IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日植ガーデンの特許一覧

<>
  • 特開-観葉植物のメンテナンス方法 図1
  • 特開-観葉植物のメンテナンス方法 図2
  • 特開-観葉植物のメンテナンス方法 図3
  • 特開-観葉植物のメンテナンス方法 図4
  • 特開-観葉植物のメンテナンス方法 図5
  • 特開-観葉植物のメンテナンス方法 図6
  • 特開-観葉植物のメンテナンス方法 図7
  • 特開-観葉植物のメンテナンス方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040545
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】観葉植物のメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20220304BHJP
【FI】
A01G9/02 101W
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145313
(22)【出願日】2020-08-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】520332483
【氏名又は名称】株式会社日植ガーデン
(74)【代理人】
【識別番号】100158023
【弁理士】
【氏名又は名称】牛田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】吉良 宗範
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327NA10
2B327NC08
2B327NC18
2B327NC22
2B327NC36
2B327NC42
2B327ND01
2B327RA03
2B327RA05
2B327RA22
2B327RB09
2B327RC09
2B327RD01
2B327VA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】植木鉢の土壌及び鉢カバーと植木鉢との隙間を覆うことができ、観葉植物のメンテナンス性を向上させる観葉植物用カバー及び観葉植物のメンテナンス方法の提供。
【解決手段】観葉植物用カバー1は、植木鉢11の土壌11A表面と、植木鉢の表面を覆う鉢カバー13と植木鉢との隙間と、を覆う蓋材としての役割を果たす。観葉植物用カバーは、貫通孔が形成された複数の粒状体2と、粒状体を互いに繋ぐ柔軟性を有する連結部材3と、から構成される。連結部材は、貫通孔に挿通されることにより粒状体を互いに連結している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植木鉢の土壌表面と、前記植木鉢の表面を覆う鉢カバーと前記植木鉢との隙間と、を覆う観葉植物用カバーであって、
貫通孔が形成された複数の粒状体と、
前記粒状体を互いに繋ぐ柔軟性を有する連結部材と、から構成され、
前記連結部材は、前記貫通孔に挿通されることにより前記粒状体を互いに連結していることを特徴とする観葉植物用カバー。
【請求項2】
前記粒状体は扁平形状であって、
少なくとも1つの前記粒状体に形成された前記貫通孔は、前記粒状体の厚み方向に交差する方向に貫通していることを特徴とする請求項1に記載の観葉植物用カバー。
【請求項3】
少なくとも1つの前記粒状体に形成された前記貫通孔の開口のうち、少なくとも一方は前記粒状体の側面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の観葉植物用カバー。
【請求項4】
互いに連結された前記粒状体の端部に位置する端部粒状体の貫通孔を貫通した前記連結部材には、前記端部粒状体の抜けを防止する解除可能な押え部が設けられていて、
前記押え部は、前記端部粒状体の周縁部に形成された前記貫通孔を貫通する前の前記連結部材と、貫通した後の前記連結部材と、を結び付けたことにより構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の観葉植物用カバー。
【請求項5】
