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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064242
(43)【公開日】2022-04-25
(54)【発明の名称】改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/36 20060101AFI20220418BHJP
   B65D 5/50 20060101ALI20220418BHJP
   B65D 5/02 20060101ALI20220418BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
B65D85/36 300
B65D5/50 B
B65D5/02 H
B65D5/66 301G
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172872
(22)【出願日】2020-10-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】391037685
【氏名又は名称】柳井紙工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】箱崎 亮太
【テーマコード(参考)】
3E060
3E096
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA04
3E060BA08
3E060BB01
3E060BC04
3E060CC04
3E060CC18
3E060CC52
3E060DA25
3E060DA26
3E060EA13
3E096BA28
3E096CA03
3E096CB03
3E096CC01
3E096DA09
3E096DA10
3E096EA01X
3E096EA02X
3E096FA08
3E096FA09
3E096FA10
3E096GA01
(57)【要約】
【課題】部品点数が少なく、製造コストを削減できるとともに、組み立てが容易、迅速にでき、不要時は扁平状態に折り畳んでおくことがでる。
【解決手段】底板4、天板6及び左右側板5、7から成る箱本体1と、冷凍ケーキを載置するトレイ3と当該冷凍ケーキの周囲を囲う筒状保護板とから成り、箱本体1の両側開口部11は、内側折込片12及び外側折込片9が夫々上端縁及び下端縁に設けられ、各内側折込片12は前記開口部の上下幅より大きく、中央部の折り目により基部片12aと先端片12bとに別れ、先端片12bが基部片12aに対してくの字状に折り畳み自在であり、当該先端片12bには、先端縁から内側に向けて略半円形の切り欠き14が設けられ、各外側折込片9は各開口部11を塞いだ際、その自由端部に設けた係止突片10が、内側折込片12又は箱本体1に設けた係止孔17に挿入係止自在となっている。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍ケーキを収納する、底板、天板及び左右側板から成る角筒状の箱本体と、冷凍ケーキを載置するトレイと当該冷凍ケーキの周囲を被う筒状保護板とから成り、
前記箱本体の両側開口部は、内側折込片及び外側折込片が夫々上端縁及び下端縁のいずれかに設けられ、各内側折込片は、前記開口部の上下幅より大きく、中央部の折り目により基部片と先端片とに別れ、先端片が基部片に対してくの字状に折り畳み自在であり、当該先端片には、先端縁から内側に向けて、収納する冷凍ケーキの横断面形状の切り欠きが設けられ、前記各外側折込片は前記各開口部を塞いだ際、その自由端部に設けた係止突片が、内側折込片又は箱本体に設けた係止孔に挿入係止自在となっており、
前記トレイに冷凍ケーキを載置して、冷凍ケーキの周囲に筒状保護板を被せて、前記開口部から冷凍ケーキを箱本体内に入れ、各開口部の内側折込片をくの字状に折り込み、先端片の切り欠きに前記筒状保護板の一側を入れ、各内側折込片の先端片の両側端部が箱本体の天板又は底板に当接して係止され、これらの各内側折込片の上から前記各外側折込片を折り込んで、その係止突片を前記係止孔に挿入して係止する構成としたことを特徴とする、改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱。
【請求項2】
内側折込片の先端片の前記切り欠きの両側の先端縁に折り曲げ自在な係止舌片を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱。
【請求項3】
冷凍ケーキを収納する、底板、天板及び左右側板から成る角筒状の箱本体と、冷凍ケーキを載置するトレイと当該冷凍ケーキの周囲を被う筒状保護板とから成り、
