(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022084146
(43)【公開日】2022-06-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1368 20060101AFI20220531BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20220531BHJP
G09F 9/35 20060101ALI20220531BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220531BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20220531BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
G02F1/1368
G02B5/20 101
G09F9/35
G09F9/30 338
G02F1/1343
G02F1/1335 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195814
(22)【出願日】2020-11-26
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 恭輔
【テーマコード(参考)】
2H092
2H148
2H192
2H291
5C094
【Fターム(参考)】
2H092GA14
2H092GA17
2H092JA25
2H092JA44
2H092JA46
2H092JB02
2H092JB24
2H092JB33
2H092JB52
2H092JB54
2H092JB57
2H092JB58
2H092PA08
2H092PA09
2H148BB01
2H148BD11
2H148BD14
2H148BD21
2H148BE36
2H148BG02
2H148BH04
2H192AA24
2H192BB12
2H192BC34
2H192CB02
2H192EA04
2H192EA06
2H192EA13
2H192EA17
2H192EA42
2H192EA43
2H192EA67
2H192EA72
2H192EA74
2H192FA73
2H192FB02
2H192JA32
2H291FA04Y
2H291FA15Y
2H291FA42Z
2H291FA52Z
2H291FA71Z
2H291FA81Z
2H291FD20
2H291FD25
2H291GA05
2H291GA10
2H291GA19
2H291HA15
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA09
5C094GB01
(57)【要約】
【課題】 高精細化が可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る表示装置は、基材と、前記基材に設けられたスイッチング素子と、前記スイッチング素子に走査信号を供給する走査線と、前記スイッチング素子を覆うとともにコンタクトホールを有した有機絶縁層と、前記有機絶縁層の上方に設けられ、前記コンタクトホールを通じて前記スイッチング素子に接続された画素電極と、前記有機絶縁層の上方に設けられ、前記走査線と平行に延びる金属配線と、を備えている。前記走査線、前記金属配線および前記コンタクトホールは、平面視において重なっている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材に設けられたスイッチング素子と、
前記スイッチング素子に走査信号を供給する走査線と、
前記スイッチング素子を覆うとともにコンタクトホールを有した有機絶縁層と、
前記有機絶縁層の上方に設けられ、前記コンタクトホールを通じて前記スイッチング素子に接続された画素電極と、
前記有機絶縁層の上方に設けられ、前記走査線と平行に延びる金属配線と、を備え、
前記走査線、前記金属配線および前記コンタクトホールは、平面視において重なっている、
表示装置。
【請求項2】
前記走査線は、前記コンタクトホールと重なる位置において第1線幅を有し、
前記金属配線は、前記コンタクトホールと重なる位置において前記第1線幅よりも小さい第2線幅を有している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記コンタクトホールは、前記スイッチング素子側の下端部において第1開口幅を有し、
前記第2線幅は、前記第1開口幅よりも大きく、かつ前記第1線幅よりも小さい、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記コンタクトホールは、前記下端部の反対側の上端部において第2開口幅を有し、
前記第2線幅は、前記第2開口幅よりも大きい、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記金属配線は、前記コンタクトホールと重なる位置において前記コンタクトホールの内側に窪んでいる、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
共通電圧が印加される共通電極をさらに備え、
