IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日亜化学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-発光モジュール 図1
  • 特開-発光モジュール 図2
  • 特開-発光モジュール 図3
  • 特開-発光モジュール 図4
  • 特開-発光モジュール 図5
  • 特開-発光モジュール 図6
  • 特開-発光モジュール 図7
  • 特開-発光モジュール 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055437
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】発光モジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220401BHJP
   G02B 5/26 20060101ALI20220401BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20220401BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20220401BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20220401BHJP
   F21V 9/45 20180101ALI20220401BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220401BHJP
   F21V 9/20 20180101ALI20220401BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20220401BHJP
   F21V 9/08 20180101ALI20220401BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20220401BHJP
   F21V 13/14 20060101ALI20220401BHJP
   G02B 5/28 20060101ALN20220401BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220401BHJP
【FI】
F21S2/00 340
G02B5/26
G02B5/22
G02B5/20
F21V7/28 240
F21V9/45
F21V23/00 113
F21V9/20
F21V5/04 200
F21V9/08 400
F21V9/40 200
F21V13/14
F21S2/00 311
G02B5/28
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020162860
(22)【出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 卓史
【テーマコード(参考)】
2H148
3K014
【Fターム(参考)】
2H148AA01
2H148AA07
2H148CA01
2H148CA14
2H148CA18
2H148FA01
2H148FA09
2H148FA15
2H148GA04
2H148GA12
2H148GA61
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】信頼性に優れた発光モジュールを提供する。
【解決手段】発光モジュール100は、第1波長に発光ピークを有する第1の光L1と、第1波長と異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光L2と、を出射する第1発光ユニット121と、第2の光L2を第1方向へと出射させ、かつ、第1の光L1を第1方向と異なる方向へと出射させる、第1分光部材61と、第1分光部材61から、第1方向へと出射された第2の光L2が発光モジュール100の外部へと出射されるまで、の光路上に配置され、第1波長を含む所定の波長範囲の光をカットするカットフィルタ6と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光モジュールであって、
第1波長に発光ピークを有する第1の光と、前記第1波長と異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光と、を出射する第1発光ユニットと、
前記第1の光及び第2の光が入射され、前記第2の光を第1方向へと出射させ、かつ、前記第1の光を前記第1方向と異なる方向へと出射させる、第1分光部材と、
前記第1分光部材から、前記第1方向へと出射された前記第2の光が前記発光モジュールの外部へと出射されるまで、の光路上に配置され、前記第1波長を含む所定の波長範囲の光をカットするカットフィルタと、
を備える発光モジュール。
【請求項2】
前記第1発光ユニットは、前記第1の光を出射する第1発光部材と、前記第2の光を出射する第2発光部材と、を含む請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
前記第2発光部材は、前記第1発光部材から出射された前記第1の光の一部を前記第2の光へと変換して出射する波長変換部材である請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記第1発光部材は、半導体レーザ素子から出射された光である前記第1の光を出射する第1発光装置である請求項3に記載の発光モジュール。
【請求項5】
前記第1分光部材によって前記第1方向と異なる方向へと出射された光が入射する第1フィルタと、
前記第1フィルタを透過した光を検出する第1光検出器と、を更に有し、
前記第1フィルタに入射される光には、前記第1の光と、前記第2の光の一部と、が含まれ、
前記第1フィルタは、前記第1の光をカットするフィルタである請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の発光モジュール。
【請求項6】
第3波長に発光ピークを有する第3の光と、前記第3波長及び第2波長と異なる第4波長に発光ピークを有する第4の光と、を出射する第2発光ユニットと、
前記第3の光及び第4の光が入射され、前記第4の光を前記第1方向へと出射させ、かつ、前記第3の光を前記第1方向と異なる方向へと出射させる、第2分光部材と、
を有し、
前記カットフィルタは、前記第2分光部材から、前記第1方向へと出射された前記第4の光が前記発光モジュールの外部へと出射されるまで、の光路上に配置され、
前記所定の波長範囲は、前記第3波長を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光モジュール。
【請求項7】
前記第1波長と、前記第3波長は、同じ波長である、請求項6に記載の発光モジュール。
【請求項8】
前記カットフィルタは、前記所定の波長範囲の光を反射する反射フィルタである請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の発光モジュール。
【請求項9】
前記第1分光部材及び前記反射フィルタは、ダイクロイックミラーである請求項8に記載の発光モジュール。
【請求項10】
前記反射フィルタで反射される前記第1の光を検出する異常光検出器を備える請求項8又は請求項9に記載の発光モジュール。
【請求項11】
前記カットフィルタは、前記所定の波長範囲の光を吸収する吸収フィルタである請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の発光モジュール。
【請求項12】
第5波長に発光ピークを有する第5の光を出射する第3発光ユニットと、
前記第2の光及び前記第5の光が入射され、前記第5の光を前記第1方向へと出射させて前記第2の光と前記第5の光を合成する第3分光部材と、
を更に有する請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光モジュール。
【請求項13】
前記第5波長は、前記第1波長とは異なる波長であり、
前記カットフィルタは、前記第3分光部材から、前記第1方向へと出射された前記第5の光が前記発光モジュールの外部へと出射されるまで、の光路上に配置される請求項12に記載の発光モジュール。
【請求項14】