前記粒状体はバークチップであって、前記連結部材は金属製ワイヤであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の観葉植物用カバー。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の前記観葉植物用カバーを前記植木鉢から取り除くステップと、
前記観葉植物のメンテナンスを行うステップと、
前記観葉植物用カバーで前記植木鉢の前記土壌表面及び前記鉢カバーと前記植木鉢との隙間を覆うステップと、を有することを特徴とする観葉植物のメンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は観葉植物用カバー及び観葉植物のメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すような植木鉢の土壌面を覆う松皮ウッドチップが知られている。松皮ウッドチップには、芳香成分と、芳香成分に影響を与えず空間に発生した悪臭のみを選択的に除去することができる消臭成分と、が含有されている。これにより、松皮ウッドチップによって植木鉢の外観が良くなるとともに、芳香成分及び消臭成分によって空間を心地よい香りとすることができる。
【0003】
特許文献2に記載された植木鉢用植土カバーは、桶状体と、桶状体の内部に載置された多孔質粒状体の結合体と、から構成される。植木鉢用植土カバーには、中央部分に植栽の幹を貫通させる開口が形成されている。桶状体の底面には通水口が形成されていて、植木鉢に水を差したとき、通水口を通過して植土に注水される。このとき、桶状体の内部の多孔質粒状体によって、桶状体の全体に均一に水が広がり、通水口から植土に注水される。
【0004】
図8に示すような従来の観葉植物100は、土壌11Aに植物12が植えられた植木鉢11と、開口部13aが形成された鉢カバー13と、第1基板110と、第2基板111と、粒状体102と、を有している。第1基板110は2つ割り構造であって、中央部分に植木12の幹が挿通される幹孔110aが形成されている。第2基板111は、第1基板110と略同一の構成であるが、2つ割りの方向が異なる。第1基板110及び第2基板111は、開口部13aと勘合することにより粒状体102が鉢カバー13の内部に落下しないための支えとなる。
【0005】
観葉植物100を組み立てるときは、鉢カバー13を植木鉢11に入れ、開口部13aを第1基板110及び第2基板111で塞ぎ、第1基板110の上にバラバラの状態の粒状体102を敷き詰める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平7-39841号公報
【特許文献2】特開平11-178450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の松皮ウッドチップでは、植木鉢の土壌面を覆うように敷き詰めると、植木鉢のメンテナンスや植木の植え替えを行うときに細かな松皮ウッドチップをすべて拾い集めて取り除く必要があるため、作業性が悪かった。また、植木鉢を屋外に設置している際は、強風によって松皮ウッドチップが植木鉢の周囲に飛散してしまうことがあった。
【0008】
特許文献2に記載の植木鉢用植土カバーは、開口のサイズによって植えられる植物が限られてしまった。また、植木鉢の形状に応じて植木鉢用植土カバーを作成する必要があるため、多様な形状の植木鉢に適用することは困難であった。
【0009】
図8に示す観葉植物100の植木12を交換する際は、バラバラの粒状体102をすべて1つ1つ取り除き、第1基板110及び第2基板111を除去し、植木鉢11を新たなものに交換し、再び第1基板110及び第2基板111を設置して第1基板110の上に粒状体102を敷き詰めていた。そうすると、第1基板110の上の粒状体102、及び鉢カバー13の内部に落下してしまった粒状体102を作業者が手作業で拾わなければならず、作業負担が大きくなっていた。また、植木12への注水やメンテナンス時には粒状体102に加えて第1基板110及び第2基板111を除去する必要があった。さらに、鉢カバー13の開口部13aの形状に合わせて第1基板110及び第2基板111を製作する必要があった。
【0010】
