(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050653
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】支持体を備えるマルチチャネル流通管
(51)【国際特許分類】
G01F 1/84 20060101AFI20220323BHJP
【FI】
G01F1/84
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022006071
(22)【出願日】2022-01-19
(62)【分割の表示】P 2020511168の分割
【原出願日】2017-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベル, マーク ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ワインスタイン, ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】デサイ, ミタリー ナヤン
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン, クリントン アール.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】誤差の原因自体を除去することにより、多相、VOS、またはフロープロファイル効果を考慮して、流体の流量を正確に測定することができるより堅牢なマルチチャネル流通管、およびそれらを組み込んだ流量計。
【解決手段】マルチチャネル流通管300は、管外壁304と、第1のチャネル隔壁302bと、第1の支持構造体308aとを含む。第1のチャネル隔壁は、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合し、第1のチャネル306bおよび第2のチャネル306cを形成する。第1の支持構造体は、管外壁および第1のチャネル隔壁に結合する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャネル流通管(300)であって、
管外壁(304)と、
前記管外壁の内側に囲まれ、前記管外壁に結合し、前記管外壁と共に前記マルチチャネル流通管内の第1のチャネル(306b)および第2のチャネル(306c)を形成している第1のチャネル隔壁(302b)と、
前記管外壁および前記第1のチャネル隔壁に結合した第1の支持構造体(308a)とを備えるマルチチャネル流通管。
【請求項2】
前記管外壁および前記第1のチャネル隔壁に結合した第2の支持構造体(308b)をさらに備える、請求項1に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項3】
前記第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦な壁である、請求項1または2に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項4】
前記管外壁によって囲まれ、前記管外壁に結合し、前記マルチチャネル流通管内の前記第2のチャネル(306c)と第3のチャネル(306d)とを隔てている第2のチャネル隔壁(302c)をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項5】
前記管外壁および前記第2のチャネル隔壁に結合した第3の支持構造体(308c)をさらに備える、請求項4に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項6】
前記管外壁および前記第2のチャネル隔壁に結合した第4の支持構造体(308d)をさらに備える、請求項5に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項7】
前記第1のチャネル隔壁および前記第2のチャネル隔壁は、互いに実質的に平行に向けられている、請求項4~6のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項8】
前記第1の支持構造体は、前記第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角(314)に、前記管外壁の第1の隣接する管周囲部分(310)へ向けられている、請求項1~7のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項9】
前記第2の支持構造体は、前記第1のチャネル隔壁に対して前記所定の鋭角に、前記管外壁の第2の隣接する管周囲部分へ向けられている、請求項8に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項10】
前記所定の角度は、35~50度の間である、請求項8または9に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項11】
前記所定の角度は、45度である、請求項8または9に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項12】
前記管外壁は、実質的に円形である、請求項1~11のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管(300)を備え、
マルチチャネル流通管に取り付けられたピックオフ(170l、170r)と、
前記マルチチャネル流通管に結合し、前記マルチチャネル流通管を振動させるように構成されたドライバ(180)と
をさらに備える、振動式計器(5)。
【請求項14】
マルチチャネル流通管を製造するための方法であって、
管外壁を形成するステップと、
第1のチャネル隔壁を形成するステップと、
前記管外壁を前記第1のチャネル隔壁へと第1の支持構造体で結合させるステップと
を含んでおり、
前記第1のチャネル隔壁と前記管外壁とで前記マルチチャネル流通管内の第1のチャネルおよび第2のチャネルが形成される、方法。
【請求項15】
前記管外壁を前記第1のチャネル隔壁へと第2の支持構造体で結合させるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記マルチチャネル流通管内の前記第2のチャネルと第3のチャネルとを隔てる第2のチャネル隔壁を形成するステップ
