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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070361
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20220506BHJP
   B60C 15/06 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
B60C19/00 B
B60C15/06 C
B60C15/06 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179382
(22)【出願日】2020-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】吹田 晴信
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA39
3D131BA02
3D131GA11
3D131HA32
3D131HA42
3D131KA06
3D131LA20
(57)【要約】
【課題】プライから影響を受け難いように電子部品を配置することにより、レイアウト精度の向上を図ることができるタイヤを提供する。
【解決手段】ビードコア21と、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー22と、を有する一対のビード11と、一方のビード11のビードコア21から他方のビード11のビードコア21に延び、それぞれのビードコア21の周りで折り返されたカーカスプライ23と、を備えるタイヤ1であって、折り返されたカーカスプライの折り返し端25Aのタイヤ幅方向外側に配置される第1のパッド35と、第1のパッド35のタイヤ幅方向外側に配置される第2のパッド36と、第2のパッド36のタイヤ幅方向外側の少なくとも一部に配置されるリムストリップゴム32と、を更に備え、第2のパッド36とリムストリップゴム32との間に電子部品としてのRFIDタグ40が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のタイヤ幅方向に離間して配置された環状のビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に延出するビードフィラーと、を有する一対のビードと、
一方の前記ビードコアから他方の前記ビードコアに延び、それぞれの前記ビードコアの周りで折り返されたカーカスプライと、
前記カーカスプライの折り返し端のタイヤ幅方向外側に配置される第1のパッドと、
前記第1のパッドのタイヤ幅方向外側に配置される第2のパッドと、
前記第2のパッドのタイヤ幅方向外側の少なくとも一部に配置されるリムストリップゴムと、を更に備え、
前記第2のパッドと前記リムストリップゴムとの間に、電子部品が設けられている、タイヤ。
【請求項2】
前記第2のパッドのタイヤ径方向外側端の位置は、前記第1のパッドのタイヤ径方向外側端の位置よりも、タイヤ径方向外側に位置する、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記電子部品は、前記カーカスプライの折り返し端から5mm以上離れた位置に配置されている、請求項1または2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記電子部品は、少なくともその一部が、前記リムストリップゴムのタイヤ径方向外側端からタイヤ径方向内側20mmまでに配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項5】
サイドウォールゴムを更に備え、
前記サイドウォールゴムは、前記リムストリップゴムと、前記第2のパッドと、の少なくとも一部のタイヤ幅方向外側に位置する、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記電子部品は、被覆ゴムシートに覆われている、請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記リムストリップゴムは、前記第2のパッドのモジュラスを基準とすると、当該第2のパッドの0.8~1.2倍のモジュラスを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記被覆ゴムシートは、前記第2のパッドのモジュラスを基準とすると、当該第2のパッドの0.7~1.1倍のモジュラスを有する、請求項6に記載のタイヤ
【請求項9】