前記カットフィルタは、前記第1分光部材から、前記第1方向へと出射された前記第2の光が前記第3分光部材へと入射するまで、の光路上に配置される請求項12に記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光源から出射する光のうち、所定領域の波長の光の進行を防止するためのフィルタを設けた発光モジュールが知られている。例えば、特許文献1には、青色照明光の一部を反射させるフィルタを備える表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-040935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、信頼性に優れた発光モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る発光モジュールは、第1波長に発光ピークを有する第1の光と、前記第1波長と異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光と、を出射する第1発光ユニットと、前記第1の光及び第2の光が入射され、前記第2の光を第1方向へと出射させ、かつ、前記第1の光を前記第1方向と異なる方向へと出射させる、第1分光部材と、前記第1分光部材から、前記第1方向へと出射された前記第2の光が前記発光モジュールの外部へと出射されるまで、の光路上に配置され、前記第1波長を含む所定の波長範囲の光をカットするカットフィルタと、を備える構成である。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る実施形態によれば、信頼性に優れた発光モジュールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る例示的な一形態である発光モジュールの内部を模式的に示す平面図である。
図2】第1実施形態に係る例示的な一形態である発光モジュールの内部を透過して主な構成を模式的に示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る例示的な一形態である発光モジュールの内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュールが正常に動作している場合の光の経路を説明するための平面図である。
図4】第1実施形態に係る例示的な一形態である発光モジュールの内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュールに異常が生じた場合の光の経路を説明するための平面図である。
図5】第2実施形態に係る例示的な一形態である発光モジュールの内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュールに異常が生じた場合の光の経路を説明するための平面図である。
図6】第3実施形態に係る例示的な一形態である発光モジュールの内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュールに異常が生じた場合の光の経路を説明するための平面図である。
図7】第4実施形態に係る例示的な一形態である発光モジュールの内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュールに異常が生じた場合の光の経路を説明するための平面図である。
図8】第5実施形態に係る例示的な一形態である発光モジュールの内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュールに異常が生じた場合の光の経路を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の実施形態に係る説明において参照する図面は、本発明を概略的に示したものであるため、各部材のスケールや間隔、位置関係等が誇張、或いは、部材の一部の図示が省略されている場合がある。また、各部材のスケールや間隔が一致しない場合もある。また、以下の説明では、同一の名称及び符号については原則として同一又は同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略することとする。
また、発光モジュールの構成において、「上」、「下」、「左」及び「右」等は、状況に応じて入れ替わるものである。本明細書又は特許請求の範囲において、「上」、「下」等の表現は、相対的な位置、向き、方向等の関係を述べるに過ぎず、使用時における関係と一致していなくてもよい。
また、本明細書又は特許請求の範囲において、ある構成要素に関し、これに該当するものが複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に“第1”、“第2”と付記して区別することがある。更に、本明細書と特許請求の範囲とで区別する対象や観点が異なる場合、本明細書と特許請求の範囲との間で、同一の付記が、同一の対象を指さない場合がある。
【0009】
<第1実施形態>
図1乃至図4は、第1実施形態に係る発光モジュールの一例を説明するための図である。図1は、第1実施形態に係る発光モジュールの例示的な一形態である発光モジュール100の内部を模式的に示す平面図である。図2は、発光モジュール100の内部を透過して主な構成を模式的に示す斜視図である。図3は、発光モジュール100の内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュール100が正常に動作している場合の光の経路を説明するための平面図である。図4は、発光モジュール100の内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュール100に異常が生じた場合の光の経路を説明するための平面図である。
【0010】
なお、図1、2では、発光装置から出射された光が発光モジュール100の外部に取り出されるまでの光経路の概略を図示している。なお、破線矢印で記される光経路は、疑似的な光の中心軸を示している。また、図2の斜視図では、第1発光装置11、第2発光装置12と、蛍光体ホイール40と、第1分光部材61、第2分光部材62との立体的な位置関係、及び、第3発光装置13と拡散部材43と第3分光部材63との立体的な位置関係を主に示し、筐体9内部の他の部材は適宜、簡略化するか省略している。また、図3、4では、ヒートシンク20の部分を省略している。
【0011】
発光モジュール100は、筐体9と、ヒートシンク20と、複数のモジュールユニット10と、カットフィルタ6と、を含む複数の構成要素を備えている。例えば、図示される発光モジュール100は、3つのモジュールユニット10を有している。
【0012】
発光モジュール100は、筐体9の所定の領域にヒートシンク20が設置されており、筐体9内における筐体9の配置領域にモジュールユニット10が配置されている。モジュールユニット10は、筐体9内に並列した状態で設置されている。モジュールユニット10は、筐体9の光取出口8から光が出力されるときに、光路の高さ位置を揃えて、それぞれの光を単独で或いは混合して出力できるように配置されている。また、カットフィルタ6は、筐体9内において、第3モジュールユニット103の第3分光部材63と筐体9の光取出口8との間に配置されている。
【0013】
発光モジュール100は、複数のモジュールユニット10が備えるそれぞれの発光ユニット120(第1発光ユニット121、第2発光ユニット122、第3発光ユニット123)から出射される光を制御し、筐体9の所定の箇所から外部へと出射させる。また、それぞれの発光ユニットから出射される光における所定の波長範囲の光の強度が、それぞれの光検出ユニット70(第1光検出ユニット71、第2光検出ユニット72、第3光検出ユニット73)で検出される。また、それぞれの発光ユニットから出射された光のうち、所定の波長範囲の光はカットフィルタ6によりカットされ、外部へ出射されない。
【0014】
まず、各構成要素について説明する。
(筐体)
筐体9は、上面と、下面と、複数の側面と、を有する。また、筐体9は、複数の上面を有していてもよい。図示される発光モジュール100の例では、筐体9は2つの上面と3つの側面を有している。筐体9は、他の構成要素が配置される配置領域を有している。配置領域は、1つの平面又は複数の平面で構成されていてもよい。例えば、配置領域は、段差構造を有し、上段と下段のそれぞれの平面に異なる構成要素が配置されていてもよい。
【0015】
筐体9の複数の側面の一つには、光取出口8が形成されており、側面の貫通孔を透光部材で塞いで形成される。透光部材には、例えば、透光性を有するガラスを用いることができる。ここで、透光性を有するとは、可視光或いは可視光のうちの特定の波長範囲(色)の光に対して、90%以上の透過率を有することとする。なお、紫外光又は赤外光に対して、90%以上の透過率を有していてもよい。
【0016】
筐体9は、例えば、アルミニウム、マグネシウム等の金属を主材料に用いて形成することができる。筐体9の各面は、光取出口8を除き、遮光性を有する材料によって形成される。遮光性を有するとは、可視光の光に対して、5%以下の透過率に収まることとする。なお、金属以外の材料を主材料に用いてもよい。また、筐体9は、各面の内側表面に遮光することができる表面処理を行うことで、上面、下面、複数の側面となる各面に遮光性を有するようにしてもよい。表面処理としては、例えば、メッキ処理や、アルマイト処理が挙げられる。