をさらに含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記管外壁を前記第2のチャネル隔壁へと第3の支持構造体で結合させるステップ
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記管外壁を前記第2のチャネル隔壁へと第4の支持構造体で結合させるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦な壁である、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のチャネル隔壁および前記第2のチャネル隔壁は、互いに実質的に平行に向けられている、請求項14~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の支持構造体は、前記第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角に、前記管外壁の第1の隣接する管周囲部分へ向けられる、請求項14~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の支持構造体は、前記第1のチャネル隔壁に対して前記所定の鋭角に、前記管外壁の第2の隣接する管周囲部分へ向けられる、請求項14~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記所定の角度は、35~50度の間である、請求項14~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記所定の角度は、45度である、請求項14~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記管外壁は、実質的に円形である、請求項14~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記管外壁を形成するステップ、前記第1のチャネル隔壁を形成するステップ、および前記第1の支持構造体を前記管外壁および前記第1のチャネル隔壁に結合させるステップは、付加プロセスによって前記管外壁、前記第1のチャネル隔壁、および前記第1の支持構造体を印刷するステップをさらに含む、請求項14~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の支持構造体を前記管外壁および第1の支持構造体を備える前記第1のチャネル隔壁に結合させるステップは、前記管外壁と前記第1のチャネル隔壁との間にシーム溶接を適用するステップを含む、請求項14~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記管外壁を形成するステップ、前記第1のチャネル隔壁を形成するステップ、および前記第1の支持構造体を前記管外壁および前記第1のチャネル隔壁に結合させるステップは、削除型のプロセスによって前記管外壁と、前記第1のチャネル隔壁と、前記第1の支持構造体との間の材料を除去するステップをさらに含む、請求項14~25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下で説明される例は、マルチチャネル流通管およびマルチチャネル流通管の製造方法に関する。より具体的には、これらの例は、支持体を備えるマルチチャネル流通管に関する。
【背景技術】
【0002】
コリオリ質量流量計および振動式密度計などの振動式計器は、典型的には、流れている物質(material)を含んでいる振動している流通管の運動を検出することによって動作する。質量流量、密度、などの流通管内の物質に関する特性を、流通管に組み合わせられた運動トランスデューサから受信される測定信号を処理することによって割り出すことができる。振動式計器は、直線状または曲線状の構成の1つ以上の流通管を備える計器アセンブリを有する。例えば、コリオリ質量流量計の各々の流通管の構成は、単純な曲げ、ねじり、または結合型であり得る一連の固有振動モードを有する。各々の流通管を、好ましいモードで振動するように駆動することができる。流量計を通る流れが存在しない場合、流通管へと加えられる駆動力により、流通管に沿ったすべての点が同一の位相で振動し、あるいは流れがゼロであるときに測定される時間遅延である小さな「ゼロオフセット」で振動する。
【0003】
物質が流通管を通って流れ始めると、コリオリ力により、流通管に沿った各点が異なる位相を有する。例えば、流量計の入口端における位相が、中央のドライバ位置の位相よりも遅れる一方で、出口における位相は、中央のドライバ位置の位相よりも進む。流通管上のピックオフが、流通管の運動を表す正弦波信号を生成する。ピックオフから出力された信号は、ピックオフ間の時間遅延を割り出すために処理される。2つ以上のピックオフの間の時間遅延は、流通管を通って流れる物質の質量流量に比例する。
【0004】
ドライバに接続された計器電子機器が、ドライバを動作させ、ピックオフから受信される信号からプロセス物質の質量流量および/または他の特性を割り出すための駆動信号を生成する。ドライバは、多数の周知の構成のうちの1つを備えることができるが、磁石および対向する駆動コイルが、流量計の業界において大きな成功を収めている。所望の流通管の振幅および周波数で流通管を振動させるために、駆動コイルに交流電流が流される。ピックオフを、ドライバの構成にきわめてよく似た磁石とコイルとからなる構成として設けることも、技術的に知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体中の同伴ガスおよび湿潤ガスが、とりわけ石油およびガス生産産業において、コリオリ流量計の適用における一般的な問題である。振動式計器が振動するとき、粒子またはバルク流体の内部に形成される気泡/液滴が、バルク流体から分離する可能性がある。さらに、多相の流体および単相の気体において見られる音速(VOS)効果が、さらなる測定誤差を引き起こす可能性がある。フロープロファイル効果が、すべての種類の流量計において、さらなる懸念の領域である。レイノルズ数が低い場合、典型的には流量計内の流体の高い粘度ゆえに、流量計の感度を低下させかねない粘度関連の影響が存在する。マルチチャネル流通管が、流量計のこれらの誤差の原因を最小限に抑える役に立つ。
【0006】
マルチチャネル流通管は、1つの流通管を2つ以上のチャネルに分割する1つ以上のチャネル隔壁を含む。流体を有効直径がより小さいチャネルに閉じ込めることで、粒子の分離、VOS誤差、およびフロープロファイル効果を、大幅に減らすことができる。従来の
