(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075039
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】3列目シート搭載装置
(51)【国際特許分類】
B62D 65/14 20060101AFI20220511BHJP
B23P 21/00 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
B62D65/14 A
B23P21/00 303A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185566
(22)【出願日】2020-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】596002767
【氏名又は名称】トヨタ自動車九州株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】橘 東三
(72)【発明者】
【氏名】永見 賢太郎
【テーマコード(参考)】
3C030
3D114
【Fターム(参考)】
3C030CC04
3C030DA01
3C030DA26
3C030DA28
3C030DA35
3C030DA38
3D114AA01
3D114AA15
3D114BA17
3D114CA07
3D114CA09
3D114DA05
3D114DA14
3D114FA07
3D114GA09
3D114GA12
3D114GA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バックドアの開口部から3列目シートを搬入すると、3列目シートや把持部が車両側に干渉して3列目シートや内装にキズが付いたり、ロボットの停止や破損等を生じない装置を提供する。
【解決手段】所定の基準位置から車両搬送ライン311,313上の車両1の所定の個所までの距離を計測し、計測値を出力する車両位置計測装置10と、シート3の搬入位置の基準長と計測値とから補正値を算出する演算装置と、補正値に基づきシート搬入位置を補正してシートを車両のバックドアの開口部5から車内に搬入し、所定の位置に載置するシート搬入ロボット30と、を有する構成とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の基準位置から車両搬送ライン上の前記車両の所定の個所までの距離を計測し、当該計測値を出力する車両位置計測装置と、
前記シートの搬入位置の基準長と前記計測値とから補正値を算出する演算装置と、
前記補正値に基づきシート搬入位置を補正して前記シートを前記車両のバックドアの開口部から車内に搬入し、所定の位置に載置するシート搬入ロボットと、
を有する3列目シート搭載装置。
【請求項2】
前記車両位置計測装置は、伸縮自在の棒体を有し、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所に前記棒体を伸長させて当接させ、前記棒体の伸びの長さを計測して、前記所定の基準位置から前記車両の所定の個所までの距離の計測値となすよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の3列目シート搭載装置。
【請求項3】
前記伸縮自在の棒体は、ガイドレール上をエアシリンダにより水平方向に伸縮自在に挿嵌されたスライドプレート上に配設され、前記スライドプレート上において伸縮自在に構成されたことを特徴とする請求項2に記載の3列目シート搭載装置。
【請求項4】
前記車両位置計測装置は、所定の基準位置にレーザセンサを搭載し、前記所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所に前記レーザセンサからレーザ光を照射して前記所定の基準位置から前記車両の所定個所までの距離を計測するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の3列目シート搭載装置。
【請求項5】
車両位置計測装置は、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所までの距離を計測し、
前記シートの搬入位置の基準長と前記計測値とから演算装置によりシート搬入位置の補正値を算出し、
シート搬入ロボットは、前記補正値に基づきシート搬入位置を補正し、
補正された搬入位置により前記シートを前記車両のバックドアの開口部から車内に搬入し、
所定の位置に載置する、3列目シート搭載方法。
【請求項6】
前記車両搬送ライン上の車両の距離を計測する車両の所定の個所は、車両左側面のリアバンパーリテーナの取付け面の穿設孔の周面とすることを特徴とする請求項5に記載の3列目シート搭載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの車両用の3列目シートをロボットが車内に搬入するために、所定の基準位置から搬送ライン上の車両の所定の個所までの距離を計測し、計測値に対応して3列目シートの車内への搬入位置を補正する3列目シート搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ステーションワゴンやライトバンと呼ばれる車両に3列目シート(「サードシート」とも呼ばれる。)が設けられることが知られている。近年はSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル(Sport Utility Vehicle))の車体長を延長して7人乗り仕様の大家族向けの車両が注目を集めている。3列目シートは従来の2列構成の5人乗り仕様に加えて、車体長を延長することで3列目に2人用シートを追加したものである。かかる3列目シートは、車両の組み立ての搬送ラインにおいて、車両背面のバックドアを開いて、その開口部からロボットなどの搬送機器を用いて搬入されている。すなわち、車両の組立ラインにおいて、車両のバックドアの開口部から、ロボットが3列目シートを背面側から把持して搬入を行っている。
【0003】
かかるSUVでは、従来固定式だったシートポジションを変更可能にして、足元空間を広げたポジションと、ラゲッジスペースを重視したポジション等に設定可能とするなど機能向上が図られていると同時に、居住性についてもより一層快適性が求められている。しかし、組み付けられる車両のバックドアの開口部大きさは意匠等との関係もあり、必ずしも大きくできない。このために、ロボットが3列目シートを開口部から車内に搬入する際の車幅方向の寸法的余裕はほとんどない。
【0004】
したがって、車両搬送ライン上の台車の基準ピンの位置のばらつきや車両のターンテーブルの旋回位置のばらつきは、シート搬入位置のずれにつながってくる。その結果、バックドアの開口部から3列目シートを搬入すると、3列目シートや把持部が車両側に干渉して3列目シートや内装にキズが付いたり、ロボットの停止や破損等につながるという問題があった。
【0005】
特許文献1には、車体の一方の側の開口部よりフロントシートを車内に搬入して車体床面上に取り付けるようにし、フロントシートの自動取付けが可能であるとともに、車体の他方の側において他の作業を行い得るようにし、作業性、スペース性及び生産性の各々の点で優れたフロントシートの取り付け方法が開示されている。
【0006】
具体的には、フロントシート供給手段とフロントシート把持手段とを組立ラインの一側方のみに設置し、供給手段の上に位置決め載置されたフロントシートを把持手段により位置決め把持して組立ライン上の車体の片側の開口部のみから車内に搬入する。次いで把持手段の基準点と車体床面の基準点とを整合させてフロントシートを車体床面の所定位置に載置した後に、フロントシートを締付手段により車体床面に仮止めするものである。
【0007】
