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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080119
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/01 20060101AFI20220520BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20220520BHJP
   B60C 11/13 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
B60C11/01 B
B60C11/03 B
B60C11/13 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191113
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】川ノ上 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】今井 大樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 沙央莉
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB01
3D131BC12
3D131BC13
3D131BC19
3D131BC34
3D131CB06
3D131EB05X
3D131EB11X
3D131EB31X
3D131EB35X
3D131EB38X
3D131EB81X
3D131EC12X
3D131EC15X
(57)【要約】
【課題】H&T摩耗といった偏摩耗を抑制することができるタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部2を有するタイヤである。トレッド部2は、第1トレッド端T1を含む第1ショルダー陸部11と、第1ショルダー陸部11のタイヤ軸方向内側に隣接してタイヤ周方向に連続して延びる第1ショルダー周方向溝6とを含む。第1ショルダー陸部11には、第1ショルダー周方向溝6から延びかつ第1トレッド端T1を横切る複数の第1ショルダー横溝16が設けられている。第1ショルダー横溝16は、一対の第1溝壁17を有している。一対の第1溝壁17には、第1ショルダー周方向溝6から第1トレッド端T1を超えた位置まで延びる一対の第1面取り部18が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、正規リムに装着されかつ正規内圧が充填された正規状態の前記タイヤに正規荷重の70%が負荷されたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置となる第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー陸部のタイヤ軸方向内側に隣接してタイヤ周方向に連続して延びる第1ショルダー周方向溝とを含み、
前記第1ショルダー陸部には、前記第1ショルダー周方向溝から延びかつ前記第1トレッド端を横切る複数の第1ショルダー横溝が設けられ、
前記第1ショルダー横溝は、一対の第1溝壁を有し、
前記一対の第1溝壁には、前記第1ショルダー周方向溝から前記第1トレッド端を超えた位置まで延びる一対の第1面取り部が設けられている、
タイヤ。
【請求項2】
前記一対の第1面取り部は、タイヤ軸方向の第1の位置で終わり、
前記第1ショルダー横溝は、前記一対の第1溝壁の前記第1の位置からタイヤ軸方向の外側に、面取り部が設けられていない溝縁を有する、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記第1の位置は、前記第1トレッド端から5mm以下の位置である、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記一対の第1面取り部は、タイヤ軸方向外側に向かって面取り幅が小さくなっている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記トレッド部は、前記第2トレッド端含む第2ショルダー陸部と、前記第2ショルダー陸部のタイヤ軸方向内側に隣接してタイヤ周方向に連続して延びる第2ショルダー周方向溝とを含み、
前記第2ショルダー陸部には、前記第2ショルダー周方向溝から延びかつ前記第2トレッド端を横切る複数の第2ショルダー横溝が設けられ、
前記第2ショルダー横溝は、一対の第2溝壁を有し、