【0017】
(ヒートシンク)
ヒートシンク20は、上面、下面、及び、側面を有する。また、ヒートシンク20は、熱源が実装される実装面を有する。ヒートシンク20は、上面、下面、又は、側面のいずれかを実装面とすることができる。ヒートシンク20は実装面に実装された熱源(例えば発光装置等)から発生する熱を、発光モジュール100の外部へと排熱させる。なお、ヒートシンク20は、更に1又は複数の側面を有してもよい。図示される発光モジュール100の例では、ヒートシンク20は、直方体の外形を有している。
【0018】
(モジュールユニット)
モジュールユニット10は、光を出射する発光ユニット120を備える。また、モジュールユニット10は、分光部材60を有する。また、モジュールユニット10は、光を検出する光検出ユニット70を備える。また、発光ユニット120は、1又は複数の発光部材140を有する。発光部材140は、光を発する部材であり、例えば、LED(発光ダイオード)、LD(レーザダイオード)、蛍光体等を有している。分光部材60は、入射した光を複数の光に分けて出射する。図示される発光モジュール100の例では、3つのモジュールユニット10(第1モジュールユニット101、第2モジュールユニット102、第3モジュールユニット103)を備えている。
【0019】
(第1モジュールユニット、第2モジュールユニット)
まず、第1モジュールユニット101及び第2モジュールユニット102について説明する。
第1モジュールユニット101は、第1発光ユニット121と、第1分光部材61と、を備えている。また、第1モジュールユニット101は、第1光検出ユニット71を更に備えている。また、第1モジュールユニット101は、第1レンズ51を更に備えている。
第1発光ユニット121は、第1波長に発光ピークを有する第1の光L1と、第1波長と異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光L2と、を出射する。第1発光ユニット121は、第1の光L1を出射する第1発光部材と、第2の光L2を出射する第2発光部材と、を有している。
図示される発光モジュール100の例では、第1発光部材は第1発光装置11であり、第2発光部材は第1波長変換部材41である。また、第1発光ユニット121は、第1発光装置11と、第1集光レンズ31と、第1波長変換部材41と、を備えている。
【0020】
第2モジュールユニット102は、第2発光ユニット122と、第2分光部材62と、を備えている。また、第2モジュールユニット102は、第2光検出ユニット72を更に備えている。また、第2モジュールユニット102は、第2レンズ52を更に備えている。
第2発光ユニット122は、第3波長に発光ピークを有する第3の光L3と、第3波長及び第2波長と異なる第4波長に発光ピークを有する第4の光L4と、を出射する発光ユニットである。第2発光ユニット122は、第3の光を出射する第3発光部材と、第4の光を出射する第4発光部材と、を有している。
図示される発光モジュール100の例では、第3発光部材は第2発光装置12であり、第4発光部材は第2波長変換部材42である。また、第2発光ユニット122は、第2発光装置12と、第2集光レンズ32と、第2波長変換部材42と、を備えている。
第1波長変換部材41及び第2波長変換部材42は、第1発光ユニット121と第2発光ユニット122とが共通して用いる蛍光体ホイール40に設けられている。
【0021】
(第1発光装置、第2発光装置)
第1発光装置11は、第1波長に発光ピークを有する第1の光L1を出射するものである。第1の光L1は所定の波長範囲の光であり、例えば青色の光である。第1発光装置11は、1又は複数の第1発光素子21を有する。また、例えば、複数の第1発光素子21が基板上に整列して並べられて、第1発光装置11が構成されている。第1発光素子21として、例えば、レーザ光を照射する第1半導体レーザ素子を用いることができる。なお、第1半導体レーザ素子は、光出射面を有するパッケージに封止されていてもよい。また、第1発光素子21は、例えば、第1半導体レーザ素子と、第1半導体レーザ素子から出射された光をコリメートするコリメートレンズと、を有していてもよい。
図示される発光モジュール100の例では、第1発光装置11は、4×4の行列状に並べられた16個の第1半導体レーザ素子を備えている。
第2発光装置12は、第3波長に発光ピークを有する第3の光L3を出射するものである。第3の光L3は所定の波長範囲の光であり、例えば青色の光である。第2発光装置12は、ここでは第1発光装置11と同様の構成であり、例えば、複数の第2発光素子22を基板上に整列させて形成されている。
【0022】
第1発光装置11及び第2発光装置12は、一例として、青色の光を照射する第1発光素子21、第2発光素子22がそれぞれ使用されている。なお、ここでの青色の光は、その発光ピーク波長が430nm~494nmの範囲内にある光をいうものとする。
ここで、第1発光装置11から出射する第1の光L1の第1波長(発光ピーク波長)と、第2発光素子22から出射する第3の光L3の第3波長(発光ピーク波長)とは、同じ波長であることが好ましい。なお、ここでの同じ波長とは、発光ピーク波長の波長差が20nm以下であることとする。また、第1波長と第3波長の発光ピーク波長の波長差は、1nm~60nmの範囲であってもよい。青色の光を発する発光素子として、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNを用いることができる。
【0023】
第1発光装置11及び第2発光装置12は、一例として、第1半導体レーザ素子を用いるとして説明したが、LED、有機EL、発光素子等が採用されてもよい。例えば、発光素子は、その発光ピーク波長が365nm~494nmの範囲内にある光を採用することができる。なお、この範囲外のピーク波長を有する光を採用してもよい。また、可視光の波長範囲に限らなくてもよい。例えば、紫外光の波長範囲にピーク波長を有する光であってもよい。また、第1発光装置11及び第2発光装置12は、青色以外の色の光を出射するものであってもよい。第1発光装置11及び第2発光装置12は、ここでは、全ての第1発光素子21及び全ての第2発光素子22が、同じ色の光である青色の光を出射するように構成されている。
【0024】
また、第1の光L1と第3の光L3の発光スペクトルにおける最大の発光ピークの半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)は、0.1nm~10nmの範囲内であることが好ましい。発光スペクトルにおける最大の発光ピークの半値全幅は、発光スペクトルにおける最大の発光ピークの最大値の50%の値を示す発光スペクトルの波長幅をいう。第1の光L1と第3の光L3の発光スペクトルにおける最大の発光ピークの半値全幅は同じであることが好ましい。なお、ここでの半値全幅が同じとは、半値全幅の差が5nm以下であることとする。また、第1の光L1と第3の光L3の半値全幅の差は、0.1nm~10nmの範囲であってもよい。
【0025】
(第1集光レンズ、第2集光レンズ)
第1集光レンズ31及び第2集光レンズ32は、入射する光を集光して出射するものである。第1集光レンズ31及び第2集光レンズ32は、一例として、平凸レンズが単レンズとして用いられている。第1集光レンズ31及び第2集光レンズ32は、複合レンズであっても構わない。第1集光レンズ31は、ここでは入射する第1の光L1を集光して集光光を出射する。また、第2集光レンズ32は、ここでは入射する第3の光L3を集光して集光光を出射する。
【0026】
(第1波長変換部材、第2波長変換部材)
第1波長変換部材41は、第1波長と異なる第2波長に発光ピークを有する第2の光L2を出射するものである。第1波長変換部材41は、ここでは入射する第1の光L1の一部を第2の光L2へと変換して出射する。第2の光L2は所定の波長範囲の光であり、青色以外の色の光である。
第2波長変換部材42は、第3波長及び第2波長と異なる第4波長に発光ピークを有する第4の光L4を出射するものである。第2波長変換部材42は、ここでは入射する第3の光L3の一部を第4の光L4へと変換して出射する。第4の光L4は所定の波長範囲の光であり、青色以外の色の光である。
【0027】
第1波長変換部材41及び第2波長変換部材42は、蛍光体ホイール40に設けられている。蛍光体ホイール40は、第1波長変換部材41及び第2波長変換部材42が円環帯状に形成された円板401と、円板401を回転自在に支持する支持体402と、円板401を回転させる回転駆動部403と、を備えている。
【0028】
円板401は、透光性部材を円板状に形成したものが使用されている。この円板401の材料としては、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂等の樹脂材料や、ガラス、サファイア等の透光性を有する材料を用いることができる。
