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特開2022-82925地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082925
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法
(51)【国際特許分類】
   A41G 5/02 20060101AFI20220527BHJP
【FI】
A41G5/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194102
(22)【出願日】2020-11-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】514009535
【氏名又は名称】株式会社LASHDOLL JAPAN
(74)【代理人】
【識別番号】100076093
【弁理士】
【氏名又は名称】藤吉 繁
(72)【発明者】
【氏名】西川 瞳
(57)【要約】      (修正有)
【課題】施術者の技量に左右されず、長く安定した固定状態を維持出来、高品質で美容効果も高い、エクステンション用の人工毛を地まつ毛に確実に接着固定する方法を提供する。
【解決手段】最初に固定しようとする人工毛1の根元部分にシアノアクリレートを主成分とする液状のグルー6を付着させると共に、この人工毛を固定すべき地まつ毛2周面の接着予定箇所の対向面にも同じグルーを付着させた後、グルーが付着したこの人工毛を地まつ毛の固定予定箇所に接着し、その後、次に固定すべき人工毛の根元部分に前回同様同じグルーを付着させ、この人工毛を既に人工毛が接着されている箇所の対向面に接着し、順次この作業を繰り返すことにより、人工毛の根元付近に付着したグルー同士の間に生じる分子間力によってグルー同士が相互に引き寄せ合って、地まつ毛周面に人工毛の根元部分を覆うグルーの安定した膜9を形成させる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地まつ毛の周面に複数のまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法であって、最初に固定しようとする人工毛の根元部分にシアノアクリレートを主成分とする液状のグルーを付着させると共に、この人工毛を固定すべき地まつ毛周面の接着予定箇所の対向面にも同じグルーを付着させた後、グルーが付着したこの人工毛を地まつ毛の固定予定箇所に接着し、その後、次に固定すべき人工毛の根元部分に前回同様同じグルーを付着させ、この人工毛を既に人工毛が接着されている箇所の対向面に接着し、順次この作業を繰り返すことにより、人工毛の根元付近に付着したグルー同士の間に生じる分子間力によってグルー同士が相互に引き寄せ合って、地まつ毛周面に人工毛の根元部分を覆うグルーの安定した膜を形成させ、グルーが硬化することにより人工毛が地まつ毛へ固定される様にしたことを特徴とする地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法。
【請求項2】
人工毛の複数本を並列状態に整列させた人工毛集合体を一単位として、複数の人工毛集合体を地まつ毛周面に接着せしめることを特徴とする請求項1記載の地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法。
【請求項3】
地まつ毛周面に、根元部分同士が相接する様に複数の人工毛を隙間なく接着せしめることを特徴とする請求項1記載の地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法。
【請求項4】
地まつ毛周面に、根元部分が離隔した状態で複数の人工毛を接着せしめることを特徴とする請求項1記載の地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法。
【請求項5】
一対の人工毛を、その軸芯が地まつ毛の軸芯に対して互いに斜めに交差する様な角度を保って地まつ毛に巻き付く様に接着せしめることを特徴とする請求項1記載の地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法。
【請求項6】
地まつ毛に固定すべき人工毛は、その複数本の根元部分が集束され、毛先部分が放射状に離隔されて扇状を呈した扇状人工毛集束体となっていることを特徴とする請求項1記載の地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法。
