IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エア・ウォーター株式会社の特許一覧
<>
  • 特開-農作物の収穫装置 図1
  • 特開-農作物の収穫装置 図2
  • 特開-農作物の収穫装置 図3
  • 特開-農作物の収穫装置 図4
  • 特開-農作物の収穫装置 図5
  • 特開-農作物の収穫装置 図6
  • 特開-農作物の収穫装置 図7
  • 特開-農作物の収穫装置 図8
  • 特開-農作物の収穫装置 図9
  • 特開-農作物の収穫装置 図10
  • 特開-農作物の収穫装置 図11
  • 特開-農作物の収穫装置 図12
  • 特開-農作物の収穫装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051493
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】農作物の収穫装置
(51)【国際特許分類】
   A01D 51/00 20060101AFI20220324BHJP
   A01D 17/10 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
A01D51/00
A01D17/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032733
(22)【出願日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2020157087
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000126115
【氏名又は名称】エア・ウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109472
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 直之
(72)【発明者】
【氏名】森 晃一
(72)【発明者】
【氏名】小倉 尚勝
(72)【発明者】
【氏名】窪田 祐貴
【テーマコード(参考)】
2B072
【Fターム(参考)】
2B072AA10
2B072CA12
2B072GA20
(57)【要約】
【課題】設備効率のよい機構で、圃場に存在する農作物のピックアップを自動化し、特にピックアップもれを防止する農作物の収穫装置を提供する。
【解決手段】圃場を走行できる走行機体1と、
上記走行機体1の前方において、上記圃場に存在する農作物を所定のピックアップエリア2においてピックアップするピックアップ手段10とを備え、
上記ピックアップ手段10は、
上記走行機体1に対して前端側が上下揺動可能となるよう、後端側が上記走行機体1に連結されている。さらに、上記ピックアップ手段10の前端側は、上記圃場に接地して上記走行機体1の走行に伴って回転する一対の車輪16によって支持される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場を走行できる走行機体と、
上記走行機体の前方において、上記圃場に存在する農作物を所定のピックアップエリアにおいてピックアップするピックアップ手段とを備え、
上記ピックアップ手段は、
上記走行機体に対して前端側が上下揺動可能となるよう、後端側が上記走行機体に連結されている
ことを特徴とする農作物の収穫装置。
【請求項2】
上記ピックアップ手段の前端側は、上記圃場に接地して上記走行機体の走行に伴って回転する車輪によって支持されるようになっている
請求項1記載の農作物の収穫装置。
【請求項3】
上記車輪は、上記ピックアップエリアの左右にそれぞれ設けられて、左右の車輪のキャンバー角がプラスになるよう傾斜状に配置されている
請求項1または2記載の農作物の収穫装置。
【請求項4】
上記走行機体の前方において上記圃場に存在する農作物を上記ピックアップエリアに向かって掻寄せるための掻寄手段をさらに備え、
上記掻寄手段は、
上記ピックアップエリアの左右にそれぞれ配置された第1掻寄機構部と第2掻寄機構部とを有し、
上記ピックアップエリアに対する距離が、上記第1掻寄機構部のほうが上記第2掻寄機構部よりも大きくなるように配置されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の農作物の収穫装置。
【請求項5】
上記第1掻寄機構部が上記ピックアップエリアの前方を遮る位置に配置され、
上記第1掻寄機構部により上記第2掻寄機構部に向かって上記農作物を掻き寄せるように構成されている
請求項4記載の農作物の収穫装置。
【請求項6】
圃場を走行できる走行機体と、
上記走行機体の前方において、上記圃場に存在する農作物を所定のピックアップエリアにおいてピックアップするピックアップ手段と、上記走行機体の前方において上記圃場に存在する農作物を上記ピックアップエリアに向かって掻寄せるための掻寄手段とを備え、
上記掻寄手段は、
上記ピックアップエリアの左右にそれぞれ配置された第1掻寄機構部と第2掻寄機構部とを有し、
上記ピックアップエリアに対する距離が、上記第1掻寄機構部のほうが上記第2掻寄機構部よりも大きくなるように配置されている
ことを特徴とする農作物の収穫装置。
【請求項7】
上記第1掻寄機構部が上記ピックアップエリアの前方を遮るように配置され、
上記第1掻寄機構部により上記第2掻寄機構部に向かって上記農作物を掻き寄せるように構成されている
請求項6記載の農作物の収穫装置。
【請求項8】
上記走行機体に対して上下揺動する上記ピックアップ手段の前端側が、上記上下揺動の際に異常下降するのを防止する第1揺動制御手段を備えている
請求項1~5のいずれか一項に記載の農作物の収穫装置。
【請求項9】
上記第1揺動制御手段は、
上記走行機体またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段に対して押圧力を付与することにより上記前端側の下降を防止する
請求項8記載の農作物の収穫装置。
【請求項10】
上記第1揺動制御手段は、
上記走行機体またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段に対して牽引力を付与することにより上記前端側の下降を防止する
請求項8記載の農作物の収穫装置。
【請求項11】
上記走行機体に対して上下揺動する上記ピックアップ手段の前端側が、上記上下揺動の際に異常浮上するのを防止する第2揺動制御手段を備えている
請求項1~5、8~10のいずれか一項に記載の農作物の収穫装置。
【請求項12】
上記第2揺動制御手段は、
上記走行機体またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段に対して押圧力を付与することにより上記前端側の浮上りを防止する
請求項11記載の農作物の収穫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に存在する農作物を収穫する農作物の収穫装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圃場に散在する農作物の収穫は、人力で行わなければならないケースがある。たとえばカボチャの収穫がそうである。
カボチャは、地面を這うように蔓が伸び、地表に転がるように実が生育する。その収穫作業は、まず蔓から実を切り離し、それらを1トン程度の実が入る鉄製コンテナに人力で運び入れる。そのコンテナをフォークリフト等でトラックに積み込むことが行われる。
カボチャの実は1個あたり1.5~3kg程度の重量がある。蔓から切り離した実を拾い上げてコンテナまで、ひとつずつ人手で持ち運ばなければならない。その作業は腰や腕への肉体的な負担が大きい。たいへんな重労働である。
【0003】
上記の問題に対する先行技術文献として、本出願人は下記の特許文献1~4を把握している。
【0004】
特許文献1は、「カボチャ収穫機」に関するものであり、つぎの記載がある。
〔0009〕
本考案のカボチャ収納機は、図1に示すように、カボチャを収穫地点からコンテナ4付近まで移動させるための搬送コンベアー1aと搬送コンベアー1aの後部に設けられたローラー付台1bからなる搬送ユニット1二組と、輸送用平パレット3から構成されており、これら二組の搬送ユニット1は、搬送ユニット1の長手方向が輸送用平パレット3の長辺と平行に位置するように対称に適宜な間隔、例えば収穫作業人が乗ることができるスペースを設け、かつ、トラクターとの間にコンテナ4を収納するスペースを設けて輸送用平パレット3上に配置される。
〔0010〕
本考案のカボチャ収穫機を用いて作業員三人で収穫していく場合(トラクター運転手は別)の実施例について以下に説明する。図2に示すように、定植に使用した三本の農業用マルチフィルム5のうち、左右二本の農業用マルチフィルム5上にはツルから刈取られたカボチャが置かれており、カボチャが置かれていない中央の農業用マルチフィルム5上をコンテナ4を積んだトラクターが走行する。左右二本の農業用マルチフィルム5に作業員一人ずつを配置し、トラクターの移人動に合わせ歩きながら、搬送コンベヤー1a端部の上に農業用マルチフィルム5上に点在するカボチャを乗せていく。残り一人の作業員は、輸送用平パレット3上の二組の搬送ユニット1の間に搭乗し、ローラー付台1bに運ばれてきたカボチャをコンテナ4の中に入れる作業を行う。
