(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060730
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】半導体装置、光学構造物
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20220408BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20220408BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G02B7/02 A
G02B7/02 Z
G02B7/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168378
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】岡野 英暁
【テーマコード(参考)】
2H044
5J084
【Fターム(参考)】
2H044AB10
2H044AB22
2H044AB28
2H044AJ04
2H044AJ06
5J084AA05
5J084AB01
5J084AB07
5J084AC02
5J084AC03
5J084AC04
5J084AC07
5J084AC08
5J084AD01
5J084BA02
5J084BA20
5J084BA34
5J084BA40
5J084BB02
5J084BB03
5J084DA01
5J084EA31
(57)【要約】
【課題】半導体装置を小型化する。
【解決手段】第1の光軸方向に配置された複数の第1の光学構造物と、第2の光軸方向に配置された複数の第2の光学構造物とを備え、複数の第1の光学構造物と複数の第2の光学構造物のうち、光軸方向と垂直に交わる方向に配置されている少なくとも1枚は、第1の光学構造物と第2の光学構造物が連続した構造の光学構造物である。第1の光学構造物と第2の光学構造物は、異なる光学的な特徴を有する。本技術は、測距を行う測距装置や画像を撮像する撮像装置などの半導体装置に適用できる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光軸方向に配置された複数の第1の光学構造物と、
第2の光軸方向に配置された複数の第2の光学構造物と
を備え、
前記複数の第1の光学構造物と前記複数の第2の光学構造物のうち、光軸方向と垂直に交わる方向に配置されている少なくとも1枚は、前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物が連続した構造の光学構造物である
半導体装置。
【請求項2】
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、異なる光学的な特徴を有する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、レンズである
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記連続した構造の光学構造物は、前記第1の光学構造物の光学面と前記第2の光学構造物の光学面の位置が異なる
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の光学構造物は、受光素子上に配置され、
前記第2の光学構造物は、発光素子上に配置されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、受光素子上に配置されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記連続した構造の光学構造物は、前記受光素子が配置されている側とは異なる側に配置されている
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物の間には、遮光壁が設けられている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、異なる個数、備えられている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
光軸方向で光学面の位置が異なる第1の光学構造物と第2の光学構造物が連続した構造である
光学構造物。
【請求項11】
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、異なる光学的な特徴を有する
請求項10に記載の光学構造物。
【請求項12】
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、レンズである
請求項10に記載の光学構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は半導体装置、光学構造物に関し、例えば、さらなる小型化ができるようにした半導体装置、光学構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を用いたカメラ付携帯電話やデジタルスチルカメラなどの撮像装置が知られている。撮像素子を用いて対象物までの距離を測定する測距装置としてTOF(Time Of Flight)センサが知れている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、発光側のレンズを保持するレンズホルダと受光側のレンズを保持するレンズホルダがそれぞれ設けられている。発光側のレンズホルダと受光側のレンズホルダをそれぞれ別に製造するため、これらを製造するためにかかる時間が長くなる可能性があった。またレンズホルダを2つ備える構成となるため小型化するのが困難であった。測距装置や撮像装置の小型化や製造にかかる時間の短縮が望まれている。
【0005】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、小型化や製造にかかる時間を短縮することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面の半導体装置は、第1の光軸方向に配置された複数の第1の光学構造物と、第2の光軸方向に配置された複数の第2の光学構造物とを備え、前記複数の第1の光学構造物と前記複数の第2の光学構造物のうち、光軸方向と垂直に交わる方向に配置されている少なくとも1枚は、前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物が連続した構造の光学構造物である。
