(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077985
(43)【公開日】2022-05-24
(54)【発明の名称】伸縮ブラダーの消音構造
(51)【国際特許分類】
F16J 3/04 20060101AFI20220517BHJP
F16J 15/52 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
F16J3/04 B
F16J15/52 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180051
(22)【出願日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】109139447
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517272932
【氏名又は名称】▲黄▼賢達
【氏名又は名称原語表記】HUANG, HSIEN-TA
【住所又は居所原語表記】8F.-1, No.188, Zhongxiao Rd., Pingzhen Dist., Taoyuan City 324, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼賢達
【テーマコード(参考)】
3J043
3J045
【Fターム(参考)】
3J043AA03
3J043FA09
3J045AA07
3J045CB03
3J045EA10
(57)【要約】
【課題】蛇腹管式伸縮ブラダーが動く時に発生するノイズを改善する伸縮ブラダーの消音構造を提供する。
【解決手段】伸縮ブラダーの消音構造において、伸縮用の環状体13の各内部縁面131上には内部凸体132を成形する。各内部縁面131が圧縮した時、公知のように真空の完全密着吸盤状態にならず、吸気で伸長した時,各内部縁面131が互いに引っ張られて起きたノイズを消すことができる。静かな環境下で使用した時も、殆どノイズが発生せずに動くため、使用者を不快にさせない。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮ブラダーの消音構造において、そのうち、
前記伸縮ブラダーは、開口部を含み、その他の部分は、中空密閉状であり、
前記伸縮ブラダー最上部は最上面であり、前記最上面環状縁から開口部に向かって断面が連続波状の複数の環状体が成形され、
前記複数の環状体は構造特性によって伸縮作用が発生し、
そのうち、前記一部の環状体またはすべての環状体の内部縁面上には一個または一個以上の内部凸体が成形されることを特徴とする伸縮ブラダーの消音構造。
【請求項2】
前記内部凸体の形状は、筋状、円形、三角形または多辺形のうち任意のひとつであることを特徴とする請求項1記載の伸縮ブラダーの消音構造。
【請求項3】
前記上下に隣接する環状体の各内部凸体は互い違いに設置することを特徴とする請求項1記載の伸縮ブラダーの消音構造。
【請求項4】
前記単一の環状体上の内部凸体は二個であり、それは前記環状体の対角位置にそれぞれ設置することを特徴とする請求項1記載の伸縮ブラダーの消音構造。
【請求項5】
前記環状体の内部凸体に対応する外部縁面の箇所には、外部凹体が形成されることを特徴とする請求項1記載の伸縮ブラダーの消音構造。
【請求項6】
前記内部凸体は、前記環状体の内縁辺に隣接することが良いことを特徴とする請求項1記載の伸縮ブラダーの消音構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮ブラダーの消音構造に関し、低ノイズの伸縮ブラダーであり、特に伸縮ブラダーが伸びる時、公知の構造が引っ張られて発生するノイズを途絶えさせるための技術領域に係る。
【背景技術】
【0002】
蛇腹管式伸縮構造は、市場において多くの設備の中で応用されている。例えば
図1に示す伸縮ブラダー1構造は、ほぼ中空密閉状である。それは開口部11を含み、そこから流体が出入りする。
最上部は最上面12であり、最上面12の環状縁は開口部11を向き、断面が連続した波形の環状体13が成形される。複数の環状体13は構造特性を活かし、伸縮作用を起こす。本発明者は嘗て多数の寝姿勢感知式ブラダーが自動で上下する枕構造を発明したが、それは睡眠時の枕の中の蛇腹管式伸縮ブラダーが自動で吸気または排気動作を行い、枕の高さを変えることで、人の仰向け、または横向きの寝姿勢にスムーズに対応できる。枕は、ほとんどが静かな夜間に使用されるため、前述のそれらの特許申請された枕製品は、使用によって、伸縮ブラダーが排気圧縮し、次に吸気伸長する時、不快な高周波の引っ張りノイズが発生することに発明者は気づいた。
分解、研究と実験に依ってわかったことは、伸縮ブラダー1の蛇腹波形の環状体13は、内、外表面どちらも軟質で気孔がなく平面がつるつるしているため、圧縮すると(例として
図1右下角参照)、各環状体13の相対する表面は空気がすべて完全に排出されるため、互いに合わさり、真空状態になる。
そして、次に吸気伸長する時、各環状体13表面は伸長する前は真空状態で貼り付いているため、引っ張られ現象が起き、続けて不快な「ブ」、「ブ」…というノイズを起こす。