【0029】
回転駆動部403は、円板401を回転させる駆動モータを用いることができる。回転駆動部403には、例えば、DCモータ、ACモータを用いることができ、DCブラシレスモータが好ましい。
【0030】
第1波長変換部材41は、円板401の外縁側に円環帯状に設けられており、波長を変換する蛍光体等が塗布されている。蛍光体は、例えば、YAGやLAG等のガーネット系蛍光体を採用することができる。なお、その他の蛍光体を用いることもできる。蛍光体は、複数の種類の蛍光体を組み合わせて用いてもよい。また更に、第1波長変換部材41には、フィラーが塗布されていてもよい。
【0031】
第2波長変換部材42は、第1波長変換部材41に隣り合うように近接して第1波長変換部材41の内側に円環帯状に設けられている。第2波長変換部材42は、波長を変換する蛍光体や量子ドット等が円板401に設けられている。蛍光体は、例えば、YAGやLAG等のガーネット系蛍光体を採用することができる。
なお、第2波長変換部材42の内側となる円板401の部分は、透光性の材料の部分で光を透過することができるようにここでは形成されている。
【0032】
(第1レンズ、第2レンズ)
第1レンズ51及び第2レンズ52は、入射する光を平行光にして出射するものである。第1レンズ51及び第2レンズ52は、光を受け取るレシーバレンズであり、受け取った光を平行光にするコリメートレンズである。第1レンズ51及び第2レンズ52は、例えば、2つの大きさの異なるレンズの光軸を揃えて、それぞれ第1レンズホルダ451、第2レンズホルダ452により支持されている。第1レンズ51及び第2レンズ52は、ここでは、複数のレンズとして説明したが受け取った光を平行光として出射することができれば単レンズでも構わない。第1レンズ51は、ここでは入射する第2の光L2を平行光として出射する。第2レンズ52は、ここでは入射する第4の光L4を平行光として出射する。
【0033】
(第1分光部材、第2分光部材)
第1分光部材61は、特定の波長範囲の光を反射し、また、この特定の波長範囲の光の一部を透過するものである。第1分光部材61は、例えば、第1面61aに入射する光の50%以上を第1面61aにおいて反射し、かつ、第1面61aに入射する残りの光を透過するものである。この第1分光部材61は、一例としてダイクロイックミラーが用いられる。第1分光部材61は、ここでは第1面61aで第2の光L2を50%以上反射する。
第2分光部材62は、一方の面において特定の波長範囲の光を反射し、また、この特定の波長範囲の光の一部を透過するものである。更に、第2分光部材62は、他方の面において特定の波長範囲の光を透過し、また、この特定の波長範囲の光の一部を反射するものである。第2分光部材62は、例えば、第1面62aに入射する光を第1面62aにおいて50%以上反射し、かつ、第1面62aに入射する残りの光を透過するものである。更に、第2分光部材62は、例えば、第2面62bに入射する光の一部を第2面62bにおいて反射し、かつ、第2面62bに入射する光を50%以上透過するものである。この第2分光部材62は、一例としてダイクロイックミラーが用いられる。なお、第2分光部材62は、ここでは第1面62aで第4の光L4を50%以上反射し、第2面62bで第2の光L2を50%以上透過する。
【0034】
(第1光検出ユニット、第2光検出ユニット)
第1光検出ユニット71は、第1フィルタ711と、第1光検出器721とを備えている。そして、第1フィルタ711は、例えば、バンドパスフィルタを用いることができる。第1フィルタ711は、所定の波長範囲の光をカットすると共に、所定の波長範囲の光を透過する。
第2光検出ユニット72は、第2フィルタ712と、第2光検出器722とを備えている。そして、第2フィルタ712は、例えば、バンドパスフィルタを用いることができる。第2フィルタ712は、所定の波長範囲の光をカットすると共に、所定の波長範囲の光を透過する。
【0035】
第1光検出器721及び第2光検出器722は、第1フィルタ711及び第2フィルタ712を透過した光の強度を検出する。第1光検出器721及び第2光検出器722は、例えば、受光素子を用いることができる。受光素子としては、フォトダイオードが一例として挙げられる。第1光検出器721は、ここでは入射する第2の光L2を検出する。第2光検出器722は、ここでは入射する第4の光L4を検出する。
【0036】
(第3モジュールユニット)
次に、第3モジュールユニット103について説明する。なお、第1モジュールユニット101及び第2モジュールユニット102と同じ構成については適宜説明を省略する。
【0037】
第3モジュールユニット103は、第3発光ユニット123と、第3分光部材63と、を備えている。また、第3モジュールユニット103は、第3光検出ユニット73を更に備えている。また、第3モジュールユニット103は、第3レンズ53を更に備えている。
第3発光ユニット123は、第5波長に発光ピークを有する第5の光L5を出射する発光ユニットである。第3発光ユニット123は、第5の光L5を出射する第5発光部材を有している。
図示される発光モジュール100の例では、第5発光部材は第3発光装置13である。また、第3発光ユニット123は、第3発光装置13と、第3集光レンズ33と、拡散部材43と、を備えている。
【0038】
(第3発光装置)
第3発光装置13は、第5波長に発光ピークを有する第5の光L5を出射するものである。第5の光L5の発光ピーク波長は、第1の光L1の発光ピーク波長と異なる。また、第5の光L5の発光ピーク波長は、第3の光3の発光ピーク波長と異なる。第5の光L5は所定の波長範囲の光であり、例えば紫色の光である。第3発光装置13は、一例として、紫色の光を照射する第3発光素子23が使用されている。なお、ここでの紫色の光は、その発光ピーク波長が380nm~430nmの範囲内にある光をいうものとする。第3発光装置13は、ここでは、全ての第3発光素子23が、同じ色の光である紫色の光を出射するように構成されている。紫色の光を発する発光素子として、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNを用いることができる。なお、第3発光装置13は、紫色以外の色の光を出射するものであってもよい。
この第3発光装置13は、その他の構成、すなわち、発光素子の数や配置、基板等のその他の構成は、第1発光装置11及び第2発光装置12と同等である。
【0039】
(第3集光レンズ)
第3集光レンズ33は、入射する光を集光して出射するものである。第3集光レンズ33は、一例として、平凸レンズが単レンズとして用いられている。第3集光レンズ33は、複合レンズであっても構わない。第3集光レンズ33は、ここでは入射する第5の光L5を集光して集光光を出射する。
【0040】
(拡散部材)
拡散部材43は、入射する光を拡散させて出射するものである。拡散部材43は、透明材料、例えば、ガラス又は樹脂材料からなり、入射する光を拡散させて透過するように形成されている。すなわち、拡散部材43は、例えば、光を拡散させる構造として、拡散部材43の一方又は両方の表面には微細な凹凸やレンズを設けたり、拡散部材43中に屈折率の異なる材料を分散させることで光を拡散するように形成されている。拡散部材43は、入射する第5の光L5を拡散して拡散光を出射する。
拡散部材43は、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、これらを混合した樹脂、或いは、ガラス等の透光性材料を母材として、母材にSiOやTiO等の白色の無機微粒子を含有させたものを用いることができる。また、拡散材には、光反射性部材である白色系の樹脂や金属を微粒子状に加工したものを使用することもできる。これらの拡散材は、母材の内部に不規則に含有されることで、拡散部材43の内部を通過する光を不規則に、かつ繰り返し反射させて、透過光を多方向に拡散する。これにより、照射光が局部的に集中するのを抑制して、輝度ムラを低減することができる。拡散部材43の形状は、入射する光を受け取ることができ拡散光を出射できる形状であればよく、好ましくは矩形状或いは円板状である。
【0041】
(第3レンズ)
第3レンズ53は、入射する光を平行光にして出射するものである。第3レンズ53は、第3レンズホルダ453に光軸を揃えて支持されている。第3レンズ53は、第1レンズ51及び第2レンズ52と同等の構成、機能を備えている。第3レンズ53は、ここでは入射する第5の光L5を平行光として出射する。
【0042】
(第3分光部材)