【0007】
本技術の一側面の光学構造物は、光軸方向で光学面の位置が異なる第1の光学構造物と第2の光学構造物が連続した構造である。
【0008】
本技術の一側面の半導体装置においては、第1の光軸方向に配置された複数の第1の光学構造物と、第2の光軸方向に配置された複数の第2の光学構造物とが備えられ、複数の第1の光学構造物と複数の第2の光学構造物のうち、光軸方向と垂直に交わる方向に配置されている少なくとも1枚は、第1の光学構造物と第2の光学構造物が連続した構造の光学構造物とされている。
【0009】
本技術の一側面の光学構造物においては、光軸方向で光学面の位置が異なる第1の光学構造物と第2の光学構造物が連続した構造とされている。
【0010】
なお、半導体装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本技術を適用した半導体装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【
図5】小型化できることについて説明するための図である。
【
図6】レンズの構成について説明するための図である。
【
図11】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。
【0013】
本技術は、例えば直接TOF方式や間接TOF方式により測距を行う測距装置に適用することが可能である。本技術は、被写体を撮像し、カラー画像を取得する撮像装置などにも適用できる。本技術は、画像を出力しないようなセンサ、例えば近接センサなどにも適用できる。ここでは、本技術を適用できる範囲の装置を半導体装置と記述する。
【0014】
例えば測距装置は、車両に搭載され、車外にある対象物までの距離を測定する車載用のシステムや、ユーザの手等の対象物までの距離を測定し、その測定結果に基づいてユーザのジェスチャを認識するジェスチャ認識用のシステムなどに適用することができる。この場合、ジェスチャ認識の結果は、例えばカーナビゲーションシステムの操作等に用いることができる。
【0015】
<半導体装置の構成例>
図1は、本技術を適用した半導体装置の一実施の形態の構成例を示している。ここでは測距を行う装置に本技術を適用した場合を例に挙げて説明する。
【0016】
半導体装置10は、レンズ11、受光部12、信号処理部13、発光部14、および発光制御部15を備える。信号処理部13は、パターン切替部21と距離画像生成部22を備える。
図1の半導体装置10は、物体に対して光を照射し、その光(照射光)が物体で反射した光(反射光)を受光して、物体までの距離を測定する。
【0017】
半導体装置10の発光系は、発光部14と発光制御部15から成る。発光系においては、発光制御部15が、信号処理部13からの制御に従い、発光部14により赤外光(IR)を照射させる。レンズ11と受光部12の間にIRバンドフィルタを設け、IRバンドパスフィルタの透過波長帯に対応する赤外光を発光部14が発光する構成とするようにしても良い。
【0018】
発光部14は、半導体装置10の筐体内に配置してもよいし、半導体装置10の筐体外部に配置してもよい。発光制御部15は、発光部14を、所定のパターンで発光させる。このパターンは、パターン切替部21により設定され、所定のタイミングで切り替えられるように構成されている。
【0019】
パターン切替部21を設け、例えば、他の半導体装置10のパターンと重ならないように発光パターンを切り替えるように構成することができる。また、このようなパターン切替部21を設けない構成とすることも可能である。
【0020】
信号処理部13は、例えば、受光部12から供給される画像信号に基づいて、半導体装置10から物体までの距離を算出する算出部として機能する。算出された距離を画像として出力する場合、信号処理部13の距離画像生成部22は、物体までの距離が画素毎に表された距離画像を生成し、出力する。
【0021】
<受光部の構成>
図2は、受光部12の構成例を示すブロック図である。受光部12は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサとすることができる。
【0022】
受光部12は、画素アレイ部41、垂直駆動部42、カラム処理部43、水平駆動部44、およびシステム制御部45を含んで構成される。画素アレイ部41、垂直駆動部42、カラム処理部43、水平駆動部44、およびシステム制御部45は、図示しない半導体基板(チップ)上に設けられている。
【0023】
画素アレイ部41には、入射光量に応じた電荷量の光電荷を発生して内部に蓄積する光電変換素子を有する単位画素が行列状に2次元配置されている。
【0024】
画素アレイ部41にはさらに、行列状の画素配列に対して行毎に画素駆動線46が図の左右方向(画素行の画素の配列方向)に沿って設けられ、列毎に垂直信号線47が図の上下方向(画素列の画素の配列方向)に沿って設けられている。画素駆動線46の一端は、垂直駆動部42の各行に対応した出力端に接続されている。
【0025】
垂直駆動部42は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部41の各画素を、全画素同時あるいは行単位等で駆動する画素駆動部である。垂直駆動部42によって選択走査された画素行の各単位画素から出力される画素信号は、垂直信号線47の各々を通してカラム処理部43に供給される。カラム処理部43は、画素アレイ部41の画素列毎に、選択行の各単位画素から垂直信号線47を通して出力される画素信号に対して所定の信号処理を行うとともに、信号処理後の画素信号を一時的に保持する。
【0026】
具体的には、カラム処理部43は、信号処理として少なくとも、ノイズ除去処理、例えばCDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)処理を行う。このカラム処理部43による相関二重サンプリングにより、リセットノイズや増幅トランジスタの閾値ばらつき等の画素固有の固定パターンノイズが除去される。なお、カラム処理部43にノイズ除去処理以外に、例えば、AD(アナログデジタル)変換機能を持たせ、信号レベルをデジタル信号で出力することも可能である。
【0027】
