(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039958
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】サイネージ端末、サイネージ端末管理方法、及びサイネージ端末管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220303BHJP
G07F 9/02 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G07F9/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099146
(22)【出願日】2021-06-15
(62)【分割の表示】P 2020142952の分割
【原出願日】2020-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】506143492
【氏名又は名称】クックパッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】安部 建二
(72)【発明者】
【氏名】長田 卓哉
【テーマコード(参考)】
3E044
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044EA11
3E044EB01
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】店舗等の端末における、ユーザにとって無用な情報表示を回避し、有用な情報の効率的な表示制御を可能とする。
【解決手段】サイネージ端末100において、表示対象となる各種のコンテンツを保持する情報保持部110と、前記コンテンツの表示手段における表示中コンテンツの情報に基づき、当該表示中コンテンツが本サイネージ端末の管理目的のものであるか判定し、当該表示中コンテンツが管理目的のものであった場合、所定時間経過後、前記各種のコンテンツのうち、前記管理目的のものでなく、商品ないしサービスの情報を含むコンテンツの表示に遷移させる、表示制御部120を備える構成とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示対象となる各種のコンテンツを保持する情報保持部と、
前記コンテンツの表示手段における表示中コンテンツの情報に基づき、当該表示中コンテンツが本サイネージ端末の管理目的のものであるか判定し、当該表示中コンテンツが管理目的のものであった場合、所定時間経過後、前記各種のコンテンツのうち、前記管理目的のものでなく、商品ないしサービスの情報を含むコンテンツの表示に遷移させる、表示制御部と、
を備えるサイネージ端末。
【請求項2】
本サイネージ端末の操作権限モードを管理する権限管理部をさらに備え、
前記権限管理部は、前記遷移に際し、本サイネージ端末の操作対象者が管理者である管理者モードから、操作対象者がユーザであるユーザモードに変更するものである、
請求項1に記載のサイネージ端末。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記表示手段における表示中コンテンツが特定できない場合にも、前記遷移を行うものである、
請求項1または2に記載のサイネージ端末。
【請求項4】
サイネージ端末が、
表示対象となる各種のコンテンツを保持し、
前記コンテンツの表示手段における表示中コンテンツの情報に基づき、当該表示中コンテンツが本サイネージ端末の管理目的のものであるか判定し、当該表示中コンテンツが管理目的のものであった場合、所定時間経過後、前記各種のコンテンツのうち、前記管理目的のものでなく、商品ないしサービスの情報を含むコンテンツの表示に遷移させる処理を実行するサイネージ端末管理方法。
【請求項5】
サイネージ端末において、
表示対象となる各種のコンテンツを保持し、
前記コンテンツの表示手段における表示中コンテンツの情報に基づき、当該表示中コンテンツが本サイネージ端末の管理目的のものであるか判定し、当該表示中コンテンツが管理目的のものであった場合、所定時間経過後、前記各種のコンテンツのうち、前記管理目的のものでなく、商品ないしサービスの情報を含むコンテンツの表示に遷移させる処理、
を実行させるサイネージ端末管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サイネージ端末、サイネージ端末管理方法、及びサイネージ端末管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、調理のレシピ情報をインターネット等のネットワークを介してユーザに提供するサービスが増えている。また、そうしたレシピ情報に関して、調理機器などの他、スーパーマーケットなど各種施設に設置したサイネージ端末等の情報処理装置でコンテンツを出力する技術も存在する。
