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特開2022-66909情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066909
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20220422BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175513
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】520127960
【氏名又は名称】Co-Studio株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520408021
【氏名又は名称】Seize Care株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】南里 勇気
(72)【発明者】
【氏名】澤田 真賢
(72)【発明者】
【氏名】塚川 哲
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】対象者の健康意識を高め、行動変容を促進することに資する情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置(500)は、対象者の体重、摂取カロリー、運動量、および睡眠内容を含む生体関連データを取得する生体関連データ取得部(521)と、生体関連データを参照し、あらかじめ定められた式を用いて対象者の推定体重を算出し、算出した推定体重に応じた通知情報を生成する通知情報生成部(522)と、を備える
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の体重、摂取カロリー、運動量、および睡眠内容を含む生体関連データを取得する生体関連データ取得部と、
前記生体関連データを参照し、あらかじめ定められた式を用いて対象者の推定体重を算出し、算出した推定体重に応じた通知情報を生成する通知情報生成部と、を備える
情報処理装置。
【請求項2】
前記通知情報生成部は、前記あらかじめ定められた式として、
前日の就寝前の実測体重、前日の睡眠内容、当日就寝前の実測体重、当日の摂取カロリー、及び当日の運動量の少なくとも何れかによって推定体重を推定する式を参照する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知情報生成部は、前記あらかじめ定められた式として、
当日就寝前の実測体重、当日の摂取カロリー、及び当日の運動量によって、就寝前の推定体重を推定する第1の式を参照して、前記推定体重を算出するか、または、
前日の就寝前の実測体重、及び前日の睡眠内容によって、起床後の推定体重を推定する第2の式を参照して、前記推定体重を算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の式および第2の式は、以下に示す式である、請求項3に記載の情報処理装置。
第1の式:
(就寝前の推定体重)=(当日の起床後の実測体重)+(当日の摂取カロリーの体重換算分)-(当日の運動量の体重換算分)
第2の式:
(起床後の推定体重)=(前日の就寝前の実測体重)-(前日の睡眠内容の体重換算分)
【請求項5】
前記生体関連データ取得部は、前記生体関連データを、複数の異なる種類のデバイスまたはアプリケーションから取得する
請求項1から4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生体関連データ取得部は、複数の対象者の生体関連データを取得し、
前記情報処理装置は、
取得したある対象者の生体関連データから当該ある対象者に関する公開可能なデータを生成する公開可能データ生成部と、
前記公開可能なデータを閲覧した他の対象者からの前記ある対象者に対するメッセージを取得するメッセージ取得部と、
前記メッセージ取得部が取得した前記メッセージを、前記ある対象者に対して通知するメッセージ通知部と、を備える
請求項1から5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生体関連データ取得部から取得した前記生体関連データを参照して、生体関連データの変化量を算出し、算出結果に応じて対象者に付与する報奨金の金額を算定する報奨金算出部を、更に、備える
請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、更に、前記生体関連データを記憶するデータ記憶部を備え、
前記データ記憶部が、複数の同じ種類の生体関連データのうち、データの項目数がより多いデータおよび信頼性がより高いデータの何れかを記憶する
請求項1から7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