【0005】
特許文献2は、「作物拾上げ収穫機」に関するものであり、つぎの記載がある。
〔請求項1〕
走行装置(9)で走行可能にした機体フレーム(1)に掻込装置(55)と拾上げ搬送装置(22)を設け、圃場に在る作物を前記拾上げ搬送装置(22)上に載せて機体後部の作物収容部(38)に搬送する作物拾上げ収穫機において、前記作物収容部(38)を昇降機構(44)で上昇可能にしたことを特徴とする作物拾上げ収穫機。
〔0028〕
また、該左右の搬送フレーム18,18の機体前側、即ち前端側には、搬送従動スプロケット19,19を各々回転自在に設け、該左右の搬送従動スプロケット19,19と左右の搬送駆動スプロケット17,17に亘って搬送伝動チェーン20,20を無端状に巻回する。さらに、該左右の搬送伝動チェーン20,20の左右間には、作物を載置して搬送する複数の搬送バー21を、前後方向に所定間隔毎に配置することにより、拾上げ搬送装置22が構成される。
〔0060〕
該掻込装置55は、側面視で反時計回り方向に回転し、前記拾上げ搬送装置22の搬送始端部にある作物を掻込板54で拾上げ搬送装置22の搬送方向下手側に押し上げることで、作物が確実に搬送される状態とするものである。
【0006】
特許文献3は、「結球野菜収穫機」に関するものであり、つぎの記載がある。
〔0019〕
操縦部4の左側には、キャベツ等の結球野菜Aを引き抜いて後方に搬送する収穫作業部13が配置されている。実施形態の収穫作業部13は、結球野菜Aを引き抜き結球部を挟持して後方に搬送する引抜き搬送装置14を備えている。引抜き搬送装置14は、前端側に位置する左右一対の掻込みホイール16L,16Rと、左右一対の根茎搬送体17L,17Rと、根茎搬送体17L,17Rの上方に前低後高に傾斜して設けられた左右一対の縦搬送ベルト18L,18Rとを備えている。側面視で縦搬送ベルト18L,18Rと根茎搬送体17L,17Rの間に、搬送中の結球野菜Aの根茎部を切断する切断装置19が配置されている。
〔0021〕
根茎搬送体17L,17Rは、互いに内向きに周回駆動することによって、結球野菜Aの根茎部を左右から挟持して当該根茎部を切断装置19に向けて案内するものである。根茎搬送体17L,17Rも前低後高状に傾斜した姿勢で設けられている。縦搬送ベルト18L,18Rは、互いに内向きに周回駆動することによって、結球野菜Aの結球部を左右から挟持して状態で後ろ斜め上方に搬送するものである。実施形態の縦搬送ベルト18L,18Rは、側面視で根茎搬送体17L,17Rと平行状に配置されている。従って、縦搬送ベルト18L,18Rも、根茎搬送体17L,17Rと同様に、前低後高状に傾斜した姿勢で設けられている。
【0007】
特許文献4は、「結球野菜収穫機」に関するものであり、つぎの記載がある。
〔0019〕
操縦部4の左側には、結球野菜Aを引き抜いて後方に搬送する収穫作業部13が配置されている。収穫作業部13は、結球野菜Aを引き抜いて結球部を挟持し後方に搬送する引抜き搬送装置14と、搬送中の結球野菜Aの根茎部を切断する切断装置19とを備えている。引抜き搬送装置14は、前端側に位置する左右一対の掻込ホイール16L,16Rと、左右一対の根茎搬送帯17L,17Rと、根茎搬送帯17L,17Rの上方後部に前低後高に傾斜して設けられた左右一対の結球搬送帯18L,18Rとを備えている。側面視で結球搬送帯18L,18Rと根茎搬送帯17L,17Rの間に、切断装置19が配置されている。
〔0022〕
根茎搬送帯17L,17Rは、互いに内向きに周回駆動することによって、結球野菜Aの根茎部を左右から挟持して当該根茎部を切断装置19に向けて案内するものである。根茎搬送帯17L,17Rも前低後高状に傾斜した姿勢で設けられている。結球搬送帯18L,18Rは、互いに内向きに周回駆動することによって、結球野菜Aの結球部を左右から挟持した状態で後ろ斜め上方に搬送するものである。実施形態の結球搬送帯18L,18Rは、側面視で根茎搬送帯17L,17Rと平行状に配置されている。従って、結球搬送帯18L,18Rも、根茎搬送帯17L,17Rと同様に、前低後高状に傾斜した姿勢で設けられている。
【0008】
特許文献5は、「収穫機」に関するものであり、つぎの記載がある。
〔0013〕
次に、南瓜掻き込み部100についてより詳細に説明する。南瓜掻き込み部100は、図2及び図3に示すように、案内部101L及び101R、ドラム体110(本発明における回転体)、駆動力伝達部140並びにゲージホイール151L及び151Rを備えている。案内部101L及び101Rは、南瓜掻き込み部100の前部に、圃場の高さより僅かに上方に位置するように左右一対に設けられた棒状の部材である。案内部101L及び101Rのそれぞれの側面には複数のガイドローラ102が設けられている。トラクター90の前進に伴って圃場の南瓜Pが案内部101L及び101Rの側面に当たると、南瓜Pは、斜め後方のドラム体110に向けてガイドローラ102に沿って案内される。ドラム体110は、図1に示すフレーム160に回転可能に支持されている。フレーム160は、第1搬送部200の前部に固定されている。駆動力伝達部140は、図示しない電動モータからの駆動力をドラム体110の回転体に伝達する。これにより、ドラム体110が図2及び図3に示すR方向に回転する。なお、当該電動モータ及び駆動力伝達部140は、本発明における回転駆動部に対応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3211730号公報
【特許文献2】特開2017-175997号公報
【特許文献3】特開2014-18084号公報
【特許文献4】特開2017-153449号公報
【特許文献5】実用新案登録第3224099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1のカボチャ収穫機は、搬送コンベアー1aにより、カボチャを収穫地点からコンテナ4付近まで移動させることができる。
しかしながら、このカボチャ収穫機では、地面に転がったカボチャを拾上げる作業は人力によって行わねばならない。この作業は依然として、腰や腕への肉体的な負担が大きな重労働である。
【0011】
特許文献2の作物拾上げ収穫機は、掻込装置(55)と拾上げ搬送装置(22)により、圃場に在る作物を拾上げて収穫する。
しかしながら、この作物拾上げ収穫機は、掻込装置(55)と拾上げ搬送装置(22)が機体フレーム(1)の幅いっぱいに設けられている。つまり、設備自体が大掛かりで設備効率が悪く、コスト面において不利である。
【0012】
特許文献3の結球野菜収穫機は、左右一対の縦搬送ベルト18L,18Rによって結球野菜Aの結球部を左右から挟持して搬送する。つまり、キャベツ、レタス、ハクサイのように比較的重量の軽い結球野菜の収穫に適したものであり、カボチャのように重量がある農作物の収穫には適用するのが難しい。また、特許文献3の結球野菜収穫機は、結球野菜Aが一定間隔で並ぶ列状になるよう栽培された圃場において、列状の結球野菜Aを順次収穫するのに適したものである。つまり、カボチャのように圃場に散在する農作物をピックアップする収穫には適用するのが難しい。
【0013】
特許文献4の結球野菜収穫機は、左右一対の結球搬送帯18L,18Rによって結球野菜Aの結球部を左右から挟持した状態で搬送するものである。つまり、特許文献3と同様に、重量があるカボチャ等の農作物の収穫に適用するのは難しい。また、特許文献4の結球野菜収穫機も、一定間隔で結球野菜Aが列状に並ぶ圃場において、列状の結球野菜Aを順次収穫するのに適したものである。つまり、特許文献3と同様に、圃場に散在するカボチャのような農作物をピックアップする収穫に適用するのは難しい。
【0014】
特許文献5の収穫機は、南瓜掻き込み部100の前部に、左右の案内部101L,101Rを設けたものである。上記案内部101L,101Rは単に圃場の南瓜Pをガイドローラ102に沿って案内するに過ぎず、ピックアップもれを防止するという技術思想はない。
【0015】
特に、カボチャのように圃場に散在する農作物をピックアップする場合、ピックアップの対象物(農作物)が列になっているわけではないので、それを集めながら1個ずつピックアップする必要があり、その際のピックアップもれ(取りこぼし)があると作業効率が極めて悪化し、問題となる。
【0016】
本発明の目的は、上記課題を解決した農作物の収穫装置を提供することにある。
つまり、設備効率のよい機構で、圃場に存在する農作物のピックアップを自動化し、特にピックアップもれを防止する農作物の収穫装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1の農作物の収穫装置は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
圃場を走行できる走行機体と、
上記走行機体の前方において、上記圃場に存在する農作物を所定のピックアップエリアにおいてピックアップするピックアップ手段とを備え、
上記ピックアップ手段は、
上記走行機体に対して前端側が上下揺動可能となるよう、後端側が上記走行機体に連結されている。
【0018】
