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特開2022-85333基板搬送装置、基板処理装置、基板の搬送方法、および基板の処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085333
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】基板搬送装置、基板処理装置、基板の搬送方法、および基板の処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20220601BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20220601BHJP
   B65G 49/06 20060101ALI20220601BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B08B3/02 C
B65G49/06 Z
H01L21/304 643B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020196955
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】松井 絵美
(72)【発明者】
【氏名】亀井 健吾
(72)【発明者】
【氏名】西部 幸伸
【テーマコード(参考)】
3B201
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
3B201AA01
3B201AB13
3B201BB21
3B201BB92
3B201CB11
3B201CC01
3B201CC12
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA10
5F131BA05
5F131BA18
5F131BA37
5F131CA07
5F131CA08
5F131EC23
5F157AA02
5F157AB26
5F157AB33
5F157AB62
5F157BB23
5F157CB01
5F157CB16
5F157CF90
(57)【要約】
【課題】反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板を良好に処理することができる基板搬送装置、基板処理装置、基板の搬送方法、および基板の処理方法を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る基板搬送装置は、反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板を、搬送治具で挟む治具配置部と、前記基板を前記搬送治具に挟んだ状態で搬送する搬送部と、を備えている。前記搬送治具は、処理流体を透過させ、前記基板に接触可能な透過部を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板を、搬送治具で挟む治具配置部と、
前記基板を前記搬送治具に挟んだ状態で搬送する搬送部と、
を備え、
前記搬送治具は、処理流体を透過させ、前記基板に接触可能な透過部を有する基板搬送装置。
【請求項2】
前記処理流体による処理が済んだ前記基板を、前記搬送治具から分離する分離部をさらに備えた請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項3】
反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板の、一方の面に対向して設けられる第1の部分と、前記基板の他方の面に対向して設けられる第2の部分と、を有し、前記第1の部分と前記第2の部分は、処理流体を透過させ、前記基板に接触可能な透過部を有する搬送治具を用い、
前記第1の部分と、前記第2の部分と、により、前記基板を挟む治具配置部と、
前記基板を前記搬送治具に挟んだ状態で搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される、前記搬送治具に挟まれた前記基板に処理流体を供給する処理部と、
を備えた基板処理装置。
【請求項4】
処理が済んだ前記基板を、前記搬送治具から分離する分離部をさらに備えた請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板を、処理流体を透過させ、前記基板に接触可能な透過部を有する搬送治具で挟んで矯正した状態で、第1の位置と、第2の位置との間で搬送する基板の搬送方法。
【請求項6】
前記処理流体による処理が済んだ前記基板を、前記搬送治具から分離する工程をさらに備えた請求項5記載の基板の搬送方法。
【請求項7】
反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板の、一方の面に対向して設けられる第1の部分と、前記基板の他方の面に対向して設けられる第2の部分と、を有し、前記第1の部分と前記第2の部分は、処理流体を透過させ、前記基板に接触可能な透過部を有する搬送治具を用い、
前記基板を前記搬送治具に挟んだ状態で搬送するとともに、前記搬送治具に挟まれた前記基板に前記処理流体を供給する基板の処理方法。
【請求項8】