そこで、本発明は植木鉢の土壌及び鉢カバーと植木鉢との隙間を覆うことができ、観葉植物のメンテナンス性を向上させる観葉植物用カバー及び観葉植物のメンテナンス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために第1の発明は、植木鉢の土壌表面と、前記植木鉢の表面を覆う鉢カバーと前記植木鉢との隙間と、を覆う観葉植物用カバーであって、貫通孔が形成された複数の粒状体と、前記粒状体を互いに繋ぐ柔軟性を有する連結部材と、から構成され、前記連結部材は、前記貫通孔に挿通されることにより前記粒状体を互いに連結していることを特徴とする観葉植物用カバーを提供している。
【0012】
第2の発明では、第1の発明に記載された観葉植物用カバーであって、前記粒状体は扁平形状であって、少なくとも1つの前記粒状体に形成された前記貫通孔は、前記粒状体の厚み方向に交差する方向に貫通していることを特徴としている。
【0013】
ここでいう少なくとも1つの粒状体とは、観葉植物用カバーのうち端部に配置された端部粒状体を除く粒状体であってもよい。
【0014】
第3の発明では、第2の発明に記載された観葉植物用カバーであって、少なくとも1つの前記粒状体に形成された前記貫通孔の開口のうち、少なくとも一方は前記粒状体の側面に形成されていることを特徴としている。
【0015】
ここでいう少なくとも1つの粒状体とは、観葉植物用カバーのうち端部に配置された端部粒状体を除く粒状体であってもよい。
【0016】
第4の発明では、第1の発明から第3の発明のいずれかに記載された観葉植物用カバーであって、互いに連結された前記粒状体の端部に位置する端部粒状体の貫通孔を貫通した前記連結部材には、前記端部粒状体の抜けを防止する解除可能な押え部が設けられ、前記押え部は、前記端部粒状体の周縁部に形成された前記貫通孔を貫通する前の前記連結部材と、貫通した後の前記連結部材と、を結び付けたことにより構成されることを特徴としている。
【0017】
第5の発明では、第1の発明から第4の発明のいずれかに記載された観葉植物用カバーであって、前記粒状体はバークチップであって、前記連結部材は金属製ワイヤであることを特徴としている。
【0018】
第6の発明では、第1の発明から第5の発明のいずれかに記載の前記観葉植物用カバーを前記植木鉢から取り除くステップと、前記観葉植物のメンテナンスを行うステップと、前記観葉植物用カバーで前記植木鉢の前記土壌表面及び前記鉢カバーと前記植木鉢との隙間を覆うステップと、を有することを特徴とする観葉植物のメンテナンス方法を提供している。
【0019】
ここでいう観葉植物のメンテナンスとは、植木鉢の交換、害虫の除去、不要な枝葉の剪定、土壌への栄養素の添加、鉢カバーの交換を含む。
【発明の効果】
【0020】
第1の発明によると、複数の粒状体が柔軟性を有する連結部材によって繋がれているため、観葉植物から一度に複数の粒状体を除去することができる。これにより、観葉植物のメンテナンス時における作業性を向上させることができる。特に、植木鉢リース等の業界においては、観葉植物の植木鉢が鉢カバーによって外周を覆われており、植木鉢の交換作業が発生する。鉢カバーは室内内装に合わせてデザインしたものが用いられており、植物のみを交換する必要があるためである。本件発明では、観葉植物用カバーが土壌表面と、鉢カバーと植木鉢との隙間と、を覆っているため、複数の粒状体を個々に取り出す必要が無く、一度に多数の粒状体を移動させることができる。これにより、植木鉢の交換時間を大幅に短縮することができる。また、連結部材は粒状体に貫通された貫通孔を通ることによって粒状体を互いに連結しているため、粒状体同士の連結が外れ難い。これにより、観葉植物用カバーの長寿命化を図ることができる。さらに、観葉植物用カバーは粒状体と柔軟性を有する連結部材とで構成されているため、連結部材を変形させることにより任意の形状とすることができる。これにより、どのような形状の植木鉢や鉢カバーにも対応することができる。また、粒状体で土壌表面を覆っているため、粒状体の上から水を差しても土壌に水が浸透する。さらに、複数の粒状体が連結部材によって繋がれているため、図8に示すような粒状体を支えるための第1基板110及び第2基板111が不要となる。これにより、観葉植物のコストを削減することができるとともにメンテナンス時の作業負担を低減することができる。
【0021】
第2の発明によると、扁平形状の粒状体において貫通孔が厚み方向に交差する方向に貫通しているため、少ない粒状体で効率的に植木鉢の土壌表面及び鉢カバーと植木鉢との隙間を覆うことができる。仮に、貫通孔が厚み方向に形成されている場合には、扁平形状の粒状体が積み重なるように連結部材によって連結されてしまい、多数の粒状体が必要となる。しかし、本発明の場合には扁平形状の面が上を向くように貫通孔が厚み方向に交差する方向に貫通しているため、粒状体で効率的に土壌表面及び隙間を覆うことができる。