前記箱本体の両側開口部は、下端縁に内側折込片が、上端縁に外側折込片が夫々設けられ、前記各内側折込片は、前記開口部の上下幅より大きく、中央部の折り目により基部片と先端片とに別れ、先端片が基部片に対してくの字状に折り畳み自在であり、当該先端片には、先端縁から内側に向けて、収納する冷凍ケーキの横断面形状の切り欠きが設けられ、前記各外側折込片は前記各開口部を塞いだ際その自由端部に設けた係止突片が、内側折込片又は箱本体に設けた係止孔に挿入係止自在となっており、
前記トレイに冷凍ケーキを載置して、冷凍ケーキの周囲に筒状保護板を被せて、前記開口部から冷凍ケーキを箱本体内に入れ、各開口部の内側折込片をくの字状に折り込み、先端片の切り欠きに前記筒状保護板の一側を入れて各内側折込片を係止させ、これらの各内側折込片の上から前記各外側折込片を折り込んで、その係止突片を前記係止孔に挿入して係止する構成としたことを特徴とする、改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱。
【請求項4】
各内側折込片の先端片の前記切り欠きの内周縁に間隔をあけて複数の折り曲げ自在なフラップを設けたことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱。
【請求項5】
前記筒状保護板は、長手方向の一側縁が波型である帯状片を巻いて設けたことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製造されたケーキを冷凍輸送するための改良型の折り畳み箱に関するもので、ケーキを収納する前は畳んだ状態で貯蔵でき、必要時に迅速、容易に組み立てられる折り畳み箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洋菓子店においては、顧客が購入したケーキを持ち帰る際、一般的には折り畳み箱が使用されている。このような箱は一定の強度を有しながらも、軽量で使用した後の処分も容易であり、使い勝手が良いものとなっている。一方、昨今ではインターネットによる通信販売も普及し、遠方にある有名な菓子店のケーキをインターネットで注文し、宅配便などで輸送し、自宅で受け取り、解凍して食べるということも日常茶飯事となっている。
【0003】
そのような中、スポンジ生地を土台にしたデコレーションは、ケーキの上面に果実、生クリームやチョコレートなどの飾り付けが行われ、見た目にも豪華で食欲をそそるものとなっているが、冷凍ケーキの輸送において、飾り付けの果実等が崩れるおそれがあり、注意が必要である。
【0004】
このようなデコレーションケーキの冷凍輸送について、特許文献1のものが開発されている。
この折り畳み紙箱は、直方体形状の外箱と、扁平で底板のない直方体形状の平箱から成る支持枠体と、冷凍ケーキを載置するトレイと、冷凍ケーキの外側を囲う帯状保護板とから成り、支持枠体は平箱の上板の略中央に円形の開口部を設け、開口部の縁から上板の端縁に向けて複数の切り込みを入れて上板を分割し、前記トレイに冷凍ケーキを載せて帯状保護板を冷凍ケーキの周りに巻き付け、その上から支持枠体を被せて、開口部から帯状保護板に囲まれた冷凍ケーキの上部を支持枠体の上に突出させ、この状態で前記外箱に挿入して外箱に収納し、輸送に供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-150057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の折り畳み紙箱は、外箱内で、冷凍ケーキを支持枠体により移動できないように係止しており、また、当該冷凍ケーキを帯状保護板により囲んで飾り付けを崩さずに保護しているため、冷凍ケーキの形状を保持した状態で輸送でき、極めて便利である。しかしながら、外箱、支持枠体、帯状保護板及びトレイから成る部品点数の多い紙箱であり、製造コストも高価となり、かつ、組み立てに手間がかかる。
【0007】
そこでこの発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、デコレーションケーキなどの輸送に注意を要する冷凍ケーキであっても、内部で冷凍ケーキを固定し、外部からの振動や衝撃を極力緩和でき、その上、部品点数が少なく、製造コストを削減できるとともに、組み立てが容易、迅速にでき、不要時は扁平状態に折り畳んでおくことがでる改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、冷凍ケーキを収納する、底板、天板及び左右側板から成る角筒状の箱本体と、冷凍ケーキを載置するトレイと当該冷凍ケーキの周囲を被う筒状保護板とから成り、前記箱本体の両側開口部は、内側折込片及び外側折込片が夫々上端縁及び下端縁のいずれかに設けられ、各内側折込片は、前記開口部の上