前記共通電極は、前記コンタクトホールの内側に窪んだ凹部を有し、
前記金属配線は、前記凹部の縁に形成される角部を覆っている、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記コンタクトホールの内側を満たす充填部材をさらに備え、
前記金属配線は、前記充填部材の上方に位置している、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記有機絶縁層により覆われたカラーフィルタをさらに備える、
請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
基材と、
前記基材に設けられたスイッチング素子と、
前記スイッチング素子に走査信号を供給する走査線と、
前記スイッチング素子を覆うとともにコンタクトホールを有した有機絶縁層と、
前記有機絶縁層の上方に設けられ、前記コンタクトホールを通じて前記スイッチング素子に接続された画素電極と、
前記走査線および前記コンタクトホールと重なる遮光層と、を備え、
前記有機絶縁層と前記遮光層の間に設けられた層が前記コンタクトホールの内側に窪むことにより凹部が形成され、
前記遮光層は、前記凹部の縁に形成される角部を覆っている、
表示装置。
【請求項10】
前記遮光層は、前記走査線と平行に延びるとともに平面視において前記コンタクトホールと重なる金属配線である、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記遮光層は、前記凹部を満たすとともに前記凹部の周囲にはみ出した遮光性の樹脂である、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記有機絶縁層により覆われたカラーフィルタをさらに備える、
請求項9乃至11のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置などの表示装置において、一層の高精細化が求められている。高精細化を達成するためには、表示領域に配置される画素電極とスイッチング素子(薄膜トランジスタ)を接続するためのコンタクトホールや各種の配線のレイアウトを効率化する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一態様における目的は、高精細化が可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、基材と、前記基材に設けられたスイッチング素子と、前記スイッチング素子に走査信号を供給する走査線と、前記スイッチング素子を覆うとともにコンタクトホールを有した有機絶縁層と、前記有機絶縁層の上方に設けられ、前記コンタクトホールを通じて前記スイッチング素子に接続された画素電極と、前記有機絶縁層の上方に設けられ、前記走査線と平行に延びる金属配線と、を備えている。前記走査線、前記金属配線および前記コンタクトホールは、平面視において重なっている。
【0006】
また、一実施形態に係る表示装置は、基材と、前記基材に設けられたスイッチング素子と、前記スイッチング素子に走査信号を供給する走査線と、前記スイッチング素子を覆うとともにコンタクトホールを有した有機絶縁層と、前記有機絶縁層の上方に設けられ、前記コンタクトホールを通じて前記スイッチング素子に接続された画素電極と、前記走査線および前記コンタクトホールと重なる遮光層と、を備えている。前記有機絶縁層と前記遮光層の間に設けられた層が前記コンタクトホールの内側に窪むことにより凹部が形成されている。前記遮光層は、前記凹部の縁に形成される角部を覆っている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る液晶表示装置の構成例を概略的に示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る表示パネルの概略的な平面図である。
【
図3】
図3は、副画素のレイアウトの一例を示す概略的な平面図である。
【
図4】
図4は、副画素を構成する要素の一部を示す概略的な平面図である。
【
図5】
図5は、
図4におけるV-V線に沿う表示パネルの概略的な断面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態における第1基板の概略的な断面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態における副画素を構成する要素の一部を示す概略的な平面図である。
【
図8】
図8は、
図7におけるVIII-VIII線に沿う第1基板の概略的な断面図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態における第1基板の概略的な断面図である。
【
図10】
図10は、第5実施形態における第1基板の概略的な断面図である。
【
図11】
図11は、第6実施形態における第1基板の概略的な断面図である。
【
図12】
図12は、第7実施形態における副画素を構成する要素の一部を示す概略的な平面図である。
【
図13】
図13は、
図12におけるXIII-XIII線に沿う第1基板の概略的な断面図である。
【
図14】
図14は、第8実施形態における第1基板の概略的な断面図である。
