(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079793
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】液面検知器
(51)【国際特許分類】
G01F 23/26 20220101AFI20220520BHJP
【FI】
G01F23/26 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187023
(22)【出願日】2020-11-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】510234250
【氏名又は名称】株式会社ワイエスアンドアソシエイツ
(74)【代理人】
【識別番号】100193518
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】志水 雅春
(72)【発明者】
【氏名】志水 優太
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AB01
2F014EA00
(57)【要約】
【課題】本発明は、容器が膨張及び収縮しても、容器内に貯蔵されている液体の液面を正確に検知できる液面検知器および液体検知システムを提供することを目的とする。
【解決手段】液体検知システム100は、液面検知器10と、液面検知器20と、容器90と、支柱80と、制御部50と、注入部91と、排出部92とを備える。液面検知器10は、センサ5と、スペーサ6と、固定部12と、連結部11とを備える。センサ5は、例えば静電センサで構成される。連結部11は、固定部12およびセンサ5を連結する。連結部11は、容器90の方向R1へセンサ5を付勢する第1のバネ15を有する。容器90の膨張によってセンサ5が容器90とは逆の方向へ押されたとき、第1のバネ15の付勢力に抗ってセンサ5が容器90とは逆の方向へ可動する。その際、第1のバネ15が容器90の方向R1へセンサ5を付勢するため、センサ5の固定を維持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に貯蔵されている液体の液面を検知するセンサと、
前記センサが前記容器の外周面に対向する状態で前記センサを固定する固定部と、
前記固定部および前記センサを連結する連結部を備え、
前記連結部は、前記容器の方向へ前記センサを付勢する第1のバネを有する、液面検知器。
【請求項2】
前記連結部は、前記容器の方向へ前記センサを付勢する第2のバネを有し、
前記固定部、前記第1のバネ、前記第2のバネ及び前記センサはこの順に直列に連結する、請求項1に記載の液面検知器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液面検知器と、
前記容器と、
前記液面検知器の検知結果に基づいて液体を前記容器内に注入する注入部と、
前記液面検知器の検知結果に基づいて前記容器内の液体を排出する排出部と、を備える液体検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に貯蔵されている液体の液面を検知するセンサを備える液面検知器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、容器内に貯蔵されている液体の液面を検知するセンサを備える液面検知器が各種提案されている。容器は例えば、液体を貯蔵するタンクである。液体は例えば次亜塩素酸水やアルコールなどである。センサは例えば静電容量センサであり、容器の外周面に対向する状態で固定される。例えば特許文献1は、タンク内に貯蔵されている液体の液面を検出する静電容量形近接センサを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、容器は、貯蔵する液体の量に比例して、液体から圧力を受ける。容器に貯蔵されている液体の量が多い場合、容器は外側へ膨張することがある。このとき、センサが外側へ押され、センサの固定位置が外側へ変化する。そして、容器内から液体が排出され容器内の液体が減ったとき、容器は液体の圧力から解放される。これにより容器が収縮するが、センサの固定位置は外側に変化したままとなる。すなわち、従来の液面検知器では、容器とセンサの距離が変化し、センサの精度が低下することがあった。
【0005】
また、従来の液面検知器では、容器の膨張及び収縮により、固定されているセンサが外れるおそれもあった。
【0006】
したがって、従来の液面検知器は、容器内に貯蔵される液体の液面を正確に検知できなくなるおそれがあった。
【0007】
