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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048444
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】シャッター装置の座板構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
E06B9/17 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154267
(22)【出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100095212
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 武
(72)【発明者】
【氏名】▲吉田▼ 展行
(57)【要約】
【課題】座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を、必要に応じて調整することができるようになるシャッター装置の座板構造を提供すること。
【解決手段】シャッターカーテンは、左右両側に配置されたガイドレールに案内されて開閉移動し、このシャッターカーテンの閉じ側の端部は座板4となっており、この座板4には、複数本の棒状部材23~28が展開及び折り畳み可能に配置され、これらの棒状部材23~28を展開することにより、例えば、一部の棒状部材23,26が座板4と平行又は略平行の補強部材45,46となる平行四辺形リンク機構41,42が形成されて、座板4についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度が大きくなり、この強度が不要になったときには、棒状部材23~28は折り畳まれる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側に配置されたガイドレールと、これらのガイドレールに案内されて開閉移動し、閉じ側の端部が座板となっているシャッターカーテンとを含んで構成されるシャッター装置の座板構造であって、
前記座板に、複数本の棒状部材が展開及び折り畳み可能に配置され、これらの棒状部材が展開されることによって前記座板についての前記シャッターカーテンの厚さ方向の強度が大きくなることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッター装置の座板構造において、前記座板に対する前記複数本の棒状部材の展開及び折り畳み方向は、前記シャッターカーテンの厚さ方向であることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項3】
請求項2に記載のシャッター装置の座板構造において、前記複数本の棒状部材のうちには、展開されることにより前記座板と平行又は略平行となってこの座板についての前記シャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくするための補強部材が含まれていることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項4】
請求項3に記載のシャッター装置の座板構造において、前記補強部材は、この補強部材が前記座板に対して平行状態を保って展開及び折り畳み可能となっている平行四辺形リンク機構の一部を構成するものとなっていることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項5】
請求項4に記載のシャッター装置の座板構造において、前記複数本の棒状部材のうち、前記平行四辺形リンク機構を前記座板及び前記補強部材と共に構成する2本の棒状部材は、前記座板と前記補強部材を連結するために前記シャッターカーテンの幅方向となっている前記座板の長さ方向に離れて配置されているとともに、これらの棒状部材が前記座板の長さ方向に対する角度をなしてこの座板に対して揺動不能となることにより、前記座板についての前記シャッターカーテンの厚さ方向の強度が前記補強部材によって大きくなることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項6】
請求項5に記載のシャッター装置の座板構造において、前記平行四辺形リンク機構は、上下に2個設けられているとともに、これらの平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材についての前記座板の長さ方向に対する角度は、互いに逆向きの角度となっており、前記2個の平行四辺形リンク機構における2本の前記補強部材が結合具で結合されることにより、前記2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材は前記座板に対して揺動不能となることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項7】
請求項6に記載のシャッター装置の座板構造において、前記2個の平行四辺形リンク機構における2本の前記補強部材を結合することにより、前記2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材を前記座板に対して揺動不能とするための前記結合具は、前記2本の補強部材が折り畳まれて前記座板に配置されているときに、これらの補強部材を前記座板に結合するための結合具にもなっていることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項8】
請求項6に記載のシャッター装置の座板構造において、前記2個の平行四辺形リンク機構における2本の前記補強部材を結合することにより、前記2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材を前記座板に対して揺動不能とするための前記結合具は、前記座板の長さ方向となっている前記補強部材の長さ方向に2個設けられ、前記2本の補強部材が折り畳まれて前記座板に配置されているときに、これらの補強部材は前記2個の結合具により前記座板に結合されるとともに、折り畳まれて前記座板に配置されている前記2本の補強部材を前記座板に結合しているときの前記2個の結合具の間の間隔よりも、前記2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材を前記座板に対して揺動不能とするために、前記2本の補強部材を結合しているときの前記2個の結合具の間の間隔が大きいことを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項9】
請求項8に記載のシャッター装置の座板構造において、前記2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材を前記座板に対して揺動不能とするために、前記2本の補強部材を結合しているときの前記2個の結合具の間の前記間隔は、これらの補強部材の長さ寸法よりも僅かに小さいことを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項10】
請求項3に記載のシャッター装置の座板構造において、前記複数本の棒状部材のうちの2本の棒状部材は、前記シャッターカーテンの幅方向となっている前記座板の長さ方向に離れて配置されているとともに、これらの棒状部材のそれぞれの基端部は前記座板に揺動自在に連結されており、前記補強部材の長さ方向の一端部は、前記2本の棒状部材のうちの一方の棒状部材に揺動自在に連結され、展開されることにより前記座板と平行又は略平行となってこの座板についての前記シャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくしているときの前記補強部材の長さ方向の他端部は、それぞれの前記基端部を中心に前記座板に対して揺動することによって前記座板の長さ方向に対する角度が互いに逆向きの角度となっている前記2本の棒状部材のうちの他方の棒状部材に結合具により結合されていて、これらの棒状部材はそれぞれの前記基端部を中心に揺動不能となっていることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項11】
請求項10に記載のシャッター装置の座板構造において、前記結合具は、前記2本の棒状部材が折り畳まれて前記座板に配置されているときに、これらの棒状部材と前記座板を結合するための結合具にもなっていることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項12】
請求項10に記載のシャッター装置の座板構造において、前記結合具は、第1結合具であり、それぞれの前記基端部を中心に前記座板に対して揺動することによって前記座板の長さ方向に対する角度が互いに逆向きの角度となっている前記2本の棒状部材の先端部同士が、第2結合具により結合されることにより、これらの棒状部材はそれぞれの前記基端部を中心に揺動不能となっていることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項13】
請求項12に記載のシャッター装置の座板構造において、前記第1結合具と前記第2結合具は、前記2本の棒状部材が折り畳まれて前記座板に配置されているときに、これらの棒状部材と前記座板を結合するための結合具にもなっていることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項14】
請求項13に記載のシャッター装置の座板構造において、前記補強部材の長さ方向の前記一端部から前記他端部までの長さは、折り畳まれて前記座板に配置されているときの前記2本の棒状部材を前記座板に結合している前記第1結合具と前記第2結合具との間の間隔よりも大きいことを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項15】