【
図15】
図15は、第9実施形態における表示パネルの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0009】
各実施形態においては一例として、液晶表示素子を有した液晶表示装置を開示する。ただし、各実施形態は、例えば有機エレクトロルミネッセンス表示素子、マイクロLED、またはミニLEDなどの他種の表示素子を備える表示装置に対する、各実施形態にて開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。また、各実施形態にて開示される技術的思想は、静電容量式センサや光学式センサなどのセンサ素子を有するアレイ基板や電子機器にも応用し得る。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る液晶表示装置1(以下、表示装置1と呼ぶ)の構成例を概略的に示す分解斜視図である。図示したようにX方向、Y方向およびZ方向を定義する。これらX,Y,Z方向は、本実施形態においては互いに直交する方向であるが、垂直以外の角度で交わってもよい。Z方向と平行に表示装置1やその構成要素を見ることを平面視と呼ぶ。また、Z方向の矢印が示す方向を上方、その反対方向を下方と呼ぶことがある。
【0011】
表示装置1は、表示パネル2と、バックライト3とを備えている。
図1の例において、バックライト3は、表示パネル2に対向する導光体LGと、導光体LGの側面に対向する複数の発光素子LSとを備えたサイドエッジ型である。ただし、バックライト3の構成は
図1の例に限られず、画像表示に必要な光を供給する構成であればよい。
【0012】
図1の例において、表示パネル2および導光体LGは、いずれもX方向に沿う長辺と、Y方向に沿う短辺とを有する長方形状に形成されている。表示パネル2および導光体LGは、長方形状に限られず、他の形状であってもよい。
【0013】
表示パネル2は、透過型の液晶パネルであり、第1基板SUB1(アレイ基板)と、第1基板SUB1に対向する第2基板SUB2(対向基板)と、これら基板SUB1,SUB2の間に封入された液晶層LCとを備えている。表示パネル2は、例えば矩形状の表示領域DAを有している。
【0014】
さらに、表示装置1は、光学シート群4と、第1偏光板5と、第2偏光板6とを備えている。光学シート群4は、導光体LGと表示パネル2の間に配置されている。例えば、光学シート群4は、導光体LGから出射する光を拡散する拡散シートDFと、多数のプリズムが形成された第1プリズムシートPR1および第2プリズムシートPR2とを含む。
【0015】
第1偏光板5は、光学シート群4と第1基板SUB1の間に配置されている。第2偏光板6は、第2基板SUB2の上方に配置されている。第1偏光板5の偏光軸と第2偏光板6の偏光軸は、互いに直交するクロスニコルの関係にある。
【0016】
表示装置1は、例えば、車載機器、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、ゲーム機器等の種々の装置に用いることができる。
【0017】
図2は、表示パネル2の概略的な平面図である。表示パネル2は、表示領域DAと、その周囲の周辺領域SAとを有している。
図2の例においては、第1基板SUB1の図中下辺が第2基板SUB2よりもY方向に突出している。これにより、第1基板SUB1には、第2基板SUB2と重ならない実装領域MAが形成されている。実装領域MAは、周辺領域SAの一部である。
【0018】
表示領域DAには、複数の画素PXがマトリクス状に配置されている。画素PXは、複数の副画素を含む。本実施形態では一例として、画素PXが赤色の副画素SPR、緑色の副画素SPG、青色の副画素SPBを含む。ただし、画素PXは、白色などの他の色の副画素を含んでもよい。
【0019】
表示パネル2は、複数の走査線Gと、複数の信号線S(映像線)と、第1走査ドライバGD1と、第2走査ドライバGD2と、セレクタ回路STとを備えている。複数の走査線Gは、X方向に延びるとともにY方向に並んでいる。複数の信号線Sは、Y方向に延びるとともにX方向に並んでいる。各走査線Gは、第1走査ドライバGD1または第2走査ドライバGD2に接続されている。各信号線Sは、セレクタ回路STに接続されている。
【0020】
図2の例においては、コントローラCTが実装領域MAに実装されている。また、実装領域MAには端子部Tが設けられ、この端子部Tにフレキシブル回路基板Fが接続されている。なお、コントローラCTは、フレキシブル回路基板Fに実装されてもよい。コントローラCTは、ICや各種の回路素子によって構成することができる。
【0021】
フレキシブル回路基板Fは、表示装置1が実装される電子機器の基板等から送られる各種の信号をコントローラCTに入力する。コントローラCTは、入力された信号に基づき、セレクタ回路STに映像信号を供給するとともに、第1走査ドライバGD1、第2走査ドライバGD2およびセレクタ回路STを制御する。走査ドライバGD1,GD2は、各走査線Gに走査信号を順次供給する。セレクタ回路STは、入力された映像信号を信号線Sに順次供給する。
【0022】