水平駆動部44は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、カラム処理部43の画素列に対応する単位回路を順番に選択する。この水平駆動部44による選択走査により、カラム処理部43で信号処理された画素信号が順番に信号処理部48に出力される。
【0028】
システム制御部45は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータ等によって構成され、タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に垂直駆動部42、カラム処理部43、および水平駆動部44などの駆動制御を行う。
【0029】
画素アレイ部41において、行列状の画素配列に対して、画素行毎に画素駆動線46が行方向に沿って配線され、各画素列に2つの垂直信号線47が列方向に沿って配線されている。例えば画素駆動線46は、画素から信号を読み出す際の駆動を行うための駆動信号を伝送する。なお、
図2では、画素駆動線46について1本の配線として示しているが、1本に限られるものではない。画素駆動線46の一端は、垂直駆動部42の各行に対応した出力端に接続されている。
【0030】
<半導体装置の断面構成例>
次に、半導体装置の構成例についての説明を続ける。以下の説明においては、レンズホルダを2つ備える半導体装置と、レンズホルダを1つ備える半導体装置について説明を加える。レンズホルダを2つ備える半導体装置は、半導体装置100として説明を加え、レンズホルダを1つ備える半導体装置を、半導体装置10として説明を加える。半導体装置100は、上記した半導体装置10として用いることができる。
【0031】
図3は、半導体装置の断面構成例を示す図である。半導体装置100は、基板111上に、受光側のレンズを保持する受光側レンズホルダ112と、発光側のレンズを保持する発光側レンズホルダ113が搭載された構成とされている。受光側レンズホルダ112と基板111との間には、入射された光を受光する受光素子としての撮像素子114が配置されている。発光側レンズホルダ113と基板111との間には、発光部115が配置されている。
【0032】
なお、ここでは、受光素子の一例として撮像素子を例に挙げて説明するが、入射してきた光を受光し、画像を生成するのに用いられる撮像素子以外の受光素子であっても本技術を適用できる。
【0033】
受光側レンズホルダ112にはレンズ121、レンズ122、およびレンズ123の3枚のレンズが保持されている。発光側レンズホルダ113には、レンズ131、レンズ132、およびレンズ133が保持されている。受光側レンズホルダ112と発光側レンズホルダ113は、所定の間隔を有して配置されている。
【0034】
発光部115で発光された光は、レンズ131乃至133を透過し、物体に照射される。物体により反射された反射光である測定光が、レンズ121乃至123により撮像素子114において結像する。
【0035】
受光側レンズホルダ112に保持されているレンズ121乃至123の中心と、発光側レンズホルダ113に保持されているレンズ131乃至133のレンズの中心との距離を、基線長と記述する。
図3に示した半導体装置100の基線長は、基線長L11である。
【0036】
半導体装置100は、別々に設計され、組み立てられた受光側レンズホルダ112と発光側レンズホルダ113が、基板111上に所定の間隔を有して配置されているため、基線長L11を短くするには限界がある。基線長L11を短くすることに限界があるため、半導体装置100自体を小型化することにも限界がある。また、受光側レンズホルダ112と発光側レンズホルダ113の異なる光学系を、異なる生産プロセスで組み立てる必要があるため、製造時にかかる時間をより短縮することにも限界がある。
【0037】
そこで以下に、より小型化でき、製造時にかかる時間を短くできる半導体装置10について説明する。
【0038】
<半導体装置の他の構成>
図4は、半導体装置の他の構成例を示す図である。
図4に示した半導体装置は、1つのレンズホルダを備える半導体装置であり、1つのレンズホルダを備える半導体装置については、複数の実施の形態を説明するため、他の実施の形態と区別するために、
図4に示した半導体装置10は、第1の実施の形態おける半導体装置10aとして説明を続ける。
【0039】
半導体装置10aは、基板211上に、受光側のレンズと発光側のレンズを保持するレンズホルダ212が搭載された構成とされている。
図4中、左側を受光側とし、右側を発光側とする。受光側において、レンズホルダ212と基板211との間には、受光素子としての撮像素子214が配置されている。発光側において、レンズホルダ212と基板211との間には、発光素子を含む発光部215が配置されている。レンズホルダ212にはレンズ221、レンズ222、レンズ223、レンズ224の4枚のレンズが保持されている。
【0040】
レンズホルダ212とレンズ221乃至223は、例えば
図1における半導体装置10のレンズ11に該当する。撮像素子214は、例えば
図1における半導体装置10の受光部12に該当し、
図2に示したように、行列上に画素50が配置された構成を有している。
【0041】
レンズホルダ212とレンズ221,223,224と、発光部215は、
図1における半導体装置10の発光部14に該当する。発光部215は、可視光、赤外光などの任意の波長の光を出射光として出射する。例えば、出射光の波長は、半導体装置10aの用途に応じて任意に選択される。
【0042】
レンズホルダ212は、受光側と発光側のレンズを保持している。レンズホルダ212に保持されるレンズには、受光側のレンズと発光側のレンズが一体化されたレンズも含まれる。レンズホルダ212に保持されているレンズ221は、受光側のレンズとして用いられるレンズ221-1と、発光側のレンズとして用いられるレンズ221-2が一体化された構成のレンズである。
【0043】
レンズホルダ212に保持されているレンズ223は、受光側のレンズとして用いられるレンズ223-1と、発光側のレンズとして用いられるレンズ223-2が一体化された構成のレンズである。
【0044】
図4に示した半導体装置10aにおいても、発光部215で発光された光は、レンズ221-2,224,223-2を透過し、物体に照射される。物体により反射された反射光である測定光が、レンズ221-1,222,223-1により撮像素子214において結像する。
【0045】
図4に示した半導体装置10aは、