【0022】
第3の発明によると、開口の少なくとも一方が粒状体の側面に形成されているため、少ない粒状体で効率的に植木鉢の土壌表面及び鉢カバーと植木鉢との隙間を覆うことができる。仮に、貫通孔の開口がいずれも側面に形成されていない場合には、扁平形状の粒状体が斜めに積み重なるように連結部材によって連結されてしまい、多数の粒状体が必要となる。しかし、本発明の場合には扁平形状の面が上を向くように粒状体が連結部材によって連結されるため、効率的に土壌表面及び隙間を覆うことができる。
【0023】
第4の発明によると、観葉植物用カバーの端部に位置する端部粒状体を貫通した連結部材には押え部が設けられているため、端部粒状体が連結部材から抜け落ちてしまうことを防止できる。また、押え部は解除可能であるため、押え部を解除することにより粒状体を追加することができる。さらに、破損してしまった粒状体を入れ替えること、日光等により変色してしまった粒状体を交換することができる。
【0024】
第5の発明によると、前記粒状体はバークチップであるため、美観を損なうことなく植木鉢の土壌及び鉢カバーと植木鉢との隙間を隠すことができる。また、バークチップを土壌に敷き詰めることにより、日光による地面の乾燥を防止し雑草の発生を抑えることができる。さらに、害虫による侵入や散乱を抑制するとともに、低コストで観葉植物用カバーを制作することができる。また、連結部材が金属製ワイヤであるため、観葉植物用カバーを任意の形状に変形・保持することができる。
【0025】
第6の発明によると、複数の粒状体が連結部材で連結された観葉植物用カバーを用いているため、観葉植物のメンテナンスを行うときに多数の粒状体を一つ一つ除去する必要がなく、一度に複数の粒状体を植木鉢から取り除くことができる。これにより、観葉植物のメンテナンス性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の観葉植物用カバーを敷いた観葉植物の斜視図。
図2】本発明の観葉植物用カバーを敷いた観葉植物の部分断面図。
図3】本発明の観葉植物用カバーを敷いた観葉植物の分解斜視図。
図4】本発明の観葉植物用カバーの図。
図5】本発明の観葉植物用カバーの粒状体の断面図。
図6】本発明の観葉植物用カバーの粒状体の仮想断面図。
図7】本発明の観葉植物用カバーの押え部の変形例。
図8】従来の観葉植物用カバーを敷いた観葉植物の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の第1の実施の形態による観葉植物用カバー1を図1から図6に基づき説明する。図1に示すように、観葉植物用カバー1は土壌11Aが見えないように鉢カバー13の開口部を覆うカバーであって、植木12の周りを囲むように配置される。図5及び図6に示すように、上下前後方向を定義する。
【0028】
図2及び図3に示すように、観葉植物10は、観葉植物用カバー1と、土壌11Aに植木12が植えられた植木鉢11と、鉢カバー13と、から構成される。観葉植物10は、植木12が鉢カバー13に挿入され、鉢カバー13の開口部13aが観葉植物用カバー1によって覆われている。
【0029】
図4に示すように、観葉植物用カバー1は、複数の粒状体2と、連結部材3と、から構成される。本発明では粒状体2の一例としてバークチップを用いているが、これに限定されず、ウッドチップ、ナチュラルストーン、砂利、樹脂製模造品、ガラス製品、貝殻等であってもよい。図2に示すように、観葉植物用カバー1は、植木鉢11の土壌11A及び植木鉢11と鉢カバー13との隙間13bを覆うように配置される。
【0030】
粒状体2は扁平形状であって、角が取れ丸みを帯びている。粒状体2は松の樹皮が望ましいがこれに限定されず任意の木材を用いることができる。図5(a)に示すように、粒状体2には前後方向に略水平に貫通孔2aが形成されている。貫通孔2aは、直線に限らず曲線であってもよい。貫通孔2aには、連結部材3が挿通されている。
【0031】