請求項5に記載の情報処理装置と、前記生体関連データを前記情報処理装置に提供する複数のデバイスと、を備える
情報処理システム。
【請求項10】
対象者の体重、摂取カロリー、運動量、および睡眠内容を含む生体関連データを取得する生体関連データ取得ステップと、
前記生体関連データを参照し、あらかじめ定められた式を用いて対象者の推定体重を算出し、算出した推定体重に応じた通知情報を生成する通知情報生成ステップと、を含む
情報処理方法。
【請求項11】
請求項1から8の何れか1項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記生体関連データ取得部および前記通知情報生成部としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム、特に対象者の健康意識を高めることに寄与する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々の健康意識が高まっている。しかし、中には、健康意識が低い人達も存在しており、こうした健康意識の低い人の行動変容を促すことは難しい。このため、対象者の運動量等を把握し提示することによって、対象者の健康意識を高め、行動変容を促す環境を提供する様々な情報処理装置が提案されている。健康意識を高めるには、更に、他の生体関連データ、特に、体重値を常に意識することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-123191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、対象者の健康意識を高め、行動変更を促すことのできる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、対対象者の体重、摂取カロリー、運動量、および睡眠内容を含む生体関連データを取得する生体関連データ取得部と、前記生体関連データを参照し、あらかじめ定められた式を用いて対象者の推定体重を算出し、算出した推定体重に応じた通知情報を生成する通知情報生成部と、を備える。
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、対象者の体重、摂取カロリー、運動量、および睡眠内容を含む生体関連データを取得する生体関連データ取得ステップと、前記生体関連データを参照し、あらかじめ定められた式を用いて対象者の推定体重を算出し、算出した推定体重に応じた通知情報を生成する通知情報生成ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、対象者の健康意識を向上させ、行動変容を促すことができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置における通知情報を生成する処理の流れを示すフローチャートである。
図3】本発明の実施形態に係る情報処理装置における体重の算出式を示す。
図4】本発明の実施形態に係る情報処理装置における報奨金を算出する処理の流れを示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係る情報処理装置におけるメッセージを含めた表示情報を生成する処理の流れを示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係る情報処理システムに含まれる端末装置における表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0010】
<情報処理システムの構成>
図1は本発明に係る情報処理システム1000の構成を説明するブロック図である。以下では、図1を参照して、情報処理システム1000の構成について説明する。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1000は、複数の端末装置110、120、210、デバイス130、デバイス140、デバイス150、デバイス160・・・、および、これらの端末装置またはデバイス(請求項中では、併せて「デバイス」と呼ぶ)と、インターネットを介して通信を行うサーバ500を備える。サーバ500は、システムに所属する複数の端末装置又はデバイスから、端末装置の所有者の生体関連データを取得し、サーバ500で取得した生体関連データの一部は、システムに参加する対象者が閲覧可能となっている。
【0012】
<端末装置およびデバイス>
端末装置110および端末装置120は、対象者Aが所有する端末装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータなどである。以下では、端末装置110の構成について説明する。
【0013】