シングルチャネル流通管振動式計器の設計に、マルチチャネル流通管を組み合わせ、計器測定誤差がより少ない振動式計器をもたらすことができる。
【0007】
しかしながら、マルチチャネル流通管は、振動式計器の設計者にさらなる課題をもたらす。チャネル隔壁は、多くの場合、流通管の長手方向に沿って流通管の外壁に結合させられる。流通管の外壁は、典型的には駆動周波数ωで駆動されるため、振動により、チャネル隔壁と流通管の外壁との間の接続部が弱くなる可能性がある。これにより、マルチチャネル流通管の損傷または故障が発生する可能性がある。
【0008】
さらに、マルチチャネル流通管内のチャネル隔壁は、流通管の追加の断面スペースも占め、したがって流体が導管の複数のチャネルへと流入するときに、流体をさらに制限する可能性がある。これが、測定対象の流体に圧力損失を引き起こし、計器の測定値に影響を及ぼす可能性がある。この圧力損失の影響を回避するために、チャネル隔壁自体の幅を最小化することが好ましいかもしれない。しかしながら、チャネル隔壁の幅を最小化すると、チャネル隔壁を管の外壁に結合させることが、困難になり得る。
【0009】
したがって、誤差の原因自体を除去することにより、多相、VOS、またはフロープロファイル効果を考慮して、流体の流量を正確に測定することができるより堅牢なマルチチャネル流通管、およびそれらを組み込んだ流量計について、ニーズが存在する。このような解決策を、マルチチャネル流通管によって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
マルチチャネル流通管が提供される。このマルチチャネル流通管は、管外壁と、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合し、管外壁と共にマルチチャネル流通管内の第1のチャネルおよび第2のチャネルを形成する第1のチャネル隔壁と、管外壁および第1のチャネル隔壁に結合した第1の支持構造体とを備える。
【0011】
マルチチャネル流通管を製造するための方法が提供される。この方法は、管外壁を形成することと、第1のチャネル隔壁を形成することと、管外壁を第1のチャネル隔壁へと第1の支持構造体で結合させることとを含み、第1のチャネル隔壁と管外壁とでマルチチャネル流通管内の第1のチャネルおよび第2のチャネルが形成される。
【0012】
態様
さらなる態様によれば、マルチチャネル流通管は、管外壁および第1のチャネル隔壁に結合した第2の支持構造体をさらに備えることができる。
【0013】
さらなる態様によれば、第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦な壁であってよい。
【0014】
さらなる態様によれば、マルチチャネル流通管は、管外壁によって囲まれ、管外壁に結合し、マルチチャネル流通管内の第2のチャネルと第3のチャネルとを隔てる第2のチャネル隔壁をさらに備えることができる。
【0015】
さらなる態様によれば、マルチチャネル流通管は、管外壁および第2のチャネル隔壁に結合した第3の支持構造体をさらに備えることができる。
【0016】
さらなる態様によれば、マルチチャネル流通管は、管外壁および第2のチャネル隔壁に結合した第4の支持構造体をさらに備えることができる。
【0017】
さらなる態様によれば、第1のチャネル隔壁および第2のチャネル隔壁を互いに実質的に平行になるように向けることができる。
【0018】
さらなる態様によれば、第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角に、第1の支持構造体を、管外壁のうちの第1の隣接する管周囲部分へ向けることができる。
【0019】
さらなる態様によれば、第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角に、第2の支持構造体を、管外壁のうちの第2の隣接する管周囲部分へ向けることができる。
【0020】
さらなる態様によれば、所定の角度は、35~50度の間であってよい。
【0021】
さらなる態様によれば、所定の角度は、45度であってよい。
【0022】
さらなる態様によれば、管外壁は、実質的に円形であってよい。
【0023】
さらなる態様によれば、第1の態様によるマルチチャネル流通管を備えた振動式計器が提供される。この振動式計器は、マルチチャネル流通管に取り付けられたピックオフと、マルチチャネル流通管に結合し、マルチチャネル流通管を振動させるように構成されたドライバとをさらに備えることができる。
【0024】
さらなる態様によれば、本方法は、管外壁を第1のチャネル隔壁へと第2の支持構造体で結合させることをさらに含むことができる。
【0025】
さらなる態様によれば、本方法は、マルチチャネル流通管内の第2のチャネルと第3のチャネルとを隔てる第2のチャネル隔壁を形成することをさらに含むことができる。
【0026】
さらなる態様によれば、本方法は、管外壁を第2のチャネル隔壁へと第3の支持構造体で結合させることをさらに含むことができる。
【0027】
さらなる態様によれば、本方法は、管外壁を第2のチャネル隔壁へと第4の支持構造体で結合させることをさらに含むことができる。
【0028】
さらなる態様によれば、第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦な壁であってよい。
【0029】
さらなる態様によれば、第1のチャネル隔壁および第2のチャネル隔壁を互いに実質的に平行になるように向けることができる。
【0030】
さらなる態様によれば、第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角に、第1の支持構造体を、管外壁のうちの第1の隣接する管周囲部分へ向けることができる。
【0031】
さらなる態様によれば、第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角に、第2の支持構造体を、管外壁のうちの第2の隣接する管周囲部分へ向けることができる。
【0032】
さらなる態様によれば、所定の角度は、35~50度の間であってよい。
【0033】
さらなる態様によれば、所定の角度は、45度であってよい。
【0034】
さらなる態様によれば、管外壁は、実質的に円形であってよい。
【0035】
さらなる態様によれば、管外壁を形成すること、第1のチャネル隔壁を形成すること、および第1の支持構造体を管外壁および第1のチャネル隔壁へと結合させることは、付加プロセスによって管外壁、第1のチャネル隔壁、および第1の支持構造体を印刷すること
