IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中村 京子の特許一覧

<>
  • 特開-感染防止具 図1
  • 特開-感染防止具 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022038801
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】感染防止具
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220303BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020143466
(22)【出願日】2020-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】520328729
【氏名又は名称】中村 京子
(74)【代理人】
【識別番号】110002996
【氏名又は名称】特許業務法人宮田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 京子
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA08
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】本発明は頻繁に着用・非着用を繰り返す際に好適な感染防止具を提供することを目的とする。
【解決手段】シールド板1と伸縮バンド3を備え、該シールド板1は可撓性を有しており、前記伸縮バンド3は前記シールド板1の一面にその両端が固定されており、当該伸縮バンド3には少なくとも親指を除く他の指が入る間隔が保たれていることを特徴とする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド板と伸縮バンドを備え、該シールド板は可撓性を有しており、前記伸縮バンドは前記シールド板の一面にその両端が固定されており、当該伸縮バンドには少なくとも親指を除く他の指が入る間隔が保たれていることを特徴とする感染防止具。
【請求項2】
前記シールド板は少なくとも鼻と口を同時に覆う大きさを有していることを特徴とする請求項1記載の感染防止具。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主にウイルス等の感染症を予防するために使用する感染防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新型コロナウイルスによる感染症が世界的に大流行しており、感染症予防対策としてマスクの着用が一般化している。また、マスクに代わり口元或いは顔全体を覆うフェイスシールドの着用も行われている。
マスクやフェイスシールドの着用の主な効用としては、会話時の飛沫の飛散、更には咳やくしゃみ等による飛沫が空気中に飛散することを防ぎ、他人にウイルスによる感染症をうつさないことは勿論、自身も空気中に浮遊するウイルスを吸い込むことから極力護り、感染症の予防に効果的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、マスクやフェイスシールドを長時間付けたままであることは、ストレスが溜まり決して精神的にも肉体的にも好ましいことではない。特に、熱中症の危険性の高い真夏日では、マスクやフェイスシールドを長時間着用していることは不快感であり、時には肉体的や精神的に大きなダメージを与える危険性すらある。
ところが、現状のマスクやフェイスシールドでは、そのマスクやフェイスシールドの必要時と不要時にその都度着用したり取り外したりすることは、面倒であるため、不快を感じながらも、そのまま着用を継続していることが多い。
以上のように、従来のマスク等ではその切り替え動作をスムーズに行うことはなかなかできないという問題があった。特に、複数人で会食をする場合には、会話をする時以外はマスクやフェイスシールドをして食事できないため却って邪魔になるという問題点もあった。
【0004】
そこで本発明は、前記事情に鑑み、着用・非着用を頻繁に繰り返す際に特に好適な感染防止具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明に係る感染防止具は、少なくとも鼻及び口を覆う大きさを有するシールド板と、該シールド板の一面に取り付けられている伸縮バンドとから構成されている。そして、前記シールド板は可撓性を有しており、透明なプラスチック製である。
前記伸縮バンドはその両端が、親指を除く他の指が入る間隔を保って留め具により固定されており、手のひらで伸縮バンドを介してシールド板を保持できるようになっている。