前記一対の第2溝壁には、前記第2ショルダー周方向溝から前記第2トレッド端を超えた位置まで延びる一対の第2面取り部が設けられている、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記トレッド部は、前記第1トレッド端が車両外側に位置するように、車両への装着の向きが指定されており、
前記第1ショルダー陸部は、前記第1ショルダー横溝に区分された複数の第1ショルダーブロックを含み、
前記第2ショルダー陸部は、前記第2ショルダー横溝に区分された複数の第2ショルダーブロックを含み、
1つの前記第1ショルダーブロックの接地面の面積は、1つの前記第2ショルダーブロックの接地面の面積よりも大きい、請求項5に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記第1ショルダー陸部には、前記第1ショルダー横溝以外に溝及びサイプが設けられていない、請求項5又は6に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記第2ショルダー陸部には、前記第2ショルダー横溝に沿って延びる複数のショルダーサイプが設けられている、請求項5ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項9】
前記第1ショルダー横溝は、溝底部が部分的に隆起した第1タイバーを含み、
前記第2ショルダー横溝は、溝底部が部分的に隆起した第2タイバーを含み、
前記第1タイバーのタイヤ軸方向の長さは、前記第2タイバーのタイヤ軸方向の長さよりも大きい、請求項5ないし8のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項10】
前記第1タイバーの深さは、前記第2タイバーの深さよりも大きい、請求項9に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、 車両への装着の向きが指定されたトレッド部に、外側ショルダー横溝及び内側ショルダー横溝が設けられた空気入りタイヤが提案されている。この空気入りタイヤでは、前記外側ショルダー横溝の溝縁と外側トレッド端との交点と、前記内側ショルダー横溝の溝縁と内側トレッド端との交点とが、タイヤ周方向において異なる位置に設けられている。これにより、前記空気入りタイヤは、ウェット性能を維持しながら耐偏摩耗性能を向上させることを期待している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-140745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記空気入りタイヤでは、車両の駆動時や制動時において、ショルダーブロックのショルダー横溝に面するブロックエッジが路面に対して滑りやすく、ひいては、前記ブロックエッジが早期に摩耗するヒールアンドトウ摩耗(以下、「H&T摩耗」ということがある。)が生じやすいという課題があった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、H&T摩耗といった偏摩耗を抑制することができるタイヤを提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、正規リムに装着されかつ正規内圧が充填された正規状態の前記タイヤに正規荷重の70%が負荷されたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置となる第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー陸部のタイヤ軸方向内側に隣接してタイヤ周方向に連続して延びる第1ショルダー周方向溝とを含み、前記第1ショルダー陸部には、前記第1ショルダー周方向溝から延びかつ前記第1トレッド端を横切る複数の第1ショルダー横溝が設けられ、前記第1ショルダー横溝は、一対の第1溝壁を有し、前記一対の第1溝壁には、前記第1ショルダー周方向溝から前記第1トレッド端を超えた位置まで延びる一対の第1面取り部が設けられている。
【0007】
本発明のタイヤにおいて、前記一対の第1面取り部は、タイヤ軸方向の第1の位置で終わり、記第1ショルダー横溝は、前記一対の第1溝壁の前記第1の位置からタイヤ軸方向の外側に、面取り部が設けられていない溝縁を有するのが望ましい。
【0008】
本発明のタイヤにおいて、前記第1の位置は、前記第1トレッド端から5mm以下の位置であるのが望ましい。
【0009】
本発明のタイヤにおいて、前記一対の第1面取り部は、タイヤ軸方向外側に向かって面取り幅が小さくなっているのが望ましい。
【0010】
