(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060722
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】物体位置検出装置、物体位置検出システム及び物体位置検出方法
(51)【国際特許分類】
G01S 13/46 20060101AFI20220408BHJP
G01S 13/931 20200101ALN20220408BHJP
【FI】
G01S13/46
G01S13/931
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168359
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】品川 仁
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AC02
5J070AC06
5J070AC13
5J070AD05
5J070AE09
5J070AF03
5J070AF05
5J070AF06
5J070AH31
5J070AK30
(57)【要約】
【課題】見通し外に位置する物体の位置を特定することが可能であり、汎用性に優れる物体位置検出装置、物体位置検出システム及び物体位置検出方法を提供すること。
【解決手段】本技術に係る物体位置検出装置は、検出部と、判定部と、算出部とを具備する。上記検出部は、送信部から放射され、検出対象物によって反射され、受信部に入射した電波に基づいて、上記受信部に対する上記検出対象物の角度である検出角度を検出する。上記判定部は、上記受信部に入射した電波が路面によって反射したか否かを判定する。上記算出部は、上記判定部において、上記電波が上記路面によって反射したと判定された場合、上記受信部の上記路面に対する角度と上記検出角度に基づいて、上記受信部に対する上記検出対象物の位置関係を示す相対関係情報を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信部から放射され、検出対象物によって反射され、受信部に入射した電波に基づいて、前記受信部に対する前記検出対象物の角度である検出角度を検出する検出部と、
前記受信部に入射した電波が路面によって反射したか否かを判定する判定部と、
前記判定部において、前記電波が前記路面によって反射したと判定された場合、前記受信部の前記路面に対する角度と前記検出角度に基づいて、前記受信部に対する前記検出対象物の位置関係を示す相対関係情報を算出する算出部と
を具備する物体位置検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物体位置検出装置であって、
前記検出部は、さらに、前記受信部に入射した電波に基づいて前記受信部に対する前記検出対象物の距離である検出距離を検出し、
前記算出部は、前記傾斜角度、前記検出角度及び前記検出距離に基づいて前記相対関係情報を算出する
物体位置検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の物体位置検出装置であって、
前記算出部は、前記傾斜角度、前記検出角度、前記検出距離及び前記受信部の前記路面からの高さに基づいて前記相対関係情報を算出する
物体位置検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の物体位置検出装置であって、
前記算出部は、前記傾斜角度、前記検出角度、前記検出距離及び前記受信部の前記路面からの高さに基づいて前記検出対象物の前記受信部に対する角度である推定角度と、前記検出対象物と前記受信部の間の距離である推定距離を推定する推定部を有する
物体位置検出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の物体位置検出装置であって、
前記算出部は、前記判定部において前記電波が前記路面によって反射したと判定された場合、前記推定角度及び前記推定距離を前記相対関係情報と認識する認識部をさらに有する
物体位置検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の物体位置検出装置であって、
前記認識部は、前記判定部において、前記電波が前記路面によって反射していないと判定された場合、前記検出角度及び前記検出距離を前記相対関係情報と認識する
物体位置検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の物体検出装置であって、
前記算出部は、前記判定部において前記電波が前記路面によって反射したと判定された場合、前記推定角度及び前記推定距離を前記認識部に供給し、前記判定部において前記電波が前記路面によって反射していないと判定された場合、前記検出角度及び前記検出距離を前記認識部に供給する選択部をさらに有する
物体位置検出装置。
【請求項8】
請求項4に記載の物体検出装置であって、
前記算出部は、前記検出対象物によって反射され、さらに前記路面によって反射された電波に基づいて推定された前記推定角度及び前記推定距離と、前記検出対象物によって反射され、前記路面によって反射されていない電波に基づいて検出された前記検出角度及び前記検出距離とを比較し、前記検出角度及び前記検出距離の信頼度を向上させる
物体位置検出装置。
【請求項9】
移動体に取り付けられ、電波を放射する送信部と、
路面に対して所定の角度を持って前記移動体に取り付けられ、前記送信部から放射され、検出対象物によって反射された電波が入射する受信部と、
前記受信部に入射した電波に基づいて、前記受信部に対する前記検出対象物の角度である検出角度を検出する検出部と、
前記受信部に入射した電波が前記路面によって反射したか否かを判定する判定部と、
前記判定部において、前記電波が前記路面によって反射したと判定された場合、前記受信部の前記路面に対する角度と前記検出角度に基づいて、前記受信部に対する前記検出対象物の位置関係を示す相対関係情報を算出する算出部と
を具備する物体位置検出システム。
【請求項10】