下幅より大きく、中央部の折り目により基部片と先端片とに別れ、先端片が基部片に対してくの字状に折り畳み自在であり、当該先端片には、先端縁から内側に向けて、収納する冷凍ケーキの横断面形状の切り欠きが設けられ、前記各外側折込片は前記各開口部を塞いだ際その自由端部に設けた係止突片が内側折込片又は箱本体に設けた係止孔に挿入、係止自在となっており、前記トレイに冷凍ケーキを載置して、冷凍ケーキの周囲に筒状保護板を被せて、前記開口部から冷凍ケーキを箱本体内に入れ、各開口部の内側折込片をくの字状に折り込み、先端片の切り欠きに前記筒状保護板の一側を入れ、各内側折込片の先端片の両側端部が箱本体の天板又は底板に当接して係止され、これらの各内側折込片の上から前記各外側折込片を折り込んで、その係止突片を前記係止孔に挿入して係止する構成とした、改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱とした。
【0009】
また、請求項2の発明は、内側折込片の先端片の前記切り欠きの両側の先端縁に折り曲げ自在な係止舌片を有する、請求項1又は2に記載の改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱とした。
【0010】
また、請求項3の発明は、冷凍ケーキを収納する、底板、天板及び左右側板から成る角筒状の箱本体と、冷凍ケーキを載置するトレイと当該冷凍ケーキの周囲を被う筒状保護板とから成り、前記箱本体の両側開口部は、下端縁に内側折込片が、上端縁に外側折込片が夫々設けられ、前記各内側折込片は、前記開口部の上下幅より大きく、中央部の折り目により基部片と先端片とに別れ、先端片が基部片に対してくの字状に折り畳み自在であり、当該先端片には、先端縁から内側に向けて、収納する冷凍ケーキの横断面形状の切り欠きが設けられ、前記各外側折込片は前記各開口部を塞いだ際その自由端部に設けた係止突片が内側折込片又は箱本体に設けた係止孔に挿入、係止自在となっており、前記トレイに冷凍ケーキを載置して、冷凍ケーキの周囲に筒状保護板を被せて、前記開口部から冷凍ケーキを箱本体内に入れ、各開口部の内側折込片をくの字状に折り込み、先端片の切り欠きに前記筒状保護板の一側を入れて各内側折込片を係止させ、これらの各内側折込片の上から前記各外側折込片を折り込んで、その係止突片を前記係止孔に挿入して係止する構成とした、改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱とした
【0011】
また、請求項4の発明は、各内側折込片の先端片の前記切り欠きの内周縁に間隔をあけて複数の折り曲げ自在なフラップを設けた、請求項1~3のいずれかに記載の改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱とした。
【0012】
また、請求項5の発明は、前記筒状保護板は、長手方向の一側縁が波型である帯状片を巻いて設けた、請求項1~4のいずれかに記載の改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱とした。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び3の発明によれば、従来の冷凍ケーキの輸送用折り畳み紙箱と比べ、部品点数が少なく、製造コストを低く抑えることができる。しかも、当該折り畳み箱は組み立てが容易である。冷凍ケーキをトレイに載せて、筒状保護板を冷凍ケーキに被せ、これを箱本体に入れ、各内側折込片をくの字に折り曲げて、先端片の切り欠きに筒状保護板を入れ、各外側折込片をこの上から被せて係止すれば、冷凍ケーキは箱本体の内部で固定、係止されて収納される。
【0014】
また、箱本体内部では、冷凍ケーキを支持する筒状保護板及び内側折込片は全て紙又はプラスチックで制作した場合、外部からの振動や衝撃を極力緩和でき、その上輸送中、冷凍ケーキは箱内で固定され、移動できず、デコレーション等が崩れる恐れがない。さらに、当該箱本体は各内側折込片及び各外側折込片を拡げれば、角筒状になり、扁平に折り畳むことができる。
【0015】
また、請求項2の発明によれば、各内側折込片の先端片の係止舌片が折り曲げられて底板又は天板に係止されるまで内側折込片を折り曲げれば良く、確実に各内側折込片を折り曲げて筒状保護板に係止することができる。また、一方の内側折込片及び外側折込片を折り込み当該一方の開口部を塞き、、他方の開口部からトレイに載せた冷凍ケーキを箱本体内に挿入する場合、内側折込片の先端片の係止舌片が山形に折り込まれているため、この折り込まれた係止舌片にガイドされてトレイが当該係止舌片の下に入り、トレイ先端が傾斜した先端片の上に持ち上げられることがない。
【0016】