特許文献2には、パレットにワークを載置した状態でワークを搬送するワーク搬送ラインを車両搬送ラインの上方に配置してパレット停止手段を取付け、これら搬送ラインの側方に設けたワーク組付ロボットは床上に立設した支柱にスライダを昇降自在に設け、このスライダに停止したパレットからワークを受取り車両に投入するワーク把持手段を設けたワーク搬送組付装置が開示されている。
【0008】
具体的には、ワーク搬入場所からワーク搬送ラインで搬送されたパレットに載置したワークは、車両搬送ライン上方のワーク搬送ライン上でパレットごと停止された後、ワーク組付けロボットのスライダに取付けられたワーク把持手段に把持され、支柱に沿って降下され、車両搬送ライン上の車両に投入されて組付けが行われるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭63-287683号公報
【特許文献2】特開平2-117481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されたフロントシート取付方法は、ロボットの把持手段により位置決め把持してフロントシートを車内に搬入し、ついで把持手段の基準点と車体床面の基準点とを整合させてフロントシートを車体床面の所定位置に載置する工程について記載されている。しかし、ロボット等の基準位置から車両の搬入口の距離を計測してシートの搬入位置を決める技術は開示されていない。したがって、開口部とシートとの寸法に余裕がない場合には、バックドアからシートを搬入する技術に応用することができないという問題がある。
【0011】
特許文献2に開示されたワーク搬送組付装置は、車両搬送ラインの上方にワーク搬送ラインを配置し、これら搬送ラインの側方にワーク組付けロボットを設けたワーク搬送組付け装置において、ワーク搬送ラインは、パレットにワークを載置した状態でワークを搬送すると共にパレット停止手段を備え、またワーク組付けロボットは床上に立設した支柱にスライダを昇降自在に設け、このスライダに停止したパレットからワークを受取り、車両に投入するワーク把持手段を設けたものである。
【0012】
しかるにこの装置は、車両搬送ラインの左右の側方にワーク組付ロボットを2台立設し、しかもその各々が、車両搬送ライン上方に設置されたワーク搬送ライン上でパレットに載置したワークを把持し、それを降下して車両内に搬入する構成としている。このワーク搬送組付装置は、車両搬送ラインの左右のスペースを占有するため、スペース効率が悪いという問題がある。また、左右のスペースを占有するため作業スペースが確保できず、ワーク組付ロボットを2台必要とするため、コストがかかるという問題もある。また、この技術は、車両の側方からシートを搬入する技術であるため、このままでは、バックドアからシートを搬入する技術に応用することができないという問題がある。
【0013】
本発明は、シート搬入ロボット(以下「ロボット」という。)が3列目シート(以下「シート」という。)を把持して、車両のバックドアの開口部から搬入するために、所定の基準位置から車両の搬送ライン上における車両の車幅方向の所定の個所までの距離を計測し、その計測値と基準長との差分を求め、その差分データをロボットに渡し、ロボットは受け取った差分データに基づきシートの搬入位置の基準長を補正し、その補正後の搬入位置データに基づきシートを車両のバックドアの開口部から搬入するよう構成することにより、狭小な開口部からシートを搬入することのできる3列目シート搭載装置(以下、「シート搭載装置」という。)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によるシート搭載装置は、所定の基準位置から車両搬送ライン上の前記車両の所定の個所までの距離を計測し、当該計測値を出力する車両位置計測装置と、前記シートの搬入位置の基準長と前記計測値とから補正値を算出する演算装置と、前記補正値に基づきシート搬入位置を補正して前記シートを前記車両のバックドアの開口部から車内に搬入し、所定の位置に載置するロボットと、を有するものである。
【0015】
また、前記車両位置計測装置は、伸縮自在の棒体を有し、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所に前記棒体を伸長させて当接させ、前記棒体の伸びの長さを計測して、前記所定の基準位置から前記車両の所定の個所までの距離の計測値となすよう構成したものである。
【0016】
また、前記伸縮自在の棒体は、ガイドレール上をエアシリンダにより水平方向に伸縮自在に挿嵌されたスライドプレート上に配設され、前記スライドプレート上において伸縮自在に構成したものである。
【0017】
また、前記車両位置計測装置は、所定の基準位置にレーザセンサを搭載し、前記所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所に前記レーザセンサからレーザ光を照射して前記所定の基準位置から前記車両の所定個所までの距離を計測するよう構成したものである。
【0018】
本発明によるシート搭載方法は、車両位置計測装置により、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所までの距離を計測し、前記シートの搬入位置の基準長と前記計測値とから演算装置によりシート搬入位置の補正値を算出し、ロボットが、前記補正値に基づきシート搬入位置を補正し、補正された搬入位置により前記シートを前記車両のバックドアの開口部から車内に搬入し、所定の位置に載置するものである。
【0019】
また、前記車両搬送ライン上の車両の距離を計測する前記車両の所定の個所は、車両左側面のリアバンパーリテーナの取付け面の穿設孔の周面とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の態様によれば、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所までの距離を計測し、当該計測値を出力する車両位置計測装置と、シートの搬入位置の基準長と計測値とから補正値を算出する演算装置と、補正値に基づきシート搬入位置を補正してシートを車両のバックドアの開口部から車内に搬入し、所定の位置に載置するロボットと、を有している。
【0021】
これによりロボットの位置と、車両搬送ライン上の車両の車幅方向の距離のばらつきにより、バックドアの開口部からシートを搬入する際にシートや把持部と車両側とが干渉してシートや内装にキズが付いたり、ロボットの停止や破損等につながるという問題を解消することができる。
【0022】
また、ロボットと車両位置計測装置は、車両搬送ラインの一の側方、例えば車両から見て左側面にのみ配置され、他の側方に配置するものはない。このために、車両搬送ラインの左右のスペースを占有してスペース効率を悪化させるという問題や、左右のスペースを占有するため作業スペースが確保できないという問題を解消することができる。
【0023】
また、ロボット及び車両位置計測装置は、それぞれ1台の設置で済むため、ワーク組付ロボットを2台必要とするためコストもかかるという問題も解消することができる。
【0024】
また、本発明の第2の態様によれば、車両位置計測装置は、例えば、シリンダなどの伸縮自在の棒体を有し、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所に棒体を伸長させて当接させ、棒体の伸びの長さを計測して、所定の基準位置と車両との距離の計測値となすよう構成している。
このため、簡単な構成で、しかも確実に、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所までの距離を計測することができる。
【0025】
また、本発明の第3の態様によれば、伸縮自在の棒体は、ガイドレール上をエアシリンダにより水平方向に伸縮自在に挿嵌されたスライドプレート上に配設され、スライドプレート上において伸縮自在に構成している。