請求項9に記載の物体位置検出システムであって、
前記送信部は電波の放射方向が前記路面の方向となるように傾けられて前記移動体に取り付けられ、
前記受信部は電波の受信方向が前記路面の方向となるように傾けられて前記移動体に取り付けられている
物体位置検出システム。
【請求項11】
請求項9に記載の物体位置検出システムであって、
前記送信部は電波の放射方向が前記路面の方向となる指向性を有し、
前記受信部は電波の受信方向が前記路面の方向となる指向性を有する
物体位置検出システム。
【請求項12】
請求項9に記載の物体位置検出システムであって、
前記送信部と前記受信部の少なくともいずれか一方は、垂直方向における指向性が水平方向における指向性より大きい
物体位置検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電波により物体の位置を検出する物体位置検出装置、物体位置検出システム及び物体位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダは、送信アンテナから電波を対象物に向けて発射し、その反射波を受信アンテナで測定することにより、対象物までの距離や方向、相対速度などを検出する装置である。レーダは近年、ADAS(Advanced driver-assistance systems:先進運転支援システム)や自動運転実現のためのセンサとして注目されている。
【0003】
LiDAR(Light Detection and Ranging)等の光を利用するセンサとは異なり、レーダは電波を利用するため、対象物から直接返ってくる反射波だけでなく路面や壁面などを経由した反射波、所謂マルチパス(多重波伝播)が発生する。このマルチパスによってレーダの検出結果には、実際には物体が存在しない位置(距離や方向)に虚像(ゴースト)が発生してしまうという課題がある。
【0004】
この虚像は一般的には排除したいものであるが、一方で、マルチパスによる反射波を利用することで見通し外(死角)に存在する物体の位置を推定する手法も提案されている。マルチパスは、大別すると、往路と復路の経路が異なるもの(以降、異経路反射波と呼ぶ)と、往路と経路が同一のもの(以降、同経路反射波と呼ぶ)に分類される。特許文献1には、道路反射鏡を利用した同経路反射波による虚像から実像を推定する技術が開示されている。また、特許文献2には、異経路反射波による虚像を識別する技術と、同経路反射波による虚像から実像を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-71117号公報
【特許文献2】特開2018-136232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術はLiDARに関するものであり、光を反射する道路反射鏡が設定されている場所でのみ利用可能である。また、特許文献2に記載の技術は、ビル等の電波を反射する構造物とレーダの位置関係が既知の場合のみしか適用できない。したがって、特許文献1及び2に記載の技術は利用可能な場所が限られ、汎用性に欠ける。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、見通し外に位置する物体の位置を特定することが可能であり、汎用性に優れる物体位置検出装置、物体位置検出システム及び物体位置検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る物体位置検出装置は、検出部と、判定部と、算出部とを具備する。
上記検出部は、送信部から放射され、検出対象物によって反射され、受信部に入射した電波に基づいて、上記受信部に対する上記検出対象物の角度である検出角度を検出する。
上記判定部は、上記受信部に入射した電波が路面によって反射したか否かを判定する。
上記算出部は、上記判定部において、上記電波が上記路面によって反射したと判定された場合、上記受信部の上記路面に対する角度と上記検出角度に基づいて、上記受信部に対する上記検出対象物の位置関係を示す相対関係情報を算出する。
【0009】
この構成によれば、検出対象物において反射され、さらに路面によって反射された電波に基づいて検出対象物の位置関係を示す相対関係情報が算出される。路面による電波の反射を利用するため、見通し外に位置する検出対象物の位置を特定することが可能である。また、壁面等の路面以外の反射体による電波の反射を利用しないため、反射体に関する情報が不要であり、汎用性に優れる。
【0010】
上記検出部は、さらに、上記受信部に入射した電波に基づいて上記受信部に対する上記検出対象物の距離である検出距離を検出し、
上記算出部は、上記傾斜角度、上記検出角度及び上記検出距離に基づいて上記相対関係情報を算出してもよい。
【0011】
上記算出部は、上記傾斜角度、上記検出角度、上記検出距離及び上記受信部の上記路面からの高さに基づいて上記相対関係情報を算出してもよい。
【0012】
上記算出部は、上記傾斜角度、上記検出角度、上記検出距離及び上記受信部の上記路面からの高さに基づいて上記検出対象物の上記受信部に対する角度である推定角度と、上記検出対象物と上記受信部の間の距離である推定距離を推定する推定部を有してもよい。
【0013】
上記算出部は、上記判定部において上記電波が上記路面によって反射したと判定された場合、上記推定角度及び上記推定距離を上記相対関係情報と認識する認識部をさらに有してもよい。
【0014】
上記認識部は、上記判定部において、上記電波が上記路面によって反射していないと判定された場合、上記検出角度及び上記検出距離を上記相対関係情報と認識してもよい。
【0015】
上記算出部は、上記判定部において上記電波が上記路面によって反射したと判定された場合、上記推定角度及び上記推定距離を上記認識部に供給し、上記判定部において上記電波が上記路面によって反射していないと判定された場合、上記検出角度及び上記検出距離を上記認識部に供給する選択部をさらに有してもよい。
【0016】