また、請求項3の発明によれば、内側折込片の先端片の切り欠きに筒状保護板の一側が入った状態で当該先端片の先端が自重により下方に下がろうとするが、当該筒状保護板の一側に当たって、係止される。これにより、先端片の先端部を箱本体の天板に当接させる必要がなく、組立が容易である。
【0017】
また、請求項4の発明によれば、各内側折込片の略半円状の切り欠き内周に折り曲げ自在なフラップを有するため、冷凍ケーキの大きさの相違により当該フラップを折り曲げて使用したり、フラップを折り曲げずに使用することができる。さらに、フラップで筒状保護板を弾力的に係止するため、外部からの衝撃を吸収できる。
【0018】
また、請求項5の発明によれば、筒状保護板を帯状片で巻いて形成するため、冷凍ケーキの大きさに左右されずに使用でき、その上、不要時は扁平となり、当該紙箱の輸送や保管の際コンパクトになる。さらに、当該帯状片は長手方向の一側縁が波型であるため、この波型の一側縁を上にして冷凍ケーキの周囲に巻き付けると、箱本体の天板との間に隙間をつくり、湿気を筒状保護板の外側に逃がし、解凍の際に、筒状保護板とケーキとの当接部分に生じる結露を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱の箱本体の展開図である。
図2】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱の筒状保護板を形成する帯状片の平面図である。
図3】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱のトレイの平面図である。
図4】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱の箱本体を角筒状に組み立てた斜視図である。
図5】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱のトレイに冷凍ケーキを載置し、筒状保護板を冷凍ケーキに被せた状態の斜視図である。
図6】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱の箱本体内にトレイに載せた冷凍ケーキに筒状保護板を被せて挿入した状態の斜視図である。
図7】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱の箱本体内に冷凍ケーキを収納した後、内側折込片を折り込む状態を示す、正面断面図である。
図8】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱の箱本体の一方の開口部を内側折込片及び外側折込片で塞いだ後、他方の開口部から冷凍ケーキを箱本体に入れる状態を示す正面断面図である。
図9】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱に冷凍ケーキを収納した状態の正面断面図である。
図10】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱の内側折込片の変形例を示す平面図である。
図11】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱の内側折込片の他の変形例を示す平面図である。
図12】この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱の内側折込片の他の変形例を使用して冷凍ケーキを収納した状態の正面断面図である。
図13】この発明の実施の形態例2の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱に冷凍ケーキを収納した状態の正面断面図である。
図14】この発明の実施の形態例2の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱の変形例を使用して冷凍ケーキを収納した状態の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施の形態例1)
以下、この発明の実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱Aについて、図1図8に基づき説明する。
【0021】
この冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱Aは箱本体1、筒状保護板を成す帯状片2及び冷凍ケーキを載置するトレイ3から構成されている。図1は箱本体1の展開図を示すもので、底板4、左側板5、天板6及び右側板7が折り目abcを介して連設されている。また、底板5の端縁に折り目dを介して糊代8が設けられている。
【0022】
