(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022056279
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20220401BHJP
F21V 14/02 20060101ALI20220401BHJP
F21V 11/16 20060101ALI20220401BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20220401BHJP
F21V 7/09 20060101ALI20220401BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220401BHJP
【FI】
F21S8/02 410
F21V14/02 200
F21V11/16
F21V7/00 510
F21V7/09 510
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169606
(22)【出願日】2020-10-07
(31)【優先権主張番号】P 2020162903
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】北原 和
(72)【発明者】
【氏名】有賀 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】今井 正裕
(57)【要約】
【課題】光の照射領域を制御可能であり、かつ、コンパクトな照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置10は、光源140と、光源の光が出射する方向に設けられ、凹状の曲面である第1反射面151aを有する第1反射部材150と、光源及び第1反射部材を保持する保持部材110と、保持部材が取り付けられ、保持部材を光源から第1反射面に向かう方向と交差する方向に延びる第1軸A1周りに回動可能である取付部材300と、を備える。第1軸は、光源と第1反射面との間に位置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光が出射する方向に設けられ、凹状の曲面である第1反射面を有する第1反射部材と、
前記光源及び前記第1反射部材を保持する保持部材と、
前記保持部材が取り付けられ、前記保持部材を前記光源から前記第1反射面に向かう方向と交差する方向に延びる第1軸周りに回動可能である取付部材と、
を備え、
前記第1軸は、前記光源と前記第1反射面との間に位置する照明装置。
【請求項2】
前記第1反射面の周縁は、前記光源に最も近い第1点と、前記光源から最も遠い第2点と、を含み、
第1方向は、前記第1点から前記第2点に向かう方向であり、
前記第1反射面は、前記光源から出射した光を、前記光源の前記第1方向に位置する領域に向けて反射し、
前記第1反射面の第1位置において反射された光の光路は、前記第1反射面の前記第1位置よりも前記第2点に近い第2位置において反射された光の光路と交差する請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記取付部材は、筒状であり、前記取付部材の内部には、前記保持部材が配置され、
前記第1軸は、前記取付部材の中心軸であり、
前記光源の発光面は、前記第1軸が延びる方向において前記第1点側から前記第2点側に向かうにつれて前記第1軸に近づくように、前記第1軸に対して傾斜している請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源の光軸が延びる方向において、前記第1反射面側に位置する第1面と、前記光源の光軸が延びる方向において、前記光源側に位置する第2面と、前記第1面と前記第2面と接し、前記光源から出射した光を前記第1反射面に向けて反射し、前記光源を囲む第2反射面と、を有する第2反射部材を更に有し、
前記第1面には、第1開口が設けられており、
前記第2面には、第2開口が設けられており、
前記第1開口の周縁は、前記第2開口の周縁よりも大きい請求項2または3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1開口の周縁は、
第1範囲と、
前記第1範囲よりも前記第2点の近くに位置し、前記光源の光軸との距離が、前記第1範囲と前記光源の光軸との距離よりも長い第2範囲と、
を有する請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1範囲は、曲線を含み、
前記第2範囲は、第1直線と前記第1直線が延びる方向と異なる方向に延びる第2直線と、を含む請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記第2反射面は、
第1領域と、
前記第1領域と対向し、前記第1領域よりも前記第2点の近くに位置し、前記光源の光軸が延びる方向とのなす角が前記第1領域と前記光源の光軸がなす角よりも大きい第2領域と、
を有する請求項4~6のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
前記第2反射部材は、前記第1反射部材と離隔している、請求項4~7のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項9】
前記保持部材に取り付けられ、前記第1反射面の前記第1方向に位置する遮光部材を更に備える請求項2~8のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項10】
前記取付部材は、前記第1軸が延びる方向及び前記光源から前記第1反射面に向かう方向と交差する方向に延びる第2軸周りに前記保持部材を回動可能であり、
前記第2軸は、前記光源と前記第1反射面との間に位置する請求項1~9のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項11】
前記取付部材は、天井に固定される請求項1~10のいずれか1つに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、天井等に取り付けられ、光源と、光源から出射した光を壁面等に向けて反射するリフレクターと、を備える照明装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、光の照射領域を制御可能であり、かつ、コンパクトな照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る照明装置は、光源と、前記光源からの光が出射する方向に設けられ、凹状の曲面である第1反射面を有する第1反射部材と、前記光源及び前記第1反射部材を保持する保持部材と、前記保持部材が取り付けられ、前記保持部材を前記光源から前記第1反射面に向かう方向と交差する方向に延びる第1軸周りに回動可能である取付部材と、を備え、前記第1軸は、前記光源と前記第1反射面との間に位置する。