図1に示すように、端末装置110は、生体関連データ取得部111、表示部112、入力部113、及び通信部114を備える。生体関連データ取得部111は、各デバイス130およびデバイス140と通信を行い、これらのデバイスから、対象者Aの生体データ(たとえば、対象者Aの体重、運動量、摂取カロリー、睡眠内容の他、血圧、血糖値、心拍数、呼吸数等のバイタルデータ)を取得する。デバイス130及びデバイス140の例としては、体重計、歩数計、血圧計、血糖計、体温計、バイタルウォッチ(Apple watch(登録商標)など)等があげられる。
【0014】
デバイス130及び140には、その他にも、例えば、ouraリング(登録商標)、motivリングなど対象者Aが身に着け、睡眠中も含め、24時間、対象者Aのバイタルデータ、睡眠内容(睡眠時間、睡眠の深さ)に関するデータを取得することのできるデバイスも含まれる。これらのデバイスから取得した対象者Aの生体関連データは、端末装置110の通信部114を介して、サーバ500の生体関連データ取得部521に自動で送信されてもよい。あるいは、対象者Aが入力部113を使用して、送信してもよい。なお、端末装置110に接続されるデバイスの数及び種類は、特に限定されない。
【0015】
デバイス130および140から取得した生体関連データは、端末装置110の表示部112に表示される。また、端末装置110の所有者Aは、後述するように、サーバ500に記憶された他の対象者に関する生体関連データのうち公開可能な一部のデータを表示部112で閲覧することができる。また、入力部113によって、閲覧したデータに対するメッセージを入力することもできる。メッセージは、通信部114を介して、サーバ500に送信される。
【0016】
デバイス(デバイス130及びデバイス140)で取得した生体関連データは、端末装置110に送信され、インターネットを介して、サーバ500に送信されてもよいが、例えば、図1に示すデバイス160(及び後述のデバイス220)のように、端末装置を介さず、直接、インターネットを通して、サーバ500に送信する構成としてもよい。
【0017】
また、対象者Aが所有する別の端末装置120は、端末装置110のように、生体関連データ取得部111を備える代わりに、生体関連データ取得アプリケーション121を備えており、生体関連データ取得アプリケーション121によって、デバイス150から生体関連データを取得する。しかし、端末装置120のそれ以外の構成要素については、端末装置110の構成要素と同じであるため、残りの構成要素については説明を省略する。
【0018】
情報処理システム1000に所属する対象者Bは、端末装置210およびデバイス220を所有し、これらの装置から対象者Bの生体関連データをサーバ500に送信する。端末装置210は、前述の端末装置110の構成と同じであるため、端末装置210の構成については説明を省略する。
【0019】
情報処理システム1000に所属する対象者は、対象者Aおよび対象者B以外にも存在し、所属する対象者の人数については特に限定はない。
【0020】
<サーバ(情報処理装置)の構成>
サーバ500は、図1に示すように、情報処理システム1000に所属する、複数の端末装置110、120、210、デバイス160およびデバイス220等とインターネット介して通信している。サーバ500は、通信部510、制御部520、および記憶部(データ記憶部)530を備える。制御部520は、更に、生体関連データ取得部521、通知情報生成部522、公開可能データ生成部523、メッセージ取得部524、メッセージ通知部525、および、報奨金算出部526を備える。
【0021】
生体関連データ取得部521は、各対象者の体重、摂取カロリー、運動量、および睡眠内容を含む生体関連データを、各端末装置(端末装置110、120、および210)およびデバイス(デバイス160,220)から取得する。上述したように、生体関連データ取得部521は、生体関連データを、複数の異なる種類のデバイスまたはアプリケーションから取得する。
【0022】
取得したデータは記憶部530に記憶される。上述のように、サーバ500は、異なるデバイス又はアプリケーションから形式の異なるデータを正規化することなく取得することによって、記憶部530にビッグデータを形成することができる。記憶部530は、複数の同じ種類の生体関連データのうち、データの項目数がより多いデータおよび信頼性がより高いデータの何れかを記憶してもよい。例えば、体重値だけが存在するデータよりも、体重値に加え、運動量、摂取カロリーの項目に関するデータも備わっている生体関連データが存在すれば、項目数の多いデータを選択して記憶してもよい。また、同じ項目のデータについて、例えば、ブロックチェーンで形成された生体関連データがあれば、改竄の可能性が低く、より信頼性が高い。このように、信頼性のより高いデータを選択すれば、より信頼性の高いデータをサーバ500の記憶部530に蓄積することができる。
【0023】
通知情報生成部522は、上述の取得した生体関連データを参照し、あらかじめ定められた式を用いて対象者の推定体重を算出する。
【0024】
