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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007812
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】フェースシールド
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220105BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111004
(22)【出願日】2020-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】598142047
【氏名又は名称】奥村 当司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】奥村 当司
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA12
2E185CC36
(57)【要約】
【課題】 顔への着脱を比較的小さな動作で可能とする。
【課題を解決するための手段】 フェースシールド1は鼻と口元を覆う透明プラスチック製の本体部2を備える。本体部2の左右方向の両端部から左頬の表面側と右頬の表面側へ左頬側延設部3、右頬側延設部4が延設されている。これらの左頬側延設部3、右頬側延設部4の内側には、各々第1、第2の磁着手段としての磁石板5、6が装着されている。左頬側の磁石板5はユーザの左頬の表面に着脱自在な粘着層13を含む第3の磁着手段としての磁着用フェースシート10と着脱自在に磁着可能に形成されている。また、右頬側の磁石板6はユーザの左頬の表面に着脱自在な粘着層23を含む第4の磁着手段としての磁着用フェースシート20と着脱自在に磁着可能に形成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの少なくとも鼻孔と口元の前側を覆う透明プラスチック製の本体部を備えたフェースシールドであって、
本体部の左右方向の両端部からユーザの左頬の表面側及び右頬の表面側へ延設された左頬側延設部及び右頬側延設部と、
左頬側延設部及び右頬側延設部の各々に設けた第1、第2の磁着手段と、
ユーザの左頬の表面に着脱自在な粘着層を含む第3の磁着手段と、
ユーザの右頬の表面に着脱自在な粘着層を含む第4の磁着手段と、
を備え、
第1の磁着手段と第3の磁着手段は互いに着脱自在に磁着可能に形成されており、
第2の磁着手段と第4の磁着手段は互いに着脱自在に磁着可能に形成されていること、
を特徴とするフェースシールド。
【請求項2】
第1乃至第4の磁着手段は薄板状に形成されていること、
を特徴とする請求項1記載のフェースシールド。
【請求項3】
第3、第4の磁着手段はパッチ状に形成されていること、
を特徴とする請求項1または2記載のフェースシールド。
【請求項4】
本体部の内側下部で顎の近くに来る箇所に、装着時に顎に当接する当接部材を付設したこと、
を特徴とする請求項1乃至3の内のいずれか一項記載のフェースシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフェースシールドに係り、とくに顔への着脱を容易にしたフェースシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、飲食業、接客業の店舗をはじめオフィス、工場、学校等の様々な現場でウィルス感染対策として繊維製のマスクや透明プラスチック製のフェースシールド等を着用してウィルスの混じった飛沫の吸引や飛散の防止を図る努力がなされている。ところで、例えば接客業でのマスクの着用は断絶感が強く表情も良く判らないので客から好まれない。このため、接客業では透明プラスチック製のフェースシールドが使用されるようになってきている。従来のフェースシールドは耳掛け式が多いが、繊維製のマスクに比較して剛性が大きく、両耳への掛脱は両手を使って大きな動作で行う必要があった。
【0003】
このため、飲食を伴う接客業では、飲食の開始時にフェースシールドを両手を使って両耳から外しテーブルの上に置いたり、飲食の終了時にフェースシールドを両手を使って両耳に掛けたりすることになるが、面倒な作業であるとともに動作も目立ち、場の雰囲気を削ぐという欠点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記した従来技術の問題に鑑みなされたもので、顔への着脱を比較的小さな動作で可能としたフェースシールドを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明では、