【0003】
そうしたサイネージ端末は、例えば、店舗の売場を回りながらの食材の決定と、レシピ情報サイトでのレシピ閲覧・選定の両作業を行うユーザにとって、特段の操作をせずともレシピ動画を閲覧し、献立のヒントが得られるという意味で、大きな存在感が放つものとなっている。
【0004】
なお、店舗等の端末でコンテンツを出力する際の従来技術としては、例えば、特許文献1には、商品広告を店舗内の表示装置に表示させるにあたり必要であった、広告データの作成や登録といった店員の負担を軽減することを目的とした、表示制御システムが開示されている。
【0005】
この表示制御システムは、店舗で販売されている商品を撮像することにより商品画像を作成可能な情報端末と、前記情報端末において作成された前記商品画像を表示部に表示させる表示制御装置と、を備え、前記表示制御装置は、前記情報端末が商品を撮像して生成した前記商品画像を、前記情報端末で入力された、前記商品画像が示す商品の販売を促進するための販促情報とともに取得する画像取得部と、複数の前記商品画像を、前記複数の商品画像それぞれに対応する前記販促情報とともに、前記表示部に順次表示させる表示制御部と、を有している。
【0006】
また他にも、特許文献2には、店舗に来店した顧客に対して、ディスプレイや液晶プロジェクタ等を用いて商品の販売促進を図ることを目的とした、販売支援システムが開示されている。
【0007】
この販売支援システムは、複数の売り場において、それぞれその売り場で販売する所定の商品の、販売促進用の広告表示をする表示装置と、前記各売り場の表示装置に、全ての売り場の表示装置に表示する広告の共通部分と、売り場固有の広告の個別部分とを、それぞれ配信する手段を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019-192185号公報
【特許文献2】特開2004-184752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の従来技術に関しては、例えば、献立検討や食材選びで忙しいユーザであっても、料理や食材のヒントを得ることが期待される。ところが、そうした端末で出力される内容は、単純にレシピ動画や食材情報のみに限られない。例えば、そうした端末にコンテンツを登録する操作や、或いはコンテンツ再生の制御設定を行う操作、などを店舗スタッフから受け付けるための管理画面も出力対象となりうる。
【0010】
店舗の顧客たるユーザからすれば、管理画面は無意味であり、不用意に操作して誤動作を招くトリガーともなりうる画面である。勿論、店舗側からしても、店舗都合の情報や店舗独自の設定等が第三者に閲覧されてしまうリスクにつながる。
【0011】
また、一人一人のユーザが端末の前で足を止めるタイミングは限られており、そうした貴重なタイミングに無意味な管理画面を表示させれば、ユーザにとっても店舗側にとっても得るものが無い状態となる。ユーザの満足度を低下させる可能性すらある。
【0012】
そこで本開示は、上述した事情に鑑みてなされたもので、店舗等の端末における、ユーザにとって無用な情報表示を回避し、有用な情報の効率的な表示制御を可能とする、サイネージ端末、サイネージ端末管理方法、及びサイネージ端末管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本開示のサイネージ端末は、表示対象となる各種のコンテンツを保持する情報保持部と、前記コンテンツの表示手段における表示中コンテンツの情報に基づき、当該表示中コンテンツが本サイネージ端末の管理目的のものであるか判定し、当該表示中コンテンツが管理目的のものであった場合、所定時間経過後、前記各種のコンテンツのうち、前記管理目的のものでなく、商品ないしサービスの情報を含むコンテンツの表示に遷移させる、表示制御部と、を備える。
【0014】
また、本開示のサイネージ端末管理方法は、サイネージ端末が、表示対象となる各種のコンテンツを保持し、前記コンテンツの表示手段における表示中コンテンツの情報に基づき、当該表示中コンテンツが本サイネージ端末の管理目的のものであるか判定し、当該表示中コンテンツが管理目的のものであった場合、所定時間経過後、前記各種のコンテンツのうち、前記管理目的のものでなく、商品ないしサービスの情報を含むコンテンツの表示に遷移させる処理を実行する。
【0015】
また、本開示のサイネージ端末管理プログラムは、サイネージ端末において、表示対象となる各種のコンテンツを保持し、前記コンテンツの表示手段における表示中コンテンツの情報に基づき、当該表示中コンテンツが本サイネージ端末の管理目的のものであるか判定し、当該表示中コンテンツが管理目的のものであった場合、所定時間経過後、前記各種のコンテンツのうち、前記管理目的のものでなく、商品ないしサービスの情報を含むコンテンツの表示に遷移させる処理、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0016】