本発明のタイヤにおいて、前記トレッド部は、前記第2トレッド端含む第2ショルダー陸部と、前記第2ショルダー陸部のタイヤ軸方向内側に隣接してタイヤ周方向に連続して延びる第2ショルダー周方向溝とを含み、前記第2ショルダー陸部には、前記第2ショルダー周方向溝から延びかつ前記第2トレッド端を横切る複数の第2ショルダー横溝が設けられ、前記第2ショルダー横溝は、一対の第2溝壁を有し、前記一対の第2溝壁には、前記第2ショルダー周方向溝から前記第2トレッド端を超えた位置まで延びる一対の第2面取り部が設けられているのが望ましい。
【0011】
本発明のタイヤにおいて、前記トレッド部は、前記第1トレッド端が車両外側に位置するように、車両への装着の向きが指定されており、前記第1ショルダー陸部は、前記第1ショルダー横溝に区分された複数の第1ショルダーブロックを含み、前記第2ショルダー陸部は、前記第2ショルダー横溝に区分された複数の第2ショルダーブロックを含み、1つの前記第1ショルダーブロックの接地面の面積は、1つの前記第2ショルダーブロックの接地面の面積よりも大きいのが望ましい。
【0012】
本発明のタイヤにおいて、前記第1ショルダー陸部には、前記第1ショルダー横溝以外に溝及びサイプが設けられていないのが望ましい。
【0013】
本発明のタイヤにおいて、前記第2ショルダー陸部には、前記第2ショルダー横溝に沿って延びる複数のショルダーサイプが設けられているのが望ましい。
【0014】
本発明のタイヤにおいて、前記第1ショルダー横溝は、溝底部が部分的に隆起した第1タイバーを含み、前記第2ショルダー横溝は、溝底部が部分的に隆起した第2タイバーを含み、前記第1タイバーのタイヤ軸方向の長さは、前記第2タイバーのタイヤ軸方向の長さよりも大きいのが望ましい。
【0015】
本発明のタイヤにおいて、前記第1タイバーの深さは、前記第2タイバーの深さよりも大きいのが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のタイヤは、上記の構成を採用したことによって、H&T摩耗といった偏摩耗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態のタイヤのトレッド部の展開図である。
図2図1の第1ショルダー陸部の拡大斜視図である。
図3図1の第1ショルダー陸部の拡大図である。
図4図3のA-A線断面図である。
図5図3のB-B線断面図である。
図6図1の第2ショルダー陸部の拡大図である。
図7図6のC-C線断面図である。
図8図1の第1ミドル陸部、クラウン陸部及び第2ミドル陸部の拡大図である。
図9図8のD-D線断面図である。
図10図8のE-E線断面図である。
図11】比較例のタイヤのトレッド部の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。図1は、本実施形態のタイヤ1のトレッド部2の展開図である。図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤであって、所謂サマータイヤとして用いられる。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、オールシーズン用タイヤや、重荷重用タイヤに適用されても良い。
【0019】
本実施形態のタイヤ1は、例えば、車両への装着の向きが指定されたトレッド部2を有する。また、トレッド部2は、例えば、非対称パターン(トレッドパターンがタイヤ赤道Cに対して線対称ではないことを指す)に構成されている。本発明において、タイヤ1は、車両への装着の向きが指定されないものでも良く、トレッド部2が対称パターンとして構成されても良い。本実施形態において、車両への装着の向きは、例えば、サイドウォール部等に文字やマークで表示されている(図示省略)。
【0020】
トレッド部2は、タイヤ軸方向の両側に第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2を含む。本実施形態のトレッド部2は、車両装着時に第1トレッド端T1が車両外側に位置し、車両装着時に第2トレッド端T2が車両内側に位置するように、車両への装着の向きが指定されている。第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2は、それぞれ、正規状態のタイヤ1に正規荷重の70%が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置に相当する。上述の第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2は、車両が停止している状態や一定速度で直進しているときのトレッド部2の実際の接地端と近似している。このため、第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2よりもタイヤ軸方向内側の領域は、接地圧が過度に小さくなる場合を除き、常時接地している。また、第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2の周辺は、接地圧の変化が大きい傾向がある。