本発明は、容器が膨張及び収縮しても、容器内に貯蔵されている液体の液面を正確に検知できる液面検知器および液体検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液面検知器は上記の目的を達成するために以下の手段を備える。
【0009】
(1)本発明の液面検知器は、容器内に貯蔵されている液体の液面を検知するセンサと、センサが容器の外周面に対向する状態でセンサを固定する固定部と、固定部およびセンサを連結する連結部を備える。そして、連結部は、容器の方向へセンサを付勢する第1のバネを有する。
【0010】
この構成では、容器の膨張によってセンサが容器とは逆の方向(容器が膨張する方向)へ押されたとき、第1のバネの付勢力に抗ってセンサが容器とは逆の方向へ可動する。その際、第1のバネが容器の方向へセンサを付勢する。そして、容器内から液体が排出され容器内の液体が減ったとき、容器は収縮する。このとき、その付勢力によってセンサが容器の収縮方向へ可動する。そのためこの構成では、第1のバネが容器の膨張及び収縮にセンサを追随させ、容器とセンサの距離を維持する。即ちセンサの精度を維持できる。
【0011】
また、この構成の液面検知器は、容器が膨張及び収縮しても第1のバネによって、固定されているセンサが外れることを防止できる。
【0012】
したがってこの構成の液面検知器は、容器が膨張及び収縮しても、容器内に貯蔵されている液体の液面を正確に検知できる。
【0013】
(2)連結部は、容器の方向へセンサを付勢する第2のバネを有する。固定部、第1のバネ、第2のバネ及びセンサはこの順に直列に連結する。
【0014】
この構成では、第1のバネと第2のバネによってセンサを容器の方向へ付勢する。そのため、この構成の液面検知器は、第1のバネと第2のバネによってセンサの固定角度を調整できる。したがってセンサの固定角度の調整自由度が高まる。
【0015】
また、本発明の液体検知システムは上記の目的を達成するために以下の手段を備える。
【0016】
(3)本発明の液体検知システムは、上記の液面検知器と、上記の容器と、液面検知器の検知結果に基づいて液体を容器内に注入する注入部と、液面検知器の検知結果に基づいて容器内の液体を排出する排出部と、を備える。
【0017】
この構成の液体検知システムは、上記の液面検知器を備える。したがってこの構成の液体検知システムは、上記の液面検知器と同様の効果を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の液面検知器は、容器が膨張及び収縮しても、容器内に貯蔵されている液体の液面を正確に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に関する液体検知システム100の外観図である。
【
図2】
図1に示す液体検知システム100の概略構成図である。
【
図3】
図1に示す液体検知システム100のブロック図である。
【
図4】
図1に示す液体検知システム100に備えられる液面検知器10の外観図である。
【
図7】
図4に示す液面検知器10の変形例である液面検知器110の正面図である。
【
図8】
図7に示す液面検知器110の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1実施形態に関する液体検知システム100について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に関する液体検知システム100の外観図である。
図2は、
図1に示す液体検知システム100の概略構成図である。
図3は、
図1に示す液体検知システム100のブロック図である。
図4は、
図1に示す液体検知システム100に備えられる液面検知器10の外観図である。
【0021】
液体検知システム100は、液面検知器10と、液面検知器20と、容器90と、支柱80と、制御部50と、注入部91と、排出部92とを備える。
【0022】
容器90は、例えばプラスチック製のタンクで構成され、液体Fを貯蔵する。液体Fは例えば次亜塩素酸水やアルコールである。容器90は、注入部91及び排出部92に接続している。注入部91は弁を有する。弁が開いたとき、液体Fが注入部91を介して容器90内に注入される。また排出部92は弁を有する。弁が開いたとき、液体Fは容器90内から排出部92を介して排出される。注入部91からの液体Fの注入と排出部92からの液体Fの排出とによって、容器90内の液面Sの高さは変化する。
【0023】
液面検知器10は、容器90内に貯蔵されている液体Fの液面Sを検知するセンサ5を備える。液面検知器10は、センサ5が容器90の外周面に対向する状態で支柱80にスペーサ6を介して固定されている。支柱80は例えばステンレス等の金属で構成される。センサ5は例えば静電容量センサである。スペーサ6の材料は例えば樹脂である。例えば、容器90内の液面Sの高さが変化し、液面Sがセンサ5の固定位置を通過したとき、センサ5は静電容量の変化によって液面Sを検知する。