あらかじめ定められた式として、対象者の前日の就寝前の実測体重、前日の睡眠内容、当日就寝前の実測体重、当日の摂取カロリー、及び当日の運動量の少なくとも何れかによって推定体重を推定する式を用いてもよい。
【0025】
例えば、対象者の当日就寝前の実測体重、当日の摂取カロリー、及び当日の運動量によって、就寝前の推定体重を推定する第1の式を参照して、前記推定体重を算出するか、または、前日の就寝前の実測体重、及び前日の睡眠内容によって、起床後の推定体重を推定する第2の式を参照して、推定体重を算出してもよい。
【0026】
例えば、第1の式および第2の式は、以下に示す式であってもよい。
【0027】
第1の式:
(就寝前の推定体重)=(当日の起床後の実測体重)+(当日の摂取カロリーの体重換算分)-(当日の運動量の体重換算分)
第2の式:
(起床後の推定体重)=(前日の就寝前の実測体重)-(前日の睡眠内容の体重換算分)
通知情報生成部522は、更に、算出した推定体重に応じた通知情報を生成する。
【0028】
通知情報生成部522は、推定体重、実測体重、および目標体重(理想体重)の少なくとも何れかに基づいて通知情報を生成する。その一例として、推定体重と実測体重の差、または実測体重と目標体重(理想体重)の差に応じて、対象者の健康状態を評価し、評価結果を通知する通知情報を生成してもよい。例えば、推定体重と実測体重の差が所定の閾値以上であることは、代謝異常等の対象者の健康に問題が生じているか、あるいは実測体重の測定に誤りがある等の問題が生じていることを示す。通知情報生成部522は、その旨の通知情報を生成してもよい。また、通知情報生成部522は、実測体重と目標体重(理想体重)の差に基づいて、対象者の健康状態を評価し、評価結果に関する通知情報を生成してもよい。
【0029】
生成された通知情報は、各端末装置に送信され、通信部114(124、214)を介して、各表示部(112、122、212)に表示されてもよい。この構成により、対象者は、推定体重を意識することができ、健康意識を高めることができる。
【0030】
また、サーバ500は、複数の対象者(対象者A、対象者B・・・)が所有する端末装置と通信を行い、複数の対象者から構成されるコミュニティーサイトを生成してもよい。
【0031】
例えば、サーバ500の生体関連データ取得部521は、コミュニティーに所属する複数の対象者の生体関連データを取得し、サーバ500は、取得した対象者Aの生体関連データから対象者Aに関する公開可能なデータを生成する公開可能データ生成部523と、公開可能なデータを閲覧した他の対象者(たとえば、対象者B)からの対象者Aに対するメッセージを取得するメッセージ取得部524と、メッセージ取得部524が取得したメッセージを、対象者Aに対して通知するメッセージ通知部525とを備えていてもよい。
【0032】
例えば、公開可能データ生成部523は、サーバ500に蓄積されたデータのうち対象者が公開を許可したデータから公開可能データを生成する。他の対象者への公開を許可するか否かに関するユーザからの指示を受領し、当該指示に基づき、公開可能が否かを、公開可能データ生成部523が判定する。対象者Aに関する公開可能データを閲覧した他の対象者(例えば、対象者B)が、対象者Aの体重減少量、運動量の変化量、あるいはバイタルデータの改善値などを見て、対象者Aに対する応援メッセージ又は賞賛メッセージ等をサーバ500に送信することができる。他の対象者から賞賛メッセージ等を受け取った公開可能データ生成部523は、受け取った賞賛メッセージ等を含む表示情報を生成する。このように、各対象者はコミュニティーに参加することによって、他の参加者からの応援、賞賛などのメッセージを受け取ることにより、健康増進に対する意識を維持あるいは向上させることができる。表示部112等における表示例については、後述する。
【0033】
また、サーバ500は、生体関連データ取得部521から取得した生体関連データを参照して、生体関連データの変化量を算出し、算出結果に応じて対象者に付与する報奨金の金額を算定する報奨金算出部526を、更に、備えてもよい。
【0034】
例えば、報奨金算出部526は、対象者のある期間における体重の変化量を算出し、減少率に応じて、報奨金を算出してもよい。あるいは、報奨金算出部526は、目標体重(理想体重)と実測体重との差によって報奨金を決定してよい。または、報奨金算出部526は、ある期間におけるバイタルデータの改善値に基づいて報奨金を決定してもよい。上述のように、報奨金を取得する期待があることから、対象者の健康増進に向けての行動変容を促すことができる。
【0035】
あるいは、eスポーツ大会に参加し、結果の順位によって報奨金を算出してもよい。
【0036】
<通知情報の生成>
図2は、本発明の実施形態に係るサーバ(情報処理装置)500における通知情報を生成する処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図2を参照して、情報処理装置500における通知情報を生成する処理の流れについて、説明する。
【0037】
