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特開2022-41997ラッピングに収められるパウチの製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041997
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】ラッピングに収められるパウチの製造装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
B65B51/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021141170
(22)【出願日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】20193603.6
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514201933
【氏名又は名称】ティーパック スペツィアールマシーネン ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】TEEPACK SPEZIALMASCHINEN GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ライドルスキー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・ホーレンベック
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ヒューフレ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ランバーツ
(72)【発明者】
【氏名】ハンス・ノップス
【テーマコード(参考)】
3E094
【Fターム(参考)】
3E094AA12
3E094BA20
3E094CA05
3E094DA08
3E094FA03
3E094HA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、抽出用材料を収めてラッピング材に収められるパウチを経済的に製造する装置を提供する。
【解決手段】この装置は、抽出用材料を収めるパウチを製造するように構成されたパウチ製造装置と、パウチを密封するように両側からラッピング材に作用する相対する複数のシール面を形成する複数のジョー要素を有するシールステーションと、を備える。装置は、ラッピングされたパウチを含むパッケージユニットのより経済的な製造を可能にする。また、装置は溝状の凹部を有し、この溝状の凹部に、螺旋状に敷設される加熱導体が収容される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出用材料を収めてラッピング材(150)に収められるパウチ(42)を製造する装置であって、
抽出用材料を収めるパウチ(42)を製造するように構成されたパウチ製造装置(2)と、
複数のジョー要素(200)を有するシールステーション(100)と、
を備え、
複数の前記ジョー要素(200)は、前記パウチ(42)を密封するように両側から前記ラッピング材(150)に作用する、相対する複数のシール面を形成し、
少なくとも1つの前記ジョー要素(200)が前記シール面(113)の下方に溝状の凹部(202)を有し、前記溝状の凹部(202)に、螺旋状に敷設される加熱導体(208)が収容されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記ジョー要素(200)及び前記溝状の凹部(202)は、縦方向レッグ(204)及び横方向レッグ(206)を有するL字型であり、前記加熱導体(208)は、相互に直角に配置されて相互に直接的に隣接する縦方向螺旋体(210)及び横方向螺旋体(220,222)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
2つの横方向螺旋体(220,222)が、前記溝状の凹部(202)内に互いに隣り合って配置されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも2つの熱電対(226)が前記溝状の凹部(202)に導入されることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の装置。
【請求項5】
前記溝状の凹部がはんだ化合物で充填されることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
前記溝状の凹部(202)の底面は、前記螺旋状に敷設される加熱導体(208)の曲率に適合するように形成された凹状の窪み部(230)を有することを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