第3分光部材63は、一方の面において特定の波長範囲の光を反射し、また、この特定の波長範囲の光の一部を透過するものである。更に、第3分光部材63は、他方の面において特定の波長範囲の光を透過し、また、この特定の波長範囲の光の一部を反射するものである。第3分光部材63は、例えば、第1面63aに入射する光を第1面63aにおいて80%以上反射し、かつ、第1面63aに入射する残りの光を透過するものである。更に、第3分光部材63は、例えば、第2面63bに入射する光の一部を第2面63bにおいて反射し、かつ、第2面63bに入射する光を80%以上透過するものである。なお、第1面63aでは、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の反射率を有する。第3分光部材63の第1面63aは、言い換えると、所定の波長範囲の光に対して20%未満、10%未満、或いは、5%未満の透過率を有するともいえる。また、第2面63bでは、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の透過率を有する。第3分光部材63の第2面63bは、言い換えると、所定の波長範囲の光に対して20%未満、10%未満、或いは、5%未満の反射率を有するともいえる。第3分光部材63は、一例としてダイクロイックミラーが用いられる。第3分光部材63は、ここでは第1面63aで第5の光L5を80%以上反射し、第2面63bで第2の光L2及び第4の光L4を90%以上透過する。
【0043】
(第3光検出ユニット)
第3光検出ユニット73は、第3フィルタ713と、第3光検出器723とを備えている。そして、第3フィルタ713は、例えば、バンドパスフィルタを用いることができる。第3フィルタ713は、所定の波長範囲の光をカットすると共に、所定の波長範囲の光を透過する。第3フィルタ713は、ここでは入射する第3の光L3及び第4の光L4をカットすると共に、入射する第5の光L5を透過する。なお、第3フィルタ713は、第1の光L1及び第2の光L2をカットできてもよい。
第3光検出器723は、第3フィルタ713を透過した光の強度を検出する。第3光検出器723は、ここでは入射する第5の光L5を検出する。
第3光検出器723は、第1光検出器721及び第2光検出器722と同等の構成、機能を備えている。
【0044】
(カットフィルタ)
カットフィルタ6は、入射する光のうち所定の波長範囲の光をカットするものである。なお、ここでの光をカットするとは、入射する光をそのまま通過させないことであり、光を反射することや吸収することは、光をカットすることに含まれる。カットフィルタ6は、第1の光L1の波長範囲、及び、第3の光L3の波長範囲にある光をカットする。所定の波長範囲の光は、例えば、青色光である。カットフィルタ6は、入射する光のうち青色光が含まれる場合に、この青色光をカットする。カットフィルタ6は、ここでは入射する第1の光L1及び第3の光L3をカットすると共に、入射する第2の光L2、第4の光L4及び第5の光L5を透過する。
カットフィルタ6は、カットフィルタ6に入射する第2の光L2及び第4の光を70%以上透過する。例えば、カットフィルタ6は、青色光以外の光を70%以上透過することができる。なお、カットフィルタ6は、青色光以外の光に対して、70%以上、好ましくは80%以上の透過率を有することができる。言い換えると、青色光以外の光に対して30%未満、或いは、20%未満の反射率を有するともいえる。
【0045】
カットフィルタ6の形状は、入射する光を受け取ることができ、出射面6bから出射できる形状であればよく、好ましくは矩形状或いは円板状である。カットフィルタ6の大きさは特に限定されるものではないが、入射面6a及び出射面6bの面積が筐体9の光取出口8の面積よりも大きいほうが好ましい。これにより、カットしたい光がカットフィルタ6を避けて光取出口8から出射されることを防ぐことができる。
カットフィルタ6としては、例えば、所定の波長範囲の光を反射する反射フィルタを用いることができる。反射フィルタは、例えばダイクロイックミラーである。
ダイクロイックミラーとしては、例えば、屈折率が異なる材質を複数層配置した誘電体多層膜を用いることができる。ダイクロイックミラーの材質としては、必要な光透過率を下げないため、透明材質が好ましい。また、耐光性、耐熱性が高い無機材質が好ましい。具体的には、SiO、TiO、Nb、MgF、ZrO、Ta、Ti、TiO、Al等が挙げられる。
【0046】
次に、発光モジュールの構成について説明する。
(発光モジュール)
発光モジュール100の筐体9の配置領域には、1又は複数のモジュールユニット10が配置される。図示される発光モジュール100の例では、第1モジュールユニット101、第2モジュールユニット102、第3モジュールユニット103が配置されている。
また、筐体9の配置領域である上面の1つには、ヒートシンク20が配置される。ヒートシンク20の実装面には、熱源である発光装置が実装される。図示される発光モジュール100の例では、第1発光装置11、第2発光装置12、第3発光装置13が実装面に実装され、これらの発光装置から発生する熱は、発光モジュール100の外部へと排熱される。なお、これらの発光装置は、基板側をヒートシンク20に当接させて設置されている。
【0047】
発光ユニット120は、ヒートシンク20とは反対側に光を出射する。筐体9の配置領域において、モジュールユニット10は、発光ユニット120、分光部材60、光検出ユニット70の順に、ヒートシンク20から遠ざかる位置に配置される。
また、筐体9において、複数のモジュールユニット10は、一方向に並んで配置される。また、複数のモジュールユニット10の各発光装置が、ヒートシンク20の実装面に実装される。複数の発光ユニット120のそれぞれから出射される光の中心軸が平行となるように、各発光ユニット120は配置される。
【0048】
また、モジュールユニット10における分光部材60は、発光ユニット120から中心軸を進む光が分光部材60によって反射されたときに、反射光が光取出口8へと向かうように、分光部材60の第1面の角度を調整して配置される。
また、モジュールユニット10における光検出ユニット70は、発光ユニット120から出射された光の進行方向上、つまり、分光部材60に入射するまでの光の進行方向上に配置される。なお、光検出ユニット70は、その一部あるいは全部が、筐体9の外側に配置されてもよい。例えば、第1光検出ユニット71の第1フィルタ711を筐体9の内側に、第1光検出器721を筐体9の外側に配置してもよい。光検出ユニット70の一部が筐体9の内側に配置され、他の一部が筐体9の外側に配置される場合、筐体9の外側に光を通す貫通孔或いは光路が形成される。また、光検出ユニット70は、筐体9の外側に配置され、貫通孔を通った光を検出するようにしてもよい。
【0049】
筐体9において、ヒートシンク20を設置する領域と、各モジュールユニット10及び分光部材60を設置する領域と、各光検出ユニットを設置する領域とは、区画されることが好ましい。これらの領域が区画されるとは、上面視で、その領域に配置される対象となる構成要素を全て包含する最小の矩形で各領域を定義したときに、各領域が重ならないということである。
【0050】
また、筐体9の配置領域には、カットフィルタ6が配置される。カットフィルタ6は、入射面6aが、光取出口8と平行になるように配置される。また、出射面6bが光取出口8の方を向くように配置される。
【0051】
次に、図3を参照し、図示される発光モジュール100の例に基づいて、発光モジュールが正常に動作している状態について説明する。
(発光モジュールの動作)
発光モジュール100は、第1モジュールユニット101、第2モジュールユニット102、第3モジュールユニット103を作動させて、第2の光L2、第4の光L4、第5の光L5を単独で又は混合して筐体9の光取出口8から外部に出力することができる。
【0052】
<第1モジュールユニットの動作>
第1モジュールユニット101は、第1発光装置11の第1発光素子21から第1の光L1が照射される。第1発光装置11から照射された第1の光L1は、第1集光レンズ31に照射される。
【0053】
そして、第1集光レンズ31は、第1の光L1を集光して蛍光体ホイール40の第1波長変換部材41の領域に集光光として出射する。第1モジュールユニット101は、蛍光体ホイール40を有している。なお、第1モジュールユニット101及び第2モジュールユニット102は、1の蛍光体ホイール40を共有している。蛍光体ホイール40は、第1波長変換部材41を有している。蛍光体ホイール40は、第1モジュールユニット101が、第1発光装置11からの光を波長変換領域へと入射させるように配置されている。つまり、ここでは、第1集光レンズ31を介して第1波長変換部材41に集光光を入射させるように配置されている。蛍光体ホイール40は、一定の速度で回転しているので、集光光が高出力のレーザ光であっても第1波長変換部材41は、回転する円環帯状の所定領域で集光光を受けて波長変換することができる。そのため、第1波長変換部材41は、一点に集中して入射する構成と比較して劣化しにくく、また、発光効率が高い。
【0054】