ユーザの少なくとも鼻孔と口元の前側を覆う透明プラスチック製の本体部を備えたフェースシールドであって、
本体部の左右方向の両端部からユーザの左頬の表面側及び右頬の表面側へ延設された左頬側延設部及び右頬側延設部と、
左頬側延設部及び右頬側延設部の各々に設けた第1、第2の磁着手段と、
ユーザの左頬の表面と右頬の表面の各々に、着脱自在に貼着可能な粘着層を有する第3、第4の磁着手段と、
を備え、
第1の磁着手段と第3の磁着手段は互いに着脱自在に磁着可能に形成されており、
第2の磁着手段と第4の磁着手段は互いに着脱自在に磁着可能に形成されていること、
を特徴としている。
請求項2記載の発明では、
第1乃至第4の磁着手段は薄板状に形成されていること、
を特徴としている。
請求項3記載の発明では、
第3、第4の磁着手段はパッチ状に形成されていること、
を特徴としている。
請求項4記載の発明では、
本体部の内側下部で顎の近くに来る箇所に、装着時に顎に当接する当接部材を付設したこと、
を特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、予め、左右の頬の表面に各々、第3、第4の磁着手段を貼着しておき、フェースシールドを顔に着ける場合、片手または両手で本体部を持ち、左頬側延設部と右頬側延設部を左右の頬の表面に近づけて第1の磁着手段を第3の磁着手段に磁着させ、第2の磁着手段を第4の磁着手段に磁着させることにより、簡単に両頬に装着することができる。反対にフェースシールドを外す場合、片手または両手で本体部を持ち、下方に引き下げるなどして第1の磁着手段を第3の磁着手段から外し、第2の磁着手段を第4の磁着手段から外すことにより、簡単に両頬から離脱させることができる。フェースシールドを両耳に掛脱する場合に比較して、小さな動作での着脱が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例に係るフェースシールドの使用状態を示す外観図である(実施例1)。
図2図1の平面図である。
図3図1中のフェースシールドを斜め左側から見た外観図である。
図4図1中のフェースシールドを斜め右側から見た外観図である。
図5図1中のフェースシールドの平面図である。
図6図1中の磁着用フェースシートの平面図である。
図7図6の磁着用フェースシートの側面図である。
図8図1中のフェースシールドの使用方法の説明図である。
図9図1中のフェースシールドの使用方法の説明図である。
図10図1中のフェースシールドの変形例の説明図である。
図11図1中のフェースシールドの変形例の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の最良の形態を実施例に基づき説明する。
【実施例0009】
図1乃至図7を参照して本発明の一実施例を説明する。図1は本発明に係るフェースシールドの使用状態を示す外観図、図2図1の平面図、図3図1中のフェースシールドを斜め左側から見た外観図、図4図1中のフェースシールドを斜め右側から見た外観図、図5図1中のフェースシールドの平面図、図6図1中の磁着用フェースシートの平面図、図7図6の磁着用フェースシートの側面図である。
これらの図において、1はフェースシールドであり、ユーザの鼻孔を含む鼻の下部と口元の前側を覆う薄板で透明プラスチック製の本体部2を有している。本体部2は上から見下ろした平面視が略円弧状または略U字状または略V字状に形成されており(図2図5参照)、左右方向の両端部である右端部と左端部がユーザの左頬の表面側と右頬の表面側へ向けて延設されることにより、一対の左頬側延設部3と右頬側延設部4が形成されている。左頬側延設部3、右頬側延設部4の各々の内側表面には、第1、第2の磁着手段としての直径8乃至15mm程度、厚さ0.7mm乃至2mm程度の薄板円盤状で互いに同形な磁石板5、6が接着等により離脱不能に取着されている。本体部2の左頬側延設部3、右頬側延設部4の外側表面で磁石板5、6に対応する部分には肌色の着色により、外部から磁石板5、6が見えにくくしたマスキング領域7、8が設けられている。
【0010】
図1図2中の10、20はユーザの左頬の表面と右頬の表面に着脱自在に貼着された第3、第4の磁着手段としての薄板でパッチ状の磁着用フェースシートである。磁着用フェースシート10、20は磁石板5、6と同形な薄板円盤状の磁石板11、21と、磁石板11、21の下面側に装着された円形の粘着テープ12、22から成る。粘着テープ12、22は磁石板11、21と同径としても良く、少し大きい径としても良い(図6図7では粘着テープ12、22の径を磁石板11、21より少し大きくした例を示す)。粘着テープ12、22は下面側の全面に、ユーザの左頬表面、右頬表面に着脱自在とするための粘着層13、23が付着されている。粘着テープ12、22と磁石板11、21の間は接着剤により剥離不能に接着されている(なお、粘着テープ12、22と磁石板11、21の間を粘着層等を介在させて或る程度以上の外力を加えることで離脱可能に装着しても良い)。