上記算出部は、上記検出対象物によって反射され、さらに上記路面によって反射された電波に基づいて推定された上記推定角度及び上記推定距離と、上記検出対象物によって反射され、上記路面によって反射されていない電波に基づいて検出された上記検出角度及び上記検出距離とを比較し、上記検出角度及び上記検出距離の信頼度を向上させてもよい。
【0017】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る物体位置検出システムは、送信部と、受信部と、検出部と、判定部と、算出部とを具備する。
上記送信部は、移動体に取り付けられ、電波を放射する。
上記受信部は、路面に対して所定の角度を持って上記移動体に取り付けられ、上記送信部から放射され、検出対象物によって反射された電波が入射する。
上記検出部は、上記受信部に入射した電波に基づいて、上記受信部に対する上記検出対象物の角度である検出角度を検出する。
上記判定部は、上記受信部に入射した電波が上記路面によって反射したか否かを判定する。
上記算出部は、上記判定部において、上記電波が上記路面によって反射したと判定された場合、上記受信部の上記路面に対する角度と上記検出角度に基づいて、上記受信部に対する上記検出対象物の位置関係を示す相対関係情報を算出する。
【0018】
上記送信部は電波の放射方向が上記路面の方向となるように傾けられて上記移動体に取り付けられ、
上記受信部は電波の受信方向が上記路面の方向となるように傾けられて上記移動体に取り付けられていてもよい。
【0019】
上記送信部は電波の放射方向が上記路面の方向となる指向性を有し、
上記受信部は電波の受信方向が上記路面の方向となる指向性を有してもよい。
【0020】
上記送信部と上記受信部の少なくともいずれか一方は、垂直方向における指向性が水平方向における指向性より大きくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本技術の実施形態に係る物体位置検出システムのブロック図である。
【
図2】上記物体位置検出システムが備える物体検出器と路面の位置関係を示す模式図である。
【
図3】上記物体検出器、検出対象物及び遮蔽物の位置関係を示す模式図である。
【
図4】上記物体位置検出システムによって検出される、検出対象物の虚像を示す模式図である。
【
図5】上記物体位置検出システムが備える検出部による検出結果を示す模式図である。
【
図6】上記物体位置検出システムが備える実像推定部による推定方法を示す模式図である。
【
図7】上記物体位置検出システムが備える実像推定部による推定方法を示す模式図である。
【
図8】上記物体位置検出システムにおける検出結果の信頼度向上方法を示す模式図である。
【
図9】上記物体位置検出システムにおける受信アンテナの配置を示す模式図である。
【
図10】上記物体位置検出システムにおける受信アンテナの配置を示す模式図である。
【
図11】上記物体位置検出システムにおけるMIMO技術による送信アンテナ及び受信アンテナの配置を示す模式図である。
【
図12】上記物体位置検出システムにおけるMIMO技術による送信アンテナの配置を示す模式図である。
【
図13】上記物体位置検出システムにおけるMIMO技術による受信アンテナの配置を示す模式図である。
【
図14】上記物体位置検出システムにおけるMIMO技術による送信アンテナ及び受信アンテナの配置を示す模式図である。
【
図15】本技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムのブロック図である。
【
図16】上記車両制御システムの撮像部及び車外情報検出部の設置位置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本技術の実施形態に係る物体位置検出システムについて説明する。
【0023】
[物体位置検出システムの構成及び動作]
図1は本実施形態に係る物体位置検出システム100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、物体位置検出システム100は、物体検出器110及び物体位置検出装置120を備える。
【0024】
物体位置検出システム100は移動体に搭載される。移動体は地上を移動可能な物体であり、例えば自動車、AGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)又はドローン等とすることができる。なお、物体位置検出システム100の全部が移動体に搭載されなくてもよく、例えば物体検出器110のみが移動体に搭載され、物体位置検出装置120の一部又は全部は移動体に接続されたサーバ等に搭載されてもよい。
【0025】
物体検出器110は、電波の放射及び反射波による物体の検出を行う。物体検出器110は物体の距離及び方向(水平方向及び垂直方向)が検出できるものであればよく、レーダ(Radar:Radio Detecting and Ranging)とすることができる。また、物体検出器110は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の、電波を利用して物体検出が可能な機器であってもよい。物体検出器110は、送信部111及び受信部112を備える。
【0026】
送信部111は、物体位置検出装置120から供給された電気信号を電波に変換し、放射する。送信部111は、1本又は複数本の送信アンテナ113によって構成されたものとすることができる。送信アンテナ113の具体的な配置については後述する。
【0027】
受信部112は、入射した電波を電気信号に変換し、物体位置検出装置120に出力する。受信部112は、1本又は複数本の受信アンテナ114によって構成されたものとすることができる。受信アンテナ114の具体的な配置については後述する。
【0028】
送信部111及び受信部112は電波の放射方向及び受信方向が特定の方向となるように物体検出器110に搭載されている。以下、送信部111及び受信部112の放射方向及び受信方向を物体検出器110の指向方向とする。また、受信部112によって検出される物体と受信部112の距離を物体検出器110と物体の距離とする。
【0029】
物体検出器110は指向方向が路面に対して所定の角度を持つように移動体に取り付けられている。
