者に対してCZ状態の発生が確実に報知されることとなる。
そして、次のゲームの実行によりフェイク前兆演出が途中終了して、遊技状態がCZ状態に移行することとなる。
【0254】
以上のように、フェイク前兆演出にCZ状態に当選した場合には、フェイク前兆演出におけるCZ状態待機状態の最終ゲームで唐突にCZ状態の発生が報知されることとなる。
したがって、それまで継続していたフェイク前兆演出により、疑似ボーナス状態の当選に対する期待感を残しつつ、唐突にCZ状態の発生が報知されるので、双方の特典に対して効果的な演出を実行することが可能となるのである。
【0255】
また、フェイク前兆演出におけるCZ状態待機状態の最終ゲームまで、有利度の高い疑似ボーナス状態の当選に対する遊技者の期待感を維持させることも可能となるのである。
また、CZ状態の当選の報知は、当選演出を実行することで行われるので、何らかの役に当選したものと認識した遊技者に対して、役の当選とは異なるCZ状態の当選報知が行われることから、遊技者に対して意外性のある報知態様となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0256】
なお、フェイク前兆演出におけるCZ状態待機状態の最終ゲームでCZ状態の報知を行う際に、パターンAでの当選演出を実行するようにしているが、パターンBでの当選演出を実行するようにしてもよいし、最終ゲームでレア役に当選した場合に限り、パターンBでの当選演出を実行するようにしてもよい。
以上のように、フェイク前兆演出中にCZ状態を発生させる場合の演出が行われる。
【0257】
<変形例1>
次に、本発明の変形例1について、
図13および
図14を参照して説明する。
変形例1においては、前述した実施形態のスロットマシン1におけるサブ表示器17の構成と配設位置が異なり、さらに、メイン表示器8の周辺構造が異なっていて、その他の部材の有無やその配設位置に関しては、前述した実施形態のスロットマシン1と同様となっている。
【0258】
前述した実施形態においては、リール4の右側に固定的にサブ表示器17を配設するようにしていたが、変形例1においては、第1表示手段としてのメイン表示器8の右側に第2表示手段としての移動式の移動式サブ表示器33を、サブ表示器17の替わりに、あるいはサブ表示器17とは別に設けるようにしている。
図13に示すように、移動式サブ表示器33は、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成されていて、横長で矩形状のメイン表示器8と異なり、縦長の矩形状に構成され、長手方向の寸法がメイン表示器8の上下寸法よりもやや短いものとなっている。
【0259】
また、移動式サブ表示器33の周辺には、図示は省略するが、移動式サブ表示器33を左右方向に移動するためのガイド、動力を発生させるモータ等の電気的駆動源、電気的駆動源からの動力を伝達するリンク機構等が設けられている。
そして、移動式サブ表示器33は、副制御装置20の制御により、
図13に示すメイン表示器8の右側位置である常態位置(第1位置)から、メイン表示器8の画面の前方である作動位置(第2位置)に略平行移動可能に構成されている。
したがって、移動式サブ表示器33は、移動式サブ表示器33を左右方向に移動させるための空間を形成するために、メイン表示器8よりもやや前方位置に配設されることとなる。
なお、移動式サブ表示器33を左右方向に移動させるものであれば、電気的駆動源や移動させるための機構は何れでもよく特に限定されない。
【0260】
また、メイン表示器8の右側方には、常態位置に復帰している移動式サブ表示器33の前面側を覆う装飾部材34が配設されている。
装飾部材34は、
図13に示すように、移動式サブ表示器33の全体と、メイン表示器8の右端部所定領域を覆うことが可能な面積を有していて、常態位置の移動式サブ表示器33の画面全体と、メイン表示器8の画面の一部を前方から視認不能に構成されている。
【0261】
また、装飾部材34には、略中央部に所定面積のハート形状の開口部34aが形成され、常態位置の移動式サブ表示器33の画面(表示部)に表示された情報は、この開口部34aから臨む領域のみが前方から視認可能となっている。
また、装飾部材34における開口部34aの左側は、メイン表示器8の画面の右端部まで延在するとともに、メイン表示器8と移動式サブ表示器33に跨った隠蔽部34bとなっていて、この隠蔽部34bにより、メイン表示器8の画面右端部の情報と、常態位置での移動式サブ表示器33の画面左端部の情報を隠蔽することが可能となっている。
したがって、装飾部材34におけるメイン表示器8側(左側)に形成される隠蔽部34bにより、移動式サブ表示器33が移動した場合でも、そのときに後方側で映し出されている移動式サブ表示器33の画面上の情報を隠蔽可能となっている。
【0262】