【0026】
このため、簡単な構成で、しかも確実に、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所までの距離を計測することができる。また、伸縮自在の棒体は、ガイドレール上を水平方向にエアシリンダにより伸長し、さらに、伸縮自在の棒体自体が伸長することができるため、2段階に伸長する。したがって、車両位置計測装置を車両から離れた位置に設置して距離の計測を行うことができ、車両やターンテーブルとの干渉を防ぐことができる。また作業スペースを確保することもできる。
【0027】
また、本発明の第4の態様によれば、車両位置計測装置は、所定の基準位置にレーザセンサを搭載し、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所にレーザセンサからレーザ光を照射して所定の基準位置から車両の所定個所までの距離を計測するよう構成している。
【0028】
このため、非接触で、しかも確実に高精度に、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所までの距離を計測することができる。また、車両の所定の個所のプロファイルも得ることができるため、画像処理により、より正確な計測を行うことができる。
【0029】
また、本発明の第5の態様によれば、車両位置計測装置は、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所までの距離を計測し、シートの搬入位置の基準長と計測値とから演算装置によりシート搬入位置の補正値を算出し、ロボットは、補正値に基づきシート搬入位置を補正し、補正された搬入位置によりシートを車両のバックドアの開口部から車内に搬入し、所定の位置に載置するシート搭載方法である。
【0030】
これによりロボットの位置と、車両搬送ライン上の車両の車幅方向のばらつき等により、バックドアの開口部からシートを搬入する際にシートや把持部と車両側とが干渉してシートや内装にキズが付いたり、ロボットの停止や破損等につながるという問題を解消することができる。
【0031】
また、ロボットと車両位置計測装置は、車両搬送ラインの一の側方、例えば車両から見て左側面にのみ配置され、他の側方に配置するものはない。このために、車両搬送ラインの左右のスペースを占有してスペース効率を悪化させるという問題や、左右のスペースを占有するため作業スペースが確保できないという問題を解消することができる。
【0032】
また、ロボット及び車両位置計測装置は、それぞれ1台の設置で済むため、ワーク組付ロボットを2台必要とするためコストもかかるという問題も解消することができる。
【0033】
また、本発明の第6の態様によれば、車両搬送ライン上の車両の距離を計測する車両の所定の個所は、車両左側面のリアバンパーリテーナの取付け面の穿設孔の周面とするものである。リアバンパーリテーナの取付け面は、車両の前後方向(FR-RR)の位置関係においては、バックドアの開口部の位置と車両の中心に対して平面視略同心円上にある。しかも、垂直面に対して略平坦となっている。このために、車両の搬送方向に対する角度にばらつきがあっても、当該個所を計測することにより補正値の誤差を小さくすることができる。
【0034】
したがって、所定の基準位置からリアバンパーリテーナの取付け面の穿設孔の周面までの距離を計測することにより、シートの搬入位置の基準値とバックドアの開口部の位置を正確に計測することができる。また、リアバンパーリテーナの取付け面は、最終的にはリアバンパーで覆われてしまうため、車両位置計測装置に備えた棒体を当接させることにより直接的に距離を計測しても製品としての外観上の問題は生じない。したがって、簡単な方法により確実に距離の計測をすることができる。
【0035】
また、レーザセンサにより計測する場合には、距離データの他にプロファイルのデータも得ることができる。しかも、非接触で、確実かつ高精度に、所定の基準位置から車両搬送ライン上の車両の所定の個所までの距離を計測することができるため、車両に傷をつける心配は不要である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明に係るシート搭載装置を使用するシート組み付けラインを示す平面図である。
【
図2】本発明に係るシート搭載装置を使用するシート組み付けラインの概略工程を示すフローチャートである。
【
図3】ターンテーブルに搭載した車両の側面図である。
【
図4】本発明に係るシート搭載装置の制御系統の構成図である。
【
図5】本発明に係るシート搭載装置に使用するロボットの例を示す外観図である。
【
図6】本発明に係るシート搭載装置によるシートの把持装置の側面図である。
【
図7】本発明に係るシート搭載装置による車両位置計測装置の第1実施形態の基本形の外観斜視図である。
【
図8】車両位置計測装置に測長機能付エアシリンダを用いた場合の計測原理を示す図である。
【
図9】ターンテーブルに搭載した車両及び測長機能付エアシリンダを用いた車両位置計測装置のFR方向視図である。
【
図10】本発明に係るシート搭載装置による車両位置計測装置の第1実施形態の変形例の外観斜視図である。
【
図11】ターンテーブルに搭載した車両及び車両位置計測装置の第2実施形態のFR方向視図である。
【
図12】車両位置計測装置の第2実施形態に使用するレーザセンサの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、所定の基準位置から車両搬送ライン上の自動車などの車両の所定の個所までの距離を計測し、その計測値に基づき差分データを算出し、その差分データをロボットに渡し、ロボットは、受け取った差分データに基づき、シートの搬入位置の基準値を補正し、シートを車両のバックドアの開口部の補正後のシートの搬入位置から車内に搬入するシート搭載装置を提供するものである。
【0038】
以下、本発明の実施例について図面により説明する。ただし、図面は模式的なものであり、細部の記載については省略している。また、各部の配置や寸法の比率等は必ずしも現実のものと一致するものではない。なお、各図において適宜示される矢印FRは車両の前方側を、矢印RRは車両の後方側を、矢印UPは車両の上方側を、矢印DWは車両の下方側を示し、矢印RHは車両の右側を、矢印LHは車両の左側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両の前後方向の前後、車両の上下方向の上下、車両の進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
また、以下において、車両のバックドアは、跳ね上げ式について説明するが、これは説明のための例示であって、跳ね上げ式に限定されるものではない。
【0039】
<シート組み付けラインの概要>
まず、自動車の製造工場におけるシート組み付けライン300の概要について
図1及び
図2に基づき説明する。
図1は、本発明に係るシート搭載装置100を使用するシート組み付けライン300を示す平面図である。また、
図2は、シート組み付けライン300を構成する車両搬送ライン311、313、ターンテーブル312、シート搬送ライン320及びシート搭載装置100の概略の動きを示すフローチャートである。
【0040】
シート組み付けライン300の1階には、
図1に示すように、車両搬送ライン311、313及びターンテーブル312が配設されている。シート3が組み付けられる自動車等の車両1は、台車314に載置されて、車両搬送ライン311上を奥手方向から手前方向に搬送されてくる(
図2のステップS01)。
【0041】
シート組み付けライン300の2階には、