図2は、物体検出器110の固定態様を示す模式図である。なお、
図2及び以下の図において垂直方向をZ方向とし、水平方向の一方向をX方向、水平方向においてX方向に直交する方向をY方向とする。
図2は、X方向から見た図であり、X-Y方向に平行な路面Gを含む。面Pは路面Gに平行な面である。
【0030】
同図に示すように、物体検出器110は、指向方向Aが路面G(及び面P)に対して所定の角度となるように移動体に取り付けられている。この物体検出器110が路面G(X-Y平面)となす角を設置角度θtilt([rad.]、-π/2≦θtilt≦π/2(負値が路面G側))とする。また、物体検出器110の路面Gからの高さ(Z方向)を高さh([m]、h≧0)とする。
【0031】
図3は、物体検出器110が受信する電波の経路を示す模式図である。同図においては、物体検出器110、検出対象物T及び遮蔽物Sを示す。検出対象物Tは電波を反射する物体である。遮蔽物Sは検出対象物Tと物体検出器110の間に存在し、電波を遮蔽する物体である。
【0032】
物体検出器110から電波が放射されると、電波は検出対象物Tによって反射される。ここで、検出対象物Tと物体検出器110の間には遮蔽物Sが存在し、検出対象物Tと物体検出器110を直線状に結ぶ経路C1は遮蔽物Sによって遮蔽されている。このため、検出対象物Tよって反射された電波(以下、反射波)は、経路C1を経由して物体検出器110に入射することができない。一方、反射波は路面Gによって反射される経路C2を経由して物体検出器110に入射することはできる。
【0033】
物体位置検出装置120は、無線部121、AD変換部122及び信号処理部123を備える(
図1参照)。無線部121は、電気信号を送信アンテナ113に供給し、送信アンテナ113から電波を放射させる。また、無線部121は、受信アンテナ114に電波が入射すると、受信アンテナ114において生成された電気信号を取得し、AD変換部122に供給する。
【0034】
AD(Analog-to-digital)変換部122は、無線部121から供給されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、信号処理部123に供給する。
【0035】
信号処理部123は、AD変換部122から供給されたデジタル信号(以下、受信信号)に信号処理を施し、検出対象物Tの物体検出器110に対する位置関係を特定する。具体的には信号処理部123は、検出部131、既知情報供給部132、虚像判定部133及び算出部134を備える。算出部134は、実像推定部135、選択部136及び認識部137を備える。なお、これらの構成はハードウェアとソフトウェアの協働によって実現される機能的構成である。
【0036】
検出部131は、AD変換部122から供給された受信信号に基づいて、検出対象物Tを検出する。
図4は検出部131による検出対象物Tの検出を示す模式図である。
【0037】
上述のように、物体検出器110と検出対象物Tの間に遮蔽物Sが存在する場合、検出対象物Tによって反射された電波は経路C2を経由して物体検出器110に入射し、検出部131はAD変換部122から受信信号を取得する。
【0038】
検出部131は、受信信号に基づいて検出対象物Tの物体検出器110に対する角度を検出する。この角度は物体検出器110から見た検出対象物Tの見かけ上の角度であり、
図4に示すように検出角度θ
det([rad.]、-π/2≦θ
det≦π/2(負値が路面G側))とする。なお、検出角度θ
detは垂直(Elevation)方向の角度(仰角)である。
【0039】
また、検出部131は、受信信号に基づいて検出対象物Tと物体検出器110の間の距離を検出する。この距離は物体検出器110からの検出対象物Tの見かけ上の距離であり、以下、検出距離Rdet([m]、Rdet≧0)とする。
【0040】
ここで、検出対象物Tによって反射された電波が路面Gで反射され、即ち経路C2を経由する場合、検出部131が検出する検出角度θ
det及び検出距離R
detは、検出対象物Tの虚像である検出対象物T´を示す値となる。検出部131は電波が路面Gによって反射されていることを判別できないためである。
図1に示すように検出部131は、検出角度θ
det及び検出距離R
detを虚像判定部133、実像推定部135及び選択部136に供給する。
【0041】
さらに、検出部131は、受信信号に基づいて水平(Azimuth)方向における検出対象物Tの受信部112に対する角度(以下、検出角度φdet)及び検出対象物Tの受信部112に対する速度(以下、検出速度vdet)を検出することができる。検出部131は、検出角度φdet及び検出速度vdetを認識部137に供給する。
【0042】
既知情報供給部132は、物体検出器110に関する既知情報を虚像判定部133及び実像推定部135に供給する。この既知情報は物体検出器110の路面Gからの高さhと設置角度θ
tilt(
図2参照)を含む。既知情報は事前に測定され、既知情報供給部132が記憶する固定値であってもよく、既知情報供給部132がIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)やGPU(Graphics Processing Unit)等の情報を加味して補正した値であってもよい。
【0043】
虚像判定部133は、検出部131から供給された検出結果(検出角度θ
det及び検出距離R
det)が実像によるものか虚像によるものかを判定する。実像(
図4中、T)は、実際の検出対象物Tの像であり、虚像(
図4中、T´)は路面Gによる反射によって検出された、見かけ上の検出対象物Tの像である。即ち、虚像判定部133は、物体検出器110に入射した電波が路面によって反射されたか否かを判定する。
【0044】
虚像判定部133は、既知情報供給部132から供給された既知情報(高さh及び設置角度θ
tilt)を用いて上記判定を行うことができる。虚像判定部133は、後述するように、像が路面Gより下方(物体検出器110と反対側)に位置する場合、像が虚像であると判定することができ、その他の場合、像が実像であると判定することができる。虚像判定部133は判定結果(