【発明の効果】
【0006】
実施形態によれば、光の照射領域を制御可能であり、かつ、コンパクトな照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る照明装置を示す分解斜視図である。
【
図3】実施形態に係る照明装置の光学アッセンブリを示す分解斜視図である。
【
図5】
図4の状態から本実施形態に係る照明装置の光学アッセンブリを回動させた状態を示す断面図である。
【
図6】実施形態に係る照明装置を天井に取り付けた状態を示す断面図である。
【
図7A】実施形態に係る照明装置の保持部材を示す斜視図である。
【
図7B】実施形態に係る照明装置の保持部材を示す上面図である。
【
図8】実施形態に係る照明装置における基板、光源、及び第2反射部材を示す斜視図である。
【
図9A】実施形態に係る照明装置における光源及び第2反射部材を示す上面図である。
【
図10】実施形態に係る照明装置の遮光部材を示す斜視図である。
【
図11】実施形態に係る照明装置から出射した光を照射面に照射した状態を示す図である。
【
図13】第2反射部材の変形例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る照明装置を示す分解斜視図である。
図3は、本実施形態に係る照明装置の光学アッセンブリを示す分解斜視図である。
図4は、
図1のIV-IV線における断面図である。
図5は、
図4の状態から本実施形態に係る照明装置の光学アッセンブリを回動させた状態を示す断面図である。
図6は、本実施形態に係る照明装置を天井に取り付けた状態を示す断面図である。
【0009】
本実施形態に係る照明装置10は、
図3及び
図4を参照して概説すると、光源140と、第1反射部材150と、保持部材110と、取付部材300と、を備える。
第1反射部材150は、光源140からの光が出射する方向に設けられている。第1反射部材150は、光源140から離れる方向に凹状の曲面である第1反射面151aを有する。本明細書において「反射」とは、入射する光の80%以上を反射することを意味する。
保持部材110は、光源140及び第1反射部材150を保持する。
取付部材300には、保持部材110が取り付けられている。取付部材300は、保持部材110を光源140から第1反射面151aに向かう方向と交差する方向に延びる第1軸A1周りに回動可能である。そして、第1軸A1は、光源140と第1反射面151aとの間に位置する。本明細書において「第1軸A1」は、保持部材110を回動させる際の中心軸であり、無限遠方に延びた仮想的な軸である。そして、「第1軸A1が光源140と第1反射面151aとの間に位置する」とは、第1軸A1の少なくとも一部が、光源140と第1反射面151aとの間に位置することを意味する。
【0010】
以下、本実施形態に係る照明装置10の具体的な構成について詳述する。
照明装置10は、
図1及び
図2に示すように本実施形態では、光学アッセンブリ100と、支持部材200と、取付部材300と、を備える。光学アッセンブリ100は、
図3に示すように、保持部材110と、台座120と、基板130と、光源140と、第1反射部材150と、第2反射部材160と、遮光部材170と、を有する。
【0011】
支持部材200の形状は、
図2に示すように筒状である。光学アッセンブリ100の少なくとも一部は、支持部材200の内部に配置されている。
【0012】
取付部材300の形状は、筒状である。光学アッセンブリ100の少なくとも一部及び支持部材200の少なくとも一部は、取付部材300の内部に配置されている。
【0013】
以下では、
図6に示すように、照明装置10をウォールウォッシャに適用する例を説明する。照明装置10をウォールウォッシャに適用した場合、取付部材300は、天井等の取付面B1に固定される。そして照明装置10から出射した光が、取付面B1よりも下方に位置する壁面等の照射面B2を照射する。ただし、照明装置の適用対象は、ウォールウォッシャに限定されず、例えば、看板照明、フットライト、又は照明用途の建材等であってもよい。
【0014】
光学アッセンブリ100及び支持部材200は、取付部材300の中心軸である第1軸A1周りに回動可能である。また、光学アッセンブリ100は、第1軸A1及び光源140から第1反射面151aに向かう方向と交差する方向に延びる第2軸A2周りに回動可能である。具体的には、本実施形態では、第2軸A2は取付部材300の中心軸である第1軸A1と概ね直交している。ただし、第2軸は第1軸と直交していなくてもよい。
【0015】
以下、照明装置10の各部について詳述する。以下では、説明をわかりやすくするために、取付部材300に対して固定された座標系として、XYZ直交座標系を用いる。取付部材300の中心軸、すなわち第1軸A1が延びる方向を「Z方向」とする。また、Z方向と直交する方向を「X方向」とし、Z方向及びX方向と直交する方向を「Y方向」とする。また、Z方向において取付面B1から照射面B2に向かう方向を「下方向」ともいい、その逆方向を「上方向」ともいうが、上方向及び下方向は、照明装置の適用対象に応じて適宜変更可能である。
【0016】
<保持部材>
図7Aは、本実施形態に係る照明装置の保持部材を示す斜視図である。
図7Bは、本実施形態に係る照明装置の保持部材を示す上面図である。
保持部材110は、光源140及び第1反射部材150を保持する。保持部材110は、本実施形態では、本体部111と、本体部111に接続された放熱部112と、を有する。
【0017】
本体部111は、第1面113a及び第1面113aの反対側に位置する第2面113bを含む平板部113と、第2面113bの周縁部の一部に接続され、第1面113aから第2面113bに向かう方向に延びた側板部114と、を有する。第1面113a及び第2面113bは、概ね平面である。
【0018】
以下では、説明をわかりやすくするために、保持部材110に対して固定され、保持部材110を含む光学アッセンブリ100の回動に伴い、上述したXYZ直交座標系に対して回動するxyz直交座標系を用いる。以下では、平板部113の第1面113aから第2面113bに向かう方向を「z-方向」とし、z-方向の逆方向を「z+方向」とする。また、z-方向と直交する方向を「x方向」とする。z-方向及びx方向と直交する方向を「y方向」とする。
【0019】
上面視における平板部113の形状は、
図7Bに示すように、円弧の両端を直線で結んだような形状である。したがって、
図7Aに示すように、第2面113bの周縁部は、円弧上の領域113s1と、直線状の領域113s2と、を有する。直線状の領域113s2は、x方向に延びている。以下では、平板部113の周縁を構成する円弧の中心を通り、z-方向に延びる軸を、保持部材110の「中心軸C1」という。平板部113には、平板部113をz-方向に貫通する貫通穴113cが設けられている。貫通穴113cは、例えば中心軸C1と直線状の領域113s2との間に位置する。
【0020】
側板部114は、第1部分114aと、x方向において第1部分114aと対向する第2部分114bと、第1部分114aと第2部分114bの間に位置する第3部分114cと、を有する。