前記カーカスプライの少なくとも一部を覆うようにスチールチェーハーが設けられ、前記スチールチェーハーのタイヤ径方向内側に、前記リムストリップゴムが設けられている、請求項1~8のいずれか1項に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が埋設されたタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴム構造体内にRFID等の電子部品を埋設したタイヤが知られている。このようなタイヤは、タイヤに埋設されたRFIDタグと、外部機器としてのリーダとが通信を行うことにより、タイヤの製造管理、使用履歴管理等を行うことができる。例えば特許文献1には、ビードフィラーを囲むプライの折り返し端を外側から覆う補強フィラーと、補強フィラーを外側から覆うゴム部品(摩耗部)との境界面に、RFIDタグとしての電子部品が配置されたタイヤが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6276859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示される技術においては、電子部品とプライとの間には、補強フィラーが一層の部材として配置されている構成のため、電子部品はプライの影響を受け易い。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プライから影響を受け難いように電子部品を配置することにより、レイアウト精度の向上を図ることができるタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明のタイヤは、一対のタイヤ幅方向に離間して配置された環状のビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に延出するビードフィラーと、を有する一対のビードと、一方の前記ビードの前記ビードコアから他方の前記ビードの前記ビードコアに延び、それぞれの前記ビードコアの周りで折り返されたカーカスプライと、を備えるタイヤであって、前記カーカスプライの折り返し端のタイヤ幅方向外側に配置される第1のパッドと、前記第1のパッドのタイヤ幅方向外側に配置される第2のパッドと、前記第2のパッドのタイヤ幅方向外側の少なくとも一部に配置されるリムストリップゴムと、を更に備え、前記第2のパッドと前記リムストリップゴムとの間に、電子部品が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プライから影響を受け難いように電子部品を配置することにより、レイアウト精度の向上を図ることができるタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るタイヤのタイヤ幅方向の半断面を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るタイヤの部分拡大断面図である。
図3A】本発明の一実施形態に係るタイヤが備える、保護部材によって保護されたRFIDタグを示す図である。
図3B図3Aのb-b断面を示す図である。
図3C図3Aのc-c断面を示す図である。
図4】本発明の一実施形態のタイヤに近似する構造を備えるタイヤに荷重負荷を与えた場合の、歪エネルギーの面内分布シミュレーションの結果を示す図である。
図5】本発明の他の実施形態に係るタイヤの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面を示す図である。図2は、図1のタイヤ1におけるタイヤ径方向内側の部分の拡大断面図である。
一般にタイヤの基本的な構造は、タイヤ幅方向の断面において左右対称となっているため、ここでは、右半分の断面図を示す。図中、符号S1は、タイヤ赤道面である。タイヤ赤道面S1は、タイヤ回転軸に直交する面で、かつタイヤ幅方向中心に位置する面である。
【0010】
ここで、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であり、図1の断面図における紙面左右方向である。図1においては、タイヤ幅方向Xとして図示されている。
そして、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ赤道面S1に近づく方向であり、図1においては、紙面左側である。タイヤ幅方向外側とは、タイヤ赤道面S1から離れる方向であり、図1においては、紙面右側である。
また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図1における紙面上下方向である。図1においては、タイヤ径方向Yとして図示されている。
そして、タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸から離れる方向であり、図1においては、紙面上側である。タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転軸に近づく方向であり、図1においては、紙面下側である。
図2図5についても同様である。
【0011】
タイヤ1は、例えばトラック、バス用のタイヤであり、タイヤ幅方向両側に設けられた一対のビード11と、路面との接地面を形成するトレッド12と、一対のビード11とトレッド12との間を延びる一対のサイドウォール13とを備える。
【0012】
ビード11は、ゴムが被覆された金属製のビードワイヤを複数回巻いて形成した環状のビードコア21と、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出している、先細り形状のビードフィラー22とを備える。