【0024】
液面検知器20の構成は液面検知器10の構成と同じである。液面検知器20は、液面検知器10の固定位置より高い位置で、センサ5が容器90の外周面に対向する状態で支柱80に固定されている。
【0025】
制御部50は例えばマイクロコンピュータで構成される。制御部50は、液面検知器10及び液面検知器20の検知結果に基づいて注入部91の弁を開閉する。また制御部50は、液面検知器10及び液面検知器20の検知結果に基づいて排出部92の弁を開閉する。制御部50は例えば次のような制御を行う。液面Sが液面検知器20より上に位置するとき、制御部50は注入部91の弁を閉じ排出部92の弁を開く。液面Sが液面検知器10及び液面検知器20の間に位置するとき、制御部50は注入部91の弁を開き排出部92の弁を開く。液面Sが液面検知器10より下に位置するとき、制御部50は注入部91の弁を開き排出部92の弁を閉じる。
【0026】
次に、液面検知器20の構成は液面検知器10の構成と同じであるため、代表して液面検知器10の構成について詳細に説明する。
【0027】
図5は、
図4に示す液面検知器10の正面図である。
図6は、
図4に示す液面検知器10の上面図である。液面検知器10は、センサ5と、スペーサ6と、固定部12と、連結部11とを備える。
【0028】
センサ5は、例えば静電センサで構成される。センサ5は、配線8を介して制御部50に接続される。
【0029】
固定部12は、中央に開口部19を形成する枠部18と、枠部18に接続する固定板17とを有する。固定部12の材料は例えばステンレス等の金属である。固定板17は平板で構成される。枠部18は、2枚の金属板が2つのボルトで連結されることで、中央に開口部19を形成している。支柱80が枠部18の開口部19に嵌ることで、固定部12は支柱80に装着される。固定部12はセンサ5がスペーサ6を挟んで容器90の外周面に対向する状態でセンサ5を固定する。この際、スペーサ6は容器90の外周面に接触している。
【0030】
なお、本実施形態では液面検知器10がスペーサ6を備えているが、これに限るものではない。実施の際、使用するセンサの種類に応じてスペーサの種類やスペーサの使用不使用を決定すれば良い。
【0031】
連結部11は基板14と基板16とを有する。連結部11の材料は例えばステンレス等の金属である。基板14はT字状の平板で構成される。基板16はT字状の平板で構成される。センサ5は基板14に取付けられている。固定板17は基板16に取付けられている。これにより連結部11は、固定部12およびセンサ5を連結する。
【0032】
さらに連結部11は、容器90の方向R1へセンサ5を付勢する第1のバネ15を有する。第1のバネ15は例えば蝶バネで構成されている。
【0033】
以上の構成において容器90は、貯蔵する液体Fの量に比例して、液体Fから圧力を受ける。容器90に貯蔵される液体Fの量が多い場合、容器90は外側へ膨張することがある。
【0034】
そこで、本実施形態の液面検知器10及び液体検知システム100は、第1のバネ15を備えている。この構成では容器90の膨張によってセンサ5が容器90とは逆の方向(容器90が膨張する方向)へ押されたとき、第1のバネ15の付勢力に抗ってセンサ5が容器90とは逆の方向へ可動する。その際、第1のバネ15が容器90の方向R1へセンサ5を付勢する。
【0035】
そして、容器90内から液体Fが排出され容器90内の液体Fが減ったとき、容器90は収縮する。このとき、その付勢力によってセンサ5が容器90の収縮方向へ可動する。そのため液面検知器10では、第1のバネ15が容器90の膨張及び収縮にセンサ5を追随させ、容器90とセンサ5の距離を維持する。即ちセンサ5の精度を維持できる。
【0036】
また、液面検知器10は、容器90が膨張及び収縮しても第1のバネ15によって、固定されているセンサ5が外れることを防止できる。
【0037】
したがって、液面検知器10及び液体検知システム100は、容器90が膨張及び収縮しても、容器90内に貯蔵されている液体Fの液面Sを正確に検知できる。
【0038】
なお、本実施形態では液体検知システム100が2台の液面検知器10及び液面検知器20を備えているが、これに限るものではない。実施の際は、液体検知システム100が1台の液面検知器10のみを構わない。また、液体検知システム100が複数台の液面検知器10を備えても構わない。
【0039】
次に、液面検知器10は以下の変形例を採用できる。
【0040】
図7は、
図4に示す液面検知器10の変形例である液面検知器110の正面図である。
図8は、