請求項2の農作物の収穫装置は、上記請求項1記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記ピックアップ手段の前端側は、上記圃場に接地して上記走行機体の走行に伴って回転する車輪によって支持されるようになっている。
【0019】
請求項3の農作物の収穫装置は、上記請求項1または2記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記車輪は、上記ピックアップエリアの左右にそれぞれ設けられて、左右の車輪のキャンバー角がプラスになるよう傾斜状に配置されている。
【0020】
請求項4の農作物の収穫装置は、上記請求項1~3のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記走行機体の前方において上記圃場に存在する農作物を上記ピックアップエリアに向かって掻寄せるための掻寄手段をさらに備え、
上記掻寄手段は、
上記ピックアップエリアの左右にそれぞれ配置された第1掻寄機構部と第2掻寄機構部とを有し、
上記ピックアップエリアに対する距離が、上記第1掻寄機構部のほうが上記第2掻寄機構部よりも大きくなるように配置されている。
【0021】
請求項5の農作物の収穫装置は、上記請求項4記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1掻寄機構部が上記ピックアップエリアの前方を遮る位置に配置され、
上記第1掻寄機構部により上記第2掻寄機構部に向かって上記農作物を掻き寄せるように構成されている。
【0022】
請求項6の農作物の収穫装置は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
圃場を走行できる走行機体と、
上記走行機体の前方において、上記圃場に存在する農作物を所定のピックアップエリアにおいてピックアップするピックアップ手段と、上記走行機体の前方において上記圃場に存在する農作物を上記ピックアップエリアに向かって掻寄せるための掻寄手段とを備え、
上記掻寄手段は、
上記ピックアップエリアの左右にそれぞれ配置された第1掻寄機構部と第2掻寄機構部とを有し、
上記ピックアップエリアに対する距離が、上記第1掻寄機構部のほうが上記第2掻寄機構部よりも大きくなるように配置されている。
【0023】
請求項7の農作物の収穫装置は、上記請求項6記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1掻寄機構部が上記ピックアップエリアの前方を遮るように配置され、
上記第1掻寄機構部により上記第2掻寄機構部に向かって上記農作物を掻き寄せるように構成されている。
【0024】
請求項8の農作物の収穫装置は、上記請求項1~5のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記走行機体に対して上下揺動する上記ピックアップ手段の前端側が、上記上下揺動の際に異常下降するのを防止する第1揺動制御手段を備えている。
【0025】
請求項9の農作物の収穫装置は、上記請求項8記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1揺動制御手段は、
上記走行機体またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段に対して押圧力を付与することにより上記前端側の下降を防止する。
【0026】
請求項10の農作物の収穫装置は、上記請求項8記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1揺動制御手段は、
上記走行機体またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段に対して牽引力を付与することにより上記前端側の下降を防止する。
【0027】
請求項11の農作物の収穫装置は、上記請求項1~5、8~10のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記走行機体に対して上下揺動する上記ピックアップ手段の前端側が、上記上下揺動の際に異常浮上するのを防止する第2揺動制御手段を備えている。
【0028】
請求項12の農作物の収穫装置は、上記請求項11記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第2揺動制御手段は、
上記走行機体またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段に対して押圧力を付与することにより上記前端側の浮上りを防止する。

【発明の効果】
【0029】
請求項1記載の農作物の収穫装置は、走行機体とピックアップ手段を備えている。上記走行機体は圃場を走行する。上記ピックアップ手段は所定のピックアップエリアを有し、上記走行機体の前方において上記圃場に存在する農作物をピックアップする。
上記ピックアップ手段は、上記走行機体に対して前端側が上下揺動可能となるよう、後端側が上記走行機体に連結されている。このため、圃場の凹凸や傾斜によって走行機体が前後に傾いたとしても、上記ピックアップ手段が上記走行機体に対して前端側が上下揺動し、圃場に対するピックアップエリアの高さ位置を一定に保つことができる。このため、上記ピックアップエリアの高さが不安定になるのを防止し、それに起因するピックアップもれを防止できる。
【0030】
請求項2の農作物の収穫装置は、上記ピックアップ手段の前端側が、上記圃場に接地して上記走行機体の走行に伴って回転する車輪によって支持される。
このため、圃場に対するピックアップエリアの高さ位置は、上記車輪によって常に一定に保たれる。したがって、上記ピックアップエリアの高さが不安定になるのを防止し、それに起因するピックアップもれを防止できる。
【0031】
請求項3の農作物の収穫装置は、上記車輪が、上記ピックアップエリアの左右にそれぞれ設けられている。さらに、左右の車輪のキャンバー角がプラスになるよう傾斜状に配置されている。
このため、上記ピックアップエリアに農作物が補足される際に車輪が障害にならず、ピックアップもれを有効に防止する。
【0032】
請求項4の農作物の収穫装置は、上記走行機体の前方に掻寄手段が設けられている。上記掻寄手段が、上記圃場に存在する農作物を上記ピックアップエリアに向かって掻寄せる。したがって、列状に植わっていない農作物を掻寄せてピックアップできる。このため、収穫の対象となる幅が広がり、収穫効率がよくなり、収穫コストを低減できる。
上記掻寄手段は、上記ピックアップエリアの左右にそれぞれ配置された第1掻寄機構部と第2掻寄機構部とを有している。さらに、上記ピックアップエリアに対する距離が、上記第1掻寄機構部のほうが上記第2掻寄機構部よりも大きくなるように配置されている。このため、第1掻寄機構部で掻き寄せられた農作物と、第2掻寄機構部で掻き寄せられた農作物は、ピックアップエリアに侵入するときに時間差ができやすい。したがって、ピックアップエリアに複数の農作物が同時に侵入することにより生じるピックアップもれが防止される。
【0033】
請求項5の農作物の収穫装置は、上記第1掻寄機構部が上記ピックアップエリアの前方を遮る位置に配置され、上記第1掻寄機構部により上記第2掻寄機構部に向かって上記農作物を掻き寄せるように構成されている。
上記第1掻寄機構部で掻き寄せられる農作物が第2掻寄機構部に向かい、上記第1掻寄機構部で掻き寄せられる農作物と上記第2掻寄機構部で掻き寄せられる農作物が、合わせて順次ピックアップエリアに向かう。このため、ピックアップエリアに複数の農作物が同時に侵入することにより生じるピックアップもれが防止される。
【0034】
請求項6の農作物の収穫装置は、走行機体とピックアップ手段を備えている。上記走行機体は圃場を走行する。上記ピックアップ手段は所定のピックアップエリアを有し、上記走行機体の前方において上記圃場に存在する農作物をピックアップする。また、上記走行機体の前方に掻寄手段が設けられている。上記掻寄手段が、上記圃場に存在する農作物を上記ピックアップエリアに向かって掻寄せる。したがって、列状に植わっていない農作物を掻寄せてピックアップできる。このため、収穫の対象となる幅が広がり、収穫効率がよくなり、収穫コストを低減できる。
上記掻寄手段は、上記ピックアップエリアの左右にそれぞれ配置された第1掻寄機構部と第2掻寄機構部とを有している。さらに、上記ピックアップエリアに対する距離が、上記第1掻寄機構部のほうが上記第2掻寄機構部よりも大きくなるように配置されている。このため、第1掻寄機構部で掻き寄せられた農作物と、第2掻寄機構部で掻き寄せられた農作物は、ピックアップエリアに侵入するときに時間差ができやすい。したがって、ピックアップエリアに複数の農作物が同時に侵入することにより生じるピックアップもれが防止される。
【0035】
請求項7の農作物の収穫装置は、上記第1掻寄機構部が上記ピックアップエリアの前方を遮るように配置され、上記第1掻寄機構部により上記第2掻寄機構部に向かって上記農作物を掻き寄せるように構成されている。
上記第1掻寄機構部で掻き寄せられる農作物が第2掻寄機構部に向かい、上記第1掻寄機構部で掻き寄せられる農作物と上記第2掻寄機構部で掻き寄せられる農作物が、合わせて順次ピックアップエリアに向かう。このため、ピックアップエリアに複数の農作物が同時に侵入することにより生じるピックアップもれが防止される。