本開示のサイネージ端末、サイネージ端末管理方法、及びサイネージ端末管理プログラムによれば、店舗等の端末における、ユーザにとって無用な情報表示を回避し、有用な情報の効率的な表示制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概要を示す構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るサイネージ端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るコンテンツDBの構成例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るサイネージ端末管理方法のフロー例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る画面例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る画面例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る画面例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0019】
<構成>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム10の概要を示す構成図である。情報処理システム10は、サイネージ端末100とコンテンツサーバ200を含んで構成される。本実施形態におけるサイネージ端末100は、実装例の1つとして、店舗などの施設に設置される動画再生用端末を具体例として想定できる。
【0020】
サイネージ端末100と、コンテンツサーバ200とは、有線又は無線のネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、その一部にインターネット、公衆無線ネットワークなどの広域ネットワークを含んで構成されてもよいし、構内ネットワーク(LAN:Local Area Network)を含んで構成されてもよい。
【0021】
サイネージ端末100は、上記したとおり動画再生用端末を想定するが、より具体的には、少なくとも動画コンテンツを再生出力可能であるタブレット端末のほか、携帯機器やPC(パーソナルコンピューター)、調理機器、PDA、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ等の装置も想定しうる。
【0022】
なお、サイネージ端末100は、例えば、食材などの商品を販売するスーパーマーケット等の店舗のほか、生鮮宅配ボックス、自動販売機、などにも設置しうる。このうち生鮮宅配ボックスは、例えば、レシピサイトの運用事業者が運用するもので、ユーザが専用アプリなどで購入した食材の受け取り設備となるものである。勿論、こうしたサイネージ端末100の設置場所、設置対象で販売される商材は、食材のみに限定しない。
【0023】
一方、コンテンツサーバ200は、例えば、レシピサイトで配信するレシピ情報や、当該レシピ情報が含む食材の紹介コンテンツを管理し、これらを設定に応じて又は一定時間ごとにサイネージ端末100に配信するサーバ装置である。
【0024】
コンテンツサーバ200が管理するレシピ情報は、レシピサイトにおいてユーザから投稿された膨大なレシピ情報である。また、食材の紹介コンテンツは、サイネージ端末100の設置先となる店舗等の施設で販売される商品すなわち食材の広告コンテンツとなる。
【0025】
サイネージ端末100は、上述の施設における担当者の指示や事前設定に応じて、コンテンツサーバ200から取得したレシピ情報や当該レシピ情報に関連する広告コンテンツを、適宜な記憶装置に格納・保持する。
【0026】
ここで、レシピ情報は、調理方法を表し、例えば、レシピ名(料理名称)、調理工程、食材、調理器具等の各種情報が含まれている。このレシピ情報は、動画形式ないし静止画形式で構成されている。また、広告コンテンツは、上述のレシピ情報に含まれる食材であって、サイネージ端末100の設置先である施設での販売商品の販促目的で制作された広告動画である。
【0027】
コンテンツサーバ200は、サイネージ端末100からの要求に基づいて、レシピ情報の一部又は全部と、そのレシピ情報が示す食材の広告コンテンツを、サイネージ端末100へ配信する。
【0028】
一方、サイネージ端末100は、コンテンツサーバ200から配信されたレシピ情報や広告コンテンツを受信し、これを情報保持部110で管理する。またサイネージ端末100は、レシピ情報や広告コンテンツを、ディスプレイ等の表示手段で再生し、本発明のサイネージ端末管理方法による表示制御の対象とすることとなる。