【0021】
第1部分114a及び第2部分114bは、平板部113の第2面113bの周縁部のうち、円弧状に湾曲した領域113s1に接続されている。第1部分114a及び第2部分114bは、円弧状に湾曲した領域113s1と概ね同様の曲率で湾曲している。第3部分114cは、第2面113bの周縁部のうち直線状の領域113s2に接続されている。第3部分114cの内面114dは、概ね平面であり、x方向及びz-方向に概ね平行である。
【0022】
第1部分114a及び第2部分114bのそれぞれには、軸受け部114eが設けられている。一対の軸受け部114eは、x方向において互いに対向している。
【0023】
各軸受け部114eには、x方向に延びる穴114fが設けられている。各穴114fには、光学アッセンブリ100を第2軸A2周りに回動可能に支持するシャフト(図示せず)が配置される。また、各穴114fの周囲には、中心軸C1から遠ざかる方向に突出した凸部114gが設けられている。
【0024】
放熱部112は、光源140等において生じた熱の放出に用いられる。放熱部112は、本実施形態では、複数のフィン112aを含む。複数のフィン112aは、本体部111の第1面113a上及び側板部114の第3部分114cの外面上に設けられている。
【0025】
保持部材110は、例えば樹脂材料又は金属材料等からなる。
ただし、保持部材の形状及び材料等の具体的な構成は、上記に限定されない。また、本体部と放熱部は一体的に成形されていなくてもよい。また、保持部材に放熱部が設けられていなくてもよい。
【0026】
<台座>
台座120は、
図3に示すように、基板130及び第1反射部材150を支持した状態で保持部材110に固定される。台座120は、本実施形態では、基板130を支持する第1支持部121と、第1支持部121に接続され、第1反射部材150を支持する一対の第2支持部122と、を有する。
【0027】
第1支持部121は、保持部材110の第3部分114cの内面114dに、ねじ留め等により固定される。ただし第1支持部の保持部材への固定方法は、上記に限定されない。
【0028】
第1支持部121の表面は、
図4及び
図5に示すように、第3部分114cの内面114dと対向する第1面121aと、y方向において第1面121aの反対側に位置する第2面121bと、を含む。第1面121aは、第3部分114cの内面114dに概ね平行な平面である。第2面121bは、z-方向に向かうほど、第3部分114cの内面114dから離隔するように、内面114dに対して傾斜している。換言すれば、第2面121bは、z-方向に向かうほど、保持部材110の中心軸C1に近づくように、中心軸C1に対して傾斜している。ただし、第2面は、保持部材の中心軸に平行であってもよい。
【0029】
一対の第2支持部122は、
図3に示すように、第1支持部121のx方向における両端部に接続されており、保持部材110の第3部分114cから離隔する方向に突出している。
【0030】
台座120は、例えば樹脂材料又は金属材料等から成る。
ただし、台座の形状及び材料等の具体的な構成は、上記に限定されない。また、台座と保持部材は、一体的に成形されていてもよい。また、照明装置に台座が設けられておらず、保持部材に直接、基板が固定されていてもよい。
【0031】
<基板>
図8は、本実施形態に係る照明装置における基板、光源、及び第2反射部材を示す斜視図である。
基板130は、光源140に電気的に接続され、光源140に給電する。基板130の形状は、本実施形態では略矩形の平板状である。ただし、基板の形状は、上記に限定されない。基板130は、例えば、絶縁層と、絶縁層に設けられており、光源の発光素子に電気的に接続される配線層と、を有する。配線層は、保持部材110の貫通穴113c(
図4参照)を介して、保持部材110の外部に配置された電源に電気的に接続される。
【0032】
基板130は、
図4及び
図5に示すように、台座120の第2面121bに取り付けられる。基板130の表面は、台座120の第2面121bと対向する第1面131と、第1面の反対側に位置する第2面132と、を含む。第1面131及び第2面132は、台座120の第2面121bに概ね平行である。
ただし、基板の形状及び材料等の具体的な構成は、上記に限定されない。
【0033】
<光源>
光源140は、基板130の第2面132上に配置されている。光源140は、例えば、発光素子と、発光素子上に設けられ、発光素子が発する光を波長変換する波長変換部材と、を有する。発光素子は、例えばLED(Light Emitting Diode)である。発光素子は、本実施形態では青色の光を発する。波長変換部材は、例えば蛍光体を含む。波長変換部材は、本実施形態では黄色の光を発する。発光素子が発する光と、波長変換部材が発する光と、の混色により、本実施形態では光源からは白色の光が出射する。
【0034】
ただし、光源の具体的な構成は、上記に限定されない。例えば、発光素子が発する光の色、波長変換部材が発する光の色、及び光源から出射する光の色は、上記に限定されない。また、光源には、複数の発光素子が設けられていてもよい。また、光源に複数の発光素子が設けられている場合、複数の発光素子が発する光の色は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、波長変換部材は、赤色蛍光体及び緑色蛍光体等の複数の種類の蛍光体を含んでいてもよい。
【0035】
光源140の形状は、本実施形態では平板状である。上面視における光源140の形状は、
図8に示すように、概ね正方形である。ただし、光源の形状は、上記に限定されない。例えば、上面視における光源の形状は、正方形以外の四角形、四角形以外の多角形、角部を丸めた多角形、又は円形であってもよい。
【0036】
以下では、光源140の表面のうち、光を発する面を「発光面141」という。上面視における発光面141の形状は、本実施形態では、概ね正方形である。発光面141は、概ね平面である。以下では、発光面141の中心を通り、発光面141の法線方向に延びる軸を光源140の光軸C2という。発光面141の中心は、本実施形態では、発光面141の一対の対角線の交点に相当する。ただし、上面視における発光面の形状は、上記に限定されない。
【0037】
前述したように、基板130は、台座120の第2面121bに取り付けられている。そのため、
図4に示すように、光源140の発光面141は、z-方向に向かうほど、保持部材110の第3部分114cの内面114dから離隔するように、内面114dに対して傾斜している。換言すれば、光源140の発光面141は、z-方向に向かうほど、保持部材110の中心軸C1に近づくように、中心軸C1に対して傾斜している。なお、発光面と保持部材の中心軸が延びる方向とのなす角は、
図4及び
図5に示す角度に特に限定されない。例えば、発光面は保持部材の中心軸に対して僅かに傾斜していてもよい。また、発光面は、保持部材の中心軸に対して平行であってもよい。