上述の体感枕は深夜に寝姿勢が数度変わる度、伸縮ブラダーが吸気、排気する動作が何度もあり、そのノイズが使用者の睡眠の質に影響を与える。拠って、発明者はノイズの問題を改善するため、長年の経験にもとづき、努力を重ねてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述の伸縮ブラダーが伸びた時、環状体構造が引っ張られるために発生するノイズを改善するため、伸縮ブラダーの消音構造を提供することを本発明の主な目的とする。この種の伸縮ブラダーは伸長時に引っ張られ現象を起こさず、更にノイズを消すことができる。それらにより、伸長時でもほとんどノイズを起こさず静かである。枕に応用された場合、深夜にブラダーの吸気、排気動作があっても、公知のような不快なノイズが発生せず、品質が向上する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
中空密閉状の伸縮ブラダーを提供することを本発明の課題とする。
それは開口部を含み、流体ポンプによって気体と流体が出入りする。
その最上部は最上面であり、最上面の環状縁から開口部に向かって断面が連続波状の複数の環状体が成形される。複数の環状体は構造特性を活かし、伸縮作用を起こす。
【0005】
少なくとも殆どの環状体の各内部縁面上には一個または一個以上の内部凸体が成形される。
内部凸体はできるだけ環状体の内縁辺に隣接するのが良い。
【0006】
すべての環状体の各内部縁面上には、一個または一個以上の内部凸体が成形される。
【0007】
内部凸体は、筋状、円形、三角形、多辺形等各種形状でも良い。
【0008】
上下に隣接する環状体の内部凸体は互い違いに設置する。
このようにすることで、重ね合わせた後の高さ全体を小さくすることができ、圧縮された後の全体は平坦で歪まない。
【0009】
単一の環状体の内部凸体が二個の場合、対角位置に分けて設置するのが望ましい。
【0010】
単一の環状体の内部凸体がX個の場合、360度をXで割って得た平均角度の数値で配置する。
【0011】
前述の構造において、射出成形であるため、環状体の内部凸体に対応する外部縁面箇所は、外部凹体が形成される。
【0012】
内部凸体の設置は、各環状体の内部縁面に制限されず、各外環状面に変更または増設しても良い。
【0013】
各環状体の内部縁面は、平滑状ではない粗面でも良く、その場合も、引っ張られ現象に依るノイズの消音は達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第一実施形態)
図2と
図3に示すのは、本発明の伸縮ブラダーの消音構造であり、伸縮ブラダー1中空密閉状である。
それは開口部11を含み、流体ポンプによって気体と流体が出入りする。
伸縮ブラダー1最上部は最上面12であり、最上面12環状縁から開口部11に向かって断面が連続波状の複数の環状体13が成形される。複数の環状体13は構造特性を活かし、伸縮作用を起こす。そのうち、一部またはすべての環状体13の内部縁面131上には一個または一個以上の内部凸体132を成形し、内部凸体132はできるだけ環状体13の内縁辺に隣接するのが良い。
内部凸体132は本実施例では筋状であるが、その他の円形、三角形、多辺形等各種形状でもよい。
上下に隣接する環状体13の多数個の内部凸体132は互い違いに設置する。このようにすることで、重ね合わせた後の高さ全体を小さくすることができ、圧縮された後の全体は平坦で歪まない。
更に、単一の環状体13の内部凸体132が二個の場合、対角位置に分けて設置するのが望ましい。
更に単一の環状体13の内部凸体132がX個の場合、360度をXで割って得た平均角度の数値で配置する。他、成型の製造過程により、環状体13の内部凸体132に対応する外部縁面133箇所には、外部凹体134が形成される。
【0016】
図3と
図4に示すとおり、本発明の各環状体13の内部縁面131上には内部凸体132が成形される。そのため各環状体13が圧縮されると、上、下両隣の環状体13の内部縁面131は内部凸体132の設置、加えて内部凸体132傍に形成される空間によって、各内部縁面131の間が完全に密着せず隙間と空気が残り、吸盤真空状態を回避する。
伸縮ブラダー1が吸気によって伸びた時、各環状体13はすべてスムーズに分離されて自由になり、公知のような密着して吸盤現象に依る引っ張りノイズが起こらず、ノイズを下げて静寂効果を達成する。
それを枕に応用した場合、夜間使用時,改善効果は非常に明らかである。
【0017】
(第二実施形態)
図5は本発明の別の実施例であり、環状体13の内部凸体132の対応する外部縁面133箇所が、
図3と比較として、外部凹体134を成形しない。
【0018】
(第三実施形態)
図6は本発明の別の実施例であり、環状体13の内部凸体135は,突起形状で成形してもよく、複数個が配列して設置される。
【符号の説明】
【0019】
1 伸縮ブラダー
11 開口部
12 最上面
13 環状体
131 内部縁面
132 内部凸体
133 外部縁面
134 外部凹体
135 内部凸体