【0029】
上述のサイネージ端末100は、上述のようにコンテンツサーバ200から得たレシピ情報や広告コンテンツの他にも、本サイネージ端末100の管理画面も表示する。この管理画面は、本サイネージ端末100において広告コンテンツを登録する操作や、或いはレシピ情報や広告コンテンツの再生制御設定を行う操作、などを店舗スタッフから受け付けるための画面である。
【0030】
店舗の顧客たるユーザからすれば、こうした管理画面は無意味であり、不用意に操作して誤動作を招くトリガーともなりうる画面である。一方、店舗側からしては、必要な画面ではあるものの、店舗都合の情報や店舗独自の設定等が第三者に閲覧されてしまうリスクにつながりうる画面でもある。
【0031】
そこでサイネージ端末100は、そうした管理画面が、サイネージ端末100の前で限られた機会、限られた時間を過ごすユーザに対して表示されることを回避し、レシピ情報や広告コンテンツなど有意な情報を効率的に再生する制御を可能とする。このような制御が行われることとなれば、顧客であるユーザにとっても店舗側にとっても得るものがあり、ひいてはユーザの満足度や店舗の販売効率向上が期待できることとなる。
【0032】
こうしたサイネージ端末100は、
図2で例示するように、情報保持部110、表示制御部120、権限管理部130、及び通信部140から構成される。
【0033】
このうち情報保持部110は、コンテンツDB111を記憶する。コンテンツDB111は、
図3で例示するように、サイネージ端末100での表示制御対象となる、レシピ情報、広告コンテンツ、及び管理画面の各データを、それぞれのコンテンツ種類を示す識別情報(レシピ情報、広告コンテンツ、及び管理画面のいずれであるかを示すID)が紐付いた形で格納したデータベースとなっている。
【0034】
このコンテンツDB111で保持する情報のうち、レシピ情報は、料理を作るための情報である、ジャンル、タイトル、及び料理内容の各情報を含んで制作された動画データである。このうち料理内容としては、食材と使用機材、調理動作といった各種情報を調理工程ごとに撮影したものとなっており、料理の完成時あるいは調理途中の映像も適宜含むものとできる。
【0035】
また、広告コンテンツは、上述のレシピ情報に含まれる食材であって、店舗等の施設すなわちサイネージ端末100の設置場所で販売される商品の販売促進目的の動画となる。こうした広告コンテンツは、例えば、レシピサイトの運用事業者が予め制作し、コンテンツサーバ200に格納しておくものとする。
【0036】
この広告コンテンツは、
図3のコンテンツDB111で例示するように、広告対象、再生対象の店舗、広告内容、及び当該広告コンテンツのファイル、といった情報を含む。
【0037】
また、管理画面は、既に述べたとおり、本サイネージ端末100において広告コンテンツを登録する操作や、或いはレシピ情報や広告コンテンツの再生制御設定を行う操作、などを店舗スタッフから受け付けるための画面である。
【0038】
この管理画面は、
図3のコンテンツDB111で例示するように、管理対象の手順、画面構成情報(インターフェイスやアイコンの情報)、制御コマンド(インターフェイスやアイコンの表示/非表示や操作可否の制御コマンド)、及び、当該管理画面データのファイル、といった情報を含む。
【0039】
また、表示制御部120は、上述のレシピ情報や広告コンテンツ、或いは管理画面を表示するディスプレイ(表示手段)における表示中コンテンツの情報を取得し、その情報に基づき、当該表示中コンテンツが管理画面であるか判定する。ここで取得する情報としては、例えば、レシピ情報、広告コンテンツ、及び管理画面が予め保持する識別情報を想定できる。また、この識別情報は、レシピ情報、広告コンテンツ、及び管理画面の区別を示すIDであって、予め当該コンテンツ等に付与されているものとする。
【0040】
また、表示制御部120は、上述の判定の結果、表示中コンテンツが管理画面であった場合、その時点から一定時間が経過した後、情報保持部110で管理する各種のコンテンツのうち、レシピ情報ないし広告コンテンツの表示に遷移させる。こうした画面遷移の制御自体は、従来から存在する表示制御技術を適宜に採用すればよい。
【0041】
なお、表示制御部120は、上述のような表示制御に加えて、ディスプレイにおける表示中コンテンツが特定できない場合、すなわち、レシピ情報、広告コンテンツ、及び管理画面が予め保持するいずれの識別情報も取得できなかった場合、何も再生されていない状態と認識し、レシピ情報ないし広告コンテンツの再生を実行する。
【0042】