第1波長変換部材41で波長変換された第2の光L2は、第1レンズ51に向かって出射される。なお、第1波長変換部材41では、第1の光L1を第2の光L2に波長変換する。また、波長変換されなかった第1の光L1は、第1レンズ51、第1分光部材61を透過して、第1フィルタ711でカットされる。
【0055】
第1波長変換部材で波長を変換された第2の光L2は、第1レンズ51により平行光として第1分光部材61に向かって第1レンズ51から出射する。
【0056】
第1分光部材61は、第1の光L1及び第2の光L2が入射され、第2の光L2を第1方向へと出射させ、かつ、第1の光L1を第1方向と異なる方向(第2方向)へと出射させる。第1方向に進む光は、光取出口8に到達する。つまり、第1方向は、第1分光部材61から光取出口8に向かう方向ということができる。また、第2方向に進む光は、第1光検出ユニット71に到達する。つまり、第2方向は、第1分光部材61から第1光検出ユニット71に向かう方向ということができる。第1分光部材61は、ここでは、第1レンズ51からの第2の光L2が、送られてきた方向に対して90度方向を変えて第2分光部材62に向かって反射するように配置されている。第1方向と第2方向は、互いに垂直関係にある。
【0057】
第1分光部材61は、第1レンズ51から平行光として送られてきた第2の光L2を50%以上反射する。第1分光部材61で透過した第1の光L1及び第2の光L2は、第1光検出ユニット71に送られる。
【0058】
第1分光部材61を透過した第2の光L2は、第1光検出ユニット71によって検出される。第1フィルタ711は、入射する第1の光L1をカットすると共に、入射する第2の光L2を透過する。これにより、第1光検出器721において、第2の光L2のみを検出することができる。第2の光L2は、第1モジュールユニット101から出射され、光取出口8から出射される光であるため、第1光検出ユニット71による検出結果から、光取出口8から出射される第2の光L2の強度を算出することができる。また、この算出結果に基づいて第1発光装置11による光の出力を調整することで、第2の光L2の出力を調整することができる。
【0059】
<第2モジュールユニットの動作>
第2モジュールユニット102は、第2発光装置12の第2発光素子22から第3の光L3が照射される。第2発光装置12から照射された第3の光L3は第2集光レンズ32に照射される。
【0060】
そして、第2集光レンズ32は、第3の光L3を集光して蛍光体ホイール40の第2波長変換部材42の領域に集光光として出射する。第2モジュールユニット102は、蛍光体ホイール40を有している。蛍光体ホイール40は、第2波長変換部材42を有している。蛍光体ホイール40は、第2モジュールユニット102が、第2発光装置12からの光を波長変換領域へと入射させるように配置されている。つまり、ここでは、第2集光レンズ32を介して第2波長変換部材42に集光光を入射させるように配置されている。蛍光体ホイール40は、一定の速度で回転しているので、集光光が高出力のレーザ光であっても第2波長変換部材42は、回転する円環帯状の所定領域で集光光を受けて波長変換することができる。そのため、第2波長変換部材42は、一点に集中して入射する構成と比較して劣化しにくい。
【0061】
第2波長変換部材42で波長変換された第4の光L4は、第2レンズ52に向かって出射される。なお、第2波長変換部材42では、第3の光L3を第4の光L4に波長変換する。また、波長変換されなかった第3の光L3は、第2レンズ52、第2分光部材62を透過して、第2フィルタ712でカットされる。
【0062】
第2波長変換部材42で波長を変換された第4の光L4は、第2レンズ52により平行光として第2分光部材62に向かって第2レンズ52から出射する。
【0063】
第2分光部材62は、第3の光L3及び第4の光L4が入射され、第4の光L4を第1方向へと出射させ、かつ、第3の光L3を第1方向と異なる方向(第3方向)へと出射させる。第1方向は、第2分光部材62から光取出口8に向かう方向ということもできる。また、第3方向に進む光は、第2光検出ユニット72に到達する。つまり、第3方向は、第2分光部材62から第2光検出ユニット72に向かう方向ということができる。第2分光部材62は、ここでは、第2レンズ52からの第4の光L4が、送られてきた方向に対して90度方向を変えて第3分光部材63に向かって反射するように配置されている。第1方向と第3方向は、互いに垂直関係にあり、第2方向と第3方向は互いに平行関係にある。つまり、第2方向と、第3方向は同じ方向である。
【0064】
第2分光部材62は、第2レンズ52から平行光として送られてきた第4の光L4を50%以上反射する。第2分光部材62で透過した第3の光L3及び第4の光L4は、第2光検出ユニット72に送られる。
【0065】
第2分光部材62を透過した第4の光L4は、第2光検出ユニット72によって検出される。第2フィルタ712は、入射する第3の光L3をカットすると共に、入射する第4の光L4を透過する。これにより、第2光検出器722において、第4の光L4のみを検出することができる。第4の光L4は、第2モジュールユニット102から出射され、光取出口8から出射される光であるため、第2光検出ユニット72による検出結果から、光取出口8から出射される第4の光L4の強度を算出することができる。また、この算出結果に基づいて第2発光装置12による光の出力を調整することで、第4の光L4の出力を調整することができる。
【0066】
<第2モジュールユニットにおける、第1モジュールユニット及び第2モジュールユニットの光の動作>
第2モジュールユニット102では、第2分光部材62は、第1モジュールユニット101の第1分光部材61から直進してくる第2の光L2の向きを変えることなく第3分光部材63に向かって透過させるように配置されている。第2分光部材62は、第1分光部材61により反射され第2分光部材62へと入射する第2の光L2を50%以上透過する。また、第1分光部材61の反射光と、第2分光部材62の反射光は、光が同一の光路を通ることで混合される。第2分光部材62で透過した第3の光L3及び第4の光L4と、第2分光部材62で反射された第2の光L2とは、第2光検出ユニット72に送られる。第2フィルタ712は、入射する第2の光L2及び第3の光L3をカットすると共に、入射する第4の光L4を透過する。これにより、第2光検出器722において、第4の光L4のみを検出することができる。
【0067】
<第3モジュールユニットの動作>
第3モジュールユニット103は、第3発光装置13の第3発光素子23から第5の光L5が照射される。第3発光装置13から照射された第5の光L5は、第3集光レンズ33に照射される。
そして、第1集光レンズ31は、第5の光L5を集光して拡散部材43の中央に集光光(第5の光L5)として出射する。集光光が入射した拡散部材43は、光が通過する際に光を拡散させて拡散光として第3レンズ53に向けて出射する。
【0068】
拡散部材43で拡散された第5の光L5は、第3レンズ53により平行光として第3分光部材63に向かって第3レンズ53から出射する。なお、第5の光L5は、平行光の一部が第3分光部材63を透過して第3光検出ユニット73に送られる。
【0069】
第3分光部材63は、第5の光L5が入射され、第5の光L5を第1方向へと出射させる。なお、第3分光部材63は、透過した第5の光L5を第1方向と異なる方向(第4方向)へと出射させる。第1方向は、第3分光部材63から光取出口8に向かう方向ということもできる。また、第4方向に進む光は、第3光検出ユニット73に到達する。つまり、第4方向は、第3分光部材63から第3光検出ユニット73に向かう方向ということができる。第3分光部材63は、ここでは、第3レンズ53からの第5の光L5が、送られてきた方向に対して90度方向を変えて光取出口8に向かって反射するように配置されている。第1方向と第4方向は、互いに垂直関係にあり、第2方向と第3方向と第4方向は互いに平行関係にある。つまり、第2方向と、第3方向と、第4方向は同じ方向である。
【0070】
第3分光部材63は、第3レンズ53から平行光として送られてきた第5の光L5を80%以上反射する。第3分光部材63で透過した第5の光L5は、第3光検出ユニット73に送られる。
【0071】
第3分光部材63を透過した第5の光L5は、第3光検出ユニット73によって検出される。第3フィルタ713は、入射する第5の光L5を透過する。これにより、第3光検出器723において、第5の光L5のみを検出することができる。第5の光L5は、第3モジュールユニット103から出射され、光取出口8から出射される光であるため、第3光検出ユニット73による検出結果から、光取出口8から出射される第5の光L5の強度を算出することができる。また、この算出結果に基づいて第3発光装置13による光の出力を調整することで、第5の光L5の出力を調整することができる。
【0072】