図1中、「1:虚像」か「0:実像」)を選択部136に供給する。
【0045】
算出部134は、虚像判定部133において、電波が路面Gによって反射したと判定された場合、設置角度θtiltと検出角度θdetに基づいて、物体検出器110に対する検出対象物Tの位置関係を示す相対関係情報を算出する。さらに算出部134は、設置角度θtiltと検出角度θdetに加え、検出距離Rdetに基づいて相対関係情報を算出することができ、さらに、設置角度θtiltと検出角度θdet、検出距離Rdet及び高さhに基づいて相対関係情報を算出することができる。具体的には、実像推定部135、選択部136及び認識部137は以下のように動作する。
【0046】
実像推定部135は、検出対象物Tの物体検出器110に対する位置関係を推定する。
図5は実像推定部135による実像の推定を示す模式図である。実像推定部135は、既知情報供給部132から供給された既知情報(高さh及び設置角度θ
tilt)と検出部131から供給された検出結果(検出角度θ
det及び検出距離R
det)を用いて、推定角度θ
est([rad.]、-π/2≦θ
est≦π/2(負値が路面G側))及び推定距離R
est([m]、R
est≧0)を推定する。
【0047】
推定角度θestは面Pに対して検出対象物Tが存在すると推定される角度であり、推定距離Restは物体検出器110に対して検出対象物Tが存在すると推定される距離である。実像推定部135は後述する手法によって推定角度θest及び推定距離Restを推定することができる。
【0048】
さらに、実像推定部135は推定角度θestを用いて、物体検出器110に対して検出対象物Tが存在すると推定される角度(推定角度θest-設置角度θtilt)を算出する。以下、この角度を推定角度(θest-θtilt)とし、推定角度(θest-θtilt)と推定距離Restを「推定結果」とする。実像推定部135は、推定結果(推定角度(θest-θtilt)及び推定距離Rest)を選択部136に供給する。
【0049】
選択部136は、虚像判定部133による判定結果を用いて、実像推定部135による推定結果と検出部131による検出結果のいずれを認識部137に供給するかを選択する。以下、選択部136が認識部137に供給する角度を供給角度θ´detとし、選択部136が認識部137に供給する距離を供給距離R´detとする。
【0050】
選択部136は、虚像判定部133によって虚像であると判定された場合(図中「1:虚像」)、実像推定部135による推定結果を認識部137に供給する。即ち選択部136は推定角度(θest-tilt)を供給角度θ´detとし、推定距離Restを供給距離R´detとする。
【0051】
一方、選択部136は、虚像判定部133によって実像であると判定された場合(図中「0:実像」)、検出部131による検出結果を認識部137に供給する。即ち選択部136は、検出角度θdetを供給角度θ´detとし、検出距離Rdetを供給距離R´detとする。
【0052】
認識部137は、選択部136から供給された供給角度θ´det及び供給距離R´detを検出対象Tについての値として認識し、相対関係情報とする。即ち認識部137は、虚像判定部133によって虚像であると判定された場合、実像推定部135による推定結果を用いて物体検出器110に対する検出対象物Tの位置関係を特定し、相対関係情報とする。また、認識部137は虚像判定部133によって実像であると判定された場合、検出部131による検出結果を用いて物体検出器110に対する検出対象物Tの位置関係を特定し、相対関係情報とする。
【0053】
この際、認識部137は、検出部131から供給されたφdetを用いて水平方向(X-Y方向)における検出対象物Tの位置関係を特定することができる。
【0054】
このように、物体位置検出システム100では、見通し外(死角)に位置する検出対象物Tの位置を特定することが可能である。物体位置検出システム100では、物体検出器110の設置情報(上記、既知情報)と物体検出器110による検出結果から検出対象物Tの位置を特定することが可能であり、周囲の構造物情報や自己の位置情報が不要であるため、利用できる場所が限定されず、汎用性に優れる。
【0055】
[実像推定部による推定の詳細]
実像推定部135による、推定角度θ
est及び推定距離R
estの推定方法について説明する。
図6及び
図7は、推定角度θ
est及び推定距離R
estの推定方法を示す模式図である。なお、以下の説明において検出角度θ
detと設置角度θ
tiltの和を角度θ
imgとする。
【0056】
図6及び
図7に示すように、距離L1はR
det|cosθ
img|であり、距離L2はR
det|sinθ
img|である。路面Gを挟んで上下の図形は対称であるため、距離L3は距離L4に等しく、距離L4は距離L2(R
det|sinθ
img|)から距離L5(2h)を減じた値である。したがって、距離L3は(R
det|sinθ
img|-2h)である。
【0057】
以上から、推定距離Restは以下の(式1)で表される。
【0058】
Rest=√{(Rdetcosθimg)2+(Rdet|sinθimg|-2h)2} [m]
=√{(Rdet-2h)2+4hRdet(1-|sinθimg|)} [m] (式1)
∵Rest
2=L12+L32
【0059】
また、推定角度θestは以下の(式2)で表される。
【0060】
θest=tan-1{|tanθimg|-2h/(Rdet|cosθimg|)} [rad.] (式2)
∵tanθest=L3/L1
=(Rdet|sinθimg|-2h)/(Rdet|cosθimg|)
=|tanθimg|-2h/(Rdet|cosθimg|)
【0061】
以上のように、実像推定部135は、既知情報(高さh及び設置角度θtilt)と検出結果(検出角度θdet及び検出距離Rdet)を用いて推定角度θest及び推定距離Restを推定することが可能である。
【0062】
