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▶ 小島 嘉恭の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071952
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】フェイスシールド
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220510BHJP
   A41D 13/12 20060101ALI20220510BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220510BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A41D13/11 L
A41D13/12 118
A62B18/02 Z
A62B18/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181100
(22)【出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】592145349
【氏名又は名称】小島 嘉恭
(72)【発明者】
【氏名】小島 嘉恭
【テーマコード(参考)】
2E185
3B011
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185CC36
3B011AA00
3B011AB09
(57)【要約】

【課題】 形状やサイズの異なるマスクであっても、眼鏡の巾やつるのサイズが多様であっても、透明シートを取り付けてフェイスシールドとなるフェイスシールドを提供する。使用者は目の前の空間とマスク前の空間を自由に調整可能となり、圧迫感が少なく、呼吸が楽でずれ落ち難いフェイスシールドを提供する。
【解決手段】透明シート上に眼鏡のつるを挿通する為の半円形スリットを形成し、並びにマスクのゴム紐を挿通する為の縦方向に伸びた波型スリットを形成する。
前記半円形スリットは大きさの異なる相似形の半円が内周側に小さくなりながら複数配置されている為、眼鏡のつるの太さに対応した半円スリットが開口する。
前記波型スリットによりマスクの紐がずれ落ち難く、前後位置や角度調整も可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔面の前方を覆う透明シートには左右両端側に一対のスリットが形成され、前記スリットは前記透明シートの内側からマスクの紐または眼鏡のつるを挿通する開口部であることを特徴とするフェイスシールド。
【請求項2】
前記スリットは少なくとも一対の縦方向に伸びた波型スリットと、少なくとも一対の半円形スリットと、を有し、
前記波型スリットは前記透明シートの内側から前記マスクの紐を挿通する開口部であり、
前記半円形スリットは前記透明シートの内側から前記眼鏡のつるを挿通する開口部であることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシールド。
【請求項3】
前記波型スリットと前記半円形スリットは、
それぞれ並列して複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載のフェイスシールド。
【請求項4】
前記半円形スリットは大きさの異なる相似形の半円が内周側に小さくなりながら複数配置されていることを特徴とする請求項3に記載のフェイスシールド。
【請求項5】
前記半円形スリットの後方には前記眼鏡のつるを支持する支持部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載フェイスシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は形状やサイズの異なるマスクや眼鏡に透明シートを容易に係止できるスリットを有するフェイスシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に感染防止対策としてフェイスシールドが利用されている。代表的なものとしてヘッドバンドと透明なフィルムから構成されているサンバイザー型のフェイスシールド市場に流通している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3227534号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市場にはマスクと眼鏡がセットになっているタイプはあるが、ユーザーが度付き眼鏡を使用している場合は2個の眼鏡をかけることになり不便である。
眼鏡とシールドは固定されている為、自分の眼鏡と交換して使用出来なかった。また毎回その眼鏡も使い捨てとなり不経済である。
頭部に固定して使用するサンバイザー型フェイスシードはあるが、長時間使用すると頭痛がする、頭が重い、圧迫感がある、等の問題がある。
市場にあるマスクに固定するタイプのフェイスシールドにおいて マスクとシートの間隔が接触または近い為に呼吸が苦しくなる難点があった。
シートとマスクの間隔を調整する機能はなかった。
眼鏡の多様なフロント巾に対応し、かつ多様なつるの太さにも対応出来るフェイスシールドはなかった
市場には透明シートがマスクや眼鏡に固定されるものはあるが、係止された状態で位置調整できるものは無かった。