【0036】
請求項8の農作物の収穫装置は、上記走行機体に対して上下揺動する上記ピックアップ手段の前端側が、上記上下揺動の際に異常下降するのを防止する第1揺動制御手段を備えている。
このようにすることにより、上記ピックアップ手段の前端側が異常下降して土壌をピックアップしてしまうトラブルを防止できる。特に、軟弱な圃場では、前端側が下降しやすく、土壌をピックアップしてしまうトラブルが生じやすいので有効に機能する。つまり本発明において異常下降とは、上記ピックアップ手段の前端側が土壌をピックアップしてしまうまで下降してしまうことである。
【0037】
請求項9の農作物の収穫装置は、上記第1揺動制御手段が、上記走行機体またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段に対して押圧力を付与することにより上記前端側の下降を防止する。
このようにすることにより、上記走行機体か基点部材を基点にした上記ピックアップ手段への押圧力により、上記トラブルを確実に防止できる。
【0038】
請求項10の農作物の収穫装置は、上記第1揺動制御手段が、上記走行機体またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段に対して牽引力を付与することにより上記前端側の下降を防止する。
このようにすることにより、上記走行機体か基点部材を基点にした上記ピックアップ手段への牽引力により、上記トラブルを確実に防止できる。
【0039】
請求項11の農作物の収穫装置は、上記走行機体に対して上下揺動する上記ピックアップ手段の前端側が、上記上下揺動の際に異常浮上するのを防止する第2揺動制御手段を備えている。
このようにすることにより、上記ピックアップ手段の前端側が異常浮上してサイズの小さな農作物がピックアップ手段の下に潜り込んで起こるピックアップミスを防止できる。特に、農作物の生育状態にばらつきがある圃場では、小さな農作物がピックアップ手段の下に潜り込んでピックアップミスになりやすいので有効に機能する。つまり本発明において異常浮上とは、上記ピックアップ手段の下にサイズの小さな農作物が潜り込んでピックアップミスを生じるまでその前端側が浮上してしまうことである。
【0040】
請求項12の農作物の収穫装置は、上記第2揺動制御手段が、上記走行機体またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段に対して押圧力を付与することにより上記前端側の浮上りを防止する。
このようにすることにより、上記走行機体か基点部材を基点にした上記ピックアップ手段への押圧力により、上記トラブルを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の第1実施形態を説明する図であり、農作物の収穫装置を車体の上から見た図である。
図2】上記農作物の収穫装置を車体の左側から見た図である。
図3】掻寄手段を説明する図であり、(A)は斜視図、(B)(C)は機能を説明する図である。
図4】掻寄手段の機能を説明する図である。
図5】ピックアップ手段を上から見て説明する図である。
図6】上記ピックアップ手段を横から見て説明する図である。
図7】上記ピックアップ手段の一部を構成する底面コンベアと側部コンベアの位置関係を説明する図である。
図8】側部コンベアを示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
図9】上記ピックアップ手段が走行機体に対して揺動する状態を説明する図である。
図10】切断手段の一例を示す図であり、(A)は上から見た図、(B)は横から見た図である。
図11】ピックアップ手段の第2例を示す図である。
図12】本発明の第2実施形態の第1例を説明する図である。
図13】本発明の第2実施形態の第2例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
◆第1実施形態
図1図11は、本発明の第1実施形態を説明する図である。
【0043】
本実施形態は、本発明を、農作物の一例としてカボチャを収穫する収穫装置に適用した例を説明する。
【0044】
〔概略〕
図1~2は、上記収穫装置の全体構造を説明する図である。
この収穫装置は、走行機体1、ピックアップ手段10、掻寄手段70、搬送手段50および収容容器60を備えている。
なお、図1図2では、図の左が走行機体1の前方、図の右が走行機体1の後方である。したがって、図1では、図の上が走行機体1の右側、図の下が走行機体1の左側にあたる。
【0045】
上記走行機体1には、車体前方に上記ピックアップ手段10と掻寄手段70が設けられ、車体上に搬送手段50が、車体後方に上記収容容器60が配置されている。
【0046】
上記収穫装置では、上記走行機体1の走行に伴って、上記走行機体1の車幅前方に存在する農作物を、上記掻寄手段70により所定のピックアップエリア2に向かって掻き寄せる。上記ピックアップエリア2に集まった農作物を、車体前方の上記ピックアップ手段10によりピックアップする。上記ピックアップ手段10でピックアップされた農作物は、上記搬送手段50で走行機体1の後方に搬送され、収容容器60に収容される。
【0047】
〔走行機体1〕
上記走行機体1は、車体の下部に無限軌道3を有し、車体の上部に座席4が設けられている。上記無限軌道3は、当該走行機体1が圃場を走行するための走行手段として機能する。上記座席4は、運転等の操作を行う作業者が着席するためのものである。上記走行機体1は、駆動エンジン、バッテリー、油圧機構等(いずれも図示していない)が搭載されている。
【0048】
上記走行機体1の車体上部には、上記搬送手段50が設けられている。上記搬送手段50は、ピックアップされた農作物を、車体前方から車体後方まで搬送する。つまり、上記搬送手段50は、車体前方から車体後方にわたって設けられている。
【0049】
上記収穫装置では、走行機体1の左右の片側寄りに上記座席4が配置されている。上記搬送手段50は、上記座席4と反対側寄りの、上記座席4を避けるエリアに配置されている。この例では、上記座席4は、上記走行機体1の右側寄りに配置されている。上記搬送手段50は、上記走行機体1の左側寄りを通るように配置されている。
【0050】
上記走行機体1の前方には、ピックアップ手段10が設けられている。上記ピックアップ手段10は、上記搬送手段50の前端部分に配置されている。
【0051】
当該走行機体1における幅に対する一部分にピックアップエリア2が設けられている。上記ピックアップエリア2は、上記ピックアップ手段10の前端部に対応するエリアである。つまりこの例では、上記ピックアップエリア2は、当該走行機体1の横幅(車幅)のうち左寄りの所定幅の部分に設けられたエリアである。
【0052】
〔掻寄手段70〕
上記走行機体1の前方における、上記ピックアップエリア2以外の部分(この例では車体前方の領域である)に、上記掻寄手段70が設けられている。上記掻寄手段70は、上記走行機体1の走行に伴って、上記圃場に存在する農作物が上記掻寄手段70の前方に迫ったときに、その農作物を上記ピックアップエリア2に向かって掻寄せる。
【0053】
本実施形態では、上記掻寄手段70は、上記ピックアップエリア2の左右にそれぞれ配置された第1掻寄機構部71と第2掻寄機構部72とを有している。上記第1掻寄機構部71が上記走行機体1の走行方向に見て左側、上記第2掻寄機構部72が上記走行機体1の走行方向に見て右側に配置されている。この例では、上記第1掻寄機構部71よりも上記第2掻寄機構部72のほうが左右方向の寸法が長くなるように設定されている。
【0054】
上記第1掻寄機構部71は、走行機体1の走行方向に対して斜めに配置されている。具体的には、ピックアップエリア2に近い側が後方に、ピックアップエリア2から遠い側が前方に位置している。上記第2掻寄機構部72も同様に、走行機体1の走行方向に対して斜めに配置され、ピックアップエリア2に近い側が後方に、ピックアップエリア2から遠い側が前方に位置している。
【0055】
この状態で、上記掻寄手段70は、上記ピックアップエリア2に対する距離が、上記第1掻寄機構部71のほうが上記第2掻寄機構部72よりも大きくなるように配置されている。また、この例では、上記第1掻寄機構部71が上記ピックアップエリア2の前方を遮る位置に配置されている。これにより、上記第1掻寄機構部71により上記第2掻寄機構部72に向かって上記農作物を掻き寄せるように構成される。
【0056】
図3は、上記第2掻寄機構部72の一例を説明する図である。(A)は斜視図、(B)(C)は機能を説明する図である。
【0057】
図3(A)に示すように、この例では、上記第2掻寄機構部72は、掻寄ローラ73と、上記掻寄ローラ73の上部に配置されて上記農作物が上記掻寄ローラ73を乗り越えないように規制する規制部材74とを含んで構成されている。
【0058】
上記掻寄ローラ73は、走行機体1の走行中、図示しない回転駆動手段により矢印P方向に回転駆動される。つまり、掻寄ローラ73に当たった農作物が持ち上がる方向に掻寄ローラ73を回転させ、掻寄ローラ73や地面と農作物との接触抵抗を低減する。上記規制部材74は、上記矢印P方向に回転する掻寄ローラ73に当たった農作物が、掻寄ローラ73を乗り越えてしまうのを防止する。
【0059】