[虚像判定部による判定の詳細]
虚像判定部133による、検出結果(検出角度θdet及び検出距離Rdet)の判定方法について説明する。虚像判定部133は、以下(式3)及び(式4)が成り立つ場合、検出結果は虚像によるものと判定し、(式3)と(式4)の一方又は両方が成り立たない場合、検出結果は実像によるものと判定する。
【0063】
θimg<0 (式3)
Rdet|sinθimg|>h (式4)
【0064】
上記(式3)が成り立つ場合、検出対象物Tは面Pよりも路面G側(垂直下方側)に存在していることを示す。また、(式4)が成り立つ場合、距離L2(
図6参照)が高さhより大きく、検出対象物Tが路面Gの下方に位置することを示す。したがって、虚像判定部144は、(式3)及び(式4)が成り立つ場合、検出結果(検出角度θ
det及び検出距離R
det)は虚像によるものと判定することができ、それ以外の場合、検出結果は実像によるものと判定することができる。
【0065】
[信頼度の向上について]
算出部134は、遮蔽物Sが存在しない場合において、検出部131による検出結果と実像推定部135による推定結果を用いて検出結果の信頼度を向上させることができる。
図8は、信頼度の向上方法を示す模式図である。同図に示すように、遮蔽物Sが存在しない場合、検出対象物Tによる反射波は直線状の経路C1を経由して直接、物体検出器110に入射する。また、検出対象物Tによる反射波の一部は路面Gによって反射され、経路C2を経由して物体検出器110に入射する。
【0066】
検出部131は、経路C1を経由して物体検出器110に入射した電波に基づいて、検出結果(検出角度θdet及び検出距離Rdet)を生成する。この検出結果は、検出対象物Tの実像についての検出結果である。検出部131は、この検出結果を認識部137に供給する。
【0067】
さらに、検出部131は、経路C2を経由して物体検出器110に入射した電波に基づいて、検出結果(検出角度θdet及び検出距離Rdet)を生成する。この検出結果は、検出対象物Tの虚像についての検出結果である。検出部131は、この検出結果を実像推定部135に供給する。
【0068】
実像推定部135は、経路C2を経由して物体検出器110に入射した電波についての検出結果に対して上述の手法により推定結果(推定角度(θest-θtilt)及び推定距離Rest)を生成し、認識部137に供給する。
【0069】
認識部137は、経路C1を経由した電波に基づく検出結果(検出角度θdet検出距離Rdet)と経路C2を経由した電波に基づく推定結果(推定角度(θest-θtilt)及び推定距離Rest)とを比較する。認識部137は、この検出結果と推定結果が一致していれば、検出結果の信頼度(尤度)が高いと判断することができる。異なる経路で物体検出器110に入射した電波に基づく検出対象物の像が同一の位置に検出されたためである。一方、認識部137は、この検出結果と推定結果が一致していなければ、検出結果の信頼度(尤度)が低いと判断することができる。
【0070】
[物体検出器の向き及び指向性について]
上記のように、物体検出器110は、送信部111の電波の放射方向及び受信部112の電波の受信方向である指向方向A(
図2参照)が路面Gに対して所定の角度となるように移動体に取り付けられている。物体検出器110は、この指向方向Aが路面Gの方向であるものが好適である。上記のように物体検出器110は、路面Gによる反射波を利用して検出対象物体Tを検出するが、路面G以外の反射体(壁面等)による反射波は利用しない。このため、物体検出器110の指向方向Aを路面Gに向けることにより、路面G以外の反射体による反射波を抑制することが可能となる。
【0071】
物体検出器110の指向方向Aを路面Gに向けるためには、物体検出器110の移動体への取り付け角度を路面Gに向けて傾ければよい。また、物体検出器110の取り付け角度を傾けず、送信部111及び受信部112の指向性を、指向方向Aが路面Gの方向となるようにしてもよい。さらに、物体検出器110の取り付け角度と送信部111及び受信部112の指向性の両者によって指向方向Aを路面Gに向けてもよい。
【0072】
また、送信部111と受信部112の一方又は両方は、垂直方向(Z方向)における指向性が水平方向(X-Y方向)における指向性より大きいものとしてもよい。この場合も、物体検出器110は路面G以外の反射体による反射波を抑制することが可能となる。
【0073】
[送信アンテナ及び受信アンテナの配置について]
物体検出器110における送信アンテナ113及び受信アンテナ114の配置について説明する。
図9乃至
図14は、送信アンテナ113及び受信アンテナ114の配置を示す模式図である。
【0074】
物体位置検出システム100では上述のように垂直方向及び水平方向において検出対象物が存在する角度を検出する必要がある。垂直方向の角度を検出するためには、垂直方向に沿って複数の受信アンテナ114を配列すればよく、水平方向の角度を検出するためには、水平方向に沿って複数の受信アンテナ114を配列すればよい。
【0075】
このため、物体検出器110は、
図9又は
図10に示すように、垂直方向(Z方向)に沿って2つ以上の受信アンテナ114を配置し、水平方向(X方向)に沿って2つ以上の受信アンテナ114を配置した構成とすることができる。
【0076】
さらに、物体検出器110ではMIMO(multiple-input and multiple-output)レーダ技術を利用してもよい。MIMOレーダ技術では送信アンテナがNt本であり、受信アンテナがNr本である場合、仮想的にNt×Nr本のアンテナアレイを実現することができる。このため、
図11に示すように、2本の送信アンテナ113と3本の受信アンテナ114が配列されている場合、仮想的に3本×2本のアンテナ115によるアンテナアレイを実現することができる。したがって、MIMOレーダ技術を用いる場合、送信アンテナ113を1本とし、
図12に示すように、垂直方向(Z方向)及び水平方向(X方向)に沿って2つ以上の受信アンテナ114を配置した構成とすることができる。
【0077】
また、受信アンテナ114を1本とし、