このように、移動式サブ表示器33は、常態位置では装飾部材34に前方が覆われた状態となって、開口部34aからのみその表示情報が視認可能となっていて、移動式サブ表示器33が作動位置側(左側)に移動すると、移動式サブ表示器33の左方向への移動により、画面が隠蔽部34bの右端部から現出することで画面上の情報が見え始め、移動が完了すると画面全体がメイン表示器8の前方位置で完全に視認可能となるように構成されている。
【0263】
[メイン表示器および移動式サブ表示器で表示される通常遊技状態中におけるモードアップ演出]
次に、
図14を参照して、変形例1において、移動式サブ表示器33で実行されるモードアップ演出について説明する。
前述した実施形態では、モードアップ演出はメイン表示器8における背景を変化させることで実行するようにしていたが、変形例1のスロットマシン1においては、特別演出としてのモードアップ演出を、第2表示手段としての移動式サブ表示器33により実行するようにしている。
【0264】
図14は、変形例1のスロットマシン1において、モードアップ演出を実行した場合の、移動式サブ表示器33の移動状態および表示状態を示している。
なお、変形例1においても、モードアップ演出は前述同様の実行確率(
図11参照)で、副制御装置20により制御される。
【0265】
まず、
図14(a)は、前兆演出中のゲーム開始時の演出画像を示していて、未だモードアップ演出が1度も実行されていない状態であって、移動式サブ表示器33において、モードA図柄画像33aが表示された状態を示している。
変形例1においては、前兆演出中には、基本的にモードアップ演出が実行されていないときは、移動式サブ表示器33は常態位置に復帰した状態となっていて、常態位置においてその時点の前兆演出における演出段階が表示されることとなる。
したがって、移動式サブ表示器33において装飾部材34の開口部34aに対応する図柄画像を表示することで、装飾部材34の開口部34aを通して演出段階に関わる情報が表示されることとなる。
【0266】
変形例1における演出段階を報知する図柄画像は、前述した実施形態に対応していて、モードA背景に対応した青色を基調としたハート形の図柄からなるモードA図柄と、モードB背景に対応した緑色を基調としたハート形の図柄からなるモードB図柄と、モードC背景に対応した赤色を基調としたハート形の図柄からなるモードC図柄と、モードD背景に対応した虹色を基調としたハート形の図柄からなるモードD図柄とから構成され、前述同様、副制御装置20の制御によりモードアップ演出が行われることで、図柄画像における基調色の変化によりそのときの前兆演出の期待度を示唆するようになっている。
【0267】
なお、
図14(a)においては、演出段階の初期段階であるモードA図柄を示すモードA図柄画像33aが表示されているが、各演出段階でも同様の表示が行われることとなり、移動式サブ表示器33には、開口部34aよりもやや大きい各モードに対応する図柄画像が表示されて、開口部34a内に隙間なく基調色が表示されることとなる。
また、各図柄画像は、演出段階が認識できればどのような情報でもよく、演出段階を示す配色が施されていれば、ベタ塗りの図柄画像や何らかの模様が付された図柄画像でもよい。
【0268】
次に、
図14(b)は、モードアップ演出が実行される場合のゲーム開始時からゲーム終了時までの間における、移動式サブ表示器33の表示状態および移動状態を示している。
図14(b)に示すように、前兆演出中の所定のゲームでモードアップ演出が実行されると、ゲーム開始時からゲーム終了時までの間においては、移動式サブ表示器33が常態位置と、作動位置方向(左方向)に所定距離移動した位置との間を左右方向に移動を繰り返す、モードアップ演出の切替演出が実行される。
モードアップ演出の切替演出は、演出段階が次の段階に切り替わる可能性を示唆する所謂煽り演出であり、切替演出の後、モードアップ演出が実行される場合もあれば、実行されない場合もある。
【0269】
なお、上記切替演出が行われる間に往復移動する距離は、隠蔽部34bの左端部から移動式サブ表示器33の左端部の一部が現出、すなわち、移動式サブ表示器33の左方向への移動が認識できれば何れでもよく、移動式サブ表示器33に表示されている各モードに対応する図柄画像が見えなくてもよいし、一部が見える程度に移動してもよい。
また、モードアップ演出の煽り演出が行われる間に移動式サブ表示器33が往復移動する速度や回数は何れでもよい。
また、モードアップ演出の煽り演出が行われる間においても、開口部34aからはモードA図柄画像33aの一部もしくは全部が認識できるようにすることが好ましく、
図14(b)では、移動式サブ表示器33の右端部が開口部34aよりも左側に移動しているので、その分だけモードA図柄画像33aの右側にずれて、モードA図柄画像33aの右側部分が開口部34aから臨むものとなっている。
【0270】
次に、