前記ジョー要素(200)が、良好な熱伝導性を有する金属材料で形成されることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
前記加熱導体(208)が同軸シース加熱導体で形成されることを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、典型的にはアロマ(香り)を密封するラッピング中に提供され、抽出用材料(brewable material)を収めたパウチを含むパッケージユニットを製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリアンブルの特徴を有する同様の装置は、欧州特許第2231479号によって開示されている。公知の装置では、まず、ラッピングステーションにおいて、平らなウェブとして供給されるラッピング材の対向するレッグの間(相対する二辺間)にパウチが配置される。パウチがウェブ上に配置され、一片の既定の長さのラッピング材の中にパウチが収められるように、ウェブはパウチを取り囲んで折りたたまれ、供給されたラッピング材から切り離される。ラッピング材を折りたたむことで、パウチラッピングの一端縁が形成される。しかし、パウチを取り囲むラッピング材の周囲を閉じパウチ内の抽出用材料のアロマを密封するように、U字型のシールシームを形成する必要がある。
【0003】
抽出用材料は、通常、茶葉やその他乾燥した粉末や葉など煎じることができる材料であり、その品質や味は環境の影響を受け得るため、前述したアロマを密封するパッケージが必要となり得る。このことは、本発明にも当てはまる。
【0004】
前述の先行技術では、U字型のシールシームは、カルーセルの外周面上に複数のシールユニットを有し、各シールユニットが、互いに向かって回動可能なシールジョーを有するシール装置によって形成される。これらのシールユニットは、カルーセルの段階的な回転運動の過程で、パウチと共にラッピング材を受け取り、閉じられ、カルーセルの回転運動中に溶接によりラッピング材のU字型の縁部をシール(密封)し、こうして閉じられたラッピング体が別のステーションへ送出される。
【0005】
この実施形態は、溶接シームを形成してパウチを密封包装する場合、公知の装置の他のステーションと比較して、シールステーションでの滞留時間が先のステーションよりも長く必要となる点を考慮したものであり、カルーセルを回転させることで、装置全体のサイクルタイムを中断させたりかき乱したりすることなくシールステーションでの個々の作業ステップを時間的に分割することが可能となっている。
【0006】
ラッピング材を、特に溶接によって効果的にシールするためには、ラッピング材の縁部をシールジョーの間に位置決めし、シールジョーをラッピング材にあてがうように配置し、ラッピング材に十分な量の熱を導入して、互いに当接しているラッピング材のウェブが溶けて溶着するようにラッピング材を融解させる必要がある。熱が加えられると、冷却時間が必要となるため、このシールはすぐには安定せず、パウチとラッピング材とからなるパッケージユニットは、通常、一定の冷却時間が経過した後でなければその後の処理をすることができない。
【0007】
パッケージユニットを製造する装置は、消費財を大量生産するための装置であるため、速いサイクルタイムで経済的にパッケージユニットを製造できることが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のようなタイプの装置であって、より速く、従ってより経済的に、アロマを密封するパウチラッピング体を製造することができる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明は、請求項1の特徴を有する装置を提供する。
【0010】
本発明による解決策では、ジョー要素は、シール面の下方に溝状の凹部を有する。シール面を形成するジョー要素の表面部によって、溝状の凹部の底部が形成されている。これとは反対に、通常、溝は開口している。溝状の凹部は、螺旋状に敷設される加熱導体を収容する。
【0011】
この点に関し、本発明による提案は、公知の先行技術とは異なる。前述のタイプのシーリングステーションのジョー要素は、シール面に平行に延在するボアを有し、円筒形の加熱カートリッジを収容する。この加熱カートリッジは、熱伝導ペーストと共にボアに挿入される。公知の解決策は、シール面の熱を所望の均一にするという点において不利であった。システム上、加熱カートリッジの熱出力が制限されるため、溶接中にラッピング材を急速に加熱するための熱出力が必ずしも十分ではなかった。
【0012】