【0021】
「正規状態」とは、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、前記正規状態は、タイヤの使用目的に応じた標準的な使用状態であって無負荷の状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。
【0022】
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
【0023】
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0024】
「正規荷重」は、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。また、各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、「正規荷重」は、タイヤの標準装着状態において、1つのタイヤに作用する荷重を指す。前記「標準装着状態」とは、タイヤの使用目的に応じた標準的な車両にタイヤが装着され、かつ、前記車両が走行可能な状態で平坦な路面上に静止している状態を指す。
【0025】
トレッド部2は、第1トレッド端T1と第2トレッド端T2との間でタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝3と、周方向溝3に区分された複数の陸部を含む。本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2が4本の周方向溝3に区分された5つの陸部を含む所謂5リブタイヤとして構成されている。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、トレッド部2が3本の周方向溝3と4つの陸部とで構成された所謂4リブタイヤでも良い。
【0026】
周方向溝3は、例えば、第1クラウン周方向溝4及び第2クラウン周方向溝5と、第1ショルダー周方向溝6及び第2ショルダー周方向溝7とを含む。第1クラウン周方向溝4及び第2クラウン周方向溝5は、タイヤ赤道Cを挟むように設けられている。第1ショルダー周方向溝6は、第1クラウン周方向溝4と第1トレッド端T1との間に設けられている。第2ショルダー周方向溝7は、第2クラウン周方向溝5と第2トレッド端T2との間に設けられている。
【0027】
周方向溝3は、タイヤ周方向に直線状に延びるものや、ジグザグ状に延びるもの等、種々の態様を採用し得る。
【0028】
第1クラウン周方向溝4又は第2クラウン周方向溝5の溝中心線からタイヤ赤道Cまでのタイヤ軸方向の距離L1は、例えば、トレッド幅TWの5%~15%である。第1ショルダー周方向溝6又は第2ショルダー周方向溝7の溝中心線からタイヤ赤道Cまでのタイヤ軸方向の距離L2は、例えば、トレッド幅TWの25%~35%である。なお、トレッド幅TWは、前記正規状態における第1トレッド端T1から第2トレッド端T2までのタイヤ軸方向の距離である。
【0029】
周方向溝3の溝幅W1は、少なくとも3mm以上であるのが望ましい。望ましい態様では、周方向溝3の溝幅W1は、トレッド幅TWの2.0%~6.0%である。
【0030】
陸部は、少なくとも、第1トレッド端T1を含む第1ショルダー陸部11を含む。また、本実施形態の陸部は、第2トレッド端T2を含む第2ショルダー陸部12を含む。
【0031】
さらに、本実施形態の陸部は、クラウン陸部15、第1ミドル陸部13及び第2ミドル陸部14を含む。クラウン陸部15は、第1クラウン周方向溝4と第2クラウン周方向溝5と間に区分されている。第1ミドル陸部13は、第1クラウン周方向溝4と第1ショルダー周方向溝6との間に区分されている。第2ミドル陸部14は、第2クラウン周方向溝5と第2ショルダー周方向溝7との間に区分されている。
【0032】
図2には、図1の第1ショルダー陸部11の拡大斜視図が示されている。図3には、図1の第1ショルダー陸部11の拡大図が示されている。図2及び図3に示されるように、第1ショルダー陸部11には、第1ショルダー周方向溝6から延びかつ第1トレッド端T1を横切る複数の第1ショルダー横溝16が設けられている。
【0033】
図4には、図3のA-A線断面図が示されている。図4に示されるように、第1ショルダー横溝16は、一対の第1溝壁17を有している。一対の第1溝壁17には、第1ショルダー陸部11の外面に対して斜めに延びる一対の第1面取り部18が設けられている。また、図3に示されるように、トレッド平面視において、一対の第1面取り部18は、第1ショルダー周方向溝6から第1トレッド端T1を超えた位置まで延びている。本発明のタイヤ1は、上記の構成を採用したことによって、H&T摩耗といった偏摩耗を抑制することができる。その理由としては、以下のメカニズムが推察される。