また、前記伸縮バンドは伸縮性があるので、手の大きさにかかわらず容易に指を通してシールド板の保持に都合が良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、会話時には親指以外の指を伸縮バンドに通して、手のひらによってシールド板を保持し、そのシールド板を顔の前に適度の間隔を明けて持って行き、親指と他の指で押圧することによってシールド板を内側に湾曲して口や鼻の両側との間隔を狭めるようにする。このように準備すれば、会話中における自身の飛沫がシールド板の内側に当たり空気中への飛散が遮られ、口の両サイドからの飛沫の拡散も極力防ぐことができることは勿論、相手方からの飛沫もシールド板により直接浴びることもない。
【0007】
したがって、本発明によれば、伸縮バンドに所定の指を通してシールド板を保持し、顔の前に持って行きシールド板を湾曲させるだけの簡単な動作により自身の会話中の飛沫の飛散を防ぐことができることは勿論、相手側からの飛沫を直接浴びることも防ぐことができる。このような簡単な動作であるため、自身が飛沫を飛散させたり、あるいは、飛沫を浴びる恐れのある場合の時だけ、上記動作により顔の前にシールド板を持ってきて飛沫を遮断すればよく、それ以外の時はシールド板を使用する必要性がなく、必要な時に備えて伸縮バンドを利用して本感染防止具を、例えば肘辺りに保持して待機させておけばよく、その切り替え動作が一層スムーズに行うことができる。
【0008】
以上のように、例えば、食事中のように料理を食べている時にはシールド板を顔から外し、食べていない会話中の時にはそれを顔の前に持ってゆくことを頻繁に繰り返すことによって、相手の表情を見ながら且つ、飛沫の飛散を防ぎ感染予防をしながら楽しい食事時間を過ごすことができる。しかも、その切り替えの操作性が頗る簡便であるため、面倒くささもなく何らの支障を感じることなく容易に実行でき、至極実用価値の高いものである。
また、本感染防止は簡単な構成であるため、使用後には洗浄・アルコール消毒等のメンテナンスも楽に行うことができ、繰り返しての使用も可能であるためコスト的にも安価である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る感染症防止具の正面図である。
図2】本感染症防止具の使用状態例を示す説明図であり、(イ)手に保持した状態を示す説明図であり、(ロ)は湾曲状態を示す説明図であり、(ハ)鼻及び口元に間隔を保って顔の前で保持した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本感染症防止具を説明する。
図1及び図2は本発明に係る感染防止具を示すもので、円形形状をしたプラスチック製の透明なシールド板1であり、そのシールド板1は可撓性を備えており、シールド板1の大きさは目、鼻及び口を覆う広さを有している。
前記シールド板1の一面には、両端を留め具2で固定した伸縮バンド3が略中央を横切るようにして取り付けてある。伸縮バンド3は、少なくとも親指を除く他の指が全て入る程度の長さを有している。シールド板1は伸縮バンド3に親指以外の指を通すことによって手のひらで保持が可能であり、親指及び他の指でシールド板1を押すことによりシールド板1を内側に湾曲させることができる。
また、伸縮バンド3の伸縮性によって利用者の手指の太さ如何にかかわらず問題なく伸縮バンド3に挿入でき、シールド板1を保持できる。
【0011】
本発明の感染防止具を実際に使用する場合には、シールド板1の一面に取り付けられている伸縮バンド3内に親指を除いて他の指を挿入し、手のひら全体で伸縮バンド3を介し
てシールド板1を保持する。次いで、当該シールド板1を顔の前に持って行き、更にシールド板1の可撓性を利用し、指で外側を押すことによりシールド板1を内側に屈曲させて口及び鼻の両側との間隔を狭くする。
このように準備して会話すれば、会話時に飛散する飛沫を確実にシールド板1により遮断するので、人に飛沫を浴びさせることも直接浴びることも防ぐことができる。また、飛沫が横方向から飛散することもシールド板1の湾曲角度を調節しながら防ぐこともできる。
【0012】
特に、会食時には会話時と飲食時とが頻繁に繰り返す場合にも、伸縮バンド3に指を通してシールド板1を顔の前に持ってゆく動作と、顔の前からシールド板1を取り去る動作とを繰り返すだけで良いので、動作の煩雑さもなく、容易に行うことができる。
したがって、例えば食事の時間においても、話し相手に飛沫を浴びさせる心配もなく、また相手からの飛沫を直接浴びる懸念もなく、お互いに不快な感情を抱くことなく、目、鼻及び口を同時に護る感染対策をしつつ透明なシールド板1からお互いの表情を見ながらコミュニケーションを取りながら楽しい食事の時間を過ごすことができる。
【0013】
尚、シールド板1の大きさを鼻及び口だけを覆う広さのものであれば、シールド板1は必ずしも透明である必要がないため、可撓性を備えた他の材料、例えば薄い金属板等でシールド板1を作ることも可能である。またシールド板1の形状は円形形状に限定されるものではなく、例えば、方形形状であっても良い。さらに、使用の方法としては、親指を除いた他の指を伸縮バンド3に通すようにしているが、親指及び小指を除いた他の指を伸縮バンド3に通すようにしても湾曲操作に支障がない。
【符号の説明】
【0014】
1 シールド板
2 留め具
3 伸縮バンド


















図1
図2