ビードコア21は、空気が充填されたタイヤ1を、図示しないホイールのリムに固定する役目を果たす部材である。ビードフィラー22は、ビード11の周辺部分の剛性を高め、高い操縦性および安定性を確保するために設けられている部材である。
【0013】
タイヤ1の内部には、タイヤの骨格となるプライを構成するカーカスプライ23が埋設されている。カーカスプライ23は、一方のビードコア21から他方のビードコア21に延びている。すなわち、カーカスプライ23は、一対のビードコア21間を、一対のサイドウォール13およびトレッド12を通過する態様で、タイヤ1内に埋設されている。
【0014】
図1に示されるように、カーカスプライ23は、一方のビードコア21から他方のビードコア21に延び、トレッド12とビード11との間を延在するプライ本体24と、ビードコア21の周りで折り返されているプライ折り返し部25とを備える。ここで、プライ折り返し部25の折り返し端25Aは、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aよりもタイヤ径方向内側に位置している。
【0015】
カーカスプライ23は、タイヤ幅方向に延びる複数のプライコードにより構成されている。また、複数のプライコードは、タイヤ周方向に並んで配列されている。このプライコードは、金属製のスチールコード、あるいはポリエステルやポリアミド等の絶縁性の有機繊維コード等により構成されており、ゴムにより被覆されている。
【0016】
トレッド12において、カーカスプライ23のタイヤ径方向外側には、複数層のスチールベルト26が設けられている。スチールベルト26は、ゴムで被覆された複数のスチールコードにより構成されている。スチールベルト26を設けることにより、タイヤの剛性が確保され、トレッド12と路面の接地状態が良くなる。本実施形態においては、4層のスチールベルト26が設けられているが、積層されるスチールベルト26の枚数はこれに限らない。
【0017】
スチールベルト26のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム28が設けられている。トレッドゴム28の外表面には、トレッドパターン28Aが設けられている。トレッドゴム28の外表面は、路面と接触する接地面となる。
【0018】
トレッド12のタイヤ幅方向外側付近において、カーカスプライ23と、スチールベルト26およびトレッドゴム28との間の領域には、ショルダーパッド38が設けられている。ショルダーパッド38は、サイドウォール13のタイヤ径方向外側領域まで延出しており、その一部は、後述のサイドウォールゴム30との間で界面を形成している。すなわち、サイドウォール13のタイヤ径方向外側領域において、サイドウォールゴム30のタイヤ幅方向内側に、ショルダーパッド38の一部が存在している。
【0019】
ショルダーパッド38はクッション性を有するゴム部材からなり、カーカスプライ23とスチールベルト26との間において、クッション機能を発揮する。また、ショルダーパッド38は低発熱性の特性を有するゴムからなるため、サイドウォール13まで延出させることにより、効果的に発熱を抑制することができる。
【0020】
ビード11、サイドウォール13、トレッド12において、カーカスプライ23のタイヤ内腔側には、タイヤ1の内壁面を構成するゴム層としてのインナーライナー29が設けられている。インナーライナー29は、耐空気透過性ゴムにより構成されており、タイヤ内腔内の空気が外部に漏れるのを防ぐ。
【0021】
サイドウォール13において、カーカスプライ23のタイヤ幅方向外側には、タイヤ1の外壁面を構成するサイドウォールゴム30が設けられている。サイドウォールゴム30は、タイヤ1がクッション作用をする際に最もたわむ部分であり、通常、耐疲労性を有する柔軟なゴムが採用される。
【0022】
ビード11のビードコア21周りに設けられたカーカスプライ23のタイヤ径方向内側には、カーカスプライ23の少なくとも一部を覆うように補強プライとしてのスチールチェーハー31が設けられている。
【0023】
スチールチェーハー31は、カーカスプライ23のプライ折り返し部25のタイヤ幅方向外側にも延在している。スチールチェーハー31のタイヤ幅方向外側の端部31Aは、カーカスプライ23の折り返し端25Aよりもタイヤ径方向内側に位置している。上述したインナーライナー29のタイヤ径方向内側の端部29Aは、スチールチェーハー31のタイヤ幅方向内側の角部の部分を覆うように屈曲している。スチールチェーハー31は、金属製のスチールコードにより構成された金属補強層であり、ゴムにより被覆されている。
【0024】
図2に示されるように、スチールチェーハー31のタイヤ径方向内側には、リムストリップゴム32が設けられている。リムストリップゴム32は、インナーライナー29のタイヤ径方向内側の端部29Aを覆っている。リムストリップゴム32は、タイヤの外表面に沿って配置されており、サイドウォールゴム30と連接している。リムストリップゴム32とサイドウォールゴム30は、タイヤの外表面を構成しているゴム部材である。
【0025】
そして、スチールチェーハー31の端部31Aのタイヤ径方向外側であって、カーカスプライ23の折り返し部25およびビードフィラー22のタイヤ幅方向外側には、第1のパッド35が設けられている。第1のパッド35は、少なくともカーカスプライ23の折り返し端25Aのタイヤ幅方向外側に設けられている。第1のパッド35のタイヤ径方向外側は、タイヤ径方向外側に向かうほど、先細りとなるように形成されている。
