(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061867
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】タイヤ積み込み方法及びタイヤ積み込みシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 43/08 20060101AFI20220412BHJP
B29C 33/02 20060101ALI20220412BHJP
B29C 35/02 20060101ALI20220412BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20220412BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20220412BHJP
B65G 60/00 20060101ALI20220412BHJP
B65G 47/78 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
B65G43/08 Z
B29C33/02
B29C35/02
B65G1/137 C
B65G1/04 507
B65G60/00 S
B65G47/78 A
B65G60/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170082
(22)【出願日】2020-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】勝部 充
【テーマコード(参考)】
3F022
3F027
3F070
3F522
4F202
4F203
【Fターム(参考)】
3F022AA06
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4F202AA45
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(57)【要約】
【課題】生産計画に応じて加硫装置にセットされる金型が変更される場合であっても、容易にラックを割り当てて、タイヤを円滑に積み込むことができる方法を提供する。
【解決手段】タイヤ積み込み方法100は、複数サイズのタイヤを、複数の積み込み装置を用いて、サイズごとに分類し、可搬性を有する複数のラックに積み込む方法である。各積み込み装置には、ラックが載置されるラック置場ラック置場が設けられる。タイヤ積み込み方法100は、金型の数である第1数をサイズごとに集計する第1ステップS1と、ラック置場の数である第2数を積み込み装置ごとに集計する第2ステップS2と、第1数及び第2数に基づいて、各サイズごとにタイヤを積み込むための積み込み装置及びラック置場を決定する第3ステップS3とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金型によって加硫成形された後、コンベアによって搬送される複数サイズのタイヤを、複数の積み込み装置を用いて、前記サイズごとに分類し、可搬性を有する複数のラックに積み込む方法であって、
各積み込み装置には、前記ラックが載置されるラック置場が設けられ、
前記金型の数である第1数を前記サイズごとに集計する第1ステップと、
前記ラック置場の数である第2数を積み込み装置ごとに集計する第2ステップと、
前記第1数及び前記第2数に基づいて、各サイズごとに前記タイヤを積み込むための前記積み込み装置及び前記ラック置場を決定する第3ステップとを含む、
タイヤ積み込み方法。
【請求項2】
前記第3ステップは、前記第1数が多い前記サイズを、前記金型からの距離が大きい前記積み込み装置に優先的に適用する、請求項1に記載のタイヤ積み込み方法。
【請求項3】
前記第3ステップは、前記第1数が多い前記サイズを、前記第2数が多い前記ラック置場に載置された前記ラックに優先的に適用する、請求項1又は2に記載のタイヤ積み込み方法。
【請求項4】
前記第3ステップは、前記第1数が多い前記サイズを、前記積み込み装置による積み込み時間が短い前記ラック置場に載置された前記ラックに優先的に適用する、請求項1ないし3のいずれかに記載のタイヤ積み込み方法。
【請求項5】
前記第1数が変動するたびに、前記第1ステップないし前記第3ステップが実行される、請求項1ないし4のいずれかに記載のタイヤ積み込み方法。
【請求項6】
加硫成形時の不良を検出する第4ステップと、
前記不良が発生する前記金型を特定する第5ステップをさらに含み、
前記第1ステップは、前記不良が発生する前記金型によって加硫成形された前記タイヤと前記不良が発生しない前記金型によって加硫成形された前記タイヤとを、異なるサイズの前記タイヤとして前記第1数を集計する、請求項1ないし5のいずれかに記載のタイヤ積み込み方法。
【請求項7】