処理が済んだ前記基板を、前記搬送治具から分離する工程をさらに備えた請求項7記載の基板の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、基板搬送装置、基板処理装置、基板の搬送方法、および基板の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ、半導体装置、フォトマスクなどの製造工程において、基板の表面に処理液を供給して基板の表面を処理したり、基板の表面に洗浄液を供給して基板の表面を洗浄処理したりすることが行われている。例えば、複数の回転ローラにより基板を搬送するとともに、基板の表面に処理液や洗浄液を供給し、その後、基板の表面に気体を噴射して基板の表面を乾燥する技術が提案されている。(例えば、特許文献1を参照)
ここで、基板に反りが生じている場合がある。例えば、基板の製造工程において加熱が行われると、発生した熱応力により基板が反る場合がある。基板が反っていると、基板の表面において、処理液や洗浄液の量に分布が生じて、処理ムラや洗浄ムラなどが発生する場合がある。
【0003】
また、基板の乾燥の際に、エアナイフなどの気体を噴射するノズルを用いる場合がある。ノズルを用いる場合、ノズルと基板との間の距離を大きくすると、基板の表面における気体の流速が遅くなったり、流量が少なくなったりする。そのため、一般的には、ノズルと基板との間の距離が小さくなっている。
【0004】
ところが、基板の乾燥の際に、基板は、ノズルの下方や上方を通過する。そのため、ノズルと基板との間の距離を小さくすると、反っている基板とノズルとが干渉して、基板が損傷するおそれがある。
【0005】
そこで、反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板を良好に処理することができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-10096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板を良好に処理することができる基板搬送装置、基板処理装置、基板の搬送方法、および基板の処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る基板搬送装置は、反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板を、搬送治具で挟む治具配置部と、前記基板を前記搬送治具に挟んだ状態で搬送する搬送部と、を備えている。前記搬送治具は、処理流体を透過させ、前記基板に接触可能な透過部を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板を良好に処理することができる基板搬送装置、基板処理装置、基板の搬送方法、および基板の処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る基板搬送装置、および基板処理装置を例示するための模式平面図である。
図2】基板搬送装置、および基板処理装置を例示するための模式断面図である。
図3】搬送治具を例示するための模式分解図である。
図4】他の実施形態に係る搬送治具を例示するための模式分解図である。
図5】他の実施形態に係る搬送治具を例示するための模式分解図である。
図6】1組の、シャフト、搬送ローラ、ガイドローラ、および上載せローラを例示するための模式図である。
図7】搬入部を例示するための模式断面図である。
図8】第1のアームを例示するための模式平面図である。
図9】搬出部を例示するための模式断面図である。
図10】エアナイフを例示するための模式側面図である。
図11】エアナイフを例示するための模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る基板搬送装置10、および基板処理装置1を例示するための模式平面図である。
図2は、基板搬送装置10、および基板処理装置1を例示するための模式断面図である。
図1および図2に示すように、基板処理装置1には、基板搬送装置10、および処理部20が設けられている。
【0012】
基板搬送装置10は、例えば、搬送部11、搬入部12、および搬出部13を有する。
搬送部11は、搬送治具14で挟まれた状態の基板100を搬送する。基板100は、反っている基板100、あるいは、反りが生じる可能性がある基板100である。搬送部11は、例えば、搬入部12、処理部20、および搬出部13において、搬送治具14に挟まれた基板100を搬送する。搬送部11は、搬送治具14に挟まれた基板100を水平に搬送するものであってもよいし、水平に対して所定の角度傾斜させて搬送するものであってもよい。
【0013】
基板100は、例えば、フラットパネルディスプレイ、半導体装置、フォトマスクなどに用いられるガラス基板、樹脂基板、半導体基板とすることができる。また、基板100は、例えば、板状のガラス基板の表面に、樹脂層が設けられたものなどであってもよい。基板100の平面形状は、例えば、四角形や円とすることができる。以下においては、基板100の平面形状が四角形の場合を例に挙げて説明する。
なお、基板100の材料、構成、平面形状などは、例示をしたものに限定されるわけではない。すなわち、基板100は、反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板であれば特に限定はない。
【0014】
例えば、基板100の厚みが薄く、平面寸法が大きい場合などには、基板100が撓んだり、基板100が変形したりして反りが生じる場合がある。また、基板100の製造工程において加熱が行われると、発生した熱応力により基板100が反る場合がある。また、例えば、板状のガラス基板の表面に、樹脂層が設けられている場合などには、材料の熱膨張係数の差に起因する熱応力により基板100が反る場合がある。