図3に示した半導体装置100と異なり、1つのレンズホルダ212により、受光側のレンズと発光側のレンズが保持されている。よって、製造時にかかる時間を短くし、半導体装置10aを小型化することができる。このことについて、
図5を参照して説明する。
【0046】
図5の上図は、
図3に示した半導体装置100であり、
図5の下図は、
図4に示した半導体装置10aである。
図5の上図に示したように、レンズホルダを別個に備える半導体装置100の基線長は、基線長L11となる。
図5の下図に示したように、一体化形成されたレンズを備える半導体装置10aの基線長は、基線長L12となる。基線長L12は、基線長L11よりも短くなる。
【0047】
半導体装置100は、受光側レンズホルダ112と発光側レンズホルダ113が別々に設けられ、所定の間隔を有して配置されている。そのため、基線長L11には、所定の間隔の長さと、受光側レンズホルダ112と発光側レンズホルダ113のそれぞれの側面の厚さが含まれる。一方で、半導体装置10aには、半導体装置100にある所定の間隔に該当する長さがないため、少なくとも、この長さ分は、基線長L11よりも基線長L12は短くなる。
【0048】
半導体装置10aには、受光側レンズホルダ112と発光側レンズホルダ113のそれぞれの側面の厚さに該当する長さも短くできる構造であるため、基線長L12を基線長L11よりもさらに短くすることができる。このことについて
図6を参照して説明する。
【0049】
図6は、
図4に示した半導体装置10aのレンズホルダ212に保持されているレンズ223を示す図である。レンズ223は、レンズ223-1とレンズ223-2が一体化された構成とされている。レンズ223-1の有効径を有効径L21とし、レンズ223-2の有効径を有効径L23とする。レンズ223-1とレンズ223-2は、有効径以外の部分で接続されている。レンズ223-1とレンズ223-2が接続されている領域を接続部とする。接続部は、有効径L21と有効径L22に挟まれた位置にあり、その長さは長さL22である。
【0050】
基線長L12は、L12=(L21/2)+L22+(L23/2)と表すことができる。基線長L11を、同様に表した場合、また長さL22に該当する長さを長さL32と記載した場合、基線長L11は、L11=(L21/2)+L32+(L23/2)と表すことができる。基線長L12の長さと基線長L11の長さに違いを生じさせるのは、長さL12と長さL32の長さの違いである。
【0051】
図5の上図を参照するに長さL32は、受光側レンズホルダ112と発光側レンズホルダ113が配置されている間隔や、受光側レンズホルダ112と発光側レンズホルダ113のそれぞれの側面の厚さや、保持されているレンズの有効径以外の部分の一部(レンズを保持するために設けられた平坦な部分)を含む長さとなる。このレンズの有効径以外の部分の一部は、レンズ同士を接続する接続部として用いることができる部分であり、長さとしては長さL22と略同じ長さとすることができる。
【0052】
このようなことから、長さL32は、長さL22よりも長くなることは明らかである。長さL32よりも長さL22は短くなるため、長さL32を含む基線長L11よりも長さL22を含む基線長L12の方が短くなることも明らかである。長さL22をより短くすることで、より小型化できるようになることも明らかである。よって、半導体装置10aを小型化することができる。
【0053】
再度
図5を参照するに、半導体装置100は、受光側レンズホルダ112と発光側レンズホルダ113をそれぞれ備えるため、受光側レンズホルダ112にレンズを格納する工程と、発光側レンズホルダ113にレンズを格納する工程が、それぞれ行われる。半導体装置10aは、受光側のレンズと発光側のレンズが一体化され、その一体化されたレンズが、レンズホルダ212に保持されるため、レンズホルダ212にレンズを格納する工程だけで良い。よって、製造時にかかる時間を、本技術を適用した半導体装置10aによれば短縮することができる。
【0054】
半導体装置100では、受光側レンズホルダ112と発光側レンズホルダ113を別々に基板111に取り付ける工程が必要だが、半導体装置10aでは、レンズホルダ212を基板211に取り付ける工程だけで良い。よって、この点においても半導体装置10aによれば製造時にかかる時間を短縮できる。
【0055】
このように、本技術を適用することで、製造時にかかる時間を短縮でき、製造される半導体装置10aは、小型化された半導体装置10aとすることができる。
【0056】
図6を再度参照する。レンズ223は、例えば、樹脂で形成することができる。レンズ223を形成するとき、例えば、
図6において矢印で示したように、レンズ223を形成するための型に左側から樹脂を流し込むことで、レンズ223を形成することができる。樹脂を流し込んでレンズ223を形成する場合、レンズ223-1とレンズ223-2を接続している接続部は、樹脂が流れやすい大きさを保った形状であるのが好ましい。例えば、接続部が狭い場合、樹脂がレンズ223-2側に十分に流れなかったり、接続部に大きな段差があると接続部で樹脂が十分に充填されてない領域ができてしまったりする可能性がある。このようなことがないように、接続部は、樹脂が十分に流れる形状に形成されている。
【0057】
図示はしないが、レンズ221も、レンズ223と同様に、樹脂を型に流し込むことで形成される。一体化形成ではないレンズ222やレンズ224も、同様に型に樹脂を流し込むことで形成することができる。
【0058】
なおここでは樹脂で説明を続けるが、樹脂以外の材料が用いられたレンズを本技術に適用することもできる。ここではレンズ221乃至224は、樹脂レンズであるとして説明を続けるが、レンズ221乃至224の全てを樹脂レンズとしても良いし、レンズ221乃至224のうちの1乃至3枚のレンズを樹脂レンズとし、他のレンズは樹脂以外の材料で形成されたレンズとしても良い。
【0059】
図6に示したように、レンズ223は、異なる光学的な特徴を有するレンズ223-1とレンズ223-2が連続して、一体化形成された構成とされている。例えば、レンズ223-1は、受光側のレンズであり、入射してきた光を集光する機能を有し、レンズ223-2は、発光側のレンズであり、出射される光を拡散する機能を有する。
【0060】