これにより、圃場に存在する農作物は、走行機体1の走行に伴って上記掻寄ローラ73の前方に迫り、上記掻寄ローラ73に当たると矢印Q方向に転がって、ピックアップエリア2に向かって掻寄せられる。
【0060】
上記掻寄ローラ73の回転方向や回転数は、圃場に存在する農作物の状態に応じて変更することができるように構成されている。
【0061】
図3(B)(C)に示すように、上記走行機体1の走行方向に対する上記第2掻寄機構部72の角度を可変しうるように構成されている。具体的には、上記第2掻寄機構部72のピックアップエリア2から遠い側と走行機体1との距離を、シリンダ75の伸縮によって変えるようになっている。
【0062】
図3(B)は、傾斜角を深くした例、図3(C)は、傾斜角を浅くした例である。圃場や農作物の状態により、農作物が矢印Q方向に転がりにくいときは、傾斜角が深くなるよう設定することができる。農作物が矢印Q方向に転がりやすいときは、傾斜角が浅くなるよう設定することができる。
【0063】
上記第1掻寄機構部71も、左右が対称になるだけで、基本的には上記第2掻寄機構部72と同様の構成において同様の機能を発揮するものなので、説明を省略する。
【0064】
図4は、上記掻寄手段70の機能を説明する図である。上述したように、上記掻寄手段70は、上記第1掻寄機構部71のほうが上記第2掻寄機構部72よりも上記ピックアップエリア2に対する距離が大きく、上記第1掻寄機構部71が上記ピックアップエリア2の前方を遮る位置に配置されている。このため、上記第1掻寄機構部71で掻き寄せられる農作物は、矢印Q1で示すように、上記第2掻寄機構部72に向かって進み、さらに上記第2掻寄機構部72によりピックアップエリア2に向かう。上記第2掻寄機構部72で掻き寄せられる農作物は、矢印Q2で示すように、そのままピックアップエリア2に向かう。
【0065】
このため、第1掻寄機構部71で掻き寄せられた農作物と、第2掻寄機構部72で掻き寄せられた農作物は、ピックアップエリア2に侵入するときに時間差ができやすい。したがって、ピックアップエリア2に複数の農作物が同時に侵入することにより生じるピックアップもれが防止される。
【0066】
〔ピックアップ手段10〕
上記ピックアップ手段10は、上記圃場に存在する農作物を、上記走行機体1の走行に伴って上記ピックアップエリア2においてピックアップする。
【0067】
図2に示すように、上記ピックアップ手段10は、上記走行機体1に対して前端側が上下揺動可能となるよう、後端側が上記走行機体1に連結されている。図において、符号15は、上記ピックアップ手段10の後端側を上記走行機体1に連結するためのヒンジ構造部15である。上記ヒンジ構造部15によって上記走行機体1に上記ピックアップ手段10の後端側が連結されることにより、上記走行機体1に対して上記ピックアップ手段10の前端側が上下揺動可能となる。
【0068】
上記ピックアップ手段10の前端側は、上記圃場に接地して上記走行機体1の走行に伴って回転する車輪16によって支持されている。上記車輪16は、上記ピックアップエリア2の左右にそれぞれ配置され、左右一対となるように設けられている。
【0069】
図5は、上記ピックアップ手段10を上から見て説明する図である。
図6は、上記ピックアップ手段10を横から見て説明する図である。
【0070】
上記ピックアップ手段10は、底部送り手段11とローディング手段21とを含んで構成されている。
上記底部送り手段11は、上記農作物を載せて後方に向かわせるためのものである。
上記ローディング手段21は、上記農作物を挟んで上記底部送り手段11に載せるためのものである。
【0071】
〔底部送り手段11〕
上記底部送り手段11は、この例では、上記農作物を載せて後方に向かわせるように動作する底部コンベア11Aである。上記底部コンベア11Aは、ベルト面が水平になるよう配置されたエンドレスの平ベルトである底部コンベアベルト12を含んで構成される。上記底部コンベアベルト12を掛ける前端側のプーリー11Bが、後端側のプーリー(図示せず)よりも小径である。上記後端側のプーリーが駆動プーリーであり、上記底部コンベアベルト12に対して送り駆動力を付与する。上記底部コンベア11Aは、前端側のプーリー11Bから後端側のプーリーに向かって、上を向いたベルト面が、走行機体1の走行面に対して登り傾斜となるように配置されている。
【0072】
〔ローディング手段21〕
上記ローディング手段21は、この例では、上記農作物を左右から挟んで上記底部コンベア11Aに載せるように動作する左右の側部コンベア22A,22Bである。上記左右の側部コンベア22A,22Bは、上記底部コンベア11Aに載った上記農作物を後方に向かわせるようにも動作する。
【0073】
図5に示すように、上記左右の側部コンベア22A,22Bは、上記底部コンベア11Aの前端11Cより前に突出する部分23A,23Bが設けられている。上記突出する部分23A,23Bにおいて、対面する左右の側部コンベア22A,22Bにおける左右の側部コンベアベルト30A,30B同士のベルト面の距離が、前方の開放側が広がるよう構成されている。上記両側部コンベアベルト30A,30B同士の距離が前方に開放する略三角形の領域により、上述したピックアップエリア2が形成される。このピックアップエリア2に前方から入ってきた農作物が、左右の側部コンベアベルト30A,30Bによって挟まれ、後方に送られる。これにより農作物がピックアップされて上記底部コンベア11Aに載せられ、ローディングが行われる。したがって、左右の側部コンベア22A,22Bの両側部コンベアベルト30A,30Bは、それぞれ対面する内側が後方に向かう方向に送られる。
【0074】
図7は、上記ピックアップ手段10の一部を構成する底面コンベア11Aと左右の側部コンベア22A,22Bの位置関係を説明する図である。
上記左右の側部コンベア22A,22Bは、対面する左右の側部コンベアベルト30A,30B同士のベルト面の距離が、底部コンベア11Aに近いほうが広くなるよう構成されている。つまり、上記底部コンベア11Aの農作物が載る上面11Dと、左右の側部コンベア22A,22Bの農作物を挟む内面24A,24Bが、前から見て三角形を呈するように構成されている。このような構成により、ピックアップされた農作物は、3つのコンベアベルトで三方から保持されて上記三角形の通路を通り、安定して後方に向かって送られる。上記底部コンベア11Aの上面11Dに対する左右の内面24A,24Bの角度は、たとえば45°~60°程度に設定することができる。
【0075】
上記左右の車輪16は、上記左右の側部コンベア22A,22Bの前端部にそれぞれ取り付けられている。上記左右の車輪16は、左右の車輪16のキャンバー角がプラスになるよう傾斜状に配置される。つまり、左右の車輪16は上側が下側よりも外側に傾くように配置されている。このように左右の車輪16を配置することにより、左右の車輪16が上記三角形の通路を遮ることがない。したがって、上記ピックアップエリア2に農作物が補足される際に車輪16が障害にならず、ピックアップもれを有効に防止する。
【0076】
〔側部コンベア〕
図8は、右側の側部コンベア22Bを示す図である。(A)は側面図、(B)は平面図である。左側の側部コンベア22Aは、基本的に、上記右側の側部コンベア22Bと左右対称に構成されているので、図示を省略した。
【0077】
上記左右の側部コンベア22A,22Bは、左右の側部コンベアベルト30A,30Bがそれぞれ、側部コンベアベルト30A,30Bの内側から対面する相手側に向かって上記側部コンベアベルト30A,30Bを付勢するそれぞれ3つの付勢プーリー31A,31B,31Cに掛け渡されている。
【0078】
この例では、3つの付勢プーリー31A,31B,31Cを用いたが、付勢プーリーは片側に1つ以上あればよい趣旨である。また、この例では、左右の側部コンベアベルト30A,30Bをそれぞれ付勢プーリーに掛け渡すようにしたが、左右のうち少なくとも一方が付勢プーリーに掛け渡されていればよい。
【0079】
図8に示した例では、上記側部コンベアベルト30Bは、前端プーリー32と後端プーリー33に掛け渡されている。上記前端プーリー32は前後方向に延びるコンベアフレーム36の前端に配置され、上記後端プーリー33は上記コンベアフレーム36の後端に配置されている。上記後端プーリー33が駆動プーリーであり、上記側部コンベアベルト30Bに対して送り駆動力を付与する。
【0080】
また、前端プーリー32と後端プーリー33の間において、側部コンベアベルト30Bを対面する相手側に向かって内側から付勢プーリー31A,31B,31Cが付勢している。前端側から第1付勢プーリー31A、第2付勢プーリー31B、第3付勢プーリー31Cである。
【0081】
上記側部コンベア22Bでは、コンベアフレーム36に対する上記第1付勢プーリー31A、第2付勢プーリー31B、第3付勢プーリー31Cの反対側では、上記側部コンベアベルト30Bは、4つの固定プーリー38と1つのテンションプーリー39に掛け渡されている。
【0082】
上記第1付勢プーリー31A、第2付勢プーリー31B、第3付勢プーリー31Cは、それぞれ第1揺動アーム34A、第2揺動アーム34B、第3揺動アーム34Cの先端部分に設けられている。上記第1揺動アーム34A、第2揺動アーム34B、第3揺動アーム34Cの根元部は、それぞれ上記コンベアフレーム36に軸支されている。