をさらに含むことができる。
【0036】
さらなる態様によれば、第1の支持構造体を管外壁および第1の支持構造体を備える第1のチャネル隔壁へと結合させることは、管外壁と第1のチャネル隔壁との間にシーム溶接を適用することを含むことができる。
【0037】
さらなる態様によれば、管外壁を形成すること、第1のチャネル隔壁を形成すること、および第1の支持構造体を管外壁および第1のチャネル隔壁へと結合させることは、削除型のプロセスによって管外壁と、第1のチャネル隔壁と、第1の支持構造体との間の材料を除去することをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
同じ参照番号は、すべての図において同じ要素を表している。図面は、必ずしも縮尺どおりではない。
【
図2】振動流量計のマルチチャネル流通管の断面を示している。
【
図3】一例によるマルチチャネル流通管の断面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本出願は、マルチチャネル流通管を含む振動式計器、およびマルチチャネル流通管を含む振動流量計で流体を測定する方法を説明する。
【0040】
図1が、一例によるマルチチャネル流通管130を備える振動式計器5を示している。
図1に示されるように、振動式計器5は、計器アセンブリ10および計器電子機器20を備える。計器アセンブリ10は、プロセス物質の質量流量および密度に応答する。計器電子機器20は、通信経路26によって密度、質量流量、および温度情報をもたらし、さらには他の情報をもたらすために、リード線100によって計器アセンブリ10に接続される。さらには、情報およびコマンドを通信経路26を介して計器電子機器20において受信することができる。
【0041】
コリオリ流量計の構造が説明されるが、これは限定を意図したものではない。当業者であれば、本出願を振動管式密度計、音叉式密度計、などとして実施できることを、容易に理解できるであろう。
【0042】
計器アセンブリ10は、1対のマニホールド150および150’と、フランジネック110および110’を有するフランジ103および103’と、1対の平行なマルチチャネル流通管130および130’と、ドライバ180と、1対のピックオフセンサ170lおよび170rとを含む。マルチチャネル流通管130および130’は、流通管取り付けブロック120および120’においてお互いに向かって収束する2つの本質的にまっすぐな入口レグ131、131’および出口レグ133、133’を有する。マルチチャネル流通管130、130’は、それらの長さに沿った2つの対称な位置において曲がり、それらの長さの全体にわたって本質的に平行である。補強バー140および140’が、各々のマルチチャネル流通管130、130’の振動の中心軸WおよびW’を定めるように機能する。マルチチャネル流通管130、130’のレグ131、131’および133、133’は、流通管取り付けブロック120および120’に不動に取り付けられ、次いでこれらのブロックは、マニホールド150および150’に不動に取り付けられる。これは、計器アセンブリ10を通る連続的な閉じた物質の経路をもたらす。
【0043】
穴102および102’を有するフランジ103および103’が、入口端104およ
び出口端104’を介し、測定対象のプロセス物質を運ぶプロセス配管(図示せず)へと接続されると、物質は、フランジ103のオリフィス101を通って計器の入口端104に進入し、マニホールド150を通って表面121を有する流通管取り付けブロック120へと導かれる。マニホールド150において、物質は分割され、マルチチャネル流通管130、130’を通って送られる。マルチチャネル流通管130、130’を出ると、プロセス物質は、表面121’を有するブロック120’およびマニホールド150’において再び合流して単一の流れとなり、その後に穴102’を有するフランジ103’によってプロセス配管(図示せず)へと接続された出口端104’に送られる。
【0044】
マルチチャネル流通管130、130’は、それぞれの曲げ軸W-WおよびW’-W’の周りの質量分布、慣性モーメント、およびヤング率が実質的に同じであるように選択され、流通管取り付けブロック120、120’に適切に取り付けられる。これらの曲げ軸は、補強バー140、140’を通過する。
【0045】
両方のマルチチャネル流通管130、130’は、ドライバ180によって、それぞれの曲げ軸WおよびW’を中心にして反対の方向に、いわゆる流量計の第1の逆位相曲げモードで駆動される。このドライバ180は、マルチチャネル流通管130’に取り付けられた磁石、およびマルチチャネル流通管130に取り付けられ、両方のマルチチャネル流通管130、130’を振動させるために交流電流が通される対向するコイルなど、多数の周知の構成のうちの任意の1つを備えることができる。適切な駆動信号が、計器電子機器20によって、リード線185を介して、ドライバ180に印加される。
【0046】
計器電子機器20は、リード線165l、165rにそれぞれ現れる左右のセンサ信号を受信する。計器電子機器20は、ドライバ180へのリード線185に現れる駆動信号を生成し、マルチチャネル流通管130、130’を振動させる。計器電子機器20は、左右のセンサ信号およびRTD信号を処理して、計器アセンブリ10を通過する物質の質量流量および密度を計算する。この情報を、他の情報とともに、通信経路26を介して計器電子機器20によって送信することができる。
【0047】
図1は、計器電子機器20と通信する単一の計器アセンブリ10を示しているが、当業者であれば、複数のセンサアセンブリが計器電子機器20と通信できることを、容易に理解できるであろう。さらに、計器電子機器20は、さまざまな異なる種類のセンサを動作させることが可能であってよい。計器電子機器20と通信する計器アセンブリ10などの各々のセンサアセンブリは、計器電子機器20内の記憶システムの専用部分を有することができる。
【0048】
計器電子機器20は、当業者であれば理解できるとおり、さまざまな他のコンポーネントおよび機能を含むことができる。これらの追加の特徴は、簡潔かつ明瞭にするために、説明および図面から省略され得る。
【0049】
振動式計器5は、マルチチャネル流通管130、130’を含む。マルチチャネル流通管130、130’は、単相または多相の流体などの物質が流れることができる複数の流体チャネルを有する。すなわち、マルチチャネル流通管130、130’を通って流れる流体は、2つ以上の流体チャネルを通って流れることができる。