本発明による解決策では、加熱導体が溝内に螺旋状に敷設される。加熱導体は、軸線に沿って連なって配置され螺旋状に敷設される複数のリングセグメントからなる。この点に関し、リングセグメントは、溝の高さが均一になるようにそれぞれの直径が同じである形状が好ましい。好ましくは、単一の加熱導体のみが溝内に設けられ、これにより熱出力全体が各ジョー要素に導入される。
【0013】
尚、前述のU字型の溶接シームを形成するジョー要素は、通常U字型である。本発明特有の特徴によれば、ジョー要素と溝状の凹部とは、縦方向レッグ(換言すれば、縦方向辺部、縦方向脚部、又は縦方向支持部)と横方向レッグ(換言すれば、横方向辺部、横方向脚部、又は横方向支持部)とを有するL字型であることが好ましい。ジョー要素もL字型に形成されるのが好ましい。加熱導体は、縦方向螺旋体と、この縦方向螺旋体に対して直角に延びる横方向螺旋体とを有する。これら2つの螺旋体は、互いに直接的に一体化している。加熱導体のこのL字型の構成は、加熱導体を屈曲し螺旋体を適切に敷設することによって実現される。この点に関し、加熱導体は単に曲げられているだけで、捻じれていない形状が好ましい。加熱導体は通常、個々の螺旋体の半径よりも小さくない半径範囲で曲げられる。縦方向螺旋体は、通常、横方向螺旋体をカバーする。縦方向螺旋体の長手方向軸あるいは横方向螺旋体の長手方向軸の延長線上に、対応する他方の螺旋体の長さ部分がある。よって、L字型ジョー要素のコーナー領域に、ラッピング材を溶かす十分な熱が導入される。U字型ジョー要素における、螺旋状に敷設される加熱導体の配置についても、同様のことが言える。
【0014】
本発明の好ましい更なる発展形態によれば、溝状の凹部内に2つの螺旋体が互いに隣り合って配置される。これらの螺旋体は、通常、横方向の螺旋体であり、すなわち、L字型ジョー要素の場合には、ジョー要素の横方向レッグに凹設された溝部に挿入される螺旋体である。U字型の凹部の場合には、互いに隣り合って配置された2つの螺旋体は、ジョー要素の2つの縦方向レッグを互いに連結し、かつ、それらを互いに離間させる中央基部に収容される。本発明が、L字型に形成されたジョー要素に限定されないことは明らかである。このようなジョー要素では、2つずつのジョー要素がシール平面の両側に設けられており、これらのジョー要素を互いに相対的に回動させることで、回動動作によってシールジョーを開くことができるだけでなく、更に、アロマを密封するパッケージユニットを取り外すために、あるいはシール前にラッピング材をシール平面、かつ、ジョー要素間に挿入するために、縦方向レッグ間により大きなスペースを設けることができるようになっている。U字型のジョー要素では、シール平面の両側に1つずつジョー要素が設けられている。ジョー要素は、通常、互いに平行に走る1つ以上の軸を中心にしてのみ回動可能である。
【0015】
本発明の更に好ましい構成によれば、少なくとも2つの熱電対が溝状の凹部に導入される。好ましくは、各ジョー要素及び/又は各個別の加熱導体に対して2つの熱電対が設けられる。熱電対の1つは、通常、シール面に割り当てられ、その実際の温度を検出して、加熱力を制御する。他方の熱電対も同様に設けることができる。その結果、冗長性が高まり、一方の熱電対が故障しても、ジョー要素を使用して加熱導体を制御し続けることが可能となる。しかし、好ましくは、他方の熱電対は、加熱導体に割り当てられ、その実際の温度を検出するのがよい。熱電対は過剰温度(excessive-temperature)熱電対として、起こり得る加熱導体の過熱(オーバーヒート)を検出し、加熱導体に割り当てられた制御システムにデータ的に接続され、過熱の場合には加熱導体の通電が中断され、好ましくはエラーメッセージが出力されて、作動が中断される。
【0016】
この点に関し、制御システムは、熱電対の一方が故障した場合に、他方の熱電対を使用して加熱導体を制御できるように構成され得る。
【0017】
好ましい更なる発展形態によれば、加熱導体とジョー要素との間の熱伝達が改善される。この目的のために、ジョー要素は、好ましくは、良好な熱伝導性を有する金属材料、特に、良好な熱伝導性を有する鋼(スチール)からなる。このような鋼は、例えば、クロムニッケル鋼(ニッケルクロム鋼)である。ジョー要素を形成する金属材料は、少なくとも21W/mKの熱伝導率を有することが好ましい。溝状の凹部は、この固体材料からフライス加工によって作られる。凹部の底面は、螺旋状に敷設される加熱導体の曲率に適合するように形成される。このようにして形成されたジョー要素の凹状の窪み部では、加熱導体の個々の螺旋体が、少なくとも160°、好ましくは180°の巻き付け角度(wrapping angle)で、ジョー要素の表面に直接熱伝導するように接触する。これにより、加熱導体とシール面との間に短い熱伝導経路が形成される。凹状の窪み部とシール面との間の最小距離は、好ましくは9mm以下である。螺旋状に敷設される加熱導体を溝状の凹部に挿入した後、熱伝導性のある化合物を充填する。この熱伝導性化合物は、好ましくははんだ化合物であり、溶融した状態で溝状の凹部に導入され、残りの空き領域を充填する。