【0015】
後述するように、基板100の表面には処理液や洗浄液が供給されるので、基板100が反っていると、基板100の表面における処理液や洗浄液の量に分布が生じて、処理ムラや洗浄ムラなどが発生する場合がある。また、後述するように、基板100の乾燥を行う際には、エアナイフなどの気体を噴射するノズルが用いられる。ノズルと基板100との間の距離を大きくすると、基板100の表面における気体の流速が遅くなったり、流量が少なくなったりする。そのため、ノズルと基板100との間の距離は小さくすることが好ましい。ところが、基板100は、ノズルの下方や上方を通過するので、基板100が反っていると、基板100とノズルとが干渉して、基板100が損傷するおそれがある。
【0016】
そこで、搬送部11は、反っている基板100、あるいは、反りが生じる可能性がある基板100を搬送治具14に挟んだ状態で搬送する。
【0017】
図3は、搬送治具14を例示するための模式分解図である。
図3に示すように、搬送治具14は、例えば、第1の部分14a、および第2の部分14bを有する。基板100を搬送治具14に挟んだ状態で搬送する際、第1の部分14aは、例えば、基板100の一方の面(図3においては上面)に対向して設けられる。第2の部分14bは、例えば、基板100の他方の面(図3においては下面)に対向して設けられる。
【0018】
第1の部分14aは、例えば、枠部14a1、および透過部14a2を有する。
枠部14a1は、基板100の周縁近傍に接触することができる。枠部14a1は、枠状を呈している。枠部14a1の中央領域には、厚み方向を貫通する孔が設けられている。平面視における枠部14a1の輪郭の形状は、基板100の平面形状と同じとすることができる。一例として、基板100は一辺が500mm程度の矩形状であり、基板100の厚み0.3mm程度に対し、枠部14a1の厚みは1mm程度とされる。
【0019】
平面視において、枠部14a1の外側面は、基板100の周縁の外側に位置することができる。平面視において、枠部14a1の内側面は、基板100の周縁の内側に位置することができる。この様にすれば、基板100の周縁が枠部14a1の内側面と干渉して、基板100が損傷するのを抑制することができる。また、枠部14a1により基板100の周縁近傍を押さえつけることが可能となる。
【0020】
枠部14a1の材料は、ある程度の剛性を有し、供給される処理流体(エッチング液などの処理液、リンス液、洗浄液、乾燥の際に用いられる気体など)に対する耐性を有するものであれば特に限定はない。枠部14a1の材料は、例えば、ステンレスとすることができる。
【0021】
透過部14a2は、基板100の中央領域に接触することができる。また、透過部14a2は、供給された処理流体を透過させることができる。透過部14a2は、枠部14a1の、基板100側の面、枠部14a1の内側、および枠部14a1の、基板100側とは反対側の面のいずれかに設けることができる。透過部14a2は、厚み方向を貫通する複数の孔を有する。
【0022】
透過部14a2は、例えば、複数の線状材を有し、線状材同士の間に空間が設けられたものとすることができる。複数の線状材は、一方向に並べることもできるし、図3に示すように、複数の方向に並べることもできる。複数の線状材を複数の方向に並べる場合には、例えば、複数の線状材を複数の方向に格子状に結びつけた網などとすることもできる。
また、透過部14a2は、例えば、厚み方向を貫通する複数の孔を有する板材などとすることもできる。
【0023】
透過部14a2の材料は、ある程度の剛性を有し、供給される処理流体に対する耐性を有するものであれば特に限定はない。透過部14a2の材料は、例えば、ステンレスとすることができる。
【0024】
第2の部分14bは、例えば、枠部14b1、および透過部14b2を有する。
枠部14b1は、前述した枠部14a1と同じとすることもできるし、寸法や材料などが異なるものとすることもできる。
透過部14b2は、前述した透過部14a2と同じとすることもできるし、寸法や材料などが異なるものとすることもできる。
ただし、第2の部分14bが第1の部分14aと同じであれば、製造コストの低減、製造工程や生産管理の簡略化などを図ることができる。
【0025】
図3に示すように、基板100は、第1の部分14aと第2の部分14bの間に挟まれる。この際、基板100の周縁近傍は、枠部14a1と枠部14b1に接触する。基板100の中央領域は、透過部14a2および透過部14b2の少なくともいずれかと接触する場合がある。第1の部分14aが基板100の上側に位置し、第2の部分14bが基板100の下側に位置する場合、基板100は、第1の部分14aの重さで第2の部分14bに押し付けられる。この場合、基板100の全面を略均等に押圧することができるので、基板100に局部的な力が作用するのを抑制することができる。そのため、基板100に傷などの損傷が発生するのを抑制することができる。
【0026】
反りがある基板100を搬送治具14で挟めば、基板100の反りを小さくすることができる。そのため、基板100の表面における処理液や洗浄液の量に分布が生じることで発生していた、処理ムラや洗浄ムラなどが発生するのを抑制することができる。また、ノズルと基板100との間の距離を小さくしても、基板100とノズルとが干渉して、基板100が損傷するのを抑制することができる。
【0027】