【0050】
図2が、従来のマルチチャネル流通管200の断面を示している。マルチチャネル流通管200は、管外壁204に結合した1つ以上のチャネル隔壁202a、202b、202cを含む。1つ以上のチャネル隔壁202a、202b、202cおよび管外壁204が、4つの典型的なチャネル206a、206b、206c、および206dを定めている。参考のため、振動式計器の駆動方向が
図2に示されている。
【0051】
駆動方向は、管外壁204をチャネル隔壁202a、202b、202cへと接続している長手方向の接合部に垂直であるため、振動式計器の動作実施形態に、接合部は、その最も弱い寸法にひずみを被る可能性がある。これにより、チャネル隔壁202a、202b、202cが流通管の外壁204から分離し、あるいは損傷する可能性がある。さらに、流通管の外壁204自体の損傷につながる可能性もある。
【0052】
また、チャネル隔壁202a、202b、202cを可能な限り薄くすることにより、マルチチャネル流通管200の単一チャネル部分から同じ流通管のマルチチャネル部分へと進入する流体によって引き起こされる圧力損失を低減することが、望ましいかもしれない。しかしながら、比較的薄いチャネル隔壁でマルチチャネル流通管を構成する場合、管の製造において困難がさらに生じる可能性があり、管外壁204/チャネル隔壁202a、202b、202cの接合部を振動させるときに遭遇し得る問題が、さらに悪化する可能性もある。
【0053】
マルチチャネル流通管200の堅牢性を高めるために、管外壁204を1つ以上のチャネル隔壁202a、202b、202cへと接続する接合部をより強くすることが、さらに望まれるかもしれない。
【0054】
図3が、一例による典型的なマルチチャネル流通管300の断面を示している。マルチチャネル流通管300は、管外壁304と1つ以上のチャネル隔壁302a、302b、302c、および302dとによって形成された2つ以上の流体チャネル306a、306b、306c、306d、および306eを含む。さらに、マルチチャネル流通管300は、1つ以上の支持構造体308a~308hを含む。
【0055】
管外壁304は、マルチチャネル流通管300内の流体を取り囲んで閉じ込める。いくつかの例において、管外壁304は、一定の厚さを有することができる。
図3は管外壁304を円形として示しているが、当業者であれば、管外壁304が任意の形状または形態を取り得ることを、容易に理解できるであろう。例えば、管外壁は、実質的に円形であってもよく、すなわち丸みを帯びていて、平均半径値の30%以内の範囲の半径を有してよい。あるいは、管外壁は、湾曲した部分と直線状の部分との組み合わせを含んでもよく、あるいはすべて直線状の部分を含んでもよい。
【0056】
マルチチャネル流通管300は、管外壁の内側に囲まれ、管外壁に結合した第1のチャネル隔壁を含む。例えば、第1のチャネル隔壁は、チャネル隔壁302a、302b、302c、および302dのいずれか1つであってよい。チャネル隔壁は、管外壁304の2つの別個の部分へとつながり、2つのチャネルの間で流体を分割することができる。
【0057】
チャネル隔壁は、実質的に平面であってよく、すなわち各々のチャネル隔壁が、実質的に均一な厚さを有することができ、あるいは厚さの変化が30%未満であって、実質的に平坦な形態であってよい。しかしながら、さらなる実施形態においては、1つ以上のチャネル隔壁302a、302b、302c、および302dが、曲線状の断面、実質的に円形の断面、または当業者に知られている任意の他の断面を含んでもよい。
【0058】
いくつかの例において、マルチチャネル流通管300は、流通管の長手方向の全長にわたって配置された1つ以上のチャネル隔壁302a、302b、302c、および302dを含むことができる。しかしながら、他の例では、1つ以上のチャネル隔壁302a、302b、302c、および302dが、流通管の振動領域についてだけ延びていてもよい。しかしながら、さらなる例において、チャネル隔壁は、流体チャネルの誤差低減の効果を、マルチチャネル流通管300において流体チャネルによって引き起こされ得る圧力
損失とバランスさせるように、マルチチャネル流通管の振動領域の一部分についてだけ延びてもよい。
【0059】
第1のチャネル隔壁および管外壁が、マルチチャネル流通管内の第1のチャネルおよび第2のチャネルを形成する。チャネルは、流体が他のチャネルから独立して流れることができる主たる流通管のサブ導管を形成する囲まれた領域を含むマルチチャネル流通管300の断面である。1つ以上のチャネル隔壁302a、302b、302c、および302dは、管外壁304とともに、2つ以上のチャネル306a、306b、306c、306d、または306eを定める。例えば、第1のチャネル隔壁302aは、第1のチャネル306aおよび第2のチャネル306bを定める。マルチチャネル流通管300が第2のチャネル隔壁302bを含む場合、第2のチャネル隔壁302bは、第2のチャネル306bの一部および第3のチャネル306cをさらに定める。いくつかの例において、マルチチャネル流通管300は、1つまたは任意の数のチャネル隔壁302a、302b、302c、および302dを有することができる。
【0060】
マルチチャネル流通管300の一例において、1つ以上のチャネル隔壁302a、302b、302c、302dは、実質的に同じ方向に向けられている。しかしながら、これは限定を意図してない。さらなる実施形態において、マルチチャネル流通管300は、チャネル隔壁302a、302b、302c、302dの方向とは異なる別の方向に向けられた1つ以上の追加のチャネル隔壁を含むことができる。例えば、マルチチャネル流通管300は、チャネル隔壁の格子型の構造を形成するように、チャネル隔壁302a、302b、302c、302dに垂直に向けられた1つ以上の追加のチャネル隔壁を含むことができる。
【0061】
いくつかの例においては、第1のチャネル隔壁および第2のチャネル隔壁を、互いに実質的に平行になるように向けることができる。
【0062】
いくつかの例においては、チャネル隔壁を、金属の薄板から、押し出しによって形成することができ、機械加工、放電加工、電解加工、電子ビーム加工、光化学加工、および超音波加工などの削除型の製造技術によって形成することができ、あるいはステレオリソグラフィ、デジタル光処理、溶融堆積モデリング、選択的レーザ焼結、選択的レーザ溶融、電子ビーム溶融、または積層物体製造などの付加型の製造または三次元(3D)印刷技術によって形成することができる。