【0034】
本発明では、一対の第1面取り部18によって、第1ショルダー横溝16の両側の溝縁に均一に接地圧が作用し易く、H&T摩耗が効果的に抑制される。とりわけ、第1面取り部18が第1トレッド端T1を超えた位置まで延びているため、作用する接地圧の変化が大きい第1トレッド端T1付近において、偏摩耗が効果的に抑制される。本発明では、このようなメカニズムにより、H&T摩耗といった偏摩耗を効果的に抑制できると推察される。
【0035】
また、本発明では、一対の第1面取り部18によって、第1ショルダー陸部11に作用する接地圧が均一化する。このような作用により、第1ショルダー陸部11は適切にコーナリングフォースを発生させ、レーンチェンジや緩やかなカーブにおける操縦安定性が向上し得る。
【0036】
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤに、以下で説明される各構成のいずれか1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。
【0037】
図4に示されるように、第1面取り部の幅W2(第1ショルダー陸部11の外面に沿った幅である。)は、例えば、1~3mmである。また、第1面取り部の幅W2は、第1ショルダー陸部11の接地面の幅W3(図3に示す)の望ましくは4.0%以上、より望ましは5.0%以上であり、望ましくは7.0%以下、より望ましくは6.0%以下である。
【0038】
また、第1面取り部18の深さd1は、例えば、1~3mmである。また、第1面取り部18の傾斜面18aのタイヤ法線に対する角度θ1は、例えば、40~60°である。なお、前記タイヤ法線は、第1ショルダー横溝16の溝縁を通り、かつ、第1ショルダー陸部11の外面に対して直角に延びる仮想線である。
【0039】
図3に示されるように、一対の第1面取り部18は、第1トレッド端T1を超えたタイヤ軸方向の第1の位置で終わっている。前記第1の位置は、第1トレッド端T1から5mm以下の位置である。
【0040】
トレッド平面視において、第1面取り部18は、一定の幅で延びる定幅部20と、第1ショルダー横溝16の長さ方向に面取り幅が変化する変幅部21と含んでいる。定幅部20は、例えば、第1ショルダー周方向溝6から第1トレッド端T1の手前まで延びている。変幅部21は、定幅部20に連なり、第1トレッド端T1を横切っている。また、変幅部21は、タイヤ軸方向外側に向かって面取り幅が小さくなっている。これにより、第1面取り部18の外端周辺での偏摩耗が効果的に抑制される。
【0041】
上述の効果を確実に発揮させるために、変幅部21のタイヤ軸方向の長さL3は、例えば、第1ショルダー陸部11の接地面のタイヤ軸方向の幅W3の30%~45%である。
【0042】
第1ショルダー横溝16は、第1溝壁17の前記第1の位置からタイヤ軸方向の外側に、面取り部が設けられていない溝縁23を有する。面取り部が設けられていないとは、第1溝壁と第1ショルダー陸部11の外面とが直接連なることにより、接地時に路面を引っ掻いて摩擦力を大きくするエッジ成分が構成されている態様を指す。
【0043】
本実施形態では、例えば、ブレーキ時に第1ショルダー陸部11に作用する接地圧が増加し、第1トレッド端T1よりもタイヤ軸方向外側の領域が接地する状態において、前記溝縁23が接地することにより、タイヤ周方向の摩擦力を高めることができる。したがって、前記溝縁23は、ドライ路面及びウェット路面においてブレーキ性能を向上させるのに役立つ。
【0044】
図3に示されるように、本実施形態では、前記第1の位置が第1トレッド端T1から5mm以下の位置とされている。換言すれば、第1トレッド端T1から面取り部を含まない溝縁23までの距離L4が5mm以下とされている。これにより、ブレーキ時に面取り部が設けられていない溝縁23が接地し易くなり、大きな摩擦力が得られる。
【0045】
前記溝縁23の長さ(トレッド部を平面に展開したときのペリフェリ長さである。)は、例えば、第1ショルダー陸部11の接地面のタイヤ軸方向の幅W3の40%~70%である。このような十分な長さを有する溝縁23は、ブレーキ性能を確実に向上させるのに役立つ。
【0046】
図5には、図3のB-B線断面図が示されている。図5に示されるように、第1ショルダー横溝16は、溝底部が部分的に隆起した第1タイバー26を含む。本実施形態の第1タイバー26は、第1ショルダー横溝16のタイヤ軸方向の内端部に設けられている。このような第1タイバー26は、第1ショルダー陸部11の剛性を高め、操縦安定性を向上させる。