市場にはマスクの紐を指定位置(縦方向に伸びる直線スリットの両端部)に固定するタイプのものはあったが、縦方向に伸びる波型スリットの最適な位置に自然と係止できるものはなかった。マスクの紐はその取付位置から耳にまでの距離が最短となるものはなかった。直線スリットの両端に固定するタイプでは、
マスクの紐は無駄な経路を通り耳に掛けることになってしまう。
眼鏡のつるを挿通させるスリットを持つフェイスシールドはあったが、つるの太さに対応したスリットが挿通時に開口するものはなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のフェイスシールドは、顔面の前方を覆う透明シートには左右両端側に一対のスリットが形成され、前記スリットは前記透明シートの内側からマスクの紐または眼鏡のつるを挿通する開口部であることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載のフェイスシールドは、前記スリットは少なくとも一対の縦方向に伸びた波型スリットと、少なくとも一対の半円形スリットと、を有し、前記波型スリットは前記透明シートの内側から前記マスクの紐を挿通する開口部であり、前記半円形スリットは前記透明シートの内側から前記眼鏡のつるを挿通する開口部であることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載のフェイスシールドは、前記波型スリットと前記半円形スリットは、それぞれ並列して複数設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載のフェイスシールドは、前記半円形スリットは、大きさの異なる相似形の半円が内周側に小さくなりながら複数配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載のフェイスシールドは、前記半円形スリットの後方には前記眼鏡のつるを支持する支持部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
マスクのサイズやゴム紐の巾や長さが異なっていても透明シートを係止出来る複数の波型スリットを形成してある為、ゴム紐を複数の波型スリットへ挿通させることにより滑り落ちが防止できる。 さらにマスクのゴム紐に対してシートは固定されていない為、自由に前後の位置調整ができる。同時に上下の角度調整もできる。その効果は直線スリットの場合では容易に紐が滑り落ちてしまいマスクを特定の位置に保持できない。透明シートは固定ではなく、係止されている為に位置調整ができる。マスクの紐はその取り付け位置から耳までの距離がスリットの開口部の形状や位置に影響を受けることなく自然と最短となる。
【0011】
眼鏡のフロント幅やつるのサイズ(太さ)が異なっていても適応できる。並びに、眼鏡前の空間を任意のスリットを選択することにより調整できる。
複数の半円スリットは眼鏡のつるのサイズ(太さ)に対応できる。
つるが細い場合は中心の半円のみが開口し、中太のつるの場合は中心とその外側の半円が同時に開口し、さらに太いつるの場合はさらにその外側の半円までが同時に開口する。したがって常に透明シートの係止状態が安定し使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るシート10上の各スリットの配置図である。 前記配置の状態は顔面を覆う内側となる。
図2】シート10をマスクEにセットしたイメージ図である。
図3】シート10をマスクEにセットし、角度調整を行った時のイメージ図である。
図4】シート10を眼鏡Fにセットした時のイメージ図である。
図5】シート10をマスクEにセットし、角度調整を行った時の拡大イメージと稼働方向を示した図である。
図6】シート10の半円形スリットへ眼鏡をセットしたイメージ図である。
図7】シート10の半円形スリットとシート10の眼鏡の保持用支持部Cを拡大した図である。
図8】半円形スリット4に眼鏡のつるG(太さの異なる3タイプ)をそれぞれ左方向から挿通させた拡大図である。
図9】シート10の波型スリットB、Aにマスクの紐Dを左方向から挿通させた拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本考案のフェイスシールドは、図2図3図4に示すように、顔を覆う大きさの透明なシートと図1に示すスリットからなるフェイスシールドである。
【0014】
前記フェイスシールドは本発明に係る透明シートに眼鏡用スリットとマスク用波型スリットカットからなるフェイスシールドである。
【0015】
図1の10は透明シートである。
前記シートはマスク用の縦方向に伸びる波型スリットAB -A’B’ と 眼鏡フレーム用半円形スリット 1234 - 1’2’3’4’ と 眼鏡角度維持スリットカット c - c’ を形成してある。本考案のフェイスシールドは、図2図3図4に示すように装着し、医療機関に従事する者や受付や接客等で第三者と対面で仕事をしなければならない者が使用し、感染防止のため仕事環境に適するフェイスシールドである
【0016】
前記透明シートの材質は、透明で形状を保持可能で曲げ変形可能なシート状の材質が好適であり、例えばポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート(PET)等がある。また、前記透明シート10の厚みは、形状を保持可能で曲げ変形が可能な厚みと、例えば、0.07~0.4mmの厚みが好適である。前記透明シート10は抗菌性(酸化亜鉛・銀イオン・等)を含有していることが好ましい。