【0038】
<第1反射部材>
第1反射部材150は、光源140から出射した光を照射面B2に向けて反射する。第1反射部材150は、
図3に示すように、本体部151と、本体部151のz+方向における端部に接続され、台座120に取り付けられる取付部152と、を有する。
【0039】
本体部151の表面は、
図4及び
図5に示すように、内面に相当し、光源140から出射した光を反射する第1反射面151aと、第1反射面151aの反対側に位置する外面151bと、を含む。
【0040】
第1反射面151aは、凹状の曲面であり、光源140から離れる方向に凹状に湾曲している。第1反射面151aは、本実施形態では、中心軸C1を含み、z-y平面に平行な平面に対して概ね対称な自由曲面である。
【0041】
第1反射部材150は、本実施形態では、第1反射面151aの周縁が光源140の中心に最も近い第1点D1と光源140の中心から最も遠い第2点D2とを有するように配置された状態で台座120に固定されている。第1点D1は、本実施形態では第1反射面151aの周縁のうち、z+方向における端点に相当する。第2点D2は、本実施形態では第1反射面151aの周縁のうち、z-方向における端点に相当する。第1点D1及び第2点D2は、本実施形態では、中心軸C1を含み、z-y平面に平行な平面上に位置する。以下、第1点D1から第2点D2に向かう方向を「第1方向E1」とする。また、第1方向E1の逆方向を「第2方向E2」とする。
外面151bは、第1反射面151aと同様に湾曲している。
【0042】
第1反射面151aは、本実施形態では、
図6に示すように、光源140から出射した光の大部分を、光源140の第1方向E1に向けて反射する。また、第1点D1の近傍の第1位置F1において反射された光L1は、照射面B2における光の照射領域の下端部に照射される。また、第2点D2の近傍の第2位置F2において反射された光L2は、光L1と交差し、照射面B2の光の照射領域の上端部に照射される。すなわち、第1位置F1において反射された光L1の光路は、第1位置F1よりも第2点D2に近い第2位置F2において反射された光L2の光路と交差する。これにより、照射面B2の光の照射領域をZ方向に広げることができる。
【0043】
ただし、第1位置において反射された光の光路は、第2位置において反射された光の光路と交差しなくてもよい。すなわち、第1位置において反射された光が、照射領域の上端部に照射され、第1位置よりも第2点に近い第2位置おいて反射された光が、照射領域の下端部に照射されてもよい。
【0044】
取付部152は、
図3に示すように、x方向に延びている。取付部152は、台座120の一対の第2支持部122に、ねじ留め等により固定される。ただし、取付部の台座への固定方法は、上記に限定されない。
【0045】
第1反射部材150は、例えば、主に樹脂材料からなり、第1反射面151aには、アルミ蒸着膜や誘電体多層膜等の反射膜が設けられていてもよい。
ただし、第1反射部材の形状及び材料等の具体的な構成は、上記に限定されない。例えば、第1反射部材は、金属材料からなっていてもよい。
【0046】
<第2反射部材>
第2反射部材160は、光源140から出射した光を第1反射部材150に向けて反射する。第2反射部材160の形状は、
図8に示すように、筒状である。第2反射部材160は、基板130の第2面132上に配置されている。第2反射部材160の内部には、光源140が配置されている。第2反射部材160は、本実施形態では、第1反射部材150から離隔している。
【0047】
第2反射部材160の表面は、第1面161と、第2面162と、内面に相当する第2反射面163と、外面164と、を含む。
【0048】
第1面161は、光源140の光軸C2が延びる方向において第1反射面151a側に位置する。第1面161は、本実施形態では概ね平面であり、基板130の第2面132に概ね平行である。ただし、第1面は曲面であってもよい。第1面161には、光源140を露出する第1開口161aが設けられている。
【0049】
第2面162は、光軸C2が延びる方向において光源140側に位置する。換言すれば、第2面162は、第1面161の反対側に位置する。第2面162は、本実施形態では概ね平面であり、基板130の第2面132に概ね平行である。ただし、第2面は曲面であってもよい。第2面162には、光源140を露出する第2開口162aが設けられている。
【0050】
図9Aは、本実施形態に係る照明装置における光源及び第2反射部材を示す平面図である。
図9Bは、
図9AのIX-IX線における断面図である。
第1開口161aの周縁は、
図9Aに示すように、第2開口162aの周縁よりも大きい。したがって、光軸C2が延びる方向に見て、第1開口161aの周縁は、第2開口162aの周縁の外側に位置する。
【0051】
第1開口161aの周縁は、本実施形態では、正方形の4つの角部のうち、第2方向E2における2つの角部を丸めたような形状である。すなわち、第1開口161aの周縁は、第1直線G1と、第2直線G2と、第3直線G3と、第4直線G4と、第1曲線G5と、第2曲線G6と、を含む。
【0052】
第1直線G1は、x方向に延びている。第2直線G2は、一端G2aが第1直線G1の一端G1aに接続されており、第1直線G1が延びる方向と異なる方向に延びている。本実施形態では、第2直線G2は、光軸C2が延びる方向に見て第2方向E2に延びており、第2直線G2と第1直線G1は概ね直角を成す。ただし、第2直線と第1直線は、鋭角又は鈍角を成していてもよい。
【0053】
第3直線G3は、一端G3aが第1直線G1の他端G1bに接続されており、第2直線G2と対向している。第3直線G3は、第2直線G2に対して概ね平行である。したがって、第3直線G3と第1直線G1は直角を成す。ただし、第3直線は、第2直線に対して平行でなくてもよい。また、第3直線と第1直線は、鋭角又は鈍角を成していてもよい。
【0054】
第4直線G4は、第1直線G1と対向している。本実施形態では、第4直線G4は、第1直線G1に対して概ね平行である。ただし、第4直線は第1直線に対して平行でなくてもよい。
【0055】
第1曲線G5は、一端G5aが第3直線G3の他端G3bに接続され、他端G5bが、第4直線G4の一端G4aに接続されている。第1曲線G5は、光源140の光軸C2から離れる方向に凹状である。
【0056】
第1曲線G5の一端G5aは、光軸C2を間に介して、第2直線G2の一端G2aと他端G2bとの間の中間点G2cと対向している。他端G5bは、光軸C2を間に介して、第1直線G1の一端G1aと他端G1bとの間の中間点G1cと対向している。第1曲線G5の一端G5aと他端G5bとの間の中間点G5cは、光軸C2を間に介して、第1直線G1と第2直線G2との交点と、対向している。したがって、第1開口161aの周縁のうち、第1曲線G5の一端G5aと他端G5bとの間からなる第1範囲H1は、第1開口161aの周縁のうち、第2直線G2の中間点G2cと第1直線G1の中間点G1cとの間からなる第2範囲H2と対向している。
【0057】