図14(c)および(d)は、モードアップ演出が実行される場合のゲーム終了時における、移動式サブ表示器33の表示状態および移動状態を示している。
まず、
図14(c)に示すように、モードアップ演出が実行されるゲームが終了すると、切替演出の終了に連続して、移動式サブ表示器33が常態位置から作動位置への移動が行われる。
このとき、移動式サブ表示器33が徐々に隠蔽部34bから現出することとなるが、その途中で、
図14(c)に示すように、次の演出段階を示すモードB図柄画像33bの左側の一部が表示し始めることとなる。また、モードB図柄画像33bの左側の一部が表示し始めたときでは、開口部34aからはモードA図柄画像33aの右側の一部の表示が残った状態となる。
【0271】
すなわち、移動式サブ表示器33に表示されているハート形の図柄を隠蔽部34bで分断するような状態となり、隠蔽部34bを挟んで左側にモードB図柄画像33b、右側にモードA図柄画像33aが表示された状態となるのである。
装飾部材34の左端部は、メイン表示器8の右端部領域を覆うように延在した状態となっているので、モードアップ演出が実行されると、次の演出段階を認識できる画像がメイン表示器8の前方位置において、突如として装飾部材34の左端部から現出することとなる。
なお、このとき一時的に移動式サブ表示器33には、ハート形の図柄画像は、左側がモードB図柄に対応した配色で、右側がモードA図柄に対応した配色で表示された状態となるが、その境の部分は隠蔽部34bにより隠蔽されているので、不自然な画像は表示されないこととなっている。
また、移動式サブ表示器33におけるハート型の図柄画像が表示される個所の除く背景には、ハート型の図柄画像を装飾する画像が表示されるが、ハート型の図柄画像をより目立たせる背景画像であればどのような背景画像でもよく、例えば、所定色のベタ塗り画像や所定色の模様が施された画像でもよい。
また、移動式サブ表示器33が作動位置へ移動することに伴い、開口部34aからその奥手側の部材、すなわち、普段移動式サブ表示器33により遮蔽されている部分が前方から視認可能となるが、開口部34aの奥手側には、例えば、黒塗りの壁面部材が備えられていることから、開口部34aから奥側の各種機構体が視認できてしまう等を防止できるとともに、移動式サブ表示器33が作動位置へ移動中は、あまり開口部34aを目立たなくするようにしている。なお、壁面部材に装飾効果を高める所定の配色(例えば、青色)や模様を施すようにしてもよい。
【0272】
そして、モードアップ演出が完了すると、
図14(d)に示すように、移動式サブ表示器33が、メイン表示器8の前方に完全に露出した位置である作動位置への移動が完了し、移動式サブ表示器33において、次の演出段階を示すモードB図柄画像33bが画面略中央に表示されることとなる。
【0273】
作動位置に移動した移動式サブ表示器33は、次のゲームが開始されるまでその状態が維持され、次のゲームが開始されると、
図14(e)に示すように、移動式サブ表示器33は、装飾部材34の後方の常態位置まで復帰し、次回以降のゲームでは、装飾部材34の開口部34aからモードアップした次の演出段階を示すモードB図柄画像33bが表示されることとなる。
【0274】
なお、モードアップ演出が実行されない場合にも、所定の確率で、上記切替演出は実行され、その場合には、
図14(b)で示した状態から、ゲーム終了時に移動式サブ表示器33が常態位置に復帰して、元のモードA図柄画像33aが開口部34aから表示されることとなる。
また、図示は省略するが、その他の図柄画像への切り替え(例えば、モードB図柄からモードC図柄への切り替え)も上記同様の手順で行われる。
【0275】
以上、変形例1のスロットマシン1においては、移動式サブ表示器33を用いてモードアップ演出を実行するようにしているので、表示器の移動により、斬新かつより分かり易い態様でモードアップ演出が実行されることとなり、遊技の興趣性を向上させるとともに、モードアップを確実に遊技者に知らしめることが可能となるのである。
また、モードアップ演出が行われた場合には、次の演出段階を示す画像を隠蔽部34bから効果的に現出させることが可能となり、移動式の表示器を利用した演出段階の切り替えを効果的に行うことが可能となるのである。
すなわち、表示器の移動を利用して演出段階の切り替えを行う際に、その途中段階を隠蔽する部材が存在しないと、表示器の移動途中で画像が切り替えられた様子がそのまま露出することとなってしまい、表示器の移動とともに演出段階が切り替わるといった演出を効果的に行えないが、変形例1においては、そのような課題を解決することが可能となるのである。
【0276】
