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  • 特開-医薬品等添付文書情報表示システム 図1
  • 特開-医薬品等添付文書情報表示システム 図2
  • 特開-医薬品等添付文書情報表示システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066623
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】医薬品等添付文書情報表示システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 70/00 20180101AFI20220422BHJP
【FI】
G16H70/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175070
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】391047503
【氏名又は名称】白十字株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸一
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】携帯通信端末を利用して、従来よりも簡易な操作で、PMDAに登録された医薬品等添付文書情報を表示させる医薬品等添付文書情報表示システムを提供する。
【解決手段】医薬品等添付文書情報表示システムは、カメラ機能を利用して医薬品、医療機器等の承認番号または届出番号が印刷された表示ラベルを撮影した画像データを取得する画像データ取得部と、画像データからOCR機能を利用して文字情報に変換するとともに、その文字情報の中から承認番号または届出番号として連続する16桁の英数字を抽出する文字情報抽出部と、連続する16桁の英数字と文字列PMDAを検索キーに設定し、インターネット上の検索エンジンを用いてPMDAに登録された医薬品等添付文書情報を検索するPMDA文書情報検索部と、検索結果として承認番号または届出番号に対応するPMDAに登録された医薬品等添付文書情報を表示するPMDA文書情報表示部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ機能とOCR(Optical character recognition)機能を有する携帯通信端末において、製薬企業等の製造販売業者により電子化されてPMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)に登録された医薬品等添付文書情報を取得して表示するシステムであって、
前記カメラ機能を利用して医薬品、医療機器等の承認番号または届出番号が印刷された表示ラベルを撮影した画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部で取得した前記画像データから、前記OCR機能を利用して文字情報に変換するとともに、その文字情報の中から承認番号または届出番号として“連続する16桁の英数字”を抽出する文字情報抽出部と、
前記文字情報抽出部で承認番号または届出番号として抽出された“連続する16桁の英数字”と文字列”PMDA”を検索キーに設定し、インターネット上の検索エンジンを用いて「PMDAに登録された医薬品等添付文書情報」を検索するPMDA文書情報検索部と、
前記PMDA文書情報検索部で取得された検索結果として、前記承認番号または届出番号に対応する「PMDAに登録された医薬品等添付文書情報」を表示するPMDA文書情報表示部と、
を備えたことを特徴とする医薬品等添付文書情報表示システム。
【請求項2】
請求項1記載の医薬品等添付文書情報表示システムにおいて、
前記文字情報抽出部は、
OCR機能を利用して前記画像データに含まれる文字を識別して文字情報に変換する変換手段と、
前記文字情報の中から、文字列”承認番号” または“届出番号”を検索する検索手段と、
前記検索手段で検索された文字列”承認番号” または“届出番号”の後に続く所定範囲内の文字列の中から、“連続する16桁の英数字”を検索して承認番号または届出番号として抽出する抽出手段と、
を備えたことを特徴とする医薬品等添付文書情報表示システム。
【請求項3】
請求項2記載の医薬品等添付文書情報表示システムにおいて、
前記抽出手段で抽出された“連続する16桁の英数字”が承認番号または届出番号として正しい情報かを確認するために当該英数字の情報を表示する表示手段と、
前記表示手段で承認番号または届出番号として表示された“連続する16桁の英数字”の中に誤情報が含まれていた場合に、当該誤情報を正しい情報に書き換える補正手段と、
を備えたことを特徴とする医薬品等添付文書情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製薬企業等の製造販売業者により電子化されて登録された医薬品、医療機器等の添付文書情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)において、製薬企業等の製造販売業者により電子化されて登録された医薬品、医療機器等の添付文書情報が公開されている。添付文書は、医薬品等において、警告や使用上の注意、その他の重要事項を記載した、医薬品の使用者や医師、薬剤師向けの製品情報を記載した書面であり、添付文書が改訂された場合には、改訂された最新の添付文書情報が製薬企業等から提供され掲載される。
【0003】