また、権限管理部130は、サイネージ端末100の操作権限モードを管理するものであり、表示制御部120による上述の遷移に際し、サイネージ端末100の操作対象者が管理者である管理者モードから、操作対象者がユーザであるユーザモードに変更する。
【0043】
そうしたモード変更は、例えば、サイネージ端末100におけるディスプレイの操作可能なインターフェイスやアイコン等を変更する、或いは、情報の表示内容や表示位置を変更する、といった制御に対応する。
【0044】
したがって権限管理部130は、予め、ディスプレイにおける、インターフェイスやアイコン、情報の表示領域、表示位置、の各情報と、その制御コマンドを保持しているものとする。権限管理部130は、例えば、管理者モードにおいて表示されている/操作可能な所定のアイコンに関して、その制御コマンドを実行することで、非表示とするか又はグレイアウトさせて操作不可とし、ユーザモードに変更する。
【0045】
また、通信部140は、ネットワークNWを介してコンテンツサーバ200と通信を行う通信インターフェイスである。通信部140は、コンテンツサーバ200から配信されるレシピ情報や広告コンテンツを受信する。なお、管理画面のデータは、コンテンツサーバ200がサイネージ端末100に配信するのではなく、サイネージ端末100が予め自身で保持する形態を想定できる。
【0046】
<処理の流れ>
次に、本開示の実施形態に係るサイネージ端末100の動作について、
図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図4のフローチャートは、主としてサイネージ端末100における動作を示している。
【0047】
ステップS101において、サイネージ端末100の表示制御部120は、例えば、予め定めた時刻の到来をもって、或いは、管理者やユーザからの指示をインターフェイスで受け付けて、情報保持部110がコンテンツDB111で保持する情報のうち、レシピ情報、広告コンテンツ、及び管理画面のいずれかを、ディスプレイ(表示手段)で再生・表示する(
図5の画面G500参照)。
【0048】
この場合、表示制御部120は、コンテンツDB111のレシピ情報または広告コンテンツを再生するにあたり、例えば、サイネージ端末100の設置施設の管理者等から予め指定された商品を食材として含むレシピ情報、当該商品の販促素材である広告コンテンツ、を抽出し、ディスプレイで再生する形態を想定できる。
【0049】
或いは、サイネージ端末100が、その設置領域付近で陳列された商品の識別情報を、当該商品に付帯するICタグから読み取り、表示制御部120は、当該識別情報が紐付く食材を使用するレシピ情報や、その広告コンテンツをコンテンツDB111で特定し、ディスプレイで再生するとしてもよい。その場合、サイネージ端末100は、上述のICタグのリーダーユニットを当然備えており、それによる識別情報の読取り処理も実行可能であるとする。
【0050】
ステップS102において、サイネージ端末100の表示制御部120は、ディスプレイにおける表示中コンテンツの情報として、当該表示中コンテンツの識別情報を取得し、その情報がレシピ情報、広告コンテンツ、及び管理画面のいずれに該当するか判定する。この識別情報は、レシピ情報、広告コンテンツ、及び管理画面の区別を示すIDであって、予め当該コンテンツ等に付与されているものとする。
【0051】
なお、上述の判定は、例えば、予め定めた時刻の到来をもって、或いは、管理者やユーザからの指示をインターフェイスで受け付けて、実行するものとする。
【0052】
ステップS103において、サイネージ端末100の表示制御部120は、上述の判定の結果、表示中コンテンツが管理画面(
図6の画面G600参照)であった場合(S103:管理画面)、ステップS104において、この判定から一定時間が経過した後、ディスプレイで表示するコンテンツを、情報保持部110で管理する各種のコンテンツのうち、レシピ情報ないし広告コンテンツの表示に遷移させる。
【0053】
一方、上述の判定の結果、表示中コンテンツがレシピ情報または広告コンテンツであった場合(S103:管理画面以外)、処理をS102に戻す。
【0054】
他方、上述の判定の結果、表示中コンテンツが特定できない場合、すなわち、レシピ情報、広告コンテンツ、及び管理画面が予め保持するいずれの識別情報も取得できなかった場合(S103:無表示)、ステップS105において、サイネージ端末100の表示制御部120は、ディスプレイにて現在何も再生されていない状態(
図7の画面G700参照)と認識する。
【0055】
ステップS106において、表示制御部120は、例えば、サイネージ端末100の設置施設の管理者等から予め指定された商品を食材として含むレシピ情報、当該商品の販促素材である広告コンテンツ、をコンテンツDB111から抽出し、ディスプレイで再生する。
【0056】