【0083】
上記第1揺動アーム34A、第2揺動アーム34B、第3揺動アーム34Cは、それぞれ第1ばね部材35A、第2ばね部材35B、第3ばね部材35Cにより支持されている。上記第1ばね部材35A、第2ばね部材35B、第3ばね部材35Cは、それぞれ引張ばねである。上記第1ばね部材35A、第2ばね部材35B、第3ばね部材35Cは、それぞれその一端が上記コンベアフレーム36に対して連結され、それぞれの他端が上記第1揺動アーム34A、第2揺動アーム34B、第3揺動アーム34Cの根元側に設けられた第1フック37A、第2フック37B、第3フック37Cに連結されている。
【0084】
このような構造により、上記第1揺動アーム34A、第2揺動アーム34B、第3揺動アーム34Cは、第1付勢プーリー31A、第2付勢プーリー31B、第3付勢プーリー31Cに対してベルトの外側から力(図示の矢印X)が加わると、それぞれ第1ばね部材35A、第2ばね部材35B、第3ばね部材35Cのばね弾性力に抗して矢印R1、矢印R2、矢印R3方向に揺動しうるように支持されている。
【0085】
上記のような構造で左右の側部コンベア22A,22Bが構成されることにより、対面する左右の側部コンベアベルト30A,30Bのあいだに農作物が挟まれて後方に送られるとき、農作物の通過に応じて第1付勢プーリー31A、第2付勢プーリー31B、第3付勢プーリー31Cが後方に逃げる。これにより、通過する農作物を潰さずに保持して確実に通過させることができる。
【0086】
〔ベルト送り制御〕
上記左右の側部コンベア22A,22Bは、左右の側部コンベアベルト30A,30Bの送り速度が異なる速度になるよう設定されている。このようにすることにより、ピックアップエリア2に複数の農作物が同時に侵入してしまったとしても、それら複数の農作物は前後方向に並ぶように配置が変わり、1個ずつスムーズにピックアップされる。
【0087】
上記底部コンベア11Aは、底部コンベアベルト12の送り速度が、上記左右の側部コンベア22A,22Bのうち少なくともいずれか一方の側部コンベアベルト30A,30Bの送り速度と実質的におなじ速度になるよう設定されている。
【0088】
具体的には、この例では、上記底部コンベアベルト12の送り速度が、上記左右の側部コンベア22A,22Bのうち送り速度の遅い方の側部コンベアベルト30A,30Bと実質的におなじ送り速度になるよう設定する。つまり、三方から農作物を保持する3つのコンベアベルトのうち2つを同じ速度で送る。このようにすることにより、ピックアップされた農作物が3つのコンベアベルトにより安定して後方に向かって送られる。
【0089】
〔ピックアップ手段10の揺動〕
図9は、上記ピックアップ手段10が走行機体1に対して揺動する状態を説明する図である。
【0090】
上述したように、上記ピックアップ手段10は、上記走行機体1に対して前端側が上下揺動可能となるよう、後端側が上記走行機体1に連結されている。さらに、上記ピックアップ手段10の前端側は、上記圃場に接地して上記走行機体1の走行に伴って回転する左右の車輪16によって支持される。
【0091】
図9(A)に示すように、圃場のコンディション等により走行機体1の前が上がって後ろが下がるように傾いたとき、ヒンジ構造部15の作用により、左右の車輪16が圃場に接地したまま、ピックアップ手段10は走行機体1に対して前下がりに揺動する。
図9(B)に示すように、圃場のコンディション等により走行機体1の前が下がって後ろが上がるように傾いたとき、ヒンジ構造部15の作用により、左右の車輪16が圃場に接地したまま、ピックアップ手段10は走行機体1に対して前上がりに揺動する。
【0092】
このように、圃場の凹凸や傾斜によって走行機体1が前後に傾いたとしても、上記ピックアップ手段10が上記走行機体1に対して前端側が上下揺動し、圃場に対するピックアップエリア2の高さ位置を一定に保つことができる。このため、上記ピックアップエリア2の高さが不安定になるのを防止し、それに起因するピックアップもれを防止できる。
【0093】
〔切断手段41〕
図10は、切断手段41の一例を示す図である。(A)は上から見た図、(B)は横から見た図である。
この上記収穫装置では、上記底部送り手段11の左右少なくともいずれか一方に、上記走行機体1の走行にともなって上記底部送り手段11の上部に乗り上げる茎葉を切断する切断手段41を配置することができる。この例では、上記切断手段41は、上記底部送り手段11の左右にそれぞれ配置された回転鋸である。上記走行機体1の走行にともなって上記底部送り手段11の上部に乗り上げようとする茎葉を上記切断手段41が切断することにより、茎葉の絡まりによるトラブルを未然に防止できる。
【0094】
〔搬送手段50〕
上記搬送手段50は、上記ピックアップ手段10でピックアップされた農作物を搬送する。上記搬送手段50により、車体前方のピックアップエリア2でピックアップされた農作物を、車体後方の収容容器60まで搬送する。
【0095】
この例では、上記搬送手段50は、第1コンベア51、第2コンベア52、第3コンベア53を含んで構成されている。
【0096】
上記第1コンベア51は、車体の左寄りにおいて前後に延び、前端部が地面近くに位置して登り傾斜するように配置されている。上記第1コンベア51の後端部は、収容容器60の上部開口の高さである。上記第1コンベア51の前端部が、上記ピックアップエリア2である。上記第1コンベア51では、登り傾斜でも農作物が転がり落ちないように、たとえば、サン付きベルトを用いることができる。
【0097】
上記第2コンベア52は、上記第1コンベア51の後端部において、車体の左右方向に延びるように配置されている。上記第2コンベア52により、上記第1コンベア51で搬送されてきた農作物の搬送方向を一旦変える。
【0098】
上記第3コンベア53は、上記第2コンベア52の下流端において、車体の前後方向に延びるよう配置されている。上記第1コンベア51の後端部は、収容容器60の上部開口に達している。これにより、上記第3コンベア53で搬送された農作物を収容容器60内に収容する。
【0099】
上記第1コンベア51の前端部にあるピックアップエリア2において、上記ピックアップ手段10によって農作物が第1コンベア51上に搭載されることにより、上記農作物がピックアップされる。上記第1コンベア51は、ピックアップされた農作物を後方に運び、第2コンベア52に載せる。第2コンベア52は、農作物の搬送方向を一旦変える。第2コンベア52から第3コンベア53に渡された農作物は、第3コンベア53により車体後方の収容容器60まで搬送される。
【0100】
〔収容容器60〕
上記収容容器60は、上記搬送手段50で搬送された農作物を収容する。上記収容容器60は、走行機体1の車体後方に配置されている。上記収容容器60は、上部に開口を有する箱状の容器である。上記収容容器60は、昇降可能なリフト機構61に搭載されている。また、第3コンベア53から投入される農作物が高低差で傷つかないよう、上記収容容器60を傾斜させる傾斜機構(図示せず)を備えている。
【0101】
〔収穫動作〕
本実施形態の収穫装置では、たとえば、つぎのようにして農作物を収穫することができる。
【0102】
たとえば農作物としてカボチャを収穫する場合、あらかじめ茎葉をヘタ部で切断してカボチャの実を切り離し、圃場に点在させておく。
【0103】
走行機体1を圃場で走行させる。この走行に伴って、圃場に点在するカボチャは、走行機体1の前方に迫り、第1掻寄機構部71や第2掻寄機構部72に当たると、ピックアップエリア2に向かって掻き寄せられる。
【0104】
上記ピックアップエリア2では、左右の側部コンベアベルト30A,30B同士の前方の開放部に入ったカボチャが、上記側部コンベアベルト30A,30Bに挟まれて後方に送られ、ピックアップされて上記底部コンベア11Aに載せられる。その後、左右の側部コンベアベルト30A,30Bと底部コンベアベルト12が後方に向かってカボチャを送る。このときカボチャは、3つのコンベアベルトで三方から保持されて上記三角形の通路を通り、後方に向かって送られる。
【0105】
その後カボチャは、上記搬送手段50でさらに車体の後方に向かって送られて収容容器60に収容され、収穫が行われる。
【0106】
〔まとめ〕
上記第1実施形態の農作物の収穫装置は、たとえばカボチャの収穫に用いることにより、カボチャを人力で拾いあげることなく収穫できる。
【0107】
この場合、あらかじめカボチャを蔓からハサミで切り離し、圃場に点在させておく。その圃場に本装置を走行させることにより、カボチャを地面からピックアップし、収容容器60に収容する。
【0108】
このように、上記第1実施形態は、カボチャの収穫作業において、地面からカボチャを持ち上げてコンテナまで運び入れる作業を機械化する。これにより省力化および省人化を達成する。
【0109】
〔ピックアップ手段10の第2例〕
図11は、上記ピックアップ手段10の第2例を説明する図である
この例は、上記左右の側部コンベア22A,22Bが、対面する左右の側部コンベアベルト30A,30Bのうち一方の前端が、他方よりも前方に位置するよう構成されている。
【0110】
具体的には、左側の側部コンベアベルト30Aの前端が、右側の側部コンベアベルト30Bの前端よりも前方に位置するよう構成されている。また、右側の側部コンベアベルト30Bの前端部は前広がりになっているが、左側の側部コンベアベルト30Aの前端部は前広がりになっていない。