図5(b)に示すように、複数の粒状体2のうち観葉植物用カバー1の端部に位置する端部粒状体21の貫通孔21aは、粒状体2の周縁部に上下方向に貫通するように形成される。貫通孔21aを通った連結部材3を貫通孔21a通過前の連結部材3に巻回することにより、押え部4が構成される。押え部4は、端部粒状体21が連結部材3から抜け落ちることを防止する。押え部4は、巻回されている箇所を解くことにより解除可能であって、粒状体2の交換や追加を行うことができる。
【0032】
図4に示すように、複数の粒状体2が連結部材3によって繋がれ、端部粒状体21が押え部4によって固定されることにより観葉植物用カバー1が構成される。粒状体2の個数は、植木鉢11のサイズ、粒状体2の大きさ、鉢カバー13の種類等によって任意に設定することができる。観葉植物用カバー1を鉢カバー13に設置する際、多くの粒状体2が連結された長い1つの観葉植物用カバー1で開口部13aを覆ってもよく、短い複数の観葉植物用カバー1で開口部13aを覆ってもよい。
【0033】
本実施の形態では、端部粒状体21を除く粒状体2に略水平に貫通孔2aが形成されたが、これに限定されない。例えば、図6に示すように、粒状体2の貫通孔2aは、粒状体2の厚み方向に交差する方向であればよい。換言すると、図6に点線で示すように、一点鎖線で示す上下方向以外であればよい。仮に、貫通孔2aが粒状体2の上下方向に貫通していると、複数の粒状体2が積み重なるように連結部材3によって繋がれてしまうため、外観上の見栄えも悪く、開口部13aを隠すことのできる面積も少なくなる。これに対し、貫通孔2aが上下方向以外の方向だと、粒状体2の扁平の面が略上方向を向くため、外観上も好ましい状態で開口部13aをカバーすることができる。
【0034】
貫通孔2aの少なくとも一方の開口は、図中に太線で示す側面2Aに形成されていることが好ましい。例えば、貫通孔2a1は、両方の開口が側面2Aに形成されており、貫通孔2a3は一方の開口が側面2Aに形成されているためより好ましいといえる。貫通孔2a2は、上下方向には交差しているがいずれの開口も側面2Aに形成されていない。少なくとも一方の開口が側面2Aに形成されていることにより、粒状体2の扁平の面が略上方向を向くため、外観上も好ましい状態で土壌11Aをカバーすることができる。なお、貫通孔2aは、連結部材3によって連結されたすべての粒状体2がこのような条件を満たしている必要はなく、少なくとも1つの粒状体2に形成された貫通孔2aが当該条件を満たしていればよい。
【0035】
連結部材3は金属製のワイヤであって柔軟性を有し、複数の粒状体2を繋いでいる。ここで言う柔軟性とは、所定以上の外力で任意の形状に変形することができ、当該変形した形状を保持することができる程度をいう。本実施の形態では連結部材3の一例として金属製ワイヤを用いているが、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、綿、麻等から構成されるロープであってもよい。
【0036】
次に、植木鉢11のメンテナンス方法について説明する。植木鉢11の交換、鉢カバー13の交換、枝葉の剪定、害虫駆除、土壌11Aへの栄養添加等のメンテナンスを行う場合には、粒状体2の1つを把持して引き上げることにより、鉢カバー13の開口部13aに敷設された観葉植物用カバー1を除去する。複数の観葉植物用カバー1が開口部13aを覆っている場合には、すべての観葉植物用カバー1を除去する。次に、植木鉢11のメンテナンスを行う。メンテナンスが終了すると、再び開口部13aに観葉植物用カバー1を敷き詰める。
【0037】
本実施の形態の観葉植物用カバー1の押え部4の変形例を図7に示す。図7(a)に示すように、端部粒状体21を貫通した連結部材3を折り返して貫通孔2aに通すことにより押え部41を形成してもよい。押え部41は、連結部材3の先端を貫通孔2aから引き抜くことにより解除することができる。図7(b)に示すように、端部粒状体21を貫通した連結部材3を複数回巻回して押え部42を形成してもよい。押え部42は、連結部材3を端部粒状体21から解くことにより解除することができる。
【0038】