画素PXは、画素電極PEと、スイッチング素子SW(薄膜トランジスタ)と、共通電圧が供給される共通電極CEとを含む。スイッチング素子SWは、画素電極PE、走査線Gおよび信号線Sに接続され、走査線Gに走査信号が供給されると信号線Sの映像信号を画素電極PEに供給する。共通電極CEは、複数の副画素にわたって形成されている。画素電極PEに映像信号が供給されると、画素電極PEと共通電極CEの間に電位差が形成され、これにより生じる電界が液晶層LCに作用する。
【0023】
本実施形態においては、走査線G、信号線S、第1走査ドライバGD1、第2走査ドライバGD2、セレクタ回路ST、スイッチング素子SW、画素電極PEおよび共通電極CEがいずれも第1基板SUB1に形成されている。
【0024】
図3は、副画素SPR,SPG,SPBのレイアウトの一例を示す概略的な平面図である。副画素SPRには赤色のカラーフィルタCFRが配置され、副画素SPGには緑色のカラーフィルタCFGが配置され、副画素SPBには青色のカラーフィルタCFBが配置されている。本実施形態において、表示装置1は、カラーフィルタCFR,CFG,CFBがいずれも第1基板SUB1に配置されたCOA(Color Filter on Array)方式の構造を有している。
【0025】
図3の例においては、副画素SPR,SPG,SPBがX方向にこの順で並んでいる。また、副画素SPR,SPB,SPGがY方向にこの順で並んでいる。これにより、X方向およびY方向と交差する斜め方向に副画素SPRが並ぶ。同様に、副画素SPGが当該斜め方向に並ぶとともに、副画素SPBが当該斜め方向に並ぶ。
【0026】
カラーフィルタCFR,CFG,CFBは、副画素SPR,SPG,SPBに対してドット状(島状)に配置されている。Y方向に隣り合うカラーフィルタCFR,CFG,CFBの間には、隙間GPが形成されている。
【0027】
なお、副画素SPR,SPG,SPBおよびカラーフィルタCFR,CFG,CFBのレイアウトは、ここで例示したものに限られない。例えば、副画素SPRがY方向に並び、副画素SPGがY方向に並び、副画素SPBがY方向に並び、これら副画素SPRの列、副画素SPGの列、副画素SPBの列がX方向に順に並んでもよい。
【0028】
図4は、副画素を構成する要素の一部を示す概略的な平面図である。
図5は、
図4におけるV-V線に沿う表示パネル2の概略的な断面図である。これらの図においては主に副画素SPRの構成を例示するが、副画素SPG,SPBも副画素SPRと同様の構成を有している。
図4においては画素電極PE、共通電極CEおよびスイッチング素子SWなどの図示を省略している。
【0029】
図4においては、2本の走査線Gと、これら走査線Gと交差する2本の信号線Sとが示されている。これら走査線Gおよび信号線Sで囲われた領域に、副画素SPRの開口APが形成されている。
【0030】
開口APは、カラーフィルタCFRと重なっている。副画素SPRとX方向に隣り合う副画素SPB,SPGにはそれぞれカラーフィルタCFB,CFGが配置されている。副画素SPRとY方向に隣り合う副画素SPG,SPBにはそれぞれカラーフィルタCFG,CFBが配置されている。
【0031】
カラーフィルタCFR,CFG,CFBのX方向における両端部は、いずれも信号線Sと重なっている。信号線Sの上方において、隣り合うカラーフィルタの端部が接してもよいし、これら端部が重なってもよい。カラーフィルタCFR,CFG,CFBのY方向における両端部は、いずれも走査線Gと重なっている。走査線Gの上方において、隣り合うカラーフィルタの端部の間には、上述の隙間GPが形成されている。
【0032】
走査線Gおよび信号線Sの上方には、金属配線MLが配置されている。金属配線MLは、複数の第1線部ML1と、複数の第2線部ML2とを有している。第1線部ML1は、走査線Gと重なるとともに、走査線Gと平行に延びている。第2線部ML2は、信号線Sと重なるとともに、信号線Sと平行に延びている。第1線部ML1および第2線部ML2は、各副画素SPR,SPG,SPBの開口APにはみ出していない。これら第1線部ML1および第2線部ML2により、金属配線MLは、全体として格子状の平面形状を有している。本実施形態において、金属配線MLは、副画素の境界や後述するコンタクトホールCHなどを遮光する「遮光層」としての役割を有している。
【0033】
副画素SPRは、X方向において幅Wxを有し、Y方向において幅Wyを有している。幅Wxは、隣り合う信号線SのX方向における中心間の距離に相当する。幅Wyは、隣り合う走査線GのY方向における中心間の距離に相当する。例えば、幅Wxは9μm以下であり、幅Wyは12μm以下である。好ましくは、幅Wxは6μm以下であり、幅Wyは9μm以下である。このように幅Wy,Wxが小さければ、高精細な表示装置1を実現できる。
【0034】
図5に示すように、第1基板SUB1は、上述の走査線Gと、スイッチング素子SWと、画素電極PEと、共通電極CEと、金属配線MLと、カラーフィルタCFR,CFBとを備えている。
図5の断面には表れていないが、第1基板SUB1は、上述の信号線SおおよびカラーフィルタCFGも備えている。
【0035】
さらに、第1基板SUB1は、第1絶縁基材10と、第1絶縁層11と、第2絶縁層12と、第3絶縁層13と、第4絶縁層14と、有機絶縁層15と、第1配向膜16と、中継電極17とを備えている。
【0036】