【0018】
本発明の好ましい更なる発展形態によれば、加熱導体は、同軸のシース加熱導体によって形成される。このシース加熱導体では、加熱導体の全長の大部分は、薄肉の、通常は金属製であるチューブで構成されている。このチューブ内には電気絶縁材料が充填されており、この電気絶縁材料は、チューブ内に配置されている抵抗加熱導体を取り囲む。絶縁セラミックは、例えば、酸化マグネシウムや酸化アルミニウムなどである。チューブの各端部において、電気絶縁性を有するスリーブがチューブに挿入されており、一般的に、その熱伝導率は絶縁セラミックの熱伝導率よりも低い。そのため、加熱導体のそれぞれの端部は比較的冷たくなっている。これらの端部は、溝状の凹部から突出しており、好ましくは、加熱導体に電流を導入するためのプラグ接続用の接触要素を備えている。
【0019】
本発明の更なる詳細及び利点は、図面と併せて説明される以下の実施形態の説明によって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ラッピングされたパウチの製造装置の一実施形態の要部を示す側面図である。
図2】パウチ及びフィルムが押し出された状態にある図1に示したパウチ製造装置の拡大図である。
図3図1に示した実施形態の、シールジョーが開いた状態にあるシールステーションの上面透視図である。
図4】ジョー要素の一実施形態の下側の上面透視図である。
図5図4における線V-Vに沿った断面図である。
図6図4における線VI-VIに沿った断面図である。
図7】パウチ及びフィルムで構成されたパッケージユニットの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示す実施形態は、参照符号2で示されるパウチ製造装置と、参照符号100で示されるシールステーションとを備える。
【0022】
パウチ製造装置2は、透水性のラッピング材を収容して軸を中心に回転する複数のレセプタクル4を有するカルーセルを備え、透水性のラッピング材は、抽出用材料を収めたパウチを形成するように成形され、通常は糸とラベルとが固着される。個々のステーションとその構成については、例えば欧州特許第2231479号や国際公開第01/62600号などの先行技術を参照することができる。図1の参照符号I-VIは、完成したパウチ又は完成予定のパウチの各種構成要素を収容し処理するためにレセプタクル4が配置され得る各種位置を示している。明確化するために、このプロセスで作用する要素は示していない。位置VIにおいて、パウチが完成する。
【0023】
図1及び図2は、参照符号10で示されるパウチハンドリング装置及び参照符号20で示されるラッピング材ハンドリング装置の要素を示している。図示の実施形態のラッピング材は、アロマ密封フィルムである。従って、以下の記載では、フィルムハンドリング装置20と呼ぶ。パウチハンドリング装置10は、2つのほぼ平行に延びるアーム12,13を備え、これらのアーム12,13は、互いにヒンジ式に接続され、連結ロッド14を介して共通の駆動装置30に連結される。この共通の駆動装置30は、駆動装置30の共通のドライブシャフト33に回転不能に固定され、かつ、ピックアップ34に連結される種々のカムディスク32を有する。個々のピックアップ34において、カムディスク32の外周面がそれぞれ回転する。ピックアップ34はそれぞれ、共通のベアリング軸36に回動可能に取り付けられており、関連する連結ロッド14にヒンジ接続されたレバー37を備えている。連結ロッド14は、レバーを介してアーム12,13に作用する。
【0024】
駆動装置30は、パウチハンドリング装置10の個々の構成要素と、フィルムハンドリング装置20の構成要素との両方を作動させる。従って、両方のハンドリング装置10,20は共通の駆動装置を備え、強制的に同期される。
【0025】
図2から分かるように、図1に模式的に示されたフィルム40がパウチ42をともなってパウチ製造装置2から搬送ホイール50に向かって押し出される。フィルム40の材料を折りたたむことによってフィルム40の2つのレッグ44の間に形成される折り目45が先に押し出され、続いてパウチ42が押し出される。フィルムハンドリング装置20は、フィルム40の縁部を係合させる。パウチ42は、クランプシュー15を、クランプばね16と前後のパウチハンドリングアーム12,13の前端と共にパウチ製造装置2から半径方向に離れるように移動させることで、クランプシュー15をクランプばね16で作動させることにより、後方から押し出される。この動作の最後に、パウチ42は、折りたたまれたフィルム40の中に配置され、搬送ホイール50のクランプアーム52間に把持(クランプ)される。
【0026】