【0063】
マルチチャネル流通管300は、管外壁と第1のチャネル隔壁とに結合した第1の支持構造体を含む。例えば、チャネル隔壁302bが、支持構造体308aを含む。支持構造体は、チャネル隔壁302a、302b、302c、302dと管外壁304との間の接合部の結合および/または強化を助ける構造体である。支持構造体は、チャネル壁の少なくとも片側に配置され、チャネル隔壁302a、302b、302c、302dおよび管外壁304の両方に結合した追加の材料を含む。
【0064】
いくつかの例においては、さらなる支持構造体を、管外壁および1つ以上のチャネル隔壁302a、302b、302c、302dに結合させることができる。例えば、第2の支持構造体308bを、管外壁および第1のチャネル隔壁302bに結合させることができ、第3の支持構造体308cを、管外壁および第2のチャネル隔壁302cに結合させることができ、第4の支持構造体308dを、管外壁および第2のチャネル隔壁302cに結合させることができる。当業者であれば容易に理解できるとおり、さらなるチャネル支持体302a、302dに結合したさらなる支持構造体308e、308f、308g、308hが存在してもよい。
【0065】
支持構造体は、接合部の片側または両側に追加の支持を提供することができる。例えば、支持構造体308a、308b、308c、および308dは、それぞれのチャネル隔壁/管外壁の接合部の両側における支持を含む。しかしながら、さらなる例において、支持構造体は、接合部の片側のみに追加の支持をもたらしてもよい。例えば、支持構造体308e、308f、308g、および308hは、これらが補強するそれぞれのチャネル隔壁/管外壁の接合部の片側のみの支持を含む。支持構造体を設けることにより、振動流量計は、マルチチャネル流通管の利点を、従来の設計よりも寿命が長く、不具合に直面する可能性が低い堅牢な設計とともに、特徴とすることができる。
【0066】
いくつかの例においては、
図3に示されるように、支持構造体308a~308hのうちの管外壁304またはチャネル隔壁302a、302b、302c、302dに結合していない部分が、実質的に直線状であってよい。しかしながら、さらなる例においては、支持構造体308a~308hのうちの管外壁304またはチャネル隔壁302a、302b、302c、302dに結合していない部分が、湾曲していても、あるいは当業者に知られた任意の他の形態をとってもよい。
【0067】
いくつかの例においては、支持構造体308a~308hを、チャネル隔壁302a、302b、302c、302dを管外壁304にシーム溶接することによって形成することができる。さらなる例においては、支持構造体308a~308hを、チャネル隔壁302a、302b、302c、302dおよび管外壁304を備える一体型の本体にて押し出すことができる。さらなる例においては、支持構造体308a-308h、チャネル隔壁302a、302b、302c、302d、および管外壁304を、削除型の技術によって加工することができる。他の例においては、支持構造体308a~308h、チャネル隔壁302a、302b、302c、302d、および管外壁304を、付加製造技術によって印刷してもよい。
【0068】
3D印刷の例においては、支持構造体308a~308hを、チャネル隔壁302a、302b、302c、302dおよび管外壁304を含む一体型の部品において、プリンタベッドに平行な一体化された層にて印刷することができる。
図3に示されるように、3Dプリンタベッドが平面312に平行に向けられる場合、チャネル隔壁302a、302b、302c、302dは、プリンタベッドに垂直であるため、製造は容易である。しかしながら、管外壁304のうちでプリンタベッドに対して所定の鋭角未満に向けられた部分は、追加の支持材料がなければ印刷が困難かもしれない。典型的な所定の鋭角314が、
図3に示されている。例えば、管外壁304の上部310の各部分は、プリンタベッドに対して所定の鋭角314よりも小さい角度に向けられており、印刷するために追加の支持が必要になる。したがって、支持構造体308a~308hが、事後の除去が必要となり得る追加の支持材料を必要とせずに、マルチチャネル流通管300の三次元印刷を可能にすることができる。
【0069】
さらに、3D印刷マルチチャネル流通管300は、一体化された管外壁304、チャネル隔壁302a、302b、302c、302d、および支持構造体308a~308hを提供する。これにより、溶接などの伝統的な製造技術と比べ、マルチチャネル流通管300の強度および堅牢性をさらに高めることができる。
【0070】
いくつかの例において、所定の鋭角314は、45度であってよい。しかしながら、さらなる例において、所定の鋭角は、35度~50度の間、10度~50度の間、または25度以上であってもよい。
【0071】
いくつかの例においては、第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角に、第1の支持構造体を、管外壁のうちの第1の隣接する管周囲部分へ向けることができる。隣接する管周囲
部分は、管外壁304のうちの支持構造体308a~308hが結合する部分である。例えば、支持構造体308aは、チャネル隔壁302bの両側で第1の隣接する管周囲部分316に結合する。支持構造体308aの両側は、所定の鋭角314に向けられている。典型的な支持構造体308aは、ボールト形の断面を提供する。
【0072】
いくつかの例においては、第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角に、第2の支持構造体を、管外壁のうちの第2の隣接する管周囲部分へ向けることができる。例えば、支持構造体308bが、チャネル隔壁302bおよび管外壁304に対して所定の鋭角314に向けられる。これにより、チャネル隔壁302bと管外壁304との間の結合をさらに確実にすることができる。
【0073】
いくつかの例においては、流通管を後に互いに結合させることができる2つの部分にて3D印刷することによってマルチチャネル流通管を製造することが、実用的であるかもしれない。各々のマルチチャネル流通管部分が、平面312に平行な平面で二分され、チャネル隔壁302a、302b、302c、302dをプリンタベッド上に直接配置して印刷されたマルチチャネル流通管300の半分の部分を含むことができる。したがって、マルチチャネル流通管を2つの部分にて印刷し、第1のチャネル隔壁に対して第2の支持構造体を設けることにより、マルチチャネル流通管300の外部の三次元印刷支持体の必要性を軽減することができる。これは、チャネル隔壁/管外壁の接合部を補強する支持構造体が、3D印刷のための支持体としても機能するため、製造において無駄になる材料が少なくなることを意味できる。