レンズ223-1の有効径L21とレンズ223-2の有効径L23は異なる大きさである。このように、光学的な特徴として、異なる機能を有していたり、異なる形状で形成されていたりするレンズが、一体化した、あたかも1枚のレンズのように扱うことができるようにレンズ223は形成されている。
【0061】
レンズ223は、異なる光学面を有するレンズであるとも換言できる。レンズ223を構成するレンズ223-1の光学面と、レンズ223-2の光学面は、異なる位置にある。光学面とは、レンズ223の材料と空気との界面である。光学面において、光は反射、屈折、透過する。光学面の形状としては、平面、球面、自由曲面がある。
【0062】
図6に示した例では、光軸方向において、レンズ223-1の光学面は、レンズ223-2の光学面よりも高い位置に形成されている。レンズ223は、異なる位置に光学面を有する複数のレンズが連続した構造物である。
【0063】
なおここでは、レンズを例に挙げて説明しているが、レンズなどの光学構造物以外の構造物に対しても本技術を適用できる。例えば、所定の波長の光を透過するフィルタなどの光学構造物にも本技術を適用できる。この場合、異なる波長の光を透過する複数のフィルタが、連続した構成の構造物とされる。
【0064】
図4を再度参照する。
図4に示したレンズホルダ212には、受光側のレンズとして、光軸方向(図中縦方向)に配置されたレンズ221-1、レンズ222、およびレンズ223-1が保持されている。
【0065】
レンズホルダ212には、発光側のレンズとして、光軸方向に配置されたレンズ221-2、レンズ224、およびレンズ223-2が保持されている。
【0066】
以下の説明においては、レンズ223のように、異なる光学的な特徴を有する複数のレンズが連続した構造物とされているレンズを、一体化形成されたレンズと記載する。
【0067】
一体化形成されたレンズは、ここでは、2枚の異なる特徴を有するレンズが一体化されている場合を例に挙げて説明を続けるが、2以上のレンズが一体化形成されたレンズとされた場合にも本技術を適用できる。
【0068】
レンズホルダ212に保持されているレンズのうち、レンズ221-1とレンズ221-2は一体構成されたレンズ221として形成され、レンズ223-1とレンズ223-2は一体構成されたレンズ223として形成されている。
【0069】
図4に示した半導体装置10aにおいては、受光側のレンズが3枚、発光側のレンズが3枚で構成されている例を示し、そのうちの2枚が一体化形成されたレンズとされている例を示した。一体化形成されたレンズは、1枚でも良い。
【0070】
1枚の一体化形成されたレンズを用いる場合、レンズホルダ212の一番上側、換言すれば、撮像素子214や発光部215が備えられている面から一番遠い側に取り付けられるレンズを、一体化形成されたレンズとすることができる。レンズホルダ212の一番上に取り付けられるレンズを、一体化形成されたレンズとすることで、外部からのゴミやチリがレンズホルダ212の内部に入り込むようなことを防ぐことができる。
【0071】
レンズホルダ212の一番上側にあるレンズを、一体化形成されたレンズとすることで、ケラレを抑制することができる。
図5の上図に示したレンズホルダを別個に備える半導体装置100のように、発光側レンズホルダ113の横側に受光側レンズホルダ112があると、発光側レンズホルダ113から出射された光のうち、出射角度が大きい光は、受光側レンズホルダ112の側面に当たってしまう可能性がある。
【0072】
しかしながら、
図5の下側に示した一体化形成されたレンズを備える半導体装置10aのように、レンズホルダ212の一番上側のレンズ223を一体化形成されたレンズとすることで、上記したような出射角度が大きい光がレンズホルダに当たるようなことを防ぐことができる。このようなことを防ぐことができることで、ケラレを軽減させることができる。
【0073】
レンズホルダ212の一番上側にあるレンズは、一般的に大きくなる傾向にある。そのようなレンズを、一体化形成されたレンズとすることで、別体で構成した場合よりも小型化できる。例えば、
図3に示した半導体装置100において、一番上に配置されるレンズ1123とレンズ133を一体化形成したレンズとし、2つのレンズホルダ上に設ける構成とすることで、レンズホルダを2つ備える半導体装置100であっても、小型化することができる。
【0074】
図4に示した半導体装置10aにおいて、レンズホルダ212に保持されている全てのレンズが、一体化形成されたレンズであっても良い。
図4に示した半導体装置10aにおいて、レンズホルダ212に、3枚の一体化形成されたレンズが保持されている構成としても良い。レンズホルダ212に保持されている一体化形成されたレンズの枚数は、1以上であれば、本技術の適用範囲である。
【0075】
図4に示した半導体装置10aのレンズホルダ212に含まれるレンズ221は、両端に平坦部221’と平坦部221”が形成されている。この平坦部221’と平坦部221”は、レンズの有効径以外の領域に形成されている。平坦部221’と平坦部221”がそれぞれレンズホルダ212に形成されている保持部212-1’,212-1”と接するように配置されることで、レンズ221は、レンズホルダ212に保持される。
【0076】
同じく、レンズ223の両端には、平坦部223’と平坦部223”が形成されている。この平坦部223’と平坦部223”がそれぞれレンズホルダ212に形成されている保持部212-3’,212-3”と接するように配置されることで、レンズ223は、レンズホルダ212に保持される。
【0077】
このように、一体化形成されたレンズ221やレンズ223は、レンズの両端に平坦に形成されている部分で、レンズホルダ212に保持される。レンズ221やレンズ223の、異なる特徴のレンズ同士が接続されている接続部は、レンズを保持するのには用いられない構成とすることもできる。
図6を参照して説明した接続部の長さに該当する長さL2の長さを短くしても、保持する機構に影響を与えることがない。よって、長さL2を短くした構成とすることもでき、半導体装置10aを小型化することができる。
【0078】
レンズ222とレンズ224は、一体化形成されたレンズではなく、受光側と発光側にそれぞれ備えられたレンズである。このようなレンズは、レンズホルダ212にどのようにして保持されるかは、レンズホルダ212の設計時に適宜設定される。例えば、
図4に示した半導体装置10aにおいては、レンズ224は、両端に平坦部224’,224”を有し、その平坦部224’,224”が、レンズ221-2の平坦な部分(一方は平坦部221”であり、他方は接続部に該当する部分)上と接するように置かれることで、レンズホルダ212内に保持される。