このような構成によると、複数の粒状体2が柔軟性を有する連結部材3によって繋がれているため、植木鉢11から一度に粒状体2を除去することができる。これにより、植木鉢11のメンテナンスの作業性を向上させることができる。特に、植木鉢リース等の業界においては、観葉植物10の植木鉢11が鉢カバー13によって外周を覆われており、植木鉢11の交換作業が発生する。鉢カバー13には室内内装に合わせてデザインしたものが用いられており、植木12のみを交換する必要があるためである。本件発明では、観葉植物用カバー1が土壌11A表面と、鉢カバー13と植木鉢11との隙間13bと、を覆っているため、複数の粒状体2を個々に取り出す必要が無く、一度に多数の粒状体2を移動させることができる。これにより、植木鉢11の交換時間を大幅に短縮することができる。また、連結部材3は粒状体2に貫通された貫通孔2aを通ることによって粒状体2を互いに連結しているため、粒状体2同士の連結が外れ難い。これにより、観葉植物用カバー1の長寿命化を図ることができる。さらに、観葉植物用カバー1は粒状体2と柔軟性を有する連結部材3とで構成されているため、連結部材3を変形させることにより任意の形状とすることができる。これにより、どのような形状の植木鉢11にも対応することができる。また、粒状体2で開口部13aを覆っているため、粒状体2の上から水を差しても土壌11Aに水が浸透する。さらに、複数の粒状体2が連結部材3によって繋がれているため、図8に示すような粒状体102を支えるための第1基板110及び第2基板111が不要となる。これにより、観葉植物10のコストを削減することができるとともにメンテナンス時の作業負担を低減することができる。
【0039】
このような構成によると、扁平形状の粒状体2において貫通孔2aが上下方向に交差する方向に貫通しているため、少ない粒状体2で効率的に植木鉢11の土壌11Aの表面を覆うことができる。仮に、貫通孔2aが上下方向に形成されている場合には、扁平形状の粒状体2が積み重なるように連結部材3によって連結されてしまい、土壌11Aの表面を覆うのに多数の粒状体2が必要となる。しかし、本発明の場合には扁平形状の面が上を向くように貫通孔2aが上下方向に交差する方向に貫通しているため、粒状体2で効率的に土壌11Aの表面を覆うことができる。
【0040】
このような構成によると、貫通孔2aの開口の少なくとも一方が粒状体2の側面2Aに形成されているため、少ない粒状体2で効率的に植木鉢11の土壌11A表面及び鉢カバー13と植木鉢11との隙間13bを覆うことができる。仮に、貫通孔2aの開口がいずれも側面2Aに形成されていない場合には、扁平形状の粒状体2が斜めに積み重なるように連結部材3によって連結されてしまい、多数の粒状体2が必要となる。しかし、本発明の場合には扁平形状の面が上を向くように粒状体2が連結部材3によって連結されるため、効率的に土壌11A表面及び隙間13bを覆うことができる。
【0041】
このような構成によると、観葉植物用カバー1の末端に位置する端部粒状体21を貫通した連結部材3には押え部4が設けられているため、端部粒状体21が連結部材3から抜け落ちてしまうことを防止できる。また、押え部4は解除可能であるため、押え部4を解除することにより粒状体2を追加することができる。また、破損してしまった粒状体2を入れ替えること、日光等により変色してしまった粒状体2を交換することができる。
【0042】
このような構成によると、粒状体2はバークチップであるため、美観を損なうことなく植木鉢11の土壌11A及び鉢カバー13と植木鉢11との隙間13bを隠すことができる。また、粒状体2を土壌11Aに敷き詰めることにより、日光による地面の乾燥を防止し雑草の発生を抑えることができる。さらに、害虫による侵入や散乱を抑制するとともに、低コストで観葉植物用カバー1を制作することができる。また、連結部材3が金属製ワイヤであるため、観葉植物用カバー1を任意の形状に変形・保持することができる。
【0043】
このような構成によると、複数の粒状体2が連結部材3で連結された観葉植物用カバー1を用いているため、植木鉢11のメンテナンスを行うときに多数の粒状体2を一つ一つ除去する必要がなく、一度に複数の粒状体2を植木鉢11から取り除くことができる。これにより、植木鉢11のメンテナンス性が向上する。
【0044】
本発明による観葉植物用カバー及び観葉植物のメンテナンス方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0045】
上述の実施の形態では、鉢カバー13に観葉植物用カバー1を敷設したが、これに限定されない。例えば、植木鉢、プランター、地植えの植物等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 観葉植物用カバー
2 粒状体
2a、2a1、2a2、2a3 貫通孔
