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  • 特開-液圧アッセンブリの蓄圧器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008134
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】液圧アッセンブリの蓄圧器
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/00 20060101AFI20220105BHJP
   B60T 8/34 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B60T17/00 D
B60T8/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021092926
(22)【出願日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】10 2020 207 354.6
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ヘッカー,ユルゲン
【テーマコード(参考)】
3D049
3D246
【Fターム(参考)】
3D049BB31
3D049CC02
3D049HH13
3D049JJ05
3D049JJ06
3D049LL04
3D049MM04
3D049NN02
3D246BA02
3D246DA01
3D246GA13
3D246GB01
3D246LA56A
3D246LA61A
3D246LA75A
3D246LA80A
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両ブレーキ装置の液圧アッセンブリの蓄圧器をさらに改善させること、特に流体室と蓄積室との間にある媒体切り離し境界部における蓄圧器の挙動を改善する。
【解決手段】ピストン(44)と、ピストン(44)をピストンガイド(42)に対し密封させているパッキンとを備えた車両ブレーキ装置の液圧アッセンブリの蓄圧器(34)は、パッキンが前記ピストン(44)で保持されているエラストマーリング(64)を備えるように構成され、ピストン(44)で保持され、エラストマーリング(64)によってピストンガイド(42)に対し押し付けられている層リング(66)が設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストン(44)と、前記ピストン(44)をピストンガイド(42)に対し密封させているパッキンとを備えた車両ブレーキ装置(10)の液圧アッセンブリの蓄圧器(34)であって、前記パッキンが前記ピストン(44)で保持されているエラストマーリング(64)を備えるように構成されている前記蓄圧器(34)において、
前記ピストン(44)で保持され、前記エラストマーリング(64)によって前記ピストンガイド(42)に対し押し付けられている層リング(66)が設けられている蓄圧器。
【請求項2】
前記層リング(66)が横断面で見てL字状に構成され、前記ピストン(44)のほうへ向けられる保持脚(68)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の蓄圧器。
【請求項3】
前記層リング(66)が横断面で見てT字状に構成され、前記ピストン(44)のほうへ向けられる保持脚(68)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の蓄圧器。
【請求項4】
前記保持脚(68)が、前記エラストマーリング(64)の、前記ピストン(44)の蓄積室側のほうへ向けられる側に配置されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の蓄圧器。
【請求項5】
前記層リング(66)がプラスチックから構成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄圧器。
【請求項6】
前記エラストマーリング(64)が横断面で見て非対称に構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄圧器。
【請求項7】
前記エラストマーリング(64)が、前記層リング(66)でのその当接領域から前記ピストン(44)の流体室側へ急傾斜の密封フランク(74)を備えるように構成されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の蓄圧器。
【請求項8】
前記エラストマーリング(64)が、前記層リング(66)でのその当接領域から前記ピストン(44)の蓄積室側へ平らな密封フランク(76)を備えるように構成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の蓄圧器。
【請求項9】
前記エラストマーリング(64)が、前記ピストン(44)においてピストン溝(58)で保持されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の蓄圧器。
【請求項10】