請求項1に記載のシャッター装置の座板構造において、前記座板には、前記複数本の棒状部材が折り畳まれて前記座板に配置されるときに、これらの棒状部材を内部に収納するための収納部材が設けられていることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【請求項16】
請求項15に記載のシャッター装置の座板構造において、前記座板に対する前記複数本の棒状部材の展開及び折り畳み方向は、前記シャッターカーテンの厚さ方向であり、前記収納部材は、前記シャッターカーテンの厚さ方向に向かって開口しているチャンネル部材により形成されていることを特徴とするシャッター装置の座板構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の出入口等に設置されるシャッター装置の座板構造に係り、特に、開閉移動するシャッターカーテンの閉じ側の端部に設けられる座板の強度を調整可能とするための座板構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の出入口等に設置されるシャッター装置は、下記の特許文献1に示されているように、左右両側に配置されたガイドレールと、これらのガイドレールに案内されて開閉移動し、閉じ側の端部が座板となっているシャッターカーテンとを含んで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-70672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物の出入口等に設置されるシャッター装置では、シャッターカーテンが全閉となっているときに、例えば、台風による強風時において、シャッターカーテンは大きな風圧を受けることになる。このため、左右方向であるシャッターカーテンの幅方向の長さ寸法を有する座板の長さ方向のそれぞれの端部がガイドレールの内部に挿入されていないシャッター装置ではもちろんのこと、座板の長さ方向のそれぞれの端部の少なくとも一部がガイドレールの内部に挿入されているシャッター装置でも、座板がシャッターカーテンの厚さ方向に大きく撓み変形して、座板と床との間にすき間が生ずるおそれが生ずる。このため、シャッターカーテンが大きな風圧等を受けるおそれがあるときには、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくすることが求められる。
【0005】
本発明の目的は、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を、必要に応じて調整することができるようになるシャッター装置の座板構造を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るシャッター装置の座板構造は、左右両側に配置されたガイドレールと、これらのガイドレールに案内されて開閉移動し、閉じ側の端部が座板となっているシャッターカーテンとを含んで構成されるシャッター装置の座板構造であって、前記座板に、複数本の棒状部材が展開及び折り畳み可能に配置され、これらの棒状部材が展開されることによって前記座板についての前記シャッターカーテンの厚さ方向の強度が大きくなることを特徴とするものである。
【0007】
このように本発明に係るシャッター装置の座板構造では、座板に、複数本の棒状部材が展開及び折り畳み可能に配置されており、これらの棒状部材が展開されることによって座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度が大きくなるため、例えば、台風の強風による大きな風圧等がシャッターカーテンに作用することが予想されるなどの場合のように、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくすることが求められる場合には、座板に折り畳まれて配置されていた複数本の棒状部材を展開することにより、座板についてのこの強度を大きなものに変更することができる。
【0008】
また、台風の通過等により、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくする必要がなくなった場合には、複数本の棒状部材を折り畳んで座板に配置すればよく、これにより、複数本の棒状部材を含む座板全体の寸法を小さくして、シャッターカーテンの開閉移動を行わせることができる。
【0009】
以上の本発明において、座板に対する複数本の棒状部材の展開及び折り畳み方向は、上下方向でもよく、あるいは、シャッターカーテンの幅方向である左右方向でもよく、あるいは、シャッターカーテンの厚さ方向でもよく、あるいは、上下方向と左右方向とに対して斜めの方向でもよく、あるいは、上下方向とシャッターカーテンの厚さ方向とに対して斜めの方向でもよく、あるいは、左右方向とシャッターカーテンの厚さ方向とに対して斜めの方向でもよい。
【0010】
これらのうち、座板に対する複数本の棒状部材の展開及び折り畳み方向をシャッターカーテンの厚さ方向とすると、座板の強度を大きくする方向は、シャッターカーテンの厚さ方向であるため、シャッターカーテンの厚さ方向についての座板の強度を大きくすることを有効に実現できることになる。
【0011】
また、座板にシャッターカーテンの厚さ方向に展開及び折り畳み可能に配置されている複数本の棒状部材を展開することにより、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向を大きくするための構造は、複数本の棒状部材を各種の形態で展開させることにより行うことができる。その一例の形態は、展開された複数本の棒状部材のうちに、展開されることにより座板と平行又は略平行となってこの座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくする補強部材が含まれていることとすることであり、また、他の例の形態は、シャッターカーテンの幅方向である座板の長さ方向に離れて基端部が配置されている2本の棒状部材のそれぞれを、基端部を中心に揺動させて、これらの棒状部材の先端同士を連結し、これにより、これらの棒状部材と座板とで三角形の構造体を形成することである。
【0012】
これらのうち、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向を大きくするための構造を、展開された複数本の棒状部材のうちに、展開されることにより座板と平行又は略平行となってこの座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくする補強部材が含まれていることとすると、この補強部材は座板と平行又は略平行となるものであるため、この補強部材の強度を利用して、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくすることができる。
【0013】
そして、展開された複数本の棒状部材のうちに、展開されることにより座板と平行又は略平行となってこの座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくする補強部材が含まれていることとすることは、例えば、補強部材を、この補強部材が座板に対して平行状態を保って展開及び折り畳み可能となっている平行四辺形リンク機構の一部を構成するものとすることにより実現できる。
【0014】
これをより詳しく説明すると、座板に配置される前記複数本の棒状部材のうち、平行四辺形リンク機構を座板及び補強部材と共に構成する2本の棒状部材を、座板と補強部材を連結するためにシャッターカーテンの幅方向となっている座板の長さ方向に離れて配置するとともに、これらの棒状部材を、座板の長さ方向に対する角度をなしてこの座板に対して揺動不能とすることにより、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を補強部材によって大きくすることができる。
【0015】
なお、このように本発明に係るシャッター装置の座板構造を構成する場合には、座板の長さ方向に対して前記2本の棒状部材がなす前記角度は、これらの棒状部材が座板に対して揺動不能となっていれば、90度でもよく、90度以外の角度でもよく、また、前記2本の棒状部材を座板に対して揺動不能とすることは、例えば、棒状部材と座板との間に架け渡し部材を架け渡すこと、あるいは、棒状部材と補強部材との間に架け渡し部材を架け渡すことなどにより実現できる。
【0016】
また、本発明に係るシャッター装置の座板構造を上述した平行四辺形リンク機構によるものとする場合には、この平行四辺形リンク機構を上下2個設けるとともに、これらの平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの棒状部材についての座板の長さ方向に対する角度を、互いに逆向きの角度とし、2個の平行四辺形リンク機構における2本の補強部材を結合具で結合することにより、2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材を座板に対して揺動不能とするようにしてもよい。
【0017】
なお、このように本発明に係るシャッター装置の座板構造を上下2個の平行四辺形リンク機構によるものとする場合には、これらの平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材が座板の長さ方向に対してなす互いに逆向きの角度を、90度以外の角度とする。
【0018】