3 連結部材
10 観葉植物
11 植木鉢
11A 土壌
12 植木
21 端部粒状体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植木鉢の土壌表面と、前記植木鉢の表面を覆う鉢カバーと前記植木鉢との隙間と、を覆い、貫通孔が形成された複数の粒状体と、前記粒状体を互いに繋ぐ柔軟性を有する連結部材と、から構成され、前記連結部材は、前記貫通孔に挿通されることにより前記粒状体を互いに連結し、前記粒状体は扁平形状であって、少なくとも1つの前記粒状体に形成された前記貫通孔は、前記粒状体の前記扁平形状の面を結ぶ方向である厚み方向に直交する方向に貫通していることにより、前記扁平の面が略上方に向いている観葉植物用カバーを前記植木鉢から取り除くステップと、
観葉植物のメンテナンスを行うステップと、
前記観葉植物用カバーで前記植木鉢の前記土壌表面及び前記鉢カバーと前記植木鉢との隙間を覆うステップと、を有することを特徴とする観葉植物のメンテナンス方法。
【請求項2】
植木鉢と、
前記植木鉢との間に空間が形成されるように前記植木鉢の表面を覆う鉢カバーと、
貫通孔が形成された複数の粒状体と、前記粒状体を互いに繋ぐ柔軟性を有する連結部材と、から構成され、前記連結部材は、前記貫通孔に挿通されることにより前記粒状体を互いに連結し、前記粒状体は扁平形状であって、少なくとも1つの前記粒状体に形成された前記貫通孔は、前記粒状体の前記扁平形状の面を結ぶ方向である厚み方向に直交する方向に貫通していることにより、前記扁平の面が略上方に向いている観葉植物用カバーと、を有し
前記観葉植物用カバーは、前記植木鉢の土壌表面と、前記鉢カバーと前記植木鉢との隙間と、を上方から覆うことを特徴とする観葉植物。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は観葉植物及び観葉植物のメンテナンス方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上記課題を解決するために第1の発明は、植木鉢の土壌表面と、前記植木鉢の表面を覆う鉢カバーと前記植木鉢との隙間と、を覆い、貫通孔が形成された複数の粒状体と、前記粒状体を互いに繋ぐ柔軟性を有する連結部材と、から構成され、前記連結部材は、前記貫通孔に挿通されることにより前記粒状体を互いに連結し、前記粒状体は扁平形状であって、少なくとも1つの前記粒状体に形成された前記貫通孔は、前記粒状体の前記扁平形状の面を結ぶ方向である厚み方向に直交する方向に貫通していることにより、前記扁平の面が略上方に向いている観葉植物用カバーを前記植木鉢から取り除くステップと、観葉植物のメンテナンスを行うステップと、前記観葉植物用カバーで前記植木鉢の前記土壌表面及び前記鉢カバーと前記植木鉢との隙間を覆うステップと、を有することを特徴とする観葉植物のメンテナンス方法を提供している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
第2の発明では、植木鉢と、前記植木鉢との間に空間が形成されるように前記植木鉢の表面を覆う鉢カバーと、貫通孔が形成された複数の粒状体と、前記粒状体を互いに繋ぐ柔軟性を有する連結部材と、から構成され、前記連結部材は、前記貫通孔に挿通されることにより前記粒状体を互いに連結し、前記粒状体は扁平形状であって、少なくとも1つの前記粒状体に形成された前記貫通孔は、前記粒状体の前記扁平形状の面を結ぶ方向である厚み方向に直交する方向に貫通していることにより、前記扁平の面が略上方に向いている観葉植物用カバーと、を有し前記観葉植物用カバーは、前記植木鉢の土壌表面と、前記鉢カバーと前記植木鉢との隙間と、を上方から覆うことを特徴とする観葉植物を提供している。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