第2曲線G6は、一端G6aが第2直線G2の他端G2bに接続され、他端G6bが、第4直線G4の一端G4bに接続されている。第2曲線G6は、光源140の光軸C2から離れる方向に凹状である。第2曲線G6の曲率は、第1曲線G5の曲率と概ね同一である。
【0058】
第2曲線G6の一端G6aは、光軸C2を間に介して、第3直線G3の一端G3aと他端G3bとの間の中間点G3cと対向している。他端G6bは、光軸C2を間に介して、第1直線G1の一端G1aと他端G1bとの間の中間点G1dと対向している。第2曲線G6の一端G6aと他端G6bとの間の中間点G6cは、光軸C2を間に介して、第3直線G3と第1直線G1との交点と対向している。したがって、第1開口161aの周縁のうち、第2曲線G6の一端G6aと他端G6bとの間からなる第3範囲H3は、第1開口161aの周縁のうち、第3直線G3の中間点G3cと第1直線G1の中間点G1dとの間からなる第4範囲H4と対向している。
【0059】
第2範囲H2と光軸C2との距離は、第1範囲H1と光軸C2との距離よりも長い。同様に、第4範囲H4と光軸C2との距離は、第3範囲H3と光軸C2との距離よりも長い。特に、第1直線G1と第2直線G2との交点と光軸C2との距離は、第1曲線G5の中間点G5cと光軸C2との距離よりも長い。同様に、第1直線G1と第3直線G3との交点と光軸C2との距離は、第2曲線G6の中間点G6cと光軸C2との距離よりも長い。
【0060】
ただし、第1開口の周縁の形状は、上記に限定されず、正方形等の四角形、四角形以外の多角形、又は円形等であってもよい。
【0061】
第2開口162aの周縁は、略正方形である。すなわち、第2開口162aの周縁は、4つの辺を有する。ただし、第2開口の周縁の形状は、上記に限定されず、四角形外の多角形、又は円形であってもよい。
【0062】
第2反射面163は、
図8に示すように、第1面161と第2面162との間に位置し、第1面161及び第2面162に接している。第2反射面163は、四角錐台形の側面の4つの角部のうち、第2方向E2における2つの角部の一部を丸めたような形状を有する。具体的には、第2反射面163は、本実施形態では、第1傾斜領域163aと、第2傾斜領域163bと、第3傾斜領域163cと、第4傾斜領域163dと、第1湾曲領域163eと、第2湾曲領域163fと、を含む。
【0063】
第1傾斜領域163aは、
図9Aに示すように、第1開口161aの周縁の第1直線G1と第2開口162aの周縁の一辺との間に位置する。第1傾斜領域163aは、概ね平面であり、第2面162から第1面161に向かうにつれ、光軸C2から離隔するように光軸C2に対して傾斜している。
【0064】
第2傾斜領域163bは、第1開口161aの周縁の第2直線G2と第2開口162aの周縁の他の一辺との間に位置する。第2傾斜領域163bは、第1傾斜領域163aに接しており、第1傾斜領域163aとともに第1方向E1における一の角部を形成する。第2傾斜領域163bは、概ね平面であり、第2面162から第1面161に向かうにつれ、光軸C2から離隔するように光軸C2に対して傾斜している。
【0065】
第3傾斜領域163cは、第1開口161aの周縁の第3直線G3と第2開口162aの周縁の他の一辺との間に位置する。第3傾斜領域163cは、第1傾斜領域163aに接しており、第1傾斜領域163aとともに第1方向E1における他の角部を形成する。第3傾斜領域163cは、第2傾斜領域163bと対向している。第3傾斜領域163cは、概ね平面であり、第2面162から第1面161に向かうにつれ、光軸C2から離隔するように光軸C2に対して傾斜している。
【0066】
第4傾斜領域163dは、第1開口161aの周縁の第4直線G4と第2開口162aの周縁の他の一辺との間に位置する。第4傾斜領域163dは、第1傾斜領域163aと対向している。第4傾斜領域163dは、概ね平面であり、第2面162から第1面161に向かうにつれ、光軸C2から離隔するように光軸C2に対して傾斜している。
【0067】
第1湾曲領域163eは、第1開口161aの周縁の第1曲線G5と第3傾斜領域163c及び第4傾斜領域163dとの間に位置する。第1湾曲領域163eは、第1傾斜領域163aの一部及び第2傾斜領域163bの一部と対向している。第1湾曲領域163eは、光軸C2から離れる方向に凹状であり、光軸C2に概ね平行に延びている。したがって、第1湾曲領域163eと光軸C2が延びる方向とがなす角は、概ね0度である。ただし、第1湾曲領域と光軸が延びる方向とがなす角は、0度よりも大きくてもよい。
【0068】
第2湾曲領域163fは、第1開口161aの周縁の第2曲線G6と第2傾斜領域163b及び第4傾斜領域163dとの間に位置する。第2湾曲領域163fは、第1傾斜領域163aの他の一部及び第3傾斜領域163cの一部と対向している。第2湾曲領域163fは、光軸C2から離れる方向に凹状であり、光軸C2に平行に延びている。したがって、第2湾曲領域163fと光軸C2が延びる方向とがなす角は、概ね0度である。ただし、第2湾曲領域と光軸が延びる方向とがなす角は、0度よりも大きくてもよい。
【0069】
したがって、
図9Bに示すように、第1湾曲領域163eからなる第1領域I1と、光軸C2が延びる方向と、がなす角は、第1領域I1と対向する第1傾斜領域163aの一部及び第2傾斜領域163bの一部からなる第2領域I2と、光軸C2が延びる方向と、がなす角よりも小さい。同様に、
図9Aに示すように、第2湾曲領域163fからなる第3領域I3と光軸C2が延びる方向とがなす角は、第3領域I3と対向する第1傾斜領域163aの一部及び第2湾曲領域163fの一部からなる第4領域I4と、光軸C2と、がなす角よりも小さい。
【0070】
ただし、第2反射面の形状は、上記に限定されない。例えば、第2反射面において第1領域及び第2領域の形状及び位置等の具体的な構成は、第2領域が第1領域よりも第2点の近くに位置し、第2領域と光軸が延びる方向とがなす角が、第1領域と光軸が延びる方向とがなす角よりも大きい限り、上記に限定されない。また、第2反射面には、第1領域及び第2領域が設けられていなくてもよい。すなわち、第2反射面の形状は、四角錐台の側面の形状、他の多角円錐台の側面の形状、又は円錐台の側面の形状等であってもよい。また、照明装置に第2反射部材は設けられていなくてもよい。
【0071】
第2反射部材160は、例えば、主に樹脂材料からなり、第2反射面163には反射膜が設けられ、第2反射部材160の表面のうち、第2反射面163を除く面が黒色に塗装されていてもよい。また、第2反射部材160は、例えば金属材料からなってもよい。また、第2反射部材160は、例えば拡散材を含有させた樹脂材料からなってもよい。
【0072】
ただし、第2反射部材の形状及び材料等の具体的な構成は上記に限定されない。例えば、第2反射部材は、第1反射部材の第1点に接していてもよい。
【0073】
<遮光部材>
遮光部材170は、光源140から出射する光及び第1反射部材150において反射された光のうち、照射面B2に向かう光を除いた光、すなわち不要光を遮断する。