また、上述のように平行四辺形リンク機構を上下に2個設けるとともに、これらの平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材についての座板の長さ方向に対する角度を、互いに逆向きの角度とし、上下2個の平行四辺形リンク機構における2本の補強部材を結合具で結合することにより、上下2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材を座板に対して揺動不能とする場合には、上下2個の平行四辺形リンク機構における2本の補強部材を結合するための前記結合具を、2本の補強部材が折り畳まれて座板に配置されているときに、これらの補強部材を座板に結合するための結合具としてもよい。
【0019】
これによると、2本の補強部材が折り畳まれて座板に配置されているときに、これらの補強部材を座板に結合するための結合具を利用して、2個の平行四辺形リンク機構における2本の補強部材を結合することができるため、結合具の兼用化を図ることができる。
【0020】
なお、2個の平行四辺形リンク機構における2本の補強部材を結合することにより、2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材を座板に対して揺動不能とするための前記結合具の個数は、1個でもよいが、この結合具の個数を、座板の長さ方向となっている補強部材の長さ方向に配置された2個とする場合には、折り畳まれて座板に配置されているときの2本の補強部材を前記2個の結合具により座板に結合するとともに、折り畳まれて座板に配置されている2本の補強部材を座板に結合しているときの前記2個の結合具の間の間隔よりも、2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材を座板に対して揺動不能とするために、2本の補強部材を結合しているときの前記2個の結合具の間の間隔を大きくすることが好ましい。
【0021】
これによると、2本の補強部材が折り畳まれて座板に配置されているときに、これらの補強部材を前記2個の結合具により座板に結合することにより、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度は2本の補強部材によって大きくなるが、折り畳まれて座板に配置されている2本の補強部材を座板に結合しているときの前記2個の結合具の間の間隔よりも、2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材を座板に対して揺動不能とするために、2本の補強部材を結合しているときの前記2個の結合具の間の間隔を大きくすることにより、これらの結合具の間の間隔に対応する2本の補強部材におけるそれぞれの長さにより、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくできるため、展開された2本の補強部材によって大きくできる座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を、2本の補強部材が折り畳まれて座板に配置されているときに、これらの補強部材を前記2個の結合具により座板に結合しているときにおける座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度よりも大きくできることになる。
【0022】
そして、本発明に係るシャッター装置の座板構造をこのように構成する場合には、上下2個の平行四辺形リンク機構におけるそれぞれ2本ずつの前記棒状部材を座板に対して揺動不能とするために、2本の補強部材を結合しているときの前記2個の結合具の間の間隔を、これらの補強部材の長さ寸法よりも僅かに小さくことが好ましい。
【0023】
これによると、前記2個の結合具は、2本の補強部材を、これらの補強部材の長さ方向の両端面の近くで結合することになるため、これらの補強部材の略全体の長さ寸法を利用して、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくできることになる。
【0024】
また、本発明に係るシャッター装置の座板構造において、前述したように座板に対する複数本の棒状部材の展開及び折り畳み方向をシャッターカーテンの厚さ方向とするとともに、これらの棒状部材のうちに、展開されることにより座板と平行又は略平行となってこの座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくするための補強部材が含まれているとする場合には、複数本の棒状部材のうちの2本の棒状部材を、シャッターカーテンの幅方向となっている座板の長さ方向に離れて配置するとともに、これらの棒状部材のそれぞれの基端部を座板に揺動自在に連結し、また、補強部材の長さ方向の一端部を、前記2本の棒状部材のうちの一方の棒状部材に揺動自在に連結し、展開されることにより座板と平行又は略平行となってこの座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくしているときの補強部材の長さ方向の他端部を、それぞれの基端部を中心に座板に対して揺動することによって座板の長さ方向に対する角度が互いに逆向きの角度となっている前記2本の棒状部材のうちの他方の棒状部材に結合具により結合して、このときにおけるこれらの棒状部材を、それぞれの前記基端部を中心に揺動不能とするようにしてもよい。
【0025】
このように本発明に係るシャッター装置の座板構造を構成しても、展開されることにより座板と平行又は略平行となっている補強部材により、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくことができる。
【0026】
また、上述のように座板に対する複数本の棒状部材の展開及び折り畳み方向をシャッターカーテンの厚さ方向として、これらの棒状部材のうちに、展開されることにより座板と平行又は略平行となってこの座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくするための補強部材が含まれていることとし、複数本の棒状部材のうちの2本の棒状部材を、シャッターカーテンの幅方向となっている座板の長さ方向に離れて配置するとともに、これらの棒状部材のそれぞれの基端部を座板に揺動自在に連結し、また、補強部材の長さ方向の一端部を、前記2本の棒状部材のうちの一方の棒状部材に揺動自在に連結し、展開されることにより座板と平行又は略平行となってこの座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくしているときの補強部材の長さ方向の他端部を、それぞれの基端部を中心に座板に対して揺動することによって座板の長さ方向に対する角度が互いに逆向きの角度となっている前記2本の棒状部材のうちの他方の棒状部材に結合具により結合して、このときにおけるこれらの棒状部材を、それぞれの前記基端部を中心に揺動不能とする場合には、前記結合具を、前記2本の棒状部材が折り畳まれて座板に配置されているときに、これらの棒状部材と座板を結合するための結合具としてもよい。
【0027】
これによると、前記2本の棒状部材が折り畳まれて座板に配置されているときに、これらの棒状部材と座板を結合するための結合具を利用して、補強部材の長さ方向の前記他端部を、前記2本の棒状部材のうちの前記他方の棒状部材に結合することができるため、結合具の兼用化を図ることができる。
【0028】
また、前述したように座板に対する複数本の棒状部材の展開及び折り畳み方向をシャッターカーテンの厚さ方向として、これらの棒状部材のうちに、展開されることにより座板と平行又は略平行となってこの座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくするための補強部材が含まれていることとし、複数本の棒状部材のうちの2本の棒状部材を、シャッターカーテンの幅方向となっている座板の長さ方向に離れて配置するとともに、これらの棒状部材のそれぞれの基端部を座板に揺動自在に連結し、また、補強部材の長さ方向の一端部を、前記2本の棒状部材のうちの一方の棒状部材に揺動自在に連結し、展開されることにより座板と平行又は略平行となってこの座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を大きくしているときの補強部材の長さ方向の他端部を、それぞれの基端部を中心に座板に対して揺動することによって座板の長さ方向に対する角度が互いに逆向きの角度となっている前記2本の棒状部材のうちの他方の棒状部材に結合具により結合して、このときにおけるこれらの棒状部材を、それぞれの前記基端部を中心に揺動不能とする場合には、前記結合具を、第1結合具とし、それぞれの前記基端部を中心に座板に対して揺動することによって座板の長さ方向に対する角度が互いに逆向きの角度となっている前記2本の棒状部材の先端部同士を、第2結合具により結合してもよい。
【0029】
これによると、前記2本の棒状部材の先端部同士は、第2結合具により結合されるため、これらの棒状部材を、それぞれの前記基端部を中心に揺動不能とすることができる。
【0030】
また、本発明に係るシャッター装置の座板構造をこのように構成する場合には、上述の第1結合具と第2結合具を、前記2本の棒状部材が折り畳まれて座板に配置されているときに、これらの棒状部材と座板を結合するための結合具としてもよい。
【0031】
これによると、前記2本の棒状部材が折り畳まれて座板に配置されているときに、これらの棒状部材と座板を結合するための第1結合具と第2結合具のうち、第1結合具を利用して、補強部材の長さ方向の前記他端部を、前記2本の棒状部材のうちの前記他方の棒状部材に結合することができるとともに、第2結合具を利用して、前記2本の棒状部材の先端部同士を結合することができるため、これらの第1結合具と第2結合具の兼用化を図ることができる。
【0032】