また、第1の部分14aは、基板100を介して、第2の部分14bの上に載っているだけのため、反りがある基板100の反力により、基板100と、第1の部分14aあるいは第2の部分14bとの間の一部に隙間が生じる。また、第1の部分14aと第2の部分14bを平坦に加工することは困難であるため、上記した隙間は、製造上の加工誤差で生じる場合もある。このように、基板100と、第1の部分14aあるいは第2の部分14bとの間の一部に隙間があれば、基板100の上面に供給された処理流体は、主に基板100と第1の部分14aとの間の隙間を介して、また基板100の下面に供給された処理流体は、透過部14b2に加え、基板100と第2の部分14bとの間の隙間を介して排出される。そのため、基板100の表面に処理流体が残留することで発生する処理ムラや洗浄ムラなどを抑制することができる。
【0028】
図4は、他の実施形態に係る搬送治具114を例示するための模式分解図である。
図4に示すように、搬送治具114は、例えば、第1の部分114a、および第2の部分114bを有する。
第1の部分114aは、例えば、前述した第1の部分14aに、厚み方向を貫通する孔114a1を追加したものである。孔114a1は、枠部14a1における、基板100が接触する領域の外側に複数設けることができる。
【0029】
第2の部分114bは、例えば、前述した第2の部分14bにピン114cを追加したものである。ピン114cは、枠部14b1における、基板100が接触する領域の外側に複数設けることができる。ピン114cは、第2の部分114bから第1の部分14aに向けて突出している。ピン114cは、孔114a1の内部に挿入可能となっている。
【0030】
なお、前述した第1の部分14aに孔114a1を設け、前述した第2の部分14bにピン114cを設ける場合を例示したが、前述した第1の部分14aにピン114cを設け、前述した第2の部分14bに孔114a1を設けるようにしてもよい。
【0031】
以上の様にすれば、第1の部分114aと第2の部分114bが、ピン114cを介して連結されるので、第1の部分114a、第2の部分114b、および基板100の相対的な位置がズレるのを抑制することができる。
【0032】
図5は、他の実施形態に係る搬送治具214を例示するための模式分解図である。
図5に示すように、搬送治具214は、例えば、第1の部分14a、第2の部分14b、およびヒンジ214aを有する。
ヒンジ214aは、第1の部分14aと第2の部分14bを回動可能に連結している。例えば、第2の部分14bの上に基板100を載置し、ヒンジ214aにより第1の部分14aを回動させて、第1の部分14aを基板100の上に載置することができる。
【0033】
この様にすれば、第1の部分14aと第2の部分14bが、ヒンジ214aを介して連結されるので、第1の部分14a、第2の部分14b、および基板100の相対的な位置がズレるのを抑制することができる。
【0034】
次に、図2に戻って、搬送部11についてさらに説明する。
搬送部11は、例えば、シャフト11a、搬送ローラ11b、ガイドローラ11c、および上載せローラ11dを複数組有する。
図6は、1組の、シャフト11a、搬送ローラ11b、ガイドローラ11c、および上載せローラ11dを例示するための模式図である。
図6に示すように、シャフト11aは、例えば、円柱状を呈し、搬送治具14に挟まれた基板100を搬送する方向(以下、単に、搬送方向と称する)と略直交する方向に延びている。また、図2に示すように、複数のシャフト11aは、搬送方向に並べて設けることができる。複数のシャフト11aは、図示しないモータなどの駆動機器により回転可能となっている。
【0035】
搬送ローラ11bは、1つのシャフト11aに複数設けることができる。搬送ローラ11bは、例えば、円筒状を呈し、シャフト11aの軸方向に間隔をあけて複数設けることができる。搬送ローラ11bは、例えば、搬送治具14の第2の部分14bに接触し、搬送治具14に搬送力を伝達する。搬送ローラ11bは、搬送治具14に保持された基板100には接触しない。
【0036】
ガイドローラ11cは、1つのシャフト11aに一対設けることができる。ガイドローラ11cは、例えば、円筒状を呈し、シャフト11aの両端側にそれぞれ1つずつ設けることができる。一対のガイドローラ11cの間には、複数の搬送ローラ11bを並べて設けることができる。ガイドローラ11cは、搬送方向に略直交する方向における搬送治具14の位置を規制する。ガイドローラ11cの内側の側面には、搬送治具14の側面が接触するが、ガイドローラ11cは搬送ローラ11bと共に回転するので、搬送治具14が制動されるのを抑制することができる。また、ガイドローラ11cの内側の側面は、傾斜面とすることもできる。傾斜面は、シャフト11a側になるに従い搬送ローラ11bに近づく方向に傾斜するものとすることができる。ガイドローラ11cの内側の側面が傾斜面となっていれば、搬送治具14の位置が外側に外れた場合には、搬送治具14の位置を内側に寄せることができる。また、搬送されてくる搬送治具14が、ガイドローラ11cに侵入し易くなる。
【0037】
上載せローラ11dは、シャフト11aの上方に一対設けることができる。なお、上載せローラ11dは、シャフト11aの真上のみならず、例えば、搬送方向にズレた位置に設けることもできる。上載せローラ11dは、例えば、円筒状を呈し、ガイドローラ11cの近傍に設けられた搬送ローラ11bの上方、または、搬送ローラ11bの上方の近傍に設けることができる。
【0038】