【0074】
図10は、本実施形態に係る照明装置の遮光部材を示す斜視図である。
遮光部材170は、本実施形態では、取付部171と、第1遮光部172と、第2遮光部173と、接続部174と、を有する。
【0075】
取付部171は、
図3に示すように、保持部材110の平板部113の第2面113bにねじ留め等により固定されている。ただし、取付部の保持部材への固定方法は、上記に限定されない。
【0076】
取付部171は、第2面113bの周縁部のうち円弧状の領域113s1に接し、z-方向に延びている。取付部171の外周面は、円弧状の領域113s1と概ね同じ曲率で湾曲している。取付部171は、保持部材110の中心軸C1を中心とする円周方向において、側板部114の第1部分114aと第2部分114bの間に位置し、側板部114の第3部分114cと対向している。取付部171と第3部分114cとの間に、光源140及び第1反射部材150が位置する。
【0077】
第1遮光部172は、
図6に示すように、取付部171のz-方向における端部に接続されている。第1遮光部172は、第1反射部材150の第1方向E1に位置し、第1反射部材150の第1方向E1における端部を覆っている。第1遮光部172の内面及び外面は、第1反射部材150から離れる方向に凹状に湾曲している。ただし、第1遮光部の内面及び外面の具体的な形状は、上記に限定されない。
【0078】
第1遮光部172は、本実施形態では第1反射面151aの第1点D1及び第2点D2を通る直線J1と、保持部材110の中心軸C1と、の間の領域に照射される光のうち、不要な光を遮断する。
【0079】
第2遮光部173は、第1遮光部172に対してy方向において離隔し、光源140及び第2反射部材160のz-方向に位置し、光源140及び第2反射部材160のz-方向における端部を覆っている。第2遮光部173は、保持部材110の第3部分114cのz-方向における端部に取り付けられている。第1遮光部172は、本実施形態では、第1点D1の近傍の第1位置F1において反射された光L1と、発光面141の中心を通り、保持部材110の中心軸C1に平行な直線J2と、の間の領域に照射される光のうち、不要な光を遮断する。また、第1遮光部172及び第2遮光部173によって、不要な光を遮断することで、点灯中の照明装置10を視認した人が、グレアを感じることを抑制できる。
【0080】
接続部174は、
図10に示すように、第2遮光部173及び取付部171に接続されている。接続部174は、第2遮光部173のx方向における両端部から取付部171に向かって延びている。第1遮光部172と、第2遮光部173と、接続部174との間には、開口175が形成されている。第1反射部材150において反射された光の大部分は、開口175を通過し、照射面B2に照射される。
【0081】
遮光部材170は、例えば、主に樹脂材料又は金属材料等から成り、遮光部材170の内面は黒色に塗装され、遮光部材170の外面は白色に塗装されていてもよい。
ただし、遮光部材の形状、位置、及び材料等の具体的な構成は、不要光を遮断できればよく、上記に限定されない。
【0082】
<支持部材>
支持部材200は、
図2に示すように、筒状形状である。支持部材200の外周面の形状は、概ね円柱の側面と同じ形状であり、支持部材200の外周面の中心軸C3は、概ねZ方向に延びている。支持部材200の内部には、光学アッセンブリ100が配置される。光学アッセンブリ100は、支持部材200に対してx方向に延びる第2軸A2周りに回動可能である。支持部材200には、x方向において互いに対向する一対の軸受け部210が設けられている。
【0083】
各軸受け部210には、貫通穴211が設けられている。一対の貫通穴211及び保持部材110の一対の穴114fは、第2軸A2上に位置する。各貫通穴211及び各穴114fには、光学アッセンブリ100を第2軸A2周りに回動可能に支持するシャフトが配置される。また、各軸受け部210において、貫通穴211の近傍には、x方向の内側に向かって突出した凸部212が設けられている。凸部212は、支持部材200の内部に光学アッセンブリ100が配置された状態で、保持部材110の凸部114gと対向する。
【0084】
本実施形態では、光学アッセンブリ100を第2軸A2周りの回動範囲は、一対の凸部114g、212からなる規制部により規制されている。具体的には、光学アッセンブリ100を第2軸A2周りに回動させた際に、保持部材110の中心軸C1が延びる方向と、第1軸A1が延びる方向と、の成す角度θ(
図5参照)が、一定の範囲に収まるように、支持部材200における凸部212が保持部材110における凸部114gに当接する。ただし、規制部の構造は、上記に限定されない。
【0085】
本実施形態では、光源140の発光面141は、第1軸A1が延びる方向において第1点D1側から第2点D2側に向かうにつれて第1軸A1に近づくように、第1軸A1に対して傾斜している。本明細書において「発光面141が、第1軸A1が延びる方向において第1点D1側から第2点D2側に向かうにつれて第1軸A1に近づくように、第1軸A1に対して傾斜している」とは、第2軸A2周りに保持部材110が回動可能である場合、角度θが規制された範囲内のいずれの角度であったとしても、発光面141とが第1軸A1が延びる方向において第1点D1側から第2点D2側に向かうにつれて第1軸A1に近づくように、第1軸A1に対して傾斜していることを意味する。
【0086】
ただし、発光面は、常に第1軸A1に対して傾斜していなくてもよい。また、保持部材は第2軸周りに回動可能でなくてもよい。
【0087】
支持部材200は、例えば樹脂材料又は金属材料からなる。ただし、支持部材の形状及び材料等の具体的な構成は、上記に限定されない。
【0088】
<取付部材>
取付部材300は、
図2に示すように、筒状形状である。取付部材300の内周面の形状は、概ね円柱の側面と同じ形状である。取付部材300の内周面の中心軸は、概ね支持部材200の外周面の中心軸C3と一致しており、概ねZ方向に延びている。取付部材300の内部には、支持部材200が配置される。支持部材200は、例えば板バネ等の支持具(図示せず)を介して取付部材300に対して回動可能に支持されている。ただし、支持部材は取付部材に直接支持されていてもよい。支持部材200は、取付部材300の内周面の中心軸周りに回動可能である。すなわち、第1軸A1は、取付部材300の内周面の中心軸に相当する。
【0089】
取付部材300は、例えば樹脂材料又は金属材料からなる。ただし、取付部材の形状及び材料等の具体的な構成は、上記に限定されない。
【0090】
<使用方法>
次に、本実施形態に係る照明装置10の使用方法について説明する。
先ず、照明装置10を組み立て、
図6に示すように、取付部材300を天井等の取付面B1に固定する。
【0091】
次に、光源140を点灯させた状態で、照射面B2における光の照射領域を必要に応じて調整する。具体的には、光学アッセンブリ100を第1軸A1及び第2軸A2周りに回動させる。これにより、照射面B2における光の照射領域の形状及び位置を調整できる。