シールステーション100は、参照符号102及び108で示されるシールジョーを有し、そのうち図3の下側に示されるシールジョー102は、第1のシールジョー要素104及び第2のシールジョー要素106からなる。同様に、上側に示されるシールジョー108は、以下で対向ジョー要素110及び112と呼ばれる2つのジョー要素からなる。特に図3に示すように、各シールジョー要素104,106は、上面視でL字型をしており、縦方向レッグ(換言すれば、縦方向辺部、縦方向脚部、又は縦方向支持部)204とそれに対し直角に延びる横方向レッグ(換言すれば、横方向辺部、横方向脚部、又は横方向支持部)206とを有する。複数の縦方向レッグ204がそれぞれ縦シールを形成することにより、対向するレッグ44がその縦方向側で接合される。2つの横方向レッグ206は共に、シールジョー102,108のそれぞれのシール面を形成し、シール面は、フィルム材料の折り目45と反対側の横方向端部をシールするように、横シールを形成し、フィルム40にシールを施す。縦シールと横シールとにより、フィルムパッケージの内部を密封することができる。第4の縁部は、折り目45によって閉じられる。ジョー要素104,106,110,112のそれぞれは、隆起したL字型のシール面113,114を形成する。
【0027】
シールジョー要素104と対向ジョー要素110とは、共通の駆動装置115によってサーボモータ方式で駆動される。そのために、複数の連結ロッドが駆動装置115のドライブシャフト116に偏心して設けられている。そのうち、駆動装置115に隣接して設けられた連結ロッドは、対向ジョー要素110に関連付けられており、よって以下では対向ジョー連結ロッド118として指定され、対向ジョー連結ロッド118の駆動装置115側と反対側に設けられた他方の連結ロッドは、シールジョー連結ロッド120として指定されて識別される。シールジョー連結ロッド120は、シールジョー要素104と関連付けられている。
【0028】
このシールジョー連結ロッド120は、ドライブシャフト116に回転自在にかつ偏心して取り付けられている。シールジョー連結ロッド120の他端は、参照符号122で示されるピボット点で、シールジョーピボットアーム124にヒンジ式に取り付けられており、このアームは、一端でシールジョー要素104を支持し、その他端で、以下シールジョーピボット軸と識別されるピボット軸126を中心に枢動可能に取り付けられており、このピボット軸は、独立した駆動装置(図示せず)に接続されている。
【0029】
これに対応して、対向ジョー連結ロッド118は、対向ジョー要素110を支持する対向ジョーピボットアーム128に枢動可能に接続されており、このアームの反対側の端部は対向ジョーピボット軸130に枢動可能に取り付けられている。
【0030】
前述の説明から明らかなように、第1及び第2の対のジョー要素104,110;106,112のそれぞれにトグルレバーが設けられており、トグルレバーは、ジョー要素104に加えてシールジョー連結ロッド120を有し、また、トグルレバーは、対向ジョー要素110に加えて対向ジョー連結ロッド118を有する。この点において、2つの連結ロッド118,120は、共通のドライブシャフト116を中心に回転可能に取り付けられ、それによって支持されている。これらは、ドライブシャフト116に対して偏心して取り付けられている。しかし、これらの偏心は、互いに角度オフセットされる(角度的にずれている)。前記トグルレバーは、関連する駆動装置115の回転運動中に、ジョー要素又は対向ジョー要素104;110に枢動運動を強制し、この構成において、L字型ジョー要素104,106又は対向ジョー要素110,112が互いに接近して、2つのL字型シール面113,114によって形成されるU字型シール面を形成し、その間にフィルム40を把持してU字型溶接シームを形成する。
【0031】
図4は、溝状の凹部202を有する、充填されていない状態のジョー要素200の透視上面図である。これは、図3のジョー要素104に対応する。ジョー要素200はL字型であって、縦方向レッグ204と横方向レッグ206とを形成する。よって、溝状の凹部202の基本形状もL字型となる。
【0032】
参照符号208は、同軸シースの加熱導体として構成され、溝状の凹部202に螺旋状に挿入される加熱導体を示す。縦方向レッグ204の領域には、1つの螺旋体のみが配置されており、この螺旋体は、本質的に縦方向レッグ204の全長にわたって延びており、この縦方向螺旋体210の自由端から突出する加熱導体208の端部は、直線状に延びる導体部212を介してL字型ジョー要素200のコーナー部領域に引き戻され、そこから引き出されて第1の接続要素214を形成する。これに直接的に隣接するのは第2の接続要素216であり、第2の接続要素216は加熱導体208の他端によって形成され、まず、第1の横方向螺旋体220に結合し、第1の横方向螺旋体220が横方向レッグ206の自由内端まで導かれ、そこで第2の横方向螺旋体222に結合し、第2の横方向螺旋体222がジョー要素200のコーナー部領域まで導かれる。そこでは、縦方向螺旋体210の中央長手方向軸が、第2の横方向螺旋体220の巻き部と交差する。第2の横方向螺旋体220は、その最後の巻き部が、縦方向螺旋体210のおよそ外周面まで延びている。換言すれば、最後の巻き部が、直線状に延びる導体部212の近傍に位置する。従って、第2の横方向螺旋体220の最後の巻き部は、溝状の凹部202を規定する内周面の外側部分まで延びており、その内側部分は横方向レッグ206に向けられている。