第1絶縁基材10は、例えばガラスで形成されているが、ポリイミドなどの樹脂材料で形成されてもよい。絶縁層11~14は、窒化シリコンや酸化シリコンなどの無機材料で形成されている。有機絶縁層15は、アクリル樹脂などの有機材料で形成されている。画素電極PE、共通電極CEおよび中継電極17は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料で形成されている。走査線G、信号線Sおよび金属配線MLは、金属材料で形成されている。走査線G、信号線Sおよび金属配線MLは、単一の金属材料で形成された単層構造を有してもよいし、異なる種類の金属材料が積層された多層構造を有してもよい。金属配線MLは、反射率が低い材料で形成されることが好ましい。一例として、金属配線MLは、MoW(モリブデンタングステン合金)の単層構造やモリブデン/アルミニウム/モリブデンの積層構造(MAM)を有している。
【0037】
第1絶縁層11は、第1絶縁基材10の上面(第2基板SUB2側の面)を覆っている。第1絶縁層11の上には、スイッチング素子SWが備えるポリシリコンなどの半導体層SCが配置されている。第2絶縁層12は、半導体層SCおよび第1絶縁層11を覆っている。
【0038】
第2絶縁層12の上には、走査線Gが配置されている。第3絶縁層13は、走査線Gおよび第2絶縁層12を覆っている。第3絶縁層13の上には、スイッチング素子SWのドレイン電極DEが配置されている。
図5の断面には表れていないが、信号線Sも第3絶縁層13の上に配置されている。ドレイン電極DEは、信号線Sと同じ金属材料で形成することができる。中継電極17は、第3絶縁層13の上に形成され、ドレイン電極DEと接触している。中継電極17は、走査線Gと交差している。
【0039】
ドレイン電極DEは、第2絶縁層12および第3絶縁層13を貫通するコンタクトホールを通じて半導体層SCに接触している。信号線Sも第2絶縁層12および第3絶縁層13を貫通するコンタクトホールを通じて半導体層SCに接触している。信号線Sのうち半導体層SCに接触する部分は、スイッチング素子SWのソース電極を構成する。半導体層SCは、走査線Gと交差している。走査線Gのうち半導体層SCと対向する部分は、スイッチング素子SWのゲート電極を構成する。
【0040】
ドレイン電極DE、中継電極17および第3絶縁層13の上には、カラーフィルタCFR,CFG,CFBが配置されている。有機絶縁層15は、スイッチング素子SWおよびカラーフィルタCFR,CFG,CFBを覆っている。カラーフィルタCFR,CFG,CFBおよび有機絶縁層15は、他の絶縁層11~14よりも厚く形成されている。有機絶縁層15は、スイッチング素子SWやカラーフィルタCFR,CFG,CFBによって生じる凹凸を平坦化する。
【0041】
有機絶縁層15は、コンタクトホールCHを有している。コンタクトホールCHは、
図4に示した隙間GPに位置し、有機絶縁層15を貫通している。有機絶縁層15の上には、画素電極PEが配置されている。画素電極PEは、コンタクトホールCHを通じて中継電極17に接触している。すなわち、画素電極PEは、コンタクトホールCHおよび中継電極17を通じてスイッチング素子SWに接続されている。
【0042】
第4絶縁層14は、画素電極PEおよび有機絶縁層15を覆っている。第4絶縁層14の上には、共通電極CEが配置されている。共通電極CEは、開口APにおいてスリットを有しており、画素電極PEと対向している。金属配線MLは、共通電極CEの上に配置され、共通電極CEと接触している。すなわち、金属配線MLには、共通電極CEと同じく共通電圧が印加される。金属配線MLは、透明導電材料で形成された共通電極CEを低抵抗化する。なお、金属配線MLは、共通電極CEの下に配置されてもよい。第1配向膜16は、共通電極CEおよび金属配線MLを覆っている。
【0043】
第2基板SUB2は、第1絶縁基材10と同様の材料で形成された第2絶縁基材20と、第2絶縁基材20の下面(第1基板SUB1側の面)を覆う第2配向膜21とを備えている。第1基板SUB1と第2基板SUB2は、周辺領域SAにおいて環状のシール材により貼り合わされている。第1基板SUB1と第2基板SUB2の間には、液晶層LCが封入されている。
【0044】
図4および
図5に示すように、走査線G、金属配線ML(第1線部ML1)およびコンタクトホールCHは、平面視において重なっている。例えば、走査線G、金属配線ML(第1線部ML1)およびコンタクトホールCHのY方向における中心は互いに一致する。
【0045】
走査線Gは、Y方向において第1線幅WL1を有している。金属配線MLの第1線部ML1は、Y方向において第2線幅WL2を有している。コンタクトホールCHは、スイッチング素子SW側の下端部O1において第1開口幅WO1を有し、下端部O1の反対側の上端部O2において第2開口幅WO2を有している。
【0046】
図4の例においては、走査線Gの幅が全体的に第1線幅WL1で一定であり、第1線部ML1の幅が全体的に第2線幅WL2で一定である。すなわち、コンタクトホールCHと重なる位置において、走査線Gの幅は第1線幅WL1であり、第1線部ML1の幅は第2線幅WL2である。なお、走査線Gや第1線部ML1の幅は、部分的に異なってもよい。
【0047】