【0092】
第1軸A1及び第2軸A2は、第1反射面151aと光源140との間に位置する。したがって、第1軸及び第2軸が光源上に位置している場合と比較して、第1軸A1周りの光学アッセンブリ100の回動半径、及び第2軸A2周りの光学アッセンブリ100の回動半径を小さくできる。その結果、照明装置10をコンパクトに形成できる。
【0093】
次に、支持部材200を取付部材300に対して固定し、光学アッセンブリ100を支持部材200に対して固定する。これにより、光源140を点灯させた場合に、照射面B2の調整された照射領域に光が照射される。
【0094】
光源140を点灯させた場合、光源140から出射した光の一部は、第1反射部材150の第1反射面151aに入射する。また、光源140から出射した光の他の一部は、第2反射部材160の第2反射面163において反射され、第1反射面151aに入射する。このように、第2反射面163により、光源140から出射した光の大部分を、第1反射面151aに入射させることができる。その結果、照明装置10の光の取出し効率を向上させることができる。
【0095】
第1反射面151aは、光源140から出射した光の大部分を、光源140の第1方向E1に位置する領域に向けて反射する。この際、第1反射面151aの第1点D1の近傍の第1位置F1において反射された光L1は、保持部材110の中心軸C1に対して僅かに傾斜した角度で、照射面B2に照射される。また、第1反射面151aの第2点D2の近傍の第2位置F2において反射された光L2は、保持部材110の中心軸C1と概ね直角に、照射面B2に照射される。そのため、光L1の光路と光L2の光路は、交差する。その結果、照明装置10は、照射面B2のZ方向における広範囲に光を照射することができる。
【0096】
図11は、本実施形態に係る照明装置から出射した光を照射面に照射した状態を示す図である。
図12は、
図11のXII-XII線における断面図である。
本実施形態では、照射面B2における所望の照射領域B2aが矩形である。ただし、所望の照射領域の形状は、上記に限定されない。
【0097】
図11及び
図12に示すように、光源140において発光面141の中心から出射し、第1反射面151aのz+方向の端部Kのうち、x方向における両端部K1、K2において反射された光L3の大部分は、所望の照射領域B2aの下方における角部に照射される。
【0098】
また、
図12に示すように、光源140において第2点D2に近い端部から出射した光L4の両端部K1、K2への入射角θ2は、光L3の両端部K1、K2への入射角θ1よりも小さい。そのため、
図11に示すように、光L4の大部分は、照射面B2において所望の照射領域B2aの外周よりも内側の領域B2bに照射される。
【0099】
一方、
図12に2点鎖線で示すように、第2反射面163の第1領域I1が、光軸C2に対して第2領域I2と対称であった場合、
図12において発光面141の第1点D1に近い端部から出射した光L5の両端部K1、K2への入射角θ3は、光L3の両端部K1、K2への入射角θ1よりも大きい。このような場合、
図11に2点鎖線の矢印で示すように、光L5の大部分は、照射面B2において所望の照射領域B2aよりも外側の領域B2cに照射される。特に、光L5は、第1反射面151aの下部において反射される光と比較して照射面B2に照射されるまでの光路が長い。そのため、光L5は、第1反射面151aの下部において反射される光と比較して、所望の照射領域B2aからずれ易い。
【0100】
これに対して、本実施形態では、第2反射面163の第1領域I1と光軸C2が延びる方向とのなす角は、第2領域I2と光軸C2が延びる方向とのなす角よりも小さい。そのため、発光面141から出射した光L5は、
図12に実線の矢印で示すように、第1領域I1おいて反射され、第1反射面151aにおいて各端部K1、K2と異なる領域に照射される。これにより、
図11に実線の矢印で示すように、光L5は、所望の照射領域B2a内に照射される。このように、第2反射面163の第1領域I1により、各端部K1、K2に入射角の大きい光が入射することを抑制できる。その結果、照射面B2における所望の照射領域B2aから外れた領域B2cに光が照射されることを抑制できる。すなわち、迷光を抑制できる。また、第2反射面163の第1領域I1が光軸C2に対して第2領域I2と対称であった場合に迷光となる光を、本実施形態においては所望の照射領域B2a内に照射可能であるため、所望の照射領域B2aの輝度を向上させることができる。
【0101】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る照明装置10は、光源140と、保持部材110と、第1反射部材150と、取付部材300と、を備える。第1反射部材150は、光源140からの光が出射する方向に設けられている。第1反射部材150は、光源140から離れる方向に凹状の曲面である第1反射面151aを有する。保持部材110は、光源140及び第1反射部材150を保持する。取付部材300には、保持部材110が取り付けられる。取付部材300は、保持部材110を光源140から第1反射面151aに向かう方向と交差する方向に延びる第1軸A1周りに回動可能である。そして、第1軸A1は、光源140と第1反射面151aとの間に位置する。
【0102】
そのため、第1軸A1周りに保持部材110を回動させることで、照射面B2における光の照射領域を制御できる。また、第1軸A1が光源140と第1反射面151aとの間に位置するため、第1軸が光源上に位置する場合と比較して、第1軸A1を中心とした保持部材110の回動時の半径を小さくできる。そのため、光の照射領域を制御可能であり、かつ、コンパクトな照明装置を提供できる。また、照明装置10をウォールウォッシャ用途で用いた場合、設置穴規格であるφ100mmを満たすことが容易となる。
【0103】
また、第1反射面151aの周縁は、光源140に最も近い第1点D1と、光源140から最も遠い第2点D2と、を含む。第1方向E1は、光源140の第1点D1から第2点D2に向かう方向である。第1反射面151aは、光源140から出射した光を、光源140の第1方向E1の領域に向けて反射する。第1反射面151aの第1位置F1において反射された光L1の光路は、第1反射面151aの第1位置F1よりも第2点D2に近い第2位置F2において反射された光L2の光路と交差する。したがって、照明装置10は、照射面B2のZ方向における広範囲に光を照射することができる。また、照明装置10を取付面B1に取り付けた際に、照明装置10を照射面B2に近づけることができる。
【0104】
また、照明装置10を照射面B2に近づけつつ、照射面B2のZ方向における広範囲に光を照射しようとした場合、光学アッセンブリ100の第1軸A1周りの向き又は第2軸A2周りの向きに応じて、照射面B2における光の照射領域の形状及び位置が変化し易い。本実施形態に係る照明装置10においては、光学アッセンブリ100を第1軸A1周り又は第2軸A2周りに回動させることができるため、照射面B2における光の照射領域を容易に制御することができる。