【0047】
第1タイバー26のタイヤ軸方向の長さL6は、例えば、第1ショルダー陸部11の接地面のタイヤ軸方向の幅W3(図3に示す)の20%~35%である。タイヤ半径方向の位置によって、第1タイバー26のタイヤ軸方向の長さが変化する場合、前記長さL6は、第1タイバー26のタイヤ半径方向の中心位置によって測定されるものとする。また、第1タイバー26の最小の深さd3は、例えば、第1ショルダー横溝16の最大の深さd2の60%~75%である。このような第1タイバー26は、第1ショルダー横溝16の排水性を維持しつつ、操縦安定性を高めることができる。
【0048】
図3に示されるように、第1ショルダー横溝16のタイヤ周方向の1ピッチ長さP1は、例えば、第1ショルダー陸部11の接地面のタイヤ軸方向の幅W3の100%~130%である。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウェット性能とがバランス良く向上する。なお、タイヤ周方向に並んだ横溝の1ピッチ長さは、例えば、1つの横溝の溝中心線の内端から、これとタイヤ周方向に隣り合う横溝の溝中心線の内端までのタイヤ周方向の距離に相当する。
【0049】
さらに望ましい態様では、第1ショルダー陸部11は、複数の第1ショルダー横溝16に区分された複数の第1ショルダーブロック25を含む。また、第1ショルダー陸部11には、第1ショルダー横溝16以外に溝及びサイプが設けられていない。このような第1ショルダー陸部11は、高い剛性を有し、操縦安定性をより一層向上させることができる。
【0050】
図6には、第2ショルダー陸部12の拡大図が示されている。図6に示されるように、第2ショルダー陸部12には、複数の第2ショルダー横溝31が設けられている。第2ショルダー横溝31は、第2ショルダー周方向溝7から延びかつ第2トレッド端T2を横切っている。
【0051】
第2ショルダー横溝31は、一対の第2溝壁を有している(図示省略)。また、一対の第2溝壁には、第2ショルダー周方向溝7から第2トレッド端T2を超えた位置まで延びる一対の第2面取り部32が設けられている。これにより、上述と同様のメカニズムにより、操縦安定性及び耐偏摩耗性能がより一層向上する。
【0052】
なお、第2面取り部32は、第1面取り部18と実質的に同じ構成を有している。このため、第2面取り部32には、上述の第1面取り部18の構成を適用することができ、ここでの説明は省略される。一対の第2面取り部32は、タイヤ軸方向の第2の位置(上述の第1の位置と実質的に同じである。)で終わる。また、一対の第2溝壁の前記第2の位置からタイヤ軸方向の外側に、面取り部が設けられていない溝縁33を有する。これにより、ブレーキ性能がより一層向上する。
【0053】
第2ショルダー横溝31のタイヤ周方向の1ピッチ長さP2は、例えば、第1ショルダー横溝16のタイヤ周方向の1ピッチ長さP1の80~120%である。
【0054】
図7には、図6のC-C線断面図が示されている。図7に示されるように、第2ショルダー横溝31は、溝底部が部分的に隆起した第2タイバー34を含む。本実施形態の第2タイバー34は、第2ショルダー横溝31のタイヤ軸方向の内端部に設けられている。
【0055】
第2タイバー34のタイヤ軸方向の長さL7は、例えば、第2ショルダー陸部12の接地面のタイヤ軸方向の幅W4(図7に示す)の20~35%である。また、第2タイバー34の最小の深さd5は、例えば、第2ショルダー横溝31の最大の深さd4の60%~75%である。このような第2タイバー34は、ドライ路面での操縦安定性とウェット性能とをバランス良く向上させる。
【0056】
第1ショルダー横溝16に設けられた第1タイバー26(図5に示す)と、第2ショルダー横溝31に設けられた第2タイバー34とを比較すると、第1タイバー26のタイヤ軸方向の長さは、第2タイバー34のタイヤ軸方向の長さよりも大きいのが望ましい。このようなタイバーの配置は、第1ショルダー陸部11の剛性を相対的に高め、優れた操縦安定性を発揮するのに役立つ。
【0057】
一方、第1タイバー26の深さは、第2タイバー34の深さよりも大きいのが望ましい。これにより、第1ショルダー横溝16の排水性が確保され、ウェット性能が維持される。
【0058】
図6に示されるように、第2ショルダー陸部12は、複数の第2ショルダー横溝31に区分された複数の第2ショルダーブロック35を含む。本実施形態では、1つの第1ショルダーブロック25(図3に示す)の接地面の面積が、1つの第2ショルダーブロック35の接地面の面積よりも大きい。具体的には、第1ショルダーブロック25の前記面積が、第2ショルダーブロック35の前記面積の110%~120%とされる。これにより、耐偏摩耗性能が維持されつつ、優れた操縦安定性が発揮される。