ステップS110では、生体関連データ取得部521が体重を含めた各対象者の生体関連データを取得する。
【0038】
ステップS112では、通知情報生成部522が、生体関連データを参照し、あらかじめ定められた式を用いて対象者の推定体重を算出する。あらかじめ定められた式として、前述したように、以下の第1の式および第2の式のうち何れかの式を参照して、推定体重を算出してもよい。
【0039】
第1の式:
(就寝前の推定体重)=(当日の起床後の実測体重)+(当日の摂取カロリーの体重換算分)-(当日の運動量の体重換算分)
第2の式:
(起床後の推定体重)=(前日の就寝前の実測体重)-(前日の睡眠内容の体重換算分)
なお、上記第1の式、及び第2の式は、図3に示す式から導かれる推定体重導出式の一例である。図3に示す式では、ある日(n)における対象者の起床後の体重に、その日(n)の摂取カロリー(朝食、昼食、夕食、間食等その日(n)一日の総摂取カロリー)の体重換算分を加え、その日(n)の運動量(基礎代謝、歩数、その他の運動)の体重換算分を引くことにより、その日(n)の就寝前の体重が導出されることを示す。また、図3に示す式では、更に、その日(n)の就寝前の体重から、その日(n)の睡眠内容(睡眠の質、睡眠の長さ)の体重換算分を引くことにより、翌日(n+1)の起床後の体重が導出されることを示す。即ち、図3に示す式を用いれば、ある日(n)の体重、摂取カロリー、運動量、睡眠内容から、翌日(n+1)の体重を導出することができる。従って、図3に示す式により、対象者の体重変化の傾向を推定することもできる。また、3か月に1度血液検査を行って、バイタルデータを確認してもよい。
【0040】
通知情報生成部522は、上記図3の式が示す基本原理に基づき導出される式(たとえば、上記第1の式または第2の式)に基づいて数値を算出し、算出した数値に基づいて通知情報を生成することができる。
【0041】
ステップS114では、通知情報生成部522が目標体重(理想体重)を算出(取得)する。目標体重(理想体重)は、例えば、生体関連データから対象者の身長を取得し、BMI(body mass index)を用いて身長に対応する目標体重(理想体重:18.5<BMI<25.00)を算出してもよい。
【0042】
ステップS116では、通知情報生成部522がステップS110からS114で取得した推定体重、実測体重、および目標体重(理想体重)のうち何れかに基づいて対象者に対する通知情報を生成する。
【0043】
例えば、実測体重と推定体重との差が所定の閾値以上であるということは、対象者の代謝に異常がある等対象者の健康に問題が生じているか、または実測体重の測定に誤りがある等の問題が生じていることを示す。この場合、通知情報生成部522はその旨の通知情報を生成してもよい。
【0044】
実測体重と推定体重との差が所定の閾値未満であるということは、対象者の実測体重が正確に測定され、対象者の体重の変化の傾向を正しく把握できることを示す。通知情報生成部522はその旨の通知情報を生成してもよい。また、この場合は、通知情報生成部522は、上記で算出した目標体重(理想体重)と実測体重の差から対象者の健康状態を評価した結果に関する通知情報を生成してもよい。例えば、通知情報生成部522は、目標体重(理想体重)と実測体重の差が所定の閾値以下である場合には体重管理に問題がない旨の通知情報を生成し、目標体重(理想体重)と実測体重の差が所定の閾値を超える場合には体重管理に注意が必要である旨の通知情報を生成してもよい。
【0045】
生成された通知情報は、サーバ500からインターネットを通じて、対象者に送信される。この場合、対象者に電子メールを送信してもよい。
【0046】
なお、生体関連データを取得し、推定体重を算出するタイミングは、任意に設定してもよい。例えば、対象者が、生体関連データをサーバ500にアップロードしたときに推定体重を算出してもよい。あるいは、生体関連データは周期的に自動でサーバ500にアップロードされてもよい。
【0047】
<報奨金の算出>
図4は、本発明の実施形態に係る情報処理装置500における報奨金を算出する処理の流れを示すフローチャートである.以下では、サーバ500における報奨金算出処理の流れについて説明する。
【0048】
ステップS120では、生体関連データ取得部521が、対象者の生体関連データを取得する。
【0049】
ステップS122では、報奨金算出部526が、取得した生体関連データを参照して、各対象者の報奨金を算出する。この場合、上述したように、例えば、ある期間(たとえば1か月間)における対象者の体重の変化量又は変化率に基づいて、報奨金を算出してもよい。又は、対象者のある期間における運動量(歩数または運動カロリー等)に基づいて報奨金を算出してもよい。または、血液検査の結果等のバイタルデータの改善値に基づいて、報奨金を算出してもよい。
【0050】
ステップS124では、報奨金算出部526が算出した報奨金を各対象者に付与する。報奨金は、コミュニティー内で使用できるポイント、または仮想通貨等であってもよい。