【0033】
コーナー領域の近傍には、2つの接続要素214,216に直接的に隣接して、2つの熱電対224,226が設けられており、そのうち参照符号224で示される熱電対は、シール面113での実際の温度を測定するために、溝状の凹部202の底面まで延び、他方の熱電対226は、2つの横方向螺旋体220,222の間に配置され、その高さ止まりとなっている。この第2の熱電対226は、加熱導体208の実際の温度を測定するためのものである。
【0034】
熱電対224,226及び2つの接続要素214,216は、それぞれセラミックスリーブ228に通されており、このセラミックスリーブ228は、螺旋状に敷設される加熱導体208が挿入された後、加熱導体208とジョー要素200との間の熱伝導を向上させるために、溝状の凹部202内に溶融状態で充填されるはんだ化合物によって取り囲まれ、これと物質的に結合する。
【0035】
図5及び図6は、溝状の凹部202の底部の構成を示している。そこでは、底部が凹状(溝状)の窪み部230として形成されており、その凹状の曲率は、加熱導体208の螺旋体の半径に適合している。縦方向レッグ204は、対応する単一の窪み部230を有する。横方向レッグ206は、横方向螺旋体220,222の1つをそれぞれ受け入れるための2つのこのような窪み部を有する。
【0036】
図7は、上述した方法で製造され、参照符号150で示されるラッピング材で構成されるパッケージを示す。このラッピング材は、糸及びラベルと共にドットで図示されたパウチ42を取り囲んで収め、また、アロマを密封するようにパウチ42を包む。ラッピング材150は、折り目45によって閉じられる幅広の第1の縁部を有する。複数の縦シールLは、この折り目45から直角に延びる。これら縦シールLの端部には、折り目45と平行に走る横シールQが設けられている。縦及び横のシールL,Qは、一体化し又は互いに合わさる。
【符号の説明】
【0037】
2 パウチ製造装置
4 レセプタクル
10 パウチハンドリング装置
12 前側パウチハンドリングアーム
13 後側パウチハンドリングアーム
14 連結ロッド
15 クランプシュー
16 クランプばね
20 フィルムハンドリング装置
30 駆動装置
32 カムディスク
33 ドライブシャフト
34 ピックアップ
36 ベアリング軸
37 レバー
40 フィルム
42 パウチ
44 レッグ
45 折り目
50 搬送ホイール
52 クランプアーム
100 シールステーション
102 下側シールジョー
104 ジョー要素
106 ジョー要素
108 上側シールジョー
110 対向ジョー要素
112 対向ジョー要素
113 L字型シール面
114 L字型シール面
115 駆動装置
116 ドライブシャフト
118 対向ジョー連結ロッド
120 シールジョー連結ロッド
122 ピボット点
124 シールジョーピボットアーム
126 シールジョーピボット軸
128 対向ジョーピボットアーム
130 対向ジョーピボット軸
150 ラッピング材
200 ジョー要素
202 凹部
204 縦方向レッグ
206 横方向レッグ
208 加熱導体
210 縦方向螺旋体
212 直線状に延びる導体部
214 第1の接続要素
216 第2の接続要素
220 第1の横方向螺旋体
222 第2の横方向螺旋体
224 熱電対
226 熱電対
228 セラミックスリーブ
230 窪み部
L 縦シール
Q 横シール
I-VI レセプタクル4の位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出用材料を収めてラッピング材(150)に収められるパウチ(42)を製造する装置であって、
抽出用材料を収めるパウチ(42)を製造するように構成されたパウチ製造装置(2)と、
複数のジョー要素(200)を有するシールステーション(100)と、
を備え、
複数の前記ジョー要素(200)は、前記ラッピング材(150)内に前記パウチ(42)を密封するように両側から前記ラッピング材(150)に作用する、相対する複数のシール面を形成し、