図13に示すように、垂直方向(Z方向)及び水平方向(X方向)に沿って2つ以上の送信アンテナ113を配置した構成とすることもできる。さらに、
図14に示すように、水平方向(X方向)に沿って2つの受信アンテナ114を配置し、垂直方向(Z方向)に沿って2つ以上の送信アンテナ113を配置した構成とすることもできる。この他にも物体検出器110は、送信アンテナ113及び受信アンテナ114が、垂直方向及び水平方向において検出対象物が存在する角度を検出することが可能な配置を有するものであればよい。
【0078】
<<応用例>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0079】
図15は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図15に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
【0080】
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。
図15では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
【0081】
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
【0082】
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
【0083】
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0084】
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
【0085】
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
【0086】
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
【0087】
ここで、
図16は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0088】
なお、
図16には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0089】
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920~7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
【0090】
図15に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
【0091】
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
【0092】
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
【0093】
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0094】
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
【0095】
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX(登録商標)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)若しくはLTE-A(LTE-Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi-Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
【0096】
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
【0097】
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
【0098】
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
【0099】
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
【0100】
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
【0101】
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
【0102】
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
【0103】
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図15の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
【0104】
なお、
図15に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
【0105】
なお、
図1を用いて説明した本実施形態に係る物体位置検出装置120の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを、いずれかの制御ユニット等に実装することができる。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することもできる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0106】
以上説明した車両制御システム7000において、
図1を用いて説明した本実施形態に係る物体位置検出装置100は、