なお、上載せローラ11dは、一部のシャフト11aの上方にだけ設けるようにしてもよい。例えば、上載せローラ11dは、搬入部12における搬送治具14と基板100の搬入領域や、搬出部13における搬送治具14と基板100の搬出領域には設けられていない。また、処理部20においても、必要に応じて設けることができる。ただし、処理部20においては、上載せローラ11dが、全てのシャフト11aの上方に設けられてることが好ましい。この様にすれば、前述した処理ムラや洗浄ムラの抑制、ノズルとの干渉の抑制などを図るのが容易となる。
【0039】
上載せローラ11dは、搬送治具14の第1の部分14aに接触し、第1の部分14aを第2の部分14b側に押圧する。例えば、バネなどの付勢部材や自重により、上載せローラ11dを第1の部分14a側に付勢することができる。また、搬送ローラ11bおよび上載せローラ11dの少なくともいずれかの弾性力により、第1の部分14aと第2の部分14bを押圧することができる。
【0040】
上載せローラ11dが設けられていれば、第1の部分14aおよび第2の部分14bを介して基板100を押圧することができる。第1の部分14aにおける上載せローラ11dによって押圧されている部分に対応する基板100の周縁近傍は、枠部14a1と枠部14b1とにより挟持されて密着状態となり、場合によっては、基板100の中央領域が、透過部14a2および透過部14b2の少なくともいずれかと接触する。そのため、基板100の反りが大きい場合であっても、反りの大きさを適切な範囲に収めることができる。その結果、処理ムラや洗浄ムラなどが生じたり、ノズルと搬送治具14が干渉したりするのを抑制することができる。
また、上載せローラ11dが設けられていれば、第1の部分14aがズレるのを抑制することができる。
【0041】
一方、例えば、隣接する上載せローラ11d間の領域や、枠部14a1における基板100の搬送方向に直交する方向に延びる辺など、上載せローラ11dが存在しない部分においては、前述したように、反りがある基板100の反力、あるいは第1の部分14a、第2の部分14bの加工誤差などにより、基板100と、第1の部分14aあるいは第2の部分14bとの間の一部に隙間が生じ(すなわち密着せず)、基板に供給された処理流体などの排出孔となる。
なお、搬送治具14を構成する第1の部分14aの枠部14a1と、第2の部分14bの枠部14b1と、のそれぞれ対向面に、排出孔としての溝や孔を、枠部の外側面から内側面に延びるように形成しても良い。
【0042】
上載せローラ11dは、搬送ローラ11bと共に、図示しないモータなどの駆動機器により回転させることができる。上載せローラ11dは、搬送されてくる搬送治具14により回転力が付与されるものであってもよい。
また、搬送治具14を構成する第1の部分14aの重さが、上載せローラ11dの押圧力の代わりとなるのであれば、上載せローラを設けない構成とすることもできる。
【0043】
図7は、搬入部12を例示するための模式断面図である。
図1および図7に示すように、搬入部12は、例えば、カセット12a、供給装置12b、および搬送ロボット12cを有する。
【0044】
カセット12aは、例えば、搬送ロボット12c側の端部が開口した箱状体とすることができる。カセット12aの内部には、複数の第1の部分14a、および複数の第2の部分14bを収納することができる。複数の第1の部分14a、および複数の第2の部分14bは、所定の間隔を空けて、鉛直方向に並べて収納することができる。
【0045】
図7に示すように、カセット12aは、例えば、シャフト11aの上方に設けることができる。ただし、カセット12aの位置は、搬送ロボット12cによる第1の部分14aおよび第2の部分14bの受け渡しが可能な位置であれば良い。カセット12aは、着脱自在に設けられている。そのため、収納されていた第1の部分14a、および第2の部分14bが無くなった際には、複数の第1の部分14a、および複数の第2の部分14bが収納されているカセット12aに置き換えることができる。
【0046】
図1に示すように、供給装置12bは、処理前の基板100を載置する基板置場30とすることができる。基板置場30の上面には複数個(図1では4本)の保持ピン31が設けられる。保持ピン31の上には、不図示の搬送ロボットなどにより、処理前の基板100が供給されて載置される。なお、供給装置12bは、処理前の基板100を搬送するコンベア、処理前の基板100を収納するカセットなどとすることもできる。これらの供給装置12bは、例えば、複数のシャフト11aが並ぶ方向に設けることができる。ただし、供給装置12bの位置は、搬送ロボット12cによる基板100の受け渡しが可能な位置であれば良い。
【0047】
搬送ロボット12cは、例えば、複数のシャフト11aが並ぶ方向と略直交する方向に設けることができる。搬送ロボットは12cは、図1に矢印aで示すように、基板100の搬送方向に沿って移動することが可能とされる。ただし、搬送ロボット12cの位置は、第1の部分14a、第2の部分14b、および基板100の受け渡しが可能な位置であれば良い。
【0048】
図7に示すように、搬送ロボット12cは、第1のアーム32、および第2のアーム33を有する。第1のアーム32は、基板置場30に載置された処理前の基板100の受け渡しを行う。第2のアーム33は、第1の部分14aおよび第2の部分14bを順次受け渡す。受け渡し先は、一例として、搬入部12に設けられる搬送ローラ11bの上とすることができる。基板100の受け渡しに用いる第1のアーム32と、第1の部分14aおよび第2の部分14bの受け渡しに用いる第2のアーム33とを別々に設ければ、第1の部分14aおよび第2の部分14bの汚れが、基板100に付着するのを抑制することができる。