<第3モジュールユニットにおける、第1モジュールユニット及び第3モジュールユニットの光の動作>
第3モジュールユニット103では、第3分光部材63は、第1モジュールユニット101の第1分光部材61から直進してくる第2の光L2の向きを変えることなく光取出口8に向かって透過させるように配置されている。第3分光部材63は、第1分光部材61により反射され、第2分光部材62の第2面62bを透過して第3分光部材63へと入射する第2の光L2を80%以上透過する。また、第1分光部材61の反射光と、第3分光部材63の反射光は、光が同一の光路を通ることで混合される。第3分光部材63で透過した第5の光L5と、第3分光部材63で反射された第2の光L2とは、第3光検出ユニット73に送られる。第3フィルタ713は、入射する第2の光L2をカットすると共に、入射する第5の光L5を透過する。これにより、第3光検出器723において、第5の光L5のみを検出することができる。
【0073】
<第3モジュールユニットにおける、第2モジュールユニット及び第3モジュールユニットの光の動作>
第3モジュールユニット103では、第3分光部材63は、第2モジュールユニット102の第2分光部材62から直進してくる第4の光L4の向きを変えることなく光取出口8に向かって透過させるように配置されている。第3分光部材63は、第2分光部材62の第1面62aで反射され第3分光部材63へと入射する第4の光L4を80%以上透過する。また、第2分光部材62の反射光と、第3分光部材63の反射光は、光が同一の光路を通ることで混合される。第3分光部材63で透過した第5の光L5と、第3分光部材63で反射された第4の光L4とは、第3光検出ユニット73に送られる。第3フィルタ713は、入射する第4の光L4をカットすると共に、入射する第5の光L5を透過する。これにより、第3光検出器723において、第5の光L5のみを検出することができる。
【0074】
<第3モジュールユニットにおける、第1モジュールユニット、第2モジュールユニット及び第3モジュールユニットの光の動作>
第3モジュールユニット103では、第3分光部材63は、第1モジュールユニット101の第1分光部材61から直進してくる第2の光L2、及び、第2モジュールユニット102の第2分光部材62から直進してくる第4の光L4の向きを変えることなく光取出口8に向かって透過させる。また、第3分光部材63は、第3モジュールユニット103の第3レンズ53から出射された第5の光L5を光取出口8に向かって出射させる。これにより、第2の光と第4の光L4と第5の光が合成される。
そして、第2の光L2、第4の光L4、及び、第5の光L5が同一の光路を通ることで混合された光が、カットフィルタ6を通過して、光取出口8から筐体9の外部に出力される。
【0075】
次に、図4を参照し、図示される発光モジュール100の例に基づいて、発光モジュールの第1分光部材に異常が生じた場合の動作について説明する。
前記した通り、第1モジュールユニット101では、第1分光部材61は、第1の光L1を透過させる。そのため、第1の光L1は、通常は光取出口8から外部へ出射されることはない。しかし、第1分光部材61に不具合が生じた場合、第1分光部材61により第1の光L1が反射され、光取出口8の方向に第1の光L1が進行する場合がある。このように、光取出口8の方向に第1の光L1、すなわち青色光が進行した場合、カットフィルタ6により青色光がカットされる。このように、第1分光部材61に不具合が生じた場合でも、発光モジュール100は、カットフィルタ6により所定の波長範囲の光をカットすることができるため、所定の波長範囲の光、ここでは青色光が外部へ出力されることを防止できる。そのため、発光モジュール100は、安全面や品質面での信頼性が向上する。
【0076】
なお、第2モジュールユニット102の第2分光部材62も同様に、第3の光L3を透過させるため、第3の光L3は、通常は光取出口8から外部へ出射されることはない。しかし、第2分光部材62に不具合が生じた場合、第2分光部材62により第3の光L3が反射され、光取出口8の方向に第3の光L3が進行する場合がある。このように、第2分光部材62に不具合が生じた場合でも、光取出口8の方向に第3の光L3、すなわち青色光が進行した場合、カットフィルタ6により青色光がカットされる。
【0077】
カットフィルタ6は、第3分光部材63を反射及び透過して入射した光のうち、青色光が含まれる場合に、この青色光をカットする。また、カットフィルタ6は、第3分光部材63で反射された第5の光L5を80%以上透過する。また、カットフィルタ6は、第3分光部材63を透過した第2波長或いは第3波長に発光ピークを有する第2の光L2及び第4の光L4を80%以上透過する。
カットフィルタ6は、第3分光部材63から、光取出口8の方向である第1方向へと出射された第5の光L5が発光モジュール100の外部へと出射されるまで、の光路上に配置されている。カットフィルタ6は、ここでは、第3分光部材63と光取出口8との間において、カットフィルタ6の入射面6aが第3分光部材63を反射或いは透過して送られてきた光の方向に対して90度となるように配置されている。また、カットフィルタ6は、光取出口8を塞ぐように光取出口8と対向して配置されている。
【0078】
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態に係る発光モジュールの例示的な一形態である発光モジュール100Aの内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュールに異常が生じた場合の光の経路を説明するための平面図である。
発光モジュール100Aは、反射フィルタであるカットフィルタ6で反射される光を検出する異常光検出器7を備える。また、カットフィルタ6は、ここでは、第3分光部材63を反射或いは透過して送られてきた光の方向に対して90度方向を変えて、所定の波長範囲の光を異常光検出器7に向かって反射するように配置されている。その他の構成については第1実施形態と同等であるためその他の構成の説明を省略する。
【0079】
異常光検出器7は、カットフィルタ6が反射した第1の光L1及び第3の光L3のうちの一方又は両方を検出するものである。つまり、異常光検出器7は、発光モジュール100Aが異常な動作を行っていた場合に、異常に起因する光を検出する。これにより、発光モジュール100Aが異常な動作を行っていることを検知し、発光モジュール100Aの故障の早期発見に役立てることができる。ここで、発光モジュール100Aが異常な動作を行っていた場合に、異常に起因して異常光検出器7へと進む光を異常光と呼ぶものとする。異常光検出器7は、発光モジュール100Aが正常に動作している状態よりも、異常な動作を行っている状態の方が、より多くの光量の異常光を検出する。ここでは、一例として、異常光検出器7が異常検知のために検出する異常光を第1の光L1としている。また、異常光検出器7が異常検知のために検出する異常光を第3の光L3としている。異常光検出器7は、カットフィルタ6が反射した光の強度を検出する。異常光検出器7による検出結果から、第1分光部材61及び第2分光部材62のうちの一方又は両方の異常を検知することができる。
【0080】
なお、発光モジュール100Aは、第1発光装置11及び第2発光装置12から出射された青色光と、第1波長変換部材41及び第2波長変換部材42で波長変換された光の一部とが、第1分光部材61及び第2分光部材62を透過する。しかし、第1光検出器721及び第2光検出器722では、精密に波長変換された光の発光量を検出したいため、第1分光部材61及び第2分光部材62を透過した青色光は、第1フィルタ711及び第2フィルタ712によってカットされる。そのため、第1分光部材61或いは第2分光部材62に不具合が生じ、青色光が第1分光部材61及び第2分光部材62を透過せずに反射された場合でも、第1光検出器721及び第2光検出器722では、異常を検知することができない。しかしながら、異常光検出器7を設けることで、上記の異常が生じた場合に、すぐに異常を検知することができる。
【0081】
<第3実施形態>
図6は、第3実施形態に係る発光モジュールの例示的な一形態である発光モジュール100Bの内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュールに異常が生じた場合の光の経路を説明するための平面図である。
発光モジュール100Bは、カットフィルタとして、所定の波長範囲の光を吸収する吸収フィルタ6Aを用いている。その他の構成については第1実施形態と同等であるためその他の構成の説明を省略する。
カットフィルタとして吸収フィルタ6Aを用いることで、反射によって光をカットする代わりに吸収によって光をカットすることができる。そのため、反射光が筐体9内を進み、筐体9内の構成要素に悪影響を与えるといった危険性を低減することができる。吸収フィルタ6Aとしてのカットフィルタは、青色光を反射する代わりに吸収する。これにより、筐体9内の構成要素に対する青色光の影響が低減される。