前記ピストン(44)がプラスチックから、特に繊維強化プラスチックから構成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の蓄圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンと、前記ピストンをピストンガイドに対し密封させているパッキンとを備えた車両ブレーキ装置の液圧アッセンブリの蓄圧器であって、前記パッキンが前記ピストンで保持されているエラストマーリングを備えるように構成されている前記蓄圧器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば乗用車、トラックのような車両の車両ブレーキ装置において、液圧アッセンブリを用いて液圧流体を複数の所属の車両ブレーキに配分することは周知である。さらに、車両ブレーキにおけるブレーキ圧をこのようにコントロールするため、車両ブレーキ装置内、特に液圧アッセンブリ自体の中に、1つまたは複数の蓄圧器を設けることは周知である。これらの蓄圧器は、特に、付属のブレーキの応答特性を改善させるために用いられる。その際に使用されるのは、ピストンガイドで可動に変位可能なピストンを備えた蓄圧器である。ピストンは、ブレーキ流体がある流体室側を蓄積室側から仕切っている。蓄積室側には、たとえばガスクッションおよび/または機械的なばねのような予め緊張可能な要素がある。これらの蓄圧器は、特に低圧蓄圧器とも呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、車両ブレーキ装置の液圧アッセンブリのこのような蓄圧器をさらに改善させること、特に流体室と蓄積室との間にある媒体切り離し境界部における蓄圧器の挙動を改善させることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、ピストンと、前記ピストンをピストンガイドに対し密封させているパッキンとを備えた車両ブレーキ装置の液圧アッセンブリの蓄圧器であって、前記パッキンが前記ピストンで保持されているエラストマーリングを備えるように構成されている前記蓄圧器が提供される。この場合、さらに、前記ピストンで保持され、前記エラストマーリングによって前記ピストンガイドに対し押し付けられている層リングが設けられている。なお、ここで層リングとは、ピストンガイドとエラストマーリングとの間で「層」を形成しているリング、換言すれば、ピストンガイドとエラストマーリングとの間での半径方向領域におけるリングのリング厚が軸線方向におけるリング幅に比べて小さいようなリングであると理解される。すなわち、半径方向において比較的薄く、軸線方向において比較的幅広であるリング、すなわち特にこの領域において軸線方向における長さよりも半径方向において薄いリングである。
【0005】
本発明による解決手段により、エラストマーリングの予緊張が層リングへ伝達され、その結果エラストマーリングによって伝達された接触力が層リングとピストンガイドとの間の密封隙間において再現される。これにより、従来のOリングパッキンに比べて、パッキンとピストンガイドとの間でのより小さな摩擦が可能である。よって、ピストンガイドでの潤滑膜の形成に関して、摩擦の少ないリップパッキンのような効果を得ることができ、しかもリップパッキンの欠点は生じない。したがって、従来のリップパッキンに対しては、ピストンでのパッキンの保持に関して、本発明による解決手段に対して必要な寸法要求よりも高い寸法要求を課さねばならないであろう。本発明による層リングは、好ましくは、エラストマーリングよりも弾性が小さい材料から作製されており、その際特にその弾性係数(Eモジュール)は、弾性リングのそれよりも大きい。好ましくは、層リングは500N/mm以上の、特に700N/mm以上のEモジュールを有している。これに対し、エラストマーリングは好ましくは100N/mm以下の、特に70N/mm以下のEモジュールを有している。
【0006】
本発明の解決手段の有利な更なる構成では、層リングは横断面で見てL字状に構成され、ピストンのほうへ向けられる保持脚を備えている。保持脚は、本発明による層リングをピストンで十分に不動に位置固定するために用いる。したがって、特に、本発明による蓄圧器の全寿命にわたって、エラストマーリングと層リングとの間の正確な相対位置を確保することもできる。このような層リングは、さらに、ピストンガイドに当接する密封脚を有するのが好ましく、この密封脚によりエラストマーリングとピストンガイドとの間に上述した層が形成されている。本発明による有利な保持脚は、好ましくはピストンにおいてピストン溝内で保持されている。このピストン溝内には、好ましくはエラストマーリングもあり、この場合保持脚はエラストマーリングによって軸線方向にピストン溝の側壁に押し付けられているので特に有利である。
【0007】
択一的に、層リングは横断面で見てT字状に構成され、ピストンのほうへ向けられる保持脚を備えていると好ましい。これにより、L字状の層リングに比べて保持脚を軸線方向により幅広に構成することができる。これにより、ピストンとピストンガイドとの間での密封装置の摩擦特性および滑動特性に関して更なる利点が得られる。
【0008】