【0079】
レンズ222も、両端に平坦部222’,222”を有し、その平坦部222’,222”がレンズホルダ212内に形成されている保持部226に載せられることで、保持される構成とされている。保持部226は、間隔管であっても良い。保持部226の一端は、レンズ222の平坦部222”とレンズ224の平坦部222’に挟まれるように構成とされており、レンズ222とレンズ224が互いに位置がずれるようなことがない構成とされている。
【0080】
レンズ221乃至224の形状は、受光側においては、入射された光を集光するのに適した構成とされ、発光側においては、出射する光を拡散するのに適した構成とされている。
図4に示したレンズ221乃至224の形状は一例であり、限定を示す記載ではなく、各レンズが凹レンズで形成されるか、凸レンズで形成されるか、またそれらのレンズをどのように組み合わせるか、各レンズの光軸方向(縦方向)における位置関係などは、適宜最適になるように設定される。
【0081】
<第2の実施の形態における半導体装置の構成>
図7は、第2の実施の形態における半導体装置10bの構成例を示す図である。第1の実施の形態における半導体装置10aに適用できる技術は、以下の実施の形態においても適用でき、その説明は適宜省略する。
【0082】
第1の実施の形態における半導体装置10aは、受光側のレンズが3枚で構成され、発光側のレンズも3枚で構成されている例を示した。第2の実施の形態における半導体装置10bは、受光側のレンズが3枚で構成され、発光側のレンズが4枚で構成されている。
【0083】
図7に示した半導体装置10bのレンズホルダ312には、一体化形成されたレンズ321、レンズ322、およびレンズ323が保持され、発光側のレンズとしてレンズ324も保持されている。レンズ321は、受光側のレンズ321-1と発光側のレンズ321-2が連続した形状とされているレンズである。レンズ322は、受光側のレンズ322-1と発光側のレンズ322-2が連続した形状とされているレンズである。レンズ323は、受光側のレンズ323-1と発光側のレンズ323-2が連続した形状とされているレンズである。
【0084】
半導体装置10bは、受光側のレンズ(入射された光を集光するレンズ)として、光軸方向に、レンズ321-1、レンズ322-1、およびレンズ323-1を備える。半導体装置10bは、発光側のレンズ(出射する光を拡散するレンズ)として、光軸方向に、レンズ321-2、レンズ324、レンズ322-2、およびレンズ323-2を備える。
【0085】
図7に示した半導体装置10bは、受光側の1枚目のレンズ321-1と発光側の1枚目のレンズ321-2が接続された構成とされ、受光側の2枚目のレンズ322-1と発光側の3枚目のレンズ322-2が接続され、受光側の3枚目のレンズ323-1と発光側の4枚目のレンズ323-2が接続された構成とされている。
【0086】
このように、受光側のレンズと発光側のレンズが異なる枚数で構成され、一体化形成されているレンズが、受光側と発光側で異なる枚数目のレンズ同士が接続された構成であっても良い。
【0087】
<第3の実施の形態における半導体装置の構成>
図8は、本技術を適用した第3の実施の形態における半導体装置10cの構成例を示す図である。
【0088】
第3の実施の形態における半導体装置10cは、受光側のレンズが3枚で構成され、発光側のレンズが4枚で構成されている点は、第2の実施の形態における半導体装置10bと同様であるが、遮光壁451が形成されている点が異なる。
【0089】
図8に示した半導体装置10cのレンズホルダ412には、一体化形成されたレンズ422とレンズ423が保持されている。レンズホルダ412には、受光側のレンズとしてレンズ421と発光側のレンズとしてレンズ424、レンズ425も保持されている。
【0090】
レンズ422は、受光側のレンズ422-1と発光側のレンズ422-2が連続した形状とされているレンズである。レンズ423は、受光側のレンズ423-1と発光側のレンズ423-2が連続した形状とされているレンズである。
【0091】
半導体装置10cは、受光側のレンズ(入射された光を集光するレンズ)として、光軸方向に、レンズ421、レンズ422-1、およびレンズ423-1を備える。半導体装置10bは、発光側のレンズ(出射する光を拡散するレンズ)として、光軸方向に、レンズ424、レンズ425、レンズ422-2、およびレンズ423-2を備える。
【0092】
図8に示した半導体装置10cは、受光側の2枚目のレンズ422-1と発光側の3枚目のレンズ422-2が接続され、受光側の3枚目のレンズ423-1と発光側の4枚目のレンズ423-2が接続された構成とされている。
【0093】
このように、受光側のレンズと発光側のレンズで異なる枚数で構成され、一体化形成されているレンズが、受光側と発光側で異なる枚数目のレンズ同士が接続された構成であっても良い。
【0094】
図8に示した半導体装置10cは、受光側の1枚目のレンズであるレンズ421と発光側の1枚目のレンズであるレンズ424との間に、遮光壁451が設けられている。発光部215により発光された光の一部は、受光側に漏れ込む可能性がある。例えば、半導体装置10a(
図4)や半導体装置10b(
図7)のように撮像素子214に近い側に配置されているレンズ221(321)を、一体化形成されたレンズとした場合、そのレンズが導光路となり、発光部215で発光された光の一部が、受光側(撮像素子214)に漏れ込んでしまう可能性がある。
【0095】
このような光の漏れ込みを防ぐために、
図8に示した半導体装置10cでは、撮像素子214の一番近い側に配置されているレンズは、一体化形成されたレンズとせずに、受光側と発光側に、レンズ421とレンズ424をそれぞれ設ける。レンズ421とレンズ424を別体とすることで、導光路となる可能性を低下させることができる。さらに遮光壁451を設けることで、漏れ込む光を低減させることができる。
【0096】
遮光壁451は、光を遮光することができる材料で構成されている。
図8に示した構成では、遮光壁451は、レンズ425を支える部材としても用いられている。レンズ425は、両端の有効径外の領域に、平坦な部分が形成されており、その平坦な部分の一端が、遮光壁451の一端と接するように構成されている。レンズ425は、遮光壁451と、レンズホルダ412に形成されている保持部により保持される構成とされている。