前記底板4の左右端に折り目eを介して夫々外側折込片9、9が設けられている。これらの各外側折込片9の左右端縁には折り目fを介して係止突片10、10が設けられている。また、前記左側板5の左右端に折り目gを介して夫々折込片11、11が設けられている。また、前記天板6の左右端に折り目hを介して夫々内側折込片12、12が設けられている。また、前記右側板7の左右端に折り目iを介して夫々折込片13、13が設けられている。
【0023】
前記各内側折込片12は、その中央部に前記折り目hと平行な折り目jが設けられ、当該折り目jにより基部片12aと先端片12bに分かれている。この先端片12bの先端縁から内側に向けて略半円形の切り欠き14が設けられている。この切り欠き14の内周縁に間隔をあけて複数のフラップ15が折り曲げ自在に設けられている。また、当該切り欠き14の両側の先端片12bの先端には折り曲げ自在に係止舌片16が設けられている。
【0024】
また、前記天板6と左右の内側折込片12の間の折り目hの略中央部には、前記係止突片10が挿入、係止自在な係止孔17が設けられ、当該係止孔17に面した天板6には半円形の切欠部18が設けられている。
【0025】
前記帯状片2は、図2に示すように、冷凍ケーキの飾り付けの高さより長い幅を有し、かつ、箱本体1内に入る幅を有するものであり、冷凍ケーキの外周に巻き付ける長さを有するものである。また、当該帯状片2は長手方向の一側縁が波型となっている。また、前記トレイ3は、図3に示すように、箱本体1の底板4に入る、大きさの四辺形を成し、相対向する辺に、折り曲げ自在なつまみ19、19を有している。
【0026】
この冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱Aは以上の構成から成り、これを組立て、冷凍ケーキを収納するには、まず、箱本体1を組み立てる。前記折り目a、b、c、dを山折りに折り曲げ、糊代8を右側板7の下端の内側に貼りつける。これにより、図4に示すように、角筒状の箱本体1が組みあがる。当該箱本体1の左右には開口部20、20が形成され、各開口部20の上端に内側折込片12、下端に外側折込片9が位置し、各開口部20の左右端に折込片11及び13が位置する。
【0027】
そして、図5に示すように、冷凍ケーキBをトレイ3に載せ、帯状片2を冷凍ケーキBの外周に巻き付ける。この状態で帯状片3は筒状保護板となり、冷凍ケーキBの飾り付けの高さより高い筒状保護板で囲われる。この状態で冷凍ケーキBを角筒状の箱本体1内に一方の開口部20から挿入する。
【0028】
冷凍ケーキBが箱本体1に収納された後、各開口部20の内側折込片12の中央部の折り目jにより基部片12aと先端片12bをくの字に折り曲げ、さらに天板6と内側折込片12の折り目hにより内側折込片12を下方に折り曲げ、図6に示すように、先端片12bの下部を箱本体1内に入れる。その際、先端片12bの下端の係止舌片16は谷折りされて先端片12bの下部に追従していく。
【0029】
そして先端片12bの切り欠き14に筒状保護板(帯状片2)の一側が入ると、前記係止舌片16がトレイ3に係止され、先端片12bは固定される。その後、左右の折込片11及び13を内側に折り曲げ、内側折込片12の基部片12aに当接させる。そして、外側折込片9を底板4の折り目eにより折り曲げて起立させ、係止突片10を係止孔17に挿入し、外側折込片9は係止する。これにより冷凍ケーキBを収納、固定した冷凍ケーキの輸送用折り畳み紙箱Aとなる。
【0030】
また、冷凍ケーキBを箱本体1内に入れる手順は上記に限るものではなく、図8に示すように、箱本体1の一方の開口部20の内側折込片12及び外側折込片9を折り込んで当該開口部20を閉じた後、他方の開口部20から、周囲に帯状片2を巻き付けて筒状保護板を被せた冷凍ケーキBをトレイ3に載せて、箱本体1に挿入し、既にセットされた先端片12bの切り欠き14に筒状保護板の一側を嵌める。その際、先端片12bの下端に山折りされた係止舌片16があるため、前記トレイ3の先端は係止舌片16にガイドされて当該係止舌片16の下に挿入される。この係止舌片16がないと、トレイ3の先端は前記先端片12bの上に乗り上げる恐れがある。その後、他方の開口部20の内側折込片12を折り曲げて、筒状保護板の一側に先端片12bの切り欠き14を嵌め、外側折込片9を折り込んで、冷凍ケーキBを収納、固定した冷凍ケーキの輸送用折り畳み紙箱Aとしてもよい。
【0031】
この冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱Aは、図9に示すように、冷凍ケーキBの外周に筒状保護板が被覆され、当該筒状保護板の周囲が内側折込片12の切り欠き14に係止されるため、紙箱内部で冷凍ケーキBは固定、係止される。従って、紙箱に外部からの負荷や衝撃がかかった場合でも、冷凍ケーキBは箱内でずれたりすることがなく、形が崩れることがない。従って、冷凍ケーキBの輸送に適した紙箱である。