有利には、保持脚は、エラストマーリングの、ピストンの蓄積室側のほうへ向けられる側に配置されている。これにより、層リングはエラストマーリングの蓄積室側で保持され、これによって層リングは、ピストンが蓄積室内へ走入するときに引き込まれ、走出するときに押し出される。これにより、潤滑膜の形成に関する層リングの特に有利な作用が支援され、この作用はリップパッキンのそれに類似している。走入の際、液圧流体によって潤滑膜が引き込み形成され、この潤滑膜は走出の際に再び押しのけられる。
【0009】
さらに、本発明による層リングは好ましくはプラスチックから構成され、この場合プラスチックとは、本発明ではもっぱら熱可塑性プラスチックおよび熱硬化性プラスチックである。これは、特に、金属または他の非プラスチック性材料に対する区別のために用いる。
【0010】
その他の点では、本発明によるエラストマーリングは、好ましくは横断面で見て非対称に構成されている。これにより、特に、ピストンとピストンガイドとの間の潤滑膜を、半径方向におけるピストンの2つの運動方向に対し同じような強度または厚さで形成しないことが得られる。むしろ、非対称な密封により、ピストンの往復動の間に漏れ量を制御するための非対称接触圧経過も得られる。
【0011】
この場合エラストマーリングは、有利には、層リングでのその当接領域からピストンの流体室側へ急傾斜の密封フランクを備えるように構成されている。なお、急傾斜の密封フランクとは、横断面で見て12゜と45゜の間の、特に15゜と30゜の間の、密封フランクの表面とピストンガイドとの間のフランク角であると理解される。急傾斜の密封フランクは、ピストンが蓄積室から走出する際に液圧流体をピストンガイドから押しのけるために用いる。
【0012】
付加的にまたは択一的に、非対称なエラストマーリングは、層リングでのその当接領域からピストンの蓄積室側へ平らな密封フランクを備えるように構成されている。なお、平らな密封フランクとは、横断面で見て0゜と10゜の間の、特に2゜と8゜の間の密封フランクの表面とピストンガイドとの間のフランク角と理解される。平らな密封フランクは、ピストンが蓄積室内へ走入する際に目的に応じてある程度の液圧流体をピストンガイドにおいて取り除くために用いる。
【0013】
本発明による蓄圧器のエラストマーリングは、好ましくはピストンにおいてピストン溝で保持されている。この場合、このピストン溝は比較的粗い寸法公差で製造することができ、これによって製造コストを節減できる。
【0014】
さらに、本発明による蓄圧器では、ピストンもプラスチックから、特に繊維強化プラスチックから製造されている。これにより、製造コストをさらに低減させることができる。同時に、本発明による解決手段により、この種のピストンでは十分に摩損がなく、特にピストン表面の摩耗によってガラス繊維が露出することもないことを保証することができる。さもないと、摩耗が発生しないようにするために付加的なガイドリング等が必要であろうが、このことはピストンの大きな構造長さを伴うことにもなろう。
【0015】
次に、本発明による解決手段の実施形態を添付の模式的図面を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】蓄圧器を内設した車両ブレーキ装置の液圧回路図である。
図2】技術水準による第1の蓄圧器の縦断面図である。
図3】技術水準による第2の蓄圧器の縦断面図である。
図4】本発明による蓄圧器の第1実施形態の縦断面図である。
図5】本発明による蓄圧器の第2実施形態の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、一般的に慣用されていて従来の態様で最近の自動車で使用されるような車両ブレーキ装置10の一例を示している。車両ブレーキ装置10は4つの車輪ブレーキ12を含み、その際図1において左側に図示した両車輪ブレーキ12には、それぞれの自動車の前輪が付設されており、図1において右側に図示した両車輪ブレーキ12には、それぞれの自動車の後輪が付設されている。代替的な付設が可能である。車両ブレーキ装置10は、さらに、多数の液圧管14を含んでおり、これらの液圧管には、種々の機能のアッセンブリが接続されている。これらのアッセンブリに属しているのは、ブレーキマスターシリンダとブレーキ倍力装置とブレーキペダルとを備えたブレーキアクチュエータ16と、主開閉弁18と、切換え弁20と、ダンパー22と、逆送ポンプ24と、モータ26と、吸込弁28と、排出弁30と、逆止弁32と、蓄圧器34である。これら蓄圧器34は、排出弁30と逆止弁32との間で流体を誘導するように付属の液圧管14に接続されている。蓄圧器は、ブレーキアクチュエータ16から車輪ブレーキ12へ搬送されてこれら蓄圧器内にある液圧流体またはブレーキ流体を特に排出弁30を用いて迅速に再び車輪ブレーキ12から排出できるように、適合されている。
【0018】
図2および図3は、従来の蓄圧器34の2つの実施態様を示している。これらはそれぞれ、内部に円筒状の流体室38を形成した、アルミニウムから成るハウジング36を有している。流体室38は、端壁40と筒状のピストンガイド42とによって画成されている。ピストンガイド42ではピストン44が摺動可能に支持されている。したがって、ピストン44は蓄積室46を流体室38から仕切っている。蓄積室46内には、金属から成るコイル状のばね48が配置され、このばねは端面側を同様に金属製のカバー50で支持されており、したがってピストン44を流体室38の方向に押している。流体室38は、管52により流体を誘導するように上述したような残りの液圧管14に連結されている。これにより、流体室38は液圧管14内にもあるようなブレーキ流体で充填されている。