【0105】
また、取付部材300は筒状形状であり、取付部材300の内部には保持部材110が配置される。第1軸A1は、取付部材300の中心軸である。光源140の発光面141は、第1軸A1が延びる方向において第1点D1側から第2点D2側に向かうにつれて第1軸A1に近づくように第1軸A1に対して傾斜している。そのため、光源140から出射した光を第1反射面151aの第2点D2から第1点D1に向かう第2方向E2における端部に十分に照射することができる。そのため、照射面B2のZ方向における広範囲に光を照射できる。
【0106】
また、照明装置10は、第2反射部材160を更に有する。第2反射部材160は、光源140の光軸C2が延びる方向において、第1反射面151a側に位置する第1面161と、光源140の光軸C2が延びる方向において、光源140側に位置する第2面162と、第1面161及び第2面162と接し、光源140を囲み、光源140から出射した光を第1反射面151aに向けて反射する第2反射面163と、を有する。第1面161には、第1開口161aが設けられており、第2面162には、第2開口162aが設けられている。第1開口161aの周縁は、第2開口162aの周縁よりも大きい。そのため、第2反射面163により、光源140から放射状に出射する光を第1反射面151aに向けて照射できる。これにより、照明装置10の光の取出し効率を向上させることができる。
【0107】
また、第1開口161aの周縁は、第1範囲H1と、第1範囲H1よりも第2点D2の近くに位置し、光源140の光軸C2との距離が、第1範囲H1と光源140の光軸C2との距離よりも長い第2範囲H2と、を有する。そのため、第2反射面163により、第1反射面151aの第2方向E2における端部Kに、第1反射面151aへの入射角が大きい光が入射することを抑制できる。これにより、迷光が生じることを抑制し、照射面B2における光の照射領域の形状を所望の形状にすることができる。
【0108】
また、第2反射面163は、第1領域I1と、第1領域I1と対向し、第1領域I1よりも第2点D2の近くに位置し、光源140の光軸C2が延びる方向とのなす角が第1領域I1と光源140の光軸C2とがなす角よりも大きい第2領域I2と、を有する。そのため、第2反射面163の第1領域I1により、第1反射面151aの第2方向E2における端部Kに、第1反射面151aへの入射角が大きい光が入射することを抑制できる。これにより、迷光が生じることを抑制し、照射面B2における光の照射領域の形状を所望の形状にすることができる。
【0109】
また、第2反射部材160は、第1反射部材150と離隔している。そのため、第2反射部材160が、第1反射部材150から照射面B2に向かう光を阻害することを抑制できる。
【0110】
また、照明装置10は、保持部材110に取り付けられた、第1反射面151aの第1方向E1に位置する遮光部材170を更に備える。そのため、遮光部材170により、照射面B2に向かわない不要光を遮断できる。また、遮光部材170が第1反射部材150の第1方向E1における端部を遮光部材170で覆うことで、点灯時の照明装置10を視認した人が、グレアを感じることを抑制できる。
【0111】
また、取付部材300は、第1軸A1が延びる方向及び光源140から第1反射面151aに向かう方向と交差する方向に延びる第2軸A2周りに保持部材110を回動可能である。そして、第2軸A2は、光源140と第1反射面151aとの間に位置する。そのため、第2軸A2周りに保持部材110を回動させることで、照射面B2における光の照射領域をより精密に制御できる。また、第2軸A2は、光源140と第1反射面151aとの間に位置するため、第2軸A2を中心とした保持部材110の回動時の半径を小さくできる。
【0112】
<変形例>
図13は、第2反射部材の変形例を示す平面図である。
変形例に係る第2反射部材260は、第1開口261aの周縁の第1範囲H21が、直線からなる点において上記実施形態における第2反射部材160と相違する。このように、第1範囲は、必ずしも光源の光軸から離れる方向に凹状に曲線でなくてもよい。
【0113】
上記実施形態では、光学アッセンブリが第1軸及び第2軸周りに回動可能である例を説明した。ただし、光学アッセンブリは、第1軸周りにのみ回動可能であってもよい。この場合、第1軸は、取付部材の中心軸であってもよいし、取付部材の中心軸と交差する方向に延びる軸であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、例えば、ウォールウォッシャ、フットライト、看板照明、又は照明用途の建材等に利用することができる。
【符号の説明】
【0115】
10 :照明装置
100 :光学アッセンブリ
110 :保持部材
111 :本体部
112 :放熱部
112a :フィン
113 :平板部
113a :第1面
113b :第2面
113s1 :領域
113s2 :領域
114 :側板部
114a :第1部分
114b :第2部分
114c :第3部分
114d :内面
114e :軸受け部
114f :穴
114g :凸部
120 :台座
121 :第1支持部
121a :第1面
121b :第2面
122 :第2支持部
130 :基板
131 :第1面
132 :第2面
140 :光源
141 :発光面
150 :第1反射部材
151 :本体部
151a :第1反射面
151b :外面
152 :取付部
160。260:第2反射部材
161 :第1面
161a、261a:第1開口
162 :第2面
162a :第2開口
163 :第2反射面
163a :第1傾斜領域
163b :第2傾斜領域
163c :第3傾斜領域
163d :第4傾斜領域
163e :第1湾曲領域
163f :第2湾曲領域
164 :外面
170 :遮光部材
171 :取付部
172 :第1遮光部
173 :第2遮光部
174 :接続部
175 :開口
200 :支持部材
210 :軸受け部
211 :貫通穴
212 :凸部
300 :取付部材
A1 :第1軸
A2 :第2軸
B1 :取付面
B2 :照射面
B2a :照射領域
B2b :領域
C1 :中心軸
C2 :光軸
C3 :中心軸
D1 :第1点
D2 :第2点
E1 :第1方向
E2 :第2方向
F1 :第1位置
F2 :第2位置
G1 :第1直線
G1a :一端
G1b :他端
G1c :中間点
G1d :中間点
G2 :第2直線
G2a :一端
G2c :中間点
G3 :第3直線
G3a :一端
G3b :他端
G3c :中間点
G4 :第4直線
G5 :第1曲線
G5a :一端
G5b :他端
G5c :中間点
G6 :第2曲線
G6a :一端
G6b :他端
G6c :中間点
H1 :第1範囲
H2 :第2範囲
H21 :第1範囲
H3 :第3範囲
H4 :第4範囲
I1 :第1領域
I2 :第2領域
I3 :第3領域
I4 :第4領域
J1、J2 :直線
K、K1、K2:端部
L1、L2、L3、L4、L5:光
θ :角度