図1に示すように、シート搬送ライン320が、車両搬送ライン311の垂直方向、すなわち、本図における右手方向から左手方向に延設されている。シート搬送ライン320上には、シート3が、パレット324に載置されて本図の右手方向から左手方向に搬送されてくる。搬送されてきたシート3は、
図1に示すように、ロボット30の前に配置される。シート3は、パレット324上に、ロボット30に対して背面を向けて載置されている(ステップS02)。
【0042】
車両搬送ライン311上を搬送されてきた車両1を載置した台車314は、ターンテーブル312に進入し、ターンテーブル312上で停止する(ステップS03)。
ターンテーブル312は、台車314を載せたまま平面視90度時計回り方向(
図1の矢印A方向)に旋回する。90度旋回して停止した状態の車両1の側面視を
図3に示す。したがって、車両1は、本図に示すように、左方向を向いて停止する(ステップS04)。
【0043】
ロボット30は、シート搬送ライン320上を搬送されてきたシート3をロボットハンド32に懸装されたシート把持装置40によりシート3の背面から把持する(ステップS05)。
【0044】
車両位置計測装置10は、
図1に示すように、ロボット30の左側のターンテーブル312に対向する位置に配置されている。車両位置計測装置10は、
図7、
図9~
図11に示すように、後述する測長機能付エアシリンダ12又はレーザセンサ20を搭載している。
【0045】
車両位置計測装置10は、ターンテーブル312の旋回が停止すると、後述する測長機能付エアシリンダ12又はレーザセンサ20により、所定の基準位置Gから車両1の所定の個所までの距離を計測する(ステップS06)。
【0046】
計測により得られた計測値Xは、
図4に示すように、後述するプログラマブルコントローラ50に送られ、所定の基準位置から車両1の所定の個所までの距離の基準長Dに対する差分ΔDの値が、ΔD=X-Dの演算により算出される(ステップS07)。
【0047】
プログラマブルコントローラ50は、算出された差分ΔDを後述するロボットコントローラ39に送る(ステップS08)。
ロボットコントローラ39は、差分ΔDを受けとる(ステップS09)。
そして、あらかじめ設定されているシート3の搬入の基準長Eを差分ΔDで補正し、シート3の搬入位置Ex=E+ΔDとする(ステップS10)。
【0048】
ロボットコントローラ39は、ロボット30を駆動させる。具体的には、ロボット30は、シート3を把持したロボットアーム31を
図1の矢印Bに示すように、反時計回りの方向に回転させ、
図1の矢印Cに示すように、車両1のバックドア4の補正後のシート3の搬入位置Exに把持したシート3を搬入する(ステップS11)。
そして、シート3を車内の所定の位置に載置する(ステップS12)。
載置が終了するとロボット30は車両1から退避する(ステップS13)。
【0049】
シート3は、車内の所定の座席位置に載置された後、取り付けされる(ステップS14)。
取り付けが完了すると、車両1を載置した台車314は、ターンテーブル312から搬出され車両搬送ライン313上を進行して次の工程まで搬送される(ステップS15)。
【0050】
以上のようにして、車両1は、シート組み付けライン300においてシート3が装着され、搬出される。車両1のターンテーブル312からの搬出が終わると、ステップS01へ戻り、次の車両1の距離の計測及びシート3の搬入載置を行う。
シート組み付けライン300の概要は以上のとおりである。以下、本発明に係るシート搭載装置100の各構成部について、さらに詳しく説明する。
<シート搭載装置の制御系統及び制御装置>
【0051】
まず、本発明に係るシート搭載装置100の制御系統について説明する。
本発明に係るシート搭載装置100の計測及び制御を統括する演算制御装置は、プログラマブルコントローラ(Programmable Logic Controller、)50(以下「PLC」という。)である。PLC50は、車両1にシート3を搬入するロボット30の監視制御及び車両位置計測装置10による距離の計測制御と計測データの収集並びにシート3の搬入位置を補正するための演算処理等を行う。
【0052】
PLC50は、各種の機械や装置などの制御を行う汎用的な制御装置であり、その作動制御を実現するための制御プログラムをユーザが作り込むことが可能に構成されていることから「プログラマブルコントローラ」と呼ばれている。PLC50の構成は、各メーカによって或いは機種によって異なる。
【0053】
本実施例では、
図4に示すように、略横長平板状に形成された基台となるベースユニット50bに、電源ユニット50a、CPUユニット50cを装着したものを基本構成とし、その他用途に応じてデジタル信号や接点信号又はアナログ信号などの外部信号の入出力を行う入出力ユニット50eなどを装着可能に構成されたPLC50を例に説明する。なお、PLC50は、図示しない制御盤に収納され所定の位置に取り付けられ配線される。
【0054】
PLC50は、本発明に係るシート搭載装置100の全体を制御する演算制御装置であり、接点信号、アナログ信号やセンサ信号などの入出力や各種機器の監視制御を行うための信号やデータの送受信を行う専用のネットワークであるPLCネットワーク51を有している。
【0055】
PLCネットワーク51は、
図4に示すように、ベースユニット50bに装着されたPLCネットワークインタフェースユニット50dからロボットコントローラ39及びセンサコントローラ55に接続されている。これによりCPUユニット50cは、PLCネットワークインタフェースユニット50d及びPLCネットワーク51を介してロボットコントローラ39及びセンサコントローラ55と信号の送受信を行うことができる。
【0056】
具体的には、PLCネットワーク51は、ロボット30の制御プログラムの実行指示の信号やロボット30の稼働状況を監視するモニタ信号等が送受信される。また、後述する第2実施形態において、車両位置計測装置10に配設されたレーザセンサ20を制御することによる距離の計測指示や計測値Xのデータ等の収集を行う信号等の送受信を行う(
図4の2点鎖線内参照)。このように、PLCネットワーク51を介して車両位置計測装置10に配設されたレーザセンサ20を制御し、距離の計測及び計測値Xのデータに基づく演算処理やロボット30の監視制御が行われる。
【0057】
なお、後述する第1実施形態の車両位置計測装置10に配設された測長機能付エアシリンダ12を制御することによる距離の計測指示や計測値Xのデータ等の収集は、カウンタ16がPLCネットワーク51に接続可能である場合は、PLCネットワーク51を介して行う。PLCネットワーク51に接続できない場合は、CPUユニット50cに備えたRS-232C及び入出力ユニット50eにより行う。第1実施形態は、後者の場合について記載している(
図4参照)。
【0058】
また、PLC50は、
図4に示すように、Ethernet52に接続されており、これに接続されているパーソナルコンピュータ53とのデータの受け渡しによる演算処理やデータ記憶、品質情報や生産情報の統計処理などを行うことができる。また、パーソナルコンピュータ53を利用して設定・監視などを行うこともできる。
なお、PLC50は、シート搭載装置100全体の制御にとどまらず、車両搬送ライン311、313及びターンテーブル312並びにシート搬送ライン320の制御にも利用することができる。
【0059】
ベースユット50bは、略横長平板状に形成された基台となるユニットであり、例えば外周は鉄板を加工して形成され、その内面にCPUユニット50c等のユニットを装着可能にすると共に、CPUユニット50cと電気的に接続して回路を構成するための各種信号線(「バス」と呼ばれる)及び当該各種信号線に接続可能とする接続用コネクタが所定の間隔で搭載されたプリント基板(図示しない)を収納している。したがって、接続用コネクタに、各種入出力ユニット50e、PLCネットワークインタフェースユニット50dなどの各種通信ユニット、デバイス対応のコントロールユニットなどをユニット単位で装着することによって用途に応じた制御装置を構成することができる。