【0019】
ピストン44は、さらに、それぞれパッキンを用いてピストンガイド42に対し密封されており、この場合図2による実施態様では、横断面にてO字状のエラストマーリングの形態でパッキン54が設けられている。これに対し、図3による実施態様では、パッキン56は横断面にてV状のエラストマーリングとして構成され、このエラストマーリングはその密封脚部の1つでもってピストンガイド42でリップパッキンを形成している。前記エラストマーリングは、付属のピストン44においてそれぞれ、該ピストンの筒周に沿って周回するように延びている、横断面にて長方形のピストン溝58内で支持されている。この場合、図3による実施態様では、ピストン44にそれぞれ、その軸線方向端部領域に位置するように、エラストマーリングに比べてより硬いプラスチックから成る2つのガイドリング60が必要であり、これによってこのピストン44の軸線方向長さは図2による実施態様の場合よりも長くなる。
【0020】
図4および図5には、それぞれ本発明による蓄圧器34の実施形態が図示され、この蓄圧器では、図2および図3による実施態様に対応してハウジング36、流体室38、端壁40、ピストンガイド42、ピストン44、蓄積室46、ばね48、カバー50、および管52が設けられている。
【0021】
しかしながら、これら実施形態では、前述した実施態様の場合とは異なり、ピストン44とピストンガイド42との間にパッキンが形成されている。すなわち、両実施形態におけるこのパッキンのために、エラストマーリング64から半径方向外側に位置するようにそれぞれプラスチックから成る層リング66が設けられており、層リングはピストン44で保持されて、エラストマーリング64によってピストンガイド42に対し押し付けられている。
【0022】
図4による実施形態では、層リング66は、ピストン44のほうへ向けられる保持脚68とピストンガイド42に対し平行に延びている密封脚70とを備えて、横断面で見てL字状に構成されている。その際、密封脚70は保持脚68を起点として流体室38の方向へ向けられている。図5による実施形態は、横断面で見てT字状であり、密封脚70および保持脚68以外に、ピストンガイド42に対し平行に蓄積室46の方向に向けられている滑動脚72を有する層リング66を示している。よって、滑動脚72は同様にピストン44の外側の周面とピストンガイド42との間にあり、そこで密封脚70と同様に、ピストン44がピストンガイド42の内側で往復動する際の該ピストンの材料の摩損を阻止している。
【0023】
したがって、層リング66をこのようにピストンガイド42に対し押圧させているエラストマーリング64は、層リング66を用いてピストン44とピストンガイド42との間での密封結合を形成しており、同時に層リング66を用いてピストンガイド42での摩損を防止している。この場合、エラストマーリング64は横断面で見て非対称に構成され、すなわち層リング66のほうに向かって傾斜が異なる密封フランクを有しており、つまりこれらの密封フランクに関しては、横断面で見て、半径方向に関し軸対称ではない。この場合エラストマーリング64は、層リング66でのその当接領域から流体室側または流体室38の側へ急傾斜の密封フランク74を備えるように構成され、且つ層リング66でのその当接領域から蓄積室側または蓄積室46の側へ平らな密封フランク76を備えるように構成されている。平らな密封フランク76は、該密封フランク76の表面とピストンガイド42との間に、横断面で見て10゜のフランク角78を有している。そこで測って、急傾斜の密封フランク74は25゜のフランク角80を有している。
【0024】
エラストマーリング64は、パッキン54と56もそうであるが、ピストン溝58を用いてピストン44に固定保持されている。この場合、層リング66の密封の作用およびこれと同時に摩擦を防止する作用により、前記ピストン溝58は比較的粗い寸法公差をもって製造されていてよい。したがって、特に、図4および図5によるピストン44が繊維強化プラスチックから製造されていることも可能である。
【符号の説明】
【0025】
10 車両ブレーキ装置
12 車輪ブレーキ
14 液圧管
16 ブレーキアクチュエータ
18 主開閉弁
20 切換え弁
22 ダンパー
24 逆送ポンプ
26 モータ
28 吸込弁
30 排出弁
32 逆止弁
34 蓄圧器
36 ハウジング
38 流体室
40 端壁
42 ピストンガイド
44 ピストン
46 蓄積室
48 ばね
50 カバー
52 管
54 パッキン(エラストマーリング O字状)
56 パッキン(エラストマーリング V字状)
58 ピストン溝
60 ガイドリング
62 本発明によるパッキン
64 エラストマーリング
66 層リング
68 保持脚
70 密封脚
72 滑動脚
74 急傾斜の密封フランク
76 平らな密封脚
78 フランク角
80 フランク角
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】