【0026】
さらに、第1のパッド35のタイヤ幅方向外側を覆うように、第2のパッド36が設けられている。より詳細には、スチールチェーハー31の一部、第1のパッド35、ビードフィラー22の一部のタイヤ幅方向外側を覆うように、第2のパッド36が設けられている。第2のパッド36のタイヤ径方向外側は、タイヤ径方向外側に向かうほど、先細りとなるように形成されている。また、第2のパッド36のタイヤ径方向内側は、タイヤ径方向内側に向かうほど、先細りとなるように形成されている。第2のパッド36のタイヤ径方向外側端36Aの位置は、第1のパッド35のタイヤ径方向外側端35Aの位置よりも、タイヤ径方向外側に位置している。
【0027】
そして、第2のパッド36のタイヤ径方向外側領域におけるタイヤ幅方向外側には、サイドウォールゴム30が配置されており、第2のパッド36のタイヤ径方向内側領域におけるタイヤ幅方向外側には、リムストリップゴム32が配置されている。
換言すると、サイドウォールゴム30は、リムストリップゴム32のタイヤ幅方向外側の一部と、第2のパッド36のタイヤ幅方向外側の一部と、を覆っている。
【0028】
第1のパッド35および第2のパッド36は、パッド部材34を構成し、このパッド部材34は、ビードフィラー22のモジュラスと同等か、より高いモジュラスのゴムにより構成されている。
より詳細には、第2のパッド36は、ビードフィラー22と同等か、より高いモジュラスのゴムにより構成されており、第1のパッド35は、第2のパッド36よりもさらに高いモジュラスのゴムにより構成されている。第1のパッド35および第2のパッド36は、カーカスプライ23の折り返し端25Aおよびスチールチェーハー31の端部31Aにおける局所的な剛性の変化点に起因する急激な歪みを緩和する機能を有する。
【0029】
ビードフィラー22とパッド部材34との間には、カーカスプライ23の折り返し端25A付近において、補強ゴムシートとしてのゴムシート37が配置されている。ゴムシート37は、カーカスプライ23の折り返し端25Aをタイヤ幅方向内側から覆うように配置されている。
ゴムシート37は、ビードフィラー22よりも高いモジュラスのゴムにより構成されている。より好ましくは、第1のパッド35と略等しいモジュラスのゴムにより構成されている。
【0030】
一般に、カーカスプライ23の折り返し端25Aは、応力が集中しやすい。しかしながら、上述の補強ゴムシートとしてのゴムシート37を設けることにより、応力の集中を効果的に抑えることが可能となる。
なお、ゴムシート37は、図2に示されるように、カーカスプライ23の折り返し端25Aを、タイヤ幅方向内側から覆うように配置する態様を採用することが好ましいが、カーカスプライ23の折り返し端25Aを、タイヤ幅方向外側から覆う構成を採用してもよい。この場合であっても、応力の集中を緩和することができる。
【0031】
ここで、リムストリップゴム32と、その周囲の部材との関係を再度整理して説明すると、リムストリップゴム32は、ビードコア21の周りで折り返されたカーカスプライ23のプライ折り返し部25の少なくともタイヤ幅方向外側に配置されている。本実施形態においては、リムストリップゴム32は、カーカスプライ23の折り返し部25のタイヤ幅方向外側に配置されているパッド部材34のタイヤ幅方向外側の一部を覆っている。また、リムストリップゴム32は、スチールチェーハー31のタイヤ幅方向内側の角部の部分を覆うインナーライナー29のタイヤ径方向内側の端部29Aを覆っている。そして、サイドウォールゴム30は、リムストリップゴム32のタイヤ幅方向外側の一部と、パッド部材34のタイヤ幅方向外側の一部とを覆っている。このようなパッド部材34を設けることにより、リムストリップゴム32およびサイドウォールゴム30の接合部周辺において、効果的に応力の集中を抑えることができる。
【0032】
ここで、各ゴム要素のモジュラスについて述べると、第2のパッド36のモジュラスを基準とすると、サイドウォールゴム30は、第2のパッド36の0.4~0.7倍のモジュラスとすることが好ましい。また、第1のパッド35は、第2のパッド36の1.0倍~1.2倍のモジュラスとすることが好ましい。そして、リムストリップゴム32は、第2のパッド36のモジュラスを基準とすると、第2のパッド36の0.8~1.2倍のモジュラスとすることが好ましい。このようなモジュラスとすることで、タイヤとしての柔軟性とビード11付近の剛性のバランスを保つことができる。
なお、モジュラスは、JIS K6251:2010の「3.7 所定伸び引張り応力(stress at a given elongation),S」に準拠して測定された、23℃の雰囲気下における100%伸長モジュラス(M100)を指す。
【0033】
図2に示されるように、本実施形態のタイヤ1には、電子部品としての、RFIDタグ40が埋設されている。
【0034】
図3Aは、本実施形態に係るRFIDタグ40の一例を示している。RFIDタグ40は、保護部材43によって被覆されている。図3Aでは、RFIDタグ40は保護部材43を構成する被覆ゴムシート431に覆われて隠れている。図3B図3Aのb-b断面図、図3C図3Aのc-c断面図である。本実施形態においては、図3A図3Cに示されるように、RFIDタグ40は保護部材43を構成する被覆ゴムシート431、432により被覆されている。