本実施形態においては、第2線幅WL2が第1線幅WL1よりも小さい(WL1>WL2)。また、第2線幅WL2は、第1開口幅WO1および第2開口幅WO2よりも大きい(WL2>WO1,WO2)。第1線部ML1は、平面視において走査線Gと完全に重なっており、走査線Gからはみ出していない。また、コンタクトホールCHは、平面視において第1線部ML1と完全に重なっており、第1線部ML1からはみ出していない。
【0048】
第1線部ML1が走査線Gからはみ出すと、開口APが小さくなる。これを抑制すべく、第2線幅WL2は、第1線幅WL1より1μm以上小さいことが好ましい。一例として、第1線幅WL1は5μmであり、第2線幅WL2は4μmであり、第2開口幅WO2は3μmである。
【0049】
図5に示すように、コンタクトホールCHが形成された位置においては、有機絶縁層15と金属配線MLの間に設けられた層(本実施形態においては画素電極PE、第4絶縁層14および共通電極CE)がコンタクトホールCHの内側に窪む。これにより、これらの層にはコンタクトホールCHの形状に応じた凹部Rが形成される。この凹部Rにより、金属配線MLもコンタクトホールと重なる位置においてコンタクトホールCHの内側に窪む。
【0050】
コンタクトホールCHと重なる位置において、金属配線MLは、凹部Rにおける共通電極CEの内面を全体的に覆う第1部分P1と、凹部Rの周囲において共通電極CEの表面を覆う第2部分P2とを有している。第2部分P2の少なくとも一部は、共通電極CEのうちコンタクトホールCHと重ならない領域の表面(例えば開口APにおける共通電極CEの表面)よりも上方に突出している。
【0051】
図5の例においては、コンタクトホールCHの内側、より具体的には凹部Rにおける第1部分P1の内側が充填部材18により満たされている。充填部材18は、例えば有機絶縁層15と同様の有機材料で形成されている。充填部材18の上面は、第1配向膜16で覆われている。
【0052】
充填部材18を設けることにより、第1配向膜16がコンタクトホールCHと重なる位置で平坦化される。これにより、コンタクトホールCHの近傍において、液晶層LCに含まれる液晶分子の配向乱れを抑制できる。
【0053】
以上説明した本実施形態の構成においては、コンタクトホールCHが金属配線MLおよび走査線Gと重なる位置に設けられている。仮にコンタクトホールCHが開口APに位置する場合には、コンタクトホールCHに起因した表示の乱れを抑制するために、その領域を遮光する必要がある。これに対し、本実施形態の構成であれば、コンタクトホールCHが走査線Gおよび金属配線MLによって遮光されるので、開口APの大部分を表示のために使用できる。このように表示領域DAに配置される要素のレイアウトを効率化することにより、高精細な表示装置においても表示品位を高めることができる。
【0054】
第1基板SUB1がカラーフィルタCFR,CFG,CFBを備えるCOA方式の表示装置1においては、第2基板SUB2がカラーフィルタを備える場合に比べ、コンタクトホールCHが深く大きくなる。このようなCOA方式の表示装置1において本実施形態に係る金属配線ML、コンタクトホールCHおよび走査線Gのレイアウトを適用すれば、上述の効果はより顕著なものとなる。
【0055】
本実施形態においては金属配線MLがコンタクトホールCHにより生じる凹部Rの内面を覆っている。この場合には、コンタクトホールCHをより好適に遮光できる。
【0056】
高精細な表示装置において第2基板SUB2に格子状の遮光層(ブラックマトリクス)を配置すると、第1基板SUB1と第2基板SUB2の合わせずれが生じた際に、副画素の開口率が著しく低下し得る。これに対し、本実施形態のように金属配線MLを格子状に配置すれば、第2基板SUB2に遮光層を配置しなくても副画素の境界を遮光することができる。第2基板SUB2に遮光層を配置しない場合には、第1基板SUB1と第2基板SUB2の合わせずれに起因した開口率の低下も生じない。
【0057】
ここで、
図5に示すように、凹部Rの縁には、有機絶縁層15や、有機絶縁層15と金属配線MLの間に設けられた層(本実施形態においては画素電極PE、第4絶縁層14および共通電極CE)に角部Cが形成される。バックライト3から放たれ、第1偏光板5を通過した光の大部分は、走査線Gにより遮光されるために角部Cに到達しない。一方で、
図5に示すようにZ方向に対して大きく傾いた光Lは、走査線Gで遮光されずに角部Cに到達する。このような光Lは角部Cにおいて偏光解消されることがあり、偏光解消が生じると光Lの一部は副画素が黒表示であっても第2偏光板6を通過し得る。このような光漏れは、表示装置のコントラスト低下を招く。
【0058】
これに対し、本実施形態においては、金属配線MLが凹部Rの内側を覆う第1部分P1に加え、凹部Rの周囲を覆う第2部分P2を有している。この場合には、金属配線MLによって角部Cが遮光される。したがって、コンタクトホールCHの周囲における光漏れが抑制され、高コントラストかつ高精細の表示装置1を実現できる。
【0059】
なお、本実施形態においては、金属配線MLの第2線幅WL2がコンタクトホールCHの第1開口幅WO1および第2開口幅WO2よりも大きい場合を例示した。しかしながら、第2線幅WL2は、角部Cを遮光できる場合には、第1開口幅WO1以上かつ第2開口幅WO2以下であってもよいし、第1開口幅WO1未満であってもよい。