【0059】
第2ショルダーブロック35には、第2ショルダー横溝31に沿って延びるショルダーサイプ36が設けられている。本実施形態では、第2ショルダー横溝31とショルダーサイプ36とがタイヤ周方向に交互に設けられている。なお、本明細書において、「サイプ」とは、小さな幅を有する切れ込み要素であって、互いに向き合う2つの内壁の間の幅が1.5mm以下のものを指す。サイプの前記幅は、望ましくは0.3~1.0mmである。サイプの開口部には、幅が1.5mmを超える面取り部が連なっても良い。また、サイプの底部には、幅が1.5mmを超えるフラスコ底が連なっても良い。
【0060】
ショルダーサイプ36は、例えば、第2ショルダー周方向溝7から延びかつ第2トレッド端T2を横切っている。このようなショルダーサイプ36は、第2ショルダー陸部12の接地面の歪を抑制し、その偏摩耗を抑制することができる。
【0061】
ショルダーサイプ36は、例えば、タイヤ軸方向の内端部において、浅底部を含むのが望ましい(図示省略)。浅底部の深さは、例えば、ショルダーサイプ36の最大の深さの35%~45%である。
【0062】
図8には、第1ミドル陸部13、クラウン陸部15及び第2ミドル陸部14の拡大図が示されている。図8に示されるように、第1ミドル陸部13には、複数の第1ミドルサイプ41及び複数の第2ミドルサイプ42がタイヤ周方向に交互に設けられている。第1ミドルサイプ41は、例えば、第1ミドル陸部13をタイヤ軸方向に完全に横断している。第2ミドルサイプ42は、例えば、第1クラウン周方向溝4から延びかつ第1ミドル陸部13内に途切れ端42aを有している。
【0063】
第1ミドルサイプ41は、例えば、タイヤ軸方向に対して第1方向(図8では、右上がりである。)に傾斜している。第1ミドルサイプ41のタイヤ軸方向に対する角度は、第1ショルダー横溝16のタイヤ軸方向に対する角度よりも大きく、例えば、20~40°である。このような第1ミドルサイプ41は、タイヤ周方向だけでなく、タイヤ軸方向にも摩擦力を提供することができる。
【0064】
図9には、図8のD-D線断面図が示されている。図9に示されるように、第1ミドルサイプ41には、その本体部41aよりも幅が大きい面取り部46が連なっている。面取り部46の開口幅W5は、第1ショルダー横溝16の1つの第1面取り部18の幅W2(図4に示す)よりも大きいのが望ましい。これにより、第1ショルダー陸部11と第1ミドル陸部13との摩耗の進行が均一化し易く、耐偏摩耗性能が向上する。
【0065】
図8に示されるように、第1ミドルサイプ41のタイヤ周方向の1ピッチ長さP3は、第1ショルダー横溝16の前記1ピッチ長さP1(図3に示す)よりも大きいのが望ましい。具体的には、前記1ピッチ長さP3は、前記1ピッチ長さP1の150%~250%である。これにより、第1ミドル陸部13の偏摩耗が抑制される。
【0066】
図1に示されるように、第1ミドルサイプ41の第1ショルダー周方向溝6側の端部は、第1ショルダー横溝16の第1ショルダー周方向溝6側の端部をタイヤ軸方向に平行に延長した投影領域と重複するのが望ましい。これにより、第1ショルダー横溝16が接地時に開き易くなり、ウェット性能が向上する。
【0067】
図8に示されるように、第2ミドルサイプ42は、第1方向に傾斜して延びている。第2ミドルサイプ42は、第1ミドルサイプ41に沿って延びているのが望ましく、本実施形態ではこれらの角度差が5°以下とされる。また、第2ミドルサイプ42のタイヤ軸方向の長さL8は、第1ミドル陸部13の接地面のタイヤ軸方向の幅W6の40%~60%である。
【0068】
図10には、図8のE-E線断面図が示されている。図10に示されるように、第2ミドルサイプ42は、例えば、その内壁が第1ミドル陸部13の接地面と連なっており、エッジ成分を構成している。このような第2ミドルサイプ42は、そのエッジが大きな摩擦力を提供し、ブレーキ性能を向上させるのに役立つ。
【0069】
図8に示されるように、クラウン陸部15には、複数のクラウン横溝45が設けられている。クラウン横溝45は、例えば、第2クラウン周方向溝5から延びかつクラウン陸部15内に途切れ端45aを有している。クラウン横溝45は、例えば、タイヤ軸方向に対して前記第1方向とは逆向きの第2方向(図8では、右下がりである。)に傾斜している。クラウン横溝45のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、10~30°である。このようなクラウン横溝45は、そのエッジが第1ミドルサイプ41とは異なる方向に摩擦力を発揮し、ブレーキ性能をより一層向上させ得る。
【0070】