【0035】
RFIDタグ40は、RFIDチップ41と、外部機器と通信を行うための複数のアンテナ42とを備えた、パッシブ型のトランスポンダである。RFIDタグ40は、外部機器としての図示しないリーダとの間で無線通信を行う。RFIDチップ41内の記憶部には、製造番号、部品番号等の識別情報が格納されている。
【0036】
アンテナ42としては、コイル状のスプリングアンテナ、板状のアンテナ、棒状の各種のアンテナが用いられる。また、フレキシブル基板に対して所定のパターンをプリントすることによって形成したアンテナであってもよい。アンテナ42は、通信性をおよび柔軟性を考慮すると、コイル状のスプリングアンテナが最も好ましい。アンテナ42は、使用する周波数帯域等に応じて、最適化されたアンテナ長さに設定される。
【0037】
保護部材43は、RFIDタグ40を挟み込んで保護する2枚の被覆ゴムシート431、432により構成されている。
【0038】
図3A図3Cに示されるように、本実施形態に係るRFIDタグ40は、RFIDチップ41の両側に細いピン状の2本のアンテナ42が概ね同心状に延在する状態に配置された構造を有している。このためRFIDタグ40は、2本のアンテナ42の延在方向に長い長手方向を有する。保護部材43は、RFIDタグ40の形状に概ね倣った薄い帯状の形状を有している。
【0039】
図1および図2に示されるように、RFIDタグ40は、第2のパッド36とリムストリップゴム32との間に埋設されている。本実施形態では、RFIDタグ40は、リムストリップゴム32のタイヤ径方向外側端32Aに近接し、かつサイドウォールゴム30のタイヤ径方向内側の端部30Bが覆う位置において、第2のパッド36とリムストリップゴム32との間に埋設されている。
【0040】
RFIDタグ40は、その長手方向が、タイヤ1の周方向に対して接線の方向、すなわち図1および図2の断面図において紙面に直交する方向となるように、第2のパッド36とリムストリップゴム32との間に埋設することが好ましい。このように埋設することで、タイヤ1が車両のホイールに装着されてタイヤ1に負荷が掛かり変形したときにおいても、RFIDタグ40にその負荷による応力が掛かりにくい。
【0041】
RFIDタグ40を被覆する保護部材43に採用するゴムとしては、少なくとも第2のパッド36と同等かモジュラスが低いゴムを用いる。例えば、保護部材43に用いられるゴムとしては、第2のパッド36のモジュラスを基準とすると、0.7~1.1倍のモジュラスのゴムを用いることが好ましい。
【0042】
このように保護部材43を構成する被覆ゴムシート(431、432)に覆われていることにより、RFIDタグ40はタイヤ1の変形時に生じる応力を直接受けにくく、このため、変形や損傷することが抑制されて通信性能が維持される。
【0043】
図4は、本実施形態に係るタイヤ1のゴム構造体に近似するゴム構造体を備えたタイヤをリムに組み付け、100%荷重負荷を与えた場合の、歪エネルギーの面内分布シミュレーションの結果を示す拡大断面図である。図4においては、図1および図2に示される本実施形態に係るタイヤ1と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
【0044】
なお、図4に示されるタイヤにおいては、ビードフィラー22は、ビードコア21の外周を覆う第1ビードフィラー221と、第1ビードフィラー221のタイヤ径方向外側に配置されている第2ビードフィラー222とにより構成されている。第2ビードフィラー222は、インナーライナー29およびサイドウォールゴム30よりも高いモジュラスのゴムにより構成されている。そして、第1ビードフィラー221は、第2ビードフィラー222よりもさらに高いモジュラスのゴムにより構成されている。
【0045】
図4においては、歪エネルギーの大きさに応じて、領域を5つに分けて表示している。ここで、歪エネルギーが最も高い領域はレベル5、歪エネルギーが高い領域はレベル4、歪エネルギーがやや下がる領域はレベル3、歪エネルギーがさらに下がる領域はレベル2、歪エネルギーが最も下がる領域はレベル1としている。図4においては、太い点線を境界に、領域を分けて表示している。
【0046】
第2のパッド36とリムストリップゴム32との境界面において、タイヤ径方向外側は概ねレベル1の領域となっており、歪エネルギーが少なく、RFIDタグ40を配置する上で、好ましい領域となっている。例えば、図4に示されるタイヤのレベル3の領域にRFIDタグが埋設された場合と比べると、せん断歪値は15%程度低減する結果がシミュレーションによって得られている。このように歪が集中しにくい位置に埋設されるため、RFIDタグ40の耐久性の向上が図られる。また、レベル1の領域はタイヤ幅方向外側であってサイドウォール13に近接するため、十分な通信性能が発揮される。
【0047】