【0060】
以下に、第2乃至第9実施形態について説明する。これらの実施形態において特に言及しない構成および効果は、第1実施形態と同様である。
【0061】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態における第1基板SUB1の概略的な断面図である。本実施形態は、第1基板SUB1が第5絶縁層19をさらに備えるとともに、画素電極PEが第1電極E1および第2電極E2を含む点で第1実施形態と相違する。
【0062】
第1電極E1は、
図5に示した画素電極PEと同じく、有機絶縁層15の上に配置され、コンタクトホールCHを通じて中継電極17に接触している。第1電極E1は、第4絶縁層14で覆われている。
【0063】
第5絶縁層19は、例えば窒化シリコンや酸化シリコンなどの無機材料で形成され、共通電極CE、金属配線MLおよび充填部材18を覆っている。第2電極E2は、第5絶縁層19の上に配置され、第4絶縁層14および第5絶縁層19に設けられたコンタクトホールCH1を通じて第1電極E1に接触している。第2電極E2は、例えば長尺な1つまたは複数の電極部を開口APにおいて有しており、共通電極CEと対向している。第1配向膜16は、第2電極E2および第5絶縁層19を覆っている。
【0064】
本実施形態のように、画素電極PE(第2電極E2)が共通電極CEよりも上方に位置する場合においても、コンタクトホールCHや金属配線MLに関して第1実施形態と同様の構造を適用すれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態における副画素を構成する要素の一部を示す概略的な平面図である。ここでは主に副画素SPRの構成を例示するが、副画素SPG,SPBも副画素SPRと同様の構成を有している。
図7においては画素電極PE、共通電極CEおよびスイッチング素子SWなどの図示を省略している。
【0066】
本実施形態は、金属配線MLの形状において第1実施形態と相違する。すなわち、金属配線MLは、全体的に走査線Gと重畳し、かつ走査線Gと平行に延びおり、
図4に示した第2線部ML2に相当する部分を有していない。また、金属配線MLの幅は、全体的に第2線幅WL2で一定である。ただし、金属配線MLの幅は部分的に異なってもよい。
図7の例においては、第2線幅WL2がコンタクトホールCHの下端部O1の第1開口幅WO1および上端部O2の第2開口幅WO2よりも小さい。
【0067】
図8は、
図7におけるVIII-VIII線に沿う第1基板SUB1の概略的な断面図である。コンタクトホールCHの内側において、金属配線MLは凹部Rの底部に位置しており、その上面が全体的に充填部材18で覆われている。すなわち、金属配線MLは、
図5に示した第2部分P2に相当する部分を有していない。なお、コンタクトホールCHのX方向と平行な断面においては、金属配線MLが凹部Rの内面を全体的に覆っている。
【0068】
本実施形態においてもコンタクトホールCH、金属配線MLおよび走査線Gが重なっているため、表示領域DAに配置される要素の効率的なレイアウトを実現できる。また、コンタクトホールCHの一部を金属配線MLによって遮光することができる。
【0069】
[第4実施形態]
図9は、第4実施形態における第1基板SUB1の概略的な断面図である。この第1基板SUB1は、第2実施形態における
図6と同様に第5絶縁層19を備えるとともに、画素電極PEが第1電極E1および第2電極E2を含んでいる。さらに、金属配線MLが第3実施形態における
図5と同様の形状を有している。このような構成であっても、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
[第5実施形態]
図10は、第5実施形態における第1基板SUB1の概略的な断面図である。この第1基板SUB1は、金属配線MLが充填部材18の上方に位置している点で第1実施形態と相違する。具体的には、金属配線MLのY方向における中央部が充填部材18の上面に接触しており、金属配線MLのY方向における両端部が共通電極CEに接触している。例えば、金属配線MLは、
図4と同じ平面形状を有している。
【0071】
本実施形態のように金属配線MLを充填部材18の上方に配置すれば、コンタクトホールCHの位置においても金属配線MLを平坦な形状に維持できる。そのため、金属配線MLの断線を抑制できる。
【0072】
なお、金属配線MLは、凹部Rの周囲の角部Cと重なっている。これにより、第1実施形態と同じく、角部Cに到達する光に起因した光漏れを抑制できる。
【0073】
[第6実施形態]
図11は、第6実施形態における第1基板SUB1の概略的な断面図である。この第1基板SUB1は、第2実施形態における
図6と同様に第5絶縁層19を備えるとともに、画素電極PEが第1電極E1および第2電極E2を含んでいる。さらに、金属配線MLが第5実施形態における
図10と同様の形状を有している。このような構成であっても、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
[第7実施形態]
図12は、第7実施形態における副画素を構成する要素の一部を示す概略的な平面図である。ここでは主に副画素SPRの構成を例示するが、副画素SPG,SPBも副画素SPRと同様の構成を有している。