或いは、サイネージ端末100が、その設置領域付近で陳列された商品の識別情報を、当該商品に付帯するICタグから読み取り、表示制御部120は、当該識別情報が紐付く食材を使用するレシピ情報や、その広告コンテンツをコンテンツDB111で特定し、ディスプレイで再生するとしてもよい。その場合、サイネージ端末100は、上述のICタグのリーダーユニットを当然備えており、それによる識別情報の読取り処理も実行可能であるとする。
【0057】
なお、サイネージ端末100の権限管理部130は、表示制御部120による、ステップS103の判定に伴う画面遷移やコンテンツ再生に際し、本サイネージ端末100の操作対象者が管理者である管理者モードから、操作対象者がユーザであるユーザモードに変更する。
【0058】
そうしたモード変更は、例えば、サイネージ端末100におけるディスプレイの操作可能なインターフェイスやアイコン等を変更する、或いは、情報の表示内容や表示位置を変更する、といった制御に対応する。
【0059】
したがって権限管理部130は、予め、ディスプレイにおける、インターフェイスやアイコン、情報の表示領域、表示位置、の各情報と、その制御コマンドを保持しているものとする。権限管理部130は、例えば、管理者モードにおいて表示されている/操作可能な所定のアイコンに関して、その制御コマンドを実行することで、非表示とするか又はグレイアウトさせて操作不可とし、ユーザモードに変更する。
【0060】
こうした権限管理部130におけるモード変更により、管理画面において操作可能であったアイコン等をユーザには操作させない、といった制御が可能となり、単純に再生コンテンツを変更して画面遷移させるのみならず、ユーザによる不必要な操作、誤った操作の契機を与えない状況を確保可能となる。
【0061】
(サイネージ端末管理プログラム)
図8は、コンピュータ801の構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ801は、CPU802、主記憶装置803、補助記憶装置804、インターフェイス805を備える。
【0062】
ここで、実施形態に係るサイネージ端末100を構成する各機能を実現するためのサイネージ端末管理プログラムの詳細について説明する。
【0063】
サイネージ端末100は、コンピュータ801に実装される。そして、サイネージ端末100の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置804に記憶されている。CPU802は、サイネージ端末管理プログラムを補助記憶装置804から読み出して主記憶装置803に展開し、当該サイネージ端末管理プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU802は、サイネージ端末管理プログラムに従って、上述した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置803に確保する。
【0064】
当該サイネージ端末管理プログラムは、具体的には、コンピュータ801において、表示対象となる各種のコンテンツを保持し、前記コンテンツの表示手段における表示中コンテンツの情報に基づき、当該表示中コンテンツが本サイネージ端末の管理目的のものであるか判定し、当該表示中コンテンツが管理目的のものであった場合、所定時間経過後、前記各種のコンテンツのうち、前記管理目的のものでなく、商品ないしサービスの情報を含むコンテンツの表示に遷移させる処理、を実行させるプログラムである。
【0065】
なお、補助記憶装置804は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インターフェイス805を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このサイネージ端末管理プログラムがネットワークNWを介してコンピュータ801に配信される場合、配信を受けたコンピュータ801が当該サイネージ端末管理プログラムを主記憶装置803に展開し、上記処理を実行してもよい。
【0066】
また、当該サイネージ端末管理プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該サイネージ端末管理プログラムは、前述した機能を補助記憶装置804に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0067】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0068】
10 情報処理システム
100 サイネージ端末
110 情報保持部
111 コンテンツDB
120 表示制御部
130 権限管理部
140 通信部
200 コンテンツサーバ
801 コンピュータ
802 CPU
803 主記憶装置
804 補助記憶装置
805 インターフェイス