前記第4ステップで前記不良を検出するたびに、前記第1ステップないし前記第3ステップが実行される、請求項6に記載のタイヤ積み込み方法。
【請求項8】
複数の金型によって加硫成形された複数サイズのタイヤを搬送するコンベアと、
前記コンベアによって搬送される前記タイヤを前記サイズごとに分類し、可搬性を有する複数のラックに積み込む複数の積み込み装置と、
前記積み込み装置を制御する制御装置とを含むタイヤ積み込みシステムであって、
各積み込み装置には、前記ラックが載置されるラック置場が設けられ、
前記制御装置は、
前記サイズごとの前記金型の数である第1数と、前記積み込み装置ごとの前記ラック置場の数である第2数とに基づいて、各サイズごとに前記タイヤを積み込むための前記積み込み装置及び前記ラック置場を決定し、前記積み込み装置を制御する、
タイヤ積み込みシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数サイズのタイヤを複数のラックに積み込む技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送手段により搬送されて来る成形タイヤをサイズ別に仕分けする仕分け装置と、仕分けされたタイヤの行先を振分けする振分け装置とで構成される指示装置とを備えたタイヤ搬入・搬出及び積み込み装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タイヤは、サイズによって生産本数が異なり、生産本数が多いタイヤは、多数の金型によって加硫成形される。加硫装置にセットされる金型は、生産計画に応じて変更される。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された装置では、加硫装置にセットされる金型が変更されたとき、各ラックをどのサイズのタイヤに割り当てるかを決定するのが困難であった。
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、生産計画に応じて加硫装置にセットされる金型が変更される場合であっても、容易にラックを割り当てて、タイヤを円滑に積み込むことができるタイヤ積み込み方法及びシステムを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1発明は、複数の金型によって加硫成形された後、コンベアによって搬送される複数サイズのタイヤを、複数の積み込み装置を用いて、前記サイズごとに分類し、可搬性を有する複数のラックに積み込む方法であって、各積み込み装置には、前記ラックが載置されるラック置場が設けられ、前記金型の数である第1数を前記サイズごとに集計する第1ステップと、前記ラック置場の数である第2数を積み込み装置ごとに集計する第2ステップと、前記第1数及び前記第2数に基づいて、各サイズごとに前記タイヤを積み込むための前記積み込み装置及び前記ラック置場を決定する第3ステップとを含む。
【0008】
本発明に係る前記タイヤ積み込み方法において、前記第3ステップは、前記第1数が多い前記サイズを、前記金型からの距離が大きい前記積み込み装置に優先的に適用する、ことが望ましい。
【0009】
本発明に係る前記タイヤ積み込み方法において、前記第3ステップは、前記第1数が多い前記サイズを、前記第2数が多い前記ラック置場に載置された前記ラックに優先的に適用する、ことが望ましい。
【0010】
本発明に係る前記タイヤ積み込み方法において、前記第3ステップは、前記第1数が多い前記サイズを、前記積み込み装置による積み込み時間が短い前記ラック置場に載置された前記ラックに優先的に適用する、ことが望ましい。
【0011】
本発明に係る前記タイヤ積み込み方法において、前記第1数が変動するたびに、前記第1ステップないし前記第3ステップが実行される、ことが望ましい。
【0012】
本発明に係る前記タイヤ積み込み方法において、加硫成形時の不良を検出する第4ステップと、前記不良が発生する前記金型を特定する第5ステップをさらに含み、前記第1ステップは、前記不良が発生する前記金型によって加硫成形された前記タイヤと前記不良が発生しない前記金型によって加硫成形された前記タイヤとを、異なるサイズの前記タイヤとして前記第1数を集計する、ことが望ましい。
【0013】
本発明に係る前記タイヤ積み込み方法において、前記第4ステップで前記不良を検出するたびに、前記第1ステップないし前記第3ステップが実行される、ことが望ましい。
【0014】
本発明の第2発明は、複数の金型によって加硫成形された複数サイズのタイヤを搬送するコンベアと、前記コンベアによって搬送される前記タイヤを前記サイズごとに分類し、可搬性を有する複数のラックに積み込む複数の積み込み装置と、前記積み込み装置を制御する制御装置とを含むタイヤ積み込みシステムであって、各積み込み装置には、前記ラックが載置されるラック置場が設けられ、前記制御装置は、前記サイズごとの前記金型の数である第1数と、前記積み込み装置ごとの前記ラック置場の数である第2数とに基づいて、各サイズごとに前記タイヤを積み込むための前記積み込み装置及び前記ラック置場を決定し、前記積み込み装置を制御する。