【0111】
つまり、上記第1掻寄機構部71のほうが上記第2掻寄機構部72よりも前方にあり、上記第1掻寄機構部71が上記ピックアップエリア2の前方を遮るように配置される。このため、上記第1掻寄機構部71で掻き寄せられる農作物は、矢印Q1で示すように、上記第2掻寄機構部72を経由してピックアップエリア2に向かい、上記第2掻寄機構部72で掻き寄せられる農作物は、矢印Q2で示すように、そのまま上記第2掻寄機構部72からピックアップエリア2に向かう。
【0112】
このとき、上記第2掻寄機構部72からピックアップエリア2に向かう農作物が、前端部が前方に突出していて前広がりになっていない左側の側部コンベアベルト30Aの前端部でキャッチされる。つまり、前方にある第1掻寄機構部71がある側の左側の側部コンベアベルト30Aの前端を他方より前方に位置するように構成し、その前端部を前広がりにしていない。このような構成により、ピックアップもれを有効に防止できる。
【0113】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態は、つぎの作用効果を奏する。
【0114】
本実施形態の農作物の収穫装置は、走行機体1とピックアップ手段10を備えている。上記走行機体1は圃場を走行する。上記ピックアップ手段10は所定のピックアップエリア2を有し、上記走行機体1の前方において上記圃場に存在する農作物をピックアップする。
上記ピックアップ手段10は、上記走行機体1に対して前端側が上下揺動可能となるよう、後端側が上記走行機体1に連結されている。このため、圃場の凹凸や傾斜によって走行機体1が前後に傾いたとしても、上記ピックアップ手段10が上記走行機体1に対して前端側が上下揺動し、圃場に対するピックアップエリア2の高さ位置を一定に保つことができる。このため、上記ピックアップエリア2の高さが不安定になるのを防止し、それに起因するピックアップもれを防止できる。
【0115】
本実施形態の農作物の収穫装置は、上記ピックアップ手段10の前端側が、上記圃場に接地して上記走行機体1の走行に伴って回転する車輪16によって支持される。
このため、圃場に対するピックアップエリア2の高さ位置は、上記車輪16によって常に一定に保たれる。したがって、上記ピックアップエリア2の高さが不安定になるのを防止し、それに起因するピックアップもれを防止できる。
【0116】
本実施形態の農作物の収穫装置は、上記車輪16が、上記ピックアップエリア2の左右にそれぞれ設けられている。さらに、左右の車輪16のキャンバー角がプラスになるよう傾斜状に配置されている。
このため、上記ピックアップエリア2に農作物が補足される際に車輪16が障害にならず、ピックアップもれを有効に防止する。
【0117】
本実施形態の農作物の収穫装置は、上記走行機体1の前方に掻寄手段70が設けられている。上記掻寄手段70が、上記圃場に存在する農作物を上記ピックアップエリア2に向かって掻寄せる。したがって、列状に植わっていない農作物を掻寄せてピックアップできる。このため、収穫の対象となる幅が広がり、収穫効率がよくなり、収穫コストを低減できる。
上記掻寄手段70は、上記ピックアップエリア2の左右にそれぞれ配置された第1掻寄機構部71と第2掻寄機構部72とを有している。さらに、上記ピックアップエリア2に対する距離が、上記第1掻寄機構部71のほうが上記第2掻寄機構部72よりも大きくなるように配置されている。このため、第1掻寄機構部71で掻き寄せられた農作物と、第2掻寄機構部72で掻き寄せられた農作物は、ピックアップエリア2に侵入するときに時間差ができやすい。したがって、ピックアップエリア2に複数の農作物が同時に侵入することにより生じるピックアップもれが防止される。
【0118】
本実施形態の農作物の収穫装置は、上記第1掻寄機構部71が上記ピックアップエリア2の前方を遮る位置に配置され、上記第1掻寄機構部71により上記第2掻寄機構部72に向かって上記農作物を掻き寄せるように構成されている。
上記第1掻寄機構部71で掻き寄せられる農作物が第2掻寄機構部72に向かい、上記第1掻寄機構部71で掻き寄せられる農作物と上記第2掻寄機構部72で掻き寄せられる農作物が、合わせて順次ピックアップエリア2に向かう。このため、ピックアップエリア2に複数の農作物が同時に侵入することにより生じるピックアップもれが防止される。
【0119】
◆第2実施形態
図12および図13は、本発明の第2実施形態を説明する図である。
本実施形態は、第1揺動制御手段81と第2揺動制御手段91を備えている。
上記第1揺動制御手段81は、上記走行機体1に対して上下揺動する上記ピックアップ手段10の前端側が、上記上下揺動の際に異常下降するのを防止する。
上記第2揺動制御手段91は、上記走行機体1に対して上下揺動する上記ピックアップ手段10の前端側が、上記上下揺動の際に異常浮上するのを防止する。
【0120】
◇第1例
図12は、第2実施形態の第1例である。
第1例は、上記第1揺動制御手段81が、上記走行機体1またはそれに取付けられた基点フレーム90を基点にして上記ピックアップ手段10を押圧することにより上記前端側の下降を防止するものである。
【0121】
上記第1例は、ピックアップフレーム80、基点フレーム90、第1揺動制御手段81、第2揺動制御手段91を備えている。
【0122】
〔ピックアップフレーム80〕
上記ピックアップフレーム80は、上述したものと同様のヒンジ構造部15によって走行機体1(図示していない)の前部に接続されており、上記ヒンジ構造部15を軸にして先端側が上下に揺動しうるようになっている。上記ピックアップフレーム80は、その先端部に上述したものと同様の車輪16が取り付けられ、上記車輪16によってその先端側が圃場に接地している。そして、上記ピックアップフレーム80には、上述したものと同様の底部送り手段11とローディング手段21を含んで構成されるピックアップ手段10が搭載されている。
【0123】
上記ピックアップフレーム80は、前後フレーム82、縦フレーム83、車輪フレーム84、第1揺動制御部85、第2揺動制御部86、搭載フレーム87を含んで構成されている。
【0124】
上記前後フレーム82は、走行機体1の前方において前後方向に延びている。上記縦フレーム83は、上記前後フレーム82の後端部で縦方向に延びている。上記車輪フレーム84は、上記前後フレーム82の先端部において上記車輪16が取付けられる。上記第1揺動制御部85は、上記第1揺動制御手段81による押圧を受ける。上記第2揺動制御部86、上記第2揺動制御手段91による押圧を受ける。上記搭載フレーム87は、上記ピックアップ手段10が搭載される。
【0125】
上記縦フレーム83の後方には、上記ヒンジ構造部15が設けられている。上記第1揺動制御部85は、上記縦フレーム83の上端部に設けられている。上記第2揺動制御部86は、上記前後フレーム82の先端部において上方に突出するように設けられている。
【0126】
〔基点フレーム90〕
上記基点フレーム90は、上記ヒンジ構造部15によって走行機体1(図示していない)の前部に接続されており、上記ヒンジ構造部15を軸にして先端側が上下に揺動しうるようになっている。上記基点フレーム90は、その先端部に車輪16が取り付けられ、上記車輪16によってその先端側が圃場に接地している。上記基点フレーム90は、本発明の基点部材として機能する。
【0127】
上記基点フレーム90は、主フレーム94、支柱92、脚95を含んで構成されている。基点フレーム90の重量がピックアップフレーム80に比べて大きくなるよう設定されている。
【0128】
上記主フレーム94は、上記ヒンジ構造部15が後端部にあって前方に延びている。上記脚95は、上記主フレーム94の前端部下側にあり、上記車輪93が取り付けられている。上記支柱92は、上記主フレーム94の中央よりやや前側に位置して上方向に延びている。
【0129】
上記支柱92の上端部後側には、上記第1揺動制御手段81が取り付けられている。支柱92の上端部前側には、上記第2揺動制御手段91が取り付けられている。
【0130】
〔第1揺動制御手段81〕
上記第1揺動制御手段81は、圧縮ばね81Aとシリンダ81Bを含んで構成される。上記圧縮ばね81Aは、上記ピックアップフレーム80の上記第1揺動制御部85に当接している。上記シリンダ81Bは、その根元が上記基点フレーム90の支柱92に取り付けられ、シリンダロッドが上記圧縮ばね81Aを押圧する。
【0131】
このような構造により、上記第1揺動制御手段81は、上記支柱92を基点にピックアップフレーム80の縦フレーム83を後方に押圧する。この押圧により、ピックアップフレーム80の前後フレーム82の先端側が上方向に持ち上がる。前後フレーム82の先端側が上方向に持ち上がることにより、上記走行機体1に対して上下揺動する上記ピックアップ手段10の前端側が、上記上下揺動の際に異常下降するのを防止することができる。このように、上記第1揺動制御手段81は、上記ピックアップフレーム80を介して上記ピックアップ手段10に対して押圧力を付与する。上記第1揺動制御手段81による押圧操作は、走行機体1の運転等の操作を行う作業者が図示しない操作手段によって行うことができる。
【0132】