【0051】
以上で報奨金算出の処理を終了する。報奨金を算出または付与するタイミングは、例えば、月1回など定期的に設定してもよい。あるいは、非定期で、eスポーツ大会等のイベントを開催し、イベントでの成績をも加味して報奨金を付与してもよい。
【0052】
<表示情報の生成>
図5は、本発明の実施形態に係るサーバ(情報処理装置)500におけるメッセージを含めた表示情報を生成する処理の流れを示すフローチャートである。以下では、サーバ500における表示情報を生成する処理の流れについて説明する。
【0053】
ステップS130では、生体関連データ取得部521が、複数対象者から生体関連データを取得する。
【0054】
ステップS132では、各対象者が入力情報に基づいて、取得した生体関連データのうちから公開可能データ生成部523が公開可能データを生成する。公開可能データは、コミュニティーを形成する他の対象者が閲覧することができる。
【0055】
ステップS134では、メッセージ取得部524が公開可能なデータを閲覧した他の対象者からのメッセージを取得する。この場合、SNS(social networking service:例えば、フェースブック(登録商標)等)などを通じてメッセージを取得してもよいし、対象者宛ての電子メールを送信してもよい。
【0056】
ステップS136では、メッセージ通知部525が、他の対象者から取得したメッセージを対応する対象者に通知する。
【0057】
ステップS138では、通知されるメッセージに対応する表示情報が生成される。各対象者の端末装置の表示部は生成された表示情報を表示してもよい。この場合、サーバ500側で表示情報を生成してもよいし、メッセージの内容を含む情報を取得した端末装置において表示情報を生成してもよい。表示の具体例については、後述する。
【0058】
以上で表示情報を生成する処理を終了する。上述したように、各対象者は、コミュニティーに参加する他の対象者からの応援や賞賛のメッセージを受け取ることによって、健康増進に向けた行動を維持することができる。
【0059】
<表示画面>
図6は、本発明の実施形態に係る情報処理装置500と通信を行う端末装置110(または120、210・・・)における表示部112(又は122、212)の表示画面の例を示す図である。以下では、表示画面の一形態について説明する。
【0060】
表示画面は、対象者が公開を許可した公開可能情報が表示される。例えば、図6に示す表示画面の左側に示すように、対象者の先々週の体重、先週の体重、今週の体重が表示される。合わせて、将来のある時点での推定体重が表示されてもよい。更に、目標体重(理想体重)との差が表示されてもよい。更に、表示部の他の領域(図6における右側の領域)には、対象者の公開データを閲覧した他の対象者からのメッセージが表示される。例えば、ユーザAからの「あと少し!」という応援のメッセージや、ユーザBからの「素晴らしい」という賞賛のメッセージが表示される。
【0061】
上述したように、ある対象者はコミュニティーに参加する他の対象者からの応援や賞賛のメッセージを受け取ることによって、健康意識向上へのモチベーションを維持、向上させることができる。
【0062】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置500の制御ブロック(特に、生体関連データ取得部521、通知情報生成部522)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0063】
後者の場合、情報処理装置500は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0064】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0065】
〔まとめ〕
〔態様1〕
本発明の態様1に係る情報処理装置は、対象者の体重、摂取カロリー、運動量、睡眠内容、およびバイタルデータを含む生体関連データを取得する生体関連データ取得部と、前記生体関連データを参照し、あらかじめ定められた式を用いて対象者の推定体重を算出し、算出した推定体重に応じた通知情報を生成する通知情報生成部と、を備える。
【0066】
上記構成によれば、実測体重と推定体重との差を把握することにより、対象者の健康意識を高め、行動変容を促すことができる。
【0067】
〔態様2〕
本発明の態様2に係る情報処理装置では、態様1において、通知情報生成部は、あらかじめ定められた式として、前日の就寝前の実測体重、前日の睡眠内容、当日就寝前の実測体重、当日の摂取カロリー、及び当日の運動量の少なくとも何れかによって推定体重を推定する式を用いてもよい。
【0068】
上記構成によれば、推定体重を把握することで、対象者の健康意識を高め、行動変容を促すことができる。
【0069】
〔態様3〕