図7に示す液面検知器110の上面図である。液面検知器110が液面検知器10と相違する点は、連結部111である。
【0041】
連結部111は、容器90の方向R2へセンサ5を付勢する第2のバネ115と、第1のバネ15及び第2のバネ115を連結する中間板116とを有する。固定部12、第1のバネ15、第2のバネ115及びセンサ5はこの順に直列に連結する。
【0042】
この構成では、第1のバネ15及び第2のバネ115によってセンサ5を容器90の方向へ付勢する。そのため、この構成の液面検知器110は、第1のバネ15及び第2のバネ115によってセンサ5の固定角度を調整できる。したがってセンサ5の固定角度の調整自由度が高まる。
【符号の説明】
【0043】
5 センサ
6 スペーサ
10 液面検知器
11 連結部
12 固定部
15 第1のバネ
20 液面検知器
50 制御部
80 支柱
90 容器
91 注入部
92 排出部
100 液体検知システム
115 第2のバネ
【手続補正書】
【提出日】2022-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に貯蔵されている液体の液面を検知するセンサと、
前記容器の近傍に固定される支柱と、
前記支柱を嵌めるための開口部を有し、前記センサが前記容器の外周面に対向する状態で前記センサを固定する固定部と、
前記固定部および前記センサを連結する連結部を備え、
前記連結部は、前記容器の方向へ前記センサを付勢する第1のバネ及び前記容器の方向へ前記センサを付勢する第2のバネを有し、
前記固定部、前記第1のバネ、前記第2のバネ及び前記センサはこの順に、前記センサが付勢される方向に対して略垂直方向に直列に連結する、ことを特徴とする液面検知器。
【請求項2】
請求項1に記載の液面検知器と、
前記容器と、
前記液面検知器の検知結果に基づいて液体を前記容器内に注入する注入部と、
前記液面検知器の検知結果に基づいて前記容器内の液体を排出する排出部と、を備える液体検知システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に貯蔵されている液体の液面を検知するセンサを備える液面検知器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、容器内に貯蔵されている液体の液面を検知するセンサを備える液面検知器が各種提案されている。容器は例えば、液体を貯蔵するタンクである。液体は例えば次亜塩素酸水やアルコールなどである。センサは例えば静電容量センサであり、容器の外周面に対向する状態で固定される。例えば特許文献1は、タンク内に貯蔵されている液体の液面を検出する静電容量形近接センサを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、容器は、貯蔵する液体の量に比例して、液体から圧力を受ける。容器に貯蔵されている液体の量が多い場合、容器は外側へ膨張することがある。このとき、センサが外側へ押され、センサの固定位置が外側へ変化する。そして、容器内から液体が排出され容器内の液体が減ったとき、容器は液体の圧力から解放される。これにより容器が収縮するが、センサの固定位置は外側に変化したままとなる。すなわち、従来の液面検知器では、容器とセンサの距離が変化し、センサの精度が低下することがあった。
【0005】
また、従来の液面検知器では、容器の膨張及び収縮により、固定されているセンサが外れるおそれもあった。
【0006】
したがって、従来の液面検知器は、容器内に貯蔵される液体の液面を正確に検知できなくなるおそれがあった。
【0007】
本発明は、容器が膨張及び収縮しても、容器内に貯蔵されている液体の液面を正確に検知できる液面検知器および液体検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液面検知器は上記の目的を達成するために以下の手段を備える。
【0009】
(1)本発明の液面検知器は、容器内に貯蔵されている液体の液面を検知するセンサと、容器の近傍に固定される支柱と、支柱を嵌めるための開口部を有し、センサが容器の外周面に対向する状態でセンサを固定する固定部と、固定部およびセンサを連結する連結部を備える。そして、連結部は、容器の方向へセンサを付勢する第1のバネ及び容器の方向へセンサを付勢する第2のバネを有し、固定部、第1のバネ、第2のバネ及びセンサはこの順に、センサが付勢される方向に対して略垂直方向に直列に連結する。
【0010】
この構成では、容器の膨張によってセンサが容器とは逆の方向(容器が膨張する方向)へ押されたとき、第1のバネの付勢力に抗ってセンサが容器とは逆の方向へ可動する。その際、第1のバネが容器の方向へセンサを付勢する。そして、容器内から液体が排出され容器内の液体が減ったとき、容器は収縮する。このとき、その付勢力によってセンサが容器の収縮方向へ可動する。そのためこの構成では、第1のバネが容器の膨張及び収縮にセンサを追随させ、容器とセンサの距離を維持する。即ちセンサの精度を維持できる。