このとき、基点となる支柱92は走行機体1に対して前後には揺動しないので、支柱92を基点にしてピックアップフレーム80を後方に押せば、ピックアップ手段10の前端側の沈み込みを防止できる。
【0133】
〔第2揺動制御手段91〕
上記第2揺動制御手段91は、上記走行機体1またはそれに取付けられた基点フレーム90を基点にして上記ピックアップ手段10を押圧することにより上記前端側の浮上りを防止する。
【0134】
上記第2揺動制御手段91は、圧縮ばね91Aとシリンダ91Bを含んで構成される。上記圧縮ばね91Aは、上記ピックアップフレーム80の上記第2揺動制御部86に当接している。上記シリンダ91Bは、その根元が上記基点フレーム90の支柱92に取り付けられ、シリンダロッドが上記圧縮ばね91Aを押圧する。
【0135】
このような構造により、上記第2揺動制御手段91は、上記支柱92を基点にピックアップフレーム80の前後フレーム82の先端部を下に押圧する。この押圧により、ピックアップフレーム80の前後フレーム82の先端側が下方向に押し下げられる。前後フレーム82の先端側が下方向に押し下げられることにより、上記走行機体1に対して上下揺動する上記ピックアップ手段10の前端側が、上記上下揺動の際に異常浮上するのを防止することができる。このように、上記第1揺動制御手段81は、上記ピックアップフレーム80を介して上記ピックアップ手段10に対して押圧力を付与する。上記第2揺動制御手段91による押圧操作は、走行機体1の運転等の操作を行う作業者が図示しない操作手段によって行うことができる。
【0136】
このとき、基点となる支柱92も上下に揺動しているが、支柱92が取り付けられた基点フレーム90の重量がピックアップフレーム80に比べて大きくなるよう設定されているため、ピックアップフレーム80先端部の浮き上がりが防止できる。
【0137】
◇第2例
図13は、第2実施形態の第2例である。
第2例は、上記第1揺動制御手段81が、上記走行機体1またはそれに取付けられた基点フレーム90を基点にして上記ピックアップ手段10を牽引することにより上記前端側の下降を防止するものである。
【0138】
第2例では、走行機体1(図示していない)の前で前方に延びるアーム1Aが設けられ、上記アーム1Aの先端に上記ヒンジ構造部15が設けられている。つまり、上記アーム1Aの先端に、上記ヒンジ構造部15を介して上記ピックアップフレーム80および上記基点フレーム90が取り付けられている。また、第1揺動制御部85は、縦フレーム83の途中部後側に設けられている。上記アーム1Aは、本発明の基点部材として機能する。
【0139】
〔第1揺動制御手段81〕
第2例では、上記第1揺動制御手段81は、引張ばね81Cとシリンダ81Dを含んで構成される。上記引張ばね81Cは、上記ピックアップフレーム80の上記第1揺動制御部85に接続されている。上記シリンダ81Dは、その根元が上記アーム1Aに取り付けられ、シリンダロッドが上記引張ばね81Cを牽引する。
【0140】
このような構造により、上記第1揺動制御手段81は、上記アーム1Aを基点にピックアップフレーム80の縦フレーム83を後方に牽引する。この牽引により、ピックアップフレーム80の前後フレーム82の先端側が上方向に持ち上がる。前後フレーム82の先端側が上方向に持ち上がることにより、上記走行機体1に対して上下揺動する上記ピックアップ手段10の前端側が、上記上下揺動の際に異常下降するのを防止することができる。このように、上記第1揺動制御手段81は、上記ピックアップフレーム80を介して上記ピックアップ手段10に対して牽引力を付与する。上記第1揺動制御手段81による牽引操作は、走行機体1の運転等の操作を行う作業者が図示しない操作手段によって行うことができる。
【0141】
このとき、基点となるアーム1Aは走行機体1に対して前後には揺動しないので、アーム1Aを基点にしてピックアップフレーム80を後方に牽引すれば、ピックアップ手段10の前端側の沈み込みを防止できる。
それ以外は上記第1例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付して説明を省略した。
【0142】
〔第2実施形態の効果〕
第2実施形態の農作物の収穫装置は、上記走行機体1に対して上下揺動する上記ピックアップ手段10の前端側が、上記上下揺動の際に異常下降するのを防止する第1揺動制御手段81を備えている。
このようにすることにより、上記ピックアップ手段10の前端側が異常下降して土壌をピックアップしてしまうトラブルを防止できる。特に、軟弱な圃場では、前端側が下降しやすく、土壌をピックアップしてしまうトラブルが生じやすいので有効に機能する。
【0143】
第2実施形態の農作物の収穫装置は、上記第1揺動制御手段81が、上記走行機体1またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段10を押圧することにより上記前端側の下降を防止する。
このようにすることにより、上記走行機体1か基点部材を基点にした上記ピックアップ手段10の押圧により、上記トラブルを確実に防止できる。
【0144】
第2実施形態の農作物の収穫装置は、上記第1揺動制御手段81が、上記走行機体1またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段10を牽引することにより上記前端側の下降を防止する。
このようにすることにより、上記走行機体1か基点部材を基点にした上記ピックアップ手段10の牽引により、上記トラブルを確実に防止できる。
【0145】
第2実施形態の農作物の収穫装置は、上記走行機体1に対して上下揺動する上記ピックアップ手段10の前端側が、上記上下揺動の際に異常浮上するのを防止する第2揺動制御手段91を備えている。
このようにすることにより、上記ピックアップ手段10の前端側が異常浮上してサイズの小さな農作物がピックアップ手段10の下に潜り込んで起こるピックアップミスを防止できる。特に、農作物の生育状態にばらつきがある圃場では、小さな農作物がピックアップ手段10の下に潜り込んでピックアップミスになりやすいので有効に機能する。
【0146】
第2実施形態の農作物の収穫装置は、上記第2揺動制御手段91が、上記走行機体1またはそれに取付けられた基点部材を基点にして上記ピックアップ手段10を押圧することにより上記前端側の浮上りを防止する。
このようにすることにより、上記走行機体1か基点部材を基点にした上記ピックアップ手段10の押圧により、上記トラブルを確実に防止できる。
【0147】
〔変形例〕
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではない。
【0148】
たとえば、本発明において、収穫する農作物は、カボチャに限らず、地表面に配置されている農作物であれば各種のものを対象とすることができる。たとえばカンピョウやスイカなどのように、地面を這うように蔓が伸び、地表に転がるように実が生育する農作物を対象にできる。また、たとえばタマネギやジャガイモなどのように、掘りあげて地面に置かれている農作物を対象にできる。
【0149】
また、本発明は、上述した実施形態および各種変形例のみに限定されるものではなく、本発明の技術思想を踏まえたさらに各種態様の変形例を包含する趣旨である。
【0150】
たとえば、第1揺動制御手段81や第2揺動制御手段91は、基点部材を基点とするだけでなく、走行機体1自体を基点として作用させることもできる。

【符号の説明】
【0151】
1:走行機体
1A:アーム
2:ピックアップエリア
3:無限軌道
4:座席
10:ピックアップ手段
11:底部送り手段
11A:底部コンベア
11B:前端側のプーリー
11C:前端
11D:上面
12:底部コンベアベルト
15:ヒンジ構造部
16:車輪
21:ローディング手段
22A:側部コンベア(左側)
22B:側部コンベア(右側)
23A:突出する部分(左側)
23B:突出する部分(右側)
24A:内面(左側)
24B:内面(右側)
30A:側部コンベアベルト(左側)
30B:側部コンベアベルト(右側)
31A:第1付勢プーリー
31B:第2付勢プーリー
31C:第3付勢プーリー
32:前端プーリー
33:後端プーリー
34A:第1揺動アーム
34B:第2揺動アーム
34C:第3揺動アーム
35A:第1ばね部材
35B:第2ばね部材
35C:第3ばね部材
36:コンベアフレーム
37A:第1フック
37B:第2フック
37C:第3フック
38:固定プーリー
39:テンションンプーリー
41:切断手段
50:搬送手段
51:第1コンベア
52:第2コンベア
53:第3コンベア
60:収容容器
61:リフト機構
70:掻寄手段
71:第1掻寄機構部
72:第2掻寄機構部
73:掻寄ローラ
74:規制部材
75:シリンダ
80:ピックアップフレーム
81:第1揺動制御手段
81A:圧縮ばね
81B:シリンダ
81C:引張ばね
81D:シリンダ
82:前後フレーム
83:縦フレーム
84:車輪フレーム
85:第1揺動制御部
86:第2揺動制御部
87:搭載フレーム
90:基点フレーム
91:第2揺動制御手段
91A:圧縮ばね
91B:シリンダ
92:支柱
93:車輪
94:主フレーム
95:脚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13