また、このように前記2本の棒状部材が折り畳まれて座板に配置されているときに、これらの棒状部材と座板を第1結合具と第2結合具により結合する場合には、補強部材の長さ方向の前記一端部から前記他端部までの長さを、折り畳まれて座板に配置されているときの前記2本の棒状部材を座板に結合している第1結合具と第2結合具との間の間隔よりも大きくすることが好ましい。
【0033】
これによると、前記2本の棒状部材が折り畳まれて座板に配置されているときに、これらの棒状部材と座板を第1結合具と第2結合具により結合すると、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度は前記2本の棒状部材によって大きくなるが、補強部材の長さ方向の前記一端部から前記他端部までの長さを、折り畳まれて座板に配置されているときの前記2本の棒状部材を座板に結合している第1結合具と第2結合具との間の間隔よりも大きくすることにより、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を、補強部材の略全体の長さ寸法を有効に利用して充分に大きくすることができる。
【0034】
以上説明した本発明に係るシャッター装置の座板構造において、座板に展開及び折り畳み可能に配置される複数本の棒状部材は、座板に直接配置してもよく、あるいは、座板に収納部材を設け、複数本の棒状部材が折り畳まれて座板に配置されるときに、これらの棒状部材を収納部材の内部に収納するようにしてもよい。
【0035】
このように座板に収納部材を設け、複数本の棒状部材が折り畳まれて座板に配置されるときに、これらの棒状部材を収納部材の内部に収納するようにすると、折り畳まれて座板に配置されているときの複数本の棒状部材を、収納部材により外力等から有効に保護することができる。
【0036】
また、このように複数本の棒状部材が折り畳まれて座板に配置されるときに、これらの棒状部材を内部に収納するための収納部材を座板に設けるとともに、前述したように座板に対する複数本の棒状部材の展開及び折り畳み方向をシャッターカーテンの厚さ方向とする場合には、収納部材を、シャッターカーテンの厚さ方向に向かって開口しているチャンネル部材により形成することが好ましい。
【0037】
これによると、折り畳まれて座板に配置されているときの複数本の棒状部材を内部に収納するための収納部材は、シャッターカーテンの厚さ方向に向かって開口しているチャンネル部材により形成されるため、座板に対する複数本の棒状部材の展開及び折り畳みを、一層確実にシャッターカーテンの厚さ方向にして有効に行える。
【0038】
以上説明した本発明に係るシャッター装置の座板構造は、シャッターカーテンが、このシャッターカーテンの厚さ方向への風圧等の圧力を受けることが予想される各種のシャッター装置に適用することができ、その一つのシャッター装置は、シャッターカーテンにより建物やガレージ等の出入口が開閉される出入口用シャッター装置であり、また、他のシャッター装置は、窓用シャッター装置である。さらに、本発明に係るシャッター装置の座板構造は、火災等の発生時に防災区画を形成するために全閉となるシャッターカーテンに、炎や煙等の圧力や、排気による負圧が作用する防災用シャッター装置にも適用することができ、さらに、シャッターカーテンが防水のために全閉となるシャッター装置にも適用することができる。
【0039】
さらに、本発明に係るシャッター装置の座板構造を、新たに建築された建物等に設置されるシャッター装置や、改修されたシャッター装置に適用してもよく、さらには、既に設置されているシャッター装置に適用してもよい。
【0040】
また、本発明に係るシャッター装置の座板構造は、座板を除くシャッターカーテンの全体部分又は略全体又は一部の部分が、多数のスラットの連設で形成されているスラット式シャッター装置や、複数のパネルの連設で形成されているパネル式シャッター装置、シートで形成されているシート式シャッター装置、さらには、これらの部材の複合で形成されている複合式シャッター装置等に適用することができる。
【0041】
さらに、本発明に係るシャッター装置の座板構造で用いられる複数本の棒状部材のそれぞれを、チャンネル材により形成してもよく、あるいは、アングル材により形成してもよく、あるいは、フラットバーにより形成してもよく、あるいは、断面四角形や円形等の中空又は中実の部材により形成してもよい。
【発明の効果】
【0042】
本発明によると、座板についてのシャッターカーテンの厚さ方向の強度を、必要に応じて調整できるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る座板構造が適用されているシャッター装置の全体を示す正面図である。
図2図2は、図1のS2-S2線断面図である。
図3図3は、図1のS3-S3線断面図であって、シャッターカーテンが全閉となっているときの状態を示す図である。
図4図4は、図1図3で示されている座板と、この座板に展開及び折り畳み可能に配置されている複数本の棒状部材とを示す斜視図であって、複数本の棒状部材が折り畳まれているときの状態を示す図である。
図5図5は、図4の複数本の棒状部材が展開されることにより平行四辺形リンク機構が形成されたときの状態を示す図である。
図6図6は、図5で示されている上下2個の平行四辺形リンク機構のうち、上側の平行四辺形リンク機構が形成されるときの状態を示す平面図である。
図7図7は、図5で示されている上下2個の平行四辺形リンク機構のうち、下側の平行四辺形リンク機構が形成されるときの状態を示す平面図である。
図8図8は、上下2個の平行四辺形リンク機構が形成されて、これらの平行四辺形リンク機構の一部を構成する補強部材同士を結合具により結合したときの状態を示す平面図である。
図9図9は、第2実施形態に係る座板構造を示す図1と同様の図である。
図10図10は、図9のS10-S10線断面図である。
図11図11は、第2実施形態に係る座板構造を示す図4と同様の図である。
図12図12は、第2実施形態に係る座板構造を示す図5と同様の図である。
図13図13は、第2実施形態に係る座板構造を示す図6と同様の図である。
図14図14は、第2実施形態に係る座板構造を示す図7と同様の図である。
図15図15は、第2実施形態に係る座板構造を示す図8と同様の図である。
図16図16は、第3実施形態に係る座板構造を示す図1と同様の図である。
図17図17は、図16のS17-S17線断面図である。
図18図18は、第3実施形態に係る座板構造を示す図4と同様の図である。
図19図19は、図17及び図18で示されている複数本の棒状部材のうち、2本の棒状部材を展開したときの状態を示す斜視図である。
図20図20は、第3実施形態に係る座板構造を示す図5と同様の図である。
図21図21は、第3実施形態に係る座板構造を示す図6及び図7と同様の図である。
図22図22は、第3実施形態に係る座板構造を示す図8と同様の図である。
図23図23は、第4実施形態に係る座板構造を示す図1と同様の図である。
図24図24は、図23のS24-S24線断面図である。
図25図25は、第4実施形態に係る座板構造を示す図4と同様の図である。
図26図26は、第4実施形態に係る座板構造を示す図19と同様の図である。
図27図27は、第4実施形態に係る座板構造を示す図20と同様の図である。
図28図28は、第4実施形態に係る座板構造を示す図21と同様の図である。
図29図29は、第4実施形態に係る座板構造を示す図22と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る座板構造を有するシャッター装置の全体の正面図が示されており、このシャッター装置は、倉庫等の建物の出入口に設置されている出入口用シャッター装置である。この出入口用シャッター装置は、壁等の建物躯体に取り付けられて左右両側に配置されたガイドレール1により案内されて上下に開閉移動自在となっているシャッターカーテン2が、カーテン本体3と、このカーテン本体3の下端部に設けられた座板4とを備えたものとなっており、シャッターカーテン2の略全体を形成しているカーテン本体3は、多数のスラット5が上下に連設されたものとなっている。カーテン本体3の上端は、天井15の上側の天井裏空間において、下がり壁等に結合された左右一対のブラケット6により回転自在に支持されている水平の巻取軸7に連結され、この巻取軸7には、電動モータとブレーキの組み合わせからなる開閉機8からの駆動力がスプロケットホイールやチェーン等で構成された伝動手段9を介して伝達され、開閉機8の電動モータからの正逆回転駆動力で巻取軸7が正逆回転することによる巻取軸7のシャッターカーテン2の巻き取り、繰り出しにより、シャッターカーテン2は左右両側のガイドレール1に案内されて上下方向に開閉移動する。
【0045】
閉じ側の下端部が座板4となっているシャッターカーテン2が下側へ閉じ移動して、この座板4が出入口の床10に達することにより、シャッターカーテン2は全閉となり、また、シャッターカーテン2が上側へ開き移動して、シャッターカーテン2を上下に挿通させるためのスリットを天井15に形成しているまぐさ部材11の高さ位置に座板4が達することにより、シャッターカーテン2は全開となる。
【0046】
上述したように本実施形態に係るシャッター装置は、シャッターカーテン2が開閉機8からの駆動力で上下方向に開閉移動する電動式シャッター装置となっているが、これから説明する座板構造は、巻取軸の内部に戻しばねが配置されていて、この戻しばねに、シャッターカーテンが下側へ閉じ移動するときの巻取軸の逆回転時において、シャッターカーテンを上側に開き移動させるための巻取軸の正回転を補助するための戻しばね力が蓄圧され、この戻しばね力により、シャッターカーテンを手動操作により上側に軽く開き移動させることができるようになっている手動式シャッター装置にも適用することができる。
【0047】