【請求項7】
グルーの粘度が50乃至1000Pa.S(ミリパスカル秒)であることを特徴とする請求項1乃至6記載の地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、まつ毛に関する美容術、詳しくは、まつ毛エクステンションと称される美容術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学繊維から作られた人工毛を地まつ毛に固定する、まつ毛エクステンションと称される美容術は、つけまつ毛に比べ自然な感じで、まつ毛の長さやボリューム感をアップさせることが出来るので、美容効果が高いとして、近年多くの女性に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第595355号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このまつ毛エクステンションは、まぶたに生えている地まつ毛にエクステンション用の人工毛をグルーと称される接着剤によって接着して固定するものであり、洗顔などが行われる日常生活の場においても、一定期間人工毛が地まつ毛に固定された状態が維持し続ける必要があり、地まつ毛の個人的特性や状態、施術者の技量などによっても当然左右されるが、一般的に、まつ毛エクステンションの耐用期間は3週間から1か月程度で、時間の経過と共に人工毛の地まつ毛への固定が弱まることは防げず、グルーによる人工毛の接着が不十分だと当初想定していた耐用期間まで安定した固定状態が維持されず、これより短い期間で地まつ毛から人工毛が剥がれ落ちてしまう事態が生じてしまうことになる。
【0006】
このため、固定を確実強固にしようとして、グルーの使用量を多くしたり、グルーの塗布面積を広くすると、外観上不自然な印象を与えたり、地まつ毛やこれが生えているまぶたに過度な負担や悪影響を与えかねないので、グルーの使用量や塗布面積は必要最小限にする必要があるが、人工毛の確実強固な接着固定との兼ね合いがむずかしく、施術者の技量によって、仕上がり具合や耐久性に大きな違いが生じていたのが現状である
【0007】
本発明者は、まつ毛エクステンションにおける上記問題を解決せんとして鋭意研究を行った結果、グルーとして用いる接着剤の特性に着目し、その塗布方法に工夫を凝らすことにより、施術者の技量に左右されず、エクステンション用の人工毛を地まつ毛に確実に接着固定し、長く安定した固定状態を維持出来、高品質で美容効果も高い、地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法を開発することに成功し、本発明として、ここに提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
地まつ毛の周面に複数のまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する際に、最初に固定しようとする人工毛の根元部分にシアノアクリレートを主成分とする液状のグルーを付着させると共に、この人工毛を固定すべき地まつ毛周面の接着予定箇所の対向面にも同じグルーを付着させた後、グルーが付着したこの人工毛を地まつ毛の固定予定箇所に接着し、その後、次に固定すべき人工毛の根元部分に前回同様同じグルーを付着させ、この人工毛を既に人工毛が接着されている箇所の対向面に接着し、順次この作業を繰り返すことにより、人工毛の根元付近に付着されたグルー同士の間に生じる分子間力によってグルー同士が相互に引き寄せ合って、地まつ毛周面に人工毛の根元部分を覆うグルーの安定した膜を形成させ、これらグルーが硬化することにより人工毛が地まつ毛へ強固に固定される様にして上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0009】