なお、上記変形例1においては、モードアップ演出を行う際に、次の演出段階に切り替えるようにしているが、2段階上位の演出段階に切り替えるパターンも併せて実行可能に制御するようにしてもよい。このようにすれば、隠蔽部34bから現出する画像に対する遊技者の興味をより引き付けることが可能となる。すなわち、隠蔽部34bから現出した画像により次の演出段階が初めて認識できることとなるので、どの演出段階に切り替わるのかといった遊技者の興味を最後まで引き付けることが可能となるのである。
また、開口部34aの左側に隠蔽部34bが形成されるように装飾部材34を構成しているが、装飾部材34におけるメイン表示器8側に隠蔽部34bが形成され、かつ、常態位置の移動式サブ表示器33の情報を前方に臨ませる構成であれば、開口形状でなく切り欠き形状の構成でもよい。
【0277】
<変形例2>
次に、本発明の変形例2について、
図15および
図16を参照して説明する。
変形例2においては、前述した変形例1のスロットマシン1と同様に、移動式サブ表示器33を備えているが、変形例1における装飾部材34は備えずに、替わりに、操作手段としてタッチ式のタッチセンサ35を備えている。
【0278】
まず、変形例2における移動式サブ表示器33については、変形例1と同様に、作動状態となっていない常態位置においては、メイン表示器8の右側に配設され、電気的駆動源および作動機構により常態位置からメイン表示器8の前方の作動位置に移動可能となっている。
また、変形例1においては、装飾部材34により常態位置にある移動式サブ表示器33の前面側を覆うように構成されていたが、変形例2においては、表示器装飾枠15により常態位置にある移動式サブ表示器33の前面側を覆うように構成するようにしている。
したがって、メイン表示器8の右側における表示器装飾枠15の後方側には、図示は省略するが、移動式サブ表示器33がメイン表示器8の前方側で左右方向に移動可能な空間を確保しつつ、常態位置への移動が完了した際には、移動式サブ表示器33を収納可能な収納空間が形成され、収納空間に収納された移動式サブ表示器33の表示状態は前方から視認不能となっている。
【0279】
一方、タッチセンサ35は、遊技者の接触を検出可能なセンサで構成され、後方側に、上記した移動式サブ表示器33の左右方向への移動可能な空間を確保した状態で、メイン表示器8の前方に突出した状態となるように支持部材(図示略)で支持されて配設されている。
【0280】
また、タッチセンサ35からの検出信号は副制御装置20に入力されて、タッチセンサ35からの検出信号の入力に基づき、副制御装置20により、例えば、メイン表示器8や移動式サブ表示器33の演出に関わる制御が行われる。
なお、タッチセンサ35は、遊技者の手等が当該タッチセンサ35に接触したことを検出できれば、どのような方式のセンサでもよく、静電容量方式や抵抗膜方式等の周知なセンサを用いればよい。
また、タッチセンサ35の前方側への突出量や形状は、遊技者が、メイン表示器8および移動式サブ表示器33の前面側で容易にタッチセンサ35に接触可能であれば何れでもよい。また、タッチセンサ35は、前方から見て当該タッチセンサ35全体が完全にメイン表示器8の前方に位置するように配設されていてもよいし、タッチセンサ35の一部がメイン表示器8の前方に位置するように配設されていてもよい。
【0281】
このように、変形例2のスロットマシン1においては、タッチセンサ35がメイン表示器8の前方に突出状態で配設され、メイン表示器8とタッチセンサ35の前後間において、左右方向に移動式サブ表示器33が変換移動可能に構成されているのである。
したがって、移動式サブ表示器33がメイン表示器8の前方側の作動位置に移動した際には、前方からタッチセンサ35、移動式サブ表示器33、メイン表示器8の順に前後方向に重合した状態を形成可能となっている。
【0282】
[メイン表示器および移動式サブ表示器で表示される通常遊技状態中におけるパターンBでの当選演出]
次に、
図16を参照して、変形例2において、移動式サブ表示器33で実行される当選演出について説明する。
前述した実施形態では、
図5および6で示したように、当選演出はメイン表示器8でのみ実行するようにしていたが、変形例2のスロットマシン1においては、当選演出の一部を、メイン表示器8と移動式サブ表示器33の表示、および移動式サブ表示器33自体の移動により実行し、さらにタッチセンサ35を用いた操作演出(ボタン演出)を併行して実行するようにしている。
【0283】
図16は、変形例2のスロットマシン1において、通常遊技状態中におけるパターンBの実行態様での当選演出を実行した場合の、メイン表示器8と移動式サブ表示器33の表示、および移動式サブ表示器33自体の移動状態を示している。
なお、変形例2においても、当選演出のパターンは前述同様の実行確率(
図7、8参照)で、副制御装置20により制御される。したがって、演出頻度高状態となった場合の当選演出の実行確率を高める制御や、レア役当選時におけるパターンBでの当選演出の実行確率を高める制御は、前述同様に実行される。