図1に示されているように、シャッターカーテン2のうち、カーテン本体3の左右両側の部分はガイドレール1の内部に挿入されており、これらのガイドレール1の内部において、カーテン本体3のそれぞれのスラット5のうち、間隔をあけて配置されている所定のスラット5ごとに、抜け出し防止部材12がこれらのスラット5の左右両端部に取り付けられている。本実施形態に係るこれらの抜け出し防止部材12は、図1のS2-S2線断面図である図2に示されているように、シャッターカーテン2の厚さ方向両側へ突出した突起部12Aが設けられたT字形状のものであり、それぞれのガイドレール1は、カーテン本体3の左右両側の部分が挿入される開口部1Aにおいて、この開口部1Aについてのシャッターカーテン2の厚さ方向の開口幅寸法を小さくするためのリップ部1B,1Cが設けられたものとなっている。
【0048】
このため、シャッターカーテン2が全閉となっているときや、開閉移動中において、シャッターカーテン2に、例えば、台風の強風による風圧がシャッターカーテン2の厚さ方向に作用することにより、カーテン本体3がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形しても、抜け出し防止部材12の突起部12Aがガイドレール1のリップ部1B,1Cに係止することにより、カーテン本体3の左右両側の部分がガイドレール1の内部から抜け出ることを防止できる。
【0049】
図3は、座板4が図1の出入口の床10に達しているシャッターカーテン2の全閉時における図1のS3-S3線断面図である。この図3に示されているように、本実施形態に係る座板4は、断面ボックス状となっている座板本体13から立上部14が鉛直に立ち上がったものになっており、この立上部14に、多数のスラット5のうちの最下段のスラット5Aがビスやリベット等の結合具により結合されている。図1に示されているように、座板本体13と立上部14の左右両端部分は、左右両側のガイドレール1の内部に挿入されておらず、最下段のスラット5Aの左右両端部分は、ガイドレール1の内部に挿入されている。なお、立上部14の左右両端部分を、左右両側のガイドレール1の内部に挿入してもよく、また、座板本体13の左右両端部分に、左右両側のガイドレール1の内部に挿入される挿入部材を結合してもよい。
【0050】
図3に示されているように、座板4が出入口の床10に達しているシャッターカーテン2の全閉時には、シャッターカーテン2によって出入口はシャッターカーテン2の厚さ方向の室内側と室外側に仕切られることになり、座板4におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の両側の面のうち、一方の面には、本実施形態では、室内側の面には、上下2個の収納部材21,22が取り付けられ、これらの収納部材21,22のうち、上側の収納部材21は立上部14に固定され、下側の収納部材22は座板本体13に固定されている。これらの収納部材21,22は、シャッターカーテン2の厚さ方向のうち、室内側に向かって開口しているチャンネル材によって形成されているため、上側の収納部材21は、立上部14に溶接又はビス等で結合されたウエブ部21Aと、このウエブ部21Aの上下両端部から室内側に向かって平行に延出している上下2個のフランジ部21B,21Cとからなり、また、下側の収納部材22は、座板本体13の室内側の面13Aに溶接又はビス等で結合されたウエブ部22Aと、このウエブ部22Aの上下両端部から室内側に向かって平行に延出している上下2個のフランジ部22B,22Cとからなる。
【0051】
図4には、座板4と、上下2個の収納部材21,22と、これらの収納部材21,22の内部にそれぞれに展開及び折り畳み可能に収納されていることにより、座板4に展開及び折り畳み可能に配置されている複数本の棒状部材とが示されている。これらの棒状部材は、図3にも示されているとともに、これらの棒状部材が展開されたときの状態を示している図5にも示されている。上側の収納部材21の内部に収納されている棒状部材は、図3図5に示されている第1棒状部材23と、図3及び図5に示されている第2棒状部材24と、図4及び図5に示されている第3棒状部材25とである。下側の収納部材22の内部に収納されている棒状部材は、図3図5に示されている第4棒状部材26と、図3図5に示されている第5棒状部材27と、図5に示されている第6棒状部材28とである。
【0052】
これらの棒状部材23~28は、図3から分かるように、上下2個の収納部材21,22と同様に、チャンネル材により形成されており、座板4に対して折り畳まれて上下2個の収納部材21,22の内部に収納されているときにおける棒状部材23~28の開口部は、室外側に向かって開口している。また、このときには、図4に示されているように、第1棒状部材23の内部に、第2棒状部材24の全体と第3棒状部材25の一部とが収納され、第4棒状部材26の内部に、第5棒状部材27の一部と第6棒状部材28の全体とが収納されている。
【0053】
また、上下2個の収納部材21,22の内部に収納されているときにおける第1~第6棒状部材23~28は、それぞれの長さ方向が座板4の長さ方向となっており、座板4の長さ方向は、図1に示されているように、シャッターカーテン2の幅方向である。
【0054】
図5から分かるように、第2棒状部材24と第3棒状部材25、及び第5棒状部材27と第6棒状部材28は、座板4の長さ方向である収納部材21,22の長さ方向に離れて配置されている。また、第2棒状部材24の基端部は、上下方向を軸方向とする軸部材になっているピン29により、上側の収納部材21に揺動自在に連結され、第2棒状部材24の先端部は、上下方向を軸方向とする軸部材になっているピン30により、第1棒状部材23に揺動自在に連結されている。このピン30は、図3にも示されている。また、第3棒状部材25の基端部は、図5に示されているように、上下方向を軸方向とする軸部材になっているピン31により、上側の収納部材21に揺動自在に連結され、第3棒状部材25の先端部は、上下方向を軸方向とする軸部材になっているピン32により、第1棒状部材23に揺動自在に連結されている。
【0055】
さらに、第5棒状部材27の基端部は、後述する図7に示されているように、上下方向を軸方向とする軸部材になっているピン33により、下側の収納部材22に揺動自在に連結され、第5棒状部材27の先端部は、上下方向を軸方向とする軸部材になっている図5及び図7のピン34により、第4棒状部材26に揺動自在に連結されている。これらのピン33,34のうち、ピン33は、図3にも示されている。また、第6棒状部材28の基端部は、図7に示されているように、上下方向を軸方向とする軸部材になっているピン35により、下側の収納部材22に揺動自在に連結され、第6棒状部材28の先端部は、上下方向を軸方向とする軸部材になっている図5及び図7のピン36により、第4棒状部材26に揺動自在に連結されている。
【0056】
このため、上下2個の収納部材21,22のうち、上側の収納部材21に配置されている第1~第3棒状部材23~25は、座板4に対して展開及び折り畳み可能となって座板4に配置されていることになり、これらの第1~第3棒状部材23~25は、折り畳まれたときに上側の収納部材21の内部に収納される。また、下側の収納部材22に配置されている第4~第6棒状部材26~28も、座板4に対して展開及び折り畳み可能となって座板4に配置されており、これらの第4~第6棒状部材26~28は、折り畳まれたときに下側の収納部材22の内部に収納される。
【0057】
以上において、第1及び第4棒状部材23,26の長さ寸法は、同じであり、また、第2、第3、第5及び第6棒状部材24,25,27,28の長さ寸法も、同じである。また、上下2個の収納部材21,22の内部に第1~第6棒状部材23~28が収納されているときにおいて、第1及び第4棒状部材23,26は、左右方向とシャッターカーテン2の厚さ方向との両方において、同じ位置に配置されており、第2及び第5棒状部材24,27も、左右方向とシャッターカーテン2の厚さ方向との両方において、同じ位置に配置されているとともに、第3及び第6棒状部材25,28も、左右方向とシャッターカーテン2の厚さ方向との両方において、同じ位置に配置されている。しかし、上下2個の収納部材21,22の内部に第1~第6棒状部材23~28が収納されているときでは、第2棒状部材24と第5棒状部材27では、上述した基端部と先端部の位置が、左右方向である収納部材21,22の長さ方向において、互いに逆となっており、また、第3棒状部材25と第6棒状部材28でも、収納部材21,22の長さ方向において、上述した基端部と先端部の位置が互いに逆となっている。
【0058】
なお、上述したように第1及び第4棒状部材23,26、第2及び第5棒状部材24,27、第3及び第6棒状部材25,28を、それぞれシャッターカーテン2の厚さ方向の同じ位置に配置できるようにするため、図3に示されているように、上側の収納部材21における上下2個にフランジ部21B,21Cの先端部は、下側の収納部材22における上下2個にフランジ部22B,22Cの先端部と同じ位置まで、シャッターカーテン2の厚さ方向のうち、室内側へ延出している。
【0059】
また、第1~第6棒状部材23~28が、座板4に対して折り畳まれることによって上下2個の収納部材21,22の内部に収納されているときには、第1棒状部材23の内部には、図4から分かるように、第2棒状部材24の全体が収納されるため、図5及び後述する図6に示されているように、第1棒状部材23には、前述のピン29との干渉を避けるための凹部23Aが設けられており、また、第4棒状部材26の内部には、図4から分かるように、第6棒状部材28の全体が収納されるため、図5及び図7に示されているように、第4棒状部材26にも、前述のピン35との干渉を避けるための凹部26Aが設けられている。
【0060】
さらに、図6に示されているように、第1棒状部材23には、この第1棒状部材23の長さ方向の両端面に近い箇所において、孔37,38が形成されているとともに、図7に示されているように、第4棒状部材26には、この第4棒状部材26の長さ方向の両端面に近い箇所において、孔39,40が形成されている。