【0097】
レンズ425を支える部材として間隔管を用いても良い。間隔管は、レンズとレンズの間隔を一定に保つための部材として用いられる。間隔管を、遮光壁451として用いても良い。例えば、間隔管を遮光性の高い材料で形成し、レンズを保持する機能と、遮光壁451としての機能を有するように構成しても良い。
【0098】
このように遮光壁451を設けることで、光の漏れ込みを防ぐことができ、撮像素子214に漏れ込んだ光が入射されるようなことを防ぐことができる。
【0099】
<第4の実施の形態における半導体装置の構成>
図9は、本技術を適用した第4の実施の形態における半導体装置10dの構成例を示す図である。
【0100】
図3を参照して説明した半導体装置100、および第1乃至第3の実施の形態における半導体装置10a乃至10cは、測距を行う装置に本技術を適用した場合を例に挙げて説明した。本技術は、例えば、被写体を撮像し、カラー画像や赤外光の画像などを取得する装置に対しても適用できる。第4,第5の実施の形態として、カラー画像などを取得する半導体装置10に対して本技術を適用した場合について説明する。
【0101】
図9は、第4の実施の形態における半導体装置10dの構成例を示す図である。半導体装置10dは、
図7に示した第2の実施の形態における半導体装置10bの発光部215の代わりに撮像素子511が配置された構成とされている点が異なり、他の点は同様であるため、同様の符号を付し、その説明は省略する。
【0102】
半導体装置10dは、レンズホルダ312と基板211との間に、撮像素子511が配置されている。撮像素子511は、第1乃至第3の実施の形態おいて受光側と称していた側だけでなく、発光側と称していた側にも配置されている。また、受光素子(撮像素子511)は複数枚であっても良いし、1枚であっても良い。
【0103】
図中、左側を受光側Aとし、右側を受光側Bとする。撮像素子511は、
図9では、受光側Aと受光側Bに1つの撮像素子511が配置されているが、受光側Aと受光側Bにそれぞれ撮像素子が配置されている構成であってもよい。
図9に示したように1つの撮像素子511を設けた場合、受光側Aと受光側Bの間(有効径以外の領域)には画素50(
図2)を設けない構成としても良い。
【0104】
受光側Aと受光側Bは、それぞれ異なる光学的特徴を有する構成とすることができる。例えば、半導体装置10dの受光側Aは、静止画像を撮像する撮像部として機能させ、受光側Bは動画像を撮影する撮影部として機能させる構成とすることができる。このようにした場合、受光側Aのレンズや撮像素子511は、静止画像の撮像に適した構成とされ、受光側Bのレンズや撮像素子511は、動画像の撮影に適した構成とされる。
【0105】
例えば、半導体装置10dの受光側Aと受光側Bで異なる解像度や異なる露光時間で撮像を行う構成としても良い。このようにした場合、例えば、半導体装置10dの受光側Aを長時間露光での撮像を行う撮像部とし、受光側Bを短時間露光での撮像を行う撮像部とし、これら2つの撮像部で得られた画像を合成することでダイナミックレンジが拡大された画像を生成する半導体装置10dとすることができる。
【0106】
例えば、半導体装置10dの受光側Aを、可視光で画像を撮像する撮像部とし、受光側Bを、赤外光で画像を撮像する撮像部とする構成とすることもできる。このようにした場合、受光側Aのレンズや撮像素子511は、可視光の撮像に適した構成とされ、受光側Bのレンズや撮像素子511は、赤外光の撮影に適した構成とされる。このようにした場合、例えば、レンズ423をフィルタとし、レンズ423-1に該当するフィルタは、可視光を透過するフィルタとし、レンズ423-2に該当するフィルタは、赤外光を透過するフィルタとしても良い。
【0107】
このように、受光側Aと受光側Bをそれぞれ異なる機能を有するように構成し、その機能に適したレンズがレンズホルダ412に保持されるようにすることができる。レンズホルダ412に保持される複数枚のレンズのうちの所定の枚数のレンズは、一体化形成されたレンズとすることができる。その一体化形成されたレンズは、異なる機能に適した異なる光学特性を有するレンズが接続されたレンズとすることができる。
【0108】
<第5の実施の形態における半導体装置の構成>
図10は、本技術を適用した第5の実施の形態における半導体装置10eの構成例を示す図である。
【0109】
図10に示した第5の実施の形態における半導体装置10eは、第3の実施の形態における半導体装置10c(
図8)と第4の実施の形態における半導体装置10d(
図9)を組み合わせた構成とされている。第3の実施の形態における半導体装置10cと同一の箇所には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0110】
第5の実施の形態における半導体装置10eは、第3の実施の形態における半導体装置10cと同じく、遮光壁451を備え、第4の実施の形態における半導体装置10dと同じく、発光部215の代わりに撮像素子611が備えられている。撮像素子611は、
図9に示した半導体装置10dの撮像素子511に該当する。
【0111】
図10に示したように、レンズホルダ412内に遮光壁451を備え、光の漏れ込みが抑制された構成とすることもできる。
【0112】
本技術によれば、半導体装置10を小型化することができる。本技術を適用した半導体装置10は、製造時にかかる時間を短縮することができ、工程数を減らすことができる。
【0113】
<移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0114】
図11は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0115】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図11に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