少なくとも1つの前記ジョー要素(200)が前記シール面(113)の下方に溝状の凹部(202)を有し、前記溝状の凹部(202)に、螺旋状に敷設される加熱導体(208)が収容されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記ジョー要素(200)及び前記溝状の凹部(202)は、縦方向レッグ(204)及び横方向レッグ(206)を有するL字型であり、前記加熱導体(208)は、相互に直角に配置されて相互に直接的に隣接する縦方向螺旋体(210)及び横方向螺旋体(220,222)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
2つの横方向螺旋体(220,222)が、前記溝状の凹部(202)内に互いに隣り合って配置されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも2つの熱電対(226)が前記溝状の凹部(202)に導入されることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の装置。
【請求項5】
前記溝状の凹部がはんだ化合物で充填されることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
前記溝状の凹部(202)の底面は、前記螺旋状に敷設される加熱導体(208)の曲率に適合するように形成された凹状の窪み部(230)を有することを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
前記ジョー要素(200)が、良好な熱伝導性を有する金属材料で形成されることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
前記加熱導体(208)が同軸シース加熱導体で形成されることを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
図7は、上述した方法で製造され、参照符号150で示されるラッピング材で構成されるパッケージを示す。このラッピング材は、糸及びラベルと共にドットで図示されたパウチ42を取り囲んで収め、また、アロマを密封するようにパウチ42を包む。ラッピング材150は、折り目45によって閉じられる幅広の第1の縁部を有する。複数の縦シールLは、この折り目45から直角に延びる。これら縦シールLの端部には、折り目45と平行に走る横シールQが設けられている。縦及び横のシールL,Qは、一体化し又は互いに合わさる。
尚、出願当初の請求項は以下の通りであった。
〔請求項1〕
抽出用材料を収めてラッピング材(150)に収められるパウチ(42)を製造する装置であって、
抽出用材料を収めるパウチ(42)を製造するように構成されたパウチ製造装置(2)と、
複数のジョー要素(200)を有するシールステーション(100)と、
を備え、
複数の前記ジョー要素(200)は、前記パウチ(42)を密封するように両側から前記ラッピング材(150)に作用する、相対する複数のシール面を形成し、
少なくとも1つの前記ジョー要素(200)が前記シール面(113)の下方に溝状の凹部(202)を有し、前記溝状の凹部(202)に、螺旋状に敷設される加熱導体(208)が収容されることを特徴とする、装置。
〔請求項2〕
前記ジョー要素(200)及び前記溝状の凹部(202)は、縦方向レッグ(204)及び横方向レッグ(206)を有するL字型であり、前記加熱導体(208)は、相互に直角に配置されて相互に直接的に隣接する縦方向螺旋体(210)及び横方向螺旋体(220,222)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
〔請求項3〕
2つの横方向螺旋体(220,222)が、前記溝状の凹部(202)内に互いに隣り合って配置されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
〔請求項4〕
少なくとも2つの熱電対(226)が前記溝状の凹部(202)に導入されることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の装置。
〔請求項5〕
前記溝状の凹部がはんだ化合物で充填されることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の装置。
〔請求項6〕
前記溝状の凹部(202)の底面は、前記螺旋状に敷設される加熱導体(208)の曲率に適合するように形成された凹状の窪み部(230)を有することを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の装置。
〔請求項7〕
前記ジョー要素(200)が、良好な熱伝導性を有する金属材料で形成されることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の装置。
〔請求項8〕
前記加熱導体(208)が同軸シース加熱導体で形成されることを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の装置。
【外国語明細書】