【0061】
通常時の第1~第3棒状部材23~25は、座板4に対して折り畳まれることにより、上側の収納部材21に内部に収納されており、また、第4~第6棒状部材26~28も、座板4に対して折り畳まれることにより、下側の収納部材22に内部に収納されており、この状態でシャッターカーテン2の上下方向の開閉移動が行われる。そして、台風の強風による大きな風圧等が、シャッターカーテン2に、このシャッターカーテン2の厚さ方向に作用することが予想される事態が生じた場合には、作業者は、第1棒状部材23を、図6の二点鎖線で示されている第1棒状部材23’のように、座板4に対して平行状態を保ちながら、上側の収納部材21の内部に収納されていた第1~第3棒状部材23~25を座板4に対して展開させるとともに、第4棒状部材26を、図7の二点鎖線で示されている第4棒状部材26’のように、座板4に対して平行状態を保ちながら、下側の収納部材22の内部に収納されていた第4~第6棒状部材26~28を座板4に対して展開させる。
【0062】
このように第1~第3棒状部材23~25を座板4に対して展開させることは、第2及び第3棒状部材24,25が、図6の二点鎖線で示されている第2及び第3棒状部材24’,25’のように、上側の収納部材21の長さ方向ともなっている座板4の長さ方向に対して鋭角の角度をなす範囲で行われ、また、第4~第6棒状部材26~28を座板4に対して展開させることは、第5及び第6棒状部材27,28が、図7の二点鎖線で示されている第5及び第6棒状部材27’,28’のように、下側の収納部材22の長さ方向ともなっている座板4の長さ方向に対して鋭角の角度をなす範囲で行われるが、上述したように上下2個の収納部材21,22の内部に第1~第6棒状部材23~28が収納されているときでは、第2棒状部材24と第5棒状部材27では、収納部材21,22の長さ方向において、基端部と先端部の位置が互いに逆となっており、また、第3棒状部材25と第6棒状部材28でも、収納部材21,22の長さ方向において、基端部と先端部の位置が互いに逆となっているため、第2及び第3棒状部材24’,25’が座板4の長さ方向に対してなす鋭角の角度と、第5及び第6棒状部材27’,28’が座板4の長さ方向に対してなす鋭角の角度とを、互いに逆向きの角度であって、同じ大きさの角度にさせて、第1~第3棒状部材23~25及び第4~第6棒状部材26~28を座板4に対して展開させることができる。
【0063】
これにより、図5及び図6に示されているように、座板4に取り付けられた上側の収納部材21と、第1~第3棒状部材23~25とにより、上側の平行四辺形リンク機構41が形成されることになるとともに、図5及び図7に示されているように、座板4に取り付けられた下側の収納部材22と、第4~第6棒状部材26~28とにより、下側の平行四辺形リンク機構42が形成されることになる。このときにおける第1及び第4棒状部材23’,26’は座板4と平行になっていて、これらの第1及び第4棒状部材23’,26’は、シャッターカーテン2の厚さ方向における室内側の同じ位置まで達している。
【0064】
この後に、作業者は、図5及び図8で示した2個の結合具43,44により、第1棒状部材23と第4棒状部材26を結合するための作業を行う。これらの結合具43,44は、図5で示すボルト43A,44A及びナット43C,44Cによるものであり、ボルト43Aの図5で示した軸部43Bを図6及び図7で示した第1及び第4棒状部材23,26の孔37,39に、ボルト44Aの図5で示した軸部44Bを図6及び図7で示した第1及び第4棒状部材23,26の孔38,40に、それぞれ挿入し、この後に、軸部43B,44Bの端部に図5で示したナット43C,44Cを螺合して締め付ける。
【0065】
これにより、平行四辺形リンク機構41,42の一部を構成する部材となっている第1及び第4棒状部材23,26は、2個の結合具43,44により結合一体化されるとともに、第2及び第3棒状部材24,25と、第5及び第6棒状部材27,28は、ピン29,31,33,35によって収納部材21,22に連結されているそれぞれの基端部を中心に座板4に対して揺動不能となり、このため、上下2個の平行四辺形リンク機構41,42は、図6及び図7で示されている平行四辺形の形状を維持することになる。この状態は、図8にも示されている。
【0066】
以上説明した作業は、シャッターカーテン2が全閉となっているとき、あるいは、シャッターカーテン2を全閉から開き側へ少し移動させて停止させているときに行われ、上述の作業が、シャッターカーテン2が全閉から開き側へ少し移動させて停止させているときに行われたときには、この後に、シャッターカーテン2を全閉位置まで下降させる作業が行われる。
【0067】
上述の作業が実施されると、上側の平行四辺形リンク機構41の第2及び第3棒状部材24,25と、下側の平行四辺形リンク機構の第5及び第6棒状部材27,28は、ピン29,31,33,35によって収納部材21,22に連結されているそれぞれの基端部を中心に座板4に対して揺動不能となっているため、台風の強風による大きな風圧等がシャッターカーテン2にこのシャッターカーテン2の厚さ方向に作用しても、座板4と平行になっている第1及び第4棒状部材23,26が、座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することについて抵抗する図5の補強部材45,46となる。すなわち、平行四辺形リンク機構41,42の一部を構成する部材となっている第1及び第4棒状部材23,26は、座板4についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の強度を大きくするための補強部材45,46となり、このため、座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に大きく撓み変形することによって座板4と図1の出入口の床10の間にすき間が生ずることを防止できる。
【0068】
また、本実施形態では、座板4についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の強度を大きくするための補強部材45,46は、上下に2本あるため、座板4についてシャッターカーテン2の厚さ方向の強度を充分に大きくできる。さらに、これらの補強部材45,46は、上下2個の平行四辺形リンク機構41,42におけるそれぞれ2本ずつの棒状部材24,25、棒状部材27,28により、座板4に取り付けられている収納部材21,22に連結されているとともに、これらの2本ずつの棒状部材24,25、棒状部材27,28は、座板4の長さ方向に対してなす角度が互いに逆向きの鋭角の角度となっているため、棒状部材24,25,27,28によって補強部材45,46が座板4に連結されている座板4の長さ方向における長さ範囲が大きくなっており、したがって、この点でも、座板4についてシャッターカーテン2の厚さ方向の強度を充分に大きくできる。
【0069】
台風の通過等により、座板4についてシャッターカーテン2の厚さ方向の強度を大きくする必要がなくなったときには、作業者は、2個の結合具43,44を取り外して、第1~第3棒状部材23~25を座板4に対して折り畳むことにより、上側の収納部材21の内部に収納する作業を行うとともに、第4~第6棒状部材26~28を座板4に対して折り畳むことにより、下側の収納部材22の内部に収納する作業を行う。これにより、全部の棒状部材23~28を含む座板4全体についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の寸法は小さくなり、この状態でシャッターカーテン2を上下方向に開閉移動させることができる。
【0070】
また、本実施形態では、全部の棒状部材23~28は、収納部材21,22を介して座板4に配置されているが、これらの棒状部材23~28の座板4での配置箇所は、室内側であるため、棒状部材23~28と、これらの棒状部材23~28を内部に収納するための収納部材21,22とが、雨天時の雨水等に接触することを防止でき、これにより、棒状部材23~28や収納部材21,22に錆等が生ずることを有効に防止できる。
【0071】
さらに、座板4に対して折り畳まれたときの全部の棒状部材23~28は、収納部材21,22の内部に収納されているため、これらの棒状部材23~28を、収納部材21,22によって外力等から有効に保護することができる。
【0072】
また、座板4に対する棒状部材23~28の展開及び折り畳み方向は、シャッターカーテン2の厚さ方向であって、収納部材21,22は、シャッターカーテン2の厚さ方向のうちの室内側の方向に向かって開口しているチャンネル材により形成されているため、棒状部材23~28の展開及び折り畳みを、収納部材21,22に対して有効に行うことができる。
【0073】
図9図15には、棒状部材23~28を展開することにより上下2個の平行四辺形リンク機構41,42が形成される上述の実施形態についての別実施形態が示されている。図10は、図9のS10-S10線断面図であり、図11図15は、図4図8と対応する図である。この実施形態では、座板4に対して折り畳まれることにより、上側の収納部材21の内部に収納されているときにおける第1~第3棒状部材23~25のうち、第1棒状部材23と、下側の収納部材22の内部に収納されているときにおける第4~第6棒状部材26~28のうち、第4棒状部材26とを、図5及び図8で示した2個の結合具43,44により、図9及び図11に示されているように、上下2個の収納部材21,22に結合している。
【0074】