図12においては画素電極PE、共通電極CEおよびスイッチング素子SWなどの図示を省略している。
【0075】
本実施形態は、コンタクトホールCHと重なる位置に樹脂層7が配置されている点で第1実施形態と相違する。また、本実施形態においては、金属配線ML(第1線部ML1)の第2線幅WL2がコンタクトホールCHの第1開口幅WO1よりも小さい。樹脂層7は、例えば遮光性の黒色樹脂で形成されており、コンタクトホールCHを遮光する「遮光層」としての役割を有している。
【0076】
樹脂層7は、コンタクトホールCHの全体と重なっている。すなわち、樹脂層7のY方向における幅W7は、第2開口幅WO2よりも大きい。樹脂層7のX方向における幅は、例えば幅W7と同じである。
【0077】
樹脂層7が走査線Gからはみ出すと、開口APが小さくなる。これを抑制すべく、幅W7は、走査線Gの第1線幅WL1より1μm以上小さいことが好ましい。一例として、第1線幅WL1は5μmであり、幅W7は4μmであり、第2開口幅WO2は3μmである。
【0078】
図13は、
図12におけるXIII-XIII線に沿う第1基板の概略的な断面図である。金属配線MLは、第3実施形態の
図8と同じく凹部Rの底部に位置している。樹脂層7は、凹部Rを満たすとともに、凹部Rの周囲にはみ出している。
【0079】
すなわち、樹脂層7は、金属配線MLの上面および凹部Rにおける共通電極CEの内面を全体的に覆う第1部分71と、凹部Rの周囲において共通電極CEの表面を覆う第2部分72とを有している。第2部分72の少なくとも一部は、共通電極CEのうちコンタクトホールCHと重ならない領域の表面(例えば開口APにおける共通電極CEの表面)よりも上方に突出している。
【0080】
本実施形態のような遮光性の樹脂層7を設ければ、上述の角部Cが樹脂層7によって遮光される。これにより、第1実施形態と同じく、角部Cに到達する光に起因した光漏れを抑制できる。
【0081】
なお、本実施形態においては、樹脂層7の幅W7がコンタクトホールCHの第1開口幅WO1および第2開口幅WO2よりも大きい場合を例示した。しかしながら、幅W7は、角部Cを遮光できる場合には、第1開口幅WO1以上かつ第2開口幅WO2以下であってもよいし、第1開口幅WO1未満であってもよい。
【0082】
[第8実施形態]
図14は、第8実施形態における第1基板SUB1の概略的な断面図である。この第1基板SUB1は、第2実施形態における
図6と同様に第5絶縁層19を備えるとともに、画素電極PEが第1電極E1および第2電極E2を含んでいる。樹脂層30は、第5絶縁層19によって覆われている。その他の構成は第7実施形態と同様である。本実施形態の構成であっても、第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0083】
[第9実施形態]
図15は、第9実施形態における表示パネル2の概略的な断面図である。この表示パネル2においては、カラーフィルタCFR,CFBが第1基板SUB1ではなく第2基板SUB2に設けられている。
図15の断面には表れていないが、カラーフィルタCFGも第2基板SUB2に設けられている。第1基板SUB1の構成は、カラーフィルタCFR,CFG,CFBが配置されていない点を除き、第1実施形態における
図5と同様である。
【0084】
カラーフィルタCFR,CFG,CFBは、第2絶縁基材20と第2配向膜21の間に位置している。第2絶縁基材20とカラーフィルタCFR,CFG,CFBの間や、第2配向膜21とカラーフィルタCFR,CFG,CFBの間に絶縁層が配置されてもよい。カラーフィルタCFR,CFG,CFBのうちY方向に隣り合う2つの境界は、金属配線ML、走査線GおよびコンタクトホールCHと重なっている。
【0085】
本実施形態においても、コンタクトホールCHの内側や上述の角部Cが金属配線MLによって遮光される。これにより、第1実施形態と同じく、角部Cに到達する光に起因した光漏れを抑制できる。
【0086】
なお、本実施形態では第1実施形態に係る表示パネル2の構成においてカラーフィルタCFR,CFG,CFBを第2基板SUB2に設ける例を示したが、第2乃至第8実施形態に係る表示パネル2の構成においても同様にカラーフィルタCFR,CFG,CFBを第2基板SUB2に設けてもよい。
【0087】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置、アレイ基板および電子機器等も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0088】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0089】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0090】
1…表示装置、2…表示パネル、15…有機絶縁層、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、LC…液晶層、G…走査線、S…信号線、ML…金属配線、CH…コンタクトホール、SPR,SPG,SPB…副画素、CFR,CFG,CFB…カラーフィルタ、SW…スイッチング素子、PE…画素電極、CE…共通電極。