【0011】
粘着テープ12、22の上側表面の内、磁石板11、21からはみ出た領域と、磁石板11、21の上側表面及び側周面が肌色に着色されており、フェースシールド1を外した際に、磁石板11、21や磁着用フェースシート10、20が目立たないようになっている(なお、磁石板11、21を着色する代わりに、肌色で薄い円盤状のカバーシート(図示せず)を磁石板11、21の上側表面に貼着しても良い)。
【0012】
次に、図1図2図8図9を参照して上記した実施例の使用方法を説明する。
予め、ユーザYは左右の頬に磁着用フェースシート10、20を貼着しておく(図8の矢印A、B参照)。
フェースシールド1を顔に装着する場合、ユーザYは片手または両手で本体部2を持ち、左頬側延設部3及び右頬側延設部4を左右の頬の表面に近づけて左頬側の磁石板5を左頬に貼着した磁着用フェースシート10に磁着させ、右頬側の磁石板6を右頬に貼着した磁着用フェースシート20に磁着させることにより、簡単に両頬に装着することができる(図9の矢印C、図1図2参照)。
予め、磁石板5と磁着用フェースシート10の磁着力、磁石板6と磁着用フェースシート20の磁着力は、フェースシールド1の重量や、左頬側と右頬側の磁着用フェースシート10、20を結ぶ軸周りのフェースシールド1の回転モーメントに比較して大きくなるように形成されており、着用後、フェースシールド1が顔から外れたり、フェースシールド1の前部が下方(図1の反時計方向)へ垂れ下がったりすることはない。
【0013】
反対にフェースシールド1を顔から外す場合、ユーザYは片手または両手で本体部2を持ち、下方に引き下げるなどして左頬側の磁石板5を磁着用フェースシート10から外し、右頬側の磁石板6を磁着用フェースシート20から外すことにより、簡単に両頬から離脱させることができる。
予め、磁着用フェースシート10の粘着層13と左頬の表面との粘着力の方が、磁石板5と磁石板11の間の磁着力より大きくなるように形成されており、着用フェースシート20の粘着層23と右頬の表面との粘着力の方が、磁石板6と磁石板21の間の磁着力より大きくなるように形成されており、フェースシールド1を外す際に、磁着用フェースシート10、20が左右の頬から剥がれることはない。
なお、磁着用フェースシート10、20は、左右の頬の表面に粘着しているだけなので一定以上の力を加えて頬から剥がしたり、再度、頬の表面に貼着したりすることができる。
【0014】
この実施例によれば、予め、左右の頬に磁着用フェースシート10、20を貼着しておき、フェースシールド1を顔に着ける場合は、片手または両手で本体部2を持ち、左頬側延設部3、右頬側延設部4を左右の頬の表面に近づけて左頬側の磁石板5を磁着用フェースシート10に磁着させ、右頬側の磁石板6を磁着用フェースシート20に磁着させることにより、簡単に両頬に装着することができる。反対にフェースシールド1を外す場合、片手または両手で本体部2を持ち、下方に引き下げるなどして左頬側の磁石板5を磁着用フェースシート10から外し、右頬側の磁石板6を磁着用フェースシート20から外すことにより、簡単に両頬から離脱させることができる。両耳に掛脱する場合に比較して、小さな動作でフェースシールド1の着脱が可能となる。この結果、例えば飲食を伴う接客業においては、飲食の前後に着脱をしても場の雰囲気を損なう恐れが少なくなる。
【0015】
なお、上記した実施例では、第1乃至第4の磁着手段を全て磁石板を用いて構成する例を挙げたが、本発明は何らこれに限定されず、第1、第3の磁着手段の一方を磁石板を用いて構成し、他方を磁石板の代わりに鋼板等の強磁性体部材を用いて構成し、第2、第4の磁着手段の一方を磁石板を用いて構成し、他方を磁石板に代えて鋼板等の強磁性体部材を用いて構成しても良い。
また、図10図11に示す如く、本体部の内側下部で顎の近くに来る箇所に、クッション性が在り、装着時に顎に当接する当接部材9を付設し、フェースシールド1Aが下にずれ難くなるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明は、鼻と口元を覆い、感染防止・塵埃防止等を行うフェースシールドに適用可能である。
【符号の説明】
【0017】
1 フェースシールド
2 本体部
3 左頬側延設部
4 右頬側延設部
5、6、11、21 磁石板
10、20 磁着用フェースシート
13、23 粘着層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11