【0049】
搬入部12において、搬送ロボット12cにより、第1の部分14a、基板100、および第2の部分14bが、上からこの順となるように重ね合わせられると、以後、基板100はこの状態で搬送ローラ11bによって処理部20へと搬送されることになる。なお、搬入部12に設けられた搬送ローラ11bの駆動を一時的に停止させておき、第1の部分14aと第2の部分14bとで挟まれた基板100が搬送ローラ11bに載置される毎に、この搬送ローラ11bの駆動を開始させるようにしてもよい。
【0050】
第1のアーム32および第2のアーム33は、所定の間隔をあけて鉛直方向に並べて設けることができる。第1のアーム32および第2のアーム33は、図示しない駆動部により、昇降、伸縮、および水平面内における旋回が可能とすることができる。第1のアーム32および第2のアーム33は、例えば、同じ構成を有することができる。
【0051】
図8は、第1のアーム32を例示するための模式平面図である。
図8に示すように、第1のアーム32は、例えば、伸縮部34、およびフィンガ35を有する。
伸縮部34は、例えば、リンク機構を有し、図示しない駆動部により、伸縮が可能となっている。
【0052】
フィンガ35は、伸縮部34の先端側に設けることができる。フィンガ35は、例えば、第1の保持部36、および第2の保持部37を有する。 第1の保持部36は、一方向に延びた形態を有し、互いに平行となるように複数設けられている。第1の保持部36は、第2の保持部37よりも長い。第1の保持部36の先端は、第2の保持部37の先端よりも突出している。第1の保持部36の先端には突起を設けることができる。複数の第1の保持部36は、第2の保持部37に対して、個別にスライド可能となっている。
第2の保持部37は、例えば、櫛状を呈している。
【0053】
第1の保持部36の先端の突起に、搬送治具14(第1の部分14a、第2の部分14b)の側面、および基板100の側面の少なくともいずれかが接触した場合、伸縮部34の伸びによる第1の保持部36の移動が停止し、伸縮部34の伸びによる第2の保持部37の移動(受け渡し)が行われる。
【0054】
なお、搬送部11の上において、第1の部分14a、基板100、および第2の部分14bを順次重ねる場合を例示したが、これに限定されるわけではない。例えば、搬送部11の外側に載置台を設け、載置台の上で、第1の部分14a、基板100、および第2の部分14bを順次重ね、これを、搬送ロボット12cなどにより、搬送部11の上に移載してもよい。
【0055】
以上に説明した実施形態においては、搬入部12に設けられた搬送ロボット12cが、基板100を搬送治具14で挟む治具配置部となる。
【0056】
図9は、搬出部13を例示するための模式断面図である。
図1および図9に示すように、搬出部13は、例えば、カセット12a、搬出装置13b、および搬送ロボット12cを有する。
【0057】
カセット12aは、処理済みの基板100から取り外された第1の部分14a、および第2の部分14bを収納することができる。
図9に示すように、カセット12aは、例えば、シャフト11aの上方に設けることができる。ただし、カセット12aの位置は、搬送ロボット12cによる第1の部分14aおよび第2の部分14bの受け渡しが可能な位置であれば良い。カセット12aは、着脱自在に設けられている。そのため、複数の第1の部分14a、および複数の第2の部分14bが収納されたカセット12aは、搬送ロボット(不図示)あるいはオペレータによって、搬入部12に搬送することができる。すなわち、第1の部分14aおよび第2の部分14bは、繰り返し使用することができる。
【0058】
搬出装置13bは、搬入部12に設けたものと同様な基板置場、処理済みの基板100を搬送するコンベア、処理済みの基板100を収納するカセットなどとすることができる。図1に示すように、搬出装置13bは、例えば、複数のシャフト11aが並ぶ方向に設けることができる。ただし、搬出装置13bの位置は、搬送ロボット12cによる基板100の受け渡しが可能な位置であれば良い。
【0059】
搬送ロボット12cは、搬入部12に設けたものと同様なものが設けられ、例えば、複数のシャフト11aが並ぶ方向と略直交する方向に設けることができる。ただし、搬送ロボット12cの位置は、第1の部分14a、第2の部分14b、および基板100の受け渡しが可能な位置であれば良い。
【0060】
前述したように、基板100の受け渡しに用いる第1のアーム32と、第1の部分14aおよび第2の部分14bの受け渡しに用いる第2のアーム33とが別々に設けられているので、第1の部分14aおよび第2の部分14bの汚れが、処理済みの基板100に付着するのを抑制することができる。
【0061】
搬入部12に設けられた搬送ロボット12cは、第1の部分14a、基板100、および第2の部分14bを、重ね合わせる動作を行ったが、搬出部13に設けられる搬送ロボット12cは、搬出部13に到達した搬送治具14を、第1の部分14a、基板100、そして第2の部分14bの順に個別に取り出して分離する動作である点で相違する。
そのために、搬送ロボット12cは、フィンガ35の先端部分を第1の部分14aと基板100との間、基板100と第2の部分14bとの間、に順次挿入して互いに分離させながら取り出す。
【0062】