ここで、RFIDタグ40は、タイヤの製造工程において、加硫工程の前に取り付けられる。本実施形態においては、加硫される前の第2のパッド36またはリムストリップゴム32における図2で示される位置に対応する部分に、RFIDタグ40を取り付ける。このとき、第2のパッド36およびリムストリップゴム32は加硫前の生ゴムの状態であるため、その粘着性を利用して、RFIDタグ40を第2のパッド36またはリムストリップゴム32に貼り付けてもよい。あるいは、粘着性が低い場合などにおいては、接着剤等を用いて貼り付けてもよい。RFIDタグ40を貼り付けた後、RFIDタグ40を第2のパッド36とリムストリップゴム32によって挟み込む。その後、タイヤ径方向内側の端部においてビードコア21およびビードフィラー22を囲むようにRFIDタグ40と、少なくとも第1のパッド35、第2のパッド36、リムストリップゴム32、およびサイドウォールゴム30を含む各構成部材を折り返すターンアップという成型工程を経て組み付けられた生タイヤを、加硫工程において加硫し、タイヤ1を製造する。
【0048】
本実施形態に係るタイヤ1は、RFIDタグ40とカーカスプライ23のプライ折り返し部25との間には、第1のパッド35と第2のパッド36とが2層のゴム部材として配置されている。このため、例えば上述のターンアップの工程においてプライ折り返し部25によって第1のパッド35に変形が生じても、その変形による応力が第2のパッド36で緩衝されてRFIDタグ40に伝わりにくい。これにより、RFIDタグ40は動きにくく設定位置に保持され、結果としてRFIDタグ40のレイアウト精度の向上が図られる。また、このようにRFIDタグ40の位置が保持されることにより、第2のパッド36とリムストリップゴム32との間に隙間が生じにくいか、または生じる隙間が小さい。このため、加硫時においてその隙間にゴムが流れて第2のパッド36やリムストリップゴム32の形状が変形することが抑制される。
【0049】
本実施形態に係るタイヤ1の製造方法は、上述したように、RFIDタグ40を第2のパッド36とリムストリップゴム32とによって挟み込む工程と、RFIDタグ40と、少なくとも第1のパッド35、第2のパッド36、リムストリップゴム32、およびサイドウォールゴム30を含む各構成部材を、ビードコア21およびビードフィラー22を囲むように折り返す工程と、を含んでいる。これにより、カーカスプライ23から影響を受け難いようにRFIDタグ40を配置することができる。
【0050】
本実施形態では、第2のパッド36のタイヤ径方向外側端36Aの位置は、第1のパッド35のタイヤ径方向外側端35Aの位置よりも、タイヤ径方向外側に位置している。これにより、上述したタイヤ1の成型工程時において第1のパッド35は第2のパッド36に押さえ込まれて変形が抑制され、その結果、RFIDタグ40はより動きにくくなり、レイアウト精度の向上をより効果的に得ることができる。
【0051】
また、本実施形態では、サイドウォールゴム30は、リムストリップゴム32のタイヤ幅方向外側の一部と、第2のパッド36のタイヤ幅方向外側の一部と、を覆っている。これにより、第2のパッド36とリムストリップゴム32との境界部がサイドウォールゴム30により覆われるため、リムストリップゴム32と第2のパッド36との境界面に埋設されるRFIDタグ40の位置が強固に保持される。
【0052】
本実施形態に係るRFIDタグ40は、好ましくは、第2のパッド36とリムストリップゴム32との境界面において以下のような所定領域に配置される。
【0053】
図2に示されるように、RFIDタグ40は、カーカスプライ23のプライ折り返し部25の折り返し端25Aとの間の距離Dが5mm以上に設定される。すなわちRFIDタグ40は、折り返し端25Aから5mm以上離れた位置に配置されている。例えば距離Dは、具体的には15mm程度に設定される。これにより、上述したタイヤ1の成型工程時においてRFIDタグ40はカーカスプライ23からの影響をより受けにくくなるため、レイアウト精度の向上をより効果的に得ることができる。また、カーカスプライ23が金属製である場合、RFIDタグ40がカーカスプライ23に近接すると通信性能が低下する可能性があるが、距離Dが5mm以上確保されることにより、通信性能は維持される。なお、距離Dは、成型後のタイヤ1において5mm以上が確保される。したがって、成型前の段階では、成型後の距離Dが5mm以上確保されるように、RFIDタグ40の位置が調整される。
【0054】
図2に示されるように、RFIDタグ40は、リムストリップゴム32のタイヤ径方向外側端32Aからタイヤ径方向内側20mmまでの領域に配置される。これにより、RFIDタグ40は、歪が集中しにくい位置に埋設されるため、耐久性の向上が図られる。なお、具体的な例としては、RFIDタグ40は、リムストリップゴム32のタイヤ径方向外側端32Aからタイヤ径方向内側へ10mm程度の距離をおいて配置される。
なお、RFIDタグ40は、図2に示されるように、その全体が、リムストリップゴム32のタイヤ径方向外側端32Aからタイヤ径方向内側20mmまでの領域に配置されていてよく、また、少なくともその一部が、当該領域に配置されていてもよい。また、本実施形態のようにRFIDタグ40は保護部材43を構成する被覆ゴムシート431、432により被覆されている場合は、被覆ゴムシート431、432の全体が、リムストリップゴム32のタイヤ径方向外側端32Aからタイヤ径方向内側20mmまでの領域に配置されていてもよい。