【0017】
前記透明シート10は図4に示すように眼鏡Fを利用し顔面に装着する。
透明シート10の両端は左右の眼鏡のつるGと使用者の左右の目じりの部分とで挟まれるように装着される。したがってズレ難く安定して使用できる。
【0018】
図5では透明シート10をマスクに取り付けるための方法について説明する。マスクの紐を透明シートの内側から外側に向けて波型スリットへ挿通させて耳にかける。マスクの紐の太さや幅に自然に対応し係止される縦方向に伸びる波型スリットを備える。
図5はマスクの紐Dを透明シート10の内側から波型スリットB-Aを挿通し耳にかけた状態を示す。前記透明シート10はマスクEに対して固定ではなく係止の状態であり、マスクEのサイズやマスクの紐Dの太さや幅に関係なく安定して装着できる。波型スリットB-Aによりマスクの紐Dが縦方向のどの位置にあっても波型スリット部に係止されズレ落ち難い。前記透明シート10は上下方向へ角度調整ができる。したがって目と透明シート10との距離を任意に調整できる。したがって目の前の圧迫感を軽減できる。例えば図2のようにほぼ垂直に透明シート10を装着した状態から図3のようにやや斜めの状態へ透明シート10を角度調整と移動をさせることができる。
またマスクEと透明シート10との距離を任意に調整できる。したがってフィルムとマスクとの密着を避けることができ、呼吸が楽に出来る。
【0019】
図6に示すように眼鏡のつるGは眼鏡の保持用支持部Cの上を通過し耳に掛ける。
【0020】
眼鏡の双方のつるの先端部分を透明シートに対しより安定して係止させる為のコの字型スリットCを備える(図1のCC’、図7のC)。図7に示すように、眼鏡の保持用支持部Cは外側に開口し眼鏡のつるGを挟み込むようにセットする。眼鏡Fと透明シート10がより一体化し安定して使用できる。
【0021】
図8に示すように半円形スリット4に眼鏡のつるG(太さの異なる3タイプ)をそれぞれ左方向から挿通させた状態を上から示した図である。
市販の眼鏡のつえにはさまざまな太さがあり、本考案の波型半円スリット4はその太さに対応した波型スリット部が対応し開口する。
上段の細いつる、中段の中太のつる、下段の太いつるに対して、自然とそれぞれの半円形スリット部が対応し開口する。たとえば
上段の細いつるが左方向からシート10の下から波型スリット4へ挿通すると一番小さい半円スリットのみが開口する。
中段の中太の眼鏡のつるが左方向からシート10の下から波型スリット4へ挿通すると一番小さい半円スリットと2番目の半円スリットが同時に開口する
下段の太い眼鏡のつるが左方向からシート10の下から波型スリット4へ挿通すると、一番小さい半円スリットと2番目の半円スリットと3番目の半円スリットが同時に開口する
したがって使用者は多様な眼鏡のサイズに影響を受けることなく安定して透明シート10を装着できる。
【0022】
図9に示すようにマスクの紐Dを透明シート10の内側(顔面側)から波型スリットB挿通させて、一度外側へ引き出し、次に波型スリットAを挿通し透明シート10の内側(顔面側)へ引き出し挿通させる。この一連の動作によりマスクの紐Dは波型スリットに絡まるように挿通される。縦方向に伸びる波型スリットによりマスクの紐Dはどの位置を通過してもズレ落ち難い状態となる。
したがってマスクの紐は耳までの距離を最短とすることができる。
従来の直線スリットの両端の指定された位置にマスクの紐を固定するタイプでは無駄な経路を通ることを余儀なくされる。
前記説明は波型スリットが2本の場合の説明であるが、波型スリットが1本のみの場合であっても複数の波型スリットと同じくマスクEに透明シート10を装着できる。波型スリットは複数ある方がより安定して使用できる。
図9に示す波型スリットにより透明シートの角度を調整できる。その機能の違いは、従来型のフェイスシールドでは図2の透明シートの装着角度のように目の近くに装着することが余儀なくされる為、目の前に圧迫感を感じ疲れやすくなるが、波型スリットの構造によって図3のように透明シートの角度を斜め前へと調整し目の前の圧迫感を軽減し快適に使用することができる。
【実施例0023】
図2図3図4は本発明に係る装着イメージを示す。
以上から、本考案のフェイスシールドは、1枚の透明シートとスリットのみからなるシンプルな形状ありながら、異なるサイズの眼鏡やつるの太さに関係なく、装着することができる。並びに形状の異なるマスクやゴム紐の太さや位置にも関係なく装着することができる。透明シートはマスクの紐に対して固定ではなく係止の状態の為、使用者は透明シートの角度調整を容易に行うことができ、快適に第三者からの飛沫の侵入を防止させる効果を有する。
【符号の説明】
【0024】
1 半円形スリット
1´ 半円形スリット
2 半円形スリット
2´ 半円形スリット
3 半円形スリット
3´ 半円形スリット
4 半円形スリット
4´ 半円形スリット
10 透明シート
A 波型スリット
A´ 波型スリット
B 波型スリット
B´ 波型スリット
C 眼鏡の保持用支持部
C´ 眼鏡の保持用支持部
D マスクの紐
E マスク本体
F 眼鏡
G 眼鏡のつる
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9