【0060】
CPUユニット50cは、PLC50の頭脳となるユニットである。CPUユニット50cは、例えば、図示しない(1)CPU(Central Processing Unit)、(2)制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、バッテリーバックアップされたRAM(Random Access Memory)又は/及びフラッシュメモリ(Flash Memory)などの不揮発性メモリ、(3)データを格納するバッテリーバックアップされたRAM又はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、(4)CPUへデジタル信号や接点信号又はアナログ信号などの外部信号の入出力を行う入出力ポート、(5)外部機器と接続するための、例えば、RS-232Cなどの通信インタフェースやEthernetインタフェースなどから構成され、これらの回路はプリント基板上に搭載されて略方形状のケース内に収容されている。
【0061】
PLC50の制御プログラムは、一般的にはラダー論理が使用されているが、シーケンシャル・ファンクション・チャート(Sequential function chart)やSFC言語などを用いて作成することもできる。また、制御プログラムの設計・制作や保守業務を総合的にサポートするためのパーソナルコンピュータ上で稼働するエンジニアリングソフトウェアがメーカから提供されている。
【0062】
電源ユニット50aは、ベースユニット50bに装着されたCPUユニット50cをはじめとする各ユニットやセンサ等に直流電源を供給するユニットであり、商用電源から例えばDC24V電圧を作り出して各部に供給する。
【0063】
入出力ユニット50eは、デジタル信号や接点信号又はアナログ信号などの外部信号の入出力を行うインタフェースである。例えば、車両1のターンテーブル312への侵入開始信号、搭載完了信号、ターンテーブル312の旋回中信号、ターンテーブル312の旋回終了信号、車両1のターンテーブル312上に存在信号、車両1がターンテーブル312から搬出完了信号などを各種リミットスイッチや赤外線センサ等で検出してその信号を入力する。また、測長機能付エアシリンダ12の制御や、シート把持装置40の駆動部45の制御等の信号を出力する。
本発明に係るシート搭載装置100の計測制御系統は概略以上のように構成されている。
【0064】
<ロボットによるシートの把持制御>
ロボット30は、
図5に示すように、6軸の多関節ロボットが使用される。ロボットアーム31の先端のロボットハンド32には、シート把持装置40が懸装されている。
【0065】
シート把持装置40は、ロボット30によりシート3を把持するための専用装置である。シート把持装置40は、
図6に示すように、躯体をなすフレーム41によりロボットハンド32に懸装されている。フレーム41には、前方にフォーク42が延設されている。
【0066】
フォーク42は、シート搬送ライン320上のパレット324に載置されているシート3を取り出すとともに、取り出したシート3を下から支える支持具である。すなわち、フォーク42をパレット324に載置されたシート3の下方の隙間に挿入し持ち上げることによりシート3をパレット324から取り出すものである。
【0067】
シート把持具43及びシート押え46は、フレーム41の上部から前方に延設され、回転軸44により上下方向に回動可能に軸支されている。シート把持具43及びシート押え46は、シート3を把持し固定するための治具である。すなわち、シート把持装置40は、シート3をパレット324から取り出す際は、シート把持具43及びシート押え46を上げて開状態とし、フォーク42をシート3の下方のパレット324との隙間に挿入する。シート3は、
図1に示すように、パレット324上にロボット30に対して背面を向けて載置されている。このため、シート把持装置40は、シート3の背面からフォーク42を挿入する。
【0068】
フォーク42の挿入が終わると、シート把持具43及びシート押え46を下げて閉状態とする。これによりシート把持具43及びシート押え46は、シート3をシート把持具43により背面から把持する。
ロボット30は、その状態でシート3を持ち上げ、
図1の矢印Bに示すように、ロボットアーム31を反時計回り方向に水平に回転させてシート搬送ライン320から取り出す。
【0069】
フレーム41の背面には、駆動部45が配設されている。駆動部45は、シート把持具43の開閉駆動を行うアクチュエータ等が搭載されている。すなわち、シート3の把持及び釈放は駆動部45により行われる。
【0070】
ロボット30は、シート搬送ライン320から取り出したシート3を、
図1の矢印Cに示すように、ロボットアーム31を平面視反時計回りの方向に水平に回転させて車両1のバックドア4の開口部5から搬入し、車内の所定の位置に載置する。載置が終了すると、ロボット30は、シート把持具43及びシート押え46を開状態とし、シート把持装置40をRR方向に後退させてシート3を釈放する。シート3を釈放したロボット30は、シート把持装置40を車両1の開口部5から完全に退出させた後、ロボットアーム31を平面視時計回りの方向に水平に、すなわち矢印Cの逆方向に回転させて車両1から退避する。
以上のようにして、ロボット30によりシート3の把持、搬入及び所定の位置への載置が行われる。
【0071】
<車両位置計測装置の構成及び動作>
車両位置計測装置10は、基準位置から車両1の所定の個所までの距離を計測する計測装置である。距離の計測は、測長機能付エアシリンダ12又はレーザセンサ20を用いて行うことができる。
【0072】
車両位置計測装置10は、
図7に示すように、略方形状の計測フレーム11により構成されている。すなわち、四隅に立設する垂直フレーム11aの下端を水平方向に配設されたベースフレーム11bで連結固定し、中間を上下2段の中間フレーム11c、11cで連結固定し、上端は略平板状で、当該略方形状よりも右方向に延設された略長方形状をなすテーブルフレーム11dで連結固定している。テーブルフレーム11dは、支持フレーム11fで垂直フレーム11aと連結固定されて支持されている。計測フレーム11は、アルミフレームやL型チャンネル材などを用いて構成することができる。そして、垂直フレーム11aの下端は、略Lチャンネル状に形成された固定フレーム11eで連結固定されて所定の場所に設置固定可能としている。
【0073】
テーブルフレーム11dは、その略平板状の上端面に、測長機能付エアシリンダ12又はレーザセンサ20を搭載する基台である。測長機能付エアシリンダ12又はレーザセンサ20は、所定の基準位置から対向する位置に搬送されてきた車両1の所定の個所までの距離を計測する計測用センサである。
以下、車両位置計測装置10の第1実施形態として、測長機能付エアシリンダ12を使用した場合の距離の計測について説明する。また、第2実施形態として、レーザセンサ20を使用した場合の距離の計測について説明する。
【0074】
<第1実施形態:測長機能付エアシリンダを使用した場合の車両位置計測装置>
[第1実施形態の基本形]
第1実施形態の基本形として測長機能付エアシリンダ12を使用した場合の車両位置計測装置について説明する。測長機能付エアシリンダ12は、
図8(a)の側面図及び
図8(b)の内部構造説明図に示すように、略長方形状の筒体にシリンダ部13とピストンロッド14を収納している。ピストンロッド14の近傍には、相互に所定の距離をずらせて2個の磁気センサ15a、15aが配設されている。磁気センサ15a、15aは、増幅回路部15bに接続されている。そして、2個の磁気センサ15a、15aと増幅回路部15bでセンサユニット15を構成している。