【0116】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0117】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0118】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0119】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0120】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0121】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0122】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0123】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12030に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0124】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図11の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0125】
図12は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0126】
図12では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
【0127】
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0128】
なお、
図12には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0129】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0130】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0131】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0132】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0133】
本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0134】
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0135】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0136】
本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
第1の光軸方向に配置された複数の第1の光学構造物と、
第2の光軸方向に配置された複数の第2の光学構造物と
を備え、
前記複数の第1の光学構造物と前記複数の第2の光学構造物のうち、光軸方向と垂直に交わる方向に配置されている少なくとも1枚は、前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物が連続した構造の光学構造物である
半導体装置。
(2)
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、異なる光学的な特徴を有する
前記(1)に記載の半導体装置。
(3)
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、レンズである
前記(1)または(2)に記載の半導体装置。
(4)
前記連続した構造の光学構造物は、前記第1の光学構造物の光学面と前記第2の光学構造物の光学面の位置が異なる
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の半導体装置。
(5)
前記第1の光学構造物は、受光素子上に配置され、
前記第2の光学構造物は、発光素子上に配置されている
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の半導体装置。
(6)
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、受光素子上に配置されている
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の半導体装置。
(7)
前記連続した構造の光学構造物は、前記受光素子が配置されている側とは異なる側に配置されている
前記(5)または(6)に記載の半導体装置。
(8)
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物の間には、遮光壁が設けられている
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の半導体装置。
(9)
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、異なる個数、備えられている
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の半導体装置。
(10)
光軸方向で光学面の位置が異なる第1の光学構造物と第2の光学構造物が連続した構造である
光学構造物。
(11)
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、異なる光学的な特徴を有する
前記(10)に記載の光学構造物。
(12)
前記第1の光学構造物と前記第2の光学構造物は、レンズである
前記(10)または(11)に記載の光学構造物。
【符号の説明】
【0137】
10 半導体装置, 11 レンズ, 12 受光部, 13 信号処理部, 14 発光部, 15 発光制御部, 21 パターン切替部, 22 距離画像生成部, 41 画素アレイ部, 42 垂直駆動部, 43 カラム処理部, 44 水平駆動部, 45 システム制御部, 46 画素駆動線, 47 垂直信号線, 48 信号処理部, 50 画素, 211 基板, 212 レンズホルダ, 214 撮像素子, 215 発光部, 221,222,223,224 レンズ, 226 保持部, 312 レンズホルダ, 321,322,323,324 レンズ, 412 レンズホルダ, 421,422,423,424,425 レンズ, 451 遮光壁, 511,611 撮像素子