【0011】
また、この構成の液面検知器は、容器が膨張及び収縮しても第1のバネによって、固定されているセンサが外れることを防止できる。
【0012】
したがってこの構成の液面検知器は、容器が膨張及び収縮しても、容器内に貯蔵されている液体の液面を正確に検知できる。
【0013】
削除
【0014】
また、この構成では、第1のバネと第2のバネによってセンサを容器の方向へ付勢する。そのため、この構成の液面検知器は、第1のバネと第2のバネによってセンサの固定角度を調整できる。したがってセンサの固定角度の調整自由度が高まる。
【0015】
また、本発明の液体検知システムは上記の目的を達成するために以下の手段を備える。
【0016】
(2)本発明の液体検知システムは、上記の液面検知器と、上記の容器と、液面検知器の検知結果に基づいて液体を容器内に注入する注入部と、液面検知器の検知結果に基づいて容器内の液体を排出する排出部と、を備える。
【0017】
この構成の液体検知システムは、上記の液面検知器を備える。したがってこの構成の液体検知システムは、上記の液面検知器と同様の効果を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の液面検知器は、容器が膨張及び収縮しても、容器内に貯蔵されている液体の液面を正確に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に関する液体検知システム100の外観図である。
【
図2】
図1に示す液体検知システム100の概略構成図である。
【
図3】
図1に示す液体検知システム100のブロック図である。
【
図4】
図1に示す液体検知システム100に備えられる液面検知器10の外観図である。
【
図7】
図4に示す液面検知器10の変形例である液面検知器110の正面図である。
【
図8】
図7に示す液面検知器110の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1実施形態に関する液体検知システム100について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に関する液体検知システム100の外観図である。
図2は、
図1に示す液体検知システム100の概略構成図である。
図3は、
図1に示す液体検知システム100のブロック図である。
図4は、
図1に示す液体検知システム100に備えられる液面検知器10の外観図である。
【0021】
液体検知システム100は、液面検知器10と、液面検知器20と、容器90と、支柱80と、制御部50と、注入部91と、排出部92とを備える。
【0022】
容器90は、例えばプラスチック製のタンクで構成され、液体Fを貯蔵する。液体Fは例えば次亜塩素酸水やアルコールである。容器90は、注入部91及び排出部92に接続している。注入部91は弁を有する。弁が開いたとき、液体Fが注入部91を介して容器90内に注入される。また排出部92は弁を有する。弁が開いたとき、液体Fは容器90内から排出部92を介して排出される。注入部91からの液体Fの注入と排出部92からの液体Fの排出とによって、容器90内の液面Sの高さは変化する。
【0023】
液面検知器10は、容器90内に貯蔵されている液体Fの液面Sを検知するセンサ5を備える。液面検知器10は、センサ5が容器90の外周面に対向する状態で支柱80にスペーサ6を介して固定されている。支柱80は例えばステンレス等の金属で構成される。センサ5は例えば静電容量センサである。スペーサ6の材料は例えば樹脂である。例えば、容器90内の液面Sの高さが変化し、液面Sがセンサ5の固定位置を通過したとき、センサ5は静電容量の変化によって液面Sを検知する。
【0024】
液面検知器20の構成は液面検知器10の構成と同じである。液面検知器20は、液面検知器10の固定位置より高い位置で、センサ5が容器90の外周面に対向する状態で支柱80に固定されている。
【0025】
制御部50は例えばマイクロコンピュータで構成される。制御部50は、液面検知器10及び液面検知器20の検知結果に基づいて注入部91の弁を開閉する。また制御部50は、液面検知器10及び液面検知器20の検知結果に基づいて排出部92の弁を開閉する。制御部50は例えば次のような制御を行う。液面Sが液面検知器20より上に位置するとき、制御部50は注入部91の弁を閉じ排出部92の弁を開く。液面Sが液面検知器10及び液面検知器20の間に位置するとき、制御部50は注入部91の弁を開き排出部92の弁を開く。液面Sが液面検知器10より下に位置するとき、制御部50は注入部91の弁を開き排出部92の弁を閉じる。