また、ここでの図示は省略するが、副制御装置20の制御により、パターンAでの当選演出の実行が決定された場合には、前述した演出画像(
図5参照)が表示される。すなわち、移動式サブ表示器33やタッチセンサ35を用いずに、メイン表示器8のみで当選演出が実行されるのである。
【0284】
まず、
図16(a)は、例えば、強スイカ役あるいは弱スイカ役の何れかが当選した場合の当選演出であって、パターンBの当選演出におけるゲーム開始時のメイン表示器8と移動式サブ表示器33での演出画像を示している。
【0285】
図16(a)に示すように、ゲームが開始されると、移動式サブ表示器33が表示器装飾枠15後方の収納空間から脱出して作動位置方向への移動が開始し、所定時間経過後に移動式サブ表示器33自体が完全にメイン表示器8の前方位置となる作動位置に到達して移動が停止することとなる。
このときの移動式サブ表示器33の作動位置は、メイン表示器8の前方側であって、タッチセンサ35の一部分の後方側となる箇所に設定されている。つまり、移動式サブ表示器33が作動位置に移動すると、タッチセンサ35と移動式サブ表示器33とメイン表示器8の各々の一部が、スロットマシン1の前方側から見て相互に重なる状態となるのである。
【0286】
なお、移動式サブ表示器33が常態位置から作動位置への移動が完了する時間は、ゲームが開始されてから最初のリール4の停止操作が有効となる時間よりも短くなるように設定することが好ましいが、ゲームが終了するまでに移動が完了すれば、その他の時間でもよい。
また、移動式サブ表示器33の移動が完了するまでは、メイン表示器8においては、通常遊技状態中の演出画像が継続して表示され、移動式サブ表示器33には、メイン表示器8での演出画像と同様の演出画像が表示されるが、当選演出の開始を報知するようなエフェクト表示等を表示してもよい。
【0287】
次に、16(b)に示すように、移動式サブ表示器33の作動位置への移動が完了すると、移動式サブ表示器33の画面主要部において、タッチセンサ35へのタッチ操作を促す、「タッチして」の縦書きの文字情報からなる指示画像33cが表示されて操作演出が実行される。
したがって、タッチセンサ35の直後に位置している移動式サブ表示器33において、タッチセンサ35へのタッチ操作を促す情報が表示されることとなる。
なお、このときタッチセンサ35を模した画像を表示してもよい。
【0288】
そして、遊技者がタッチセンサ35へのタッチ操作を行うと、
図16(c)に示すように、メイン表示器8の画面の左側に、所定のキャラクタを示す特別キャラクタ画像31aが前述同様に表示されるとともに、移動式サブ表示器33の画面の上側に、感嘆符の記号「!!」を含んだサブ特別吹出し画像33dが表示される。
サブ特別吹出し画像33dは、前述した実施形態における当選演出での特別吹出し画像31b(
図6参照)と同様の画像となっている。
【0289】
すなわち、前述の実施形態においてはメイン表示器8に特別吹出し画像31bを表示していたが、変形例2においては、特別吹出し画像31bが表示される位置に存在する移動式サブ表示器33においてサブ特別吹出し画像33dを表示するのである。
したがって、変形例2においては、パターンBでの当選演出のゲーム開始時の演出画像自体は前述した実施形態と同様となるが、吹出し画像が移動式サブ表示器33において表示されて、メイン表示器8と移動式サブ表示器33の両方でゲーム開始時の演出画像が構成されることとなるのである。
【0290】
なお、
図16(a)~(c)に示す一連の演出画像は、ゲーム開始時から表示されるものとなっているが、少なくとも、ゲームが開始されてから回転中の最初のリール4が停止されるまでに、
図16(a)と(b)に示す演出画像が表示されていれば、
図16(c)に示すタッチセンサ35の操作後の演出画像については、何れかのリール4が停止された後に表示されてもよい。
これは、遊技者には、何れかのリール4を停止したのちにタッチセンサ35を操作する場合もあり、この場合には、何れかのリール4の停止後にサブ特別吹出し画像33dが表示されることとなる。
ただし、この場合でも、全てのリール4の停止前にタッチセンサ35が操作されなかった場合には、サブ特別吹出し画像33dの表示はキャンセルされることとなる。
【0291】
次に、
図16(d)は、変形例2のスロットマシン1において、例えば、強スイカ役あるいは弱スイカ役の何れかが当選した場合であって、パターンBの当選演出におけるゲーム終了後のメイン表示器8および移動式サブ表示器33での演出画像を示している。
図16(d)に示すように、ゲームが終了すると、メイン表示器8には特別キャラクタ画像31aの表示が維持されるとともに、移動式サブ表示器33の画面略中央部に、宝箱を模した緑色の配色が施されたサブ特別アイテム画像33eが表示される。
【0292】
サブ特別アイテム画像33eにおける宝箱の配色は、前述同様に当選した役の種類を報知するものとなっていて、緑色はスイカ役、赤色はチェリー役、紫色はチャンス役に各々対応している。