すなわち、この実施形態では、図12に示されているように、上側の収納部材21と下側の収納部材22には、左右方向とシャッターカーテン2の厚さ方向との両方に一致する位置において、孔50と孔51が形成されているとともに、第1棒状部材23と第4棒状部材26には、これらの棒状部材23,26が収納部材21,22の内部に収納されたときにおける孔50及び孔51と一致する位置において、孔52と孔53が形成されている。また、上側の収納部材21と下側の収納部材22には、孔50と孔51から左右方向にずれた位置であって、左右方向とシャッターカーテン2の厚さ方向との両方に一致する位置において、孔54と孔55が形成されているとともに、第1棒状部材23と第4棒状部材26には、これらの棒状部材23,26が収納部材21,22の内部に収納されたときにおける孔54及び孔55と一致する位置において、孔56と孔57が形成されている。
【0075】
そして、第1棒状部材23と第4棒状部材26が収納部材21,22の内部に収納されたときには、結合具43,44のうち、結合具43のボルト43Aの軸部43Bを孔50,52,53に挿入して、孔51にも挿入し、上下2個の収納部材21,22を上下に貫通したこの軸部43Bの端部にナット43Cを螺合して締め付ける(図10を参照)とともに、結合具44のボルト44Aの軸部44Bを孔54,56,57に挿入して、孔55にも挿入し、上下2個の収納部材21,22を上下に貫通したこの軸部44Bの端部にナット44Cを螺合して締め付ける。これにより、上下2個の平行四辺形リンク機構41,42のそれぞれの一部を構成する部材となっていて、前述した補強部材45,46ともなっている第1及び第4棒状部材23,26は、上下2個の収納部材21,22に2個の結合具43,44により結合され、このため、これらの第1及び第4棒状部材23,26は、収納部材21,22を介して座板4にも結合されたことになる。
【0076】
この実施形態によると、第1~第3棒状部材23~25を座板4に対して折り畳むことにより上側の収納部材21の内部に収納し、第4~第6棒状部材26~28を座板4に対して折り畳むことにより上側の収納部材21の内部に収納して行うシャッターカーテン2の上下方向の開閉移動時において、この開閉移動の振動等により、第1~第3棒状部材23~25が上側の収納部材21の内部から展開移動してしまうことや、第4~第6棒状部材26~28が下側の収納部材22の内部から展開移動してしまうことを、2個の結合具43,44により有効に防止できる。
【0077】
また、この実施形態における2個の結合具43,44は、図15に示されているように、上側の収納部材21の内部に収納されていた第1~第3棒状部材23~25を座板4に対し展開して上側の平行四辺形リンク機構41を形成し、下側の収納部材22の内部に収納されていた第4~第6棒状部材26~28を座板4に対し展開して下側の平行四辺形リンク機構42を形成したときに、2本の補強部材45,46となる第1及び第4棒状部材23,26を結合一体化する結合具としても用いられるため、結合具43,44の兼用化を図ることができる。
【0078】
さらに、上側の収納部材21の内部に収納されていた第1~第3棒状部材23~25を座板4に対し展開して上側の平行四辺形リンク機構41を形成し、下側の収納部材22の内部に収納されていた第4~第6棒状部材26~28を座板4に対し展開して下側の平行四辺形リンク機構42を形成したときにおける第1及び第4棒状部材23,26を2個の結合具43,44によって結合一体化するために、結合具43,44のボルト43A,44Aの軸部43B,44Bを挿入するために第1及び第4棒状部材23,26に形成されて孔は、図15から分かるように、前述した図6及び図7で示されている孔37~40と同様に、これらの棒状部材23,26の長さ方向の両端面に近い箇所に設けられているため、補強部材45,46となっているときにおける第1及び第4棒状部材23,26は、これらの棒状部材23,26の長さ寸法よりも僅かに小さい間隔をあけて2個の結合具43,44により結合されることになる。これに対して第1及び第4棒状部材23,26が上下2個の収納部材21,22の内部に収納されているときには、これらの棒状部材23,26は、2個の結合具43,44により収納部材21,22に結合されて、座板4に収納部材21,22を介して結合されているため、このときにも、座板4についてのシャッターカーテン2に厚さ方向の強度は、第1及び第4棒状部材23,26によっても大きくなる。
【0079】
しかし、図11図12の対比から分かるように、補強部材45,46となっているときにおける第1及び第4棒状部材23,26を結合一体化している2個の結合具43,44の間の間隔は、上下2個の収納部材21,22の内部に収納されているときにおける第1及び第4棒状部材23,26を収納部材21,22に結合している2個の結合具43,44の間隔よりも大きいため、第1及び第4棒状部材23,26が2個の結合具43,44で結合一体化されて、これらの棒状部材23,26が補強部材45,46となっているときには、第1及び第4棒状部材23,26が収納部材21,22の内部に収納されて、これらの収納部材21,22に2個で結合具43,44で結合されているときもよりも、座板4についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の強度を大きくすることができる。
【0080】
すなわち、本実施形態では、補強部材45,46となっているときにおける第1及び第4棒状部材23,26は、これらの棒状部材23,26の長さ方向の両端面に近い位置で2個の結合具43,44によって結合されており、このため、第1及び第4棒状部材23,26の略全体の長さ寸法を利用して、座板4についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の強度を大きくすることができる。
【0081】
図16図22には、複数の棒状部材が座板4に対して展開されたときに、これらの棒状部材が、これまでの実施形態とは異なり、平行四辺形リンク機構とは別の形状に展開される実施形態が示されている。この実施形態では、図16のS17-S17線断面図である図17と、図20図22とで示されている第1~第3棒状部材62~64が用いられ、これらの棒状部材62~64は、座板4に対して折り畳まれているときに、図17に示されているように、座板4に取り付けられている収納部材61の内部に収納されている。この収納部材61は、図3の実施形態で示されている上側の収納部材21と同様に、座板4の立上部14に溶接又はビス等で結合されたウエブ部61Aと、このウエブ部61Aの上下両端部から室内側に向かって平行に延出している上下2個のフランジ部61B,61Cとからなるチャンネル材により形成されている。また、第1~第3棒状部材62~64は、前述した実施形態の棒状部材23~28と同様に、それぞれの長さ方向が、座板4の長さ方向でもある収納部材61の長さ方向となって収納部材61の内部に収納されるとともに、これらの棒状部材62~64もチャンネル材により形成されていて、収納部材61の内部に収納されているときの棒状部材62~64は、シャッターカーテン2の厚さ方向のうちの室外側に向かって開口している。
【0082】
また、図18から分かるように、第1~第3棒状部材62~64が収納部材61の内部に収納されているときには、第1棒状部材62の内部に第2棒状部材63の長さ方向の一部が収納されており、この第2棒状部材63の内部には、図21に示されているように、第3棒状部材64の長さ方向の全部が収納されている。
【0083】
第1棒状部材62と第2棒状部材63は、座板4の長さ方向でもある収納部材61の長さ方向に離れてこの収納部材61に配置されており、第1棒状部材62の基端部は、図21に示されているように、上下方向を軸方向とする軸部材になっているピン65により、収納部材61に揺動自在に連結され、また、第2棒状部材63の基端部は、上下方向を軸方向とする軸部材になっているピン66により、収納部材61に揺動自在に連結されている。これらの第1棒状部材62と第2棒状部材63では、これらの棒状部材62,63が収納部材61の内部に収納されているときにおいて、基端部の位置が、収納部材の長さ方向である左右方向について互いに逆の位置となっている。ピン65,66のうち、ピン65は、図17にも示されている。また、図21に示されているように、第1及び第2棒状部材62,63の先端部には、孔67,68が形成されている。
【0084】
また、図21に示されているように、第2棒状部材63には、この棒状部材63の基端部と先端部との間の途中部において、上下方向を軸方向とする軸部材になっているピン69により、第3棒状部材64の長さ方向の一端部である基端部が揺動自在に連結され、この第3棒状部材64の長さ方向の他端部となっている先端部には、孔70が形成されている。ピン69は、図17にも示されている。そして、図21に示されているように、第1棒状部材62には、第2棒状部材63の先端部の孔68とピン69との間の距離と対応する第1棒状部材62の先端部の孔67からの距離、すなわち、孔68とピン69との間の距離と同じ又は略同じとなっている第1棒状部材62の先端部の孔67からの位置において、孔71が形成されている。
【0085】
以上において、第1棒状部材62と第2棒状部材63の長さ寸法は、同じ又は略同じであり、また、上述の説明から分かるように、第3棒状部材64の長さ寸法は、第1及び第2棒状部材62,63の長さ寸法よりも短くなっている。
【0086】
通常時の第1~第3棒状部材62~64は、図17及び図18に示されているように、全体が収納部材61の内部に収納されており、この状態でシャッターカーテン2は上下方向に開閉移動する。台風の強風による風圧等が、シャッターカーテン2にこのシャッターカーテン2の厚さ方向に作用することは予想される事態となったときには、作業者は、第1棒状部材62を、図21の二点鎖線で示す第1棒状部材62’のように、ピン65を中心に基端部を揺動させることにより、収納部材61の内部から引き出して座板4に対して展開させるとともに、第2棒状部材63を、図21の二点鎖線で示す第2棒状部材63’のように、ピン66を中心に基端部を揺動させることにより、収納部材61の内部から引き出して座板4に対して展開させる。この後に、図19に示されているように、座板4の長さ方向に対して互いに逆向きの鋭角の角度をなすものとなった第1棒状部材62と第2棒状部材63の先端部同士を重ね合わせ、これらの先端部同士を結合具75により結合する。この結合具75は、前述した実施形態の結合具43,44と同様に、ボルト75A及びナット75Cによるものであり、ボルト43Aの軸部を、第1棒状部材62と第2棒状部材63の先端部に設けた孔67,68に挿入し、この軸部の端部にナット75Cを螺合して締め付ける。