【0074】
マルチチャネル流通管300は、従来の振動式計器を丈夫な支持付きのマルチチャネル流通管によって改修することで、接合部の弱い流通管において生じると考えられる欠点を伴わずに、多相流体の分離が少なく、VOS誤差が小さく、フロープロファイル効果による誤差も小さいという利点を得ることを可能にする。
【0075】
図4が、一例による方法400を示している。方法400を、マルチチャネル流通管を製造するために実行することができる。方法400はステップ402で始まる。ステップ402において、管外壁が形成される。
【0076】
いくつかの例において、管外壁は、実質的に円形であってよい。
【0077】
いくつかの例においては、管外壁304を、マンドレル上に形成し、シーム溶接することができ、押し出しプロセスによって形成でき、削除型の製造プロセスによって形成でき、あるいは付加プロセスによって形成できる。
【0078】
方法400はステップ404に続く。ステップ404において、第1のチャネル隔壁が形成される。
【0079】
いくつかの例においては、第1のチャネル隔壁を、金属薄板から切り出すことができ、あるいは押し出しプロセス、削除型の製造プロセス、または付加プロセスによって形成することができる。
【0080】
方法400はステップ406に続く。ステップ406において、管外壁が、第1の支持構造体で第1のチャネル隔壁に結合させられ、第1のチャネル隔壁および管外壁は、マルチチャネル流通管の第1のチャネルおよび第2のチャネルを形成する。
【0081】
例えば、管外壁を、第1の支持構造体を形成し得るシーム溶接チャネルを介して第1のチャネル隔壁部に結合させることができる。さらなる例においては、上述のように、第1
の支持構造体をチャネル隔壁および管外壁と同時に押し出し、加工し、あるいは印刷することができる。
【0082】
いくつかの例において、方法400は、ステップ408~414のいずれかをさらに含むことができる。
【0083】
方法400は、ステップ408に続くことができる。ステップ408において、管外壁を、第2の支持構造体で第1のチャネル隔壁に結合させることができる。ステップ408は、第2の支持構造体に関係する以外は、ステップ406と同様である。
【0084】
方法400は、ステップ410に続くことができる。ステップ410において、第2のチャネル隔壁を、マルチチャネル流通管において第2のチャネルと第3のチャネルとを隔てるように形成することができる。ステップ410は、ステップ404と同様である。
【0085】
方法400は、ステップ412に続くことができる。ステップ412において、管外壁を、第3の支持構造体で第2のチャネル隔壁に結合させることができる。ステップ412は、ステップ406と同様である。
【0086】
方法400は、ステップ414に続くことができる。ステップ414において、管外壁を、第4の支持構造体で第2のチャネル隔壁に結合させることができる。ステップ414は、ステップ406と同様である。
【0087】
いくつかの例においては、上述のように、第1のチャネル隔壁が実質的に平坦な壁であってよい。
【0088】
いくつかの例においては、上述のように、第1のチャネル隔壁および第2のチャネル隔壁を互いに実質的に平行になるように向けることができる。
【0089】
いくつかの例においては、上述のように、第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角に、第1の支持構造体を、管外壁のうちの第1の隣接する管周囲部分へ向けることができる。
【0090】
いくつかの例においては、上述のように、第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角に、第2の支持構造体を、管外壁のうちの第2の隣接する管周囲部分へ向けることができる。
【0091】
いくつかの例において、所定の角度は35~50度であってよい。
【0092】
いくつかの例において、所定の角度は45度であってよい。
【0093】
いくつかの例において、管外壁の形成、第1のチャネル隔壁の形成、および第1の支持構造体の管外壁および第1のチャネル隔壁への結合は、付加プロセスによって管外壁、第1のチャネル隔壁、および第1の支持構造体を印刷することをさらに含むことができる。
【0094】
いくつかの例において、第1の支持構造体の管外壁および第1の支持構造体を備える第1のチャネル隔壁への結合は、管外壁と第1のチャネル隔壁との間にシーム溶接を適用することを含むことができる。
【0095】
いくつかの例において、管外壁の形成、第1のチャネル隔壁の形成、および第1の支持構造体の管外壁および第1のチャネル隔壁への結合は、削除型のプロセスによって管外壁と、第1のチャネル隔壁と、第1の支持構造体との間の材料を除去することをさらに含むことができる。
【0096】
方法400は、従来の設計よりも堅牢な構造および長い寿命で、マルチチャネル流通管が提供するすべての性能上の利点を提供することができる。
【0097】
以上の例の詳細な説明は、本発明の発明者が本出願の技術的範囲に含まれると考えるすべての例を述べ尽くすものではない。実際、当業者であれば、上述の例の特定の要素をさまざまに組み合わせ、あるいは取り除いて、さらなる例を生み出すことが可能であり、そのようなさらなる例が、本出願の技術的範囲および教示に包含されることを、理解できるであろう。また、上述の例を全体的または部分的に組み合わせて、本出願の技術的範囲および教示の範囲内のさらなる例を生み出すことができることも、当業者にとって明らかであろう。したがって、本出願の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されなければならない。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャネル流通管(300)であって、
管外壁(304)と、
前記管外壁の内側に囲まれ、前記管外壁に結合し、前記管外壁と共に前記マルチチャネル流通管内の第1のチャネル(306b)および第2のチャネル(306c)を形成している第1のチャネル隔壁(302b)と、
前記管外壁および前記第1のチャネル隔壁に結合した第1の支持構造体(308a)とを備え、