なお、搬送部11の上において、第1の部分14a、基板100、および第2の部分14bを順次取り出す場合を例示したが、これに限定されるわけではない。例えば、搬送部11の外側に載置台を設け、搬送ロボット12cなどにより、載置台の上に、処理済みの基板100が挟まれた搬送治具14を移載し、載置台の上で、第1の部分14a、基板100、および第2の部分14bを順次取り出してもよい。
【0063】
以上に説明した実施形態においては、搬出部13に設けられた搬送ロボット12cが、処理が済んだ基板100を、搬送治具14から分離する分離部となる。
【0064】
図1および図2に示すように、処理部20は、搬入部12と搬出部13の間に設けられている。処理部20は、搬送部11により搬送される、搬送治具14に挟まれた基板100に処理流体を供給する。
例えば、図1および図2に例示をした様に、処理部20は、処理液供給部21、リンス液供給部22、洗浄液供給部23、および乾燥部24を有することができる。なお、処理部20の構成は例示をしたものに限定されるわけではなく、必要となる処理の内容に応じて適宜変更することができる。例えば、基板100の洗浄のみを行う場合には、処理部20は、洗浄液供給部23、および乾燥部24を有していればよい。
【0065】
図2に示すように、処理液供給部21は、搬入部12の搬出側に設けることができる。 処理液供給部21は、例えば、チャンバ21a、およびノズル21bを有する。
チャンバ21aは、箱状を呈している。チャンバ21aの両端面には、搬送部11を挿通させるための開口が設けられている。また、開口の開閉を行うシャッタ21a1を設けることもできる。シャッタ21a1が設けられていれば、ノズル21bから吐出された処理液が、搬入部12やリンス液供給部22に侵入するのを抑制することができる。
【0066】
ノズル21bは、チャンバ21aの内部であって、搬送部11の上方に複数設けることができる。複数のノズル21bには、図示しない供給装置から処理液が供給される。供給された処理液は、複数のノズル21bから、搬送治具14に挟まれた基板100に向けて吐出される。処理液は、例えば、エッチング液、現像液、剥離液などとすることができる。なお、処理液は例示をしたものに限定されるわけではなく、処理の目的に応じて適宜変更することができる。
【0067】
例えば、搬送治具14の上方から処理液を供給する場合には、第1の部分14aの透過部14a2を介して、処理液が基板100の表面に到達する。基板100の表面に到達した処理液により、基板100に所定の処理が施される。使用済みの処理液は、基板100と、第1の部分14aあるいは第2の部分14bとの間の隙間を介して搬送治具14の外部に排出される。
【0068】
搬送治具14は、その搬送中において、上載せローラ11dによって押圧される箇所が変化する。そして、その変化に伴い、基板100と、第1の部分14aあるいは第2の部分14bとの間で形成される隙間の位置も変化することになる。これにより、基板において、接液しない部分が発生しないようにすることができ、基板の良好な処理に貢献する。また、基板100の応力を分散させることもできる。
これは、後述する、リンス処理、洗浄処理においても同様である。
【0069】
リンス液供給部22は、処理液供給部21の搬出側に設けることができる。
リンス液供給部22は、例えば、チャンバ22a、およびノズル22bを有する。
チャンバ22aは、箱状を呈している。チャンバ22aの両端面には、搬送部11を挿通させるための開口が設けられている。また、開口の開閉を行うシャッタ22a1を設けることもできる。シャッタ21a1およびシャッタ22a1が設けられていれば、ノズル22bから吐出されたリンス液が、処理液供給部21や洗浄液供給部23に侵入するのを抑制することができる。
【0070】
ノズル22bは、チャンバ22aの内部であって、搬送部11の上方に複数設けることができる。複数のノズル22bには、図示しない供給装置からリンス液が供給される。供給されたリンス液は、複数のノズル22bから、搬送治具14に挟まれた基板100に向けて吐出される。
【0071】
例えば、搬送治具14の上方からリンス液を供給する場合には、第1の部分14aの透過部14a2を介して、リンス液が基板100の表面に到達する。基板100の表面に到達したリンス液により、基板100の表面にリンス処理が施される。使用済みのリンス液は、基板100と、第1の部分14aあるいは第2の部分14bとの間の隙間を介して搬送治具14の外部に排出される。
【0072】
洗浄液供給部23は、リンス液供給部22の搬出側に設けることができる。
洗浄液供給部23は、例えば、チャンバ23a、シャワーノズル23b、およびシャワーノズル23cを有する。
チャンバ23aは、箱状を呈している。チャンバ23aの両端面には、搬送部11を挿通させるための開口が設けられている。また、開口の開閉を行うシャッタ23a1を設けることもできる。シャッタ22a1およびシャッタ23a1が設けられていれば、シャワーノズル23bおよびシャワーノズル23cから吐出された洗浄液が、リンス液供給部22や乾燥部24に侵入するのを抑制することができる。
【0073】
シャワーノズル23bは、チャンバ23aの内部であって、搬送部11の上方と下方に設けることができる。シャワーノズル23bには、図示しない供給装置から洗浄液が供給される。供給された洗浄液は、シャワーノズル23bから、搬送治具14に挟まれた基板100に向けて吐出される。
【0074】
例えば、搬送治具14の上方から洗浄液を供給する場合には、第1の部分14aの透過部14a2を介して、洗浄液が基板100の表面に到達する。基板100の表面に到達した洗浄液により、基板100の表面が洗浄される。使用済みの洗浄液は、基板100と、第1の部分14aあるいは第2の部分14bとの間の隙間を介して搬送治具14の外部に排出される。