【0075】
ピストンロッド14は、
図8(c)に示すように、その表面に磁性部14aと非磁性部14bが細かい一定のピッチで交互に形成されている。そして、ピストンロッド14が、本図の左右方向に伸縮すると、磁気センサ15a、15aは、ピストンロッド14の表面に形成された磁性部14aと非磁性部14bを交互に通過することになる。このため、磁気センサ15a、15aは、磁気の変化を検出して、
図8(d)に示すように、それぞれ正弦波の信号を出力する。この場合において、2つの磁気センサ15a、15aは、所定の間隔で配設されることにより、位相が90度ずれた波形を出力する。
【0076】
増幅回路部15bは、磁気センサ15a、15aからの信号を増幅し、波形成形する。これにより、増幅回路部15bは、
図8(e)に示すように、それぞれ90度位相のずれたA相及びB相のパルス信号を出力する。増幅回路部15bからのA相及びB相のパルス信号は、
図8(c)に示すように、カウンタ16に入力される。カウンタ16は、A相及びB相のパルス信号をカウントする。
【0077】
カウンタ16は、A相、B相の相順(正相順)でパルス信号が入力されたときは加算カウントする。一方、B相、A相の相順(逆相順)でパルス信号が入力されたときは減算カウントする。このように、正相順と逆相順のパルス信号を加算カウント又は減算カウントすることによって、ピストンロッド14の前進後退に伴う移動距離、すなわち測長をすることができる。1パルスの重みは、磁性部14aと非磁性部14bのピッチ間隔で求められる。したがって、磁性部14aと非磁性部14bのピッチ間隔を細かくするほど分解能を高くできる。
【0078】
なお、ピストンロッド14は、
図8(c)に示すように、本図における黒矢印で示すように左右に前進後退する。このために、1個の磁気センサ15aのみで構成した場合には、前進においてパルス信号を出力するが後退においてもパルス信号を出力する。したがって、1個の磁気センサ15aが発生する信号を単純にカウントする構成では、前進後退の区別ができない。
【0079】
そこで、相順を検出するには、少なくとも2個の磁気センサ15a、15aを必要とする。センサユニット15が2個の磁気センサ15a、15aを備え、しかも、位相を90度ずらせてパルス信号を発生するように構成しているのはこのためである。すなわち、A相とB相のパルス信号の到来する順番によって相順検出をすることができる。これによってピストンロッド14の前進又は後退の識別ができ、A相とB相により正相パルスの場合には加算カウントし、逆相パルスの場合には減算カウントを行うことによって、正確なピストンロッド14の移動距離を計測することができる。
【0080】
図9は、ターンテーブル312に搭載された車両1を背面側からFR方向を見た図である。車両1のバックドア4は開状態にあり、開口部5は、シート3が搬入可能な状態にある。車両1の左側面には、車両位置計測装置10が配設されている。車両位置計測装置10のテーブルフレーム11d上には、測長機能付エアシリンダ12が配設されている。
【0081】
所定の基準位置から車両1の所定の個所までの距離の計測において、所定の基準位置は、任意の位置を定義してよい。ここでは、測長機能付エアシリンダ12が原点にあるときのピストンロッド14の先端の位置を基準位置Gとして説明する。
【0082】
基準位置をGとし、車両1の所定の個所を車両1のリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面(
図3参照)とする。ここで、リアバンパーリテーナとは、リアバンパーを取り付けるための部品のことである。このため、リアバンパーリテーナ取付け面6には、リアバンパーリテーナを固定するための複数の穿設孔6aが配設されている。また、穿設孔6aの周面は所定の高さに隆起して平坦となっている。リアバンパーリテーナ(図示せず。)は、車種によって形状が異なるが、略細長い板状の樹脂製の部品であり、スナップフィット(図示せず。)等によりリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aに固定される。そして、リアバンパーリテーナの上にリアバンパー(図示せず。)が取り付けられる。
【0083】
次に、距離の計測の原理について説明する。基準位置をGからターンテーブル312に搭載された車両1の開口部5の中心位置までの基準長をEとする。また、基準位置Gから車両1の所定の個所(リアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面)までの基準長をDとする。複数の穿設孔6aのうち、どの穿設孔6aを所定の個所とするかは、あらかじめ特定しておくものとする。ここで基準長とは、寸法公差や製造上及び搬送上のばらつきを考慮しない理論上の寸法のことを指す。
【0084】
ターンテーブル312に搭載された車両1は、
図9に示すように、90度旋回して、車両位置計測装置10に対向する位置で停止する。ここで、車両位置計測装置10は、測長機能付エアシリンダ12のピストンロッド14を前進(すなわち伸長)させる。ピストンロッド14は、そのまま伸長し、リアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面に当接する。このときのピストンロッド14の伸長した長さが、基準位置Gから車両1の所定の個所までの距離になる。すなわち、伸長した長さが、計測値Xとなる。ここで、基準長Dと計測値Xの差分をΔDとすると、差分ΔD=X-Dと表すことができる。
【0085】
つまり、ターンテーブル312上の車両1は、基準長Dと計測値Xの差分ΔDだけ車幅方向(HL-HR方向)の位置がずれていることになる。このような差分ΔDが発生する要因は、例えば、台車314上の基準ピン315の位置によるずれやターンテーブル312の旋回のばらつきなどである。一方、車両1の製造上の車幅方向の寸法のばらつきは大きくないため主要因ではない。
【0086】
測長機能付エアシリンダ12は、
図4、
図8(b)、(c)に示すように、カウンタ16と専用ケーブルにより接続されている。したがって、測長機能付エアシリンダ12のピストンロッド14の伸長の量はパルス信号に変換されてカウンタ16によりカウントされる。このようにして計測された基準位置Gに対する車両1のリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面までの距離の計測値Xのデータは、すなわち、カウンタ16のカウント値である。CPUユニット50cは、
図4に示すように、カウンタ16とRS-232Cにより接続されている。したがって、CPUユニット50cは、RS-232Cの通信を介して測長機能付エアシリンダ12による計測値Xのデータを、カウンタ16のカウント値を読み取ることで得ることができる。なお、カウンタ16は、カウント前にリセットしておく。
【0087】
PLC50のCPUユニット50cは、上記式により差分ΔDを算出する。そして、PLCネットワークインタフェースユニット50d及びPLCネットワーク51を介してロボットコントローラ39に差分ΔDのデータを渡す。
【0088】
差分ΔDのデータを受け取ったロボットコントローラ39は、ロボット30がシート3を搬入する車幅方向の搬入位置を、基準長Eに対して差分ΔDだけ補正すればよいことになる。すなわち、補正後のシート3の搬入位置をExとおけば、搬入位置Exは、Ex=E+ΔD=E+(X-E)と表される。
【0089】
ロボットコントローラ39は、シート3の搬入の基準長Eを搬入位置Exに補正する。これによりロボットコントローラ39は、これに接続されているロボット30に駆動信号を出力する。ロボット30は、当該駆動信号に基づき作動し、開口部5の搬入位置Exからシート3を搬入し、車内の所定の位置に載置する。載置が終了するとロボット30は車両1から退避する。