前記第1の支持構造体は、管外壁結合部と、第1のチャネル隔壁結合部と、前記管外壁または前記第1のチャネル隔壁と結合されていない直線状接続部とを備え、前記直線状接続部は、前記第1のチャネル隔壁結合部に対して所定の鋭角(314)以下に向けられ、前記所定の鋭角(314)は、サポート材なしに、三次元プリンタのプリンタベッドに対して前記三次元プリンタで印刷可能な最大角度である、マルチチャネル流通管。
【請求項2】
前記管外壁および前記第1のチャネル隔壁に結合した第2の支持構造体(308b)をさらに備える、請求項1に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項3】
前記第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦な壁である、請求項1または2に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項4】
前記管外壁によって囲まれ、前記管外壁に結合し、前記マルチチャネル流通管内の前記第2のチャネル(306c)と第3のチャネル(306d)とを隔てている第2のチャネル隔壁(302c)をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項5】
前記管外壁および前記第2のチャネル隔壁に結合した第3の支持構造体(308c)をさらに備える、請求項4に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項6】
前記管外壁および前記第2のチャネル隔壁に結合した第4の支持構造体(308d)をさらに備える、請求項5に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項7】
前記第1のチャネル隔壁および前記第2のチャネル隔壁は、互いに実質的に平行に向けられている、請求項4~6のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項8】
前記管外壁および前記第1のチャネル隔壁に結合した第2の支持構造体(308b)をさらに備え、
前記第2の支持構造体は、前記第1のチャネル隔壁に対して前記所定の鋭角以下に、前記管外壁の隣接する管周囲部分へ向けられている、請求項1に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項9】
前記所定の鋭角は、35~50度の間である、請求項1~7のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項10】
前記所定の鋭角は、45度である、請求項1~8のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項11】
前記管外壁は、実質的に円形である、請求項1~10のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のマルチチャネル流通管(300)を備え、
マルチチャネル流通管に取り付けられたピックオフ(170l、170r)と、
前記マルチチャネル流通管に結合し、前記マルチチャネル流通管を振動させるように構成されたドライバ(180)と
をさらに備える、振動式計器(5)。
【請求項13】
三次元プリンタで印刷されるマルチチャネル流通管を製造するための方法であって、
管外壁を形成するステップと、
第1のチャネル隔壁を形成するステップと、
前記管外壁を前記第1のチャネル隔壁へと第1の支持構造体で結合させるステップとを含んでおり、
前記第1のチャネル隔壁と前記管外壁とで前記マルチチャネル流通管内の第1のチャネルおよび第2のチャネルが形成され、
前記第1の支持構造体は、管外壁結合部と、第1のチャネル隔壁結合部と、前記管外壁結合部と前記第1のチャネル隔壁結合部の間の直線状接続部とを備え、前記直線状接続部は、前記第1のチャネル隔壁に対して所定の鋭角(314)以下に向けられ、前記所定の鋭角(314)は、サポート材なしに、三次元プリンタのプリンタベッドに対して前記三次元プリンタで印刷可能な最大角度である、方法。
【請求項14】
前記管外壁を前記第1のチャネル隔壁へと第2の支持構造体で結合させるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記マルチチャネル流通管内の前記第2のチャネルと第3のチャネルとを隔てる第2のチャネル隔壁を形成するステップ
をさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記管外壁を前記第2のチャネル隔壁へと第3の支持構造体で結合させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記管外壁を前記第2のチャネル隔壁へと第4の支持構造体で結合させるステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のチャネル隔壁は、実質的に平坦な壁である、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のチャネル隔壁および前記第2のチャネル隔壁は、互いに実質的に平行に向けられている、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記管外壁および前記第1のチャネル隔壁に結合した第2の支持構造体(308b)をさらに備え、
前記第2の支持構造体は、前記第1のチャネル隔壁に対して前記所定の鋭角以下に、前記管外壁の隣接する管周囲部分へ向けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記所定の鋭角は、35~50度の間である、請求項13~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記所定の鋭角は、45度である、請求項13~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記管外壁は、実質的に円形である、請求項13~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記管外壁を形成するステップ、前記第1のチャネル隔壁を形成するステップ、および前記第1の支持構造体を前記管外壁および前記第1のチャネル隔壁に結合させるステップは、付加プロセスによって前記管外壁、前記第1のチャネル隔壁、および前記第1の支持構造体を印刷するステップをさらに含む、請求項13~23のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】