人工毛の固定作業の前に、この人工毛の固定箇所の反対側にもシアノアクリレートを主成分とするグルーを予め塗布しておくので、このグルーの特性として、その硬化前には、このグルーが持つ濡れ性により、地まつ毛に付着しているグルー同士の間に分子間力が働き、相互に引き寄せ合い、グルーが地まつ毛の周面に行き渡って、地まつ毛の周面にグルーの安定した膜が形成される。そして、これが硬化した後は、地まつ毛と人工毛との接着がより強固になり、長期間の強固な接着固定状態が安定的に継続され、人工毛の地まつ毛からの不意の離脱が効果的に阻止され、まつ毛エクステンションの耐用期間を従来のものに比べ大幅に延長させることが出来る。又、一連の作業は特に熟練を必要とせず、比較的簡単に行うことが出来、グルーの使用量も結果的に少なくてすむので、地まつ毛やこれが生えているまぶたに過度な負担や悪影響を与えることなく、経験の浅い施術者でも自然な感じで、ボリューム感があり、美容効果が高く、耐久性にも富む、高品質のまつ毛エクステンション用の人工毛固定作業を実施出来る効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の実施例1において用いる人工毛の拡大斜視図。
図2】実施例1における固定作業に先立ち、すのこ状に並列せしめられた人工毛の拡大斜視図。
図3】実施例1において、すのこ状に並列された人工毛の数本をツイーザーにより同時に摘み上げた状態の拡大斜視図。
図4】実施例1において、ツイーザーによって摘み上げた人工毛に液状のグルーが付着される状態の拡大斜視図。
図5】実施例1において、人工毛を固定すべき地まつ毛の拡大斜視図。
図6】同5に示す地まつ毛の拡大断面図。
図7】実施例1において、第1回目の人工毛の固定作業中の状況を説明した地まつ毛の拡大断面図。
図8図7に示した第一回目の人工毛の固定作業終了後、グルーが分子間力によって引き寄せ合っている状況を説明した地まつ毛の拡大断面図。
図9】実施例1において、第1回目の人工毛の固定作業が終了した状態の地まつ毛の拡大断面図。
図10】実施例1において、第2回目の人工毛の固定作業中の状況を説明した地まつ毛の拡大断面図。
図11】実施例1において、第2回目の人工毛の固定作業が完了した状態の地まつ毛の拡大斜視図。
図12図11に示した状態の地まつ毛の拡大断面図。
図13】実施例1において、人工毛の他の固定状況を示した地まつ毛の拡大断面図。
図14】同じく、実施例1において、更に別の固定状況を示した地まつ毛の拡大断面図。
図15】実施例2において、一対の人工毛を地まつ毛に固定した状態の拡大断面図。
図16図15に示した状態の地まつ毛の拡大断面図。
図17】実施例3において用いる人工毛を束ねた扇状人工毛集束体の斜視図。
図18】同じく実施例3を実施するに当って、その第1段階として、扇状人工毛集束体に液状のグルーを付着させた状態の拡大斜視図。
図19】同じく、その第2段階として、地まつ毛の所定位置に液状のグルーを付着させた状態の地まつ毛の根元方向から見た拡大断面図。
図20】次の段階として、地まつ毛に扇状人工毛集束体を接着固定しようとしている状態の拡大斜視図。
図21図22に示した状態の地まつ毛の根元方向から見た拡大断面図。
図22】実施例3において、地まつ毛周面に付着せしめられたグルーが分子間力によって相互に引き寄せ合っている状態を説明した地まつ毛の根元方向から見た拡大断面図。
図23】実施例3において、地まつ毛に1個目の扇状人工毛集束体を固定した状態の拡大斜視図。
図24】同じく、更に次の段階として、2個目の扇状人工毛集束体にグルーを付着させた状態の拡大斜視図。
図25】同じく、2個目の扇状人工毛集束体を地まつ毛に接着する直前の状態の拡大斜視図。
図26図25に示す状態の地まつ毛の根元方向から見た拡大断面図。
図27】実施例3において、1個目の扇状人工毛集束体の固定箇所付近に液状のグルーを更に付着させ、グルー同士が分子間力によって引き寄せ合う状態を説明した地まつ毛の根元方向から見た拡大断面図。
図28】実施例3において、地まつ毛へのすべての扇状人工毛集束体の固定作業が完了した状態の拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
地まつ毛にまつ毛エクステンション用の複数本の人工毛を接着固定しようとする際に、これら人工毛の地まつ毛への固定予定箇所の反対側にも予めシアノアクリレートを主成分とするグルーを付着せしめておき、人工毛をグルーによって地まつ毛の固定予定箇所に接着せしめたとき、シアノアクリレートを主成分とするこのグルーの持つ濡れ性により、予め付着せしめられている地まつ毛の表面のグルーと人工毛の根元部分のグルーとの間に生じる分子間力でグルー同士が相互に引き寄せ合うことにより、地まつ毛周面にグルーの安定した膜を形成し、グルーの硬化により、人工毛の地まつ毛への接着固定をより安定的で強固なものにした点に最大の特徴が存する。
【実施例0012】
図面を参照しながら、この発明に係る地まつ毛にまつ毛エクステンション用の人工毛を固定する方法の実施例1を説明する。
【0013】