本発明の態様3に係る情報処理装置では、態様1または2において、通知情報生成部は、前記あらかじめ定められた式として、当日就寝前の実測体重、当日の摂取カロリー、及び当日の運動量によって、就寝前の推定体重を推定する第1の式を参照して、前記推定体重を算出するか、または、前日の就寝前の実測体重、及び前日の睡眠内容によって、起床後の推定体重を推定する第2の式を参照して、前記推定体重を算出してもよい。
【0070】
上記構成によれば、推定体重を把握することで、対象者の健康意識を高め、行動変容を促すことができる。
【0071】
〔態様4〕
本発明の態様4に係る情報処理装置は、態様1から3において、第1の式および第2の式は、以下に示す式であってもよい。
【0072】
第1の式:
(就寝前の推定体重)=(当日の起床後の実測体重)+(当日の摂取カロリーの体重換算分)-(当日の運動量の体重換算分)
第2の式:
(起床後の推定体重)=(前日の就寝前の実測体重)-(前日の睡眠内容の体重換算分)
上記構成によれば、推定体重を把握することで、対象者の健康意識を高め、行動変容を促すことができる。
【0073】
〔態様5〕
本発明の態様1に係る情報処理装置は、態様1から4において、生体関連データ取得部は、生体関連データを、複数の異なる種類のデバイスまたはアプリケーションから取得してもよい。
【0074】
上記構成によれば、様々なデバイスまたはアプリケーションから生体関連データを正規化することなく取得することによって、ビッグデータを形成することができる。
【0075】
〔態様6〕
本発明の態様6に係る情報処理装置は、態様1から5において、生体関連データ取得部は、複数の対象者の生体関連データを取得し、情報処理装置は、取得したある対象者の生体関連データから当該ある対象者に関する公開可能なデータを生成する公開可能データ生成部と、公開可能なデータを閲覧した他の対象者からのある対象者に対するメッセージを取得するメッセージ取得部と、メッセージ取得部が取得したメッセージを、ある対象者に対して通知するメッセージ通知部とを備えてもよい。
【0076】
上記構成によれば、他の対象者からの応援や賞賛のメッセージを受け取ることによって、健康意識の維持、向上を図ることができる。
【0077】
〔態様7〕
本発明の態様7に係る情報処理装置は、態様1から6において、生体関連データ取得部から取得した生体関連データを参照して、生体関連データの変化量を算出し、算出結果に応じて対象者に付与する報奨金の金額を算定する報奨金算出部を、更に、備えてもよい。
【0078】
上記構成によれば、健康維持への努力の結果として、報奨金を受け取ることにより、更に、健康維持への意識を高めることができる。
【0079】
〔態様8〕
本発明の態様8に係る情報処理装置は、態様1から7において、更に、生体関連データを記憶するデータ記憶部を備え、データ記憶部が、複数の同じ種類の生体関連データのうち、データの項目数がより多いデータおよび信頼性がより高いデータの少なくとも何れかを記憶してもよい。
【0080】
上記構成によれば、より信頼性の高いデータをデータ記憶部に蓄積することができる。
【0081】
〔態様9〕
本発明の態様9に係る情報処理システムは、態様5における情報処理装置、生体関連データを前記情報処理装置に提供する複数のデバイスと、を備える。
【0082】
上記構成によれば、態様1と同様の効果を奏することができる。
【0083】
〔態様10〕
本発明の態様10に係る情報処理方法は、対象者の体重、摂取カロリー、運動量、睡眠内容、およびバイタルデータを含む生体関連データを取得する生体関連データ取得ステップと、前記生体関連データを参照し、あらかじめ定められた式を用いて対象者の推定体重を算出し、算出した推定体重に応じた通知情報を生成する通知情報生成ステップと、を含む。
【0084】
上記構成によれば、態様1と同様の効果を奏することができる。
【0085】
〔態様11〕
本発明の態様11に係る情報処理プログラムは、態様1から8の何れか1項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記生体関連データ取得部および前記通知情報生成部としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムである。
【0086】
上記構成によれば、態様1と同様の効果を奏することができる。
【0087】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
110、120、210 端末装置
111、521、522 生体関連データ取得部
112 表示部
113 入力部
114、510 通信部
121 生体関連データ取得アプリケーション
130、140、160、220 デバイス
500 サーバ(情報処理装置)
520 制御部
521 生体関連データ取得部
522 通知情報生成部
523 公開可能データ生成部
524 メッセージ取得部
525 メッセージ通知部
526 報奨金算出部
530 記憶部(データ記憶部)
1000 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6