【0090】
以上のようにして、車両位置計測装置10は、ピストンロッド14を伸長(前進)させることにより、基準位置Gと車両1のリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面までの長さを計測する。これにより、CPUユニット50cは、ロボット30がシート3を搬入するための補正値となる基準長Eと計測値Xとの差分ΔDを求めることができる。ロボットコントローラ39は、シート3の搬入の基準長Eを搬入位置Exに補正し、ロボット30は差分ΔDの補正がされた搬入位置Exからシート3を搬入する。以上により、シート3は、バックドア4の開口部5と干渉を回避することができるという効果を奏する。
【0091】
[第1実施形態の変形例]
第1実施形態の変形例として測長機能付エアシリンダ12及びエアシリンダ18を使用した場合の車両位置計測装置10について説明する。第1実施形態の変形例において、車両位置計測装置10の計測フレーム11の構成は、
図10に示すように、テーブルフレーム11d上の搭載物が相違する以外は、第1実施形態の基本形の
図7の場合と同様であるため説明を省略する。
【0092】
テーブルフレーム11d上には、複数の保持フレーム11hが立設され、保持フレーム11h上にはシリンダプレート11gが配設されている。そして、シリンダプレート11gには、長手方向に沿ってエアシリンダ18が配設されている。
【0093】
エアシリンダ18は、空気圧によってピストンロッド18aが伸縮するアクチュエータである。また、シリンダプレート11g上には、ガイドレール19が長手方向に配設されている。ガイドレール19には、スライドプレート19aが水平方向に直線運動可能に挿嵌されている。スライドプレート19aは、その先端に、
図7、
図8で説明した測長機能付エアシリンダ12が配設されている。そして、エアシリンダ18のピストンロッド18aは、スライドプレート19aと連結されている。
【0094】
したがって、エアシリンダ18が駆動してピストンロッド18aが伸長すると、これに連結されているスライドプレート19aも伸長する。したがって、スライドプレート19aに配設されている測長機能付シリンダ12もこれに併せて伸長する。そして、ピストンロッド18aが伸びきった状態で今度は測長機能付シリンダ12が作動し、ピストンロッド14が伸長し、リアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面に当接する。
【0095】
このときのピストンロッド18a及びピストンロッド14の伸長した長さの合計が、基準位置Gから車両1の所定の個所までの距離になる。すなわち、両ピストンロッド18a、14の伸長した合計長が、計測値Xとなる。なお、ピストンロッド18aの伸びの全長は既知である。計測が終了すると、ピストンロッド18a及びピストンロッド14を収縮させることによって、元の状態に復帰する。
【0096】
以上のように、ピストンロッド18a、14の2段階作動とすることができるため、車両位置計測装置10を車両1から離れた位置に設置して距離の計測値Xを求めることができ、車両1やターンテーブル312との干渉を防ぐことができる。また作業スペースを確保することもできる。上記以外は、第1実施形態の基本形と同様であるため、説明を省略する。なお、本実施形態では、2段階作動の例について説明したが、2段階作動に限定されるものではなく、2段階以上の段階作動となるように構成してもよい。
【0097】
<第2実施形態:レーザセンサを使用した場合の車両位置計測装置>
次に、第2実施形態としてレーザセンサ20を使用した場合の車両位置計測装置について説明する。車両位置計測装置10は、
図11に示すように、その天面に配設されたテーブルフレーム11d上に、測長機能付シリンダ12に代えて、距離を計測するためのレーザセンサ20がレーザセンサ支持プレート17を介して取り付けられている。
【0098】
レーザセンサ20は、基準位置Gから車両1のリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面までの距離を計測するものである。レーザセンサ20が距離を計測する方式には、大別して(1)位相差検出方式、(2)TOF方式(Time of Flight方式)及び(3)三角測距方式がある。
(1)位相差検出方式とは、基本周波数で振幅変調したレーザ光を物体に照射し、その物体から戻ってきた反射光との位相差を計測することにより照射から戻ってくるまでの時間tを求め、その時間tに光速をかける等により、物体までの距離を求める方式である。
(2)TOF方式とは、立ち上がり時間が数nsで、光ピークパワーが数10Wの超短パルスを物体に向けて照射し、その超短パルスが物体で反射して受光素子に戻ってくるまでの時間tを計測し、その時間tに光速をかける等により、物体までの距離を求める方式である。
(3)三角測距方式とは、三角測量法を使って距離や変位を計測する方式である。高精度に計測できる特徴がある。
なお、本発明に係る車両位置計測装置10に用いるレーザセンサ20は、上記レーザセンサ計測方式のうちのいずれかに限定されるものではない。
【0099】
ここで、第2実施形態に使用するレーザセンサ20の一例について、
図12により説明する。本図において、レーザセンサ20のケース20aの内部には、制御回路21及び半導体レーザ23等の電子部品がプリント基板22上に搭載されている。そして、制御回路21の信号により半導体レーザ23がレーザ光210を照射する。当該レーザ光210は発光レンズ24を通過し、2次元の平面をなす光束を形成してワーク25(具体的には、リアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面)に照射される。
【0100】
ワーク25に照射されたレーザ光210の光束は、ワーク25で反射され、レーザ光211としてレーザセンサ20に戻ってくる。戻ってきたレーザ光211は、受光レンズ26を介してCMOSセンサ27で受光される。CMOSセンサ27は、レーザ光211を受光することによりワーク25のプロファイル28を得ることができる。レーザセンサ20は、ケーブル29によりセンサコントローラ55と接続され、制御信号を受けると共に、計測値Xのデータを出力する。
【0101】
したがって、このような特性を有するレーザセンサ20を用いれば、所定の個所について縦方向又は横方向の一定の区間おける距離を計測することができる。また、当該所定の区間についてのワーク25のプロファイル28を得ることもできる。よって、このようにして得られた当該所定の個所についての計測データを用いて形状が定まらない物体の所定の個所の非接触による距離の計測を行い、それに基づく計測対象の長さデータなどを得ることができる。
【0102】
本実施形態においては、ワーク25は、先述のリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面である。リアバンパーリテーナ取付け面6には、
図3、
図11に示すように、車両1の後部側面に複数の穿設孔6aが形成されており、その周面は隆起して平坦となっている。そして、下方を前方(FR)に突出して斜めに傾けて配置されている。
したがって、レーザセンサ20の向きを、レーザセンサ支持プレート17を調整して穿設孔6aの配置の傾きに合わせることにより、リアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面のプロファイル28を得ることができる。
【0103】
具体的には、リアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面にレーザ光210を照射して、その距離を計測する。すなわち、レーザセンサ20は、