【0026】
次に、液面検知器20の構成は液面検知器10の構成と同じであるため、代表して液面検知器10の構成について詳細に説明する。
【0027】
図5は、
図4に示す液面検知器10の正面図である。
図6は、
図4に示す液面検知器10の上面図である。液面検知器10は、センサ5と、スペーサ6と、固定部12と、連結部11とを備える。
【0028】
センサ5は、例えば静電センサで構成される。センサ5は、配線8を介して制御部50に接続される。
【0029】
固定部12は、中央に開口部19を形成する枠部18と、枠部18に接続する固定板17とを有する。固定部12の材料は例えばステンレス等の金属である。固定板17は平板で構成される。枠部18は、2枚の金属板が2つのボルトで連結されることで、中央に開口部19を形成している。支柱80が枠部18の開口部19に嵌ることで、固定部12は支柱80に装着される。固定部12はセンサ5がスペーサ6を挟んで容器90の外周面に対向する状態でセンサ5を固定する。この際、スペーサ6は容器90の外周面に接触している。
【0030】
なお、本実施形態では液面検知器10がスペーサ6を備えているが、これに限るものではない。実施の際、使用するセンサの種類に応じてスペーサの種類やスペーサの使用不使用を決定すれば良い。
【0031】
連結部11は基板14と基板16とを有する。連結部11の材料は例えばステンレス等の金属である。基板14はT字状の平板で構成される。基板16はT字状の平板で構成される。センサ5は基板14に取付けられている。固定板17は基板16に取付けられている。これにより連結部11は、固定部12およびセンサ5を連結する。
【0032】
さらに連結部11は、容器90の方向R1へセンサ5を付勢する第1のバネ15を有する。第1のバネ15は例えば蝶バネで構成されている。
【0033】
以上の構成において容器90は、貯蔵する液体Fの量に比例して、液体Fから圧力を受ける。容器90に貯蔵される液体Fの量が多い場合、容器90は外側へ膨張することがある。
【0034】
そこで、本実施形態の液面検知器10及び液体検知システム100は、第1のバネ15を備えている。この構成では容器90の膨張によってセンサ5が容器90とは逆の方向(容器90が膨張する方向)へ押されたとき、第1のバネ15の付勢力に抗ってセンサ5が容器90とは逆の方向へ可動する。その際、第1のバネ15が容器90の方向R1へセンサ5を付勢する。
【0035】
そして、容器90内から液体Fが排出され容器90内の液体Fが減ったとき、容器90は収縮する。このとき、その付勢力によってセンサ5が容器90の収縮方向へ可動する。そのため液面検知器10では、第1のバネ15が容器90の膨張及び収縮にセンサ5を追随させ、容器90とセンサ5の距離を維持する。即ちセンサ5の精度を維持できる。
【0036】
また、液面検知器10は、容器90が膨張及び収縮しても第1のバネ15によって、固定されているセンサ5が外れることを防止できる。
【0037】
したがって、液面検知器10及び液体検知システム100は、容器90が膨張及び収縮しても、容器90内に貯蔵されている液体Fの液面Sを正確に検知できる。
【0038】
なお、本実施形態では液体検知システム100が2台の液面検知器10及び液面検知器20を備えているが、これに限るものではない。実施の際は、液体検知システム100が1台の液面検知器10のみを構わない。また、液体検知システム100が複数台の液面検知器10を備えても構わない。
【0039】
次に、液面検知器10は以下の変形例を採用できる。
【0040】
図7は、
図4に示す液面検知器10の変形例である液面検知器110の正面図である。
図8は、
図7に示す液面検知器110の上面図である。液面検知器110が液面検知器10と相違する点は、連結部111である。
【0041】
連結部111は、容器90の方向R2へセンサ5を付勢する第2のバネ115と、第1のバネ15及び第2のバネ115を連結する中間板116とを有する。固定部12、第1のバネ15、第2のバネ115及びセンサ5はこの順に直列に連結する。
【0042】
この構成では、第1のバネ15及び第2のバネ115によってセンサ5を容器90の方向へ付勢する。そのため、この構成の液面検知器110は、第1のバネ15及び第2のバネ115によってセンサ5の固定角度を調整できる。したがってセンサ5の固定角度の調整自由度が高まる。
【符号の説明】
【0043】
5 センサ
6 スペーサ
10 液面検知器
11 連結部
12 固定部
15 第1のバネ
20 液面検知器
50 制御部
80 支柱
90 容器
91 注入部
92 排出部
100 液体検知システム
115 第2のバネ