(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059090
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】LED駆動回路
(51)【国際特許分類】
H05B 45/00 20200101AFI20220406BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2018048807
(22)【出願日】2018-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】510246426
【氏名又は名称】株式会社ブリッジ・マーケット
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】市橋 松男
(72)【発明者】
【氏名】近藤 武志
(72)【発明者】
【氏名】藤本 高義
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA04
3K273CA02
3K273CA12
3K273EA06
3K273EA22
3K273EA36
3K273EA37
3K273FA07
3K273FA12
3K273FA14
3K273FA35
3K273GA02
3K273GA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のLEDを点灯駆動する際に,完全にLEDが点灯しない時間を軽減できるLED駆動回路を提供する。
【解決手段】複数のLED3を有するLEDユニット5を駆動するLED駆動回路7であって,複数のLED3を点灯させるための第1の電源系9と,第1の電源系により複数のLEDが点灯処理されている間に,複数のLEDの全てが無点灯となる期間において,複数のLEDの一部のLEDを点灯させるための第2の電源系11とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLED(3)を有するLEDユニット(5)を駆動するLED駆動回路(7)であって,
前記複数のLED(3)を点灯させるための第1の電源系(9)と、
第1の電源系により前記複数のLEDが点灯処理されている間に,前記複数のLEDの全てが無点灯となる期間において,前記複数のLEDの一部のLEDを点灯させるための第2の電源系(11)とを有する,
LED駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLEDの駆動回路に関する。より詳しく説明すると,本発明は,無点灯期間を抑制し,フリッカを軽減したLED駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許5486698号公報には,LED駆動回路が記載されている。このLED駆動回路は,複数のLEDを脈流点灯するものであり,点灯するLEDの個数を1/1000秒単位で切り替えるものである。このLED駆動回路による駆動方法を採用すると,LEDを駆動し続けることができる時間を延長できる。しかしながら,この駆動方法では,完全にLEDが点灯しない時間帯がおよそ2/1000秒程度生じ,わずかなフリッカ(ちらつき)が生ずるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は,複数のLEDを点灯駆動する際に,完全にLEDが点灯しない時間を軽減できるLED駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は,第1の電源系により複数のLEDが点灯処理されている間に,複数のLEDの全てが無点灯となる期間において,複数のLEDの一部のLEDを点灯させるための第2の電源系を設けることにより,一部のLEDを点灯させ続けることができ,これにより無点灯時間を抑制できるという知見に基づく。
【0006】
本明細書に記載される第1の発明は,複数のLED3を有するLEDユニット5を駆動するLED駆動回路7に関する。
このLED駆動回路7は,複数のLED3を通常点灯駆動するための(複数のLED3を点灯させるための)第1の電源系9を有する。そして,このこのLED駆動回路7は,第2の電源系11をさらに有する。第2の電源系11は,第1の電源系により複数のLEDが点灯処理されている間に,複数のLEDの全てが無点灯となる期間において,複数のLEDの一部のLEDを点灯させるための電源系である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば,通常の電源を用いて複数のLEDを駆動している際に無点灯となる時間帯において,第2の電源系によりLEDユニットを点灯させることができるので,LEDの無点灯期間を軽減でき,その結果フリッカを抑圧できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は,LED駆動回路の基本構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は,LED駆動回路の基本機能を示すブロック図である。
【
図3】
図3は電源回路の回路図の例を示す図である。
【
図4】
図4は,LED駆動回路の回路図の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0010】