また、扁平形状の粒状体において貫通孔が厚み方向に交差する方向に貫通しているため、少ない粒状体で効率的に植木鉢の土壌表面及び鉢カバーと植木鉢との隙間を覆うことができる。仮に、貫通孔が厚み方向に形成されている場合には、扁平形状の粒状体が積み重なるように連結部材によって連結されてしまい、多数の粒状体が必要となる。しかし、本発明の場合には扁平形状の面が上を向くように貫通孔が厚み方向に交差する方向に貫通しているため、粒状体で効率的に土壌表面及び隙間を覆うことができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、開口の少なくとも一方が粒状体の側面に形成されているため、少ない粒状体で効率的に植木鉢の土壌表面及び鉢カバーと植木鉢との隙間を覆うことができる。仮に、貫通孔の開口がいずれも側面に形成されていない場合には、扁平形状の粒状体が斜めに積み重なるように連結部材によって連結されてしまい、多数の粒状体が必要となる。しかし、本発明の場合には扁平形状の面が上を向くように粒状体が連結部材によって連結されるため、効率的に土壌表面及び隙間を覆うことができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
また、観葉植物用カバーの端部に位置する端部粒状体を貫通した連結部材には押え部が設けられているため、端部粒状体が連結部材から抜け落ちてしまうことを防止できる。また、押え部は解除可能であるため、押え部を解除することにより粒状体を追加することができる。さらに、破損してしまった粒状体を入れ替えること、日光等により変色してしまった粒状体を交換することができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
また、前記粒状体はバークチップであるため、美観を損なうことなく植木鉢の土壌及び鉢カバーと植木鉢との隙間を隠すことができる。また、バークチップを土壌に敷き詰めることにより、日光による地面の乾燥を防止し雑草の発生を抑えることができる。さらに、害虫による侵入や散乱を抑制するとともに、低コストで観葉植物用カバーを制作することができる。また、連結部材が金属製ワイヤであるため、観葉植物用カバーを任意の形状に変形・保持することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
また、複数の粒状体が連結部材で連結された観葉植物用カバーを用いているため、観葉植物のメンテナンスを行うときに多数の粒状体を一つ一つ除去する必要がなく、一度に複数の粒状体を植木鉢から取り除くことができる。これにより、観葉植物のメンテナンス性が向上する。
【手続補正書】
【提出日】2021-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植木鉢の土壌表面と、前記植木鉢の表面を覆う鉢カバーと前記植木鉢との隙間と、を覆い、貫通孔が形成された複数の粒状体と、前記粒状体を互いに繋ぐ柔軟性を有する連結部材と、から構成され、前記連結部材は、前記貫通孔に挿通されることにより前記粒状体を互いに連結し、前記粒状体は扁平形状であって、少なくとも1つの前記粒状体に形成された前記貫通孔は、前記粒状体の前記扁平形状の面を結ぶ方向である厚み方向に直交する方向に貫通していることにより、扁平の面が略上方に向いている観葉植物用カバーを前記植木鉢から取り除くステップと、
観葉植物の前記鉢カバーに収納された前記植木鉢の交換を行うステップと、
前記観葉植物用カバーで前記植木鉢の前記土壌表面及び前記鉢カバーと前記植木鉢との隙間を覆うステップと、を有することを特徴とする観葉植物のメンテナンス方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は観葉植物のメンテナンス方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上記課題を解決するために第1の発明は、植木鉢の土壌表面と、前記植木鉢の表面を覆う鉢カバーと前記植木鉢との隙間と、を覆い、貫通孔が形成された複数の粒状体と、前記粒状体を互いに繋ぐ柔軟性を有する連結部材と、から構成され、前記連結部材は、前記貫通孔に挿通されることにより前記粒状体を互いに連結し、前記粒状体は扁平形状であって、少なくとも1つの前記粒状体に形成された前記貫通孔は、前記粒状体の前記扁平形状の面を結ぶ方向である厚み方向に直交する方向に貫通していることにより、扁平の面が略上方に向いている観葉植物用カバーを前記植木鉢から取り除くステップと、観葉植物の前記鉢カバーに収納された前記植木鉢の交換を行うステップと、前記観葉植物用カバーで前記植木鉢の前記土壌表面及び前記鉢カバーと前記植木鉢との隙間を覆うステップと、を有することを特徴とする観葉植物のメンテナンス方法を提供している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】