図15に示した応用例の統合制御ユニット7600に適用することができる。例えば、物体位置検出装置120の信号処理部123は、統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610によって実現することが可能である。
【0107】
また、
図1を用いて説明した物体位置検出装置120の少なくとも一部の構成要素は、
図15に示した統合制御ユニット7600のためのモジュール(例えば、一つのダイで構成される集積回路モジュール)において実現されてもよい。あるいは、
図1を用いて説明した物体位置検出装置120が、
図15に示した車両制御システム7000の複数の制御ユニットによって実現されてもよい。
【0108】
なお、本開示中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。上記の複数の効果の記載は、それらの効果が必ずしも同時に発揮されるということを意味しているのではない。条件等により、少なくとも上記した効果のいずれかが得られることを意味しており、本開示中に記載されていない効果が発揮される可能性もある。また、本開示において説明した特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を任意に組み合わせることも可能である。
【0109】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
送信部から放射され、検出対象物によって反射され、受信部に入射した電波に基づいて、上記受信部に対する上記検出対象物の角度である検出角度を検出する検出部と、
上記受信部に入射した電波が路面によって反射したか否かを判定する判定部と、
上記判定部において、上記電波が上記路面によって反射したと判定された場合、上記受信部の上記路面に対する角度と上記検出角度に基づいて、上記受信部に対する上記検出対象物の位置関係を示す相対関係情報を算出する算出部と
を具備する物体位置検出装置。
(2)
上記(1)に記載の物体位置検出装置であって、
上記検出部は、さらに、上記受信部に入射した電波に基づいて上記受信部に対する上記検出対象物の距離である検出距離を検出し、
上記算出部は、上記傾斜角度、上記検出角度及び上記検出距離に基づいて上記相対関係情報を算出する
物体位置検出装置。
(3)
上記(2)に記載の物体位置検出装置であって、
上記算出部は、上記傾斜角度、上記検出角度、上記検出距離及び上記受信部の上記路面からの高さに基づいて上記相対関係情報を算出する
物体位置検出装置。
(4)
上記(3)に記載の物体位置検出装置であって、
上記算出部は、上記傾斜角度、上記検出角度、上記検出距離及び上記受信部の上記路面からの高さに基づいて上記検出対象物の上記受信部に対する角度である推定角度と、上記検出対象物と上記受信部の間の距離である推定距離を推定する推定部を有する
物体位置検出装置。
(5)
上記(4)に記載の物体位置検出装置であって、
上記算出部は、上記判定部において上記電波が上記路面によって反射したと判定された場合、上記推定角度及び上記推定距離を上記相対関係情報と認識する認識部をさらに有する
物体位置検出装置。
(6)
上記(5)に記載の物体位置検出装置であって、
上記認識部は、上記判定部において、上記電波が上記路面によって反射していないと判定された場合、上記検出角度及び上記検出距離を上記相対関係情報と認識する
物体位置検出装置。
(7)
上記(6)に記載の物体位置検出装置であって、
上記算出部は、上記判定部において上記電波が上記路面によって反射したと判定された場合、上記推定角度及び上記推定距離を上記認識部に供給し、上記判定部において上記電波が上記路面によって反射していないと判定された場合、上記検出角度及び上記検出距離を上記認識部に供給する選択部をさらに有する
物体位置検出装置。
(8)
上記(4)から(7)のうちいずれか一つに記載の物体位置検出装置であって、
上記算出部は、上記検出対象物によって反射され、さらに上記路面によって反射された電波に基づいて推定された上記推定角度及び上記推定距離と、上記検出対象物によって反射され、上記路面によって反射されていない電波に基づいて検出された上記検出角度及び上記検出距離とを比較し、上記検出角度及び上記検出距離の信頼度を向上させる
物体位置検出装置。
(9)
移動体に取り付けられ、電波を放射する送信部と、
路面に対して所定の角度を持って上記移動体に取り付けられ、上記送信部から放射され、検出対象物によって反射された電波が入射する受信部と、
上記受信部に入射した電波に基づいて、上記受信部に対する上記検出対象物の角度である検出角度を検出する検出部と、
上記受信部に入射した電波が上記路面によって反射したか否かを判定する判定部と、
上記判定部において、上記電波が上記路面によって反射したと判定された場合、上記受信部の上記路面に対する角度と上記検出角度に基づいて、上記受信部に対する上記検出対象物の位置関係を示す相対関係情報を算出する算出部と
を具備する物体位置検出システム。
(10)
上記(9)に記載の物体位置検出システムであって、
上記送信部は電波の放射方向が上記路面の方向となるように傾けられて上記移動体に取り付けられ、
上記受信部は電波の受信方向が上記路面の方向となるように傾けられて上記移動体に取り付けられている
物体位置検出システム。
(11)
上記(9)又は(10)に記載の物体位置検出システムであって、
上記送信部は電波の放射方向が上記路面の方向となる指向性を有し、
上記受信部は電波の受信方向が上記路面の方向となる指向性を有する
物体位置検出システム。
(12)
上記(9)から(11)のうちいずれか一つに記載の物体位置検出システムであって、
上記送信部と上記受信部の少なくともいずれか一方は、垂直方向における指向性が水平方向における指向性より大きい
物体位置検出システム。
【符号の説明】
【0110】
100…物体位置検出システム
110…物体検出器
111…送信部
112…受信部
113…送信アンテナ
114…受信アンテナ
115…アンテナ
120…物体位置検出装置
121…無線部
122…AD変換部
123…信号処理部
131…検出部
132…既知情報供給部
133…虚像判定部
134…算出部
135…実像推定部
136…選択部
137…認識部