クラウン横溝45は、例えば、タイヤ赤道Cを横切っておらず、かつ、クラウン陸部15のタイヤ軸方向の中心位置を横切っていない。クラウン横溝45のタイヤ軸方向の長さL は、第2ミドルサイプ42のタイヤ軸方向の長さよりも小さいのが望ましい。具体的には、クラウン横溝45の前記長さL9は、クラウン陸部15のタイヤ軸方向の幅W7の35%~45%である。このようなクラウン横溝45は、耐偏摩耗性能を維持しつつ、ウェット性能を高めることができる。
【0071】
第2ミドル陸部14には、複数の第3ミドルサイプ43と複数の第4ミドルサイプ44とがタイヤ周方向に交互に設けられている。第3ミドルサイプ43及び第4ミドルサイプ44は、第2ミドル陸部14をタイヤ軸方向に完全に横断している。第3ミドルサイプ43及び第4ミドルサイプ44は、例えば、タイヤ軸方向に対して前記第1方向に傾斜している。第3ミドルサイプ43のタイヤ軸方向に対する角度、及び、第4ミドルサイプ44のタイヤ軸方向に対する角度は、それぞれ、10~30°である。
【0072】
第3ミドルサイプ43は、例えば、図9で示される第1ミドルサイプ41と同じ横断面形状を有している。すなわち、第3ミドルサイプ43は、その本体部よりも幅が大きい面取り部が連なっている。このような第3ミドルサイプ43は、第2ミドル陸部14の偏摩耗を抑制することができる。
【0073】
第4ミドルサイプ44は、例えば、図10で示される第2ミドルサイプ42と同じ横断面形状を有している。すなわち、第4ミドルサイプ44は、その内壁が第2ミドル陸部14の接地面と連なっており、エッジ成分を構成している。このような第4ミドルサイプ44は大きな摩擦力を提供する。本実施形態では、上述の第3ミドルサイプ43と第4ミドルサイプ44とがタイヤ周方向に交互に設けられることにより、耐偏摩耗性能とブレーキ性能とがバランス良く向上している。
【0074】
図1に示されるように、第3ミドルサイプ43の第2ショルダー周方向溝7側の端部は、第2ショルダー横溝31の第2ショルダー周方向溝7側の端部をタイヤ軸方向に平行に延長した投影領域と重複するのが望ましい。これにより、第2ショルダー横溝31が接地時に開き易くなり、ウェット性能が向上する。
【0075】
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
【実施例0076】
図1のパターンを有するサイズ235/50R18のタイヤが、表1の仕様に基づき試作された。比較例として、図11に示されるトレッド部を有するタイヤが試作された。図11に示されるように、比較例のタイヤでは、第1ショルダー横溝a及び第2ショルダー横溝bに面取り部が設けられていない。比較例のタイヤは、上述の構成を除き、図1に示されるものと実質的に同じパターンを有している。各テストタイヤについて、耐偏摩耗性能、操縦安定性及びブレーキ性能がテストされた。各テストタイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
装着リム:18×7.5J
タイヤ内圧:全輪230kPa
テスト車両:排気量3000cc、四輪駆動車
タイヤ装着位置:全輪
【0077】
<耐偏摩耗性能>
上記テスト車両で一定距離走行後、第1ショルダー横溝及び第2ショルダー横溝の摩耗状態(H&T摩耗等の偏摩耗の発生度合い)が、目視により確認された。結果は、比較例の前記摩耗状態を100とする評点であり、数値が大きい程、耐偏摩耗性能が優れていることを示す。
【0078】
<操縦安定性>
上記テスト車両でドライ路面を走行したときの操縦安定性が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例の操縦安定性を100とする評点であり、数値が大きい程、操縦安定性が優れていることを示す。
【0079】
<ブレーキ性能>
上記テスト車両でドライ路面及びウェット路面を走行したときのブレーキ性能が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例のブレーキ性能を100とする評点であり、数値が大きい程、ブレーキ性能が優れていることを示す。
テストの結果が表1に示される。
【0080】
【表1】
【0081】
表1に示されるように、実施例のタイヤは、優れた耐偏摩耗性能を有しており、H&T摩耗といった偏摩耗を抑制することができることが確認できた。また、実施例のタイヤは、優れた操縦安定性を発揮していることも確認できた。また、実施例のタイヤは、ブレーキ性能が維持されていることも確認できた。
【符号の説明】
【0082】
2 トレッド部
6 第1ショルダー周方向溝
11 第1ショルダー陸部
16 第1ショルダー横溝
17 第1溝壁
18 第1面取り部
T1 第1トレッド端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11