吸収フィルタ6Aとしては、例えば、発光ピーク波長が430nm~494nmの範囲内の光を吸収し、その他の波長の光を透過させるノッチフィルタ等を用いることができる。
【0082】
<第4実施形態>
図7は、第4実施形態に係る発光モジュールの例示的な一形態である発光モジュール100Cの内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュールに異常が生じた場合の光の経路を説明するための平面図である。
発光モジュール100Cは、カットフィルタ6が、第2分光部材62と第3分光部材63との間に配置されている。その他の構成については第1実施形態と同等であるためその他の構成の説明を省略する。なお、ここでは、一例として、カットフィルタ6は、第1の光L1及び第3の光L3を反射している。
発光モジュール100Cは、カットフィルタ6が、第2分光部材62と第3分光部材63との間に配置されているため、第2分光部材62を透過した第1の光L1及び第2分光部材62で反射した第3の光L3を、第3分光部材63に進行する前にカットすることができる。例えば、光取出口8から出射させる第5の光L5の波長範囲が、第1の光L1及び第3の光L3と重複するような場合、カットフィルタ6を第3分光部材63と光取出口8の間に設けると、カットフィルタ6が第5の光L5の一部をカットしてしまうことが考えられる。そこで、発光モジュール100Cでは、第3分光部材よりも手前の光路で第1の光L1及び第3の光L3をカットできるようにカットフィルタ6を配置している。これにより、第5の光L5の波長範囲が、第1の光L1及び第3の光L3と重複する場合であっても、カットフィルタ6によって第5の光がカットされないようにできる。
なお、ここでは、カットフィルタ6として、反射フィルタを用いているが、吸収フィルタを用いてもよい。また、異常光検出器を備えるものであってもよい。
【0083】
<第5実施形態>
図8は、第5実施形態に係る発光モジュールの例示的な一形態である発光モジュール100Dの内部の主な構成を模式的に示すと共に、発光モジュールに異常が生じた場合の光の経路を説明するための平面図である。
発光モジュール100Dは、カットフィルタ6が、第3分光部材63と筐体9の光取出口8との間に配置されている。また、発光モジュール100Dは、カットフィルタ6が、第2分光部材62と第3分光部材63との間に配置されている。その他の構成については第1実施形態と同等であるためその他の構成の説明を省略する。なお、ここでは、一例として、カットフィルタ6は、第1の光L1及び第3の光L3を反射している。
【0084】
第3分光部材63と光取出口8との間のカットフィルタ6は、第3分光部材63を反射及び透過して入射した光のうち、青色光が含まれる場合に、この青色光をカットする。また、第2分光部材62と第3分光部材63との間のカットフィルタ6は、第2分光部材62を反射及び透過して入射した光のうち、青色光が含まれる場合に、この青色光をカットする。
発光モジュール100Dは、第1分光部材61から、第1方向へと出射された光が発光モジュールの外部へと出射されるまでの光路上にカットフィルタ6が2重に配置されていることで、いずれかのカットフィルタ6に異常が生じた場合でも、光取出口8から青色光が出射することを防止できる。
なお、ここでは、カットフィルタ6として、反射フィルタを用いているが、吸収フィルタを用いてもよい。また、異常光検出器を備えるものであってもよい。
【0085】
以上説明したように、発光モジュールは、複数(ここでは3)のモジュールユニットからそれぞれ光を光取出口から単独で或いは混合して出力することができる。また、発光モジュールは、光取出口の方向に青色光が進行した場合に、カットフィルタにより青色光が外部へ出力されることを防止できる。
また、発光モジュールは、3つのモジュールユニットを有するものとしたが、モジュールユニットは1つであってもよく、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。これらに場合、各発光ユニットが出射する光の波長範囲は、発光モジュールの用途や目的に応じて適宜選択すればよい。
【0086】
例えば、発光モジュールが第1モジュールユニット101のみからなる場合、カットフィルタ6は、第1分光部材61から、第1方向へと出射された第2の光L2が発光モジュール100の外部へと出射されるまでの光路上に配置されていればよい。
また、例えば、発光モジュールが第1モジュールユニット101と、第3モジュールユニット103と、からなり、第3モジュールユニット103が光取出口8側に配置されている場合、カットフィルタ6は、第1分光部材61から、第1方向へと出射された第2の光L2が第3分光部材63へと入射するまで、の光路上に配置されていればよい。或いは、カットフィルタ6は、第3分光部材63から、第1方向へと出射された第5の光L5が発光モジュール100の外部へと出射されるまで、の光路上に配置されていればよい。
また、例えば、発光モジュールが第1モジュールユニット101と、第2モジュールユニット102とからなり、第2モジュールユニット102が光取出口8側に配置されている場合、カットフィルタ6は、第2分光部材62から、第1方向へと出射された第4の光L4が発光モジュール100の外部へと出射されるまで、の光路上に配置されていればよい。
その他、モジュールユニットの数や、発光ユニットから出射される光の波長範囲にかかわらず、カットフィルタ6は、所定の波長範囲の光、例えば青色光をカットすることができる位置に配置されていればよい。
【0087】
また、カットフィルタ6は、青色光をカットするものとしたが、青色以外の所定の波長範囲の光をカットするものであってもよい。また、カットフィルタ6の位置や枚数は、適宜調整すればよい。例えば、第2分光部材62から光取出口8までの光路上に配置されていることに加え、更に第1分光部材61と第2分光部材62との間に配置されていてもよい。
また、発光ユニットは、発光装置のみからなるものであってもよく、波長変換部材のみからなるものであってもよい。また、発光ユニットは、1つの発光部材から2種類の波長範囲の光を出射するものであってもよい。例えば、1つの発光装置から第1の光及び第2の光を出射するものであってもよく、1つの波長変換部材から第1の光及び第2の光を出射するものであってもよい。また、発光ユニットは、2つの発光装置からそれぞれ第1の光及び第2の光を出射するものであってもよく、2つの波長変換部材からそれぞれ第1の光及び第2の光を出射するものであってもよい。
【0088】
また、第3モジュールユニット103は、第3集光レンズ33及び第3レンズ53の位置が、第1モジュールユニット101の第1集光レンズ31及び第1レンズ51の位置、及び、第2モジュールユニット102の第2集光レンズ32及び第2レンズ52の位置と比較して、ヒートシンク20側に近づくように配置を異ならせてもよい。これは、第3モジュールユニット103では、拡散部材43を用い、第1モジュールユニット101及び第2モジュールユニット102では、第1波長変換部材41及び第2波長変換部材42を用いることにより光路に差が生じるためである。
【符号の説明】
【0089】
11 第1発光装置
12 第2発光装置
13 第3発光装置
21 第1発光素子(半導体発光素子)
22 第2発光素子(半導体発光素子)
23 第3発光素子(半導体発光素子)
31 第1集光レンズ
32 第2集光レンズ
33 第3集光レンズ
41 第1波長変換部材
42 第2波長変換部材
43 拡散部材
51 第1レンズ(コリメートレンズ)
52 第2レンズ(コリメートレンズ)
53 第3レンズ(コリメートレンズ)
451 第1レンズホルダ
452 第2レンズホルダ
453 第3レンズホルダ
60 分光部材(ダイクロイックミラー)
61 第1分光部材(ダイクロイックミラー)
62 第2分光部材(ダイクロイックミラー)
63 第3分光部材(ダイクロイックミラー)
70 光検出ユニット
71 第1光検出ユニット
711 第1フィルタ
721 第1光検出器
72 第2光検出ユニット
712 第2フィルタ
722 第2光検出器
73 第3光検出ユニット
713 第3フィルタ
723 第3光検出器
6 カットフィルタ
6A 吸収フィルタ(カットフィルタ)
7 異常光検出器
8 光取出口
9 筐体
10 モジュールユニット
101 第1モジュールユニット
102 第2モジュールユニット
103 第3モジュールユニット
120 発光ユニット
121 第1発光ユニット
122 第2発光ユニット
123 第3発光ユニット
140 発光部材
20 ヒートシンク
40 蛍光体ホイール
401 円板
402 支持体
403 回転駆動部
100、100A、100B、100C、100D 発光モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8