【発明の効果】
【0015】
本第1発明の前記タイヤ積み込み方法では、前記第1ステップで前記金型の数である前記第1数が前記サイズごとに集計され、前記第2ステップで、前記ラック置場の数である前記第2数が積み込み装置ごとに集計される。そして、前記第3ステップでは、前記第1数及び前記第2数に基づいて、前記各サイズごとに前記タイヤを積み込むための前記積み込み装置及び前記ラック置場が決定される。従って、生産計画に応じて前記金型の数である前記第1数が変更された場合であっても、容易に前記ラックを割り当てて、前記タイヤを円滑に積み込むことが可能となる。
【0016】
本第2発明の前記タイヤ積み込みシステムでは、前記制御装置が、前記サイズごとの前記金型の数である第1数と、前記積み込み装置ごとの前記ラック置場の数である第2数とに基づいて、各サイズごとに前記タイヤを積み込むための前記積み込み装置及び前記ラック置場を決定し、前記積み込み装置を制御する。従って、生産計画に応じて前記金型の数である前記第1数が変更された場合であっても、容易に前記ラックを割り当てて、前記タイヤを円滑に積み込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のタイヤ積み込みシステムの一実施形態を示す平面図である。
【
図2】
図1のタイヤ積み込みシステムの側面図である。
【
図3】本発明のタイヤ積み込み方法の手順を示すフローチャートである。
【
図4】
図3のタイヤ積み込み方法の変形例の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1、2は、本実施形態のタイヤ積み込みシステムの概略構成を示している。
【0019】
タイヤ積み込みシステム1は、複数の金型(図示せず)によって加硫成形された複数サイズのタイヤTをサイズごとに分類し、複数のラックRに積み込むためのシステムである。
【0020】
タイヤ積み込みシステム1は、生タイヤを加硫成形する加硫装置(図示せず)の下流側に配されている。加硫装置とタイヤ積み込みシステム1との間に、加硫されたタイヤTを検査する各種の検査装置が設けられていてもよい。例えば、加硫工程での成形不良(オーバースピューの発生)の点検やユニフォミティの測定等を行う装置が設けられていてもよい。
【0021】
タイヤ積み込みシステム1は、タイヤTを搬送するコンベア2と、タイヤTをラックRに積み込む複数の積み込み装置3と、積み込み装置3等を制御するための制御装置6とを含んでいる。
【0022】
コンベア2は、金型が搭載された複数の加硫装置から積み込み装置3にわたって、生産ラインに沿って敷設されている。
【0023】
コンベア2は、ベルトコンベア21及びローラーコンベア22等によって構成されている。コンベア2は、金型によって加硫成形された複数サイズのタイヤTを積み込み装置3が設けられた領域に搬送する。
【0024】
本実施形態のコンベア2は、上段レーン23と下段レーン24と、振り分けコンベア25とを含んでいる。上段レーン23は、下段レーン24の上方に配設されている。振り分けコンベア25は、上流側(加硫装置)から搬送されたタイヤTを、上段レーン23又は下段レーン24に振り分ける。振り分けコンベア25は、制御装置6によって制御される。
【0025】
積み込み装置3は、コンベア2に隣接して設けられている。積み込み装置3は、コンベア2のレーン数等に応じて適宜追加されてもよい。本実施形態では、積み込み装置3として、上段レーン23によって搬送されたタイヤTを積み込むための積み込み装置4と、下段レーン24によって搬送されたタイヤTを積み込むための積み込み装置5とが適用されている。
【0026】
各積み込み装置4、5には、複数のラック置場が設けられている。本実施形態では、積み込み装置4には、ラック置場P41、P42、P43、P44が設けられている。一方、積み込み装置5には、ラック置場P51、P52、P53、P54が設けられている。各ラック置場P41、P42、P43、P44、P51、P52、P53、P54には、ラックRが載置される。
【0027】
各積み込み装置4、5に設けられるラック置場の数は、5以上であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。例えば、単位時間あたりの積み込み本数の多い積み込み装置に対してより多くのラック置き場が設けられていてもよい。
【0028】
各ラックRは可搬性を有している。タイヤTが満載されたラックRはラック置場P41~P54から取り出され、後工程に移動される。そして、新たなラックRが補充される。
【0029】
積み込み装置4は、タイヤ移動装置41を有している。タイヤ移動装置41は、上段レーン23が延びる方向に略平行な水平方向のX方向と、