【0087】
次いで、作業者は、図21の二点鎖線で示す第3棒状部材64’のように、第2棒状部材63の内部に収納されていた第3棒状部材64を、ピン69を中心に基端部を揺動させることにより、第2棒状部材63の内部から引き出して、図21の二点鎖線で示す第3棒状部材64’’とし、この後に、図20及び図22に示されているように、第3棒状部材64の先端部を第1棒状部材62に結合具76により結合する作業を行う。結合具76も、図20から分かるように、ボルト76A及び76Cによるものであり、ボルト76Aの軸部を、第1棒状部材62に設けられた孔71と、第3棒状部材64に設けられた孔70とに挿入し、この軸部の端部にナット76Cを螺合して締め付ける。
【0088】
これにより、第3棒状部材64は、第1棒状部材62と第2棒状部材63との間に、座板4及び収納部材61と平行又は略平行となって架け渡されるとともに、第1棒状部材62と第2棒状部材63の先端部同士は、結合具75により結合されているため、これらの棒状部材62,63は、ピン65,66を中心にそれぞれの基端部が揺動することが不能となる。
【0089】
このため、台風の強風による大きな風圧等がシャッターカーテン2にこのシャッターカーテン2の厚さ方向に作用しても、座板4と平行又は略平行になっている第3棒状部材64が、座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形することについて抵抗する図20及び図22の補強部材77となり、これにより、座板4がシャッターカーテン2の厚さ方向に大きく撓み変形することを補強部材77によって防止できる。
【0090】
また、この実施形態でも、台風の通過等により、座板4についてシャッターカーテン2の厚さ方向の強度を大きくする必要がなくなったときには、作業者は、2個の結合具75,76を取り外して、第1~第3棒状部材62~64を座板4に対し折り畳んで収納部材61の内部に収納する作業を行うことにより、全部の棒状部材62~64を含む座板4全体についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の寸法を小さくして、シャッターカーテン2の上下方向の開閉移動を行わせることができる。
【0091】
また、本実施形態でも、全部の棒状部材62~64の座板4での配置箇所は、室内側であるため、棒状部材62~64と、これらの棒状部材62~64を内部に収納するための収納部材61が、雨天時の雨水等に接触することを防止でき、これにより、棒状部材62~64や収納部材61に錆等が生ずることを有効に防止できる。
【0092】
さらに、座板4に対して折り畳まれたときの全部の棒状部材62~64は、収納部材61の内部に収納されているため、これらの棒状部材62~64を、収納部材61により外力等から有効に保護することができる。
【0093】
また、座板4に対する棒状部材62~64の展開及び折り畳み方向は、シャッターカーテン2の厚さ方向の方向であって、収納部材61は、シャッターカーテン2の厚さ方向のうちの室内側の方向に向かって開口しているチャンネル材により形成されているため、棒状部材62~64の展開及び折り畳みを、収納部材61に対して有効に行うことができる。
【0094】
図23図29には、以上説明した図16図22の実施形態についての別実施形態が示されている。この実施形態でも、図16図22の実施形態における第1~第3棒状部材62~64が用いられている。この実施形態では、図23及び図25に示されているように、第1~第3棒状部材62~64が収納部材61に収納されているときに、図20及び図22で示した2個の結合具75,76により、第1及び第2棒状部材62,63を収納部材61に結合している。
【0095】
このため、この実施形態では、図26及び図27に示されているように、収納部材61には、孔80と孔81が、座板4の長さ方向に離れた位置において、形成されているとともに、第2棒状部材63には、この棒状部材63が収納部材61の内部に収納されたときにおける孔80及び孔81と一致する位置において、図26図29に示されているように、孔82と孔83が形成されている。
【0096】
なお、この実施形態では、第1棒状部材62に形成されている図21及び図28で示された孔67と孔71が、この棒状部材62が座板4に対し折り畳まれて収納部材61の内部に収納されたときに、収納部材61に形成されている孔80と孔81の位置と一致するようになっている。
【0097】
このため、第1棒状部材62と第2棒状部材63を収納部材61の内部に収納したときには、図25に示されているように、結合具76のボルト76Aの軸部を孔80と孔71と孔82とに挿入して、この軸部の端部にナット76Cを螺合して締め付ける(図24を参照)とともに、結合具75のボルト75Aの軸部を孔81と孔67と孔83とに挿入して、この軸部の端部にナット75Cを螺合して締め付ける。これにより、第1及び第2棒状部材62,63は、座板4の長さ方向に離れた2個の結合具75,76により収納部材61に結合されることになる。また、ピン69により基端部が第2棒状部材63に揺動自在に連結されている第3棒状部材64は、図24に示されているように、収納部材61のウエブ部61Aと第2棒状部材63との間に挟まれて収納部材61の内部に収納されるため、第3棒状部材64がピン69を中心に揺動することはない。
【0098】
このため、この実施形態によると、第1~第3棒状部材62~64を座板4に対して折り畳むことにより収納部材61の内部に収納して行うシャッターカーテン2の上下方向の開閉移動時において、この開閉移動の振動等により、第1~第3棒状部材62~64が収納部材61の内部から展開移動してしまうことを、2個の結合具75,76により有効に防止できる。
【0099】
また、この実施形態における2個の結合具75,76のうち、結合具75は、図20及び図27に示されているように、第1及び第2棒状部材62,63が展開されたときに、これらの棒状部材62,63の先端部同士を結合するためのものであり、また、結合具76は、第1棒状部材62と第3棒状部材64とを結合するためのものであるため、これらの結合具75,76の兼用化を図ることができる。
【0100】
さらに、この実施形態では、第1及び第2棒状部材62,63が収納部材61の内部に収納されているときに、これらの棒状部材62,63は2個の結合具75,76により収納部材61に結合されているため、このときにおける座板4についてのシャッターカーテン2に厚さ方向の強度は、第1及び第2棒状部材62,64によっても大きくなるが、第1及び第2棒状部材62,63が展開されることにより、第3棒状部材64が前述した補強部材77となったときにおけるこの第3棒状部材64の長さ寸法は、これを言い換えると、図20及び図27に示されているピン69から結合具76までの長さ寸法は、図25図27との対比から分かるように、収納部材61の内部に収納されているときの第1及び第2棒状部材62,63を収納部材61に結合している2個の結合具75,76の間の間隔よりも大きく、また、第1及び第2棒状部材62,63は、収納部材61と共に平面視で三角形の構造体を構成しているため、第1及び第2棒状部材62,63を収納部材61の内部に収納して、これらの棒状部材62,63を収納部材61に結合具75,76で結合しているときと比較して、補強部材77となったときにおける第3棒状部材64と、第1及び第2棒状部材62,63とにより、座板4についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の強度を大きくすることができる。
【0101】
また、この実施形態では、第1及び第2棒状部材62,63が収納部材61の内部に収納されているときに、結合具75,76のボルト75A,76Aの軸部を挿入するために第1棒状部材62に形成されている孔67と孔71は、第3棒状部材64を補強部材77とするために第1棒状部材62を展開したときに、結合具75,76のボルト75A,76Aの軸部を挿入するためにも用いられるため、これらの孔67,71の兼用化も図ることができ、これにより、第1棒状部材62に形成する孔の個数を削減できるため、この棒状部材62の強度を維持することができる。
【0102】
なお、これまで説明したそれぞれの実施形態における棒状部材23~28,62~64と収納部材21,22,61は、座板4における室内側に配置されるものとなっていたが、これらの棒状部材23~28,62~64と収納部材21,22,61を座板における室外側に配置してもよく、あるいは、座板における室外側と室内側の両方に配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、例えば、建物の出入口等に設置されるシャッター装置の座板に利用することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 ガイドレール
2 シャッターカーテン
4 座板
21,22 収納部材
23~28 棒状部材
41,42 平行四辺形リンク機構
43,44 結合具
45,46 補強部材
61 収納部材
62~64 棒状部材
75,76 結合具
77 補強部材
図1
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