移動式サブ表示器33でのサブ特別アイテム画像33eは、パターンBでの当選演出時に限定されるので、サブ特別アイテム画像33eの表示により、レア役の何れかが報知されることとなる。
【0293】
なお、
図16(d)に示す演出画像は、ゲーム終了後に表示するようにしているが、ゲーム終了後以外に、タッチセンサ35の操作後であれば、回転中の最初のリール4が停止してから次のゲームが開始されるまでの間の所定の時期に表示するようにしてもよい。
また、上記したように遊技者がタッチセンサ35を操作しない場合もあるが、この場合には、サブ特別吹出し画像33dの表示は中止されてゲーム終了時点で、サブ特別アイテム画像33eが表示されることとなる。
【0294】
以上のように、変形例2のスロットマシン1においては、レア役に当選した場合には、移動式サブ表示器33の移動態様と表示態様の変化、およびタッチセンサ35のタッチ操作を利用した操作演出が実行されることで、第2特定演出として、ゲーム開始時にサブ特別吹出し画像33dが表示されるパターンBでの当選演出が実行される。
すなわち、表示手段としての移動式サブ表示器33に、第2特定演出に関わる情報として指示画像33cとサブ特別吹出し画像33d、およびサブ特別アイテム画像33eが表示されてパターンBでの当選演出が実行されるのである。
【0295】
したがって、斬新かつ興趣性の高い演出が実行され、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、タッチセンサ35は、スロットマシン1の前方側に突出してタッチ操作のし易い位置に配設されているので、ゲームの実行中においても、遊技者は何ら問題なく演出に関わる操作を行うことが可能となるのである。特に、タッチセンサ35のタッチ操作は、物理的に操作部を移動する等を必要としないので、よりゲームの実行に支障なく操作が可能となり、また、遊技者が強く叩く等も生じないので装置の故障等も未然に防止できるのである。
【0296】
また、タッチセンサ35の直後に移動式サブ表示器33を移動させて、その位置でタッチ操作を促す情報を表示するので、遊技者に対して的確に操作位置を認識させることも可能となるのである。
また、演出頻度高状態中にレア役に当選した場合には、パターンBでの当選演出の実行確率が高められるので、ゲーム開始時に、移動式サブ表示器33の移動やタッチセンサ35へのタッチ操作等、いつもと異なる演出が実行されることを遊技者に確実に知らしめることが可能となり、演出頻度高状態中におけるレア役当選時の所謂取りこぼしを確実に防止することが可能となるのである。
【0297】
なお、移動式サブ表示器33の作動位置は、メイン表示器8の前方であってタッチセンサ35の後方であれば何れに設定してもよい。ただし、移動式サブ表示器33にタッチセンサ35へのタッチ操作を促す情報を表示する場合には、当該情報がタッチセンサ35により隠れてしまわない位置とすることが好ましい。
また、タッチセンサ35の内部等に複数の情報を表示可能な液晶表示器等の表示手段を設けて、当選演出に関わる情報やタッチ操作に関わる情報等を表示するようにしてもよい。
【0298】
以上説明したように、本発明においては、遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームに関連した演出を実行するようにした遊技機(スロットマシン1)において、前記ゲームの実行に関連して、特典の付与に関わる抽選を実行可能な抽選手段(主制御装置10)と、前記ゲームの実行に関連して、前記演出の制御を実行可能な演出制御手段(副制御装置20)と、所定条件の成立に基づき、特定の特典(例えば、疑似ボーナス状態)を付与することを予め決定可能な特典付与制御手段(主制御装置10)と、を備え、前記演出制御手段は、前記特典付与制御手段により前記特定の特典が付与される以前の特定期間(例えば、前兆演出の待機期間)において、前記特定期間以外の所定期間よりも所定の演出(例えば、当選演出)の実行頻度を高めることが可能な演出頻度制御手段(副制御装置20)と、前記抽選手段による特定の抽選結果(レア役の当選)の導出に基づき、前記特定の抽選結果に対応する特定演出(例えば、パターンBによる当選演出)を実行させることが可能な特定演出制御手段(副制御装置20)と、を備え、前記特定演出制御手段は、前記特定期間における前記特定演出の実行態様の決定に関して、前記特定期間以外の所定期間とは異なる制御を行うことが可能な演出態様制御手段(副制御装置20)を備えた構成としている。
【0299】
ここで、抽選手段、演出制御手段、特典付与制御手段、演出頻度制御手段、特定演出制御手段、演出態様制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