【0055】
以上説明した本実施形態に係るタイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
【0056】
(1)本実施形態に係るタイヤ1は、一対のタイヤ幅方向に離間して配置された環状のビードコア21と、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー22と、を有する一対のビード11と、一方のビード11のビードコア21から他方のビード11のビードコア21に延び、それぞれのビードコア21の周りで折り返されたカーカスプライ23と、を備えるタイヤ1であって、折り返されたカーカスプライ23の折り返し端25Aのタイヤ幅方向外側に配置される第1のパッド35と、第1のパッド35のタイヤ幅方向外側に配置される第2のパッド36と、第2のパッド36のタイヤ幅方向外側の少なくとも一部に配置されるリムストリップゴム32と、を更に備え、第2のパッド36とリムストリップゴム32との間に、電子部品としてのRFIDタグ40が設けられている。
【0057】
これにより、カーカスプライ23から影響を受け難いようにRFIDタグ40を配置することができ、RFIDタグ40のレイアウト精度の向上を図ることができる。また、歪が集中しにくい位置に埋設されるため、RFIDタグ40の耐久性を向上させることができる。また、タイヤ幅方向外側であってサイドウォール13に近接する位置にRFIDタグ40が埋設されるため、RFIDタグ40の十分な通信性能が発揮される。
【0058】
(2)本実施形態に係るタイヤ1において、第2のパッド36のタイヤ径方向外側端36Aの位置は、第1のパッド35のタイヤ径方向外側端35Aの位置よりも、タイヤ径方向外側に位置する。
【0059】
これにより、タイヤ1の成型工程時において第1のパッド35は第2のパッド36に押さえ込まれて変形が抑制され、その結果、RFIDタグ40はより動きにくくなり、レイアウト精度の向上をより効果的に得ることができる。
【0060】
(3)本実施形態に係るタイヤ1において、RFIDタグ40は、カーカスプライ23の折り返し端25Aから5mm以上離れた位置に配置されている。
【0061】
これにより、タイヤ1の成型工程時においてRFIDタグ40はカーカスプライ23からの影響をより受けにくくなるため、レイアウト精度の向上をより効果的に得ることができる。また、カーカスプライ23が金属製である場合であっても、RFIDタグ40の通信性能を維持することができる。
【0062】
(4)本実施形態に係るタイヤ1において、RFIDタグ40は、少なくともその一部が、リムストリップゴム32のタイヤ径方向外側端32Aからタイヤ径方向内側20mmまでの領域に配置されている。
【0063】
これにより、RFIDタグ40は、歪が集中しにくい位置に埋設されるため、耐久性の向上が図られる。
【0064】
(5)本実施形態に係るタイヤ1は、サイドウォールゴム30を備え、このサイドウォールゴム30は、リムストリップゴム32のタイヤ幅方向外側の一部と、第2のパッド36と、の少なくとも一部のタイヤ幅方向外側に位置する。
【0065】
これにより、第2のパッド36とリムストリップゴム32との境界部がサイドウォールゴム30により覆われるため、リムストリップゴム32と第2のパッド36との境界面に埋設されるRFIDタグ40の位置を強固に保持することができる。
【0066】
(6)本実施形態に係るタイヤ1において、RFIDタグ40は、保護部材43を構成する被覆ゴムシート431、432に覆われている。
【0067】
これにより、RFIDタグ40はタイヤ1の変形時に生じる応力を直接受けにくく、このため、変形や損傷することが抑制されて通信性能を維持することができる。
【0068】
(7)本実施形態に係るタイヤ1において、リムストリップゴム32は、第2のパッド36のモジュラスを基準とすると、当該第2のパッド36の0.8~1.2倍のモジュラスを有することが好ましい。
【0069】
これにより、タイヤとしての柔軟性とビード11付近の剛性のバランスを保つことができる。
【0070】
(8)本実施形態に係るタイヤ1において、RFIDタグ40を被覆する被覆ゴムシート431、432は、第2のパッド36のモジュラスを基準とすると、第2のパッド36の0.7~1.1倍のモジュラスを有するゴムであることが好ましい。
【0071】
これにより、RFIDタグ40はタイヤ1の変形時に生じる応力を直接受けにくく、このため、変形や損傷することが抑制されて通信性能が維持される。
【0072】
(9)本実施形態に係るタイヤ1においては、カーカスプライ23の少なくとも一部を覆うようにスチールチェーハー31が設けられ、スチールチェーハー31のタイヤ径方向内側に、リムストリップゴム32が設けられている。
【0073】
これにより、カーカスプライ23がスチールチェーハー31により補強され、スチールチェーハー31はリムストリップゴム32により保護される。
【0074】
次に、図5を参照して本発明の他の実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、上記一実施形態と同じ構成については同じ符号を付してそれら構成の説明を省略し、上記一実施形態との相違点のみを説明する。