【0075】
例えば、搬送治具14の下方から洗浄液を供給する場合には、第2の部分14bの透過部14b2を介して、洗浄液が基板100の裏面に到達する。基板100の裏面に到達した洗浄液により、基板100の裏面が洗浄される。使用済みの洗浄液の大部分は、透過部14b2を介して、搬送治具14の下方に排出される。
【0076】
シャワーノズル23cは、チャンバ23aの内部であって、搬送部11の上方に複数設けることができる。シャワーノズル23cは、シャワーノズル23bと乾燥部24との間に設けることができる。シャワーノズル23cには、図示しない供給装置から洗浄液が供給される。シャワーノズル23cに供給される洗浄液は、シャワーノズル23bに供給される洗浄液よりも洗浄度が高いものとすることができる。供給された洗浄液は、シャワーノズル23cから、搬送治具14に挟まれた基板100に向けて吐出される。
【0077】
乾燥部24は、洗浄液供給部23の搬出側に設けることができる。
乾燥部24は、例えば、チャンバ24a、およびエアナイフ24bを有する。
チャンバ24aは、箱状を呈している。チャンバ24aの両端面には、搬送部11を挿通させるための開口が設けられている。また、開口の開閉を行うシャッタ24a1を設けることもできる。シャッタ23a1およびシャッタ24a1が設けられていれば、エアナイフ24bから吐出したエアにより吹き飛ばされた洗浄液などが、洗浄液供給部23や搬出部13に侵入するのを抑制することができる。
【0078】
エアナイフ24bは、チャンバ24aの内部であって、搬送部11の上方と下方に設けることができる。エアナイフ24bには、図示しない供給装置から清浄な圧縮気体が供給される。供給された圧縮気体は、エアナイフ24bから、搬送治具14に挟まれた基板100に向けて吐出される。
【0079】
図10は、エアナイフ24bを例示するための模式側面図である。
図11は、エアナイフ24bを例示するための模式平面図である。
図10に示すように、一対のエアナイフ24bは、搬送部11を挟んで対向している。エアナイフ24bの搬送部11側の端部には、線状のスリット(吹き出し口)24b1が設けられている。
【0080】
図11に示すように、エアナイフ24bは、基板100が挟まれた搬送治具14の搬送方向と交差する方向に延びている。そのため、スリット24b1も、搬送方向と交差する方向に延びている。また、搬送治具14が基板100を挟んだ状態で搬送部11により搬送されている状態下において、第1の部分14aの透過部14a2に設けられた複数の開口が、スリット24b1が延びる方向と直交する方向に並ぶようにすることができる。第2の部分14bの透過部14b2に設けられた複数の開口が、スリット24b1が延びる方向と直交する方向に並ぶようにすることができる。つまり、複数の開口の配列方向をスリット24b1から供給される圧縮気体の吐出方向に揃えることで、基板100の乾燥不良や処理液の再付着を防止することができる。
【0081】
搬送治具14の上方から供給された圧縮気体は、第1の部分14aの透過部14a2を介して、基板100の表面に到達する。搬送治具14の下方から供給された圧縮気体は、第2の部分14bの透過部14b2を介して、基板100の裏面に到達する。そのため、圧縮気体により、基板100の表面と裏面を乾燥させることができる。
【0082】
以上に説明した様に、本実施の形態に係る基板の搬送方法は、反っている基板、あるいは、反りが生じる可能性がある基板を、処理流体を透過させ、基板に接触可能な透過部を有する搬送治具で挟んで矯正した状態で、第1の位置と、第2の位置との間で搬送する。
【0083】
また、本実施の形態に係る基板の処理方法は、基板100の一方の面に対向して設けられる第1の部分14aと、基板100の他方の面に対向して設けられる第2の部分14bと、を有する搬送治具14を用いる。そして、基板100を搬送治具14に挟んだ状態で搬送するとともに、搬送治具14に挟まれた基板100に処理流体を供給する。
この場合、第1の部分14a、および第2の部分14bは、処理流体を透過させ、基板100に接触可能な透過部14a2、14b2を有する。
また、基板の搬送方法、および基板の処理方法は、処理が済んだ基板100を、搬送治具14から分離する工程をさらに備えることができる。
なお、本実施の形態に係る基板の搬送方法、および基板の処理方法の内容は、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
【0084】
以上、実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、基板搬送装置1が備える要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0085】
1 基板処理装置、10 基板搬送装置、11 搬送部、11a シャフト、11b 搬送ローラ、11c ガイドローラ、11d 上載せローラ、12 搬入部、13 搬出部、14 搬送治具、14a 第1の部分、14a1 枠部、14a2 透過部、14b 第2の部分、14b1 枠部、14b2 透過部、20 処理部、100 基板、114 搬送治具、114a 第1の部分、114b 第2の部分、114c ピン、214 搬送治具、214a ヒンジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11