図1は、この発明において用いられるまつ毛エクステンション用の人工毛を示すものであり、人工毛1は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などを素材とし、固定されるべき地まつ毛2より径が細い根元部分3と、それよりさらに径の細いテーパ状に先細った上方部分4とからなっており、固定作業に先立ち、この人工毛1の複数本を予め、図2に示す様に、その根元部分3が相接する様に、すのこ状に並列せしめておく。
【0014】
そして、この人工毛1の数本を、図3に示す様に、並列したままの状態でその根元部分3をツイーザー5によって同時に摘み上げ、図4に示す様に、グループレート8の上面に盛り上げられた液状のグルー6の塊を、それら人工毛1の根元部分3ですくい取り、この根元部分3にこの液状のグルー6を付着させる。
【0015】
この発明において用いるグルー6は、シアノアクリレートを主成分とし、これにPMMA(アクリル樹脂)や湿気硬化型ウレタンなどからなる増粘剤やアセトン系促進剤などを配合した接着剤であり、反応速度が速く、空気中のわずかな水分と反応し、短時間で硬化する特性を有しており、従来よりまつ毛エクステンション用として用いられているものである。なお、シアノアクリレートにはメチル系、エチル系、ブチル系、エトキシエチル系、オクチル系などが存在しており、これらはいずれも用いることが出来る。まつ毛エクステンションの分野においては、前述のシアノアクリレート以外のグルーも用いられることもあるが、持続性において問題があったり、白色現象が起きたりするので、好ましくない。
又、一般的に、グルー6の粘度はmPa・S(ミリパスカル秒)で表されるが、硬化時間や作業性、濡れ性などの観点から、50乃至1000mPa・S(ミリパスカル秒)の粘度を有するグルーが好ましく、特に、150乃至300mPa・S(ミリパスカル秒)の粘度を有するグルーが好適に使用される。
【0016】
一方、図5は人工毛1を固定すべき地まつ毛2の斜視図、図6はその断面図であり、これら図5及び図6に示す様に、液状のグルー6を地まつ毛2の接着予定箇所7の反対側にも予め塗布しておき、その後、グルー6が付着している並列状態の人工毛1を、図7に示す様に、ツイーザー5で摘んで地まつ毛2の接着予定箇所7に接着する。すると、図8に示す様に、人工毛1に付着している液状のグルー6と地まつ毛2の反対側に塗布されている液状のグルー6は相互に引き寄せ合い、図9に示す様に、地まつ毛2の周面にこのグルー6の安定した膜9が形成される。
なお、液状のグルー6同士が引き寄せ合うのは、グルー6の持つ濡れ性に基づくものであり、この濡れ性は同材料間でより強く作用し、シアノアクリレートを主成分とする液状のグルー6同士にこの濡れ性に起因する分子間力が働く為である。
【0017】
更に、その後、前回同様、すのこ状に並列せしめられている一群の人工毛1の数本を同じように、ツイーザー5で同時に摘み上げ、グループレート8の上面に盛り上げられている液状のグルー6の塊を、それらの人工毛1の根元部分3ですくい取り、根元部分3にグルー6を付着させ、図10に示す様に、既に人工毛1が接着されている箇所の反対側に、この人工毛1を接着させる。この際にも、第1回目の人工毛1の固定作業の際と同様、液状のグルー6の持つ濡れ性に起因した分子間力がグルー6同士に働き、地まつ毛2の周面の膜9はさらに一層安定的で強固なものになる。図11は、このようにして固定作業を完了した地まつ毛2の斜視図、図12はその断面図である。
【0018】
なお、この実施例1においては、地まつ毛2への人工毛1の接着固定作業は2回に分けて行っているが、3回以上に分けて行ってもよい。又、この実施例1においては、人工毛1は図12に示す様に、4本ずつまとめて地まつ毛2に接着せしめられているが、図13に示す様に、相互に隙間を取って、地まつ毛2に接着固定せしめても良く、さらに図14に示す様に、隙間なく接着固定せしめても良い。又、上記各図において図示した人工毛1は、いずれも断面が円形のものであるが、楕円形断面のもの、ひょうたん型断面のもの、馬蹄型断面のものなど、円形以外の断面形状のものであっても良い。
【0019】
この実施例1は、上記のとおりの構成を有するものであり、人工毛1の接着作業の前に、人工毛1の接着予定箇所7の反対側にも同じシアノアクリレートを主成分とする液状のグルー6を予め塗布しておくので、接着作業後は、地まつ毛2に付着しているこれらグルー6とグルー6との間に生じる分子間力によってグルー6が相互に引き寄せ合い、液状のグルー6が地まつ毛2の周面に行き渡って、地まつ毛の周面にグルー6の安定した膜9が形成される。従って、グルー6の硬化後は、地まつ毛2と人工毛1との接着がより強固になり、長期間の強固な接着状態が安定的に継続され、人工毛1の地まつ毛2からの不意の離脱が効果的に阻止され、まつ毛エクステンションの耐用期間を従来のものに比べ、大幅に延長させることが出来る。なお、従来のまつ毛エクステンションの耐用期間は、一般的に、3週間から1か月程度であるが、この実施例1の場合は、1か月半程度に延長させることが出来た。