医薬品、医療機器等の添付文書情報は、インターネット環境において入手できるようになっており、例えば、特許文献1において、医薬品の添付文書情報を利用した医薬品情報提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-061247
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来においては、PMDAに登録された医薬品、医療機器等の添付文書情報を入手するためには、例えばPMDAのホームページから検索条件を入力して必要な情報を表示させる方法が提供されている。例えば、医薬品、医療機器等を取り扱う医療機関や薬局等が、医薬品、医療機器等の表示ラベルを見て、この医薬品の添付文書情報を入手しようとする場合には、上記のホームページから検索条件を入力する操作が必要となるため、急いでいる場合等においては煩わしい作業となる。
【0006】
本発明は、携帯通信端末を利用して、従来よりも簡易な操作で、PMDAに登録された医薬品等添付文書情報を取得して表示させるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、第1発明に係る医薬品等添付文書情報表示システムは、
カメラ機能とOCR(Optical character recognition)機能を有する携帯通信端末において、製薬企業等の製造販売業者により電子化されてPMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)に登録された医薬品等添付文書情報を取得して表示するシステムであって、
前記カメラ機能を利用して医薬品、医療機器等の承認番号または届出番号が印刷された表示ラベルを撮影した画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部で取得した前記画像データから、前記OCR機能を利用して文字情報に変換するとともに、その文字情報の中から承認番号または届出番号として“連続する16桁の英数字”を抽出する文字情報抽出部と、
前記文字情報抽出部で承認番号または届出番号として抽出された“連続する16桁の英数字”と文字列”PMDA”を検索キーに設定し、インターネット上の検索エンジンを用いて「PMDAに登録された医薬品等添付文書情報」を検索するPMDA文書情報検索部と、
前記PMDA文書情報検索部で取得された検索結果として、前記承認番号または届出番号に対応する「PMDAに登録された医薬品等添付文書情報」を表示するPMDA文書情報表示部と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る医薬品等添付文書情報表示システムは、第1発明において、
前記文字情報抽出部は、
OCR機能を利用して前記画像データに含まれる文字を識別して文字情報に変換する変換手段と、
前記文字情報の中から、文字列”承認番号” または“届出番号”を検索する検索手段と、
前記検索手段で検索された文字列”承認番号” または“届出番号”の後に続く所定範囲内の文字列の中から、“連続する16桁の英数字”を検索して承認番号または届出番号として抽出する抽出手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る医薬品等添付文書情報表示システムは、第2発明において、
前記抽出手段で抽出された“連続する16桁の英数字”が承認番号または届出番号として正しい情報かを確認するために当該英数字の情報を表示する表示手段と、
前記表示手段で承認番号または届出番号として表示された“連続する16桁の英数字”の中に誤情報が含まれていた場合に、当該誤情報を正しい情報に書き換える補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、携帯通信端末を利用して、従来よりも簡易な操作で、PMDAに登録された医薬品等添付文書情報を取得して表示することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る医薬品等添付文書情報表示システムを説明するシステム構成図の一例を示した模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る医薬品等添付文書情報表示システムを説明する機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る医薬品等添付文書情報表示システムにおいて、文字情報抽出部が実行するプロセスを示したフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に述べる実施形態により限定されるものではない。
【0013】
本発明の実施形態に係る医薬品等添付文書情報表示システムについて、システム構成図を図1に示す。
【0014】
図1に示すように、本システムは、カメラ機能とOCR機能を有する携帯通信端末1において、医薬品、医療機器等の承認番号または届出番号が印刷された医薬品等表示ラベル4をカメラ機能で撮影し、その撮影した画像データからOCR機能を利用して文字情報「承認番号または届出番号の英数字16桁」を抽出し、その文字情報を検索キーとして、インターネット2上の検索エンジンを利用して、インターネット2上に公開されているPMDA医薬品等添付文書情報3を取得して表示するシステムである。従来よりも簡易な操作で、PMDA医薬品等添付文書情報3を表示することができるようになる。
【0015】
次に、図2に示す本システムの機能ブロック図を用いて説明する。図2に示すように、本システムは、画像データ取得部10、文字情報抽出部20、PMDA文書情報検索部30、およびPMDA文書情報表示部40から構成されている。