また、演出は、液晶表示器、LED表示器、EL表示器等の複数の情報を表示する表示手段で実行されるものでもよいし、スピーカや、ランプ等の発光手段で実行されるものでもよい。
【0300】
また、ゲームの実行に関連とは、ゲームの実行に関わる条件の成立であり、ゲームの開始、ゲームの終了、ゲーム中、所定数のゲームの実行等を含むものである。
また、特定期間は、所定数のゲームが実行される期間、所定時間等を含むものである。
また、特定の特典としては、AT状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、高確率状態等の遊技者が有利となるものであれば何れでもよい。
また、特定演出の実行態様とは、特定演出の種類、特定演出における演出の変化時期等を含むものである。
【0301】
したがって、特定演出が実行された場合には、特定の抽選結果が導出されたことを遊技者に報知することが可能となる。また、特定期間においては、所定の演出の実行頻度が高められて特定の特典の付与に対する期待感が高められることとなる。
また、特定期間においては、特定演出の実行態様の決定に関して、特定期間以外の所定期間とは異なる制御が行われるので、遊技者に対して特定の抽選結果が導出されたことを早期に認識させることが可能となり、遊技者に不満感を与えることなくゲームを実行させることが可能となる。
【0302】
すなわち、特定期間においては、所定の演出の実行頻度が高められることから、その頻繁に生じる所定の演出の実行に慣れた遊技者は、特定の演出が発生した場合でも、特定の抽選結果以外の抽選結果で演出が発生したものと判断してしまうこともあり、この場合には、あまりゲームの結果には注意せずに迅速にゲームを実行しまうこととなる。したがって、このときに特定の抽選結果が導出されていた場合には、例えば、所謂取りこぼしが発生してしまう可能性があり、遊技者の不満感を高めてしまうこととなるが、本発明においては、そのような事態を未然に防止できるのである。
【0303】
また、前記演出頻度制御手段は、前記抽選手段による前記特定の抽選結果以外の所定の抽選結果の導出に基づき、前記所定の演出を実行可能とする構成としている。
したがって、確実に所定の演出の実行頻度を高めることが可能となる。
また、演出の状態の変化により、特典の付与に対する期待感を高めることが可能となる。つまり、例えば、普段と同様の演出内容(ステージ等)であるにもかかわらず、頻繁に所定の演出が発生する状態を形成でき、この所定の演出の頻繁な発生により何らかの特典が付与されるのではないか、というような示唆を行えるのである。
【0304】
また、前記特定演出制御手段は、前記特定の抽選結果が導出されたことを遊技者が認識可能な演出が、前記ゲームにおける所定の時期に実行される第1特定演出と、前記特定の抽選結果が導出されたことを遊技者が認識可能な演出が、前記ゲームにおける前記第1特定演出よりも早い時期に実行される第2特定演出と、を実行可能とし、前記演出態様制御手段は、前記特定期間においては、前記第1特定演出よりも前記第2特定演出の方が高い確率で実行されるように前記特定演出の実行態様を決定する構成としている。
したがって、第2特定演出が実行された場合には、遊技者に対して早期に特定の抽選結果が導出されたことを認識させることが可能となり、所謂取りこぼし等が生じることで、遊技者が不満感を抱くことを未然に防止可能となる。
【0305】
また、前記演出制御手段は、前記特定の特典が付与されない場合の所定条件の成立に基づき、複数のゲームに亘って前兆演出を実行可能な前兆演出制御手段(副制御装置20)を備え、前記演出態様制御手段は、前記前兆演出終了直後のゲームにおいて、前記第1特定演出よりも前記第2特定演出の方が高い確率で実行されるように前記特定演出の実行態様を決定する構成としている。
【0306】
前兆演出制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
したがって、前兆演出終了直後のゲームといった遊技者の集中力が途切れがちなゲームにおいても、特定の抽選結果が導出されたことを遊技者が早期に認識できるようになり、集中力が散漫な状態でゲームを消化することで、所謂取りこぼしが生じてしまうことを未然に防止することが可能となる。
【0307】
また、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、演出ボタン2d)を備え、前記特定演出制御手段は、前記操作手段の操作を伴う操作演出を含んで前記第2特定演出を実行可能とする構成としている。
したがって、操作演出の実行により、遊技者による操作が必要な演出といった、いつもと異なる演出が実行されたことを遊技者に明確に報知することが可能となり、第2特定演出の実行を遊技者に確実に報知することが可能となる。
【0308】