【0032】
上記実施の形態例1の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱Aでは、内側折込片12の先端片12bの切り欠き14に複数のフラップ15を設けているが、これに代えて、図10に示すように、切り欠き14の内周に複数の切り込み21を設け、各切込み21の間の内周縁を折込自在とすることもできる。
【0033】
さらに、図11に示すように、内側折込片12の先端片12bの切り欠き14の内周縁にフラップ15や切り込み21を設けず、また、係止舌片16を設けない変形例を示す。この場合は図12に示すように、帯状片2から成る筒状保護板の一側に各先端片12bの切り欠き14が当たり、各先端片12bの先端部がトレイ3に当接して係止される。
【0034】
(実施の形態例2)
図13は、この発明の実施の形態例2の冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱Cを示す。
【0035】
この冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱Cは前記実施の形態例1とは外側折込片9と内側折込片12の位置が上下逆になっている。すなわち、外側折込片9は開口部11の上端に、内側折込片12は下端に設けられており、先端片12bの先端の係止舌片16は天板6の下面に当接、係止される。また、係止溝17及び切欠部18も内側折込片12と底板4との折り目e付近に設けられる。他の構成は実施の形態例1と同じである。
【0036】
また、実施の形態例2の変形例として、図14のものがある。この場合は、内側折込片12の先端片12bの切り欠き14に帯状片2から成る筒状保護板の一側が入った状態で当該先端片12の先端が自重により下方に下がろうとするが、当該筒状保護板の一側に当たって、係止される。従って、先端片12bの先端に係止舌片16を設ける必要がない。
【0037】
なお、上記実施の携帯例1及び2では冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱について説明したが、この発明の冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱は、紙に限らず、プラスチック等の他の材質から成る箱も含まれる。
【0038】
また、上記帯状片2は、冷凍ケーキBの外周に当該帯状片2を巻き付けて筒状保護板とするため、冷凍ケーキBが大きいサイズであっても対応できる、また、不要時は扁平となり、便利である。ただし、筒状保護板は帯状片2から成るものだけではなく、初めから筒状のものであっても良い。また、前記帯状片2は長手方向の一側縁が波型であるため、この波型の一側縁を上にして冷凍ケーキの周囲に巻き付けると、箱本体の天板との間に隙間をつくり、湿気を筒状保護板の外側に逃がし、解凍の際に、筒状保護板とケーキとの当接部分に生じる結露を回避することができる。
【0039】
さらに、前記実施の形態例1及び2では冷凍ケーキBの横断面形状は円形であるが、これに限らず、横断面が四角形等、他の形状もあるが、この発明では、内側折込片2の先端片12bの切り欠き14を冷凍ケーキBの横断面形状としているため、これらの横断面形状の冷凍ケーキにも適用できる。さらに、前記筒状保護板も円形の筒状及び角型の筒状のものも含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
A 冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱
B 冷凍ケーキ
C 冷凍ケーキ輸送用折り畳み紙箱
1 箱本体 2 帯状片
3 トレイ 4 底板
5 右側板 6 天板
7 左側板 8 糊代
9 外側折込片 10 係止突片
11 折込片 12 内側折込片
12a 基部片 12b 先端片
13 折込片 14 切り欠き
15 フラップ 16 係止舌片
17 係止孔 18 切欠部
19 つまみ 20 開口部
21 切り込み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2021-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
内側折込片の先端片の前記切り欠きの両端の先端縁に折り曲げ自在な係止舌片を有することを特徴とする、請求項1に記載の改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、請求項2の発明は、内側折込片の先端片の前記切り欠きの両端の先端縁に折り曲げ自在な係止舌片を有する、請求項1に記載の改良型冷凍ケーキ輸送用折り畳み箱とした。