【0016】
画像データ取得部10は、携帯通信端末1のカメラ機能を利用して医薬品、医療機器等の承認番号または届出番号が印刷された表示ラベルを撮影した画像データを取得する。ここで医薬品等の表示ラベルには承認番号または届出番号として16桁の英数字が表示されていることを前提としている。
【0017】
文字情報抽出部20は、携帯通信端末1のOCR機能を利用して前記画像データに含まれる文字を識別して文字情報に変換するとともに、その文字情報の中から承認番号または届出番号として16桁の英数字を抽出する。
【0018】
PMDA文書情報検索部30は、文字情報抽出部20で承認番号または届出番号として抽出された“16桁の英数字”と文字列”PMDA”を検索キーに設定し、インターネット上の検索エンジンを用いて「PMDAに登録された医薬品等添付文書情報」を検索する。
【0019】
なお、検索エンジンを利用する方法として、Web API (API: Application Programming Interface)を利用する方法があり、プログラムにWeb検索機能を組み込むことで実現できる。具体的な方法については、ここでは触れないが、例えばGoogleが提供しているWeb APIを利用してWeb検索データを取得することができる。
【0020】
PMDA文書情報表示部40は、PMDA文書情報検索部30で取得された検索結果として、前記承認番号または届出番号に対応する「PMDAに登録された医薬品等添付文書情報」を表示する。
【0021】
次に、図3に示すフローチャート図を用いて、本システムの文字情報抽出部20が実行するプロセスについて説明する。
【0022】
ステップS21では、携帯通信端末1のOCR機能を利用して、前記画像データ取得部10で取得した画像データに含まれる文字を識別して文字情報に変換する(変換手段)。ここで前記画像データには、医薬品等の表示ラベルに、文字列“承認番号” または“届出番号”と、承認番号または届出番号として16桁の英数字が含まれていることを前提としている。
【0023】
ステップS22では、ステップS21で変換された前記文字情報の中から、文字列”承認番号” または“届出番号”を検索する(検索手段)。ここで、文字列“承認番号” または“届出番号”を検索できなかった場合には、本フローチャートに図示していないが、一旦本プロセスを終了する。
【0024】
ステップS23では、ステップS22で検索された文字列”承認番号” または“届出番号”の後に続く所定範囲内の文字列の中から、“連続する16桁の英数字”を検索して承認番号または届出番号として抽出する(抽出手段)。ここで16桁の英数字は、0から9の数字とAからZの英文字の組合せとする。
【0025】
さらに、文字列”承認番号” または“届出番号”の後に続く所定範囲とは、文字列”承認番号” または“届出番号”の後に続く文字列を検索する際の検索範囲のことであり、予め設定されているものとする。例えば、検索する文字列は“連続する16桁の英数字”であることから所定範囲は16文字以上必要であり、さらに文字列”承認番号” または“届出番号”の付近に“連続する16桁の英数字”があると仮定すると、所定範囲は概ね16文字~20文字程度と想定される。
【0026】
また、カメラ機能で撮影した画像データが鮮明でない等によりOCR機能で正しい文字情報に変換できない場合も想定され、その場合は、文字列”承認番号” または“届出番号”の後に続く“連続する16桁の英数字”を検索できないこともある。その場合には、例えば、本フローチャートに図示していないが、承認番号または届出番号を抽出できなかった旨のメッセージを表示して、一旦本プロセスを終了してもよい。あるいは、次のステップS24に移行して、承認番号または届出番号として暫定情報(承認番号または届出番号を抽出できない場合の情報)を表示するようにしてもよい。
【0027】
ステップS24では、ステップS23で抽出された“連続する16桁の英数字”が承認番号または届出番号として正しい情報かを確認するために当該英数字の情報を表示する(表示手段)。ここでは、上記にも述べたように、承認番号または届出番号として暫定情報(承認番号または届出番号を抽出できない場合の情報)を表示する場合もある。
【0028】
ステップS25では、ステップS24で承認番号または届出番号として表示された“連続する16桁の英数字”が正しいかを、本システムの利用者が判断する。表示された情報が正しい場合には、本プロセスを終了し、表示された情報に誤情報が含まれる場合には、次のステップ26に移る。
【0029】
ステップS26では、ステップS25で表示された“連続する16桁の英数字”の中に誤情報が含まれていた場合に、本システムの利用者がその誤情報を正しい情報に書き換えた後に、その補正した情報を承認番号または届出番号として取得する(補正手段)。ここで、例えば、ステップS24において、承認番号または届出番号として暫定情報(承認番号または届出番号を抽出できない場合の情報)を表示した場合には、本ステップS26において、本システムの利用者が正しい承認番号または届出番号として“連続する16桁の英数字”を入力した後に、その補正した情報を承認番号または届出番号として取得する。
【0030】
以上で述べたように、本発明の実施形態によれば、医薬品等を取り扱う医療機関や薬局等が、医薬品等の表示ラベルから添付文書情報を入手する場合に、従来よりも簡易な操作で、PMDAに登録された医薬品等添付文書情報を取得して表示することができるようになる。
【符号の説明】
【0031】
1 携帯通信端末
2 インターネット
3 データベース
4 医薬品等表示ラベル

図1
図2
図3