図1は,LED駆動回路の基本構成を示すブロック図である。このLED(発光ダイオード)駆動回路は,複数のLED3を有するLEDユニット5を駆動するLED駆動回路7に関する。このLED駆動回路7は,複数のLED3を通常点灯駆動するための(複数のLED3を点灯させるための)第1の電源系9を有する。そして,このこのLED駆動回路7は,第2の電源系11をさらに有する。第2の電源系11は,第1の電源系により複数のLEDが点灯処理されている間に,複数のLEDの全てが無点灯となる期間において,複数のLEDの一部のLEDを点灯させるための電源系である。この第2の電源系11は,LEDユニット5に所定の電圧を与え続けることができるものであって,第1の電源系からLEDユニット5へ印可される電圧が所定の値以下の場合に,第2の電源系11からの電圧がLEDユニット5に供給されるものであってもよい。
【0011】
図2は,LED駆動回路の基本機能を示すブロック図である。このLED駆動回路は,AC入力部21,整流回路23,調光回路25,調光調整入力27,監視回路29,制御回路31,LED点灯回路33,電源回路35,充放電回路37を有する。
【0012】
AC入力部21は,交流電圧をLED駆動回路に印加するための部位である。
【0013】
整流回路23は,交流電圧を直流電圧(例えば,常に+の電位を有する電圧)に変換するための回路である。これらの回路により,例えば,DC15Vを達成できる。
【0014】
調光回路25は,調光調整入力27からの入力に従い,LEDの点灯強度を調整するための回路である。すなわち,調光回路25は,FET駆動電圧の機銃電圧を発生する回路である。調光回路25は,例えば,オペアンプと,抵抗及びコンデンサを含む。レギュレータである調光調整入力27からの入力に従い,FETの駆動電圧を発生させる。オペアンプの+側の入力を変動させることで,FET駆動電圧を変化させることができる。その結果,LEDへの供給電流が変動し,複数のLEDの光強度を調整する調光機能を発揮することとなる。調光回路25は,FET駆動基準部ともよばれる。
【0015】
調光調整入力27は,ユーザがLEDの強度を調整する際の光強度入力手段となる要素である。
【0016】
FETが動作し出すと,FETのソース電圧が上昇する。監視回路29は,その動作電圧を利用して,FETの駆動電源とするための回路である。FETの駆動状態に合わせて電圧が変化するので,ロスなくFETを駆動できる。監視回路29は,FET動作基準出力部ともよばれる。なお,脈流電圧が低いときは充放電回路37(AC電源基準出力回路)がLED駆動部を駆動し,脈流電圧の高いときは監視回路がLED駆動部を駆動するように調整してもよい。その場合,監視回路が第2の電源として機能する。
【0017】
制御回路31は,第1の電源系と第2の電源系のいずれを用いるか制御するための要素である。第1の電源系がFET駆動部に供給するAC電圧が低いときは,FETのソース電圧が低くなる(又は0Vとなる)。後述する第2の電源系に相当する電源回路35(又は監視回路)の電圧が第1の電源系の電圧よりも高くなった場合に,FET駆動部へ供給する電圧を第2の電源系のものに切り替える。制御回路31は,このようにして第1の電源系からFET駆動部に供給される電圧が所定値以下となる事態においても,FET駆動部への電圧を維持する。この回路は,FETの動作電圧を制御して,例えば抵抗を脈流電圧の検出として用い,LEDの点灯個数を制御するように機能する。
【0018】
LED点灯回路33は,FET駆動回路を含み,複数のLEDを点灯させるための回路である。LED点灯回路33は,通常,複数のFETを含む。
【0019】
電源回路35は,FET駆動回路に一定の電圧を与えて,所定の場合には,LED駆動回路に電圧を供給し,複数のLEDのうちいくつかを点灯させることで,無点灯期間を防止するための回路である。
図3は電源回路の回路図の例を示す図である。この電源回路は,AC100V電源(ピーク電圧140V),2つのコンデンサを直列接続している。この構成を有するので,この電源回路は,例えば200Vの電圧に耐えることができ,安価なコンデンサを用いることができる。このこうせいにより,例えば,脈流電圧がおよそ40V以上となると,コンデンサに電荷を充電し,20V以下となるとコンデンサが電荷を放電する。このようにして,電源回路の電圧が所定の値(例えば0Vや20Vや最大出力の5%)以下とならないように調整する。
【0020】
充放電回路37は,AC電源をもとにFET動作電源を出力するための回路である。この回路は,AC電圧が低いときでもFETの動作を保証する。充放電回路37は,AC電源基準出力ともよばれる。この回路は,コンデンサと抵抗を含む平滑回路を有しており,これにより生じる直流電圧を制御回路のオペアンプに供給する。
【0021】
図4は,LED駆動回路の回路図の例を示す図である。
図4の左側の部位は集積回路(IC)への供給電源を作るもので,DC15Vを出力する。
図4において,LED点灯回路部33への脈流電圧の低い時はAの回路が駆動され,脈流電圧の高い時はBの回路(監視回路29)が駆動される。
図4において,Cの部位は,調光を司る調光回路25である。
図4においてDで示される制御回路は,最終段のFETの動作電圧を制御して(例えば直並列の抵抗Rにより),脈流電圧の大小により、点灯個数を制御する。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は,LEDの駆動回路に関するので電気電子産業において利用されうる。
【符号の説明】
【0023】
3 LED
5 LEDユニット
7 LED駆動回路
9 第1の電源系
11 第2の電源系