また、前記第2特定演出に関わる情報を表示可能であるとともに、常態位置から前記常態位置とは異なる特定位置に移動可能な表示手段を備え、前記表示手段は、前記操作手段の後方側において、前記常態位置から前記特定位置への移動を行うことが可能である構成としている。
したがって、従来にない斬新な演出を実行することが可能となることともに、第2特定演出の実行を遊技者に確実に報知することが可能となる。
【0309】
一方、特許文献1には、複数の表示装置を設け、各表示装置において種々の情報を表示するようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機における表示装置での情報表示では、興趣性の向上として十分ではなく、また、そのときの状態に応じた的確な報知が行えず、報知機能としても不十分なものであった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0310】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてAT状態(AT)を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の他にボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
【0311】
また、本実施形態では、AT状態のタイプとして、所定のゲーム数単位で実行されるAT状態を複数回継続可能なタイプにしているが、AT状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしてもよい。
【0312】
また、本実施形態では、操作手段として演出ボタン2dや上部演出ボタン2fを例示しているが、遊技者の操作により入力信号を出力するものであれば、その他でもよく、ベットボタン2a、停止ボタン5、スタートレバー3等でもよい。
【0313】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、ゲーム内容選択演出や前兆演出や当選演出中の所定の時期に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよいし、前兆演出中にモードアップ演出が実行された場合に振動手段を作動させるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、前兆演出や当選演出中の所定の時期や、前兆演出中にモードアップ演出が実行された場合に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0314】
また、表示手段として、メイン表示器8、サブ表示器17、移動式サブ表示器33を設けているが、前兆演出や当選演出等の実行箇所として、各々の表示手段を選択可能としてもよい。
【0315】
また、当選演出の実行頻度を高めることで、前兆演出が実行されることの期待感や、疑似ボーナス状態等の特典の付与に対する期待感を高めるようにしているが、その他の個別演出の実行頻度を高めることで、上記の期待感を高めるようにしてもよい。
【0316】
また、変形例1のスロットマシン1、すなわち、移動式サブ表示器33と装飾部材34を備えたスロットマシン1において、移動式サブ表示器33を利用して当選演出を実行するようにしてもよい。この場合、当選演出におけるレア役の当選を認識できる画像を、ゲーム開始時に移動式サブ表示器33の移動と共に表示することが好ましい。
このようにすれば、ゲーム開始時に隠蔽部34bから突如としてレア役の当選を認識できる画像が現出することとなり、より興趣性の高い演出となるし、前述した、レア役の当選をゲーム開始時に遊技者に認識させるといった効果もより顕著となる。
【0317】
また、変形例2のスロットマシン1、すなわち、移動式サブ表示器33とタッチセンサ35を備えたスロットマシン1において、移動式サブ表示器33とタッチセンサ35を利用してモードアップ演出を実行するようにしてもよい。この場合、タッチセンサ35へのタッチ操作に基づき演出段階が高まる演出を行うが、このような演出はフェイク前兆演出中におけるCZ状態の当選後は抑制することが好ましい。
このようにすれば、より斬新な態様でモードアップ演出が行えるし、このような強いイメージを与えるモードアップ演出が、CZ状態の当選後(CZ状態待機状態中)は抑制されるので、遊技者に不満感を与えることを極力防止することが可能となる。
【0318】
また、前述の実施形態では、抽選手段などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0319】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0320】
1:スロットマシン
2:ベットボタン
4:リール
5:停止ボタン
8:メイン表示器
10:主制御装置
17:サブ表示器
20:副制御装置
33:移動式サブ表示器
35:タッチセンサ