図12に示すように、2次元の平面をなす光束のレーザ光210をリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの配置に沿って照射する。レーザ光210が照射された個所を、
図12の破線で示す。なお、本図の穿設孔6aは車内から車外方向(LH方向)を見た図である。
【0104】
リアバンパーリテーナ取付け面6には複数の穿設孔6aが形成されているため、その中から計測対象とする穿設孔6aを特定する。そして、特定した穿設孔6aの周面について距離を計測すると共に、そのプロファイル28のデータを得る。この場合に、穿設孔6aの孔の奥の距離を計測しないようプロファイル28で確認をすることができる。なお、複数個所存在する穿設孔6aのうち、計測対象となる穿設孔6aを特定することは、第1実施形態において測長機能付エアシリンダ12を用いて計測する場合と同様である。
【0105】
PLC50は、このプロファイル28のデータにより、基準位置Gから車両1のリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面までの距離を計測値Xとして求めることができる。
【0106】
以上のようにして、車両位置計測装置10は、レーザセンサ20により基準位置Gから車両1のリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面までの距離である計測値Xを非接触で得ることができる。また、リアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面のプロファイル28のデータを得ることにより、基準位置Gから車両1のリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面までの距離を演算により求めることができる。これにより、CPUユニット50cは、基準位置Gと車両1のリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面までの距離の計測値Xに基づき、ロボット30がシート3を搬入するための補正値である差分ΔD=X-Eの値を求めることができる。
【0107】
次に、車両位置計測装置10に配設されたレーザセンサ20で計測し、演算する場合について具体的に説明する。センサコントローラ55は、レーザセンサ20を制御するコントローラであり、ケーブル29を介してレーザセンサ20と接続されている。センサコントローラ55は、PLCネットワーク51に接続されてCPUユニット50cと計測データの受け渡しを行う。センサコントローラ55は、CPUユニット50cと同様に、図示しないCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ及び外部信号の入出力を行う入出力ポートなどから構成されている。
【0108】
センサコントローラ55は、
図4に示すように、レーザセンサ20に対し、計測のための制御信号を出力する。レーザセンサ20は、センサコントローラ55からの制御信号により、シート3の所定の個所に対しレーザ光210を照射する。そして反射されたレーザ光211をレーザセンサ20に内蔵されたCMOSセンサ27が受けて電気信号に変換し、センサコントローラ55に伝達する。センサコントローラ55は、照射したレーザセンサ20からの信号により距離を計測すると共に、リアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面の計測値X及びプロファイル28のデータを得る。センサコントローラ55は、計測値X及びプロファイル28のデータなどを内蔵のRAM(図示しない)などに記憶する。
【0109】
CPUユニット50cは、センサコントローラ55が計測した計測値X又はプロファイル28のデータを、PLCネットワーク51を介して読み出し、計測値X又はプロファイル28のデータに基づき、先述のようにして差分ΔDを算出する。すなわち、基準長Dと計測値Xの差を差分ΔDとすると、ΔD=X-Dの演算を行う。
【0110】
CPUユニット50cは、当該算出された差分ΔDのデータを、ベースユニット50bに装着されたPLCネットワークインタフェースユニット50d及びPLCネットワーク51を介してロボットコントローラ39に渡す。
【0111】
差分ΔDのデータを受け取ったロボットコントローラ39は、第1実施形態と同様に、ロボット30がシート3を搬入する車幅方向の搬入位置を、基準長Eに対して差分ΔDだけ補正すればよいことになる。すなわち、補正後のシート3の搬入位置をExとおけば、搬入位置Exは、Ex=E+ΔD=E+(X-E)と表される。
【0112】
ロボットコントローラ39は、シート3の搬入の基準長Eを搬入位置Exに補正する。これによりロボットコントローラ39は、これに接続されているロボット30に駆動信号を出力する。ロボット30は、当該駆動信号に基づき作動し、開口部5の搬入位置Exからシート3を搬入し、車内の所定の位置に載置する。載置が終了するとロボット30は車両1から退避する。
【0113】
以上のようにして、車両位置計測装置10は、レーザセンサ20がレーザ光210、211を照射することにより、基準位置Gから車両1のリアバンパーリテーナ取付け面6の穿設孔6aの周面までの長さを計測する。これにより、CPUユニット50cは、ロボット30がシート3を搬入するための補正値となる基準長Eと計測値Xとの差分ΔDを求めることができる。ロボットコントローラ39は、シート3の搬入の基準長Eを搬入位置Exに補正し、ロボット30は差分ΔDの補正がされた搬入位置Exからシート3を搬入する。以上により、シート3は、バックドア4の開口部5と干渉を回避することができるという効果を奏する。
【0114】
本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更した構成、公知発明及び上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更した構成、等も含まれる。また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【符号の説明】
【0115】
1 車両
3 シート
4 バックドア
5 開口部
6 リアバンパーリテーナ取付け面
6a 穿設孔
10 車両位置計測装置
11 計測フレーム
11a 垂直フレーム
11b ベースフレーム
11c 中間フレーム
11d テーブルフレーム
11e 固定フレーム
11f 支持フレーム
11g シリンダプレート
11h 保持フレーム
12 測長機能付エアシリンダ
13 シリンダ部
14 ピストンロッド
14a 磁性部
14b 非磁性部
15 センサユニット
15a 磁気センサ
15b 増幅回路部
16 カウンタ
17 レーザセンサ支持プレート
18 エアシリンダ
18a ピストンロッド
19 ガイドレール
19a スライドプレート
20 レーザセンサ
21 制御回路
22 プリント基板
23 半導体レーザ
24 発光レンズ
25 ワーク
26 受光レンズ
27 CMOSセンサ
28 プロファイル
29 ケーブル
30 ロボット
31 ロボットアーム
32 ロボットハンド
39 ロボットコントローラ
40 シート把持装置
41 フレーム
42 フォーク
43 シート把持具
44 回転軸
45 駆動部
46 シート押え
50 PLC
50a 電源ユニット
50b ベースユニット
50c CPUユニット
50d PLCネットワークインタフェースユニット
50e 入出力ユニット
51 PLCネットワーク
52 Ethernet
53 パーソナルコンピュータ
55 センサコントローラ
100 シート搭載装置
210、211 レーザ光
300 シート組み付けライン
311、313 車両搬送ライン
312 ターンテーブル
314 台車
315 基準ピン
320 シート搬送ライン
324 パレット
G 基準位置
D、E 基準長
Ex 搬入位置
ΔD 差分
X 計測値