【0075】
図5に示す他の実施形態のRFIDタグ40は、上記一実施形態よりもタイヤ径方向内側寄りに配置されている。このRFIDタグ40は、タイヤ径方向において、サイドウォールゴム30の径方向内側の端部30Bと概ね同じ位置であって、カーカスプライ23のプライ折り返し部25の折り返し端25Aよりもややタイヤ径方向内側の位置に配置されている。これ以外については、上記一実施形態と同じ構成を備えている。
【0076】
この実施形態においても、RFIDタグ40は、第2のパッド36とリムストリップゴム32と間に設けられているため、上記(1)の効果が同様に奏される。
また、上記(2)、(5)、(6)の効果も同様に奏される。
【0077】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に含まれる。
【0078】
例えば、上記実施形態では、RFIDタグ40は保護部材43を構成する被覆ゴムシート431、432により被覆されているが、被覆ゴムシート431、432により被覆することなく、直接第2のパッド36とリムストリップゴム32との間に挟んで埋設してもよい。
【0079】
また、実施形態では、電子部品として、RFIDタグ40がタイヤに埋設されているが、タイヤに埋設される本発明に係る電子部品としては、RFIDタグに限らない。例えば、無線通信を行うセンサ等の各種の電子部品や、圧電素子、あるいは歪センサであってもよい。
本発明のタイヤは、乗用車、ライトトラック、トラック、バス等の各種タイヤとして採用することができるが、特にトラック、バス等のタイヤとして好適である。
【0080】
(1)本発明のタイヤ(例えば、タイヤ1)は、一対のタイヤ幅方向に離間して配置された環状のビードコア(例えば、ビードコア21)と、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー(例えば、ビードフィラー22)と、を有する一対のビード(例えば、ビード11)と、一方の前記ビードの前記ビードコアから他方の前記ビードの前記ビードコアに延び、それぞれの前記ビードコアの周りで折り返されたカーカスプライ(例えば、カーカスプライ23)と、を備えるタイヤであって、前記折り返されたカーカスプライの折り返し端(例えば、折り返し端25A)のタイヤ幅方向外側に配置される第1のパッド(例えば、第1のパッド35)と、前記第1のパッドのタイヤ幅方向外側に配置される第2のパッド(例えば、第2のパッド36)と、前記第2のパッドのタイヤ幅方向外側の少なくとも一部に配置されるリムストリップゴム(例えば、リムストリップゴム32)と、を更に備え、前記第2のパッドと前記リムストリップゴムとの間に、電子部品(例えば、RFIDタグ40)が設けられている。
【0081】
(2)(1)のタイヤにおいて、前記第2のパッドのタイヤ径方向外側端(例えば、タイヤ径方向外側端36A)の位置は、前記第1のパッドのタイヤ径方向外側端(例えば、タイヤ径方向外側端35A)の位置よりも、タイヤ径方向外側に位置する。
【0082】
(3)(1)または(2)のタイヤにおいて、前記電子部品は、前記カーカスプライの折り返し端(例えば、折り返し端25A)から5mm以上離れた位置に配置されている。
【0083】
(4)(1)~(3)のいずれかのタイヤにおいて、前記電子部品は、少なくともその一部が、前記リムストリップゴムのタイヤ径方向外側端(例えば、タイヤ径方向外側端32A)からタイヤ径方向内側20mmまでの領域に配置されている。
【0084】
(5)(1)~(4)のいずれかのタイヤにおいて、サイドウォールゴム(例えば、サイドウォールゴム30)を更に備え、前記サイドウォールゴムは、前記リムストリップゴムと、前記第2のパッドと、の少なくとも一部のタイヤ幅方向外側に位置する。
【0085】
(6)(1)~(5)のいずれかのタイヤにおいて、前記電子部品は、被覆ゴムシート(例えば、被覆ゴムシート431、432)に覆われている。
【0086】
(7)(1)~(6)のいずれかのタイヤにおいて、前記リムストリップゴムは、前記第2のパッドのモジュラスを基準とすると、当該第2のパッドの0.8~1.2倍のモジュラスを有する。
【0087】
(8)(6)のタイヤにおいて、前記被覆ゴムシートは、前記第2のパッドのモジュラスを基準とすると、当該第2のパッドの0.7~1.1倍のモジュラスを有する。
【0088】
(9)(1)~(8)のいずれかのタイヤにおいて、前記カーカスプライの少なくとも一部を覆うようにスチールチェーハー(例えば、スチールチェーハー31)が設けられ、前記スチールチェーハーのタイヤ径方向内側に、前記リムストリップゴムが設けられている。
【符号の説明】
【0089】
1 タイヤ
11 ビード
13 サイドウォール
21 ビードコア
22 ビードフィラー
23 カーカスプライ
25A カーカスプライの折り返し端
30 サイドウォールゴム
31 スチールチェーハー
32 リムストリップゴム
35 第1のパッド
35A 第1のパッドのタイヤ径方向外側端
36 第2のパッド
36A 第2のパッドのタイヤ径方向外側端
40 電子部品(RFIDタグ)
46 ゴム
431、432 被覆ゴムシート
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5