【0020】
又、一連の作業は特に熟練を必要とせず、比較的簡単に行うことが出来、グルー6の使用量も結果的に少なくてすみ、地まつ毛2やこれが生えているまぶたに過度な負担や悪影響を与えることなく、経験の浅い施術者でも自然な感じで、ボリューム感があり、美容効果が高く、耐久性にも富む高品質のまつ毛エクステンション用の人工毛固定作業を実施出来る。
【実施例0021】
この実施例2においては、地まつ毛2に接着固定される人工毛1は2本、つまり一対であり、図15図16に示す様に、一対の人工毛1はその軸芯Bが地まつ毛2の軸芯Aに対して斜めに交差する様な角度を保って、クロス状態で地まつ毛2に巻き付く様にそれぞれ接着固定されている。人工毛1の根元部分3へのグルー6の塗布要領や地まつ毛2の周面へのグルー6の塗布要領は前述の実施例1の場合と全く同じである。
この実施例2においては、人工毛1は地まつ毛2の軸芯に対して斜めに交差する様に接着固定されているので、人工毛1と地まつ毛2との接触面積を大きくすることが出来、それに伴い人工毛1の地まつ毛2への接着固定もより安定的で強固になる。
又、一対の人工毛1は地まつ毛2に巻き付く様に交差して固定されているので、わずか2本の人工毛1でも十分なボリューム感をもたらすことが出来る。
【実施例0022】
この実施例3においては、地まつ毛2に固定すべき人工毛1は、図17に示す様に、その複数本の根元部分3が集束され、毛先部分4が放射状に離隔されて扇状を呈した扇状人工毛集束体10となっている。
まず初めに、図18に示す様に、この扇状人工毛集束体10の根元部分3に液状のグルー6を付着させると共に、図19に示す様に、この扇状人工毛集束体10を接着固定しようとする地まつ毛2の接着予定箇所7の反対側にも同じグルー6を付着させる。
更に、この扇状人工毛集束体10を接着固定しようとする地まつ毛2の接着予定箇所7の反対側にも同じグルー6を付着させた後、図20図21図23にそれぞれ示す様に、この扇状人工毛集束体10を地まつ毛2の接着予定箇所7に巻き付けるように接着する。
すると、図22に示す様に、扇状人工毛集束体10に付着している液状のグルー6と地まつ毛2の反対側に付着されている液状のグルー6は相互に引き寄せ合い、地まつ毛2の周面にこのグルー6の膜9が形成される。更にその後、既に1回目の接着作業を完了した扇状人工毛集束体10の根元付近にグルー6を付着させ、図24に示す様に、別の扇状人工毛集束体10の根元部分3に同じ様に液状のグルー6を付着させて、この扇状人工毛集束体10を図25及び図26に示す様に、1回目の扇状人工毛集束体10の接着作業の前にグルー6を付着させた箇所に巻き付ける様に接着する。
【0023】
すると、図27に示す様に、これら地まつ毛2の周面に付着されたこれら液状のグルー6の間に生じる分子間力によって地まつ毛2に付着しているグルー6同士は相互に引き寄せられ、地まつ毛2の周面に形成されているグルー6の膜9はより一層安定的で強固なものとなる。
図28は、グルー6が硬化し、扇状人工毛集束体10の地まつ毛2への接着固定作業が完了した状態を示すものである。
なお、上記実施例3においては、地まつ毛2への扇状人工毛集束体10の接着作業は2回に分けて行っているが、3回以上に分けて行ってもよい。
【0024】
この実施例3においても、前述の実施例1の場合と同様、地まつ毛2の周面に塗布された液状のグルー6同士が分子間力によって引き寄せ合い、地まつ毛2周面にグルー6の安定した膜9が形成されるので、複数の人工毛を束ねた扇状人工毛集束体10であっても、地まつ毛2の周面に安定的かつ強固に固定される。
【産業上の利用可能性】
【0025】
美容の分野において、大いに利用価値がある。
【符号の説明】
【0026】
1 人工毛
2 地まつ毛
3 根元部分
4 毛先部分
5 ツイーザー
6 グルー
7 接着予定箇所
8 グループレート
9 膜
10 扇状人工毛集束体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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