図1において上段レーン23が延びる方向に垂直な水平方向のY方向と、高さ方向のZ方向(
図2参照)に移動可能に構成されている。上段レーン23上のタイヤTを引き上げてラック置場P41、P42、P43又はP44に配されたラックR上に移動させる。
図1、2では、引き上げ位置(ホームポジション)45で待機中の積み込み装置4が描かれている。
【0030】
一方、積み込み装置5は、タイヤ移動装置51を有している。タイヤ移動装置41は、上記X方向、Y方向、Z方向に移動可能に構成されている。タイヤ移動装置51は、下段レーン24上のタイヤTを引き上げてラック置場P51、P52、P53又はP54に配されたラックR上に移動させる。
図1、2では、引き上げ位置55からラック置場P53に移動中の積み込み装置5が描かれている。
【0031】
コンベア22は、3以上のレーンに分岐していてもよい。各レーンには、積み込み装置3が配されるが、一つのレーンに複数の積み込み装置3が配されていてもよい。
【0032】
制御装置6には、コンピューターが適用される。制御装置6は、各種の演算処理、情報処理等を実行するCPU(Central Processing Unit)、CPUの動作を司るプログラム及び各種の情報が格納されたメモリ等を備えている。メモリに格納されたプログラムをCPUが実行することにより、制御装置6が実現される。
【0033】
制御装置6には、コンベア2によって搬送されるタイヤTに埋設されているバーコードやトレッド部に着色された色線を読み取るための読み取り装置等が接続されている。制御装置6は、バーコード等に符号化された情報に基づいて、タイヤTのサイズを特定する。
【0034】
「タイヤTのサイズ」とは、JATMA 、TRA 、ETRTO等の規格で規定されるタイヤの大きさを示すタイヤサイズのみを意図しているだけでなく、例えば、トレッドパターン、ロードインデックス、スピードシンボル等が異なるタイヤTは、異なるサイズとして扱われてもよい。
【0035】
制御装置6は、コンベア2によって搬送されるタイヤTのサイズを特定し、振り分けコンベア25及び積み込み装置4、積み込み装置5の動作を制御する。これにより、タイヤTはサイズごとに分類されて、いずれかのラックRに積み込まれる。
【0036】
図3は、タイヤ積み込みシステム1等によって実行されるタイヤ積み込み方法100の手順を示すフローチャートである。
【0037】
タイヤ積み込み方法100は、第1ステップS1と、第2ステップS2と、第3ステップS3とを含んでいる。各ステップは、制御装置6によって実行される。
【0038】
第1ステップS1では、制御装置6が、金型の数である第1数をサイズごとに集計する。各タイヤTの加硫時間が略一定であるとすると、第1数は、コンベア2によって単位時間に搬送される各サイズごとのタイヤTの本数である。
【0039】
第2ステップS2では、制御装置6が、ラック置場P41...、P51...の数である第2数を積み込み装置4、5ごとに集計する。
【0040】
第3ステップS3では、制御装置6が、第1数及び第2数に基づいて、各サイズごとにタイヤTを積み込むための積み込み装置4、5及びラック置場P41...、ラック置場P51...を決定する。
【0041】
ステップS4では、制御装置6が、バーコード等に基づいて、コンベア2によって搬送されるタイヤTのサイズを特定する。さらに、ステップS5では、制御装置6が、サイズに応じて振り分けコンベア25を制御する。これにより、振り分けコンベア25まで搬送されたタイヤTが上段レーン23又は下段レーン24に振り分けられる。
【0042】
そして、ステップS6では、制御装置6が、タイヤTのサイズに応じて積み込み装置4、5を制御する。これにより、上段レーン23に振り分けられたサイズのタイヤTは、積み込み装置4によってラック置場P41、P42、P43又はP44に配されたいずれかのラックRに積み込まれる。一方、下段レーン24に振り分けられたサイズのタイヤTは、積み込み装置5によってラック置場P51、P52、P53又はP54に配されたいずれかのラックRに積み込まれる。
図1では、タイヤ移動装置51に引き上げられたタイヤTが、P53に配されたラックRに積み込まれる。
【0043】
これにより、生産計画に応じて容易にラックを割り当てて、タイヤTを円滑に積み込むことが可能となる。
【0044】
そして、加硫装置に搭載される金型が変更されたとき(S7においてY)、すなわち、第1数が変動するとき、S1に戻って、第1ステップS1ないし第3ステップS3が実行され、さらに、S4ないしS6が実行される。
【0045】
従って、生産計画の変動に迅速に対応し、金型の数である第1数が変更された場合であっても、容易かつ迅速にラックRを割り当てて、タイヤTを円滑に積み込むことが可能となる。
【0046】
加硫装置に搭載される金型が変更されないとき(S7においてN)、生産が終了するまで、S4ないしS6が実行される(S8においてN)。
【0047】
第1数が多いサイズは、多数の金型によって単位時間に加硫され、コンベア2によって搬送されるタイヤTの本数が多いサイズである。このようなサイズのタイヤTは、ラックRに素早く積み込む必要がある。
【0048】
一方、
図1、2においては、積み込み装置5は、積み込み装置4よりも振り分けコンベア25から離れた位置に配されている。すなわち、積み込み装置5は、コンベア2の搬送経路において、積み込み装置4よりも金型からの距離が大きい位置に配されている。このような積み込み装置5は、金型から積み込み装置までの搬送時間が長くなり、より多くのタイヤTを一時的にストックできる。
【0049】
このため、第3ステップS3では、制御装置6は、第1数が多いサイズを、金型からの距離が大きい積み込み装置5に優先的に適用する、のが望ましい。
【0050】
ラック置場の数である第2数が大きい積み込み装置4、5は、より多くのタイヤTを積み込むことができる。従って、第3ステップでは、制御装置6は、第1数が多いサイズを、第2数が多いラック置場に載置されたラックRに優先的に適用する、のが望ましい。
【0051】
図1、2のタイヤ移動装置51において、ラック置場P43は、タイヤTの引き上げ位置45からの距離が短く、積み込み装置4による積み込み時間が短い。同様に、ラック置場P53は、タイヤTの引き上げ位置55からの距離が短く、積み込み装置5による積み込み時間が短い。従って、第3ステップS3では、第1数が多いサイズを、積み込み装置4、5による積み込み時間が短いラック置場(
図1ではP43、P53)に載置されたラックRに優先的に適用する、のが望ましい。
【0052】
図4は、タイヤ積み込み方法100の変形例であるタイヤ積み込み方法101の手順を示すフローチャートである。タイヤ積み込み方法101は、タイヤ積み込みシステム1を用いて実行されうる。
【0053】
タイヤ積み込み方法101のうち、以下で説明されてない部分については、上述したタイヤ積み込み方法100の手順が採用されうる。タイヤ積み込み方法101は、タイヤ積み込み方法100に対して第4ステップS31、第5ステップS32が追加される。
【0054】
第4ステップS31は、ステップS6の後に実行される。第4ステップS31では、加硫成形時の不良が検査される。「加硫成形時の不良」とは、例えば、加硫の際、金型の分割位置からゴムがはみ出したもの(オーバースピュー)及び異物混入・金型の損傷等に起因するタイヤ表面の傷等をいう(以下、加硫不良と記す)。加硫不良は、作業者の目視又は画像処理によって検査される。加硫不良は金型に固有の不良である。従って、加硫不良の有無は、金型を特定するための情報と関連付けて制御装置6に入力される。
【0055】
第4ステップS31において加硫不良が検出されると(S31においてY)、第5ステップS32に移行する。第5ステップS32では、制御装置6は、加硫不良が発生する金型を特定し、第1ステップS1に移行する。
【0056】
加硫不良が発生したタイヤTは、トリミング等の後処理が必要であるため、同一サイズのタイヤTであっても、加硫不良の有無に応じて、異なるラックRに区別して積み込むのが望ましい。そこで、本タイヤ積み込み方法101の第1ステップS1では、加硫不良が発生する金型によって加硫成形されたタイヤTと加硫不良が発生しない金型によって加硫成形されたタイヤTとを、異なるサイズのタイヤTとしてとして第1数を集計する。これにより、加硫不良が発生したタイヤTの後処理が容易となる。
【0057】
本タイヤ積み込み方法101では、第4ステップS31で加硫不良を検出するたびに、第5ステップS32を経て、第1ステップS1ないし第3ステップS3が実行される。これにより、積み込み装置4、5及びラック置場P41...、ラック置場P51...、ラックRの割り当てが、加硫不良の有無を踏まえて最適化されたものとなる。
【0058】
以上、本発明のタイヤ積み込み方法100、101及びタイヤ積み込みシステム1が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。例えば、
図1、2に示されるように、本タイヤ積み込みシステム1では、下段レーン24には、引き上げ位置55から下流側に延出された延出部26が形成されていてもよい。このような延出部26は、ラック置場P41~P54のラックRに割り当てられなかったサイズ(換言すると生産本数の少ないサイズ)のタイヤTがストックされる。このようなタイヤTは、図示しない別のラックに積み込まれる。
【符号の説明】
【0059】
1 タイヤ積み込みシステム
2 コンベア
3 積み込み装置
4 積み込み装置
5 積み込み装置
6 制御装置
100 タイヤ積み込み方法
101 タイヤ積み込み方法
P41~P44 ラック置場
P51~P54 ラック置場
R ラック
S1 第1ステップ
S11 第4ステップ
S12 第5ステップ
S2 第2ステップ
S3 第3ステップ
T タイヤ